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特許7126331センサアレイ、センサアレイを動作させる方法、センサアレイを動作させる方法を実行するためのコンピュータプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-18
(45)【発行日】2022-08-26
(54)【発明の名称】センサアレイ、センサアレイを動作させる方法、センサアレイを動作させる方法を実行するためのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/24 20210101AFI20220819BHJP
【FI】
A61B5/24
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020565537
(86)(22)【出願日】2019-02-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-07
(86)【国際出願番号】 EP2019053140
(87)【国際公開番号】W WO2019154989
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2020-10-12
(31)【優先権主張番号】102018202073.6
(32)【優先日】2018-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509250021
【氏名又は名称】アルベルト‐ルートヴィヒス‐ウニヴェルズィテート フライブルク
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】マノリ イアノス
(72)【発明者】
【氏名】デ ドリゴ ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】モランツ クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】グラフ ハーゲン
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-514944(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0265543(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0313501(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/0538
A61B 5/06-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブ信号(112)を供給するための基部(110、210、330、966、1310)と、
複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)であって、前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の各モジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)は、
CMOSシリコン基板と、
アナログ生体信号(1321~132n、130)を受信するように構成された、少なくとも1つのセンサ素子と、
前記アナログ生体信号(1321~132n、130)をデジタルセンサ信号(1341~134n)に変換するように構成される、現場アナログデジタル・コンバータ(2261~226n)と、
前記デジタルセンサ信号(1341~134n)を前記基部(110、210、330、966、1310)に供給するように構成され、通信インタフェースと、
備える、複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)と、
を備えるセンサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)であって
前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の前記通信インタフェース(2281~228n、3281~328n、440、460、550)は、互いに及び前記基部(110、210、330、966、1310)に対して直列で接続される
ことを特徴とする、センサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)。
【請求項2】
前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の各モジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)は、前記基部(110、210、330、966、1310)から構成データを受信するように構成された通信インタフェース(2281~228n、3281~328n、440、460、550)を備え、
前記モジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)は、受信した前記構成データに基づいて、前記モジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の動作に関するパラメータを適合させるように構成され、
前記構成データは前記各モジュール記録サイトの状態に関する情報を含み、前記各モジュール記録サイトは、前記各モジュール記録サイトを記録する信号が有効になるまたは無効になるように、前記パラメータを適合させるように構成される、および/または、
前記構成データはアナログデジタル変換のスケーリングに関する情報を含み、前記モジュール記録サイトは前記パラメータを適合させて、前記各モジュール記録サイトのアナログデジタル変換のスケーリングを変化させるように構成される
ことを特徴とする、請求項1に記載のセンサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)。
【請求項3】
前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の各モジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)は通信インタフェース(2281~228n、3281~328n、440、460、550)を備え、前記通信インタフェース(2281~228n、3281~328n、440、460、550)はシリアルインタフェースを備え、
前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の前記通信インタフェース(2281~228n、3281~328n、440、460、550)は、前記基部(110、210、330、966、1310)から前記センサアレイのセンサアレイエンドポイント(230、310)までのフォワードパス(352)と、前記センサアレイエンドポイント(230、310)から前記基部(110、210、330、966、1310)までのバックワードパス(354)を含むシリアル通信チェーンにおいて互いに接続され、第1のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)と接する第2のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)とのペアのそれぞれについて、前記第1のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の前記通信インタフェース(2281~228n、3281~328n、440、460、550)は前記フォワードパス(352)に接続され、前記第2のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の前記通信インタフェース(2281~228n、3281~328n、440、460、550)は前記バックワードパス(354)に接続される
ことを特徴とする、請求項1または請求項に記載のセンサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)。
【請求項4】
前記基部(110、210、330、966、1310)は、前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)から結合センサ信号を受信するように構成され、前記結合センサ信号は、前記モジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の各々の前記デジタルセンサ信号(1341~134n)を結合したものであることを特徴とする、請求項1ないし請求項の1項に記載のセンサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)。
【請求項5】
前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の各モジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)は、デルタシグマアナログデジタルコンバータ(2261~226n)を備えることを特徴とする、請求項1ないし請求項の1項に記載のセンサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)。
【請求項6】
前記複数(120、220)の前記モジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の各モジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)は、前記アナログ生体信号(1321~132n、130)を前記デジタルセンサ信号(1341~134n)に直接変換するように構成された積分器(3241~324n、420、510、921)および量子化器(3251~325n、430、520、928)を備えることを特徴とする、請求項1ないし請求項の1項に記載のセンサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)。
【請求項7】
前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の各モジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)は、隣接するモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)とは無関係に、前記アナログ生体信号(1321~132n、130)を前記デジタルセンサ信号(1341~134n)に変換するように構成されることを特徴とする、請求項1ないし請求項の1項に記載のセンサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)。
【請求項8】
前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)は軸方向に沿って配置されて、軸方向に沿ってアレイを形成し、
前記基部(110、210、330、966、1310)の前記軸方向に垂直な第1の垂直方向に沿っての伸長部分はほぼ、前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の前記第1の垂直方向に沿っての伸長部分であり、
前記基部(110、210、330、966、1310)の前記軸方向に垂直な第2の垂直方向に沿っての伸長部分はほぼ、前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の前記第2の垂直方向に沿っての伸長部分であることを特徴とする、請求項1ないし請求項の1項に記載のセンサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)。
【請求項9】
前記センサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)の軸延長に垂直な平面における前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の断面は、モジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の数とは無関係であることを特徴とする、請求項1ないし請求項の1項に記載のセンサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)。
【請求項10】
前記センサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)は、前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)を含む1つ以上の列を備えることを特徴とする、請求項1ないし請求項の1項に記載のセンサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)。
【請求項11】
前記複数のモジュール記録サイトの第1のサブセットは第1の半導体基板上に配置され、近接し、且つ隣接する、前記複数のモジュール記録サイトの第2のサブセットは第2の半導体基板上に配置され、前記第1の半導体基板及び前記第2の半導体基板は、間隙によって互いに離間して配置され、且つ少なくとも1つの導電線によって互いに電気的に接続されることを特徴とする、請求項1ないし請求項10の1項に記載のセンサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの導電線は、フレキシブル基板上または基板内に配置されることを特徴とする、請求項11に記載のセンサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)。
【請求項13】
前記基部(110、210、330、966、1310)は、前記プローブ信号(112)を供給するための有線出力インタフェース(218、260、340、942、962)を備え、前記有線出力インタフェース(218、260、340、942、962)のチャネル数は、前記モジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の数とは無関係であり、且つ前記センサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)の軸延長に垂直な平面における前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の断面とは無関係であることを特徴とする、請求項1ないし請求項12の1項に記載のセンサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)。
【請求項14】
前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)は前記基部(110、210、330、966、1310)と前記センサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)のセンサアレイエンドポイント(230、310)との間に配置され、前記センサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)は尖峰を形成することを特徴とする、請求項1ないし請求項13の1項に記載のセンサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)。
【請求項15】
前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)は筐体を備え、前記筐体は、前記アナログ生体信号(1321~132n、130)を受信するためのセンサ部分(2221~222n、3221~322n、410、4101~4104、511、964)を備え、且つ近接するモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の前記筐体のセンサ部分(2221~222n、3221~322n、410、4101~4104、511、964)から前記センサ部分(410)を絶縁するための絶縁部分(968)を備えることを特徴とする、請求項1ないし請求項14の1項に記載のセンサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)。
【請求項16】
前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)は筐体を備え、前記筐体は、前記アナログ生体信号(1321から132n、130)を受信するための2つ以上のセンサ部分(2221~222n、3221~322n、410、4101~4104、511、964)を備え、且つそれぞれのセンサ部分(2221~222n、3221~322n、410、4101~4104、511、964)を前記2つ以上のセンサ部分(2221~222n、3221~322n、410、4101~4104、511、964)のうちのもう一方のセンサ部分から絶縁するための絶縁部分(968)を備えることを特徴とする、請求項1ないし請求項15の1項に記載のセンサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)。
【請求項17】
前記センサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)の少なくとも1つのモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)は、少なくとも第1および第2のセンサ素子(2221~222n、3221~322n、410、511、964)で前記アナログ生体信号をサンプリングして、前記第1および前記第2のセンサ素子(2221~222n、3221~322n、410、511、964)の出力を前記デジタルセンサ信号に多重化するように構成されることを特徴とする、請求項1ないし請求項16の1項に記載のセンサアレイ(100、200、300、
700、800、940、950、1100、1300)。
【請求項18】
前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の各モジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)は、アナログ部分(360、920)とデジタル部分(350、910)とに分割され、
前記アナログ部分(360、920)および前記デジタル部分(350、910)は別個の供給ルーティング(214、334、335、337、514)を備え、
前記デジタル部分(350、910)は、第1(390、930)の導体素子によって前記アナログ部分(360、920)からシールドされ、
第2(392)の導体素子は、前記センサ素子(2221~222n、3221~322n、410、511、964)のコネクタ(250、323)を取り囲むように配置されて、前記アナログ部分(360、920)および前記デジタル部分(350、910))を前記センサ素子(222 1 ~222 n 、322 1 ~322 n 、410、511、964)からシールドするようになっており
前記アナログ部分(360、920)は、前記センサ素子(2221~222n、3221~322n、410、511、964)が受信した前記アナログ生体信号(1321~132n、130)を前記デジタルセンサ信号(1341~134n)に変換するように構成され、
前記アナログ部分(360、920)および前記デジタル部分(350、910)は結合されて、前記デジタルセンサ信号(1341~134n)を前記デジタル部分(350、910)に供給し、
前記デジタル部分(350、910)は、前記デジタルセンサ信号(1341~134n)を前記基部(110、210、330、966、1310)に供給するように構成される
ことを特徴とする、請求項1ないし請求項17の1項に記載のセンサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)。
【請求項19】
前記センサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)は生物医学センサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)であることを特徴とする、請求項1ないし請求項1の1項に記載のセンサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)。
【請求項20】
ンサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)の複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)のセンサにより、アナログ生体信号(1321~132n、130)を記録するステップと、
前記センサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)の前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)を用いて、前記アナログ生体信号(1321~132n、130)を複数のデジタルセンサ信号(1341~134n)に変換するステップと、
前記複数のデジタルセンサ信号(1341~134n)を、前記センサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)の前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の通信インタフェース(2281~228n、3281~328n、440、460、550)を用いて、前記センサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)の基部(110、210、330、966、1310)に供給するステップと、
互いに、および前記基部(110、210、330、966、1310)に対して直列で接続されている前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)の前記通信インタフェース(2281~228n、3281~328n、440、460、550)を用いて、前記複数のデジタルセンサ信号(1341~134nを前記基部(110、210、330、966、1310)に直列に供給するステップと、
前記センサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)の前記基部(110、210、330、966、1310)によって、前記センサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)の前記複数(120、220)のモジュール記録サイト(1221~122n、122e;2241~224n;3201~320n;3211~3213;400;500、514;900)から前記複数の前記デジタルセンサ信号(1341~134n)を受信するステップと、
前記センサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)の前記基部(110、210、330、966、1310)によって前記複数のデジタルセンサ信号(1341~134n)を処理してプローブ信号(112)を得るステップと、
遠隔装置のための、前記センサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)の前記基部(110、210、330、966、1310)に前記プローブ信号(112)を供給するステップと
によって、請求項1ないし請求項19の1項に記載の前記センサアレイ(100、200、300、700、800、940、950、1100、1300)を動作させる方法。
【請求項21】
コンピュータ上で動作しているときに、請求項20に記載の方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明による実施の形態は、ニューロンのプローブ等のセンサアレイ、センサアレイを動作させる方法、及びセンサアレイを動作させる方法を実行するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
生医学的な測定技術等におけるセンサの応用では、体内の多数(100以上)のセンサ信号は、外部の電子機器に接続して、伝達する必要がある。これは、特に、ニューロンセンサの場合には、小さなセンサ、及び電極のそれぞれの個数は、可能な限り大きく、脳組織内のニューラル信号を検出するための装置に取り付けられる。信号は、信号を処理して格納できるコンピュータ制御システムまで、外部に送られる。そのようなニューロン・センサ・システムは、一般的には、神経科学、または、脳活動研究を扱う応用領域で応用される。
【0003】
一般的に、ニューロン針は、複数の電極と、針の先端の基部(base)に信号を伝える導電性トレースとから成る。この先端で、ケーブルは、信号を外部の信号処理装置へ伝達するために取付けられる。一般的に、信号処理は、プリアンプ、フィルタ及びA/Dコンバータのチェーンから成る。受動針では、能動的な読み出し電子機器は針に実装されていないが、能動針では、電子機器は、部分的にまたは完全に、基部の中に組み込まれている。
【0004】
ニューロン信号は、数ミリボルトまでの振幅を持つ低周波信号(局所電界電位)、及び数百ミリボルトまでの振幅を持つ高周波信号(活動電位)の2つの主要なタイプ、に分けることができる。
【0005】
振幅が非常に小さいので、特に信号を外部に伝送する導体の長さが数センチメートルの場合、干渉源に影響されやすい。
【0006】
ラインキャパシタンスのような寄生効果によって、異なる信号が1つの針上で互いに干渉することがあり、元のソース/電極が、もはや識別できなくなることがある(クロストーク)。
【0007】
ニューロン針が、一般的に脳組織内に導入されなければならないという要件は、アプリケーションにとって別の重要な側面をもたらす:脳組織内に手術で導入されている間の組織損傷を最小限にすることである。そのため、針は、できるだけ小さい断面積を有する必要がある。これが、これまでのところ軸については成功裏に実現されているが、これまでに発表されたすべてのニューロン針は、そのサイズのために、脳組織内に埋め込むことができない大きな基部を有している。そのため、最大導入深さは、針の長さに制限されている。
【0008】
ニューロン信号を評価するもう一つの手順は、マルチ電極アレイ(MEA)の使用である。このようなシステムでは、脳スライスをニューロンセンサの二次元アレイに配置し、脳スライスのニューロン活動を測定することができる。
【0009】
一般的に、記述されたアプリケーションに使用できる設計の異なる多数のニューロンプローブが、すでに存在する。すべての既知のシステムは、電子的統合の程度に基づいて分類することができる。
【0010】
ニューロン評価システムは、3つのグループに分割することができる。
【0011】
1つのグループは、電子機器を持たない受動システムを備える。そのようなシステムは、電極及び電気導体から成り、導体は、センサからの信号を外部インターフェースまで導く。主にフレキシブル基板上に、複数の異なる実装が存在する。概要は、[1]で見られる。これらのシステムは、少数の電極に制限される。
【0012】
もう一つのグループは、受動的な電子システムから成る。受動的なCMOSセンサ・システムでは、能動的な評価電子機器は、実装されていない、しかし、主に、電気的に制御されたスイッチングは、外部接触に繋がる導体の1つを用いて、特定のセンサ素子(例えば、電極)と接続することを可能にしている。評価電子機器は、システムの外側に設置されている。同時に読み出せる電極の数は、基台のコンタクトの数によって制限される。論文[2]、及び[3]は、ニューロン針を記述する、ところが、論文[4]は、二次元のMEA-システムを導入し、そして、それは受動的な概念に基づく。
【0013】
第3のグループは、能動的な電子システムを備える。能動的な針の中の、評価電子機器の一部は、チップ[5、6]内に集積される。ここで、信号チェーン例えば、信号増幅器、アナログ-デジタル変換、デジタル処理/インターフェースは、基部の中に集積される。[2]と[3]と同様に、シャフトそれ自体は、選ばれた電極から基部までニューロン信号を運ぶ電子制御スイッチ及びプリアンプを含む。類似した能動MEA-システムは、しかしながら、[7]で記述される。その上、センサノードの選択のためのスイッチに対して、評価回路の一部は、センサアレイ(フィルタ及びプリアンプ)内に集積される。アナログからデジタルへの変換は、感知エリアの外部である。
【0014】
既知の解決策は、欠点を示す。すべての既知の解決策は、非常に大きな基部(感知領域の外側の電子機器)を有し、それゆえに、ニューロン針の場合には、組織に完全に浸漬することができるわけではない。その上、基部のサイズは、侵襲的な外科的処置を必要とする。並行に読み出すことができるセンサノード(例えば、電極)の数は、電極から基部電子機器まで、アナログ信号を伝えるためのシャフト幅、及び利用可能領域のそれぞれに依存する。信号を外側に伝えるためには、他の解決策では、多くの端子があり、それゆえ、取り扱うのが困難である。受動針では、端子の数は、同時に読み出すことができる電極の数に正比例する。
【0015】
既知の解決策では、センサからベースまで、感知できるニューロン信号を伝える。このため、外部からの干渉源に対して特に敏感であり、チャンネル間のクロストークに影響されやすい。受動システムと比較して、能動的な概念は、場所で信号を先に増幅することによって信号の完全性を改善する(その場/電極の下で)。すべての既知の概念が、同時に電極の任意の数を読み出すのに適しているわけではない。さらに、シャフトの導体は、それにも係わらず、アナログ信号を導いており、それは実際に増幅されるが、外乱に対して完全に鈍感ではない。
【0016】
電極の数が増えると、従来の装置は、プローブの基部に多数の相互接続を必要とするか、あるいは、同時に読み出す電極の数を減らすだけで済むようにする必要がある[8、3]。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、基部のサイズを減少し、任意の数のセンサノードの同時読み出しを可能にし、複雑さとの間でより良い妥協案を構築する概念が得られることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本願発明の発見は、測定されるべきアナログ信号、特に、生体信号、例えば生化学信号およびより具体的にはニューロン、筋肉、脳、または耳および/または目のような、身体の他の部分から得られるものとしてのニューロン信号などを、局所的に、換言すれば、電極の場所で、デジタルセンサ信号に変換することによって、デジタルセンサ信号を得ることができるということである。このように、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトで受信された生体信号を、デジタルセンサ信号を基部に提供する前に、それぞれのモジュール記録サイトで、デジタルセンサ信号に直接変換すると、さらに効率的であり、複雑さを低減することができる。このように、読み出し電子機器の信号チェーン(最先端の)は、プリアンプ、増幅およびフィルタリングを省略することによって低減され、生体信号(例えば、センサ信号)の局所的なアナログ-デジタル変換に置き換えられる。デジタルセンサ信号(それぞれ、デジタルデータ)のみが、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトから基部に伝達され(例えば、シャフトに沿って)、感度の高い信号(例えば、アナログ信号)は、伝達されないので、(ほぼ)、各モジュール記録サイト(例えば、センサ)間のクロストークは測定されず、光源または電磁界などの外部干渉源に対する高いロバスト性が存在する。このように、デジタルセンサ信号は、歪みに対してロバストであり、および/または、小型の通信インターフェースを可能にする、複数のさらなる信号と組み合わせてもよい。さらに、測定値のためのセンサ素子を搭載した記録サイトの数が多いにもかかわらず小型の基部が得られる。
【0019】
実施の形態によるニューロンプローブのようなセンサアレイは、これにも係わらず、複雑さは、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトにおいて局所的に、生体信号をデジタル信号に変換することによって、複雑さを低減することができるように、高効率を維持することにより、基部のサイズを小さくして実装することができる。この変換により、モジュール記録サイトの個数が多くても、任意の個数のモジュール記録サイト接触することができる。
【0020】
この発明による実施の形態は、プローブ信号を提供するように構成された基部を備えるセンサアレイに関する。センサアレイは、複数のモジュール記録サイトを備える。複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトは、信号を受信し、信号をデジタルセンサ信号に変換し、デジタルセンサ信号を基部に供給するように構成されている。基部は、複数のモジュール記録サイトから複数のデジタルセンサ信号を受信するように構成され、プローブ信号を供給するように複数のデジタルセンサ信号を処理するように構成されている。
【0021】
複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトは、例えば、信号を示す生体信号を受信する。換言すれば、信号は、実施の形態によれば生体信号である。生体信号は、生体信号からデジタルセンサ信号への変換がアナログ-デジタル変換によって実行されるように、アナログ信号である。これは、例えば、各モジュール記録サイトに実装されたアナログ-デジタル変換器によって実現される。複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトからのデジタルセンサ信号は、例えば、基部によって受信される。それにより、基部は、最先端のアクティブセンサアレイのようなアナログ-デジタル変換器を備える必要はない。このように、基部は、例えば最先端のセンサアレイの基部と比較して、全ての記録サイト、および/または、ADCs(アナログ-デジタル変換器)、および/または、フィルタおよび/または、増幅器のために、例えば、それぞれ、導体のような、少数の構成要素を必要とするので、基部は、例えば、小さなサイズで実装される。また、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトが生体信号をデジタルセンサ信号に直接変換することにより、複数のモジュール記録サイトの任意の数のモジュール記録サイトと接触することが可能となる。
【0022】
実施の形態では、複数のモジュール記録サイトの、各モジュール記録サイトは、通信インターフェースを備える。通信インターフェースは、例えば、基部から構成データを受信することができる。受信した構成データに基づいて、モジュール記録サイトは、例えば、モジュール記録サイトの動作に関連するパラメータを適応させることができる。構成データは、例えば、各モジュール記録サイトの状態に関する情報、例えば、各モジュール記録サイトのオン状態、または、オフ状態を保持することができる。したがって、どのモジュール記録サイトが記録すべきか、従って信号を受信すべきかを選択することができる。例えば、構成データの形で受信可能な情報は、アナログからデジタルの変換のスケーリングの変更を含んでいてもよい。通信インターフェースは、各モジュール記録サイトと、基部との間の通信を可能にするインターフェースである。この場合、通信インターフェースは、たとえば、構成モードで動作する。
【0023】
センサアレイの実施の形態では、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトは、各モジュール記録サイトの通信インターフェースを使用して、基部に、デジタルセンサ信号を供給するように構成されている。複数のモジュール記録サイトの通信インターフェースは、互いに基部に対して直列接続されている。これは、複数のモジュール記録サイトの全てのモジュール記録サイトを同時に読み出せることを意味する。この場合、通信インターフェースは、例えば、通常の動作モードである。各モジュール記録サイトの通信インターフェースは、例えば、各モジュール記録サイトの各デジタルセンサ信号を、他のモジュール記録サイトのそれぞれの位置に対して、順次転送する。そのようにすれば、各モジュール記録サイトのデジタルセンサ信号を、隣接するモジュール記録サイトのデジタルセンサ信号にリンクさせて、基部に搬送することができる。そのようにすれば、例えば、複数のモジュール記録サイトのうちの1つのモジュール記録サイトから、複数のモジュール記録サイトのうちの隣接するモジュール記録サイトまでの接続数が、非常に少なく抑えられ、干渉の影響を受けやすいアナログ信号(例えば、各モジュール記録サイトが受信した生体信号)は、基部には伝達さられない。また、全ての信号がデジタル化され(これは、例えば、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトが受信した各生体信号がデジタルセンサ信号に変換されることを意味する)、その場で直接(例えば、各モジュール記録サイト上で)、通信インターフェースを介して、基部にシリアル送信されるため、センサアレイは、基部への回線数が非常に少なくて済む。このように、センサアレイは、デジタルセンサ信号を基部に転送するために、複数のモジュール記録サイトの、各モジュール記録サイトからの回線数が少なくて済むので、複雑さが軽減されるだけでなく、センサアレイの基部やシャフトのサイズも小さくなる。また、複数のモジュール記録サイトの通信インターフェースを互いに基準にして基部にシリアル接続することにより、センサアレイが、任意の数のモジュール記録サイトに接続することも可能となる。
【0024】
このように、このモジュールシステムの概念によれば、例えば、最小の複雑さで、任意の数のモジュール記録サイト(例えば、任意のトポロジー、または、形状のニューロン電極でも)に接触させ、基部のサイズを小さくしてモジュール記録サイトの同時読み出しを可能にする。
【0025】
実施の形態では、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトは、通信インターフェースを備える。通信インターフェースは、シリアルインターフェースを備える。複数のモジュール記録サイトの通信インターフェースは、例えば、基部から、センサアレイのセンサアレイ端点(end point)までのフォワードパスと、センサアレイ端点から、基部までのバックワードパスとからなるシリアル通信チェーンの中で互いに接続されている。ここで、センサアレイ端点は、生物医学センサアレイの端点、特に、先端部である。
【0026】
第1のモジュー記録サイトと、直接隣接する第2のモジュール記録サイトとを備える、それぞれの一対について、第1のモジュール記録サイトの通信インターフェースは、フォワードパスに接続されており、第2のモジュール記録サイトの通信インターフェースは、バックワードパスに接続されている。各モジュール記録サイトからのデジタルセンサ信号は、クロックと同様に、例えば、1つのモジュール記録サイトから次のモジュール記録サイトに転送される(例えば、直接隣接するモジュール記録サイトまで)。クロックは、例えば、それぞれのモジュール記録サイトから、それぞれのモジュール記録サイトまで、若干遅れて転送されることにより、デジタル供給ノイズを分散させ、ピーク時の消費電流を低減することができる。
【0027】
モジュール記録サイトは、例えば、フォワードチェーンとフォワードクロックに接続された第1のモジュール記録サイトと、バックワードチェーンとバックワードクロックに接続された第2のモジュール記録サイトとからなる2つモジュール記録サイトのブロックにグループ化されている。したがって、例えば、全ての第2のモジュール記録サイトのシリアルインターフェースは、フォワードチェーンに接続/結合され、他の全てのモジュール記録サイトのシリアルインターフェースは、バックワードチェーンに接続/結合されている。第1のチェーン及び第2のチェーンは、デジタルセンサ信号が、基部に転送されるように基部に結合される。また、フォワードチェーンとバックワードチェーンにペアのモジュール記録サイトを使用する代わりに、2の倍数(例えば、4つのモジュール記録サイト、最初の2つがフォワードチェーンに接続され、2つ目の2つがバックワードチェーンに接続されている、または6つのモジュール記録サイト、最初の3つがフォワードチェーンに接続され、2つ目の3つがバックワードチェーンに接続されている)を使用することもでき、一方向に1つのチェーンだけの単一のモジュールを使用することもできる。後者の1チェーンのみの場合には、全てのモジュール記録サイトがフォワードチェーンに接続されている場合には、チェーンの端部から基部までの追加のデジタルワイヤがバックワードパスとして機能してもよいし、全てのモジュール記録サイトがバックワードチェーンに接続されている場合には、基部からチェーンの端部までの追加のデジタルワイヤがフォワードパスとして機能しなければならない。フォワードパス及びバックワードパスのいずれか一方の経路のみが使用されるが、必須ではない単一のモジュール解決策と比較して、フォワードパス及びバックワードパス上のモジュール記録サイトのペアを使用する実装は、より効率的である。このようにして、各モジュール記録サイトによって提供される各デジタルセンサ信号は、基部に非常に高速に転送され、実施の形態によれば、各モジュール記録サイトと基部との間ではデジタル信号のみが交換される。複数のモジュール記録サイトを同時に読み出すことが可能であり、基部に転送された各デジタルセンサ信号は、各モジュール記録サイトと各モジュール記録サイトおよび基部とを接続するフォワードチェーンおよびバックワードチェーンの実施の形態により、特定のモジュール記録サイトに割り当てることができる。
【0028】
実施の形態では、基部は、複数のモジュール記録サイトから、結合されたセンサ信号を受信するように構成されており、結合されたセンサ信号は、それぞれのモジュール記録サイトのデジタルセンサ信号を備える。結合されたセンサ信号は、例えば、それぞれのモジュール記録サイトのそれぞれのデジタルセンサ信号のシーケンス、またはそれぞれのモジュール記録サイトのそれぞれのデジタルセンサ信号とそれぞれのモジュール記録サイトのそれぞれのデジタルセンサ信号との重畳である。この実施の形態によれば、例えば、複数のモジュール記録サイトの、各モジュール記録サイト基部と接続し、結合されたデジタルセンサ信号を基部に転送するデジタルデータバスが1つだけ必要とされるので、センサアレイの複雑さを低減し、基部のサイズを小さくすることができる。
【0029】
従って、実施の形態では、複数のモジュール記録サイトの各モジュラー記録サイトは、通信インターフェースを構成する。複数のモジュール記録サイトの通信インターフェースは、互いに、基部に対して平行に接続されている。これは、例えば、複数のモジュール記録サイトと基部との間に並列に接続されたインターフェースと理解することができる。これは、例えば、複数のモジュール記録サイトからの全てのデジタルセンサ信号が、並列にベースに送られることを意味する。また、例えば、複数のチェーンを並列に実装して
読み出すことができ、例えば、第1チェーンに第1のモジュール記録サイトと第2のモジュール記録サイトが接続された第1チェーン、第2チェーンに第3のモジュール記録サイトと第4のモジュール記録サイトが接続された第2チェーン、第3チェーンに第5のモジュール記録サイトと第6のモジュール記録サイトが接続された第3チェーン、第1チェーンに第7のモジュール記録サイトと第8のモジュール記録サイトが接続された第4チェーンなどが挙げられる。これは、例えば、4つのチェーンが基部に結合されており、ここで、基部は、4つのチェーンを同時に読み出すように構成され、外部インターフェースのために、入力されたデジタルセンサ信号をシリアル化するように構成されていることを意味する。この実施形態は、デジタルセンサ信号の形でのデータを非常に速く読み出すことができるという利点があり、したがって、センサアレイはより効率的になる。
【0030】
実施の形態では、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトは、デルタシグマ-アナログデジタル変換器を構成する。最大の生体信号、特にニューロン信号であっても、数十ミリボルトの範囲内にしかなく、要求される直線性が低いので、各モジュール記録サイトにおけるGm-C(容量Cと組み合わせた増幅器のトランスコンダクタンスGmを用いた積分器)ベースのインクリメンタルデルタシグマ-アナログ-デジタル変換器を用いた直接変換(例えば、各モジュール記録サイトによる)が実施される。一次変調器(例えば、デルタシグマ-ADC(ADCはアナログデジタルコンバータ))は、1つの積分器とコンデンサだけを必要とし、正確な時定数、したがってローカルバイアスが必要ないので、最小限のシリコン面積の実装を可能にする。複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトによるデルタシグマ-アナログデジタル変換器の使用は、各モジュール記録サイトによる受信信号を各モジュール記録サイトで直接デジタルセンサ信号に変換できるという利点を有する。このようにして、各モジュール記録サイトから基部へ(ほぼ)電磁干渉やクロストークに対して鈍感なデジタルセンサ信号が送信される。それによって、センサアレイは非常に正確になる。この実施形態の別の利点は、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトから基部に転送された信号は、デジタルセンサ信号への信号の変換が基部に実装されており、基部が非常に大きくなる従来技術のようなセンサアレイの代わりに、すでにデジタル化されていることであり、本願発明によるセンサアレイでは、基部のサイズは小さくすることができる。連続時間デルタシグマ変換器は、それらの要求電流が減少することが知られている。さらに、デルタシグマ-アナログデジタル変換器は、暗黙のアンチエイリアシングフィルタ効果を構成することが知られている。このように、追加回路ブロックとしての専用のアンチエイリアシングフィルタの必要性を省略することができるので、より多くの電流と追加面積を節約することができる。したがって、センサアレイの複雑さは小さい。
【0031】
実施の形態では、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトは、積分器と、信号を直接デジタルセンサ信号に変換するように構成された量子化器とから構成されている。積分器は、例えば、OTA-C積分器(それぞれ、オペレーショナル・トランスコンダクタンス増幅器+キャパシタンス)、すなわち単段デルタシグマADCである。しかし、センサアレイの異なる設計に対してより最適であるかもしれない、さらに高次のADC(高次はより多くの積分器を意味する)を実装することも可能である。単一分岐OTA-C積分器の出力は、電流フィードバックのためのスイッチを駆動する量子化器、すなわちコンパレータおよび出力ラッチに接続されている。複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトの積分器は、信号を受信し、信号を積分するように構成されており、積分された信号を得るように構成されている。複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトの量子化器は、ラッチ付きコンパレータと出力ラッチとから構成されている。ラッチ付きコンパレータは、統合された信号を受信し、統合された信号を量子化するように構成されている。出力ラッチは、コンパレータ出力に基づいて、積分器への電流フィードバックのためのフィードバックスイッチを駆動するように構成されている。デジタルレベルの入力信号で動作するフィードバック電流およびフィードバックスイッチのノイズ
は、主要なノイズ寄与要因と比較して無視できる程度である。Gm-C積分器を使用した実装には、例えば、要求される面積が非常に小さいという利点がある。各モジュール記録サイトで積分器と量子化器とを直接使用するもう一つの利点は、プリアンプが不要であるということである。積分器と量子化器とを使用することで、各モジュール記録サイトで信号を直接デジタルセンサ信号に変換することができる。このようにして、デジタルセンサ信号は、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトから基部に転送される。センサアレイでは、従来技術のように、生体信号はアナログ信号として基部に転送されるため、プリアンプが必要となる。
【0032】
実施の形態では、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトは、隣接するモジュール記録サイトとは無関係に、信号をデジタルセンサ信号に変換するように構成されている。これは、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトによって受信された信号が、アナログ信号として、例えば、次のモジュール記録サイトに、または、直接基部に転送される必要はなく、代わりに、それぞれのモジュール記録サイトによって、デジタルセンサ信号に直接変換されるという利点を有する。このように、センサアレイは、電磁干渉やクロストークの影響をほとんど受けない。
【0033】
実施の形態では、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトは、信号を検出するために構成された少なくとも1つのセンサ素子を備える。センサ素子は、電極、光学センサ、および/または、化学センサであってもよい。また、例えば、1つのモジュール記録サイトが3つのセンサ素子を有することも可能である。これは、例えば、アナログ信号をデジタルセンサ信号に変換するための複数のモジュール記録サイトのうちの1つのモジュール記録サイトにおいて、1つ以上のセンサ素子が電子回路を共有していることを意味する。このように、構成要素の数が少なくなり、したがって、また、センサアレイのサイズも小さくなる。
【0034】
実施の形態では、複数のモジュール記録サイトは、軸方向に沿って配置され、軸方向に沿ってアレイを形成する。軸方向に垂直な第1の垂直方向に沿った基部の延長は、せいぜい、第1の垂直方向に沿った複数のモジュール記録サイトの延長である。軸方向に垂直な第2の垂直方向に沿った基部の延長は、せいぜい、第2の垂直方向に沿った複数のモジュール記録サイトの延長である。これは、例えば、基部からすべてのモジュール記録サイトを通る(複数のモジュール記録サイトを通る)基部から、最後のモジュール記録サイトまでの軸方向に垂直な断面が変化しなくてもよいことを意味する。これは、基部の断面に影響を与えることなく、センサアレイの複数のモジュール記録サイトのうち任意の数のモジュール記録サイトを選択することができるというメリットを有する。このように、基部は、例えば、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトと同じ断面を有することができる。従って、基部を完全に組織内に埋めることができる。従って、センサアレイを、組織内により深く配置することができ、侵襲的な外科治療を最小限にすることができる。この実施の形態は、モジュール記録サイトの数に応じて基部の大きさが変化しないことを意味するものではない。例えば、基部のサイズは、1次元で(わずかに)変化することができる。
【0035】
実施の形態では、センサアレイの軸方向の延長に対して垂直な平面における複数のモジュール記録サイトの断面は、モジュール記録サイトの数に依存しない。これは、より多くのモジュール記録サイトがセンサアレイに付加されても、各モジュール記録サイトの断面は、変化しないことを意味し得るが、例えば、複数のモジュール記録サイトの上の基部から、最後のモジュール記録サイトまでの断面が減少しているセンサアレイを有する外科手術のために必要な場合には、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトの断面を変化させることは可能であり得る。実施の形態では、モジュール記録サイトの数が多い場合でも、基部が小さいことが可能であるが、基部のサイズは、モジュール記録サイトの数に応じて変化してもよい。基部のサイズは、例えば、モジュール記録サイトの数を増加させると、例えば、1次元で(わずかに)変化することができる。
【0036】
実施の形態では、センサアレイは、複数のモジュール記録サイトを構成する1つ以上の列を備える。モジュール概念は、複数のモジュール記録サイトの任意の配置、例えば2次元アレイの形態で、または、1つ以上の列を有する針の形態で実現することを可能にする。複数のモジュール記録サイトのモジュール概念のメリットは、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトに対する各モジュール記録サイトの配置が非常に柔軟であることである。従って例えば、2つの列を有するセンサアレイを実現することができる。したがって、センサアレイは、より広い領域からの信号を記録することができる。グローバルなアナログ信号ルーティングが存在せず、設計の高いモジュール性のために、より長いプローブまたはプローブ形状の任意のアプリケーション固有の変更は、同一の性能を提供するであろう。
【0037】
実施の形態では、基部は、プローブ信号を提供するための有線出力インターフェースを備える。有線出力インターフェースのチャネル数は、モジュール記録サイトの数とは無関係であり、センサアレイの軸方向の延長線に対して垂直な平面内の複数のモジュール記録サイトの断面(cross section)とは無関係である。この実施の形態によれば、センサアレイの複雑さを、低減することができる。センサアレイの複雑が低減する理由は、例えば、任意の数のモジュール記録サイトを用いて、ほかに、外部装置に対する基部での同じ有線出力インターフェースを用いて、センサアレイを作成することができるからである。
【0038】
実施の形態では、複数のモジュール記録サイトは、基部とセンサアレイのセンサアレイ端点との間に配置され、センサアレイは針を形成する。センサアレイ端点は、生体信号センサアレイの端点、特に、先端である。このように、センサアレイを組織に入れるための外科手術は、より簡単になる。先端部の実施形態では、センサアレイを組織内に埋め込むことが容易になる。
【0039】
実施の形態では、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトは、筐体を備え、筐体は、信号を受信するためのセンサ部分を備え、隣接するモジュール記録サイトの筐体のセンサ部分からセンサ部分を絶縁するための絶縁部分を構成する。筐体は、生物適合性を有していてもよく、したがって、センサアレイは、合併症を招くことなく、組織内に埋設することができる。2つのモジュール記録サイトの間の絶縁部分があると、一方のモジュール記録サイトからの受信信号と、他方のモジュール記録サイトからの受信信号とを分離することが可能である。絶縁部を有することにより、一方のモジュール記録サイトによる受信信号が一方のモジュール記録サイトから他方のモジュール記録サイトへとジャンプし、それにより、センサアレイで受信信号を定位させることができなくなるのを防止することができる。絶縁部を有することにより、例えば、1つのモジュール記録サイトによる受信信号をセンサアレイで定位させることができる。
【0040】
実施の形態によれば、複数のモジュール記録サイトのうちの1つのモジュール記録サイトは、筐体からなり、筐体は、信号を受信するための2つ以上のセンサ部分からなり、2つ以上のセンサ部分のうちの別のセンサ部分から各センサ部分を絶縁するための絶縁部分からなる。2つ以上のセンサ部分の各センサ部分は、信号を受信することができ、ここで、各センサ部分は、例えば、個別の信号を生成する。個々の信号は、同じであってもよく、少なくとも部分的に互いに異なるものであってもよい。したがって、例えば、モジュール記録サイトが3つのセンサ部分からなる場合、3つの個別信号(例えば、3つのセンサ部分によって生成され、センサ部分は、受信された信号から、電極またはセンサ素子とも呼ぶことができる)はすべて同じであるか、すべてが互いに異なるか、または2つが同じであり、1つが他の2つと異なる。したがって、2つ以上のセンサ部分によって受信された1つの信号は、センサ部分の位置に応じて、例えば、1つ以上の個別の信号をもたらすことができる。第1のセンサ部分が、例えば、第2のセンサ部分よりも信号源に近い位置に配置されている場合、第1のセンサ部分は、実施形態に従って、第2のセンサ部分によって生成された第2の個別信号よりも高い振幅を有する第1の個別信号を生成する。少なくとも2つのセンサ部分を互いに絶縁することにより、2つ以上のセンサ部分が互いに相互作用して不正確な個別センサを生成することを防止することができる。従って、受信した信号の非常に正確な定位および分析が達成され得る。
【0041】
実施の形態によれば、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトは、アナログ部とデジタル部とに分割されている。アナログ部分とデジタル部分とは、別個の供給ルーティングを構成する。デジタル部は、第1の導電性素子によってアナログ部からシールドされている。これは、例えば、電磁干渉を遮断する(電磁干渉に対するロバスト性を高める)ように構成されたシールド(低インピーダンスグランドシールド)によって、アナログ部がデジタル部から分離されていることを意味する。第2の導電性素子は、アナログ部分とデジタル部分とをセンサ素子から遮蔽するように、センサ素子のコネクタを取り囲むように配置されている。換言すれば、第2の導電性素子は、例えば、センサの方向において、アナログ部およびデジタル部をも覆うシールドである。前記アナログ部は、前記センサ素子によって受信された生体信号を前記デジタルセンサ信号に変換するように構成されている。前記アナログ部分と前記デジタル部分とは、前記デジタルセンサ信号を前記デジタル部分に提供するために結合されている。デジタル部は、デジタルセンサ信号を基部に提供するように構成されている。センサアレイ全体は、例えば、一次元に沿って(基部から最後のモジュール記録サイトまで)デジタル部とアナログ部とに分離され、その間に別個の供給と低インピーダンスのグランドシールドが存在し、それはまた上面(それぞれセンサの方向でアナログ部とデジタル部とを覆う面)を覆うようになっており、電磁干渉に対するロバスト性を高め、デジタルノイズを低減する。
【0042】
実施の形態では、センサアレイは、プローブ信号を供給するための基部と、複数のモジュール記録サイトとを備える。複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトは、信号を受信するように、信号をセンサ信号に変換するように、及びモジュール記録サイトの通信インターフェースを使用して、センサ信号を基部に供給するように構成されている。複数のモジュール記録サイトの通信インターフェースは、互いに、及び基部に対して、直列に接続されている。
【0043】
実施の形態によれば、それぞれのモジュール記録サイトで受信した信号は、それぞれのモジュール記録サイトでデジタルセンサ信号に直接変換されるので、既に信号処理は、それぞれのモジュール記録サイトで行われている。このように、信号を処理するための部品が少ないため、基部を小型化して実装することができる。この実施の形態では、基部のサイズを小さくすることができるだけでなく、センサアレイの複雑さを小さくすることができ、任意の数のモジュール記録サイトを同時に接触させて読み出すことができる。
【0044】
センサアレイは、上述のセンサアレイと同様の考察に基づいている。ところで、センサアレイは、上記のセンサアレイに関しても記載されているすべての特徴及び機能を備えて完成させることができる。
【0045】
センサアレイの実施形態では、センサ信号は、デジタルセンサ信号である。これは、デジタルセンサ信号は、電磁干渉、及びクロストークに対して、影響を受けにくいというメリットがある。
【0046】
実施の形態によると、センサアレイを動作するための方法は、センサアレイの複数のモジュール記録サイトのうちのモジュール記録サイトのセンサを用いて信号を記録するステップと、センサアレイの複数のモジュール記録サイトを使用して、信号を複数のデジタルセンサ信号に変換するステップと、センサアレイの複数のモジュール記録サイトの通信インターフェースを使用して、複数のデジタルセンサ信号を、センサアレイの基部に供給するステップと、センサアレイの複数のモジュール記録サイトからの複数のデジタルセンサ信号をセンサアレイの基部で受信するステップと、センサアレイの基部によって、複数のデジタルセンサ信号を、プローブ信号を得るように処理するステップと、および、センサアレイの基部でプローブ信号を遠隔装置に提供するステップとを含む。
【0047】
方法は、上述のセンサアレイと同じ考慮に基づく。
【0048】
ところでこの方法は、センサアレイに関しても記載されているすべての特徴、及び機能を備えて完成されることができる。
【0049】
実施の形態によれば、コンピュータ上で実行する際に、上述の方法を実行するためのプログラムコードを備えるコンピュータプログラムが作成される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図面は、必ずしも、縮尺通りではなく、代わりに一般に本願発明の原理を説明することに重点が置かれている。以下の説明では、発明のさまざまな実施の形態が、以下の図面を参照して説明されている、
図1図1は、本願発明の実施の形態による、ニューロンプローブの概略図を示す。
図2図2は、本願発明の実施の形態によるニューロンプローブを示す図であり、図2aは、本願発明の実施の形態による、先端を用いた、ニューロンプローブの概略ブロック図を示す。図2bは、図2aに示されるニューロンプローブの概略斜視図を示す。
図3図3は、本願発明の実施の形態による、シールドを用いたニューロンプローブを示す図であり、図3aは、本願発明の実施の形態によるシールドを用いた、ニューロンプローブの概略ブロック図を示す。図3bは、図3aに示されるニューロンプローブの概略斜視図を示す。
図3c図3cは、本願発明の実施の形態による、セグメント化されたニューロンプローブの概略斜視図を示す。
図4a図4aは、本願発明の実施の形態による、モジュール記録サイトの概略ブロック図を示す。
図4b図4bは、本願発明の実施の形態による、4つのセンサ要素を有するモジュール記録サイトの概略ブロック図を示す。
図5a図5aは、本願発明の実施の形態による、アナログ-デジタルコンバータを有するモジュール記録サイトの回路図を示す。
図5b図5bは、本願発明の実施の形態による、モジュール記録サイトの構成要素(Gm-Cインテグレータ、ラッチ付きコンパレータ、及び出力ラッチ)の回路図を示す。
図6a図6aは、本願発明の実施の形態による、ニューロンプローブによって測定された体外測定データにおける測定されたDNL/INL(微分非線形性/積分非線形性)を示す図である。
図6b図6bは、本願発明の実施の形態による、ニューロンプローブによって測定された、生体外のパワースペクトル密度プロットを示す図である。
図6c図6cは、本願発明の実施の形態による、ニューロンプローブによって測定される、体外の測定データの統計ノイズ分布を示す図である
図7図7は、本願発明の実施の形態による、ニューロンプローブを用いた、体外測定のセットアップの概略図を示す。
図8図8は、本願発明の実施形態による、ニューロンプローブを用いた、光遺伝学応用のための測光、及び放射測定光感度測定を示す図である
図9図9は、本願発明の実施の形態による、CMOSチップ、及びニューロンプローブの顕微鏡写真を示す。
図10a図10aは、先行技術による、ニューロンプローブの概略図を示す。
図10b図10bは、本願発明の実施の形態による、ニューロンプローブの概略図を示す。
図11図11は、先行技術による、ニューロンプローブの概略図を示す。
図12図12は、本願発明の実施の形態による、ニューロンプローブを含む異なるニューロンプローブの比較を示す図である
【発明を実施するための形態】
【0051】
実施の形態の詳細な説明
【0052】
以下の説明では、同一のまたは同等の要素、または同等のまたは同等の機能を有する要素は、異なる図面であっても、同一のまたは、同等の参照番号によって示される。
【0053】
以下の説明では、本願発明の実施の形態をより詳細に説明するために、複数の詳細が説明される。しかしながら、本願発明の実施の形態は、これらの特定の詳細なしで実施されてもよいことは、当業者には明らかである。他の実施例では、本願発明の実施の形態を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造及び装置は、詳細ではなくブロック図の形態で示されている。さらに、以下に説明する異なる実施の形態の特徴は、特に断りのない限り、互いに組み合わせてもよい。
【0054】
以下では、本願発明の実施形態を参照する。本願発明の実施形態は、本願発明を実施するための1つの可能性として、ニューロンプローブに関連して記載される。いかなる制限もなく、以下に与えられた説明は、他のセンサアレイ、特に生物医学センサアレイにも関連する。そのような生物医学的センサアレイの例は、ヒトまたは動物の網膜に関連して使用され得る光センサアレイである。例えば、そのようなセンサアレイは、信号を受信するように構成されてもよい。以下では、記載された実施例は、モジュール記録サイトによって受信される信号として生体信号を参照してもよいが、実施例は本明細書に限定されるものではなく、例えば光信号または電気信号などの他のタイプのアナログ信号に一般的に関連している。生体信号は、継続的に測定および監視することができる生物中の任意の信号であってもよい。生体信号という用語は、生体電気信号を指すために使用されてもよいが、電気的(例えば、電気化学的にトリガーされた)信号および電気化学的信号または光信号などの非電気的信号の両方を指してもよい。生体信号は、特に、電気信号であってもよいし、少なくとも電気信号から構成されていてもよく、信号は、生化学的反応および/または光信号または刺激に基づくものである。センサアレイは、そのような生体信号を検出し、それに基づくセンサ信号を提供してもよい。したがって、記載された実施例は、ニューロン信号を受信するように構成されてもよいニューロンプローブを指すことができるが、実施例はこれに限定されるものではない。
【0055】
図1は、本願発明の実施の形態による神経プローブ100の概略図である。ニューロンプローブ100は、プローブ信号112を提供するように構成された基部110、すなわち生体センサ基部、特にニューロンプローブ基部を構成する。ニューロンプローブ100はまた、複数のモジュール記録サイト120を構成する。複数のモジュール記録サイト120は、モジュール記録サイト1221~122nからなる。サブインデックスnは、例えば、少なくとも2以上、好ましくは少なくとも10以上、より好ましくは少なくとも50以上、例えば50、70、100以上の整数、例えば144であり、サブインデックスnが144以上の任意の整数であることも可能である。便宜上、各モジュール記録サイト122eを識別する。複数のモジュール記録サイト120の各モジュール記録サイト122eは、神経信号または生体信号130を受信するように構成されており、ここで、各モジュール記録サイト122eは、神経信号1321~132nを受信することができる。ニューロン信号1321~132nは、ニューロン信号1321~132nのうちの類似もしくは同一であるか、またはすべてのニューロン信号1321~132nが互いに異なっている少なくとも2つのニューロン信号から構成され得る。複数のモジュール記録サイト120の各モジュール記録サイト122eは、受信した神経信号1321~132nをデジタルセンサ信号1341~134nに変換するように構成されている。複数のモジュール記録サイト120の各モジュール記録サイト122eは、デジタルセンサ信号1221~122nをベース110に提供するように構成されている。ベース110は、複数のモジュール記録サイト120から複数のデジタルセンサ信号1221~122nを受信し、プローブ信号1122を提供するように複数のデジタルセンサ信号1341~134nを処理するように構成されている。
【0056】
ニューロンプローブ100は、生体内神経活動の高密度脳深部記録のための組織貫通プローブとして使用することができ、プローブ・シャフト上の電子集積のレベルによる制限を克服する。能動プローブは、従来技術では、信号品質を改善し、その場で寄生効果を低減させるために使用されているが、それでも、これらの信号を電極から読み出し電子装置が大面積[4、6]上に位置する基部にルーティングする必要がある。ニューロンプローブ100は、複数のモジュール記録サイト120の、各モジュール記録サイト122eにおいて、受信し、ニューロン信号1321~132nをデジタルセンサ信号1341~134nに変換するように構成されているので、基部110は、この構成要素を必要とせず、したがって、基部110は、小さな面積に実装することができる。
【0057】
図2aは、ニューロンプローブ200のブロック図を示し、図2bは、ニューロンプローブ200の概略図を示す。
【0058】
図2aの神経プローブ200は、基部210と、複数のモジュール記録サイト220と、例えば先端部230とから構成される。複数のモジュール記録サイト220の各モジュール記録サイト2241~224nは、センサ素子2221~222nと、現場(in-situ)アナログ/デジタル変換器2261~226nと、双方向シリアルデジタルデータバス2281~228nとから構成される。ニューロンプローブ200のベース210は、基準212、電源214、デジタルインターフェース/制御ユニット216、および周辺インターフェース/接触218(パッド)からなり、ここで、基準212は、例えば、モジュール記録サイト2241~224nの各々に接地電位または任意の基準電位を提供する。電力供給装置214は、各モジュール記録サイト2241~224nに電力を供給し、電力供給装置214は、基準212との間で、アナログ-デジタル変換器2261~226nのための差動入力を形成し、デジタルインターフェース/制御ユニット216は、各モジュール記録サイト2241~224nの各双方向シリアルデジタルデータバス2281~228nに接続され、例えば、各モジュール記録サイト2241~224nのそれぞれの現場アナログ/デジタル変換器2261~226nの動作を例えば調整することを可能にするための構成データを複数のモジュール記録サイト220に提供するように構成されている。先端部230の主な機能は、例えば、組織に入りやすくすることである。モジュール記録サイト220の複数のサイト220は、例えば、異なるセンサ素子222e~222nで神経信号を受信することができる。
【0059】
図2aは、モジュール読み出し回路としてのニューロンプローブ200の概略構成を示す図である。モジュール記録サイト2241~224nは任意の数であり、センサまたはセンサ素子2221~222n、任意に電極(ニューロンパルスを電圧として受信する)、光学センサまたは化学センサで構成されていてもよい。各モジュール記録サイト2241~224nは、センサ素子2221~222nを介してニューロン信号を受信し、受信したニューロン信号を現場アナログ/デジタル変換器2261~226nでデジタルセンサ信号に変換し、このデジタルセンサ信号を双方向シリアルデジタルデータバス2281~228nで基部210のデジタルインターフェース/制御ユニット216に転送するように構成されている。デジタルインターフェース/制御ユニット216は、双方向シリアル・デジタル・データ・バス2281~228nを介して複数のモジュール記録サイト2241~224nから複数のデジタルセンサ信号を受信し、プローブ信号を周辺インターフェース/コンタクト218に提供するように複数のデジタルセンサ信号を処理するように構成されており、それにより、周辺インターフェース/コンタクト218は、外部デバイスとの接続を行い、プローブ信号を外部デバイスに送信するように構成されている。
【0060】
図2bは、ニューロンプローブ200の概略図である。ニューロンプローブ200は、複数のモジュール記録サイト2241~224nを備え、各モジュール記録サイト2241~224nは、センサ素子2221~222nを備える。センサ素子2221~222nは、各センサ素子2221~222nの下の電子機器240にセンサ接触領域250で接続されている。ニューロンプローブの一端において、ニューロンプローブは、例えば、周辺インターフェース/接触部218として使用されるパッド260を備える。周辺インターフェース/接触部218により、プローブはケーブルに接続され、それにより、リモートデバイスに接続される。センサ素子2221~222nは、例えば、ニューロン信号を受信し、センサ接触領域250を介してニューロン信号をセンサ素子2221から222nの下の電子装置240に、送信することができる。各センサ素子2221~222nの下の電子装置240は、例えば、受信したニューロン信号を処理し、ニューロン信号を(デジタル)センサ信号に変換することができる。
【0061】
図3aは、ニューロンプローブ300のブロック図を示し、図3bはニューロンプローブ300の概略図を示す。
【0062】
図3aの神経プローブ300は、例えば、図2aの先端部230と同様の機能を有する先端部310からなる。図2aおよび図2bの各モジュール記録サイト2241~224nと同じ機能を実施し得る複数のモジュール記録サイト3201~320n。神経プローブ300はさらに、例えば、図2aの基部210または図1の基部110と同様の機能を実装してもよい基部330を構成する。各モジュール記録サイト3201~320nは、センサ素子3221~322nを構成する。センサ素子3221~322nは、例えば、図2aのセンサ素子2221~222n図2bのセンサ素子2221~222nと同様の機能を有することができる。各モジュール記録サイト3201~320nはまた、積分器3241~324n、量子化器3251~325n、カウンタ3261~326n、および双方向シリアルデジタルデータバス328を含み、ここで、双方向シリアルデジタルデータバス328は、例えば、図2aの双方向シリアルデジタルデータバス2281~228nと同じ機能を有することができる。双方向シリアルデジタルデータバス328は、各モジュール記録サイト3201~320nについて、通信インターフェース328を構成することができ、ここで、通信インターフェース328は、構成モード3281a~328naであるか、または通常の動作モード3281b~328nbであることができる。
【0063】
換言すれば、複数のモジュール記録サイト3201~320nの各モジュール記録サイト3201~320nのデジタル部350は、例えば、その隣接ノード(例えば、隣接する各モジュール記録サイトの通信インターフェース3281~328n)とシリアルインターフェースで接続された通信インターフェース3281~328nで構成されている。そのようにして、変換された結果(例えば、デジタルセンサ信号)を隣接ノードの結果と関連付けて、システム全体(例えば、神経プローブ300)の外部端末(例えば、基部330や基部に接続された外部装置)に運ぶことができる。そのようにすれば、例えば、複数のモジュール記録サイトのうちの1つのモジュール記録サイト3201~320nから、複数のモジュール記録サイトのうちの隣接するモジュール記録サイト3201~320nへの接続数(モジュール記録サイト3201~320nは、例えば、センサチャネルとしても理解される)が可能な限り低く保たれ、干渉の影響を受けやすいアナログ信号(例えば、各モジュール記録サイト3201~320nによって受信されたニューロン信号)が外部(例えば、ベースまたはベースに接続された外部装置)に、またはベース330(例えば、外部)からモジュール記録サイト3201~320n(例えば、センサノードとしても理解される)に運ばれないようになっている。すべての神経信号(これは、電極信号であってもよいし、センサ信号であってもよい)が直接現場(例えば、各モジュール記録サイト3201~320n上)でデジタル化されるので(これは、例えば、複数のモジュール記録サイト3201~320nのうちのモジュール記録サイト3201~320nによって受信された各神経信号がデジタルセンサ信号に変換されることを意味する)、神経プローブ300(それぞれ、システム)は、外部へのライン数が非常に少ないだけで済む(これは、例えば、基部330から外部装置へのラインを含むことができるが、例えば、各モジュール記録サイト3201~320nから基部330へのラインを含むことも可能である)。このように、神経プローブ300は、デジタルセンサ信号をベース330に転送するために、複数のモジュール記録サイト3201~320nのうちの各モジュール記録サイト3201~320nから基部330に転送されるラインの数を減らすだけで済むため、複雑さだけでなく、神経プローブ300のベース330およびシャフト(例えば、先端部310を有する複数のモジュール記録サイト3201~320n)のサイズを小さくすることができる。複数のモジュール記録サイト3201~320nの通信インターフェース3281~328nを互いに基準にして基部にシリアル接続することはまた、ニューロンプローブが任意の数のモジュール記録サイト3201~320n(それぞれ、センサノード)に接触することを可能にする。
【0064】
各モジュール記録サイト3201~320nからのそれぞれのデジタルセンサ信号は、結合されたセンサ信号として、基部330に転送され得る。各モジュール記録サイト3201~320nは、例えば、変換されたニューロン信号をデジタルセンサ信号として双方向シリアルデジタルデータバス328に供給する。次いで、デジタルセンサ信号は、デジタルデータバス328によって複数のモジュール記録サイトのすべてのデジタルセンサ信号のうち、結合されたセンサ信号として基部330に転送され、そこで、基部330は、結合されたセンサ信号を処理してプローブ信号を提供する。
【0065】
実施の形態によれば、図1図2、及び図3に示された、ニューロンプローブ100、200及び300は、非限定的な例示として、ニューロン信号を構成することができるアナログ生体信号の代替として、または、これに加えて、光信号または電気信号のようなアナログ信号を受信するように構成された、センサアレイとして理解することもでき、したがって、図3に関する以下の説明の中では、センサアレイ300と呼ばれてもよい。
【0066】
センサアレイ300は、実施の形態によれば、ピクセルレベルADC(ADC=アナログ・デジタル・コンバータ)であり、これは例えば、各モジュール記録サイト3201~320nにおいてアナログ信号をデジタル信号に変換する光学センサを表す。本願発明のセンサアレイ300は、自己完結型のアナログ-デジタル変換という点で、既知の光学センサに対して最適化されている。既知のセンサは、電流(フォトダイオード)から時間変換(パルスの時間間隔)に基づいている。パルスの時間間隔は、それぞれの閾値に到達するのに必要な時間であり、既知のセンサでは、閾値はすべてのセンサノットまたはノードで同時に測定され、その結果、センサ間のパラレルリンクとなり、シリアルリンクは不可能である。センサアレイ300の実施の形態の中のようなシリアルリンクは、例えば、面積効率の良いセンサおよび/またはより安価なセンサをもたらす。
【0067】
ニューロンプローブ300の基部330は、例えば、図2aのリファレンス212と同じ機能を有することができるリファレンス331と、例えば、図2aの電源214と同じ機能を有することができる電源334と、例えば、図2aのデジタルインターフェース/制御ユニット216と同じ機能を有することができるデジタルインターフェース/制御ユニット339とから構成されてもよい。基部330は、また、例えば、図2aの周囲のインターフェース/接触部218と同じ機能を有することができるパッド/デジタル4線インターフェース340を備える。ニューロンプローブ300の先端部310は、例えば、第1の供給バッファ312と、第2の供給バッファ314を備える。
【0068】
それぞれの変換器(モジュール記録サイト3201~320n)は、デジタル部350と、アナログ部分360とで構成され、最小の面積消費で構成されている。システム(例えば、ニューロンプローブ300)は、モジュール方式で構築され、各電極(センサ素子3221~322n)の信号は、隣接している電極(センサ素子3221~322n)とは無関係のデジタル出力信号に、局所的に変換される。
【0069】
そのように、隣接しているモジュール(センサチャンネル/モジュール記録サイト3201~320n)への接続数を極力少なくし、干渉に影響を受けやすいアナログ信号は、外部に、または、外部からセンサノード(センサ素子3221から322n)に持ち込まないようにしている。すべての電極信号(ニューロン信号)は、その場で直接デジタル化される(デジタル信号に変換される)ので、システム(例えば、ニューロンプローブ300)は、外側(例えば、外部装置)への、非常に少ない配線数しか必要としない。
【0070】
ニューロンプローブ300の各モジュール記録サイト3201~320nは、センサ素子3221~322nを使用してニューロン信号を受信し、受信したニューロン信号をまず積分器3241~324nで積分し、量子化器3251~325nを使用して、量子化することによりデジタルセンサ信号に変換することができる。双方向性シリアルデジタルデータバス328により、各モジュール記録サイト3201のデジタルセンサ信号は、各モジュール記録サイト3201~320nから基部330のデジタルインターフェース/制御ユニット339に転送され、ここで、デジタルセンサ信号は、デジタルインターフェース/制御ユニット339によりプローブ信号に処理され、ここでプローブ信号は、パッド/デジタル4線インターフェース340を介して外部装置に転送される。
【0071】
プローブ全体(ニューロンプローブ300)は、その長さに沿ってデジタル部350、及びアナログ部360に分離されており、別々の供給経路と、任意で間に低インピーダンスの接地シールド390が設けられており、これは、また、EMI(電磁干渉)に対するロバスト性を高め、デジタルノイズのカップリングを減少させるために、上部を覆っている。
【0072】
供給ルーティングは、電源334によって実現され得る。アナログ部分360のための供給ルーティングは、例えば、任意の供給バッファ335aおよび接地電圧VSS336を有する電圧VDD,A335で構成される。デジタル部への供給ルーティングは、例えば、電圧VDD,D337と接地電圧VSS336とで構成される。また、デジタル部350は、シリアルインターフェース(通信インターフェース3281~328n)によってその隣接ノード(隣接記録サイト3201~320n)に接続されていてもよい。そのようにして、変換結果は、隣接しているノード(隣接しているモジュール記録サイト3201~320n)の結果にリンクされていてもよく、そして、外部端子(例えば、外部装置、または、基部330)、または、システム全体に運ばれてもよい。構成データは、リンクされた方法で、例えば、それぞれのセンサノード(例えば、モジュール記録サイト3201~320n)のオン/オフを切り替えたり、スケーリングを変更したりするために、同一のインターフェース(通信インターフェース3281~328n)を介して、各センサノード(モジュール記録サイト3201~320n)に連動して伝達されるようにしてもよい。基部330は、例えば、全ての記録サイト(モジュール記録サイト3201~320n)にバイアスをかけているグローバル電圧バイアスVBIASを供給する基準トランジスタ332と、構成モードと通常動作モード(読み出しモード)との切り替えを可能にし、内部データ(例えば、デジタルセンサ信号)と構成チェーンを外部装置(例えば、外部装置)に転送することを可能にする有限状態機械とを含む。構成モード3281a~328naと通常動作モード3281b~328nbとの間の切り替え(通信インターフェース3281~328nの切り替え)は、例えば別の制御信号で制御される。構成モード3281a~328naでは、設定は、例えば、双方向シリアルデジタルデータバス328を介して転送され、各モジュール記録サイト3201~320nによって適応され得るストレージの読み出しであってもよく、一方、通常動作モード3281b~328nbでは、コンバータ(モジュール記録サイト3201~320n)のデジタル出力(デジタルセンサ信号)は、例えば、ストレージに書き込まれることになる。ストレージは、揮発性または不揮発性のストレージであってもよく、例えば、情報を格納するための複数のトランジスタ素子で構成されていてもよい。実施形態によれば、構成モード3281a~328naにおける構成データおよび通常動作モード3281b~328nbにおけるデジタルデータは、双方向シリアルデジタルデータバス328を直接使用することにより、ストレージを使用せずに、各モジュール記録サイト3201~320n と基330との間で伝送されてもよい。
【0073】
デジタル側350では、グローバル信号をルーティングする必要はない:チェーン信号は、クロックと同様に、1つのブロック(双方向シリアル・デジタル・データ・バス328)から次のブロックに転送されてもよい。クロックは、各モジュール記録サイト3201~320nから各モジュール記録サイト3201~320nにわずかに遅延されて、デジタル供給ノイズを拡散し、ピーク電流消費を低減する。記録サイト(モジュール記録サイト3201~320n)は、フォワードチェーン352に接続された2つのADC(アナログ-デジタル変換器)と、バックワードチェーン354に接続された2つのADC(アナログ-デジタル変換器)と、クロックのブロックにグループ化されている。アナログ部分360では、プローブ全体を通して、2つのグローバル基準線、すなわちボディ基準電圧VBODY333aおよびVBIAS333bだけが存在してもよい。バイアス電圧(VDDにより参照される)は、大きな寄生容量で供給部334にルーティングされ、外部ソースからのノイズ除去を強化する。
【0074】
換言すれば、モジュール記録サイト3201~320nは、例えば、2つのモジュール記録サイト(それぞれADC、例えば、積分器3241~324nおよび量子化器3251~325nの各々からなるアナログ/デジタル変換器)のブロックにグループ化されており、第1のADCを備える一方のモジュール記録サイトは、フォワードチェーン352およびフォワードクロックに接続されており、第2のADCを備える他方のモジュール記録サイトは、バックワードチェーン354とバックワードクロックとに接続されている。このように、全ての第2のモジュール記録サイトのシリアルインターフェース(通信インターフェース3281~328n)は、例えば、第1のチェーン(例えば、フォワードチェーン352)と接続/結合され、他のすべてのモジュール記録サイトのシリアルインターフェースは、第2のチェーン(例えば、バックワードチェーン354)と接続/結合されている。第1のチェーンと第2のチェーンとは、デジタルセンサ信号がベースに転送されるようにベースに結合される。
【0075】
アナログ-デジタル変換器(例えば、量子化器3251~325nに結合された積分器3241~324n)は、電源電圧(例えば、電源電圧VDD,A335と電源334のグランドVSS336との間の電源電圧VDD,A335)の干渉に対して大きくロバストになるように、差動入力で構成されていてもよい。電源電圧(例えば、電源334)とは別に、2つのさらなるグローバルライン(例えば、ジョイント)が使用されてもよく、すべてのセンサノード(モジュール記録サイト3201~320n)によって共有されてもよい。
- 制御電圧(例えば、基準電圧VBIAS333b):各回路は、例えば、内部的に一定数の基準電位と設定電流を必要とする。すべての電流および電位は、例えば、グローバルラインとしてすべてのセンサノード(モジュール記録サイト3201~320n)に分配されるグローバル調整電圧(例えば、制御電圧VBIAS333b)から導出される。全てのセンサモジュール(モジュール記録サイト3201~320n)が接続されるグローバルラインであるため、同様に大きな寄生容量を備えていてもよい。これは、このラインを介したノイズのカップリングの可能性にプラスの効果を有する。さらに、ノイズ(例えば、制御電圧VBIAS333b上の)は、差動読み出し原理によって抑制される。この制御電圧(例えば、基準電圧VBIAS333b)は、試験に使用されてもよいが、原理的には、それ(例えば、基準電圧VBIAS333b)は、必ずしもグローバルな接続である必要はなく、その機能は、例えば、各電極(センサ素子3221~322n)の下で実施され得る。
- 基準電圧(例えば、基準電圧VBODY333a)。差動入力の一方の側は、例えば、センサ(電極/センサ素子3221~322n)に接続され、一方、第2の入力は、例えば、基準電圧(例えば、基準電圧VBODY333a)に接続される。VBODY(基準電圧VBODY333a)上の可能な干渉は、すべてのセンサノード(モジュール記録サイト)上で均等に検出され得、それ故に、デジタル後処理においてフィルタリングされ得る。
【0076】
最大のニューロン信号であっても数十ミリボルトの範囲にしかなく、要求される直線性が低いため、各電極(センサ素子3221~322n)の下で、例えば連続時間gm-Cベースのインクリメンタルデルタシグマアナログ/デジタル変換器(例えば。量子化器3251~325nに結合された積分器3241~324n)を用いた直接変換は、1個の積分器3241~324nとコンデンサと正確な時定数、したがって局所的なバイアスが必要ないので、最小限のシリコン面積での実装を可能にする1次変調器を使用して実装されてもよい。デシメーションは、単純なリップルカウンタ3261~326nを使用して達成されてもよい。単一分岐OTA-C積分器3241~324nの出力は、例えば、量子化器3251~325n、すなわちコンパレータおよび出力ラッチに接続され、電流フィードバックのためのスイッチを駆動する。
【0077】
以下に、実施の形態によるニューロンプローブの具体例、例えば、ニューロンプローブ300が与えられる。この例は、ニューロンプローブを実施するために使用される、パラメータのいくつかの具体的な値を含む。これらの値は、非限定的な例としてのみ理解されるべきであり、したがって、これらの値は、実施の形態を限定するものではなく、単に本願発明のより良い理解のために適したものである。さらなる、異なる、または、他の構成要素を使用することにより、異なる電圧、電流、および/または、データレートのような他の値が得られ得ることは明らかである。
【0078】
ADC(アナログ-デジタル変換器)のデジタル部分350は、例えば、デシメータ、すなわちリップルカウンタ3261~326n、変換結果11b(11ビット)のための2つのレジスタ、およびコンフィギュレーションレジスタ2b(2ビット)から構成される。例によると、ADCは10bの結果を提供する1024サイクルのために実行されるかもしれない。OTA、OTA出力(例えば、積分器3241~324nの出力)およびカウンタ3261~326nをリセットする前に、結果は、データバスを使用して送信されてもよい。例えば、最終的な変換誤差を表すコンパレータの最後の結果を10ビット目の結果に11ビット目として付加し、得られた11ビットをデータチェーンに乗せてもよい。例えば、ビット列は、双方向シリアルデジタルデータバス328のストレージに格納されていてもよい。あるいは、またはそれに加えて、各モジュール記録サイト3201~320nのデジタルセンサ信号のビットシーケンスを、双方向シリアルデジタルデータバス328を用いて直接送信してもよい。後続セル(モジュール記録サイト3201~320n)の遅延クロックは、ラッチとコンパレータとの間のタイミング違反を避けるためにラッチに使用される。読み出し中、デジタルデータ(複数のデジタルセンサ信号)は、モジュール記録サイト3201~320nを介してシフトされ、ニューロンプローブ300は、2つの可能性のあるチェーン(フォワードチェーン352およびバックワードチェーン354)を使用し、それらの各々は、少なくとも15Mbit/sのような同じデータレート、または20・48Mbit/sのような少なくとも20Mbit/sのような異なるデータレートを使用してもよい。例えば、両方のチェーン(フォワードチェーン352とバックワードチェーン354)は、20.48Mbit/s、すなわちfs=20.48MHzのビットレートを使用してもよい。ベース330のFSWは、例えば、所与の例ではフロントエンドで例えば40.96Mbit/sをもたらす時間多重化によって、両方のチェーンの出力を単一のデータストリームに結合してもよい。ベース330は低電力素子であってもよく、1W未満、100mW未満、またはさらには100μW未満、例えば37μWを消費してもよく、記録サイト(モジュール記録サイト3201~320n)あたりの消費電力は、1W未満、100mW未満、またはさらには100μW未満、例えば39.14μWになり、そのうち1W未満、100mW未満、またはさらには100μW未満、例えば12.77μWがアナログ部分360によって消費されてもよい。
【0079】
ADC11b(例えば、量子化器3251~325nと結合された積分器3241~324n)は、面積当たりのノイズ性能を最適化するように設計されていてもよく、したがって、可能な限り多くの面積がノイズクリティカルなコンポーネント、すなわち 入力(一例では専用面積は1000μm2未満、500μm2未満、200μm2未満、例えば:171μm2)と負荷トランジスタ(一例では専用面積は1000μm2未満、500μm2未満、200μm2未満、例えば144μm2)である。例えば、グローバル・バイアス・ラインから導出されるフィードバック電流シンクに専用の小さな領域のみが設けられている。フィードバック電流は、3つの異なるスコープのうちの1つ、例えば±15mVの1つのスコープに、第2のスコープが±30mV、第3のスコープが±55mVの場合、または±13mVの1スコープで、第2のスコープが±25mV、第3のスコープが±50mVの場合、または±12mVの1スコープで、第2のスコープが±23mV、第3のスコープが±46mVの場合、例えば±11.25mV、±22.5mVまたは±45mVに構成することができるADC(例えば、量子化器3251~325nに結合された積分器3241~324n)のフルスケール(FS)を決定する。
【0080】
図3bは、ニューロンプローブ300の3D表示によるシステム-レベルの概略図である。ニューロンプローブ300の筐体は、任意で、パッシベーション層(外部的に筐体を覆い、筐体の電気的絶縁を提供する)を含む。パッシベーション層は、電気信号が筐体を通過することを可能にする、1つ以上の領域(例えば、パッド340および/または、電極の位置)を確保してもよく、パッド340のみ(図3bでは、1つのパッドのみが示されているが、ニューロンプローブ300は、1つ以上のパッド340を用いて実施されてもよい)及び電極(センサ素子3221~322n)は、パッシベーション層を含まないものであってもよい。読み出し電子機器の信号チェーンは、プリアンプ、増幅、及びフィルタリングを省略することによって小さくなっており、センサ信号(ニューロン信号)の局所的なアナログ-デジタル変換に置き交換えることができる。これにより、アナログ-デジタル変換器は、シャフト上の各センサ(電極/センサ素子3221~322n)の直下に実装することができる。センサ素子3221~322nは、電極接点323によって各センサ素子3221~322nの下の電子機器に結合されてもよい。
【0081】
各モジュール記録サイト3201~320nは、アナログ部分360とデジタル部分350とに分割されてもよい。デジタル部分350は、第1の導電性素子390によって、アナログ部分360からシールドされてもよく、ここで導電性素子は、電磁干渉を遮断するように構成されている。導電性素子は、例えば、低インピーダンスの接地シールドであってもよい。第2の導電性素子392は、アナログ部分360及びデジタル部分350をセンサ素子3221~322nからシールドするように、センサ素子3221~322nのコネクタ(電極コンタクト323)を包囲するように配置される。各センサ素子3221~322nの下には、制御電圧VBIAS333b、及び基準電圧VBODY333aを用いて基準331を実装することができる。電源334は、例えば、アナログ電源電圧VDD,A335及び接地電圧VSS336として実装することができる。
【0082】
少なくともアナログ部分360の一部、及び少なくともデジタル部分350の一部は、例えば、ニューロン信号を受信するために構成された、センサ素子3221~322nによって、カバーされる。実施の形態では、センサ素子3221~322nは、デジタル部分350及びアナログ部分360の中心をカバーする、しかし、センサ素子3221~322nは、デジタル部分350だけ、または、アナログ部分360だけをカバーしてもよい。
【0083】
本実施形態では、シャフトに沿ってノイズに敏感なアナログ信号をルーティングまたはプリバッファリングする代わりに、例えば、各電極(センサ素子3221~322n)の下でアナログ-デジタル変換を統合する、針プローブのモジュラーでスケーラブルなアーキテクチャが実現される。このような統合のために使用される面積は、任意であってもよく、統合されるべき機能によって影響を受ける。例えば、200×200μm2未満、150×150μm2未満、または100×100μm2未満、例えば70×70μm2の面積を使用してもよい。この設計では、プローブ(例えば、ニューロンプローブ300)の上部に追加の読み出し回路を必要とせず、デジタル4線式インターフェース340に接続する。ニューロンプローブ300は、再構成可能な11.5mmのニューロンプローブ(しかし、11.5mm以上、14mm以上、または20mm以上のプローブも可能である)として実装されてもよい。70μmの一定の幅370(幅370は、例えば、100μmより小さい、90μmより小さい、または75μmより小さい)、および例えば144個の統合記録サイト(モジュール記録サイト3201~320n)で組織の損傷を最小限に抑えるために上から下へ(最後のモジュール記録サイト320nから第1のモジュール記録サイト3201へ、またはアレイの軸方向延長に沿って基部330へ)50μmの厚さ380(厚さ380は、例えば、100μmより小さい、80μmより小さい、または60μmより小さい)を備えていることを特徴とし、深部脳記録アプリケーションのために組織に完全に浸漬することができる。
【0084】
複数のモジュール記録サイト3201~320n、軸方向に沿って配置されて、軸方向に沿ってアレイが形成される。軸方向に垂直な第1の垂直方向に沿った延長は、幅370として理解され、軸方向に垂直な第2の垂直方向に沿った延長は、厚さ380として理解される。
【0085】
実施の形態では、複数のモジュール記録サイト3201~320nは、例えば、軸方向に沿って配置され、軸方向に沿ってアレイを形成する。軸方向に垂直な第1の垂直方向に沿った基部330の延長は、例えば、せいぜい、第1の垂直方向に沿った複数のモジュール記録サイト3201~320nの延長である。軸方向に垂直な第2の垂直方向に沿った基部330の延長は、例えば、最大でも第2の垂直方向に沿った複数のモジュール記録サイトの延長である。
【0086】
換言すれば、複数のモジュール記録サイト3201~320nの軸方向における基部330の延長は、複数のモジュール記録サイト3201~320nの軸方向における複数のモジュール記録サイト3201~320nの延長よりも大きくなくてもよい。複数のモジュール記録サイト3201~320nの軸に垂直な方向での基部330の延長は、複数のモジュール記録サイト3201~320nの軸に垂直な方向における複数のモジュール記録サイト3201~320nの延長よりも大きくなくてもよい。
【0087】
換言すれば、すべてのモジュール記録サイト3201~320nを通る(複数のモジュール記録サイト3201~320nを通る)最後のモジュール記録サイト320nまでの軸に垂直な面は変更する必要はない。これは、基部330の断面に影響を与えることなく、ニューロンプローブの複数のモジュール記録サイト3201~320nの任意の数の複数のモジュール記録サイト3201~320nを選択することができるメリットがある。このように、基部330は、例えば、複数のモジュール記録サイト3201~320nの各モジュール記録サイト3201~320nと同じ断面を有することができる。したがって、基部330を完全に組織内に埋没/浸漬させることができる。したがって、ニューロンプローブ300を組織内に深く配置することができ、侵襲的な外科的処置を最小限にすることができる。
【0088】
モジュール概念は、センサノード(モジュール記録サイト3201~320n)の任意の配置を、例えば、1つまたは複数の列を有する針の2次元配列の形態で実現することを可能にする。各モジュール記録サイト3201~320nは、少なくとも1つの行または列で互いに配置され、接続されていてもよい。再び図3bを参照すると、ニューロンプローブ300は、軸方向に沿って配置された複数のモジュール記録サイトの一列を構成してもよい。実施形態によれば、ニューロンプローブ300は、モジュール記録サイト3201~320nの1つ以上の行または列で構成されてもよい。1つの行または列内で、モジュール記録サイト3201~320nは、並列通信を回避し、それによって小さな通信エンティティを可能にするように、互いに直列に配置されてもよい。したがって、軸方向に沿った神経プローブ300の軸方向の延長は、少なくともその方向に沿って配置されたモジュール記録サイト3201~320nの数に影響されてもよい。対照的に、モジュール記録サイト3201~320nの数は、軸方向に垂直な1つ以上の方向に沿った神経プローブ300の行/列の延長には、影響が少ないか、または全く影響を及ぼさないかもしれない。
【0089】
デジタルデータのみが搬送され、影響を受けやすい信号は搬送されないので、センサ間(例えば、それぞれのセンサ素子3221~322n間)、または、それぞれのモジュール記録サイト3201~320n間でクロストークを少量測定できるかあるいはまったく測定できず、光源、または、電磁界のような、外部の干渉源に対しての高いロバスト性がある。
【0090】
外側への線の数は、それぞれ電極(センサ素子3221~322n)の数、およびまたは、それぞれのセンサモジュール(例えば、モジュール記録サイト3201~320nの数)の数に依存せず、および/または、シャフトの幅370に依存しないようにしてもよい。
【0091】
針の基部330は、シャフトと同じ幅370を有していてもよいので、さらなる損傷を与えることなく、シャフトの長さを越えて組織内に導入することができる。このように、従来の針と比較すると、より深い脳の領域を測定することができる。
【0092】
ニューロンプローブ300は、例えば、モジュラー・アーキテクチャを有する完全に浸漬可能な深い脳のニューロンプローブおよび例えば144の記録サイトの並列読み出しのために、各電極の下に統合されたデルタ-シグマADC(アナログ-デジタル・コンバータ)を表すことができる。
【0093】
図3cは、本願発明のセンサアレイの実施の形態を表す、セグメント化されたプローブ300の概略3D表示を示す図であり、セグメント化されたプローブ300は、図3a及び図3bに示されたニューロンプローブ300の特徴及び機能を備えることができる。図3cに示されるセグメント化されたプローブ300は、さらに以下に説明されるように、モジュール記録サイトの位置及びセンサ素子の配置(センサ素子は、センサ部分または電極としても記述することができる)に関して、図3a及び図3bのニューロンプローブ300とは異なる。図3cでは、図3a、及び図3bに示される要素と比較して、等しい
または同等の要素、または、等しいまたは同等の機能を有する要素は、たとえ、異なる図中で現れるとしても、等しい、または、同等の参照番号によって表示される。
【0094】
実施の形態によれば、図3cに示されるセグメント化されたプローブ300は、少なくとも2つ、少なくとも3個、少なくとも4個、または、10個、20個、またはそれ以上の数のセグメント3211~3213を備え、それぞれのセグメント3211~3213は、いくつかのセンサ素子3221から32230を備えていてもよい。例えば、3×4の構成で配置された、12個のセンサ素子3221~32212、または、センサ素子32213~32224のうちのいくつか、または、3×2の構成で配置された、6個のセンサ素子32225~32230のうちのいくつかで構成されるように図示されているが、本実施形態の範囲内であれば、任意の異なる数のセンサ素子および/または任意の異なる構成のセンサ素子を実装することが可能である。セグメント化されたプローブ300の先端には、第1のセグメント3211が配置され、次に第2のセグメント3212が来て、次に第3のセグメント3213が来て、さらに多くのセグメントが、例えば、基部がセグメント化されたプローブ300の終端に配置される前に配置されることもできる。
【0095】
実施の形態によれば、センサアレイ、すなわち、セグメント化されたプローブ300は、例えば、セグメント3211~3213によって、または、センサ素子3221~32220によって表された、複数のモジュール記録サイトから構成される。例えば、1つのセンサ素子3221~32230は、1つのモジュール記録サイトを表していてもよく、および/または、2つ以上のセンサ素子3221~32230は、1つのモジュール記録サイトを表していてもよく、1つのモジュール記録サイトは、例えば、1つのアナログ-デジタル変換器を構成する。
【0096】
実施の形態によれば、複数のモジュール記録サイトの第1のサブセットが第1の半導体基板3291上に配置され、複数のモジュール記録サイトの隣接する第2のサブセットが第2の半導体基板3292上に配置され;ここで、第1の半導体基板3291と第2の半導体基板3292は、ギャップによって互いに間隔をあけて配置され、少なくとも1つの導電線3861~3866によって互いに電気的に接続されている。第1のセグメント3211が1つのモジュール記録サイトを表す場合、これは、例えば、セグメント3211が複数のモジュール記録サイトの第1のサブセットであることを意味し、ここで、モジュール記録サイトは、12個のセンサ部分3221~32212と1つのアナログ-デジタル変換器とから構成される。センサ素子32213~32224またはセンサ素子群(例えば、2×2、3×1、1×3、3×2等)が第2の半導体基板3292上に2つ以上のモジュール記録サイトを表す場合、これは、例えば、2つ以上のモジュール記録サイトが第2のサブセットを表すことを意味する。したがって、第2の半導体基板3292上の第2のサブセットは、例えば、4つのモジュール記録サイトからなり、各モジュール記録サイトが、例えば3×1構成で3つのセンサ素子30213~30215、30216~30218、30219~30221、30222~30224を構成し、4つのモジュール記録サイトの各々が1つのアナログ/デジタル変換器を構成する場合には、第2の半導体基板3292上の第2のサブセットは4つのモジュール記録サイトからなる。図3cには、半導体基板を介さずに隙間を隔てて配置された3つの半導体基板3291~3293が示されている。
【0097】
実施の形態によれば、少なくとも1つの導電線3861~3866は、フレキシブル基板385上、または、フレキシブル基板385内に配置される。
【0098】
実施の形態によれば、セグメント3211~3213は、フレキシブルポリマーケーブルのように、フレキシブル基板385上に配置される。セグメント化されたプローブ300の柔軟性を向上させ、プローブを曲げたりねじったりすることによって、セグメント化されたプローブ300に生じ得る損傷を低減するために、セグメント3211から3213の間のギャップを調整することができる。ギャップが大きいほど、例えば、セグメント化プローブ300の柔軟性が向上する。
【0099】
実施の形態によれば、セグメント3211~3213は、各セグメント3211~3213を可撓性ポリマーケーブル385に接続する接点からなり、可撓性ポリマーケーブルは、それによって、例えば、直列的に基部を相互接続するように構成される。実施の形態によれば、信号および/または電源が、可撓性ポリマーケーブル385を介して基部によって各セグメント3211~3213に提供され、各セグメント3211~3213は、例えば、可撓性ポリマーケーブル385によって基部に信号を伝送するように構成され、ここで、各セグメント3211~3213は、例えば、可撓性ポリマーケーブル385によってシリアルに接続されている。各セグメント3211~3213は、例えば、多数のインターフェースまたは接点3281、3282、331、335、336および/または338からなる6つの接点を有するように図示されているが、任意の数の接点、すなわち、より多くまたはより少ない数の接点が、信号を送信するように、および/または電力供給を提供するように実装されてもよいので、実施形態はここに限定されない。例えば、第1の接点331は基準、例えば基準電圧を表し、第2の接点338はクロックを表し、第3の接点3281はデータ入力を表し、第4の接点3282はデータ出力を表し、第5の接点335は電圧を表し、第6の接点336は接地、例えば接地電圧を表す。
【0100】
実施の形態によれば、セグメント3211~3213は、提案されたセンサアレイの電子機器、すなわち、セグメント化されたプローブが実装されている。CMOSシリコン基板3291~3293を備えることができる。任意で6つのコンタクト、または、6つのコンタクト331、338、3281、3282、335、および/または、336のうちの少なくともいくつかは、シリコン貫通ビアとして実現することができる。
【0101】
図4aは、モジュール記録サイト400のブロック図を示し、モジュール記録サイト400は、図1のモジュール記録サイト1221~122nの各々、図2a及び2bのモジュール記録サイト2241~224nの各々、図3a及び3bのモジュール記録サイト3201~320nの各々と同じ機能を有する。モジュール記録サイト400は、例えば、図3aのニューロンプローブ300の各センサ素子3221~322nと同等の機能を持ち得るセンサ素子410を備える。センサ素子410は、例えば、連続時間Gm-Cデルタシグマ変調器に結合される。連続時間Gm-Cデルタシグマ変調器420は、例えば、図3aの積分器3241~324nと同じ機能を有することもできる。連続時間Gm-Cデルタシグマ変調器420は、例えばセンサ素子410への接続とグローバル基準422への接続と備える、差動入力を有することもできる。グローバル基準422は、例えば、神経活動が測定される方向の、脳組織の基準電位を表す図3aの基準331の基準電圧VBODY333aから構成され得る。連続時間Gm-Cデルタシグマ変調器は、例えば、出力信号を量子化器430に送信するように構成される。量子化器430は、例えば、図3aの量子化器3251~325nと同じ機能を有することもできる。量子化器430は、制御ユニット440に結合されてもよく、ここで、制御ユニット440は、例えば、制御信号442と相互作用することができる。制御ユニット440は、設定モジュール450及び記憶装置460に結合されてもよい。
【0102】
モジュール記録サイト400のセンサ素子410は、例えば、ニューロン信号を受信し、ニューロン信号を連続時間Gm-Cデルタシグマ変調器420に送信することができる。連続時間Gm-Cデルタシグマ変調器420は、次いで、例えば、ニューロン信号を積分し、積分されたニューロン信号を量子化器430に送ることができ、ここで、量子化器430は、例えば、積分されたニューロン信号を減算し、ニューロン信号をデジタルセンサ信号に変換することができる。制御ユニット440は、例えば、通常動作モード、または、設定モードのいずれかであるように構成される。制御信号442は、制御ユニット440に、どちらのモードが適切であるかを伝えてもよい。制御ユニットが通常動作モードで動作する場合、量子化器430からのデジタル化されたセンサ信号は、記憶装置460に書き込まれ、デジタルデータバス462によって基部に送信されてもよい。制御装置440が、設定モードで動作するとき、制御ユニット440は、設定パラメータを設定モジュール450に送信してもよく、ここで、設定モジュール450は、それによって、例えば、連続時間Gm-Cデルタシグマ変調器420のスケーリングが変更させるなど、例えば、各モジュール記録サイトを動作させるためのパラメータを変更してもよい。
【0103】
換言すれば、通信インターフェース(例えば、制御部440及び記憶装置460)は、例えば、通常動作モードで動作するかまたは構成モードで動作するかのいずれかで動作することができる。通常動作モードと、構成モードとの切り替えは、例えば、別の制御信号によって実行されてもよい。構成モードでは、例えば、受信した構成データ(configuration data)からそれぞれのモジュール記録サイトの構成を読み出して、それぞれのモジュール記録サイト400の動作に関するパラメータを適応させるために、使用することができる。複数のモジュール記録サイトの、各モジュール記録サイトの通信インターフェースの通常動作モードでは、デジタルセンサ信号を基部に転送することができる。各モジュール記録サイトの通信インターフェースの実施形態では、各モジュール記録サイトを個別に操作することが可能であり、ニューロン信号のデジタルセンサ信号への変換に関するパラメータを変更することが可能である。
【0104】
例えば、ストレージ460(ストレージ460は、例えば、トランジスタである)からなるデジタルデータバス462は、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトの通信インターフェースを、相互に、かつ、基部に対してシリアルに接続する。なお、制御信号442のためのラインとデジタルデータバス462のためのラインは、必ずしも個別のラインである必要はない。例えば、データバス462を用いて制御信号442を送信することも可能である。通信インターフェースが通常の動作モードにある場合には、複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトが神経信号から変換したデジタルセンサ信号を、例えば、デジタルデータバス462の記憶部460に書き込むことができる。そして、デジタルデータバス462は、例えば、デジタルセンサ信号を備えたストレージをベースに転送する。複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトの通信インターフェースは、互いに、基部に対してシリアルに接続されている。これは、各モジュール記録サイトの各通信インターフェースが、各モジュール記録サイトのデジタルセンサ信号が、他のモジュール記録サイトの位置にして、各モジュール記録サイトの位置にそれぞれ対応して順に配置されるように、デジタルデータバス462のストレージ460にそれぞれのデジタルセンサ信号を書き込むことを意味することができる。別個の制御信号により、通信インターフェースは、そのモードを通常動作モード(各モジュール記録サイトから基部にデジタルセンサ信号が転送される)からコンフィグレーションモード(基部から各モジュラー記録サイトにコンフィグレーションデータが転送される)に変更することができる。このように、このモジュールシステムの概念は、例えば、最小の複雑さ、基部の小型化、およびモジュール記録サイトの読み出しを同時に行うことで、任意の数のモジュール記録サイト(例えば、任意のトポロジーまたは形状のニューロン電極)を接触させることを可能にする。
【0105】
換言すれば、アナログ-デジタルコンバータ(それぞれモジュール記録サイト400)のアーキテクチャは、時間的に連続したGm-Cデルタ-シグマ変調器のアーキテクチャに類似している。時間連続Gm-Cデルタ-シグマ変調器は、それらが、電力需要を低減させることで知られている。Gm-C積分器420を用いた実施形態は、さらに、面積需要を非常に小さくすることができるという利点を有する。さらに、これらの変換器は、それらが、暗黙のアンチエイリアス・フィルタ効果を備えていることが知られている。したがって、追加的な回路ブロックとしての、専用のアンチエイリアス・フィルタの必要性を除くことができるので、さらなる、電力、及び面積を節約することができる。このようなコンバータ及び回路アーキテクチャを使用することにより、信号チェーンを削減し、センサ素子410の直下にアナログ-デジタルコンバータを配置することが可能になる。
【0106】
図4bは、モジュール記録サイト400のブロック図を示し、ここで、モジュール記録サイト400は、図4aに示すモジュール記録サイト400の特徴及び機能を備えることができる。図4bに示すモジュール記録サイト400は、センサ素子に関して、図4aに示すモジュール記録サイト400とは異なり、ここで、図4aに示すモジュール記録サイト400は、実施の形態によれば、少なくとも1つの第2のセンサ素子、例えば、図4aのように1つのセンサ素子410のみではなく、4つのセンサ素子4101~4102を備える。4つのセンサ素子の数は、説明的な理由のためだけに選択され、記載された実施の形態の範囲を限定するものではない。少なくとも10個または少なくとも15個のような、2個以上、3個以上、5個以上、または、それ以上の数の任意の適切な数で実施されてもよい。図4bでは、図4aに示された要素と比較して、等しいまは同等の要素、または、等しいまたは同等の機能を有する要素は、異なる図面で現れても、等しい、または、等価の参照数字によって示される。センサ素子4101~4104は、センサ部分または電極としても理解され得る。
【0107】
少なくとも2つのセンサ素子4101及び4102は、信号を受信するように適合されている。2つ以上のセンサ素子4101から4104は、例えば、4つのセンサ素子4101から4104を表している2×2センサマトリックスに配置されている。実施の形態によれば、1つのモジュール記録サイト400のすべてのセンサ素子4101~4104は、同じ信号を検出することができ、それにより、それぞれのセンサ素子4101~4104は、モジュール記録サイト400におけるセンサ素子4101~4104の異なる位置における同じ信号の依存性に基づいて、例えば、同じ信号と関連付けられた異なる個々の信号を生成する。すなわち、同じ信号、例えば、生体信号は、本願発明の異なる実施形態と関連して説明したように、センサ素子4101~4104が、同じ生体信号に基づいた、個々の異なる信号を提供するように、異なるセンサ素子4101~4104で受信される。
【0108】
このように、実施の形態によれば、モジュール記録サイト400は、受信信号に関連付けられた、4つの個別信号を処理するように構成されている。個々の信号は、互いに、異なっていてもよく、または、個々の信号の少なくとも一部は、同じであってもよい。積分器420は、少なくともセンサ素子4101および4102の個々の信号を時間的に連続して積分してもよく、これにより、2つ以上のセンサ素子に基づいて出力信号を順番提供するためのモジュール記録サイト400、すなわち、センサ素子4101および4102により収集された情報を時間的に多重化するためのモジュール記録サイト400を可能にすることができる。これは、提供されたアナログ電子信号をデジタル信号に変換するための、それぞれの構成要素を提供することなく、センサ素子4101および4102で感知された信号のより高い分解能および/またはオーバーサンプリングを可能にしてもよい。
【0109】
実施の形態によれば、図4bは、モジュール記録サイト400の実施例を示し、ここで1つのアナログ-デジタル変換器(例えば、Gm-C積分器420及び量子化器430)は、2つ以上のセンサ素子4101~4104に提供された、2つ以上の個体を変換するように構成されている。アナログ-デジタル変換器は、例えば、センサ素子4101の出力を4104に選択的に変換するように構成されている。時間多重化は、複雑さを最小化するために広く使用されている方法である。センサ素子の数が4個である記述された実施の形態によれば、4倍速のアナログ-デジタル変換器(図4aと比較した場合)は、図4aに関して記述された、アナログ-デジタル変換器が1個の信号のみを変換するのと同時に、4つのセンサ素子4101~4104によって受信された信号をサンプリングし、量子化することができる。換言すれば、追加の変換器を個別に配置する代わりに、より高い変換速度を使用して、センサ素子をグループ化してもよい。
【0110】
すなわち、プローブの1つ、複数または、すべてのモジュール記録サイトは、少なくとも、第1及び第2のセンサ素子を用いて、生体信号をサンプリングし、第1及び第2のセンサ素子の出力を、デジタルセンサ信号に多重化するように構成されていてもよい。代わりに、または、時間多重化に加えて、異なる、または、さらなる概念の多重化、例えば、周波数多重化を実施してもよい。
【0111】
図5aは、モジュール記録サイト500のブロック図を示し、図5bは、電流フィードバックを備えたGm-C積分器510、ラッチ付きコンパレータ520、及び出力ラッチ530の回路図を示す。
【0112】
図5aからのモジュール記録サイト500は、Gm-C積分器510を備え、ここでGm-C積分器510は、例えば、センサ素子511(例えば、電極)と基準電圧VBODY512との接点を備えた差動入力を有する。積分器510は、制御電圧VBIAS513によって制御され、フルスケールモード選択516を適用できる供給電圧VDD514と接続されている。センサ素子511は、例えば、図3aまたは図3bの各センサ素子3221~322nと同じ機能を有し、基準電圧VBODY512は、例えば、図3aまたは図3bの基準電圧333aと同じ機能を有し、電源電圧VDD514は、例えば、図3aまたは図3bの電源電圧VDD,A335と同じ機能を有することができ、制御電圧VBIAS513は、例えば、図3aまたは、図3bの制御電圧333bと同じ機能を有することができる。積分器510は、量子化器520に結合された差動出力を有し、ここで、量子化器520は、例えば、図3aの各量子化器3251~325nと同じ機能を有することができる。量子化器520からは、フィードバック電流528が積分器510に結合され、ビットストリームは、カウンタ530に送ることができ、ここでカウンタ530は、例えば、図3aのカウンタ3261~326nと同じ機能を有することができる。
【0113】
量子化器520は、リセット522と、クロック524と、遅延クロック526とを備えていてもよく、遅延クロック526は、チェーン内の次の側(次のモジュール記録サイト)に接続される。リセット522は、例えば、トランジスタを切り替えて量子化器520をリセットする。このように、例えば、量子化器520によって、デジタル化されたセンサ信号は、隣接するモジュール記録サイトのデジタルセンサ信号に対して遅延される。カウンタ530は、例えば、リセット522及びクロック534を有する10ビットのカウンタである。カウンタ530は、例えば、デジタルセンサ信号をラッチ540(これは例えば、図4a及び図4bからのストレージ460の機能を有する)に書き込む。次いで、デジタルセンサ信号は、ラッチ540から結果レジスタ550に書き込まれ、ここで、結果レジスタ550は、例えば、図4a及び図4bからのストレージ460と同じ機能を有することができる。入力552を介して、基部から来るデータチェーンは、結果レジスタ550に入り、出力554を介してラッチ540からの追加のデジタルセンサ信号を受信した後に離れる。
【0114】
図5bでは、図5aのブロック図をさらに詳細に示す。Gm-C積分器は、例えば、2つのグローバルアナログライン(基準電圧VBODY512及び制御電圧VBIAS513)に接続されている。積分器はまた、例えば、供給電圧VDD514を備えており、ここで、供給電圧VDD514は、第1の出力514aから第1の力514bへの電流と、第2の出力514cから第2の力514dへの電流とを生成する。積分器510は、センサ素子511(例えば、電極)に接続され、例えば、リセットモジュール516を備えることができる。積分器510は、例えば、第1の差動力517第1の差動力517aとの間の接続および、第2の差動出力518第2の差動入力518aとの間の続により、ラッチ付きコンパレータ570と結合する。ラッチ付きのコンパレータ570は、例えば、リセット522と、第1のクロック524aと、第2のクロック524bと、第3のクロック524cと、遅延クロック526とを備え、第1のクロック524a、第2のクロック524b、第3のクロック524cおよび/または、遅延クロック526は、循環的に動作し、例えば、同じ信号が提供される。ラッチ付きコンパレータ570は、電源電圧VDD514によって出力ラッチ580と接続されている。出力ラッチ580は、フィードバック出力528aとフィードバック入力528bとの間の接続によって、積分器510に接続されている。
【0115】
フィードバック電流シンク(例えば、フィードバック出力528aと、フィードバック入力528b間の接続)は、例えば、グローバルバイアス線(制御電圧513)から導出される。フィードバック電流は、例えば、±11.25mV、±22.5mV、または、±45mVに構成することができるADCのフルスケール(FS)を決定する。コンパレータ出力(例えば、フィードバック出力528a)に応じて、電流は、OTA(積分器510)の左または右のいずれか一方の低インピーダンスカスケードノードに注入されてもよい。非対称フィードバックに起因するコモンモードリップルは、第1のMIM(金属/絶縁体/金属)積分容量519a及び第2のMIM積分容量519bのそれぞれが、例えば、20×10μm2、15×7μm2、または、10×4μm2よりも小さい領域を占有し、例えば7×3.5μm2の静電容量を有し、VCMFB590に対して、20fF~200fF、50fF~150fF、または、80fF~例えば、95fF)の範囲の静電容量を有し、差動コンパレータ入力によって、カットされ得る。デジタルレベル入力信号で動作してもよいフィードバック電流源及びフィードバックスイッチのノイズは、主なノイズ要因と比較して、無視できる程度である。コモンモードフィードバックの面積および精度に対する制約は、第1に、ノイズが回路の差動性によって打ち消されるため、および第2に、コンパレータ入力(例えば第1の入力517a及び第2の入力518a)において正確なコモンモードが必要とされないので、厳しくない。差動ペアの相互コンダクタンスは、熱雑音を考慮して、例えば、1μS~20μS、2μS~10μS、または、3μS~5μSの範囲、例えば4.2μSの範囲であるように決定されてもよい。測定された最大SNRは、例えば、300dB、200dB、または、100dB未満、例えば、65.6dB(FS=±45mV)であってもよく、本実施例によれば、1.5μAのテール電流に対して、VPP=10mV(FS=±11.25mV)で、5%未満、1%未満、または、0.5%未満、例えば0.22%のTHDが得られる。
【0116】
換言すれば、複数のモジュール記録サイトの、各モジュール記録サイトの積分器510は、ニューロン信号を受信し、ニューロン信号を積分して統合されたニューロン信号を得るように構成されている。複数のモジュール記録サイトの各モジュール記録サイトの量子化器520は、ラッチ付きコンパレータ570と、出力ラッチ580とから構成されている。ラッチ付きコンパレータ570は、統合されたニューロン信号を受信し、統合されたニューロン信号を量子化するように構成されている。出力ラッチ580は、コンパレータ出力ラッチ580に基づいて、積分器510へのフィードバック電流528のためのスイッチを駆動をするように構成されている。コンパレータ出力ラッチ580に応じて、電流は、OTA(容量を有するOTAは、例えば、積分器である)の左、または、右の低インピーダンスカスケートノードのいずれかに流入される。
【0117】
図5bは、例えば、インクリメンタルデルタ-シグマシステムレベルの回路図、および、トランジスタ-レベルの実施形態を示す(例えば、1つのフルスケールモードのみのフィードバック電流源が示されている。:IFBN(第1の出力514aから第1の入力514bへ)、IFBP(第2の出力514cから第2の入力514dへ))。図6a、図6b、及び図6cは、ここで述べられた、実施の形態に従って、ニューロンプローブによって得られ得る、生体外の測定値の図を示す。本発明の実施形態に関連して与えられた、電子的パラメータ、サイズ、または、数から見て、測定結果または特定の詳細のいずれも、特に明記しない限り、与えられる教示を制限するのには適してはいない。他の構成、パラメータ、数、または、サイズが、本実施形態の範囲内で実施されてもよいことは、明らかである。
【0118】
図6aは、FS=±45mVで測定されたDNL/INL(微分非線形性/積分非線形性)を示す。FSは、±11.25mV、±22.5mV、または、±45mVに構成することもできる、ADC(アナログ-デジタルコンバータ)のフルスケールを意味する。
【0119】
図6bは、前半610が、LFPバンド(局所電場電位のバンド)に対応し、後半620が、APバンド(活動電位バンド)に対応する、生体外のパワースペクトル密度の図を示す。図6bは、また、複数のノイズコーナー630を示す。
【0120】
図6cは、統計的ノイズ分布(384個の記録サイト-複数のプローブ)を示す。FS=±11.25mVの場合の統計的ノイズ分布を黒で、FS=±22.5mVの場合の統計的ノイズ分布を薄黒で、FS=±45mVの場合の統計的ノイズ分布を灰色で示している。最上段の図は、全帯域幅を示し、中段の図は、局地電界電位帯を示し、下段の図は、作用電位帯を示す。FSモードに応じて、ADC(実施の形態による、ニューロンプローブのそれぞれのモジュール記録サイトのアナログ-デジタル変換器)は、240Hzから590Hzの間のフリッカノイズコーナーを有する10kHzの入力信号帯域をカバーしている。2種類のニューロン信号、すなわち局所フィールド電位(LFP、1から300Hz)、及び活動電位(AP、0.3から10kHz)の周波数帯域におけるノイズは、それぞれ、8.1μVrms、及び13.4μVrmsである(FS=±11.25mV)。すべての測定は、電極、及び電解質表面の界面に起因するノイズを含み、シールドを追加していない生体外で行われている。
【0121】
図7は、DC(直流)コントローラ/アーチファクトフィルタ、及びデジタル後処理を示す生体外の測定装置を示す。測定は、予め記録したデータ(海馬)を用いて刺激した結果である。右上の写真は、脳スライス活動を記録するための2本の針プローブを有する生体外MEAアダプタを示している。ニューロンプローブ700(これは例えば、ニューロンプローブ100、200と300と同じ機能を有することができる)は、身体電圧VBODY704のリン酸緩衝食塩水溶液702に入れられる。ニューロンプローブ700は、フィールド-プログラマブル-ゲートアレイ710(FPGA)に、フレキシブルケーブルによって接続される。FPGA710は、後処理装置720にUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)によって接続される。後処理装置720は、DCコントローラ・アーチファクト・フィルタ722と、LFPフィルタ724と、APフィルタ726とを備える。
【0122】
以下では、例示的な測定例を、手短に説明する。すべてのADC(実施の形態によるニューロンプローブの各モジュール記録サイトのアナログ-デジタルコンバータ)の平均化データは、生理食塩水での適用のための適切な身体電圧の駆動と、アーチファクト信号のキャンセルのために使用される。測定された信号は、デジタル後処理により、低周波局所フィールド電位(LFP)と高周波活動電位(AP)とに分離される。
【0123】
図8は、光遺伝学を応用するための、測光、及び放射分析の光感度測定(すべての照明された、記録サイトの平均ノイズ)を示す(比較のために、約500ルクスの照度は一般的なオフィス照明に相当し、約10000ルクスは完全な昼間の光に相当する)。光遺伝子的刺激の間、外部光源は、脳組織を特異的に励起し、したがって、活動を誘発することができ、それは、ニューロンプローブで検出することができる。通常、光パルスは、ニューロンプローブのアーチファクト信号で生成される。本明細書に記述されているように、ニューロンプローブの設計は、光学的損傷に対する免疫が大きく強化されるように実装される。
【0124】
パルス状(20Hz、または、1kHzの周波数でオン/オフ)の広帯域光源810(λ=400nm~1000nm)は、中性密度フィルタ830を介してビーム820を活性針プローブ800(活性針プローブ800は、例えば、神経プローブ100、200、及び300と同じ機能を有することができる)に送信してもよく、ここで活性針プローブ800は、リンゲル溶液840中に配置される。右図において、第1の曲線850は、高周波数(例えば、1kHz)に対応し、第2の曲線852は、低周波数(例えば、20Hz)に対応する。図では、全帯域ノイズ制限854も示されている。電極の下に配置された差動対(差動トランジスタ対は信号経路に差動シグナリングを作成するために2つの入力トランジスタが使用される回路技術を記述する)の両方の入力トランジスタを有する実施の形態によるニューロンプローブの遮蔽及びレイアウ概念(上述の)は、神経細胞の光遺伝学刺激のための強い要件である照明アーチファクトを抑制する[9]。パルス状の広帯域光源に対する感度測定を図8に示す。光励起時に生じる信号シフトは、電極下のCMOS回路が、性能をさらに低下させない一方で、電極表面のフォトニック効果と一致している。
【0125】
図9は、ケーブル上のCMOS後処理(供給電圧は、オフチップで、密になる)後の、CMOSチップ及び最終ニードルプローブ(例えば、実施の形態によるニューロンプローブ)の顕微鏡写真を示す。パッドは、例えば、電極特性評価(例えば、サイクリックボルタンメトリー、または、電気化学インピーダンス分光法)のために使用されるが、必ずしも読み出しに必要とされるものではない。本願発明による、ニューロンプローブの1つのモジュラー記録サイト900は、シールド930によってデジタル部910とアナログ部920とに分離することができる。アナログ部920は、例えば、Gm積分器921、CMFB922(C923、CMOS負荷924、スイッチ925、電流バイアス926、VB927、及び構成モジュール929)を備える。
【0126】
ニューロンプローブ940は、オプションで第1の電極942を備えており、第1の電極942(例えば、Pt電極)は、電極特性評価のためにVREFパッドに直接接続することができる。ニューロンプローブ960は、パッド962と、センサ素子964とを備え、パッド962は、例えば、ニューロンプローブ960を外部装置に接続するために接触している。ニューロンプローブ950は、パッド962と、センサ素子964と、基部966と、任意でSi34-SiO2パッシベーションとを備え、パッド962は、例えば、ニューロンプローブ960を外部装置に接続するために接触しており、センサ素子964は、例えば、Pt電極(プラチナ電極)であり、Si34-SiO2パッシベーションは、それぞれのセンサ素子964間の絶縁部968を形成している。ニューロンプローブは、ポストCMOS製作後に分離される。
【0127】
顕微鏡写真は、例えば、一定の幅が70μmであり、先端から基部までの厚さが50μmである完全埋め込み型プローブを示している。基部の長さは、例えば、電極の数に依存しない。記録サイトの最大数は、ADCのクロック周波数がfsに等しくなるように、チェーンのデータレートによってのみ制限されてもよい。各ADCは、例えば、20kS/sを送出し、長さを、例えばチェーンあたり93個の電極に制限する。例示的なプローブは、例えば、2つのデータチェーン(例えば、それぞれが、93個のモジュール記録サイトを有する)を採用する;しかしながら、複数のチェーンを有する拡張は、デジタル部分に、わずかな複雑さを追加するだけであろう。グローバルなアナログューラル信号のルーティングは存在しない可能性があり、設計のモジュール性が高いため、プローブを長くしたり、プローブの形状をアプリケーションに合わせて変更したりしても、同じ性能が得られる。プローブの面積の半分がデジタル回路に割り当てられているため、技術的なスケーリングにより、損失電力とプローブ幅が大幅に削減される。
【0128】
図10aは、当該技術で述べられたような、ニューロンプローブ1000の概略図を示す。図10bは、本願発明の実施の形態による、ニューロンプローブ1100を示す。すべての既知の解決策は、非常に大きな基部1010を有しており、それゆえに、組織に完全に埋め込むことはできない。その上、基部1010のサイズは、侵襲的外科的手術を必要とする。ニューロンプローブ1100を用いて、これらの問題を解決することができる。したがって、本願発明によるニューロンプローブが、従来の解決策より明らかに優れることが理解できる。
【0129】
図11は、基部1110、シャフト1120、及び信号処理ユニット1130を有する、最先端技術によるニューロンプローブを示す。信号処理ユニット1130は、信号増幅器1132と、アナログ-デジタル変換1134と、デジタル処理/インターフェース1136と、コンピュータ1138とを備える。
【0130】
本明細書に記述されたニューロンプローブを用いて、信号処理ユニット1130の構成要素の数は、信号増幅器1132、及びアナログ-デジタル変換1134を省略することによって、減少することができる。例えば、ニューロンプローブは、それぞれのモジュール記録サイトの中のそれらの構成要素をすでに含んでいる。したがって、本願発明によるニューロンプローブが従来の解決策より明らかに優れていることが理解できる。
【0131】
図12は、本出願で示されるように、ニューロンプローブ1300(本願発明の実施の形態)と比較した、本技術分野で記載されているようなニューロンプローブ(ニューロンプローブ1212、1222、1232、1242、及び1252)を示す。本明細書に記述されたニューロンプローブ1300は、非常に小さい基部1310を備えることを理解することができる。基部1310は、基部1210、1220、1230、1240、及び1250よりも非常に小さく実施されてもよい。このように、ニューロンプローブ1300は、ニューロンプローブ1212、1222、1232、1242、及び1252と比べて、非常により簡単に、そして、より深い組織に埋設することができる。したがって、本願発明によるニューロンプローブが従来の解決策より明らかに優れることが理解できる。
【0132】
いくつかの実施例が装置の文脈の範囲内で記述されているが、これらの実施例は、また、対応する方法の説明を表していることは明らかであり、そのため、ブロック、または、装置は、方法ステップとして、または、方法ステップの特徴に対応する。同様に、方法ステップの文脈内で記述された実施例は、対応する装置の対応するブロックまたは目または特徴の記述も表している。いくつか、または、全部の方法ステップは、例えば、マイクロプロセッサ、プログラム可能なコンピュータまたは電子回路のような、ハードウェア装置により(または使用して)実行されてもよい。いくつかの実施の形態では、1つ以上の最も重要な方法ステップは、そのような装置で実行されてもよい。
【0133】
特定の実施条件に従い、本願発明の実施の形態は、ハードウェアで、または、ソフトウェアで実施されることもできる。実施は、デジタル記憶媒体、例えば、それぞれの方法が実行されるような、プログラム可能なコンピュータシステムと協働する(または、協働可能な)、電子的に読み込み可能な制御信号をその上に格納しておく、フロッピーディスク、DVD、ブルーレイ、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、または、FLASHメモリを用いて実行されてもよい。したがって、デジタル記憶媒体は、コンピュータで読取り可能であってもよい。
【0134】
本願発明によるいくつかの実施の形態は、本明細書に記述される方法のうちの1つが実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと協働することができる電子的に読み込み可能な制御信号を有する、データキャリアを備える。
【0135】
一般的には、本願発明の実施の形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実施されてもよく、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータで動くとき、方法の1つを実行するために動作する。プログラムコードは、例えば、機械で読み取り可能なキャリアに格納されていてもよい。
【0136】
他の実施の形態は、機械で読み取り可能なキャリアに格納された、本明細書に記述された、方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを備える。
【0137】
換言すれば、コンピュータプログラムがコンピュータで動くとき、本願発明の方法の実施の形態は、したがって、本明細書に記述された、方法の1つを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0138】
本願発明の方法の更なる実施の形態は、したがって、本明細書に記述された方法のうちの1つを実行するためのコンピュータプログラムが記録されたデータキャリア(または、デジタル記憶媒体、または、コンピュータ読取り可能な媒体)からなる。データキャリア、デジタル記憶媒体、または記録された媒体は、一般的に非一時的および/または非過渡的である。
【0139】
本願発明の方法の更なる実施の形態は、したがって、本明細書に記述された、1つの方法を実行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号のシーケンスである。データストリームまたは信号のシーケンスは、例えば、データ通信接続、例えばインターネット、を介して送られるように構成されてもよい。
【0140】
更なる実施の形態は、例えば、本明細書に記述された、方法のうちの1つを実行するように構成されているか、または、適合されている処理手段、例えば、コンピュータ、または、プログラム可能な論理デバイスを備える。
【0141】
更なる実施の形態は、本明細書に記述された、1つの方法を実行するためのコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータを備える。
【0142】
本願発明による更なる実施の形態は、受信機に、本明細書に記述された、1つの方法を実行するためのコンピュータプログラムを送信(例えば、電子的、または、光学的であってもよい)するように構成された、装置、または、システムを備える。受信機は、例えば、コンピュータ、モバイル機器、メモリデバイス等であってもよい。装置、または、システムは、例えば、コンピュータプログラムをレシーバに送信するためのファイル・サーバを備えていてもよい。
【0143】
いくつかの実施例では、プログラム可能な論理デバイス(たとえばフィールドプログラマブルゲートアレイ)が、本明細書に記述された方法の機能のいくつか、または、全部を実行するために用いられてもよい。いくつかの実施の形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に記述された、1つの方法を実行するために、マイクロプロセッサと協働してもよい。一般的に、方法は、任意のハードウェア装置によって実行されることが好ましい。
【0144】
本明細書に記述された装置は、ハードウェア装置を用いて、または、コンピュータを用いて、または、ハードウェア装置とコンピュータの組合せを用いて実施されてもよい。
【0145】
本明細書に記述された装置、または、本明細書に記述された装置の任意の構成要素は、少なくとも部分的にハードウェアおよび/またはソフトウェアで実施されてもよい。
【0146】
本明細書に記述された方法は、ハードウェア装置を用いて、または、コンピュータを用いて、または、ハードウェア装置とコンピュータの組合せを用いて実行されてもよい。
【0147】
本明細書に記述された方法、または、本明細書に記述された装置のどんな構成要素でも、少なくとも部分的に、ハードウェアおよび/または、ソフトウェアによって実行されてもよい。
【0148】
上記の実施の形態は、本願発明の原理の例示を単に表しているにすぎない。本明細書に記述された配置と詳細の修正、及び変形は当業者には明らかであろうことが理解されるであろう。したがって、差し迫った特許請求の範囲によってのみ限定され、本明細書に記載された実施形態の記述、及び説明によって表された特定の詳細によって、限定されないことが意図されている。
【0149】
参考文献
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図1
図2
図3
図3c
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
図7
図8
図9
図10a
図10b
図11
図12