(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-18
(45)【発行日】2022-08-26
(54)【発明の名称】ビデオ再生方法、端末、およびシステム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/4728 20110101AFI20220819BHJP
H04N 21/431 20110101ALI20220819BHJP
H04N 21/442 20110101ALI20220819BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20220819BHJP
H04N 5/77 20060101ALI20220819BHJP
H04N 5/93 20060101ALI20220819BHJP
【FI】
H04N21/4728
H04N21/431
H04N21/442
H04N7/18 D
H04N7/18 U
H04N5/77
H04N5/93
(21)【出願番号】P 2020210327
(22)【出願日】2020-12-18
(62)【分割の表示】P 2019017999の分割
【原出願日】2012-12-25
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】318017925
【氏名又は名称】インターデイジタル マディソン パテント ホールディングス ソシエテ パー アクシオン サンプリフィエ
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲賀▼ ▲榮▼▲フイ▼
【審査官】松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-136099(JP,A)
【文献】特開平10-042221(JP,A)
【文献】特開平09-233384(JP,A)
【文献】特開2004-193940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B23/00-31/00
H04N5/222-5/28
5/76-5/775
5/80-5/956
7/10
7/14-7/56
21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライブビデオストリームを受信するステップと、
前記ライブビデオストリームを少なくとも2つの対象領域に分割するステップと、
前記少なくとも2つの対象領域の中で、トリガイベントに関連付けられた第1の対象領域を特定する座標メタデータを適用することによって、前記トリガイベントを含んでいる前記第1の対象領域を決定するステップと、
前記ライブビデオストリームから、前記第1の対象領域に関連付けられたデコードされたデータを決定するステップと、
前記デコードされたデータを独立した再生ウィンドウに描画して、前記ライブビデオストリームの前記第1の対象領域のズームされたバージョンを見ることを可能とするステップと、
前記ライブビデオストリームを第2の再生ウィンドウに描画して、前記ライブビデオストリームの前記第1の対象領域の前記ズームされたバージョンと同時に、前記ライブビデオストリームを見ることを可能とするステップと、
前記ライブビデオストリームを分割するステップは、前記トリガイベントを含む前記第1の対象領域を決定するステップに先立って生じ、
前記デコードされたデータを
前記独立した再生ウィンドウに描画して、前記ライブビデオストリームの前記第1の対象領域のズームされたバージョンを見ることを可能とするステップは、ズームインの方法で、前記デコードされたデータを前記独立した再生ウィンドウへ描画することを含む
ことを特徴とするビデオ再生方法。
【請求項2】
前記少なくとも2つの対象領域の中の各対象領域と、前記独立した再生ウィンドウとの間の対応関係を決定するステップ
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
サーバから、前記トリガイベントおよび前記トリガイベントに関連付けられた前記座標メタデータを受信するステップ
をさらに備え、
前記トリガイベントおよび前記トリガイベントに関連付けられた前記座標メタデータを受信する前記ステップは、動き検出器によって前記トリガイベントが発生したかどうかを決定することを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
サーバから、前記トリガイベントおよび前記トリガイベントに関連付けられた前記座標メタデータを取得するステップ
をさらに備え、
前記トリガイベントおよび前記トリガイベントに関連付けられた前記座標メタデータを受信する前記ステップは、自動的に生成されたトリガイベントによって前記トリガイベントが発生したかどうかを決定することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記独立した再生ウィンドウは、前記第1の対象領域よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記独立した再生ウィンドウは、前記第1の対象領域よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも2つの対象領域
のすべては、
ともにライブビデオストリーム
全体より少なく含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも2つの対象領域の少なくとも2つは、同じでないサイズを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ライブビデオストリームを少なくとも2つの対象領域に分割する前記ステップは、手動のユーザ相互作用に応答して発生することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも2つの対象領域の中で、第2のトリガイベントに関連付けられた、第2の対象領域と特定する座標メタデータを適用することによって、当該第2のトリガイベントを含む当該第2の対象領域を決定するステップと、
前記ライブビデオストリームから、前記第2の対象領域に関連付けられた第2のデコードされたデータを決定するステップと、
前記第2のデコードされたデータを前記独立した再生ウィンドウに描画して、前記ライブビデオストリームの
前記第2の対象領域のズームされたバージョンを見ることを可能とするステップとをさらに備え、
前記第2のデコードされたデータを前記独立した再生ウィンドウに描画して、前記ライブビデオストリームの
前記第2の対象領域のズームされたバージョンを見ることを可能とする前記ステップは、
ズームインの方法で、前記
第2のデコードされたデータを前記独立した再生ウィンドウへ描画することを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記トリガイベントは、自動イベント検出規則を満足することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行されたときに、請求項1乃至11いずれかの方法を実施する命令をストアした非持続性コンピュータ読み取り可能媒体と
を備えた装置。
【請求項13】
ビデオ再生端末であって、
ビデオストリームを少なくとも2つの対象領域に分割するように構成された分割モジュールと、
前記少なくとも2つの対象領域の中で、トリガイベントが発生する第1の対象領域を決定するよう構成された第1の決定モジュールであって、当該第1の決定モジュールは、前記ビデオストリームにおいて、ユーザによって対象領域の上に実行されるトリガ動作を決定するよう構成された第1の決定ユニットを含み、前記トリガ動作は、クリック動作、ダブルクリック動作、または前記対象領域内における選択の動作を含む、第1の決定モジュールと、
中央サーバから、前記トリガイベントに関連付けられた発生ポイントの座標メタデータを取得するよう構成された第1の取得モジュールと、
前記第1の決定モジュールによって決定された前記第1の対象領域におけるビデオのためのデコードされたデータを取得するよう構成された第2の取得モジュールと、
前記第2の取得モジュールによって取得された前記デコードされたデータを、独立した再生ウィンドウに描画するように構成された再生モジュールと、
前記デコードされたデータが前記独立した再生ウィンドウへ描画されるのと同時に、前記ビデオストリームを第2の再生ウィンドウに描画するよう構成された第2の再生モジュールとを備え、
前記分割モジュールは、前記第1の決定モジュールが前記トリガイベントの発生する前記第1の対象領域を決定するのに先立って、前記ビデオストリームを分割するようさらに構成され、
前記第2の再生モジュールは、ズームインの方法で、前記デコードされたデータを前記独立した再生ウィンドウへ描画するようさらに構成されたこと
を特徴とするビデオ再生端末。
【請求項14】
前記少なくとも2つの対象領域の中の各対象領域と、前記独立した再生ウィンドウとの間の対応関係を決定するように構成された第2の決定モジュール
をさら備えた特徴とする請求項13に記載の端末。
【請求項15】
前記再生モジュールは、
独立した再生ウィンドウを表示するよう構成された表示ユニットと、
前記デコードされたデータを、前記表示ユニットによって表示された前記独立した再生ウィンドウへ描画するよう構成された再生ユニットと
を含むことを特徴とする請求項13に記載の端末。
【請求項16】
ビデオ再生端末と、
ビデオストリームを符号化することによってメディアストリームをキャプチャしおよび生成するよう構成され、動き検出器に応答するビデオキャプチャシステムと、
前記ビデオキャプチャシステムによって生成された前記メディアストリームを取得し、および、前記メディアストリームを前記ビデオ再生端末へ供給するよう構成されたサーバと、
前記サーバによって取得された前記メディアストリームをストアするよう構成されたストレージ装置と
を備え、
前記ビデオ再生端末は、
前記ビデオストリームを少なくとも2つの対象領域に分割するよう構成された分割モジュールと、
前記分割モジュールによって分割された前記少なくとも2つの対象領域の中で、第1の対象領域を決定するよう構成された第1の決定モジュールであって、前記サーバから、前記動き検出器に起因するトリガイベントに基づいて、前記メディアストリームにおける発生ポイントの座標メタデータを取得し、および、前記座標メタデータにしたがって、前記第1の対象領域として前記トリガイベント
の発生ポイントが属する前記対象領域を決定するようさらに構成されている、第1の決定モジュールと、
前記第1の決定モジュールによって決定された前記第1の対象領域のデコードされたデータを取得するよう構成された取得モジュールと、
前記取得モジュールによって取得された前記デコードされたデータを独立した再生ウィンドウへ描画するよう構成された再生モジュールと、
前記デコードされたデータが前記独立した再生ウィンドウへ描画されるのと同時に、前記ビデオストリームを第2の再生ウィンドウに描画するよう構成された第2の再生モジュールとを備え、
前記分割モジュールは、前記第1の決定モジュールが前記トリガイベント
を含む前記第1の対象領域を決定するのに先立って、前記ビデオストリームを分割するようさらに構成され、
前記第2の再生モジュールは、ズームインの方法で、前記デコードされたデータを前記独立した再生ウィンドウへ描画するようさらに構成された
ことを特徴とするビデオ再生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオ監視の分野に関し、特に、ビデオ監視の分野におけるビデオ再生方法、端末、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在では、高解像度ビデオは、ビデオ監視の分野における重要な技術的トレンドになった。そして、720pまたは1080pの解像度を有するカメラが、ビデオ監視の分野で、ますます広く使用されている。カメラ解像度の絶え間ない増加によって、単一のカメラが監視することができる範囲はますます広くなり、かつ画像の細部はより明確になった。同時に、ビデオ画像に対するインテリジェント分析技術が徐々に実行に移されている。ハードウェア装置の技術開発によって、ハードウェアの性能は、同じ画像内の複数の対象領域上でのインテリジェント分析を実行するための要求を満たすことができるようになった。これは、手動の監視と比べて、コストを大幅に節約する。
【0003】
現在のビデオ監視クライアントは、一般に、同時に複数のカメラからのビデオ画像を再生する。しかし、ビデオ画像の解像度の増加によって、複数のカメラからのビデオ画像の総解像度は、しばしばクライアントのモニタの解像度の範囲を超える。例として22インチディスプレイを取り上げると、このディスプレイは、一般に、1920×1080の最大解像度をサポートする。すなわち、このディスプレイは、1つのフィードから1080pの画像を再生することのみが可能である。1080pの画像の複数のフィードが同時にこのモニタ上で再生される場合、画像はズームアウトされなければならない。再生ウィンドウに加えて、典型的なビデオ監視クライアントのインターフェイス上には、例えばタイトルバー、カメラリスト、およびパン-チルト-ズーム制御パネルのような複数の補助機能パネルも存在し、これは更にビデオ画像の表示領域を減らす。従って、再生ウィンドウ内で再生され得る画像は、元の画像よりはるかに小さい。
【0004】
特に、イベント(例えば、インテリジェント分析によってトリガされるイベント)がビデオ画像内で発生する時、イベントが発生する画像の領域はさらに小さい。なぜなら、画像は、再生の間、ダウンサイズされるからであり、これはユーザが見るには不便である。
観察人員が裸眼で画像を監視する場合、観察人員が細部の変化に気付くことは難しく、結果として重要な情報を見逃す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在では、大部分のクライアントは、画像の選択された領域にズームインする機能を提供する。すなわち、ビデオ再生画像の領域は、マウスをスライドさせることによって選択され、選択された領域はズームインされる。これにより、ある程度、対象領域の画質を改善する。しかし、ビデオ画像のデジタルズームは、いくらかのピクセル情報の損失を引き起こすので、画質に影響を及ぼし、さらに画像の細部についてのユーザ観察の効果に影響を及ぼす。加えて、選択された領域内でズームの機能が用いられる場合、一態様では、ユーザによる手動の操作が必要であり、イベントが突然発生する時、ユーザは、いかなる操作を実行する時間もなく、従ってイベントを見逃す。別の態様では、イベントが画像の別の領域内で発生する場合、同時にいくつかの領域にズームインすることは不可能である。従って、ユーザ経験は比較的劣っている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、ビデオ再生方法、端末、およびシステムを提供し、これらはユーザ経験を改善することができる。
【0007】
第1の態様において、本発明の実施形態は、ビデオ再生方法を提供し、この方法は、元の再生画像を少なくとも2つの対象領域に分割するステップと、少なくとも2つの対象領域の中で、トリガイベントが発生する第1の対象領域を決定するステップと、第1の対象領域の中に表示される第1のビデオ画像の復号データを取得するステップと、第1のビデオ画像の復号データを、再生のための指定された再生ウィンドウに描画するステップとを有している。
【0008】
第1の態様の第1の可能な実施方法において、この方法は、少なくとも2つの対象領域の中の各対象領域と、指定された再生ウィンドウとの間の対応関係を決定するステップを更に有していて、第1のビデオ画像の復号データを、再生のための指定された再生ウィンドウに描画するステップは、対応関係に従って、第1のビデオ画像の復号データを、再生のための第1の対象領域に対応する指定された再生ウィンドウに描画するステップを有している。
【0009】
第1の態様または第1の態様の第1の可能な実施方法に関連して、第1の態様の第2の可能な実施方法において、少なくとも2つの対象領域の中で、トリガイベントが発生する第1の対象領域を決定するステップは、元の再生画像の中の対象領域上で、ユーザによって実行されるトリガ動作を決定するステップを有していて、トリガ動作は、クリック動作、ダブルクリック動作、または対象領域を選択する動作を含み、更に、トリガ動作が実行される対象領域を第1の対象領域として決定するステップを有している。
【0010】
第1の態様または第1の態様の第1の可能な実施方法に関連して、第1の態様の第3の可能な実施方法において、少なくとも2つの対象領域の中で、トリガイベントが発生する第1の対象領域を決定するステップは、元の再生画像の中のトリガイベント発生ポイントの座標メタデータを取得するステップと、座標メタデータに従って、トリガイベント発生ポイントが属する対象領域を第1の対象領域として決定するステップとを有している。
【0011】
第1の態様または第1の態様の第1から第3の可能な実施方法のいずれか一つに関連して、第1の態様の第4の可能な実施方法において、第1の対象領域の中に表示される第1のビデオ画像の復号データを取得するステップは、元の再生画像の復号データを取得するステップと、元の再生画像の復号データに従って、第1のビデオ画像の復号データを決定するステップとを有している。
【0012】
第1の態様または第1の態様の第1から第4の可能な実施方法のいずれか一つに関連して、第1の態様の第5の可能な実施方法において、第1のビデオ画像の復号データを、再生のための指定された再生ウィンドウに描画するステップは、第1のビデオ画像の復号データを、再生のための指定された再生ウィンドウに、ズームイン方法で描画するステップを有していて、指定された再生ウィンドウは、第1の対象領域より大きい。
【0013】
第1の態様または第1の態様の第1から第5の可能な実施方法のいずれか一つに関連して、第1の態様の第6の可能な実施方法において、第1のビデオ画像の復号データを、再生のための指定された再生ウィンドウに描画するステップは、独立した再生ウィンドウをポップアップするステップと、第1のビデオ画像の復号データを、再生のための独立した再生ウィンドウに描画するステップとを有している。
【0014】
第2の態様において、本発明の実施形態は、ビデオ再生端末を提供し、この端末は、元の再生画像を少なくとも2つの対象領域に分割するように構成された分割モジュールと、分割モジュールによって選び出された少なくとも2つの対象領域の中で、トリガイベントが発生する第1の対象領域を決定するように構成された第1の決定モジュールと、第1の決定モジュールによって決定された第1の対象領域の中に表示される第1のビデオ画像の復号データを取得するように構成された取得モジュールと、取得モジュールによって取得された第1のビデオ画像の復号データを、再生のための指定された再生ウィンドウに描画するように構成された再生モジュールとを備えている。
【0015】
第2の態様の第1の可能な実施方法において、この端末は、少なくとも2つの対象領域の中の各対象領域と、指定された再生ウィンドウとの間の対応関係を決定するように構成された第2の決定モジュールを更に備えていて、再生モジュールは、第2の決定モジュールによって決定された対応関係に従って、取得モジュールによって取得された第1のビデオ画像の復号データを、再生のための第1の対象領域に対応する指定された再生ウィンドウに描画するように更に構成されている。
【0016】
第2の態様または第2の態様の第1の可能な実施方法に関連して、第2の態様の第2の可能な実施方法において、第1の決定モジュールは、元の再生画像の中の対象領域上で、ユーザによって実行されるトリガ動作を決定するように構成された第1の決定ユニットを有していて、トリガ動作は、クリック動作、ダブルクリック動作、または対象領域を選択する動作を含み、更に、第1の決定ユニットによって決定されたトリガ動作が実行される対象領域を第1の対象領域として決定するように構成された第2の決定ユニットを有している。
【0017】
第2の態様または第2の態様の第1の可能な実施方法に関連して、第2の態様の第3の可能な実施方法において、第1の決定モジュールは、元の再生画像の中のトリガイベント発生ポイントの座標メタデータを取得するように構成された第1の取得ユニットと、第1の取得ユニットによって取得された座標メタデータに従って、トリガイベント発生ポイントが属する対象領域を第1の対象領域として決定するように構成された第3の決定ユニットとを有している。
【0018】
第2の態様または第2の態様の第1から第3の可能な実施方法のいずれか一つに関連して、第2の態様の第4の可能な実施方法において、取得モジュールは、元の再生画像の復号データを取得するように構成された第2の取得ユニットと、第2の取得ユニットによって取得された元の再生画像の復号データに従って、第1のビデオ画像の復号データを決定するように構成された第3の決定ユニットとを有している。
【0019】
第2の態様または第2の態様の第1から第4の可能な実施方法のいずれか一つに関連して、第2の態様の第5の可能な実施方法において、再生モジュールは、第1のビデオ画像の復号データを、再生のための指定された再生ウィンドウに、ズームイン方法で描画するように更に構成されていて、指定された再生ウィンドウは、第1の対象領域より大きい。
【0020】
第2の態様または第2の態様の第1から第5の可能な実施方法のいずれか一つに関連して、第2の態様の第6の可能な実施方法において、再生モジュールは、独立した再生ウィンドウを表示するように構成された表示ユニットと、第1のビデオ画像の復号データを、再生のための表示ユニットによってポップアップされる独立した再生ウィンドウに描画するように構成された再生ユニットとを有している。
【0021】
第3の態様において、本発明の実施形態は、ビデオ再生システムを提供し、このシステムは、本発明の第2の態様による端末と、ビデオ画像をキャプチャして、このビデオ画像をエンコードすることによってメディアストリームを生成するように構成されたビデオキャプチャシステムと、ビデオキャプチャシステムによって生成されたメディアストリームを取得して、このメディアストリームを端末に供給するように構成されたサーバと、サーバによって取得されたメディアストリームを記憶するように構成された記憶装置とを備えていて、端末は、元の再生画像を少なくとも2つの対象領域に分割するように構成された分割モジュールと、分割モジュールによって選び出された少なくとも2つの対象領域の中で、トリガイベントが発生する第1の対象領域を決定するように構成された第1の決定モジュールと、第1の決定モジュールによって決定された第1の対象領域の中に表示される第1のビデオ画像の復号データを取得するように構成された取得モジュールと、取得モジュールによって取得された第1のビデオ画像の復号データを、再生のための指定された再生ウィンドウに描画するように構成された再生モジュールとを備えている。
【0022】
前述の技術的解決策に基づいて、本発明の実施形態によるビデオ再生方法、端末、およびシステムを用いて、元の再生画像は、複数の対象領域に分割され、トリガイベントが発生する対象領域の中の画像は、別に表示される。従って、一態様では、ユーザは、対象領域の中で、より明確な画像の細部を観察することができ、他の態様では、ユーザは、同時に複数の対象領域の中で、画像の細部を追跡することができ、これによりユーザ経験を大幅に向上させる。
【0023】
本発明の実施形態における技術的解決策をより明確に説明するために、以下で簡潔に、本発明の実施形態を説明するために必要な添付図面を紹介する。明らかに、以下の説明の中の添付図面は、本発明のいくつかの実施形態を示すのみであり、当業者は、創造的な努力なしで、これらの添付図面から他の図面を更に導き出すことができる。
【発明の効果】
【0024】
ビデオ監視の分野におけるビデオ再生方法、端末、およびシステムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態による、例示的アプリケーションシナリオの概略構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、ビデオ再生方法の概略フロー図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるビデオ再生方法の他の概略フロー図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、元の再生画像を対象領域に分割する方法の概略フロー図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、元の再生画像を対象領域に分割する方法の他の概略フロー図である。
【
図6】本発明の一実施形態による、トリガイベントが発生する対象領域を決定する方法の概略フロー図である。
【
図7】本発明の一実施形態による、トリガイベントが発生する対象領域を決定する方法の他の概略フロー図である。
【
図8】本発明の一実施形態による、対象領域の復号データを取得する方法の概略フロー図である。
【
図9】本発明の一実施形態による、対象領域の中の画像を再生する方法の概略フロー図である。
【
図10】本発明の他の実施形態によるビデオ再生方法概略フロー図である。
【
図11A】本発明の他実施形態によるビデオ再生方法の他の概略フロー図である。
【
図11B】本発明の他実施形態によるビデオ再生方法の他の概略フロー図である。
【
図12A】本発明の一実施形態による、対象領域の再生の概略図である。
【
図12B】本発明の一実施形態による、対象領域の再生の概略図である。
【
図13】本発明の一実施形態による、端末の概略ブロック図である。
【
図14】本発明の一実施形態による、端末の他の概略ブロック図である。
【
図15】本発明の一実施形態による第1の決定モジュール概略ブロック図である。
【
図16】本発明の一実施形態による、第1の決定モジュールの他の概略ブロック図である。
【
図17】本発明の一実施形態による、取得モジュール概略ブロック図である。
【
図18】本発明の一実施形態による、再生モジュール概略ブロック図である。
【
図19】本発明の一実施形態による、システム概略ブロック図である。
【
図20】本発明の他の実施形態による、端末概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態の中の添付図面に関連して、本発明の実施形態の中の技術的解決策を明確かつ完全に記載する。明らかに、記載されている実施形態は、本発明の実施形態の全てではなく、一部のみである。本発明の実施形態に基づいて、創造的な努力なしで当業者によって得られる他の全ての実施形態は、本発明の保護範囲に入るものとする。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態による、例示的アプリケーションシナリオの概略構成図である。
図1に示すように、本発明の実施形態が適用可能なビデオ監視システムは、ビデオキャプチャ装置、中央サーバ、記憶装置、およびクライアントを有する端末を含み、ビデオキャプチャ装置は、ビデオ画像をキャプチャするために用いることができ、かつビデオ画像をエンコードすることによって、メディアストリームを生成することができ、ネットワーク上にビデオ画像を送信する。例えば、ビデオキャプチャ装置は、例えばネットワークカメラ、アナログカメラ、エンコーダ、およびデジタルビデオレコーダ(digital video recorder、略してDVR)のような装置を含み得る。中央サーバに接続された後に、端末のクライアントは、ビデオストリームを要求し、このビデオストリームを復号化して表示し、かつオンサイトビデオ画像をユーザに提示することができる。
【0028】
中央サーバは、管理サーバおよびメディアサーバを含み得る。メディアサーバは、メディアストリームを受信し、メディアストリームのデータを記憶装置に記録して保存し、かつオンデマンドで再生のためにクライアントにメディアストリームを転送する役割を果たし得る。管理サーバは、例えばユーザログイン、認証、およびサービススケジューリングのような機能の役割を果たし得る。中央サーバは、また、複数のクライアントによってアクセスされ、様々なビデオ監視システム間のネットワーク接続の管理等が可能である。記憶装置は、例えば、ディスクアレイであってもよい。ディスクアレイは、ビデオデータを記憶する役割を果たすことができ、ビデオデータを記憶するために、ネットワーク接続ストレージ(network attached storage、略してNAS)、記憶エリアネットワーク(storage area network、略してSAN)、またはサーバ自体を用いることができる。
【0029】
図1に示したビデオ監視システムは、本発明の方法が適用可能な実施形態に過ぎず、本発明の目的および機能を限定することを意図しているのではないことは理解されるべきである。本発明は、
図1に示したビデオ監視システムの構成要素のいかなる一つまたはいかなる組み合わせに関する要求に従属するものとして説明されるべきではない。しかし、本発明をより明確に詳しく述べるために、本発明の実施形態は、例としてビデオ監視システムのアプリケーションシナリオをとることによって、以下で説明される。しかし、本発明は、これに限定されるわけではない。
【0030】
本発明の実施形態におけるビデオデータ送信のための技術的解決策は、様々な通信ネットワークまたは通信システム、例えば、モバイル通信のためのグローバルシステム(Global System for Mobile Communications、略して"GSM(登録商標)")、符号分割多重アクセス(Code Division Multiple Access、略して"CDMA")システム、広帯域符号分割多重アクセス(Wideband Code Division Multiple Access、略して"WCDMA(登録商標)")システム、汎用パケット無線サービス(general packet radio service、略して"GPRS")システム、ロング・ターム・エボリューション(Long Term Evolution、略して"LTE")システム、LTE周波数分割デュプレックス(frequency division duplex、略して"FDD")システム、LTE時間分割デュプレックス(time division duplex、略して"TDD")システム、ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunication System、略して"UMTS")、またはワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(Worldwide Interoperability for Microwave Access、略して"WiMAX")通信システムを用いることができることは理解されるべきである。本発明の実施形態は、これらに限定されるわけではない。
【0031】
図2は、本発明の一実施形態による、ビデオ再生方法100の概略フローチャートである。
この方法100は、ビデオ再生装置によって実行され得る。この装置は、例えば、端末またはクライアントである。
図2に示すように、この方法100は、以下のステップを有している。
S110: 元の(original)再生画像を少なくとも2つの対象領域に分割する。
S120: 少なくとも2つの対象領域の中で、トリガイベントが発生する第1の対象領域を決定する。
S130: 第1の対象領域の中に表示される第1のビデオ画像の復号データを取得する。
S140: 第1のビデオ画像の復号データを再生のための指定された再生ウィンドウに描画する。
【0032】
再生ビデオの画質に影響を及ぼさないために、かつ画像の細部についてのユーザ観察の効果を改善するために、特に、複数のビデオ画像がズームアウト方法で同じウィンドウ内に表示される場合には、ビデオ再生装置は、最初に、元の再生画像を複数の対象領域に分割することができる。そして、トリガイベントが発生する対象領域の中に表示されるビデオ画像の復号データを得る。従って、ビデオ再生装置は、ビデオ画像の復号データを、再生のための独立した指定された再生ウィンドウに描画することができる。このような方法で、ユーザが興味を持っている画像の細部が、独立したウィンドウに表示され得る。そして、画像の細部についてのユーザ観察の効果が改善される。
【0033】
従って、本発明の実施形態によるビデオ再生方法は、元の再生画像を複数の対象領域に分割して、トリガイベントが発生する対象領域の中に画像を別に表示する。従って、一態様では、ユーザは、対象領域の中でより明確な画像の細部を観察することができ、別の態様では、ユーザは、同時に複数の対象領域における画像の細部を追跡することができ、これによりユーザ経験を大幅に向上させる。
【0034】
本発明の実施形態において、ビデオは、ビデオファイルを含むだけではなく、リアルタイムビデオストリームも含むことは理解されるべきである。本発明の実施形態は、例としてリアルタイムビデオストリームの再生を取り上げることによって記載されているが、本発明の実施形態は、これに限定されるわけではない。
【0035】
本発明の実施形態において、オプションとして、
図3に示すように、方法100は、以下のステップを更に有している。
S150: 少なくとも2つの対象領域の中の各対象領域と、指定された再生ウィンドウとの間の対応関係を決定する。
【0036】
第1のビデオ画像の復号化データを、再生のための指定された再生ウィンドウに描画するステップは、以下のステップを有している。
S141: 対応関係に従って、第1のビデオ画像の復号データを、再生のための第1の対象領域に対応する指定された再生ウィンドウに描画するステップ。
【0037】
すなわち、各対象領域は、トリガイベントが対象領域内で発生する時に、対象領域内の画像を再生するために、1つ以上の再生ウィンドウと関連し得る。指定されたウィンドウは、表示装置上の最大の再生ウィンドウであってもよく、かつ最大の再生ウィンドウの一部であってもよい。指定されたウィンドウは、現在の既存の再生ウィンドウまたは既存の再生ウィンドウの一部であってもよく、新しいポップアップ再生ウィンドウまたは新しく生成された再生ウィンドウであってもよい。本発明の実施形態は、これらに限定されるわけではない。
【0038】
図4から
図12Bを参照して、以下、本発明の一実施形態によるビデオ再生方法を詳細に説明する。
【0039】
S110において、オプションとして、元の再生画像を少なくとも2つの対象領域に分割するステップは、元の再生画像を、等しい分割方法または自由な分割方法で、少なくとも2つの対象領域に分割するステップを有している。
【0040】
具体的には、単一の再生ウィンドウは、クライアント上で前もって複数の対象領域に分割され得る。対象領域のサイズは、同じまたは異なっていてもよく、対象領域は、不規則な領域として設定されてもよい。加えて、本発明の実施形態において、対象領域と再生ウィンドウとの間の対応関係が決定され得る。元の再生画像を対象領域に分割するステップは、手動でユーザによって実行されてもよく、またクライアントソフトウェアによって自動的に構成されてもよく、この構成はクライアント上に保存される。
【0041】
画像は、等しい分割方法または自由な分割方法で分割され得る。具体的な構成プロセスが
図4および
図5に示されている。例えば、
図4に示すように、画像を等しい分割方法で対象領域に分割する方法は、以下のステップを有している。
S111: 右クリックメニューまたはツールバーボタンをクリックして、構成ウィンドウを表示する。
S112: ポップアップ構成ウィンドウ内で、対象領域の数を設定する。例えば、対象領域の数を16に設定する。
S113: 対象領域上で右クリックして、対象領域に結合された再生ウィンドウを設定する。
S114: トリガイベントが対象領域内で発生する時に、再生ウィンドウを選択して、対象領域内のビデオを再生する。
【0042】
図5に示すように、画像を自由な分割方法で対象領域に分割する方法は、例えば、以下のステップを有し得る。
S115: 右クリックメニューまたはツールバーボタンをクリックして、構成ウィンドウをポップアップする。
S116: ポップアップ構成ウィンドウ内で、マウスをドラッグして、対象領域を描く。対象領域のサイズおよび形状は、同じまたは異なっていてもよい。
S117: 対象領域上で右クリックして、対象領域に結合された再生ウィンドウを設定する。
S118: トリガイベントが対象領域内で発生する時に、再生ウィンドウを選択して、対象領域内のビデオを再生する。
【0043】
本発明の実施形態において、対象領域に分割される元の再生画像は、表示装置上の最大の再生ウィンドウ内の全再生画像であってもよいし、最大の再生ウィンドウ内で同時に再生される複数の画像の中の一つ以上の画像であってもよいことは理解されるべきである。
本発明の実施形態は、これらに限定されるわけではない。
【0044】
S120において、ビデオ再生装置は、少なくとも2つの対象領域の中で、トリガイベントが発生する第1の対象領域を決定して、別の再生ウィンドウの中で第1の対象領域内の画像を表示し、これにより画像細部の表示効果を改善する。
【0045】
本発明の実施形態において、ユーザは、手動でイベントをトリガして、対象領域を決定することもできるし、自動的に生成されたトリガイベントを検出して、対象領域を決定することもできる。これらは、以下で、それぞれ
図6および
図7を参照して説明される。
【0046】
図6に示すように、オプションとして、少なくとも2つの対象領域の中で、トリガイベントが発生する第1の対象領域を決定するステップは、以下のステップを有している。
S121: 元の再生画像内の対象領域上でユーザによって実行されるトリガ動作を決定する。
トリガ動作は、クリック動作、ダブルクリック動作、または対象領域を選択する動作を含む。
S122: トリガ動作が第1の対象領域として実行される対象領域を決定する。
【0047】
具体的には、ユーザがビデオを見る時に、イベントの発生を検出する場合、ユーザは、クライアントインターフェイス上で動作することができる。例えば、元の再生画像内の対象領域上でトリガ動作を実行して、これにより、イベントが発生する対象領域内の画像は、予め指定された再生ウィンドウ内で再生されるか、または独立したポップアップ再生ウィンドウ内に表示される。イベントが複数の対象領域内で発生する時、ユーザは、表示のための複数のウィンドウをトリガすることができる。トリガ動作は、例えば、クリック動作、ダブルクリック動作、または対象領域を選択する動作である。本発明の実施形態は、これらに限定されるわけではない。
【0048】
図7は、本発明の実施形態による、トリガイベントが発生する対象領域を決定する方法の他の概略フローチャートを示している。
図7に示すように、オプションとして、少なくとも2つの対象領域の中で、トリガイベントが発生する第1の対象領域を決定するステップは、以下のステップを有している。
S123: 元の再生画像内のトリガイベント発生ポイントの座標メタデータを取得する。
S124: 座標メタデータに従って、トリガイベント発生ポイントが属する対象領域を第1の対象領域として決定する。
【0049】
具体的には、例えば、ユーザは、自動イベント検出を必要とする領域を予め構成することができ、かつイベント検出規則、例えば、動き検出またはインテリジェント分析検出を構成することができる。イベントが発生する時、クライアントソフトウェアは、トリガイベント発生ポイントの座標メタデータに従って、前もって構成された対応する対象領域を決定することができるので、対応する画像は、予め指定された再生ウィンドウで再生されるか、または独立したポップアップ再生ウィンドウに表示される。イベントが複数の対象領域で発生する時、クライアントソフトウェアは、表示のための複数のウィンドウを起動することができる。
【0050】
不規則なインテリジェント分析領域の中では、トリガイベントは、複数の対象領域をカバーし得るし、この時、複数の対象領域は、トリガイベントが発生する第1の対象領域として決定され得ることは理解されるべきである。本発明の実施形態は、これに限定されるわけではない。
【0051】
本発明の実施形態において、ビデオ再生装置は、動き検出、インテリジェント分析検出などによって、トリガイベントが対象領域内で発生するかどうかを判定することができる。中央サーバも、検出を実行して、トリガイベントが対象領域内で発生するかどうかを決定することができる。そして、トリガイベントが検出される時、中央サーバは、トリガイベント発生ポイントの座標メタデータを、ビデオ再生装置にフィードバックすることができるので、ビデオ再生装置は、座標メタデータに従って、トリガイベントが発生する第1の対象領域を決定することができる。本発明の実施形態は、これに限定されるわけではない。
【0052】
S130において、ビデオ再生装置は、第1の対象領域内に表示される第1のビデオ画像の復号データを得るので、第1のビデオ画像は、指定された再生ウィンドウで再生される。
本発明の実施形態において、オプションとして、
図8に示すように、第1の対象領域に表示される第1のビデオ画像の復号データを取得するステップは、以下のステップを有している。
S131: 元の再生画像の復号データを取得する。
S132: 元の再生画像の復号データに従って、第1のビデオ画像の復号データを決定する。
【0053】
具体的には、例えば、ビデオ再生装置は、クリック、ダブルクリック、ツールバーボタンのクリック、またはショートカットキーの方法で、ユーザによって手動でトリガされるイベントを受信する。この装置は、対象領域に属しているデータの内容を、元の再生ウィンドウの復号されたYUVデータから遮断して、予め構成された対応関係に従って、この内容の一部を、予め指定された再生枠内で再生する(または、独立した再生ウィンドウを表示して、この一部を再生する)ことができる。複数の再生ウィンドウは、同じYUVデータソースを用いる。従って、この装置は、追加の複数のビデオストリームを持ち込むかまたは加える必要はない。
【0054】
例えば、元の再生画像の解像度が、Width×Heightであると仮定する。対象領域に関して、開始点の水平座標をStartX、開始点の垂直座標をStartY、終点の水平座標をEndX、終点の垂直座標をEndYとする。元の再生画像のYUVデータは、配列Org[Width×Height]の中にあり、対象領域のYUVデータは、Dst[ROIWidth×ROIHeight]の中にあり、nは対象領域内の任意の点である。そして、対象領域内のYUVデータは、以下の式に従って決定され得る。
ROIWidth = EndX-StartX
ROIHeight = EndY-StartY
Dst[n] = Org[(Width×(StartY+n/ROIWidth)+StartX+n%ROIWidth)]
除算演算"/"は、端数を切り捨てて最も近い整数に丸めることを示し、シンボル"%"は、REM演算を示している。
【0055】
S140において、ビデオ再生装置は、第1のビデオ画像の復号データを、再生のための指定された再生ウィンドウに描画する。
【0056】
具体的には、ビデオ再生装置は、ポップアップウインドウ内で第1のビデオ画像を再生するか、または新しい再生ウィンドウ内に第1のビデオ画像を表示するか、または元の再生ウィンドウ内に第1のビデオ画像を表示することができ、かつ第1のビデオ画像上でデジタルズームを実行して、再生ウィンドウのサイズに合わせることができる。すなわち、本発明の実施形態において、指定されたウィンドウは、表示装置上での最大の再生ウィンドウであってもよいし、最大の再生ウィンドウの一部であってもよい。指定されたウィンドウは、現在の既存の再生ウィンドウまたは既存の再生ウィンドウの一部であってもよく、また新しいポップアップまたは新しく生成された再生ウィンドウであってもよい。指定されたウィンドウは、1つのウィンドウであってもよく、複数のウィンドウであってもよい。本発明の実施形態は、これらに限定されるわけではない。
【0057】
本発明の実施形態において、オプションとして、第1のビデオ画像の復号データを、再生のための指定された再生ウィンドウに描画するステップは、
第1のビデオ画像の復号データを、再生のための指定された再生ウィンドウに、ズームイン方法で描画するステップを有していて、指定された再生ウィンドウは、第1の対象領域より大きい。
【0058】
本発明の実施形態において、例えば、
図9に示すように、第1のビデオ画像の復号データを、再生のための指定された再生ウィンドウに描画するステップは、以下のステップを有している。
S142: 独立した再生ウィンドウを表示する。
S143: 第1のビデオ画像の復号データを、再生のための独立した再生ウィンドウに描画する。
【0059】
本発明の実施形態において、指定された再生ウィンドウは、独立したポップアップ再生ウィンドウであり、この独立したポップアップ再生ウィンドウは、第1の対象領域より大きくてもよいので、第1のビデオ画像は、ズームイン方法で再生されるが、本発明の実施形態は、これに限定されるわけではないことは理解されるべきである。例えば、独立した再生ウィンドウは、第1の対象領域より小さいか、または等しくてもよい。
【0060】
本発明の実施形態において、「Aに対応するB」は、BがAと関連していることを示していて、BがAに従って決定され得ることは理解されるべきである。しかし、Aに従ってBを決定することは、BがAのみに従って決定されることを意味するのではなく、BがAおよび/または他の情報に従って決定され得ることも理解されるべきである。
【0061】
本発明の実施形態において、前述のプロセスの続き番号は、実行順序を示しているのではないことは理解されるべきである。プロセスの実行順序は、機能およびその固有の論理に従って決定されるべきであり、本発明の実施形態の実施に、いかなる制限も設けるべきではない。
【0062】
従って、本発明の実施形態によるビデオ再生方法は、元の再生画像を複数の対象領域に分割して、トリガイベントが発生する対象領域の画像を別に表示する。従って、一態様では、ユーザは、対象領域のより明確な画像の細部を観察することができ、別の態様では、ユーザは、同時に複数の対象領域の画像の細部を追跡することができ、これによりユーザ経験を大幅に向上させる。加えて、本発明の実施形態では、元の復号データを用いて、対象領域の画像を再生するが、追加のビデオストリームを加えることはない。
【0063】
図10から
図12Bを参照して、以下、本発明の実施形態によるビデオ再生方法を詳細に説明する。
【0064】
図10に示すように、ビデオ再生方法200はビデオ再生装置によって実行され得る。
そして、この装置は、例えば、端末またはクライアントである。方法200は、以下のステップを有し得る。
S201: クライアントのグラフィカルユーザインターフェイス(graphical user interface、略してGUI)を表示する。
S202: 再生画像分割方法を設定すべきかどうか決定する。再生画像分割方法を設定することが決定される場合、プロセスはS203へ進む。さもなければ、プロセスはS204へ進む。
S203: 再生画像分割方法を設定する。そして、プロセスはS204へ進む。
S204: ユーザが再生を始めるかどうか決定する。ユーザが再生を始めることが決定される場合、プロセスはS205へ進む。さもなければ、プロセスはS201へ進む。
S205: ネットワークポートを使用可能にする。
S206: メディアストリームを受信して、このメディアストリームを復号し、復号されたメディアストリームを、表示のための表示装置に描画する。
S207: ユーザが手動でイベントをトリガするかどうか決定する。ユーザが手動でイベントをトリガすることが決定される場合、プロセスはS208へ進む。さもなければ、プロセスはS209へ進む。
S208: ユーザが手動でイベントをトリガすることを決定する時、イベント発生領域を、指定されたウィンドウに、ズームイン方法で表示する。そして、プロセスはS206へ進む。
S209: 装置が自動的にイベントをトリガするかどうか決定する。装置が自動的にイベントをトリガすることが決定される場合、プロセスはS210へ進む。さもなければ、プロセスはS211へ進む。
S210: 装置が自動的にイベントをトリガすることを決定する時、イベント発生領域を、指定されたウィンドウに、ズームイン方法で表示する。そして、プロセスはS206へ進む。
S211: ユーザが再生を終えるかどうか決定する。ユーザが再生を終えることが決定される場合、プロセスはS212へ進む。さもなければ、プロセスはS206へ進む。
S212: ユーザがクライアントを閉じるかどうか決定する。ユーザがクライアントを閉じることが決定される場合、プロセスはS213へ進む。さもなければ、プロセスはS201へ進む。
S213: システムリソースをクリーンアップする。そして、ビデオ再生を終了する。
【0065】
本発明の実施形態において、前述のプロセスの続き番号は、実行順序を示しているのではないことは理解されるべきである。プロセスの実行順序は、機能およびその固有の論理に従って決定されるべきであり、本発明の実施形態の実施に、いかなる制限も設けるべきではない。
【0066】
図11Aは、本発明の一実施形態による、対象領域が手動でトリガされる再生方法300の概略フローチャートを示している。方法300は、ビデオ再生装置によって実行され得る。そして、この装置は、例えば、端末またはクライアントである。
図11Aに示すように、方法300は、以下のステップを有している。
S301: 元の再生ウィンドウ内のビデオ画像の各フレームを普通に描画して再生する。
S302: ユーザが手動でイベントをトリガするかどうか決定する。ユーザが手動でイベントをトリガすることが決定される場合、プロセスはS303へ進む。さもなければ、プロセスはS301へ進む。
S303: ユーザイベントが位置する対象領域を取得する。
S304: 対象領域に結合された再生ウィンドウをチェックする。
S305: ビデオ画像の各フレームのために、対象領域によってカバーされるビデオ画像のYUVデータを計算する。
S306: ビデオ画像の各フレームのために、対象領域のYUVデータを、再生のための指定された再生ウィンドウに描画する。例えば、
図12Aに示すように、再生ウィンドウ全体は、元の再生画像ウィンドウと同じサイズを有する元の再生画像ウィンドウおよび3つの指定された再生ウィンドウを含み、元の再生画像は、16の対象領域に分割される。そして、手動トリガイベントが発生する対象領域の画像は、指定された再生ウィンドウのうちの1つ上で、ズームイン方法で再生される。
S307: ユーザが再生を終えるかどうか決定する。ユーザが再生を終えることが決定される場合、プロセスはS308へ進む。さもなければ、プロセスはS305へ進む。
S308: ビデオ再生を停止する。そして、プロセスを終了する。
【0067】
図11Bは、本発明の一実施形態による、対象領域がイベントによって自動的にトリガされる再生方法400の概略フローチャートである。この方法400は、以下のステップを有し得る。
S401: 元の再生ウィンドウ内のビデオ画像の各フレームを普通に描画して再生する。
S402:インテリジェント分析を実行して、トリガイベントが発生するかどうか決定する。
トリガイベントが発生することが決定される場合、プロセスはS403へ進む。さもなければ、プロセスはS401へ進む。
S403: インテリジェント分析領域と、対象領域との間の対応関係を計算する。
S404: 分析イベントによってカバーされる対象領域(または複数の対象領域)を取得する。
S405: 対象領域に結合された再生ウィンドウをチェックする。
S406: ビデオ画像の各フレームのために、対象領域によってカバーされるビデオ画像のYUVデータを計算する。
S407: ビデオ画像の各フレームのために、対象領域のYUVデータを、再生のための指定された再生ウィンドウに描画する。例えば、
図12Bに示すように、再生ウィンドウ全体は、元の再生画像ウィンドウと同じサイズを有する元の再生画像ウィンドウおよび3つの指定された再生ウィンドウを含み、元の再生画像は、16の対象領域に分割される。そして、トリガイベントが発生する対象領域の画像は、指定された再生ウィンドウのうちの1つ上で、ズームイン方法で再生される。
S408: ユーザが再生を終えるかどうか決定する。ユーザが再生を終えることが決定される場合、プロセスはS409へ進む。さもなければ、プロセスはS406へ進む。
S409: ビデオ再生を停止する。そして、プロセスを終了する。
【0068】
本発明の実施形態において、前述のプロセスの続き番号は、実行順序を示しているのではないことは理解されるべきである。プロセスの実行順序は、機能およびその固有の論理に従って決定されるべきであり、本発明の実施形態の実施に、いかなる制限も設けるべきではない。
【0069】
従って、本発明の実施形態によるビデオ再生方法は、元の再生画像を複数の対象領域に分割して、トリガイベントが発生する対象領域の画像を別に表示する。従って、一態様では、ユーザは、対象領域のより明確な画像の細部を観察することができ、別の態様では、ユーザは、同時に複数の対象領域の画像の細部を追跡することができ、これによりユーザ経験を大幅に向上させる。
【0070】
以上、
図1から
図12Bを参照して、本発明の実施形態によるビデオ再生方法を詳細に説明した。以下では、
図13から
図20を参照して、本発明の実施形態によるビデオ再生端末およびシステムを詳細に説明する。
【0071】
図13は、本発明の実施形態による端末500の概略ブロック図を示している。
図13に示すように、端末500は、
元の再生画像を少なくとも2つの対象領域に分割するように構成された分割モジュール510と、
分割モジュール510によって選び出された少なくとも2つの対象領域の中で、トリガイベントが発生する第1の対象領域を決定するように構成された第1の決定モジュール520と、第1の決定モジュール520によって決定された第1の対象領域の中に表示される第1のビデオ画像の復号データを取得するように構成された取得モジュール530と、
取得モジュール530によって取得された第1のビデオ画像の復号データを、再生のための指定された再生ウィンドウに描画するように構成された再生モジュール540とを備えている。
【0072】
従って、本発明の実施形態によるビデオ再生端末は、元の再生画像を複数の対象領域に分割して、トリガイベントが発生する対象領域の中の画像を別に表示する。従って、一態様では、ユーザは、対象領域のより明確な画像の細部を観察することができ、別の態様では、ユーザは、同時に複数の対象領域の画像の細部を追跡することができ、これによりユーザ経験を大幅に向上させる。
【0073】
本発明の実施形態において、ビデオ再生端末は、ビデオファイルを再生することができるだけではなく、リアルタイムビデオストリームを再生することもできることは理解されるべきである。本発明の実施形態は、端末がリアルタイムビデオストリームを再生する例に基づいて記載されているが、本発明の実施形態は、これに限定されるわけではない。
【0074】
本発明の実施形態において、オプションとして、
図14に示すように、端末500は、
少なくとも2つの対象領域の中の各対象領域と、指定された再生ウィンドウとの間の対応関係を決定するように構成された第2の決定モジュール550を更に有していて、
再生モジュール540は、第2の決定モジュール550によって決定された対応関係に従って、取得モジュール530によって取得された第1のビデオ画像の復号データを、再生のための第1の対象領域に対応する指定された再生ウィンドウに描画するように更に構成されている。
【0075】
本発明の実施形態において、オプションとして、分割モジュール510は、元の再生画像を少なくとも2つの対象領域に、等しい分割方法または自由な分割方法で分割するように更に構成されている。
【0076】
本発明の実施形態において、オプションとして、
図15に示すように、第1の決定モジュール520は、
元の再生画像の中の対象領域上でユーザによって実行されるトリガ動作を決定するように構成された第1の決定ユニット521を有していて、トリガ動作は、クリック動作、ダブルクリック動作、または対象領域を選択する動作を含み、
更に、第1の決定ユニット521によって決定されたトリガ動作が第1の対象領域として実行される対象領域を決定するように構成された第2の決定ユニット522を有している。
【0077】
本発明の実施形態において、オプションとして、
図16に示すように、第1の決定モジュール520は、
元の再生画像内のトリガイベント発生ポイントの座標メタデータを取得するように構成された第1の取得ユニット523と、
第1の取得ユニット523によって取得された座標メタデータに従って、トリガイベント発生ポイントが属する対象領域を第1の対象領域として決定するように構成された第3の決定ユニット524とを有している。
【0078】
本発明の実施形態において、オプションとして、
図17に示すように、取得モジュール530は、
元の再生画像の復号データを取得するように構成された第2の取得ユニット531と、
第2の取得ユニット531によって取得された元の再生画像の復号データに従って、第1のビデオ画像の復号データを決定するように構成された第3の決定ユニット532とを有している。
【0079】
本発明の実施形態において、オプションとして、再生モジュールは、第1のビデオ画像の復号データを、再生のための指定された再生ウィンドウに、ズームイン方法で描画するように更に構成されていて、指定された再生ウィンドウは、第1の対象領域より大きい。
【0080】
本発明の実施形態において、オプションとして、
図18に示すように、再生モジュール540は、
独立した再生ウィンドウを表示するように構成された表示ユニット541と、
第1のビデオ画像の復号データを、再生のための表示ユニットによって表示された独立した再生ウィンドウに描画するように構成された再生ユニット542とを有している。
【0081】
本発明の実施形態によるビデオ再生端末500が、本発明の前述の実施形態におけるビデオ再生装置に対応し得ること、および、前述および他の端末500ジュールの動作および/または機能が、それぞれ
図1から
図12Bにおける方法100から400の対応するプロセスを実行するために用いられることは理解されるべきであり、これらは、説明を簡潔にするために、ここに繰り返さない。
【0082】
従って、本発明の実施形態によるビデオ再生端末は、元の再生画像を複数の対象領域に分割して、トリガイベントが発生する対象領域の画像を別に表示する。従って、一態様では、ユーザは、対象領域の中のより明確な画像の細部を観察することができ、別の態様では、ユーザは、同時に複数の対象領域の中の画像の細部を追跡することができ、これによりユーザ経験を大幅に向上させる。
【0083】
図19は、本発明の一実施形態によるシステム600の概略ブロック図である。
図19に示すように、システム600は、
本発明の実施形態による端末610と、
ビデオ画像をキャプチャして、このビデオ画像をエンコードすることによってメディアストリームを生成するように構成されたビデオキャプチャシステム620と、
ビデオキャプチャシステムによって生成されたメディアストリームを取得して、このメディアストリームを端末620に供給するように構成されたサーバ630と、
サーバ630によって取得されたメディアストリームを記憶するように構成された記憶装置640とを備えている。
【0084】
本発明の実施形態によるビデオ再生システム600に含まれている端末610が、本発明の前述の実施形態におけるビデオ再生端末500に対応し得ること、および、前述および他の端末610内のモジュールの動作および/または機能が、それぞれ
図1から
図12Bにおける方法100から400の対応するプロセスを実行するために用いられることは理解されるべきであり、これらは、説明を簡潔にするために、ここに繰り返さない。
【0085】
従って、本発明の実施形態によるビデオ再生システムは、元の再生画像を複数の対象領域に分割して、トリガイベントが発生する対象領域の画像を別に表示する。従って、一態様では、ユーザは、対象領域の中のより明確な画像の細部を観察することができ、別の態様では、ユーザは、同時に複数の対象領域の中の画像の細部を追跡することができ、これによりユーザ経験を大幅に向上させる。
【0086】
本発明の実施形態は、ビデオ再生端末を更に提供する。
図20に示すように、端末700は、プロセッサ710、メモリ720、およびバスシステム730を備えていて、プロセッサ710とメモリ720は、バスシステム730を通して互いに接続されている。メモリ720は、命令を記憶するように構成されていて、プロセッサ710は、メモリ720に記憶された命令を実行するように構成されている。プロセッサ710は、元の再生画像を少なくとも2つの対象領域に分割し、少なくとも2つの対象領域の中で、トリガイベントが発生する第1の対象領域を決定し、第1の対象領域の中に表示される第1のビデオ画像の復号データを取得し、第1のビデオ画像の復号データを、再生のための指定された再生ウィンドウに描画するように構成されている。
【0087】
従って、本発明の実施形態によるビデオ再生端末は、元の再生画像を複数の対象領域に分割して、トリガイベントが発生する対象領域の画像を別に表示する。従って、一態様では、ユーザは、対象領域の中のより明確な画像の細部を観察することができ、別の態様では、ユーザは、同時に複数の対象領域の中の画像の細部を追跡することができ、これによりユーザ経験を大幅に向上させる。
【0088】
本発明の実施形態において、プロセッサ710は、中央処理ユニット(Central Processing Unit、略してCPU)であってもよく、かつプロセッサ710は、他の一般のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、略してDSP)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、略してASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、略してFPGA)、または他のプログラマブルロジックデバイス、独立したゲートまたはトランジスタロジックデバイス、独立したハードウェアコンポーネント等であってもよいことは理解されるべきである。一般のプロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいし、または、このプロセッサは、任意の共通プロセッサ等であってもよい。
【0089】
メモリ720は、リードオンリーメモリおよびランダムアクセスメモリを含んでいてもよく、命令およびデータをプロセッサ710に供給する。メモリ720の一部が、不揮発性ランダムアクセスメモリを更に含んでいてもよい。例えば、メモリ720は、装置タイプ情報を更に記憶していてもよい。
【0090】
データバスに加えて、バスシステム730は、パワーバス、制御バス、状態信号バス等を更に含んでいてもよい。しかし、説明を明確にするために、全てのバスは、図の中ではバスシステム730として示されている。
【0091】
実施の間、前述の方法の各ステップは、プロセッサ710内のハードウェアの集積論理回路を通して、またはソフトウェア内の命令の形で実施され得る。本発明の実施形態の中で開示された方法に関するステップは、ハードウェアプロセッサによって、またはプロセッサ内のハードウェアとソフトウェアモジュールの組み合わせによって実行されるものとして直接実施され得る。ソフトウェアモジュールは、この技術において成熟した記憶媒体、例えばランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ、プログラマブルリードオンリーメモリ、電気的に消去可能なプログラマブルメモリ、およびレジスタの中に位置し得る。記憶媒体は、メモリ720の中に位置している。プロセッサ710は、メモリ720内の情報を読み出して、そのハードウェアと連動して、方法のステップを実施する。繰り返しを避けるために、詳細を再びここで述べることはしない。
【0092】
一実施形態として、オプションとして、プロセッサ710は、少なくとも2つの対象領域の中の各対象領域と、指定された再生ウィンドウとの間の対応関係を決定するように更に構成されている。プロセッサ710が、第1のビデオ画像の復号データを、再生のための指定された再生ウィンドウに描画することは、対応関係に従って、第1のビデオ画像の復号データを、再生のための第1の対象領域に対応する指定された再生ウィンドウに描画することを含む。
【0093】
一実施形態として、オプションとして、プロセッサ710が、元の再生画像を少なくとも2つの対象領域に分割することは、元の再生画像を少なくとも2つの対象領域に、等しい分割方法または自由な分割方法で分割することを含む。
【0094】
一実施形態として、オプションとして、プロセッサ710が、少なくとも2つの対象領域の中で、トリガイベントが発生する第1の対象領域を決定することは、元の再生画像の中の対象領域上でユーザによって実行されるトリガ動作を判定することを含み、トリガ動作は、クリック動作、ダブルクリック動作、または対象領域を選択する動作を含み、更に、トリガ動作が実行される対象領域を第1の対象領域として決定することを含む。
【0095】
一実施形態として、オプションとして、プロセッサ710が、少なくとも2つの対象領域の中で、トリガイベントが発生する第1の対象領域を決定することは、元の再生画像の中のトリガイベント発生ポイントの座標メタデータを取得することと、座標メタデータに従って、トリガイベント発生ポイントが属する対象領域を第1の対象領域として決定することとを含む。
【0096】
一実施形態として、オプションとして、プロセッサ710が、第1の対象領域の中に表示される第1のビデオ画像の復号データを取得することは、元の再生画像の復号データを取得することと、元の再生画像の復号データに従って、第1のビデオ画像の復号データを決定することとを含む。
【0097】
一実施形態として、オプションとして、端末700は、第1のビデオ画像の復号データを、再生のための指定された再生ウィンドウに、ズームイン方法で描画するように更に構成されていて、指定された再生ウィンドウは、第1の対象領域より大きい。
【0098】
一実施形態として、オプションとして、端末700は、ディスプレイ740を更に備えている。プロセッサ710が、第1のビデオ画像の復号データを、再生のための指定された再生ウィンドウに描画することは、独立した再生ウィンドウを表示することを含み、ディスプレイ740は、第1のビデオ画像の復号データを、再生のための独立した再生ウィンドウに描画するように構成されている。
【0099】
本発明の実施形態によるビデオ再生端末700が、本発明の前述の実施形態におけるビデオ再生端末500または端末610に対応し得ること、および、前述および他の端末700内のモジュールの動作および/または機能が、それぞれ
図1から
図12Bにおける方法100から400の対応するプロセスを実行するために用いられることは理解されるべきであり、これらは、説明を簡潔にするために、ここに繰り返さない。
【0100】
従って、本発明の実施形態によるビデオ再生端末は、元の再生画像を複数の対象領域に分割して、トリガイベントが発生する対象領域の画像を別に表示する。従って、一態様では、ユーザは、対象領域の中のより明確な画像の細部を観察することができ、別の態様では、ユーザは、同時に複数の対象領域の中の画像の細部を追跡することができ、これによりユーザ経験を大幅に向上させる。
【0101】
この明細書の中で開示された実施形態に記載されている例と組み合わせて、ユニットおよびアルゴリズムステップが、電子的ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはそれらの組み合わせによって実施され得ることに、当業者は気づき得る。ハードウェアとソフトウェアの間の互換性を明確に述べるために、上記では、機能に従って、各例の構成およびステップを概略説明した。機能がハードウェアによって実行されるのか、またはソフトウェアによって実行されるのかは、具体的なアプリケーションおよび技術的解決策の設計制約条件による。当業者は、異なる方法を用いて、各々の特定のアプリケーションのために、記載された機能を実施することができるが、この実施は、本発明の範囲を越えると考えるべきではない。
【0102】
便利で簡潔な説明のために、前述のシステム、装置、およびユニットの詳細な動作プロセスに対して、参照が方法の実施形態の中の対応するプロセスになされることができ、詳細が再度ここに記載されないことは、当業者によって明確に理解され得る。
【0103】
本願の中で提示されているいくつかの実施形態において、開示されたシステム、装置、および方法が、他のやり方で実施され得ることは理解されるべきである。例えば、記載した装置の実施形態は、単なる例示である。例えば、ユニットの分割は、単なる論理的機能の分割であって、実際の実施においては他の分割であってもよい。例えば、複数のユニットまたは構成要素は、組み合わせることができ、または他のシステムの中に組み込むこともでき、またはいくつかの特徴を無視するかまたは実行しないこともできる。加えて、示されたか述べられた相互結合または直接結合または通信接続は、いくつかのインターフェイスを通して実施され得る。装置間またはユニット間の間接結合または通信接続は、電子的、機械的、または他の形で実施され得る。
【0104】
別々の部分として述べられたユニットは、物理的に別々でもよいし、そうでなくてもよい。そして、ユニットとして示された部分は、物理ユニットであってもよいし、そうでなくてもよく、1つの位置にあってもよいし、複数のネットワークユニット上に分散されていてもよい。ここでのユニットの一部または全部は、本発明の実施形態の解決策の目的を達成するための実際の必要に従って選択され得る。
【0105】
加えて、本発明の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットの中に組み込まれていてもよいし、ユニットの各々が、物理的に単独で存在していてもよいし、2つ以上のユニットが、1つのユニットの中に組み込まれていてもよい。組み込まれたユニットは、ハードウェアの形で実施されてもよいし、ソフトウェア機能ユニットの形で実施されてもよい。
【0106】
組み込まれたユニットがソフトウェア機能ユニットの形で実施され、独立した製品として販売または使用される時、組み込まれたユニットは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。このような理解に基づいて、本発明の技術的解決策は本質的に、または従来技術に関与している部分、または技術的解決策の全部または一部は、ソフトウェア製品の形で実施され得る。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、コンピュータ装置(それは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワーク装置等であってもよい)に命令するためのいくつかの命令を含み、本発明の実施形態に記載されている方法のステップの全部または一部を実行する。前述の記憶媒体は、プログラムコードを記憶することができるいかなる媒体、例えばUSBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、略してROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク、または光ディスクも含む。
【0107】
前述の説明は、単に本発明の具体的な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲を限定することを意図しているのではない。本発明の技術的範囲の中の、当業者によって直ちに理解される、いかなる等価な変形または置換も、本発明の保護範囲に入るものとする。従って、本発明の保護範囲は、請求項の保護範囲に従うものとする。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、ビデオ監視に利用することができる。
【符号の説明】
【0109】
500 端末
510 分割モジュール
520 第1の決定モジュール
530 取得モジュール
540 再生モジュール
600 システム
610 端末
620 ビデオキャプチャシステム
630 サーバ
640 記憶装置