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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-18
(45)【発行日】2022-08-26
(54)【発明の名称】化粧パネルおよび化粧パネルの使用
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/00 20060101AFI20220819BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20220819BHJP
   E04C 2/54 20060101ALI20220819BHJP
   E04B 2/74 20060101ALI20220819BHJP
   E04B 9/00 20060101ALI20220819BHJP
   E04F 13/08 20060101ALI20220819BHJP
   A47B 13/12 20060101ALI20220819BHJP
【FI】
B32B27/00 E
F21V33/00 110
F21V33/00 200
E04C2/54 C
E04B2/74 541L
E04B9/00 H
E04F13/08 Z
A47B13/12
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018544035
(86)(22)【出願日】2017-02-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-05-09
(86)【国際出願番号】 NL2017050100
(87)【国際公開番号】W WO2017142412
(87)【国際公開日】2017-08-24
【審査請求日】2019-12-09
(31)【優先権主張番号】2016282
(32)【優先日】2016-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】508212602
【氏名又は名称】トレスパ・インターナショナル・ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】Trespa International B.V.
【住所又は居所原語表記】Wetering 20, 6002 SM Weert, The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】キエランデル、ビルギッタ カタリーナ シャルロッテ
(72)【発明者】
【氏名】コムホフ、エンリクス ヒューベルトゥス マリア
【審査官】春日 淳一
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02305457(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02463115(EP,A1)
【文献】西独国特許出願公開第19811076(DE,A)
【文献】特開2013-076295(JP,A)
【文献】特開2013-114982(JP,A)
【文献】特開2015-204148(JP,A)
【文献】国際公開第2014/013990(WO,A1)
【文献】特開2005-248423(JP,A)
【文献】特表2015-533965(JP,A)
【文献】国際公開第2014/051446(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00-43/00
A47B1/00-97/08
E04B2/72-9/36
E04C2/00-2/54
E04F13/00-13/30
F21V23/00-99/00
G09F13/00-13/46
H01L33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装飾層を備えたコア層を備え、前記装飾層は少なくとも1つの被覆を備えた基材層を備える化粧パネルであって、前記化粧パネル内に少なくとも1つの光源が前記化粧パネルの最も外側の面より下の位置に位置し、前記装飾層が、前記少なくとも1つの光源によって発せられた光に対して透明であり、前記少なくとも1つの光源は、前記パネルを破壊することなく取り除くことができず、前記化粧パネルは、少なくとも1つの中間層をさらに備え、前記少なくとも1つの中間層は前記少なくとも1つの光源と前記装飾層との間に位置決めされており、前記少なくとも1つの中間層は前記少なくとも1つの光源によって発せられた光に対して透明であり、前記少なくとも1つの中間層は熱伝導材料を備え
前記少なくとも1つの中間層は、不均質な樹脂分布を有する樹脂含浸紙を備え、前記少なくとも1つの光源の位置に対応する領域における前記樹脂含浸紙の樹脂濃度は、前記樹脂含浸紙の別の領域よりも高いことを特徴とする、化粧パネル。
【請求項2】
前記少なくとも1つの光源は、有機発光ダイオード(LED)および無機LED、特に無機LEDの群より選択されたLEDの種類のものであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧パネル。
【請求項3】
前記少なくとも1つの光源は前記コア層内に位置することを特徴とする、請求項1または2に記載の化粧パネル。
【請求項4】
前記少なくとも1つの光源は保護マトリックスに成形されており、前記保護マトリックスは、前記少なくとも1つの光源によって発せられた光に対して透明であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の化粧パネル。
【請求項5】
前記化粧パネルは少なくとも1つの電源をさらに備え、前記少なくとも1つの電源は前記少なくとも1つの光源に接続されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の化粧パネル。
【請求項6】
前記少なくとも1つの中間層は樹脂含浸クラフト紙を備え、前記樹脂は、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイソシアネート樹脂、メラミンアクリレート、ポリウレタンアクリレートまたはそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1からのいずれかに記載の化粧パネル。
【請求項7】
前記コア層は、樹脂含浸紙、プリプレグ、木質繊維、ガラス繊維、紡織繊維、合成繊維、金属繊維、セラミック繊維および炭素繊維、または、これらの混合物の不織布および織布の群より選択され、前記コア層は、好ましくは、樹脂含浸紙の熱プレスされた積層体を備え、前記少なくとも1つの光源は、好ましくは前記樹脂含浸紙の熱プレスされた積層体内に位置し、前記樹脂含浸紙の積層体には好ましくは1つ以上の凹部が設けられており、前記1つ以上の凹部には前記少なくとも1つの光源が配置され、特に前記少なくとも1つの光源を備えた前記1つ以上の凹部は、少なくとも1つの熱プレスされた樹脂含浸紙で覆われており、前記紙は前記少なくとも1つの光源によって発せられた光に対して透明であることを特徴とする、請求項1からのいずれかに記載の化粧パネル。
【請求項8】
前記コア層は少なくとも1つの熱成形可能シートを備え、前記コアは好ましくは樹脂含浸紙の積層体をさらに備え、前記少なくとも1つの熱成形可能シートは、前記装飾層と前記樹脂含浸紙の積層体との間に位置決めされていることを特徴とする、請求項1からのいずれかに記載の化粧パネル。
【請求項9】
前記コア層は少なくとも1つのプリプレグをさらに備え、前記少なくとも1つのプリプレグには好ましくは1つ以上の凹部が設けられており、前記1つ以上の凹部には前記少なくとも1つの光源が配置されていることを特徴とする、請求項1からのいずれかに記載の化粧パネル。
【請求項10】
前記装飾層の前記基材層は、樹脂含浸紙、木質繊維、ガラス繊維、紡織繊維、合成繊維、金属繊維、セラミック繊維および炭素繊維のうちの任意の1もしくは複数の不織布および織布、ポリマー、金属およびセラミックのうちの任意の1もしくは複数の箔、またはこれらのいずれかの組み合わせの群より選択され、前記基材層の構造は、前記基材層を含む前記装飾層が前記少なくとも1つの光源によって発せられた光に対して透明であるようなものであることを特徴とする、請求項1からのいずれかに記載の化粧パネル。
【請求項11】
前記少なくとも1つの光源は、剛性光源もしくは可撓性光源、またはそれらの組み合わせとして設けられており、前記可撓性光源は、好ましくは、紙、プラスチック箔、金属、セラミック、ガラスまたは織物などの可撓性キャリア上に置かれた光源からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の化粧パネル。
【請求項12】
前記少なくとも1つの光源は、前記装飾層から見た場合に見えないことを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の化粧パネル。
【請求項13】
テーブルトップ、実験室用テーブル、キッチンワークトップ、ディナーテーブル、ナイトスタンド、ピクニックテーブル、ホットプレートおよびカウンタートップの群より選択される屋内および/または屋外家具としての、および/または、内壁、外壁、天井およびファサードの群より選択される内装および/または外装装飾としての、請求項1から12のいずれかに記載の化粧パネルの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾層を備えたコア層を含み、装飾層が少なくとも1つの被覆を備えた基材層を含む化粧パネルに関する。さらに、本発明は、このようなパネルの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人によって製造された装飾高圧コンパクトラミネートは、屋外用途で知られている。このようなラミネートは、熱硬化性樹脂を含浸させた木質繊維(紙および/または木材)の層と、装飾的な色またはデザインを有する、片面または両面の表層とからなる。(1または複数の)表層には、天候保護特性および光保護特性を強化するために透明なトップコートが付加され、硬化されている。これらの構成要素は、密度が高く一体化した装飾表面を有する均質な無孔材料を得るために、熱および高い面圧を同時に加えて接合される。これらのパネルは、特に、米国特許第4801495号明細書、米国特許第4789604号明細書、米国特許出願第2013/0078437号明細書に開示されている。
【0003】
このようなパネルは、非インテリジェントパネルである。これは、これらのパネルの機能が、建築と審美的な目的に限られることを意味する。しかし、当技術分野では、インタラクティブパネル、例えば光源を備えたパネルが知られている。
【0004】
独国特許出願公開102012019421号明細書は、特に列状の発光ダイオードアレイの形の、集積光源を備えた照明式ファサードパネルに関する。互いに平行に配置された複数の細長い光偏向面が、ファサードパネルの共通発光パネルの主表面を形成し、相互から間隔を置いて配置されており、そのためファサードパネルはパネル背面側から透明である。光源は、パネル主表面の縁に横方向に配置されており、偏向光学系を備えており、そのため、光源の光はパネル主表面に対して鋭角に、光偏向面上に完全に投射され、光はそこからパネル前面側に完全に照射される。
【0005】
米国特許出願第2012/120650号明細書は、(i)少なくとも1つの光学ホルダを含む(a)主アセンブリを含む照明デバイスであって、少なくとも1つの光学ホルダの各々は、ホルダ上面およびホルダ下面を有するホルダ本体を含み、下面は、少なくとも1つのホルダ開口と、ホルダ上面とホルダ下面との間に配置された少なくとも1つのホルダ空間壁とを含み、ホルダ空間壁はホルダ空間を含む、照明デバイスに関する。
【0006】
米国特許出願公開第2011/261288号明細書は、樹脂型導光板組成物、該組成物を使用して形成された導光板を含むバックライトユニット、および該バックライトユニットを含む液晶ディスプレイに関する。この公報には、樹脂型導光板組成物が記載されており、この組成物は、単純な硬化処理によって、基膜への優れた粘着性を呈し、低収縮率で局所調光(ローカルディミング)を可能にするモジュール型バックライトユニットに有用な導光板を製造することができ、厚膜、該組成物を使用して形成された導光板を含むバックライトユニット、および該バックライトユニットを含む液晶ディスプレイを形成することができる。
【0007】
独国特許出願公開第19811076号明細書は、樹脂プリプレグから熱プレスされた照明式層状パネルおよびそのようなパネルを製造するための方法に関する。そのような方法によれば、いくつかの樹脂含浸繊維ウェブ層、そのうちの少なくともいくつかの紙層が準備され、相互に重ねて配置され、最上部に、透明なオーバーレイ層を生成するために被覆層が配置され、その構築物が高温でプレスされる。繊維ウェブ層を平坦な構成として積層する間に、いくつかの発光ダイオードが挿入され、同じ平面内でコネクタ装置に接続される。透明オーバーレイ層と発光ダイオードとの間に、フェノール樹脂含浸紙層または尿素含浸樹脂紙層が位置決めされる。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、インタラクティブ機能を有する化粧パネルを提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、光源がパネルにシームレスに組み込まれており、光源が点灯されていないときに外側から見えない光源を備えた化粧パネルを提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、光源をパネルから容易に取り外すことができない光源を備えた化粧パネルを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、化粧パネルの機械的特性が長期間にわたって維持される光源を備えた化粧パネルを提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、化粧パネルの平坦性が確保される光源を備えた化粧パネルを提供することである。
【0013】
よって本発明は、装飾層を備えたコア層を含み、前記装飾層が少なくとも1つの被覆を備えた基材層を含む化粧パネルであって、前記化粧パネル内に少なくとも1つの光源が位置し、前記装飾層が前記少なくとも1つの光源によって発せられた光に対して透明であることを特徴とする化粧パネルに関するものである。
【0014】
本発明者らは、このようなパネルを用いれば、上記の目的のうちの1つ以上が達成されることを見出した。特に、少なくとも1つの光源の位置により、パネルを破壊しなければ光源を取り除くことができないパネルの提供が可能になる。加えて、本発明によれば、光源は、パネルの製造プロセスの間にパネルにシームレスに組み込まれる。したがって、穴や開口を設けるような後処理措置を取る必要はない。さらに、パネル内に光源を完全に組み込むことにより、継ぎ目のない表面を有するパネルが得られた。加えて、そのような光源を備えたパネルの元の美しさも維持される。同じことは、そのような光源を備えた本パネルの機械的特性についても言える。本明細書で使用される「化粧パネル内」という用語は、化粧パネルを破壊しなければ化粧パネルの外側から少なくとも1つの光源を見たり、これに触れたりすることができないことを意味する。この用語はまた、少なくとも1つの光源が化粧パネルの最も外側の面に、すなわち、目に見える位置に位置決めされておらず、化粧パネルの最も外側の面より下の位置、すなわち、目に見えない位置に位置決めされていることも意味する。「前記装飾層が前記少なくとも1つの光源によって発せられた光に対して透明である」という用語は、半透明な装飾層も範囲として含む。光源とパネルの最も外側の面との間の(1つ以上の)層は、化粧パネルに存在する(1つ以上の)光源によって発せられた光に対してある一定の透明性を示さなければならないことは明らかである。以下の説明において、透明は半透明も範囲として含む。
【0015】
少なくとも1つの光源は、好ましくは、発光ダイオード(LED)の種類のものである。その例は、有機LEDおよび無機LED、特に無機LEDとして特定することができる。発光ダイオード(LED)は、所要電力消費が低い光源であり、原則的に破壊不能であるということができ、これによりLEDは、建築材料に組み込むための興味深いインタラクティブ要素になる。本発明によれば、そのようなLED光源は、電子駆動回路の有無にかかわらず、化粧パネルにシームレスに組み込まれる。本化粧パネルに組み込まれたLEDは、パネルの表面に向かって光を発するように向けられている。少なくとも1つの光源から発せられた光は化粧パネルの1つ以上の層を通り、したがって、これらの層は、少なくとも1つの光源によって発せられた光線に対して透明でなければならない。特定の実施形態では、これらの層のうちの1つ以上は、着色顔料を含有し得る。本発明は、化粧パネルに組み込まれる光源、例えばLEDの数によって限定されない。ストリップ状の、または基材上に支持されたLEDは、本化粧パネルに容易に組み込むことができる。
【0016】
LEDは、無機または有機のLED材料で作ることができる。発光は、単色、すなわち特定の波長であってもよく、定義された種類の色または白色光を発する短波長域、またはいくつかの波長域の混合を含んでいてもよい。
【0017】
化粧パネルの好ましい実施形態では、少なくとも1つの光源は保護マトリックスに成形されており、保護マトリックスは、少なくとも1つの光源によって発せられる光に対して透明である。少なくとも1つの光源、特にLEDは、パネルに封入する前に、保護マトリックスに成形することができる。保護マトリックスは、(1つ以上の)光源が発する光に対して透明である。そのような保護マトリックスは、LEDを、パネルの製造プロセスにおいて温度、圧力、ならびに化学反応および反応生成物から保護する。光源だけでなく、その電気駆動回路などの電子構成要素も保護マトリックスに成形することができる。本化粧パネルのいくつかの実施形態では、少なくとも1つの光源は保護マトリックスに埋め込まれないことに留意されたい。
【0018】
本発明によれば、少なくとも1つの光源はコア層内に位置する。
【0019】
本発明が、本化粧パネルにおける少なくとも1つの光源のただ1つの特定の位置にのみ限定されるものではないことは明らかなはずである。いくつかの光源が、本化粧パネル内において、パネル内の異なる水平位置および垂直位置にさえも位置する実施形態も可能である。これはまた、光源が、パネルの外周、中心に、または特定の幾何学的パターンで、またはそれらの任意の組み合わせで配置され得ることも意味する。例えば、本パネルの特定の実施形態では、光源は、化粧パネルを、コンピュータ生成グラフィック、ビデオ、コマーシャルなどを表示するのに使用できるように位置決めされる。
【0020】
本パネルに組み込まれた光源は、紙または別の種類のキャリアまたは支持材料、例えば、プラスチックや織物でできた可撓性箔上に置くこともでき、剛性または可撓性の支持材料からなっていてもよい。少なくとも1つの光源は、剛性光源または可撓性光源、またはそれらの組み合わせとして設けることができる。可撓性光源は、好ましくは、紙、プラスチック箔、金属、セラミック、ガラスまたは織物などの可撓性キャリア上に置かれた光源からなる群より選択される。本発明の特定の実施形態では、いくつかの光源がパネル内に存在する。
【0021】
本パネルに組み込まれた(1つ以上の)光源は、少なくとも1つの電源を必要とする。特定の実施形態では、光源は外部電源、すなわち、パネルに組み込まれていない電源に接続される。そのような実施形態では、(1つ以上の)光源は、別個のワイヤを介して外部電源に接続することができる。別の実施形態では、パネルはまた、ワイヤを使用して直列および/または並列に接続された少なくとも2つの光源を含む。そのようなワイヤは、導電性メッシュとして設計され得る。少なくとも1つのワイヤまたは導電性メッシュは、パネル内に位置する(1つ以上の)光源を作動させるために外部電源に接続することができる。
【0022】
別の実施形態によれば、(1つ以上の)光源の電源としてバッテリが使用され、バッテリと(1つ以上の)光源の両方が本パネルに、すなわち本パネル内に組み込まれる。そのような実施形態では、電源は内部電源と認めることができる。バッテリは、少なくとも1つの集積光源を充電することができる。そのようなバッテリは、無線充電式バッテリとすることができる。充電式バッテリを使用することにより、本パネルを、電源が利用できない場所で、例えば、駐車場、キャンプ場、ビーチなどの離れた場所やレクリエーションエリアで適用することが可能になる。ここで使用されるバッテリという用語は、個々の電池の組み合わせも包含する。
【0023】
上述したように、化粧パネルの機械的特性は、長期間にわたって維持される必要がある。任意の機械的特性の劣化を防止する必要がある。本発明者らは、本化粧パネル内の(1つ以上の)光源が、特に光源が電源投入され、または始動されるときに、すなわち光源が発光しているときに、パネル内の温度の局所的上昇をもたらし得ることを見出した。そのような局所的ホットスポットは、特に(1つ以上の)光源を取り囲む領域において、化粧パネルの機械的特性に悪影響を及ぼし得る。加えて、化粧パネルの平坦な表面は、パネルの重要な態様である。よって、パネルの表面の任意の凸凹、例えば表面の起伏を防止する必要がある。また、化粧パネルに光源を組み込むには、化粧パネルの平坦性を維持するためのさらなる測定が必要になり得る。加えて、本発明者らは、パネルを高温高圧下でプレスする工程の間に、樹脂含浸紙層中に存在する樹脂が、黄ばんだ硬化化合物の形成をもたらし得ることを見出した。これらの黄ばんだ硬化化合物は、(1つ以上の)光源によって発せられる光のパワー出力に悪影響を及ぼし得る。これらの黄ばんだ硬化化合物は、(1つ以上の)光源によって発せられた光の強度を低下させる。
【0024】
一実施形態では、化粧パネルは少なくとも1つの中間層をさらに含み、前記少なくとも1つの中間層は、前記少なくとも1つの光源に隣接して位置決めされている。
【0025】
一実施形態では、少なくとも1つの中間層は、前記少なくとも1つの光源と前記装飾層との間に位置決めされており、前記少なくとも1つの中間層は前記少なくとも1つの光源によって発せられる光に対して透明である。そのような実施形態では、少なくとも1つの中間層は、パネルの最も外側の面、すなわち、装飾層の側から見て光源の上方に位置決めされている。別の実施形態では、少なくとも1つの中間層は、パネルの最も外側の面、すなわち、装飾層の側から見て光源の下方に位置決めされている。
【0026】
一実施形態では、少なくとも1つの中間層は、熱伝導材料を含む。これらの熱伝導材料、例えば金属は、放熱手段として機能し、それにより、パネル内の不要な温度上昇を防止する。加えて、熱の発生は、LED材料の効率も低下させる。そのような中間層の一例は、金属部分、またはグラファイトを備えた熱可塑性ポリマーマトリックスである。そのような中間層の別の例は、金属部分、またはグラファイトを備えた樹脂含浸紙である。発熱は、少なくとも1つの光源が電源投入される、すなわち始動されるときに生じる。熱は、LEDからの光の吸収および/または電気回路における抵抗によって発生する。この熱を発光源から遠ざけることにより、劣化の影響が抑制される。これは、光源と装飾層との間、または光源の真下に、透明または半透明の熱伝導膜を配置することによって得ることができる。このような膜は、グラフェン、グラファイト、鉄のマイクロサイズの薄片(iron micro-sized flakes)、金属の繊維、粒子およびフレーク、またはそれらの任意の組み合わせの群より選択される化合物を含むポリエステル複合膜とすることができるが、これに限定されない。そのような膜は、例えば、GNext、すなわちグラフェンポリエステルフィルム(PET、PP、PLA;厚さ12または100マイクロメートル)によって製造される。
【0027】
別の実施形態では、少なくとも1つの中間層は、不均質な樹脂分布を有する樹脂含浸紙を含み、前記少なくとも1つの光源の位置に対応する領域における前記樹脂含浸紙の樹脂濃度は、前記樹脂含浸紙の別の領域よりも高い。樹脂含量は紙重量の20~300%、好ましくは低樹脂含量領域では20~70%、高樹脂含量領域では60~250%、好ましくは100~250%である。
【0028】
この不均質な樹脂分布には、少なくとも1つの光源の位置においてより多量の樹脂が存在し、結果としてより厚く、かつ/またはより密な硬化ネットワークが得られ、それにより、少なくとも1つの光源がコア層に強く埋め込まれるという効果がある。加えて、その特定の位置における高濃度の樹脂は周囲領域に浸透し、それにより、樹脂を硬化させた後により強いネットワークが形成される。当技術分野ではクラフト紙またはオーバーレイ紙に硬化性樹脂を塗布するためのいくつかの方法が知られている。紙を樹脂浴に完全に挿入した後に乾燥する浸漬法および圧搾法以外に、他の含浸法も可能である。例えば、ロータリースクリーン印刷法、ローラ塗装法、彫刻法、スプレー塗装法、カーテン塗装法、フレキソ印刷法、真空塗装法またはインクジェット被覆法などによって樹脂を紙に直接塗布する。2つ以上の方法を同時に使用することも可能である。樹脂を横方向および/または縦方向のパターンでも塗布する付加的な被覆プロセスを利用して、樹脂の量をミリメートルからメートルの尺度で、好ましくはミリメートルからセンチメートルの尺度で局所的に変えることができる。
【0029】
樹脂の局所的な過剰は、上述したように、コア層、例えば熱成形可能シートやプリプレグ、樹脂含浸紙の凹部に対応するように中間層においてパターン化される。過剰な樹脂は、最終的な化粧パネルまたはラミネートの製造中の熱プレスサイクルの間に流れ始め、凹部内の発光デバイスの周りの空隙を塞ぐために使用される。このようにして、起伏がならされ、表面が平坦化される。
【0030】
光源に隣接した、装飾層の下にある層は、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイソシアネート樹脂、メラミンアクリレート、ポリウレタンアクリレートまたはそれらの組み合わせからなる群より選択された樹脂、好ましくはフェノール樹脂、メラミン樹脂またはアクリレート樹脂を含浸させた好ましいクラフト紙である。好ましくは、紙は15~200g/m、特に70~100g/mの重量を有する。別の実施形態では、含浸力および加工性は、オーバーレイ紙、不織布基材、ガラスウェブまたはそれらの組み合わせによって形成されてよく、これに関して、特にオーバーレイ紙は10~50g/m、好ましくは15~35g/mの重量を有する。
【0031】
少なくとも1つの光源によって発せられた光の出力パワーの低下を防止するために、少なくとも1つの中間層が、上述したような樹脂含浸紙を含むことが好ましい。
【0032】
本発明者らは、フェノール樹脂が、(例えば空気中の)酸素との組み合わせで熱および/または光にさらされると、黄色の色調に変色し得ることに気付いた。硬化フェノール樹脂は、自然な色調(白っぽいか黄色っぽい)から濃い黄色、茶色、ほぼ黒色へと色が濃くなる。色は硬化条件に依存する。樹脂の着色は、発光源からの出力を一部吸収し、よって発光源は、樹脂が透明である場合と同じ出力を生成するためにより高い効率で動作しなければならない。加えて、本発明者らは、フェノールを含有しないある種類の樹脂が、一般に、この種の酸化プロセスに対して感受性が低いことにも気付いた。そのような樹脂は、例えば、メラミン樹脂、ポリイソシアネート樹脂、エポキシ樹脂またはアクリレート樹脂である。透明な樹脂は、光源から発せられた光が大きな吸収損失なしにパネルの表面に運ばれることを可能にする。しかし、本中間層における黄色い樹脂は、光源からの光の一部を吸収し、よってこの影響はパネルからの有効光出力の低下をもたらす。本発明者らは、メラミン樹脂、ポリイソシアネート樹脂、エポキシ樹脂またはアクリレート樹脂、特にメラミン樹脂およびアクリル樹脂が、光源が化粧パネルに組み込まれている本中間層の発明に組み込むのに好ましい種類であることを見出した。これらの特定の種類の樹脂を塗布すると、黄ばんだまたは褐色の樹脂の形成が少なくなり、これらの黄色または褐色の着色がより少ない樹脂は、フェノール樹脂に基づく硬化樹脂と比べて、少なくとも1つの光源によって発せられた光の出力パワーを妨げにくくなる。
【0033】
本化粧パネルにおいて、コア層は、好ましくは、樹脂含浸紙、例えばフェノール樹脂含浸紙の熱プレスされた積層体を含む。別の実施形態によれば、プリプレグ、木質繊維、ガラス繊維、紡織繊維、合成繊維、金属繊維、セラミック繊維、炭素繊維、またはそれらの混合物の不織布および織布を使用して、樹脂含浸積層体における紙の一部または全部を置き換えることができる。さらに別の実施形態では、樹脂含浸紙をプリプレグで置き換えることができる。そのようなプリプレグは、熱硬化性合成樹脂で被覆された木質繊維またはセルロース繊維からなる繊維含有材料の固結したコアと考えることができる。プリプレグの厚さは、通常の紙よりもかなり厚くてもよく、1cm超、またはそれ以上の厚さを含み得る。
【0034】
プリプレグを製造するための方法は、本出願人の名義の米国特許第4503115号明細書および米国特許第6387489号明細書に開示されている。例えば、米国特許第6387489号明細書によれば、繊維は、乾燥後に延展装置に直接貯蔵され、または渡される。樹脂処理された繊維は、顔料なしで、または顔料と共にさらに加工され得る。樹脂処理された繊維および顔料から作られた混合物は延展装置に導入され、延展装置は、繊維および顔料を、無作為の向きで連続的に均一に堆積させて、水平なコンベアベルトの全幅にわたって分布した、織物様のマットを生成し、このマットが個々に、またはこの種の他の織物様マットと一緒にプレス成形されて、コア層が形成される。スクレーパ、ブラシ、ベルトまたはローラを使用してコンベアベルト上のマットを連続的に成形した後、プリプレグはカレンダ装置で予備プレス成形され、圧縮されて厚さが減少する。
【0035】
別の実施形態では、少なくとも1つの光源を樹脂含浸紙の熱プレスされた積層体内に配置することも可能である。
【0036】
本パネルの不均一な外面の形成を防止するために、本発明者らは、樹脂含浸紙の積層体に1つ以上の凹部を設けることが可能であることを見出した。これらの凹部は、少なくとも1つの光源をそれぞれの凹部に位置決めするのに使用することができる。そのような実施形態では、(1つ以上の)光源を備えた凹部が少なくとも1つの熱プレスされた樹脂含浸紙で覆われていることが好ましい。1つ以上の凹部の形成は、上述した各種のコア層に有効である。また凹部は、電源の配置にも使用することができる。
【0037】
パネルおよび(1つ以上の)光源のこの構成は、パネルを破壊しなければ(1つ以上の)光源を取り外すことができないようなものである。個々の構成要素、すなわち、コア層と(1つ以上の)光源と装飾層とを、熱、例えば120℃以上と、高い面圧(7Mpa超)とを同時に加えて接合する工程において、密度が高い一体化した装飾面を有する均質な無孔パネルが得られる。よって、(1つ以上の)光源は、また任意選択で電源も、本パネルに完全に埋め込まれており、これらのデバイスは外側から見えない。化粧パネルを製造するための方法は、特に、米国特許第4801495号明細書、米国特許第4789604号明細書、米国特許出願第2013/0078437号明細書に開示されている。これらのパネルを製造するためのプロセス条件に関するこれらの公報に開示された関連部分は、参照により本明細書に組み込まれるべきものである。
【0038】
本発明はまた、CPL(連続プレスラミネート)およびLPL(低圧ラミネート)の製造にも適する。低圧ラミネートは、可塑剤が添加されたメラミン熱硬化性樹脂を含浸させた2または3枚の紙で形成された、表面を被覆するのに使用される材料を含む。紙は、低圧でホットプレスすることによって強固に接合される。これらの材料の物理的および技術的特性は、高圧ラミネートの物理的および技術的特性に劣るが、あまり応力を受けない家具構成要素を被覆するのに十分に適し、特にエッジを作り出すのに適している。CPL(連続プレスラミネート)は低圧下で積層されるが、HPL(高圧ラミネート)は、高圧/高温積層プロセスによって製造される。その結果、特に強度と設置の容易さの点で性能のばらつきが生じる。本発明はまた、連続プレスラミネート(CPL)の製造のためのダブル・ベルト・プレス(DBP)も範囲として含む。CPLは、樹脂を含浸させ、熱および高圧の下で(1つ以上の)樹脂含浸バッカーと融着させた装飾紙である。ラミネート特性は標準HPLと同様であり、典型的な厚さ範囲は0.4mm~1mmである。フレキシブルCPLは、フレキシブル熱硬化性樹脂を含浸させ、熱および高圧の下で(1つ以上の)樹脂含浸バッカーと融着させた装飾紙である。
【0039】
本発明者らは、熱硬化性樹脂で紙の間に光源をプレスする代わりに、少なくとも1つの光源を、熱成形可能シート材料で作られた空隙に配置できることを見出した。空隙の寸法は、好ましくは、光源をシートの空隙に配置した後、シートの表面が完全に平坦になるようなものである。(1つ以上の)光源を有するシートは、装飾層と熱硬化性樹脂を有する紙の積層体内の、装飾層の直下に配置されるか、または、シートと装飾層との間の熱硬化性樹脂を有する少なくとも1枚の紙と共に配置される。特定の実施形態では、光源が配置されるシートの面は、装飾層に最も近い。別の実施形態によれば、装飾層は、(1つ以上の)光源を有するシートの上に積層され、シートはコア材料として機能する。さらに別の実施形態では、熱成形可能シートは、装飾層の基材層に取って代わり、または基材層の上もしくは下に組み込まれる。そのような実施形態の1つにおいて、装飾層の基材層は、少なくとも1つの熱成形可能シートを含む。積層の前に、シート、装飾層またはその両方に接着剤を塗布することによって、接着を促進することができる。
【0040】
一実施形態では、装飾層の基材層は、樹脂含浸紙、木質繊維、ガラス繊維、紡織繊維、合成繊維、金属繊維、セラミック繊維および炭素繊維、または、これらの繊維の組み合わせからなる不織布および織布の群より選択される。特定の実施形態では、樹脂含浸紙を不織布および/または織布と組み合わせることができる。別の実施形態では、装飾層の基材層は、ポリマー箔、金属箔およびセラミック箔、またはこれらの箔のいずれかの組み合わせの群から選択することもできる。特定の実施形態では、樹脂含浸紙は、ここで述べたように、不織布および/または織布および/または箔と組み合わせることができる。
【0041】
熱成形可能シートは1つ以上の熱可塑性ポリマーを含んでもよく、熱可塑性ポリマーは熱圧力を加えると塑性変形する。熱可塑性シートは、無機物、例えばガラス、合成、炭素、または他のタイプの強化繊維のような、フィラーを含んでもよい。フィラーの目的は、熱成形可能なシートの物理的性質を改質すること、たとえばそれを強化することである。
【0042】
本発明はまた、コアが少なくとも1つの熱成形可能シートを含む化粧パネルにも関するものである。そのような実施形態では、コアは、樹脂含浸紙の積層体をさらに含んでいてよく、少なくとも1つの熱成形可能シートは、装飾層と樹脂含浸紙の積層体との間に位置決めされている。別の実施形態では、熱硬化性層は、好ましくは、装飾層と熱成形可能シートとの間に位置決めされており、熱硬化性層は、好ましくは樹脂含浸紙である。
【0043】
少なくとも1つの熱成形可能シートには、好ましくは、1つ以上の凹部が設けられており、1つ以上の凹部には少なくとも1つの光源が配置されている。そのような凹部は、電源も収容し得る。
【0044】
好ましい実施形態では、前述のような1つ以上の凹部は、アルミニウム箔層などの光反射手段を備える。光反射手段は、(1つ以上の)光源によって発せられた光線がパネルの外面、すなわち、パネルの外側から見た場合に光が見える位置に向けられるように位置決めされている。
【0045】
集積光源はパネルによって封止されており、これにより集積光源は環境から保護される。そのような環境保護には、風、天候、日光、化学物質、引っかき傷、温度、水分および湿気が含まれ得るが、これに限定されない。封止はまた、(1つ以上の)光源、および、パネルに組み込まれた場合の電源の意図しない取り外し(盗難)も防止する。
【0046】
本発明はさらに、屋内および/または屋外の家具における本化粧パネルの使用に関するものである。家具の例としては、テーブルトップ、実験室用テーブル、キッチンワークトップ、ナイトスタンド、ホットプレート、カウンタートップ、ベンチ、椅子、またはスツール、および、コーヒーテーブル、ダイニングテーブル、カクテルテーブル、会議テーブル、サイドテーブル、ピクニックテーブル、屋外テーブルなどのテーブルがある。
【0047】
特定の実施形態では、本化粧パネルは、外壁、天井およびファサードに使用することができる。
【0048】
本発明はまた、内装および/または外装装飾における本化粧パネルの使用にも関するものである。
【0049】
本パネルの用途の例には以下が含まれるが、これに限定されない:稼動していないときには見えない球体照明が組み込まれた家屋のファサードパネル、ライトのスイッチが入っているときにのみ見える照明を備えた内装キッチン水平パネル、見えないライトを備えたテーブルトップ(水平)、球体照明が組み込まれたダイニングテーブルトップ、航空機、船舶、バス内部のパネル内の安全照明、ライトのスイッチが入っているときにのみ見える、家屋で使用するためのパネルに組み込まれた球体照明、空港、鉄道駅、フェリーターミナル、もしくは、他の公共交通手段、または、他の公共の待ち合わせ場所のパネル。本パネルは、建物またはモニュメントの外装パネルまたは内装パネルとしても使用できる。別の用途は、公共および民間交通機関用の待合所やターミナルの家具や壁の装飾における本パネルの組み込み、または航空機、車、電車のワゴン、バスの内装やフェリーの内装の家具や壁の装飾における組み込みである。また、ナイトスタンド、ベッドサイドキャビネットおよび家庭用キッチンのワークトップへの本パネルの使用。
【0050】
よって、本パネルの利点は、不可視、シームレスな一体化、外面の平坦性、封止、すなわち環境からの保護として特定でき、(1つ以上の)本光源なしのパネルと比べて、パネルの物理特性が変更されないままである。
【0051】
本発明のさらなる利点は、好ましい実施形態の詳細な説明を参照すれば明らかになるであろう。ここに示す図には1つの光源のみが示されているが、本発明は特定の数の光源に限定されない。読みやすさおよび明瞭さに基づき、図ではすべての電気的(内部および外部)接続および電源が省略されている。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1A】本発明による化粧パネルを示す。
図1B】本発明による化粧パネルの別の実施形態を示す。
図1C】本発明による化粧パネルの別の実施形態を示す。
図1D】本発明による化粧パネルの別の実施形態を示す。
図1E】本発明による化粧パネルの別の実施形態を示す。
図2A】本発明による化粧パネルを示す。
図2B】本発明による化粧パネルを示す。
図2C】本発明による化粧パネルを示す。
図2D】本発明による化粧パネルの別の実施形態を示す。
図2E】本発明による化粧パネルの別の実施形態を示す。
図2F】本発明による化粧パネルの別の実施形態を示す。
図2G】本発明による化粧パネルの別の実施形態を示す。
図2H】本発明による化粧パネルの別の実施形態を示す。
図2I】本発明による化粧パネルの別の実施形態を示す。
図2J】本発明による化粧パネルの別の実施形態を示す。
図2K】本発明による化粧パネルの別の実施形態を示す。
図3A】本発明による熱成形プロセスの一段階を示す。
図3B】本発明による熱成形プロセスの別の段階を示す。
図3C】本発明による熱成形プロセスの別の段階を示す。
図3D】本発明による熱成形プロセスの別の段階を示す。
図3E】本発明による熱成形プロセスの別の段階を示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図では、同じ参照番号は同じ構成要素に使用されている。
【0054】
図1Aは、装飾層1、中間層6、光源2およびコア層3を含むパネル10を示す。光源2はコア層3と中間層6との間に位置決めされる。
【0055】
図1Bは、装飾層1、中間層6、光源2およびコア層3を含むパネル20を示す。光源2は、コア層3内に位置決めされる。中間層6は、光源2を備えたコア層と装飾層1との間に位置決めされる。
【0056】
図1Cは、装飾層1、光源2およびコア層3を含むパネル30を示す。光源2は、コア層3に設けられた凹部5に位置決めされる。このような凹部の存在は、その外面、すなわち装飾層における起伏の発生を防止するのに役立つ。
【0057】
図1Dは、装飾層1、中間層6、光源2およびコア層3を含むパネル40を示す。光源2は、コア層3に設けられた凹部5に位置決めされる。中間層6は、装飾層1と光源2との間に位置決めされる。このような凹部の存在は、その外面、すなわち装飾層における起伏の発生を防止するのに役立つ。また、中間層6の存在は、その外面、すなわち、装飾層における起伏の発生を防止するのにさらに役立つ。
【0058】
図1Eは、装飾層1、中間層6、光源2およびコア層3を含むパネル50を示す。光源2は、コア層3に設けられた凹部5に位置決めされる。中間層6は、装飾層1と光源2との間に位置決めされる。このような凹部の存在は、その外面、すなわち装飾層における起伏の発生を防止するのに役立つ。また、中間層6の存在は、その外面、すなわち、装飾層における起伏の発生を防止するのにさらに役立つ。
【0059】
ここに示す実施形態では、光源の位置に対応する領域における(1つ以上の)中間層の樹脂濃度は、(1つ以上の)中間層の別の領域より高くてもよい。ここに示す実施形態では、(1つ以上の)中間層の樹脂組成は、コア層の樹脂組成と化学的に異なっていてもよい。ここに示す実施形態では、(1つ以上の)中間層は伝熱促進材料を含んでいてもよい。中間層の存在は、その外面、すなわち装飾層の起伏の発生を防止するのに役立つ。加えて、中間層の存在は、最終的な化粧パネルの機械的特性にもプラスの影響を及ぼす。中間層はここでは単一層として描かれているが、そのような中間層は1つ以上のサブ層を含んでいてもよい。加えて、コア層はここではいくつかの層として描かれているが、コア層は、1つの単一層、例えばプリプレグを含んでいてもよく、層の組み合わせ、例えば数枚のプリプレグを含んでいてもよく、個別の層および1つ以上のプリプレグを含んでいてもよい。
【0060】
図2Aは、装飾層1と、光源2と、熱成形可能シートまたはプリプレグ4を含むコア層とを含むパネル60を示す。光源2は、コア層と装飾層との間に位置決めされる。パネルを製造するためのプレス工程の間に、光源2は熱成形可能シートまたはプリプレグ4の中にいくらか押し込まれる。このようにして得られたパネルでは、その外面、すなわち、装飾層に多少の起伏が生じ得る。
【0061】
図2Bは、装飾層1と、光源2と、熱成形可能シートまたはプリプレグ4およびいくつかの樹脂含浸紙層3を含むコア層とを含むパネル70を示す。光源2は、コア層と装飾層との間に位置決めされる。このような構成の欠点は、パネルの平坦性の欠如である。パネルを製造するためのプレス工程の間に、光源2は熱成形可能シートまたはプリプレグ4の中にいくらか押し込まれる。このようにして得られたパネルでは、その外面、すなわち、装飾層に多少の起伏が生じ得る。
【0062】
図2Cは、装飾層1と、光源2と、中間層6と、熱成形可能シートまたはプリプレグ4およびいくつかの樹脂含浸紙層3を含むコア層3とを含むパネル80を示す。中間層6は、コア層と装飾層との間に位置決めされる。パネルを製造するためのプレス工程の間に、光源2は熱成形可能シートまたはプリプレグ4の中にいくらか押し込まれる。中間層6の存在は、その外面、すなわち装飾層における起伏の発生を防止するのに役立つ。
【0063】
図2Dは、装飾層1と、光源2と、熱成形可能シート4またはプリプレグ4およびいくつかの樹脂含浸紙層3を含むコア層とを含むパネル90を示す。光源2は、コア層に、すなわち、熱成形可能シートまたはプリプレグ4といくつかの樹脂含浸紙層3との間に位置決めされる。パネルを製造するためのプレス工程の間に、光源2は熱成形可能シートまたはプリプレグ4の中にいくらか押し込まれる。
【0064】
図2Eは、装飾層1と、光源2と、中間層6と、熱成形可能シート4またはプリプレグ4およびいくつかの樹脂含浸紙層3を含むコア層とを含むパネル100を示す。光源2は、コア層に、すなわち、熱成形可能シートまたはプリプレグ4といくつかの樹脂含浸紙層3との間に位置決めされる。パネルを製造するためのプレス工程の間に、光源2は熱成形可能シートまたはプリプレグ4の中にいくらか押し込まれる。中間層6の存在は、その外面、すなわち装飾層における起伏の発生を防止するのに役立つ。
【0065】
図2Fは、装飾層1と、凹部5が設けられた熱成形可能シート4またはプリプレグ4を含むコア層とを含むパネル110を示す。凹部5には光源2が位置決めされる。このような凹部の存在は、その外面、すなわち装飾層における起伏の発生を防止するのに役立つ。
【0066】
図2Gは、装飾層1と、凹部5が設けられた熱成形可能シート4またはプリプレグ4を含むとコア層とを含むパネル120を示す。凹部5には光源2が位置決めされる。パネル120は、何枚かの樹脂含浸紙3をさらに備える。このような凹部の存在は、その外面、すなわち装飾層における起伏の発生を防止するのに役立つ。
【0067】
図2Hは、装飾層1と、中間層6と、熱成形可能シート4またはプリプレグ4および何枚かの樹脂含浸紙3を含むコア層とを含むパネル130を示す。熱成形可能シート4またはプリプレグ4には凹部5が設けられており、凹部5には光源2が位置決めされる。凹部5は、熱成形可能シート4またはプリプレグ4の上面に位置する。中間層6の存在は、その外面、すなわち装飾層における起伏の発生を防止するのに役立つ。
【0068】
図2Iは、装飾層1と、熱成形可能シート4またはプリプレグ4および樹脂含浸紙3を含むコア層とを含むパネル140を示す。熱成形可能シート4またはプリプレグ4の底面には凹部5が設けられており、凹部5には光源2が位置決めされる。
【0069】
図2Jは、装飾層1と、凹部5が設けられた熱成形可能シート4またはプリプレグ4および樹脂含浸紙3を含むコア層とを含むパネル150を示す。熱成形可能シート4またはプリプレグ4の底面には凹部5が設けられており、凹部5には光源2が位置決めされる。
【0070】
図2Kは、装飾層1と、中間層6と、熱成形可能シート4またはプリプレグ4および何枚かの樹脂含浸紙3を含むコア層とを含むパネル160を示す。熱成形可能シート4またはプリプレグ4には凹部5が設けられており、凹部5には光源2が位置決めされる。凹部5は、熱成形可能シート4またはプリプレグ4の底面に位置する。中間層6の存在は、その外面、すなわち装飾層における起伏の発生を防止するのに役立つ。
【0071】
図示の実施形態では、光源の位置に対応する領域における(1つ以上の)中間層の樹脂濃度は、(1つ以上の)中間層の別の領域より高くてもよい。図示の実施形態では、(1つ以上の)中間層の樹脂組成は、コア層の樹脂組成と化学的に異なっていてもよい。図示の実施形態では、(1つ以上の)中間層は伝熱促進材料を含んでいてもよい。中間層の存在は、その外面、すなわち装飾層の起伏の発生を防止するのに役立つ。加えて、中間層の存在は、最終的な化粧パネルの機械的特性にもプラスの影響を及ぼす。
【0072】
図3A図3Eは、本発明による熱成形プロセスの異なる段階を示す。工程3Aで、構造210を有するホットプレス200が熱成形可能シート4またはプリプレグ4と接触する。工程3Bで、構造210は、熱成形可能シート4またはプリプレグ4に熱変形を生じさせる。工程3Cで、ホットプレス200と熱成形可能シート4またはプリプレグ4との間の接触が中断され、熱成形可能シート4またはプリプレグ4に凹部5が形成される。工程3Dで、光源2が凹部5に位置決めされ、光源2を備えた熱成形可能シート4またはプリプレグ4が得られる。
【0073】
実施例1
米国特許第6387489号明細書に従って製造されたプリプレグに凹部を設けた。凹部にLEDストリップを配置し、凹部の上に外面として装飾層を位置決めした。このようにして得られた複合材料を、熱硬化性樹脂の硬化が達成されるまで160℃、20バールでプレスした。LEDストリップをケーブルで変圧器に接続した。LEDライトはうまく機能し、要求に応じて色が変化した。
【0074】
実施例2
米国特許第6387489号明細書に従って製造されたプリプレグに凹部を設けた。凹部にLEDストリップを配置し、凹部の上に外面として装飾層を位置決めした。このようにして得られた複合材料を、熱硬化性樹脂の硬化が達成されるまで、130℃、20バールでプレスした。LEDストリップをケーブルで変圧器に接続した。単色LEDライトはうまく機能し、要求に応じて発光した。
【0075】
実施例3
米国特許第6387489号明細書に従って製造されたプリプレグに凹部を設けた。凹部にLEDストリップを配置し、凹部の上に外面として装飾層を位置決めした。このようにして得られた複合材料を、熱硬化性樹脂の硬化が達成されるまで、160℃、70バールでプレスした。LEDストリップをケーブルで変圧器に接続した。単色LEDライトはうまく機能し、要求に応じて発光した。
【0076】
実施例4
米国特許第6387489号明細書に従って製造されたプリプレグに凹部を設けた。凹部にLEDストリップを配置し、凹部の上に外面として装飾層を位置決めした。このようにして得られた複合材料を、熱硬化性樹脂の硬化が達成されるまで、130℃、70バールでプレスした。LEDストリップをケーブルで変圧器に接続した。単色LEDライトはうまく機能し、要求に応じて発光した。
【0077】
実施例5
樹脂含浸紙の積層体を設け、最も外側の層を凹部が得られるように切削した。樹脂含浸紙の凹部にLEDストリップを配置し、外面として凹部の上に装飾層を位置決めした。このようにして得られた複合材料を、熱硬化性樹脂の硬化が達成されるまで160℃、20バールでプレスした。LEDストリップをケーブルで変圧器に接続した。LEDライトはうまく機能し、要求に応じて色が変化した。
【0078】
実施例6
樹脂含浸紙の積層体を設け、最も外側の層を凹部が得られるように切削した。樹脂含浸紙の凹部にLEDストリップを配置し、外面として凹部の上に装飾層を位置決めした。このようにして得られた複合材料を、熱硬化性樹脂の硬化が達成されるまで160℃、70バールでプレスした。LEDストリップをケーブルで変圧器に接続した。LEDライトはうまく機能し、要求に応じて色が変化した。
【0079】
実施例7
樹脂含浸紙の積層体を設け、最も外側の層を凹部が得られるように切削した。樹脂含浸紙の凹部にLEDストリップを配置し、外面として凹部の上に装飾層を位置決めした。このようにして得られた複合材料を、熱硬化性樹脂の硬化が達成されるまで130℃、20バールでプレスした。LEDストリップをケーブルで変圧器に接続した。LEDライトはうまく機能し、要求に応じて色が変化した。
【0080】
実施例8
樹脂含浸紙の積層体を設け、最も外側の層を凹部が得られるように切削した。樹脂含浸紙の凹部にLEDストリップを配置し、外面として凹部の上に装飾層を位置決めした。このようにして得られた複合材料を、熱硬化性樹脂の硬化が達成されるまで130℃、70バールでプレスした。LEDストリップをケーブルで変圧器に接続した。LEDライトはうまく機能し、要求に応じて色が変化した。
【0081】
実施例9
米国特許第6387489号明細書に従って製造されたプリプレグに凹部を設けた。凹部にLEDストリップを配置し、熱成形可能シートを凹部の上に直接位置決めした。このようにして位置決めされた熱成形可能シートを外面としての装飾層で覆った。このようにして得られた複合材料を、熱硬化性樹脂の硬化が達成されるまで160℃、20バールでプレスした。LEDストリップをケーブルで変圧器に接続した。LEDライトはうまく機能し、要求に応じて色が変化した。熱成形可能シートの特定の位置は表面をならし均等化し、LED光の導光体として機能した。LEDからの光は装飾層を照らし、パネルの側縁に運ばれる。その結果として、エッジが輝く化粧パネルが得られる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図2J
図2K
図3