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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-18
(45)【発行日】2022-08-26
(54)【発明の名称】位置決め方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 19/45 20100101AFI20220819BHJP
   G01S 17/89 20200101ALI20220819BHJP
【FI】
G01S19/45
G01S17/89
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021064166
(22)【出願日】2021-04-05
(65)【公開番号】P2021107822
(43)【公開日】2021-07-29
【審査請求日】2021-04-05
(31)【優先権主張番号】202010401600.4
(32)【優先日】2020-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514322098
【氏名又は名称】ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing Baidu Netcom Science Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】2/F Baidu Campus, No.10, Shangdi 10th Street, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ ウェンジエ
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ レンラン
(72)【発明者】
【氏名】リ シャオタオ
(72)【発明者】
【氏名】ソン シユ
【審査官】梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0299273(US,A1)
【文献】特開2016-188806(JP,A)
【文献】特開2020-008346(JP,A)
【文献】特開2016-080460(JP,A)
【文献】Wan Guowei, et al.,Robust and Precise Vehicle Localization Based on Multi-Sensor Fusion in Diverse City Scenes,2018 IEEE International Conference on Robotics and Automation (ICRA),米国,IEEE,2018年05月21日,pages 4670-4677,DOI: 10.1109/ICRA.2018.8461224
【文献】Cavalheri, Emerson Pereira, et al.,Improved kinematic Precise Point Positioning performance with the use map constraints,Journal of Applied Geodesy,2020年01月14日,Vol. 14, No. 2,pages 191-204,DOI:10.1515/jag-2019-0034
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00 - 5/14
G01S 7/48 - 7/51
G01S 17/00 - 19/55
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G05D 1/00 - 1/12
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が現在位置決め時刻に車載レーダーにより車両周囲の環境をスキャンして点群データを取得し、前記点群データを予め構築されたレーザ点群反射値マップの位置に投影して第1の位置決め結果を決定するステップと、
前記第1の位置決め結果を用いて、前記第1の位置決め結果にしたがって決定した車載GNSS受信機の位置と、前記現在位置決め時刻で直交座標系における前記車両の位置を指示するための第2の位置決め結果との位置関係を指示するための制約条件を構築するステップと、
前記制約条件を用いて前記車載GNSS受信機の観測データで精密単一点位置決めPPPを行って、前記第2の位置決め結果を取得するステップと、
前記第2の位置決め結果を用いて、前記車両を制御するステップと、を含み、
前記第1の位置決め結果を用いて、制約条件を構築する前記ステップは、
前記第1の位置決め結果にしたがって、前記直交座標系における前記GNSS受信機の位置を決定するステップと、
前記直交座標系における前記GNSS受信機の位置にしたがって、下記方程式を満たす制約条件を構築するステップと、を含み、
【数1】
ここで、前記
【数2】
は前記直交座標系における前記車載GNSS受信機のx座標を示し、前記
【数3】
は前記直交座標系における前記車載GNSS受信機のy座標を示し、前記
【数4】
は前記直交座標系における前記車載GNSS受信機のz座標を示し、前記
【数5】
は計算対象の第2の位置決め結果のx座標を示し、前記
【数6】
は計算対象の第2の位置決め結果のy座標を示し、前記
【数7】
は計算対象の第2の位置決め結果のz座標を示し、
前記制約条件を用いて前記車載GNSS受信機の観測データで精密単一点位置決めPPPを行って、第2の位置決め結果を取得する前記ステップは、
前記観測データを用いて観測方程式を構築するステップと、
下記のような前記観測方程式を用いて前記制約条件でPPP位置決めを行って、前記第2の位置決め結果を取得するステップと、を含み、
【数8】
ここで、
【数9】
は衛星と前記車両との擬似距離を示し、
【数10】
はキャリア位相の整数アンビギュイティを示し、
【数11】
は前記衛星と前記GNSS受信機との距離を示し、
【数12】
は観測方向の余弦を示し、
【数13】
衛星と車載GNSS受信機とのクロック誤差の補正量を示し、
【数14】
はトロポスフィア偏差を示し、
【数15】
はイオノスフィア偏差を示し、
【数16】
はノイズ定数を示し、
【数17】
は座標増分とクロック誤差変化を含む推定対象の状態量を示し、
【数18】
は真空中の光速を示
【数19】
はGNSS受信機観測の位相変化を示し、
【数20】
はGNSS受信機受信の波長を示す、
ことを特徴とする位置決め方法。
【請求項2】
前記車両の現在位置決め時刻での点群データを用いて、第1の位置決め結果を決定する前記ステップは、
前記点群データを車体座標系から世界座標系に変換して、変換データを取得するステップと、
前記変換データを前記レーザ点群反射値マップに投影して、投影領域を取得するステップと、
前記投影領域にしたがって、前記レーザ点群反射値マップから複数のマッチング対象の領域を決定するステップと、
前記投影領域と各前記マッチング対象の領域とのマッチング確率を決定して、複数のマッチング確率を取得するステップと、
前記複数のマッチング確率にしたがって、前記第1の位置決め結果を決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置決め方法。
【請求項3】
前記複数のマッチング確率にしたがって、前記第1の位置決め結果を決定する前記ステップは、
前記複数のマッチング確率の各々のマッチング確率の予測確率を決定して、複数の予測確率を取得し、各前記予測確率は前記現在位置決め時刻の前の第1の位置決め時刻に対応するマッチング確率であるステップと、
前記複数のマッチング確率のそれぞれに対応する予測確率を用いて、前記複数のマッチング確率の各々のマッチング確率を更新して、複数の更新後のマッチング確率を取得するステップと、
前記複数の更新後のマッチング確率から、最大マッチング確率を決定するステップと、
前記最大マッチング確率に対応するマッチング対象の領域を用いて、前記第1の位置決め結果を決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の位置決め方法。
【請求項4】
前記複数のマッチング確率のそれぞれに対応する予測確率を用いて、前記複数のマッチング確率の各々のマッチング確率を更新して、複数の更新後のマッチング確率を取得する前記ステップは、
予め設定された正規化係数と、前記マッチング確率と、前記マッチング確率に対応する予測確率との積を用いて、前記マッチング確率ごとの前記更新後のマッチング確率を決定するステップを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の位置決め方法。
【請求項5】
前記制約条件を用いて前記車載GNSS受信機の観測データで精密単一点位置決めPPPを行って、前記第2の位置決め結果を取得するステップの前に、さらに
擬似距離とキャリア単一差分観測方程式を構築するステップと、
前記擬似距離とキャリア単一差分観測方程式を用いて前記観測データをフィルタリングすることにより、前記観測データにおける誤差データを除去するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置決め方法。
【請求項6】
前記車両の現在位置決め時刻での点群データを用いて、第1の位置決め結果を決定するステップの前に、
世界座標系で地球表面の地平面を同じ大きさと形状の複数のマップ領域に分割するステップと、
前記複数のマップ領域における各マップ領域を同じ大きさと形状の複数のマップセルに分割するステップと、
前記複数のマップセルの各々のマップセルに、それに対応するマップデータを記憶するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置決め方法。
【請求項7】
前記マップデータは、前記マップセルに対応する位置決め位置内の各レーザポイントのレーザ反射強度値の平均値と、前記マップセルに対応する前記位置決め位置内の各レーザポイントのレーザ反射強度値の分散値と、前記マップセルに対応する位置決め位置内のレーザポイントの数とのデータのうち、少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の位置決め方法。
【請求項8】
車両が現在位置決め時刻に車載レーダーにより車両周囲の環境をスキャンして点群データを取得し、前記点群データを予め構築されたレーザ点群反射値マップの位置に投影して第1の位置決め結果を決定するための決定モジュールと、
前記第1の位置決め結果を用いて、前記第1の位置決め結果にしたがって決定した車載GNSS受信機の位置と、前記現在位置決め時刻で直交座標系における前記車両の位置を指示するための第2の位置決め結果との位置関係を指示するための制約条件を構築するための第1の構築モジュールと、
前記制約条件を用いて前記車載GNSS受信機の観測データで精密単一点位置決めPPPを行って、前記第2の位置決め結果を取得するための位置決めモジュールと、
前記第2の位置決め結果を用いて、前記車両を制御するための制御モジュールと、を含み、
前記第1の構築モジュールは、前記第1の位置決め結果にしたがって、前記直交座標系における前記GNSS受信機の位置を決定し、前記直交座標系における前記GNSS受信機の位置にしたがって、下記方程式を満たす制約条件を構築するために用いられ、
【数21】
ここで、前記
【数22】
は前記直交座標系における前記車載GNSS受信機のx座標を示し、前記
【数23】
は前記直交座標系における前記車載GNSS受信機のy座標を示し、前記
【数24】
は前記直交座標系における前記車載GNSS受信機のz座標を示し、前記
【数25】
は計算対象の第2の位置決め結果のx座標を示し、前記
【数26】
は計算対象の第2の位置決め結果のy座標を示し、前記
【数27】
は計算対象の第2の位置決め結果のz座標を示
前記位置決めモジュールは、前記観測データを用いて観測方程式を構築し、下記のような前記観測方程式を用いて前記制約条件でPPP位置決めを行って、前記第2の位置決め結果を取得するために用いられ、
【数28】
ここで、
【数29】
は衛星と前記車両との擬似距離を示し、
【数30】
はキャリア位相の整数アンビギュイティを示し、
【数31】
は前記衛星と前記GNSS受信機との距離を示し、
【数32】
は観測方向の余弦を示し、
【数33】
は衛星と車載GNSS受信機とのクロック誤差の補正量を示し、
【数34】
はトロポスフィア偏差を示し、
【数35】
はイオノスフィア偏差を示し、
【数36】
はノイズ定数を示し、
【数37】
は推定対象の座標増分とクロック誤差変化を含む状態量を示し、
【数38】
は真空中の光速を示
【数39】
はGNSS受信機観測の位相変化を示し、
【数40】
はGNSS受信機受信の波長を示す、
ことを特徴とする位置決め装置
【請求項9】
前記決定モジュールは、前記点群データを車体座標系から世界座標系に変換して、変換データを取得し、前記変換データを前記レーザ点群反射値マップに投影して、投影領域を取得し、前記投影領域にしたがって、前記レーザ点群反射値マップから複数のマッチング対象の領域を決定し、前記投影領域と各前記マッチング対象の領域とのマッチング確率を決定して、複数のマッチング確率を取得し、前記複数のマッチング確率にしたがって、前記第1の位置決め結果を決定するために用いられる、
ことを特徴とする請求項8に記載の位置決め装置。
【請求項10】
前記決定モジュールは、前記複数のマッチング確率にしたがって、前記第1の位置決め結果を決定する場合、前記複数のマッチング確率の各々のマッチング確率の予測確率を決定して、複数の予測確率を取得し、各前記予測確率は前記現在位置決め時刻の前の第1の位置決め時刻に対応するマッチング確率であり、前記複数のマッチング確率のそれぞれに対応する予測確率を用いて、前記複数のマッチング確率の各々のマッチング確率を更新して、複数の更新後のマッチング確率を取得し、前記複数の更新後のマッチング確率から、最大マッチング確率を決定し、前記最大マッチング確率に対応するマッチング対象の領域を用いて、前記第1の位置決め結果を決定する、
ことを特徴とする請求項9に記載の位置決め装置。
【請求項11】
前記決定モジュールは、前記複数のマッチング確率のそれぞれに対応する予測確率を用いて、前記複数のマッチング確率の各々のマッチング確率を更新して、複数の更新後のマッチング確率を取得する場合、予め設定された正規化係数と、前記マッチング確率と、前記マッチング確率に対応する予測確率との積を用いて、前記マッチング確率ごとの前記更新後のマッチング確率を決定する、
ことを特徴とする請求項10に記載の位置決め装置。
【請求項12】
前記位置決めモジュールが前記制約条件を用いて前記車載GNSS受信機の観測データで精密単一点位置決めPPPを行って、前記第2の位置決め結果を取得する前に、擬似距離とキャリア単一差分観測方程式を構築し、前記擬似距離とキャリア単一差分観測方程式を用いて前記観測データをフィルタリングすることにより、前記観測データにおける誤差データを除去するための第2の構築モジュールをさらに含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の位置決め装置。
【請求項13】
前記決定モジュールが車両の現在位置決め時刻での点群データを用いて、第1の位置決め結果を決定する前に、世界座標系で地球表面の地平面を同じ大きさと形状の複数のマップ領域に分割し、前記複数のマップ領域における各マップ領域を同じ大きさと形状の複数のマップセルに分割し、前記複数のマップセルの各々のマップセルに、それに対応するマップデータを記憶するための第3の構築モジュールをさらに含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の位置決め装置。
【請求項14】
前記マップデータは、前記マップセルに対応する位置決め位置内の各レーザポイントのレーザ反射強度値の平均値と、前記マップセルに対応する前記位置決め位置内の各レーザポイントのレーザ反射強度値の分散値と、前記マップセルに対応する位置決め位置内のレーザポイントの数とのデータのうち、少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の位置決め装置。
【請求項15】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリと、を含み、ただし、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~7のいずれか一項に記載の位置決め方法を実行できるように、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項16】
コンピュータ命令が記憶されている非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ命令は、コンピュータに請求項1~7のいずれか1項に記載の位置決め方法を実行させるために用いられる、
ことを特徴とする非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項17】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがプロセッサで実行されると、コンピュータに請求項1~7のいずれか1項に記載の位置決め方法を実行させることを特徴とする、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、自動運転技術分野に関し、特に、位置決め方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、位置決めシステムは、無人車の自動運転及び補助運転中に、極めて重要な役割を果たしており、知覚、経路計画などの他のモジュールは、いずれも異なる程度で位置決めシステムによって生成される位置決め結果に基づいて、対応する操作を行う。位置決めの正確性は、自動運転又は補助運転の成否に影響を与える重要な要因の1つになっている。
【0003】
グローバルナビゲーション衛星システム(Global Navigation Satellite System、GNSS)は、一般的な位置決めシステムであり、GNSSに基づく位置決め技術は、主に、リアルタイムキネマティック(Real-time kinematic、RTK)技術、及び精密単一点位置決め(precise point positioning、PPP)技術を含む。ここで、RTK技術において、GNSS基地局と車両との距離が近く、GNSSの観測誤差と強く関連する特徴を用いて、GNSS基地局と車両との間に差動RTK位置決めを行い、車両に対するセンチメートルレベルの正確な位置決めを実現する。正確な位置決め結果を迅速に取得するため、多数のGNSS基地局を配備する必要がある。PPP技術において、センチメートルレベルの高精度衛星軌道、クロック誤差、及び車両側のGNSS観測値を利用し、車両に対するセンチメートルレベルの正確な位置決めを実現する。しかし、推定対象のパラメータが多く、且つ衛星の幾何学構造の変化が遅いため、30分間の収束時間を必要とする。
【0004】
明らかに、GNSS基地局に依存せず、収束速度の速い位置決め方法をどのように提供するかは、業界の解決すべき問題とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、ライダー位置決めを融合して、PPP位置決めの収束速度を加速し、GNSS基地局に依存せず、高速且つ正確な位置決めという目的を実現する位置決め方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、本願の実施例は、位置決め方法を提供し、当該方法は、車両の現在位置決め時刻での点群データを用いて、前記車両の予め構築されたレーザ点群反射値マップにおける前記現在位置決め時刻での位置を指示するための第1の位置決め結果を決定するステップと、前記第1の位置決め結果を用いて、前記第1の位置決め結果にしたがって決定した車載GNSS受信機の位置と、前記現在位置決め時刻で直交座標系における前記車両の位置を指示するための第2の位置決め結果との位置関係を指示するための制約条件を構築するステップと、前記制約条件を用いて前記車載GNSS受信機の観測データで精密単一点位置決めPPPを行って、前記第2の位置決め結果を取得するステップと、前記第2の位置決め結果を用いて、前記車両を制御するステップと、を含む。当該技術案を使用して、Lidar位置決め技術とGNSS-PPP位置決め技術とを結合して、GNSS基地局に依存しないという目的を実現し、また、Lidar位置決め技術の位置決め結果を用いて、観測データで受信機位置を計算する収束速度を加速できる制約条件を構築し、収束速度が過度に遅いという欠点を回避する。これにより、ライダー位置決めを融合してGNSS-PPP位置決めの収束速度を加速することにより、GNSS基地局に依存せず、高速且つ正確な位置決めという目的を実現する。
【0007】
実行可能な一設計において、前記第1の位置決め結果を用いて制約条件を構築するステップは、前記第1の位置決め結果にしたがって、前記直交座標系における前記GNSS受信機の位置を決定するステップと、前記直交座標系における前記GNSS受信機の位置にしたがって、下記方程式を満たす制約条件を構築するステップと、を含み、
【数1】
ここで、前記
【数2】
は前記直交座標系における前記車載GNSS受信機のx座標を示し、前記
【数3】
は前記直交座標系における前記車載GNSS受信機のy座標を示し、前記
【数4】
は前記直交座標系における前記車載GNSS受信機のz座標を示し、前記
【数5】
は計算対象の第2の位置決め結果のx座標を示し、前記
【数6】
は計算対象の第2の位置決め結果のy座標を示し、前記
【数7】
は計算対象の第2の位置決め結果のz座標を示す。当該技術案を用いると、ライダー位置決めを融合してGNSS-PPP位置決めの収束速度を加速することにより、GNSS基地局に依存せず、高速且つ正確な位置決めという目的を実現する。
【0008】
実行可能な一設計において、前記制約条件を用いて前記車載GNSS受信機の観測データで精密単一点位置決めPPPを行って、第2の位置決め結果を取得する前記ステップは、前記観測データを用いて観測方程式を構築するステップと、下記のような前記観測方程式を用いて前記制約条件でPPP位置決めを行って、前記第2の位置決め結果を取得するステップと、を含み、
【数8】
ここで、
【数9】
は衛星と前記車両との擬似距離を示し、
【数10】
はキャリア位相の整数アンビギュイティを示し、
【数11】
は前記衛星と前記GNSS受信機との距離を示し、
【数12】
は観測方向の余弦を示し、
【数13】
は衛星と車載GNSS受信機とのクロック誤差の補正量を示し、
【数14】
はトロポスフィア偏差を示し、
【数15】
はイオノスフィア偏差を示し、
【数16】
はノイズ定数を示し、
【数17】
は座標増分とクロック誤差変化を含む推定対象の状態量を示し、
【数18】
は真空中の光速を示す。当該技術案を用いると、ライダー位置決めを融合してGNSS-PPP位置決めの収束速度を加速することにより、GNSS基地局に依存せず、高速且つ正確な位置決めという目的を実現する。
【0009】
実行可能な一設計において、車両の現在位置決め時刻での点群データを用いて、第1の位置決め結果を決定するステップは、前記点群データを車体座標系から世界座標系に変換して、変換データを取得するステップと、前記変換データを前記レーザ点群反射値マップに投影して、投影領域を取得するステップと、前記投影領域にしたがって、前記レーザ点群反射値マップから複数のマッチング対象の領域を決定するステップと、前記投影領域と各前記マッチング対象の領域とのマッチング確率を決定して、複数のマッチング確率を取得するステップと、前記複数のマッチング確率にしたがって、前記第1の位置決め結果を決定するステップと、を含む。当該技術案を使用して、点群データを用いて第1の位置決め結果を決定するという目的を実現する。
【0010】
実行可能な一設計において、前記複数のマッチング確率にしたがって、前記第1の位置決め結果を決定するステップは、前記複数のマッチング確率の各々のマッチング確率の予測確率を決定して、複数の予測確率を取得し、各前記予測確率は前記現在位置決め時刻の前の第1の位置決め時刻に対応するマッチング確率であるステップと、前記複数のマッチング確率のそれぞれに対応する予測確率を用いて、前記複数のマッチング確率の各々のマッチング確率を更新して、複数の更新後のマッチング確率を取得するステップと、前記複数の更新後のマッチング確率から、最大マッチング確率を決定するステップと、前記最大マッチング確率に対応するマッチング対象の領域を用いて、前記第1の位置決め結果を決定するステップと、を含む。当該技術案を使用して、第1の位置決め結果の正確性を向上させる。
【0011】
実行可能な一設計において、前記複数のマッチング確率のそれぞれに対応する予測確率を用いて、前記複数のマッチング確率の各々のマッチング確率を更新して、複数の更新後のマッチング確率を取得する前記ステップは、予め設定された正規化係数と、前記マッチング確率と、前記マッチング確率に対応する予測確率との積を用いて、前記マッチング確率ごとの前記更新後のマッチング確率を決定することを含む。当該技術案を使用して、第1の位置決め結果の正確性を向上させるという目的を実現する。
【0012】
実行可能な一設計において、前記制約条件を用いて前記車載GNSS受信機の観測データで精密単一点位置決めPPPを行って、前記第2の位置決め結果を取得するステップの前に、前記方法は、さらに、擬似距離とキャリア単一差分観測方程式を構築するステップと、前記擬似距離とキャリア単一差分観測方程式を用いて前記観測データをフィルタリングすることにより、前記観測データにおける誤差データを除去するステップと、を含む。当該技術案を使用して、誤差の大きいデータをフィルタリングすることにより、第2の位置決め結果の正確性を向上させるという目的を実現する。
【0013】
実行可能な一設計において、車両の現在位置決め時刻での点群データを用いて、第1の位置決め結果を決定するステップの前に、さらに、世界座標系で地球表面の地平面を同じ大きさと形状の複数のマップ領域に分割するステップと、前記複数のマップ領域における各マップ領域を同じ大きさと形状の複数のマップセルに分割するステップと、前記複数のマップセルの各々のマップセルに、それに対応するマップデータを記憶するステップと、を含む。当該技術案を使用して、レーザ反射値マップをオフラインで構築するという目的を実現する。
【0014】
実行可能な一設計において、前記マップデータは、前記マップセルに対応する位置決め位置内の各レーザポイントのレーザ反射強度値の平均値と、前記マップセルに対応する前記位置決め位置内の各レーザポイントのレーザ反射強度値の分散値と、前記マップセルに対応する位置決め位置内のレーザポイントの数とのデータのうち、少なくとも1つを含む。
【0015】
第2の態様では、本願の実施例は、位置決め装置を提供し、当該位置決め装置は、
車両の現在位置決め時刻での点群データを用いて、前記車両の予め構築されたレーザ点群反射値マップにおける前記現在位置決め時刻での位置を指示するための第1の位置決め結果を決定するための決定モジュールと、
前記第1の位置決め結果を用いて、前記第1の位置決め結果にしたがって決定した車載GNSS受信機の位置と、前記現在位置決め時刻で直交座標系における前記車両の位置を指示するための第2の位置決め結果との位置関係を指示するための制約条件を構築するための第1の構築モジュールと、
前記制約条件を用いて前記車載GNSS受信機の観測データで精密単一点位置決めPPPを行って、前記第2の位置決め結果を取得するための位置決めモジュールと、
前記第2の位置決め結果を用いて、前記車両を制御するための制御モジュールと、を含む。
【0016】
実行可能な一設計において、前記第1の構築モジュールは、前記第1の位置決め結果にしたがって、前記直交座標系における前記GNSS受信機の位置を決定し、前記直交座標系における前記GNSS受信機の位置にしたがって、下記方程式を満たす制約条件を構築するために用いられ、
【数19】
ここで、前記
【数20】
は前記直交座標系における前記車載GNSS受信機のx座標を示し、前記
【数21】
は前記直交座標系における前記車載GNSS受信機のy座標を示し、前記
【数22】
は前記直交座標系における前記車載GNSS受信機のz座標を示し、前記
【数23】
は計算対象の第2の位置決め結果のx座標を示し、前記
【数24】
は計算対象の第2の位置決め結果のy座標を示し、前記
【数25】
は計算対象の第2の位置決め結果のz座標を示す。
【0017】
実行可能な一設計において、前記位置決めモジュールは、前記観測データを用いて観測方程式を構築し、下記のような前記観測方程式を用いて前記制約条件でPPP位置決めを行って、前記第2の位置決め結果を取得するために用いられ、
【数26】
ここで、
【数27】
は衛星と前記車両との擬似距離を示し、
【数28】
はキャリア位相の整数アンビギュイティを示し、
【数29】
は前記衛星と前記GNSS受信機との距離を示し、
【数30】
は観測方向の余弦を示し、
【数31】
は衛星と車載GNSS受信機とのクロック誤差の補正量を示し、
【数32】
はトロポスフィア偏差を示し、
【数33】
はイオノスフィア偏差を示し、
【数34】
はノイズ定数を示し、
【数35】
は座標増分とクロック誤差変化を含む推定対象の状態量を示し、
【数36】
は真空中の光速を示す。
【0018】
実行可能な一設計において、前記決定モジュールは、前記点群データを車体座標系から世界座標系に変換して、変換データを取得し、前記変換データを前記レーザ点群反射値マップに投影して、投影領域を取得し、前記投影領域にしたがって、前記レーザ点群反射値マップから複数のマッチング対象の領域を決定し、前記投影領域と各前記マッチング対象の領域とのマッチング確率を決定して、複数のマッチング確率を取得し、前記複数のマッチング確率にしたがって、前記第1の位置決め結果を決定するために用いられる。
【0019】
実行可能な一設計において、前記決定モジュールは、前記複数のマッチング確率にしたがって、前記第1の位置決め結果を決定する場合、前記複数のマッチング確率の各々のマッチング確率の予測確率を決定して、複数の予測確率を取得し、各前記予測確率は前記現在位置決め時刻の前の第1の位置決め時刻に対応するマッチング確率であり、前記複数のマッチング確率のそれぞれに対応する予測確率を用いて、前記複数のマッチング確率の各々のマッチング確率を更新して、複数の更新後のマッチング確率を取得し、前記複数の更新後のマッチング確率から、最大マッチング確率を決定し、前記最大マッチング確率に対応するマッチング対象の領域を用いて、前記第1の位置決め結果を決定する。
【0020】
実行可能な一設計において、前記決定モジュールは、前記複数のマッチング確率のそれぞれに対応する予測確率を用いて、前記複数のマッチング確率の各々のマッチング確率を更新して、複数の更新後のマッチング確率を取得する場合、予め設定された正規化係数と、前記マッチング確率と、前記マッチング確率に対応する予測確率との積を用いて、前記マッチング確率ごとの前記更新後のマッチング確率を決定する。
【0021】
実行可能な一設計において、上記装置は、さらに、前記位置決めモジュールが前記制約条件を用いて前記車載GNSS受信機の観測データで精密単一点位置決めPPPを行って、前記第2の位置決め結果を取得するステップの前に、擬似距離とキャリア単一差分観測方程式を構築し、前記擬似距離とキャリア単一差分観測方程式を用いて前記観測データをフィルタリングすることにより、前記観測データにおける誤差データを除去するための第2の構築モジュールを含む。
【0022】
実行可能な一設計において、上記装置は、さらに、前記決定モジュールが車両の現在位置決め時刻での点群データを用いて、第1の位置決め結果を決定する前に、世界座標系で地球表面の地平面を同じ大きさと形状の複数のマップ領域に分割し、前記複数のマップ領域における各マップ領域を同じ大きさと形状の複数のマップセルに分割し、前記複数のマップセルの各々のマップセルに、それに対応するマップデータを記憶するための第3の構築モジュールを含む。
【0023】
実行可能な一設計において、前記マップデータは、前記マップセルに対応する位置決め位置内の各レーザポイントのレーザ反射強度値の平均値と、前記マップセルに対応する前記位置決め位置内の各レーザポイントのレーザ反射強度値の分散値と、前記マップセルに対応する位置決め位置内のレーザポイントの数とのデータのうち、少なくとも1つを含む。
【0024】
第3の態様では、本願の実施例にて提供される電子機器は、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリと、を含み、ただし、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサが第1の態様又は第1の態様の様々な可能実施形態を実行できるように、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される。
【0025】
第4の態様では、本願の実施例は命令を含むコンピュータプログラム製品を提供し、それが電子機器上で実行されると、電子機器が上記の第1の態様又は第1の態様の様々な可能実施形態を実行する。
【0026】
第5の態様では、本願の実施例は、コンピュータ命令が記憶されている非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、命令が記憶され、それが電子機器上で実行されると、電子機器に、上記の第1の態様又は第1の態様の様々な可能実施形態における方法を実行させる。
【0027】
第6の態様では、本願の実施例は、位置決め方法を提供し、前記位置決め方法は、車両上のライダーを用いて、点群データを取得するステップと、前記点群データを用いて、前記車両の予め構築されたレーザ点群反射値マップにおける前記現在位置決め時刻での位置を指示するための第1の位置決め結果を決定するステップと、前記第1の位置決め結果を用いて、制約条件を構築して、前記車両のグローバルナビゲーション衛星ナビゲーションシステムGNSS受信機で収集した観測データを用いて受信機位置を計算する収束速度を加速し、前記現在位置決め時刻で直交座標系における前記車両の位置を指示するための第2の位置決め結果を取得するステップと、を含む。
【0028】
第7の態様では、本願の実施例は、コンピュータプログラムを提供し、前記コンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、電子機器の少なくとも1つのプロセッサは、前記コンピュータ可読記憶媒体から前記コンピュータプログラムを読み取ることができ、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行することによって、前記電子機器に上記の第1の態様又は第1の態様の様々な可能実施形態における方法を実行させる。
【発明の効果】
【0029】
上記出願における一実施例は以下のような利点や有益な効果を有する。Lidar位置決め技術とGNSS-PPP位置決め技術とを結合して、GNSS基地局に依存しないという目的を実現し、また、Lidar位置決め技術の位置決め結果を用いて、観測データで受信機位置を計算する収束速度を加速できる制約条件を構築し、収束速度が過度に遅いという欠点を回避する。これにより、ライダー位置決めを融合してGNSS-PPP位置決めの収束速度を加速することにより、GNSS基地局に依存せず、高速且つ正確な位置決めという目的を実現する。
【0030】
上記の選択可能な方法が有する他の効果を、以下で具体的な実施例を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図面は、本技術案をよりよく理解するために使用され、本願を制限するものではない。
図1】本願の実施例にて提供される位置決め方法の動作環境の概略図である。
図2】本願の実施例にて提供される位置決め方法のフローチャート図である。
図3】本願の実施例にて提供される位置決め方法のプロセスの概略図である。
図4】本願の実施例にて提供される位置決め方法におけるマッチング確率を計算する概略図である。
図5】本願の実施例にて提供される位置決め装置の構造概略図である。
図6】本願の実施例にて提供される別の位置決め装置の構造概略図である。
図7】本願の実施例の位置決め方法を実現するための電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照しながら本願の例示的実施例を説明するが、この説明には、理解を容易にするために本願の実施例の様々な詳細事項が含まれており、それらは単なる例示的ものと見なされるべきである。したがって、当業者は、本願の範囲及び精神から逸脱することなく、ここで説明される実施例に対して様々な変更と修正を行うことができること理解できる。同様に、わかりやすくかつ簡潔にするために、以下の説明では、周知の機能及び構造についての説明を省略する。
【0033】
自動運転及び自律走行に対して、位置決め技術が特に重要であり、正確な位置決め結果で安全性を大きく確保できる。一般的な位置決め技術としては、CNSS位置決め技術及びライダー(Lidar)点群位置決め技術などが含まれる。ここで、GNSS位置決め技術は、さらに、GNSS-RTK位置決め技術及びGNSS-PPP位置決め技術を含む。GNSS-RTK位置決め技術は精度がセンチメートルレベルの位置決めを実現できるが、正確な位置決め結果を迅速に取得するためには、GNSS基地局を大量配備する必要があるため、車両走行中に、数十キロメートル範囲内にいずれもGNSS基地局を有するべきである。GNSS-PPP位置決め技術は、GNSS基地局の大量配備を必要としないが、推定対象のパラメータの数が多く、衛星の幾何構造の変化が遅いため、約30分間の収束時間を必要とし、lidar点群位置決め技術において、環境から反射されるlidar点群データに基づいて、例えばポイント、線、面、反射値などの環境特徴を抽出し、これらの環境特徴を予め設定された環境特徴のデータベース又は前後エポック環境特徴データと特徴マッチングして、グローバル又は相対位置(pose)を取得し、精度がセンチメートルレベルの位置決めを実現する。しかし、環境特徴が少ない領域や、環境特徴量の時刻変化が強い領域では、マッチングアルゴリズムの安定性と精度は両方とも大幅に低下し、高精度で安定した位置決め結果を提供することができない。
【0034】
これに鑑み、本願の実施例は、位置決め方法及び装置を提供し、ライダー位置決めを融合してGNSS-PPP位置決めの収束速度を加速することにより、GNSS基地局に依存せず、高速且つ正確な位置決めという目的を実現する。
【0035】
図1は、本願の実施例にて提供される位置決め方法の動作環境の概略図である。図1を参照すると、当該動作環境は、車両、車両上に設置された車載ライダー(Lidar)、車載GNSS受信機及び衛星などを含む。図1に示す車載ライダーは車両の最前部に位置するが、実際に実装する場合、柔軟に車載ライダーの位置を設置することができ、例えば、それを車両の頂部に設置してもよい。
【0036】
図1において、車両のメモリに、レーザ点群反射値マップを予め記憶しておき、当該レーザ点群反射値マップは、収集車を用いて地球表面、又は地球表面の特定領域の環境特徴などを収集して予め生成されるものであってよい。車両走行中に、各位置決め時刻に、車載GNSS受信機は衛星と通信して、少なくとも衛星と車載GNSS受信機との距離を含む観測データを取得し、GNSS受信機と衛星との通信中に、直交座標系における衛生の位置関連情報を受信することもでき、同時に、車載ライダーは車両周囲の環境をスキャンして点群データを取得し、車両は当該点群データ及びレーザ点群反射値マップを用いて第1の位置決め結果を決定し、当該第1の位置決め結果の正確性はあまり高くない。車両は当該第1の位置決め結果を用いて制約条件を構築し、当該制約条件をGNSS-PPP位置決め技術に適用して、観測データで受信機位置を計算する収束速度を加速し、GNSS-PPPの位置決め結果(即ち第2の位置決め結果)、及び衛星とGNSS受信機とのクロック誤差などのような他のパラメータを取得する。当該プロセスにおいて、Lidarで収集した点群データを用いて制約条件を構築することにより、当該制約条件をGNSS-PPP位置決め技術に適用し、それにより観測データを用いて受信機位置を計算する収束速度を加速して、GNSS基地局に依存せず、高速且つ正確な位置決めという目的を実現する。
【0037】
以下、上記の図1を基に、本願の実施例に記載された位置決め方法について詳細に説明する。
【0038】
図2は、本願の実施例にて提供される位置決め方法のフローチャート図であり、本実施例は位置決め装置の角度から説明し、当該位置決め装置は、車両に設置してもよいし、サーバに設置してもよい。位置決め装置がサーバに設置される場合、車両はサーバと、3G接続、4G接続、5G接続、WiFi接続、ブルートゥース(登録商標)接続、WiMAX接続などのような無線ネットワーク接続を確立する。以下、特徴の説明がない限り、本願の実施例の説明は、いずれも位置決め装置が車両に設置されていることを例とする。本実施例は、ステップ101~104を含む。
【0039】
101、車両の現在位置決め時刻での点群データを用いて、第1の位置決め結果を決定する。
【0040】
前記第1の位置決め結果は、前記車両の予め構築されたレーザ点群反射値マップにおける前記現在位置決め時刻での位置を指示するために用いられる。
【0041】
例示的に、各位置決め時刻に、車載Lidarが点群データを収集して位置決め装置に送信し、位置決め装置は当該点群データを用いて比較的正確な位置決め結果(以下では第1の位置決め結果と呼ぶ)を決定する。当該プロセスは、車両の車載GNSS受信機と慣性ナビゲーションシステム(Inertial Navigation System、INS)を用いて、例えば精度がメーターレベルの位置のような大略で、精度の高くない予測位置を決定するステップ1と、予測位置を点群データとして、レーザ反射値マップ上の長方形領域Mの中心点Oに投影し、当該中心点Oを用いてレーザ反射値マップ上で第1の位置決め結果を見つけるステップ2と、を含む。
【0042】
102、前記第1の位置決め結果を用いて、制約条件を構築する。
【0043】
ここで、制約条件は、前記第1の位置決め結果にしたがって決定した車載GNSS受信機の位置と、第2の位置決め結果との位置関係を指示するために用いられ、前記第2の位置決め結果は、前記現在位置決め時刻で直交座標系における前記車両の位置を指示するために用いられ、制約条件を構築する目的は、観測データで受信機位置を計算する収束速度を加速するためである。
【0044】
103、前記制約条件を用いて前記観測データで精密単一点位置決めPPPを行って、第2の位置決め結果を取得する。
【0045】
ここで、前記第2の位置決め結果は、前記現在位置決め時刻で直交座標系における前記車両の位置を指示するために用いられる。
【0046】
例示的に、GNSS-PPP位置決め技術の本質は、いくつかの観測量及びいくつかの推定対象のパラメータを含む観測方程式を予め訓練することであり、各位置決め時刻の観測量は既知であり、推定対象のパラメータはGNSS-PPP位置決め結果(以下では第2の位置決め結果と呼ぶ)を含む。したがって、一定期間内の異なる位置決め時刻での観測量に従って観測方程式を解き、それにより推定対象の各パラメータを決定し、当該期間を収束時間と呼ぶ。従来技術において、推定対象のパラメータが多いため、収束時間が長くなり、さらに、収束速度が遅くなる。このため、本願の実施例では、位置決め装置は、各位置決め時刻に、車載Lidarによって収集された点群データにしたがって、第1の位置決め結果を決定し、観測データで受信機位置を計算する収束速度を加速するための制約条件を構築し、さらに、第2の位置決め結果を含む各推定対象のパラメータを迅速に決定する。
【0047】
104、前記第2の位置決め結果を用いて、前記車両を制御する。
【0048】
本願の実施例において、第1の位置決め結果と比較して、第2の位置決め結果の精度はより高く、より正確である。従って、当該第2の位置決め結果にしたがって、車両の動作をより正確に制御することができ、交通の安全性を向上させる。
【0049】
本願の実施例にて提供される位置決め方法は、ライダーによって収集された点群データを用いてレーザ点群反射値マップで第1の位置決め結果を決定し、当該第1の位置決め結果を用いて、観測データで受信機位置を計算する収束速度を加速するための制約条件を構築し、当該制約条件を用いてGNSS受信機の観測データでGNSS-PPP位置決めを行って、第2の位置決め結果を取得する。当該技術案を使用して、Lidar位置決め技術とGNSS-PPP位置決め技術とを結合して、GNSS基地局に依存しないという目的を実現し、また、Lidar位置決め技術の位置決め結果を用いて、観測データで受信機位置を計算する収束速度を加速できるための収束条件を構築し、収束速度が過度に遅いという欠点を回避する。これにより、ライダー位置決めを融合してGNSS-PPP位置決めの収束速度を加速することにより、GNSS基地局に依存せず、高速且つ正確な位置決めという目的を実現する。
【0050】
上記によって分かるように、本願の実施例によって提供される位置決め方法は、主にLidar位置決め技術とGNSS-PPP位置決め技術を組み合わせるが、Lidar位置決め技術ではレーザ反射値マップの使用を必要とし、当該レーザ反射値マップは、オフラインで予め構築され、車両にロードされたものであってもよい。これから分かるように、本願の実施例にて提供される位置決め方法は、レーザ反射値マップを構築するステップと、Lidar位置決め技術に基づいて、第1の位置決め結果を決定するステップと、観測データに基づいてGNSS-PPP位置決めを行うステップとの、3つの部分を含み、ここで、観測データに基づいてGNSS-PPP位置決めを行うために、制約条件が使用される。例示的に、図3を参照すると、図3は、本願の実施例にて提供される位置決め方法のプロセスの概略図である。以下、図3を参照しながら3つの部分について詳細に説明する。
【0051】
まず、レーザ反射値マップをオフラインで構築する。
【0052】
実行可能な一実施形態において、以下のよう方法でレーザ反射値マップを構築できる。世界座標系で地球表面の地平面を同じ大きさと形状の複数のマップ領域に分割し、前記複数のエリア領域における各マップ領域を同じ大きさと形状の複数のマップセルに分割し、前記複数のマップセルの各々のマップセルに、それに対応するマップデータを記憶し、前記マップデータは、前記マップセルに対応する位置決め位置内の各レーザポイントのレーザ反射強度値の平均値と、前記マップセルに対応する前記位置決め位置内の各レーザポイントのレーザ反射強度値の分散値と、前記マップセルに対応する位置決め位置内のレーザポイントの数と、を含む。
【0053】
例示的に、当該ステップは、オフラインの前処理プロセスである。前処理プロセスにおいて、世界座標系全体を固定の大きさと形状を持つブロック(map_node)に分割し、エリア領域とも呼ばれ、各map_nodeは一定の範囲をカバーし、ここで、世界座標系は例えば横メルカトル(Universal Transverse Mercator、UTM)座標系である。こうすると、map_nodeの大きさと整列規則が既知である場合、1つの座標に基づいて、当該座標が位置されているmap_node、すなわち、当該座標が位置しているマップ領域を算出することができる。世界座標系を複数のエリア領域に分割した後、各マップ領域をm×n個のマップセル(map_cell)に分割し、例えば、各マップ領域を1024×1024個のマップセルに分割する。その後、収集車両によって収集された点群データのうち、同一マップセルに分割された点群データを集約し、集約後のデータは各マップセルに記憶され、レーザポイントの数に関係なく、各マップ領域内のデータ量は固定されている。各マップセルに、それに対応するマップデータが記憶され、マップデータは、当該マップセルに対応する位置決め位置内の各レーザポイントのレーザ反射強度値の平均値と、当該マップセルに対応する位置決め位置内の各レーザポイントのレーザ反射強度値の分散値と、当該マップセルに対応する位置決め位置内のレーザポイントの数と、を含む。
【0054】
当該技術案を使用して、レーザ反射値マップをオフラインで構築するという目的を実現する。
【0055】
次に、Lidar位置決め技術に基づいて、第1の位置決め結果を決定する。
【0056】
図3を参照すると、当該部分はステップ201~ステップ205を含む。
【0057】
201、Lidar点群データを取得する。
【0058】
Lidar点群データは上記ステップ101における点群データである。車載ライダーは、各位置決め時刻で車両周囲の環境をスキャンして、点群データを生成する。
【0059】
202、点群データを転換する。
【0060】
例示的に、車載ライダーが取得した点群データは車体座標系に位置し、レーザ反射値マップは世界座標系に基づくものであり、予め作成しておいたレーザ反射値マップにマッチングすることができるようにするために、レーザ反射値マップデータの構成形態にしたがってリアルタイムで取得した点群データを処理し、即ち、点群データに対してマップ領域の分割を行い、マップ領域をマップセルにさらに分割する。したがって、各位置決め時刻に、マップ領域の分割及びマップセルの分割を行って、変換データを取得するために、点群データを車体座標系から世界座標系に変換する必要がある。
【0061】
203、点群の反射値のマッチング確率を計算する。
【0062】
例示的に、図4を参照でき、図4は、本願の実施例にて提供される位置決め方法におけるマッチング確率を計算する概略図である。図4を参照すると、下方の大面積のセルはレーザ反射値マップに含まれるマップ領域であり、上方のMは点群データをレーザ反射値マップ上に投影した長方形領域である。位置決め装置は車両上のINSを用いて1つの大略な予測位置を決定し、当該予測位置は、図4の長方形領域M上の中心点Oのような車両のレーザ反射値マップでの大略位置を指示するために用いられ、当該予測位置を取得した後、レーザ反射値マップ上に点群データに対応する投影領域を決定することができる。その後、前記投影領域にしたがって、前記レーザ点群反射値マップから複数のマッチング対象の領域を決定し、前記投影領域と各前記マッチング対象の領域とのマッチング確率を決定して、複数のマッチング確率を取得し、前記複数のマッチング確率にしたがって、前記第1の位置決め結果を決定する。
【0063】
また図4を参照し、長方形領域Mは5×5個のマップセルを含む領域であり、各マップセルに、当該マップセルに対応する位置決め領域内の各レーザポイントのレーザ反射強度値の平均値、分散値及びレーザポイントの数を記録する。O点は正確ではないため、再推定する必要がある。推定プロセスにおいて、まず、中心点Oを用いてレーザ反射値マップにマップ領域(map_node)及び中心点Oが位置しているマップセル(以下、第1のマップセルと呼ぶ)を決定し、当該マップセル及び周囲の一定の範囲内のマップセル(以下、第2のマップセルと呼ぶ)を第1のマップセルにマッチング可能なマップセルとし、第2のマップセルは図中の1、2、3、4、5、6、……16とマークされたようなマップセルであり、続いて、レーザ反射値マップに、各第2のセルを中心として、長方形領域Mの大きさと形状と同じである複数の長方形領域を決定してマッチング対象の領域とし、即ち16個のマッチング領域であり、次に、長方形領域M及び各マッチング対象の領域のマッチング確率を計算し、それにより16個のマッチング確率を取得し、最後に、前記複数のマッチング確率にしたがって、前記第1の位置決め結果を決定する。
【0064】
ここで、Mの中心点Oとマップ点(x,y)とのマッチング確率を計算するとき、下記式(1)を利用してもよく、
【数37】
ここで、
【数38】
はマッチング対象の領域の中心点を示し、
【数39】
はマッチング対象の領域内の1つの小さいセルの座標を示し、
【数40】
は全ての現在フレームの測定値を表し、
【数41】
は現在フレームの測定値にしたがって推定された、現在、車両がマッチング対象の領域に位置するマッチング確率である。測定値において、
【数42】
はマッチング対象の領域における(x,y)セルの反射値の平均値を示し、
【数43】
は長方形領域M内のレーザ反射強度値の平均値を示し、
【数44】
は長方形M内のレーザポイントの数を示し、αは定数である。続いて、マッチング対象の領域が16個であるものを例とし、16個のマッチング対象の領域の
【数45】
が異なるため、上記式(1)を用いて、16個の
【数46】
を取得でき、即ち16個のマッチング確率を取得する。
【0065】
本願の実施例において、式(1)を用いて複数のマッチング確率を計算した後、これらのマッチング確率から最大マッチング確率を決定でき、最大マッチング確率に対応するマッチング対象の領域を用いて第1の位置決め結果を決定する。選択可能に、正確性をより向上させるために、これらのマッチング確率を更新して、更新後のマッチング確率から最大マッチング確率を決定することもでき、最大マッチング確率に対応するマッチング対象の領域を用いて、第1の位置決め結果を決定し、例示的に、ステップ204を参照できる。
【0066】
204、ヒストグラムフィルタに基づいてマッチング確率を更新する。
【0067】
マッチング確率を更新するプロセスにおいて、前記複数のマッチング確率の各々のマッチング確率の予測確率を決定して、複数の予測確率を取得し、前記予測確率は前記現在位置決め時刻の前の第1の位置決め時刻に対応するマッチング確率であり、前記複数のマッチング確率のそれぞれに対応する予測確率を用いて、前記複数のマッチング確率の各々のマッチング確率を更新して、複数の更新後のマッチング確率を取得する。
【0068】
例示的に、上記ステップ203において、式(1)を用いて計算した
【数47】
は、現在フレームの測定値にしたがって推定したマッチング対象の領域と、長方形領域Mとのマッチング確率である。また、位置決め装置は、現在のフレームの測定値を考えずに過去の値のみにしたがって推定した、車両がマッチング対象の領域に位置する確率である予測確率
【数48】
を維持する。上記ステップ203を用いて、複数のマッチング確率を取得した後、下記式(2)を用いて各マッチング確率を更新し、
【数49】
ここで、
【数50】

【数51】
を更新した後の更新確率
【数52】
を示し、
【数53】
は正規化係数を示す。続いて上記の例を使用し、マッチング対象の領域が16個である場合、式(2)を用いて更新後のマッチング確率を16個取得する。
【0069】
205、更新後のマッチング確率に基づいて、第1の位置決め結果を計算する。
【0070】
例示的に、位置決め装置は、前記複数の更新後のマッチング確率から、最大マッチング確率を決定し、前記最大マッチング確率に対応するマッチング対象の領域を用いて、前記第1の位置決め結果を決定する。上記ステップ204において、更新後のマッチング確率のうち、最大マッチング確率は
【数54】
であると、下記式(3)を用いて第1の位置決め結果を決定し、
【数55】
ここで、
【数56】

【数57】
は、それぞれ第1の位置決め結果の横座標及び縦座標を示し、αは定数パラメータである。
【0071】
当該技術案を使用して、車載ライダーを用いて、車両のレーザ点群反射値マップにおける位置をリアルタイムに決定するという目的を実現する。
【0072】
最後に、観測データに基づいてGNSS-PPP位置決めを行う。
【0073】
図3を参照すると、当該部分はステップ301~ステップ305を含む。
【0074】
301、観測データを取得する。
【0075】
例示的に、車両上の車載GNSS受信機は衛星から観測データを取得できる。
【0076】
302、キャリア時間差に基づいてサイクルスリップ検出と修復を行う。
【0077】
例示的に、予測位置を用いてGNSS受信機に対してサイクルスリップ検出と修復を行う事ができる。実際の実施では、各衛星に対応する観測データを使用して位置決めする場合、まずキャリア時間差に基づいてサイクルスリップ検出と変位推定を行う。例えば、隣接するエポック(即ち、前の位置決め時刻と現在位置決め時刻)間に擬似距離とキャリア単一差分観測方程式を構築し、この2つの方程式は下記式(4)である。
【数58】
ここで、
【数59】
は前の位置決め時刻を示し、は現在位置決め時刻を示し、
【数60】
は衛星の識別子を示し、
【数61】
は衛星と地球との擬似距離の変化値を示し、
【数62】
は衛星と地球との距離の変化値を示し、
【数63】
は衛星と車載GNSS受信機とのクロック誤差の補正量を示し、
【数64】
はトロポスフィア遅延の変化による観測距離の偏差を示し、
【数65】
はイオノスフィア遅延の変化による観測距離の偏差を示し、
【数66】
はノイズ定数を示し、
【数67】
はGNSS受信機観測の位相変化を示し、
【数68】
はキャリア位相のサイクルスリップ値を示し、
【数69】
は観測方向の余弦を示し、
【数70】
は座標増分とクロック誤差変化を含む推定対象の状態量を示し、
【数71】
は真空中の光速を示す。
【0078】
GNSS受信機の更新周波数が、10Hzのように大きい場合、1回の更新でトロポスフィア及びイオノスフィアの変化は大きくないと見なすことができるため、式(4)のイオノスフィア偏差とトロポスフィア偏差は0になり、下記式(5)を取得でき、
【数72】
式(5)を計算して、
【数73】
の値を取得でき、ジャンプが発生しないと、
【数74】
である。
【0079】
式(5)に基づいて、ロバスト推定を用いて、
【数75】

【数76】
を推定し、サイクルスリップがあるキャリア位相観測値を修復する。
【0080】
GNSS受信機の更新周波数が10Hzであることを例とすると、GNSS受信機は0.1ごとに観測データを収集し、ジャンプなどの理由で、毎回収集した観測データに不正確なデータが含まれている可能性がある。したがって、式(4)及び式(5)により、観測データに対して積分、誤差除去などを行い、連続の観測データに対して前処理を行い、その後、前処理後の観測データを用いて観測方程式を構築し、即ちステップ303を実行する。
【0081】
303、GNSS観測方程式を構築する。
【0082】
例示的に、上記ステップ302で取得した前処理後の観測データを用いて式(6)に示すような観測方程式を構築し、
【数77】
位置決め装置は、車載GNSS受信機の観測データ、高精度衛星クロック誤差と軌道、及び位相とコード偏差改正の製品に基づいて観測方程式を構成する。
【0083】
上記式(4)、式(5)、及び式(6)において、等号の左側は既知の観測値であり、右側は計算対象のパラメータであり、rはGNSS-PPPによって得られた位置決め結果(即ち、計算対象の第2の位置決め結果)と衛星との間の距離であり、第2の位置決め結果は直交座標系で
【数78】
と表示される仮定すると、式(6)で識別子が
【数79】
の衛星とGNSS受信機との間の距離rは、第2の位置決め結果の座標を用いて取得できる。識別子が
【数80】
の衛星の直交座標系での座標が
【数81】
であると仮定すると、
【数82】
である。これから分かるように、従来のGNSS-PPP技術は式(6)にしたがって、一定期間の収束を経て、第2の位置決め結果を取得することができ、式(6)の等号の右側の計算対象のパラメータが多いため、収束速度が遅くなる。
【0084】
収束速度を加速するため、本願の実施例は、制約方程式を導入し、即ち、ステップ304を実行する。
【0085】
304、制約方程式を追加する。
【0086】
例示的には、位置決め装置は、前記第1の位置決め結果にしたがって、前記GNSS受信機の前記直交座標系での位置を決定し、前記GNSS受信機の前記直交座標系での位置にしたがって、下記式(7)を満たす制約条件を構築し、
【数83】
ここで、前記
【数84】

【数85】

【数86】
は前記GNSS受信機の前記直交座標系での位置を示し、前記
【数87】
は前記第2の位置決め結果を示す。
【0087】
例示的に、第1の位置決め結果は、上記式(3)にしたがって取得したもので、当該第1の位置決め結果は、UTM座標系などの世界座標系に位置し、1つの平面座標であり、当該第1の位置決め結果を高低差などで直交座標系に転換して、GNSS受信機の直交座標系での位置
【数88】
を取得することができる。
【0088】
305、GNSS-PPP位置決めを実行して、第2の位置決め結果を取得する。
【0089】
例示的に、位置決め装置は、制約方程式(7)を取得した後、当該制約方程式(7)の制約下で、観測データを用いて、式(6)を迅速に収束することにより、第2の位置決め結果などのパラメータを取得する。
【0090】
当該技術案を使用して、観測データで受信機位置を計算する収束速度を加速するための制約条件を構築するという目的を実現する。
【0091】
図5は、本願の実施例にて提供される位置決め装置の構造概略図である。当該装置は、電子機器に集積されるか、又は電子機器により実現されることができ、電子機器は、端末機器又はサーバ等であってもよい。図5に示すように、本実施例において、当該位置決め装置100は、
車両の現在位置決め時刻での点群データを用いて、前記車両の予め構築されたレーザ点群反射値マップにおける前記現在位置決め時刻での位置を指示するための第1の位置決め結果を決定するための決定モジュール11と、
前記第1の位置決め結果を用いて、前記第1の位置決め結果にしたがって決定した車載GNSS受信機の位置と、前記現在位置決め時刻で直交座標系における前記車両の位置を指示するための第2の位置決め結果との位置関係を指示するための制約条件を構築するための第1の構築モジュール12と、
前記制約条件を用いて前記車載GNSS受信機の観測データで精密単一点位置決めPPPを行って、前記第2の位置決め結果を取得するための位置決めモジュール13と、
前記第2の位置決め結果を用いて、前記車両を制御するための制御モジュール14と、を含む。
【0092】
実行可能な一設計において、前記第1の構築モジュール12は、前記第1の位置決め結果にしたがって、前記直交座標系における前記GNSS受信機の位置を決定し、前記直交座標系における前記GNSS受信機の位置にしたがって、下記方程式を満たす制約条件を構築するために用いられ、
【数89】
ここで、前記
【数90】
は前記直交座標系における前記車載GNSS受信機のx座標を示し、前記
【数91】
は前記直交座標系における前記車載GNSS受信機のy座標を示し、前記
【数92】
は前記直交座標系における前記GNSS受信機のz座標を示し、前記
【数93】
は計算対象の第2の位置決め結果のx座標を示し、前記
【数94】
は計算対象の第2の位置決め結果のy座標を示し、前記
【数95】
は計算対象の第2の位置決め結果のz座標を示す。
【0093】
実行可能な一設計において、前記位置決めモジュール13は、前記観測データを用いて観測方程式を構築し、下記のような前記観測方程式を用いて前記制約条件でPPP位置決めを行って、前記第2の位置決め結果を取得するために用いられ、
【数96】
ここで、
【数97】
は衛星と前記車両との擬似距離を示し、
【数98】
はキャリア位相の整数アンビギュイティを示し、
【数99】
は前記衛星と前記GNSS受信機との距離を示し、
【数100】
は観測方向の余弦を示し、
【数101】
は衛星と車載GNSS受信機とのクロック誤差の補正量を示し、
【数102】
はトロポスフィア偏差を示し、
【数103】
はイオノスフィア偏差を示し、
【数104】
はノイズ定数を示し、
【数105】
は座標増分とクロック誤差変化を含む推定対象の状態量を示し、
【数106】
は真空中の光速を示す。
【0094】
実行可能な一設計において、前記決定モジュール11は、前記点群データを車体座標系から世界座標系に変換して、変換データを取得し、前記変換データを前記レーザ点群反射値マップに投影して、投影領域を取得し、前記投影領域にしたがって、前記レーザ点群反射値マップから複数のマッチング対象の領域を決定し、前記投影領域と各前記マッチング対象の領域とのマッチング確率を決定して、複数のマッチング確率を取得し、前記複数のマッチング確率にしたがって、前記第1の位置決め結果を決定するために用いられる。
【0095】
実行可能な一設計において、前記決定モジュール11は、前記複数のマッチング確率にしたがって、前記第1の位置決め結果を決定する場合、前記複数のマッチング確率の各々のマッチング確率の予測確率を決定して、複数の予測確率を取得し、各前記予測確率は前記現在位置決め時刻の前の第1の位置決め時刻に対応するマッチング確率であり、前記複数のマッチング確率のそれぞれに対応する予測確率を用いて、前記複数のマッチング確率の各々のマッチング確率を更新して、複数の更新後のマッチング確率を取得し、前記複数の更新後のマッチング確率から、最大マッチング確率を決定し、前記最大マッチング確率に対応するマッチング対象の領域を用いて、前記第1の位置決め結果を決定する。
【0096】
実行可能な一設計において、前記決定モジュール11は、前記複数のマッチング確率のそれぞれに対応する予測確率を用いて、前記複数のマッチング確率の各々のマッチング確率を更新して、複数の更新後のマッチング確率を取得する場合、予め設定された正規化係数と、前記マッチング確率と、前記マッチング確率に対応する予測確率との積を用いて、前記マッチング確率ごとの前記更新後のマッチング確率を決定する。
【0097】
図6は、本願の実施例にて提供される別の位置決め装置の構造概略図である。図6を参照すると、本実施例にて提供される位置決め装置100は、上記図6に加え、さらに、
前記位置決めモジュール13が前記制約条件を用いて前記車載GNSS受信機の観測データで精密単一点位置決めPPPを行って、前記第2の位置決め結果を取得する前に、擬似距離とキャリア単一差分観測方程式を構築し、前記擬似距離とキャリア単一差分観測方程式を用いて前記観測データをフィルタリングすることにより、前記観測データにおける誤差データを除去するための第2の構築モジュール15を含む。
【0098】
続いて図6を参照し、実行可能な一設計において、上記位置決め装置は、さらに、前記決定モジュール11が車両の現在位置決め時刻での点群データを用いて、第1の位置決め結果を決定する前に、世界座標系で地球表面の地平面を同じ大きさと形状の複数のマップ領域に分割し、前記複数のマップ領域における各マップ領域を同じ大きさと形状の複数のマップセルに分割し、前記複数のマップセルの各々のマップセルに、それに対応するマップデータを記憶するための第3の構築モジュール16を含む。
【0099】
実行可能な一設計において、前記マップデータは、前記マップセルに対応する位置決め位置内の各レーザポイントのレーザ反射強度値の平均値と、前記マップセルに対応する前記位置決め位置内の各レーザポイントのレーザ反射強度値の分散値と、前記マップセルに対応する位置決め位置内のレーザポイントの数とのデータのうち、少なくとも1つを含む。
【0100】
本願の実施例にて提供される装置は、上記実施例において、前記車両によって実行される方法に使用でき、その実現原理及び技術効果は類似するため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0101】
本願の実施例によれば、本願は、電子機器及び読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0102】
本願の実施例により、コンピュータプログラムをさらに提供し、前記コンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、電子機器の少なくとも1つのプロセッサは、コンピュータ可読記憶媒体からコンピュータプログラムを読み取ることができ、少なくとも1つのプロセッサは、コンピュータプログラムを実行することによって、電子機器に上記実施例に記載の方法を実行させる。
【0103】
図7は、本願の実施例による位置決め方法を実現するための電子機器のブロック図である。図7に示すように、本願の実施例による位置決め方法の電子機器のブロック図である。電子機器は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームコンピュータ、及びその他の適切なコンピュータなどの様々な形態のデジタルコンピュータを表すことを意図している。電子機器は、例えば、パーソナルデジタルアシスタント、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、他の類似するコンピューティングデバイスなどの様々な形態のモバイルデバイスを表すこともできる。本明細書に示されるコンポーネント、それらの接続と関係、及びそれらの機能は単なる例であり、本明細書の説明及び/又は要求される本願の実現を制限する意図したものではない。
【0104】
図7に示すように、当該電子機器は、1つ又は複数のプロセッサ21と、メモリ22と、高速インターフェース及び低速インターフェースを含む各コンポーネントを接続するためのインターフェースと、を含む。各コンポーネントは、異なるバスを介して互いに接続され、共通のマザーボードに取り付けられるか、又は必要に応じて他の方式で取り付けられることができる。プロセッサは、電子機器内で実行される命令を処理することができ、当該命令は、外部入力/出力装置(例えば、インターフェースに結合されたディスプレイデバイスなど)にGUIのグラフィック情報を表示するために、メモリ内又はメモリ上に格納されている命令を含む。他の実施形態では、複数のプロセッサ及び/又は複数のバスを、必要に応じて、複数のメモリと一緒に使用することができる。同様に、複数の電子機器を接続することができ、各機器は一部の必要な操作(例えば、サーバアレイ、ブレードサーバのグループ、又はマルチプロセッサシステムとする)を提供することができる。図7では、1つのプロセッサ21を例とする。
【0105】
メモリ22は、本願にて提供される非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。前記メモリには、少なくとも1つの前記プロセッサが本願にて提供される位置決め方法を実行するように、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が格納されている。本願の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、コンピュータに本願にて提供される位置決め方法を実行させるためのコンピュータ命令が格納されている。
【0106】
メモリ22は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、本願の実施例における位置決め方法に対応するプログラム命令/モジュール(例えば、図5に示す決定モジュール11と、第1の構築モジュール12、位置決めモジュール13、制御モジュール14、及び図6に示す第2の構築モジュール15、第3の構築モジュール16)のような非一時的なソフトウェアプログラム、非一時的なコンピュータ実行可能なプログラム及びモジュールを格納することができる。プロセッサ21は、メモリ22に格納されている非一時的なソフトウェアプログラム、命令、及びモジュールを実行することによって、サーバの様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、すなわち、上記方法の実施例におけるスクリーン位置決め方法を実現する。
【0107】
メモリ22は、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を含むことができ、ただし、プログラム記憶領域は、オペレーティングシステム、及び少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを格納することができ、データ記憶領域は、位置決め電子機器の使用にしたがって作成されたデータなどを格納することができる。また、メモリ22は、高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、さらに、例えば少なくとも1つの磁気ディスクストレージデバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の非一時的なソリッドステートストレージデバイスなどの非一時的なメモリを含むことができる。一部の実施例では、メモリ22は、プロセッサ21に対して遠隔に設置されたメモリを選択的に含んでもよく、これらの遠隔メモリは、ネットワークを介して位置決め電子機器に接続されることができる。上記のネットワークの例には、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0108】
位置決め方法の電子機器は、入力装置23と出力装置24とをさらに含んでもよい。プロセッサ21、メモリ22、入力装置23、及び出力装置24は、バス又は他の方式で接続されてもよく、図7では、バス接続を例とする。
【0109】
入力装置23は、入力された数字又はキャラクター情報を受信すること、位置決め電子機器のユーザ設定及び機能制御に関連するキー信号入力を生成することができ、例えば、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、ディスプレイデバイス、1つ又は複数のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティックなどの入力装置である。出力装置24は、ディスプレイデバイス、補助照明装置(例えば、LED)、触覚フィードバックデバイス(例えば、振動モータ)などを含んでもよい。当該ディスプレイデバイスは、液晶ディスプレイ(LDC)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、及びプラズマディスプレイを含んでもよいが、これらに限定されない。一部の実施形態では、ディスプレイデバイスはタッチスクリーンであり得る。
【0110】
本明細書で説明されるシステム及び技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、特定用途向けASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせで実現することができる。これらの様々な実施形態は、1つ又は複数のコンピュータプログラムで実施され、当該1つ又は複数のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムで実行及び/又は解釈されることができ、当該プログラマブルプロセッサは専用又は汎用のプログラマブルプロセッサであってもよく、ストレージシステム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置からデータ及び命令を受信し、データ及び命令を当該ストレージシステム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置に伝送することができる。
【0111】
これらのコンピューティングプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードとも呼ばれる)には、プログラマブルプロセッサの機械命令が含まれ、高レベルのプロセス及び/又はオブジェクト指向のプログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械言語でこれらのコンピューティングプログラムを実施することができる。本明細書に使用されるような、「機械読み取り可能な媒体」及び「コンピュータ読み取り可能な媒体」という用語は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意のコンピュータプログラム製品、機器、及び/又は装置(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジック機器(PLD))を指し、機械読み取り可能な信号である機械命令を受信するための機械読み取り可能な媒体を含む。「機械読み取り可能な信号」という用語は、プログラマブルプロセッサに機械命令及び/又はデータを提供するための任意の信号を指す。
【0112】
ユーザとのインタラクションを提供するために、コンピュータ上で本明細書に説明したシステム及び技術をコンピュータに実施することができ、当該コンピュータは、ユーザに情報を表示するための表示装置(例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、キーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウスやトラックボール)とを有し、ユーザは、当該キーボード及び当該ポインティングデバイスによって、コンピュータに入力することが可能になる。他の種類の装置も、ユーザとのインタラクションを提供することができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態のセンシングフィードバック(例えば、視覚的フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であってもよく、そして、任意の形態(音響入力、音声入力、又は触覚入力を含む)でユーザからの入力を受信できる。
【0113】
本明細書に説明したシステム及び技術は、バックエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、データサーバとする)、又はミドルウェアコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバ)、又はフロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、グラフィカルユーザインターフェース又はWEBブラウザーを有するユーザコンピュータであり、ユーザは、当該グラフィカルユーザインターフェース又は当該WEBブラウザーを介して本明細書に説明したシステム及び技術の実施形態とインタラクションすることができる)、又はこのようなバックエンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント、又はフロントエンドコンポーネントを含む任意の組み合わせコンピューティングシステム中で実施できる。任意の形態又は媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)を介してシステムのコンポーネントを相互に接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、及びインターネットを含む。
【0114】
コンピュータシステムは、クライアントとサーバとを含むことができる。クライアントとサーバは、通常、互いに遠く離れており、通信ネットワークを介して互いにインタラクションするのが一般的である。クライアントとサーバの関係は、対応するコンピュータで実行され、且つ互いにクライアント-サーバの関係を持つコンピュータプログラムによって生成される。
【0115】
本願の実施例は位置決め方法をさらに提供し、当該方法では、車両上のライダーを用いて、点群データを取得し、前記点群データを用いて、前記車両の予め構築されたレーザ点群反射値マップにおける現在位置決め時刻での位置を指示するための第1の位置決め結果を決定し、前記第1の位置決め結果を用いて制約条件を構築して、観測データで受信機位置を計算する収束速度を加速し、前記現在位置決め時刻で直交座標系における前記車両の位置を指示するための第2の位置決め結果を取得する。
【0116】
本願実施例の技術的解決手段によれば、Lidar位置決め技術とGNSS-PPP位置決め技術とを結合して、GNSS基地局に依存しないという目的を実現し、また、Lidar位置決め技術の位置決め結果を用いて、GNSS受信機の観測データの収束速度を加速することができ、収束速度が過度に遅いという欠点を回避する。これにより、ライダー位置決めを融合してGNSS-PPP位置決めの収束速度を加速することにより、GNSS基地局に依存せず、高速且つ正確な位置決めという目的を実現する。
【0117】
なお、上記の様々な形態のフローを使用して、ステップを並べ替えたり、追加したり、削除したりすることができる。例えば、本願に記載の各ステップは、本願に開示されている技術案が所望の結果を達成できる限り、並行に実施されてもよいし、順次実施されてもよいし、異なる順序で実施されてもよく、本明細書では、それについて限定しない。
【0118】
上記の具体的な実施形態は、本願の特許保護範囲に対する制限を構成するものではない。当業者にとって明らかなように、設計要件及び他の要因に応じて、様々な修正、組み合わせ、サブ組み合わせ、及び置換を行うことができる。本願の精神と原則の範囲内で行われる修正、同等の置換、及び改良であれば、本願の特許保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7