IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本曹達株式会社の特許一覧 ▶ 日本農薬株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-18
(45)【発行日】2022-08-26
(54)【発明の名称】抑草組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/653 20060101AFI20220819BHJP
   A01N 47/02 20060101ALI20220819BHJP
   A01P 21/00 20060101ALI20220819BHJP
【FI】
A01N43/653 L
A01N47/02
A01P21/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018083509
(22)【出願日】2018-04-24
(65)【公開番号】P2018184396
(43)【公開日】2018-11-22
【審査請求日】2021-03-05
(31)【優先権主張番号】P 2017086987
(32)【優先日】2017-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004307
【氏名又は名称】日本曹達株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000232623
【氏名又は名称】日本農薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109508
【弁理士】
【氏名又は名称】菊間 忠之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隆志
(72)【発明者】
【氏名】小澤 友理子
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 由紀
【審査官】阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-275205(JP,A)
【文献】国際公開第2008/096675(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/018501(WO,A1)
【文献】特表2011-510054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 43/653
A01N 47/02
A01P 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フルポキサム1質量部フルルプリミドール0.2~5質量部とを含有する抑草組成物。
【請求項2】
クズ用である、請求項1に記載の抑草組成物。
【請求項3】
フルポキサム1質量部フルルプリミドール0.2~5質量部のそれぞれを同時に若しくは順不同相前後にまたはフルポキサム1質量部フルルプリミドール0.2~5質量部とを含有する抑草組成物を植物に施用することを含む抑草方法。
【請求項4】
植物がクズである、請求項3に記載の抑草方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は抑草組成物に関する。より詳細に、本発明は、雑草などの不要な植物の伸長生長を高効率で抑制し且つ長期間低い草丈で維持することができる抑草組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
除草剤は、雑草などの不要な植物を枯らすために用いられる農薬である。一方、抑草剤は、雑草などの不要な植物の伸長成長を抑制し、植物を完全に枯らすことなく低い草丈の状態に維持するために用いられる農薬である。抑草剤は、例えば、植物群落の植生の維持、裸地化による土壌流亡の防止、草刈り作業などの労力の軽減などに資する。
【0003】
除草剤または植物成長調節剤となり得るものとして、例えば、特許文献1は、フルポキサムを有効成分として含有する芝生用広葉多年生雑草防除剤を開示している。
特許文献2は、ベンフルラリン、ペンジメサリン、トリフルラリン及びジクロベニルからなる群の少なくとも1つと、フルポキサムとを有効成分として含有する混合除草剤を開示している。
【0004】
特許文献3は、フルルプリミドールと除草活性又は植物成長調節作用を有する化合物の1種又は2種以上とを有効成分として含有することを特徴とする除草剤組成物又は植物成長調節剤組成物を開示している。除草活性又は植物成長調節作用を有する化合物として、ナプロパミド、フルポキサム、グルホシネートなどが例示されている。
特許文献4は、ブラシノステロイド生合成阻害物質とジベレリン生合成阻害物質とを有効成分として含むことを特徴とする植物成長調節剤を開示している。ジベレリン生合成阻害物質としてフルルプリミドールなどを例示している。
特許文献5は、雑草にまたは雑草が存在する土地に、1つ以上の非選択的な除草剤及び1つ以上の植物生長制御剤の相乗的に有効な量の混合物、又はそれらの混合物を含む組成物を適用することを含む、雑草を防除する方法を開示している。植物生長制御剤としてジベレリン生合成阻害剤が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-156471号公報
【文献】特開平7-233013号公報
【文献】特開2010-275205号公報
【文献】特開2015-67548号公報
【文献】特表2011-510054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、雑草などの不要な植物の伸長生長を高効率で抑制し且つ長期間低い草丈で維持することができる抑草組成物および抑草方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために検討した結果、以下の形態を包含する本発明を完成するに至った。
【0008】
〔1〕フルポキサムとジベレリン生合成阻害物質を含有する抑草組成物。
〔2〕フルポキサムとジベレリン生合成阻害物質のそれぞれを同時に若しくは順不同相前後にまたはフルポキサムとジベレリン生合成阻害物質を含有する抑草組成物を植物に施用することを含む抑草方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の抑草組成物は、雑草などの不要な植物の伸長生長を高効率で抑制し且つ長期間低い草丈で維持することができる。本発明の抑草方法によれば、雑草などの不要な植物の伸長生長を高効率で抑制し且つ長期間低い草丈で維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の抑草組成物は、フルポキサムとジベレリン生合成阻害物質を含有する。
【0011】
フルポキサム(別名:1-[4-クロロ-3-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロポキシメチル)フェニル]-5-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド)は、細胞壁(セルロース)合成阻害物質して知られており、イネ科雑草、広葉一年生雑草、広葉多年生雑草などを防除する作用を有することが知られている。市販のフルポキサム製剤としては、「コンクルード顆粒水和剤」(商品名)、「グラフティ顆粒水和剤」(商品名)などを挙げることができる。
【0012】
ジベレリンは、生長軸の方向への細胞伸長の促進、種子の発芽促進、種子の休眠打破の促進、種子の老化の抑制、オーキシンの作用の促進などに関わっていると言われる物質である。ジベレリン生合成阻害物質としては、ダミノジット、メピコートクロリド、クロルメコート、フルルプリミドール、パクロブトラゾール、ウニコナゾールP、トリネキサパックエチル、プロヘキサジオンカルシウム塩、イナベンフィドなどを挙げることができる。これらのうち、フルルプリミドールが好ましい。フルルプリミドール(別名:2-メチル-ピリミジン-5-イル-1-(4-トリフルオロメトキシフェニル)プロパン-1-オール)は、日本芝、ベントグラス、1年生雑草、多年生雑草等の伸長を抑制する作用を有することが知られている。市販のフルルプリミドール製剤としては、「グリーンフィールド水和剤」(商品名)などを挙げることができる。
【0013】
本発明の抑草組成物において、フルポキサム1質量部に対するジベレリン生合成阻害物質の量は、特に限定されないが、好ましくは0.05~20質量部、より好ましくは0.1~10質量部、さらに好ましくは0.2~5質量部である。
【0014】
本発明の抑草組成物は、フルポキサムおよびジベレリン生合成阻害物質に加えて、公知の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、植物成長調整剤、肥料、薬害軽減剤(セーフナー)等と混合して使用することもできる。特に、除草剤と混合使用することにより、使用薬量を減少させることや、抑草効果の持続等が可能である。また、省力化をもたらすのみならず、混合薬剤の相乗作用により一層高い効果も期待できる。その場合、さらなる複数の公知除草剤との組合せも可能である。
【0015】
本発明に用いることができる他の除草活性成分としては、例えば、次のようなものを挙げることができる。特に記載がない場合であっても、これら除草活性成分には、塩、アルキルエステル、光学異性体のような各種構造異性体などが存在する場合は、当然それらも含まれる。
(a) クロジナホッププロパルギル(clodinafop-propargyl)、シハロホップブチル(cyhalofop-butyl)、ジクロホップメチル(diclofop-methyl)、フェノキサプロップP エチル(fenoxaprop-P-ethyl)、フルアジホップP(fluazifop-P)、フルアジホップ-P-ブチル(fluazifop-P-butyl)、ハロキシホップメチル(haloxyfop-methyl)、ピリフェノップナトリウム塩(pyriphenop-sodium)、プロパキザホップ(propaquizafop)、キザロホップP エチル(quizalofop-P-ethyl)、メタミホップ(metamifop)等のアリ-ルオキシフェノキシプロピオン酸エステル系;アロキシジム(alloxydim)、ブトロキシジム(butroxydim)、クレトジム(clethodim)、シクロキシジム(cycloxydim)、プロホキシジム(profoxydim)、セトキシジム(sethoxydim)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim)等のシクロヘキサンジオン系;ピノキサデン(pinoxaden)等のフェニルピラゾリン系;その他の植物のアセチルCoAカルボキシラーゼを阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0016】
(b) アミドスルフロン(amidosulfuron)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron-methyl)、クロリムロンエチル(chlorimuron-ethyl)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、シノスルフロン(cinosulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、エタメトスルフロンメチル(ethametsulfuron-methyl)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、ホラムスルフロン(foramsulfuron)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron-methyl)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、ヨードスルフロン(iodosulfuron-methyl)、メソスルフロン(mesosulfuron)、メソスルフロンメチル(mesosulfuron-methyl)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、プリミスルフロン(primisulfuron)、プロスルフロン(prosulfuron)、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron-ethyl)、リムスルフロン(rimsulfuron)、スルホメツロンメチル(sulfometuron-methyl)、スルホスルフロン(sulfosulfuron)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron-methyl)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリベヌロンメチル(tribenuron-methyl)、トリフルオキシスルフロン(trifloxysulfuron)、トリフルスルフロンメチル(triflusulfuron-methyl)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、オルトスルファムロン(orthosulfamuron)、プロピリスルフロン(propyrisulfuron)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、メタゾスルフロン(metazosulfuron)、メチオピルスルフロン(methiopyrsulfuron)、モノスルフロンメチル(monosulfuron-methyl)、オルソスルフロン(orsosulfuron)、イオフェンスルフロン(iofensulfuron)等のスルホニルウレア系;イマザピック(imazapic)、イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザモックスアンモニウム塩(imazamox-ammonium)、イマザピル(imazapyr)、イマザキン(imazaquin)、イマゼタピル(imazethapyr)等のイミダゾリノン系;クロランスラムメチル(cloransulam-methyl)、ジクロスラム(diclosulam)、フロラスラム(florasulam)、フルメツラム(flumetsulam)、メトスラム(metosulam)、ペノキススラム(penoxsulam)、ピロキスラム(pyroxsulam)、メトスルファム(metosulfam)等のトリアゾロピリミジンスルホンアミド系;ビスピリバック-ナトリウム塩(bispyribac-sodium)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリチオバック-ナトリウム塩(pyrithiobac-sodium)、ピリミノバックメチル(pyriminobac-methyl)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)等のピリミジニル(チオ)ベンゾエート系;フルカルバゾン(flucarbazone)、プロポキシカルバゾン(propoxycarbazone)、チエンカルバゾンメチル(thiencarbazone-methyl)等のスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系;トリアファモン(triafamone)等のスルホンアニリド系;その他の植物のアセト乳酸合成酵素(ALS) (アセトヒドロキシ酸合成酵素(AHAS)) を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0017】
(c) アメトリン(ametryn)、アトラジン(atrazine)、シアナジン(cyanazine)、デスメトリン(desmetryne)、ジメタメトリン(dimethametryn)、プロメトン(prometon)、プロメトリン(prometryn)、プロパジン系(プロパジン(propazine))、CAT(シマジン(simazine))、シメトリン(simetryn)、テルブメトン(terbumeton)、テルブチラジン(terbuthylazine)、テルブトリン(terbutryne)、トリエタジン(trietazine)、アトラトン(atratone)、シブトリン(cybutryne)等のトリアジン系;ヘキサジノン(hexazinone)、メタミトロン(metamitron)、メトリブジン(metribuzin)等のトリアジノン系;アミカルバゾン(amicarbazone)等のトリアゾリノン系;ブロマシル(bromacil)、レナシル(lenacil)、ターバシル(terbacil)等のウラシル系;PAC(クロリダゾン(chloridazon))等のピリダジノン系;デスメディファム(desmedipham)、フェンメディファム(phenmedipham)、スエップ(swep)等のカーバメート系;クロルブロムロン(chlorobromuron)、クロロトルロン(chlorotoluron)、クロロクスロン(chloroxuron)、ジメフロン(dimefuron)、DCMU(ジウロン(diuron))、エチジムロン(ethidimuron)、フェニュロン(fenuron)、フルオメツロン(fluometuron)、イソプロツロン(isoproturon)、イソウロン(isouron)、リニュロン(linuron)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、メトブロムロン(metobromuron)、メトキスロン(metoxuron)、モノリニュロン(monolinuron)、ネブロン(neburon)、シデュロン(siduron)、テブチウロン(tebuthiuron)、メトベンズロン(metobenzuron)、カルブチレート(karbutilate)等の尿素系;DCPA(プロパニル(propanil))、CMMP(ペンタノクロール(pentanochlor))等のアミド系;シプロミッド(cypromid)等のアニリド系;ブロモフェノキシム(bromofenoxim)、ブロモキシニル(bromoxynil)、アイオキシニル(ioxynil)等のニトリル系;ベンタゾン(bentazone)等のベンゾチアジアジノン系;ピリデート(pyridate)、ピリダフォル(pyridafol)等のフェニルピリダジン系;その他メタゾール(methazole)等の植物の光合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0018】
(d) ジクワット(diquat)、パラコート(paraquat)等のビピリジリウム系;その他のそれ自身が植物体中でフリーラジカルとなり、活性酸素を生成させて速効的な除草効力を示すとされているもの。
【0019】
(e) アシフルオルフェンナトリウム塩(acifluorfen-sodium)、ビフェノックス(bifenox)、クロメトキシニル(クロメトキシフェン(chlomethoxyfen))、フルオログリコフェン(fluoroglycofen)、ホメサフェン(fomesafen)、ハロサフェン(halosafen)、ラクトフェン(lactofen)、オキシフローフェン(oxyfluorfen)、ニトロフェン(nitrofen)、エトキシフェンエチル(ethoxyfen-ethyl)等のジフェニルエーテル系;フルアゾレート(fluazolate)、ピラフルフェンエチル(pyraflufen-ethyl)等のフェニルピラゾール系;シニドンエチル(cinidon-ethyl)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルミクロラックペンチル(flumiclorac-pentyl)、クロルフタリム(chlorphthalim)等のN-フェニルフタルイミド系;フルチアセットメチル(fluthiacet-methyl)、チジアジミン(thidiazimin)等のチアジアゾール系;オキサジアゾン(oxadiazon)、オキサジアルギル(oxadiargyl)等のオキサジアゾール系;アザフェニジン(azafenidin)、カルフェントラゾンエチル(carfentrazone-ethyl)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、ベンカルバゾン(bencarbazone)等のトリアゾリノン系;ペントキサゾン(pentoxazone)等のオキサゾリジンジオン系;ベンズフェンジゾン(benzfendizone)、ブタフェナシル(butafenacil)等のピリミジンジオン系;サフルフェナシル(saflufenacil)等のスルホニルアミド系;フルフェンピルエチル(flufenpyr-ethyl)等のピリダジン系;その他ピラクロニル(pyrachlonil)、プロフルアゾール(profluazol)、チアフェナシル(tiafenacil)、トリフルジモキサジン(trifludimoxazin)等の植物のクロロフィル生合成を阻害し、光増感過酸化物質を植物体中に異常蓄積させることで除草効力を示すとされているもの。
【0020】
(f) ノルフルラゾン(norflurazon)、メトフルラゾン(metflurazon)等のピリダジノン系;ジフルフェニカン(diflufenican)、ピコリナフェン(picolinafen)等のピリジンカルボキサミド系;メソトリオン(mesotrione)、スルコトリオン(sulcotrione)、テフリルトリオン(tefuryltrione)、テンボトリオン(tembotrione)、ビシクロピロン(bicyclopyrone)、フェンキノトリオン(fenquinotrione)等のトリケトン系;イソキサクロルトール(isoxachlortole)、イソキサフルトール(isoxaflutole)等のイソオキサゾール系;ベンゾフェナップ(benzofenap)、ピラゾレート(ピラゾリネート(pyrazolynate))、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、トプラメゾン(topramezone)、ピラスルフォトール(pyrasulfotole)、トルピラレート(tolpyralate)等のピラゾール系;ATA(アミトロール(amitrol))等のトリアゾール系;クロマゾン(clomazone)等のイソオキサゾリジノン系;アクロニフェン(aclonifen)等のジフェニルエーテル系;その他ベフルブタミド(beflubutamid)、フルリドン(fluridone)、フルロクロリドン(flurochloridone)、フルルタモン(flurtamone)、ベンゾビシクロン(benzobicyclone)、メトキシフェノン(methoxyphenone)、ケトスピラドックス(ketospiradox)等のカロチノイド等の植物の色素生合成を阻害し、白化作用を特徴とする除草効力を示すとされているもの。
【0021】
(g) グリホサート(glyphosate)、グリホサートアンモニウム塩(glyphosate-ammonium)、グリホサートカリウム塩(glyphosate-potassium)、グリホサートイソプロピルアミン塩(glyphosate-isopropylamine)、グリホサートトリメシウム塩(スルホサート(sulfosate))等のグリシン系;その他のEPSP 合成酵素阻害
(h) グルホシネート(glufosinate)、グルホシネートアンモニウム塩(glufosinate-ammonium)、グルホシネート-Pナトリウム塩(glufosinate-P-sodium)、ビアラホス(ビラナホス(bilanafos))等のホスフィン酸系等のグルタミン合成酵素阻害
その他の植物のアミノ酸生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0022】
(i) アシュラム(asulam)等のカーバメート系;その他のDHP(ジヒドロプテロイン酸)合成酵素阻害
【0023】
(j) ベスロジン(ベンフルラリン(benfluralin))、ブトルアリン(butralin)、ジニトラミン(dinitramine)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、オリザリン(oryzalin)、ペンディメタリン(pendimethalin)、トリフルラリン(trifluralin)、ニトラリン(nitralin)、プロジアミン(prodiamine)等のジニトロアニリン系;アミプロホスメチル(amiprofos-methyl)、ブタミホス(butamifos)等のホスホロアミデート系;ジチオピル(dithiopyr)、チアゾピル(thiazopyr)等のピリジン系;プロピザミド(propyzamide)、テブタム(tebutam)等のベンズアミド系;クロルタール(chlorthal)、TCTP(クロルタールジメチル(chlorthal-dimethyl))等の安息香酸系;IPC(クロルプロファム) (chlorpropham)、プロファム(propham)、カルベタミド(carbetamide)、バーバン(barban)等のカーバメート系;フラムプロップ-M(flamprop-M)、フラムプロップ-M-イソプロピル(flamprop-M-isopropyl)等のアリールアラニン系; アセトクロール(acetochlor)、アラクロール(alachlor)、ブタクロール(butachlor)、ジメタクロール(dimethachlor)、ジメテナミド(dimethenamid)、ジメテナミド-P(dimethenamid-P)、メタザクロール(metazachlor)、メトラクロール(metolachlor)、S-メトラクロール(S-metolachlor)、ペトキサミド(pethoxamid)、プレチラクロール(pretilachlor)、プロパクロール(propachlor)、プロピソクロール(propisochlor)、テニルクロール(thenylchlor)等のクロロアセトアミド系;ジフェナミド(diphenamid)、ナプロパミド(napropamide)、ナプロアニリド(naproanilide)等のアセトアミド系;フルフェナセット(flufenacet)、メフェナセット(mefenacet)等のオキシアセトアミド系;フェントラザミド(fentrazamide)等のテトラゾリノン系;その他アニロホス(anilofos)、インダノファン(indanofan)、カフェンストロール(cafenstrole)、ピペロホス(piperophos)、メチオゾリン(methiozolin)、フェノキサスルフォン(fenoxasulfone)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone)、イプフェンカルバゾン(ipfencarbazone)等の植物の微小管重合や微小管形成、細胞分裂を阻害することあるいは超長鎖脂肪酸(Very Long Chain Fatty Acid:VLCFA)生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0024】
(k) DBN(ジクロベニル(dichlobenil))、DCBN(クロルチアミド(chlorthiamid))等のニトリル系;イソキサベン(isoxaben)等のベンズアミド系;トリアゾロカルボキサミド系;キンクロラック(quinclorac)等のキノリンカルボン酸系;その他トリアジフラム(triaziflam)、インダジフラム(indaziflam)等の細胞壁(セルロース)合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0025】
(l) DNOC、DNBP(ジノセブ(dinoseb))、ジノテルブ(dinoterb)等のジニトロフェノール系;その他のアンカップリング(膜破壊) により除草効力を示すとされているもの。
【0026】
(m) ブチレート(butylate)、ヘキシルチオカルバム(シクロエート(cycloate))、ジメピペレート(dimepiperate)、EPTC、エスプロカルブ(esprocarb)、モリネート(molinate)、オルベンカルブ(orbencarb)、ペブレート(pebulate)、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、ベンチオカーブ(チオベンカルブ(thiobencarb))、チオカルバジル(tiocarbazil)、トリアレート(triallate)、バーナレート(vernolate)、ジアレート(diallate)等のチオカーバメート系;SAP(ベンスリド(bensulide))等のホスホロジチオエート系;ベンフレセート(benfuresate)、エトフメセート(ethofumesate)等のベンゾフラン系;TCA、DPA(ダラポン(dalapon))、テトラピオン(フルプロパネート(flupropanate))等のクロロ炭酸系; その他の植物の脂質生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0027】
(n) クロメプロップ(clomeprop)、2,4-PA(2,4-D)、2,4-DB、ジクロルプロップ(dichlorprop)、MCPA、MCPB、MCPP(メコプロップ(mecoprop))等のフェノキシカルボン酸系;クロランベン(chloramben)、MDBA(ジカンバ(dicamba))、TCBA(2,3,6-TBA)等の安息香酸系;クロピラリド(clopyralid)、アミノピラリド(aminopyralid)、フルロキシピル(fluroxypyr)、ピクロラム(picloram)、トリクロピル(triclopyr)、ハロウキシフェン(halauxifen)等のピリジンカルボン酸系;キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)等のキノリンカルボン酸系;NPA(ナプタラム(naptalam))、ジフルフェンゾピル(diflufenzopyr)等のフタラメートセミカルバゾン系;その他ベナゾリン(benazolin)、ダイフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、フルオキシピル(fluroxypyr)、クロロフルレノール(chlorflurenol)、アミノシクロピラクロール(aminocyclopyrachlor)、DAS534等の植物のホルモン作用を攪乱することで除草効力を示すとされているもの。
【0028】
(o) フランプロップMメチル/イソプロピル(flamprop-isopropyl)等のアリールアミノプロピオン酸系;ジフェンゾコート(difenzoquat)等のピラゾリウム系;DSMA、MSMA等の有機ヒ素系;その他ブロモブチド(bromobutide)、(クロル)-フルレノール(chlorflurenol)、シンメチリン(cinmethylin)、クミルロン(cumyluron)、ダゾメット(dazomet)、ダイムロン(daimuron)、メチルダイムロン(methyl-dymron)、エトベンザニド(etobenzanid)、ホサミン(fosamine)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、オレイン酸(oleic acid)、ペラルゴン酸(pelargonicacid)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、エンドタール(endothall)、塩素酸塩(sodiumchlorate)、メタム(metam)、キノクラミン(quinoclamine)、シクロピリモレート(cyclopyrimorate)、トリディファン(tridiphane)、クラシフォス(clacyfos)等の除草剤。
【0029】
本発明に用いることができるセーフナー(薬害軽減剤)としては、例えば、ベノキサコール(benoxacor)、クロキントセット(cloquintocet)、クロキントセットメキシル(cloquintocet-mexyl)、シオメトリニル(cyometrinil)、シプロスルファミド(cyprosulfamide)、ジクロルミド(dichlormid)、ジシクロノン(dicyclonon)、ジエトレート(dietholate)、フェンクロラゾール(fenchlorazole)、フェンクロラゾールエチル(fenchlorazole-ethyl)、フェンクロリム(fenclorim)、フルラゾール(flurazole)、フルキソフェニム(fluxofenim)、フリラゾール(furilazole)、イソキサジフェン(isoxadifen)、イソキサジフェンエチル(isoxadifen-ethyl)、メフェンピル(mefenpyr)、メフェンピルジエチル(mefenpyr-diethyl)、メフェナート(mephenate)、ナフタリックアンヒドライド(naphthalic anhydride)、オキサベトリニル(oxabetrinil)等を挙げることができる。
【0030】
本発明の抑草組成物は、農薬として一般にとり得る剤形、例えば、水和剤、粒剤、粉剤、乳剤、水溶剤、懸濁剤、フロアブル等に製剤化したものであってもよい。
【0031】
製剤化に当たって公知の添加剤または担体を用いることができる。
固体の剤形に製剤化する場合は、大豆粉、小麦粉等の植物性粉末、珪藻土、燐灰石、石こう、タルク、ベントナイト、パイロフィライト、クレイ等の鉱物性微粉末、安息香酸ソーダ、尿素、芒硝等の有機及び無機化合物を用いることができる。
【0032】
液体の剤形に製剤化する場合は、ケロシン、キシレン及びソルベントナフサ等の石油留分、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アルコール、アセトン、トリクロルエチレン、メチルイソブチルケトン、鉱物油、植物油、水等を用いることができる。
【0033】
製剤化において、必要に応じて、界面活性剤を添加することができる。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンが付加したアルキルエーテル、ポリオキシエチレンが付加した高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したトリスチリルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、イソブチレン-無水マレイン酸の共重合体等を挙げることができる。
【0034】
本発明の抑草組成物に含有するフルポキサムとジベレリン生合成阻害物質の量は特に限定されず、剤形に応じて適宜設定できる。例えば、水和剤におけるフルポキサムとジベレリン生合成阻害物質の合計含有量は、好ましくは5~90重量%、より好ましくは10~85重量%である。乳剤におけるフルポキサムとジベレリン生合成阻害物質の合計含有量は、好ましくは3~70重量%、より好ましくは5~60重量%である。粒剤におけるフルポキサムとジベレリン生合成阻害物質の合計含有量は、好ましくは0.01~50重量%、より好ましくは0.05~40重量%である。
【0035】
〔製剤例〕
本発明の抑草組成物に関する製剤例を若干示すが、有効成分化合物、添加物及び添加割合は、本実施例にのみ限定されることなく、広い範囲で変更可能である。製剤実施例中の部は重量部を示す。
【0036】
(製剤例1)水和剤
フルポキサムとフルルプリミドール 20部
ホワイトカーボン 20部
ケイソウ土 52部
アルキル硫酸ソーダ 8部
以上を均一に混合、微細に粉砕して、フルポキサムとフルルプリミドールを合計で20%含有する水和剤を得る。
【0037】
(製剤例2)乳剤
フルポキサムとフルルプリミドール 20部
キシレン 55部
ジメチルホルムアミド 15部
ポリオキシエチレンフェニルエーテル 10部
以上を混合、溶解して、フルポキサムとフルルプリミドールを合計で20%含有する乳剤を得る。
【0038】
(製剤例3)粒剤
フルポキサムとフルルプリミドール 5部
タルク 40部
クレイ 38部
ベントナイト 10部
アルキル硫酸ソーダ 7部
以上を均一に混合して微細に粉砕後、直径0.5~1.0mmに造粒して、フルポキサムとフルルプリミドールを合計で5%含有する粒剤を得る。
【0039】
本発明の抑草方法は、フルポキサムとジベレリン生合成阻害物質のそれぞれを同時に若しくは順不同相前後にまたはフルポキサムとジベレリン生合成阻害物質を含有する抑草組成物を植物に施用することを含む。フルポキサムとジベレリン生合成阻害物質のそれぞれを施用する場合、フルポキサムとジベレリン生合成阻害物質のそれぞれの製剤を用いてもよい。水和剤若しくは乳剤は水で所定の濃度に希釈して懸濁液或いは乳濁液にして、粒剤はそのままの状態にて、雑草の発芽前又は発芽後に土壌または茎葉に散布処理もしくは混和処理することができる。
【0040】
本発明の抑草方法においては、フルポキサムとジベレリン生合成阻害物質を、畑地、果樹園および畦畔等の農耕地、芝地、運動場、空地、道路脇、及び線路端等の非農耕地の各種雑草に適用することができる。
【0041】
本発明の抑草方法においては、フルポキサムとジベレリン生合成阻害物質の合計量が1ヘクタール当たりに0.1g以上となるように施用することが好ましい。また防除対象植物の種類などにより左右されるが、例えば、フルポキサムは1ヘクタール当たり好ましくは10~10000g、より好ましくは100~5000gが施用されるように。ジベレリン生合成阻害物質は1ヘクタール当たり10~20000g、より好ましくは100~15000gが施用されるようにする。
【0042】
本発明の適用対象となり得る雑草は以下のとおりである。
イヌホウズキ(Solanum nigrum)及びチョウセンアサガオ(Datura stramonium)等に代表されるナス科(Solanaceae)雑草、アメリカフウロ(Granium caroli nianum)等に代表されるフウロソウ科(Geraniaceae)雑草、イチビ(Abutilon theophrasti)及びアメリカキンゴジカ(Sida sp inosa)等に代表されるアオイ科(Malvaceae)雑草、マルバアサガオ(Ipomoea purpurea)等のアサガオ類(Ipomoea spps.)、ヒルガオ類(Calystegia spps.)等に代表されるヒルガオ科(Convolvulaceae)雑草、イヌビユ(Amaranthus lividus)及びアオビユ(Amaranthus retroflexus)等に代表されるヒユ科(Amaranthaceae)雑草、オナモミ(xanthium pensylvanicum)、オオオナモミ(Xanthium occidentale)、ブタクサ(Ambrosia artemisiaefolia)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、ハキダメギク(Galinsoga ciliata)、セイヨウトゲアザミ(Cirsium arvense)、ノボロギク(Senecio vulgaris)及びヒメジョオン(Erigeron annus)、アメリカセンダングサ(Bidens frondosa)及びタウコギ(Bidens tripartita)、セイヨウタンポポ(Tar axacum officinale)、オオアレチノギク(Conyza sumatr ensis)、ヨモギ(Artemisia indica var. maximowiczii)、ヒメムカシヨモギ(Conyza canadensis)、ハルジオン(Erigeron philadelphicus)、タカサブロウ(Eclipta thermalis)、ヨメナ(Aster yomena)、セイタカアワダチソウ(Solidago canadensis)、キクイモ(Helianthus tuberosus)、及びコセンダングサ(Bidens pilosa var. Pilosa)等に代表されるキク科(Compositae)雑草、イヌガラシ(Rorippa in dica)、ノハラガラシ(Sinapis arvensis)、ナズナ(Caps ella Bursapastoris)及びタネツケバナ(Cardamine flexuosa)等に代表されるアブラナ科(Crucifer ae)雑草、イヌタデ(Polygonum Blumei)、オオイヌタデ(Persicaria lapathifolia)、イタドリ(Fallopia japonica)、ギシギシ(Rumex japonicus)、及びソバカズラ(Poly gonum convolvulus)等に代表されるタデ科(Polygonaceae)雑草、スベリヒユ(Portulaca oleracea)等に代表されるスベリヒユ科(Portulacaceae)雑草、シロザ(Chenopodium album)、コアカザ(Chenopodium ficifolium)及びホウキギ(Kochia scoparia)等に代表されるアカザ科(Chenopodiaceae)雑草、ハコベ(Stellaria media)等に代表されるナデシコ科(Caryophyllaceae)雑草、オオイヌノフグリ(Veronica persi ca)、アブノメ(Dopatrium junceum)、オオアブノメ(Gratiola japonica)、キクモ(Limnophila sessilifolia)、アゼナ(Lindernia pyxidaria)及びアメリカアゼナ(Lindernia dubia)等に代表されるゴマノハグサ科(Scrophulariaceae)雑草、ツユクサ(Commelina communis)及びイボクサ(Murdannia keisak)等に代表されるツユクサ科(Comme linaceae)雑草、ホトケノザ(Lamium amplexicaule)及びヒメオドリコソウ(Lamium purpureum)等に代表されるシソ科(Labiatae)雑草、コニシキソウ(Euphorbia supina)及びオオニシキソウ(Euphorbia maculata)等に代表されるトウダイグサ科(Eup horbiaceae)雑草、ヤエムグラ(Galium spurium)、アカネ(Rubia akane)及びヘクソカズラ(Paederia scandens)等に代表されるアカネ科(Rubiaceae)雑草、スミレ(Viola mandshurica)等に代表されるスミレ科(Violaceae)雑草、クサネム(Aeschynomene indica)、アメリカツノクサネム(Sesbania exaltata)、エビスグサ(Cassia obtusifolia)、シロツメクサ(Trifolium repens)、ヤハズソウ(Lespedeza striata)、カラスノエンドウ(Vicia sepium)及びクズ(Pueraria montana)等に代表されるマメ科(Legumi nosae)雑草、カタバミ(Oxsalis courniculata)に代表されるカタバミ科(Oxsaldaseae)雑草、野生ソルガム(Sorgham bicolor)、オオクサキビ(Panicum dichotomiflorum)、ジョンソングラス(Sorghum halepense)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli var.crus-galli)、ヒメイヌビエ(Echinochloa crus-g alli var. praticola)、タイヌビエ(Echinochloa oryzicola)、キシュウスズメノヒエ(Paspalum distichum)、栽培ビエ(Echinochloautilis)、メヒシバ(Digitaria ciliaris)、オヒシバ(Eleusine indica)、アキメヒシバ(Digitaria violascens)、ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、ノシバ(Zoysia japonica)、コウライシバ(Zoysia pacifica)、ネズミノオ(Sporobolus fertilis)、カズノコグサ(Beckmannia syzigachne)カラスムギ(Ave na fatua)、エンバク(Avena sativa)、イタリアンライグラス(Lolium multiflorum)、ブラックグラス(Alopecurus myosuroides)、ウィーピングラブグラス(Eragrostis curvula)、チガヤ(Imperata cylindrica)、ススキ(Miscanthus sinensis)、オギ(Miscanthus sacchariflorus)、エノコログサ(Setaria viridis)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)、チモシー(Phleum pratense)、トールフェスク(Festuca arundinacea)、ハルガヤ(Anthoxanthum odoratum)、メガルカヤ(Themeda japonica)、コヌカグサ(Agrostis gigantea)、アゼガヤ(Leptochloa chinensis)、カモガヤ(Dactylis glomerata)、カモジグサ(Elymus tsukushiensis var. transiens)、クサヨシ(Phalaris arundinacea)、アズマネザサ(Pleioblastus chino)、アシカキ(Homalocenchrus japonocus)、スズメノカタビラ(Poa annua)及びスズメノテッポウ(Alopecurus aegualis)等に代表されるイネ科雑草(Graminaceous weeds)、ハマスゲ(Cyperus rotundus,Cyperus esculentus)、クログワイ(Eleocharis kuroguwai)、ホタルイ(Scirpus juncoides)、シズイ(Scirpus nipponicus)、ミズガヤツリ(Cyperus serotinus)、タマガヤツリ(Cyperus difformis)、コゴメガヤツリ(Cyperus iria)、ヒナガヤツリ(Cyperus hakonensis)及びヒメクグ(Cyperus brevifolius、Kyllinga brevifolia)等に代表されるカヤツリグサ科(Cyperaceous weeds)雑草、ヒルムシロ(Potamoget on distinctus)等に代表されるヒルムシロ科(Potamogetonaceae)雑草、ヘラオモダカ(Alisma canaliculatum)、ウリカワ(Sagittaria pygmaea)及びオモダカ(Sagittaria trifolia)等に代表されるオモダカ科(Alismataceae)雑草、ウキクサ(Spirodela polyrhiza)及びアオウキクサ(Lemnapaucicos tata)等に代表されるウキクサ科(Lemnaceae)雑草、ミズアオイ(Monochoria korsakowii)及びコナギ(Monochoria vaginalis)等に代表されるミズアオイ科(Pontederiaceae)雑草、ミゾハコベ(Elatine triandra)等に代表される、ミゾハコベ科(Elatinaceae)雑草、ヒメミソハギ(Ammannia mu ltiflora)及びキカシグサ(Rotala indica)等に代表されるミソハギ科(Lythraceae)雑草、チョウジタデ(Lidwigia epilob ioides)等に代表されるアカバナ科(Oenotheraceae)雑草、チドメグサ(Hydrocotyle sibt horpioides)に代表されるウコギ科(Araliaceae)雑草、オオバコ(Plantago asiatica)に代表されるオオバコ科(Plantaginaceae)雑草、スギナ(Equisetum arvense)に代表されるトクサ科(Equisetaceae)雑草、アレチウリ(Sicyos angulatus)に代表されるウリ科(Cucurbitaceae)雑草、ジャノヒゲ(Ophiopogon japonicus)に代表されるキジカクシ科(Asparagaceae)雑草、セリ(Oenanthe javanica)に代表されるセリ科(Apiaceae)雑草、カラムシ(Boehmeria nivea var. nipononivea)に代表されるイラクサ科(Urticaceae)雑草等。
【0043】
本発明の抑草組成物および抑草方法は、例えば、試験例によって示されるような効果を奏する。
【0044】
試験例1 (クズ発生地に対する効力評価)
クズの発生地で刈払いを実施した。
その翌日、「コンクルード顆粒水和剤」(フルポキサム50%含有)を水道水で希釈して薬液Aを得た。「グリーンフィールド水和剤」(フルルプリミドール50%含有)を水道水で希釈して薬液Bを得た。「コンクルード顆粒水和剤」(フルポキサム50%含有)と「グリーンフィールド水和剤」(フルルプリミドール50%含有)とを水道水で希釈して薬液Cを得た。
【0045】
薬液Aを濃度調整して200ml/m2で1ヘクタール当たりフルポキサムが2250gとなるように前記クズ発生地に散布した(A区)。
薬液Bを濃度調整して200ml/m2で1へクタール当たりフルルプリミドールが4000gとなるように前記クズ発生地に散布した(B1区)。
薬液Cを濃度調整して200ml/m2で1ヘクタール当たりフルポキサムが2250g且つフルルプリミドールが4000gとなるように前記クズ発生地に散布した(C1区)。
薬液Bを濃度調整して200ml/m2で1ヘクタール当たりフルルプリミドールが2000gとなるように前記クズ発生地に散布した(B2区)。
薬液Cを濃度調整して200ml/m2で1ヘクタール当たりフルポキサムが2250g且つフルルプリミドールが2000gとなるように前記クズ発生地に散布した(C2区)。
水道水を200ml/m2で前記クズ発生地に散布した(無処理区)。
【0046】
散布した日と散布から90日経過した日に、クズの草丈を計測した。散布から90日経過した日における、A区、B1区、B2区、C1区、およびC2区の草丈(平均値)から、それぞれの抑草価を算出した。なお、抑草価は、散布から90日経過した日における無処理区における草丈(平均値)と同じ草丈(平均値)であった場合を0%、散布した日における草丈(平均値)と同じ草丈(平均値)であった場合を100%と定義したときの、相対値として表わした。結果を表1に示す。
【0047】
薬液Cの抑草価の期待値を、コルビーの式(S .R .Colby ,Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations, Weeds, 15, 20-22pp(1967))を用いて、薬液Aの抑草価および薬液Bの抑草価から、算出した。
なお、コルビーの式で算出される期待値は、薬液Aおよび薬液Bの相加効果を表す。

E = X + Y - (X×Y/100)

Xは量aのフルポキサム単独施用における抑草価(%)を示し、Yは量bのフルルプリミドール単独施用における抑草価(%)、Eは量aのフルポキサムと量bのフルルプリミドールの併用における抑草価の期待値(%)である。量aのフルポキサムと量bのフルルプリミドールの併用における抑草価の実測値が、期待値Eよりも大きいとき、フルポキサムとフルルプリミドールの併用は相乗効果を奏したことになる。計算結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
試験例2 (オオアレチノギク発生地に対する効力評価)
「コンクルード顆粒水和剤」(フルポキサム50%含有)を水道水に溶解して薬液Dを得た。「グリーンフィールド水和剤」(フルルプリミドール50%含有)を水道水で希釈して薬液Eを得た。「コンクルード顆粒水和剤」(フルポキサム50%含有)と「グリーンフィールド水和剤」(フルルプリミドール50%含有)とを水道水で溶解、希釈して薬液Fを得た。
【0050】
薬液Dを濃度調整して300ml/m2でフルポキサムの量が0.225g/m2となるようにオオアレチノギク発生地に散布した(D区)。
薬液Eを濃度調整して300ml/m2でフルルプリミドールの量が0.2g/m2となるようにオオアレチノギク発生地に散布した(E1区)。
薬液Fを濃度調整して300ml/m2でフルポキサムの量が0.225g/m2且つフルルプリミドールの量が0.2g/m2となるようにオオアレチノギク発生地に散布した(F1区)。
薬液Eを濃度調整して300ml/m2でフルルプリミドールの量が0.3g/m2となるようにオオアレチノギク発生地に散布した(E2区)。
薬液Fを濃度調整して300ml/m2でフルポキサムの量が0.225g/m2且つフルルプリミドールの量が0.3g/m2となるようにオオアレチノギク発生地に散布した(F2区)。
薬液Eを濃度調整して300ml/m2でフルルプリミドールの量が0.4g/m2となるようにオオアレチノギク発生地に散布した(E3区)。
薬液Fを濃度調整して300ml/m2でフルポキサムの量が0.225g/m2且つフルルプリミドールの量が0.4g/m2となるようにオオアレチノギク発生地に散布した(F3区)。
水道水を300ml/m2でオオアレチノギク発生地に散布した(無処理区)。
【0051】
散布した日と散布から60日経過した日に、オオアレチノギクの草丈を計測した。散布から60日経過した日における、D区、E1区、E2区、E3区、F1区、F2区、およびF3区の草丈から、それぞれの抑草価を算出した。なお、抑草価は、散布から60日経過した日における無処理区における草丈と同じ草丈であった場合を0%とし、散布した日における草丈と同じ草丈であった場合を100%と定義したときの、相対値として表わした。試験は3反復で行い、草丈は平均値を用いた。結果を表2に示す。
【0052】
薬液Fの抑草価の期待値を、コルビーの式(S .R .Colby ,Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations, Weeds, 15, 20-22pp(1967))を用いて、薬液Dの抑草価および薬液Eの抑草価から、算出した。計算結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
試験例3 (アキノエノコログサ発生地に対する効力評価)
「コンクルード顆粒水和剤」(フルポキサム50%含有)を水道水に溶解して薬液Gを得た。「グリーンフィールド水和剤」(フルルプリミドール50%含有)を水道水で希釈して薬液Hを得た。「コンクルード顆粒水和剤」(フルポキサム50%含有)と「グリーンフィールド水和剤」(フルルプリミドール50%含有)とを水道水で希釈して薬液Iを得た。
【0055】
薬液Gを濃度調整して200ml/m2でフルポキサムの量が0.075g/m2となるようにアキノエノコログサ発生地に散布した(G1区)。
薬液Hを濃度調整して200ml/m2でフルルプリミドールの量が0.15g/m2となるようにアキノエノコログサ発生地に散布した(H1区)。
薬液Iを濃度調整して200ml/m2でフルポキサムの量が0.075g/m2且つフルルプリミドールの量が0.15g/m2(I1区)。
薬液Gを濃度調整して200ml/m2でフルポキサムの量が0.15g/m2となるようにアキノエノコログサ発生地に散布した(G2区)。
薬液Hを濃度調整して200ml/m2でフルルプリミドールの量が0.3g/m2となるようにアキノエノコログサ発生地に散布した(H2区)。
薬液Iを濃度調整して200ml/m2でフルポキサムの量が0.15g/m2且つフルルプリミドールの量が0.3g/m2となるようにアキノエノコログサ発生地に散布した(I2区)。
水道水を200ml/m2でアキノエノコログサ発生地に散布した(無処理区)。
【0056】
散布した日と散布から40日経過した日に、アキノエノコログサの地上部のボリュームを評価した。散布から40日経過した日における、G1区、G2区、H1区、H2区、I1区およびI2区の地上部ボリューム(平均値)から、それぞれの抑草価を算出した。なお、抑草価は、散布から40日経過した日における無処理区における地上部ボリューム(平均値)と同じ地上部ボリューム(平均値)であった場合を0%とし、散布した日における地上部ボリューム(平均値)と同じ地上部ボリューム(平均値)であった場合を100%と定義したときの、相対値として表わした。結果を表3に示す。
【0057】
薬液Iの抑草価の期待値を、コルビーの式(S .R .Colby ,Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations, Weeds, 15, 20-22pp(1967))を用いて、薬液Gの抑草価および薬液Hの抑草価から、算出した。計算結果を表3に示す。
【0058】
【表3】
【0059】
試験例4 (アレチウリ発生地に対する効力評価)
「コンクルード顆粒水和剤」(フルポキサム50%含有)を水道水に溶解して薬液Jを得た。「グリーンフィールド水和剤」(フルルプリミドール50%含有)を水道水で希釈して薬液Kを得た。「コンクルード顆粒水和剤」(フルポキサム50%含有)と「グリーンフィールド水和剤」(フルルプリミドール50%含有)とを水道水で溶解、希釈して薬液Lを得た。
【0060】
薬液Jを濃度調整して200ml/m2でフルポキサムの量が0.225g/m2となるようにアレチウリ発生地に散布した(J区)。
薬液Kを濃度調整して200ml/m2でフルルプリミドールの量が0.2g/m2となるようにアレチウリ発生地に散布した(K1区)。
薬液Lを濃度調整して200ml/m2でフルポキサムの量が0.225g/m2且つフルルプリミドールの量が0.2g/m2となるようにアレチウリ発生地に散布した(L1区)。
薬液Kを濃度調整して200ml/m2でフルルプリミドールの量が0.4g/m2となるようにアレチウリ発生地に散布した(K2区)。
薬液Lを濃度調整して200ml/m2でフルポキサムの量が0.225g/m2且つフルルプリミドールの量が0.4g/m2となるようにアレチウリ発生地に散布した(L2区)。
水道水を200ml/m2でアレチウリ発生地に散布した(無処理区)。
いずれも、つるが伸びていないステージのアレチウリへの散布であった。
【0061】
散布から2か月経過後に、アレチウリのつるの長さを計測した(20反復)。散布から2か月経過後における、J区、K1区、K2区、L1区、およびL2区のつるの長さ(平均値)から、それぞれの抑草価を算出した。なお、抑草価は、散布から2か月経過後における無処理区におけるつるの長さ(平均値)と同じつるの長さ(平均値)であった場合を0%とし、つるが伸びていないステージと同じ状態であった場合を100%と定義したときの、相対値として表わした。結果を表4に示す。
【0062】
薬液Lの抑草価の期待値を、コルビーの式(S .R .Colby ,Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations, Weeds, 15, 20-22pp(1967))を用いて、薬液Jの抑草価および薬液Kの抑草価から、算出した。
計算結果を表4に示す。
【0063】
【表4】
【0064】
表1~4に示す結果から、フルポキサムとジベレリン生合成阻害物質との併用によって、相乗効果を生じていることがわかる。