(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-18
(45)【発行日】2022-08-26
(54)【発明の名称】エレベータシステムの制御方法
(51)【国際特許分類】
B66B 1/18 20060101AFI20220819BHJP
B66B 3/00 20060101ALI20220819BHJP
【FI】
B66B1/18 P
B66B3/00 P
(21)【出願番号】P 2018024817
(22)【出願日】2018-02-15
【審査請求日】2021-02-03
(32)【優先日】2017-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591020353
【氏名又は名称】オーチス エレベータ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Otis Elevator Company
【住所又は居所原語表記】One Carrier Place,Farmington,Connecticut,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】山田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】谷口 直樹
(72)【発明者】
【氏名】橋本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】大村 賢一
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-177341(JP,A)
【文献】特開2016-222353(JP,A)
【文献】特開2017-007794(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0297642(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/18
B66B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータシステムの制御方法であって、
エレベータかごの内部の画像を取得することと、
前記画像内の乗客を検出することと、
前記画像から前記検出した乗客のグラフィック乗客モデルを形成することと、
前記乗客モデルを用いて前記エレベータかごに追加で乗車可能な乗客の数を決定することと、を含み、
前記エレベータかごに追加で乗車可能な前記乗客の数を決定することは、
前記乗客モデルを、エレベータかごスペースを表す画像領域内に、前記乗客モデルが重ならないように配置することと、
標準サイズの乗客を表す標準モデルを、前記画像領域内に、更なる標準モデルに対するスペースがなくなるまで加えることと、
前記画像領域内に含まれる標準モデルの数を、前記エレベータかごに追加で乗車可能な乗客の数として設定することと、を含み、
前記乗客モデル及び標準モデルは、前記画像領域内にそれらの間に所定の間隔を伴ってはめられ、最大数のモデルが前記画像領域内に含まれるように移動または回転させてもよい、方法。
【請求項2】
前記乗客モデルは前記乗客の実際の寸法を反映する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
エレベータ乗場の画像を取得することと、
前記画像内の乗客を検出することと、
前記乗客間の距離に基づいて前記乗客をグループとして関連付けることと、
前記グループ内の人々の数と前記エレベータかごに追加で乗車可能な乗客の数とに基づいて、エレベータかごをホール呼びに割り当てることと、を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記検出した乗客を追跡することを更に含み、前記乗客間の距離が所定の時間の間、所定の距離内にあるときに、前記乗客をグループとして関連付ける、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
ホール呼びが入力されたときに、前記グループ内の人々の数をエレベータ制御装置に与える請求項
3に記載の方法。
【請求項6】
前記エレベータシステムは行き先エントリーシステムであり、前記ホール呼びは行き先エントリー入力を含む請求項
3に記載の方法。
【請求項7】
エレベータかごに追加で乗車可能な乗客の数が、グループ内の人々の数とそのかごにすでに割り当てられた乗客との和よりも大きいときに、前記グループのメンバーが行なったホール呼びを前記エレベータかごを割り当てる請求項
3に記載の方法。
【請求項8】
前記条件を満たすエレベータかごがないときに前記グループ内の前記人々の数を分割することを更に含む請求項
7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全般的に、エレベータシステムに関する。より詳細には、本発明は、あと何人の乗客がエレベータかごに実際に乗ることができるかを決定し、この決定に基づいてかごを割り当てることに関する。
【背景技術】
【0002】
最新のエレベータシステムでは、乗客はエレベータサービスを様々な方法でリクエストすることができる。システムによっては、乗客が特定の乗場から上または下に移動する希望を示すことができる従来のホール呼びボタンを設けているものがある。エレベータかご内にかご操作パネルがあると、乗客は乗客が希望する移動先のフロアを示すことができる。他のシステムでは、乗客がエレベータかごに乗る前に乗客が所望の行き先を示すことができる行き先エントリー乗客インターフェースが含まれている。このようなシステムでは、既知のかご割当てアルゴリズムに従って各乗客にエレベータかごを割り当てる。
【0003】
行き先エントリーシステムによって、乗客に対するエレベータサービスを向上させることが、例えば、より大きい輸送量をより効率的に取り扱って、エレベータロビーが混み合うことを回避することによって可能である。しかし、このようなシステムが示す問題点の1つは、かご割当てが、あと何人の乗客がエレベータかごに実際に乗ることができるかに関する情報を何ら用いずに行なわれることである。特定のかごに割り当てられた乗客は、割り当てられたかごに乗ることができない場合もあるし、または割り当てられたかごに乗らないことを選ぶ場合もある。なぜならば、かご内部の荷重が十分にかごの容量の範囲内であるにもかかわらず、かご内に十分な空間がないからである。このため、無駄に停止するだけでなく、システム全体の効率が損なわれる。
【0004】
乗客が、エレベータかごに一緒に乗ることを望む乗客のグループを構成する場合に更なる問題点が示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記及び他の考察を考慮すると、エレベータシステムを制御するための方法であって、あと何人の乗客がエレベータかごに実際に乗れるかを決定し、この決定に基づいてかごを割り当てる方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、エレベータシステムを制御するための方法は、エレベータかごの内部の画像を取得することと、画像内の乗客を検出することと、画像から検出した乗客のグラフィック乗客モデルを形成することと、乗客モデルを用いてエレベータかごに追加で乗車可能な乗客の数を決定することと、を含む。乗客モデルは乗客の実際の寸法を反映してもよい。
【0007】
エレベータかごに追加で乗車可能な乗客の数を決定することは、乗客モデルを、エレベータかごスペースを表す画像領域内に、乗客モデルが重ならないように配置することと、標準サイズの乗客を表す標準モデルを、画像領域内に、更なる標準モデルに対するスペースがなくなるまで加えることと、画像領域内に含まれる標準モデルの数を、エレベータかごに追加で乗車可能な乗客の数として設定することと、を含んでもよい。
【0008】
発明を実施するための形態では、例として図面を参照して、優位点及び特徴とともに本発明の実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明のエレベータシステムの概略図である。
【
図2】
図1のかご画像処理ユニットによって行なわれるプロセスを示すフローチャートである。
【
図3a】
図2において行なわれるプロセスの結果例を例示する説明図である。
【
図3b】
図2において行なわれるプロセスの結果例を例示する説明図である。
【
図3c】
図2において行なわれるプロセスの結果例を例示する説明図である。
【
図3d】
図2において行なわれるプロセスの結果例を例示する説明図である。
【
図3e】
図2において行なわれるプロセスの結果例を例示する説明図である。
【
図3f】
図2において行なわれるプロセスの結果例を例示する説明図である。
【
図3g】
図2において行なわれるプロセスの結果例を例示する説明図である。
【
図3h】
図2において行なわれるプロセスの結果例を例示する説明図である。
【
図4】
図1の乗場画像処理ユニットによって行なわれるプロセスの一部を示すフローチャートである。
【
図5】
図1の乗場画像処理ユニットによって行なわれるプロセスの一部を示すフローチャートである。
【
図6】
図1の乗場画像処理ユニットによって行なわれるプロセスの一部を示すフローチャートである。
【
図7】
図1の乗場画像処理ユニットによって行なわれるプロセスの一部を示すフローチャートである。
【
図8a】
図4~7において行なわれるプロセスの結果例を例示する説明図である。
【
図8b】
図4~7において行なわれるプロセスの結果例を例示する説明図である。
【
図8c】
図4~7において行なわれるプロセスの結果例を例示する説明図である。
【
図8d】
図4~7において行なわれるプロセスの結果例を例示する説明図である。
【
図8e】
図4~7において行なわれるプロセスの結果例を例示する説明図である。
【
図8f】
図4~7において行なわれるプロセスの結果例を例示する説明図である。
【
図8g】
図4~7において行なわれるプロセスの結果例を例示する説明図である。
【
図8h】
図4~7において行なわれるプロセスの結果例を例示する説明図である。
【
図9】
図1のエレベータ制御装置がどのように動作するかを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明のエレベータシステム1の選択部分を概略的に示す。エレベータシステム1は3つのエレベータA、B、Cを含む。それぞれ、エレベータかご2(
図1には1つのみを示す)を介して乗客を建物のフロアF1、F2のいずれかに運ぶように動作可能である。3つのエレベータA、B、Cと2つのフロアF1、F2とを示しているが、本発明は、任意の数のフロアにサービスを提供する任意の数のエレベータを伴うエレベータシステムに適用できることが理解される。
【0011】
行き先入力が、乗客によって、各フロアF1、F2に配置された行き先エントリーデバイス4を介して与えられる。エレベータかご2に入る前に、行き先エントリーデバイス4を乗客が用いてその所望の行き先フロアが入力される。各行き先エントリーデバイス4は、入力部分5とディスプレイ部分6とを含む。入力部分5によって、乗客は、乗客が望む移動先の建物の特定のフロアF1、F2を示す。いくつかの実施例では、入力部分5はキーパッドを含む。ディスプレイ部分6によって、乗客に情報(例えばその乗客を所望の行き先まで運ぶためにどのエレベータA、B、Cが割り当てられるか)が与えられる。
【0012】
エレベータA、B、Cのスケジューリングを、行き先エントリーデバイス4を介して与えられる行き先入力に基づいてエレベータ制御装置7によって調整する。行き先入力は、後述するように、乗場画像処理ユニット13にも与えられる。各乗客が行き先エントリーデバイス4の1つの上で自分の行き先フロアを入力すると、乗客は、自分の行き先リクエストに最も効率的に応えるエレベータA、B、Cに誘導される。乗客がその割り当てられたエレベータのエレベータかご2に入ると、エレベータ制御装置7は乗客がリクエストしたフロアで停止するようにエレベータを制御する。こうして、乗客は、従来のエレベータシステムの場合よりも停止が少ない効率的な方法でその行き先フロアに到達する場合がある。
【0013】
少なくとも1つのかご画像収集デバイスが、各エレベータかご2内の天井または上壁に配置されている。かご画像収集デバイスは、かごビデオカメラ8または、かご2の内部の複数の連続的なリアルタイム画像を含む画像を収集し得る任意の他のデバイスを含んでいてもよい。各かごビデオカメラ8は、かご画像処理ユニット9にライン10を介して接続されている。
【0014】
少なくとも1つの乗場画像収集デバイスが、各フロアF1、F2に配置されて、乗場画像処理ユニット13にライン14を介して接続されている。乗場画像収集デバイスは、乗場ビデオカメラ12または、乗場/廊下の複数の連続的なリアルタイム画像を含む画像を収集し、行き先エントリーデバイス4をその視野に含み得る任意の他のデバイスを含んでいてもよい。かご画像処理ユニット9及び乗場画像処理ユニット13はそれぞれ、エレベータ制御装置7にライン15、16を介して接続され、エレベータA、B、Cのスケジューリング用に用いてもよい画像処理結果をエレベータ制御装置7に提供する。
【0015】
図2は、あと何人の乗客がエレベータかごに実際に乗ることができるかを決定するためにかご画像処理ユニット9が行なうプロセスを示すフローチャートである。
図3a~3hは、
図2で行なわれるプロセスの結果例を例示する。ステップ101において画像がかごビデオカメラ8から取り込まれ、ステップ102においてかご2内の乗客の存在が検出される。乗客が検出されなかった場合、プロセスはステップ101に戻って、乗客が検出されるまで画像が連続的に取り込まれる。
【0016】
乗客が検出された場合、ステップ103において乗客の単純なグラフィックモデル22が形成される。
図3aはエレベータかご2の内部の画像例17を示す。
図3bに示すように、例えば、乗客の頭部及び肩のエッジが、画像17内に円18及び一対の円弧19、19として検出される。
図3cに示すように、円18及び一対の円弧19、19をそれぞれ組み合わせて、円18及び略楕円20の組み合わせにする。
図3dに示すように、各組み合わせを調整して乗客モデル22を形成する。このようにして、乗客モデル22は、かご2の内部の乗客の実際の寸法を反映してもよい。
【0017】
車椅子またはベビーカーの乗客または他の物体(例えば手荷物またはパッケージなど)の実サイズのグラフィックモデルを、このような物体のエッジを同様の方法で検出することによって形成し、このようなモデルを乗客モデル22とともに用いて可能な更なる乗客を決定することができてもよい。
【0018】
ステップ104において、乗客モデル22を、エレベータかごスペースを表す画像領域Aの一方の側に、互いに重ならないように移動させる。
図3eに、画像領域Aに含まれる形成された乗客モデル22を示し、
図3fに、どのように乗客モデル22を画像領域Aの一方の側に移動させるかを示す。
【0019】
ステップ105において、標準サイズの乗客を表す更なる標準モデル24に対する空間があるか否かがチェックされる。そうである場合には、ステップ106において更なる標準モデル24を以前のモデル22、24と重ならないように加え、ステップ107において標準モデル24の数をカウントし、更なる標準モデル24に対する空間がなくなるまで、プロセスはステップ105に戻る。
【0020】
図3gに、更なる標準モデル24がどのようにはまるかを示す。乗客モデル22及び標準モデル24の位置は固定しておらず、モデル22、24を移動または回転させて、最大数のモデル22、24が画像領域Aにはまることが(例えば、所定の距離を各モデル22、24間に保持した状態で)できるようにしてもよい。
【0021】
ステップ105において更なる標準モデル24に対する空間がないと判定されたら、プロセスはステップ108に進んで、エレベータかご2に実際に乗ることができる可能な更なる乗客の数を標準モデル24の数に設定する。ステップ109において、この数をエレベータ制御装置7に送る。
図3hに示すように、この実施形態では、10の更なる標準モデル24がはまることができ、すなわち、10人のより多くの乗客がエレベータかご2に乗ってもよい。
【0022】
図4~7は、一緒に移動することを望む乗客のグループを判定するために乗場画像処理ユニット13が行なうプロセスを示すフローチャートである。
図8a~8hは、
図4~7で行なわれるプロセスの結果例を例示する。ステップ201において画像を乗場ビデオカメラ12から取り込み、ステップ202において乗場/廊下における乗客の新しい頭部の存在を検出する。新しい頭部が検出されたら、ステップ203において、検出した頭部を頭部円26によって示す。ステップ202及び203を、乗場/廊下における乗客のすべての頭部が検出されるまで繰り返す。乗客のすべての頭部が検出されたら、ステップ204において1つ以上の頭部円26が存在するか否かを判定する。そうである場合には、プロセスはステップ205に進む。そうでない場合には、プロセスはステップ201に戻る。
【0023】
ステップ205において、同心の外円27を各頭部円26の周りに形成する。この同心円27は各乗客の個人スペースを表す。
図8aは、乗場/廊下のビデオ画像例25を示す。
図8bは、乗客の頭部を示す頭部円26と、その周りに形成された同心円27を示す。ステップ206において、各同心円27を個々の個人円28として特定する。
図8cは、番号によって特定した個人円28を示す。ステップ207において、各個人円28と他の個人円28との間の距離を測定する。
図8dに、個人円1番と残りの個人円28との間の距離を一実施例として示す。
【0024】
ステップ208において、個人円28の番号Nを1に設定し、ステップ209において、個人円1番から所定の距離内に何らかの個人円28があるか否かをチェックする。そうである場合には、個人円28を接続する。プロセスがステップ211に初めて到達するときは、すべての個人円28がチェックされているわけではなく、プロセスはステップ212に進んで個人円28の番号を1だけ増加させて、ステップ209及び210を繰り返す。すべての個人円28がチェックされたら、プロセスはステップ213に進む。
【0025】
図8eは、ラインによって接続された短距離を有する個人円28を示す。個人円1番及び2番が接続され、個人円2番及び3番が接続され、個人円4番及び5番が接続されている。個人円28は最終的に、この関係に基づいてグループ化される。この時点で、
図8fに示すように、個人円1番、2番、及び3番を3人のグループを成すと考えてもよく、個人円4番及び5番を2人のグループを成すと考えてもよく、また個人円6番及び7番をそれぞれ1人のグループを成すと考えてもよい。
【0026】
ステップ213において、個人円28の番号Nを再び1に設定し、ステップ214において、個人円28が他の個人円28と接続されているか否かをチェックする。そうである場合には、ステップ215において、接続されている個人円28をすべて取得して、ステップ216において、接続が所定の時間を超えて続いているか否かをチェックする。そうである場合には、ステップ217において、所定の時間を超えて接続されている個人円28がグループとして関連付けられていると判定する。
【0027】
図8gに、接続が継続しているか否かをチェックするために個人円28をある時間に渡ってどのように追跡するかを示す。所定の時間の後、個人円1番は個人円2番及び3番から遠くに移動し、個人円4番及び5番は依然として短距離内に位置し、個人円6番及び7番は互いにより近くに移動した。
図8hに示すように、所定の距離内にある個人円28を再び接続して、連続して接続されている個人円28を、グループとして関連付けられていると判定する。したがって、この時点で、個人円2番及び3番と個人円4番及び5番とは、2人のグループを構成すると判定され、残りの個人円は他と関連付けられないが、追跡を続ける。
【0028】
ステップ219において、すべての個人円28がチェックされるまで個人円28の数を増やす。すべての個人円28がチェックされたら、プロセスはステップ218からステップ220に進む。
【0029】
ステップ220において、ホール呼びが行き先エントリーデバイス4に入力されたか否かをチェックする。そうである場合には、ステップ221において、呼びを入力した乗客の個人円28と関連付けられる個人円28の数をカウントし、ステップ222において、個人円28の数をエレベータ制御装置7に送る。ステップ223において、任意の個人円28が検出領域を離れたか否かをチェックする。個人円がもはや検出面積内になかったら、ステップ224において削除して、プロセスはステップ225を介して開始に戻る。
【0030】
図9に、エレベータ制御装置7がどのように動作するかを示す。乗客が行き先入力デバイス4を介して行き先入力を与えると、エレベータ制御装置7は乗場画像処理ユニット13から、その行き先ホール呼びに関係するグループ内の人々の数を受け取る(ステップ222)。エレベータ制御装置7はまた、各エレベータかご2に実際に乗ることができる乗客の数をかご画像処理ユニット9から連続的に受け取り(ステップ109)、各グループをエレベータかご2にマッチさせる。
【0031】
具体的には、ステップ301において、行き先入力を行き先エントリーデバイス4から受け取る。ステップ302において、既知のかご割当てアルゴリズムに従って候補エレベータかご2を選ぶ。ステップ303において、入力に関連付けられたグループ内の人々の数が1より大きいか否かをチェックする。そうである場合には、ステップ304において、候補エレベータかご2に実際に乗ることができる可能な更なる乗客の数が、候補エレベータ2にすでに割り当てられた乗客の数と入力に関連付けられるグループ内の人々の数との和よりも大きいか否かをチェックする。そうである場合には、ステップ305において呼びを候補エレベータかご2に割り当てる。
【0032】
そうでない場合には、ステップ306において、すべてのエレベータかご2がチェックされたか否かをチェックする。そうでない場合には、ステップ302~304を繰り返す。すべてのエレベータかご2をチェックして、条件を満たすかご2がない場合、プログラムはステップ307に進んで、グループを2つに分割する。分割されたグループに関してプログラムは、グループ内のすべての人々がエレベータかご2に割り当てられるまで繰り返される。
【0033】
本発明を限定された数の実施形態のみに関連して詳細に説明したが、本発明はこのような開示された実施形態に限定されないことが容易に理解されるであろう。むしろ、本発明を、これまで説明していないが本発明の趣旨及び範囲に対応する任意の数の変形、修正、代用、または等価な配置を取り入れるように変更することができる。更に、本発明の種々の実施形態について説明してきたが、本発明の態様は、説明した実施形態の一部のみを含んでもよいことが理解されるべきである。したがって、本発明は前述の説明によって限定されると理解してはならず、添付の請求項の範囲のみによって限定される。