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特許7126516口腔および顎顔面処置の案内付き実施方法、および関連システム
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  • 特許-口腔および顎顔面処置の案内付き実施方法、および関連システム 図1
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  • 特許-口腔および顎顔面処置の案内付き実施方法、および関連システム 図5
  • 特許-口腔および顎顔面処置の案内付き実施方法、および関連システム 図6A
  • 特許-口腔および顎顔面処置の案内付き実施方法、および関連システム 図6B
  • 特許-口腔および顎顔面処置の案内付き実施方法、および関連システム 図6C
  • 特許-口腔および顎顔面処置の案内付き実施方法、および関連システム 図6D
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  • 特許-口腔および顎顔面処置の案内付き実施方法、および関連システム 図7B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-18
(45)【発行日】2022-08-26
(54)【発明の名称】口腔および顎顔面処置の案内付き実施方法、および関連システム
(51)【国際特許分類】
   A61C 19/00 20060101AFI20220819BHJP
   A61C 1/08 20060101ALI20220819BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20220819BHJP
【FI】
A61C19/00 B
A61C1/08 Z
A61B34/20
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019558461
(86)(22)【出願日】2018-04-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-18
(86)【国際出願番号】 IB2018052955
(87)【国際公開番号】W WO2018198095
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2019-12-24
(31)【優先権主張番号】62/491,410
(32)【優先日】2017-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518432274
【氏名又は名称】ネオシス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モーゼス,アロン
【審査官】胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/093984(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0272789(US,A1)
【文献】国際公開第2016/118737(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0261433(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104146773(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 19/00
A61C 1/08
A61B 34/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に関連する案内付き処置を実行するシステムであって、
基準装置と関連する対象物を有する部位との間に確実で物理的な相互作用から生じる基準マーカと、
部位において対象物に関連する処置を詳述する仮想処置計画を形成する処置計画装置であって、仮想処置計画が、基準マーカを用いて位置合わせされ、基準マーカに対して位置合わせされている処置計画装置と、
処置計画装置と通信する制御装置と、
基準マーカと通信する制御装置に応答して、基準マーカに関して、処置実行装置と作動可能に係合し、処置実行装置の動作を物理的に調整する案内装置であって、処置実行装置の処置経路と、操作経路に沿った処置実行装置の配向および距離とを含む仮想処置計画に従い、処置経路および操作経路に沿った、ユーザによる処置実行装置の物理的操作に対応して、対象物関連処置を実行するために、処置実行装置の動作を物理的に調整するように構成されている、案内装置と、
を備えるシステムであって、
処置実行装置が複数の交換可能な処置装置を備え、ユーザによる処置実行装置の物理的操作により、処置実行装置が仮想処置計画の処置経路または操作経路から逸脱する場合、ユーザに触覚フィードバックを提供するように複数の交換可能な処置装置は構成され、
複数の交換可能な装置のそれぞれを、交換時に基準マーカと位置合わせするように、較正要素が処置実行装置における複数の交換可能な処置装置と交換可能であるシステム。
【請求項2】
複数の交換可能な処置装置の内の一つが対象物除去装置であり、対象物関連処置が対象物除去処置である、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
対象物除去装置が切除装置であり、対象物関連処置が切除対象物除去処置である、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
複数の交換可能な処置装置の内の一つが穴開け装置または研磨装置であり、対象物関連処置が穴開け処置または研磨処置である、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
複数の交換可能な処置装置の内の一つが研磨装置であり、対象物関連処置が歯冠を受け取るために対象物を成形するステップである、請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、歯または口腔および顎顔面の処置に関し、より具体的には、親知らずの切除、根管、および歯冠配置のための歯成形を含む、口腔および顎顔面処置の案内付き実施方法、ならびに関連するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの口腔、顎顔面および歯の処置は、外科医によって手動で実施される。場合によっては、外科医は、処置を実行するために手術ツールを物理的に位置合わせし、配向する目的で、手術ツールと相互作用する治具または他のハードウェア要素によって支援され得る。
【0003】
例えば、多くの親知らず(例えば、第3大臼歯)は、一般的に外科処置で取り除かれる。別の処置では、親知らずの芽が完全な歯に成長する前に切除されることができ、それによって手術の必要性がなくなる。ただし、これはやはり侵襲的な処置である。一般に、このプロセスでは、放射性シードの配置に対して正しい位置にある芽にアクセスするため、または芽を切除するための探針を向けるためなどに、歯茎組織を通ってアクセス穴を正確に開ける必要がある。一例では、探針の案内は、探針と処置が実施される部位との間に物理的に係合するプラスチックの外科用ガイドの作製を必要とする。しかし、このようなガイドは、その部位が特に第3大臼歯が位置する口の後方にあることを特に考慮すると、その部位へのアクセスを妨げる可能性がある。
【0004】
別の例では、根管処置には、歯に穴を開けて歯根内部の歯髄または神経にアクセスすることが含まれる。一旦アクセスされると、歯根内部の歯髄または神経は、歯根から削り取られるか、または磨り減らされる。次に、神経が痛むことなく、歯が損なわれずに留まることができるように、中空の歯は充填物質で充填される。そのような処置では、歯根をCTスキャンで見ることができるが、患者の上に設置するのは難しい可能性がある。場合によっては、歯の中に最初の穴を開けて歯根の内部にアクセスする目的で、ドリルを物理的に案内するように、歯科医はCTスキャンに基づいてプラスチックの外科用ガイドを作製することができる。しかし、患者の口の中の歯の位置によっては、プラスチック製の外科用ガイドがその部位へのアクセスを妨げ、または実施するのが困難な場合がある。
【0005】
さらに別の例には、歯冠配置のための歯の成形が含まれる。すなわち、歯の中の空洞が十分に進行すると、歯科医は歯の一部を除去し、除去された部分を磁器(またはジルコニウムなど)の歯冠と交換する場合がある。歯冠を受け取る歯を成形するこのプロセスは、歯の物質を除去するために歯科医の器用さ、および除去された歯の物質を交換するために歯冠を合わせるための高い正確性および精度を必要とする。
【0006】
したがって、現在の処置の上記の欠点に対処し、例えば処置の部位への妨害されないアクセスおよび外科医の案内、あるいは治具または他の物理的なガイドを使用せずに、処置中に適切な器具を促進する特定の口腔および顎顔面処置を実施するための改良を提供する方法およびシステムの必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記および他の必要性は、一態様では、親知らずの除去処置を実施する方法を提供する本開示によって達成され得る。確実で物理的な相互作用が、基準装置と患者の口内の部位との間に形成され、固定された基準装置は基準マーカを形成する。仮想除去計画が形成され、患者の口内の親知らずの除去が詳述され、仮想除去計画は基準マーカを用いて位置合わせされ、基準マーカに対して位置合わせされる。歯除去装置の動作は、案内装置と通信している制御装置に応答して、および基準マーカに対して、それに作動可能に係合された案内装置によって物理的に調整される。案内装置は、歯の仮想の除去計画に従って、かつユーザによる歯除去装置の物理的な操作に対応して、親知らずを除去するために、歯除去装置の動作を物理的に調整するように構成される。ユーザによる歯除去装置の物理的操作により、歯除去装置が仮想除去計画から逸脱する場合、歯除去装置を介して触覚または触感フィードバックがユーザに提供される。
【0008】
本明細書に開示されるように、親知らず除去または親知らずの除去への言及には、親知らずの成長防止も含まれる。すなわち、親知らずが既に形成されている場合、親知らずの除去は、形成された親知らずの除去を含む。しかし、対象アイテムが歯芽である場合、親知らずの成長の前に歯芽が切除されて除去されるため、「除去」処置(例えば、歯芽の切除)は、実際には親知らずの成長防止処置である。したがって、本明細書で言及される「親知らずの除去」は、親知らずの除去、ならびに親知らずの予防に適用されると理解されたい。
【0009】
さらに、本明細書で開示およびクレームされる親知らずの除去処置は、親知らずの成長を除去または防止するための歯除去装置(例えば、切除装置)を言及および記載しているが、当業者は、親知らず除去処置が、歯除去処置において歯除去装置が親知らずまたは親知らずの歯芽と相互作用する前に、親知らずまたは親知らずの歯芽の上にある軟部組織(例えば、歯茎組織または歯肉組織)を貫通するための装置もまた備え、使用することができることもまた理解するであろう。例えば、一態様では、貫通装置は、「自己導入」探針の形態で歯除去装置と組み合わせられ得る。すなわち、単一の探針は、軟部組織を貫通するように構成された第1の部分と、その場合、歯の除去処置を実施するための第2の部分とを有することができる。別の例示的な態様では、貫通装置は、歯除去装置用の親知らずまたは親知らずの歯芽へのアクセスを準備するために軟部組織にアクセスポートを穿孔するための穴開け装置(例えば、別個の装置)を備えることができる。
【0010】
別の態様は、根管処置を実施する方法を提供する。確実で物理的相互作用が、基準装置と患者の口内の部位との間に形成され、固定された基準装置は基準マーカを形成する。仮想根管計画が形成され、患者の口内の歯に対する根管処置が詳述され、仮想根管計画は基準マーカを用いて位置合わせされ、基準マーカに対して位置合わせされる。物質除去装置の動作は、案内装置と通信している制御装置に応答して、および基準マーカに対して、それに作動可能に係合された案内装置によって物理的に調整される。案内装置は、仮想根管計画に従って、かつユーザによる物質除去装置の物理的な操作に対応して、歯の中に穴を開け、歯の内部から神経物質を除去するために、物質除去装置の動作を物理的に調整するように構成される。ユーザによる物質除去装置の物理的操作により、物質除去装置が仮想根管計画から逸脱する場合、物質除去装置を介して触覚フィードバックがユーザに提供される。
【0011】
さらに別の態様は、歯冠を受け取るために歯を成形する方法を提供する。確実で物理的な相互作用が、基準装置と患者の口内の部位との間に形成され、固定された基準装置は基準マーカを形成する。仮想歯成形計画が作成され、成形された歯が歯冠を受けるために患者の口内の歯の歯成形処置を詳述し、仮想歯成形計画は基準マーカを用いて位置合わせされ、基準マーカに対して位置合わせされている。歯成形装置の動作は、案内装置と通信している制御装置に応答して、および基準マーカに対して、それに作動可能に係合された案内装置によって物理的に調整される。案内装置は、仮想歯成形計画に従って、かつユーザによる歯成形装置の物理的な操作に対応して、歯を切除し、成形するために、歯成形装置の動作を物理的に調整するように構成される。ユーザによる歯成形装置の物理的操作により、歯成形装置が仮想歯成形計画から逸脱する場合、歯成形装置を介して触覚または触感フィードバックがユーザに提供される。
【0012】
さらに別の態様は、口腔および顎顔面処置を実施するための案内付きシステムを提供する。基準マーカは、基準装置と患者の口内の部位との間の確実で物理的な相互作用から生じる。処置計画装置は、患者の口腔および顎顔面処置を詳述する仮想処置計画を形成し、仮想処置計画は基準マーカを用いて位置合わせされ、基準マーカに対して位置合わせされている。案内装置は、処置計画装置および案内装置と通信している制御装置に応答して、および基準マーカに対して、それに作動可能に係合された処置実行装置の動作を物理的に調整する。案内装置は、仮想処置計画に従って、かつユーザによる処置実行装置の物理的な操作に対応して、口腔および顎顔面処置を実行するために、処置実行装置の動作を物理的に調整するように構成される。ユーザによる処置実行装置の物理的操作により、処置実行装置が仮想処置計画から逸脱する場合、処置実行装置を介してユーザに触覚または触感フィードバックが提供される。
【0013】
本開示の様々な他の態様は、口腔処置および/または顎顔面処置を実行する開示された方法を促進するためのシステムを含み、それを対象とすることができる。したがって、限定しないが、本開示は以下の実施形態を含む。
【0014】
実施形態1:部位から対象物の除去処置を実行する方法であって、基準装置と関連する対象物を有する部位との間に確実で物理的な相互作用を形成し、固定された基準装置が基準マーカを形成するステップと、部位からの対象物の除去を詳述する仮想除去計画を形成するステップであって、仮想除去計画が、基準マーカを用いて位置合わせされ、基準マーカに対して位置合わせされているステップと、案内装置と通信する制御装置に応答して、基準マーカに関して、対象物除去装置と作動可能に係合する案内装置によって、対象物除去装置の動作を物理的に調整するステップであって、案内装置が、部位から対象物を除去するために、仮想対象物除去計画に従い、ユーザによる対象物除去装置の物理的操作に対応して、対象物除去装置の動作を物理的に調整するように構成されているステップと、ユーザによる対象物除去装置の物理的操作により、対象物除去装置が仮想除去計画から逸脱する場合、対象物除去装置を介してユーザに触覚フィードバックを提供するステップと、を備える方法。
【0015】
実施形態2:基準マーカによる仮想除去計画の位置合わせを促進するために、基準マーカに対して対象物を撮像するステップをさらに備える、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0016】
実施形態3:触覚フィードバックを提供するステップが、仮想除去計画に従って対象物除去装置の動作を可能にするステップと、仮想除去計画から逸脱する対象物除去装置の動作を物理的に防止するステップとをさらに備える、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0017】
、実施形態4:対象物除去装置の動作が仮想除去計画から逸脱する場合、触覚フィードバックを提供するステップが、対象物除去装置を振動させるステップをさらに備える、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0018】
実施形態5:案内装置が基準マーカと関連するように、案内装置を基準装置と通信するように係合させるステップをさらに備える、任意の前述の実施形態または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0019】
実施形態6:案内装置を基準装置と通信するように係合させるステップが、案内装置を基準マーカと物理的または非物理的に係合させるステップを備える、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0020】
実施形態7:対象物除去装置の動作を物理的に調整するステップが、切除装置の動作を物理的に調整するステップをさらに備える、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0021】
実施形態8:対象物除去装置の動作を物理的に調整するステップが、対象物除去装置と物理的に係合するアーム部材を備える案内装置を介して対象物除去装置の動作を物理的に調整するステップをさらに備え、案内装置が、制御装置に応答して、仮想除去計画に従って、ユーザによる対象物除去装置の物理的操作を案内する、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0022】
実施形態9:部位において対象物に関連する処置を実行する方法であって、基準装置と関連する対象物を有する部位との間に確実で物理的な相互作用を形成し、固定された基準装置が基準マーカを形成するステップと、部位で対象物上の対象物に関連する処置を詳述する仮想対象物関連処置計画を形成するステップであって、仮想対象物関連処置計画が、基準マーカを用いて位置合わせされ、基準マーカに対して位置合わせされているステップと、案内装置と通信する制御装置に応答して、基準マーカに関して、物質除去装置と作動可能に係合する案内装置によって、物質除去装置の動作を物理的に調整するステップであって、案内装置が、仮想対象物除去計画に従い、ユーザによる物質除去装置の物理的操作に対応して、対象物の中に穴を開け、対象物内部から物質を除去するために、物質除去装置の動作を物理的に調整するように構成されているステップと、ユーザによる物質除去装置の物理的操作により、物質除去装置が仮想対象物関連処置計画から逸脱する場合、対象物除去装置を介してユーザに触覚フィードバックを提供するステップと、を含む方法。
【0023】
実施形態10:基準マーカと仮想対象物関連処置計画の位置合わせを促進するために、基準マーカに対して対象物を撮像するステップをさらに備える、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0024】
実施形態11:触覚フィードバックを提供するステップが、仮想対象物関連処置計画に従って物質除去装置の動作を可能にするステップと、仮想対象物関連処置計画から逸脱する物質除去装置の動作を物理的に防止するステップと、をさらに備える、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0025】
実施形態12:物質除去装置の動作が仮想対象物関連処置計画から逸脱する場合、触覚フィードバックを提供するステップが、物質除去装置を振動させるステップをさらに備える、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0026】
実施形態13:案内装置が基準マーカと物理的に関連するように、案内装置を基準装置と通信するように係合させるステップをさらに備える、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0027】
実施形態14:案内装置を基準装置と通信するように係合させるステップが、案内装置を基準装置と物理的または非物理的に係合させるステップを備える、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0028】
実施形態15:物質除去装置の動作を物理的に調整するステップが、穴開け装置または研磨装置の動作を物理的に調整するステップをさらに備える、任意の前述の実施形態の方法、または先行する実施形態の任意の組み合わせ。
【0029】
実施形態16:物質除去装置の動作を物理的に調整するステップが、物質除去装置と物理的に係合するアーム部材を備える案内装置を介して物質除去装置の動作を物理的に調整するステップをさらに含み、案内装置が、制御装置に応答して、仮想対象物関連処置計画に従って、ユーザによる物質除去装置の物理的操作を案内する、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0030】
実施形態17:歯冠を受け取るために対象物を成形する方法であって、基準装置と、関連する対象物を有する部位との間に確実で物理的な相互作用を形成し、固定された基準装置が基準マーカを形成するステップと、歯冠を受け取るために成形された対象物用の部位で対象物上に対象物成形処置を詳述する仮想対象物成形計画を形成するステップであって、仮想対象物成形計画が、基準マーカを用いて位置合わせされ、基準マーカに対して位置合わせされているステップと、案内装置と通信する制御装置に応答して、基準マーカに関して、作動可能に係合する案内装置によって、対象物成形装置の動作を物理的に調整するステップであって、案内装置が、仮想対象物成形計画に従い、ユーザによる対象物成形装置の物理的操作に対応して、対象物を研磨して成形するために、対象物成形装置の動作を物理的に調整するように構成されている、ステップと、ユーザによる対象物成形装置の物理的操作により、対象物成形装置が仮想対象物成形計画から逸脱する場合、対象物成形装置を介してユーザに触覚フィードバックを提供するステップと、を備える方法。
【0031】
実施形態18:基準マーカと仮想対象物成形計画の位置合わせを容易にするために、基準マーカに対して対象物を撮像するステップをさらに備える、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0032】
実施形態19:触覚フィードバックを提供するステップが、仮想対象物成形計画に従って対象物成形装置の動作を可能にするステップと、仮想対象物成形計画から逸脱する対象物成形装置の動作を物理的に防止するステップとをさらに備える、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0033】
実施形態20:対象物成形装置の動作が仮想対象物成形計画から逸脱する場合、触覚フィードバックを提供するステップが、対象物成形装置を振動させるステップをさらに備える、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0034】
実施形態21:案内装置が基準マーカと関連するように、案内装置を基準装置と通信するように係合させるステップをさらに備える、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0035】
実施形態22:案内装置を基準装置と通信するように係合させるステップは、案内装置を基準装置と物理的または非物理的に通信するように係合させるステップを備える、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0036】
実施形態23:対象物成形装置の動作を物理的に調整するステップが、研磨装置の動作を物理的に調整するステップをさらに備える、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0037】
実施形態24:対象物成形装置の動作を物理的に調整するステップが、対象物成形装置と物理的に係合するアーム部材を備える案内装置を介して対象物成形装置の動作を物理的に調整するステップをさらに備える、案内装置が、制御装置に応答して、仮想成形計画に従って、ユーザによる対象物成形装置の物理的操作を案内する、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0038】
実施形態25:対象物に関連する処置を実行する案内付きのシステムであって、基準装置と関連する対象物を有する部位との間に確実で物理的な相互作用から生じる基準マーカと、部位で対象物に関連する処置を詳述する仮想処置計画を形成する処置計画装置であって、仮想処置計画が、基準マーカを用いて位置合わせされ、基準マーカに対して位置合わせされている処置計画装置と、処置計画装置と通信する制御装置と、基準マーカと通信する制御装置に応答して、基準マーカに関して、処置実行装置と作動可能に係合し、処置実行装置の動作を物理的に調整する案内装置であって、仮想処置計画に従い、ユーザによる処置実行装置の物理的操作に対応して、対象物関連処置を実行するために、処置実行装置の動作を物理的に調整するように構成されている、案内装置とを備えるシステムであって、ユーザによる処置実行装置の物理的操作により、処置実行装置が仮想処置計画から逸脱する場合、処置実行装置がユーザに触覚フィードバックを提供するように構成されている、システム。
【0039】
実施形態26:処置実行装置が複数の交換可能な処置装置を備える、任意の前述の実施形態のシステム、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0040】
実施形態27:処置装置が対象物除去装置であり、対象物関連処置が対象物除去処置である、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0041】
実施形態28:対象物除去装置が切除装置であり、対象物関連処置が切除対象物除去処置である、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0042】
実施形態29:処置装置が穴開け装置または研磨装置であり、対象物関連処置が、穴開け処置または研磨処置である、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0043】
実施形態30:処置装置が研磨装置であり、対象物関連処置が歯冠を受け取るために対象物を成形する、任意の前述の実施形態の方法、または前述の実施形態の任意の組み合わせ。
【0044】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下に簡単に説明される添付の図面と共に以下の詳細な説明を読むことから明らかになろう。本開示は、そのような特徴または要素が明確に組み合わされているか、あるいは特定の実施形態の説明または特許請求の範囲に列挙されているかどうかにかかわらず、本開示に記載されているか、あるいは1つまたは複数の請求項のいずれかに列挙されている2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の任意の組み合わせを含む。本開示は、その開示の文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、その態様および実施形態のいずれかにおいて、本開示の任意の分離可能な特徴または要素が組み合わせ可能であると意図されると見なされるべきであるように、全体的に読まれることが意図されている。したがって、本開示の態様は、本明細書で別途詳述される明らかな利点を提供する。
【0045】
したがって一般的な用語で本開示を説明したが、ここで、必ずしも縮尺通りに描かれていない添付の図面に参照がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本開示の一態様による、口腔および顎顔面処置を実施するための案内付きシステムの概略図である。
図2】本開示の代替の態様による、口腔および顎顔面処置を実施するための案内付きシステムの概略図である。
図3】本開示の代替の態様による、口腔および顎顔面処置を実施するための案内付きシステムの概略図である。
図4】本開示のさらなる態様による、口腔および顎顔面処置を実施するための案内付きシステムの概略図である。
図5】本開示の一態様による、案内付きの口腔および顎顔面処置を実施するため、特に、親知らずの歯芽を切除するための探針を使用して案内親知らず除去処置を実施するための処置の部分概略図である。
図6A】本開示の一態様による、案内付きの口腔および顎顔面処置を実施するため、特に案内付き根管処置を実施するための処置の部分概略図である。
図6B】本開示の一態様による、案内付きの口腔および顎顔面処置を実施するため、特に案内付き根管処置を実施するための処置の部分概略図である。
図6C】本開示の一態様による、案内付きの口腔および顎顔面処置を実施するため、特に案内付き根管処置を実施するための処置の部分概略図である。
図6D】本開示の一態様による、案内付きの口腔および顎顔面処置を実施するため、特に案内付き根管処置を実施するための処置の部分概略図である。
図7A】本開示の代替の態様による、案内付きの口腔および顎顔面処置を実施するための処置、特に歯が歯冠を受け取るための歯成形処置を実施するための処置の部分概略図である。
図7B】本開示の代替の態様による、案内付きの口腔および顎顔面処置を実施するための処置、特に歯が歯冠を受け取るための歯成形処置を実施するための処置の部分概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本開示は、本開示のすべてではないが、いくつかの態様が示されている添付の図面を参照して、以下により完全に説明される。実際に、これらの本開示は多くの異なる態様で実施されてもよく、本明細書に記載された例に限定されると解釈するべきではなく、むしろ、これらの態様は、この開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。同様の符号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0048】
本開示の態様は、手術部位へのアクセスを改善し、患者の負傷のリスクを最小化し、または排除する一方で、基準装置と患者との間の確実で物理的な相互作用によって形成される基準マーカに関して、様々な口腔および/または顎顔面処置を実施または実行する方法に関する。
【0049】
図1ならびに図2および図3は、本開示による、口腔および顎顔面処置を実施するための案内付きシステムの代替の態様を示しており、システムは全体的に符号100で示されている。いくつかの口腔および顎顔面処置では、一般に撮像するステップが含まれ、例えば患者の顎、口腔、および顎顔面構造などの部位のCTまたは他の適切な画像が取得され、部位に対する任意の異常が診断される(例えば、患者がインプラント領域を成形するために骨移植を必要とするかどうか)。一旦適切な切開(必要な場合)が部位構造内(例えば、患者の歯茎)に実行されると、その場合施術者は、部位の異常を修正し、部位の画像(例えば、患者の顎または歯の構造)に関連する状態に基づいて、口腔および顎顔面処置を進める。他の例では、部位および関連する部位構造は、本質的に非ヒトまたは非解剖学的である可能性がある。
【0050】
本開示の様々な態様による口腔および顎顔面処置などの案内付き対象物関連処置を実施するためのシステム100が、対象物関連処置の手術する部分に関して案内されるように構成される(例えば、患者の口内の部位を「成形する」ために)案内付き処置実行装置150を提供することによって、現在の対象(例えば、口腔および/または顎顔面)に関連する処置の特定の制限に対処する。すなわち、処置実行装置150は、案内装置200と動作可能に係合されている。案内装置200は、それに関連する対象物を有する部位(例えば、口の中に歯を有する患者の口と)と通信するように適合されている。例えば、部位との係合は、スプリント250または他の係合部材などの基準装置を通して実施され得る。一例では、スプリント250は、部位(例えば、患者の口)またはそれに関連する対象物(例えば、歯)に「固定した」または確実な相互作用で係合するように構成される(例えば、スプリント250は、患者の歯と係合し、患者の口に対して動かない)。スプリント250は部位(例えば、患者の口)に対して動かないため、スプリント250の配置は既知であり、したがって、基準マーカ(例えば、既知の原点または座標)を提供するように構成されることができ、例えば、処置実行装置を案内して、部位、部位に関連付けられた対象物を成形し、または対象物関連の処置を実行するために使用され得る。一態様では、スプリント250は、「普遍的に適用可能」であり(すなわち、任意の患者の口など、任意の部位と確実な係合を形成することができる)、または少なくとも特定の範囲の部位に亘って適用可能であるように構成される(1つのサイズは、患者の特定のサイズまたは年齢に適合する)。本開示の一態様によれば、基準マーカを決定するために、スプリント250は患者の歯または顎などの部位と係合されることができ、その場合、例えばCTまたは他の任意のMRIなどの適切な撮像技術を使用して、患者の顎骨構造が撮像され得る。
【0051】
より具体的には、本出願の主題の基礎となる前提の1つは、案内付き口腔および顎顔面システムが、対象物(例えば、患者の顎または口、あるいは木片などの非ヒトまたは非解剖学的対象物)の動作の任意の動きを説明するシステムの単なる一例であるということであり、要素、対象物、インプラントまたは歯冠(例えば、歯、または木片にインプラントされる釘)が、正確に操作されることになる。したがって、解決すべき問題は、部位で、またはそれに関連する対象物に関連して対象物関連処置を実行し、その対象物または部位の動作時に、その対象物または部位に対する処置実行装置による相互作用の望ましい配向を再確立するために経路を適切に調整する目的で、処置実行装置が移動することになっている経路を決定する方法である。この場合、それに関連する「部位」または「対象物」は、任意の動作可能なものであってよく、親知らずが除去された患者の口、実施された根管、設置された歯冠、移植されたインプラント、または釘を受ける木材ブロックであり得る。
【0052】
当業者は、スプリント250が、本明細書で考察されるように所望の機能を達成するために多くの異なる方法で構成され得ることを理解するであろう。例えば、スプリント250は、部位の状態に応じて適切な方法で部位または部位の対象物に強固に取り付けられ得る。すなわち、例えば、患者がスプリント250を支持することができるいくつかの強い歯を有する場合、スプリント250は、接着剤または適切なクランプで歯に取り付けられ得る。全歯欠損(すなわち、歯の無い)の患者については、スプリント250を定位置に確実に固定するために、骨ピンがスプリント250を通して、患者の顎骨構造の中に穿孔されることが可能である。スプリント250はまた、例えば適切な骨ネジを使用して、任意の患者の顎骨構造に取り付けられることが可能である。一態様では、部位(例えば、患者の口)に対するスプリント250の位置決めは、スプリント250が所定の位置に強固に留まっている限り、重大または重要ではない場合がある。次に、基準マーカ(図示せず)がスプリント250に取り付けられ、またはその他の方法で組み込まれることができ、基準マーカは、三次元空間で基準マーカを一意的に画定する幾何学的形状あるいは他の特性または特徴を有するように構成され得る(例えば、基準マーカは、患者の顎骨構造によって代表される部位の画像内で容易に識別されるなど)。そのような場合、基準マーカは、例えば、画像(例えば、CTまたはMRI)で明確に画定され得る放射線不透過性物質で構成され得る。
【0053】
一例では、処置実行装置150は、処置実行装置150の動作範囲を決定する関節式アーム部材350(例えば、ロボットアーム)と係合する。そのような場合、案内装置200は、スプリント250と処置実行装置150および/またはアーム部材350との間で通信する通信要素400および/または制御装置450をさらに備えることができる。例えば、通信要素400は、共通ベース180を介して、処置実行装置150またはアーム部材350にスプリント250を結合する機械的リンケージを備えることができる。すなわち、通信要素400は、例えば、一方の端部で対象物または部位と係合するスプリント250に取り付けられ、反対側の端部でベース180に取り付ける機械的に追跡されるアームを備えることができる。いくつかの例では、キネマティックマウントを備える取付機構を使用して、スプリント250にアームが取り付けられ得る(堅固に、かつ既知の反復可能な方法で)。
【0054】
取付機構およびスプリント250を介して、この方法で部位または対象物に取り付けられた通信要素400は、部位または対象物の位置に関するデータを制御装置450に提供し(例えば、常に、選択的に、または必要に応じて)、その場合制御装置450は、このデータを使用して、処置実行装置150またはアーム部材350を案内または制御し、一方で部位または対象物が移動する場合(例えば、処置実行装置150またはアーム部材350は、基準マーカの伝達された位置を参照して、制御装置450によって制御および案内される)、その正確な案内をやはり提供する。しかしながら、当業者は、スプリント250および/またはそれによって決定された基準マーカは、多くの異なる方法で制御装置450ならびに/または処置実行装置150またはアーム部材350に伝達され得ることを理解するであろう。例えば、基準マーカは、無線トランシーバ、ハードワイヤ接続、光通信システム、または本質的に電気的、機械的、電気機械的、または光学的な他の任意の適切な機構を備える通信要素400を介して、制御装置450ならびに/あるいは処置実行装置150またはアーム部材350に伝達され得る。いずれの場合でも、制御装置450(例えば、図2および図3に示されるようなコンピュータ装置)は、その中に配置され、それに係合されるスプリント250を有する部位(例えば、患者の口)の画像から基準マーカに関連するデータを決定するように、かつ基準マーカに関連する案内を処置実行装置150またはアーム部材350に適切に伝達するように構成され、配置される。
【0055】
一態様では、制御装置450は、部位(例えば、その中にスプリント250を有する患者の顎骨構造)の画像を受信するようにさらに構成され得る。場合によっては、制御装置450は、処置計画装置として機能し、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせを備え得る処置ルーチンを実行できるようにさらに構成され得る。したがって、処置ルーチンにより、施術者は、例えば、2次元または3次元の取り込まれた画像に基づいて、仮想処置計画を作成することができ、画像に基づくコンピュータ化されたモデルと組み合わせて、仮想処置計画、あるいは部位または対象物についての適切な処置の決定を発展させるために、計画された対象物に関連する処置に関して部位の画像を操作することができる。いくつかの態様では、処置ルーチン、仮想処置計画、および/または処置決定は、処置パラメータを基準マーカに関連させるために、当業者によって理解されるように、例えば、座標システム(相対または絶対)に関連して作成され得る。そのため、仮想処置計画は、基準マーカに位置合わせされ、基準マーカに対して形成される。他の態様では、例えば、歯科インプラントなどの対象物を相互に、あるいは部位または隣接歯などの隣接する対象物に対して位置合わせして、歯冠を受け取るために歯などの対象物を成形して、根管を実施して、親知らずを取り除き、および/または顎骨構造に対して歯科インプラントを位置合わせする目的で、制御装置450は、画像に対する処置に関連する要素の仮想操作を支援し、またはその他の方法で許可するために、周辺装置(例えば、3Dゴーグルと組み合わせたトラックボールまたはジョイスティック、すべて図示せず)を含むことができる。制御装置450は、必要または所望に応じて、そのような操作を手動、自動、または半自動で指示または実行するようにさらに構成され得る。仮想要素は画像と同様の方法で操作され得るため、仮想要素の配向、方向、または配置は、部位に対する要素の望ましい実際の配置を表すことができ(例えば、患者の顎骨構造)、したがって対象物関連(例えば、口腔または顎顔面)の処置を計画するための直感的なインターフェースを提供する。
【0056】
スプリント250および基準マーカ手法が使用される態様では、取付機構のキネマティックマウントを介して通信要素400(アーム)がスプリント250に一旦取り付けられ、またはそれとの通信、および位置合わせが開始されると、部位または対象物(例えば、患者)はシステム100に自動的に位置合わせされる。例えば、通信要素400は、スプリント250またはキネマティックマウントと物理的に係合していない可能性があるが、しかし無線通信、光通信、または物理的な係合を必要としない任意の他の通信システムによって通信することができる。つまり、基準マーカは部位または対象物(例えば、患者の顎骨構造)の画像から自動的に決定され、物理的な空間内のその位置合わせおよび配置は、アームとスプリント250との間の通信を提供するキネマティックマウントによるものであると知られている。しかしながら、当業者は、必ずしも基準マーカを必要としない他の位置合わせ手法が実行され得ることを理解するであろう。例えば、場合によっては、表面マッチング技術が実行され得る。より具体的には、部位(例えば、患者の顎骨構造)は、取り込まれた画像内で3D構成に操作され得る。適切な走査装置(例えば、物理的ポインタあるいは超音波トランスデューサまたはOCT(光干渉断層撮影)スキャナなどの他の撮像装置は、アーム部材350のエンドエフェクタに取り付けられることができて、アーム部材350の先端が部位(例えば、患者の顎骨構造)を走査して、取り込まれ、操作される画像を部位の実際の走査と「表面一致」させることができる。
【0057】
当業者は、制御装置450を介した、基準マーカと部位(例えば、患者の解剖学的構造)との関連付けが、異なる方法で達成され得ることをさらに理解するであろう。例えば、基準マーカへの画像の位置合わせ(例えば、CTスキャン)に関して、1つの方法は、上記に考察されたように、定位置の基準マーカによって部位(例えば、患者の顎構造)が画像化されることを含むことができ、その場合、患者は実質的に即座に処置を受けるだろう。そのような仕組みは、例えば、患者が施術者を訪れる回数を減らすのに有益であり得る。ただし、場合によっては、施術者は手元に撮像能力を持たない可能性があり、または処置を実行する前に仮想処置計画を慎重に決定することの方を好む可能性がある。そのような場合の両方で、患者は、おそらく後で施術者に戻ることを要求されるであろう。したがって、そのような状況では、患者の顎構造に対して、定位置の基準マーカを使用せずに(例えば、施術者が仮想処置計画を決定することができる「通常の」走査)、術前の画像化処置(例えばCTスキャン)が実施され得る。したがって、この術前の画像化処置は、例えば、施術者の現場で、または専用の走査もしくは画像化センタで実行され得る。その後、対象物に関連する(例えば、口腔または顎顔面)処置が実行される直前に、基準マーカが部位(例:患者の顎構造)に係合され、施術者は、部位の別の画像(例えば、CTスキャン、パノラマX線、または2つの単一X線)を取り込むことができる。したがって、制御装置450は、術前画像(仮想処置を決定するために使用される)を「その日の」画像と相関させて、元の術前画像に関して基準マーカを位置合わせするように構成されることもまた可能である。そのような位置合わせまたは相関処置は、当業者によって理解されるように、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせで実施され得る。次いで対象物関連の処置は、本明細書で別の方法で開示されているように進めることができる。
【0058】
いずれの場合でも、アーム部材350のエンドエフェクタの位置または動作特性もやはり既知であるように、通信要素400は、システム100に既知の方法で制御装置450を介してアーム部材350と通信するように構成される。したがって、通信要素400とアーム部材350との間のこの通信により、スプリント250、キネマティックマウント、通信要素400、制御装置450、およびアーム部材350を介して、部位または対象物に取り付けられた基準マーカ(または部位または対象物に関する他の基準)に関して処置実行装置150が位置合わせされることが可能になる。このようにして、制御装置450を介して計画された仮想処置計画は、基準マーカ(または患者に関する他の基準)に関して達成され、したがって、処置実行装置150を指示するためにシステム100に翻訳され、または通信され得る。
【0059】
処置実行装置150は、アーム部材350(ロボットアーム)のエンドエフェクタ内に配置されるか、またはそうではなく係合される。アーム部材350は、例えば、6つの自由度を提供するように構成されることができ、処置実行装置150の動作を制限し、あるいは制御するようにもまた構成され得る。さらに、一例では、アーム部材350は、処置実行装置150が固定され、処置を実行するモードではない場合に完全な動作の自由を有することができる小型の平行構造を有することができる。処置実行装置150はアーム部材350のエンドエフェクタに取り付けられているため、処置実行装置150の部位または対象物の相互作用部分(例えば、切断、穿孔、研磨、切除先端)500(例えば、図1および3を参照)は、アーム部材350に対して既知の位置(例えば、システム100に対して既知の)にある必要がある。いくつかの態様では、基準マーカに関して処置実行装置150の部位または対象物の相互作用部分500を較正するために、較正要素は、キネティック結合を介して処置実行装置150と係合され得る(例えば、既知の反復可能な方法で強固に取り付けられる)。したがって、当業者は、処置実行装置150の部位または対象物の相互作用部分500が、その場合様々な先端の較正方法(例えば、不変点など)によって較正され得ることを理解するであろう。一旦較正されると、較正要素は、処置実行装置150内の切断、穿孔、研磨または切除要素と、既知の反復可能な方法で交換され、その結果、部位または対象物相互作用部分500に関連する較正パラメータ(例えば、最遠位点の位置および切断または穿孔の軸線)は、較正された状態に維持される。
【0060】
本開示の一態様では、本明細書で考察されるように、システム100は、部位または対象物相互作用部分500あるいは処置実行装置150が、複数の交換可能な処置装置を具備するように構成され得る。例えば、一例では、処置装置は対象物除去装置(例えば、歯除去装置)であり、対象物関連処置は、対象物除去処置(例えば、歯の除去処置)である。より具体的には、そのような場合、対象物除去装置が切除装置であり、対象物関連処置が親知らず除去処置である。別の態様では、処置装置が穴開け装置または研磨装置であり、対象物関連処置が根管処置である。さらに別の態様では、処置装置が研磨装置であり、対象物関連処置が、歯冠を受け取るために歯などの対象物を成形するステップである。
【0061】
システム100によって確立され、知られている部位または対象物(例えば、患者)に対する位置合わせ、および制御装置450を通して開発された仮想処置計画により、その場合、処置(例えば、切断、穿孔、インプラント、研磨、切除)は、施術者が処置実行装置150をその部位(処置中にスプリント250を係合させる患者の口)に向かって動かすことにより開始され得る。そのような場合、制御装置450によって決定され、仮想処置計画によって指示されるように、施術者の動作が部位または対象物相互作用部分500(例えば、切断、穿孔、研磨、切除要素)を、患者の顎構造などの部位に関して、処置のために適切な開始位置まで単に動かすように、制御装置450は、アーム部材350を介して処置実行装置150の動作を制御するように構成される。一旦、切断、穿孔、研磨、切除要素が制御装置450によって指示された位置にあると、その場合、処置の作動部分が起動されることができ、その場合、制御装置450は、やはり仮想処置計画に従って、例えば、切断、穿孔、研磨、切除要素の操作経路の配向、および原点からその経路に沿った切断、穿孔、研磨、切除距離など、処置実行装置150の他のパラメータをさらに指示することができる。
【0062】
これらの場合、本明細書で開示されるシステム100の1つの特徴は、処置実行装置150が施術者によって案内されるのではなく、仮想処置計画によって決定され、制御装置450およびアーム部材350を介して実行される処置経路に沿って施術者によって推進されるだけである。すなわち、システム100は、仮想処置計画を介して決定され、制御装置450およびアーム部材350を介して実行されるように、部位に関する処置の実行に施術者を制限するように構成されることができ、それによって制御装置450は、患者の顎骨構造などの部位または部位構造の画像から生成された仮想処置計画に従って、アーム部材350(したがって処置実行装置150)の許容可能な動作を制御する。すなわち、制御装置450または案内装置200は、処置実行装置150の動作を物理的に調整するように構成される。例えば、システム100は、触覚または触感フィードバックを介して施術者に伝達されるように、アーム部材350または処置実行装置150の制限された動作のために構成されることができ、例えば、アーム部材350または処置実行装置150は、仮想処置計画に従って動作する方が簡単であり、仮想処置計画から逸脱する場合は動作するのがより困難になる可能性がある。しかしながら、当業者は、アーム部材350および処置実行装置150の物理的構造が、仮想処置計画に従って完全に制御された動作(例えば、振動、構成要素の屈曲、および/または施術者によって加えられる余分の力に起因する)を提供するので、したがって、システム100は、例えば、逸脱警告表示または他の任意の適切な音声および/または視覚に訴える機構などを介して、他の方法の触覚または触感フィードバックを施術者に提供するようにさらに構成され得ることも理解し得る。したがって、システム100は、処置パラメータが不正確である可能性がある場合に施術者に単に警告するのではなく、仮想処置計画を実際に実行するための準備を含み、それにより、より正確な処置を促進する。しかし、当業者はまた、場合によっては、システム100が、制御装置450を介してアーム部材350または処置実行装置150の自動的操作により、施術者の操作なしで仮想処置計画を自律的に達成するようにもさらに構成され得ることを理解するであろう。
【0063】
本明細書に開示される案内付き口腔および顎顔面処置を実施するためのシステム100を使用する1つの例示的な外科処置では、スプリント250(例えばマウスピース)が最初に患者の歯に取り付けられ、それによって基準マーカを提供する。次いで、例えば、CTまたは他の適切な画像技術(例えば、MRI)を使用して、患者の顎骨構造が画像化され(スプリント250が定位置にあり、患者の歯と係合する)、画像が制御装置450に通信される。制御装置450は、処置ルーチンを実行することができるようにさらに構成されることができ、したがって、例えば、施術者が患者の親知らずに対して取り込まれた画像の中で仮想処置実行装置150を操作することにより、患者の処置計画を発展させることができる。一旦仮想処置計画が生成されると、通信要素400はスプリント250と係合する(患者は処置を開始するのに適切な位置に配置されるか、またはそれらの間の非物理的通信の作動によって、患者の口に取り付けられる)。次いで、アーム部材350および制御装置450によって案内されるにつれて処置実行装置150を介して、処置実行装置150の実際の切断、穿孔、研磨、切除要素が施術者によって(または制御装置450を介して自律的に)使用される前に、アーム部材350、処置実行装置150、およびその相互作用部分500は、施術者によって(または制御装置450を介して自律的に)較正されて、仮想処置計画によって計画され、指示された処置を達成する。スプリント250は、較正中および処置中に患者に取り付けられた状態のままなので、スプリント250または基準マーカもまた、処置中、案内装置200または制御装置450と直接かつ継続的にやはり通信している状態のままである。したがって、アーム部材350、処置実行装置150、およびその相互作用部分500は、処置中にスプリント250または基準マーカと直接関係して操作される。
【0064】
図4は、ロボット手術中に部位または対象物の動作を追跡するための追跡および案内配置110を有する、本開示の代替の態様による外科用ロボットシステム100を示し、追跡態様は、部位または対象物と物理的に通信しない。追跡および案内配置110および/または外科用ロボットシステム100は、様々な外科処置(例えば、頭蓋手術、耳、鼻、および喉(ENT)手術、整形外科手術、または患者の解剖学に関連する任意の他の外科手術など、部位または対象物に関連する任意の処置)のために構成され、容易に応用可能であり、または適合可能であることができる。特定の態様では、追跡および案内配置110は、例えば、ハイブリッド(例えば、組み合わされた)機械的および光学的追跡および案内配置(例えば、図4を参照)、またはハイブリッド機械および電磁追跡および案内配置を備え、それぞれが動作の自由度の向上、視線要件の最小化、干渉の可能性の低減などを提供する。しかしながら、当業者は、ハイブリッド追跡および案内配置110のための他の技術の組み合わせも考察されることを理解するであろう。
【0065】
全体に図4を参照すると、追跡および案内配置110は、例えば関節式アーム部材(例えばロボットアーム)および器具140(例えば手術器具)などの案内アーム120を備える部位または対象物相互作用装置130を備える。器具140は、案内アーム120の遠位端と係合するように構成され、案内アーム120によって案内されている間に、患者の顎顔面の解剖学的構造(例えば顎または口)などの部位または対象物と相互作用するか、あるいは通信するように適合されている。いくつかの態様では、部位または対象物相互作用装置130は、本明細書では「切断装置」、「穴開け装置」、「研磨装置」、「切除装置」、「部位成形装置」、「処置実行装置」などと呼ばれることができ、この参照は、案内アーム120と係合した特定の器具140を示すことを意図している。このように、部位または対象物相互作用装置130および器具140は特定の対応する目的または処置のために構成されるので、本明細書ではほとんど同じ意味で言及される可能性があり、そのような参照は、部位または対象物相互作用装置130の器具140の要素が、侵襲的部分、またはロボット外科手術の少なくとも部位または対象物相互作用部分に対して、案内アーム120を介して指示され、または案内されるように(例えば、部位または対象物を「成形する」、あるいは患者の顎または口と相互作用するように)構成されるということを示すように意図されていることが分かる。これも上記に開示したように、様々な器具140は、案内アーム120または部位もしくは対象物相互作用装置130によって交換可能に受け取られるように構成され得る。したがって、追跡および案内配置110は、システム100の開示された態様によって提供される案内から恩恵を受ける様々な外科的処置に容易に適合され得る。
【0066】
いくつかの態様では、1つまたは複数のアクチュエータ(図示せず)が案内アーム120と係合することができ、外科的処置を成し遂げるために使用者によって操作されるに際して、案内アーム120の遠位端を6つの自由度で案内する(例えば特定の方向(水平および/または垂直)に並進させ、および/または軸線を中心として回転させる)ように協働するために構成および配置され得る。案内アーム120はまた、部位または対象物相互作用装置130、したがって器具140の動作を制限する、あるいは制御するように構成され得る。さらに、いくつかの例では、案内アーム120は、器具140が固定され、完全な運動の自由を有することが許容される小型の平行構造を有することができる。器具140が案内アーム120の遠位部分を備えるか、またはそれに取り付けられているので、部位または対象物相互作用部分(例えば、切断、穿孔先端部)は部位または対象物相互作用装置130の器具140であり、したがって器具140は、既知の空間位置(例えば、案内アーム120に関してシステム100に既知である)になければならない。
【0067】
いくつかの態様では、器具140は、追跡および案内配置110によって決定される空間的関係に従って、案内アーム120を介して案内され、または指示される。このように、追跡および案内配置110はまた、関節式アーム160の遠位端に結合され、それと協働可能な検出器150と、患者の顎または口などの部位または対象物に結合された基準マーカ170とを備える。検出器150は、基準マーカ170と相互作用するように構成された光学検出器(例えば、カメラ)または電磁検出器(例えば、電磁放射器)、ならびに適切に構成された基準マーカ170と相互作用するように構成された他の種類の検出器(例えば、音響検出器)を備えることができる。基準マーカ170は、患者の顎顔面の解剖学的構造(例えば、顎または口)などの部位または対象物に連結するように構成されたスプリントまたは他の係合部材であり得る。すなわち、一例では、基準マーカ170は、「固定した」または確実な相互作用で部位または対象物(例えば、患者の口または顎)と係合するように構成される(例えば、スプリントは患者の歯と係合され、患者の口に対して動かない)。この場合、スプリントは部位または対象物に対して動かないので、相対座標系または3次元空間(例えば、X、Y、Z系)におけるスプリントの初期空間位置が決定され得る。したがって、スプリントは、例えば、ロボット外科手術中に、案内アーム120を介して、部位または対象物相互作用装置130の器具140を案内するために使用され得る基準マーカ(例えば、スプリントとの確実な相互作用によって形成されるか、あるいはスプリントに付随する、または取り付けられる既知の原点または座標要素)を提供するように構成され得る。
【0068】
いくつかの態様では、部位または対象物相互作用装置130の部位または対象物相互作用部分/器具140は、基準マーカ170に関して位置合わせされ、または較正され得る。例えば、較正要素(図示せず)は、キネマティックカップリングを介して部位または対象物相互作用装置130と係合され得る(例えば、既知の反復可能な方法でそれに堅固に取り付けられる)。したがって、当業者は、部位または対象物相互作用装置130の部位または対象物相互作用部分/器具140が、その場合様々な先端較正方法(例えば、不変点など)によって較正され得ることを理解するであろう。一旦位置合わせされると、較正要素は、既知の反復可能な方法で、部位または対象物相互作用装置130内の切断/穿孔要素(器具140)と交換されることが可能であり、その結果、較正パラメータ(例えば、最遠位点の位置、および相互作用部分/器具140に関連する軸線)は、位置合わせされた状態に維持される。
【0069】
一態様では、基準マーカ170は、「普遍的に適用可能」であり(例えば、任意の患者の解剖学的構造などの部位または対象物と確実な係合を形成することができる)、または少なくとも特定の範囲の部位または対象物に亘って適用可能であるように構成される(例えば、1つのサイズは、患者の特定のサイズまたは年齢に適合する)。基準マーカ170に関連する基準原点を決定するために、本開示の一態様によれば、基準マーカ170(例えば、スプリントまたは他の係合部材)は、患者の歯などの対象物と係合することが可能であり、その場合例えばコンピュータ断層撮影法(CT)または例えば磁気共鳴映像法(MRI)などの任意の他の適切な撮像技術を使用して、例えば患者の顎骨構造などの部位が画像表示される。そのような例では、例えば、基準マーカ170が、患者の顎骨構造などの部位の画像の中で容易に識別可能であるか、あるいは検出可能であるように、基準マーカ170は、例えば、CTまたはMRIによって得られる画像において明確に画定され得る放射線不透過性物質から成ることが可能である。したがって、基準マーカ170は、例えば、相対座標系または3次元空間の基準原点として設定され得る。
【0070】
当業者は、基準マーカ170が、本明細書で考察されるように所望の機能を達成するために多くの異なる方法で構成され得ることを理解するであろう。一態様では、基準マーカ170は、追跡および案内配置110の中に実装された種類の検出器150に基づいて構成され得る。例えば、検出器150が光検出器である場合、光検出器150が追跡あるいは相互作用するために(例えば図4参照)、基準マーカ170は、反射マーカ(例えば、基準マーカが部位の画像において容易に識別されるか、あるいはそうではなく検出可能かつ追跡可能であるように、例えば、基準マーカ170を3次元空間で一意的に画定する幾何学的形状または他の特性もしくは特徴)を備えることができる。別の例では、検出器150が電磁検出器である場合、基準マーカ170は、電磁検出器150が追跡あるいは相互作用するための適切なセンサまたはエミッタを備えることができる。
【0071】
したがって、本開示のいくつかの態様では、基準マーカ170に近接して相互作用することによって部位または対象物の動作を追跡するために、検出器150は、関節式アーム160を介して、基準マーカ170に隣接するように構成され、または位置決めされ得る。特に、図4に示された追跡および案内配置110は、検出器150および基準マーカ170が物理的に結合されるようには構成されていない。むしろ、関節式アーム160は、検出器150を基準マーカ170に隣接して、またはその近傍に位置決めするように有利に構成されている。例えば、関節式アーム160は、基準マーカ170の数センチメートル以内に検出器150を位置決めするように構成されている。このようにして、部位または対象物は外科用ロボットシステムに物理的につながれることはなく、検出器150は、例えば、通信のインピーダンス(例えば、光検出器の場合には視線の遮断)、干渉、または基準マーカからの検出器の距離など、従来技術において直面するいくつかの制限無しに、基準マーカ170と相互作用するのに適した範囲に位置決めされ得る。
【0072】
関節式アーム160は、連続的に配置された複数の部分162A~Cを備えることができ、隣接する部分162A~Cがジョイント164A~Bによって結合されている。ジョイント164A~Bは、連続的に配置された部分162A~Cのそれぞれが、相対座標系または3次元空間内で独立して位置決め可能(例えば、並進可能、動作可能、回転可能)であることを可能にする運動学的機構であり得る。図4において、3つの連続的に配置された部分162A~Cが図示されており、第1の部分162Aは、ベース180に取り付けられた近位端を有し、第2の部分162Bは、その近位端で第1のジョイント164Aによって第1の部分162Aの遠位端に結合され、第3の部分162Cは、その近位端で第2のジョイント164Bによって第2の部分162Bの遠位端に結合されている。検出器150は、例えば機械的リンケージを用いて、第3の部分162Cの遠位端に結合されている。例えば、ジョイント164A~Bと同様の追加のジョイントは、関節式アーム160がベース180に取り付けられるか、あるいはベースに結合される第3の部分162Cの遠位端、および/または第1の部分162Aの近位端に配置され得る。あるいは、検出器150は、第3の部分162Cの遠位端に堅固に結合され得る。このようにして、関節式アーム160の1つまたは複数の連続的に配置された部分162A~Cの操作は、検出器150が基準マーカ170に対して所望の位置に旋回、運動、および/またはその他の方法で位置決めされることを可能にすることができる。当業者が気付くように、図4に示された数より多いかまたは少ない数の連続的に配置された部分および/またはジョイントが、関節式アーム160の中に利用され得る。
【0073】
いくつかの態様では、関節式アーム160および案内アーム120がベース180を介して動作可能に結合、連結、または通信するように、関節式アーム160はベース180に取り付けられる。例えば、関節式アーム160および案内アーム120は、近位端で、ベース180で、または各アームの長さに沿った別の位置で互いに機械的に連結され得る。他の態様では、関節式アーム160および案内アーム120が互いに対して間隔をあけて配置されるように、関節式アーム160はベース180に取り付けられ得る。それにもかかわらず、有利には、ベース180は、様々な異なる空間、患者の位置(例えば、仰向け、直立、リクライニング)、手術の必要性などにおいて使いやすくするために移動可能であり得る。あるいは、関節式アーム160および/または案内アーム120は、移動可能でないベース(例えば、壁、天井、床などのような固定プラットフォーム)に取り付けられ得る。関節式アーム160および/または案内アーム120が取り付けられる方法にかかわらず、結果として得られる取付配置は、関節式アーム160が検出器150を基準マーカ170に隣接して位置決めすることを可能にし、部位または対象物相互作用装置130の案内アーム120が、患者の顎顔面解剖学的構造などの部位または対象物と相互作用するように器具140を指示することを可能にし得る。
【0074】
図4は、検出器150および基準マーカ170が一体に結合されるのではなく、互いに隣接して配置される追跡および案内配置110を開示しているので、基準マーカ170と検出器150との間の空間的関係は、基準マーカ170と検出器150との間の相互作用から生じるデータ(例えば、追跡データ)に基づいて決定され得る。これら2つの構成要素間の空間的関係を決定し、ならびにロボット手術システム100の追跡および案内に関連する他の機能を実行するために、追跡および案内配置110は、追跡および案内配置110の1つまたは複数の構成要素と動作可能に係合するハードウェアプロセッサおよびメモリを含む制御装置450をさらに備えることができる。図4に示すように、例えば、制御装置450は、少なくとも検出器150、関節式アーム160、案内アーム120、部位または対象物相互作用装置130および器具140と通信要素(図示せず)を介して無線通信する。いくつかの態様では、通信要素は、無線トランシーバ、ハードワイヤ接続、または電気的、機械的、電気機械的、音響的、または光学的性質に拘らず、任意の他の適切な機構であり得る。
【0075】
制御装置450は、ベース180とは別々に配置されているか、またはベース180と一体化されている、特殊用途のコンピュータ装置を備えることができる。制御装置450は、基準マーカ170に対して検出器150を関節式に運動させるために、基準マーカ170に関連する基準点または原点を定義された相対座標系または3次元空間において決定するように構成されることが可能であり、その結果、検出器150が基準マーカ170に隣接する所望の位置に配置されて、一旦検出器150が所望の位置に関節式に移動されると、定義された相対座標系または3次元空間における検出器150の空間的位置を決定し、検出器150と基準マーカ170との間の相互作用を起動して、基準マーカ170との相互作用に関して検出器150からデータを受信し、そのデータに基づいて基準マーカ170と検出器150との間の空間的関係を決定する。
【0076】
いくつかの態様では、基準マーカ170に関連する基準点または原点を決定することは、部位または対象物が定義された相対座標系または3次元空間内の初期位置にある間に、部位または対象物に連結された基準マーカ170を撮像することによって達成され得る。制御装置450は、どのような撮像モダリティが利用されている場合でも(例えば、CTまたはMRI撮像)、インターフェースで連結することによって撮像を起動するように構成され得る。画像またはデータは、制御装置450と関連するデータ記憶装置(図示せず)に記憶され、相対座標系または3次元空間内の基準マーカ170の初期位置を原点として確立するために利用され得る。
【0077】
いくつかの態様では、検出器150が基準マーカ170に隣接する所望の位置に配置されるように、基準マーカ170に対して検出器150を関節運動させることは、1つまたは複数の連続的に配置された部分162A~Cを基準マーカ170に対して操作することによって達成され得る。例えば、制御装置450に関連する周辺装置(すべて図示されないが、例えば、3Dゴーグルと連結しているトラックボールまたはジョイスティック)が使用されて、関節式アーム160の連続的に配置された部分162A~Cの1つまたは複数の仮想操作を助け、あるいは仮想操作を可能にするために使用され得る。さもなければ、ロボット手術システム100の操作者は、関節式アーム160の連続的に配置された部分162A~Cのうちの1つまたは複数を手動で操作して、検出器150を所望の位置に動かすことができる。
【0078】
いくつかの態様では、一旦検出器150が所望の位置に関節式に運動されると、定義された相対座標系または3次元空間における検出器150の空間的位置は、制御装置450が角度に関係する通信を1つまたは複数の位置指示装置(例えばエンコーダ)から受信することによって決定され得る。より具体的には、1つまたは複数の位置指示装置(図示せず)は、定義された相対座標系または3次元空間内で、それと係合している連続的に配置された部分162A~162C間の角度関係を示すために、1つまたは複数のジョイント164A~164Bと係合され得る。1つまたは複数の位置指示装置が、定義された相対座標系または3次元空間内のジョイントの角度関係を制御装置450に通信するように、位置指示装置および制御装置450は、互いに通信することができる。検出器150が第3の部分162Cの遠位端に配置されている場合、制御装置450は、それに通信する各ジョイント164A~164Bの角度関係に基づいて、ならびに例えば各部分162A~162Cの長さなどの他の情報に基づいて、検出器150の空間的位置を決定するように構成され得る。検出器150の空間的位置に関するそのようなデータは、制御装置450に関連するデータ記憶装置内に格納され得る。
【0079】
いくつかの態様では、一旦関節式アーム160が定義された相対座標系または3次元空間内の所望の位置にあると、制御装置450は、検出器150と基準マーカ170との間の相互作用を起動するように構成され得る。制御装置450は、検出器150と通信することができ、検出器150の動作を起動および/または作動させるように構成され得る。例えば、検出器150がカメラまたは他の画像取込み装置である場合、制御装置450は、検出器150を作動させて、特定のフレームレートで部位または対象物に連結された基準マーカ170の画像を取得するように構成され得る。そのような態様では、制御装置450に関連する周辺装置は、最適な間隔(例えば、数センチメートル)が検出器150と基準170との間に維持されるように、関節式アーム160の1つまたは複数の連続的に配置された部分162A~162Cの仮想操作を連続的に助け、または許可するように構成され得る。他のそのような態様では、検出器150と基準マーカ170との間の間隔に関する検出器150と制御装置450との間のフィードバック通信は、関節式アーム160の連続的に配置された1つまたは複数の部分162A~162Cを自動的に助け、あるいはその仮想操作を許可するように構成されることが可能であり、その結果、検出器150と基準170との間に最適な間隔が維持される。
【0080】
いくつかの態様では、制御装置が基準マーカ170との相互作用に対して検出器150からデータを受信するように、検出器150から取得されたデータは、制御装置450に送信され得る。検出器150および制御装置450は、通信要素を介して有線または無線通信していることが可能である。
【0081】
いくつかの態様では、基準マーカ170と検出器150との間の空間的関係を決定するために、制御装置450は、基準マーカ170に関連付けられた基準点または原点、および所望の位置における検出器150の空間的位置を利用して、それらの間の第1の空間的関係を決定するように構成され得る。その後、制御装置450は、検出器150から取得された画像を利用して、定義された相対座標系または3次元空間における基準マーカ170の動作を追跡するように構成され得る。例えば、制御装置450は、基準マーカ170の空間位置が変化したかどうかを判定するために、基準マーカ170に関連する元の基準点または原点に関するデータを、検出器150によって取得される後続のデータと比較するように構成され得る。検出器150の既知の空間的位置に照らしてこの比較を使用して、制御装置450は、基準マーカ170と検出器150との間の変化した空間的関係を決定することができる。このようにして、部位または対象物の動作は、検出器150によって連続的に追跡され得る。
【0082】
そうではなく、上記に開示されるように、外科用ロボットシステム100または制御装置450の態様はまた、計画装置を備えることができ、あるいはシステム100のハードウェアおよび/またはソフトウェアと組み合わせて、ユーザが仮想処置計画を展開することを可能にする計画機能を含むことができる。いくつかの態様では、当業者によって理解されるように、仮想処置計画は、例えば定義された相対座標系または3次元空間(相対的または絶対的)に関連して生成され、計画パラメータを基準マーカ170(あるいは部位または対象物に関する他の基準)に関連付けるように構成され得る。制御装置450は、部位または対象物相互作用装置130および/または器具140を基準マーカ170と位置合わせするように構成され得る。いくつかの態様では、計画パラメータは、外科手術の異なる部分で、または外科処置中に連続的に、基準マーカ170(まだ患者に固定されている)と部位または対象物相互作用装置130との間で直接的に空間的関係を定義することができる。しかしながら、部位または対象物が動く場合、対象物相互作用装置130は、仮想処置計画の中で特定のポイントで定義されるように、部位または対象物相互作用装置130/器具140と基準マーカ170との間の定義された空間的関係に器具140を戻すことによって、部位または対象物の動作を補償する必要があり得る。いくつかの態様では、外科用ロボットシステム100の操作者は、仮想処置計画の助けを借りずに外科手術を実施することができる。
【0083】
開示されるように、本開示の態様は、部位または対象物相互作用部分500または処置実行装置150、あるいは器具140または部位もしくは対象物相互作用装置130が、様々な特殊目的器具の間で交換可能であり、システム100を適切に適合させるために必要な時間と複雑さを最小限に抑えながら、同じシステム100で異なる外科処置が容易に実行され得る。そのような異なる処置には、例えば、親知らず除去処置、根管処置、または歯冠を受け取るための歯を成形する処置が含まれるが、これらに限定されない。
【0084】
処置に関係なく、本明細書で開示されるシステム100の態様を利用して処置を実施する方法は、例えば、基準装置と部位または対象物(例えば、患者の口内の歯)との間の確実で物理的な相互作用を形成することを含み、固定された基準装置は基準マーカを形成する。さらに、患者の顎顔面の解剖学的構造など、関連する部位または対象物に関する処置を詳細に説明する仮想処置(例えば、歯の除去、根管、歯冠を受け取るための歯の成形)計画が形成される。いずれの場合でも、仮想処置計画は、基準マーカに位置合わせされ、基準マーカに関して形成される。処置実行装置の動作は、案内装置と通信している制御装置に応答して、および基準マーカに対して、処置実行装置に作動可能に係合された案内装置によって物理的に調整される。案内装置は、仮想処置計画に従って、かつユーザによる処置実行装置の物理的な操作に対応して、処置を実行するために、処置実行装置の動作を物理的に調整するように構成される。ユーザによる処置実行装置の物理的操作により、処置実行装置が仮想処置計画から逸脱する場合、処置中に処置実行装置を介してユーザに触覚または触感フィードバックが提供される。
【0085】
そのような方法はさらに、基準マーカと仮想処置計画の位置合わせを促進するために、基準マーカに対して目的の被写体を撮像するステップをさらに備える。さらに、触覚または触感フィードバックを提供するステップは、仮想処置計画に従って処置実行装置の動作を可能にし、仮想処置計画から逸脱する処置実行装置の動作を物理的に防止するステップをさらに備えることができる。場合によっては、触覚フィードバックを提供するステップは、処置実行装置の動作が仮想処置計画から逸脱する場合、処置実行装置を振動させるステップをさらに備える。
【0086】
本明細書で別の方法で開示されるように、いくつかの例では、基準装置と通信する案内装置もやはり物理的に関連している。しかし、他の例では、案内装置は、基準装置との物理的または非物理的な通信に係合していることが可能である。
【0087】
図5は、対象物(例えば、親知らず)除去処置に適切に適合されたシステム100の一例を概略的に示しており、特に切除用探針先端部108は、処置実行装置150および部位または対象物相互作用装置130に接続するのに適した構造を有する。切除エネルギー104’(例えば、マイクロ波エネルギー、RFエネルギー、不可逆的電気穿孔、凍結切除、超高強度超音波、レーザー、化学、熱またはホットチップ(例えば、電球、はんだごて、または蒸気熱を含むがこれに限定されない熱源を有する先端)、および/または機械的エネルギー)が、発電機104から切除用探針先端部108を通って、切除の中心部105(切除の焦点)へ流れる。切除用探針先端部108は、歯肉組織122を通って歯芽123の中央内に挿入可能である。切除の中心部105は、切除用探針先端部108の挿入端部にあり、処置中に切除用探針先端部108の挿入端部が所定の角度(φ)および所定の深さ(x)に位置決めされる場合、切除の中心部105は、歯芽123の中央と実質的に一致し、または重なる。いくつかの態様では、切除用探針先端部108は、歯芽123内の切除用探針先端部108の深さを物理的に制限するために、機械的停止構造140(例えば、バンド、突起、または肩)を含むが、しかしシステム100によって提供される案内があれば、機械的な停止構造は必要ない可能性がある。切除用探針先端部108が「自己導入」または歯肉組織122を通して容易に押し込まれることができるように、切除用探針先端部108は、十分に鋭く、および/または十分に強くすることができる。当業者はまた、切除用探針先端部108、またはそうでなければ処置実行装置150あるいは部位または対象物相互作用装置130が、歯または歯芽のような対象物の除去を達成することができる他の装置を含み得ることを理解するであろう。例えば、本明細書に開示されるのとは別の方法で、穴開け装置または研磨装置は、親知らず、または親知らず歯芽のような対象物を除去するための切除用探針先端部の代わりに、またはそれに加えて実装され得る。したがって、システム100は、この態様では、切除装置(切除用探針先端部108)の動作を物理的に調整するように構成および配置されている。さらに、いくつかの態様では、システム100は、対象物除去装置と物理的に係合するアーム部材を備える案内装置を介して対象物除去装置(例えば、切除装置)の動作を物理的に調整するように構成され、案内装置が、制御装置に応答して、仮想処置(例えば、親知らず除去または切除)計画に従って、ユーザによる対象物除去装置の物理的操作を案内する。
【0088】
図6A図6Dは、根管処置などの対象物関連処置を概略的に示す。そのような処置が必要な場合、空洞が歯内部に貫入しており、その結果、歯の中の歯髄または神経が感染し、患者に痛みを引き起こす(例えば、図6Aを参照)。そのような場合、根管処置には、穴開け装置を用いて歯に穴を開けて、歯の根内部の歯髄または神経にアクセスすることが含まれる(例えば、図6Bを参照)。一旦アクセスされると、根の内部の歯髄または神経は、根から削り取られるか、または研磨装置によって磨り減らされる(例えば、図6Cを参照)。次に、神経が痛むことなく、歯が損なわれずに留まることができるように、中空の歯は充填物質で充填される(例えば、図6Dを参照)。したがって、システム100は、この態様では、特定の器具あるいは部位または対象物相互作用装置(例えば、穴開け装置または研磨装置)の動作を物理的に調整するように構成および配置される。さらに、いくつかの態様では、システム100は、特定の器具あるいは部位または対象物相互作用装置と物理的に係合するアーム部材を備える案内装置を介して、特定の器具あるいは部位または対象物相互作用装置(例えば、穴開け装置または研磨装置)の動作を物理的に調整するように構成され、案内装置が、制御装置に応答して、仮想処置(根管)計画に従って、ユーザによる特定の器具あるいは部位または対象物相互作用装置の物理的操作を案内する。
【0089】
図7Aおよび図7Bは、歯冠配置のための対象物(例えば、歯)の成形を含む処置を概略的に示す。すなわち、歯の中の空洞が十分に進行すると、研磨装置などの対象物成形装置によって歯科医は歯の一部を除去し(例えば、図7A参照)、除去された部分を磁器(またはジルコニウムなど)の歯冠と交換する場合がある(例えば、図7B参照)。したがって、システム100は、この態様では、特定の器具あるいは部位または対象物相互作用装置(例えば、研磨装置などの対象物成形装置)の動作を物理的に調整するように構成および配置される。さらに、いくつかの態様では、システム100は、特定の器具に物理的に係合するアーム部材、部位または対象物相互作用装置あるいは対象物成形装置を備える案内装置を介して、特定の器具あるいは部位または対象物相互作用装置(例えば、研磨装置などの対象物成形装置)の動作を物理的に調整するように構成され、案内装置が、制御装置に応答して、仮想処置(歯冠配置のための歯の成形))計画に従って、ユーザによる特定の器具、部位または対象物相互作用装置あるいは対象物成形装置の物理的操作を案内する。
【0090】
いくつかの態様では、システム100または制御装置450は、歯冠配置のためなど、対象物の成形のためのプロセスで使用されて、カスタム3D形状(例えば、摩耗した歯の仮想彫刻)によって、対象物物質または歯物質の除去(仮想処置計画)を計画することができる。次いで、システム100が使用されて(あるいは自律的にまたはデッドマンスイッチで)、研磨装置などの対象物成形装置を案内するために使用されて、処置後の対象物(歯)が仮想処置計画に相当する方法で削って形成されるように、特定の物質を歯などの対象物から除去する。いくつかの態様では、システム100(またはその対象物成形装置)は、対応するレセプタクルを含むジルコニウムのブロック(または磁器など)から歯冠のカスタム形状を製作する、または形成することもでき、その結果、歯冠内のレセプタクルは、研磨装置による物質除去後に残っている歯の削られた形状と一致する。必要または所望に応じて、場合によっては、仮想処置計画の成形のための術前撮像として口腔内スキャンが使用され得る。
【0091】
本明細書に記載された開示の多くの修正および他の態様は、これらの開示が前述の説明および関連する図面に示された教示の利益を享受する当業者に思い浮かぶことであろう。したがって、開示は、開示された特定の態様に限定されるものではなく、修正および他の態様が添付の特許請求の範囲内に含まれるように意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定する目的で使用されるのではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B