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特許7126396電子薬剤オーダの転送および処理の方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-18
(45)【発行日】2022-08-26
(54)【発明の名称】電子薬剤オーダの転送および処理の方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20220819BHJP
【FI】
G16H10/00
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2018134915
(22)【出願日】2018-07-18
(62)【分割の表示】P 2015165438の分割
【原出願日】2004-01-30
(65)【公開番号】P2018185857
(43)【公開日】2018-11-22
【審査請求日】2018-07-18
【審判番号】
【審判請求日】2020-08-12
(31)【優先権主張番号】60/444,350
(32)【優先日】2003-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】10/424,553
(32)【優先日】2003-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】60/488,273
(32)【優先日】2003-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】10/659,760
(32)【優先日】2003-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】60/528,106
(32)【優先日】2003-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】トーマス エル. シンプソン
(72)【発明者】
【氏名】ローラ エム. レテリア
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムス ピー. マルトゥッチ
【合議体】
【審判長】渡邊 聡
【審判官】溝本 安展
【審判官】中野 浩昌
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-22322(JP,A)
【文献】特開平6-312010(JP,A)
【文献】特開2002-117142(JP,A)
【文献】特表2002-520718(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療施設と関連付けられているコンピュータ化患者医療システムとの間での電子薬剤オーダの自動化された転送および処理のための薬局システムであって、前記薬局システムは、
請求書発行インターフェースであって、前記請求書発行インターフェースは、
患者への静注投与のために準備されることになる薬剤のための前記電子薬剤オーダを受信することと、
前記電子薬剤オーダに基づいて計算される請求情報を送信することであって、前記請求情報は、前記電子薬剤オーダに対応する前記薬剤のための請求に使用される、ことと
を実行するように構成されている、請求書発行インターフェースと、
前記請求書発行インターフェースに通信可能に接続された中央コンピュータであって、前記中央コンピュータは、
前記電子薬剤オーダを処理することであって、前記処理することは、前記電子薬剤オーダを使用して少なくとも1つの薬剤データベースまたはファイルに電子的にアクセスすることにより、前記電子薬剤オーダに対応する前記薬剤を準備するために必要な1つ以上の成分を自動的に識別することを含む、ことと、
前記電子薬剤オーダに対応する前記薬剤の前記準備に関連する前記識別された1つ以上の成分を示すデータを、前記薬剤を準備するための準備場所に送信することと
を実行するように構成されている、中央コンピュータと
を備えており、
前記請求書発行インターフェースは、前記中央コンピュータから前記電子薬剤オーダを受信するように構成されている薬局システム。
【請求項2】
前記中央コンピュータは、
前記患者への前記薬剤の投与に関連する情報を含むメッセージを受信することと、
前記メッセージを受信したことに応答して、前記電子薬剤オーダを前記請求書発行インターフェースに送信することと
を実行するように構成されている、請求項1に記載の薬局システム。
【請求項3】
前記中央コンピュータは、自動記入・包装システムに通信可能に接続されており、前記自動記入・包装システムは、前記電子薬剤オーダおよび前記1つ以上の成分に基づいて前記薬剤を自動的に準備するように構成されている、請求項1に記載の薬局システム。
【請求項4】
前記中央コンピュータは、スケジュールジェネレータを含み、前記スケジュールジェネレータは、患者のための薬剤を準備するための所定時間を特定するスケジュールに前記電子薬剤オーダを付加するように構成されている、請求項3に記載の薬局システム。
【請求項5】
前記自動記入・包装システムは、前記1つ以上の成分を使用して前記電子薬剤オーダに対応する前記薬剤をいつ準備するかを決定するために前記スケジュールを使用する、請求項4に記載の薬局システム。
【請求項6】
前記中央コンピュータは、前記電子薬剤オーダによって提供される依存する量、流速、成分の濃度、希釈剤の量、薬物の量、患者の体重、および患者の身長のうちの少なくとも1つを使用して完全非経口栄養薬剤オーダのための計算を実行するように構成されており、
前記自動記入・包装システムは、部分的に前記完全非経口栄養薬剤オーダに基づいて前記薬剤を準備するように構成されている、請求項3に記載の薬局システム。
【請求項7】
前記電子薬剤オーダは、単回投与の注入、間欠注入、持続注入、シーケンス、滴定、化学療法的持続注入、ピギーバック注入、大量非経口注入、および完全非経口栄養混合注入のうちの少なくとも1つの前記準備のための情報を含む、請求項1に記載の薬局システム。
【請求項8】
前記中央コンピュータは、バーコードスキャナに通信可能に接続されている、請求項1に記載の薬局システム。
【請求項9】
前記中央コンピュータは、前記電子薬剤オーダに基づいて前記薬剤を準備するために使用される前記1つ以上の成分のバーコードを確認するように前記バーコードスキャナからの情報を使用するように構成されている、請求項に記載の薬局システム。
【請求項10】
前記中央コンピュータは、それぞれの電子薬剤オーダによって特定される他の薬剤の中から前記電子薬剤オーダに対応する前記薬剤をバッチ処理するように構成されている、請求項1に記載の薬局システム。
【請求項11】
前記中央コンピュータは、異なる薬剤を準備するための複数の命令を格納するメモリに通信可能に接続されており、前記中央コンピュータは、前記電子薬剤オーダに対応する前記薬剤の前記準備のために前記メモリから前記命令のうちの少なくとも一部を選択するように構成されている、請求項1に記載の薬局システム。
【請求項12】
前記中央コンピュータは、前記電子薬剤オーダに対応する前記薬剤を封入する薬剤容器のためのバーコードラベルを印刷するように構成されているプリンタに通信可能に接続されている、請求項1に記載の薬局システム。
【請求項13】
前記中央コンピュータは、
薬剤を準備するための成分の在庫を管理することと、
前記電子薬剤オーダに対応する前記薬剤の前記準備のための前記1つ以上の成分を使用することに基づいて前記在庫を更新することと
を実行するように構成されている、請求項1に記載の薬局システム。
【請求項14】
前記請求情報は、第三者財務システムに送信される、請求項1に記載の薬局システム。
【請求項15】
前記電子薬剤オーダは、(a)前記薬剤の特定の濃度での投与量、(b)体重の単位当たりの前記薬剤の量、(c)体表面積の単位あたりの前記薬剤の投与量、または(d)総投与量および総持続時間のうちの少なくとも1つを特定する、請求項1に記載の薬局システム。
【請求項16】
前記電子薬剤オーダは、特定の期間にわたる(a)~(d)のうちの前記少なくとも1つを特定する、請求項15に記載の薬局システム。
【請求項17】
前記中央コンピュータは、(a)~(d)のうちの前記少なくとも1つを特定する前記電子薬剤オーダに基づいて前記成分のうちの少なくとも1つの濃度または量のうちの少なくとも1つを識別するように構成されている、請求項15に記載の薬局システム。
【請求項18】
医療施設と関連付けられているコンピュータ化患者医療システムとの間での電子薬剤オーダの自動化された転送および処理のための薬局システムであって、前記薬局システムは、
請求書発行インターフェースであって、前記請求書発行インターフェースは、
患者への静注投与のために準備されることになる薬剤のための前記電子薬剤オーダを受信することと、
前記電子薬剤オーダに基づいて請求情報を生成することと、
前記請求情報を送信することであって、前記請求情報は、前記電子薬剤オーダに対応する前記薬剤のための請求に使用される、ことと
を実行するように構成されている、請求書発行インターフェースと、
前記請求書発行インターフェースに通信可能に接続された中央コンピュータであって、前記中央コンピュータは、
前記電子薬剤オーダを電子的に処理することであって、前記処理することは、前記電子薬剤オーダを使用して少なくとも1つの薬剤データベースまたはファイルにアクセスすることにより、前記電子薬剤オーダに対応する前記薬剤を準備するために必要な1つ以上の成分を自動的に識別することを含む、ことと、
前記電子薬剤オーダに対応する前記薬剤の前記準備に関連する前記識別された1つ以上の成分を示すデータを使用して前記薬剤を準備するための準備場所に前記識別された1つ以上の成分を示す前記データを送信することと、
前記患者への前記薬剤の投与に関連する情報を含むメッセージを受信することと、
前記メッセージを受信したことに応答して、前記薬剤のための請求に使用される前記請求情報を生成するために前記電子薬剤オーダを前記請求書発行インターフェースに送信することと
を実行するように構成されている、中央コンピュータと
を備えている、薬局システム。
【請求項19】
前記中央コンピュータは、前記メッセージを受信したことに応答して前記電子薬剤オーダの前記請求書発行インターフェースへの前記送信を自動的にトリガするように構成されている、請求項18に記載の薬局システム。
【請求項20】
前記中央コンピュータは、前記静注投与を前記患者に提供した注入ポンプ、薬剤投与サーバ、または薬局入力装置のうちの少なくとも1つから前記メッセージを受信するように構成されている、請求項18に記載の薬局システム。
【請求項21】
前記請求情報は、第三者財務システムに送信される、請求項18に記載の薬局システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(参照文献)
本出願は、参照により以下:米国特許出願第10/040,887号(2002年1月7日出願);米国特許出願第10/040,908号(2002年1月7日出願、公開番号US-2003-0130624-A1(2003年7月10日公開));米国特許出願第10/059,929号(2002年1月29日出願、公開番号US-2003-0141981-A1(2003年7月31日公開));米国特許出願第10/135,180号(2002年4月30日出願);米国特許出願第10/424,553号(2003年4月28日出願);米国特許出願第10/659,760号(2003年9月10日出願);米国特許出願第10/749,101号(2003年12月30日出願);米国特許出願第10/749,102号(2003年12月30日出願);米国特許出願第10/748,762号(2003年12月30日出願);米国特許出願第10/748,750号(2003年12月30日出願);米国特許出願第10/748,749号(2003年12月30日出願);米国特許出願第10/749,099号(2003年12月30日出願);米国特許出願第10/748,593号(2003年12月30日出願);米国特許出願第10/748,589号(2003年12月30日出願);米国仮特許出願第60/377,027号(2002年4月30日出願);米国仮特許出願第60/376,625号(2002年4月30日出願);米国仮特許出願第60/376,655号(2002年4月30日出願);米国仮特許出願第60/444,350号(2003年2月1日出願);米国仮特許出願第60/488,273号(2003年7月18日出願);米国仮特許出願第60/528,106号(2003年12月8日出願);および、米国特許番号第5,842,841号の文献を明示的に組み込み、且つ本明細書の一部とする。
【0002】
(技術分野)
本発明は、概して、無線医療データ通信システムおよび方法に関する。より詳しくは、本発明は、無線通信リンクの完全性について報告するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
患者医療システムは一般に、コンピュータネットワーク、患者を治療するための医療機器、及び該医療機器に対する制御を含む。患者医療システムは、コンピュータ制御の自動化システム及び方法を利用することによって向上してきたが、患者医療システムは、医療機器及び医療機器の制御に関しては、手動によるデータ管理工程に依然として大きく依存している。例えば、近代的な病院では、看護ステーションは一般にコンピュータネットワークに接続されているが、コンピュータネットワークが病室にまで及ぶのは通常ではない。コンピュータネットワークは、ポイントオブケアでの医療機器の操作及び監視並びに医療機器の制御を含む自動化されたデータ管理処理に対する機会を提供する。この分野における進展にもかかわらず、自動データ管理技術は、より効率的なシステム及び方法の欠如により、ポイントオブケア用途に対しては十分に活用されてきてはいない。自動化された技術への依存度が増大するにつれて、システム又はサブシステムの運転状態を決定する能力をユーザに提供する必要性が増大する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の概要)
本発明は、医療施設内の無線通信リンクの完全性に関して報告するシステム及び方法を提供する。
【0005】
通常、本発明は、投薬管理モジュール及び医療施設内に配置された無線遠隔装置を有するシステムを含む。投薬管理モジュールは、注入ポンプなどの薬物療法用途用装置と関連付けられている。無線遠隔装置は、投薬管理モジュールによって生成された状態情報出力に応答し、無線通信リンクを介して伝送される、視覚ディスプレイ又は可聴アラームなどのメッセージ表示手段を含む。無線遠隔装置は、無線通信リンクが失われたときにおいてタイムアウトを生成するモジュールまたはアプリケーションも含む。
【0006】
本発明の他のシステム、方法、特徴、及び利点は、以下の図面及び詳細な説明を考察すれば、当業者には明らかであるか若しくは明らかとなろう。本明細書に含まれる全てのそのような追加システム、方法、特徴、及び利点は、本発明の範囲内にあり、且つ添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
(図面の簡単な説明)
本発明は、以下の図面を参照すればより良く理解することができる。図面中の構成要素は必ずしも定尺ではなく、それよりむしろ、本発明の原理を明確に説明することに重点が置かれている。図面中、幾つかの図全体を通して、同じ参照番号は、対応する部品を示す。
図1】患者医療システムの略図式表示である。患者医療システムは、薬局のコンピュータ、中央システム、及び治療場所におけるデジタルアシスタントを含む。
図2図1の薬局のコンピュータ、中央システム、及び/又はデジタルアシスタントを表すコンピュータシステムのブロック図である。本システムは、注入システム又はその一部を含む。
図3図1の患者医療システムの部分の略図式表示である。
図4図1の患者医療システムの機能要素を示すブロック図である。
図5図1の患者医療システムの種々の機能を実行するための例示的なコンピュータ画面である。
図6図2の注入システムの機能要素を示すブロック図である。機能要素は、とりわけ、注入システムパラメータ設定、注入オーダ作成、注入オーダ準備、薬剤投与、注入オーダ修正、及びメッセージング用のブロックを含む。
図7図6の注入システムパラメータ設定用機能要素を示すブロック図である。
図8図6の注入オーダ作成用の機能要素を示すブロック図である。
図9図6の注入オーダ準備用の機能要素を示すブロック図である。
図10図6の薬剤投与用の機能要素を示すブロック図である。
図11図6の注入オーダ文書化、注入オーダ修正、及びメッセージング用の機能要素を示すブロック図である。
図12】通信を示す、緊急事態通知システムの図である。
図13】緊急事態通知システムによって通知当事者に提供される好ましい通知選択肢を示す、通知当事者の視点から見た緊急事態通知インターフェースの図である。
図14】ターゲット当事者によって受信される好ましい緊急事態情報を示す、ターゲット当事者の視点から見た緊急事態通知インターフェースの図である。
図15】アラーム/アラートエスカレーション工程のフローチャートの一実施形態である。
図16A】アラーム/アラートインターフェース画面の図である。
図16B】アラーム/アラートインターフェース画面の別の図である。
図17】アラーム/アラートインターフェース画面の別の図である。
図18】臨床家のハンドヘルド装置から見たインターフェース画面の図である。
図19】ログイン工程のインターフェース画面の図である。
図20図19のログイン工程の別のインターフェース画面の図である。
図21】部門選択インターフェース画面の図である。
図22】シフト選択インターフェース画面の図である。
図23】患者閲覧インターフェース画面の図である。
図24】患者選択インターフェース画面の図である。
図25】患者情報メニューインターフェース画面の図である。
図25A】アレルギー・身長/体重インターフェース画面の図である。
図25B】薬歴インターフェース画面の図である。
図25C】検査結果インターフェース画面の図である。
図26】薬剤送達スケジュールインターフェース画面の図である。
図26A図26の薬剤送達スケジュール工程のインターフェース画面の別の図で ある。
図27A】ワークフロー注入停止のインターフェース画面の図である。
図27B】ワークフロー注入停止のインターフェース画面の別の図である。
図27C】注入を再開するためのワークフローのインターフェース画面の図である。
図27D注入を再開するためのワークフローのインターフェース画面の図である
図28図26の薬剤送達スケジュール工程のインターフェース画面の別の図である。
図29】投薬失敗インターフェース画面の図である。
図30図29のインターフェース画面の別の図である。
図31図29のインターフェース画面の別の図である。
図32】スケジュールインターフェース画面の図である。
図33】薬剤インターフェース画面の図である。
図34】スキャンインターフェース画面の図である。
図35】別のスキャンインターフェース画面の図である。
図36】薬剤投与インターフェース画面の図である。
図37】経路確認インターフェース画面の図である。
図38】ポンプチャネルスキャンインターフェース画面の図である。
図38A】別のポンプチャネルスキャンインターフェース画面の図である。
図39】比較インターフェース画面の図である。
図39A】比較インターフェース画面の別の図である。
図40】比較インターフェース画面の別の図である。
図41】比較インターフェース画面の別の図である。
図42】比較インターフェース画面の別の図である。
図43】ポンプ状態インターフェース画面の図である。
図44】流速履歴インターフェース画面の図である。
図45A】通信損失インターフェース画面の図である。
図45B】通信損失インターフェース画面の図である。
図46】ローバッテリインターフェース画面の図である。
図47】ハブの図である。
図48】インターフェース画面に使用される様々なアイコンの図である。
図49】実施結果記録インターフェース画面の図である。
図50】監視パラメータリンクを有する投薬オーダの図である。
図50A】監視パラメータ入力インターフェース画面の図である。
図51】サイクルカウントインターフェース画面の図である。
図52】オーダ比較工程のフローチャートである。
図53】微小電子機械システム(MEMS)要素が回線セットに接続された流れ制御システムの概略図である。
図54図3の第1の中央コンピュータ上にロードされたソフトウェアコンポーネントの略ブロック図である。
図55A】例示的な注入実施工程のフローチャートである。
図55B】例示的な注入実施工程のフローチャートである。
図55C】例示的な注入実施工程のフローチャートである。
図56】例示的なチャネルスキャン工程のフローチャートである。
図57A】例示的なポンプチャネル変更工程のフローチャートである。
図57B】例示的なポンプチャネル変更工程のフローチャートである。
図58】別の例示的なチャネルスキャン工程のフローチャートである。
図59】更に別の例示的なチャネルスキャン工程のフローチャートである。
図60】例示的な注入停止/中止工程のフローチャートである。
図61】例示的な注入再開工程のフローチャートである。
図62】例示的なポンプ除去工程のフローチャートである。
図63】例示的な認証工程のフローチャートである。
図64】例示的な認証工程のフローチャートである。
図65】例示的な認証工程のフローチャートである。
図66】例示的な認証工程のフローチャートである。
図67】例示的な認証工程のフローチャートである。
図68】例示的な認証工程のフローチャートである。
図69】例示的な認証工程のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(詳細な説明)
本発明は多くの異なる形での実施形態が可能であるが、本発明の好ましい実施形態を図面に示し、本明細書に詳細に説明する。本開示は、本発明の原理の例示としてみなされるべきであり、本発明の幅広い態様を例示された実施形態に限定することを意図されていない。
【0009】
図1は、患者医療システムの図式表示である。一実施形態では、患者医療システム100は、ネットワーク102によってリンクされた薬局のコンピュータ104、中央システム108、及び治療場所106を含む。図2に示すように、患者医療システム100は、医療システムとも呼ばれる注入システム210をも含む。注入システム210は、好ましくは、患者医療システム100内の1台又はそれ以上の電子計算装置上に常駐するコンピュータプログラム、特にモジュール又はアプリケーション(即ち、エンドユーザに対して設計されたプログラム若しくはプログラム群)として実施される投薬システムである。本明細書に更に詳細に説明するように、注入システム210は、患者医療に対する学際的アプローチにおいて、医師、薬剤師、及び看護師などの臨床家(clinician)をリンクする。
【0010】
(システム全般)
図3に移ってこれを説明すると、患者医療システム100は、複数の医療機器120を含むことができる。一実施形態では、医療機器は、注入ポンプ120である。更に、別の実施形態では、医療機器は、注入ポンプ用制御装置である。容易に参照できるように、本開示は、全体として、本システムの医療機器を注入ポンプとして識別するが、システム100全体が種々の医療機器のうちの任意の1つ又はそれ以上を組み込むことができることが理解される。従って、図3に示すように、複数の注入ポンプ120は、ハブ又はインターフェース107に接続される。本明細書において更に詳細に説明するように、注入ポンプ120は、各注入ポンプ120が1人の患者に関連付けられた従来の設計のものであってよい。しかしながら、当業者には分かるように、図3に示す注入ポンプ120は、該注入ポンプが同一のハブ107に接続されているにもかかわらず、同一の患者又は治療場所に関連付けられる必要はない。更に、各注入ポンプ120は、単一チャネルポンプであっても、3チャネルポンプのような多チャネルポンプであってもよい。一般に、ポンプは、ポンプ状態情報を含むメッセージを、定期的にハブ107に伝送する。費用効果に対して通信を集中させるために、且つ/又は現在中央コンピュータシステム108と通信していない既存の医療機器の設計変更を可能にし、それによりそのような各医療機器が中央コンピュータシステム108と通信することができるように、別個のハブ107を、医療機器120から離して用いることができる。



【0011】
(システム全体の通信ハブ)
一実施形態では、注入ポンプ120のシリアルポート又は他のI/Oポートは、ツイストペアワイヤ、同軸ケーブル、光ファイバケーブル等のような通常の非無線伝送媒体105を用いてハブ107に接続される。ハブ107は、片方向シリアル通信リンク105を介して、複数の注入ポンプ120又は1つのみのポンプに接続することができるのが好ましい。ハブ107は、接続されたポンプからの信号の受信及び受信信号の再生を行う。具体的には、ポンプ120からの受信信号は、ハブ107によって、無線通信路又は無線通信リンク128及び有線通信システム110を介したシステムネットワーク102への伝送に適した形式に変換される。一般に、ハブ107は、システムネットワーク102へポンプデータを送信する。ハブ107はまた、ポンプ120からの受信情報をフィルタ処理し、重複メッセージを阻止することもできる。更に、ハブ107は、臨床家116のデジタルアシスタント118上でポンプ状態情報を遠隔閲覧することを可能にする。一般に、ハブ107は、ハブ107がポンプ120に接続されており且つハブ107とポンプ120の両方の電源が入っているときは常時ポンプデータを送信する。本明細書に詳細に説明するように、ハブ107は、薬局入力オーダのポンプ設定値との比較をも可能にする。好ましい実施形態では、ハブ107は、ポンプ120を支持する点滴ポールに接続されるか、又は、ハブ107は、注入ポンプ120内に組み込まれ、上に特定した統合型医療/通信機器が創出される。
【0012】
ハブ107の一実施形態を図47に示す。この実施形態では、ハブ107は、最大4つのポンプに対するポンプポートインジケータ411、無線信号損失インジケータ413、ローバッテリインジケータ415、アラート消音キー417、オン/オフキー・インジケータ419、及び充電中インジケータ421を含む。ポンプポートインジケータ411は、ハブ107のポンプポートの各々に対する状態インジケータとなる。インジケータライトは、対応するポンプポートがネットワーク102と正常に通信していることを示す。しかしながら、インジケータライトが点灯していない場合、これは、対応するポンプポートがポンプ120に接続されていないか又はポートがポンプ120からネットワーク102まで通信していないことを示す。無線信号損失インジケータ413は、ハブ107が無線リンクによってネットワーク102と通信することができないことを示す。無線信号損失が発生した場合、ポンプポートインジケータ411の各々も消灯することになり、ハブ107がネットワーク102と通信していないことを示す。無線信号損失が発生した場合、ハブ107は、このイベントをシステムネットワーク102及び中央コンピュータシステム108並びにサーバ109に伝達し、最終的に臨床家116に伝送することになる。アラート消音キー417は、臨床家116がハブ107からの全ての可聴アラートを一時的に消音化することを可能にする。通信ハブの代替的実施形態は、物理的にポンプ内に単一の専用無線モジュール、又は無線通信を用いてポンプ及びサーバの両方に到達するための別個のモジュールを含む。
【0013】
更に、代替的実施形態では、ハブ107は、任意選択的に、統合型医療/通信機器を創出するために注入ポンプ120内に組み込むことができる。組み合わせハブ/医療機器は、引き続き互いに対して全く同様に機能することになろう。
【0014】
(システム全体のアクセスポイント)
図3に示すように、医療施設内の複数のアクセスポイント114は、無線通信路と有線通信システムとの間のインターフェースとなる。好適には、システムネットワーク102が利用できない場合、ハブ107は、ポンプ120から受信した信号を格納し、次いで、システムネットワークがひとたび利用可能になれば、該変換信号をシステムネットワーク102に伝送する。好ましい実施形態では、ハブ107とアクセスポイント114との間の通信は、ハブ107からアクセスポイント114及び最終的にネットワーク102まで片方向性である。従って、本実施形態では、注入ポンプ120はネットワーク102にデータを伝送することができるが、ネットワーク102は、データを注入ポンプ120に伝送することができない。しかしながら、これも本明細書に開示されている代替的実施形態では、ハブ107とアクセスポイント114との間の通信は、双方向性であることが分かる。従って、これらの実施形態では、データ及び他の情報は、ネットワーク102から注入ポンプ120まで伝送することができる。いずれの場合でも、ネットワーク102とハブ107との間で伝送される情報は、安全保護のために符号化される。
【0015】
(中央システムサーバ/システム全体のコンピュータ)
ここで図1及び図3を参照すると、中央システム108は、一台又はそれ以上のサーバ又はコンピュータを含むことができる。本開示は全体としてサーバ109、108aを参照するが、これらの構成要素は非サーバコンピュータであってもよいことが分かる。必ずしもそうである必要はないが、中央システム108は、第1の中央サーバ又は中央コンピュータ109及び第2の中央サーバ若しくは中央コンピュータ108aを含むことができるのが好ましい。一実施形態では、第1の中央サーバ109と第2の中央サーバ108a間の通信用に、別個の通信システム103を備えることができる。好ましい実施形態では、別個の通信システム103は、孤立したポイントツーポイント有線通信イーサネット(登録商標)ネットワークである。この通信システム103が孤立したポイントツーポイントシステム接続であるために、2台のサーバ109、108a間で通信されるデータは通常、暗号化されない。通常、2台のサーバ109及び108a間の通信システムは、双方向通信を可能にする。
【0016】
本明細書に詳細に説明するように、第1の中央サーバ又はコンピュータ109は、第1のデータベース、及び医療機器並びにユーザインターフェースに関連するデータ及び機能に関連付けられた第1の機能的特徴のセットを有する。医療機器120及びユーザインターフェース118は通常、第1の中央コンピュータ109と直接通信する。更に、本明細書に詳細に説明するように、第2の中央サーバ又は中央コンピュータ108aは、第2のデータベース及び第2の機能的特徴のセットを有する。第1の中央コンピュータ109は、第2のコンピュータ108aに暗号化接続されており(securely connected)、医療機器120及びユーザインターフェース118は、第2の中央コンピュータ108aとは直接的に通信しない。ユーザインターフェース118は、第1の中央コンピュータ109を介して、第2の中央コンピュータ108aの第2の機能的特徴のセットに関連する第2のデータベースからデータを受信することができる。
【0017】
第2の中央サーバ108a及びそのソフトウェアサブシステムは通常、薬局のシステムとインターフェースをとり、薬物、患者に関する情報を提供し且つ看護師及び他の臨床家に標準的なワークフローを提供する。第2の中央サーバ108aも、第1の中央サーバ109とインターフェースをとり、患者、看護師、臨床家、オーダ、及びデジタルアシスタント118と臨床家との間の関連性に関する情報を提供する。第2の中央サーバ108aの他の機能の幾つかには、患者管理、項目管理、施設管理、メッセージング、報告/グラフ作成、及び他のシステムへの種々のインターフェースを含めることができる。
【0018】
具体的には、患者管理は、病院又は施設に入来する各患者に関する一般的な情報を参照する。この情報は、各訪問に特定の情報と共に保持され、通常、人口統計データ、アレルギー、入院日、退院日、初期診断、病室、ベッド等を含む。更に、処方、計画、及び投与された薬剤の各々に関する情報が、第2の中央サーバ108aによって保持される。患者管理機能の機能性には、事前拒絶反応検査、薬物間相互作用検査、重複治療検査、投与量検査及び薬物・疾患禁忌も含まれる。
【0019】
項目管理は、施設内で利用可能な各薬物に関する情報を参照する。この情報は、第2の中央サーバ108a内で管理及び保持される。このような情報は、薬物の名称、強度、薬効分類、製造者等を含む。更に、第2の中央サーバ108aは、薬在庫及び他のスマートな倉庫の項目内容の継続在庫をリアルタイムで保持する。第2の中央サーバ108aは、倉庫に補充が行われる際及び用量が投与又は処分される際に更新が行われるのを支援する。
【0020】
施設管理は、施設全体について記載した情報を参照する。この情報は、システム210の第2の中央サーバ108a内で管理及び保持される。この情報は、施設の建物、フロア、部門、部屋及びベッド内への物理的崩壊、提供されるプログラム並びにサービス及びそれらが提供される場所のリスト、薬物並びにサプライ用品が保存されている貯蔵部門及びそれらを供給することを意図されている場所の識別を含む。
【0021】
メッセージングは、薬剤師と臨床家との間に通信リンクを提供する第2の中央サーバ108aの機能を参照する。第2の中央サーバ108aは、投与量と特別投与指示の標準化を可能にし、投与量不足の通知を自動的に送信する。報告及びグラフ作成は、システム210の権限を有するユーザによって要求に応じて又は計画的に実行することのできる幾つかの事業報告並びに管理報告の有効性を参照する。
【0022】
第2の中央サーバ108aはまた、ADTインターフェース、請求書発行インターフェース、個別結果インターフェース、文書結果インターフェース、処方集インターフェース、薬局オーダインターフェース、ポイントオブケア投薬管理インターフェース及び在庫インターフェースなどの種々のインターフェースをも有する。これらのインターフェースについては後で更に詳細に説明するが、直下で簡単な説明を行う。ADTインターフェースは、施設入院、転院、退院システム(ADT)を参照する。このシステムは通常、事前入院許可及び外来患者の登録をも操作する。個別結果インターフェースは、検査結果とのインターフェースを参照する。通常、検査結果及び付随するオーダは、外部の検査情報システムに入力され、HL7エンジン内の個別結果インターフェース又は検査室インターフェースが、このデータを第2の中央サーバ108aに転送する。ひとたび検査結果が第2の中央サーバ108a内に保存されれば、ユーザは、ハンドヘルド装置118、コンピュータ化医師オーダエントリ(CPOE)システム、及び第2の中央コンピュータ108aの主アプリケーションから、それらを観察することができる。検査室インターフェースは、放射線検査室インターフェース、微生物検査室インターフェース、生化学検査室インターフェース、及び病理検査室インターフェースの少なくとも4つのインターフェースに対して利用可能である。これらのインターフェースは、4つの異なるポート上若しくは同一のポート上で動作するように構成することができる。文書結果インターフェースは通常、第2の中央サーバ108aを参照して放射線検査報告及び病理報告を受け取る。処方集インターフェースは通常、第2の中央サーバ108aを参照してマスタファイルの通知を受け取り、外部システムの薬物ファイルを同期させることができる。処方集の変更は、サーバ108aから外部第三者システムへの送信トランザクションをトリガすることになる。薬局オーダインターフェースは、投薬オーダを外部第三者システムへ送信することを可能にする。在庫インターフェースは、外部第三者システムから薬局在庫の変動を受け入れる。更に、本システム100と共に、カート集積所インターフェースを利用することが可能である。第2の中央サーバ108aは、サーバデータベースにオーダ及び薬物ファイル変更を格納し、次いで、この情報を、任意の第三者カートインターフェースへ送信する。HL7エンジン内の第三者カートインターフェースは、この情報を処理し、HL7MFNメッセージ及びRDEメッセージとする。MFNメッセージは、薬物ファイル情報を含み、RDEは、患者オーダ情報を含む。次いで、HL7エンジンは、これらのメッセージを、第三者カートサーバへ伝送する。HL7エンジンはまた、第三者カートサーバからHL7形式のDFTメッセージを受信する。DFTメッセージは、薬剤投与に対する請求情報を含む。HL7エンジンは、この情報を処理し、次いで、それを第2の中央サーバ108aに送信し、第2の中央サーバ108aが、その後、この情報を請求書発行アプリケーションに渡すことができる。その後、請求書発行アプリケーションは、患者負担額を計算し、患者に請求明細書を送付することができる。請求書発行インターフェースは、患者負担額ソフトウェアとのインターフェースを参照する。請求書発行インターフェースは、負担額を計算するための請求書発行アルゴリズムの任意選択的使用に対応する。請求書発行インターフェースは、第三者システムからの外部インバウンドトランザクションのみならず、内部トランザクションをも処理する。請求書発行インターフェースは、第2の中央サーバ108aと病院の第三者財務システムとの間のHL7インターフェースとなる。請求される額は、直接送信することも、患者負担額を請求書発行インターフェースで計算し、病院の第三者財務システムに送信することもできる。情報は、HL7メッセージを介してリアルタイムで送信される。ポイントオブケアインターフェースは、非注入関連データに対してポイントオブケア投薬管理に関する情報を統合するウェブサービス通信で構成される。これらのデータは、ユーザインターフェースが注入関連薬剤及び非注入関連薬剤に対する投薬管理を統合することができるように、リアルタイムで通信される。
【0023】
逆に、第1の中央サーバ109は、複数のハブ107、複数のデジタルアシスタント又はユーザインターフェース118を往復し、且つ第2の中央サーバ108aと共にデータを送受信するためにロード及び設定されたソフトウェアを有する。以下に詳細に説明するように、第1の中央サーバ109は、限定するものではないが、サーバ108aから受信した処方パラメータをハブ107システムから受信した該当するプログラムされたポンプ設定と比較する機能、通知及びメッセージをデジタルアシスタント118へ中継する機能、ハブ107システムから受信したアラーム情報及びアラート情報を適切なデジタルアシスタント118へ中継する機能、サーバ108aから通信された薬局情報及び患者情報を適切なデジタルアシスタント118へ中継する機能、並びにポンプ状態データ及びアラーム監視データを集約し且つこのデータを定期的にサーバ108aへ中継する機能を含む、幾つかの機能を実行することができる。要請があれば、サーバ109によって実行される作業は、1996年(8月21日)の医療保険の携行性に関する法律、公法104-191に準拠する。通常、第1の中央コンピュータ又はサーバ109に常駐するデータは、第2の中央コンピュータ又はサーバ108aに常駐するデータとの共通部分である。サーバ109は、その機能性を実行することが要求される、サーバ108a内に含まれるデータのサブセットを含む。サーバ109は、その機能性を実行することが要求される、システムネットワーク102、ハブ107及び注入ポンプ120に関連するデータをも含む。上に説明したように、このようなデータは通常、デジタルアシスタント118及び医療機器120の機能又は性能に要求されるデータである。
【0024】
一実施形態では、医療機器120又は他の装置及び機能性と第1と第2の中央コンピュータ109、108aにおける病院情報システムとの費用効率の高い統合が、患者の安全関連情報などの上述した総データのサブセットを分離すること、並びにそのような情報及び機能性をシステムの妥当性確認済み/検証済み部分に置くことよってもたらされる。この状況、FDA規制の状況において、検証済みとは、全ての要求事項が試験されたという客観的証拠を提供することを意味し、妥当性確認済みとは、その製品が顧客の必要性を満たすという客観的証拠を提供することを意味する。本実施形態では、本システムの妥当性確認済み部分は、第1の中央コンピュータ109内に置かれる。一実施形態では、サブセットは、注入ポンプによって生成されたアラーム及び/又はアラート並びに/若しくは医療機器120/注入ポンプ120/制御装置120のプログラミング情報又は運転パラメータ情報を含むことができる。このサブセットは、分離されて第1の中央コンピュータ109内の本システムの妥当性確認済み部分に置かれており、全データの残りの部分は、第2の中央コンピュータ108a内の本システムの妥当性が確認されていない部分のデータベース内に保持される。第1の中央コンピュータ109に置かれた妥当性確認済みデータベース及び第2の中央コンピュータ108aに置かれた妥当性が確認されていないデータベースは、下記に記載する詳細から当業者によりよく理解されるように、ウェブサービスレプリケーションを用いて同期して保持される。代替的実施形態は、1台のコンピュータ上に常駐する本システムの妥当性確認済み部分及び妥当性未確認部分の両方並びにソフトウェアファイアウォール(例えば、オペレーティングシステム機構又は他のOTSソフトウェア)によって分離された機能性を含むことができる。以下に説明するように、「同期化」は、時間間隔、他の所定時間に基づいて定期的に、及び/又は患者登録状態などの重要データの変更が行われる場合に必要に応じて実行することができる。間をおいて、複製データの新鮮な新たなコピーが他の中央コンピュータに送信され、妥当性確認済みの第1の中央コンピュータ109が、そのローカルコピーを新たなコピーに置き換える。重要情報が変わる場合、当該変化は、妥当性確認済みの第1の中央コンピュータ109へ直ちに伝播され、既存の情報の置き換えではなく、変更として処理される。従って、本明細書に記載する詳細から理解されるように、第1の中央コンピュータ109のデータベースに置かれたサブセットの一部又は全ても、第2の中央コンピュータ108aに存在する。この工程は、以下に記載する詳細を参照すればよりよく理解される。従って、第1の中央コンピュータにある患者安全関連データのようなデータベースのサブセットを局所化することにより、少なくともシステム開発のコストが更に最適化され、且つ、第三者の妥当性確認済みでないシステム及び該システム内のそれぞれのデータ及び情報との統合の時間効果及び費用効果が向上する。
【0025】
一実施形態では、第1の中央コンピュータ109は、ユーザ及び装置の認証に対してアクティブディレクトリを実行するWindows(登録商標)2003サーバOSを有するCompaq DLG-380のような妥当性確認済みサーバ、サーバ証明書及びクライアント証明書の発行に対する認証局、一時データ保存用SQLサーバ2000、アプリケーションホスティング(ウェブサービス並びにウェブページ)用インターネット情報サーバ(IIS)を備えることができる。第2の中央コンピュータ108aは、専用接続の他端において妥当性確認済みサーバによって公開されるデータレプリケーションウェブサービスにアクセスする専用イーサネット(登録商標)TCP/IP接続103を介して接続された外部病院情報システム(HIS)サーバなどの妥当性確認済みでないサーバを備えることができる。代替的に、第2の中央コンピュータ108aは、薬局のシステム及び他のシステムなどの、本明細書に全体として説明する様々な機能のうちの1つ又はそれ以上の機能を実行するソフトウェアを備えることができる。従って、第2の中央コンピュータは、これらの種類の機能を備えることができ、且つ外部病院情報システム(HIS)サーバなどの他のシステムとのインターフェースを有することができる。第1の中央コンピュータ(即ちサーバ109)は、データ記憶パッケージを含むデータベースすなわち第1のデータベースを含む。一実施形態では、第1のデータベースは、第1の中央コンピュータ109の外部又は内部に置いてもよいが、図54に示すように、第1の中央コンピュータ上にロードされた、アプリケーション5412のユーザに対してのみアクセス可能であるのが好ましい。第1のデータベース内のデータテーブルは、本明細書に更に説明するユースケース内で使用される。データテーブルは、医療機器、デジタルアシスタント、ハブ、患者、臨床家、処方、滴定、比較情報、アラーム、及びエスカレーションに関連するテーブルを含むのが好ましい。更に、医療機器テーブルは、ポンプ、ポンプチャネル、ポンプサブチャネルに関連するテーブルを含むことができる。また、アラームテーブルは、ハブアラーム、ポンプアラーム、チャネルアラーム、アラーム履歴ログ等に関するテーブルを含むことができる。
【0026】
一実施形態では、各テーブルがキーを含むことができ、該テーブル内のデータは、該キーに応答する。例えば、ポンプチャネル情報ログに関するテーブルへのキーは、ポンプチャネルログの同一性を証明するものとなることができ、該キーに応答して、チャネル識別、ポンプ速度、投与方式、投与量、残量、一次注入量等に関するテーブルデータが提供される。更に、テーブルは、リンクすることができる。例えば、患者情報を有する患者テーブルは、臨床家テーブルへリンクすることができ、該臨床家テーブルは、デジタルアシスタントテーブルへリンクすることができる。
【0027】
図3の患者医療システム100は、ハブサブシステム、第1の中央コンピュータサブシステム又は第1の中央サーバサブシステム、医療機器サブシステム若しくはポンプサブシステム、第2の中央コンピュータサブシステム或いは第2の中央サーバサブシステム、及びパーソナルデジタルアシスタント(PDA)サブシステムに分割することができる。ハブサブシステム及び第1の中央コンピュータサブシステムについて、本明細書に更に詳細に論じる。医療機器サブシステムに関して述べれば、このサブシステムは、患者への薬剤の送達を可能にする注入装置などの1つ又はそれ以上の医療機器120を含み、各注入装置に関する状態及び注入情報が、各装置に関連付けられた通信ポートから定期的に伝送されるのが好ましい。
【0028】
通常、第2の中央コンピュータサブシステムは、薬局のシステムとインターフェースをとり、薬物、患者及び標準的な看護師ワークフローに関する情報を提供するためのコンピュータハードウェア並びにコンピュータソフトウェアを有するサーバ108aである。サーバ108aはまた、病院情報システム(HIS)へのインターフェースなどの、本明細書において先に論じた様々な他のアプリケーションをも有することができる。第2の中央コンピュータは、第1の中央コンピュータサブシステムとインターフェースをとり、第1の中央コンピュータに、患者、看護師、オーダ、及びパーソナルデジタルアシスタントと看護師又は臨床家との間の関連に関する情報を提供するのが好ましい。
【0029】
一実施形態では、中央コンピュータは、妥当性確認済み環境と妥当性確認済みでない環境との少なくとも2つの環境を有する。妥当性確認済み環境は、アプリケーション一式及び第1のデータベースを有する第1のオペレーティングシステムを有することができる。第1のデータベースは、その中の特定のデータと関連付けられた第1の機能的特徴のセットを有することができる。一実施形態では、この機能的特徴のセットは、医療機器及び該医療機器用ユーザインターフェースに関連する機能を有する。医療機器及びユーザインターフェースは、妥当性確認済み環境を伴って、直接且つ安全に通信する。妥当性確認済みでない環境は、アプリケーション一式及び第2のデータベースを有する第2のオペレーティングシステムを有する。第2のデータベースは、その中の特定のデータと関連付けられた第2の機能的特徴のセットを有することができる。通常、妥当性確認済み環境と妥当性確認済みでない環境との間には、論理的分離が存在する。ユーザインターフェースは、システムの妥当性確認部分を介して、第2の機能的特徴に関連するデータベースの妥当性確認済みでない部分からデータを受信することができる。一実施形態では、妥当性確認部分は、ソフトウェア内に実装することができる論理的分離又はファイアウォールによって、非妥当性確認部分から分離されている。VMware及びVirtual PCなどの様々なソフトウェアが、同一のサーバ上に複数の環境をエミュレートするエミュレーションソフトウェアの例である。別の実施形態では、妥当性確認部分は、第1の中央コンピュータ109上に置くことができ、非妥当性確認部分は、第2の中央コンピュータ108a上に置くことができる。別の実施形態では、中央コンピュータは、第1のサーバ及び第2の別個のサーバを備える。第1と第2のサーバは、ファイアウォールによって分離されており、中央コンピュータの中央妥当性確認部分は、第1のサーバ内に常駐し、中央コンピュータの第2の非妥当性確認部分は、第2のサーバ上に常駐する。
【0030】
好ましくは、本明細書の別の箇所において詳細に説明するように、パーソナルデジタルアシスタントサブシステムは、臨床家及び看護師116(図1)に彼らの患者、アラーム情報並びにアラート情報の中継を含む注入の状態、及び注入比較結果に関する遠隔情報を提供する1台又はそれ以上の小型携帯用装置118を含む。本明細書に論じるように、第1の中央コンピュータは、PDAサブシステム内の1台又はそれ以上のパーソナルデジタルアシスタント118に操作可能に接続される。一実施形態では、パーソナルデジタルアシスタントは、WINDOWS(登録商標) CE.NETをベースとし、臨床家用端末装置として用いられている。具体的には、本明細書により詳細に説明するように、パーソナルデジタルアシスタントは、暗号化PKI認証無線LAN(802.1x)接続を介して、第1の中央コンピュータに操作可能に接続することができる。
【0031】
ハブサブシステムは、医療機器120からデータを受信し、第1の中央コンピュータサブシステム109へポンプデータを伝送し、且つ1台又はそれ以上のハブとのデータ通信を達成することのできる条件を検出するための1台又はそれ以上のハブ107のような構成要素を含むのが好ましい。
【0032】
先に述べたように、一実施形態では、ハブサブシステム内のハブ107は、片方向シリアル通信リンク105を介して、4台までの注入装置120とインターフェースをとり、注入装置は、ポンプ状態情報を含むメッセージ(即ちデータのパケット)を、周期的にハブへ伝送する。代替的に、パケットは、規則的時間間隔、イベント発生、間隔とイベント発生の組み合わせ等のようなユーザ定義基準に基づいて伝送してもよい。
【0033】
ハブサブシステム内の各ハブ107は、受信情報をフィルタ処理して重複メッセージを拒否し、受信情報を保存し、ついで、一実施形態では、内蔵型無線ネットワークトランシーバを用いて、ポンプ情報を、第1の中央コンピュータサブシステムへ転送する。一実施形態では、医療機器から受信したデータが変更されていない限り、ポンプ情報は転送されない。
【0034】
ハブ107に組み込まれたトランシーバは、発信情報を無線アクセスポイント114へルーティングし、次いで、該無線アクセスポイント114が、有線イーサネット(登録商標)サブシステム110を用いて、発信情報を第1の中央コンピュータ109へルーティングする。この発信情報は、ウェブサービス型のソフトウェアインターフェースによって受信されるように特別設計されたSOAPメッセージとしてフォーマットされた、XMLコード化データを含むのが好ましい。
【0035】
当業者には分かるように、用語「XML」とは、ウェブ文書の要素を編成し且つそれらにタグ付けするためのシステムを指し、XMLに関しては、カスタムタグを生成し、アプリケーション間及びシステム間又はサブシステム間のデータの定義、伝送、妥当性確認、及び解釈を可能にすることができる。更に、本明細書に使用する用語「ウェブサービス」とは、XMLを用いたウェブベースのサービスとSOAPを統合することを指し、用語「SOAP」とは、ウェブサービスの要求メッセージ及び応答メッセージ内の情報をネットワーク又は通信路を介してそれらを送信する前に符号化するために用いられるメッセージングプロトコルを指す。
【0036】
第1の中央コンピュータサブシステムは、複数のハブ107、複数のデジタルアシスタント118、及びサーバ108aを備える第2の中央コンピュータサブシステムを往来してデータを送受信するためにロードされ且つそのように設定されたソフトウェアアプリケーションを有するサーバ109で構成されるのが好ましい。
【0037】
図54に移ってこれを説明すると、サーバ109は、MICROSOFT WINDOWS(登録商標) 2003サーバオペレーティングシステム5414を有するCOMPAQ DLG-380であるのが好ましい。一実施形態では、第1の中央コンピュータ109の記憶装置内にロードされたソフトウェアコンポーネントは、.NET Framework5416内の第1の中央コンピュータ又はサーバ用アプリケーション5412、ユーザ及び装置の認証用Acive Directory Domain Service5418、一時データ保存用SQLサーバ5420(データベースとして示す)、及びアプリケーションホスティング用Internet Information Server5422(IIS)を含む。.NET Framework5416は、Microsoft .NET Framework 1.1又はそれより上であるのが好ましく、.NET Frameworkは、第1の中央コンピュータのアプリケーション5412を、オペレーティングシステム、Internet Information Server5422、SQLデータベース5420、及びAcive Directory Domain Service5418コンポーネントへ接続する。当業者には分かるように、Acive Directory Domain Service5418は、Windows(登録商標)サーバオペレーティングシステム5414及び第1の中央コンピュータのアプリケーション5412によって利用されるサービスを提供し、真正で且つ許可されたハブサブシステム、第2の中央コンピュータサブシステム及びパーソナルデジタルアシスタントサブシステムのユーザのみが第1の中央コンピュータに、従って第1の中央コンピュータのアプリケーション5412にアクセスすることができることを保証するのを支援する。

【0038】
一実施形態では、第1の中央コンピュータ(即ち図3のサーバ109)は、1)第2の中央コンピュータサブシステムから受信した処方パラメータの、ハブサブシステムから受信した該当するプログラムされたポンプ設定値との比較、及び/又はポンプのプログラムとの比較、2)適切なパーソナルデジタルアシスタント118(図3)への、ハブサブシステムから受信したアラーム情報並びにアラート情報の中継、3)適切なパーソナルデジタルアシスタント118への、ポンプ状態及び流速の履歴情報の提供、4)適切なパーソナルデジタルアシスタント118への、第2の中央コンピュータ108a(図3)から通信された薬局情報並びに患者情報の中継、及び、5)ポンプ監視データ並びにアラーム監視データのコンパイル及び第2の中央コンピュータ108aへのこのデータの定期的中継を含む幾つかの機能を実行する。
【0039】
第1の中央コンピュータは、複数の外部ソフトウェアコンポーネントインターフェースを含むのが好ましい。一実施形態では、これらのインターフェースのうちの3つを、受信HTTP要求メッセージを受信し、次いで発信HTTP応答メッセージを発行する「受信インターフェース」として分類することができる。残りの2つのインターフェースは、以下に説明するように、HTTP要求メッセージ若しくはXMLフォーマット済み応答メッセージを送信する「発信インターフェース」として分類することができる。本明細書において使用する5つのソフトウェアインターフェースは、DatabaseRefreshListener受信インターフェース及びDatabaseRefreshListener送信インターフェース、RoutePDA受信インターフェース並びにRoutePDA送信インターフェース、及びPumpDataListener受信インターフェースと呼ぶ。
【0040】
一実施形態では、外部ソフトウェアコンポーネントインターフェースのうちの4つが2つずつの対に分けられ、図3の第1の中央コンピュータ109と第2の中央コンピュータ108aとの間に2つの区別可能な双方向通信チャネルを生成する。第1のチャネルは、共に対となったDatabaseRefreshListener受信インターフェース及びDatabaseRefreshListener送信インターフェースの両方を含む。従って、本明細書において、第1のチャネルは、「DatabaseRefreshListener」と呼ばれ、第2の中央コンピュータ108aによって利用され、そのデータベーステーブル内のデータが、第1の中央コンピュータのデータベーステーブル内に配置されたデータと定期的に同期化される。
【0041】
DatabaseRefreshListenerチャネルを使用して、第2の中央コンピュータ108aは、第1の中央コンピュータのウェブサービス型インターフェースへSOAPメッセージとしてフォーマットされたXML符号化データを送信することにより、第1の中央コンピュータのデータベーステーブルを更新する。同様に、第2の中央コンピュータ108aは、データに対するXML符号化要求を第1の中央コンピュータのウェブサービス型インターフェースへ送信することにより、それ自体のデータベーステーブルを更新し、次いで、該インターフェースが、第1の中央コンピュータ109に、XML符号化データで応答させる。
【0042】
上述したように、DatabaseRefreshListenerチャネルの受信インターフェース部分は、第2の中央コンピュータのデータベーステーブルからのデータによる第1の中央コンピュータ内に配置されたデータベーステーブルの更新のために、第2の中央コンピュータによって利用される。更に、DatabaseRefreshListenerチャネルの発信部分は、第1の中央コンピュータのデータベーステーブルからのデータによるそれ自体のデータベースの更新のために、第2の中央コンピュータによって利用される。
【0043】
DatabaseRefreshListener受信インターフェースは、「XXX」が転送されるデータの型に対応する「RefreshXXX」と名づけられた幾つかのウェブサービスメソッドを含むのが好ましい。一実施形態では、これらのメソッドは、SOAPプロトコルに準拠してフォーマットされたXML符号化データを含む受信HTTP要求メッセージを受信する。XML符号化データは、データベーステーブル内の行に対応する形式の構造である。例えば、メソッド「RefreshUsers」は、ユーザ名欄及びユーザパスワード欄を含むデータベーステーブル内の行に対応する対のユーザ名及びユーザパスワードからなるデータ構造を受信する。
【0044】
図54に示すように、受信メッセージは、Internet Information Server及び.NET Frameworkコンポーネントを介して、第1の中央コンピュータ(即ち図3のサーバ109)上にロードされたアプリケーション5412へルーティングされる。第1の中央コンピュータのアプリケーション5412は、Active Directory Domain Service5418を利用して、第2の中央コンピュータのメッセージが真正なものであることを検証し、内容を処理し、次いで、得られたデータをSQLサーバデータベースコンポーネント5420内に格納する。
【0045】
次いで、第1の中央コンピュータ上にロードされたアプリケーション5412が、.NET Frameworkコンポーネント5416とinternet information server コンポーネント5422を介して第2の中央コンピュータへルーティングされるHTTP応答メソッドを発行することによって、第2の中央コンピュータに応答する。この応答メッセージは、データの転送及び処理の成功又は失敗を示す。
【0046】
DatabaseRefreshListener受信インターフェースは、本質的に非同期的であり、従って、第2の中央コンピュータを、可能な限り第1の中央コンピュータから分離するのが好ましい。この分離により、応答を待ちながら継続的にデータを処理し且つプログラム制御下で通信の損失に応答するように第2の中央コンピュータをプログラムすることが可能となる。更に、DatabaseRefreshListener受信インターフェースは、第2の中央コンピュータが機能しているという信号を定期的に第1の中央コンピュータへ送信するために第2の中央コンピュータによって利用されるウェブメソッドをも含むことができる。
【0047】
DatabaseRefreshListener受信インターフェースとは対照的に、DatabaseRefreshListener発信インターフェースは、第2の中央コンピュータによって、第1の中央コンピュータのデータベーステーブルからのデータによってそれ自体のデータベースを更新するために利用される。第1の中央コンピュータから永久に除去する前に、データが第2の中央コンピュータによって取り込まれたことを保証するために、DatabaseRefreshListener発信インターフェースは、データ転送に備えて以下のような多段階手法を用いる。1)第2の中央コンピュータがデータの可用性をチェックする、2)第2の中央コンピュータが、第1の中央コンピュータがデータを送信することを要求する、3)第2の中央コンピュータが、データが受信されたことを確認する、4)第2の中央コンピュータが、データがデータベーステーブル内に正常に格納されたことを確認する。
【0048】
データの可用性をチェックするために、第2の中央コンピュータは、最初に、DatabaseRefreshListener発信インターフェースの該当するウェブメソッドはSOAPプロトコルに準拠してフォーマットされたXML符号化要求メッセージであると送信する。用いられる特定のウェブメソッドは、「XXX」が要求されるデータの型に対応する、形式「BeginGetXXXToArchive」を有するのが好ましい。例えば、メソッド「BeginGetChannelDataToArchive」は、ハブサブシステムを介して第1の中央コンピュータによってポンプから受信された、タイムスタンプが押されたポンプチャネルレコードの可用性を要求する。
【0049】
要求メッセージは、Internet Information Serverコンポーネント5422及び.NET Frameworkコンポーネント5416を介して、第1の中央コンピュータ内にロードされたアプリケーションに渡される。第1の中央コンピュータ内にロードされたアプリケーション5412は、要求メッセージ内に含まれたXMLを解読し、どのようなデータが第2の中央コンピュータによって要求されているかを判断する。
【0050】
第1の中央コンピュータ内にロードされたアプリケーション5412は、SQLサーバデータベース5420内の要求されたデータの可用性をチェックする。データが使用可能である場合、該アプリケーションは、データが使用可能であることを示すXML符号化応答メッセージを準備する。データを取得することができない場合、アプリケーション5412は、データが使用できないことを示すXML符号化応答メッセージを準備する。
【0051】
データが使用できない場合、第2の中央コンピュータは、その処理規則に適合する異なる転送法で再試行若しくは続行することができる。
【0052】
データが利用可能である場合、第2の中央コンピュータは、DatabaseRefreshListener発信インターフェースの該当するウェブメソッドに対して第2のXML符号化要求メッセージを送信することにより、データ転送を開始する。用いられる特定のウェブメソッドは、「XXX」が上に用いられたものと同一である、形式「EndGetXXXToAcrchive」を有するのが好ましい。
【0053】
第1の中央コンピュータ内のアプリケーション5412は、要求メッセージ内に含まれたXMLを解読し、どのようなデータを第2の中央コンピュータに返すべきかを判断し、該データを、対応する受信インターフェースによって用いられる手法と適合するデータベーステーブル内の行に対応する形式に構成された適切なXML符号化応答メッセージ内に配置する。
【0054】
一実施形態では、データは、.NET Frameworkコンポーネント5416及びInternet Information Serverコンポーネント5422を介して第2の中央コンピュータへルーティングされる。データが正しく受信されなかった場合、第2の中央コンピュータは、その処理規則に適合する異なる転送法で再試行若しくは続行することができる。
【0055】
データが正しく受信された場合、第2の中央コンピュータは次いで、このインターフェースの該当するウェブメソッドに対して、第3の要求メッセージを送信する。用いられる特定のウェブメソッドは、「XXX」が上で用いられたものと同一である、形式「BeginDeleteArchivedXXX」を有するのが好ましい。
【0056】
このメッセージを受信すると、第1の中央コンピュータ内にロードされたアプリケーション5412は、アーカイブするために第2の中央コンピュータに送信すべきものとして、SQL Serverのデータベースコンポーネント内の関連するデータに印を付け、データに印が付けられたことを通知する応答メッセージを発行する。
【0057】
第2の中央コンピュータデータベース内へのデータ格納の成功又は失敗の信号を送るために、第2の中央コンピュータは、このインターフェースの該当するウェブメソッドに対して、第4の要求メッセージを送信する。用いられる特定のウェブメソッドは、「XXX」が上で用いたものと同一である、形式「EndDeleteArchivedXXX」を有する。
【0058】
転送が不成功であったことを第2の中央コンピュータが示すか又は十分な時間が経過した場合、第1の中央コンピュータは、通信の損失が発生したと判断し、次いで、第2の中央コンピュータによって要求される更なる転送に備えて、関連するデータが、第1の中央コンピュータのデータベース内に保持される。
【0059】
転送が成功であったことを第2の中央コンピュータが示した場合、次いで、アーカイブされたデータが第1の中央コンピュータのデータベースから消去され、第1の中央コンピュータ内にロードされたアプリケーション5412が、この転送の最終段階の完了を確認する応答メッセージを発行する。
【0060】
DatabaseRefreshListener発信インターフェースは、本質的に非同期的であり、従って、第2の中央コンピュータのデータベースを、可能な限り第1の中央コンピュータから分離するのが好ましい。
【0061】
第1の中央コンピュータ109と第2の中央コンピュータ108aとの間の第2の双方向チャネルは、本明細書では「RoutePDA」と呼ばれ、共に対になったRoutePDA受信インターフェース及びRoutePDA発信インターフェースの両方を含む。RoutePDAチャネルは、第1の中央コンピュータ109によって用いられ、PDAサブシステムから発信されたHTTP要求メッセージを第2の中央コンピュータ108aへルーティングし、次いで第2の中央コンピュータから対応するHTTP応答メッセージを受信し、該当する場合には処理し、次いで、発信元のパーソナルデジタルアシスタント118へルートバックする。
【0062】
第2のチャネル(即ちRoutePDA)では、パーソナルデジタルアシスタント118から受信したメッセージ又はパーソナルデジタルアシスタント118へ送信したメッセージは、病院若しくは医療施設の有線イーサネット(登録商標)システム110、無線アクセスポイント114、各パーソナルデジタルアシスタント118に組み込まれた無線トランシーバを介して、第1の中央コンピュータ109を行き来して伝送されるのが好ましい。
【0063】
HTTP要求メッセージは、第1の中央コンピュータ109を通じて処理されることなく、第2の中央コンピュータ108aへ転送されるのが好ましい。次いで、第2の中央コンピュータ108aが、XML形式の情報又はHTML形式の情報を含むHTTP応答メッセージを発行する。HTML形式の応答メッセージは、更に処理されることなく、第1の中央コンピュータ109を通じてパーソナルデジタルアシスタント118へルーティングされる。
【0064】
XML形式の応答メッセージは、処方箋比較結果ページ又はポンプ監視ページなどの第1の中央コンピュータ109が生成するウェブページをユーザ116(図1)が要求した旨の信号を第1の中央コンピュータ109に送信するために、第2の中央コンピュータ108aによって用いられる。第1の中央コンピュータ109は、XML応答を調べ、適切に処理し、HTML形式の応答メッセージ又はXML形式の応答メッセージを、送信側パーソナルデジタルアシスタント118へ発行する。
【0065】
前述したように、RoutePDAチャネルは、PDA118から受信したHTTP要求メッセージを第2の中央コンピュータへルーティングし、次いで第2の中央コンピュータによって返信された対応するHTTP応答を受信し、該当する場合には処理し、次いで送信側PDAへルートバックするために、第1の中央コンピュータによって用いられる。
【0066】
従って、RoutePDA受信インターフェースは、PDA118内に配置されたウェブブラウザと通信するために用いられる。このインターフェースは、HTTP「GET」プロトコル及びHTTP「POST」プロトコルと一致するネームバリュー対として符号化されたデータを含む入来HTTP要求メッセージを受信する。入来メッセージは、Internet Information Server及び.NET Frameworkコンポーネントを介して、第1の中央コンピュータ上にロードされたアプリケーション5412へルーティングされる。第1の中央コンピュータ上にロードされたアプリケーション5412は、以下に論じるように、.NET Framework5416及びRoutePDA発信インターフェースを用いて、入来メッセージを、第2の中央コンピュータへルーティングする。
【0067】
HTTP応答がRoutePDA発信インターフェースにおいて受信されると、第1の中央コンピュータ上にロードされたアプリケーション5412は、該応答がHTML形式を用いているか或いはXML形式を用いているかを判定する。HTML形式の応答は、更に処理されることなく、第1の中央コンピュータによって、.NET Frameworkコンポーネント5416及びInternet Information Serverコンポーネント5422を介して、PDAへルーティングされる。
【0068】
しかしながら、XML形式の応答は、処方箋比較結果ページ又はポンプ監視ページなどの第1の中央コンピュータが生成するウェブページをユーザが要求した旨の信号を第1の中央コンピュータに送信するために、第2の中央コンピュータ108aによって用いられる。第1の中央コンピュータは、第2の中央コンピュータからのXML応答を調べ、適切に処理し、.NET Framework及びInternet Information Serverコンポーネントを介して、HTML形式又はXML形式の応答を、適切なPDAへ発行する。RoutePDAインターフェースは、PDA内に含まれたウェブブラウザの固有の同期動作のために、本質的に同期的であることが好ましい。
【0069】
RoutePDA受信インターフェースとは対照的に、RoutePDA発信インターフェースは、第1の中央コンピュータ上にロードされたアプリケーション5412によってパーソナルデジタルアシスタントサブシステムから受信されたHTTP要求メッセージを処理のために第2の中央コンピュータへルーティングし、次いで返信として第2の中央コンピュータによって送信された対応するHTTP応答を受信するために用いられる。
【0070】
DatabaseRefreshListenerチャネル及びRoutePDAチャネルの両方において、第1の中央コンピュータ109は、好ましくはこの目的専用の孤立ポイントツーポイントイーサネット(登録商標)サブシステム103を通じて、第2の中央コンピュータ108aからの情報を送受信する。
【0071】
上述したように、DatabaseRefreshListenerチャネルを利用するにあたり、第1の中央コンピュータは、専用リンク103上に専用ウェブサービスを公開し、該専用ウェブサービスは、第2の中央コンピュータによって利用され、新たな更新されたデータベース情報(患者情報、臨床家情報、薬局情報等のような)が、定期的にかつ必要に応じて、第1の中央コンピュータに対して複製される。また、データは、第2の中央コンピュータから第1の中央コンピュータへ提供される。
【0072】
更に、臨床家の端末装置末端部においてRoutePDAチャネルを利用するにあたっては、第1の中央コンピュータ109は、HTTPスタイルのウェブページを提供し且つPDA装置118との認証されたウェブセッションを維持するNET IIS Serverインターフェースを公開する。換言すれば、臨床家の端末装置は(即ちパーソナルデジタルアシスタント118)第1の中央コンピュータ109から認証済みウェブページを受信する。
【0073】
第2の中央コンピュータへの専用接続103の第1の中央コンピュータ側端部において、第1の中央コンピュータは、第1の中央コンピュータに接続された各PDA装置118の仮想HTTPセッションを設定し、第1の中央コンピュータによって受信されている際のPDAからのHTTP要求を中継し、第2の中央コンピュータに対するウェブブラウザを模倣する。換言すれば、第1の中央コンピュータは、第2の中央コンピュータへの専用接続103を通じて、妥当性未確認を必要とする要求を第2の中央コンピュータへ中継する。
【0074】
従って、情報がPDA118とサーバシステムとの間を流れる際に、第2の中央コンピュータ側から発信される情報又は組み合わせ情報が存在する必要があり、第2の中央コンピュータは、XMLのSOAPパケットを第1の中央コンピュータによって専用リンク103上に公開されたウェブサービスに通知し、第1の中央コンピュータは、XMLデータを用いて、本システムの第1の中央コンピュータ側から発信される情報との組み合わせ操作を実行し、得られた結果をHTMLに変換し、次いで、該HTMLを、臨床家のPDA装置118に返信する。
【0075】
PumpDataListenerと呼ばれる第5の外部ソフトウェアコンポーネントインターフェースは、本明細書により詳細に説明する、ハブサブシステムとの通信用の受信インターフェースである。一実施形態では、PumpDataListenerインターフェースは、ポンプデータの転送が通信の検証を除き片方向のみであるために、対応する発信インターフェースを有しない。しかしながら、代替的実施形態では、医療機器120に対するポンプコマンド及び制御データの転送用に、発信インターフェースを備えることができる。
【0076】
PumpDataListener受信インターフェースは、ハブサブシステムからのデータの受信用に用いられる。このインターフェースは、「SendPumpData」と呼ばれる単一のウェブサービスメソッドを含むのが好ましい。このメソッドは、SOAPプロトコルに準拠してフォーマットされたXML符号化データを含む入来HTTP要求メッセージを受信する。XML符号化データは、幾つかの様々な時間ごとの幾つかのポンプ及び幾つかのチャネルからのデータを結合して単一の大きいメッセージ構造体とすることができるように、階層形態に構成される。
【0077】
入来メッセージは、Internet Information Server及び.NET Frameworkコンポーネントを介して、第1の中央コンピュータのアプリケーション内にロードされたアプリケーション5412へルーティングされる。第1の中央コンピュータのアプリケーションは、ActiveDirectory Domain Serviceコンポーネントを用いて、ハブサブシステムのメッセージが真正なものであることを検証する。次いで、第1の中央コンピュータが内容を処理し、得られたデータをSQL Server Databeseコンポーネント内に格納する。最後に、第1の中央コンピュータのアプリケーションは、.NET Framework及びInternet Information Serverコンポーネントを介して、送信側ハブ装置に対し、HTTP応答メッセージを発行する。この応答メッセージは、データの転送及び処理の成功又は失敗を示した。
【0078】
第1の中央コンピュータ(即ちサーバ109)によってハブ107から受信されたデータパケットは、第1の中央コンピュータの第1の中央データベース内に格納されるのが好ましい。好適には、アラームイベント又はアラートイベントがパケット内に含まれている場合、第1の中央コンピュータは、臨床家のデジタルアシスタント118を介し、適切な臨床家に対してそのイベントを直ちに配布してもよく、又は代替的に、第1の中央コンピュータが該イベントを第1の中央コンピュータのデータベースに入力し、後に、適切な臨床家によってそのデジタルアシスタントを介して要求されたときに、該情報を配布してもよい。先に述べたように、第1の中央コンピュータ109は、臨床家が本システムにログオンする度に認証される、そのデジタルアシスタント118にログオンした全ての臨床家のログを保持する。
【0079】
PumpDataListener受信インターフェースは、本質的に非同期的で、従って、ハブサブシステムを可能な限り第1の中央コンピュータサブシステムから分離しているのが好ましい。分離により、ハブサブシステム内のハブ107を、プログラム制御下で、応答を待ちながら連続的にデータを処理し、且つ通信の損失に応答するにようにプログラムすることが可能となる。それにもかかわらず、PumpDataListenerは、「ハートビート」を維持し、全ての無線モジュール及び/又は遠隔ポンプ装置と中央コンピュータとの間の通信の連続性の(欠如)を監視する。
【0080】
(臨床家のハンドヘルド装置との通信)
本明細書に更に詳細に説明するように、ポンプ状態、アラート、アラーム、患者情報、チャート情報、比較情報、すべき事を書いたリスト及び他のデータ/情報は、ディスプレイ118a並びに、所望であれば、可聴音発生装置又は音響発生装置(図示せず)を有するパーソナルデジタルアシスタント若しくはユーザインターフェース118を介して臨床家に提供される。デジタルアシスタント118は、中央ネットワーク102、詳細には、無線通信経路又はリンク126及び有線通信システム110を介して中央システム108と通信する。先に述べたように、1つ又はそれ以上の無線アクセスポイント114が、無線通信経路と有線通信システムとの間に、従来の方式で、インターフェースを提供する。デジタルアシスタント118は、サーバ109及び108aの両方からメッセージを受信することができる。
【0081】
中央システム108とデジタルアシスタント118との間の通信は、双方向性であるのが好ましい。更に、デジタルアシスタント118は、デジタルアシスタントと中央システム108又は無線アクセスポイント114との間の通信リンクの保全性を試験するためのモジュール若しくはアプリケーション(図示せず)を格納及び実行するのに十分なメモリ並びに処理能力を含むことが望ましい。
【0082】
必ずしもそうであることが必要とは限らないが、デジタルアシスタント118上に導入されるモジュール又はアプリケーションは、臨床家介入の有無にかかわらず実行することのできる、JAVA(登録商標)のような高レベルのプログラミング言語で書かれたスクリプト又は他のコンピュータ命令(即ちソフトウェアコード)であるのが好ましい。スクリプトは、本システムの受信側機能として、サーバ108a又は109からデジタルアシスタント118、若しくは医療機器120へ自動的にダウンロードすることができる。一例を挙げれば、サーバからデジタルアシスタントへ自動的にダウンロードすることのできる1つの種類のスクリプトは、中央システム108又はアクセスポイント114から、通知及びメッセージングを含む通信を定期的にポーリングするか若しくは監視することによって通信リンクの保全性を試験するスクリプトである。好ましい実施形態では、デジタルアシスタント上で作動するスクリプトは、約3秒毎にシステム108をポーリングする。中央システム108又はアクセスポイント114からの応答が受信されない場合、デジタルアシスタント118上に導入されたモジュール又はアプリケーションがタイムアウトを生成し、該タイムアウトにより、中央システム108との通信が失われていることを示す可聴音及び/又は表示装置118aへの通知がもたらされる。表示装置118a上への通知は、例えば、通信リンクが失われていることを告げる情報ポップアップウィンドウの起動、又は表示装置118a上のアクティブアイコン表示の変更とすることができる。本明細書において使用し且つ当業者には理解されるタイムアウトは、モジュール又はアプリケーションによって生成される出力であり、該モジュール若しくはアプリケーションがある程度の時間入力を待ったがそれを受信しなかったことを示すものである。別の種類のスクリプトは、アラーム又はアラートが引き起こさされたかどうかを判断するために、ポーリングすることができる。数多くの他のスクリプトを、同時に実行することができる。本システムからデジタルアシスタントへダウンロードされたスクリプトを実行する1つの利点は、各デジタルアシスタント118上にカスタムコードを導入する必要がない点である。何らかのイベント(即ち、メッセージ、通知、アラーム、アラート等)が存在する場合、デジタルアシスタント118は、サーバから該イベントを自動的に取り出し、それを、デジタルアシスタント118のインターフェース画面上に表示する。本スクリプト手法の他の付加的利点は、1)スクリプトコードを、各デジタルアシスタントに更新することを要求せずに、中央サーバにおいて容易に更新することができる、2)機能性がハードウェアに依存せず、従ってデジタルアシスタントに対する変更又はアップグレードによるスクリプトの動作への影響がごくわずかであるために、デジタルアシスタントのハードウェアプラットフォームとは比較的無関係に、スクリプトを検証/妥当性確認することができるという点である。
【0083】
先に述べたように、各臨床家が、一実施形態では臨床家にイベント表示用の専用フレームを有するHTMLフレームセットからなるページのビューを提供する、関連付けられたデジタルアシスタント118を有するのが好ましい。専用フレームは、イベントの表示用にJAVA(登録商標)スクリプトを挿入することができ、該スクリプトは、デジタルアシスタント118に向けられたポンプアラーム及びポンプアラートのような新たなイベントに関して第1の中央コンピュータ119に問い合わせを行う。何らかの新たなイベントが発生していた場合、次いで、第1の中央コンピュータがこの情報をデジタルアシスタント118に提供し、それが、そのようなイベントの表示用専用フレーム内に表示される。
【0084】
デジタルアシスタント118上に提供される1つの種類の通知は、デジタルアシスタント118によって提示されたデータが最新のものではなく、アラート及びアラームへのアクセスが得られないことを臨床家に通知する。逆に、デジタルアシスタント118も、デジタルアシスタント118が中央システム108にリンクされている際に、アラート又はアラームに対するリアルタイムのアクセスを提供するために通知することができる。
【0085】
スクリプトを介して通常通信される他の通知には、限定するものではないが、ポンプの「無音停止」、ポンプ注入限界値の変更、注入の終了、閉塞傾向情報、ローバッテリ、事前閉塞インジケータ、ボーラスの過剰使用、静脈を開放状態に維持せよとのアラート、迅速投薬通知、オーダ修正、検査結果、放射線診断結果、更新、遠隔測定データ及び/又はバイタルサイン情報の変更、看護師に連絡を試みている医師又は薬局、看護師を求めている患者、通信の損失、他の装置からのメッセージ、極めて重要な情報に基づく医療機器に対する新たな速度、後続のパージ速度等が含まれる。
【0086】
先に述べたように、医療施設内の臨床家は、遠隔無線装置118(即ち、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)118とも呼ばれる)、又は操作可能に取り付けられたバーコードリーダを有するタブレットコンピュータ、若しくは点滴ポールに取り付けられたラップトップコンピュータであり、該コンピュータに操作可能に取り付けられたバーコードリーダを有するもののような、無線或いは有線でネットワーク108に接続された他のコンピュータ装置を介して、注入アラート、アラーム、及びメッセージにアクセスする。
【0087】
注入システム210は、臨床家及び他のユーザに、アラートイベント駆動型メッセージを自動化するための選択肢を提供するのが好ましい。更に、医療施設管理者及び他のユーザは、メッセージの種類又は分類、異常の重大度、及び時間ベースの注意喚起によって、遠隔無線装置を介して現れる自動化メッセージングの種類をカスタマイズすることができる。更に、注入システムは、臨床家及び他のユーザに、可聴メッセージ、視覚メッセージ、又は両方を設定する能力を提供する。
【0088】
注入システム210によって提供されるメッセージングは、ユーザが設定できるルールエンジン、スケジューラ、及び注入ポンプシステムに接続するためのインターフェースを含むのが好ましい。更に、結果駆動型メッセージングは、ワークステーション、電子タブレット、無線パーソナルデジタルアシスタント等を介して、臨床家に対してポイントオブケアにおけるリアルタイムの決定支援を行うことが望ましい。
【0089】
通常、注入ポンプ120とネットワーク102間、更にはネットワーク102と臨床家のデジタル装置118間の通信は、とりわけ、臨床家116が、電子的手段によって比較された薬局入力オーダをプログラムされたポンプ設定値と比較観察し且つ/又はポンプをプログラムし、ポンプのアラート及びアラームを遠隔観察する方法として本システムを用い、ポンプ状態を遠隔観察し、通知を閲覧し、且つ注入設定値の変更履歴を閲覧することを可能にする。
【0090】
(患者医療システム)
図1に戻って説明すると、患者医療システム100は、コンピュータ化医師オーダエントリモジュール(CPOE)、病棟薬局モジュール、無線看護師臨床記録システム、及び電子患者カルテモジュールを含むのが好ましい。一実施形態では、そのようなシステム及びモジュールは、第2の中央サーバ若しくは第2の中央コンピュータ108aのアプリケーションである。患者医療システム100は、薬剤の送達に対して包括的な患者安全解を提供することが望ましい。患者医療システム100内に、当業者に既知のHL7インターフェースのようなインターフェースを用いて既存の患者医療システムを共にリンクするソフトウェアモジュールが備えられている。患者医療システム100は、種々のコンピュータ及びパーソナルデジタルアシスタント製品上で作動して、オーダを伝送し、患者カルテを更新し、且つアラート、アラーム並びにメッセージにアクセスするのが好ましい。
【0091】
コンピュータ化医師オーダエントリモジュールは、医師が薬剤オーダを入力し、アラート、アラーム、メッセージ、注意喚起、バイタルサイン及び結果にアクセスすることを可能にする。薬局モジュールは、処方された薬物を、文書化された患者のアレルギーに対して、また他の薬物及び食品との適合性に対してチェックする。薬局モジュールはまた、在庫管理に対してリアルタイムのデータをも提供する。看護師投薬記録モジュールは、患者のベッドサイドで直ちに入手でき、従ってポイントオブケアにおける薬剤及び用量の検証を保証する臨床情報を提供する。
【0092】
患者医療システム100は、薬物送達用製品を、薬剤の安全且つ効果的な送達を保障するのを支援するために必要な情報と統合する。患者医療システム100の臨床決定支援及び付随するアラート、アラーム、警告、及びメッセージングは、臨床家が増大する時間と費用の圧迫下で患者管理を行う際の、臨床家に対する支援のセーフティーネットとなる。この情報は、臨床家のワークフローを改善する方法でデータを提供し、治療の実施をより容易にする、無線ネットワークを通じて提供されるのが好ましい。
【0093】
(注入システムの概要)
患者医療システム100内の注入システム210、又は医療システム210は、数ある中でも特に、コンピュータによる処方及び電子医療記録(eMAR)を提供する。注入システム210は、臨床記録、薬歴管理、在庫追跡、及びメッセージングを、臨床家にとって容易なものとする。患者医療システム100は、バーコーディングとリアルタイム技術を組み合わせて、正しい患者が、正しい薬剤及び正しい量を、正しい時間に、正しいルートを介して受け取ることを保証するのを支援する。注入システム210は、アラート、アラーム、メッセージ、及び、限定するものではないが、検査値、範囲外、及び用量誤りのような注意を喚起ものを提供する。正しい投薬の検証機能の一部として、本システムは、注入ポンプ設定値の検証をも行うことができる。
【0094】
本明細書に更に詳細に説明するように、注入システム210は、少なくとも部分的に、無線遠隔パーソナルデジタルアシスタント、ワークステーション、医師オーダエントリモジュール、電子タブレット、プロセッサ制御注入ポンプ等のような1つ又はそれ以上の電子計算装置上に常駐する。注入システム210は、1つ又はそれ以上の電子計算装置を介して、数多くの病院による設定が可能なアラート及びアラームを、様々な形式で表示するように構成することができる。一実施形態では、時間ベースのアラートを提供し、必ずしも限定するものではないが、注入速度の変更のような患者管理機能を実行することを臨床家に気付かせる。更に、必ずしも限定するものではないが、注入の断絶のような緊急アラームを提供する。また更に、必ずしも限定するものではないが、注入の完了又はラインの閉鎖のような緊急性のより低いメッセージを提供する。更に、1台又はそれ以上の無線遠隔パーソナルデジタルアシスタント又は他の電子計算装置を介して、医療施設内のどこからでも注入状態を見ることができる。
【0095】
後に更に詳細に開示するように、システム210は、アラーム又はアラートをエスカレートさせ、該アラーム若しくはアラートは、所定の時間内は、修正されたことを表示しない。アラーム又はアラートのエスカレーションを引き起こすことのできる条件は、医療施設によって定義されるのが好ましい。同様に、アラーム又はアラートがエスカレートするまでの時間も、医療施設によって定義することができる。従って、所定の時間内に臨床家によって正されないあらかじめ定義されたアラーム又はアラートは、関連するアラーム若しくはアラートのエスカレーションをもたらすことになる。従って、関連付けられた可聴音の音量とすることができるアラーム又はアラートの高まりを本システムによって臨床家が通知される頻度は、増大されるのが好ましい。
【0096】
当業者には分かるように、注入システム210は、患者のオーダによって施されている注入をチェックすることにより、患者の安全を保障するのを支援する。本明細書に更に詳細に説明するように、注入バッグ及び患者IDがスキャンされるバーコーディング方式が用いられる。注入情報は、電子計算装置とポンプの両方に表示され、正しい注入が、正しい時間に、正しい経路及び正しい速度で、正しい患者に対して施されていることを保証するのを支援する。一実施形態では、上述の投与の「正しさ(rights)」が一致しない場合、可聴及び可視アラートが、電子装置上に出現する。更に、臨床家が注入ポンプ速度を設定している場合には、プログラムされた設定値が患者の注入オーダと一致しない場合、後に更に詳細に説明する比較工程を通じて、電子計算装置上に可聴アラート及び可視アラートが出現する。更に常時、臨床家が、電子装置を介して、注入ポンプの設定値をチェックし、該設定値が中央データベース108b内に含まれた注入オーダと一致するかどうかを確認することができる。
【0097】
一実施形態では、注入システム210は、メッセージの重大度若しくは緊急度の迅速な識別のために、1台又はそれ以上の電子計算装置等を介して、様々な音色又はフレーズを有するアラート及びアラームを提供する。従来の注入ポンプのアラート及びアラームを、必ずしも限定するものではないが、パーソナルデジタルアシスタントなどの電子計算装置上に表示し、全ての担当患者に関する注入状態の臨床家への報告を維持し、それにより問題を解決し且つワークフローの安全を向上させるための時間を節約することができるのが望ましい。
【0098】
とりわけ、全てのアラーム及びアラートを、報告目的で中央システムデータベースから取り出すことができるのが好ましい。取り出し可能なデータは、医療施設がアラーム、アラート及び警告によって誤投薬が回避された回数を調査並びに解析するのを支援することができる。
【0099】
可聴式のアラート及びアラームは、メッセージ又は問題点に関連する重大度又は緊急度に応じて異なる音を発するように設定されるのが望ましい。応急手当を必要とするアラームは、緊急度がより低いアラートと異なる音を出す。問題を説明した視覚テキストが、1台又はそれ以上の電子計算装置によって表示されるのが好ましい。一実施形態では、注入が完了に近づきつつあるか又は完了したときに、パーソナルデジタルアシスタント上にアラートが鳴動する。パーソナルデジタルアシスタントはまた、患者、場所、注入の種類、及び注入バッグが空になるまでの残り時間をも表示する。臨床家は常時、パーソナルデジタルアシスタントを介して、注入状態にアクセスすることができ、従って、それに応じて対応することができる。一実施形態では、病室を訪問する前に、臨床家は、パーソナルデジタルアシスタント上で注入状態を見、近いうちに別のバッグが必要となるかどうかを判断することができる。別の注入バッグが必要な場合、臨床家は、病室に到着した後に新たなバッグが必要であることを認識するのではなく、最初の訪問の際に新たなバッグを持参し、時間を節約することができる。同様に、薬局は、次の注入バッグの混合及び送達の計画を立てるために、残り時間を含め、状態を観察することができる。
【0100】
所望であれば、また当業者には分かるように、注入ポンプに関連する他のアラーム及びアラートを、注入ポンプから遠隔の場所にある電子計算装置上で利用可能にすることができる。患者情報を電子計算装置上に表示し、そのようにして看護時間及び問題を解決するステップを節約することができる。上述したように、ポンプがアラーム状態又はアラート状態である場合、臨床家は、病室に行ってアラーム状態若しくはアラート状態を物理的に修正する前に、パーソナルデジタルアシスタント上で、患者情報、薬物オーダ、アラームメッセージ又はアラートメッセージを閲覧し、必要なアイテムを集めることができる。
【0101】
一実施形態では、注入システム210は、臨床家に計画された注入オーダに関して合図を送るための、設定可能な時間ベースのアラートを提供する。従って、200ml/時間で2時間、その後50ml/時間に低減してNSを運転するための漸減オーダにより、注入システム210は、注入開始2時間後、看護師に速度を低減するように通知する。更に、計画された注入が施設によって設定された時間許容範囲を越えたときに臨床家に通知するための後アラートを提供する。更に、硬膜外モルヒネ注入開始後などに痛みの評価を行うためのアラートのような時間ベースのプロトコルを生成する。
【0102】
注入システム210の設定可能な態様は、パーソナルデジタルアシスタントのような電子計算装置によって発せられる可聴アラートをも含む。可聴アラートは、医療施設内の独自の環境を満たすために、該医療施設によって、該医療施設の特定部門内で設定可能とすることができるのが好ましい。
【0103】
先に述べたように、複数の視覚アラート及びメッセージを、パーソナルデジタルアシスタントなどの電子計算装置によって表示し、該メッセージの重要度及び緊急度を示すことができる。色、点滅、及び太字のテキストが表示メッセージングのオプションであるのが望ましい。更に、メッセージが生成される際に、ハイパーリンクを提供することができる。また、ディスプレイ上にアイコンも用いることができ、且つ、緊急メッセージは、ハンドヘルド電子装置等に割り込み、直ちに臨床家へ通知するように設定することができる。更に、アラーム/アラートのエスカレーションが、システム210によって提供される。アラーム/アラート及びそのエスカレーションについては、後に詳述する。
【0104】
これも先に述べたように、注入システム210は、臨床家がパーソナルデジタルアシスタント等のような電子計算装置上で全ての注入又は担当患者を観察し、そのようにして病室を往復して移動するのに費やす時間を低減することを可能にする。更に、薬物の量、希釈剤、投与量、及び注入速度の検証のために、処方情報が電子計算装置上に表示される。更に、注入のリアルタイムの状態を見ることが可能であり、1時間当たりのミリリットル数等、注入の持続時間、注入量、残り時間、及び未注入量を表示することができる。先に述べたように、注入状態及び流速履歴は、電子計算装置を介して、医療施設内のどこからでも見ることができる。
【0105】
本明細書に更に詳細に説明するように、注入システム210は、患者の体重に基づいてオーダされる投与量を計算し、適切な速度を表示して注入を実行することができる。注入がオーダされた投与量以外で実行されるように設定されている場合、メッセージが生成される。更に、小児用量投与が利用可能であり、医療施設内の小児部門に設定される。
【0106】
一実施形態では、一次注入及びピギーバックのような二次注入の状態が、注入システム210によって、パーソナルデジタルアシスタントなどの電子計算装置上に表示される。臨床家は、ピギーバックにおける注入残量を常時チェックすることができ、ピギーバックが完了し、一次注入が再開されたときに、メッセージが表示される。更に、在庫及び注入オーダを補充するように、薬局にメッセージが送信される。
【0107】
所望であれば、注入システム210は、注入をプログラムする臨床家が設定範囲外で実行するのを警告するために、医療施設がシステムの注入限界値を規定することを可能にする。警告は、臨床家が警告を無効にするか又は指定変更を禁止するように設定することができる。当業者には分かるように、特定の注入に対して指定変更を禁止することは、患者が不注意によって過量摂取を受けるのを防止することができる。
【0108】
注入システム210はまた、医療施設内の各専門部門の必要性に関連する参照情報の表示に備えることもできる。専門部門の方針及び手順に加えて、薬物情報を、パーソナルデジタルアシスタントなどの電子装置上で見ることができる。プロトコル及び標準オーダについては、患者の状態に基づいてメッセージを提供するように設定することができる。例えば、一実施形態では、ヘパリン注入プロトコルは、臨床家に新たな血糖値検査結果を通知し、スライド制プロトコルに基づいて決定されたミリリットル数によってインスリン注入量を滴定するように設定されている。
【0109】
更に、設定された規則を通じて、特定の注入に関するメッセージ又は通知が、それらが患者の状態に関係する際に看護師に送信される。例えば、一実施形態では、腎毒性の注入を受けている患者のBUN及びクレアチニンが増加した場合、メッセージが生成される。更に、特定の注入量が滴定されている際にメッセージを生成するようにプロトコルを設定することができる。例えば、一実施形態では、臨床家がドーパミン注入量を滴定する際に、血圧を記録するためのメッセージを設定することができる。更に、血行動態モニタリングパラメータを注入にリンクし、メッセージを生成することができる。
【0110】
先に述べたように、新たな注入オーダを、臨床家に新たなオーダを通知するメッセージを提供するように設定することができる。メッセージは、テキスト、カラーアラート、点滅するハイパーリンク、アイコン等のような可聴式及び視覚式に構成することができる。迅速オーダ及び中止オーダは、それらを非緊急メッセージと区別するために、優先度の高いメッセージとして設定することができる。
【0111】
医療施設によって教育的メッセージが生成され且つ設定されるのが好ましい。例えば、一実施形態では、特定のチューブセット(例えば非PVC)を必要とする注入は、臨床家に知識を提供するメッセージを表示することになる。更に別の実施形態では、例えば、中心静脈投与を必要とする注入は、末梢静脈に注入しないようにとの警告を表示することになる。
【0112】
一実施形態では、次の仕事を完了することをユーザに気付かせるスケジューリングメッセージが生成され、1台又はそれ以上の電子計算装置上に表示される。例えば漸減注入などの場合には、予定時刻に注入速度を変えるようにとのアラートが、電子計算装置に送信される。更に、例えば輸血プロトコルのような時間ベースのアラートを有するプロトコルを設定することができる。
【0113】
再び図1に移って説明すると、また上述したように、患者医療システム100は、投薬オーダ、調剤、及び投与を患者のベッドサイドで行うことを可能にする。医師は、無線ハンドヘルド装置を用いて、簡単な処方及び複雑な処方、静注療法並びに完全静脈栄養療法(TPN)をオーダすることができる。注入システム210は、正しい投与量のみならず、薬物間相互作用及び他の発生し得る過誤をチェックする。次いで、注入システム210は、このデータを、リアルタイムで、患者医療施設又は現地薬局、病院の看護部門、在宅医療部門、及び/若しくは診療所へ伝送する。
【0114】
臨床家は、ハンドヘルド装置を用いて、カルテデータベースにアクセスすることができる。一実施形態では、臨床家は、バーコードを付された投薬法及び患者のバーコードを付されたブレスレットをスキャンし、正しい投薬、投与量、及び何らかの薬物を投与するまでの時間を確認する。注入システム210は、カルテ及び投与記録を更新し、それにより、全てではないにしても、多大な時間を必要とする事務処理を排除する。従って、注入システム210は、最大限に命を救いながら、費用を削減し且つ効率を改善し得る。患者医療システム100は、電子患者カルテ及び電子処方、ポイントオブケアから薬局までの完全な調剤並びに在庫管理の提供を含む、アクセスが管理された携帯型及び静止型の投薬法並びに倉庫を含むことができる。
【0115】
先に述べたように、図1は、患者医療システム100の図式表示である。患者医療システム100は、ネットワーク102によってリンクされた、薬局のコンピュータ104、中央システム108、及び診療場所106を含む。一実施形態では、薬局のコンピュータ104は、処理装置104a、キーボード104b、ビデオディスプレイ104c、プリンタ104d、バーコードリーダ104e、及びマウス104fを含む。図1には示していないが、患者医療システム100は、病院管理、看護室用サブシステム、臨床情報サブシステム、病院情報サブシステム、入退転院(ADT)サブシステム、請求書発行サブシステム、及び/又は一般に従来の患者医療システムに含まれる他のサブシステムをも含むことができる。そのようなシステムは一般に、第2の中央サーバ108aと連動する。
【0116】
一実施形態では、中央システム108は、中央サービスコンピュータ108a、データベース108b、ビデオディスプレイ108c、入出力コンポーネント、及び当業者に既知の他の従来のハードウェアコンポーネントを含む。ネットワーク102は、有線通信システム110部分及び無線通信システム部分を含むのが好ましい。有線通信システム110は、限定するものではないが、イーサネット(登録商標)配線システム、及び薄いネットシステムとすることができる。
【0117】
一実施形態では、治療場所106は、治療用ベッド106a、注入ポンプ120、医療用カート132を含むことができる。図1では、臨床家116及び患者112は、治療場所106内に示されている。薬剤124は、注入ポンプ120又は他の医療機器を用いて投与される種類のものであることができる。薬剤124は、医療機器を用いずに投与される種類のものであることもできる。薬剤は、医療用カート132の薬剤保管領域132aに保管することができる。臨床家116は、患者112に薬剤124を投与する工程において、デジタルアシスタント118を用いる。
【0118】
一実施形態では、臨床家116は、患者112の治療中に、デジタルアシスタント118を使用して、第1の無線通信路126を介して、ネットワーク102の有線通信システム110と通信する。注入ポンプ120は、第2の無線通信路128を介して有線通信システム110と通信する機能を有する。薬剤用カート132も、無線通信路(図1には示さず)を介して通信する機能を有する。無線トランシーバ114は、有線通信システム110のインターフェースとなる。ネットワークの無線通信システム部分は、限定するものではないが、IEEE 802.11b「無線イーサネット(登録商標)」、ローカルエリアネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク、ツリートポグラフィ(tree topography)を有するネットワーク、リングトポグラフィ(ring topography)を有するネットワーク、無線インターネットアクセスポイントシステム、イーサネット(登録商標)、インターネット、無線通信、赤外線、光ファイバ、及び電話などの当業者に周知の技術を用いることができる。図1には無線通信システムとして示しているが、通信経路は、代替的に、有線通信経路としてもよい。
【0119】
患者医療システム100においては、医師は、患者112用薬剤124をオーダすることができる。一実施形態では、オーダは、診療場所106における臨床家116を端緒とすることができる。医師及び/又は臨床家116は、コンピュータ化医師オーダエントリシステム(CPOE)、薬剤用カート132又は同様の装置を用いて、患者112用薬剤124をオーダすることができる。当業者は、従来のコンピュータ化医師オーダエントリシステムには精通している。その名称に関係なく、臨床家116は、コンピュータ化医師オーダエントリシステムを用いることができる。薬剤124を注入ポンプ120を通じて投与するのが効率的である場合、注入オーダは、注入ポンプ120に対する運転パラメータを生成するための情報を含む。運転パラメータは、注入オーダに従って動作するように注入ポンプ120をプログラムするのに必要な情報及び/又は命令のセットである。
【0120】
注入オーダは、薬局、看護センタ、看護現場、及び診療場所106を含む様々な場所で入力することができる。オーダを薬局で入力する場合、それは、キーボード104b、マウス104f、タッチスクリーン式ディスプレイ、CPOEシステム及び/又は医療用カート132などの入出力装置を介して、薬局のコンピュータ104に入力することができる。処理装置104aは、手入力されたオーダを、コンピュータ可読データに変換することができる。CPOEのような装置は、オーダを、処理装置104aへの導入に先立って、コンピュータ可読データに変換することができる。次いで、運転パラメータが、プリンタ104dによって、薬剤ラベル124a上にバーコード形式で印刷される。次いで、薬剤ラベル124aが薬剤124容器に貼付される。次に、薬剤124容器が、診療場所106に輸送される。次いで、薬剤124を、経口による方法及び注入ポンプ120を通じる方法を含む当業界で既知の種々の方法で患者112に投与することができる。薬剤124が経口投与される場合、臨床家116は、デジタルアシスタント118及び/又は医療用カート132を介して通信することができる。医療用カート132はコンピュータ化されており、通常、キーボード(図示せず)、ディスプレイ132b及びバーコードスキャナ(図示せず)のような他の入出力装置を有する。
【0121】
当業者には分かるように、注入バッグも前もって混合することができ、薬剤124を識別する非患者別バーコードがバッグに貼付される。更に、注入バッグは、薬局又は現場で混合することができ、薬剤124及び、所望であれば、薬剤を患者に投与すべき時を特定する患者専別バーコードがバッグに貼付される。
【0122】
治療場所では、薬剤124は、注入ポンプ120から患者112まで走る静注(IV)ライン130と共に注入ポンプ120上に搭載することができる。注入ポンプ120は、ポンピングユニット120a、キーパッド120b、ディスプレイ120c、注入ポンプID120d、及びアンテナ120eを含むことができる。先行技術の注入ポンプには、本システム100を完全に実施するために、無線アダプタ(図示せず)を備えることができる。先行技術の注入ポンプのバッテリー寿命低下を回避するために必要であれば、無線アダプタは、それ自体のバッテリーを有することができる。無線アダプタは、電力消費及びネットワークトラフィクを最小限に抑えるために、限定するものではないが、蓄積交換データ管理及びデータ圧縮のようなインテリジェントデータ管理手法を用いることもできる。無線アダプタはまた、ネットワーク102が機能していないときでさえもデジタルアシスタント118と通信する機能を含むこともできる。
【0123】
一実施形態では、患者医療システム100は、限定するものではないが、職員識別子、機器識別子、及び薬剤識別子などの種々の識別子を含むことができる。図1では、臨床家116は、臨床家バッジ116a識別子を有することができ、患者112は、リストバンド112a識別子を有することができ、注入ポンプ120は、注入ポンプID120d識別子を有することができ、薬剤124は、薬剤ラベル124a識別子を有することができる。臨床家バッジ116a、リストバンド112a、注入ポンプID120d及び薬剤ラベル124aは、それらに関連付けられた職員、機器、又は薬剤を識別する情報を含む。識別子は、追加情報を含むこともできる。例えば、薬剤ラベル124aは、薬剤124の受容対象者に関する情報、注入ポンプ120に対する運転パラメータ、及び薬剤124のロット番号並びに期限切れに関する情報を含むことができる。識別子に含まれる情報は印刷してもよいが、限定するものではないが、バーコードなどの光学式に読み取り可能な装置用のフォーマットのような装置読み取り可能フォーマット、RFID、iButton、スマートカードなどの高周波(RF)装置可読フォーマット、及びレーザ可読フォーマットのような装置可読フォーマットであるのが好ましい。デジタルアシスタント118は、ディスプレイ118aを含むことができ、且つ指紋などのバイオメトリック情報を含む識別子を読み取る機能を有することができる。
【0124】
リストバンド112aは通常、患者112が医療施設内に入院する際に患者112上に配置される。リストバンド112aは、患者識別子を含む。患者識別子は、患者を識別するための印刷された情報及び治療を行う医師の氏名などの追加情報を含むことができる。患者112用患者識別子は、限定するものではないが、患者の氏名、年齢、社会保障番号、患者の血液型、住所、アレルギー、病院ID番号、及び患者の親類の氏名などの情報を含むことができる。一実施形態では、患者識別子は、これも必要な場合又は所望の場合の相互参照に備えて中央データベース内に格納された、患者間の独自の参照コード若しくはパスワードを含むことができる。
【0125】
(本システムのシステムハードウェア/ソフトウェアアーキテクチャ)
図2は、図1の薬局のコンピュータ104、中央システム108、CPOE、デジタルアシスタント118、及び/又は投薬治療用カート132などのネットワーク102を介して通信する任意の数の他のサブシステム内に含まれたコンピュータを表すコンピュータ200のブロック図である。先に述べたように、コンピュータ200は、患者医療システム100内で用いるための、注入システム210、又は注入システム210の一部を含む。図2を参照して説明する注入システムは、コンピュータプログラムであるのが好ましい。しかしながら、注入システムは、全体的に又は部分的に、コンピュータプログラム以外の方法及びシステムで実施してもよい。
【0126】
当業界における重大な関心事は、正しい薬剤が正しい患者に投与されることである。従って、注入システム210は、正しい薬剤が正しい患者に対して効率的な方法で投与されることを保証するのを支援するための特徴を含む。注入システム210は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせ内に実装することができる。1つの様式では、注入システム210は、実行可能プログラムとしてソフトウェア内に実装され、パーソナルコンピュータ(PC;IBM-互換PC、Apple互換PC、その他)、パーソナルデジタルアシスタント、ワークステーション、ミニコンピュータ、又はメインフレームコンピュータのような1台又はそれ以上の特殊用途デジタルコンピュータ又は汎用デジタルコンピュータによって実行される。注入システム210を実装することのできる汎用コンピュータの一例を、図2に示す。注入システム210は、限定するものではないが、薬局のコンピュータ104、中央システム108、投薬治療用カート132、及びデジタルアシスタント118などの任意のコンピュータ内に常駐することができか、又は、その内部に常駐する様々な部分を有することができる。従って、図2のコンピュータ200は、注入システム210が内部に常駐又は部分的に常駐するいずれかのコンピュータを代表するものである。
【0127】
図2に示すように、一般に、ハードウェアアーキテクチャの観点では、コンピュータ200は、プロセッサ202、記憶装置204、ローカルインターフェース208を介して通信可能に接続された1つ又はそれ以上の入出力(I/O)装置206(周辺装置)を含む。ローカルインターフェース208は、限定するものではないが、例えば、当業界で既知の、1つ又はそれ以上のバス又は他の有線接続若しくは無線接続とすることができる。ローカルインターフェース208は、通信を可能にするための、簡略化のために省略された、制御装置、バッファ(キャッシュ)、ドライバ、リピータ、及び受信機などの追加要素を有することができる。更に、ローカルインターフェースは、他のコンピュータコンポーネント間の適切な通信を可能にするための、アドレス、制御、及び/又はデータ接続を含むことができる。
【0128】
プロセッサ202は、ソフトウェア、特に記憶装置204内に格納されたソフトウェアを実行するためのハードウェア装置である。プロセッサ202は、任意の特注又は市販のプロセッサ、中央処理装置(CPU)、コンピュータ200と関連付けられた幾つかのプロセッサの中の補助プロセッサ、半導体ベースのマイクロプロセッサ(マイクロチップ若しくはチップセットの形態の)、マクロプロセッサ、又はソフトウェア命令を実行するための一般的な任意の装置とすることができる。適した市販されているマイクロプロセッサの例は、以下のとおりである。Hewlett-Packard Companyが提供しているPA-RISCシリーズのマイクロプロセッサ、Intel Corporationが提供している80×86又はPentium(登録商標)シリーズのマイクロプロセッサ、IBMが提供しているPowerPCマイクロプロセッサ、Sun Microsystems,Inc.が提供しているSparcマイクロプロセッサ、又はMotorola Corporationが提供している68xxxシリーズのマイクロプロセッサ。プロセッサ202は、限定するものではないが、SQL、Smalltalk、APL、KLisp、Snobol、Developer 200、MUMPS/Magicなどの分散型プロセシングアーキテクチャをも表すことができる。
【0129】
記憶装置204は、揮発性メモリ素子(例えば、ランダムアクセスメモリ(DRAM、SRAM、SDRAM等のようなRAM))及び不揮発性メモリ素子(例えば、ROM、ハードドライブ、テープ、CDROM等)のうちの任意の1つ又はそれらの組み合わせを含むことができる。更に、記憶装置204は、電子式、磁気式、光学式及び/又は他の種類の記憶媒体を組み込むことができる。記憶装置204は、種々のコンポーネントが互いに遠隔の位置にあるがそれでもなおプロセッサ202によってアクセスされる、分散型アーキテクチャを有することができる。
【0130】
記憶装置204内のソフトウェアは、1つ又はそれ以上の別個のプログラムを含むことができる。別個のプログラムは、論理機能を実行するための実行可能命令の順序付きリストを備える。図2では、記憶装置204内のソフトウェアは、本発明による注入システム210及び適したオペレーティングシステム(O/S)212を含む。適した市販されているオペレーティングシステム212の非網羅的一覧は、以下のとおりである。(a)Microsoft Corporationから入手可能なWindows(登録商標)オペレーティングシステム、(b)Novell,Inc.から入手可能なNetwareオペレーティングシステム、(c)Apple Computer,Inc.から入手可能なMacintoshオペレーティングシステム、(d)Hewlett-Packard Company、Sun Microsystems,Inc.及びAT&T Corporationなどの多くのベンダから購入可能なUNIX(登録商標)オペレーティングシステム、(e)インターネット上で容易に入手可能なフリーウェアのLINUXオペレーティングシステム、(f)WindRiver Systems,Inc.が提供しているリアルタイムVxWorksオペレーティングシステム、又は(g)ハンドヘルドコンピュータ若しくはパーソナルデジタルアシスタント(PDA)に実装されているような、アプライアンスベースのオペレーティングシステム(例えば、Palm Computing,Inc.から入手可能なPalmOS、及びMicrosoft Corporationから入手可能なWindows(登録商標) CE)。オペレーティングシステム212は、基本的に、注入システム210のような他のコンピュータプログラムの実行を制御し、且つスケジューリング、入出力制御、ファイル及びデータの管理、メモリ管理、及び通信制御並びに関連サービスを行う。
【0131】
注入システム210は、ソースプログラム、実行可能プログラム(オブジェクトコード)、スクリプト、又は実行すべき命令のセットを備える任意の他のエンティティとすることができる。ソースプログラムの場合、該プログラムは、O/S212に関連して適切に動作するように、記憶装置204内に含まれても含まれなくてもよい、コンパイラ、アセンブラ、インタプリタ等を介して翻訳される。更に、注入システム210は、(a)データ及び方法のクラスを有するオブジェクト指向プログラミング言語、又は(b)ルーチン、サブルーチン、及び/若しくは関数を有する手続き型プログラミング言語、限定するものではないが、例えば、C、C++、Pascal、Basic、Fortran、Cobol、Perl、Java(登録商標)、及びAdaとして書くことができる。一実施形態では、システムプログラム210は、C++で書かれる。別の実施形態では、注入システム210は、Power Builderを用いて作成される。I/O装置206は、入力装置、限定するものではないが、例えば、キーボード、マウス、スキャナ、マイクロフォン、タッチスクリーン、種々の医療機器に対するインターフェース、バーコードリーダ、スタイラス、レーザリーダ、高周波デバイスリーダ等を含むことができる。さらに、I/O装置206は、出力装置、限定するものではないが、例えば、プリンタ、バーコードプリンタ、ディスプレイ等も含むことができる。I/O装置206は、入力装置及び出力装置の両方として通信する装置、限定するものではないが、例えば、変調装置/復調装置(モデム;別の装置、システム、又はネットワークにアクセスするためのもの)、高周波(RF)トランシーバ若しくは他のトランシーバ、電話インターフェース、ブリッジ、ルータ等を更に含むことができる。
【0132】
コンピュータ200がPC、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント等である場合、記憶装置204内のソフトウェアは、基本入出力システム(BIOS)(図2には示さず)を更に含むことができる。BIOSは、起動時にハードウェアを初期化及びテストし、O/S212を始動し、且つハードウェアデバイス間のデータの転送を支援する基本ソフトウェアルーチンのセットである。BIOSは、コンピュータ200を起動する際にBIOSを実行することができるように、ROM内に格納されている。
【0133】
コンピュータ200が作動している際に、プロセッサ202は、記憶装置204内に格納されたソフトウェアを実行し、記憶装置204を往復してデータを通信し、ソフトウェアに従って、コンピュータ200の動作を全体的に制御するように設定される。注入システム210及びO/S212は、全体的に又は部分的に、一般に後者であるが、プロセッサ202によって読み取られ、おそらくプロセッサ202内にバッファリングされ、次いで実行される。
【0134】
図2に示すように、注入システム210がソフトウェア内に実装される場合は、注入システム210のプログラムは、任意のコンピュータ関連のシステム又は方法によって、若しくはそれと関連付けて用いるために、任意のコンピュータ可読媒体上に格納することができる。本明細書において使用するコンピュータ可読媒体とは、コンピュータ関連のシステム又は方法によって若しくはそれと関連付けて用いるためにコンピュータプログラムを含むか又は格納することのできる、電子式、磁気式、光学式、或いは他の物理装置若しくは手段である。注入システム210は、命令実行システム、命令実行装置、又は命令実行デバイスからの命令を取り出し、該命令を実行することのできる、コンピュータベースのシステム、プロセッサを含むシステム、若しくは他のシステムなどの命令実行システム、命令実行装置、或いは命令実行デバイスによって又はそれと関連付けて用いるための任意のコンピュータ可読媒体内に実施することができる。本文書の前後の脈絡の中では、「コンピュータ可読媒体」は、命令実行システム、命令実行装置、又は命令実行デバイスによって若しくはそれと関連付けて用いるためのプログラムを格納、通信、伝播、或いは輸送することのできる任意の手段とすることができる。コンピュータ可読媒体は、限定するものではないが、例えば、電子式、磁気式、光学式、電磁式、赤外線、又は半導体のシステム、装置、デバイス若しくは伝播媒体とすることができる。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(非網羅的リスト)には、以下のものが含まれる。1本又はそれ以上のワイヤを有する電気接続(電子式)、携帯用コンピュータディスケット(磁気式)、ランダムアクセスメモリ(RAM)(電子式)、読み出し専用メモリ(ROM)(電子式)、消去可能プログラム可能ROM(EPROM、EEPROM、或いはフラッシュメモリ)(電子式)、光ファイバ(光学式)、及びポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CDROM)(光学式)。プログラムは、例えば紙又は他の媒体の光学式走査を介して電子的手段によって取り込み、必要であれば、次いで、適切な方法でコンパイル、翻訳若しくは他の方法で処理し、その後コンピュータメモリ内に格納することができるので、コンピュータ可読媒体は、プログラムがその上に印刷される紙或いは別の適した媒体とさえすることができることに留意されたい。
【0135】
注入システム210がハードウェア内に実装される別の実施形態では、注入システム210は、各々が当業界で既知の以下の技術のうちのいずれか又はそれらの組み合わせと共に実装することができる。データ信号上に論理関数を実行するための論理ゲートを有する離散論理回路、適切な組み合わせ論理ゲートを有する特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等。
【0136】
当業者には理解されるように、図3図11のような図におけるどの工程説明又は工程ブロックも、該工程における特定の論理関数又は論理ステップを実行するための1つ又はそれ以上の実行可能命令を含むことのできるハードウェア、ソフトウェア等のモジュール、セグメント、若しくは一部を表しており、含まれる機能性に応じて、実質的に並行して又は逆の順序を含め、図に示すか若しくは論述したものから逸脱した順序で関数を実行することのできる代替的実装は、本発明の実施形態の範囲内に含まれる。
【0137】
(患者医療システムの構成要素)
図4は、図1の患者医療システム100の機能要素を示す第1のブロック図である。図4に示すように、患者医療システム100は、モジュールが注入システム210(図2)を含む患者医療システム100の種々の機能を表すモジュラーシステムとして実施することができる。患者医療システム100及び注入システムの柔軟性は、本システムがモジュラーシステムとして実施された場合に増強され得る。注入システム210(図2)のモジュールは、患者医療システム100の様々な部分に含めることが可能である。一実施形態では、患者医療システム100の機能的構成要素は、とりわけ、投薬管理モジュール302、処方箋作成モジュール304、処方箋起動モジュール306、及び処方箋認証モジュール308を含むことができる。
【0138】
投薬管理モジュール302は、内科療法の管理に含まれる患者医療システム100の他のモジュールの機能を整合させることができる。投薬管理モジュール302は、患者医療システム100の他の部分と全体として協調する。投薬管理モジュール302は、CPOEで動作し且つ/又はそれとインターフェースをとり、ポイントオブケアモジュールで動作し且つ/若しくはそれらと通信し、且つ内科療法比較モジュールで動作し且つ/或いはそれらと通信するためのサブモジュールを含むことができる。図4には、入退転院(ADT)インターフェース310、請求書発行インターフェース312、検査室インターフェース314、及び薬局インターフェース316が示されている。ADTインターフェース310は、患者の人口統計データ、大きさ、体重、及びアレルギーのような情報を取り込むために用いられる。好ましい実施形態では、ADTシステムは、HL7型のインターフェースを用いて、病院のADTシステムに入力されたイベントを、第2の中央コンピュータ108a内に転送する。HL7は、医療環境においてデータをフォーマット、伝送及び受信するためのプロトコルである。これは、種々の異なる第三者アプリケーションのような異種の医療アプリケーションが臨床データ及び管理データのキーセットを交換することを可能にするメッセージング標準を通じて、医療情報システム間の相互運用性を提供する。通常、本発明のシステム100では、HL7 ADTインターフェースは、HL7 ADTサーバ、HL7 ADTクライアント、及びHL7 ADTビューアの3つのアプリケーションからなる。薬局インターフェース316は、薬局からのオーダをインポートする。薬局インターフェース316は、HL7型インターフェースとすることができ、該HL7型インターフェースが他のシステムとインターフェースをとり、CPOEなどのオーダを入力する。この機能により、1回より多くデータを患者医療システム100に入力する必要性が減少する。薬局インターフェース316は、限定するものではないが、Cerner、HBOC、Pyxis、Meditech、SMS、Phamous等のような市販の第三者システムと通信するように設定することができる。ウェブサービスインターフェースは、McKesson AdminRx、Pyxis、Verif5等のような経口薬投与を支援するポイントオブケア投薬管理システムと、注入ポンプ関連の投薬管理との間のほぼリアルタイムの調整を行うことができる。様々な他のインターフェースも当業者に知られているが、図4には示していない。



【0139】
投薬管理モジュール302は、薬物間不適合による有害反応、二重薬物投与、薬物アレルギー、薬物用量限度、薬物投与頻度限界、薬物投与持続期間限度、及び薬物性疾患による禁忌をチェック機能などの追加の特徴を有することができる。食品及びアルコールの相互作用にも留意することができる。薬物制限は、限定するものではないが、成人、小児、乳幼児、新生児、早産、老年者、年齢別分類、体重別分類、身長別分類、及び体表面積に関連する制限などの制限を含むことができる。一実施形態では、投薬管理モジュール302は、患者医療システム100内の2つの異なる処方源からの、同一の患者に対する同一の処方の入力を防止する。
【0140】
投薬管理モジュール302は、報告書を作成する機能を含むこともできる。報告書には、限定するものではないが、シフト終了、滴定情報、患者イベントリスト、注入履歴、ポンプ動作履歴、ポンプ位置履歴、及びポンプメンテナンス履歴を含む。シフト終了報告書は、ポンプチャネル、始動時刻、終了時刻、一次注入、ピギーバック注入、薬剤、投与量、速度、ポンプ状態、注入量、残量、残り時間、及び最終完了時を含むことができる。注入履歴報告書は、薬剤及び注入量を含む。
【0141】
投薬管理モジュール302は、医療機器状態データベースを含むことができる。医療機器状態データベースは、患者医療システム100内における医療機器332の位置を示すデータを含む。医療機器状態データベースは、医療機器332の過去の動作を示すデータをも含むことができる。医療機器状態データベースは、医療機器332のメンテナンススケジュール及び/又は履歴を示すデータをも含むことができる。
【0142】
注入処方又は注入オーダは、処方エントリ324に入力される。そのようなオーダは、限定するものではないが、単回投与、間欠投与、持続投与、順次投与、滴定、及び交互投与の種類などの処方を含むことができる。注入処方は、完全非経口栄養法用混合剤(TPN)、化学療法的持続注入、ピギーバック、大量非経口投与医薬品、及び他の注入処方を含むことができる。患者医療システム100は、オーダに対する終了日なくして機能することができる。患者医療システム100は、連続スケジュールジェネレータを用いており、該連続スケジュールジェネレータが、所定時間を予測し、該時間に対する混合剤充填スケジュールを生成する。所定時間は、患者医療システム100レベル、又は臨床分野レベル及び組織レベルのようなサブシステムレベルで定めることができる。所定時間は、オーダを入力する臨床家116による調整を可能とすることができる。スケジュールは、患者医療システム100内でオーダがアクティブである限り、自動的に延長することができる。
【0143】
処方箋作成モジュール304は、ハード処方箋(hard prescription)及び電子(E-コピー)処方箋を作成する。ハード処方箋は通常、医療施設においては3通作成される。第1のハードコピー318は通常、薬局に送付され、第2のハードコピー320は通常、患者記録用に保持され、第3のハードコピー322は、治療場所106に送付される。電子処方箋は、投薬管理モジュール302に送信される。
【0144】
処方箋作成モジュール304は、運転パラメータを確認する機能を含むことができる。運転パラメータは、処方エントリモジュール324からの情報に基づくことができる。処方箋作成304は、限定するものではないが、薬局、治療場所106、及び看護センタなどの患者医療システム100内のいずれにおいても行うことができる。
【0145】
コンピュータ化医師オーダエントリ(CPOE)システム又はその類似のものは、処方箋作成モジュール304の幾つか若しくは全ての機能を実行するために用いることができる。臨床家116は、限定するものではないが、タブレットワイヤレスコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、治療用カート132、及びワークステーションなどの種々の方法でデータを入力することができる。投薬管理モジュール302は、1つより多い処方箋生成モジュール304とインターフェースをとることができる。投薬管理モジュールは、患者医療システム100内のどこからでもオーダを受信することができる。
【0146】
薬局のコンピュータ104は、投薬管理モジュール302から電子コピーにアクセスすることができる。処方箋起動モジュール306は、処方箋の記入及びラベル付けを調整するコンピュータ支援システムである。処方箋の記入及び在庫からの薬剤124の生成又は配置は、処方箋起動モジュール306によって処理される。一実施形態では、処方箋起動工程とは対照的に、記入工程によって、薬剤ラベル124aが作成されることになる。
【0147】
患者医療システム100は、処方箋起動モジュール306をバイパスすることができる。これは、患者の担当医師のようなオーダを行う臨床家116が直ちにオーダを起動する権限を有する場合に行うことができる。オーダが直ちに起動される場合、投薬管理モジュール302は、記入ひいては処方箋ラベル付けモジュール326に直行することができる。
【0148】
ブロック326で、患者医療システム100は、薬剤ラベル124aを印刷する。処方箋は、遠隔印刷することができ、薬局のプリンタ104dによって印刷されることが多い。ブロック326の後、患者医療システム100は、ブロック328へ行く。ブロック328で、薬剤ラベル124aが、薬剤124に貼付される。通常、薬剤師が、薬剤ラベル124aが処方箋の第1のハードコピー318と一致することを視覚的に検証する334。図4に、視覚的検証334が処方許可モジュール308とも関連付けられていることを示す。次いで、薬剤124を、薬局から治療場所106へ輸送することができる。薬局から治療場所106までの経路の一部に対して、持ち運び可能な医療用カート132を用いることができる。
【0149】
薬剤ラベル124aは、注入バッグを準備するための情報を含むことができる。患者医療システム100内で作成されない場合、薬剤ラベル124aは、バルク薬剤サプライヤが提供することができる。バルク製剤サプライヤにより提供された場合には、患者医療システム100は、薬剤ラベル124aから情報を収集する。更に、患者医療システム100は、薬剤ラベル124aに、患者識別子などの情報を付加することができる。
【0150】
薬剤ラベル付けモジュール328は、薬剤ラベル124aを薬剤124上に配置する。これは、手作業で達成することができる。これは、自動処方箋記入・包装システム(図示せず)を用いて達成することもできる。自動処方箋記入・包装システムが用いられる場合、薬剤ラベル付けモジュール328は、薬剤124のラベル付けを、記入・包装システムと整合させるためのデータを提供する。
【0151】
治療場所106では、臨床家116は、デジタルアシスタント118及び/又は医療用カート132などの無線装置330を用いて、患者112に対する薬剤124を確認して投与する。無線装置330は、第1の通信路126のような通信路を介して、投薬管理モジュール302と通信する。
【0152】
臨床家116は、バッジ116aをスキャンすることによって自身を識別し、リストバンド112aをスキャンすることによって患者112を識別し、薬剤ラベル124aをスキャンすることによって薬剤124を識別し、ラベル120dをスキャンすることによって注入ポンプ120のような医療機器332を識別する。臨床家116は、上述し且つ図19のログイン画面1903に示す指紋及び/又はパスワードを提供することにより、自身を識別することもできる。医療機器332は、投薬管理モジュール302と双方向通信が可能な医療機器とすることができる。代替的に、医療機器332は、投薬管理モジュール302に情報を提供することのみが可能であってもよい。注入システム210は、臨床家116が内科療法を施し且つ検証するのを支援する。代替的実施形態では、注入システム210は、医療機器332への運転パラメータのダウンロード機能を含むことができる。臨床家116は、視覚的に検証を行い、第3のコピー322及び/又はMARがラベルを付された薬剤124と一致することを確認することができる。スキャナ338は、第3のコピー322から無線装置330及び医療機器332へ機械可読情報を入力するのに用いることができる。



【0153】
患者医療システム100は、注入オーダに対して調整及び変更を行うことができる。注入調整を行う機能を含むことのできる他のモジュールのなかには、処方エントリモジュール324、処方箋起動モジュール306、処方許可モジュール308、及び処方修正モジュール336がある。臨床家116は、処方修正モジュール336にアクセスし、オーダを調整する。臨床家116は、患者医療システム100のどこからでも処方修正モジュール336にアクセスすることができる。しかしながら、臨床家116が処方修正モジュール336にアクセスするための1つの非常に有益な場所は、治療場所106である。
【0154】
処方許可モジュール308では、患者医療システム100は、臨床家116が単独で注入オーダを修正する権限を有するか否かを判定する。臨床家116は、患者医療システム100によって、オーダの特定の部分を単独で修正する権限を有すると認められることができる。臨床家116が単独でオーダを修正する権限を有しない場合、薬剤師又は医師に、該臨床家116によって入力された修正を承認するように要請することができる。
【0155】
患者医療システム100の一実施形態では、オーダは、薬局のコンピュータ104に入力される。このオーダは、第1の患者識別子及び運転パラメータを含む。薬局のコンピュータ104は、薬剤バッグ又は薬剤容器に貼付される薬剤ラベル124aを作成する。薬剤124は、治療場所106に送付される。治療場所106において、臨床家116は、臨床家116のバッジ116a、患者のリストバンド112a、及び薬剤ラベル124aをデジタルアシスタント118で読み取る。デジタルアシスタント118は、中央システム108によってなされた判定に基づいて、薬剤ラベル124a及びリストバンド112aが同一の患者112に対応しているか否かを報告する。次いで、システム100は、薬局のコンピュータ104へ、薬剤識別子を送る。薬局のコンピュータ104は、薬剤ラベル124aを確認し、オーダと同一の患者を特定し、注入ポンプへ運転パラメータを送る。運転パラメータは、注入ポンプ120へ直接送ることができる。次いで、運転パラメータ用いて注入ポンプをプログラムし、患者112に薬剤124が投与される。
【0156】
図5は、注入システム210(図2)の種々の機能を実行するのに役立つコンピュータ画面400の例示的なブロック図である。他の機能に加え、コンピュータ画面400は、新たな注入オーダを入力して、既存の注入オーダを修正し、また注入オーダを停止するために用いることができる。コンピュータ画面400は、処理領域402、探索領域404、薬剤情報領域406、滴定/漸減基準領域408、指示・注記領域410、及び予測解領域412を含むのが好ましい。注入薬剤オーダタイプには、単回投与、間欠投与、持続投与、順次投与、交互投与が含まれる。コンピュータ画面400は、デジタルアシスタント118、薬局のコンピュータ104、注入ポンプ120、CPOEシステム、及び医療用カート132と共に用いることができる。コンピュータ画面400は、全体として、図1の患者医療システム100全体にわたって臨床家がアクセス可能なコンピュータ画面ルックアンドフィールを有するように設計されている。コンピュータ画面400の機能の一部は、限定するものではないが、ハイパーリンク、定義ボックス、及びドロップダウンメニューなどの当業者によく知られたデータベース連係技法によって達成される。
【0157】
処理領域402は、注入オーダの作成、注入オーダの保存、注入オーダの修正、及び注入オーダの取り消しをトリガする機能を含む。臨床家116は、臨床家116に好ましいオーダエントリ手順を提供するように、コンピュータ画面400をカスタマイズすることができる。処理領域402は、オーダ用状態標識を含む。処理領域402はまた、PRNオーダ(「要求に応じた」又は「必要に応じた」オーダ)を臨床家116によって行うことが可能か否かを示すための領域をも含む。処理領域402は、医療機器332運転パラメータ、注入オーダ経路、注入ライン、注入実施部位、注入オーダ開示時刻、注入薬剤オーダタイプ、注入流速許容値、注入流速、注入持続時間及び調合場所(薬局又は遠隔位置などの)を表示及び調整する機能を更に含む。処理領域402はまた、医師の注入オーダを別の臨床家116によって入力された別の医療オーダにリンクすることのような、医療オーダを他の医療オーダ又は関連する臨床モニタリングにリンクするための領域をも含むことができる。処理領域402は、限定するものではないが、予測解領域412のようなコンピュータ画面400の他の領域にデータを表示するためのトリガを含むことができる。
【0158】
探索領域404は、注入オーダに対する薬剤、溶液及び/又は添加剤を探索することを可能にする。オーダにデフォルト希釈剤を定めることができる。患者医療システム100内で薬剤に対するデフォルト投与量が定められている場合、該デフォルト投与量が、薬剤を含む探索結果と共に自動的に現れる。探索領域404からの探索の結果として、薬剤の名称、投与経路、費用、パッケージサイズ、剤形、一般名、薬剤の麻酔性の有無、薬剤管理の有無、医薬品集であるか否か、及び薬剤の製造場所を表示することができる。
【0159】
薬剤情報領域406は、注入オーダ用添加剤及び溶液を決定するために用いることができる。薬剤情報領域406は、別個の添加剤領域及び溶液領域を含むことができる。溶液領域は、ラベル、「溶液/希釈剤」を含むことができる。患者医療システム100は、薬剤124データベース、溶液データベース、及び添加剤データベースを用いて、薬剤情報領域406に、薬剤124、溶液、及び添加剤に関するデータを読み込むことができる。1つのデータベースにおいて同定された物質は、他のデータベースにおいても同定することができる。各データベースをリンクし、薬剤124と溶液の組み合わせに対するデフォルト値を提供することができる。
【0160】
滴定/漸減基準領域408は通常、持続注入オーダに対して適用される。滴定は、投与量及び/又は流速などの、オーダの特定のパラメータを規定する。投与量及び流速は、絶対的なものとして入力することができる。また、滴定/漸減基準領域408に情報を入力するのに、限定するものではないが、~より大きい「>」、~より小さい「<」、及び~と等しい「=」などの数学記号を単独又は組み合わせて用いることができる。カレンダーを用いて、滴定/漸減基準領域408にデータを入力することもできる。投与量及び流速も、許容範囲として入力することができる。非持続注入オーダを入力及び/又は修正する場合には、滴定/漸減基準領域408を非表示にすることができる。滴定基準は、限定するものではないが、様々な検査結果、バイタルサイン、流体を経口摂取する能力、流体の流入量及び流出量等のような、患者の健康状態に関連する種々のパラメータ値を含むことができる。
【0161】
指示・注記領域410は、患者112及び/又は注入オーダに関する医師注記のような情報を保存する機能を含む。指示・注記領域410は、患者の担当医師のような患者112に対して責任を有する臨床家116を識別するためのディスプレイ及び参照領域を含むことができる。
【0162】
予測解領域412は、患者112に対して処理中のオーダの現状に基づいて、解決スケジュール及び関連要因を表示する。予測時間は、患者医療システム100のデフォルトとすることができる。時間は、臨床家116によって調整することもできる。予測解領域412は、患者医療システム100によって予測された時間を示す調整可能なディスプレイを含むことができる。予測解領域412に表示されるデータは通常、処理領域402においてオーダ保存がトリガされる際に保存される。予測解領域412は、先に入力されたオーダを修正しながらある期間を振り返る機能を含むことができる。これにより、修正されていない注入オーダに従ってすでに準備が完了していたかもしれない解について臨床家116が考察することが可能となる。
【0163】
(注入システムの構成要素)
図6は、図2の注入システム210の機能要素を示すブロック図である。機能要素は、システムパラメータを設定するためのブロック502、注入オーダ作成用ブロック504、注入オーダ準備用ブロック506、薬剤投与用ブロック512、注入オーダ修正用ブロック514、及びメッセージング用ブロック520を含む。図6はまた、薬局許可用ブロック508、医師許可用ブロック510、オーダ停止用ブロック516、及び在庫・請求書発行用ブロック518をも含む。図6には、注入システムに関する1つの説明を提示している。しかしながら、図6には、本注入システムを実行するのに要する一連の工程は定めていない。本注入システムの利点の1つは、臨床家116が患者医療システム100内の多数の物理的場所と機能的場所の両方からアクセスして情報を入力することができる点である。例えば、注入オーダは、CPOEを用いて医師により、薬局のコンピュータ106を用いて薬剤師により、デジタルアシスタント118を用いて臨床家116により、また医療用カート132を用いて臨床家により生成することが可能である。更に、患者のバイタル、検査結果、及び他の記録は、例えば病棟薬局を含む医療施設内の多数の場所からチェックすることができる。従って、病棟薬局104(図1)内のユーザは、電算処理装置104cから、医療施設内の病棟を閲覧することができる。ユーザが病棟を選択すると、患者リストが提供され、ユーザは、該リストの中からある患者及び関連する記録を選択し、電算処理装置上に表示させることができる。代替的に、ユーザは、電算処理装置に患者の氏名の全部又は一部を入力することができ、それにより、ユーザによる選択のために、該患者に関連する記録が電算処理装置によって提供される。選択を行うと直ちに、記録が表示される。
【0164】
一実施形態では、図6は、第1、注入オーダを受け取るために患者医療システム100を準備するブロック-システムパラメータを設定するブロック502;第2、注入オーダを作成するブロック-注入オーダ作成ブロック504;第3、注入オーダに基づいて調剤するブロック-調剤ブロック506;第4、注入オーダを許可するブロック-薬局許可ブロック及び医師許可ブロック508並びに510;第5、注入オーダを実施するブロック-薬剤投与ブロック512;第6、注入オーダに基づいて調剤するために用いられた在庫の計上及び補充を行い且つ注入オーダに対して患者へ請求書を発行するブロック-在庫・請求書発行ブロック518;第7、注入オーダを修正するブロック-修正ブロック514;並びに第8、注入オーダの進捗状況、注入、正しい薬剤が効率的に調剤され、正しい患者に正しい量で正しい時間に提供されることを保証するのを支援するためのメッセージ等に関して様々な人員及びサブシステムにメッセージを送るブロック-メッセージブロック520として見ることができる。修正ブロック514は、転送インターフェース310によって提供された情報に基づいてオーダを停止するブロック-オーダ停止ブロック516を含むことができる。
【0165】
システムパラメータを設定するブロック502は、注入オーダを作成し且つ処理するために注入システム210を準備する機能ブロックを含む。システムパラメータを設定するブロック502は、限定するものではないが、許容値を設定するブロック542と、デフォルト値を設定するブロック544と、データベースを構築するブロック546と、関数を定義するブロック548と、システムの設定を決定するブロック550とを含む。システムパラメータを設定するブロック502については、図7を参照して以下に更に説明する。
【0166】
注入オーダ作成ブロック504は、注入オーダを作成するために用いられる機能ブロックを含む。注入オーダ作成ブロック504は、処方箋作成ブロック304(図4)を参照して説明したものと同様の機能を含む。注入オーダ作成ブロック504は、限定するものではないが、情報を入力するブロック560と、計算ブロック562と、チェックブロック564と、指定変更ブロック566とを含む。注入オーダ作成については、図8を参照して以下に更に説明する。注入オーダ作成の結果が、注入オーダ702(図8)である。注入オーダ702は通常、注入スケジュール704(図8)を含む。



【0167】
注入オーダは、ブロック308(図4)を参照して説明した許可を要求することができる。図6では、薬剤師による処方許可及び医師による処方許可は、薬局許可機能ブロック508及び医師許可機能ブロック510において別個に検討される。医師による許可510は、注入オーダが医師によって開始される場合には要求する必要はないかもしれない。注入オーダは通常、該オーダが治療場所106において薬剤師又は医師以外の臨床家によって作成される場合には、薬局による許可508及び医師による許可510を必要とする。しかしながら、薬剤124が直ちに必要な場合、注入システム210は、投与臨床家が処方許可508及び医師許可510をバイパスすることを可能にする。緊急オーダ又は日常の投薬に対する非緊急オーダの場合には、注入システム210は、臨床家116が患者112に施すことを望んでいる医療に関連する情報が患者医療システム100に格納されていないことを判定することができる。臨床家116が所望の医療を開始する権限を有することを注入システム210が認識した場合、システム210は、ブロック508及び510に行くことなく医療を実施することを許可する。次いで、この許可は、以下の投薬において取得される。
【0168】
注入オーダに基づく準備506は、限定するものではないが、薬局、看護センタ、フロア、及び治療場所106などの医療施設全体にわたる幾つかの場所において達成することができる。準備506は、薬剤124を調剤する指示を与える段階と、薬剤調剤にあたっての過誤の可能性を最小限に抑える段階とを含む。
【0169】
薬剤投与512は、治療場所106において行われる。注入システム210は、オーダの実施を可能な限り効率的且つ正確に行うように設計されている。注入システム210は、正しいポンプ設定で、正しい時間に、正しい経路を介して、正しい薬剤を正しい患者に正しい量で投与するツールを管理臨床家に提供する。アラート、アラーム、リマインダ、又は他のメッセージが臨床家の薬剤投与を支援するのに適切である場合、投薬管理モジュールが、メッセージングモジュール520に状態情報出力を提供する。状態情報出力に応答して、メッセージングモジュール520が、関連するテキストメッセージ、可聴表示イネーブル、又は両方を、1台又はそれ以上の電子計算装置に転送する。
【0170】
当業者に知られているように、注入オーダは、頻繁に修正される。注入システム210は、修正514を実行し、注入オーダ修正についての説明を行う。修正514は、注入持続時間、流速、注入部位の変更、及び停止オーダ516の修正を含む。修正ブロック514は、注入オーダ修正を実行するのに必要な機能ブロックをも含む。
【0171】
注入システム210は、停止オーダ516を規定した患者医療システムワイド100を含むことができる。患者の状態の変化により、適切な措置に対するメッセージ520を生成することができる。注入システム210は、退院又は死亡の際に、転送インターフェース310と協調して自動的にオーダを停止する516。
【0172】
システム100は、在庫・請求書発行モジュール518を含む。在庫・請求書発行モジュール518は、患者医療に関連する金銭上の取引が最小限の人間の介在によって進行することを可能にする。投薬管理512の完了は、請求書発行インターフェース312を介した患者への請求書発行をトリガすることができる。請求書発行インターフェースは、HL7インターフェースを含むことができる。患者が注入オーダ準備506の完了に基づいて請求される場合、在庫・請求書発行システム210は、貸方記帳工程を含む。貸方記帳工程は、注入バッグが廃棄又は薬局の在庫管理システムへの再登録のために返却される際にトリガすることができる。
【0173】
注入システム210は、患者医療システム100全体のエンティティと通信するためのメッセージモジュール520を含む。具体的には、メッセージモジュール520は、患者医療システム100内の1つ又はそれ以上の電子計算装置へ、テキストメッセージ、可聴表示イネーブル、又は両方を送信する。メッセージは、患者医療システム100内の投薬管理モジュール又は他の注入システムモジュールによって提供される状態情報出力に応答して送信される。メッセージは状態情報出力と関連しており、従って、臨床家の投薬管理を支援するのに適切なアラート、アラーム、リマインダ、又は他のメッセージを提供する。
【0174】
例えば、医師が新たなオーダを入力すると、薬局にメッセージが現れ、注入オーダに許可が必要であることを薬剤師に知らせる。同様に、注入オーダが適切に許可されると、臨床家116は、デジタルアシスタント118上に、注入オーダを注入スケジュール704に従って処理すべきであると臨床家116に知らせるメッセージを受け取る。オーバーライド566は、医師及び/又は薬局に対してメッセージを生成することができる520。注入システム100は、メッセージを生成する520ことが必要であるか否かを決定する際に、システム全体のオーバーライドとサブシステムのオーバーライドを区別することができる。メッセージング520は、中央システム、薬局、医師、請求書発行モジュール、及び在庫モジュールに送受信されるメッセージを含む。
【0175】
本システムは、臨床家116に、パーソナルコンピュータディスプレイビューを提示することができる。パーソナルコンピュータディスプレイは、臨床家の患者に関する未解決の臨床上の問題点を要約したビューを提供する。臨床家116は、患者に関する詳細な情報を迅速に取り出すことができる。本システム100はまた、特定の重篤な患者状態がある場合に、デジタルアシスタント118又は他の通信装置に対して電子メール若しくはページを生成することもできる。
【0176】
図6には、患者医療システム100において生じる幾つかの通信路をも示している。強調表示された通信路は、注入システム210の説明を容易にするために提供されている。当業者は、患者医療システム100をネットワーク上で実施すると、図6の強調表示された経路を介して、また図6には示していない代替的経路を介して、種々の機能ブロックが互いに通信することができるのが分かる。システムパラメータを設定するブロック502は、経路522を介して注入オーダ作成ブロック504へシステムパラメータに関連するデータを通信する機能、及び/又は注入オーダ作成ブロック504からデータを受け取り、受け取ったデータがどのようにシステムパラメータと関連しているかを注入オーダ作成ブロック504に通知するデータを提供する機能を含む。
【0177】
注入オーダは、経路524を介して、注入用調剤ブロック506へ直接渡すことができる。注入オーダは、調剤ブロック506へ送る前に、経路526を介して薬局許可ブロック508へ、且つ/又は経路528を介して医師許可ブロックへ渡すこともできる。経路530は、調剤領域から治療場所106への薬剤124の送達を強調している。送達は、投薬処置カート132を用いて達成することができる。経路532、534、536、及び538は、在庫・請求書発行518トランザクションを、限定するものではないが、注入オーダ作成504、準備506、薬剤投与512、及び修正514のような種々の他の機能に結び付けることができることを強調している。経路572、574、及び576は、患者医療システム100に含まれるより多くの数の機能及びアクタが、メッセージ520ブロックを介して情報を生成並びに受信することができることを強調している。経路582は、薬剤師がシステムのデフォルト値544を生成し且つ/又は変更することができることを強調している。また、経路580は、システム100全体にわたる種々の機能単位が、注入オーダなどの情報を利用できることを強調している。
【0178】
図7は、図6のシステムパラメータ設定502用機能要素を示すブロック図である。システムパラメータ設定502は、限定するものではないが、許容範囲設定542、デフォルト値設定544、データベース構築546、関数定義548、及びシステム設定値決定550を含む。許容範囲542は、限定するものではないが、正味投薬許容範囲542a、流速許容範囲542b、投与時刻許容範囲542c、投与システム持続時間542d、投与持続時間許容範囲542e、及び部位変更許容範囲542fなどの許容範囲を含む。注入システム210はまた、オーダエントリ及びオーダされた許容範囲からの修正に対する別個の許容範囲をも含むことができる。例えば、限定するものではないが、投与システム持続時間542d、オーダエントリにおける最大注入持続時間オーバーライド使用可能度設定、及び投与における最大注入持続時間オーバーライド使用可能度設定などの別個の許容範囲を識別することができる。
【0179】
正味投薬許容範囲542aは、所与の時間に患者に投与するのに安全な薬剤の最大濃度である。注入システム210は、正味投薬許容範囲を薬剤と関連付ける。正味投薬許容範囲542aは、薬剤データベース内の薬剤識別ファイル内に定義することができる。注入オーダ作成504中、注入システム210は、流速560e、特定の時間に必要な注入バッグの数562a、各注入バッグ内の主成分の濃度、各注入バッグが投与されることになる時間、各注入バッグの総量を決定することができる。流速は、手動で入力するか又は各注入バッグの最終濃度又は持続時間を変更することにより調整することができる。一実施形態では、注入システム210は、正味濃度チェック564a(図8)を行い、薬剤が最大濃度を越えないことを保証する。しかしながら、臨床家116が最終濃度を調整することによって流速を変更している間に溶液の最終濃度が薬剤の最大濃度を越えるに至ったいかなる時点においても、注入システム210は、投与臨床家にメッセージを送る520。投与臨床家は、正味投薬許容範囲542aをオーバーライドする許可を得ることができる。注入システム210は、オーバーライドの理由を提供するように臨床家116に要求することができる。
【0180】
注入システム210は、投薬に対する調整可能な流速許容範囲542b及び流速調整許容範囲を含むことができる。流速許容範囲542bは、患者医療システム100の全ての組織レベルに対して任意選択的に定義される。許容範囲542bは、患者医療システム100全体に対するもの、又は患者医療システム100のサブシステムに対するものであることができる。例えば、異なる流速許容範囲542bを、限定するものではないが、新生児部門、小児部門、精神科部門、特定看護部門などのサブシステム、及び特定の患者に適用することができる。流速許容範囲542bは、当初にオーダされた流速に対して、又は直前の流速に対して特定することができる。臨床家116も、特定のオーダに特異的な流速許容範囲を特定することができる。
【0181】
注入システム210は、投与臨床家116が新たなオーダを必要とすることなく流速許容範囲542bをオーバーライドすることを許可されているか否かに関する所定の表示を含むことができる。この表示は、患者医療システム100全体、サブシステム、又は個々の臨床家116に適用することができる。
【0182】
最大注入持続時間542dは、患者医療システム100の様々な部分に対して別個に定めることが可能である。最大注入持続時間542dは、特定の薬剤124に特異的であることもできる。最大注入持続時間オーバーライド566(図8)は、オーダエントリの時点において最大注入持続時間542dをオーバーライドすることが許容される場合に行うことができる。投与における最大注入持続時間のオーバーライドは、投与の時点において最大注入持続時間542dをオーバーライドすることが許容されるか否か、及び、どのグループのユーザがそのようにすることを許可されるかを設定するために提供することができる。オーダエントリ及び/又は投与中にオーバーライドすることが許容される場合、注入システム210は、最大注入持続時間542dをオーバーライドする権限を有する臨床家116のサブセットを定義することができる。
【0183】
デフォルト値544は、限定するものではないが、薬剤希釈剤デフォルト値544a、希釈剤量デフォルト値544b、投与量デフォルト値544c、及び測定単位デフォルト値544dなどのデフォルト値を含む。測定単位(UOM)デフォルト値544dは、患者医療システム100の様々な部分に最適な測定単位を特定する能力を含む。例えば、薬剤は、医師、投薬臨床家、薬剤師、財務担当者、及び薬剤選別者によって、異なる単位で測定することができる。医師のUOMは一般に、「vial」及び/又は「puff」とは対照的に、「mmol」、「mEq」、「ml」、並びに/若しくは「mg」のような測定可能な値である。医師のUOMは、オーダリング及び情報入力560などの業務用に用いられる。
【0184】
投与臨床家のUOMは一般に、「puff」、「tbsp」、及び「tab」のような、薬剤が投与されることになるUOMを反映する値である。投与臨床家のUOMは、薬剤投与512中に用いられる。投与臨床家のUOMはまた、投与報告書、混合剤充填・製造作業オーダなどの文書化にも現れることができる。
【0185】
薬局のUOMは一般に、「tab」、「vial」、「inhalator」、及び「jar」のような、薬剤が中で調合される物理的形状を反映する値である。薬局のUOMは、準備506及び備蓄・調剤システムにおいて用いられる。財務UOMは一般に、請求書及び納品書上に現れる財務上の数値を計算するために用いられる。薬剤選別者のUOMは一般に、薬剤を選別する際に用いられる。
【0186】
測定単位のデフォルト値544dは、チェックマークが種々のUOMをUOMのユーザと関連付けるテーブル内に配置されたチェックボックステーブルを用いて特定することができる。注入システム210は、1つより多い機能に対して同一のUOMを用いることができる。例えば、医師のUOMは、薬剤師のUOMと同一であることができる。デフォルト値設定544には、種々のUOMを調整するのに必要なデータが含まれる。例えば、UOMのデフォルト値544dは、種々のUOM間に一対一の対応関係を生成するのに必要な乗数及び除数を含むことができる。UOMのデフォルト値544bは、個々の臨床家の要望に適するように変更することができる。しかしながら、一対一の対応関係は、患者医療システム100によって維持されなければならない。注入システム210は、投薬単位デフォルト値の履歴を維持するように設計することができる。
【0187】
注入システム210はまた、投薬測定接尾辞をも含むことができる。投薬測定接尾辞は、オーダエントリ中にデフォルト値をとることができる。投薬測定接尾辞は、投薬測定の共通単位とすることができ、また体表面積及び体重などの患者の特徴に関連する単位を含むことができる。投薬測定接尾辞は、投薬測定接尾辞は、薬物ごと、オーダタイプごと、投与量ごと、及びUOMごとに指定することができる。
【0188】
データベース構築546は、データベース、及び/又は、限定するものではないが、調剤領域546a、添加剤情報546b、溶液546c、予混合の定義546d、好み546e、タイミングオーバーライドの理由546f、流速オーバーライドの理由546g、変換テーブル546h、流速記述546i、機器・ルーティング情報546j、及びメッセージトリガ546kなどの単一データベースの一部の構築を含む。
【0189】
タイミングオーバーライドの理由546fは、注入オーダのタイミングを変更するための表示可能な理由を含む。例えば、タイミングオーバーライドの理由546fは、当初の注入オーダに特定された時刻以外の時刻に注入オーダを実行するための、デジタルアシスタントディスプレイ118a用のスタイラスによって選択可能な理由を含むことができる。臨床家116がオーダされた投与時刻許容範囲542c外において薬剤を投与する場合、臨床家116は、表示された理由1008f(図11)から変更の理由コードを選択するように要求されることができる。他の理由コードの例には、限定するものではないが、PRN投与理由コード及び注入を停止するためのコードが含まれる。
【0190】
薬剤124及び/又は注入オーダは、システムの流速許容範囲542bを含む流速許容範囲を有することができる。注入システム210は、流速オーバーライド理由テーブル546gを含むことができる。流速オーバーライド理由546gは、臨床家116が流速許容範囲542bによって定められた限度を越えて流速を変更する必要のある場合に、臨床家116が選択及び/又は提供することのできる注釈である。注入システム210は、定義済みメッセージトリガ546kを含み、臨床家116がオーダによって定義された流速許容範囲をオーバーライドする場合に患者の医師にメッセージを送るべきか否かを示すことができる。注入システム210はまた、臨床家116が流速許容範囲542bのような許容範囲をオーダ以外のレベルに定めてオーバーライドする場合にメッセージのやりとりを行うべきか否かを示す定義済みメッセージトリガ546kをも含むことができる。
【0191】
注入システム210は、限定するものではないが、流速変換テーブル、可変成分変換テーブル、及び可変流速変換テーブルなどの変換テーブル546hを含むことができる。流速変換は、オーダが、限定するものではないが、特定の濃度での投与量/時間、体重/時間の単位当たりの量、体表面積/時間の単位あたりの投与量、及び総投与量並びに総持続時間などの方法で最初に特定されている場合に、注入オーダを量/時間によって定められた流速に変換する工程を含む。
【0192】
可変成分変換は、別個の注入バッグ内に可変成分を有する注入オーダの複数の流れ時間を目下投与中の注入バッグに対する流速に変換する工程を含む。可変成分を有するオーダには、限定するものではないが、順序付きオーダなどのオーダが含まれる。順序付きオーダにおいては、異なるバッグが、異なる成分及び潜在的に異なる流速を有する。
【0193】
可変流速変換は、様々な流速を有する注入オーダの目下注入中の溶液に対する流速への変換を含む。可変流速オーダには、限定するものではないが、ボーラス/ベイサル(basal)、オーダ、投与量オーダの漸減及び投与量オーダの修正などのオーダが含まれる。
【0194】
注入システム210は、所定注入流速542bを含むことができる。所定注入流速542bは、流速記述546iと関連付けることができる、流速をキーボードから入力する工程からのショートカットとして、ドロップダウンリストからの選択を可能にする。
【0195】
定義済み関数548には、限定するものではないが、調剤領域関数548a、バッグ持続時間関数548b、オーバーライド要求検証関数548c、持続時間対量関数548d、持続時間対流速関数548e、及び流速対点滴速度関数548fなどの関数が含まれる。注入システム210は、注入オーダごとに注入すべき量を決定するための持続時間対量関数548dを含むことができる。流速対点滴速度関数548fは、医療機器330に関する情報を用いて、流速を点滴速度に変換する。
【0196】
決定された設定550には、限定するものではないが、オーバーライド許可550a、流速精度550b、量精度550c及び時間精度550dなどの設定が含まれる。所望であれば、注入システム210は、総注入量及び注入オーダの流速を決定することができる。これらの数値が決定されれば、計算された値を、医師、薬剤師、及び看護師などの臨床家116が理解できる流速精度550b及び量精度550cに丸めることが望ましい。流速表示精度550bは、流速を設定された数の小数位まで表示するように設定することができる。患者医療システム100の様々な部分が、表示される流速に対する精度を単独で決定することができる。例えば、注入システム210は、成人治療場所に対しては小数点第1位まで、新生児治療場所に対しては小数点第3位まで表示することができる。流速精度550bは、臨床家の患者が置かれている科を反映する。注入オーダの流速は、システム定義済みの精度に丸めることができる。精度は、全ての注入オーダに対して同一としてもよく、患者の科に依存してもよい。
【0197】
量表示精度550cは、同様に、設定された数の小数位まで注入量を表示するように設定することができる。設定可能な時間精度550dは、注入が単回投与の注入又は間欠注入である場合に流速に基づいて投与の持続時間を計算するために用いることができる。計算された各注入バッグの総量は、量精度550cに従って丸められる。投与時間は、設定された時間精度550dに従い、注入システム210によって丸められる。時間精度550dは、患者の科に関係なく全ての注入オーダに対して同一であってもよく、科別であってもよい。
【0198】
(オーダ作成)
図8は、図6の注入オーダ作成504用の機能要素を示すブロック図である。注入オーダ作成504は、注入オーダを作成するための機能ブロックを含む。注入オーダ作成504には、情報入力560、計算562、チェック564、及びオーバーライド566が含まれる。情報入力560には、限定するものではないが、オーダタイプ識別560a、薬剤識別560b、投与量識別560c、希釈剤識別560d、流速識別560e、及び注入部位識別560fなどの機能が含まれ得る。



【0199】
注入オーダ作成504は、注入バッグ準備506、注入バッグ送達(経路530)、薬剤投与512、及び注入オーダ修正514にリンクされている。注入オーダタイプ560aには、限定するものではないが、単回投与、負荷投与、間欠投与、及び持続投与などのオーダタイプが含まれる。持続注入には、交互注入、逐次注入、漸減注入、及び滴定注入が含まれる。注入オーダにおいて最初の薬剤560bを選択すると、該薬剤用の注入オーダタイプ560aの書式は、デフォルト値をとることができる。オーダする臨床家は、異なるオーダタイプを選択する選択肢を有することができる。投与量560c及び測定単位544dもデフォルト値をとることができる。測定単位544dは、薬剤及び/又は投与量544cと相関させることができる。注入システム210は、薬剤に対して、1種類のデフォルト希釈剤、又は数種類のデフォルト希釈剤を含むことができる。1つのデフォルトは、好ましい希釈剤として識別することができる。記述を希釈剤と関連付け、オーダする臨床家がどの希釈剤を選択すべきかを決定するのを支援することができる。希釈剤に関する記述に参照を含めることができ、患者が高血圧症である場合に特定の希釈剤の使用を回避することができる。
【0200】
注入システム210はまた、先に述べた注入オーダタイプに基づいて付加的な注入オーダサブタイプ560aを可能にすることもできる。付加的な注入オーダサブタイプ560aには、限定するものではないが、TPN注入オーダ、化学療法の持続注入オーダ、ピギーバック注入オーダ、及び大量非経口注入オーダが含まれ得る。注入オーダサブタイプには注入システム210の様々な部分からアクセスすることができ、サブタイプによる注入オーダの分類及びフィルタ処理を可能にしている。注入オーダサブタイプのオーダ及び関連する薬局のワークフローを更にカスタマイズするために、各注入オーダサブタイプに対する特別なラベル形式も定めることができる。
【0201】
注入オーダ作成504中に薬剤124を探索している際に、臨床家116の注入オーダ作成を支援するために、薬剤124に添加剤及び/又は溶液のフラグを立てることができる。この指定は、薬剤識別ファイル内で行うことができる。
【0202】
薬剤の投与量560cは、限定するものではないが、体重、体表面積によるなどの幾つかの方法で決定し、速度に応じて入力することができる。流速が入力されない場合、注入システム210が、特定された投与量及び時間に応じて流速を計算する。オーダする臨床家は、希釈剤560d及びその量を特定することができる。薬局は、そのようなパラメータに対するデフォルト値を提供することができる-線582参照(図6)。薬剤560bに対する正味濃度564a及び流速564bが適切であることを保証するために、チェック564を行うことができる。
【0203】
注入システム210は、患者の体重、体表面積、及び/又は特定の治療頻度及び治療継続期間に基づいて、流速560eを特定並びに/若しくは計算することができる。オーダされた流速560eは、システムの流速許容範囲542bなどの流速許容範囲に対してチェック564bされる。薬剤124の正味濃度は、システムの正味濃度許容範囲542aなどの正味濃度許容範囲に対してチェック564aすることができる。
【0204】
一実施形態では、流速560eは、オーダの入力を促進するために、デフォルト流速に関する記述の表示をも含むことができる。流速560eは、流速記述データベース546iを参照することができる。
【0205】
計算562は、患者の体重及び/又は身長(おそらくはADTインターフェース310によって提供される)、薬物の量、希釈剤の量、濃度、若しくは速度に基づく投与量の計算を含むことができる。計算562は、限定するものではないが、流速、処方箋に特定されていない場合、バッグの数量562a又は特定の時間に必要な注入バッグの数、各注入バッグが投与されることになる時間、及び溶液中の成分の濃度に基づいた各注入並びに各注入バッグの総量の計算を含むことができる。流速、注入されることになる量及び/又は持続時間は、変更することができる。変更された場合、注入システム210は、変更に依存する量を自動的に計算し、計算に基づいて、その濃度における成分の最大投与量が該成分の薬剤ファイルに特定されたものを超える場合、患者医療注入システム210は、薬剤師及び/又は臨床家116に警告し、その調整に対する理由コードを要求することができる。
【0206】
計算562は、限定するものではないが、バッグ量計算562a、変換計算562b、持続時間対量の計算562c、及び流速対点滴速度の計算562dなどの計算を含むことができる。チェック564は、注入オーダが受けることのできる様々なチェックを含む。チェックには、限定するものではないが、正味濃度チェック564a、流速チェック564b、投与時刻チェック564c、持続時間チェック564d、及び注入部位チェック564eなどが含まれる。注入オーダがチェック564に引っかかった場合、臨床家116は、該チェックを無効にすることができる。オーバーライド566は、限定するものではないが、正味濃度オーバーライド566a、流速オーバーライド566b、投与時刻オーバーライド566c、持続時間オーバーライド566d、及び注入部位オーバーライド566eなどのオーバーライドを含むことができる。オーバーライド566は、医師及び/又は薬局に対するメッセージを生成する520ことができる。注入システム210は、メッセージを生成する520ことが必要であるか否かを決定する際に、システム全体にわたるオーバーライドとサブシステムのオーバーライドを区別することができる。



【0207】
オーバーライドは、臨床家が許容範囲をオーバーライドする権限を有するか否かの表示を含むことができる。例えば、流速オーバーライド566bは、注入オーダを入力している臨床家がシステムの流速許容範囲542bをオーバーライドする権限を有しているか否かを表示することができる。この表示は、患者医療システム100又はサブシステムに適用することができる。持続時間オーバーライド566dは、注入オーダを入力している臨床家116がシステムの持続時間542dをオーバーライドする権限を有しているか否かを表示することができる。この表示は、患者医療システム100又はサブシステムに適用することができる。オーバーライド566はまた、オーバーライドの理由566fの表示をも含む。オーバーライドの理由568fは、臨床家116がドロップダウンメニューから選択することができる。



【0208】
注入オーダ作成504の結果が注入オーダ702である。注入オーダ702は、注入スケジュール704を含むことができる。注入システム210は、注入オーダ702がアクティブである限り、時間を予測し、要求に応じて特定されない場合、該時間に対する注入バッグの充填のための注入スケジュール704を生成することができる。オーダする臨床家は、注入オーダに対して終了日を特定する必要がない。注入システム210は、注入システム210に定められた許容範囲542に基づいた注入バッグ送達の自動スケジューリングを含むことができる。
【0209】
(オーダ準備)
図9は、図6の注入オーダ準備506用の機能要素を示すブロック図である。注入準備506は、注入オーダ702(図8)を準備するための機能ブロックを含む。注入準備506は、限定するものではないが、準備場所の決定506a、成分スキャン506b、バッグ持続時間チェック506c、及び薬剤ラベル124a用のバーコード印刷506dを含むことができる。バーコード印刷506dは、ラベル印刷326(図4)を参照して上述した機能を含むことができる。
【0210】
注入オーダが注入システム210に入力された後、準備指示が準備場所にルーティングされる。準備場所は、注入システム210の準備プログラム506及び注入要素に依存する。注入システム210は、注入オーダが準備されることになる場所を特定する準備領域データベース546aなどの調整可能なデータベースを含むことができる。注入オーダは、薬局、又はフロア若しくは治療場所106のような遠隔位置で準備することができる。臨床家116は、デジタルアシスタント118又はディスプレイを有する他の装置上に表示することのできるイベント管理情報を用いて、成分のバーコード確認を含む準備工程を通じて誘導される。
【0211】
薬剤ラベル124aは、成分及び成分濃度を識別する。薬剤ラベル124aは、どの位置にも印刷することができる。薬剤ラベル124aは、バーコード印刷506dを含むのが好ましい。バーコード印刷506dは、各注入バッグ用のバーコードラベル124a印刷を含むことができる。ラベル124aは、正しい薬剤が正しい時間に且つ/又は正しい順序で投与されることを保証するのを支援する。交互注入オーダ及び逐次注入オーダは、特に、順序誤り及びタイミング過りを招きやすい。バーコード印刷506dは、注入オーダ702の各バッグに対する独自のバーコードラベルの印刷を含むことができる。バーコード印刷506dはまた、注入バッグ内の成分の組み合わせ及びそれらの成分の濃度を独自に識別するバーコードラベル124aの印刷をも含むことができる。薬剤124用バーコードは、接頭辞、接尾辞、及び全米医薬品コード(NCD)を含むことができる。一実施形態では、バーコードは、ロット及び期限切れをも含むことができる。代替的に、ロット及び期限切れを含む別個のバーコードを提供してもよい。アクティブRFIDタグ又はパッシブRFIDタグ、磁気帯等を含むバーコードの他の実施形態を用いてもよい。
【0212】
(薬剤投与)
図10は、図6の薬剤投与512用の機能要素を示すブロック図である。薬剤投与512は、薬剤を患者112に投与するために用いられる機能ブロックを含む。薬剤投与512は、薬剤バーコードの読み取り512a、患者バーコードの読み取り512b、有効期限チェック512cの実行、滴定通知512d、流速対点滴速度の表示512e、「随時」注入開始512f、運転パラメータのダウンロード512g、及び時間監視512hを含むことができる。注入システム210はまた、漸減オーダ及び交互オーダなどの1つ以上の流速を有する可能性のあるオーダを、目下投与中の注入バッグに対する流速に変換することもできる。注入システム210はまた、逐次オーダなどの異なる成分の入った注入バッグを有するオーダを、目下投与中の注入バッグに対する流速に変換することもできる。
【0213】
薬剤124の投与と同時に、臨床家116は、薬剤ラベル124aをスキャンする。注入システム210は、注入オーダの実行を開始する際、流速を変更する際、バッグを交換する際、及び/又は注入オーダを停止する際にバーコードを付したラベル124aをスキャンする工程を含む。注入システム210は、バーコードを付したラベルを有する注入バッグがその時に且つ患者112に対して投与されるべきであることを確認する。流速及び投与された量を含む薬剤投与の履歴は、収集して維持することができる。幾つかの注入オーダは、注入バッグのほんの一部分の特定の量を投与しようといった意図をもって、注入バッグの吊り下げを要求する。注入システム210は、臨床家116が注入バッグのある量を投与することをオーダするのを可能にする。ほとんどの注入ポンプが、投与すべき量又は流速及び時間を定める機能を有している。いったんこの時間が経過すると、注入ポンプは、その後の投与を自動的に防止する。注入システム210は、投与臨床家に対するリマインダとして、薬剤ラベル124aに、それを部分的に投与すべきであり且つ適切な量を投与すべきであるというメッセージを提供する。
【0214】
流速対点滴速度表示512eは、流速対点滴速度関数548fにより生成されたデータを用いて、投与臨床家に、目下の注入バッグに対する点滴速度を提供する。薬剤投与512中、臨床家116は、デジタルアシスタント118を用いて、流速及び他の運転パラメータをチェックすることができる。流速変更1002b(図11)は、リアルタイムで通信される。
【0215】
注入システム210は、PRN注入又は「随時」注入の開始512fを含むことができる。「随時」注入開始512は、新たなアクティブオーダの作成及びPRN薬剤の調剤を生じさせる。この選択肢は、臨床家116に、患者に対してなされた先行PRNオーダのリストからPRN注入を選択するように促す工程と、要求された注入バッグのデフォルト値を1に設定する工程とを含むことができる。臨床家116は、要求された注入バッグの量を変更する権限を有することができる。
【0216】
運転パラメータのダウンロード512gは、医療と関連付けられた患者識別子及び/又はリストバンド112aから取り出した患者識別子が中心位置における医療と関連付けられた患者識別子と同一であるか否かを判定する工程を含むことができる。判定は、第1のコンピュータ、例えば第1の中央サーバ109によって行われることが多い。注入システム210が種々の患者識別子が同一でのものはないと判断した場合、本システムは、アラームメッセージ520を生成することができる。種々の患者識別子が同一であると注入システム210が判断した場合、注入システム210は、医療機器332へ直接運転パラメータをダウンロードすることができる。注入システム210は、運転パラメータを、注入ポンプ120などの医療機器332に送ることができる。
【0217】
システムプログラム210の1つの利点は、医療機器332をプログラムするのに運転パラメータを利用できるようになる前に、医療機器332に対する運転パラメータが、デジタルアシスタント118又は遠隔位置のどのような他のコンピュータも通過する必要がない点である。遠隔位置のコンピュータをバイパスすることは、患者112へ薬剤124を投与するにあたっての潜在的な過誤の源を排除する。医療機器332に対する運転パラメータは、様々な検証が達成されると仮定すれば、医療機器332へ「直接」送ることができる。この脈絡において、「直接」とは、デジタルアシスタント118又は遠隔位置のどのような他のコンピュータも通過することなく運転パラメータを医療機器へ送ることができることを意味する。
【0218】
別の実施形態では、注入システム210は、中央コンピュータが第2の薬剤識別子を受け取る追加ブロック(図示せず)を含むことができる。遠隔位置の臨床家116は、第2の薬剤識別子を入力することができる。第2の薬剤識別子は、改訂された第1の薬剤識別子であることができる。例えば、第2の薬剤識別子は、第1の患者ID及び運転パラメータの発生源である処方箋又は電子医師オーダの一部であることができる。次いで、注入システム210は、運転パラメータを医療機器へ送る前に、第1と第2の薬剤IDが同等であることを確認することができる。第2の薬剤IDは、処方が入力される時点と薬剤124が治療場所106に到着する時点の間で、改訂された第1の薬剤IDに置き換えることができる。次いで、第2の薬剤識別子が薬剤ラベル124aに含まれていた第1の薬剤識別子と同等でない場合、注入システム210は、警報を鳴動させることになる。更に別の実施形態では、注入システム210は、運転パラメータが医療機器332をプログラムするために用いられる追加ブロック(図示せず)を含むことができる。
【0219】
ブロック512などの注入システム210の様々なブロックが、デジタルアシスタント118上に治療情報を表示する機能を含むことができる。これは、注入ポンプ120のディスプレイ120c上の情報を正確に映し出す情報を表示する機能を含むことができる。注入ポンプ120のディスプレイ120c上の情報は、患者112、患者の位置、及び注入オーダに関する情報で補完することができる。この情報は、注入ポンプ120の複数のチャネルに関する情報を含むことができる。表示される情報は、限定するものではないが、性格、プロンプトライン、状態表示行、操作アイコン及び揚程表示などの情報を含むことができる。操作アイコンは、滴下、停止符号、流れチェックピギーバック、及び遅延開始を含む。揚程表示は、薬物ラベル及び注入速度などの情報を含む。当業者は、上述の表示情報及び操作アイコンには精通している。
【0220】
注入システム210の時間監視機能512hは、オーダを完了するための残りの時間及び投与すべく残っている注入オーダの量を計算する。臨床家116が注入オーダの実施、流速の変更、及び注入状態のチェックのために注入システム210を用いる場合、注入システム210は、投与すべく残っている時間及び量を計算し、計算結果がバッグの一部分を用いることになることを示した場合、それを示す。例えば、全量を投与する前に停止すべきオーダの最終バッグの際、及び/又は全量を投与する前に交換しなければならないオーダのバッグの際に、臨床家116は、デジタルアシスタント118並びに/若しくはカート132上にアラートを受ける。アラートは、「150mlのみ投与」などのメッセージを含むことができる。
【0221】
時間監視512hは、バーコードスキャンを用いて、流速に対してなされたあらゆる変更を追跡する機能を含む。薬局は、変更に従って次に必要な注入バッグの準備506を調整するようにリアルタイムで通知される。準備506及び薬剤投与512の監視により、薬剤124のジャストインタイムの送達が可能となる。ジャストインタイムの送達は、注入オーダの中止又は修正による無駄を減らす。監視はまた、患者112の安全も保証する。
【0222】
PRNオーダの滴定に関しては、オーダ内の滴定条件に流速を変更しなければならないことが示されている場合、臨床家116は、必要な流速変更について自動的に通知を受ける。注入システム210は、流速の滴定速度への変換548fを計算するための定義済み関数を含む。注入システム210によって定義された値は、調整可能とすることができる。注入システム210は、処置を施している間臨床家116を支援するために、流速の点滴速度への自動変換548fを含むことができる。
【0223】
(オーダの文書化及び修正)
図11は、注入オーダの文書化1012、及び図6の注入オーダの修正514並びにメッセージング520用の機能要素を示すブロック図である。修正514は、既存の注入オーダを修正するために用いられる機能ブロックを含む。修正514は、新たなオーダを作成して既存の注入オーダを更新することと見ることもできる。修正514は、修正変更1002、通常、新たなオーダに対して全てのオーダリングオプションが利用可能である1004、再チェック1006、再チェックオーバーライド1008、及び新たな流速対新たな点滴速度の表示1010を含むことができる。注入オーダの修正は文書化1012及び、メッセージング520につながることが多い。修正514は、処方修正モジュール336(図4)に関して説明した機能を含む。しかしながら、修正514には、限定するものではないが、処方箋エントリ324、処方箋起動306、及び処方許可308などの患者医療システム100の他の部分からもアクセスすることが可能である。
【0224】
修正514には、持続時間の修正1002a、流速の修正1002b、新たな注入部位の使用1002c、修正理由の識別1002d、注入バッグの量の識別1002e、及び停止オーダの処理1002fが含まれる。臨床家116は、患者112が嘔吐しているときのように、患者112が不快感を訴えている場合又は体液平衡を促進する場合には、オーダなくして注入速度を変更することもできる。
【0225】
修正変更1002には、新たな持続時間の識別1002a、新たな流速の識別1002b、新たな注入部位の識別1002c、修正理由の識別1002d、注入バッグ内の残量の識別1002e、停止オーダ516が含まれる。最初の注入オーダ作成504中に利用可能なオーダリングオプションは、通常、注入オーダの修正に対しても利用可能である。最初のオーダ作成504中に利用可能なオーダリングオプションには、図8に示すものが含まれる。再チェック1006及び再チェックオーバーライド1008は、図8を参照して説明したチェック564並びにオーバーライド566に類似している。新たな流速対新たな点滴速度の表示1010は、臨床家が薬剤投与512中に過誤の可能性を最小限に抑えるのを支援する。修正された注入オーダは、修正された注入スケジュールをもたらすことができる。



【0226】
流速は、注入が不注意によって短時間停止された場合に調剤のスケジュールを変更することなく遅れを取り戻すためなどの理由により、治療場所106において頻繁に修正される。そのような修正では、新たな注入スケジュール704を薬局に連絡する必要はないかもしれない。他の場合には、新たなスケジュール704は、薬局又は他の調剤スタッフに連絡しなれればならない。流速の修正1002bは、注入オーダのスケジューリング変更及び/又は適切な臨床家116に対するメッセージ520をトリガする。
【0227】
臨床家116が治療場所106において注入システム210に流速の修正1002bを入力する際に、臨床家116は、注入スケジュール704を再計算して薬局に送信することを選択することもできる。臨床家116は、バーコード印刷506dモジュールによって新たな薬剤ラベル124aを印刷することを要求する選択肢を有する。新たな薬剤ラベル124aは、先に準備された注入バッグのいずれかに関する新たな情報を反映するデータを含む。
【0228】
注入システム210及び/又は臨床家116は、注入部位の修正1002cを要求することができる。部位は、コンピュータ画面上の解剖図のリストから選択することができる。臨床家116には、修正の理由を識別する1002dように要求することができる。限定するものではないが、タイミングに関するオーバーライドの理由546f及び流速に関するオーバーライドの理由546gなどのデータベースに格納された理由を、臨床家116による識別を容易にするために表示することができる。医師がオーダした修正に対する別個のハードコードされた理由が存在し得る。医師がオーダした修正に対しては、医師を識別するように臨床家116に要求することができる。
【0229】
修正を実行する前に、現在の注入バッグ内の残量が識別される1002e。臨床家116には、修正前の流速及び/又は量の表示値から計算された量を受け取るオプションを提供することができる。
【0230】
所望であれば、現行の注入を停止する1002fことができる。オーダの停止が要求されない場合、例えば同一の注入バッグを新たな流速及び/又は新たな追加薬剤と併せて使用することができ、古い流速を識別して修正された流速と比較することができる。
【0231】
先に準備されたどの注入バッグも、新たな注入スケジュール704に基づいて期限切れをチェックすることができる。一時的な停止若しくはオーダ保留の後に注入オーダが再開される際に、すでに準備されていた溶液の期限切れに関して期限切れチェックを行うことができる。
【0232】
新たな注入スケジュール704は、薬局又は他の準備場所における準備506を制御するために用いられる。システムのデフォルト値544は、いずれかの準備されたバッグを請求書発行インターフェース312を通じて患者112に対する貸方に記入すべきか否か、及びそれらを在庫に対する貸方に記入すべきか否かに関して設定することができる。
【0233】
注入オーダ変更1002は、新たなオーダに対して利用可能な全てのオーダリングオプション1004を含む。修正された流速は、限定するものではないが、正味濃度1006a、流速1006b、投与時刻1006c、持続時間1006e、及び注入部位1006fなどの規則及び許容範囲に関して再チェック1006することができる。オーバーライド1008は、許容範囲外の修正に対して利用可能とすることができる。注入システム210はオーバーライド及び当初のオーダに特定された時刻以外の時刻に投与中の薬剤に対する理由を表示する1008fことができる。臨床家116には、修正に対する理由を識別するように要求することができる。
【0234】
注入システム210は、修正された流速1002と関連付けられた修正された点滴速度を示す表示を臨床家116に提供することができる。表示情報は、流速対滴速度548fの定義済み関数によって計算することができる。注入システム210には、点滴速度を計算するのに用いるために、注入システム210内で用いられる典型的な注入チューブに関する記述を提供することもできる。
【0235】
修正は、注入システム210による注入バッグの期限切れの確認及びオーダの完了前に注入バッグの期限が切れる場合の臨床家116へのメッセージの提供をもたらす。メッセージは、薬局と連絡をとるように臨床家116に要求することができる。限定するものではないが、あらかじめ混合された溶液及び注入システム210外で製造された溶液などの溶液に対する注入バッグの期限切れの確認は、スキャンコードの構文解析を含むことができる。
【0236】
流速オーバーライド1008bは、注入オーダを修正する臨床家116が新たな注入オーダに対する承認を要求することなくオーダされた限界をオーバーライドする権限を有するか否かを表示することができる。この表示は、患者医療システム100又はサブシステムに適用することができる。
【0237】
文書化1012は、リアルタイムで注入オーダ情報を取り込む。文書化には、同時実施中の複数の注入、及び限定するものではないが、持続時間変更1012a、流速変更1012b、量変更1012c、及び注入部位変更1012dの文書化が含まれる。



【0238】
注入システム210は、臨床家116が流速におけるあらゆる変更を変更が生じているときに捕捉するのを支援することができる。臨床家116は、モルヒネ注入の流速を4mlから2mlに減らすことのなどの、注入オーダにおいて要求される流速変更を行うことができる。注入システム210は変更を新たなオーダとして認識することができるが、注入システム210は、修正されたオーダが新たなバッグの生成をもたらさないように、重複を回避するように設定することができる。
【0239】
文書化1012は、限定するものではないが、注入一時停止、注入中止、及び/又は注入再開などの変更を文書化する機能を含む。臨床家116は、注入部位に欠陥がある、注入が外れているなどの様々な理由によって注入を停止することができ、且つ/又は患者112の動きを促進するために注入をヘパリン/生理食塩水ロックすることができる。注入は、新たな部位/注入が回復されたときに再開することができる。しかしながら、これにかけることのできる時間の長さは可変であってもよく、通常、注入システム210によって記録される。
【0240】
政府規制では、注入投与の工程における全ての停止の追跡が要求されることが多い。注入システム210は、投与臨床家116が薬剤ラベル124aをスキャンし、許容範囲設定542によって生成された許容範囲のような許容範囲に基づいて流速を調整1002aすることにより、デジタルアシスタント118又は他のコンピュータ装置上に流速の修正を文書化することを可能にする。流速の修正1002bは、関連する薬局の注入スケジュール704にリアルタイムで対応し、患者治療領域106に対するジャストインタイムの注入バッグの在庫管理を保証する。文書化1012は、特定の状況下で、オーダの遡及適用を可能にすることができる。
【0241】
注入システム210は、注入部位1012d及び複数の注入部位に対する複合注入1012eを文書化する機能を含む。多くの状況において、患者112は、幾つかの注入薬剤が1つの部位に流入し且つ他の注入薬剤が別の部位に注入されるように、複数の薬剤124及び「未-済」注入を有することができ、例えば、モルヒネ注入、右腕(部位1)に注入される抗生物質及び生理食塩水並びにTPN及び二重管腔CVL(部位2)内に流入する2/3&1/3。注入システム210は、どの部位を通じて様々な流体が注入されているかについて臨床家116が文書化することを可能にする。集中治療室のような治療場所106においては、2つ以上の多くの注入薬剤を、1つのライン又は1つの管腔内に流入させることができる。臨床家116は、CVLのどの管腔に注入又は薬剤が流入しているかを示すことができる。
【0242】
注入システム210は、注入用の部位の位置1012d及びどのような部位位置の変更も文書化する機能を含む。注入部位は、閉塞又は方策により、頻繁に変更される。従って、臨床家116は、注入が外されその後再開された場合に部位位置の変更を文書化しなければならない。
【0243】
注入システムは、集中型の装置構成を提供する。注入ポンプ120などの医療機器に対する運転パラメータは、デフォルト値及び/又は許容範囲を含むことが多い。デフォルト値及び/又は許容範囲、例えば流速許容範囲542bは、注入システム210、並びに/若しくは機器332に関連付けられた記憶装置内に常駐させることができる。例えば、注入ポンプ120は、関連付けられた流速許容範囲を有する薬剤のテーブルを有するデータベースを含むことができる。臨床家116が関連付けられた流速許容範囲を越える流速を入力した場合、臨床家116は警告を受け、次いで、続行することを許可されるか、又は続行を禁止される。心拍数モニタなどの機器332はまた、アラートに対して設定可能な許容範囲をも有することができる。アラートに加え、ネットワーク名、IPアドレス、ポーリング周期、及び色などの多くの他の特徴を一般に、機器332に対して設定することができる。注入システム210は、医療機器332を1台又はそれ以上の中央コンピュータから個々に又はグループで設定する機能を含む。
【0244】
システム設定パラメータは、第1の種類の医療機器に対して定義することができる。システム設定パラメータは、特定の第1の種類の機器がその特定の第1の種類の機器に適用されるより特定的な設定パラメータを有していない限り、第1の種類の機器によって送受される。例えば、第1の複数の第1の種類の医療機器は、一般的医療処置の場所に配置することができる。第2の複数の第1の種類の医療機器は、集中的医療処置の場所に配置することができる。一般的医療処置の場所は、特定の設定パラメータを有しないかもしれず、一方、集中的医療処置の場所は特定の治療パラメータを有しない。システム設定パラメータは、特定の設定パラメータが例えば集中的医療処置の場所に適用されない限り、注入システム210全体にわたる全ての第1の種類の医療機器、即ち一般的医療処置の場所内の機器に適用されることになる。
【0245】
各種類の機器に対し、特定のグループに分けられた機器全体にわたるその種類の全ての機器に適用されるパラメータは、特定の機器がそのような定義を有するグループに属する場合、該特定の設定パラメータが注入システム210内のより更に特定的なレベルにオーバーライドされない限り、システム設定パラメータをオーバーライドする。グループは、臨床サービス、看護室、及び/又はサービスと看護室の組み合わせとして定義することができるかもしれない。
【0246】
各種類の機器に対し、ユーザは、あらゆる他の定義をオーバーライドする特定の範囲の属性を有するオペレーションに用いられる種類の全ての機器に適用される設定パラメータのセットを定義することができる。病院においては、オペレーションは、注入オーダ及び患者の体重、薬物、患者の病態、及び患者の重症度を含むかもしれない属性からなる可能性がある。
【0247】
機器は、一般的なグループ、特定のグループの一部として識別し、且つ/又はデータベース内のテーブル内の機器アドレスを含むことにより、特定の患者に関連付けることができる。次いで、一般的な又は特定の設定パラメータを、機器の識別情報に従って該機器に送信することができる。次いで、その特定の設定パラメータを、注入システム210にリードバックし、最初に送信された設定パラメータと比較して、最初の設定パラメータが機器332によって正しく受信されたことを確認することができる。設定パラメータが正しく受信されなかった場合、注入システム210は、矛盾又は通信障害を識別するメッセージ520を提供することができる。
【0248】
注入システム210は、中央コンピュータを経由せずに機器においてなされた設定パラメータに対する変更を検出し、メッセージ及び/又はアラート520を送信することができる。注入システム210はまた、機器に、それらの設定パラメータを確認するようにポーリングすることもできる。システム及び/又は特定の設定パラメータが変化すると、該変化を、注入システム210において識別されたグループ分けに従ったグループに属すると本システムにおいて識別された全ての機器332に伝播することができる。
【0249】
本書類及び関連の特許請求の範囲全体を通じて、「中心位置」及び「遠隔位置」は、互いに相対的な用語である。「遠隔位置」は、患者112が注入ポンプ120を通じて治療を受けている患者治療場所106のような、制御された医療機器を通じて患者が治療を受けている任意の場所である。「中心位置」は、限定するものではないが、薬局のコンピュータ104の位置及び中央システム108のような、医療機器を運転するためのパラメータにアクセス可能な、遠隔位置以外の任意の場所である。典型的な配置では、治療場所106などの幾つかの遠隔位置は、中心位置と連通している。
【0250】
本開示はシステム210内の注入ポンプ120の使用に焦点を当てているが、本発明の範囲を逸脱することなく他の医療機器をシステム210内で用いることができることが理解される。例えば、様々な種類の医療機器には、限定するものではないが、注入ポンプ、人工呼吸器、透析機等が含まれる。追加の種類の医療機器は、微小電子機械システム(MEMS)構成要素である。MEMSは、大きさをミリメートルより小さくすることのできる極めて小さい装置を創り出すのに用いられる技術である。MEMS装置は一般に、ガラスウエハ又はシリコンから製造されるが、この技術は、半導体産業その起源をはるかに越えて成長している。各MEMS装置は、光学素子、流体素子、電気素子、化学元素及び生物医学的要素に加えて運動する機械的部品を組み込むことのできる、チップ上に統合されたマイクロシステムである。得られたMEMS装置または要素は、圧力、振動、化学物質、光、及び加速を含む多くの種類の入力に応答する。MEMS構成要素は、様々な種類のポンプ、フローバルブ、流量センサ、チューブ、圧力センサ又は要素の組み合わせを含む幾つかの異なる要素とすることができる。



【0251】
従って、以下の詳細でさらに説明されるように、MEMS構成要素の1つの利用法は、図53に概略的に示すインラインMEMSポンプ5314としての利用法である。MEMSポンプ5314は、点滴用バッグ5320内に含まれた流体を、チューブ5312を通じ、アクセス用装置5324を通じてそこから患者の体内にポンピングすることができる。MEMS構成要素は、それに取り付けられたMEMSの局所的電子機器要素を有しており、MEMSの電子機器要素は、外部の耐久性を有するMEMS制御装置に接続し、該MEMS制御装置が、本明細書に記載する本発明の注入ポンプ120のように、システム210と通信することができる。MEMSポンプ5314の一実施形態では、MEMSの電子機器要素5332は、MEMSポンプ5314に内蔵されており、MEMSパラメータの操作情報を格納することができるのが好ましい。その電子機器及び電源を有するMEMS制御装置は、物理的に又は無線でMEMSの電子機器要素に接続することができる。一実施形態では、パラメータの操作情報は、取り外し可能なMEMS制御装置5338からロードすることができる。ポンプ要素5314は、MEMSの電子機器5332内に局所的に格納された情報に基づいて、チューブ5312を通る流体の流れを生成するのが好ましい。この情報は、配線式であるが取り外し可能なMEMS制御装置5338からダウンロードされるのが好ましい。更に、MEMS構成要素は、無線通信によってシステム210と通信することができる。更に、MEMS制御装置は、システム210を往来する情報の転送を行うことができ、無線又は有線の通信路を通じた本システム210内のMEMS構成要素の制御及び照会処理を完全に自動化している。



【0252】
MEMS又は他の台頭しつつある経済的な製造技術の利用は、ポンピング、バルビング、及び感知などの付加的機能性を提供する使い捨てラインセットにMEMS要素を追加する機会を提供する。支援用局所電子機器のうちの幾つか又は全部を、ラインセットの使い捨て部分に含めることもできるであろう。例えば、ポンプ、圧力センサ、及び/又は流量センサ、バルブ、若しくは使い捨て要素の組み合わせに対する較正情報を含むメモリチップを含めることは好ましいかもしれない。廃棄性は、後続の各適用間でのシステム構成要素の費用のかかる滅菌に対する必要性を排除するので望ましい。
【0253】
(ポップアップウィンドウ)
一実施形態では、本システムは、ポップアップウィンドウを介して、1種類又はそれ以上の薬剤に関連する情報を臨床家に自動的に提供することができる。薬剤テーブルは、中央データベース108bに入力されるのが好ましい。薬剤テーブルは、1種類又はそれ以上の薬剤の一般名、及びそれに関連する任意の商品名を含むことができる。薬剤テーブル内の各薬剤に、ポップアップウィンドウを介した表示用のそれぞれのメッセージがリンクされている。メッセージは、医療施設が定めるか、又はシステム供給者があらかじめ定めることができる。各薬剤に関連付けられたメッセージは、1)例えば取り扱い又は暴露の際の薬剤に関連する危険、2)臨床家による薬剤の投与法、3)薬剤に関する医師の参照情報、4)薬物注入用の適切なポンプチャネル、及び5)ピギーバック注入に対するローラクランプの開放などの注入設定手順に関する警告に関するのが好ましい。
【0254】
ポップアップウィンドウは、CPOEを介して医師によって薬剤がオーダされている際、薬剤が薬局等によって処理されている際、及び臨床家によって薬剤が患者に投与されている際などの、薬剤が計算装置内に選択又は入力される際に表示される。一実施形態では、遠隔位置の計算装置上での薬剤の選択又は入力が完了すると、中央システム108内のデータベースがアクセスを受け、該薬剤に関連付けられたポップアップウィンドウメッセージのうちの少なくとも1つが遠隔計算装置に提供され、臨床家に表示される。
【0255】
薬剤に関連付けられたポップアップウィンドウメッセージのうちの少なくとも1つは、薬剤オーダ、処理、及び投与手順の特定のステップの開始と同時に、表示用に提供されるのが好ましい。例えば、CPOEなどの計算装置への薬剤の入力と同時に、該薬剤に関する医師参照情報に関するメッセージを有するポップアップウィンドウが表示され、一実施形態では、該薬剤に関連する危険に関する別のポップアップウィンドウを表示することができる。次いで、薬局等によるオーダの処理の際に、薬局内の計算装置104上に1つ又はそれ以上のポップアップウィンドウが表示され、薬剤に関する一般情報、及び薬剤に関連する発生し得る危険が提供される。次に、臨床家によってオーダが実行されている際に、薬剤の投与に関する情報、また、一実施形態では、薬剤の取り扱い方法などの薬剤に関連する発生し得る危険を知らせるために、臨床家に関連付けられた計算装置(即ちハンドヘルド118)上に1つ又はそれ以上のポップアップウィンドウが表示される。
【0256】
計算装置上に表示されるポップアップウィンドウは、薬剤オーダ、処理、及び臨床家によって実行中の投与手順におけるステップに特定のものであるのが好ましい。例えば、医師参照情報を含むポップアップウィンドウは、ハンドヘルド装置118を介して看護師に表示されないのが好ましい。それにもかかわらず、一実施形態では、薬剤が特定の計算装置に選択又は入力される際にポップアップウィンドウを表示すべき時と場合は、ユーザ若しくは病院が定めることができる。
【0257】
ポップアップウィンドウを表示すべき時と場合を薬局が定めるのも好ましい。例えば、ポップアップウィンドウは、普通薬に対しては表示されないのが好ましい。その代わりに、ポップアップウィンドウは、ポップアップウィンドウ内の追加情報が薬剤のオーダリング、調剤、又は投与を支援することになると薬局若しくは医療施設が考える薬剤に対して表示されるのが好ましい。
【0258】
(薬剤の投与)
薬剤124を注入システム210で投与する方法を以下に説明する。本方法は、注入オーダを修正する機能を含む。修正には、流速、注入部位の修正、注入の一時的停止、注入の再開、及び新たな薬剤124容器の吊り下げが含まれる。本方法は、患者に関連付けられたバーコード512bをスキャンする工程と、薬剤に関連付けられたバーコード512aをスキャンする工程と、注入が混合物である場合に期限切れを確認する工程512cと、修正の理由を選択する工程1002dと、注入バッグの残量を記録するか又は前の量及び流速から計算された値を受け取る工程1002eとを含む。注入バッグの期限切れの確認512cは、混合物テーブル及び/又はバーコードの使用を含むことができる。
【0259】
修正の理由は、定義済みテーブル546gから選択することができる。修正の理由は、医師がオーダした変更に対するハードコードされた値をも含むことができる。ハードコードされた値を選択する場合、臨床家116は、医師のリストから医師を選択するように促される。主治医は、医師のリスト内のデフォルト値とすることができる。
【0260】
薬剤124の投与を停止させるための迅速選択機能、例えば停止オーダ1002fがあってもよい。迅速選択が選択されない場合、以下の工程を含むことができる。流速を記録し且つ/又は流速に関する前値を受け取る工程-前値は、デジタルアシスタントのディスプレイ118a上、注入ポンプのディスプレイ120c上、及び/又は医療用カート132上に表示される;前流速をオーダされた流速と比較する工程-この比較は、注入システム210又はサブシステムの規則及び許容範囲を用いて達成することができる;適切なメッセージを表示する工程;流速と点滴速度との間の変換を表示することができる1012-変換は、注入システム210に定義済みの点滴速度変換テーブル548fに基づいて計算することができる。注入システム210は一般に、チューブに基づく記述を用いて臨床家116が正しい点滴速度変換を選択するのを容易にする。
【0261】
流速を変更する工程は、注入システム210が予定流速に基づいて注入バッグの有効期限を確認する工程をトリガする。溶液の有効期限が投与前又は投与中に切れる場合、例えば「この溶液の有効期限は予定投与期間中に切れる。薬局に連絡のこと」といったメッセージが臨床家116に送信される。それがあらかじめ混合された注入バッグ及び/又はカスタマイズされた注入バッグである場合、有効期限は、可能であれば、スキャンコードを構文分析することによって確認される。前注入部位が受け入れられるか、又は新たな注入部位の位置が、リスト若しくはグラフィカルな解剖図から選択される。次いで、スケジュール704が再計算され、薬局の在庫補充が実行される。注入システム210は、患者及び臨床家116を識別するためのバイオメトリクスを含むことができる。
【0262】
臨床家116が注入システム210にアクセスするのを許可する前に、注入システム210は、臨床家116の識別に関連する情報にアクセスする。注入システム210は、臨床家116のバッジ116aを読み取るためのバーコードリーダなどの装置を用いて、臨床家116を識別することができる。本システムはまた、臨床家116を確実に識別するために、臨床家がシステムの許可されたユーザであることを保証するために、また臨床家116が注入システム210の各部分にアクセスする権限を有するか否かを判断するために、バイオメトリクスを用いることもできる。注入システム210は、臨床家116が注入システム210にアクセスするのを認可するために、臨床家バッジ116a、又は他のキー、及び検証済みの生物測定による一致の組み合わせを要求することができる。本システムはまた、臨床家バッジ116aが臨床家バッジ116a、又は他のキーを読み取るために用いられる機器の近傍から除去されている際には、注入システム210へのアクセスを終了するように設定することもできる。
【0263】
バイオメトリクスは、測定された生物学的データを統計的に解析する技術及び科学である。バイオメトリクスの1つのフィールドは、指紋などの固有の物理的特徴を判定するフィールドである。バイオメトリクスは、個人を注入システム210のようなデジタルシステムに対して識別することを可能にする。デジタル型の人物が生成され、トランザクション及び対話をより便利で安全なものにする。識別のための生体測定学上の特徴には、限定するものではないが、指紋、顔、虹彩及び網膜の走査、並びに声識別などの特徴が含まれる。バイオメトリック装置は、スキャニング装置又は読み取り装置、スキャンした情報をデジタル形式に変換するためのソフトウェア、及び格納された記録との比較用にバイオメトリック情報を格納するための記憶装置を含む。ソフトウェアは、アルゴリズムによって処理されたデータのうちの特定の一致点を識別し、該データを比較する。パスワード、PINコード、及びスマートカードとは異なり、注入システム210のバイオメトリクスは、遺失、忘却、又は盗まれることがあり得ない。
【0264】
バイオメトリックスキャナは、臨床家116のバッジ116aを読み取るための装置と関連付けることができる。例えば、バイオメトリックスキャナは、バーコードリーダのハンドル上の親指指紋リーダとすることができる。別の実施形態では、バイオメトリックスキャナ及び電子キーリーダを、携帯用薬剤カート及び/又は医療機器上に配置することができる。臨床家116が電子キーを医療機器から特定の距離内に置くと、プロセッサは、それが求めるべき特定の個人の電子バイオメトリック識別ファイルを見分けることになる。注入システム210は、臨床家116に彼のバイオメトリック情報をスキャンするように促すのが好ましい。バイオメトリック情報は、ある種のバイオメトリック読取装置又はバイオメトリックスキャニング装置によって注入システム210に入力される。スキャンされたバイオメトリック情報と事前に格納された特定の個人の電子バイオメトリック識別ファイルとの間に一対一の比較が行われる。この一対一の一致比較は、それが一致を求めて臨床家データベース全体を探索することを必要としないために、一対多の一致ファイルよりも効率的である。代わりに、1つのみの特定の比較が行われる。一致点がある場合、次いで、臨床家116は、医療機器332へのアクセスを許可される。一致点がない場合、臨床家116は、アクセスを拒絶される。
【0265】
更に、別の実施形態では、医療機器は、制御装置を有しない。例えば、医療機器は、制御装置を有しないポンピング装置とすることができ、逆に、別個の制御装置から制御信号を単に受け取るだけである。一実施形態では、そのような医療機器に対する制御装置は、第1の中央コンピュータ109とすることができる。従って、第1の中央コンピュータ109は、医療機器に直接制御信号を送信し、該医療機器を制御することができる。
【0266】
別の実施形態では、注入システム210が臨床家116に対してアクセスを許可した後、注入システム210は、電子キーがバイオメトリックスキャナ、又はバイオメトリックスキャナの近傍から除去されるときに、そのアクセスを終了する。電子キーをそれ以内に保持しなければならない近傍は、あらかじめ定めることができ、且つ/又は可変でプログラム可能な注入システム210のパラメータとしてもよい。
【0267】
一実施形態では、注入システム210は、暗号化されたデジタル指紋テンプレート、臨床家の氏名、ログイン名、及びパスワードを含む。臨床家識別子を実装する1つの技術には、Dallas Semiconductor technologyが提供している「IBUTTON 400」が含まれる。注入システム210は、臨床家が指を指紋スキャナ上に置いたときに起動することができる。注入システム210が一致点を見つけると、注入システム210は、注入システム210にログインするように臨床家116に要求することができる。注入システム210が生物測定学的一致を見出さない場合、本システムは、臨床家116が注入システム210にアクセスするのを許可しない。
【0268】
別の実施形態では、バイオメトリック情報を格納しているデータベースを、中央システム108、薬局のコンピュータ104、及び/又は治療場所106内に保持することができる。治療場所106では、このデータベースは、携帯用カート132、デジタルアシスタント118、及び/又は医療機器332内で維持することができる。このような分散されたデータベースは、たとえネットワーク102が様々な位置間で通信を行うことができない場合でも、遠隔装置にアクセスすることを可能にする。ネットワーク102通信が回復したときに、遠隔及び中央データベースを他の位置で修正されたあらゆる情報と同期させ、これにより両方の注入システム210のデータベースを適切に更新することができる。
【0269】
注入システム210は、閉ループの注入療法管理システムを提供する。閉ループは、臨床家116オーダで開始する。他の方法の中で、臨床家116は、デジタルアシスタント118及び/又は医療用カート132を通じてオーダを入力することができる。その後、オーダは、薬局許可508及び医師許可510に対してリアルタイムで利用可能となる。オーダは、電子薬剤投与記録(eMAR)としてリアルタイムで利用可能である。eMARは、注入実施のために臨床家116が利用できる。注入システム210は、薬剤投与512及び流速変更1002bなどの修正514を、自動的に文書化する。薬剤投与512の工程を通じて、注入システム210は、注入システム210及び/又はサブシステムの在庫・請求書発行518を同時に調整する。注入システム210はまた、イベント管理及び決定支援データをも提供する。注入システム210は、それがワークステーション、無線タブレット、及びハンドヘルドデジタルアシスタント118上で作動することができるという意味で、装置独立型である。注入システム210は通常、リアルタイムで作動するが、注入システム210の工程の様々な段階を調整するために、バッチ処理及び他のメッセージングを用いることができる。
【0270】
閉ループの注入療法管理システムは、注入オーダエントリ560、オーダ準備506、及び注入状態の可用性を含む。注入オーダエントリ560は、限定するものではないが、処方箋エントリモジュール324、処方修正モジュール336、及び薬局インターフェース316などの幾つかの手段を通じて可能である。コンピュータ画面400は、注入オーダを入力する際に用いることができる。注入状態は、患者112別の注入の利用法を提供し、薬局に追加注入バッグの必要性を知らせる。
【0271】
(臨床家の注入システムとの対話)
更に、注入システム210は、臨床家116が注入システム210にアクセスできるかどうかを判断するために、ログインシステムを用いることができる。注入システム210に対するログインシステムのインターフェース画面の一例を、図19のログイン画面1903に示す。そのインターフェース画面に、臨床家116がユーザ名とパスワードの両方を入力し、「ログイン」キーをクリックする。システム210は、ユーザ名及びパスワードがシステム210に対して有効であることを確認するために、チェックを行う。ユーザ名若しくはパスワードのいずれかが有効でない場合、システム210は、図20に示すログイン画面2005において、ログインできなかったことを臨床家116に通知することになる。次いで、臨床家116は、ユーザ名及びパスワードを再入力してなんらかのエラーを修正する機会を有することになる。ユーザ名及びパスワードが有効である場合、臨床家116は、システム210にアクセスできることになる。更に、臨床家116がデジタルアシスタント118にログインしたがそれをある時間使用しない場合、システム210の安全対策により、臨床家116が再度ログインするまで、デジタルアシスタント118がそれ以上使用されることが防止される。
【0272】
主任臨床家も、システム210にログインすることができる。本明細書に詳細に説明するように、主任臨床家は通常、臨床家の直属する上司又は特定の人物である。更に、主任臨床家は、臨床家に対するワークフローを支援するか、又はアラーム状態若しくはアラート状態を監視するのを支援する人物とすることもできる。一般に、主任臨床家は、少なくとも1つの部門全体にわたる監督又は責任の任務を保持する。従って、主任臨床家は、上述したログイン及びパスワードでログインし、次いで主任臨床家に関連する部門を選択しなければならない。
【0273】
臨床家116が図19に示すログイン工程を完了し、システム210へのアクセスを許可された後、臨床家116は、幾つかの管理機能を実行することができる。そのような管理機能の1つは、部門を選択することである。図21の部門選択インターフェース画面2105に示すように、臨床家16は、ドロップダウンメニュー2107から部門を選択することができる。図21に示す例では、臨床家116は、「神経内科ICU」を部門として選択した。臨床家116がドロップダウンメニュー2107から適切な部門を選択した後、臨床家116は、矢印キー4809を押下して選択した部門に入ることができる。
【0274】
臨床家が実行することのできる別の管理機能は、臨床家のシフトを選択することである。図22のシフト選択画面インターフェース2211に示すように、臨床家116は、標準シフト若しくはカスタマイズされたシフトのいずれかを選択することができる。その入力に対して、幾つかの選択可能な標準シフトがドロップダウンメニュー2107に提供される。しかしながら、臨床家116がカスタマイズされたシフトを選択した場合、該臨床家は、該カスタマイズされたシフトに対する開始時刻及び終了時刻を入力するように要求される。臨床家116は、提供されている領域2255に、シフトを手入力し、次いでエンターキー4809をタップすることもできる。
【0275】
患者を見るインターフェース画面2313を図23に示す。この画面2313では、シフトが選択された後、臨床家116は、該臨床家116に関連する患者を見ることができる。臨床家116はまた、該臨床家116に関連する仕事も見ることができる。従って、患者、臨床家の仕事、又は両方に基づいて、「しなければならないこと」のリストを提供することができる。特定の患者に対して要求される緊急医療のレベル間を区別するために、異なるレベルの陰影付け処理及び/又は着色を利用することができる。更に、様々なアイコンを患者に関連付けて用い、患者に必要な医療を臨床家116に迅速に理解させることができる。図23の患者を見るインターフェース画面2313は、ボタン2315で更に患者を追加する機能を臨床家116に提供する。臨床家116が「患者を追加」キー2315を選択すると、臨床家に追加患者のリストを提供することができる。
【0276】
臨床家116にはまた、図24に示す患者選択インターフェース画面2417を提供することもできる。この画面2417で、臨床家116は、該臨床家のシフトに追加すべき患者を選択することができる。患者は、その臨床家に関連する部門からでもよく、異なる部門から患者を追加することを臨床家が選択してもよい。臨床家116はまた、彼らがその患者に付くことになる時間を選択することもできる。更に、臨床家116は、キー2419で更に患者を見つけることもできる。臨床家116がいつでもシフトから患者を除去することもできることも理解される。
【0277】
システム210は、臨床家のシフトに割り当てられた患者に特有の臨床家116にメッセージを提供することもできる。一般的なメッセージは、オーダプロフィールの変更及び薬剤投与ミスなどの項目を含むことができる。
【0278】
図25に示す患者情報メニューインターフェース画面2521も、本システム上で利用可能である。患者情報メニュー画面2521は、選択された患者に関する小型の患者カルテを提供する。患者メニュー画面2521はまた、臨床家116に、薬剤/注入投与、注入停止、注入再開、注入滴定、流速履歴、ポンプ状態、及びシフトからの患者の除去のような患者に関連する項目にリンクする機能をも提供する。患者メニュー画面2521はまた、アレルギー及びHt/Wt、薬歴、及び検査結果に対するタブをも有する。アレルギー及びHt/Wtインターフェース画面2521aの一例を、図25Aに提供する。通常、この画面2521aは、ミニカルテが最初に開かれたときに表示される。それは、患者の薬物アレルギー及び一般的アレルギー、及び患者の身長及び体重の最新記録に関する情報を表示する。薬歴インターフェース画面2521bの一例を、図25Bに提供する。通常、この画面2521bは、臨床家に、選択されたルックバック期間内の患者の薬歴を提供する。ルックバック期間は、臨床家によって調整することができる。最後に、検査結果インターフェース画面2521cの一例を図25Cに示す。検査結果は、検査室インターフェースを通じて、システム210において入手可能となる。全ての入手可能な結果が示され、新たな順に表示される。


【0279】
患者に対する注入スケジュールインターフェース画面2623を図26に示す。この画面2623は、選択された患者に対する注入スケジュールを示す。注入スケジュール画面2623上のモルヒネ硫酸塩に対するオーダ2625などの識別されたオーダのうちの1つをクリックすることにより、システム210は、図26Aに示す薬剤オーダインターフェース画面2627にリンクすることになる。薬剤オーダ画面2627は、特定のオーダ(即ちモルヒネ硫酸塩)に関するオーダの詳細2625を提供する。詳細オーダ2625の一部として、警告2631及び追加情報2633にリンクする機能と同時に、治療パラメータ2629が提供される。



【0280】
図28は、予定された注入のうちの1つが失敗した患者プロフィール注入スケジュールインターフェース画面2835を示す。画面2835に示すように、「投薬失敗」アイコン4837が、予定のモルヒネ硫酸塩注入オーダ2839の隣に示されている。「投薬失敗」アイコン4837をクリックすることにより、システム210は、臨床家116を、図29に示す投薬失敗インターフェース画面2941にリンクする。投薬失敗画面2941は、投薬に失敗した理由2943を入力又はドロップダウンメニュー内で選択するように臨床家116に要求する。投薬失敗インターフェース画面2941はまた、臨床家116に、オーダ2839に対する投薬スケジュールを調整すべきか否かについても問い合わせる。投薬スケジュールを調整するには、臨床家116が、インターフェース画面2941上の選択ボックス2945を選択する。臨床家116がドロップダウンメニューをクリックして投薬に失敗した理由を選択する2943を入力すると、ドロップダウンメニューが、図30のインターフェース画面3047上に示すように展開することになる。通常、投薬がもはや必要ではない場合、臨床家は、「必要なし」の理由3045を選択することになる。投薬の失敗に対して臨床家116が「必要なし」の理由3045を選択すると、システム210は、投薬失敗アイコン4837を除去し、図31の注入スケジュール画面3135に示すように、「必要なし」アイコン4857を挿入する。
【0281】
臨床家116が患者に対して投薬療法又はオーダを施す準備を整えると、臨床家116は、図32に示すように、スケジュールインターフェース画面3235内のオーダ3225を選択し、次いで、「項目を入手する」キー3249までスクロールダウンすることになる。臨床家116が図32の画面3249内で「項目を入手する」キー3249を選択した後、システム210は、図33に示すような薬剤インターフェース画面3351を表示する。薬剤画面3351では、臨床家116は、「薬剤庫」をスキャンするアイコン3353に示すように薬剤庫から選択した薬剤をスキャンするか、「倉庫のスキャンを省略する」キー3355を選択することで倉庫スキャンブロックをスキップする機能を有する。臨床家116が例えば項目上のバーコードをスキャンすることによって項目をスキャンすると、臨床家のPDA118上に項目情報が表示される。スキャン画面3465の一例を図34に示す。例えば、臨床家116が薬剤をスキャンすると、スキャン画面3465上に処方箋3467が表示される。しかしながら、スキャンした項目が患者に対するオーダに合致しない場合、図35に示すようなスキャンエラー画面3569が臨床家のPDA118上に表示されることになる。インターフェース画面3569に示すように、スキャニングエラーが検出されると、画面3569に示すような要求又は探索すべき項目の識別情報が臨床家116に提供されることになる。例えばバーコードラベルの汚れ又は損傷によりバーコードをスキャンすることができない場合、スキャンによって要求されるデータを手入力することができる。
【0282】
選択された薬剤が最近患者に投与された別の薬剤と同一の薬効分類内にある場合、臨床家のデジタルアシスタント118は、警告メッセージを表示する。同様に、その項目が別の臨床家によってすでに取り出されている場合、デジタルアシスタント118は、そのような発生を示すメッセージを表示する。
【0283】
取り出すべきオーダが投与場所における混合である場合、個々の成分がデジタルアシスタント118上に識別され、臨床家116によって取り出されることになる。項目が取り出された後、システム210は、バッグIDを生成し、ラベル124aを印刷するように臨床家116に促す。この時点で、臨床家116は、成分の混合をも行う。臨床家116がラベルを印字出力した後、ラベルがバッグに追加され、それをデジタルアシスタント118でスキャンすることができる。
【0284】
特定のオーダは、オンコール若しくは保留とすることができる。これらのオーダは、図28のインターフェース画面2835のような患者プロフィール画面上に表示される。オンコール若しくは保留のオーダは、閲覧に対してのみ入手可能であり、取り出しに対しては入手できない。これらのオーダは、後に必要に応じて起動される。
【0285】
臨床家116が患者に対して用いられていない薬剤項目を含む項目を有するシナリオも発生する可能性がある。図36のインターフェース画面3657を参照すると、臨床家116は、監視結果により必要としない、患者に面会できない、投薬拒否などの、薬剤を投与しない理由を識別する機能を有する。患者がまだ画面3657内で識別されていない場合、臨床家116は、患者をスキャンするか又は患者の氏名を入力することにより、患者を選択する3661ことができる。更に、臨床家116は、「廃棄/戻る」選択キー3663を用いて入力することにより、薬剤庫の薬剤項目に戻る選択を行うことができる。特定の麻薬及び規制医薬品に対しては、最初に薬剤を入手する工程と該薬剤を倉庫に返却する工程の両方に対して、2つの署名(即ち、一般にログイン及びパスワードの形式の第2の許可署名)を要求することができる。
【0286】
図36のインターフェース画面3657は、臨床家116に、患者IDをスキャンして患者を識別する機能をも提供する。誤った患者をスキャンした場合、又は患者IDが適切にスキャンしない場合、システム210は、スキャンが無効であるというメッセージを表示する。更に、臨床家116が薬剤を投与できない場合、臨床家は通常、図36の画面3657に示すように、薬剤を投与しない理由3659を入力しなければならないことになる。薬剤を投与しない幾つかの理由は、監視結果により薬剤を必要としない、患者に面会できない、又は薬剤が患者によって拒否される、である。
【0287】
臨床家116が患者及び項目又は薬剤の確認を終えたのち、経路確認インターフェース画面3771が表示される。図37に示すように、経路確認画面3771の一例は、臨床家116が経路3773、ライン3775及び部位3777を確認するのを支援する。投薬療法3778も、経路確認画面3771に提供することができる。臨床家が経路3773、ライン3775、及び部位3777を入力した後、臨床家116は、比較ボタン4817を選択することができ、システム210は、入力されたデータが正しいことを確認することになる。
【0288】
次に、臨床家116は、図38のインターフェース画面3881に示すように、ポンプチャネルモードを選択することができる。ポンプチャネルモードインターフェース画面3881では、療法3882が示され、臨床家116は、一次療法3884として療法3882又はピギーバック療法3883を指定するオプションを有する。ポンプの各チャネルが、ピギーバック療法に加えて一次療法を実施する機能を有する。ポンプチャネルモードの選択を完了した後に、臨床家は、ポンプチャネルスキャンを行うことができる。図38Aは、ポンプチャネルスキャンインターフェース画面3885を示す。ポンプスキャン画面3885において、臨床家116は、例えばポンプチャネル121に対応するバーコードをスキャンし、次いで矢印キー4809をクリックする方法などにより、医療機器をスキャンする。



【0289】
臨床家116が(a)例えば図23のインターフェース画面2313上などで患者をスキャンし、(b)例えば図34のインターフェース画面3465上などで薬剤をスキャンし、(c)例えば図38Aのインターフェース画面3885上などでポンプチャネルをスキャンした後に、臨床家116は、注入ポンプをプログラムし、プログラムした注入ポンプのパラメータ又は設定値の薬局オーダのパラメータとの比較を行うことができる。



【0290】
(機器設定値とオーダの比較)
比較工程5200の例示的なフローチャートを、図52に提供する。この工程は、サーバから遠隔で注入設定値をプログラムする工程にも適用することができる。図52を参照すると、比較工程5200は、臨床家116が上記に示したように患者ID112a、薬剤容器ID又は薬剤バッグID124a、及びポンプチャネル121のスキャンを完了した後に、ブロック5202で開始される。患者、薬剤バッグ及びポンプチャネルをスキャンすることにより、関連するベースラインデータの関連付けが行われ、これによりシステム210、より具体的にはサーバ109が、この追加データの更なる解析及び比較を行うことができる。しかしながら、まず第一に、第1の中央サーバ109は、患者、薬剤バッグ及びポンプチャネルに関するスキャン又は入力されたデータが有効な関連付けをもたらすことを保証するために、ブロック5204でチェックを行う。3つのデータ項目が有効な関連付けをもたらさない場合、システム210は、ブロック5206でエラーメッセージを表示し、臨床家116がブロック5202で患者ID、バッグID及びポンプチャネルIDの各々に対するコードを再スキャン又は再入力することを要求する。3つのデータ項目がブロック5204で有効な関連付けをもたらした場合、サーバ109は、以下に説明するように、識別されたポンプチャネル121がサーバ109のデータベースに存在するかどうか、及びそれが利用するために入手可能であるかどうかを判定するために、シーケンスをも実行することになる。
【0291】
ポンプチャネルIDがシステム210にスキャンによって入力された後に、第1の中央サーバ109は、ブロック5208でチェックを行い、選択されたポンプチャネル121が有効であるかどうかを判定する。ポンプチャネル無効の判定に対する種々の理由は、ポンプチャネルが本システム内に存在しない、選択されたポンプチャネルはすでに運転中である等である。ポンプチャネル121のチェックが無効な結果をもたらした場合、エラーメッセージが表示され、臨床家は、無効なチャネルが選択された旨の通知を受ける。臨床家116がポンプチャネルを再スキャンし、ブロック5208で有効なチャネルが認識されるまで、比較工程5200は除外され、ブロック5214に示すように、本システムは、比較を行うことができない。しかしながら、チェックの結果により選択されたチャネル121が有効なチャネルであることが確認された場合、以下に説明するように、本システムは、ブロック5212に進み、適切なリンクを確立する。
【0292】
比較工程5200中のある時点で、第2の中央サーバ108aが、患者ID及びオーダIDに関連するデータを含むXMLメッセージを生成する。比較工程5200に関するフローチャートに示すように、XMLデータは、ブロック5212に先立つ任意の地点で、ブロック5210に示すように、生成して第1の中央サーバ109に転送することができる。しかしながら、第1の中央サーバ109によって第2の中央サーバ108aから受け取られたXMLデータが無効若しくは不完全である場合、比較工程は除外され、ブロック5214に示すように、本システムは、比較工程が進行することを許可しない。逆に、患者ID及びオーダIDに関連するXMLデータが完全で有効である場合、第1の中央サーバ109が第2の中央サーバ108aからXMLデータを受け取った後、比較工程5200は、ブロック5212へ進む。
【0293】
ブロック5212で、第1の中央サーバ109は、患者ID、オーダID及びポンプチャネル121との間にリンク又は関連を確立することを試みる。ブロック5212で第1の中央サーバ109が識別されたデータ間にリンクを確立することができない場合、比較工程5200は除外され、ブロック5214に示すように、システム210は、該工程が進行することを許可しない。更に、システム210は、一部のデータが欠けているか又は不正確であり、本システムは比較を行うことができないというエラーメッセージを表示する。ブロック5212で第1の中央サーバ109が識別されたデータ間に適切なリンクを確立した場合、本システムは、臨床家116がデジタルアシスタント118上の比較ボタン4817を押すように要求されるブロック5216へ進む。ブロック5216で行われている画面のシーケンスの一例を以下に説明する。
【0294】
第1の中央コンピュータ109によって適切なリンクが確立された後、システム210は、図39の比較インターフェース画面3986のような比較インターフェース画面のうちの1つへ進む。この比較インターフェース画面3986において、システム210は、いずれかの比較を行う前に注入ポンプをプログラムせよという指示を臨床家116に与える。比較は、薬剤に対する薬局のパラメータとポンプ設定値とが同調していることを保証するために行うことができる。好ましい実施形態では、本明細書に示す比較工程5200において、システム210は、速度比較を行う。しかしながら、本システムは、速度、量、投与量等などの任意の注入パラメータの単一比較又は同時多重比較を行うことができる。
【0295】
注入が一次注入である場合、比較インターフェース画面3986上の「比較」ボタン4817をクリックし、次いでポンプチャネルを始動する前に指示を待てという指示が与えられる。注入がピギーバック注入である場合、ポンプ120上の開始キーを押し、次いで「比較」ボタン4817をクリックせよという指示が与えられる。ピギーバック注入では、臨床家116がポンプ上の開始キーを押す前にブロック5216で比較ボタン4817を押した場合、通常図42に示すようなインターフェース画面4287が表示され、臨床家にエラー指示が与えられることになる。
【0296】
最初に、比較を行う前に、システム210は、ポンプ120、サーバ109及びデジタルアシスタント118間の通信リンクが引き続きアクティブであることを保証するために、サーバ109にポーリングする。通信リンクがアクティブである場合、比較工程5200が進行する。通信リンクが失われている場合、比較工程は進行することができない。
【0297】
従って、臨床家116が比較ボタン4817を押した後、システム210は、図52に示すブロック5218へ進む。ブロック5218で、システム210は、チャネル121の準備が整っているかどうかを判断する。例えば、注入が一次注入として識別されているがチャネルがすでに稼動している場合、本システムは、ブロック5214にデフォルトし、本システムは比較を行うことができないというエラーメッセージを表示することになる。更に、注入がピギーバック注入として識別され、且つポンプ上の開始キーが押されていない場合、本システムは、図42のインターフェース画面4287にデフォルトし、ポンプ上の開始キーを押してから比較ボタン4817を押すように臨床家116に通知する。
【0298】
比較工程5200はまた、ブロック5220で、ポンプ120をもチェックして、ポンプ120にプログラムされた設定値又は運転パラメータが新鮮なデータを含んでいるかどうかを判定する。一例として、本システムは、比較を要求する前に、ポンプデータのポンプへのプログラミングが特定のタイムリミット(即ち5分)内に完了していることを要求することができる。データが新たなデータかどうかを判定するためのそのようなタイムリミットは、医療施設が設定することができる。データが新鮮なデータではない場合、本システムは、ブロック5214に戻り、データが新鮮ではないというエラーメッセージを表示することになる。次いで、システム210は、比較工程を進めることができるようにポンプ120を再プログラムするように要求することになる。ブロック5220でデータが新鮮なデータであると判定されれば、システム210は、ブロック5222で比較を実行することになる。実際のデータの比較は通常、第1の中央サーバ109で行われる。前述のように、比較は、ポンプにプログラムされたパラメータが医師のオーダと一致するかどうかを判定するためにある。更に、又は代替的に、ポンプ設定値は、遠隔の制御装置又はサーバによって遠隔プログラムすることができる。
【0299】
ブロック5222で比較を行った後に、システム210は、ブロック5224で、一致が存在するか又は不一致が存在するかを判定し、デジタルアシスタントを介して、臨床家116に結果を返送する。
【0300】
比較の結果一致がみられた場合のこれに伴う比較インターフェース画面3987の一例が図39Aに示され、図52のブロック5226に識別されている。この例では、薬局の処方箋パラメータとプログラムされたポンプチャネル設定値が一致する場合、臨床家116は、注入ポンプ120を始動するようにという指示を受ける。



【0301】
ブロック5224で薬局の処方箋パラメータとプログラムされたポンプ設定値が一致しない場合のこれに伴う比較インターフェース画面の一例を、不一致アイコン4825が表示された図40の不一致比較インターフェース画面4087に示す。この結果が生じた場合、システム210は、臨床家116に、ブロック5228で識別した不一致を受け入れること若しくはブロック5230で注入ポンプを再プログラムしてブロック5216で別の比較を行うこといずれかを要求することになる。通常、不一致が生じたパラメータは、不一致画面4807に表示されることになる。不一致が受け入れられる場合、ブロック5232で、そのことがシステムデータベース109に記録される。更に、ブロック5228で不一致が受け入れられる場合、サーバ108aは、臨床家を適切な画面に誘導する。
【0302】
図41は、データの一部を入手できないためにシステム210が比較を行うことができない比較インターフェース画面4187の一例を表示している。具体的には、図41の例では、ポンプの速度設定値がシステム210に入力されていない。従って、この例では速度のような追加データが入力されるまで、システム210は比較を行うことができない。通常、注入がすでに実行中である場合、本システムが更新されたポンプ情報を受け取ることができない場合、システム通信エラーがある場合、又はプログラムされたチャネル情報若しくは薬局処方箋情報のいずれかからのデータに欠落がある場合、システム210は、比較を行うことができない。最後に、図42の比較画面4287は、表示されている更なるステップがとられるまでシステム210が比較を行うことができない別のシナリオを表示している。通常、このインターフェース画面4287は、注入がピギーバック注入であり、且つ臨床家116が、図39のインターフェース画面3986の指示に示すように、比較ボタン4817を押す前に注入ポンプ120上の開始キーを押さずに、図39のインターフェース画面3986内の比較ボタン4817を押した際に提供される。
【0303】
注入ポンプが治療を開始した後、臨床家116は、彼または彼女のデジタルアシスタント118上で、図43に示すポンプ状態インターフェース画面4391内のポンプの状態を見ることができる。ポンプ状態ディスプレイ4391は、所与の患者に対する全ての目下実施中の注入のリストを表示する。通常、注入実施中インジケータ4807、注入待機中インジケータ4810、注入停止中インジケータ4811、未知のアイコン、及び遅延アイコンの5つのアイコンのうちの1つが、この画面内に注入と連動して表示されることになる。ポンプ状態表示4391は、現在の画面が表示されている間はリアルタイムで更新しないが、リフレッシュボタン4819をタップすることにより、最新のリアルタイムのポンプ状態画面が表示される。



【0304】
図44に示すように、臨床家116は、流速履歴インターフェース画面4493を閲覧することができる。臨床家116は、図25に示す患者メニューインターフェース画面2521上の流速履歴リンクをクリックすることにより、流速履歴画面4493に直接移動することができる。流速履歴は、所与のチャネル上の目下の注入に対するプログラムされた流速履歴変更の履歴を示す。通常、そのチャネルに関する最新の処方情報とともに、該チャネルに関連付けられた患者情報も表示される。更に、臨床家116がデジタル装置118上でログインし、シフトを選択し、患者を選択した後、臨床家116は、限定するものではないが、実施された注入の記録、注入停止又は注入再開の記録、注入中止の記録、上述のポンプ流速履歴の閲覧、上述のポンプ注入状態の閲覧、以下に説明するポンプアラーム及びポンプアラートへの対応、メッセージ/通知の閲覧及びメッセージ/通知への応答を含む様々な仕事を、デジタル装置118上で行うことができる。具体的には、実施された注入の記録に関しては、臨床家116が項目バーコード、患者バーコード、及びポンプチャネルバーコードをスキャンした後、臨床家は、上に詳述したように、プログラムしたポンプ設定値を薬局が入力したオーダと比較することができる。通常、臨床家116は、その後ポンプ120を用いて注入を実施し、デジタル装置118を用いて該注入を記録することになる。
【0305】
注入を開始するには、臨床家116は通常、患者のリストバンドバーコード112aをスキャンし、次いで注入バッグのバーコードラベル124aをスキャンする。デジタル装置118によって促されたときは、臨床家116は、図37のインターフェース画面3771に示すように、注入用のライン、部位及び経路を入力並びに比較する。次に、図38の画面3881で、臨床家116は、一次注入又はピギーバック注入を選択し3883、ポンプチャネルをスキャンする。次いで、臨床家116は、医師オーダによって指示されたとおりにポンプをプログラムする。ポンプ120をプログラムする際に、臨床家116は、図39図42に示すように、薬局のオーダとポンプとの比較チェックを行うことを選択する。プログラムされたポンプ設定値が薬局入力オーダと一致する場合、画面4287のようなインターフェース画面が一致を示すことになり、臨床家116は、OKボタン4805をタップして該一致を受け入れることができる。最後に、臨床家116は、ポンプ120上の開始キーを押すことになる。次いで、デジタルアシスタント118が、図49の投与結果記録インターフェース画面4937を表示することになり、臨床家116は、ドロップダウンリスト内の選択肢から適切な結果を入力することができる。これらのステップは、追加の患者及び/又は追加のポンプ若しくはチャネルに対して反復することができる。
【0306】
薬剤を投与する前に、監視中のパラメータ、例えばジゴキシンを投与する前の心拍数、又はモルヒネを投与する前の痛み評価を入力するように臨床家116に促すことができる。監視中のパラメータが薬剤に関連付けられている場合、デジタルアシスタント118上に表示される薬剤の各投与が、臨床家116が値を入力することのできるインターフェース画面へのリンクを有する。監視中のパラメータの入力へのリンク5001を有するそのようなオーダの一例を、図50に表示されたオーダに示す。監視中パラメータのリンク5001が選択された後、図50Aに示すような監視中のパラメータの入力インターフェース画面5003が表示される。そこで、臨床家116は、要求された情報をシステム210内に入力することができる。



【0307】
更に、システム210は、通常は薬剤庫から麻薬又は規制医薬品を取り出す際に、サイクルカウントを監視するように臨床家116に要求することができる。一例を挙げれば、麻薬又は規制医薬品を提供するために倉庫の引出しが開くと、デジタルアシスタント118は、図51に示すようなサイクルカウントインターフェース画面5101を表示することができる。このインターフェース画面5101は、現在貯蔵所又は保管場所にある薬剤の単位をカウントするように臨床家に促し、このデータを提供されたフィールドに入力するように促す。次いで、システム210は、この量を予想カウントと比較する。サイクルカウントが一致しない場合、デジタルアシスタント118は、不一致を示すメッセージを表示し、次いで、再度サイクルカウント画面5101を表示する。サイクルカウントが再び一致しない場合、システム210が不一致を記録することになり、適切な措置をとることができる。
【0308】
必要に応じて、臨床家は、実施中の注入を、それが終了する前に中止することができる。これは、本システム内の注入を中止するための中止オーダによって、若しくはそれなくして行うことができる。中止された注入は、例えばオーダを滴定している場合など、必要に応じて再開することができる。注入中止アイコン4813と注入実施中アイコン4807が両方ともデジタルアシスタント118上に表示されているときは、臨床家116は、デジタルアシスタント118上で患者に対する全ての実施中の注入のリストを表示するために移動するように指示を受ける。そのような注入中止インターフェース画面2727aの一例を図27Aに示す。図27Aでは、中止された注入オーダが強調表示され、中止された注入オーダであるとして示されることになる。次いで、臨床家116は、中止された注入用の溶液容器上のバーコードをスキャンし、次いで患者のIDをスキャンすることになる。次に、図27Bに示すようなインターフェース画面2727bが、臨床家のデジタルアシスタント118上に提供される。インターフェース画面2727bでは、臨床家は、注入が中止された時刻及び注入中止の理由を入力することができる。次いで、臨床家は、注入ポンプ120上の停止ボタンを押すことにより、注入ポンプ120を物理的に停止することができる。



【0309】
注入再開インターフェース画面2727cを図27Cに提供する。中止するためのオーダなくして中止されたと記録されている注入を再開することもできる。注入を再開するには、臨床家116は、最初にデジタルアシスタント118上の適切なインターフェース画面に移動しなければならない。患者メニュー内の注入中止アイコン4811をタップすることにより、その患者に対して現在中止されている全ての注入のリストが、図27Cのインターフェース画面2727cに示すように表示されることになる。再開すべき注入を選択するようにというプロンプトが臨床家に提供される。次いで、臨床家116は、再開すべき注入用の溶液容器上のバーコードをスキャンする。システム210は、スキャンされたIDを患者に対して現在中止されている注入に対するものと比較する。システム210がIDを患者に対して現在中止されているものと比較した後、デジタルアシスタント118が、患者のIDをスキャンするように臨床家116に促す。次いで、システム210がスキャンされたIDが患者のIDと一致することを確認し、その後、システム210は、図27Dのインターフェース画面2727dに示すように、デジタルアシスタント118上に、スキャンされた注入の処方箋を表示し、注入再開に対する施設が定めた理由を選択するように臨床家116に促すことになる。ひとたび理由が選択されると、臨床家116は、ポンプ120で注入を再開し、次いで矢印4809をタップして続行することができる。システム210は、注入を再開されたとして記録する。



【0310】
デジタルアシスタント118に対する種々の画面ショット/インターフェースに示すように、臨床家116を支援するために、様々なアイコンが用いられる。これらのアイコンの多くが図48に示されている。患者リストボタン4801は、タップすると、図23に示す患者リスト画面2313のような患者リスト画面へ臨床家116が直接移動することを可能にするキーである。戻るボタン4803は、タップするとデジタルアシスタント118上の画面を前の画面に戻すキーである。OKボタン4805は、デジタル装置118上に示されているデータを承認するためにタップされる。OKボタン4805をタップすると、通常次の画面が表示される。注入実施中インジケータボタン4807は、選択されたポンプ120及びチャネルに対してプログラムされた注入を現在実施中であることを示す。注入待機中インジケータ4810は、選択された患者、ポンプ120及びチャネルに対してプログラムされた注入が待機状態であることを示す。注入中止インジケータ4811は、選択された患者、ポンプ120及びチャネルに対してプログラムされた注入が中止されたことを示す。注入中止オーダインジケータ4813は、薬局入力オーダにより選択された患者、ポンプ120及びチャネルに対する注入が中止されることになることを示す。医師注記インジケータ4815は、選択された患者、ポンプ120及びチャネルに対する医師の注記の存在を示す。臨床家116は、注記インジケータ4815をタップして注記を見ることができる。比較ボタン4817は、様々な画面に提供され、タップすると、スキャンされた項目と薬局入力オーダとの比較、及び追加の比較をシステム210に実行させる。リフレッシュボタン4819は、最新のデータを更新して画面上に示すためにタップされる。エクジットボタン4821は、臨床家が現在の画面を出て前に表示されていた画面に戻ることを可能にする。エンターボタン4809はOKボタンでもあり、ドロップダウンリスト内の選択肢から選択したデータ若しくはフィールド内に手入力したデータを承認して入力するためにタップされる。比較一致インジケータ4823は、プログラムされたポンプ設定値が薬局入力オーダ情報と一致することを示す。比較不一致インジケータ4825は、プログラムされたポンプ設定値が薬局入力オーダ情報と一致しないことを示す。比較不能インジケータ4827は、本システムがプログラムされたポンプ設定値を薬局入力オーダ情報と比較できないことを示す。ポンプアラーム/アラートインジケータ4872は、アラーム状態又はアラート状態が発生していることを示す。アラーム/アラートインジケータ4872がタップされると、拡大されたポンプアラーム・アラート画面が表示される。アラーム・アラート画面上では、赤色のアラーム/アラートアイコン4872はアラーム状態を示し、黄色のアラーム/アラートアイコン4872はアラート状態を示す。アラーム/アラート消音ボタン4874は、デジタル装置118上の可聴アラートを一時的に消音化するためにタップされる。通信損失インジケータ4833は、ポンプ120及び/又はハブ107がシステム210と適切に通信していないことを示す。この指摘に伴うメッセージには、問題を解決するためにとるべきステップが記載されている。無線モジュールローバッテリアラートインジケータ4835は、ハブ107が現在30分未満のバッテリー残量の予備バッテリーで稼動していることを示す。



【0311】
設定及びデジタルアシスタント118の使用法に関する上述の開示では、これらの機能を実行する臨床家116に関して論じてきた。しかしながら、これらの仕事は、その個人が臨床家116であるか否かを問わず、病院のどのような管理職員又はスタッフによって行うことができることが理解される。
【0312】
(緊急事態通知工程)
図12を参照すると、緊急事態通知システム1200の好ましい実施形態が示されている。通知当事者1210は、通信ネットワーク1220と通信している。当業者は、限定するものではないが、イーサネット(登録商標)ネットワーク、同軸ケーブルネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク、及び無線広域ネットワークを含む種々の通信ネットワークが動作可能であることが分かる。更に、限定するものではないが、Transfer Control Protocol/Internet Protocol(「TCP/IP」)、ワイヤレスアプリケーションプロトコル(「WAP」)、及びユーザーデータグラムプロトコル(「UDP」)などの種々の通信ネットワークプロトコルが使用可能である。更に、通信ネットワーク1220は、より大きい通信ネットワークの一部として動作可能である。例えば、通信ネットワーク1220は、例えば病院内に現存する有線通信ネットワークと通信している無線通信ネットワークとすることができる。
【0313】
通信ネットワーク1220と通信しているのは、通知当事者1210である。通知当事者1210は、病院の臨床家、例えば、看護師、医師、病院管理者、又は保安要員であることができる。通知当事者1210は、患者であることもできる。更に、通知当事者1210は、自動工程、例えば、コンピュータプログラム又は医療機器であることができる。通知当事者1210としての機能を果たす自動工程は、特定の状態又はイベントの発生と同時に通信ネットワーク1220全体にわたって緊急事態通知を一斉同報するようにプログラムすることができる。例えば、自動工程は、患者状態の感知と同時に緊急事態通知を一斉同報するようにプログラムすることができる。
【0314】
緊急事態通知は、一人又はそれ以上のターゲット当事者1230によって受信される。ターゲット当事者1230は、臨床家、例えば医師、及び看護師であることができる。ターゲット当事者1230は、緊急事態対応要員又は保安要員、若しくは環境災害対応班であることもできる。ターゲット当事者1230は、通信ネットワーク1220と通信しているいずれかの個人であることができる。本発明の実施形態は、通知当事者1210に、緊急事態通知を特定の1つのターゲット当事者1230又は複数のターゲット当事者1230、若しくは全てのターゲット当事者1230のみに緊急事態通知を送信する選択肢を提供する。本実施形態は、どのターゲット当事者1230が緊急事態通知を受信するかを通知当事者1210が選択することを可能にする。
【0315】
ターゲット当事者1230及び通知当事者1210は、通信ネットワーク1220によって連通している。当業者は、通知当事者1210及びターゲット当事者1230に提供することのできる様々な通信様式1240が通信ネットワーク1220と通信することが分かる。例えば、通信様式1240は、有線接続、例えばパーソナルコンピュータ又はプログラム可能制御装置とすることができる。通信様式1240は、ハンドヘルドコンピュータ又は携帯電話を通じてイネーブルにされる無線ネットワーク接続とすることもできる。
【0316】
ここで図13を参照すると、通知当事者1210の観点からの通知用インターフェース1300が示されている。当業者は、通知当事者1210が通信ネットワーク1220を介して緊急事態通知を一斉同報する権限を与える様々なインターフェースが分かる。通知用インターフェースは、イントラネット又はインターネットに接続されたウェブサイトとすることができる。通知用インターフェースは、携帯電話又は他の電話、若しくは電子メールによって起動することもできる。一実施形態では、通知インターフェース1300は、広く市販されているのが見られる種類のハンドヘルドコンピュータである。例には、PalmOne,Inc.によって製造されているPalm装置、PalmOne,Inc.によって製造されているVisor装置、Hewlett Packard,Inc.によって製造されているJornada装置、Dell,Inc.によって製造されているAxim装置、Sony,Inc.によって製造されているClie装置、及びToshiba,Inc.、Compaq及びSymbolによって製造されているPocketPC装置が含まれる。
【0317】
一実施形態では、通知用インターフェース1300は、1つ又はそれ以上のオプション1340をリストアップしたメニュー1330を備える。例えば、1つの通知オプション1340は、通知当事者1210が特定の臨床家又は臨床家の種類を緊急事態通知のターゲット当事者1230として選択することを可能にし得る。別の通知オプション1340は、緊急事態通知が誤って送信された場合に通知当事者1210が該緊急事態通知を取り消す選択を行うことを可能とすることができる。追加の通知オプション1340には、患者識別情報、患者の位置、緊急事態の種類、及び期待応答時間に対する入力を含めることができる。
【0318】
ここで図14を参照すると、ターゲット当事者1230の観点からの受信用インターフェース1400の一実施形態が示されている。通知用インターフェース1300と同様に、受信用インターフェース1400は、種々の異なるプラットフォーム上で動作可能であり、且つ本発明の原理の下で引き続き実施可能とすることができる。図13に示す一実施形態では、受信用インターフェース1400は、ハンドヘルドコンピュータである。インターフェース1400は、設定可能な情報2350を表示するための画面1420を含む。情報2350は、患者識別情報、緊急事態の発生位置、緊急事態の種類、及び期待応答時間などの緊急事態通知情報を含むことができる。
【0319】
通知用インターフェース1300及び受信用インターフェース1400の両方とも、任意選択的にホットキー1350、1460で設定される。通知用インターフェース1300に関しては、ホットキー1350は、通知用インターフェース1300自体から自動的に取得される情報を含む緊急事態通知を送信するように設定することができる。例えば、通知用インターフェース1300上のホットキー1350を押すことで、その情報を含む緊急事態通知を自動的に送信するように設定することができる。
【0320】
(アラーム/アラート通知を含むメッセージング&通知)
本システムは、通知及びメッセージを送信する機能を提供する。通知は、限定するものではないが、患者状態リスト、アラーム、アラート、注入スケジュール、オーダ、オーバーライド、警告、治療パラメータ、追加情報へのリンク、投薬失敗、経路確認、比較、流速情報、医師注記、通信の損失、ローバッテリ、投与結果等を含むことができる。本システムは、これら及び追加通知を表示する機能をも提供する。通知を表示する1つの手段は、デジタルアシスタント118上である。通知は、多数の臨床家及び/又は主任臨床家のうちのいずれか1人に提供することもできる。
【0321】
上述したように、通知の1つの種類は、アラーム/アラート通知である。本システムでは、通知を段階的に増大することができる。特定のアラーム/アラートのエスカレーション工程を図15に示す。通常、通知工程は、通知を任意の数の臨床家116に送信するために提供される。図15の識別されたアラーム/アラートのエスカレーション工程1500は、注入ポンプ120などの医療機器上でアラーム又はアラートがアクティブな際に、臨床家の装置118を介して一連の臨床家に通知する機能を提供する。好ましい実施形態では、臨床家の装置は、一般にディスプレイ118a及び可聴音又はサウンドジェネレータ118cを有する、図1及び図3に示すようなパーソナルデジタルアシスタント(「PDA」)118である。説明のためのみに、臨床家の装置を、本詳細な説明においては、以下デジタルアシスタント118として特定する。更に、アラーム/アラートのエスカレーション工程1500は、臨床家がデジタルアシスタント118上のアラーム/アラート通知に応答しなかった場合に、エスカレーション工程を提供する。エスカレーション工程が開始されると、該エスカレーション工程において特定された別の又は第2の臨床家のデジタルアシスタント118に通知が送信される。アラーム/アラート通知はデジタルアシスタント118に送信されるが、通常ポンプのアラーム及びアラートはポンプにおいてのみ解決することができることが理解される。本明細書に説明するように、図15のブロック1580におけるように、デジタルアシスタント118におけるアラーム又はアラートの消音は、ポンプに作用しても、作用しなくてもよい。



【0322】
アラーム/アラートのエスカレーション工程1500は、医療機器120においてアラーム状態又はアラート状態の少なくとも1つ又は両方がトリガされた際に、ブロック1505で開始する。図3に示す好ましい実施形態では、医療機器120におけるアラーム又はアラートのトリガに続き、該アラーム状態若しくはアラート状態に関連するデータを含む信号が生成され、ブロック1510において医療機器120からサーバ109に送信される。無線環境では、無線送信機を有する医療機器120が備えられるか、又は無線ハブ107に接続された医療機器120が備えられる。図3に示す後者の例では、ハブ107は、医療機器120から信号を受信し、該信号を、無線通信路又は無線通信リンク128を介したシステムネットワーク102への伝送に適した形式に変換する。更に、ハブ107がアラーム、アラート又は他の通知が重複通知であることを認識した場合、ハブ107は、該重複通知を廃棄することができる。伝送された信号は、医療環境内の無線アクセスポイント114によって受信される。無線アクセスポイント114は、無線通信路(即ち無線経路128)と図3に示す有線通信路110のような有線通信路との間のインターフェースとなる。
【0323】
サーバ109がブロック1510で送信されたアラーム状態又はアラート状態に関連するデータを受信した後、サーバ109は、ブロック1515で前提条件チェックを行う。前提条件チェック3030は、医療機器120におけるアラーム状態又はアラート状態を特定の患者に関連付ける工程と、該患者を第1の臨床家とも呼ばれる主臨床家に関連付ける工程(この関連付けは、中央システムサービス装置108aで行うことができる)と、第1の臨床家をその臨床家のデジタルアシスタント118に関連付ける工程とを含むことができる。サーバ109は、ブロック1515でのその前提条件チェックにおいて入手した情報を用いて、医療機器120(及び一実施形態では注入ポンプ120の特定のチャネル121)、患者、主臨床家即ち第1の臨床家及び第1の臨床家のデジタルアシスタント118との間の関係を確立する。患者112と臨床家116との間に多対多の関係があることが理解される。従って、多数の第1の臨床家、多数の第2の臨床家、及び多数のn-レベルの臨床家を、1人の特定の患者と関連付けることができる。更に、n-レベルのエスカレーションも本システム内で可能である。
【0324】
通常、サーバ108aは、その内部に、患者対臨床家の多対多の関連付け、及び患者対部門の関連付けを格納している。サーバ108aは、これらの関連付けをサーバ109に伝送し、サーバ109は、これらの関連付けを格納する。同様に、サーバ108aは、主任臨床家対部門の関連付けを、格納のためにサーバ109へ送信する。
【0325】
ブロック1515での前提条件チェックに続き、サーバ109は、患者112から臨床家116への適切なチャネル121マッピングを決定する。ひとたびマッピングが完了すると、ブロック1520で、サーバ109は、第1の臨床家のデジタルアシスタント118がアクティブであるかどうかを判定する。第1の臨床家のデジタルアシスタント118がアクティブである場合、次いで、サーバ109は、存在するアラーム状態又はアラート状態を表す信号を生成する。この信号は、患者の氏名、患者の位置、ベッド識別、部屋識別、アラーム又はアラートの種類、状態の記述、時刻、日付、臨床家の識別及び/又は処方などのデータを含む。好ましい実施形態では、この信号は、サーバ109から無線アクセスポイント114へ伝送される。次いで、ブロック1525で、無線アクセスポイント114が、アラーム状態又はアラート状態に関連する信号を、無線通信伝送を介して臨床家のデジタルアシスタント118へ伝送する。
【0326】
アラーム状態又はアラート状態に関連する信号は、ブロック1525で、主任臨床家、第1の臨床家の部下、又は第2の臨床家にも伝送することができる。このような信号は、無線通信又は有線通信を介して伝送することができる。更に、主任臨床家は、デジタルアシスタント118、デスクトップコンピュータ、又は他のなんらかの電子装置を使用していることができる。主任臨床家は一般に、臨床家が直属する上司又はいずれかの人物である。更に、主任臨床家は、臨床家のワークフローを支援するか、又はアラーム状態又はアラート状態の監視を支援する人物とすることができる。
【0327】
信号は、臨床家のデジタルアシスタント118によって受信され、続いて図15のブロック1530で表示される。このブロックでは、臨床家のデジタルアシスタント118上にアラーム状態又はアラート状態が表示される。臨床家のデジタルアシスタント118上への表示は、可視表示、可聴表示、又は可視表示及び可聴表示の両方とすることができる。更に、可視表示は、1つ又はそれ以上のテキスト、アイコン、シンボル等を含むことができる。同様に、上述したように、可聴表示は、種々のデシベルレベルの様々な可聴音を含むことができる。可視インジケータ及び可聴インジケータは、病院によって設定可能である。図16Aに、臨床家のデジタルアシスタント118上の例示的なアラーム/アラートインターフェースのリスト画面1662aの画面ショットを開示する。アラーム/アラートリストインターフェース1662aは、アクティブなチャネルのアラーム/アラートに現在関連する患者のリストを含む。図16Aに示すように、この臨床家のデジタルアシスタント118は現在、3つのアクティブなアラーム/アラート表示を有する。患者1、1664に関するアラーム状態、患者2、1666に関するアラーム状態、及び患者3、1668に関するアラート状態が存在する。図17に示すように、各患者氏名及び対応するアラーム/アラートアイコンが、適切なポンプアラーム詳細インターフェース画面にハイパーリンクされている。一実施形態では、患者のリストは、このインターフェース画面を表示しているデジタルアシスタント118にログインした臨床家116に現在関連する患者のみを含むようにフィルタ処理される。この臨床家対患者の関連付けは、主臨床家として行っても、一時対応臨床家として行ってもよい。第2の臨床家にも、エスカレーション工程を通じてアクセスすることができる。アラーム/アラートリストインターフェース1662は一般に、通常の臨床家のワークフローの間に臨床家116のデジタルアシスタント118上に表示されるアラーム/アラートアイコン4872をクリックすることによりアクセスを受ける



【0328】
上述したように、ブロック1530でアラーム状態又はアラート状態が臨床家のデジタルアシスタント118上に表示される場合、この表示は、可視的に、可聴式に、又は両方で提供することができる。臨床家のデジタルアシスタント118に可聴表示が提供される場合は、アラームアイコン4872が、臨床家のデジタルアシスタント118のディスプレイ118a上に出現する。可聴表示が提供される場合、臨床家は、たとえ該臨床家がアラーム状態又はアラート状態に応答していない場合でも、臨床家が可聴表示の音を消す機能を有することができる。臨床家がアラームを消音化した場合、サーバ109は、消音タイマを起動することになる。可視表示は、たとえ可聴表示の音が消された場合でも残ることになる。図16Aに示すように、アラーム/アラートにより臨床家のデジタルアシスタント118に可聴表示が提供されているが、臨床家の消音化により音が消えている場合、アラーム/アラート消音化アイコン4874が提供される。更に、アラーム/アラート状態の高まりと同時に、臨床家がタイマのタイムリミット内にアラームに応答しない場合、可聴表示の消音化は解除することができる。可聴表示の代替的実施形態は、振動アラートとすることができる。



【0329】
更に、複数のアラーム/アラート状態の時間が同時に又は重なり合って発生する可能性があることは理解される。それに応じて、特定のアラーム状態又はアラート状態に関連するデータを含む同時信号又は部分的に重なり合った信号が生成され、ブロック1510で医療機器120からサーバ109へ送信される。アラーム/アラート信号は、同一の医療機器120又は異なる医療機器120から創出することができる。更に、アラーム/アラート信号は、同一の患者又は異なる患者に関連することができる。しかしながら、アラーム/アラート信号の各々は、個々のアラーム/アラート状態に対して、本明細書に記載するアラーム/アラートエスカレーション工程1500へ個々にルーティングされる。図16Aに示すように、特定の臨床家が彼/彼女のデジタルアシスタント118上に多数のアラーム/アラート表示を有する可能性がある。アラーム/アラート画面の別の例を、図16Bのインターフェース画面1662b上に示す。本システムにおいては一般的なことであるが、図16Bのインターフェース画面1662b内の1676として参照されるラインは、リスト、具体的にはこのインターフェース内の特定の臨床家に対するアラーム/アラート表示リストの終端を示す。



【0330】
図17は、図16Aのインターフェース内のリスト1662aから臨床家のデジタルアシスタント118上で患者へのハイパーリンクに対してアラーム/アラート表示のうちの1つを閲覧する選択を行った後の、詳細な患者アラーム/アラートインターフェース1765を示す。ここでは、臨床家は、患者1、1664に関するアラーム表示を選択している。アラーム/アラート詳細画面1765は、該アラーム/アラートの理由を詳細に記したメッセージを臨床家に提供する。臨床家は、リフレッシュボタン4819をクリックして画面1765上に表示された現在の情報を更新することができる。図18のインターフェース1867上に示すように、同一の患者に対して複数のアラーム又はアラート1878、1882が存在する可能性がある。このアラーム/アラートインターフェース1867は、現在所与の患者に関連付けられている全てのアクティブなポンプのアラーム/アラートのリストを提供する。これらのアクティブなポンプのアラーム/アラートは、複数のチャネル121及び/又はポンプ120からのものである可能性があり、且つ複数のハブ107全体にわたって拡大してさえいる可能性がある。このインターフェース画面1867は、ポンプアラームリスト画面1662上の所与の患者を特定することによりアクセスを受ける



【0331】
ブロック1525で臨床家のデジタルアシスタントに信号が送信され、ブロック1530で主臨床家のデジタルアシスタント118によって受信された後、サーバ109において、ブロック1535でタイマが起動される。このタイマは、タイムリミットを有する。一般的なエスカレーションタイムリミットは約2分であるが、このタイムリミットは、病院によって設定可能である。ブロック1540で、本システムは、タイマのタイムリミット内にアラート又はアラームに対して応答がなされたかどうかを判断する。主臨床家のデジタルアシスタント118からの確認応答なくしてタイマのタイムリミットに達した場合、本工程は、ブロック1545に進む。ブロック1545で、本システムは、医療機器120においてアラーム/アラート状態に対する確認応答又は応答がなされているか否かに関して更に照会を行う。主臨床家のデジタルアシスタント118、若しくは医療機器120においても、或いは主任臨床家によっても応答がなされていなければ、次いで、ブロック1545で、アラーム/アラート工程がエスカレートされる。
【0332】
アラーム/アラート状態がトリガされた後であるがアラーム/アラート状態の確認前に通信の損失が発生した場合はいつでも、ひとたび通信の損失が修復されれば、アラーム/アラート状態が回復することになる。同様に、通信の損失後にアラーム/アラート状態がトリガされた場合、該アラーム/アラート状態は、ひとたび通信が復旧すれば回復することになる。
【0333】
アラームがエスカレートされると、サーバ109は、ブロック1550で別の前提条件チェックを行う。この前提条件チェック1550は、患者を第2の臨床家と関連付ける工程(この関連付けは、中央システムサービス装置108aで行うことができる)と、第2の臨床家を第2の臨床家の装置又は第2の臨床家のデジタルアシスタント118とも呼ばれるその臨床家のデジタルアシスタント118と関連付ける工程とを含み得る。サーバ109は、ブロック1550でのその前提条件チェックにおいて入手した情報を用いて、医療機器120、患者、第2の臨床家及び第2の臨床家のデジタルアシスタント118との間の関係を確立する。



【0334】
ブロック1550での第2の前提条件チェックに続き、サーバ109は、第2の臨床家のデジタルアシスタント118がアクティブであるかどうかをも判定し得る。第2の臨床家のデジタルアシスタント118がアクティブである場合、次いで、サーバ109は、現存するアラーム状態又はアラート状態を表すエスカレートされた信号を生成する。このエスカレートされた信号は、患者の氏名、患者の位置、部屋識別、ベッド識別、アラーム又はアラートの種類、状態記述、時刻、日付、臨床家識別及び/又は処方などのデータを同様に含む。好ましい実施形態では、エスカレートされた信号は、サーバ109から無線アクセスポイント114へ伝送される。次いで、無線アクセスポイント114が、ブロック1555で、アラーム状態又はアラート状態に関連するエスカレートされた信号を、無線通信伝送を介して第2の臨床家のデジタルアシスタント118へ伝送する。



【0335】
アラーム状態又はアラート状態に関連するエスカレートされた信号は、ブロック1555で主任臨床家にも伝送することができる。このようなエスカレートされた信号は、無線又は有線の通信を介しすることができる。更に、主任臨床家は、デジタルアシスタント、デスクトップコンピュータ、又はなんらかの他の電子装置を用いていることができる。上述したように、主任臨床家は通常、臨床家が直属する上司又は特定の人物、若しくは臨床家に対するワークフローを支援するか、或いはアラーム状態又はアラート状態を監視するのを支援する人物である。
【0336】
エスカレートされた信号は、第2の臨床家のデジタルアシスタント118によって受信され、続いて図15のブロック1560で表示される。このブロックは、第2の臨床家のデジタルアシスタント118上にアラーム状態又はアラート状態を表示する。第2の臨床家の装置上の表示は、可視表示、可聴表示、又は可視表示及び可聴表示の両方とすることができる。更に、可視表示は、1つ又はそれ以上のテキスト、アイコン、シンボル等を含むことができる。同様に、上述したように、可聴表示は、種々の可聴音を含むことができる。しかしながら、第1の臨床家に送信された原信号(ブロック1525参照)は、図15のブロック1530に示すように、依然として該第1の臨床家のデジタルアシスタントに保持されていることが理解される。第1の臨床家のデジタルアシスタント118にある信号は強めることができる(即ち、それはより大きいサイズ又はフォントで示すことができ、それは点滅することができ、可聴アラートのボリュームを上げる等)。
【0337】
ブロック1555で二次信号が臨床家のデジタルアシスタントに送信され、ブロック1560で第2の臨床家のデジタルアシスタント118によって受信された後では、少なくとも2人の個人(第1の臨床家及び/又は主任臨床家)及びアラーム/アラート状態がアクティブな少なくとも2台の装置が存在する。従って、ブロック1540及び1565に示すように、これらの臨床家のうちのいずれかが、アラーム/アラート状態に応答することができる。ブロック1570で、エスカレートされたアラーム工程は、臨床家のデジタルアシスタント118、主任臨床家のコンピュータ又は装置、若しくは医療機器120のうちのいずれか1つでアラーム/アラート状態が解消されるまで続くことになる。
【0338】
ブロック1520を参照すると、主臨床家のデジタルアシスタント118がアクティブでないとサーバ109が判断した場合、及びブロック1545でアラーム/アラート状態が依然として存在するとサーバ109が判断した場合、サーバ109は、上に論じたブロック1550に進み、アラーム/アラート信号を送信するのに適切な第2の臨床家又は主任臨床家を決定することになる。更に、ブロック1520はアラーム/アラートエスカレーション工程1500の間にいつでも生じ得ることが理解される。臨床家のデジタルアシスタント118がアクティブでない1つの理由は、サーバ109からの信号の損失である可能性がある。図45A及び図45Bの通信損失インターフェース画面4501に示すように、信号が失われた場合、デジタルアシスタント118は、臨床家116に、信号損失を示す画面4501、及び/又は可聴/振動表示を提供する。通信損失画面4501はまた、どの患者の信号が失われたかについても臨床家116に通知する。画面4501では、システム210はまた、信号を取り戻すためのトラブルシューティング情報をも臨床家116に提供する。ハブ107又はデジタルアシスタント118が無線範囲外にあるときは、ポンプのアラーム及びアラートは、デジタルアシスタント118で受信することができない。



【0339】
デジタルアシスタント118がアクティブでない他の理由は、デジタルアシスタント118のバッテリー残量の減少、無線ハブ107のバッテリー残量の減少、又はアクセスポイント114が原因でのデジタルアシスタントの信号損失である可能性がある。システム210は、臨床家116にローバッテリ画面を提供する。図46のインターフェース画面4603に示すように、1つの種類のローバッテリ画面は、患者の注入ポンプに接続された無線ハブ107にローバッテリ状況が存在することを臨床家に警告する画面である。ローバッテリ画面が提供される際、該画面は、注入がその特定のハブ107に関連付けられた患者のリストを含む。患者のリストは通常、画面4603を表示しているデジタルアシスタント118にログインした臨床家に現在関連する患者のみ、またログインした臨床家と共に同一の注入ポンプ120/ハブ107を共有する全ての患者をも含むようにフィルタ処理される。この臨床家対患者関連付けは、エスカレーション工程を通して、第1の臨床家としても、第2の臨床家としてもよい。臨床家のデジタルアシスタント118がアクティブでない他の理由があり得ることが理解される。それでもやはり、臨床家のデジタルアシスタント118がアクティブではなくなった場合はいつでも、工程1500は、信号を第2の臨床家及び/又は主任臨床家へ送信することができるように、ブロック1550へ進むことができる。更に、本開示のタイムアウト特徴及び他の特徴に関して上述したように、サーバ109若しくは医療機器120からの通信信号が失われた場合、図45A及び図45Bに示すように、デジタルアシスタント118上に信号損失メッセージを提供することができる。



【0340】
アラーム/アラート工程中にいつでも、主臨床家は、アラーム/アラート信号に応答することができる。ブロック1540で主臨床家がアラーム/アラート信号に応答した場合、エスカレートされた工程は回避されることになる。しかしながら、ブロック1550でエスカレートされた工程が開始された場合、ブロック1565で、主治医若しくは第2の臨床家がアラーム/アラート信号に応答することができる。同様に、アラーム/アラート状態は、アラーム/アラートエスカレーション工程の前若しくはその間に、医療機器120において、又は主任臨床家によって随時解消することができる。ブロック1540若しくはブロック1565で、医療機器120で、又は主任臨床家によってアラーム/アラート状態が解消された後、ブロック1540で、医療機器120及び臨床家のデジタルアシスタント118の可聴アラームは終了されることになる。
【0341】
ブロック1585で、サーバ109は、全てのアラーム/アラート状態をイベントとして記録する。イベントを記録する工程は、アラーム/アラート状態に関する情報を記録する段階と、アラーム/アラート状態の応答した臨床家を記録する段階と、アラーム/アラート状態の開始時刻(ブロック1505参照)を記録する段階と、アラーム/アラート状態が正された時刻を記録する段階とを含むことができる。更に、ブロック1590で、サーバ109は、タイマをリセットし、医療機器アラームリストを更新することになる。アラーム/アラート状態は、ポンプのイベント履歴にも記録することができる。
【0342】
(例示的ユースケース)
図55A図62は、本明細書に説明するシステムを用いて行うことのできる例示的な操作のフローチャートである。例示的な操作には、新たな注入の実施、ポンプチャネルのスキャン、ポンプが割り当てられているチャネルの変更、注入の停止/中止、注入の再開、及びポンプの除去が含まれる。一般に、これらの操作の各々が、実行されることになる操作を示す情報、どの患者112が影響を受けることになるのかを識別する情報(例えば患者ID)、及びその患者112用のどの薬剤124が影響を受けることになるのかを識別する情報(例えばRxID)を含む入力を、デジタルアシスタント118などの電子装置から受信する。次いで、この情報が第1の中央サーバ109に送信され、該第1の中央サーバ109が、チャネル識別情報が注入オーダ情報と一致することを確認し、正しい注入操作が行われたことを確認する。
【0343】
(注入実施工程)
図55Aに、注入実施工程5500の一例を示す。注入実施工程5500の一部は、上に概要を述べた比較手順5200の代替的実施形態である。注入実施工程5500は、新たな注入を開始するために用いることができる。一般に、注入実施工程5500は、注入実施工程が実行されることになるのを示す情報、どの患者112が影響を受けるのかを識別する情報(例えば患者ID)、及びその患者112用のどの薬剤124が注入を開始されることになるのかを識別する情報(例えばRxID)を含む入力を、デジタルアシスタント118などの電子装置から受信する。次いで、工程5500は、この情報を第1の中央サーバ109に送信し、該第1の中央サーバ109が、チャネル識別情報が注入オーダ情報と一致することを確認し、正しい注入が開始されたことを確認する。
【0344】
より具体的には、この例示的な注入実施工程5500は、ブロック5502で第2の中央サーバ108aがデジタルアシスタント118に患者のリストを表示させたときに開始する。患者のリストを示すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例が、図24に示されている。患者のリストは、その時刻にそのデジタルアシスタント118にログインしているユーザ(例えば臨床家116)に関連付けられた患者112に限定されるのが好ましい。ひとたびユーザが患者112を選択すると、該選択及び/又は該患者112を識別する情報が、デジタルアシスタント118から第2の中央サーバ108aに返信される。デジタルアシスタント118と第2の中央サーバ108aとの間の通信は、上述の無線/有線ネットワーク102のような任意の適した通信路を介することができる。次いで、ブロック5504で、第2の中央サーバ108aは、デジタルアシスタント118に動作のリストを表示させる。動作のリストを示すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を、図25に示す。動作のリストは、選択された患者112に関連付けられた動作に限定されるのが好ましい。例えば、「注入実施」動作は、少なくとも1つの注入が目下その選択された患者112に関連付けられている場合にのみ利用可能となろう。
【0345】
ユーザが動作リストから「注入実施」動作を選択すると、選択されたその動作を識別する情報が第2の中央サーバ108aに送信される。それに応答して、ブロック5506で、第2の中央サーバ108aが、該デジタルアシスタント118上に表示された薬剤のリストから注入すべき薬剤124を選択するようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。薬剤のリストを示すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図26に示す。薬剤のリストは、この患者112に対する実際のオーダに基づいて第2の中央サーバ108aのデータベースから取り出されるのが好ましい。もちろん、このリストは、注入実施なし若しくは1つの注入実施を含む任意の数の項目を有することができる。次いで、選択された薬剤124を示すデータが、第2の中央サーバ108aに送信される。
【0346】
次に、ブロック5508で、第2の中央サーバ108aが、患者112に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。患者112に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図36に示す。ユーザは、デジタルアシスタント118のスキャナを用いて患者のリストバンド112a上のバーコードラベルをスキャンすることができる。代替的に、ユーザは、デジタルアシスタント118に患者識別子を手入力することもできる。次いで、ブロック5510で、患者識別子が、検証のために第2の中央サーバ108aに送信される。次いで、第2の中央サーバ108aが、データベース内で患者識別子の検索を試みる。患者識別子(例えばリストバンドID)がデータベース内に有効な患者識別子として存在しない場合、ブロック5512で、第2の中央サーバ108aは、デジタルアシスタント118に患者無効通知を表示させる。ひとたびユーザが患者無効通知を了解する(又は通知がタイムアウトする)と、ブロック5508で、デジタルアシスタント118は、患者112に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面を再表示する。
【0347】
ブロック5510で、患者識別子(例えばリストバンドID)がデータベース内に有効な患者識別子として存在する場合、ブロック5514で、第2の中央サーバ108aは、投与すべき薬剤124に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。薬剤124に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図34に示す。ユーザは、デジタルアシスタント118のスキャナを用いて、薬剤124のバッグ上の薬剤ラベル124a(例えば注入バッグ上のバーコード)をスキャンすることができる。代替的に、ユーザは、デジタルアシスタント118に薬剤識別子を手入力することもできる。次いで、ブロック5516で、薬剤識別子が検証のために第2の中央サーバ108aに送信される。第2の中央サーバ108aは、データベース内で薬剤識別子の検索を試みる。薬剤識別子(例えばバッグID)がデータベース内に有効な薬剤識別子として存在しない場合、ブロック5518で、第2の中央サーバ108aは、項目無効通知をデジタルアシスタント118に表示させる。ひとたびユーザが項目無効通知を了解する(又は通知がタイムアウトする)と、ブロック5514で、デジタルアシスタント118は、薬剤124に関連付けられた機械可読識別子をスキャンして再開するようにユーザに促す画面を再表示する。
【0348】
ひとたび有効な薬剤識別子を取得すれば、第2の中央サーバ108aは、該薬剤識別子を用いて、データベース内の患者識別子を検索する。次いで、ブロック5520で、データベースからの患者識別子がスキャンされた(又は手入力された)患者識別子と比較され、スキャンされた(又は手入力された)薬剤124がスキャンされた(又は手入力された)患者112のものであるかどうかが判定される。2つの患者識別子が一致しない場合、ブロック5518で、第2の中央サーバ108aは、項目無効通知をデジタルアシスタント118に表示させる。
【0349】
2つの患者識別子が一致する(即ち、この患者112がこの薬剤124と合う)場合、ブロック5522で、第2の中央サーバ108aは、経路、ライン、及び部位を入力するようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。経路、ライン、及び部位を入力するようにユーザに促すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図37に示す。次いで、ブロック5524で、経路、ライン、及び部位を示すデータが、検証のために第2の中央サーバ108aに送信される。経路不一致が生じると、ブロック5526で、第2の中央サーバ108aは、経路不一致通知をデジタルアシスタント118に表示させる。不一致通知を有するデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図40に示す。ひとたびユーザが経路不一致通知を了解すれば(又は通知がタイムアウトすれば)、ブロック5522で、デジタルアシスタント118は、経路、ライン、及び部位を入力するようにユーザに促す画面を再表示する。経路不一致が生じない場合、ブロック5528で、第2の中央サーバ108aは、手動による処方箋比較と自動処方箋比較との間で選択を行うようにユーザに求める画面をデジタルアシスタント118に表示させる。ブロック5530で手動による処方箋比較が選択されると、ブロック5532で、第2の中央サーバ108aは、ユーザが手動で検証することになるパラメータを示すものを、デジタルアシスタント118に表示させる。
【0350】
続いて、ブロック5534で、第2の中央サーバ108aは、この患者112に対して実施すべき項目(例えば投薬)が更にあるかどうかを判定する。例えば、ブロック5506で選択された注入オーダは、一次注入とピギーバック注入を要するかもしれない。この患者112に対して実施すべき項目(例えば投薬)が更にある場合、ブロック5514で、第2の中央サーバ108aは、投与すべき薬剤124に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。薬剤124に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図34に示す。この患者112に対して実施すべき項目(例えば投薬)がそれ以上ない場合、ブロック5536で、第2の中央サーバ108aは、実施結果を示す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。実施結果を示すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図57に示す。
【0351】
実施結果は、第1の中央サーバ109にも渡される。例えば、実施結果は、フォーム変数として第1の中央サーバ109に渡すことができる(ウェブページから提出されたかのように)。次いで、ブロック5538で、第1の中央サーバ109は、何らかの誤りがないかどうか、実施結果の全てをチェックする。失敗がない場合、ブロック5540で、第1の中央サーバ109は、全ての新たなチャネル-患者-薬剤関係を、第1の中央サーバ109のデータベースにコミットする。次いで、ブロック5542で、第1の中央サーバ109は、第2の中央サーバ108aに関連づけられた所定のURLに移動することにより、第2の中央サーバ108aの制御に復帰する。1つ又はそれ以上の失敗がある場合、ブロック5544で、第1の中央サーバ109は、該誤りに関連するチャネル-患者-薬剤関係を廃棄し、成功に関連するチャネル-患者-薬剤関係を、第1の中央サーバ109のデータベースにコミットする。失敗は、第2の中央サーバ108a及び/又は第1の中央サーバ109に関連付けることができる。従って、第1の中央サーバ109は、ブロック5546で第1の中央サーバ109が第2の中央サーバ108aに関連付けられた所定のURLに移動することにより第2の中央サーバ108aの制御に復帰する際に、第1の中央サーバ109に関連付けられた失敗(例えば保全失敗)を、第2の中央サーバ108aに返送するのが好ましい。
【0352】
ブロック5530に戻って説明すると、自動処方箋比較が選択された場合、ブロック5531で、第2の中央サーバ108aは、第1の中央サーバ109に「処方箋比較」XML文書を送信する。「処方箋比較」XML文書は、患者識別子(例えばリストバンドID)、薬剤識別子(例えばバッグID)、完了用URL、及び取り消し用URLを含む。完了用URLは、処方箋の一致が見出された場合に用いられるネットワークアドレスである。取り消し用URLは、処方箋の一致が見出されない場合に用いられるネットワークアドレスである。
【0353】
ひとたび第1の中央サーバ109が「処方箋比較」XML文書を受け取ると、ブロック5548で、第1の中央サーバ109は、第1の中央サーバ109は、「処方箋比較」XML文書が有効であるかどうかを判定する。例えば、第1の中央サーバ109は、通常「処方箋比較」XML文書内に予測されるデータが受信した「処方箋比較」XML文書から欠落していないかどうかをチェックすることができる。第1の中央サーバ109が「処方箋比較」XML文書が有効ではないと判断した場合、ブロック5550で、第1の中央サーバ109は、「処方箋比較」動作を実行することができなかったことをユーザに示すエラーメッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。この表示は、どのデータが「処方箋比較」XML文書から欠落しているかなどの理由を含むことができる。ユーザが「OK」ボタンを押してエラーメッセージを了解した後、ブロック5552で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。
【0354】
「処方箋比較」XML文書が有効であると第1の中央サーバ109が判断した場合、第1の中央サーバ109は、チャネルスキャン工程5554を開始する。通常、チャネルスキャン工程5554は、「新たな」ポンプチャネル(例えばポンプチャネル103a)に関連付けられた機械可読識別子をスキャンし、スキャンしたチャネルが利用可能であるかどうか(例えば、どの患者112にも割り当てられていない、現在の患者112に割り当てられているが使用されていない、別の患者112に割り当てられ且つ上書き済み等)を判定するようにユーザに促す。スキャンしたチャネルが利用できない場合、「注入実施」動作は、取り消される。そのような場合、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。スキャンしたチャネルが利用可能である場合、新たなチャネル-患者-薬剤関係が生成される。チャネルスキャン工程5554を、図56を参照して以下により詳細に説明する。
【0355】
チャネルスキャン工程5554により、スキャンしたチャネルが有効であり且つ利用可能であると判定された場合、ブロック5556で、第1の中央サーバ109は、ポンプチャネルをプログラムするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。デジタルアシスタントディスプレイ118aは、「比較」ボタン及び「キャンセル」ボタンを含むのが好ましい。ユーザが「キャンセル」ボタンを押した場合、第1の中央サーバ109は、ブロック5558で新たなチャネル-患者-薬剤関係を廃棄し、ブロック5552で取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。ユーザが「比較」ボタンを押した場合、ブロック5560で、第1の中央サーバ109は、ポンプチャネルとの通信が正常に機能しているかどうかを判定する。例えば、状態情報が所定の時間内にチャネルから受信されなかった場合、第1の中央サーバ109は、ポンプチャネルとの通信が正常に機能していないと判断することができる。
【0356】
ポンプチャネルとの通信が正常に機能していない場合、ブロック5562で、第1の中央サーバ109は、ポンプチャネルとの通信の損失により処方箋比較を行うことができないことを示す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。ここでもまた、デジタルアシスタントディスプレイ118aは、「比較」ボタン及び「キャンセル」ボタンを含むのが好ましい。ユーザが「キャンセル」ボタンを押した場合、第1の中央サーバ109は、ブロック5558で新たなチャネル-患者-薬剤関係を廃棄し、ブロック5552で取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。ユーザが「比較」ボタンを押した場合、ブロック5560で、第1の中央サーバ109は、ポンプチャネルとの通信が正常に機能しているかどうかを再チェックする。
【0357】
ポンプチャネルとの通信が正常に機能している場合、ブロック5564で、第1の中央サーバ109は、このチャネルに関連付けられた何らかのデータが欠落しているかどうかを判定する。例えば、チャネルから受信した状態情報に予測される連続番号が欠落している場合、第1の中央サーバ109は、このチャネルに関連付けられたデータが欠落していると判断することができる。チャネルデータが欠落している場合、ブロック5564で、第1の中央サーバ109は、チャネルデータ欠落により処方箋比較を行うことができないことを示す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。ここでもまた、デジタルアシスタントディスプレイ118aは、「比較」ボタン及び「キャンセル」ボタンを含むのが好ましい。ユーザが「キャンセル」ボタンを押した場合、第1の中央サーバ109は、ブロック5558で新たなチャネル-患者-薬剤関係を廃棄し、ブロック5552で取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。ユーザが「比較」ボタンを押した場合、ブロック5560で、第1の中央サーバ109は、ポンプチャネルとの通信が正常に機能しているかどうかを再チェックする。
【0358】
どのチャネルデータも欠落していない場合、ブロック5568で、第1の中央サーバ109は、チャネルがすでに稼動中であるかどうかを判定する。例えば、第1の中央サーバ109は、チャネルから受信した状態情報を読み取ることにより、該ポンプチャネルが稼動中であるかどうかを判断することができる。チャネルがすでに稼動中である場合、ブロック5570で、第1の中央サーバ109は、チャネルがすでに稼動中であるために処方箋比較を行うことができないことを示す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。処方箋比較を行うことができないことを示すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図42に示す。デジタルアシスタントディスプレイ118aは、ポンプ120上の特定のキー(例えばスタート)をユーザが押さなければならないことを示すこともできる。ここでもまた、デジタルアシスタントディスプレイ118aは、「比較」ボタン及び「キャンセル」ボタンを含むのが好ましい。ユーザが「キャンセル」ボタンを押した場合、第1の中央サーバ109は、ブロック5558で新たなチャネル-患者-薬剤関係を廃棄し、ブロック5552で取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。ユーザが「比較」ボタンを押した場合、ブロック5572で、第1の中央サーバ109は、ポンプチャネルとの通信が正常に機能しているかどうかを再チェックする。
【0359】
ポンプチャネルとの通信が正常に機能していない場合、ブロック5574で、第1の中央サーバ109は、ポンプチャネルとの通信の損失により処方箋比較を行うことができないことを示す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。ここでもまた、デジタルアシスタントディスプレイ118aは、「比較」ボタン及び「キャンセル」ボタンを含むのが好ましい。ユーザが「キャンセル」ボタンを押した場合、第1の中央サーバ109は、ブロック5558で新たなチャネル-患者-薬剤関係を廃棄し、ブロック5552で取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。ユーザが「比較」ボタンを押した場合、ブロック5574で、第1の中央サーバ109は、ポンプチャネルとの通信が正常に機能しているかどうかを再チェックする。ポンプチャネルとの通信が正常に機能している場合、ブロック5576で、第1の中央サーバ109は、要求された処方箋比較を実行する。
【0360】
ブロック5568に戻って説明すると、チャネルが稼動していない場合、ブロック5578で、第1の中央サーバ109は、ポンプチャネルが速度情報を送信するように設定されているかどうかを判定する。ポンプチャネルが速度情報を送信するように設定されていない場合、ブロック5580で、第1の中央サーバ109は、チャネルが速度情報を送信していないために処方箋比較を行うことができないことを示す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。処方箋比較を行うことができないことを示すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図41に示す。デジタルアシスタントディスプレイ118aは、ポンプ120上の特定のキー(例えば速度)をユーザが押さなければならないことを示すこともできる。ここでもまた、デジタルアシスタントディスプレイ118aは、「比較」ボタン及び「キャンセル」ボタンを含むのが好ましい。ユーザが「キャンセル」ボタンを押した場合、第1の中央サーバ109は、ブロック5558で新たなチャネル-患者-薬剤関係を廃棄し、ブロック5552で取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。ユーザが「比較」ボタンを押した場合、ブロック5572で、第1の中央サーバ109は、ポンプチャネルとの通信が正常に機能しているかどうかを再チェックする。ポンプチャネルが速度情報を送信するように設定されている場合、ブロック5576で、第1の中央サーバ109は、要求された処方箋比較を実行する。
【0361】
処方箋比較の一部として、第1の中央サーバ109は、チャネルスキャン工程5554によって取得されたチャネル識別子及び第2の中央サーバ108aによって伝送された患者識別子を用いて、データベース内の1つの薬剤識別子(又は、一次薬剤124及びピギーバック薬剤124が両方ともこのチャネルに関連付けられている場合は2つの薬剤識別子)を検索する。次いで、ブロック5582でデータベースからの1つ又は複数の薬剤識別子が、スキャンされた(又は手入力された)薬剤識別子と比較される。データベースからの1つ又は複数の薬剤識別子がスキャンされた(又は手入力された)薬剤識別子と一致しない場合、ブロック5584で、第1の中央サーバ109は、薬剤無効通知をデジタルアシスタント118に表示させる。例えば、デジタルアシスタント118は、スキャンされた薬剤124がスキャンされたチャネルに関連付けられていないというメッセージを表示し、且つ該スキャンされたチャネルに割り当てられた実際の薬剤124(該当する場合、一次及びピギーバックの両方)を示すことができる。ここでもまた、デジタルアシスタントディスプレイ118aは、「比較」ボタン及び「キャンセル」ボタンを含むのが好ましい。ユーザが「キャンセル」ボタンを押した場合、第1の中央サーバ109は、ブロック5558で新たなチャネル-患者-薬剤関係を廃棄し、ブロック5552で取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。ユーザが「比較」ボタンを押した場合、ブロック5572で、第1の中央サーバ109は、ポンプチャネルとの通信が正常に機能しているかどうかを再チェックする。
【0362】
処方箋比較の追加部分として、第1の中央サーバ109は、チャネルスキャン工程5554によって取得されたチャネル識別子及び第2の中央サーバ108aによって伝送された患者識別子を用いて、データベース内の投薬速度を検索する。次いで、ブロック5584で、データベースからの投薬速度が、ポンプチャネルから受信した実際の速度と比較される。データベースからの投薬速度がポンプチャネルから受信した実際の速度と一致しない場合、ブロック5586で、第1の中央サーバ109は、速度不一致通知をデジタルアシスタント118に表示させる。不一致通知を有するデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図40に示す。例えば、デジタルアシスタント118は、チャネルの速度を調整すべきことを示すメッセージを表示し、且つ正しい値を示すことができる。ここでもまた、デジタルアシスタントディスプレイ118aは、「比較」ボタン及び「キャンセル」ボタンを含むのが好ましい。ユーザが「キャンセル」ボタンを押した場合、第1の中央サーバ109は、ブロック5558で新たなチャネル-患者-薬剤関係を廃棄し、ブロック5552で取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。ユーザが「比較」ボタンを押した場合、ブロック5572で、第1の中央サーバ109は、ポンプチャネルとの通信が正常に機能しているかどうかを再チェックする。
【0363】
更に、デジタルアシスタントディスプレイ118aは、「不一致を受け入れる」ボタンを含むことができる。ユーザが「不一致を受け入れる」ボタンを押した場合、ブロック5588で、第1の中央サーバ109は、完了用URLを介して、第2の中央サーバ108aに不一致コード及び一致していない速度を戻す。ブロック5584でデータベースからの投薬速度がポンプチャネルから受信した実際の速度と一致する場合、ブロック5590で、第1の中央サーバ109は、一致通知をデジタルアシスタント118に表示させる。一致通知を有するデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図39に示す。ひとたびユーザが一致通知メッセージを受信すると、ブロック5588で、第1の中央サーバ109は、完了用URLを介して、第2の中央サーバ108aに一致コード及び一致している速度を戻す。
【0364】
(チャネルスキャン工程(注入実施工程用))
図56に、図55を参照して上に用いたチャネルスキャン工程5554の一例を示す。通常、チャネルスキャン工程5554は、ポンプチャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンし、スキャンしたチャネルが利用可能であるかどうか(例えば、目下の患者112に割り当てられているが使用されていない)を判断するようにユーザに促す。スキャンしたチャネルが利用可能ではない場合、「注入実施」動作は取り消される。そのような場合、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、第2の中央サーバ108aに取り消しコードを戻す。スキャンしたチャネルが利用可能である場合、新たなチャネル-患者-薬剤関係が生成される。
【0365】
より具体的には例示的なチャネルスキャン工程5554は、ブロック5602でサブチャネル(例えば一次又はピギーバック)を選択し且つチャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面を第1の中央サーバ109がデジタルアシスタント118に表示させるときに開始する。チャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図38に示す。例えば、ユーザは、デジタルアシスタント118のスキャナを用いて、チャネルに関連付けられたバーコードラベルをスキャンすることができる。代替的に、ユーザは、デジタルアシスタント118にチャネル識別子を手入力することもできる。更に、ユーザは、完了用URLを介した第2の中央サーバ108aへの返却を生じさせるスキャン工程を省略する選択を行ってもよく、取り消し用URLを介した第2の中央サーバ108aへの返却を生じさせるスキャンを取り消す選択を行ってもよい。
【0366】
次いで、ブロック5604で、チャネル識別子が検証のために第1の中央サーバ109に送信される。次いで、第1の中央サーバ109は、データベース内でチャネル識別子の検索を試みる。チャネル識別子がデータベース内に有効なチャネル識別子として存在しない場合(例えば、適切にフォーマットされていない、第1の中央サーバ109内に設定されていない等)、ブロック5606で、第1の中央サーバ109は、チャネル無効通知をデジタルアシスタント118に表示させる。例えば、デジタルアシスタント118は、チャネルが第1の中央サーバ109内に設定されていないというメッセージを表示することができ、且つユーザがチャネル識別子を再スキャンするか又は操作を取り消すことを可能にするボタンを含むことができる。ユーザが操作を取り消す選択を行った場合、ブロック5608で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して取り消しコードを第2の中央サーバ108aに送信するのが好ましい。
【0367】
ひとたび有効なチャネル識別子を取得すると、第1の中央サーバ109は、該チャネル識別子を用いて、データベース内で患者識別子を検索する。次いで、ブロック5610で、第1の中央サーバ109は、データベースからの患者識別子をスキャンされた(又は手入力された)患者識別子と比較する。データベース内に有効な患者識別子が存在するが2つの患者識別子が一致しない(即ち、チャネルが異なる患者112に割り当てられている)場合、ブロック5612で、第1の中央サーバ109は、データベースをチェックして、チャネルが稼動中であるかどうか(一次及び/又はピギーバックモードにおいて)を調べる。
【0368】
チャネルが稼動中である場合、ブロック5614で、第1の中央サーバ109は、異なる患者112がスキャンされたチャネルに関連付けられており、該チャネルが現在稼動中であることを示す「上書き不可能」エラーメッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。このメッセージはまた、スキャンされたチャネルに関連付けられた患者112(例えば患者の氏名)、一次薬剤124、及び/又はピギーバック薬剤124を示すデータをも含むことができる。ユーザは、取り消すか再スキャンする選択肢を与えられるのが好ましい。ユーザが操作を取り消す選択を行った場合、ブロック5608で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに送信する。ユーザが再スキャンする選択を行った場合、ブロック5602で、第1の中央サーバ109は、サブチャネル(例えば一次又はピギーバック)を選択し且つ該チャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。
【0369】
チャネルが稼動していない場合、ブロック5616で、第1の中央サーバ109は、異なる患者112がスキャンされたチャネルに関連付けられているが該チャネルは現在稼動していないことを示す「上書き続行」警告メッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。この警告メッセージは、続行が既存のデータを上書きする(例えば、他の患者112との関連付けを解除する)ことになることを示すのが好ましい。この警告メッセージはまた、スキャンされたチャネルに関連付けられた患者112(例えば患者の氏名)、一次薬剤124及び/又はピギーバック薬剤124を示すデータをも含むことができる。ユーザは、取り消す、再スキャンする、又は続行する選択肢を与えられるのが好ましい。ユーザが操作を取り消す選択を行った場合、ブロック5608で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに送信する。ユーザが再スキャンする選択を行った場合、ブロック5602で、第1の中央サーバ109は、サブチャネル(例えば一次又はピギーバック)を選択し且つ該チャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。チャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図38に示す。ユーザが続行する選択を行った場合、ブロック5618で、第1の中央サーバ109は、新たなチャネル-患者-薬剤関係を生成し、該新たなチャネル-患者-薬剤関係を、最新の「ウェブセッション」内に格納する。この新たなチャネル-患者-薬剤関係が最終的に保持される場合、上に詳述したように、図55のブロック5540で、第1の中央サーバ109は、該新たなチャネル-患者-薬剤関係を、第1の中央サーバ109のデータベースにコミットする。
【0370】
データベース内に有効な患者識別子が存在し、且つブロック5620で2つの患者識別子が一致する(即ち、そのチャネルがこの患者112に割り当てられている)場合、第1の中央サーバ109は、ブロック5622で、データベースをチェックしてサブチャネルが空いているかどうかを調べる。換言すれば、第1の中央サーバ109は、ブロック5602で一次サブチャネルが選択された場合にこのチャネルに関連付けられた一次注入がないことをチェックし、且つブロック5602でピギーバック用サブチャネルが選択された場合にこのチャネルに関連付けられたピギーバック注入がないことをチェックする。サブチャネルが空いている場合、ブロック5618で、第1の中央サーバ109は、新たなチャネル-患者-薬剤関係を生成し、該新たなチャネル-患者-薬剤関係を、最新の「ウェブセッション」内に格納する。サブチャネルが空いていない場合、ブロック5624で、第1の中央サーバ109は、データベースをチェックして、該サブチャネルが稼動中であるかどうか(一次及び/又はピギーバックモードで)を調べる。
【0371】
このサブチャネルが稼動中である場合、ブロック5626で、第1の中央サーバ109は、この患者112がすでにスキャンチャネルに関連付けられており且つ選択されたサブチャネルが目下稼動中であることを示す「上書き不可能」エラーメッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。このエラーメッセージはまた、患者112(例えば患者の氏名)、一次薬剤124、及び/又はピギーバック薬剤124を示すデータをも含むことができる。ユーザは、取り消すか又は再スキャンする選択肢を与えられるのが好ましい。ユーザが操作を取り消す選択を行った場合、ブロック5608で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに送信する。ユーザが再スキャンする選択を行った場合、ブロック5602で、第1の中央サーバ109は、サブチャネル(例えば一次又はピギーバック)を選択し且つ該チャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。
【0372】
サブチャネルが稼動していない場合、ブロック5628で、第1の中央サーバ109は、この患者112がスキャンされたチャネルに関連付けられているが選択されたサブチャネルが現在稼動していないことを示す「続行」メッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。このエラーメッセージはまた、患者112(例えば患者の氏名)、一次薬剤124、及び/又はピギーバック薬剤124を示すデータをも含むことができる。ユーザは、取り消す、再スキャンする、又は続行する選択肢を与えられるのが好ましい。ユーザが操作を取り消す選択を行った場合、ブロック5608で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに送信する。ユーザが再スキャンする選択を行った場合、ブロック5602で、第1の中央サーバ109は、サブチャネル(例えば一次又はピギーバック)を選択し且つ該チャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。ユーザが続行する選択を行った場合、ブロック5618で、第1の中央サーバ109は、新たなチャネル-患者-薬剤関係を生成し、該新たなチャネル-患者-薬剤関係を最新の「ウェブセッション」内に格納する。ユーザが続行を再度押すと、第1の中央サーバ109は、最新の動作(例えば注入実施)に制御を戻す。
【0373】
(ポンプチャネル変更工程)
図57Aに、ポンプチャネル変更工程5700の一例を示す。ポンプチャネル変更工程5700は、データベース内のチャネル-患者-薬剤関係を失うことなく注入を1つのポンプチャネルから別のポンプチャネルへ変更するために用いることができる(例えば看護師によって)。通常、ポンプチャネル変更工程5700は、ポンプチャネル変更工程が実行されることになるのを示す情報、どの患者112が影響を受けることになるのかを識別する情報(例えば患者ID)、及びその患者112用のどの薬剤124が影響を受けることになるのかを識別する情報(例えばRxID)を含む入力を、デジタルアシスタント118などの電子装置から受信する。次いで、工程5700によりこの情報が第1の中央サーバ109に送信され、該第1の中央サーバ109が、そのチャネル識別子情報がポンプチャネル変更オーダ情報と一致することを確認する。
【0374】
より具体的には、例示的なポンプチャネル変更工程5700は、ブロック5702で第2の中央サーバ108aが選択のために患者のリストをデジタルアシスタント118に表示させるときに開始する。患者のリストを示すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図24に示す。患者のリストは、その時刻にそのデジタルアシスタント118にログインしているユーザ(例えば臨床家116)に関連付けられた患者に限定されるのが好ましい。ひとたびユーザが患者112を選択すると、該選択及び/又は該患者112を識別する情報が、デジタルアシスタント118から第2の中央サーバ108aに返送される。デジタルアシスタント118と第2の中央サーバ108aとの間の通信は、上述の無線/有線ネットワーク102のような任意の適した通信チャネルを介することができる。次いで、ブロック5704で、第2の中央サーバ108aは、動作のリストをデジタルアシスタント118に表示させる。動作のリストを示すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図25に示す。動作のリストは、選択された患者112に関連付けられた動作に限定されるのが好ましい。例えば、「ポンプチャネルを変更する」動作は、この患者112に関連付けられた注入が現在第2の中央サーバ108aのデータベースに記載されている場合にのみ実行し得ることになろう。
【0375】
ユーザが動作リストから「ポンプチャネルを変更する」動作を選択すると、選択された動作を識別する情報が、第2の中央サーバ108aに送信される。それに応答して、ブロック5706で、第2の中央サーバ108aは、この「ポンプチャネルを変更する」動作によって影響を受ける薬剤124に関連する機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。薬剤124に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図34に示す。ユーザは、デジタルアシスタント118のスキャンを用いて、薬剤124のバッグ上の薬剤ラベル124a(例えば注入バッグ上のバーコード)をスキャンすることができる。代替的に、ユーザは、デジタルアシスタント118に薬剤識別子を手入力することもできる。
【0376】
次いで、ブロック5708で、薬剤識別子が検証のために第2の中央サーバ108aに送信される。第2の中央サーバ108aは、データベース内で薬剤識別子の検索を試みる。薬剤識別子(例えばバッグID)がデータベース内に有効な薬剤識別子として存在しない場合、ブロック5710で、第2の中央サーバ108aは、項目無効通知をデジタルアシスタント118に表示させる。ひとたびユーザが項目無効通知を了解する(又は通知がタイムアウトする)と、ブロック5706で、デジタルアシスタント118は、この「ポンプチャネルを変更する」動作によって影響を受ける薬剤124に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面を再表示する。
【0377】
ブロック5708で薬剤識別子(例えばバッグID)がデータベース内に有効な薬剤識別子として存在する場合、第2の中央サーバ108aは、「ポンプチャネルを変更する」XML文書を第1の中央サーバ109に伝送する。「ポンプチャネルを変更する」XML文書は、患者識別子(例えばブロック5702のリストから選択された)、薬剤識別子(例えばバッグID)、完了用URL、及び取り消し用URLを含む。完了用URLは、「ポンプチャネルを変更する」動作が試みられた場合に用いられるネットワークアドレスである。取り消し用URLは、「ポンプチャネルを変更する」動作が失敗した場合に用いられるネットワークアドレスである。
【0378】
ひとたび第1の中央サーバ109が「ポンプチャネル変更」XML文書を受信すると、ブロック5724で、第1の中央サーバ109は、「ポンプチャネル変更」XML文書が有効であるかどうかを判定する。例えば、第1の中央サーバ109は、通常「ポンプチャネル変更」XML文書内に予測されるなんらかのデータが受信した「ポンプチャネル変更」XML文書から欠落していないかどうかをチェックすることができる。「ポンプチャネル変更」XML文書が有効ではないと第1の中央サーバ109が判断すると、ブロック5726で、第1の中央サーバ109は、「ポンプチャネル変更」動作を実行することができなかったことをユーザに示すエラーメッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。この表示は、どのデータが「ポンプチャネル変更」XML文書から欠落していたかなどの理由を含むことができる。ユーザが「OK」ボタンを押してこのエラーメッセージを了解した後、ブロック5728で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、失敗コードを第2の中央サーバ108aに返送する。
【0379】
「ポンプチャネルを変更する」XML文書が有効であると第1の中央サーバ109が判定した場合、第1の中央サーバ109は、チャネルスキャン工程5730を開始する。このチャネルスキャン工程5730は、「旧」チャネルに関連付けられている(即ち、ユーザは、「旧」チャネルから「新」チャネルに移動しようとしている)。通常、チャネルスキャン工程5730は、「旧」ポンプチャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促し、スキャンしたチャネルが患者識別子及び薬剤識別子に関連付けられているかどうかを判定する(図58を参照して以下により詳細に説明するように)。スキャンしたチャネルが患者識別子及び患者識別子に関連付けられていない場合、「ポンプチャネルを変更する」動作は取り消される。そのような場合、ブロック5728で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。
【0380】
スキャンしたチャネルが患者識別子及び薬剤識別子に関連付けられている(即ち旧チャネルが有効である)場合、ブロック5732で、第1の中央サーバ109は、患者112、一次注入の旧チャネル、及びピギーバック注入の旧チャネルを示すメッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。デジタルアシスタント118は、「続行」ボタン及び「キャンセル」ボタンと共に、両方の注入(一次及びピギーバック)がこの操作により移動されていることを示すメッセージをも表示するのが好ましい。ユーザが「キャンセル」ボタンを押した場合、ブロック5728で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。
【0381】
ユーザが「続行」ボタンを押した場合、第1の中央サーバ109は、別のチャネルスキャン工程5734を開始する。このチャネルスキャン工程5734は、「新」チャネルに関連付けられている(即ち、ユーザは、「旧」チャネルから「新」に移動しようとしている)。通常、チャネルスキャン工程5734は、「新」ポンプチャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促し、スキャンしたチャネルが利用可能であるかどうか(例えば、どの患者112にも割り当てられていない、現在の患者112に割り当てられているが使用されていない、別の患者112に割り当てられ且つ上書き済みである等)を判定する。スキャンしたチャネルが利用可能ではない場合、「ポンプチャネルを変更する」動作は取り消される。そのような場合、ブロック5728で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。チャネルスキャン工程5734を、図59を参照して以下により詳細に説明する。
【0382】
スキャンされたチャネルが患者識別子及び薬剤識別子に関連付けられている(即ち、新たなチャネルが有効である)場合、ブロック5736で、第1の中央サーバ109は、いずれかの他の注入が現在この新たなチャネルに関連付けられていないかどうかを判定する。別の注入がすでに新たなチャネルに関連付けられている場合、ブロック5738で、第1の中央サーバ109は、別の注入が現在該新たなチャネルに関連付けられていることを示すメッセージ及びユーザに彼/彼女が現在の注入を上書きすることを希望するかどうかについて質問するメッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。このメッセージは、「Yes」ボタン、「No」ボタン、及び「キャンセル」ボタンを含むのが好ましい。ユーザが「キャンセル」ボタンを押した場合、ブロック5728で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。ユーザが「No」ボタンを押した場合、第1の中央サーバ109は、別のチャネルスキャン工程5834を開始する。
【0383】
ユーザが「No」ボタンを押した場合、ブロック5740で、第1の中央サーバ109は、この新たなチャネルに対するデータベース内のチャネル-患者-薬剤関係を解消することを試みる。ブロック5742で新たなチャネルに対するデータベース内のチャネル-患者-薬剤関係を解消する試みが成功しなかった場合、ブロック5744で、第1の中央サーバ109は、患者識別子、移動されなかった一次注入に関連付けられた薬剤識別子(該当する場合は)、及び移動されなかったピギーバック注入に関連付けられた薬剤識別子(該当する場合は)を含む「ポンプチャネルを変更する」のエラーメッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。「OK」ボタンを押すことによってひとたびユーザが「ポンプチャネル変更」エラーメッセージを了解すると、ブロック5746で、第1の中央サーバ109は、完了用URLを介して、失敗コードを第2の中央サーバ108aに返送する。
【0384】
ブロック5736で別の注入が新たなチャネルにすでに関連付けられていたわけではない場合、又はブロック5742で新たなチャネルに対するデータベース内のチャネル-患者-薬剤関係を解消する試みが成功した場合、ブロック5748で、第1の中央サーバ109は、一次注入とピギーバック注入の両方に対するデータベース内のチャネル-患者-薬剤関係を、旧チャネルから新チャネルに変更することを試みる。ブロック5750でデータベース内のチャネル-患者-薬剤関係を旧チャネルから新チャネルに移動する試みが成功しなかった場合、第1の中央サーバ109は、「ポンプチャネル変更」エラーメッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。
【0385】
ブロック5750でデータベース内のチャネル-患者-薬剤関係を旧チャネルから新チャネルに移動する試みが成功した場合、ブロック5752で、第1の中央サーバ109は、患者識別子、移動された一次注入に関連付けられた薬剤識別子(該当する場合は)、及び移動されたピギーバック注入に関連付けられた薬剤識別子(該当する場合は)を含む「ポンプチャネルを変更する」成功メッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。この表示は、チューブを新たなチャネルに移動させるようにとのユーザへのメッセージをも含むのが好ましい。「OK」ボタンを押すことによってひとたびユーザが「ポンプチャネル変更」成功メッセージを了解すると、ブロック5746で、第1の中央サーバ109は、完了用URLを介して、第2の中央サーバ108aに成功コードを返送する。
【0386】
(チャネルスキャン工程)
図58に、図57を参照して上に用いたチャネルスキャン工程5730の一例を示す。通常、チャネルスキャン工程5730は、ポンプチャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促し、スキャンしたチャネルが事前にスキャンされた患者識別子及び薬剤識別子に関連付けられているかどうかを判定する。スキャンしたチャネルがこれらの患者識別子及び薬剤識別子に関連付けられていない場合、目下の動作(例えば、停止、中止、再開、チャネル変更、ポンプ除去等)は取り消される。
【0387】
より具体的には、例示的なチャネルスキャン工程5730は、第1の中央サーバ109がブロック5802でチャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させるときに開始する。チャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図38に示す。例えば、ユーザは、デジタルアシスタント118のスキャナを用いて、チャネルに関連付けられたバーコードラベルをスキャンすることができる。代替的に、ユーザは、デジタルアシスタント118にチャネル識別子を手入力することもできる。
【0388】
次いで、ブロック5804で、チャネル識別子が検証のために第1の中央サーバ109に送信される。次いで、第1の中央サーバ109は、データベース内でチャネル識別子の検索を試みる。チャネル識別子がデータベース内に有効なチャネル識別子として存在しない(例えば、適切にフォーマットされていない、第1の中央サーバ109内に設定されていない等)場合、ブロック5806で、第1の中央サーバ109は、チャネル無効通知をデジタルアシスタント118に表示させる。例えば、デジタルアシスタント118は、チャネルが第1の中央サーバ109内に設定されていないというメッセージを表示することができ、且つユーザがチャネル識別子を再スキャンするか又は操作を取り消すことを可能にするボタンを含むことができる。ユーザが操作を取り消す選択を行った場合、ブロック5808で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに送信するのが好ましい。
【0389】
ひとたび有効なチャネル識別子を取得すると、第1の中央サーバ109は、該チャネル識別子を用いて、データベース内で患者識別子を検索する。次いで、ブロック5810で、データベースからの患者識別子がスキャンされた(又は手入力された)患者識別子と比較される。2つの患者識別子が一致しない場合、ブロック5812で、第1の中央サーバ109は、患者無効通知をデジタルアシスタント118に表示させる。例えば、デジタルアシスタント118は、スキャンされた患者112がスキャンされたチャネルに関連付けられていないというメッセージを表示し、スキャンされたチャネルに割り当てられた実際の患者112を示すことができる。ここでもまた、PDAディスプレイは、ユーザがチャネル識別子を再スキャンするか又は操作を取り消すことを可能にするボタンを含むことができる。ユーザが操作を取り消す選択を行った場合、ブロック5808で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに送信するのが好ましい。
【0390】
ひとたび有効なチャネル-患者関係が確立されれば、第1の中央サーバ109は、チャネル識別子及び患者識別子を用いて、データベース内で1つの薬剤識別子(又は一次薬剤124及びピギーバック薬剤124が両方ともこのチャネルに関連付けられている場合、2つの薬剤識別子)を検索する。次いで、ブロック5814で、データベースからの1つ又は複数の薬剤識別子が、スキャンされた(若しくは手入力された)薬剤識別子と比較される。データベースからの1つ又は複数の薬剤識別子がスキャンされた(若しくは手入力された)薬剤識別子と一致しない場合、ブロック5816で、第1の中央サーバ109は、薬剤無効通知をデジタルアシスタント118に表示させる。例えば、デジタルアシスタント118は、スキャンされた薬剤124がスキャンされたチャネルに関連付けられていないというメッセージを表示し、該スキャンされたチャネルに割り当てられた実際の薬剤124(該当する場合は一次及びピギーバックの両方)を示すことができる。ここでもまた、PDAディスプレイは、ユーザがチャネル識別子を再スキャンするか又は操作を取り消すことを可能にするボタンを含むことができる。ユーザが操作を取り消す選択を行った場合、ブロック5808で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに送信するのが好ましい。
【0391】
有効なチャネル-患者-薬剤関係が確立された場合、ブロック5818で、第1の中央サーバ109は、デジタルアシスタント118上に追加表示を発行することなく、有効なチャネルスキャンが行われたことを示し、最新の動作(例えば、投与、停止、中止、再開、チャネル変更、ポンプ除去等)に制御を戻す。
【0392】
(チャネルスキャン工程(新たなチャネル))
図59に、図57を参照して上に用いたチャネルスキャン工程5734の一例を示す。通常、チャネルスキャン工程5734は、ポンプチャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促し、スキャンしたチャネルが利用可能である(例えば、現在の患者112に割り当てられているが使用されていない)かどうかを判定する。スキャンしたチャネルが利用可能ではない場合、目下の動作(例えばチャネル変更)は取り消される。
【0393】
より具体的には、例示的なチャネルスキャン工程5734は、ブロック5902で第1の中央サーバ109がチャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させるときに開始する。チャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図38に示す。例えば、ユーザは、デジタルアシスタント118のスキャナを用いて、チャネルに関連付けられたバーコードラベルをスキャンすることができる。代替的に、ユーザは、デジタルアシスタント118にチャネル識別子を手入力することもできる。
【0394】
次いで、ブロック5904で、チャネル識別子が検証のために第1の中央サーバ109に送信される。次いで、第1の中央サーバ109は、データベース内でチャネル識別子の検索を試みる。このチャネル識別子がデータベース内に有効なチャネル識別子として存在しない(例えば、適切にフォーマットされていない、第1の中央サーバ109内に設定されていない等)場合、ブロック5906で、第1の中央サーバ109は、チャネル無効通知をデジタルアシスタント118に表示させる。例えば、デジタルアシスタント118は、チャネルが第1の中央サーバ109内に設定されていないというメッセージを表示することができ、且つユーザがチャネル識別子を再スキャンするか又は操作を取り消すことを可能にするボタンを含むことができる。ユーザが操作を取り消す選択を行った場合、ブロック5908で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに送信するのが好ましい。
【0395】
ひとたび有効なチャネル識別子を取得すると、第1の中央サーバ109は、該チャネル識別子を用いて、データベース内で患者識別子を検索する。次いで、ブロック5910で、第1の中央サーバ109は、データベースからの患者識別子をスキャンされた(又は手入力された)患者識別子と比較する。有効な患者識別子がデータベース内に存在するが2つの患者識別子が一致しない(即ちチャネルが異なる患者112に割り当てられている)場合、ブロック5912で、第1の中央サーバ109は、データベースをチェックし、このチャネルが稼動中であるかどうか(一次及び/又はピギーバックモードで)を調べる。
【0396】
チャネルが稼動中である場合、ブロック5914で、第1の中央サーバ109は、異なる患者112がスキャンされたチャネルに関連付けられていること及びそのチャネルが現在稼動中であることを示す「上書き不可能」エラーメッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。このエラーメッセージはまた、スキャンされたチャネルに関連付けられた患者112を示すデータ(例えば患者の氏名)、一次薬剤124、及び/又はピギーバック薬剤124をも含むことができる。ユーザは、取り消すか又は再スキャンする選択肢を与えられるのが好ましい。ユーザが操作を取り消す選択を行った場合、ブロック5908で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに送信する。ユーザが再スキャンする選択を行った場合、ブロック5902で、第1の中央サーバ109は、チャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。
【0397】
チャネルが稼動していない場合、ブロック5916で、第1の中央サーバ109は、異なる患者112がスキャンされたチャネルに関連付けられているが該チャネルが現在稼動していないことを示す「上書き続行」警告メッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。この警告メッセージは、続行することが既存のデータを上書きする(例えば、他の患者112との関連付けを解除する)ことになることを示すのが好ましい。この警告メッセージはまた、スキャンされたチャネルに関連付けられた患者112を示すデータ(例えば患者の氏名)、一次薬剤124、及び/又はピギーバック薬剤124をも含むことができる。ユーザは、取り消す、再スキャンする、又は続行する選択肢を与えられるのが好ましい。ユーザが操作を取り消す選択を行った場合、ブロック5908で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに送信する。ユーザが再スキャンする選択を行った場合、ブロック5902で、第1の中央サーバ109は、チャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。ユーザが続行する選択を行った場合、ブロック5918で、第1の中央サーバ109は、選択したチャネルを使用することを許可する旨を示すメッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。ユーザが「続行」を押すと、第1の中央サーバ109は、デジタルアシスタント118に追加表示を発行することなく、最新の動作(例えば投与、チャネル変更等)に制御を戻す。
【0398】
ブロック5920でデータベース内に有効な患者識別子が存在し、且つ2つの患者識別子が一致する(即ち、チャネルがこの患者112に割り当てられている)場合、第1の中央サーバ109は、ブロック5922で、データベースをチェックし、該チャネルが空いている(例えば、一次注入もピギーバック注入もこのチャネルに関連付けられていない)かどうかを調べる。チャネルが空いている場合、ブロック5918で、第1の中央サーバ109は、選択したチャネルを使用することを許可する旨を示すメッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。チャネルが空いていない場合、ブロック5924で、第1の中央サーバ109は、データベースをチェックして、該チャネルが稼動中(一次及び/又はピギーバックモードで)であるかどうかを調べる。
【0399】
このチャネルが稼動中である場合、ブロック5926で、第1の中央サーバ109は、この患者112がすでにスキャンされたチャネルに関連付けられていること及び該チャネルが現在稼動中であることを示す「上書き不可能」エラーメッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。このエラーメッセージはまた、患者112(例えば患者の氏名)、一次薬剤124、及び/又はピギーバック薬剤124を示すデータをも含むことができる。ユーザは、取り消すか又は再スキャンする選択肢を与えられるのが好ましい。ユーザが操作を取り消す選択を行った場合、ブロック5908で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに送信する。ユーザが再スキャンする選択を行った場合、ブロック5902で、第1の中央サーバ109は、チャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。
【0400】
このチャネルが稼動していない場合、ブロック5928で、第1の中央サーバ109は、この患者112はスキャンされたチャネルに関連付けられているが該チャネルは現在稼動していないことを示す「続行」メッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。このメッセージはまた、患者112(例えば患者の氏名)、一次薬剤124、及び/又はピギーバック薬剤124を示すデータをも含むことができる。ユーザは、取り消す、再スキャンする、又は続行する選択肢を与えられるのが好ましい。ユーザが操作を取り消す選択を行った場合、ブロック5908で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに送信する。ユーザが再スキャンする選択を行った場合、ブロック5902で、第1の中央サーバ109は、チャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。ユーザが続行する選択を行った場合、ブロック5918で、第1の中央サーバ109は、選択したチャネルを使用することを許可する旨を示すメッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。ユーザが再度続行を押すと、第1の中央サーバ109は、デジタルアシスタント118に追加表示を発行することなく、最新の動作(例えばチャネル変更)に制御を戻す。
【0401】
(注入停止/中止工程)
図60に、注入停止/中止工程6000の一例を示す。注入停止/中止工程6000は、注入を一時的に停止(即ち一時停止)する工程又は注入工程を完全に中止(即ち終了)するために用いることができる。通常、注入停止/中止工程6000は、停止又は中止が実行されることになるのか否かに関する情報、どの患者112が影響を受けることになるのかを識別する情報(例えば患者ID)、及びその患者112用のどの薬剤124が停止若しくは中止されることになるのかを識別する情報(例えばRxID)を含む入力を、デジタルアシスタント118などの電子装置から受信する。次いで、工程6000は、この情報を第1の中央サーバ109に送信し、該第1の中央サーバ109が、チャネル識別情報が停止/中止オーダ情報と一致することを確認し、且つ正しい注入が停止又は中止されることを確認する。
【0402】
より具体的には、例示的な注入停止/中止工程6000は、ブロック6002で第2の中央サーバ108aが患者のリストをデジタルアシスタント118に表示させるときに開始する。患者のリストを示すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図24に示す。患者のリストは、その時刻にそのデジタルアシスタント118にログインしているユーザ(例えば臨床家116)に関連付けられている患者に限定されるのが好ましい。ひとたびユーザが患者112を選択すると、該選択及び/又は該患者112を識別する情報が、デジタルアシスタント118から第2の中央サーバ108aに返信される。デジタルアシスタント118と第2の中央サーバ108aとの間の通信は、上述の無線/有線ネットワーク102のような任意の適した通信チャネルを介することができる。次いで、ブロック6004で、第2の中央サーバ108aは、動作のリストをデジタルアシスタント118に表示させる。動作のリストを示すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図25に示す。動作のリストは、選択された患者112に関連付けられた動作に限定されるのが好ましい。例えば、「注入停止」動作及び「注入中止」動作は、この患者112に関連付けられた注入が目下実行状態である場合にのみ利用可能となろう。
【0403】
ユーザが動作のリストから「注入停止」動作又は「注入中止」動作を選択すると、選択された動作を識別する情報が第2の中央サーバ108aに送信される。これに応答して、ブロック6006で、第2の中央サーバ108aは、その患者112に対する全ての実行中の注入を記載し且つ停止又は中止すべき薬剤124に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。薬剤124に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図34に示す。ユーザは、デジタルアシスタント118のスキャナを用いて、薬剤124のバッグ上の薬剤ラベル124a(例えば注入バッグ上のバーコード)をスキャンすることができる。代替的に、ユーザは、薬剤識別子をデジタルアシスタント118に手入力することもできる。
【0404】
次いで、ブロック6008で、薬剤識別子が、検証のために第2の中央サーバ108aに送信される。第2の中央サーバ108aは、データベース内で薬剤識別子の検索を試みる。薬剤識別子(例えばバッグID)がデータベース内に有効な薬剤識別子として存在しない場合、ブロック6010で、第2の中央サーバ108aは、項目無効通知をデジタルアシスタント118に表示させる。ひとたびユーザが項目無効通知を了解すると(又は通知がタイムアウトすると)、ブロック6006で、デジタルアシスタント118は、停止又は中止すべき薬剤124に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面を再表示する。
【0405】
ブロック6008で薬剤識別子(例えばバッグID)がデータベース内に有効な薬剤識別子として存在する場合、第2の中央サーバ108aは、ブロック6012で、患者112に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。患者112に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図36に示す。ユーザは、デジタルアシスタント118のスキャナを用いて、患者のリストバンド112a上のバーコードラベルをスキャンすることができる。代替的に、ユーザは、デジタルアシスタント118に患者識別子を手入力することもできる。次いで、ブロック6014で、患者識別子が、検証のために第2の中央サーバ108aに送信される。次いで、第2の中央サーバ108aは、データベース内で患者識別子の検索を試みる。患者識別子(例えばリストバンドID)がデータベース内に有効な患者識別子として存在しない場合、ブロック6016で、第2の中央サーバ108aは、患者無効通知をデジタルアシスタント118に表示させる。ひとたびユーザが患者無効通知を了解すると(又は通知がタイムアウトすると)、ブロック6012で、デジタルアシスタント118は、患者112に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面を再表示する。
【0406】
ブロック6014で患者識別子(例えばリストバンドID)がデータベース内に有効な患者識別子として存在する場合、第2の中央サーバ108aは、「注入停止」動作又は「注入中止」動作の理由を示すコードに対してユーザを促すこともできる。この理由コードが提供されない場合、本システムは、理由コードを提供しなければならない旨のメッセージをユーザに対して表示するのが好ましい。更に、第2の中央サーバ108aは、オーダにタイムスタンプを押すか及び/又はこの動作を行うべき時刻に対してユーザを促すことができる。また更に、第2の中央サーバ108aは、注入オーダの状態をチェックし、該注入オーダがアクティブであるか又は中止されているかを判定するのが好ましい。
【0407】
注入オーダがアクティブである場合、ブロック6018で、第2の中央サーバ108aは、ブロック6004からのユーザ選択に基づいてユーザが「注入停止」動作又は「注入中止」動作を発行することを試みているかどうかを判定する。ユーザが「注入停止」動作を発行することを試みている場合、ブロック6020で、第2の中央サーバ108aは、「注入停止」XML文書内の「DCFlag」を「FALSE」に設定する。ユーザが「注入中止」動作を発行することを試みている場合、ブロック6022で、第2の中央サーバ108aは、「注入停止」XML文書内の「DCFlag」を「TRUE」に設定する。もちろん、変数の状態を表示する任意の周知の方法を用いることができる。
【0408】
次いで、患者識別子(例えばリストバンドID)、薬剤識別子(例えばバッグID)、完了用URL、取り消し用URL、及びDCFlag(停止対中止を示す)を含む「注入停止」XML文書が、第1の中央サーバ109に伝送される。完了用URLは、注入の停止又は中止が成功した場合に用いられるネットワークアドレスである。取り消し用URLは、「注入停止」動作又は「注入中止」動作が失敗したか若しくは取り消された場合に用いられるネットワークアドレスである。
【0409】
ひとたび第1の中央サーバ109が「注入停止」XML文書を受信すると、ブロック6024で、第1の中央サーバ109は、「注入停止」XML文書が有効であるかどうかを判定する。例えば、第1の中央サーバ109は、通常「注入停止」XML文書内に予測されるなんらかのデータが受信した「注入停止」XML文書から欠落しているかどうかをチェックすることができる。「注入停止」XML文書が有効ではないと第1の中央サーバ109が判定した場合、ブロック6026で、第1の中央サーバ109は、「注入停止」動作又は「注入中止」動作を実行することができなかったことをユーザに対して示すエラーメッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。この表示は、どのデータが「注入停止」XML文書から欠落していたかなどの理由を含むことができる。ユーザが「OK」ボタンを押してエラーメッセージを了解した後、ブロック6028で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、失敗コードを第2の中央サーバ108aに返送する。
【0410】
「注入停止」XML文書が有効であると第1の中央サーバ109が判定した場合、第1の中央サーバ109は、チャネルスキャン工程5730を開始する。通常、チャネルスキャン工程5730は、停止又は中止されることになる注入を目下実行中のポンプチャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促し、スキャンしたチャネルが患者識別子及び薬剤識別子に関連付けられているかどうかを判定する(図58を参照して上に詳述したように)。スキャンされたチャネルが患者識別子及び薬剤識別子に関連付けられていない場合、「注入停止」動作又は「注入中止」動作は取り消される。そのような場合、ブロック6028で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。
【0411】
スキャンされたチャネルが患者識別子及び薬剤識別子に関連付けられている(即ち、チャネルが有効である)場合、ブロック6032で、第1の中央サーバ109は、患者112及び停止すべき薬剤124及び薬剤124が存在するチャネルの詳細を含む停止すべき注入を示すメッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。PDAディスプレイは、「続行」ボタン及び「キャンセル」ボタンをも含むことが好ましい。この方法では、ユーザは、表示された注入を手動で停止することができ、次いで「続行」ボタンを押して、正しい注入が実際に停止又は中止されたかどうかをチェックするように第1の中央サーバ109に通知することができる。代替的に、ユーザは「キャンセル」ボタンを押すこともでき、その時点で、第1の中央サーバ109は、ブロック6028で、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。
【0412】
ユーザが「続行」ボタンを押した場合、ブロック6034で、第1の中央サーバ109は、ポンプ120によって第1の中央サーバ109に送信された状態情報を読み取ることにより、注入が停止されたかどうかを判断する。ポンプ120が第1の中央サーバ109と通信することができない場合、第1の中央サーバ109は、そのチャネルに関する通信イベントの損失を生成する。チャネルとの通信が失われている場合、そのチャネル上の注入の状態は、そのチャネルとの通信が回復するまで、「停止」又は「中止」に変更することはできない。通信が正常に機能しているが注入が停止されなかった場合、ブロック6036で、第1の中央サーバ109は、注入が停止されなかったことを示しかつ患者112及び停止すべき注入を示す警告メッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。このディスプレイは、「OK」ボタン及び「キャンセル」ボタンをも含むのが好ましい。ユーザが「OK」ボタンを押した場合、ブロック6034で、第1の中央サーバ109は、再度チェックして、正しい注入が実際に中止又は停止されたかどうかを調べる。ユーザが「キャンセル」ボタンを押した場合、ブロック6028で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。
【0413】
ブロック6034で注入が停止された場合、ブロック6038で、第1の中央サーバ109は、これが「注入停止」動作であるか又は「注入中止」動作であるかをチェックする。例えば、第1の中央サーバ109は、ブロック6020又はブロック6022によって設定されたDCFlagなどのフラグの状態をチェックすることができる。これが「注入停止」動作(即ち注入一時停止)である場合、ブロック6044で、第1の中央サーバ109は、完了用URLを介して、成功コード及びDCFlag-=FALSEを第2の中
央サーバ108aに返送する。
【0414】
そうではなくこれが「注入中止」動作(即ち注入終了)である場合、ブロック6040で、第1の中央サーバ109は、一時注入又はピギーバック注入であるが好ましくは両方ではない注入に対する患者識別子、薬剤識別子、及びチャネル識別子間のデータベース関連付けを解除することを試みるのが好ましい。ユーザが1つのチャネル上で実行中の一次注入及びピギーバック注入の両方を停止又は中止したい場合、ユーザは、「注入停止」動作又は「注入中止」動作を2回、各注入に対して1回実行することができる。第1の中央サーバ109がブロック6042でデータベースの関連付けを解除するのに成功しなかった場合、ブロック6028で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、失敗コードを第2の中央サーバ108aに返送する。第1の中央サーバ109がブロック6042でデータベースの関連付けを解除するのに成功した場合、ブロック6044で、第1の中央サーバ109は、完了用URLを介して、成功コード及びDCFlag=TRUEを第2の中央サーバ108aに返送する。
【0415】
第1の中央サーバ109は、「注入中止」動作が成功した場合にのみ、選択された注入に対する患者識別子、薬剤識別子、及びチャネル識別子間の関連付けを解除する。その他の場合は、この関連付けは維持される。例えば、「注入停止」動作が成功したか又は「注入中止」動作が失敗した場合、患者識別子、薬剤識別子、及びチャネル間の関連付けは維持される。同様に、第2の中央サーバ108aは、第1の中央サーバ109から成功コードを受信すると同時に、注入の状態を「停止」又は「中止」に更新するだけである。どの他の結果(例えば取り消しコード又は失敗コード)も、第2の中央サーバ108aに、注入をその前の状態に保たせる。工程6000の任意の時点で、ユーザは、工程6000を取り消す選択肢を有するのが好ましい。停止/中止工程は、MARの目的上、注入が再開されたことを文書化するために用いることができる。
【0416】
(注入再開工程)
図61に、注入再開工程6100の一例を示す。注入再開工程6100は、停止された(即ち一時停止された)注入工程を再開するために用いることができる。しかしながら、注入再開工程6100は、中止された(即ち終了された)注入工程を再開するために用いることはできない。通常、注入再開工程6100は、再開工程が実行されることになるのを示す情報、どの患者112が影響を受けることになるのかを識別する情報(例えば患者ID)、及びその患者112用のどの薬剤124が再開されることになるのかを識別する情報(例えばRxID)を含む入力を、デジタルアシスタント118などの電子装置から受信する。次いで、工程6100は、この情報を第1の中央サーバ109に送信し、該第1の中央サーバ109が、チャネル識別情報が再開オーダ情報と一致することを確認し、且つ正しい注入が再開されることを確認する。
【0417】
より具体的には、例示的な注入再開工程6100は、ブロック6102で第2の中央サーバ108aが患者のリストをデジタルアシスタント118に表示させるときに開始する。患者のリストを示すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図24に示す。患者のリストは、その時刻にそのデジタルアシスタント118にログインしているユーザ(例えば臨床家116)に関連付けられた患者に限定されるのが好ましい。ひとたびユーザが患者112を選択すると、該選択及び/又は該患者112を識別する情報が、デジタルアシスタント118から第2の中央サーバ108aに返信される。デジタルアシスタント118と第2の中央サーバ108aとの間の通信は、上述の無線/有線ネットワーク102のような任意の適した通信チャネルを介することができる。次いで、ブロック6104で、第2の中央サーバ108aは、デジタルアシスタント118に動作のリストを表示させる。動作のリストを示すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図25に示す。動作のリストは、選択された患者112に関連付けられた動作に限定されるのが好ましい。例えば、「注入再開」動作は、この患者112に関連付けられた注入が目下停止状態にある場合にのみ利用可能となろう。
【0418】
ユーザが動作のリストから「注入再開」動作を選択すると、選択された動作を識別する情報が第2の中央サーバ108aに送信される。これに応答して、ブロック6106で、第2の中央サーバ108aは、再開すべき薬剤124に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。薬剤124に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図34に示す。ユーザは、デジタルアシスタント118のスキャナを用いて、薬剤124のバッグ上の薬剤ラベル124a(例えば注入バッグ上のバーコード)をスキャンすることができる。代替的に、ユーザは、デジタルアシスタント118に薬剤識別子を手入力することもできる。
【0419】
次いで、ブロック6108で、薬剤識別子が検証のために第2の中央サーバ108aに送信される。第2の中央サーバ108aは、データベース内で薬剤識別子の検索を試みる。薬剤識別子(例えばバッグID)がデータベース内に有効な薬剤識別子として存在しない場合、ブロック6110で、第2の中央サーバ108aは、項目無効通知をデジタルアシスタント118に表示させる。ひとたびユーザが項目無効通知を了解する(又は通知がタイムアウトする)と、ブロック6106で、デジタルアシスタント118は、薬剤124に関連付けられた機械可読識別子をスキャンして再開するようにユーザに促す画面を再表示する。ユーザが再開すべき薬剤124に関連付けられた機械可読識別子をスキャンしたが該薬剤124が中止されていた場合、第2の中央サーバ108aは、該薬剤124はその中止状態のために再開することができないことを示すユーザに対するメッセージをデジタルアシスタント118に表示させるのが好ましい。
【0420】
ブロック6108で薬剤識別子(例えばバッグID)がデータベース内に有効な薬剤識別子として存在するが中止されていない場合、ブロック6112で、第2の中央サーバ108aは、患者112に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。患者112に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図36に示す。ユーザは、デジタルアシスタント118のスキャナを用いて、患者のリストバンド112a上のバーコードラベルをスキャンすることができる。代替的に、ユーザは、デジタルアシスタント118に患者識別子を手入力することもできる。次いで、ブロック6114で、患者識別子が検証のために第2の中央サーバ108aに送信される。次いで、第2の中央サーバ108aが、データベース内で患者識別子の検索を試みる。患者識別子(例えばリストバンドID)がデータベース内に有効な患者識別子として存在しない場合、ブロック6116で、第2の中央サーバ108aは、デジタルアシスタント118に患者無効通知を表示させる。ひとたびユーザが患者無効通知を了解する(又は通知がタイムアウトする)と、ブロック6112で、デジタルアシスタント118は、患者112に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面を再表示する。
【0421】
ブロック6114で、患者識別子(例えばリストバンドID)がデータベース内に有効な患者識別子として存在する場合、第2の中央サーバ108aは、「注入再開」動作の理由を示すコードに対してユーザを促すこともできる。理由コードが提供されていない場合、本システムは、理由コードを提供しなければならない旨のメッセージをユーザに対して表示するのが好ましい。更に、第2の中央サーバ108aは、オーダにタイムスタンプを押すことができ、且つ/又は動作を行うべき時刻に対してユーザに促すことができる。また更に、第2の中央サーバ108aは、注入オーダの状態をチェックし、該注入オーダがアクティブであるか又は中止されているかを判定するのが好ましい。
【0422】
注入オーダがアクティブである場合、第2の中央サーバ108aは、「注入再開」XML文書を第1の中央サーバ109に伝送する。「注入再開」XML文書は、患者識別子(例えばリストバンドID)、薬剤識別子(例えばバッグID)、完了用URL、及び取り消し用URLを含む。完了用URLは、注入の再開が成功した場合に用いられるネットワークアドレスである。取り消し用URLは、「注入再開」動作が失敗したか又は取り消された場合に用いられるネットワークアドレスである。
【0423】
ひとたび第1の中央サーバ109が「注入再開」XML文書を受信すると、ブロック6124で、第1の中央サーバ109は、「注入再開」XML文書が有効であるかどうかを判定する。例えば、第1の中央サーバ109は、通常「注入再開」XML文書内に予測されるいずれかのデータが受信した「注入再開」XML文書から欠落しているかどうかをチェックすることができる。「注入再開」XML文書が有効ではないと第1の中央サーバ109が判定した場合、ブロック6126で、第1の中央サーバ109は、「注入再開」動作を実行できなかったことをユーザ示すエラーメッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。この表示は、どのデータが「注入再開」XML文書から欠落していたかなどの理由を含むことができる。ユーザが「OK」ボタンを押してエラーメッセージを了解した後、ブロック6128で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、失敗コードを第2の中央サーバ108aに返送する。
【0424】
「注入再開」XML文書が有効であると第1の中央サーバ109が判定した場合、第1の中央サーバ109は、チャネルスキャン工程5730を開始する。通常、チャネルスキャン工程5730は、再開すべき注入に現在関連付けられているポンプチャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促し、スキャンしたチャネルが患者識別子及び薬剤識別子に関連付けられているかどうかを判定する(図58を参照して上に詳述したように)。スキャンされたチャネルが患者識別子及び薬剤識別子に関連付けられていない場合、「注入再開」動作は取り消される。そのような場合、ブロック6128で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。
【0425】
スキャンされたチャネルが患者識別子及び薬剤識別子に関連付けられている(即ちチャネルが有効である)場合、ブロック6132で、第1の中央サーバ109は、患者112及び再開すべき注入を示すメッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。PDAディスプレイは、「続行」ボタン及び「キャンセル」ボタンをも含むのが好ましい。この方法では、ユーザは、表示された注入を手動で再開し、次いで「続行」ボタンを押して第1の中央サーバ109に正しい注入が実際に再開されたかどうかチェックするように通知することができる。代替的に、ユーザは「キャンセル」ボタンを押すこともでき、その時点で、第1の中央サーバ109は、ブロック6128で、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。
【0426】
ユーザが「続行」ボタンを押した場合、ブロック6134で、第1の中央サーバ109は、ポンプ120によって第1の中央サーバ109に送信された状態情報を読み取ることにより、注入が再開されたかどうかを判定する。ポンプ120が第1の中央サーバ109と通信することができない場合、第1の中央サーバ109は、そのチャネルに対して通信損失イベントを生成する。チャネルとの通信が失われている場合、そのチャネルに関する注入の状態は、そのチャネルとの通信が回復するまで「再開済み」に変更することはできない。通信が正常に機能しているが注入が再開されなかった場合、ブロック6136で、第1の中央サーバ109は、注入が再開されなかったことを示し且つ患者112及び再開すべき注入を示す警告メッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。この表示は、「OK」ボタン及び「キャンセル」ボタンをも含むのが好ましい。ユーザが「OK」ボタンを押した場合、ブロック6134で、第1の中央サーバ109は、再度チェックして、正しい注入が実際に再開されたかどうかを調べる。ユーザが「キャンセル」ボタンを押した場合、ブロック6128で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。
【0427】
ブロック6134で注入が再開された場合、ブロック6144で、第1の中央サーバ109は、完了用URLを介して、成功コードを第2の中央サーバ108aに返送する。第1の中央サーバ109は、選択された注入に対する患者識別子、薬剤識別子、及びチャネル識別子間の関連付けを維持する。第2の中央サーバ108aは、第1の中央サーバ109からの成功コードの受信と同時に注入の状態を「実行中」に更新するのみである。どのような他の結果(例えば取り消しコード又は失敗コード)も、第2の中央サーバ108aに、注入をその前の状態に保持させる。好適には、ユーザが1つのチャネルで実行中の一次注入とピギーバック注入の両方を再開することを希望する場合、ユーザは、「注入再開」動作を2回、各注入に対して1回実行することができる。再開工程は、MARの目的上、注入が再開されたことを文書化するために用いることができる。



【0428】
(ポンプ除去工程)
図62に、ポンプ除去工程6200の一例を示す。ポンプ除去工程6200は、薬局のデータベース内に現存する注入中止オーダと無関係に且つ上述の注入停止/中止工程6000を経由することなく第1の中央サーバ109のデータベース内のチャネル-患者-薬剤関係を終了するために用いることができる。通常、ポンプ除去工程6200は、ポンプ除去工程が実行されることになるのを示す情報、どの患者112が影響を受けることになるかを識別する情報(例えば患者ID)、及びその患者112用のどの薬剤124が影響を受けることになるのかを示す情報(例えばRxID)を含む入力を、デジタルアシスタント118などの電子装置から受信する。次いで、工程6200は、この情報を第1の中央サーバ109に送信し、該第1の中央サーバ109が、チャネル識別情報がポンプ除去オーダ情報と一致することを確認し、且つ正しいポンプ120が除去されることを確認する。
【0429】
より具体的には、例示的なポンプ除去工程6200は、ブロック6202で第2の中央サーバ108aが選択のために患者のリストをデジタルアシスタント118に表示させるときに開始する。患者のリストを示すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図24に示す。患者のリストは、その時刻にそのデジタルアシスタント118にログインしているユーザ(例えば臨床家116)に関連付けられた患者に限定されるのが好ましい。ひとたびユーザが患者112を選択すると、該選択及び/又は患者112を識別する情報が、デジタルアシスタント118から第2の中央サーバ108aに返信される。デジタルアシスタント118と第2の中央サーバ108aとの間の通信は、上述の無線/有線ネットワーク102のような任意の適した通信チャネルを介することができる。次いで、ブロック6204で、第2の中央サーバ108aは、デジタルアシスタント118に動作のリストを表示させる。動作のリストを示すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図25に示す。動作のリストは、選択された患者112に関連付けられた動作に限定されるのが好ましい。例えば、「ポンプ除去」動作は、この患者112に関連付けられた注入が現在第1の中央サーバ109のデータベースに記載されている場合にのみ利用可能となろう。
【0430】
ユーザが動作のリストから「ポンプ除去」動作を選択すると、選択された動作を識別する情報が第2の中央サーバ108aに送信される。これに応答して、ブロック6206で、第2の中央サーバ108aは、この「ポンプ除去」動作によって影響を受ける薬剤124に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。薬剤124に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図34に示す。ユーザは、デジタルアシスタント118のスキャナを用いて、薬剤124のバッグ上の薬剤ラベル124a(例えば注入バッグ上のバーコード)をスキャンすることができる。代替的に、ユーザは、デジタルアシスタント118に薬剤識別子を手入力することもできる。
【0431】
次いで、ブロック6208で、薬剤識別子が検証のために第2の中央サーバ108aに送信される。第2の中央サーバ108a(又はデジタルアシスタント118)は、適切にフォーマットされた薬剤識別子が受信されたかどうかをチェックする。「ポンプ除去」動作の目的は第2の中央サーバ108aのデータベース内に対応する注入を有しない関連付けを第1の中央サーバ109のデータベースから除去することであるため、第2の中央サーバ108aは、薬剤識別子が第2の中央サーバ108aのデータベース内の現在の注入と一致するかどうかをチェックする必要がないのが好ましい。
【0432】
薬剤識別子(例えばバッグID)が適切にフォーマットされていない場合、ブロック6210で、第2の中央サーバ108aは、項目無効通知をデジタルアシスタント118に表示させる。ひとたびユーザが項目無効通知を了解する(又は通知がタイムアウトする)と、ブロック6206で、デジタルアシスタント118は、再開すべき薬剤124に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面を再表示する。
【0433】
ブロック6208で薬剤識別子(例えばバッグID)が適切にフォーマットされていた場合、ブロック6212で、第2の中央サーバ108aは、患者112に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面をデジタルアシスタント118に表示させる。患者112に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促すデジタルアシスタントディスプレイ118aの一例を図36に示す。ユーザは、デジタルアシスタント118のスキャナを用いて、患者のリストバンド112a上のバーコードラベルをスキャンすることができる。代替的に、ユーザは、デジタルアシスタント118に患者識別子を手入力することもできる。次いで、ブロック6214で、患者識別子が検証のために第2の中央サーバ108aに送信される。次いで、第2の中央サーバ108a(又はデジタルアシスタント118)は、適切にフォーマットされた患者識別子が受信されたかどうかをチェックする。「ポンプ除去」動作の目的は第2の中央サーバ108aのデータベース内に対応する注入を有しない関連付けを第1の中央サーバ109のデータベースから除去することであるため、第2の中央サーバ108aは、患者識別子が第2の中央サーバ108aのデータベース内の現在の注入と一致するかどうかをチェックする必要がないのが好ましい。しかしながら、第2の中央サーバ108a(又はデジタルアシスタント118)は、患者識別子がブロック6202で選択された患者112と一致するかどうかをチェックすることができる。
【0434】
患者識別子(例えばリストバンドID)が適切にフォーマットされていない場合、又は患者識別子がブロック6202で選択された患者112と一致しない場合、ブロック6216で、第2の中央サーバ108aは、患者無効通知をデジタルアシスタント118に表示させる。ひとたびユーザが患者無効通知を了解する(又は通知がタイムアウトする)と、ブロック6212で、デジタルアシスタント118は、患者112に関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようにユーザに促す画面を再表示する。
【0435】
ブロック6214で患者識別子(例えばリストバンドID)が適切にフォーマットされており且つブロック6202で選択された患者112と一致する場合、ブロック6217で、第2の中央サーバ108aは、「アラームルーティング停止」XML文書を第1の中央サーバ109に伝送する。「アラームルーティング停止」XML文書は、患者識別子(例えばリストバンドID)、薬剤識別子(例えばバッグID)、完了用URL、及び取り消し用URLを含む。完了用URLは、ポンプ120の除去が成功した場合に用いられるネットワークアドレスである。取り消し用URLは、「ポンプ除去」動作が失敗したか又は取り消された場合に用いられるネットワークアドレスである。
【0436】
ひとたび第1の中央サーバ109が「アラームルーティング停止」XML文書を受信すると、ブロック6224で、第1の中央サーバ109は、「アラームルーティング停止」XML文書が有効であるかどうかを判定する。例えば、第1の中央サーバ109は、「アラームルーティング停止」XML文書内に通常予測されるなんらかのデータが受信した「アラームルーティング停止」XML文書から欠落しているかどうかをチェックすることができる。「アラームルーティング停止」XML文書が有効ではないと第1の中央サーバ109が判定した場合、ブロック6226で、第1の中央サーバ109は、「アラームルーティング停止」動作を実行することができなかったことをユーザに対して示すエラーメッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。この表示は、どのデータが「アラームルーティング停止」XML文書から欠落していたかなどの理由を含むことができる。ユーザが「OK」ボタンを押してエラーメッセージを了解した後、ブロック6228で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、失敗コードを第2の中央サーバ108aに返送する。
【0437】
「アラームルーティング停止」XML文書が有効であると第1の中央サーバ109が判定した場合、第1の中央サーバ109は、チャネルスキャン工程5730を開始する。通常、チャネルスキャン工程5730は、除去すべきポンプ120に現在関連付けられているポンプチャネルに関連付けられた機械可読識別子をスキャンするようユーザに促し、スキャンしたチャネルが患者識別子及び薬剤識別子に関連付けられているかどうかを判定する(図58を参照して上に詳述したように)。スキャンされたチャネルが患者識別子及び薬剤識別子に関連付けられていない場合、「ポンプ除去」動作は取り消される。そのような場合、ブロック6228で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。
【0438】
スキャンされたチャネルが患者識別子及び薬剤識別子に関連付けられている(即ち、チャネルが有効である)場合、ブロック6232で、第1の中央サーバ109は、患者112及びこの動作に関連付けられた注入を示すメッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。PDAディスプレイは、「続行」ボタン及び「キャンセル」ボタンをも含むのが好ましい。この方法では、ユーザは、表示された注入を手動で停止し、次いで「続行」ボタンを押して正しい注入が実際に停止されたかどうかをチェックするように第1の中央サーバ109に通知することができる。代替的に、ユーザは、「キャンセル」ボタンを押すこともでき、その時点で、第1の中央サーバ109は、ブロック6228で、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。
【0439】
ユーザが「続行」ボタンを押した場合、ブロック6234で、第1の中央サーバ109は、ポンプ120によって第1の中央サーバ109に送信された状態情報を読み取ることにより、注入が停止されたかどうかを判定する。注入が停止されなかった場合、ブロック6236で、第1の中央サーバ109は、注入が停止されなかったことを示す警告メッセージをデジタルアシスタント118に表示させる。この表示は、「続行」ボタン及び「キャンセル」ボタンをも含むのが好ましい。ユーザが「キャンセル」ボタンを押した場合、ブロック6228で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、取り消しコードを第2の中央サーバ108aに返送する。
【0440】
ユーザが「続行」ボタンを押した場合、ブロック6240で、第1の中央サーバ109は、患者識別子、薬剤識別子、及び一次注入又はピギーバック注入に対するチャネル識別子であるが両方に対するものではないのが好ましい識別子間のデータベース関連付けを解除することを試みる。ユーザが1つのチャネル上で実行中の一次注入とピギーバック注入の両方に関連付けられたアラームルーティングを停止することを希望する場合、ユーザは、「ポンプ除去」動作を2回、各注入に対して1回実行することができる。ブロック6242で第1の中央サーバ109がデータベース関連付けの解除に成功しなかった場合、ブロック6228で、第1の中央サーバ109は、取り消し用URLを介して、失敗コードを第2の中央サーバ108aに返送する。ブロック6242で第1の中央サーバ109がデータベース関連付けの解除に成功した場合、ブロック6244で、第1の中央サーバ109は、完了用URLを介して、成功コードを第2の中央サーバ108aに返送する。
【0441】
第1の中央サーバ109は、「ポンプ除去」動作が成功した場合にのみ選択された注入に対する患者識別子、薬剤識別子、及びチャネル識別子間の関連付けを解除する。それ以外の場合は、この関連付けは維持される。第2の中央サーバ108aは、第1の中央サーバ109から成功コードを受信した際に「解除」された注入の状態を更新する必要はない。
【0442】
(暗号化通信工程)
上述したように、本システムは、有線又は無線のネットワークを介して通信する複数のデジタルアシスタント118及び複数の医療機器(例えば注入ポンプ120)を含むことができる。伝送されるデータの一部は機密の医療データであるため、該データは、暗号化され且つ許可されたユーザ及び装置に自由な環境でのみ通信されるのが好ましい。新たなデジタルアシスタント118又は医療機器120を設定するために、認証工程の使用開始段階を実施することができる。就役した装置が強化される度に、認証工程を実行し、許可された装置及び/又はユーザとの通信が行われていることを検証するのが好ましい。ひとたび装置及び/又はユーザが許可されると、デジタルアシスタント、医療機器、並びに/若しくはサーバ間でパラメータ、指示、データ、アラーム、状態情報、及び任意の他の種類の情報を送るために暗号化された片方向通信及び/又は双方向通信を行うことができる。
【0443】
図63を参照すると、暗号化通信工程6300のデジタルアシスタント使用開始段階(即ちサーバ登録段階)は、第1の中央サーバ109がデジタルアシスタントのユーザアカウントを生成するときに開始する(ブロック6302)。例えば、デジタルアシスタントのユーザアカウントは、Microsoft Active Directoryを用いて、周知の方法で設定することができる。次いで、ブロック6304で、第1の中央サーバ109は、デジタルアシスタント118に対するデジタル証明書を生成する。デジタル証明書は、任意の方法で生成することができる。例えば、デジタル証明書は、Microsoft Digital Certificate Servicesを用いて、第1の中央サーバ109において周知の方法で生成することができる。デジタル証明書は、第1の中央サーバの秘密鍵を用いてデジタル署名されたデジタルアシスタントの公開鍵を含むのが好ましい。換言すれば、第1の中央サーバ109は、デジタルアシスタントのデジタル証明書に対する認証機関(CA)として機能している。ひとたびデジタル証明書が生成されると、ブロック6306で、第1の中央サーバ109は、該デジタル証明書をユーザアカウントへマッピングする。
【0444】
次いで、ブロック6308で、デジタルアシスタントのデジタル証明書及びデジタルアシスタントの秘密鍵が、第1の中央サーバ109によって、ブロック6310のデジタルアシスタント118に送信される。デジタルアシスタントのデジタル証明書及びデジタルアシスタントの秘密鍵は、暗号化接続(secure connection)を介してデジタルアシスタント118に送信されるのが好ましい。例えば、他のいずれの装置にも接続されていないRS-232ケーブルを用いることができる。更に、第1の中央サーバのデジタル証明書は、ブロック6312で、第1の中央サーバ109によって、ブロック6314のデジタルアシスタント118に送信される。ここでもまた、第1の中央サーバのデジタル証明書は、他のいずれの装置にも接続されていないRS-232ケーブルなどの暗号化接続を介してデジタルアシスタント118に送信されるのが好ましい。この時点で、デジタルアシスタント118は、使用を開始される(即ち、サーバに登録される)。
【0445】
もちろん、デジタルアシスタント118と通信する任意の方法を用いることができる。一例では、デジタルアシスタントの秘密鍵は、デジタルアシスタント118が製造される時点で、該デジタルアシスタント118に関連付けられた記憶装置(例えばEPROM)に格納することができる。更に、各デジタルアシスタント118が、デジタルアシスタント118を互いに区別するために用いられる異なった識別コードを有する同一の秘密鍵を有することができる。
【0446】
使用を開始されたデジタルアシスタント118に電源が投入される度に、デジタルアシスタント118及び第1の中央サーバ109は、非暗号化無線接続(unsecured wireless connection)から暗号化無線接続へ移動するために、認証工程を実行しなければならない。図示の例では、デジタルアシスタント118は、ブロック6316及びブロック6318で、第1の中央サーバ109と非暗号化802.11(無線イーサネット(登録商標))接続を確立する。もちろん、有線接続又は別のプロトコルを用いた接続のような、任意の種類の接続を用いることができる。
【0447】
図64に移ると、ブロック6402で、デジタルアシスタント118は、暗号化接続を確立するようにとの要求を第1の中央サーバ109に送信する。第1の中央サーバ109は、ブロック6404で、暗号化接続を確立するようにとのデジタルアシスタントの要求を受信する。第1の中央サーバ109は、非暗号化接続を介してデジタルアシスタント118に第1の中央サーバのデジタル証明書のコピーを送信することにより、ブロック6406で、暗号化接続を確立するようにとの要求に応答する。ブロック6408で、デジタルアシスタント118は、第1の中央サーバのデジタル証明書を受信する。
【0448】
ブロック6410で、デジタルアシスタント118は、第1の中央サーバのデジタル証明書を用いて、第1の中央サーバ109を認証する。更に、ブロック6412で、デジタルアシスタント118は、第1の中央サーバのデジタル証明書を用いて、組み込まれた第1の中央サーバ109に関連付けられたuniform resource locator(URL)を取り出す。デジタルアシスタント118は今やそれが本物の第1の中央サーバ109と話していることを知り、取り出したURLからデータ及びサービスを要求することができる。
【0449】
次に、ブロック6414で、第1の中央サーバ109は、暗号化接続の残りの半分を確立するようにとの要求をデジタルアシスタント118に送信する。デジタルアシスタント118は、ブロック6416で、第1の中央サーバの要求を受信する。デジタルアシスタント118は、デジタルアシスタントのデジタル証明書のコピーを第1の中央サーバ109に送信することにより、ブロック6418で、暗号化接続を確立するようにとの要求に応答する。ブロック6420で、第1の中央サーバ109は、デジタルアシスタントのデジタル証明書を受信する。
【0450】
ブロック6422で、第1の中央サーバ109は、デジタルアシスタントのデジタル証明書を用いてデジタルアシスタント118を認証する。第1の中央サーバ109は今や、それが使用を開始されたデジタルアシスタント118と話していることを知り、デジタルアシスタント118と通信することができる。更に、図65に移ると、第1の中央サーバ109は、ブロック6502でデジタルアシスタントのユーザアカウントに対するセッションをアクティブディレクトリにマッピングすることにより、このデジタルアシスタント118がアクセスすることを許可されているファイルを確認する。
【0451】
今やデジタルアシスタント118は暗号化接続を介して第1の中央サーバ109と通信しているのであるから、デジタルアシスタント118は、第1の中央サーバ109上の特定のファイルにアクセスすることを許可され、ブロック6504で、デジタルアシスタント118は、第1の中央サーバのデジタル証明書から取り出したURLにアクセスすることにより、第1の中央サーバ109との暗号化通信セッションを確立することができる。第1の中央サーバ109も、ブロック6506で、暗号化通信セッションを確立する。更に、ブロック6508で、第1の中央サーバ109上のアプリケーションが、デジタルアシスタント118が適切なアクティブディレクトリに属していることを検証する。
【0452】
デジタルアシスタント118は今や認証することができるが、第1の中央サーバ109は、依然として該デジタルアシスタント118を用いているユーザの身元を知らない。一部のユーザは他のユーザとは異なるアクセス権を有することができ、且つ特定のアラーム及び他のデータは特定のユーザにのみ送信されるため、これは重要である。従って、第1の中央サーバ109上のアプリケーションは、ブロック6510で、デジタルアシスタント118のユーザからユーザ名及びパスワードを要求することができる。ブロック6512でひとたびデジタルアシスタント118がユーザ名及びパスワードに対する要求を受信すると、ブロック6514で、デジタルアシスタント118は、デジタルアシスタントディスプレイ118a上のプロンプトを介して、ユーザからユーザ名及びパスワードを取り出す。次いで、ブロック6516で、ユーザ名及びパスワードがデジタルアシスタント118によって送信され、ブロック6518で、第1の中央サーバ109によって受信される。次いで、ブロック6520で、第1の中央サーバ109上のアプリケーションが、ユーザを認証することができる。
【0453】
サーバ(例えば第1の中央サーバ109)上でひとたびユーザが認証されると、認証信任状を用いて別のサーバ(例えば第2の中央サーバ108a)上のデジタルアシスタント118を自動的に認証することができる。一例では、ユーザは、該ユーザが第1の中央サーバ109及び第2の中央サーバ108aの両方で認証された場合にのみ認証することができる。従って、ユーザ名又はパスワードが生成若しくは修正される場合には必ず、ユーザ名及びパスワードは、第1の中央サーバ109と第2の中央サーバ108aとの間で同期されるのが好ましい。
【0454】
ユーザを認証した後、第1の中央サーバ109は、ユーザと第1の中央サーバ109との間のセッションに固有のものとなるトークンを返却するのが好ましい。このセッショントークンは、要求元、従って応答の宛先を認証する手段として第1の中央サーバ109に対してなされた各要求と共に送信される(例えばHTTPヘッダにおいて又はクッキーとして)。ひとたびこのトークンが適所に配置されれば、デジタルアシスタント118は、1つの無線アクセスポイント114から別のアクセスポイント114へ連続的に移動することができる。
【0455】
図66に移ると、工程6300の医療機器の使用開始段階(即ちサーバ登録段階)は、第1の中央サーバ109が医療機器のユーザアカウントを生成するときにブロック6602で開始する。例えば、医療機器のユーザアカウントは、Microsoft Active Directoryを用いて、周知の方法で設定することができる。次いで、ブロック6604で、第1の中央サーバ109は、医療機器120に対するデジタル証明書を生成する。デジタル証明書は、任意の方法で生成することができる。例えば、デジタル証明書は、第1の中央サーバ109において、Microsoft Digital Certificate Servicesを用いて、周知の方法で生成することができる。デジタル証明書は、第1の中央サーバの秘密鍵を用いてデジタル署名された医療機器の公開鍵を含むのが好ましい。換言すれば、第1の中央サーバ109は、医療機器のデジタル証明書に対する認証機関(CA)として機能している。ひとたびデジタル証明書が生成されると、ブロック6606で、第1の中央サーバ109は、該デジタル証明書をユーザアカウントへマッピングする。
【0456】
次いで、ブロック6608で、医療機器のデジタル証明書及び医療機器の秘密鍵が、第1の中央サーバ109によって、ブロック6610の医療機器120に送信される。医療機器のデジタル証明書及び医療機器の秘密鍵は、他のいずれの装置にも接続されていないRS-232ケーブルなどの暗号化接続を介して医療機器120に送信されるのが好ましい。更に、第1の中央サーバ109のデジタル証明書は、ブロック6612で、第1の中央サーバ109によって、ブロック6614の医療機器120に送信される。ここでもまた、第1の中央サーバのデジタル証明書は、他のいずれの装置にも接続されていないRS-232ケーブルなどの暗号化接続を介して医療機器120に送信されるのが好ましい。この時点で、医療機器120は、使用を開始される(即ち、サーバに登録される)。
【0457】
もちろん、医療機器120と通信する任意の方法を用いることができる。一例では、医療機器の秘密鍵は、医療機器120が製造される時点で、該医療機器120に関連付けられた記憶装置(例えばEPROM)に格納することができる。更に、各医療機器120が、医療機器120を互いに区別するために用いられる異なった識別コードを有する同一の秘密鍵を有することができる。
【0458】
使用を開始された医療機器120に電源が投入される度に、医療機器120及び第1の中央サーバ109は、非暗号化無線接続から暗号化無線接続へ移動するために、認証工程を実行しなければならない。図67に示す例では、医療機器120は、ブロック6702及びブロック6704で、第1の中央サーバ109と非暗号化802.11(無線イーサネット(登録商標))接続を確立する。もちろん、有線接続又は別のプロトコルを用いた接続のような、任意の種類の接続を用いることができる。
【0459】
次に、ブロック6706で、医療機器120は、暗号化接続を確立するようにとの要求を第1の中央サーバ109に送信する。第1の中央サーバ109は、ブロック6708で、暗号化接続を確立するようにとの医療機器の要求を受信する。第1の中央サーバ109は、非暗号化接続を介して医療機器120に第1の中央サーバのデジタル証明書のコピーを送信することにより、ブロック6710で、暗号化接続を確立するようにとの要求に応答する。ブロック6712で、医療機器120は、第1の中央サーバのデジタル証明書を受信する。
【0460】
ブロック6714で、医療機器120は、第1の中央サーバのデジタル証明書を用いて、第1の中央サーバ109を認証する。更に、ブロック6716で、医療機器120は、第1の中央サーバのデジタル証明書を用いて、組み込まれた第1の中央サーバ109に関連付けられたuniform resource locator(URL)を取り出す。医療機器120は今や、それが本物の第1の中央サーバ109と話していることを知り、取り出したURLからデータ及びサービスを要求することができる。
【0461】
次に、ブロック6718で、第1の中央サーバ109は、暗号化接続の残りの半分を確立するようにとの要求を医療機器120に送信する。医療機器120は、ブロック6720で、第1の中央サーバの要求を受信する。医療機器120は、医療機器のデジタル証明書のコピーを第1の中央サーバ109に送信することにより、ブロック6722で、暗号化接続を確立するようにとの要求に応答する。ブロック6724で、第1の中央サーバ109は、医療機器のデジタル証明書を受信する。
【0462】
図68に移ると、ブロック6802で、第1の中央サーバ109は、医療機器のデジタル証明書を用いて、医療機器120を認証する。第1の中央サーバ109は今や、それが使用を開始された医療機器120と話していることを知り、医療機器120と通信することができる。更に、第1の中央サーバ109は、ブロック6804で医療機器のユーザアカウントに対するセッションをアクティブディレクトリにマッピングすることにより、この医療機器120がアクセスすることを許可されているファイルを確認する。
【0463】
今や医療機器120は暗号化接続を介して第1の中央サーバ109と通信しているのであるから、医療機器120は、第1の中央サーバ109上の特定のファイルにアクセスすることを許可され、ブロック6806で、医療機器120は、第1の中央サーバのデジタル証明書から取り出したURLにアクセスすることにより、第1の中央サーバ109との暗号化通信セッションを確立することができる。第1の中央サーバ109も、ブロック6808で、暗号化通信セッションを確立する。更に、ブロック6810で、第1の中央サーバ109上のアプリケーションが、医療機器120が適切なアクティブディレクトリに属していることを検証する。
【0464】
医療機器120は今や認証することができるが、第1の中央サーバ109は、依然として該医療機器120を用いているユーザの身元を知らない。多くの場合、どのユーザも医療機器120に関連付けられることはない。一部のユーザは他のユーザとは異なるアクセス権を有することができるので、一部のアプリケーションでは、これは重要となる可能性がある。更に、医療機器は、異なる「役割」を有することができる。例えば、医療機器は、「片方向通信」の役割、又は「双方向通信」の役割を有することができる。この方法で、双方向通信が可能な医療機器120は、片方向通信機器のみを要求するシステム内に配置することができる。同様に、片方向通信機器及び双方向通信機器の両方に対応することのできるシステムには、接続する機器の種類を通知することが必要となる可能性がある。
【0465】
従って、第1の中央サーバ109上のアプリケーションは、ブロック6812で、医療機器120のユーザからユーザ名及びパスワードを要求することができる。ブロック6814でひとたび医療機器120がユーザ名及びパスワードに対する要求を受信すると、ブロック6816で、医療機器120は、医療機器120又は関連付けられたデジタルアシスタントディスプレイ118a上のプロンプトを介して、ユーザからユーザ名及びパスワードを取り出す。次いで、図69のブロック6902で、ユーザ名及びパスワードが医療機器120(又は他の機器)によって送信され、ブロック6904で、第1の中央サーバ109によって受信される。次いで、ブロック6906で、第1の中央サーバ109上のアプリケーションが、ユーザを認証することができる。
【0466】
サーバ(例えば第1の中央サーバ109)上でひとたびユーザが認証されると、認証信任状を用いて別のサーバ(例えば第2の中央サーバ108a)上のユーザを自動的に認証することができる。一例では、ユーザは、該ユーザが第1の中央サーバ109及び第2の中央サーバ108aの両方で認証された場合にのみ認証することができる。従って、ユーザ名又はパスワードが生成若しくは修正される場合には必ず、ユーザ名及びパスワードは、第1の中央サーバ109と第2の中央サーバ108aとの間で同期されるのが好ましい。
【0467】
ユーザを認証した後、第1の中央サーバ109は、ユーザと第1の中央サーバ109との間のセッションに固有のものとなるトークンを返却するのが好ましい。このセッショントークンは、要求元、従って応答の宛先を認証する手段として第1の中央サーバ109に対してなされた各要求と共に送信される(例えばHTTPヘッダにおいて又はクッキーとして)。
【0468】
暗号化片方向通信は今や、医療機器120からデジタルアシスタント118へ送信することができる。例えば、医療機器120は、設定値報告、アラーム生成等を行うことができる。図示の例では、医療機器120は、ブロック6908で、第1の中央サーバ109を介してデジタルアシスタント118に送信すべきデータを決定する。次いで、ブロック6910でこのデータが第1の中央サーバ109に送信され、ブロック6912で第1の中央サーバ109によって受信される。次いで、ブロック6914で、第1の中央サーバ109は、このデータを受信する許可を与えられているユーザを判定し、ブロック6916で、それらのユーザが現在関連付けられているデジタルアシスタント118を判定することができる。例えば、第1の中央サーバ109のデータベースに格納された参照テーブルを用いることができる。
【0469】
次いで、ブロック6918で、第1の中央サーバ109がデータを適切なデジタルアシスタント118に送信し、ブロック6920で、該デジタルアシスタント118が、該データを受信して表示する。更に、暗号化双方向通信を達成することができる。例えば、デジタルアシスタント118及び/又は第1の中央サーバ109は、医療機器120に、データ、命令、設定情報、又は任意の他の種類の情報を送信することができる。
【0470】
本発明の上述の実施形態、特にあらゆる「好ましい」実施形態は可能な実施例であり、本発明の原理の明確な理解のために記載されたものに過ぎないことが強調されるべきである。多くの変形及び修正を、本発明の精神及び原理を実質的に逸脱することなく、本発明の上述の各実施形態に対して行うことができる。全てのそのような修正は、本明細書において本開示の範囲内に含まれるべきことが意図されており、且つ、本発明は、下記の特許請求の範囲によって保護される。
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