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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-18
(45)【発行日】2022-08-26
(54)【発明の名称】化粧品用ポット
(51)【国際特許分類】
   B65D 53/04 20060101AFI20220819BHJP
   A45D 40/00 20060101ALI20220819BHJP
   B65D 43/08 20060101ALI20220819BHJP
【FI】
B65D53/04
A45D40/00 U
B65D43/08 200
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019567617
(86)(22)【出願日】2018-06-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 EP2018064611
(87)【国際公開番号】W WO2018224434
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-03-09
(31)【優先権主張番号】1755052
(32)【優先日】2017-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】506273087
【氏名又は名称】シャネル パルファン ボーテ
【氏名又は名称原語表記】CHANEL PARFUMS BEAUTE
【住所又は居所原語表記】135,avenue Charles de Gaulle,F-92200 Neuilly sur Seine,France
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サルシアリニ,クリスティアン
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】仏国特許発明第03032335(FR,B1)
【文献】実開平01-029165(JP,U)
【文献】実開昭60-090147(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第02371729(EP,A1)
【文献】実開昭49-121950(JP,U)
【文献】特開2008-105715(JP,A)
【文献】実開昭50-149446(JP,U)
【文献】実開昭58-125143(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 53/04
A45D 40/00
B65D 43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口(202)を画定する略円筒状の首部(201)と、上面(601)および下面(602)を有するシール(6)を備えた蓋(3)とが載置されたベース(2)を備える化粧品ポット(1)であって、
ポット(1)の前記首部(201)が、凹面(205)を形成する肩部(204)を備える内周を有するブリム(203)を有し、その下面(602)において、蓋(3)がベース(2)上に締め付けられると、少なくとも肩部(204)の高さの一部にわたって前記凹面(205)に一致し、且つポット(1)の液密閉鎖を確保するようにその内周全体にわたって前記ブリム(203)に対して封止可能に押圧する、凸形状を外周壁(604)に有する環状の可撓性リップ(603)を、前記シール(6)が備える、ことを特徴とする、化粧品ポット(1)。
【請求項2】
ベース(2)が、ガラスまたはセラミックから作製されていることを特徴とする、請求項1に記載のポット(1)。
【請求項3】
開口(202)が、25ミリメートル以上の直径を有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のポット(1)。
【請求項4】
蓋(3)が、スナップ係合によりベース(2)上に締め付けるシステムを有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のポット(1)。
【請求項5】
蓋が、連結プレート(5)とキャップ(4)とを備え、連結プレート(5)が、爪(501)と、少なくとも1つのスライド(502)と、少なくとも2つの位置、すなわち、ポット(1)が開放しているときの開放位置およびポットが閉鎖しているときの静止位置を有する案内スタッド(503)とを備え、連結プレート(5)およびキャップ(4)が互いに対して回転可能に組み立てられることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のポット(1)。
【請求項6】
蓋(3)が、垂直方向の圧力を加えることによりベース(2)上で閉鎖するように構成されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のポット(1)。
【請求項7】
首部(201)が、その外周に、周縁リム(207)の下方に画定されたくぼみまたは溝(206)を備え、ベース(2)に対する蓋(3)の開閉が案内されることを可能にする2つの案内傾斜部(208)が設けられていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のポット(1)。
【請求項8】
シール(6)が、蓋(3)の下面(301)に取り付けられた上面(601)を備えるディスク形状を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のポット(1)。
【請求項9】
シール(6)が、その下面(602)に可撓性環状リップ(603)を備えるディスクの一般的な形状を有することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のポット(1)。
【請求項10】
リップ(603)が、前記肩部(204)の高さの少なくとも一部にわたってブリム(203)の凹状肩部(204)に合わせてリップ(603)自体を形作るように構成されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のポット(1)。
【請求項11】
シール(6)が、弾性材料から作製されていることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のポット(1)。
【請求項12】
シール(6)が、ポリプロピレン、ポリエチレン、エラストマーまたはスチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)から作製されていることを特徴とする、請求項11に記載のポット(1)。
【請求項13】
その外周壁(604)によって断面で形成される弧の長さに対応するリップ(603)の1つの寸法(l)が、ブリム(203)上の肩部(204)の凹面の展開長さと略同じであることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のポット(1)。
【請求項14】
化粧品を収容するように構成されたタブをベース(2)の内部に備えることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載のポット(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポットの分野、特に化粧品用ポットの分野に関する。化粧品とは、特に、皮膚用の全てのメイクアップ製品および身体への塗布のために提供される全ての組成物を意味する。
【背景技術】
【0002】
化粧品ポットは、一般に、化粧品を収容するように構成されたベースを備え、ベースの断面の直径に近い開口の直径を有する首部がその上に載置されている。ベースは、例えば首部に螺合された蓋によって閉鎖される。クロージャを封止するために、通常、蓋とベースの間にシールが挿入される。
【0003】
十分なレベルの封止を得るための様々な構成が最新技術において知られている。第1の公知の構成によれば、シールが蓋の下面に一致することを可能にするために、蓋の下面およびシールの上面に締結部材が存在することができる。これらの固定部材は、例えば、互いに螺合されるようになる突起とすることができる。そして、ベースに蓋を螺合するかまたは締めるときに、シールが首部に対して圧縮される。この種の解決策は、特に仏国特許発明第2776625号明細書において提案されている。
【0004】
他の公知の構成は、開口およびその上に蓋がヒンジ留めされたベースの首部を取り囲む環状クラウンを備えたポットから構成されている。そして、シールリップを備えるシールがクラウンと蓋との間に配置されることができる。この種の解決策は、特に仏国特許出願公開第2701366号明細書において提案されている。
【0005】
前述の解決策を実装する化粧品ポットは、ほとんどの場合プラスチック材料から作製される。例えば審美的、環境的、または機能的な考慮事項は、例えばガラスなどの他の材料が使用されることをもたらすことがある。しかしながら、ガラスおよび磁器(または他のセラミック)などの特定の材料は、製造中に、試料ごとに大きな寸法のばらつきを受ける。したがって、ガラスまたはセラミックポットの製造では、首部の直径または高さに関する著しいばらつきが生じることがある。より具体的には、寸法のばらつきは、プラスチックのポットよりもガラスポットの方が最大3倍大きくなることがある。
【0006】
したがって、従来技術において知られているシールを備えた閉鎖システムは、行うのが容易な閉鎖または開放、ならびに製造からの寸法ばらつきを生じさせるガラスまたは他の材料のポットの満足のいく封止を提供することができない。さらにまた、この寸法ばらつきを考慮すると、ガラスポットのベースに対してシールを成形するために最初に使用するときに(一般に蓋とポットのベースとの間に配置される)シールに加える力は、プラスチックポットの場合よりも大きい。さらに、この力は、締め付けシステムまたは螺合システムに対してより高い機械的ストレスをもたらし、時間の経過とともにより大きなポットの摩耗をもたらす。最後に、システムの劣化が進んでシールが緩むと、ユーザは、増加する締め付けトルクを加える必要がある。
【0007】
したがって、ポットの製造からの寸法ばらつきに関連する前述の課題を解決することを可能にする解決策が望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】仏国特許発明第2776625号明細書
【文献】仏国特許出願公開第2701366号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は、ポットの製造時の寸法ばらつきにかかわらず確実に得られる十分なレベルの封止を確保しながら、容易な開閉を可能にする化粧品用ポットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明は、開口を画定する略円筒状の首部と、上面および下面を有するシールを備えた蓋とが載置されたベースを備える化粧品ポットに関する。前記ポットの首部は、凹面を形成する肩部を備える内周を有するブリムを有する。その下面において、前記シールは、外周壁に凸形状を有する環状の可撓性リップを備え、リップは、蓋がベース上に締め付けられると、肩部の高さの少なくとも一部にわたって前記凹面に一致し、ポットの液密閉鎖を確保するために、その内周全体にわたって前記ブリムに対して封止可能に押圧する。
【0011】
このように開発された化粧品ポットは、良好な封止を確保するとともに、ポットのベースにある蓋の開閉を非常に容易にすることを可能にする。したがって、シールの可撓性ならびにブリムの形状を補完するそのリップの形状は、製造からの寸法ばらつきを補償することができるようにリップが変形することを可能にする。それらはまた、低い締め付けトルクを有することができるため、時間の経過とともにポットが劣化するリスクを低減する。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、ポットのベースは、ガラスまたはセラミックから作製されることができる。
【0013】
開口は、25ミリメートル以上の直径を有することができる。
【0014】
蓋は、スナップ係合によりベース上に締め付けるためのシステムを有することができる。
【0015】
蓋は、連結プレートおよびキャップを備え、連結プレートは、爪、少なくとも1つのスライド、および少なくとも2つの位置、すなわち、ポットが開放しているときの開放位置およびポットが閉鎖しているときの静止位置を有する案内スタッドを備え、連結プレートおよびキャップは、互いに対して回転可能に組み立てられる。
【0016】
蓋は、垂直方向の圧力を加えることによりベース上で閉鎖するように構成されたタイプのものとすることができる。
【0017】
首部は、その外周に、周縁リムの下方に画定されたくぼみまたは溝を備えることができ、そこに、ベース上の蓋の開閉が案内されることを可能にする2つの案内傾斜部が設けられている。
【0018】
シールは、蓋の下面に取り付けられた上面を備えるディスクの一般的な形状を有することができる。
【0019】
シールは、特に、その下面に可撓性環状リップを備えるディスクの一般的な形状を有することができる。
【0020】
リップは、前記肩部の高さの少なくとも一部にわたってブリムの凹状肩部に合わせてリップ自体を形作るように構成されることができる。
【0021】
シールは、弾性材料から作製されることができる。この場合、シールは、ポリプロピレン、ポリエチレン、エラストマー、またはスチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)から作製されることができる。
【0022】
そのようなポットでは、断面においてリップの外周壁によって形成される弧の長さに対応するリップの1つの寸法は、ブリムの肩部の凹面の展開長さと略同じである。
【0023】
ポットは、化粧品を受け入れるように構成されたベースの内部にタブを備えることができる。
【0024】
本発明のさらに他の特徴および利点は、以下の説明に現れる。
【0025】
非限定的な例として与えられた添付図面では、以下のとおりである:
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態による化粧品ポットの例示的な実施形態を示している。
図2】肩部を備える内周を有するブリムを備える円筒状の首部を備える図1のポットのベースを示している。
図3図1のポットの分解図を示している。
図4】その上にシールが付いている図1のポットのベースの断面を示している。
図5a】本発明において使用されることができるシールを示している。
図5b図5aのシールの断面図を示している。
図6図1のポットのブリムの部分図を示している。
図7】静止位置におけるリップの拡大断面と、蓋をベース上に締め付けたときにブリムに対して押圧されたときの拡大断面とを示している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、ベース2および蓋3を備える正方形の輪郭を有する化粧品ポット1の例示的な実施形態を示している。「正方形の輪郭」とは、底が正方形の略平行六面体の形状を有するベースを有するポットを意味し、これは、膨らんだ輪郭を有するポットまたはその一般的な形状に対する任意の他の僅かな変更を排除しない。さらにまた、本説明は、正方形の輪郭を有するポット1について行われるが、そのベースの外側の一般的な形状が何であれ、あらゆるポットについて必要な変更を加えて有効である。
【0028】
ベース2は、任意の適切な材料から形成されることができるが、本発明は、ガラス、磁器、または上記で説明したような寸法ばらつきの問題が存在する可能性がある特定のセラミックなどの同様の材料のベース2を備える化粧品ポットに特に有利である。
【0029】
図2に見られるように、ベース2は、容器200と、容器200の上に載置された首部201とを備える。
【0030】
円筒状の首部201は、容器200に含まれる製品へのアクセスを可能にする開口202を画定する。ここに表されている例では、首部201および開口202の寸法は、ベース2の断面寸法に近い。ポット1の開口202は、手の少なくとも1本の指の通過を可能にするのに十分に広い、すなわち、例えば、25ミリメートル以上の直径を有する。
【0031】
首部201は、その外周にくぼみまたは溝206、およびその下方にくぼみまたは溝206が画定される周縁リム207を有する。これらの後者は、首部201の周りに全て延びている。
【0032】
首部201はまた、その内周に、凹面が形成されることを可能にする肩部204が形成されたブリム203を備える。ブリム203とは、くぼみまたは溝206の上に位置する首部201の部分を意味する。ポット1のブリム203の部分図が図6に示される。
【0033】
図2に示される実施形態によれば、互いに正反対の2つの案内傾斜部208は、くぼみまたは溝206に突起を形成する。それらは、その端部に非傾斜部がある傾斜部を備える。これらの案内傾斜部208は、蓋3がポット1に螺合される際の案内部として機能する。
【0034】
ポット1の開閉は、蓋3により行われる。ポット1を開放すると、ユーザは、蓋3を例えば反時計回りに回転させる。傾斜部により、案内傾斜部208は、ポット1の容易な開放を可能にする。ポット1を閉鎖すると、ユーザは、蓋3を例えば時計回りに回転させる。そして、案内傾斜部208の非傾斜部が螺合動作をブロックし、ポット1の閉鎖位置に到達したことをユーザに示す。したがって、ポット1の開閉は、完全な螺合ではなく、蓋3を僅かに回転させるだけで実行される。蓋3の螺合または螺合解除の角度は、案内傾斜部208の寸法によって規定されることができる。案内傾斜部208は、蓋3と協働して、ポット1が開放位置または閉鎖位置にあることをユーザに示すことを可能にする。
【0035】
図3に示されるように、蓋3は、閉鎖システム302とキャップ4と呼ばれる外側部分とを備える下面301を備える。この閉鎖システム302は、首部201の螺合システムまたは締め付けシステムとすることができる。この締め付けは、スナップ係合、結合部材または他の同等のシステムによって達成されることができる。
【0036】
図3は、本発明によるポットに使用されることができる結合部材によって製造された閉鎖システム302を有する蓋3を備える図1のポット1の分解図を示している。蓋3は、キャップ4に対して回転可能に取り付けられた連結プレート5と呼ばれる内側部分を備える。
【0037】
一般に、この種のクロージャシステムでは、連結プレート5は、以下の少なくとも2つの位置を有する爪501を備える:蓋3の開放位置と呼ばれる第1の開放位置およびポットが蓋3によって閉鎖されたときの静止位置と呼ばれる第2の位置。蓋3が静止位置にあり且つポット1が閉鎖されているとき、爪501は、ベース2の首部201のくぼみまたは溝206に係合される。蓋3が開放位置にあるとき、爪501は、第1の位置に対して首部201から離れており、くぼみまたは溝206から外れている。
【0038】
図3に示される実施形態によれば、蓋3はまた、3つのスライド502と、前記第1の位置と前記第2の位置との間においてスライド502に対してスライドするように構成された3つの案内スタッド503とを備える。連結プレート5は、案内スタッド503がスライド502に対して第1の位置にあるときに前記第1の位置をとり、連結プレート5は、案内スタッド503がスライド502に対して第2の位置にあるときに第2の位置をとる。
【0039】
したがって、キャップ4および連結プレート5は、協働して、ポット1の容易な開放および確実な閉鎖を可能にする。図3に示されている蓋3は、仏国特許第3032335号明細書に詳細に記載されている。
【0040】
ポット1の封止を確実にするために、シール6がベース2と蓋3との間に挿入されている。
【0041】
図4は、リップ603とブリム203との間の相互作用を示している。この相互作用は、以下でより詳細に説明される。
【0042】
図5aおよび図5bに示されるように、シール6は、蓋3に向けられた上面601と、容器200に向けられた下面602とを有するディスクである。
【0043】
上面601は、蓋3の下面301に取り付けられている。上面601は、例えば、蓋3の下面301に接合されることができる。しかしながら、シール6は、任意の他の適切な公知の手段によって蓋3に取り付けられてもよい。
【0044】
下面602に関して、これは、図5bに示されるように、可撓性リップ603を備える。リップ603は、その外周壁604に凸形状を有する。後者は、ポット1の液密封止を可能にする。
【0045】
より詳細には、蓋3がベース2上に締め付けられると、リップ603の凸形状は、その高さの少なくとも一部にわたって肩部204の凹面205に一致するようになり、その内周の全体にわたってブリム203に対して封止可能に押圧する。
【0046】
蓋3のベース2上への締め付けは、例えば、首部201に押圧関係で保持することにより、またはベース2に蓋3を垂直方向に押圧する押圧力を加えることにより行われる。
【0047】
蓋3をベース2上に締め付けると、リップ603は、静止状態から押圧状態に移行するためにスライドし、それにより、凸形状を有する外壁604がブリム203を押圧することを可能にする。
【0048】
図7は、静止状態(破線で示される)におけるリップ603の拡大断面と、蓋3をベース2上に閉鎖したときにブリム203に対して押圧されたとき(実線で示される)の拡大断面とを示している。
【0049】
蓋3が静止位置にあるとき、シール6は圧縮され、リップ603はブリム203に対して押圧される。図7は、ポット1を閉鎖する際のリップ603とブリム203との間の形状の嵌合を示している。蓋3が開放位置にあるとき、リップ603は、弛緩している。弾性復帰により、リップ603は、破線で表される構成を採用する。
【0050】
図7が示すように、ブリム203は、高さhを有し、リップ603は、その外周壁604によって断面で形成された弧の長さに対応する寸法lを有する。蓋3をベース2上に締め付けると、リップ603とブリム203との間の接触は、高さhの少なくとも一部にわたって得られる。この接触は、弾性により、図7の破線で示された静止位置を再開するリップ603の傾向と関連して、ベース2上への蓋3の締め付け力によって得られる。
【0051】
好ましくは、リップ603の寸法lは、ブリム203上の肩部204の凹面の展開長さと略同じである。これは、ポット1の封止を最適化することを可能にする。
【0052】
シール6は、任意の適切な弾性材料、ポリプロピレン、ポリエチレンから作製されることができるが、エラストマー、特にスチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS、熱可塑性エラストマー)、または同等の物理的性質を有する任意の他の材料から作製されてもよい。シール6のリップ603の弾性は、ポット1の製造における試料ごとの寸法のばらつきを補償するためにシールが変形することを可能にする。それはまた、機械的ストレスが加えられていない場合、静止状態(図7において破線で示される)を回復することを可能にする。
【0053】
さらに、例えば航空機において、閉鎖したポット1の内部に対して周囲環境の圧力が低下した場合、圧力の低下は、シール6のリップ603をブリム203の肩部204に対して押圧してさらに封止を保証する力を生じさせる。
【0054】
したがって、シール6は、あらゆる状況において良好な封止を保証する。
【0055】
化粧品ポットはまた、劣化を受けることがある。より具体的には、化粧品ポットは、一般に、(開閉のために)頻繁な操作を受ける。したがって、ポット1がこれらの操作に対してさらに劣化しないこと、およびその閉鎖または開放が容易であり、時間の経過とともに維持されることが望ましい。
【0056】
これは、ポット1の閉鎖がベース2に対して回転することなく垂直方向の押圧を加えることにより行われることが好ましい理由である。さらにまた、シール6およびリップ603の形状および材料は、ポット1を閉鎖するために加えるのに必要な力を低減することを可能にする。実際に、シール6をポット、特にそのブリムの肩部に形作るために大きな力を加える必要はない。加えられる小さな力は、ポット1、特に蓋3およびその閉鎖システム302、ならびにシール6の劣化を回避する。
【0057】
したがって、シール6は、ポットの閉鎖に必要な力を低いレベルに保ちながら、寸法公差(例えば、軸方向またはガラスの厚さに関して)を広く補うことを可能にする。
【0058】
シール6は、上述したように、連結プレート5を備える閉鎖システム302とともに使用される場合、追加の利点を有することができる。
【0059】
したがって、前述のように、文献仏国特許第3032335号明細書の蓋3をシール6およびベース2と組み合わせて使用する場合、連結プレート5と首部201との間の相対的な回転はほとんどまたは全くない。シール6は、せん断力で作用されないかまたはほとんど作用されず、封止を改善する高い摩擦係数を有する比較的接着性の材料を選択することが可能である。
【0060】
当然のことながら、本発明は、上述した詳細な実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲から逸脱することなく、多数の変形が想定されることができる。
【0061】
例えば、化粧ポットの場合によくあるように、ベース2は、円筒状を有してもよい。
【0062】
化粧品は、前述の実施形態において提示されたようにベース2に直接収容される代わりに、ベース2の内部に配置された再充填可能なタブに収容されてもよい。
【0063】
ポット1の開口202はまた、上述した実施形態においてディスクであるとして提示されたシール6の形状の対応的な変更をもたらす他の形状を有してもよい。
【0064】
シール6は、例えば、環状の一般的な形状を有してもよく、またはより一般には開口面を有してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7