(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-18
(45)【発行日】2022-08-26
(54)【発明の名称】ワイヤレスブリッジを含むローカルエリアネットワークにおけるワイヤレスリンクを制御する方法、個別のワイヤレスブリッジ、プログラム記憶媒体及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/10 20180101AFI20220819BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20220819BHJP
H04W 4/06 20090101ALI20220819BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W84/12
H04W4/06 171
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2016244265
(22)【出願日】2016-12-16
【審査請求日】2019-12-03
(32)【優先日】2015-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】319002876
【氏名又は名称】インターデジタル マディソン パテント ホールディングス, エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】ファン ウースト,コーエン
(72)【発明者】
【氏名】セゲルス,ステイン
(72)【発明者】
【氏名】フェルワースト,フレデリック
【審査官】長谷川 未貴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/129367(WO,A1)
【文献】特開2007-180815(JP,A)
【文献】米国特許第05835721(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
DB名 3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LANアクセスポイント、前記LANアクセスポイントとリンクしたワイヤレスブリッジ及び前記ワイヤレスブリッジとリンクしたレシーバを含むローカルエリアネットワークにおけるワイヤレスリンクの動作方法であって、前記ワイヤレスブリッジは、前記ワイヤレスリンクを提供するためのブリッジアクセスポイント及びブリッジステーションを含み、マルチキャストデータ接続は、前記ワイヤレスブリッジを経由して前記LANアクセスポイント及び前記レシーバの間で確立され、
前記方法は、
前記LANアクセスポイントからのマルチキャストデータストリームを前記ブリッジステーションによって受信することと、
前記マルチキャストデータストリームを再開する参加リクエストメッセージの前記レシーバによる
前記ブリッジステーションへの送信を開始するために、前記ワイヤレスリンクが接続喪失後に回復したとき、前記ブリッジステーションによって前記レシーバにクエリメッセージを送信することと、
前記ブリッジステーションに前記参加リクエストメッセージを送信するために前記レシーバが前記クエリメッセージに応答した後、前記ブリッジステーションが、前記レシーバから前記参加リクエストメッセージを受信することと、
前記ブリッジステーションが、前記レシーバの前記参加リクエストメッセージを前記ブリッジアクセスポイント経由で前記LANアクセスポイントに転送することと
を含む方法。
【請求項2】
前記ワイヤレスリンクが回復後、途切れなく、前記ブリッジステーションによって、前記レシーバに速やかに前記クエリメッセージを送信することを、含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記クエリメッセージ及び前記参加リクエストメッセージは、インターネットグループマネジメントプロトコルに従う、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項4】
ワイヤレスリピータは、前記ローカルエリアネットワークに含まれ、前記ブリッジアクセスポイント及び前記ブリッジステーションの間のワイヤレスリンクを提供するように構成され、前記方法は、
前記LANアクセスポイントからのマルチキャストデータストリームを前記ワイヤレスリピータ経由で前記ブリッジステーションによって受信することと、
前記マルチキャストデータストリームを再開する参加リクエストメッセージの前記レシーバによる前記ブリッジステーションへの送信を開始するために、前記ブリッジアクセスポイントと前記ワイヤレスリピータとの間の第1
のワイヤレスリンク及び
前記ワイヤレスリピータと前記ブリッジステーションとの間の第2のワイヤレスリンクのうち
の少なくとも1つの接続喪失後に
当該ワイヤレスリンクが回復したとき、前記ブリッジステーションによって前記レシーバにクエリメッセージを送
信することと、を含む請求項1乃至
3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記マルチキャストデータストリームはビデオストリームであり、前記ワイヤレスブリッジは、ビデオブリッジであり、そして、前記レシーバは、ビデオレシーバである、請求項1乃至
4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記ビデオレシーバは、セットトップボックス、衛星レシーバ又はテレビジョンセットである、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
第1のマイクロプロセッサを有するブリッジアクセスポイント及び第2のマイクロプロセッサを有するブリッジステーションを含み、請求項1乃至
6のいずれか1項記載の方法を実行するように構成された、ワイヤレスブリッジ。
【請求項8】
請求項1乃至
6のいずれか1項記載の方法を実行するための実行可能プログラムコードを含む、マイクロプロセッサで読取り可能な、非一時的プログラム記憶媒体。
【請求項9】
請求項1乃至
6のいずれか1項記載の方法を実行するための実行可能プログラムコードを含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、デジタル加入者回線を経由して、顧客にブロードバンドサービスを供給するサービスプロバイダに接続する加入者宅内機器の分野に関連し、より具体的にはネットワーク内のワイヤレスマルチキャストビデオ配信の領域に関連する。
【背景技術】
【0002】
アクセスゲートウェイは、インターネット又は他のワイドエリアネットワーク(WAN)に顧客の家庭内のデバイス又は企業のデバイスを接続するために広く使用されている。アクセスゲートウェイは、例えば、銅線を通して高いデータレート伝送を可能にするデジタル加入者回線(DSL)、又は光ファイバー技術を使用する。ネットワークオペレータ、例えば、ネットワークサービスプロバイダ(NSP)は、本文脈で、加入者宅内機器(CPE)デバイスとして理解される大量のアクセスゲートウェイ、及びルータ、スイッチ、リピータ、ワイヤレスブリッジ及び電話などの他のデバイスも管理する。
【0003】
ワイヤレス技術を含むアクセスゲートウェイは、今日の家庭及び仕事の環境において重要な役割を有する。ローカルエリアネットワーク(LAN)にワイヤレスデバイスを接続するメカニズムは、いわゆるWi-Fiで、それは、ワイヤレスデータ伝送のための標準のIEEE802.11ファミリーを使用するデバイスに対するWi-Fiアライアンスのブランド名である。IEEE802.11標準は、2種類のワイヤレスノードを規定し、それらは、ステーション(STAと示す)と呼ばれる他のデバイスに接続できる一般的なワイヤレスデバイス、及びネットワークを制御する特別な種類のSTA、すなわち、アクセスポイント(APと示す)である。Wi-Fiネットワークは、しばしば、WLAN(ワイヤレスローカルエリアネットワーク)と呼ばれ、APに接続された1つ以上のSTAを有するAPで構成される。
【0004】
ビデオストリーミングは、例えば、インターネットプロトコルTV(IPTV)を使用するため等で、LAN及びWLAN内で益々使用されている。いくつかのエンドデバイスに対するストリーミングビデオに対して、具体的には、インターネットグループマネジメントプロトコル(IGMP)によって定義される、マルチキャストストリーミングが使用される。ワイヤレス伝送を通してのマルチキャストビデオの提供は、IEEE802.11におけるマルチキャストハンドリングの定義により、信頼性が低く、且つ最大スループットは低い。
【0005】
アクセスゲートウェイ、ワイヤレスブリッジ及びリピータの範囲を広げることは知られている。家庭内のワイヤレスビデオ配信システムは、
図1に表現されるような、ブリッジアクセスポイント及びブリッジアクセスステーションを含むワイヤレスブリッジとイーサネット(登録商標)リンクを経由して接続されたアクセスゲートウェイ1の実施形態である。ブリッジステーションは、例えば、セットトップボックス(STB)のようなレシーバ2とイーサネットリンクを経由して接続される。ワイヤレスブリッジは、例えば、IEEE802.11標準に従ったビデオブリッジである。
【0006】
アクセスゲートウェイ1を経由してIGMP参加メッセージアップストリームをインタネットサービスプロバイダ(ISP)に送信することによって、レシーバ2は、ビデオストリームに申し込む。この参加メッセージ(join message)は、ワイヤレスブリッジによって及びアクセスゲートウェイ1によって、スヌープ(snoop)される。ISPから受信したとき、アクセスゲートウェイ1は、ブリッジアクセスポイントにマルチキャストビデオストリームの転送を開始し、ブリッジアクセスポイントは、(レイヤ2上のユニキャストを使用して)順々にそれをブリッジステーション及びさらにレシーバ2に転送する。特定のクライアントから、あるマルチキャストグループに対するIGMP参加メッセージが見えたときにだけ、マルチキャストストリームは、そのクライアントに転送される。それ故に、ワイヤレスを通してマルチキャストビデオを転送することを目的とするすべてのワイヤレスデバイスに対して、マルチキャストからユニキャストへの変換の実行が必要となる。
【0007】
使用される通信媒体の性質により、ワイヤレスリンクは、有線リンクよりも容易に切れやすい。ワイヤレスリンクの接続喪失(connection loss)の場合で、ブリッジアクセスポイント及びブリッジステーションの間でワイヤレスリンクが回復したとき、レシーバ2は、マルチキャストデータストリームのリクエストを再度しなければならない。イーサネットリンクは、ダウンしていないので、ワイヤレスリンク3の接続喪失及び再確立の後で、アクセスゲートウェイ1及びレシーバ2において特定のアクションは何ら開始されない。アクセスゲートウェイ1は、切断によって自身の接続テーブル(connection table)がクリアされ、そのクライアントに対して自身が知っていたすべてのマルチキャストグループを失う。
【0008】
結果として、クライアントが再度接続したときに、マルチキャストビデオストリームは回復されず、ビデオを再びプレイするためにはユーザのインタラクション(例えば、同じチャネルへの切り替え等)が必要となるか、又はシステムがマルチキャストグループの加入(subscription)をリフレッシュするまで(通常は定期的にされる)ユーザは待たなければならず、その結果、ワイヤレスリンクの回復の後で、ビデオ再生の追加の遅延が発生する。
【0009】
信頼性のあるマルチキャストワイヤレスビデオ伝送に関するゲートウェイについては、米国特許8,374,113号明細書に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【0011】
本発明は、LANアクセスポイント、LANアクセスポイントとリンクしたワイヤレスブリッジ及びワイヤレスブリッジとリンクしたレシーバを含むローカルエリアネットワークにおけるワイヤレスリンクの動作方法であって、ワイヤレスブリッジは、ワイヤレスリンクを提供するためのブリッジアクセスポイント及びブリッジステーションを含み、マルチキャストデータ接続は、ワイヤレスブリッジを経由してLANアクセスポイント及びレシーバの間で確立され、この方法は、ブリッジアクセスポイントによって受信されるLANアクセスポイントからのマルチキャストデータストリームをブリッジステーションに転送することと、ワイヤレスリンクの接続喪失後、ワイヤレスリンクを回復することと、ワイヤレスリンクが回復したとき、ブリッジステーションによってレシーバにクエリメッセージを送信することを含む。可能な限り早くマルチキャストデータ接続を再確立するために、ワイヤレスリンクが回復後、途切れなく、ブリッジステーションによって、レシーバに特に速やかにクエリメッセージが送信される。
【0012】
本開示の態様によると、クエリメッセージ及び参加リクエストメッセージは、インターネットグループマネジメントプロトコルに従ったメッセージである。
【0013】
好ましい実施形態によると、ビデオサーバーは、セットップボックス、衛星レシーバ又はテレビジョンセットで、データストリームは、ビデオストリームである。
【0014】
ワイヤレスブリッジは、第1のマイクロプロセッサを有するブリッジアクセスポイント及び第2のマイクロプロセッサを有するブリッジステーションを含み、本方法を実行するように構成される。
【0015】
コンピュータプログラムは、本方法を実行するための実行可能プログラムコードを含む。
【0016】
コンピュータによって読み取り可能な非一時的プログラム記憶媒体は、本方法を実行するための実行可能プログラムコードを含む。
【0017】
本開示の好ましい実施形態は、概略図面を参照する実例の方法によって下記でさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】ワイヤレスブリッジ経由でレシーバと接続されたアクセスゲートウェイを説明する図である。
【
図2】ワイヤレスブリッジ経由でレシーバと接続され、本原理による方法を実行するアクセスゲートウェイの説明である。
【
図3】
図2のワイヤレスブリッジのさらに詳細な説明である。
【
図4】ローカルエリアネットワークにおけるワイヤレスリンクを動作させる方法を説明するフローチャートである。
【
図5】ブリッジアクセスポイント及びブリッジステーションの間に接続されたワイヤレスリピータを含むローカルエリアネットワークを説明する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図に示された要素は、ハードウェア、ソフトウェア又はその組み合わせの様々な形式で実装できることを理解されたい。好ましくは、これらの要素は、1つ以上の適切にプログラム可能な汎用デバイス上でハードウェア及びソフトウェアの組合せにおいて実装され、この汎用デバイスは、プロセッサ、メモリ及び入力/出力インタフェースを含む。本明細書中で、「結合された(coupled)」という表現は、直接に接続された、又は1つ以上の中間のコンポーネントを通じて、間接的に接続された、という意味であると定義する。そのような中間のコンポーネントは、ハードウェア及びソフトウェアをベースとしたコンポーネントの両方を含むことができる。
【0020】
本説明は、本開示の原理を説明する。当業者は、従って、本明細書で明示的に説明されておらず、示されていないとしても、本開示の原理を具体化する様々な構成を考案することができ、それらは、本範囲の範囲内に含まれることを理解できる。
【0021】
本明細書で列挙されたすべての実例および仮定的な用語は、読者の本開示の原理及び技術の促進に対して発明者が寄与した概念の理解を助けるための教育的な目的を意図し、そのような具体的に列挙された実例及び条件に制限されず解釈されるべきである。
【0022】
さらに、本明細書中で本開示の原理、態様、及び実施形態を引用するすべての表現、及びそれらの特定の実例は、それらの構造的及び機能的均等物の両方を含むことを意図する。その上、そのような均等物は、現在知られている均等物と同様に将来開発される均等物、すなわち、構造にかかわらず同じ機能を実行するように開発されたいかなる要素も含むことを意図する。
【0023】
それ故に、例えば、本明細書で提示されたブロック図は、本開示の原理を具体化する例示的な回路の概念的な図を表すことを当業者は理解する。同様に、コンピュータ読み取り可能媒体中に実質的に表現され、そのようなコンピュータ又はプロセッサが明示的に示されていてもいなくてもコンピュータ又はプロセッサによって実行される得る様々なプロセスをフローチャート、フロー図、状態遷移図、擬似コード等は表すことを理解されたい。
【0024】
図に示された様々な要素の機能は、専用のハードウェア及び適切なソフトウェアと関連してソフトウェアを実行する能力のあるハードウェアの使用を通して提供することができる。プロセッサによって提供されるときは、単一の専用プロセッサによって、単一の共用プロセッサによって、又はそのうちのいくつが共用され得る独立した複数のプロセッサによって、機能を提供することができる。さらに、「プロセッサ(processor)」又は「コントローラ(controller)」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行する能力のあるハードウェアの排他的な参照と解釈されるべきではなく、これら用語は、制限なく、デジタルシグナルプロセッサ(「DSP」)ハードウェア、ソフトウェアを記憶するためのリードオンリメモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、及び不揮発性記憶装置を黙示的に含む。
【0025】
標準の及び/又はカスタムの他のハードウェアも含むことができる。同様に、図に示されたスイッチは、単に概念的なものである。これらの機能は、プログラムロジックの動作を通して、専用のロジックを通して、プログラム制御及び専用ロジックの相互作用を通して、又は手動によっても実行することができ、本文脈からより具体的に理解されるように、特定の技術は、実装者によって選択される。
【0026】
本願の請求項において、特定の機能を実行する手段として表現される要素は、例えば、a)その機能を実行する回路要素の組合せ、又はb)機能を実行するソフトウェアを実行する適切な回路と組合された、ファームウエア、マイクロコード等を含むいかなる形式のソフトウェアも含む機能を実行する方法を包含する意図である。そのような請求項に規定された本開示は、様々な列挙された手段によって提供される機能性は請求項で請求される方法で組み合わされ及び寄せ集められるという事実に存在する。従って、これらの機能性を提供することができるいかなる手段も本明細書に示されたものと均等と見なされる。
【0027】
以下の説明において、LANアクセスポイント及びワイヤレスブリッジを含むローカルエリアネットワーク(LAN)におけるワイヤレスリンクの制御の実例となる方法、及びこの方法を実行する個別のワイヤレスブリッジが説明される。LANアクセスポイントは、特に、顧客にブロードバンドサービスを配信するサービスプロバイダにデジタル加入者回線経由で接続されたCPEデバイスである。説明のために、好ましい実施形態の理解を通して提供するためにいくつかの特定の詳細が説明される。しかしながら、本原理がそれらの詳細な説明なしに実施できることは当業者にとって明らかとなる。
【0028】
実施形態におけるLANは、
図2に示されるように、LANアクセスポイントを代表するアクセスゲートウェイ1を含み、アクセスゲートウェイ1は、イーサネットリンクE1を経由してワイヤレスブリッジ及び少なくとも1つのレシーバ2に接続される。ワイヤレスブリッジは、ワイヤレスリンク3を提供するブリッジアクセスポイントB1及びブリッジステーションB2から構成される。レシーバ2は、具体的には、ビデオレシーバ、例えば、セットトップボックス、衛星レシーバ又はテレビジョンセットである。ブリッジステーションB2及びレシーバ2は、第2のイーサネットリンクE2を経由して接続される。ワイヤレスブリッジは、例えば、IEEE802.11標準に従うビデオブリッジである。LANは、例えば、エンドユーザのホーム(home)ネットワーク、又は企業の(enterprise)ネットワーク、又は行政の(administration)ネットワーク等である。
【0029】
本発明の別の実施形態によると、ブリッジアクセスポイントB1は、ゲートウェイ1に組み込まれ、ブリッジステーションB2は、レシーバ2に組み込まれる。
【0030】
図2のビデオブリッジのいくらかの詳細は、
図3に概略的に示される:ブリッジアクセスポイントB1及びブリッジステーションB2は、ワイヤレスリンク3を経由してリンクされる。マイクロプロセッサ10、メモリ11、ワイヤレスリンク3のためのワイヤレスノード12、メモリ11に記憶されたオペレーティングシステム13及びイーサネットポートEを備える回路をブリッジアクセスポイントB1は含む。マイクロプロセッサ20、メモリ21、ワイヤレスリンク3のためのワイヤレスノード22、メモリ21に記録されたオペレーティングシステム23及びイーサネットポートEを備える第2の回路をステーションB2は含む。ワイヤレスノード12は、物理レイヤ14及びリンクレイヤ15を含み、そして、ワイヤレスノード22は、物理レイヤ24及びリンクレイヤ25を含む。
【0031】
この実施形態において、
図2に関連して説明され、ブリッジアクセスポイントB1及びブリッジステーションB2を備えるワイヤレスブリッジによって確立された、ワイヤレスリンクの動作方法が、
図4に示される。ワイヤレスリンク3は、ブリッジアクセスポイントB1及びブリッジステーションB2を含むワイヤレスブリッジによって制御される(100)。ワイヤレスブリッジB1、B2は、アクセスポイント1によって受信されるように、マルチキャストデータストリームをワイヤレスリンク3を経由して、レシーバ2に転送する(110)。ワイヤレスブリッジB1、B2によってスヌープされるIGMP参加リクエストメッセージを使用することによってレシーバ2によって、マルチキャストデータストリームはリクエストされる。
【0032】
ワイヤレスリンク3の接続喪失の場合、マルチキャストデータストリームは、中断され、アクセスポイント1は、マルチキャストリストからレシーバ2を削除する。例えば、強い干渉信号(interference signal)、又はブリッジステーションB2がブリッジアクセスポイントB1の範囲外に移動したという理由によって、ワイヤレスリンク3は、中断される。
【0033】
ワイヤレスリンク3の接続喪失の中断を引き起こす条件が取り除かれたらすぐに、ワイヤレスリンク3は、ワイヤレスアクセスポイントB1及びブリッジステーションB2の間で回復される(120)。ワイヤレスリンクが中断される前にマルチキャストデータストリームがアクセスゲートウェイ1からレシーバ2に送られていたことをIGMPのスヌーピングによってワイヤレスブリッジは知っているので、従って、ブリッジステーションB2は、直ちにレシーバ2にクエリメッセージを送信する(130)。レシーバ2は、次に、ブリッジステーションB2への参加リクエストメッセージを有するクエリメッセージに応答し、マルチキャストデータストリームを再確立する(140)。ブリッジステーションB2は、次に、レシーバ2の参加リクエストメッセージをブリッジアクセスポイントB1経由でアクセスゲートウェイ1に転送し、マルチキャストデータストリームを再開する(renew)(150)。
【0034】
ワイヤレスリンク3が回復された後、レシーバ2は、もはやマルチキャストデータストリームに興味がない場合は、次に、レシーバ2は、ブリッジステーションB2の参加リクエストメッセージに応答せず、依然としてリクエストされた場合は、マルチキャストデータストリームを再確立のみし、必要な場合は、ワイヤレスリンク3にロードしない。
【0035】
マルチキャストデータストリームは、例えば、マルチキャストビデオストリームであり、レシーバは、テレビジョン受像機、又はセットトップボックスである。ワイヤレスリンク3の中断によって生じるマルチキャストビデオストリームの中断をできるだけ短く保つために、マルチキャストビデオストリームが再確立されると直ぐに、テレビジョン受像機は、そのために、ビデオの表示を再開する。テレビジョンセットは、ワイヤレスリンク3が再確立されたときを知らないので、テレビジョンセットのユーザによって、又はテレビジョンセット自身によって、何らのアクションは取られる必要はない。
【0036】
別の実施形態によると、ワイヤレスリピータRは、
図5に説明されるように、ブリッジアクセスポイントB1及びブリッジステーションB2の間のLANに含まれる。ワイヤレスリピータRによって、ブリッジアクセスポイントB1の範囲を広げることができる。この実施形態において、ブリッジアクセスポイントB1及びワイヤレスリピータRの間のワイヤレスリンク50及びワイヤレスリピータR及びブリッジステーションB2の間のワイヤレスリンク51を使用することによって、ゲートウェイ1、ブリッジアクセスポイントB1、ワイヤレスリピータR及びブリッジステーションB2を経由して、マルチキャストデータストリームは、レシーバ2に伝送される。ワイヤレスリンク50又はワイヤレスリンク51の接続喪失及びそれに続く接続回復(connection recovery)の場合、ブリッジステーションB2は、
図4に関して説明されるように動作する。ブリッジアクセスポイントB1及びブリッジステーションB2の間のワイヤレスリンクが再確立された後、ブリッジステーションB2は、直ちにクエリメッセージをレシーバ2に送信し、レシーバ2に対してマルチキャストデータストリームを再開する。
【0037】
ブリッジステーションB2が、LAN内の別の場所、例えばブリッジアクセスポイントB1に近い場所に移動した場合、ブリッジアクセスポイントB1及びブリッジステーションB2との間に直接ワイヤレスリンク52を確立することは有利であり得る。また、この場合、ワイヤレスリンク52が確立されたとき、ブリッジステーションB2がクエリメッセージを直ちにレシーバ2に送信し、マルチキャストデータストリームを続ける。ワイヤレスリピータRがある場合、ブリッジステーションB2は、それから、ブリッジアクセスポイントB1からワイヤレスリピータRへローミングすることができ、また逆も同様である。何れの場合も、ワイヤレスリンク51又は52が再確立されるとすぐに、マルチキャストデータストリームは直ちに再確立される。
【0038】
レシーバ2が、依然としてマルチメディアデータストリームに興味がある場合に、マルチキャストデータストリームが再確立のみされるという利点を、説明した方法は有する。ワイヤレスブリッジによってワイヤレスリンク3が回復された後の非常に短い時間のうちにマルチキャストデータストリームが再確立されるので、マルチキャストデータストリームを回復するために、レシーバ2又はユーザからのアクションは必要とされない。
【0039】
当業者によって、本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態も、利用することができる。本開示は、従って、本明細書に添付された請求項に属する。
[付記1]
LANアクセスポイント(1)、前記LANアクセスポイントとリンクしたワイヤレスブリッジ(B1、B2)及び前記ワイヤレスブリッジとリンクしたレシーバ(2)を含むローカルエリアネットワーク(LAN)におけるワイヤレスリンク(3)の動作方法であって、前記ワイヤレスブリッジは、前記ワイヤレスリンクを提供するためのブリッジアクセスポイント(B1)及びブリッジステーション(B2)を含み、マルチキャストデータ接続は、前記ワイヤレスブリッジを経由して前記LANアクセスポイント及び前記レシーバの間で確立され、
前記方法は、
前記ブリッジアクセスポイントによって受信される前記LANアクセスポイントからのマルチキャストデータストリームを前記ブリッジステーションに転送することと(110)、
前記ワイヤレスリンクの接続喪失後、前記ワイヤレスリンクを回復することと(120)、
前記ワイヤレスリンクが回復したとき、前記ブリッジステーションによって前記レシーバにクエリメッセージを送信し、前記レシーバによって前記マルチキャストストリームを再開する参加リクエストメッセージの送信を開始することと(130)、を含む方法。
[付記2]
前記ワイヤレスリンクが回復後、途切れなく、前記ブリッジステーションによって、前記レシーバに速やかに前記クエリメッセージを送信することを、含む付記1に記載の方法。
[付記3]
前記マルチキャストストリームを再開するために、前記ブリッジステーションにおける前記レシーバから前記参加リクエストメッセージを受信する(140)、付記1又は2に記載の方法。
[付記4]
前記クエリメッセージ及び前記参加リクエストメッセージは、インターネットグループマネジメントプロトコル(IGMP)に従う、付記1乃至3のいずれか1項記載の方法。
[付記5]
ワイヤレスリピータ(R)は、前記ローカルエリアネットワークに含まれ、前記ブリッジアクセスポイント及び前記ブリッジステーションの間のワイヤレスリンクを提供するように構成され、前記方法は、
前記ブリッジアクセスポイントによって受信される前記LANアクセスポイントからのマルチキャストデータストリームを前記リピータ経由で前記ブリッジステーションに転送することと、
前記ワイヤレスリンクの接続喪失の後、前記ワイヤレスリンクを回復し、前記ワイヤレスリンクが回復したとき、前記ブリッジステーションによって前記レシーバにクエリメッセージを送信し、前記レシーバによって、前記マルチキャストストリームを再開する参加リクエストメッセージの伝送を開始することと、を含む付記1乃至4のいずれか1項記載の方法。
[付記6]
前記データストリームはビデオストリームであり、前記ワイヤレスブリッジは、ビデオブリッジであり、そして、前記レシーバは、ビデオレシーバである、付記1乃至5のいずれか1項記載の方法。
[付記7]
前記ビデオレシーバは、セットトップボックス、衛星レシーバ又はテレビジョンセットである、付記6に記載の方法。
[付記8]
第1のマイクロプロセッサを有するブリッジアクセスポイント及び第2のマイクロプロセッサを有するブリッジステーションを含み、付記1乃至7のいずれか1項記載の方法を実行するように構成された、ワイヤレスブリッジ。
[付記9]
付記1乃至7のいずれか1項記載の方法を実行するための実行可能プログラムコードを含む、マイクロプロセッサで読取り可能な、非一時的プログラム記憶媒体。
[付記10]
付記1乃至7のいずれか1項記載の方法を実行するための実行可能プログラムコードを含むコンピュータプログラム。