(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-18
(45)【発行日】2022-08-26
(54)【発明の名称】外科用縫合装置用針装填ユニット
(51)【国際特許分類】
A61B 17/062 20060101AFI20220819BHJP
A61B 17/06 20060101ALI20220819BHJP
A61B 17/04 20060101ALI20220819BHJP
【FI】
A61B17/062 100
A61B17/06 510
A61B17/04
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018088094
(22)【出願日】2018-05-01
【審査請求日】2021-03-17
(32)【優先日】2017-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジャロスロウ マルコウスキー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン ピンソノールト
(72)【発明者】
【氏名】トマシュ ヘジモウスキ
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-066404(JP,A)
【文献】米国特許第05733293(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0026053(US,A1)
【文献】米国特許第06481569(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/062
A61B 17/06
A61B 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用縫合装置と共に使用するための装填ユニットアセンブリであって、前記装填ユニットアセンブリが、
支持構造体
を備え、前記支持構造体が、
第1のフィンガと、
前記第1のフィンガに隣接する第2のフィンガであって、前記第1及び第2のフィンガが、それらの間に第1のチャネルを画定
し、前記第1及び第2のフィンガの各々が、その表面上に歯を含む、第2のフィンガと
、
座部部分及び背部部分を画定する第3のフィンガであって、前記座部部分及び背部部分が、前記第1及び第2のフィンガと対面関係にあり、前記第3のフィンガならびに前記第1及び第2のフィンガが、それらの間に第2のチャネルを画定する、第3のフィンガと、を含み、
前記支持構造体が、前記第2のチャネル内に装填され、かつ少なくとも前記座部部分に当接する外科用針を
、前記第1及び第2のフィンガの前記歯を前記外科用針の溝に係合させることによって、解放可能に固定するように構成される
、装填ユニットアセンブリ。
【請求項2】
前記外科用針をさらに含み、前記外科用針は、中央かしめ部分を通る開口を画定する中央かしめ部分を有する
、請求項1に記載の装填ユニットアセンブリ。
【請求項3】
第1の端部部分及び第2の端部部分を有するある長さの縫合材料をさらに備え、前記ある長さの縫合材料の前記第1の端部部分が、前記外科用針の前記中央かしめ部分の前記開口に固定され、前記ある長さの縫合材料の
前記第2の端部部分が、前記装填ユニット
アセンブリの基部に解放可能に固定される、請求項2に記載の装填ユニットアセンブリ。
【請求項4】
前記外科用針が、その外表面上に第1の溝及び第2の溝を画定する、請求項
3に記載の装填ユニットアセンブリ。
【請求項5】
前記第1及び第2のフィンガの前記歯が、前記外科用針の前記第1及び第2の溝内にそれぞれ選択的に受容可能である、請求項
4に記載の装填ユニットアセンブリ。
【請求項6】
前記外科用針の前記中央かしめ部分が、前記外科用針の長手方向軸が
、前記第1、第2、及び第3のフィンガが延在する方向に対して直交して配向されるように、前記第3のフィンガの前記座部部分上に配置される、請求項
5に記載の装填ユニットアセンブリ。
【請求項7】
前記第1及び第2の溝の中心長手方向軸が、前記中央かしめ部分の前記開口の中心軸に対してある角度で配向されている、請求項
6に記載の装填ユニットアセンブリ。
【請求項8】
前記角度が、
5度~
40度である、請求項
7に記載の装填ユニットアセンブリ。
【請求項9】
前記第1及び第2のフィンガの前記歯が、前記外科用針の前記それぞれの第1及び第2の溝に選択的に受容されるとき、前記ある長さの縫合材料の前記第1の端部部分が、前記第3のフィンガの前記座部部分に対して垂直に延在し、前記ある長さの縫合材料の前記第1の端部部分が、前記第1及び第2のフィンガ間に画定された前記第1のチャネルの間に延在する、請求項
8に記載の装填ユニットアセンブリ。
【請求項10】
前記第1及び第2のフィンガの前記歯が、前記外科用針の前記それぞれの第1及び第2の溝に選択的に受容されるとき、前記ある長さの前記縫合材料の前記第1の端部部分が、前記第3のフィンガの前記座部部分に対して平行に延在し、前記ある長さの縫合材料の前記第1の端部部分が、前記第1及び第2のフィンガ間に画定された前記第1のチャネルの間に延在する、請求項
8に記載の装填ユニットアセンブリ。
【請求項11】
前記外科用針が、その前記外表面上に1対の凹部をさらに画定する、請求項
7に記載の装填ユニットアセンブリ。
【請求項12】
前記1対の凹部のうちの第1の凹部は、前記第1の凹部を通って延在する第1の中心長手方向軸を画定し、前記第1の中心長手方向軸は、前記外科用針の前記長手方向軸に垂直であり、かつ前記中央かしめ部分の前記開口の前記中心軸に対して垂直であり、前記1対の凹部のうちの第2の凹部は、前記第2の凹部を通って延在する第2の中心長手方向軸を画定し、前記第2の中心長手方向軸が、
前記外科用針の前記長手方向軸に垂直であり、かつ前記中央かしめ部分の前記開口の前記中心軸に垂直である、請求項
11に記載の装填ユニットアセンブリ。
【請求項13】
前記1対の凹部のうちの第1の凹部は、前記第1の凹部を通って延在する第1の中心長手方向軸を画定し、前記第1の中心長手方向軸は、前記外科用針の前記長手方向軸に垂直であり、かつ前記中央かしめ部分の前記開口の前記中心軸に対して平行であり、前記1対の凹部のうちの第2の凹部は、前記第2の凹部を通って延在する第2の中心長手方向軸を画定し、前記第2の中心長手方向軸が、
前記外科用針の前記長手方向軸に垂直であり、かつ前記中央かしめ部分の前記開口の前記中心軸に平行である、請求項
11に記載の装填ユニットアセンブリ。
【請求項14】
外科用縫合装置と共に使用するための装填ユニットであって、前記装填ユニットが、
本体部分と、
前記本体部分上に配置され、外科用針を解放可能に固定するために構成された支持構造体であって、
第1のフィンガと、
前記第1のフィンガに隣接する第2のフィンガであって、前記第1及び第2のフィンガが、それらの間に第1のチャネルを画定
し、前記第1及び第2のフィンガの各々が、その表面上に歯を含む、第2のフィンガと
、
座部部分及び背部部分を画定する第3のフィンガであって、前記第3のフィンガの前記座部部分及び背部部分が、前記第1及び第2のフィンガと対面関係にあり、前記第3のフィンガならびに前記第1及び第2のフィンガが、それらの間に第2のチャネルを画定する、第3のフィンガと、を含む、支持構造体と、を備え
、前記支持構造体が、装填された前記外科用針を、前記第1及び第2のフィンガの前記歯を前記外科用針の溝に係合させることによって、解放可能に固定するように構成される、装填ユニット。
【請求項15】
前記第1及び第2のフィンガの
各歯が、前記第3のフィンガの前記座部部分及び前記背部部分と対面関係にある、請求項
14に記載の装填ユニット。
【請求項16】
前記装填ユニットが、
その前記本体部分内に形成された整列凹部と、
前記本体部分から延在し、前記整列凹部に隣接する複数のタブであって、前記整列凹部及び前記複数のタブが、外科用縫合装置の細長いシャフトアセンブリを摺動可能に受容するように構成される、複数のタブと、をさらに含む、請求項
15に記載の装填ユニット。
【請求項17】
前記支持構造体と前記整列凹部との間の前記本体部分上に配置された中央停止部材をさらに備え、前記中央停止部材が、前記細長いシャフトアセンブリ及び前記外科用縫合装置の1対の顎部材の前進を制限するように構成される、請求項
16に記載の装填ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年5月2日出願の米国仮特許出願第62/500,019号の利益及び優先権を主張し、その全ての開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
背景
【0002】
本開示は、概して、外科用縫合装置に関し、より具体的には、外科用縫合装置と共に使用される針装填ユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、外科処置の侵襲性を低減するための進歩として、腹腔鏡手術及び内視鏡手術が挙げられる。一般に、そのような処置は、標的部位へのアクセスを提供するために体壁を通る小切開を実施することを含む。トロカールチューブまたはカニューレデバイスは、切開部を通って前進され、外科用ツールへのアクセスを提供するために、体壁の適所に残される。次いで、外科医は、外科用ツールを使用して外科部位で診断及び治療処置を行うことができる。
【0004】
内視鏡手術または腹腔鏡手術に関係するものを含む多くの外科的処置において、身体の器官または組織を縫合することがしばしば必要である。そのような外科的処置では、ある長さの縫合材料がそこに取り付けられた外科用針を、例えば外科用縫合装置で操作する必要がある。外科用縫合装置内に外科用針を正確に位置付けするための単純かつ効果的な装填ユニットに対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、外科用縫合装置と共に使用する装填ユニットアセンブリに関する。
【0006】
本開示の一態様によれば、装填ユニットアセンブリは、第1のフィンガと、第1のフィンガに隣接する第2のフィンガと、を含む支持構造体を含むことができる。第1及び第2のフィンガは、それらの間に第1のチャネルを画定することができる。支持構造体はまた、座部部分及び背部部分を画定する第3のフィンガを含むことができる。座部及び背部部分は、第1及び第2のフィンガと対面関係にあってもよい。第3のフィンガならびに第1及び第2のフィンガは、その間に第2のチャネルを画定することができる。支持構造体は、第2のチャネルに装填され、少なくとも座部部分と当接する外科用針を解放可能に固定するように構成されてもよい。
【0007】
実施形態では、装填ユニットは、開口を画定する中央かしめ部分を有する外科用針をさらに含む。ある長さの縫合材料も提供されてもよく、第1の端部部分及び第2の端部部分を有してもよい。ある長さの縫合材料の第1の端部部分は、外科用針の中央かしめ部分の開口に固定され得、ある長さの縫合材料の第2の端部部分は、装填ユニットの基部に解放可能に固定され得る。
【0008】
第1及び第2のフィンガの各々は、その外表面に歯を含むことができる。外科用針は、その外表面上に第1の溝及び第2の溝をさらに画定することができる。第1及び第2のフィンガの歯は、それぞれ外科用針の第1及び第2の溝に選択的に受容可能であり得る。外科用針の中央かしめ部分は、外科用針の長手方向軸が支持構造体の長手方向軸に対して直交して配向するように、第3のフィンガの座部部分に配置されてもよい。
【0009】
実施形態では、第1及び第2の溝の中心長手方向軸は、中央かしめ部分の開口の中心軸に対してある角度で配向されてもよい。角度は、約5度~約40度であってもよい。
【0010】
第1及び第2のフィンガの歯が外科用針のそれぞれの第1及び第2の溝に選択的に受容されるとき、ある長さの縫合材料の第1の端部部分は、第3のフィンガの座部部分に対して垂直に延在することができ、ある長さの縫合材料の第1の端部部分は、第1及び第2のフィンガとの間に画定された第1のチャネルの間に延在することができる。第1及び第2のフィンガの歯が外科用針のそれぞれの第1及び第2の溝に選択的に受容されるとき、ある長さの縫合材料の第1の端部部分は、第3のフィンガの座部部分に対して平行に延在することができ、ある長さの縫合材料の第1の端部部分は、第1及び第2のフィンガとの間に画定された第1のチャネルの間に延在することができる。
【0011】
実施形態において、外科用針は、その外表面上に1対の凹部をさらに画定することができる。第1及び第2の凹部の各々の中心長手方向軸は、中央かしめ部分の開口の中心軸に垂直であってもよく、中央かしめ部分の開口の中心軸に平行であってもよい。
【0012】
本開示の別の態様によれば、外科用縫合装置と共に使用する装填ユニットが提供され、装填ユニットは、本体部分と、本体部分上に配置され、外科用針を解放可能に固定するように構成される支持構造体と、を含む。支持構造体は、第1のフィンガと、第1のフィンガに隣接する第2のフィンガと、を含むことができる。第1及び第2のフィンガは、その間に第1のチャネルを画定することができる。支持構造体は、座部部分及び背部部分を画定する第3のフィンガを含んでもよい。第3のフィンガの座部部分及び背部部分は、第1及び第2のフィンガと対面関係にあってもよい。第3のフィンガならびに第1及び第2のフィンガは、その間に第2のチャネルを画定することができる。
【0013】
実施形態では、第1及び第2のフィンガの各々は、その表面に歯を含むことができ、第1及び第2のフィンガの各々の歯は、第3のフィンガの座部部分及び背部部分と対面関係にある。
【0014】
装填ユニットは、本体部分に形成された整列凹部と、本体部分から延在し、整列凹部に隣接する複数のタブとを含み、整列凹部及び複数のタブは、外科用縫合装置の細長いシャフトアセンブリを摺動可能に受容するように構成される。
【0015】
実施形態では、中央停止部材は、支持構造体と整列凹部との間の本体部分上に配置され得、中央停止部材は、細長いシャフトアセンブリ及び外科用縫合装置の1対の顎部材の前進を制限するように構成される。
【0016】
本開示の別の態様によれば、第1及び第2の尖端部を有する円筒状本体と、開口を画定する中央かしめ部分とを含む外科用針が提供され、開口は、中心軸を画定する。1対の溝は、針装填ユニットと動作可能に係合するように構成された円筒状本体内に画定され得、1対の溝の各々は、中心長手方向軸を画定し、1対の溝の中心長手方向軸は、開口の中心軸に対してある角度になっている。
【0017】
実施形態では、角度は、約5度~約40度であり得る。
【0018】
1対の凹部が円筒状本体内に画定されてもよく、各々の凹部は、外科用縫合装置の1対の顎部材の針受容刃と解放可能に係合するように構成され、1対の凹部の各々の凹部は、中心長手方向軸を画定する。1対の凹部の各々の凹部の中心長手方向軸は、開口の中心軸に平行であっても垂直であってもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1の端部部分及び第2の端部部分を有するある長さの縫合材料が提供され得、ある長さの縫合材料の第1の端部部分は、外科用針の中央かしめ部分の開口に固定される。
【0020】
外科用針の円筒状本体は、曲率半径と、曲率半径の中心に画定された軸と、を画定することができる。曲率半径の中心に画定された軸は、開口の中心軸に平行であっても垂直であってもよい。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
外科用縫合装置と共に使用するための装填ユニットアセンブリであって、上記装填ユニットアセンブリが、
支持構造体であって、
第1のフィンガと、
上記第1のフィンガに隣接する第2のフィンガであって、上記第1及び第2のフィンガが、それらの間に第1のチャネルを画定する、第2のフィンガと
座部部分及び背部部分を画定する第3のフィンガであって、上記座部部分及び背部部分が、上記第1及び第2のフィンガと対面関係にあり、上記第3のフィンガならびに上記第1及び第2のフィンガが、それらの間に第2のチャネルを画定する、第3のフィンガと、を含み、
上記支持構造体が、上記第2のチャネル内に装填され、かつ少なくとも上記座部部分に当接する外科用針を解放可能に固定するように構成される、支持構造体を備える、装填ユニットアセンブリ。
(項目2)
中央かしめ部分を通る開口を画定する中央かしめ部分を有する外科用針をさらに含む、上記項目に記載の装填ユニットアセンブリ。
(項目3)
第1の端部部分及び第2の端部部分を有するある長さの縫合材料をさらに備え、上記ある長さの縫合材料の上記第1の端部部分が、上記外科用針の上記中央かしめ部分の上記開口に固定され、上記ある長さの縫合材料の第2の端部部分が、上記装填ユニットの基部に解放可能に固定される、上記項目のいずれか一項に記載の装填ユニットアセンブリ。
(項目4)
上記第1及び第2のフィンガの各々が、その外表面上に歯を含む、上記項目のいずれか一項に記載の装填ユニットアセンブリ。
(項目5)
上記外科用針が、その外表面上に第1の溝及び第2の溝を画定する、上記項目のいずれか一項に記載の装填ユニットアセンブリ。
(項目6)
上記第1及び第2のフィンガの上記歯が、上記外科用針の上記第1及び第2の溝内にそれぞれ選択的に受容可能である、上記項目のいずれか一項に記載の装填ユニットアセンブリ。
(項目7)
上記外科用針の上記中央かしめ部分が、上記外科用針の長手方向軸が上記支持構造体の長手方向軸に対して直交して配向されるように、上記第3のフィンガの上記座部部分上に配置される、上記項目のいずれか一項に記載の装填ユニットアセンブリ。
(項目8)
上記第1及び第2の溝の中心長手方向軸が、上記中央かしめ部分の上記開口の中心軸に対してある角度で配向されている、上記項目のいずれか一項に記載の装填ユニットアセンブリ。
(項目9)
上記角度が、約5度~約40度である、上記項目のいずれか一項に記載の装填ユニットアセンブリ。
(項目10)
上記第1及び第2のフィンガの上記歯が、上記外科用針の上記それぞれの第1及び第2の溝に選択的に受容されるとき、上記ある長さの縫合材料の上記第1の端部部分が、上記第3のフィンガの上記座部部分に対して垂直に延在し、上記ある長さの縫合材料の上記第1の端部部分が、上記第1及び第2のフィンガ間に画定された上記第1のチャネルの間に延在する、上記項目のいずれか一項に記載の装填ユニットアセンブリ。
(項目11)
上記第1及び第2のフィンガの上記歯が、上記外科用針の上記それぞれの第1及び第2の溝に選択的に受容されるとき、上記ある長さの上記縫合材料の上記第1の端部部分が、上記第3のフィンガの上記座部部分に対して平行に延在し、上記ある長さの縫合材料の上記第1の端部部分が、上記第1及び第2のフィンガ間に画定された上記第1のチャネルの間に延在する、上記項目のいずれか一項に記載の装填ユニットアセンブリ。
(項目12)
上記外科用針が、その上記外表面上に1対の凹部をさらに画定する、上記項目のいずれか一項に記載の装填ユニットアセンブリ。
(項目13)
上記第1及び第2の凹部の各々の中心長手方向軸が、上記中央かしめ部分の上記開口の上記中心軸に垂直である、上記項目のいずれか一項に記載の装填ユニットアセンブリ。
(項目14)
上記第1及び第2の凹部の各々の中心長手方向軸が、上記中央かしめ部分の上記開口の上記中心軸に平行である、上記項目のいずれか一項に記載の装填ユニットアセンブリ。
(項目15)
外科用縫合装置と共に使用するための装填ユニットであって、上記装填ユニットが、
本体部分と、
上記本体部分上に配置され、外科用針を解放可能に固定するために構成された支持構造体であって、
第1のフィンガと、
上記第1のフィンガに隣接する第2のフィンガであって、上記第1及び第2のフィンガが、それらの間に第1のチャネルを画定する、第2のフィンガと
座部部分及び背部部分を画定する第3のフィンガであって、上記第3のフィンガの上記座部部分及び背部部分が、上記第1及び第2のフィンガと対面関係にあり、上記第3のフィンガならびに上記第1及び第2のフィンガが、それらの間に第2のチャネルを画定する、第3のフィンガと、を含む、支持構造体と、を備える、装填ユニット。
(項目16)
上記第1及び第2のフィンガの各々が、その表面上に歯を含み、上記第1及び第2のフィンガの各々の歯が、上記第3のフィンガの上記座部部分及び上記背部部分と対面関係にある、上記項目に記載の装填ユニット。
(項目17)
上記装填ユニットが、
その上記本体部分内に形成された整列凹部と、
上記本体部分から延在し、上記整列凹部に隣接する複数のタブであって、上記整列凹部及び上記複数のタブが、外科用縫合装置の細長いシャフトアセンブリを摺動可能に受容するように構成される、複数のタブと、をさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の装填ユニット。
(項目18)
上記支持構造体と上記整列凹部との間の上記本体部分上に配置された中央停止部材をさらに備え、上記中央停止部材が、上記細長いシャフトアセンブリ及び上記外科用縫合装置の1対の顎部材の前進を制限するように構成される、上記項目のいずれか一項に記載の装填ユニット。
(項目19)
外科用針であって、
円筒状本体であって、
第1及び第2の尖端部と、
中央かしめ部分を通る開口を画定する中央かしめ部分であって、上記開口が、中心軸を画定する、中央かしめ部分と、
針装填ユニットと動作可能に係合するように構成された上記円筒状本体内に画定された1対の溝であって、上記1対の溝が、中心長手方向軸を各々画定し、上記1対の溝の上記中心長手方向軸が、上記開口の上記中心軸に対してある角度になっている、1対の溝と、を含む、円筒状本体を備える、外科用針。
(項目20)
上記角度が、約5度~約40度である、上記項目に記載の外科用針。
(項目21)
上記円筒状本体に画定された1対の凹部をさらに備え、各々の凹部が、外科用縫合装置の1対の顎部材の針受容刃と解放可能に係合するように構成され、上記1対の凹部の各々の凹部が、中心長手方向軸を画定する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用針。
(項目22)
上記1対の凹部の各々の凹部の中心長手方向軸が、上記開口の上記中心軸に平行である、上記項目のいずれか一項に記載の外科用針。
(項目23)
上記1対の凹部の各々の凹部の上記中心長手方向軸が、上記開口の上記中心軸に垂直である、上記項目のいずれか一項に記載の外科針。
(項目24)
第1の端部部分及び第2の端部部分を有するある長さの縫合材料をさらに備え、上記ある長さの縫合材料の上記第1の端部部分が、上記外科用針の上記中央かしめ部分の上記開口に固定される、上記項目のいずれか一項に記載の外科用針。
(項目25)
上記外科用針の上記円筒状本体が、曲率半径と、上記曲率半径の中心に画定された軸と、を画定する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用針。
(項目26)
上記曲率半径の中心に画定された上記軸が、上記開口の上記中心軸に平行である、上記項目のいずれか一項に記載の外科用針。
(項目27)
上記曲率半径の上記中心に画定された上記軸が、上記開口の上記中心軸に垂直である、上記項目のいずれか一項に記載の外科用針。
(摘要)
外科用縫合装置と共に使用するための装填ユニットアセンブリは、外科用針と、外科用針を解放可能に固定するように構成された支持構造体と、を含む。支持構造体は、第1のフィンガ及び第1のフィンガに隣接する第2のフィンガを含み得る。第1及び第2のフィンガは、その間に第1のチャネルを画定し得る。支持構造体はまた、座部部分及び背部部分を画定する第3のフィンガを含み得る。座部及び背部部分は、第1及び第2のフィンガと対面関係にあり得る。第3のフィンガならびに第1及び第2のフィンガは、その間に第2のチャネルを画定し得る。外科用針は、第2のチャネルに装填され得、かつ少なくとも座部部分に当接し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】
図1の縫合装置の先行技術の顎部アセンブリの部分断面図である。
【
図3A】本開示の実施形態による
図1の縫合装置に使用する装填ユニットの斜視図である。
【
図4】
図3Aの細部描写された指定領域の詳細図である。
【
図8A】本開示の別の実施形態による
図3A及び
図3Bの装填ユニットと共に使用されるように構成された針の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の実施形態は、ここで図面を参照して詳細に説明され、同様の参照番号は、いくつかの図のそれぞれにおいて同一または対応する要素を示す。本明細書で使用される場合、「臨床医」という用語は、医者、看護師、または他のケア提供者を指し、サポート要員を含むことができる。以下の説明において、周知の機能または構成は、本開示を不必要な詳細で不明瞭にすることを避けるために詳細には説明されていない。本明細書で使用される場合、「遠位」という用語は、従来のように、使用者から遠い器具、装置、デバイスまたはその構成要素の部分を指し、「近位」という用語は、使用者に近い器具、装置、デバイスまたはそれらの構成要素を指す。以下の説明において、周知の機能または構成は、本開示を不必要な詳細で不明瞭にすることを避けるために詳細には説明されていない。
【0023】
本開示は、内視鏡、腹腔鏡、腔内、及び/または経管縫合のための装置、システム、及び方法に関する。具体的には、外科用縫合装置の1対の顎部材内に針を着座させるための装填ユニットが設けられている。装填ユニットは、針及びそれに取り付けられた、ある長さの縫合材料を支持して、縫合材料の針及び長さの把持及び外科用縫合装置の1対の顎部材への装填を容易にする。装填ユニットの支持構造体は、装填ユニット内の針を安定化させて、装填中に外科用縫合装置の顎部への針の適切な移動を確実にする。
【0024】
図1を参照すると、先行技術の外科用縫合装置が示されており、全体として参照符号10で示されている。縫合装置10は、ハンドルアセンブリ100と、ハンドルアセンブリ100から遠位に延在する細長いシャフトアセンブリ170と、細長いシャフトアセンブリ170の遠位端に支持された1対の顎部材130、132を含む顎アセンブリ120と、を含む。縫合装置10は、細長いシャフトアセンブリ170が、管状のカニューレ構造を通って手術部位に挿入されるように寸法決めされた、内視鏡的または腹腔鏡的な処置における使用に適合させることができる。
【0025】
引き続き
図1を参照し、次に、ここで
図2を参照すると、縫合装置10のハンドルアセンブリ100は、ハウジング102に旋回可能に固定された1対のハンドル110を含む。縫合装置10のハンドル110は、軸ロッド156に動作可能に結合される。軸ロッド156は、縫合装置10の細長いシャフトアセンブリ170内に摺動可能に配置される。軸ロッド156の遠位端部156aは、その上に取り付けられたカムピン138を含む。軸ロッド156のカムピン138は、それぞれの1対の顎部材130、132内に画定された角度付きカムスロット130c、132cに乗っている。1対の顎部材130、132は、顎旋回ピン134を介して縫合装置10の細長いシャフトアセンブリ170の遠位端部部分122に旋回可能に取り付けられている。縫合装置10のハンドル110を作動または締め付けると、軸ロッド156が長手方向に近位に移動し、カムピン138が1対の顎部材130、132のそれぞれのカムスロット130c、132c内を摺動し、1対の顎部材130、132は、非接近位置と接近位置との間を遷移する。
【0026】
ハンドルアセンブリ100は、ハウジング102内に旋回可能に支持され、ハウジング102から横方向に延在するレバー182をさらに含む。レバー182は、1対の顎部材130、132の1対の刃150、152に動作可能に結合されている。レバー182は、1対の顎部材130、132の1対の刃150、152を往復軸方向に変位させるように枢動されてもよい。
【0027】
1対の顎部材130、132の刃150、152は、細長いシャフトアセンブリ170内で摺動可能に支持される。1対の顎部材130、132の各々の刃150、152は、1対の顎部材130、132の刃受容チャネル130d、132d内に摺動可能に延在する遠位端部150a、152aを含む。凹部130a、132aは、その内部に針104を受容するために1対の顎部材130、132の刃受容チャネル130d、132dの開口部を画定する。
【0028】
ハンドルアセンブリ110は、レバー182と動作可能に結合されてレバー182を遠位方向に摺動させるスライダ119をさらに含み、ハンドルアセンブリ100を再装填モードに移行させる。再装填モードでは、1対の顎部材130、132の両方の刃150、152は、最遠位位置にある。使用中、縫合装置10のハンドルアセンブリ110のスライダ119は、1対の顎部材130、132の刃150、152のそれぞれのノッチ(図示せず)が、1対の顎部材130、132のそれぞれの凹部130a、132aと整列されるか、位置合わせされるように再装填モードに作動されて(例えば、押し下げられ、及び/または前方に押し込まれ)、1対の顎部材130、132の両方の刃150、152を、1対の顎部材130、132のそれぞれのチャネル130d、132d内の最遠位位置に配置させる。次いで、針104は、1対の顎部材130、132の刃150、152が前進または後退すると、針104の少なくとも一部が1対の顎部材130、132のそれぞれの針凹部130a、132a内に受容されるときに、1対の顎部材130、132の刃150、152が、針104内に形成された溝104aに係合するか、または「内部固定」するように、縫合装置10の1対の顎部材130、132のそれぞれの針凹部130a、132aのうちの選択された1つ、または両方に位置付けまたは装填され得る。
【0029】
次に、レバー182を作動させて、1対の顎部材130、132の刃150、152の一方のみが針104の溝104aと係合するように移動され、1対の顎部材130、132の他方の刃150、152は、針104から係脱される。したがって、針104は、必要に応じて、1対の顎部材130、132の各々の顎部の間で交互に配置することができる。外科用縫合装置の構成及び動作の詳細な考察については、「Endoscopic Stitching Devices」という名称の米国特許第8,628,545号を参照することができ、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0030】
図3A及び3Bを参照すると、縫合装置10と共に使用するための装填ユニットが、本開示に従って提供され、全体として200で示される。装填ユニット200は、縫合装置10の1対の顎部材130、132内に針300(
図5A及び5B)を固定するために使用される。装填ユニット200は、一般に、ハンドルまたはそこから近位方向に延在するフィンガタブ210を有する本体部分205を含む。装填ユニット200のフィンガタブ210は、使用者の把持能力を向上させるために、複数のリッジ211を含んでもよく、そうでなければテクスチャリングされてもよい。
【0031】
装填ユニット200の本体部分205には、以下に説明するように、針300を取り付け、支持及び/または懸架するために、装填ユニット200の針支持構造体215が形成されている。装填ユニット200には、装填ユニット200の支持構造体215に隣接して縫合装置10の1対の顎部材130、132をガイドして、そこから取り外すために1対の顎部材130、132のそれぞれの針凹部130a、132a内に、針300を把持するための様々な装置受容構造がさらに設けられる。
【0032】
特に、
図3A及び
図3Bに示すように、細長い本体部分170を装填ユニット200上の所定の位置にガイドするために、整列凹部220が本体部分205に設けられる。整列凹部220は、縫合装置10との適切な整列を確実にするために、そこから延在し、縫合装置10の細長い本体部分170を取り囲む、または隣接する、複数のタブ225を含む。1対のストッパ230が、整列凹部220の各々の側に配置されて、1対の顎部材130、132が装填ユニット200上の適切な配置を確実にする。
【0033】
整列凹部220は、本体部分205から突出する支持スタッド235をさらに含む。支持スタッド235は、縫合装置10及び/または装填ユニット200を適切な整列状態に維持するために、細長い本体部分170の遠位部分内の対応する凹部(図示せず)と係合することができる。
【0034】
中央停止部材240が、支持構造体215と整列凹部220との間の装填ユニット200の本体部分205上に配置される。装填ユニット200の中央停止部材240は、その前端部分に形成された傾斜表面241を含む。縫合装置10の細長い本体部分170が装填ユニット200の整列凹部220に挿入されると、縫合装置10の細長い本体部分170の遠位端部は、装填ユニット200の中央停止部材240の後縁部242に当接して、それによって装填ユニット200内の縫合装置10の1対の顎部材130、132の前進を制限する。
【0035】
装填ユニット200は、さらに、針300は、例えば縫合装置10の1対の顎部材130、132を完全に閉じることによって、針300がしっかりと把持されるまで、装填ユニット200から取り外されないことを確実にするために、様々な構造または安全機構を含む。特に、装填ユニット200は、縫合装置10の1対の顎部材130、132の本体部分205からの持ち上げ、したがって、針300が、縫合装置10の1対の顎部材130、132によってしっかりと把持される前に、装填ユニット200からの針300の持ち上げを防止する安全機構245を含む。
【0036】
安全機構245は、中央停止部材240の両側の上に、かつ隣接して吊り下げられた1対のブロック部材246を含む。ブロック部材246は、縫合装置10の1対の顎部材130、132が閉じられるまで、縫合装置10の1対の顎部材130、132が装填ユニット200の本体部分205から垂直方向に移動することを防止する。装填ユニット200の中央停止部材240の傾斜表面241は、縫合装置10の1対の顎部材130、132の装填ユニット200からの早期の長手方向の後退を防止するのに役立つ。
【0037】
縫合装置10の1対の顎部材130、132が針300の周りにしっかりと確実に閉じられ、刃150、152が針300に係合すると、閉じられた1対の顎部材130、132は、針300を装填ユニット200から取り外すために、装填ユニット200の安全機構245のブロック部材246の間に形成された間隙250を通って垂直に持ち上げることができる。したがって、装填ユニット200の安全機構245のブロック部材246は、装填ユニット200の中央停止部材240の傾斜表面241と共に、縫合装置10の1対の顎部材130、132が、完全に閉じられ、針300をしっかりと把持するまで、針300が、装填ユニット200から取り外されないことを確実にするのを助ける。
【0038】
ここで
図4~
図7を参照すると、装填ユニット200の支持構造体215は、縫合装置10の1対の顎部材130、132への針300の正確な装填を確実にするために、針300を確実かつ安定した位置に維持するために使用される。装填ユニット200の支持構造体215は、第1のフィンガ255、及び第1のフィンガ255に隣接して及び/またはそれと平行に配置された第2のフィンガ256を含む。第1のフィンガ255及び第2のフィンガ256は、それらの間の第1のチャネル258を画定する。第1のフィンガ255は、その後表面に歯255a(
図7)を含む。同様に、第2のフィンガ256は、その後表面に画定された歯256a(
図7)を含む。第3のフィンガ257は、第1及び第2のフィンガ255、256の背後にあるか、または隣接しており、それらと対面関係にある。第2のチャネル260が、第1のフィンガ255及び第2のフィンガ256ならびに第3のフィンガ257の間に画定される。少なくとも
図6に示すように、第3のフィンガ257は実質的に座部形状の輪郭を有する。具体的には、第3のフィンガ257は、座部、肩部、または棚部265、及びそこから延在する背部部分266を含む。装填ユニット200の支持構造体215の第1、第2、及び第3のフィンガ255、256、257は、針300の長手方向軸が装填ユニット200の支持構造体215に対して直交して配向するように針300を保持するように協働する。
【0039】
図5A、
図5B、及び
図5Cを参照すると、針300は、装填ユニット200と共に使用するように構成される。具体的には、針300は、装填ユニット200(
図3A、
図3B、
図4、
図6、
図7)の支持構造体215の第1、第2、及び第3のフィンガ255、256、257の間に解放可能に保持されるように構成される。針300は、円筒状本体305のそれぞれの端部305a、305bから延在する第1及び第2の先鋭端部310、312を有する略円筒状体305を有する。針300の円筒状本体305は、略湾曲したまたは弓形の構成を有するものとして示されているが、針300は、それで組織を貫通及び/または縫合するための任意の好適な構成または形状を有し得ることも考えられる。針300は、曲率半径「R」を画定する。1対の凹部315、317が、縫合装置10の1対の顎部材130、132のそれぞれの刃150、152と係合するように、針300の円筒状本体305内に形成されて、縫合装置10の1対の顎部材130、132に針を固定する(
図2、
図5C)。
【0040】
針300の中央かしめまたは平坦部分320は、その中に開口322を画定し、そこを横切って形成される。開口322は、ある長さの縫合材料330(
図3A、
図3B、
図4、
図6、
図7)をそこに固定するように構成される。第1の溝335と第2の溝337は、針300のかしめ部分320の対向する側に隣接する針300の円筒状本体305に形成される。針300の開口322は、中心軸「Y」(
図5A)を画定する。軸「Y1」は、曲率半径「R」の中心に画定され、
図5Aの針300の上面図に示される。開口322の中心軸「Y」は、軸「Y1」に平行であり、そこからある距離だけ離間している。
【0041】
図5A及び
図5Bに示すように、第1及び第2の溝335、337は、針300の円筒状本体305に形成されてもよい。第1の溝335及び第2の溝337は、それぞれ、中心長手方向軸「Y2」(明示的には図示せず)及び「Y3」を画定する。第1及び第2の溝335、337の中心長手方向軸「Y2」及び「Y3」は、針300の開口322の中心軸「Y」に対して角度「α」で配向される。実施形態では、角度「α」は、約5度~約40度であり得る。
【0042】
図5Cを参照すると,1対の凹部315、317は、それぞれ中心長手方向軸「Y4」及び「Y5」を画定する。針300の凹部315、317の中心長手方向軸「Y4」及び「Y5」は、針300の開口322の中心軸「Y」及び針300の曲率半径「R」の軸「Y1」に垂直に配向され得る。
【0043】
針300の第1及び第2の溝335、337は、装填ユニット200の支持構造体215の第1及び第2のフィンガ255、256の歯255a、256aと係合して、針300を装填ユニット200の支持構造体215内の定位置に固定するように構成される。針300のかしめ部分320、凹部315、317、ならびに第1及び第2の溝335、337は、かしめ、管引抜、成形などの任意の既知のプロセスによって形成することができる。
【0044】
針300は、針アセンブリとして縫合材料330(
図3A、
図3B、
図4、
図6、及び
図7)を備えている。縫合材料330は、針300のかしめ部分320の開口322に固定される。縫合材料330を装填ユニット200内に固定するために、針300が装填ユニット200から取り外されるまで、装填ユニット200は、ガイドノッチ270(
図3A及び
図3B)を含み、縫合材料330を装填ユニット200の中空体腔(図示せず)にガイドする。スロット275は、装填ユニット200への縫合材料330の挿入を容易にすることによって、装填ユニット200の製造を容易にすることを助ける。
【0045】
針300が支持構造体215内に装填された状態で、針300の縫合材料330は、支持構造体215の第1及び第2のフィンガ255、256の間に画定された第1のチャネル258を通り、導管またはチャネル280を通り、装填ユニット200のフィンガタブ210の後部に形成された開口285内に延在する。次いで、針300の縫合材料330は、装填ユニット200の基部に画定された中空体腔(図示せず)内に延在し、その内部に固定される。したがって、針300の縫合材料330は、針300を装填ユニット200から取り外す前に、装填ユニット200内にきちんとかつしっかりと固定して格納され得る。
【0046】
図6及び
図7に示すように、装填ユニット200の支持構造体215上に配置された針300が示されている。具体的には、針300のかしめ部分320が装填ユニット200の支持構造体215の座部部分265と対面関係になるように、針300を配向する。針アセンブリの縫合材料330は、上述のように、針300のかしめ部分320の開口322から横方向に延在し、支持構造体215の第1及び第2のフィンガ255、256の間に画定された第1のチャネル258を通って出る。針300の第1及び第2の溝335、337は、支持構造体215の第1及び第2のフィンガ255、256の歯255a、256aと係合して、針の第1の側面340から針300を安定化させる。針300の第2の側面342は、装填ユニット200の支持構造体215の背部部分266を介して支持されている。
【0047】
使用中、縫合装置10は、縫合装置10の1対の顎部材130、132の両方の刃150、152(
図2)が、最遠位位置にあるように、最初にスライダ119(
図1)を遠位方向に作動させることによって再装填モードに移行する。このようにして、刃150、152のそれぞれのノッチ(図示せず)は、1対の顎部材130、132のそれぞれに画定されたそれぞれの凹部130a、132aと整列されるか、位置合わせされる。刃150、152のノッチが、それぞれの1対の顎部材130、132のそれぞれの凹部130a、132aと整列されるか、または位置合わせされると、針300は、縫合装置10の1対の顎部材130、132の選択された1つの凹部130a、132a内に装填され得る。
【0048】
次いで、縫合装置10の細長いシャフトアセンブリ170の遠位端部は、複数のタブ225の間で装填ユニット200の整列凹部220内にガイドされる。整列凹部220の各々の側面に配置された1対のストッパ230は、1対の顎部材130、132を装填ユニット200上に適切に配置することを確実にする。細長いシャフトアセンブリ170の遠位端部が中央停止部材240の後縁部242に当接するまで、縫合装置10を前進させて、縫合装置10及び1対の顎部材130、132の前進を制限する。次に、1対の顎部材130、132は、針300が1対の顎部材130、132の間に位置付けられるように、針300に隣接している。縫合装置10のハンドル110が作動すると、1対の顎部材130、132は、1対の顎部材130、132の凹部130a、132a内に針300の第1及び第2の先鋭端部310、312を閉鎖して、縫合装置10の1対の顎部材130、132の間に針300を装填する。
【0049】
1対の顎部材130、132の凹部130a、132aに針300が装填されるか、または少なくとも部分的に挿入されると、刃150、152のノッチは、針300のそれぞれの凹部315、317と位置合わせされる。縫合装置10の1対の顎部材130、132が針300を中心にしっかりと閉じられると、1対の顎部材130、132は、針300を装填ユニット200の支持構造体215から取り外すために、装填ユニット200のブロック部材246間の間隙250を通って垂直に持ち上げられ得る。遮断部材246は、1対の顎部材130、132が完全に閉じられて針300をしっかりと把持するまで、針300が装填ユニット200から取り外されないことを確実にするのを助ける。
【0050】
1対の顎部材130、132を装填ユニット200から取り外す前または後に、ハンドル110を作動させ、刃150、152のノッチが針凹部130a、130bと位置合わせされるように針300を位置付けして、1対の顎部材130、132の1つの刃150、152のみが、針300を保持するために針300と係合するように移動され、1対の顎部材130、132の他の刃150、152が、針300から係脱されるようにレバー182が作動または回転される。1対の顎部材130、132の刃150、152の1つのみを針300に係合させた状態で、1対の顎部材130、132を針装填ユニット200から取り外した後、ハンドリングアセンブリ100のハンドル110は、縫合装置10を解放して、それによって軸ロッド156を遠位に移動させて、1対の顎部材130、132を開くことができる。
【0051】
縫合装置10の1対の顎部材130、132が開位置にあり、針300がただ1つの顎部材130または132に装填及び保持されている場合、縫合装置10の1対の顎部材130、132は、標的組織の周りに、またはその上に位置付けられ得、ハンドル110を作動させて、1対の顎部材130、132を接近させることができる。縫合装置10の1対の顎部材130、132が接近するにつれて、針300の第1または第2の先鋭端部310、312の一方が標的組織を貫通し、対向する顎部材130または132に進入する。針300が対向する顎部130または132を反転すると、1対の顎部材130、132の刃150、152が反転するように、レバー182が再び作動または回転される。その際、針300は、一方の刃150または152から他方の刃150または152に交換され、したがって、他方の顎部130または132に装填または保持される。
【0052】
針300が1つの刃150、152から別の刃150、152に交換された状態で、ハンドルアセンブリ100のハンドル110を解放して、それによって1対の顎部材130、132を開き、標的組織を通して針300を引き出すことができる。その際に、針300の縫合材料330も組織を通って引き出される。このプロセスは、1対の顎部材130、132の間で針300を通過させ、針300の縫合材料330を標的組織に引き、それによって必要または所望に応じて、標的組織を縫合することを繰り返す。
【0053】
ここで、
図8A、
図8B、及び
図8Cを参照すると、針の代替の実施形態が示され、全体として400で示される。針400は、針300の円筒状本体405のそれぞれの端部405a、405bから延在する第1及び第2の先鋭端部410、412を有する略円筒状の本体405を有する。1対の凹部415、417は、縫合装置10の1対の顎部材130、132の刃150、152と係合するために、針400の円筒状本体405に形成されて、縫合装置10のそこに1対の顎部材130、132に針を固定する。針のかしめ部分420は、その中に開口422を画定し、そこを横に貫通して形成され、ある長さの縫合材料430(
図9A、
図9B、
図10、及び
図11)をそこに固定する。第1の溝435及び第2の溝437は、針400のかしめ部分420に隣接する針400の円筒状本体405内に形成され、装填ユニット200の支持構造体215の第1及び第2のフィンガ255、256の歯255a、256aと係合するように構成され、針400を装填ユニット200の支持構造体215内の所定の位置に固定する。
【0054】
針400の開口422は、中心軸「Z」(
図8A~
図8C)を画定する。針400は、曲率半径「R1」を画定する実質的に弓形の形状を有する。軸「Z1」は、曲率半径「R」の中心に画定され、
図8Aの針400の外形図に示される。開口422の中心軸「Z」は、軸「Z1」に対して垂直であり、互いに交差し得る。
【0055】
図8B及び
図8Cに示すように、第1及び第2の溝435、437は、針400の円筒状本体405に形成されてもよい。針300の第1及び第2の溝435、437は、それぞれ、中心長手方向軸「Z2」(明示的には図示せず)及び「Z3」を画定する。第1及び第2の溝435、437の中心長手方向軸「Z2」及び「Z3」は、針400の開口422の中心軸「Z」に対して角度「α
2」で配向される。実施形態では、角度「α
2」は、約5度~約40度であり得る。
【0056】
図8A及び
図8Cを参照すると、1対の針凹部415、417の中心長手方向軸「Z4」及び「Z5」を画定してもよい。1対の針凹部415、417の中心長手方向軸「Z4」及び「Z5」は、針400の開口422の中心軸「Z」に平行であってもよい。
【0057】
装填ユニット200の支持構造体215の第1、第2、及び第3のフィンガ255、256、257は、針400の長手方向軸が装填ユニット200の支持構造体215に対して直交して配向するように針400を保持するように協働する。針400は、針400のかしめ部分420が、針300のかしめ部分320に対してオフセットされた、例えば90度である点を除いて、上述した針300と実質的に同様である。針400のかしめ部分420がオフセットされた状態で、針400の縫合材料430が、装填ユニット200の支持構造体215の第3のフィンガ257の座部部分265と平行になるように、針400は、装填ユニット200の支持構造体215内に配向される。より具体的には、支持部材215内に配置された針400を用いて、針400のかしめ部分420の開口422の中心軸は、
図10に示すように、縫合材料430が、第1のフィンガ255及び第2のフィンガ256との間に画定された第2のチャネル260を通って針400の開口422から第3のフィンガ257の座部部分265と平行に延在するように、第3のフィンガ257の座部部分265と平行に配向される。
【0058】
前述の説明は、本開示の例示に過ぎないことを理解されたい。様々な代替案及び修正が、本開示を逸脱することなく、当業者によって考案され得る。したがって、本開示は、全てのそのような代替案、修正、及び相違を包含することが意図される。添付図面を参照して記載される実施形態は、本開示のある特定の例を実証するためにのみ提示される。上に記載される及び/または添付の特許請求の範囲のものとは実質的には異ならない他の要素、ステップ、方法、及び技法が、本開示の範囲内であることも意図される。