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特許7126490シングルチャネルドライバを備えるLEDランプ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-18
(45)【発行日】2022-08-26
(54)【発明の名称】シングルチャネルドライバを備えるLEDランプ
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/40 20200101AFI20220819BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20220819BHJP
   H05B 45/52 20200101ALI20220819BHJP
   H05B 45/345 20200101ALI20220819BHJP
【FI】
H05B45/40
H01L33/00 J
H05B45/52
H05B45/345
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019504087
(86)(22)【出願日】2017-07-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-22
(86)【国際出願番号】 EP2017067587
(87)【国際公開番号】W WO2018019596
(87)【国際公開日】2018-02-01
【審査請求日】2020-07-08
(31)【優先権主張番号】62/368,515
(32)【優先日】2016-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16185244.7
(32)【優先日】2016-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ファン ユホン
(72)【発明者】
【氏名】コルネリッセン ヴィルヘルムス ヨセフス
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンキタスブラーマニアン スリーラマン
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-113924(JP,A)
【文献】特開2011-198821(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H01L 33/00
H05B 47/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLEDランプを並列に駆動するよう構成される発光ダイオード装置であって、前記発光ダイオード装置が、
前記複数のLEDランプにLED駆動電流を供給するよう適合される少なくとも1つのLED駆動回路であって、前記LED駆動電流の最大値を設定するための電流設定抵抗を含む少なくとも1つのLED駆動回路と、
前記電流設定抵抗器に並列に接続可能である設定抵抗器を含む電流設定抵抗回路と、
前記LEDランプの各々を流れる電流の検出によって、前記複数のLEDランプの各々の有無の検出をするよう適合される検出回路とを有し、
前記検出回路が、前記有無の検出に基づいて、前記LED駆動電流を調節するよう、前記電流設定抵抗器、及び前記電流設定抵抗器に並列に接続されている前記設定抵抗器の総抵抗を調節するために、前記電流設定抵抗回路を調節するよう構成される発光ダイオード装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのLED駆動回路が、単一のLED駆動回路であり、
前記発光ダイオード装置が、前記複数のLEDランプと前記単一のLED駆動回路とを備えるレトロフィットシステムである請求項1に記載の発光ダイオード装置。
【請求項3】
存在する各LEDランプが管状形状を有する請求項1に記載の発光ダイオード装置。
【請求項4】
前記電流設定抵抗回路が、複数の前記設定抵抗器と、複数のトランジスタとを有する請求項1に記載の発光ダイオード装置。
【請求項5】
前記電流設定抵抗回路が、各LEDランプのために同一の回路部品を同一の配置で含む請求項4に記載の発光ダイオード装置。
【請求項6】
発光ダイオード装置の複数のLEDランプを駆動するための方法であって、
LED駆動電流を、前記LED駆動電流の最大値を設定するために用いられる電流設定抵抗を含むLED駆動回路によって、前記複数のLEDランプに供給するステップと、
各LEDランプを流れる電流を検出する検出回路を用いて、前記複数のLEDランプの各々の有無の検出をするステップと、
前記有無の検出に基づいて、前記LED駆動電流を調節するよう、前記電流設定抵抗器に並列に接続可能である設定抵抗器を含む電流設定抵抗回路を調節して、前記電流設定抵抗器、及び前記電流設定抵抗器に並列に接続されている前記設定抵抗器の総抵抗を調節するステップとを有する方法。
【請求項7】
前記LEDランプが、単一のLED駆動回路を備えるレトロフィットシステム内にある、請求項に記載の複数のLEDランプを駆動するための方法。
【請求項8】
前記電流設定抵抗回路が、前記LEDランプのうちの1つがないことの検出に応じて前記電流設定抵抗に並列に前記設定抵抗器を接続することによって調節される、請求項に記載の複数のLEDランプを駆動するための方法。
【請求項9】
前記電流設定抵抗回路、複数の前記設定抵抗器及び複数のトランジスタを有する、請求項に記載の複数のLEDランプを駆動するための方法。
【請求項10】
前記電流設定抵抗回路が、各LEDランプのために同一の回路部品を同一の配置で含む、請求項に記載の複数のLEDランプを駆動するための方法。
【請求項11】
存在しないLEDランプごとに、前記電流設定抵抗に回路部品の同一のセットを1つ接続するステップを更に有する、請求項10に記載の複数のLEDランプを駆動するための方法。
【請求項12】
存在しないLEDランプごとに、前記電流設定抵抗から回路部品の同一のセットを1つ切り離すステップを更に有する、請求項10に記載の複数のLEDランプを駆動するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光ダイオード(LED)ランプの分野に関する。より詳細には、本開示は、シングルチャネルドライバを備えるLEDランプに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な発光ダイオードドライバは、LEDランプの1つ以上の発光ダイオードの負荷に対して一定の電流を出力する。LEDランプは、北米の直線状反射板器具(Linear troffer fixture)などの発光ダイオードドライバに接続され得る。発光ダイオードレトロフィットシステムにおいては、並列及び/又は直列の発光ダイオードから成るLEDランプが、DC出力を持つLEDドライバを用いて直流(DC)で駆動され得る。複数のLEDランプが並列に駆動されることができ、いずれかのLEDランプが取り外されるときには、残りのLEDランプが全電流を分かち合う。例として、3つのLEDランプが6アンペアで駆動され、LEDランプのうちの1つが取り外されるときには、残りの2つのLEDランプは依然として6アンペアを分かち合う。残りのランプへの電流の増加は、残りのランプの光を増加させ、その寿命を減らす。
【0003】
US2015/0195884、EP1889519、EP2814302、US2008/0297062及びUS2011/0210675を参照すると、ドライバの電流を設定するための幾つかの解決策が知られている。これら解決策は、全て、接続されているランプの数をドライバ側で識別するための付加的な要素をランプ内に有することを提案している。詳細には、ドライバが、測定される等価抵抗の関数として電力を設定するように、各ランプの内部に抵抗器を付加し、ドライバの対応する入力と並列に供給され得る1つ又は2つの特定の出力を有することが可能である。このような解決策は、ドライバとランプをペアにする必要があり、ランプが故障したときにドライバの電力を適応させることを可能にしない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ランプへの電流を検出し、機能ランプがいくつ接続されているかを決定するための付加的な回路が付加される別の解決策を提供する。ドライバの出力電流が接続されている機能ランプの数に合わせて調節されるようにして、ドライバの出力電流を決定する電流設定抵抗が、検出されるランプに応じて、調節される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、本発明は、複数のLEDランプを並列に駆動するよう構成される発光ダイオード(LED)装置であって、少なくとも1つのLED駆動回路と、検出回路とを有する発光ダイオード装置である。前記少なくとも1つのLED駆動回路は、前記複数のLEDランプにLED駆動電流を供給するよう適合され、前記LED駆動回路は、前記LED駆動電流の最大値を設定するための電流設定抵抗回路を有する。前記検出回路は、前記LEDランプの各々を流れる電流の測定によって、前記複数のLEDランプの各々の有無の検出をするよう適合される。前記検出回路は、前記有無の検出に基づいて前記電流設定抵抗回路を調節するよう構成される。
【0006】
優先的には、前記発光ダイオード装置は、単一のLED駆動回路を有し、前記LED装置は、前記複数のLEDランプと前記単一のLED駆動回路とを備えるレトロフィットシステムであってもよい。存在する各LEDランプは、管状形状を有してもよい。前記電流設定抵抗回路は、複数の設定抵抗器と、複数のトランジスタとを有してもよい。前記電流設定抵抗回路は、前記発光ダイオード装置の構成要素として取り付けられてもよい。前記電流設定抵抗回路は、各LEDランプのために同一の回路部品を同一の配置で含んでもよい。前記電流設定抵抗回路は、前記有無の検出に基づいてLED駆動回路の前記LED駆動電流を設定するよう適合されてもよい。
【0007】
第2の態様によれば、本発明は、発光ダイオード装置の複数のLEDランプを駆動するための方法であって、
LED駆動電流を、前記LED駆動電流の最大値を設定するために用いられる電流設定抵抗回路を含むLED駆動回路によって、前記複数のLEDランプに供給するステップと、
各LEDランプを流れる電流を測定する検出回路を用いて、前記複数のLEDランプの各々の有無の検出をするステップと、
前記有無の検出に基づいて前記電流設定抵抗回路を調節するステップとを有する方法である。
【0008】
優先的には、前記電流設定抵抗回路は、前記発光ダイオードランプのうちの1つがないことの検出に応じて並列設定抵抗器を内部へ切り替えることによって調節されてもよい。前記電流設定抵抗回路と、複数の抵抗器及び複数のトランジスタを含む前記電流設定抵抗回路の付加的な抵抗器とを用いて、LED駆動電流の調節がなされてもよい。前記電流設定抵抗回路は、発光ダイオード装置の構成要素であってもよい。前記電流設定抵抗回路は、各LEDランプのために同一の回路部品を同一の配置で含んでもよい。存在しないLEDランプごとに、回路部品の同一のセットを1つ内部へ切り替えることによって、切り替えがなされてもよい。存在しないLEDランプごとに、回路部品の同一のセットを1つ外部へ切り替えることによって、切り替えがなされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の或る態様によるシングルチャネルドライバを備えるLEDランプのための例示的な回路装置を示す。
図2図1の回路装置に関連して、分離された例示的な検出回路を示す。
図3図1の回路装置に関連して、分離された別の例示的な検出回路を示す。
図4】本開示の或る態様による、シングルチャネルドライバを備えるLEDランプのための例示的な回路装置の動作のための例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
従って、本開示は、上記を考慮して、その様々な態様、実施例及び/又は特定の特徴若しくはサブコンポーネントのうちの1つ以上を通して、以下で詳細に言及されているような利点のうちの1つ以上を引き出すことを目的としている。
【0011】
本開示は、シングルチャネルドライバを備える1つ又は複数のLEDランプについて記載する。本明細書に記載されているように、各LEDランプは複数の発光ダイオードを含んでもよく、シングルチャネルドライバは各々が複数の発光ダイオードを含む1つ以上のLEDランプを駆動し得る。本開示の教示は、LEDランプ内の発光ダイオードの有無、及び/又は複数のLEDランプを備える照明器具(装置)内のLEDランプの有無を検出する検出器を提供する。結果として、本開示は、個々の発光ダイオードの有無、及び複数の発光ダイオードを含むLEDランプの有無の両方を検出するための教示を含む。
【0012】
本開示は、LEDランプ及び発光ダイオードの有無の検出に基づく、残りのLEDランプ及び発光ダイオードへの電流又は電力の調節も提供する。このやり方においては、何らかの理由でLEDランプ又は発光ダイオードが取り外されるときに、シングルチャネルドライバによって駆動される残りのLEDランプ及び発光ダイオードへの電流又は電力は、例えば過熱を回避するのを助けるよう、低減され得る。
【0013】
本明細書に記載されている方法は、説明のための例であり、それ自体は、いずれかの実施例のいずれかの特定のプロセスが、提示されている順序で実施されることを要求又は暗示することを意図するものではない。「その後」、「次いで」、「次に」などのような単語は、プロセスの順序を限定することを意図するものではなく、これらの単語は、その代わりに、読者に方法の記載を案内するために用いられている。更に、例えば、冠詞「a」、「an」又は「the」を用いた単数形での請求項の要素への如何なる言及も、前記要素を単数のものに限定するものとして解釈されるべきではない。
【0014】
更に、「駆動回路」及び「ドライバ」などの用語は、本明細書では区別なく用いられ得る。このような用語を区別する説明がない限り、これらのような同様の及び類似の用語は、本明細書において提供される説明の目的のためには同意義のものとみなされるべきである。例として、本明細書に記載されているマイクロコントローラは、例えば、マイクロプロセッサチップ、コントローラ、又はデジタルシグナルマイクロプロセッサ(DSP)であってもよい。
【0015】
図1は、本開示の或る態様によるシングルチャネルドライバを備えるLEDランプのための例示的な回路装置を示している。図1において、各LEDランプ、LEDランプ1及びLEDランプ2は、1つ以上の発光ダイオードを含む製品である。LEDランプ(LEDランプ1及びLEDランプ2)と1チャネルLEDドライバ140との間に回路が付加されている。LEDランプ、LEDランプ1及び/又はLEDランプ2が何らかの理由で取り外されるとき、付加回路は、残りのLEDランプ、LEDランプ1及び/又はLEDランプ2に適したランプ電流に合わせるようLEDドライバ140の出力電流を調節するよう電流設定抵抗(Rset)を変えるだろう。
【0016】
電流設定抵抗Rsetは、1チャネルLEDドライバ140の最大電流出力を設定する役割を果たす。最大電流出力値は、標準化団体によって設定された規格に従って設定されてもよい。電流設定抵抗Rsetは、最大電流出力値に比例又は反比例して設定され得る。
【0017】
図1乃至3において示されている実施例においては、電流設定抵抗Rsetは、電流出力値に比例して設定される。電流設定抵抗Rsetが電流出力値に比例する場合、LEDランプがないことの検出に応じて、総抵抗が減らされ、これは、LEDドライバの実効出力電流をより小さく設定する。
【0018】
別の構成においては、総抵抗は、検出されたLEDランプの欠如を補償するよう増やされてもよく、これは、事実上、総抵抗を最大出力電流に反比例させる。別の代替実施例においては、LEDランプがないことの検出に基づいて、総抵抗を増やすために、抵抗成分又は回路が、(内部へではなく)外部へ切り替えられ得る。外部へ切り替えられる抵抗要素又は回路が残りの抵抗と並列であった場合、総抵抗は、抵抗成分又は回路を外部へ切り替えることによって増やされ得る。即ち、切替可能な抵抗要素及び回路が、様々なやり方で配設されることができ、各々がそれ自身の利点及び不利な点のセットを持つ。
【0019】
図1乃至3に関して示されているように、電流設定抵抗Rsetは、抵抗成分又は抵抗回路を既存の抵抗成分又は抵抗回路と並列になるよう内部へ切り替えることによって、ドライバ電流出力値に比例して設定され得る。このやり方では、並列要素の総抵抗は、抵抗成分又は抵抗回路が内部へ切り替えられなかった場合の総抵抗よりも小さくなる。このより小さい総抵抗は、残りのLEDランプに合わせるよう、ドライバの実効出力電流をより小さく設定する。
【0020】
図1乃至3の実施例は、残りの抵抗と並列の抵抗要素又は回路を外部へ切り替えることによって総抵抗を増やすよう修正され得る。要素又は回路を外部へ切り替える修正実施例においては、MOSFETとQゲートとの間に反転器(inverter)が付加されてもよく、抵抗器の構成が変えられる。この修正実施例については下で更に説明する。
【0021】
その上更に、発光ダイオードランプ(LEDランプ1又はLEDランプ2)がないことが検出されるときに抵抗成分又は回路を内部へ切り替える代わりに、Rsetが、全てのLEDランプが存在するときのためのデフォルトとしての抵抗回路全体、及び最大電流出力値に合わせられてよい。LEDランプがないことが検出される場合、最大電流を維持するために抵抗回路の一部が(接続されるのではなく)切り離されてもよい。上記のように、この代替案は、外部へ切り替えられる抵抗要素又は回路が残りの抵抗と並列であるときに総抵抗を増やすために可能である。
【0022】
図1では、付加回路は、現在のLEDランプの数に合わせるよう電流を自動的に調節する。付加回路は、実際には、2つの同一の回路又はサブ回路を含む、又は存在し得るLEDランプの最大数と一致するような同数の同一の回路又はサブ回路を含む。
【0023】
2つの同一の回路又はサブ回路のうちの第1のものは、D1、D2、R1、Q1、R2、D3、M1及びR3で構成されている。2つの同一回路又はサブ回路のうちの第2のものは、D6、D7、R5、Q2、R6、D8、M2及びR7で構成されている。図1において、開示されている実施例は、例えば、R3=R4=R7である場合に動作可能である。
【0024】
上述のように、図1の実施例は、残りの抵抗と並列の抵抗要素又は回路を(内部へ切り替えるのではなく)外部へ切り替えることによって総抵抗を増やすように修正され得る。MOSFET M1及びM2のための反転制御信号は、Q1とM1のゲートとの間に第1反転器段を付加すると共に、Q2とM2のゲートとの間に第2反転器段を付加することによって生成される。例として、この構成は、R3=R7であり、R4が比較において相対的に高い値で抑制又は設定される場合に満足のいく結果を生じる。
【0025】
図2及び3は、図1から別々のLEDランプ検出回路を取り出している図2及び3において詳述されているように、図1の各発光ダイオードランプに対して別々のLEDランプ検出回路が設けられている。
【0026】
図2において、図1のLEDランプ1のための第1LEDランプ検出回路151は、D1、D2、R1、Q1及びR2で構成されている。LEDランプ1が存在するときには、電流がLEDランプ1を流れることから、D1及びD2における電圧降下によってNPNトランジスタQ1がオンにされるだろう。LED-及びSGNDは、通常、同じ又は非常に近い電位を有する。M1のゲート電圧は低く、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)M1はオフである。
【0027】
図3において、図1のLEDランプ2のための第2LEDランプ検出回路152は、D6、D7、R5、Q2及びR6で構成されている。LEDランプ2が存在するときには、電流がLEDランプ2を流れることから、D6及びD7における電圧降下によってNPNトランジスタQ2がオンにされるだろう。LED-及びSGNDは、第1LEDランプ検出回路151の場合と同じであり、M2のゲート電圧は低く、MOSFET M2はオフである。
【0028】
図1では、両方のランプ、LEDランプ1及びLEDランプ2が接続されるときには、MOSFET M1及びM2との両方がオフであり、LEDドライバ電流はR4によって設定される。LEDランプ1がない(又はオフである)とき、MOSFET M1のゲート電圧は高く、M1はオンにされる。LEDドライバ電流は、並列のR4及びR3によって設定される。R3は、LEDドライバ出力電流が1ランプ要件を満たすことを確実にするよう選ばれる。LEDランプ2がない(又はオフである)とき、MOSFET M2のゲート電圧は高く、M2はオンにされる。LEDドライバ電流は、並列のR4及びR7によって設定される。R7は、LEDドライバ出力電流が1ランプ要件を満たすことを確実にするよう選ばれる。
【0029】
即ち、図1では、LEDドライバと、LEDランプ、LEDランプ1及びLEDランプ2との間に付加される回路151、152が、LEDランプ1及びLEDランプ2のうちの検出されるLEDランプの数に基づいて抵抗を変えるために用いられる。当然、付加的な回路又はサブ回路は、図1の場合より多くのあり得るLEDランプに対応するよう追加されてもよい。
【0030】
可変抵抗は自動的に実施される。即ち、現在のLEDランプに対する実効電流が、例えば、LEDランプが過熱しないことを確実するにするよう設定されている規格の要件に基づいて、適切であるように、LEDドライバからの電流を設定する抵抗が、LEDランプの有無に基づいて、増やされ得る、又は減らされ得る。
【0031】
LEDランプ1が存在することは、Q1がオンになることによって検出され、それ故、M1はオフになるだろう。しかしながら、LEDランプ1がない又はオフであるときには、Q1はオフになり、MOSFET M1におけるゲート電圧は、R3がR4と並列になるようにハイになるだろう。R3及びR4の総抵抗はより小さく、これは、残りのLEDランプに合わせるようLEDドライバ140の実効出力電流をより小さく設定する。
【0032】
LEDランプ2が存在することは、Q2がオンになることによって検出され、それ故、M2はオフになるだろう。しかしながら、LEDランプ2がない又はオフであるときには、Q2はオフになり、MOSFET M2におけるゲート電圧は、R7がR4と並列になるようにハイになるだろう。R7及びR4の総抵抗はより小さく、これは、残りのLEDランプに合わせるようLEDドライバ140の実効出力電流をより小さく設定する。
【0033】
当然、LEDランプ1とLEDランプ2との両方がない又はオフである場合には、R3とR7との両方がR4と並列にされ、故に、残りのLEDランプに供給される電流は引き上げられない。結果として、1チャネルLEDドライバ140は、残りのLEDランプの過熱を回避することができる。
【0034】
図1では、LEDランプ1及びLEDランプ2は、各々、1つ又は複数の発光ダイオードを含む。図1では、2つの対応するLEDランプの各々の有無を検出するために、2つの異なる個別の検出回路又はサブ回路151、152が設けられている。第1個別検出回路は、回路要素D1、D2、R1、Q1及びR2を含む。第2個別検出回路は、回路要素D6、D7、R5、Q2及びR6を含む。図1全体の照明器具(LED装置)は、1チャネルLEDドライバ140、2つの個別の検出回路、2つの可変抵抗回路/サブ回路、並びに2つのLEDランプ、LEDランプ1及びLEDランプ2を含む。
【0035】
上で説明したように、可変抵抗回路は、トランジスタQ1及びQ2、並びにMOSFETS M1及びM2を用いて実施される。可変抵抗は、R4と並列に抵抗器R3及び/又はR7を追加することによって供給される。当然、回路要素の有無の検出に基づいて抵抗を可変的に加算又は減算するための他の多くの方法が存在する。
【0036】
図1では、単一のLEDドライバ140が示されている。LEDドライバ140は、複数の異なるLED又は複数のLEDを備えるランプを駆動するシングルチャネルLEDドライバである。図1において示されている全体のLED装置が、蛍光照明システムに課されるレトロフィットシステムであってもよい。LEDランプ1及びLEDランプ2は、図1a及び図1bなどの他の図において示されている特徴も含んでもよく、支持用の追加端子であるが、いずれかの予想されるLEDランプがないときには電力をオフに切り替えるためのスイッチとして用いられるように短絡される追加端子も備えてもよい。
【0037】
別の実施例においては、ランプ検出器回路/サブ回路及び可変抵抗回路/サブ回路は、1チャネルLEDドライバ140の構成要素として含まれ得る。例えば、検出器回路及び可変抵抗回路は、工場において又は他の製造組立時に、1チャネルLEDドライバ140と共に構成され得る。更に、LEDランプも、示されているように2つであるかそれ以上であるかにかかわらず、工場において1チャネルLEDドライバ140と共に構成され得る。
【0038】
図2及び3は、図1の回路装置に関連して、分離された例示的な検出回路を示している。図2において、検出回路151は、LEDランプ1の有無を検出するための第1検出回路である。図3において、検出回路152は、LEDランプ2の有無を検出するための第2検出回路である。本開示において記載されているように、単一の1チャネルLEDドライバ140を備える装置に付加的なLEDランプ及び検出回路が設けられることができ、いずれかの特定のLEDランプの欠如は、回路部品又はマイクロコントローラを自動的に用いて可変抵抗として検出回路のうちの1つを呼び出すことによって補償され得る。
【0039】
図4は、本開示の或る態様による、シングルチャネルドライバを備えるLEDランプのための例示的な回路装置の動作のための例示的な方法を示している。図4においては、最初に、S410において、複数のLEDランプを備える発光ダイオード装置が取り付けられる。発光ダイオード装置が、例えば4つのLEDランプと共に構成され、S410においてレトロフィット組立品として取り付けられてもよい。
【0040】
S420においては、複数のLEDランプが並列に駆動される。S430においては、図1乃至3に関して説明されている回路のような回路を用いて各LEDランプの有無が検出される。
【0041】
S440においては、S430において検出された各LEDランプの有無に基づいて発光ダイオード装置内の抵抗が調節される。S450においては、残りの(存在する)LEDランプが、調節された抵抗を用いて駆動される。
【0042】
本明細書で述べたように、S440において調節される抵抗は、総抵抗が電流に比例するよう維持されるか又は反比例するよう維持されるかに応じて、より高く又はより低く調節され得る。抵抗は、付加的な抵抗要素又は抵抗回路を並列になるよう内部へ切り替えることによって変えられてもよい。更に、上で説明したように、全てのLEDランプが存在するときのためのデフォルト抵抗回路は、LEDランプが欠けていることが検出されるときに(内部へではなく)外部へ切り替えられ得る切替可能な(可変)抵抗要素又はサブ回路を含み得る。
【0043】
本明細書の教示を用いる電子デバイスは、付加的なデバイスを含む統合システム内にある特定のデバイスとして又は前記特定のデバイス内に組み込まれ得る。特定の実施例においては、このような電子デバイスは、音声、ビデオ又はデータ通信を供給する電子デバイスを用いて実施され得る。更に、単一の電子デバイスが記載されているが、このような電子デバイスは、1つ以上のコンピュータソフトウェア機能を実施するために命令の1つ又は複数のセットを個別に又は共同で実行するシステム又はサブシステムの任意の集まりを含む「システム」に含まれてもよい。
【0044】
本明細書において記載されているようなマイクロプロセッサは、有形且つ非一時的なものである。本明細書において用いられているような「非一時的」という用語は、状態の永久不変の特性としてではなく、或る期間続くだろう状態の特性として解釈されるべきである。「非一時的」という用語は、特定の搬送波若しくは信号、又はいつでも如何なる場所でも一時的にしか存在しない他の形態の特性のような瞬間的な特性を明確に否定するものである。マイクロプロセッサは、製造品及び/又は機械部品である。電子デバイスのためのマイクロプロセッサは、本明細書における様々な実施例において記載されているような機能を実施するためにソフトウェア命令を実行するよう構成される。電子デバイスのためのマイクロプロセッサは、汎用マイクロプロセッサであってもよく、又は特定用途向け集積回路(ASIC)の一部であってもよい。更に、本明細書において記載されている如何なるマイクロプロセッサも、複数のマイクロプロセッサ、並列マイクロプロセッサ、又はその両方を含み得る。複数のマイクロプロセッサが、単一のデバイス又は複数のデバイスに含まれてもよく、又は結合されてもよい。
【0045】
幾つかの例示的な実施例に関して複数のLEDランプのためのシングルチャネルドライバについて説明しているが、用いられている単語は、限定の単語ではなく、説明及び例示の単語であることは理解されるだろう。現在述べられているような及び補正されるような、添付の特許請求の範囲の範囲内で、その態様においてシングルチャネルドライバを備えるLEDランプの範囲及び趣旨から逸脱することなく、変更がなされ得る。特定の手段、材料及び実施例に関してシングルチャネルドライバを備えるLEDランプについて説明しているが、シングルチャネルドライバを備えるLEDランプが、開示されている特定のものに限定されるよう意図されてはおらず、むしろ、シングルチャネルドライバを備えるLEDランプは、添付の特許請求の範囲の範囲内のものであるような、全ての機能的に同等の構成、方法及び使用に及ぶ。
【0046】
例えば、上記のように、図1では、抵抗は、LEDランプの有無を検出するトランジスタを用いて自動的に内部及び外部へ切り替えられる。しかしながら、抵抗サブ回路は、スイッチ及びマイクロプロセッサを用いて論理的に制御されることができ、故に、LEDランプがないときに抵抗が変えられ得る。
【0047】
本明細書は、特定の実施例において特定の規格及びプロトコルに準拠して実施され得る構成要素及び機能について説明しているが、本開示は、このような規格及びプロトコルに限定されない。このような規格は、定期的に、本質的に同じ機能を持つより効率的な同等物に取って代わられる。従って、同じ又は同様の機能を持つ代替規格及びプロトコルは、それらの同等物とみなされる。
【0048】
本明細書において記載されている実施例の図は、様々な実施例の構成の一般的な理解を与えることを目的としている。前記図は、本明細書において記載されている本開示の要素及び特徴の全ての完全記述としての役割を果たすことを意図するものではない。本開示を検討すれば、当業者には多くの他の実施例が明らかになり得る。本開示の範囲から逸脱することなく構成上の及び論理的な置換及び変更がなされるような他の実施例が、本開示から利用及び導出され得る。更に、図は、単に代表的なものにすぎず、縮尺通りには描かれていないかもしれない。図の中の或る特定の部分は誇張されている一方で、他の部分は最小限にされているかもしれない。従って、本開示及び図は、限定するものではなく説明のためのものとみなされるべきである。
【0049】
本開示の1つ以上の実施例は、本明細書においては、本出願の範囲を自主的にいずれかの特定の発明又は発明概念に限定する意図なしに、単に便宜上、個別に及び/又はひとまとめに、「発明」という用語で言及され得る。更に、本明細書においては特定の実施例を図示及び記載しているが、同じ又は同様の目的を達成するよう設計されるあらゆるその後の構成が、示されている特定の実施例の代わりになり得ることを理解されたい。本開示は、様々な実施例のありとあらゆるその後の適合又は変形をカバーするよう意図されている。本明細書を検討すれば、当業者には、上記の実施例の組み合わせ、及び本明細書にはっきりと記載されていない他の実施例は明らかになるだろう。
【0050】
本開示の或る態様によれば、発光ダイオード(LED)装置が、発光ダイオードランプを並列に駆動するよう構成される。前記装置は、前記発光ダイオードランプに電流を供給する少なくとも1つの駆動回路を含む。前記駆動回路は、前記電流の最大値を設定するための抵抗器を含む。前記装置は、前記発光ダイオードランプの各々の有無の検出をする回路も含む。前記回路は、前記有無の検出に基づいて前記抵抗器を調節するよう構成される。
【0051】
本開示の別の態様によれば、前記装置は、単一の発光ダイオードドライバも含み、前記装置は、前記発光ダイオードと前記単一の発光ダイオードドライバとを備えるレトロフィットシステムである。
【0052】
本開示の態様によれば、存在する各発光ダイオードランプは管状形状を有する。
【0053】
本開示の更に別の態様によれば、前記ドライバは、複数の抵抗器及びトランジスタを含む電流設定抵抗回路を用いてLEDランプ電流定格に合わせるよう発光ダイオードドライバ電流を調節する。
【0054】
本開示の他の態様によれば、前記電流設定抵抗回路は、前記発光ダイオード装置に外付けで取り付けられる。
【0055】
本開示の更に別の態様によれば、前記電流設定抵抗回路は、各LEDランプのために同一の回路部品を同一の配置で含む。
【0056】
本開示の更に別の態様によれば、前記装置は、前記有無の検出に基づいて発光ダイオード駆動回路の出力電流を設定する電流設定回路を含む。
【0057】
本開示の或る態様によれば、発光ダイオード装置の複数の発光ダイオードランプを駆動するための方法は、電流を、前記電流の最大値を設定するために用いられる抵抗器を含む駆動回路によって、前記発光ダイオードランプに供給するステップを含む。前記方法は、検出回路を用いて前記複数の発光ダイオードランプの各々の有無の検出をするステップを含む。前記方法は、前記有無の検出に基づいて前記抵抗器を調節するステップも含む。
【0058】
本開示の別の態様によれば、前記発光ダイオードランプは、単一の発光ダイオードドライバを備えるレトロフィットシステム内にある。
【0059】
本開示の更に別の態様によれば、前記抵抗器は、前記発光ダイオードランプのうちの1つがないことの検出に応じて並列抵抗を内部へ切り替えることによって調節される。
【0060】
本開示の更に別の態様によれば、前記方法は、前記抵抗器と、複数の抵抗器及び複数のトランジスタを含む電流設定抵抗回路の付加的な抵抗器とを用いて、発光ダイオード電流定格に合わせるよう発光ダイオードドライバ電流を調節するステップを更に含む。
【0061】
本開示の別の態様によれば、前記電流設定抵抗回路は、前記発光ダイオード装置の構成要素である。
【0062】
本開示の更に別の態様によれば、前記電流設定抵抗回路は、各発光ダイオードランプのために同一の回路部品を同一の配置で含む。
【0063】
本開示の更に別の態様によれば、前記方法は、存在しない発光ダイオードランプごとに、回路部品の同一のセットを1つ内部へ切り替えるステップを含む。
【0064】
本開示の更に別の態様によれば、前記方法は、存在しない発光ダイオードランプごとに、回路部品の同一のセットの1つ外部へ切り替えるステップを含む。上記のように、通常、複数の発光ダイオードランプ(例えば、管状LED)が並列に駆動される構成において、いずれかの発光ダイオードランプが何らかの理由で取り外されるとき、残りの前記発光ダイオードランプへの電流を検出する及びオフにする又は調節するために、本開示の教示が用いられ得る。前記調節は、残りの発光ダイオードランプの存在の検出に基づいて内部へ及び外部へ切り替えられ得る抵抗回路を用いてなされ得る。結果として、温度が安全規格外のレベルまで上昇することが防止されることができ、前記発光ダイオードランプの寿命を延ばされ得る。
【0065】
開示の要約は、米国特許法施行規則第1.72状第(b)項(37 C.F.R. §1.72(b))に従うために提供されており、特許請求の範囲の範囲又は意味を解釈又は限定するために用いられないだろうという理解のもとに提出されている。更に、前述の詳細な説明においては、本開示を簡素化する目的で、様々な特徴が、まとめられていることがある、又は単一の実施例において記載されていることがある。この開示は、請求されている実施例は各請求項において明示的に挙げられている特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、下記の特許請求の範囲が反映するように、本発明の要旨は、開示されている実施例のいずれかの特徴の全てに比べてより少ない特徴を対象にし得る。従って、以下の特許請求の範囲は、各請求項が別々に請求される要旨を規定するものとして自立しているようにして、詳細な説明に盛り込まれる。
【0066】
開示されている実施例の前述の説明は、あらゆる当業者が本開示を作成又は使用することを可能にするよう提供されている。従って、上で開示されている要旨は、限定するものではなく説明のためのものとみなされるべきであり、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の精神及び範囲内にある全てのこのような修正例、拡張例、及び他の実施例をカバーするよう意図されている。従って、本開示の範囲は、法律が許す最大限の範囲で、下記の特許請求の範囲及びそれらの同等物の許容される最も広い解釈によって決定されるべきであり、前述の詳細な説明によって制限又は限定されてはならない。
図1
図2
図3
図4