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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-19
(45)【発行日】2022-08-29
(54)【発明の名称】食器洗浄機の温水生成貯湯装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/42 20060101AFI20220822BHJP
【FI】
A47L15/42 P
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019094232
(22)【出願日】2019-05-20
(65)【公開番号】P2020188838
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2022-04-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000126632
【氏名又は名称】株式会社アタゴ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100107906
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 克彦
(72)【発明者】
【氏名】大友 昇
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 正信
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-131217(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 15/42
F24H 15/375
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食器洗浄を行う 洗浄実行モードと食器洗浄が終わって次の食器洗浄を行うまでの期間は食器洗浄を休止する洗浄休止モードを交互に繰り返すように構成された食器洗浄機の温水生成貯湯装置であって、
圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を冷媒配管で循環接続し、該冷媒配管に冷媒を流通させることで構成されたヒートポンプユニットと、
前記凝縮器の中を流通する冷媒と外部から供給される水との熱交換により生成されるすすぎ用温水を貯湯する貯湯タンクと、
前記貯湯タンクから食器洗浄機へのすすぎ用温水の供給を制御する供給制御弁と、
前記食器洗浄機が洗浄実行モードの期間には前記供給制御弁を開いてすすぎ用温水を供給し、前記食器洗浄機が洗浄休止モードの期間には前記供給制御弁を閉じてすすぎ用温水の供給を停止するように前記供給制御弁を制御する制御手段と、を備え、
前記洗浄実行モード及び前記洗浄休止モードの両期間を通じて前記ヒートポンプユニットの熱源運転を行うことによって、前記洗浄実行モードで必要な量のすすぎ用温水を生成して前記貯湯タンクに貯湯し、前記洗浄実行モードの期間に前記食器洗浄機に前記必要な量のすすぎ用温水を供給し、
前記洗浄実行モードと前記洗浄休止モードとを1サイクルとすると、各サイクルですすぎ用温水の供給量と生成量とをバランスすることにより、 前記貯湯タンクのすすぎ用温水の残量を一定値以上に保持するように構成されたことを特徴とする食器洗浄機の温水生成貯湯装置。
【請求項2】
前記貯湯タンク及び前記食器洗浄機は屋内に配置され、
前記圧縮機又は前記蒸発器は屋外に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の食器洗浄機の温水生成貯湯装置。
【請求項3】
前記圧縮機は屋外に配置され、前記凝縮器、前記膨張弁、及び前記蒸発器は屋内に配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の食器洗浄機の温水生成貯湯装置。
【請求項4】
前記圧縮機及び前記蒸発器は屋外に配置され、前記凝縮器、及び前記膨張弁は屋内に配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の食器洗浄機の温水生成貯湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食器洗浄機のすすぎ用温水を生成し、貯湯する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
業務用の食器洗浄機では、食器をすすぐ際に、約80℃以上の温水が使用される。これは、高温水による食器の殺菌、食器を高温にすることで食器の乾燥を促進する、といった理由による。
【0003】
現在、業務用食器洗浄機で80℃以上の温水を生成、貯湯する方式は、2つの方式に大別される。1つは、燃焼ガスバーナーにより、熱交換器を介して水を加熱する方式であり、もう1つは、貯湯タンクに電気ヒーターを挿入し、水を加熱する方式である。前者は、単独で充分な加熱能力が得られる一方、後者は、加熱能力が不十分で、時間短縮のために、補助的にガス給湯器から中温水の供給を受ける場合が多い。
【0004】
特許文献1には、ヒートポンプにより水を加熱して温水を生成し、貯湯タンクに貯湯するようにした食器洗浄機の温水生成貯湯装置が記載されている。ヒートポンプ式を採用することにより、ガス式に比べてランニングコストを低減することができ、電気ヒーター式に比べて高効率化を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-80391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のヒートポンプ式の温水生成貯湯装置においては、食器洗浄機の洗浄動作中は常時温水を生成して食器洗浄機に供給していたことから、必要量の温水を供給するためにはヒートポンプを構成する圧縮機(コンプレッサ)、及び貯湯タンクが大型なものにならざるを得なかった。そのため、ランニングコストが依然として高く、その設置スペースも大きくなるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題に鑑み、本発明の食器洗浄機の温水生成貯湯装置は、食器洗浄を行う洗浄実行モードと食器洗浄が終わって次の食器洗浄を行うまでの期間は食器洗浄を休止する洗浄休止モードを交互に繰り返すように構成された食器洗浄機の温水生成貯湯装置であって、圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を冷媒配管で循環接続し、該冷媒配管に冷媒を流通させることで構成されたヒートポンプユニットと、前記凝縮器の中を流通する冷媒と外部から供給される水との熱交換により生成されるすすぎ用温水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンクから食器洗浄機へのすすぎ用温水の供給を制御する供給制御弁と、前記食器洗浄機が洗浄実行モードの期間には前記供給制御弁を開いてすすぎ用温水を供給し、前記食器洗浄機が洗浄休止モードの期間には前記供給制御弁を閉じてすすぎ用温水の供給を停止するように前記供給制御弁を制御する制御手段と、を備え、
前記洗浄実行モード及び前記洗浄休止モードの両期間を通じて前記ヒートポンプユニットの熱源運転を行うことによって、前記洗浄実行モードで必要な量のすすぎ用温水を生成して前記貯湯タンクに貯湯し、前記洗浄実行モードの期間に前記食器洗浄機に前記必要な量のすすぎ用温水を供給し、前記洗浄実行モードと前記洗浄休止モードとを1サイクルとすると、各サイクルですすぎ用温水の供給量と生成量とをバランスすることにより、前記貯湯タンクのすすぎ用温水の残量を一定値以上に保持するように構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の食器洗浄機の温水生成貯湯装置によれば、食器洗浄機に洗浄実行モードと洗浄休止モードを設け、食器洗浄機が洗浄休止モードの期間にはすすぎ用温水の生成を継続しながらすすぎ用温水の供給を停止することにより、貯湯タンクの温水残量を一定値以上に保持するようにしたので、ヒートポンプを構成する圧縮機、及び貯湯タンクを小型化し、ランニングコストの低減と省スペース化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態による食器洗浄機の温水生成貯湯装置の構成を示す図である。
図2】本発明の第1及び第2の実施形態による食器洗浄機の温水生成貯湯装置の動作例を説明する図である。
図3】本発明の第1及び第2の実施形態による食器洗浄機の温水生成貯湯装置の配置を示す図である。
図4】本発明の第1及び第2の実施形態による食器洗浄機の温水生成貯湯装置の他の配置を示す図である。
図5】本発明の第2の実施形態による食器洗浄機の温水生成貯湯装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態における食器洗浄機の温水生成貯湯装置を図面に基づいて説明する。図1に示すように、この温水生成貯湯装置100は食器洗浄機のすすぎ用温水を生成し、かつ貯湯する装置であって、ヒートポンプユニット10と貯湯タンクユニット20を備える。
【0011】
先ず、ヒートポンプユニット10の構成を説明する。このヒートポンプユニット10は、圧縮機1(コンプレッサ)、凝縮器2(コンデンサー)、電磁式の膨張弁3及び蒸発器4(エバポレーター)を冷媒配管5で循環接続し、冷媒配管5の中に冷媒として例えば二酸化炭素(CO)を流通可能に封入することで構成される。蒸発器4と圧縮機1はアキュムレータ6(蓄圧器)を介して接続される。
【0012】
また、蒸発器4の出口側の冷媒配管5と、凝縮器2の出口側の冷媒配管5とをロウ付け等により密着して並列配管することで補助熱交換部7を構成し、蒸発器4を経た低温冷媒を凝縮器2から出た高温冷媒で加熱することにより、熱利用効率を高めることができる。
【0013】
次に、貯湯タンクユニット20の構成を説明する。この貯湯タンク21は半密閉型の容器で形成される。貯湯タンク21は水熱交換器である凝縮器2の中を流通する冷媒と外部から供給される水(例えば、市水)との熱交換により生成されるすすぎ用温水を貯湯する。
【0014】
貯湯タンク21と凝縮器2との間には、貯湯タンク21の下方出口側から凝縮器2の入口側に水を流す第1の水配管22aと、凝縮器2の出口側から貯湯タンク21の上方入口側に加熱された水を戻す第2の水配管22bが配設され、貯湯タンク21と凝縮器2の間で循環路が形成されている。水配管22bには電磁弁56が設けられている。
【0015】
凝縮器2の入口側の第1の水配管22aには入口の水温を検知する熱交入口温度センサS1が設けられている。また、凝縮器2の出口側の第2の水配管22bには出口の水温を検知する熱交出口温度センサS2が設けられている。
【0016】
第1の水配管22aには流量を制御しつつ水を循環させるための流量制御用ポンプ23が設けられている。貯湯タンク21の上方入口側の第2の水配管22bから分岐した配管の端部には高温高圧の湯を外部に逃がし、貯湯タンク21内の過圧力を下げるための逃がし弁24が設けられている。貯湯タンク21の下方入口には、貯湯タンク21に水を供給するための水供給管25が接続されている。水供給管25には逆止弁付減圧弁25aが設けられ、水圧を適度に下げるとともに、逆流を防止している。
【0017】
貯湯タンク21の上方出口にはすすぎ用温水を食器洗浄機30に供給するための温水供給配管26が接続されている。温水供給配管26の途中には電動混合弁27が設けられている。電動混合弁27は、水供給管25から分岐した分岐配管28を流れる水と、温水供給配管26を流れるすすぎ用温水とを必要に応じて混合し、すすぎ用温水の温度を制御する。
【0018】
供給制御弁29は、電動混合弁27と食器洗浄機30の間の温水供給配管26に設けられている。また、温水供給配管26(電動混合弁27と供給制御弁29の間の部分)には供給温水の温度を検知する供給温水温度センサS3が設けられている。
【0019】
この供給制御弁29は、貯湯タンク21から食器洗浄機30へのすすぎ用温水の供給を制御する。制御手段40は、電動混合弁27及び供給制御弁29の開閉を制御する。また、制御手段40は、熱交入口温度センサS1、熱交出口温度センサS2及び供給温水温度センサS3からの温度検知信号に基づき、電動混合弁27の制御等を通じて温度制御を行う。さらに、制御手段40は流量制御用ポンプ23の流量制御を行う。
【0020】
そして、食器洗浄機30は、洗浄実行モードと洗浄休止モードを交互に繰り返すように構成されている。洗浄実行モードとは、食器洗浄機30が食器洗浄を実行するモード、洗浄休止モードとは、食器洗浄機30が食器洗浄を休止するモードである。
【0021】
制御手段40は、食器洗浄機30からのモード信号に応じて、食器洗浄機30が洗浄実行モードの期間には供給制御弁29を開いてすすぎ用温水を供給する。食器洗浄機30は食器の洗浄とすすぎ用温水を使った食器のすすぎを行う。
【0022】
また、食器洗浄機30が洗浄休止モードの期間には供給制御弁29を閉じてすすぎ用温水の供給を停止するように供給制御弁29の開閉を制御する。
【0023】
この場合、温水生成貯湯装置100は、ヒートポンプユニット10が熱源運転している状態で、洗浄実行モード及び洗浄休止モードの両方の期間に洗浄実行モードで必要な量(例えば、2リットル)のすすぎ用温水を生成して貯湯タンク21に貯湯し、洗浄実行モードの期間に食器洗浄機30に前記必要な量のすすぎ用温水を供給するように構成されている。
【0024】
すなわち、食器洗浄機30が洗浄休止モードの期間にもすすぎ用温水の生成を継続しながら、すすぎ用温水の供給を停止することにより、貯湯タンク21の温水残量を一定値以上に保持するようにしている。これにより、ヒートポンプユニット10を構成する圧縮機1、及び貯湯タンク21を小型化し、ランニングコストの低減と省スペース化を実現することができる。
【0025】
次に、上述した温水生成貯湯装置100の動作例を図2に基づいて説明する。食器洗浄機30は、洗浄実行モードと洗浄休止モードを交互に繰り返し、洗浄実行モードと洗浄休止モードの各期間は1分とする。また、洗浄実行モードに必要なすすぎ用温水の流量は2リットル/分とし、この場合、食器洗浄機30の食器洗浄処理枚数は16枚/分とする。また、ヒートポンプユニット10が熱源運転している状態で、生成されるすすぎ用温水の流量は1リットル/分とする。
【0026】
図2に示すように、圧縮機1が除霜などの理由で一時停止し、通常3分間の再起動時間を経た後に実際に再起動し、ヒートポンプユニット10が熱源運転を開始するものとする。この再起動時間においては、ヒートポンプユニット10は熱源運転を停止している。また、この期間では、電磁弁56は閉じられ、貯湯タンク21内の水の動きはない。
【0027】
貯湯タンク21の初期残量が7リットルとすると、再起動時間内における2回の洗浄実行モードの期間に、供給制御弁29が開かれ、貯湯タンク2から2リットルずつ食器洗浄機30に供給される。そのため、再起動時間経過時には貯湯タンク21の残量は3リットルに減少する。
【0028】
そして、圧縮機1が実際に再起動し、ヒートポンプユニット10が熱源運転を開始すると、電磁弁56が開かれ、流量制御用ポンプ23を運転することで貯湯タンク21から凝縮器2に水が流れる。そして、凝縮器2との熱交換により水が加熱されてすすぎ用温水が生成され、貯湯タンク21に貯湯される。
【0029】
そのため、洗浄実行モードと洗浄休止モードの両期間を通じて、1リットル/分の流量のすすぎ用温水が生成され、貯湯タンク21に貯湯される。その一方、洗浄実行モードの期間には、2リットル/分の流量のすすぎ用温水が食器洗浄機30に供給される。このように、洗浄実行モードと洗浄休止モードとを1サイクルとすると、この各サイクルで、すすぎ用温水の供給量(消費量)と生成量とはバランスしている。
【0030】
そのため、各洗浄休止モードの期間には1リットルだけ生成貯湯されるので、貯湯タンク21の残量は、3リットルから4リットルに回復する。また、各洗浄実行モードの期間には食器洗浄機30に2リットルが供給されるが、この期間にも1リットルは生成貯湯されるので、貯湯タンク21の残量は3リットルに減少するだけである。これにより、貯湯タンク21の残量は常に3リットル以上に保持される。したがって、貯湯タンクの容量は例えば10リットルあれば足りる。
【0031】
この場合、食器洗浄機30の洗浄実行モードにおける食器洗浄処理枚数は16枚/分とすれば、1時間当たりの食器洗浄処理枚数は、16×60×1/2=480枚/時となる。
【0032】
なお、各サイクルで、すすぎ用温水の供給量(消費量)と生成量とは完全に一致していなくても、貯湯タンク21の残量が一定値以上に保持されるように制御されていればよい。また、洗浄実行モードの期間と洗浄休止モードの期間は同じでなくてもよい。また、洗浄実行モードにおいて、食器洗浄機30は洗剤を用いた食器洗浄とすすぎを繰り返し行い、すすぎ用温水を食器に間欠的に注ぐように構成してもよい。
【0033】
上述した温水生成貯湯装置100において、圧縮機1、凝縮器2、膨張弁3、蒸発器4を一体型配置で構成することが通常であるが、それ以外の好適な配置を図3及び図4に基づいて説明する。図3の配置例では、圧縮機1は温水生成貯湯装置100の本体から分離して壁70(例えば、外壁)で仕切られた室外に配置されている。食器洗浄機30、凝縮器2、膨張弁3、蒸発器4及び貯湯タンク21等は屋内に配置されている。圧縮機1は図1に示すように、冷媒配管5を介して、室内側に配置されたヒートポンプユニット10の凝縮器2、蒸発器4等と接続されている。
【0034】
また、図4の配置例では、圧縮機1及び蒸発器4は分離して壁70で仕切られた室外に配置され、食器洗浄機30、凝縮器2、及び貯湯タンク21等は屋内に配置されている。圧縮機1及び蒸発器4は図1に示すように、冷媒配管5を介して、室内側に配置されたヒートポンプユニット10の凝縮器2、膨張弁3等と接続されている。なお、図示しないが、蒸発器4を分離して壁70で仕切られた室外に配置し、食器洗浄機30、圧縮機1、凝縮器2、膨張弁3、及び貯湯タンク21を屋内に配置することもできる。
【0035】
このように、騒音源となり、設置スペースが大きい圧縮機1又は蒸発器4を屋外に配置し、温水生成貯湯装置100のその他の構成部分は室内に配置したので、室内における騒音を低減することに加え、室内の省スペース化を実現することができる。なお、上記の効果を得るために、圧縮機1、凝縮器2、膨張弁3、蒸発器4を図示しないが、その他の態様で分離して配置することも可能である。
【0036】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態における食器洗浄機の温水生成貯湯装置を図面に基づいて説明する。図5に示すように、この温水生成貯湯装置200は、食器洗浄機のすすぎ用温水を生成し、貯湯する装置であって、ヒートポンプユニット10と貯湯タンクユニット20Aを備える。
【0037】
ヒートポンプユニット10は、第1の実施形態のものと同じなので、貯湯タンクユニット20Aの構成を説明する。貯湯タンク51は開放型の容器で形成される。貯湯タンク51は水熱交換器である凝縮器2の中を流通する冷媒と外部から供給される水(例えば、市水)との熱交換により生成されるすすぎ用温水を貯湯する。
【0038】
凝縮器2の入口側には水を凝縮機2に供給するための水供給管52が接続されている。水供給管52には逆止弁付減圧弁53、水流量を一定に制御するための定流量弁54が設けられている。凝縮器2の出口側には熱交換により生成されたすすぎ用温水を貯湯タンク51の上方開放部に流出する湯流出管55が接続されている。湯流出管55の出口附近には電磁弁56が設けられている。
【0039】
凝縮器2の入口側の水供給管52には入口の水温を検知する熱交入口温度センサS1が設けられている。また、凝縮器2の出口側の湯流出管55には出口の水温を検知する熱交出口温度センサS2が設けられている。
【0040】
貯湯タンク51の下方出口にはすすぎ用温水を食器洗浄機30に供給するための温水供給配管57が接続されている。この温水供給配管57の途中には、流量制御ポンプ58、電動混合弁59が設けられている。電動混合弁59は、水供給管52から分岐した分岐配管60を流れる水と、温水供給配管57を流れるすすぎ用温水とを必要に応じて混合し、すすぎ用温水の温度を制御する。
【0041】
供給制御弁61は、電動混合弁59と食器洗浄機30の間の温水供給配管57に設けられている。また、温水供給配管57(電動混合弁59と供給制御弁61の間の部分)には供給温水の温度を検知する供給温水温度センサS3が設けられている。
【0042】
この供給制御弁61は、貯湯タンク51から食器洗浄機30へのすすぎ用温水の供給を制御する。制御手段40は、電動混合弁59及び供給制御弁61の開閉を制御する。また、制御手段40は、熱交入口温度センサS1、熱交出口温度センサS2及び供給温水温度センサS3からの温度検知信号に基づき、電動混合弁59の制御等を通じてすすぎ用温水の温度制御を行う。さらに、制御手段40は流量制御用ポンプ58の流量制御を行う。
【0043】
その他の構成は、第1の実施形態と同様であり、食器洗浄機30は、洗浄実行モードと洗浄休止モードを交互に繰り返すように構成されている。制御手段40は、食器洗浄機30からのモード信号に応じて、食器洗浄機30が洗浄実行モードの期間には供給制御弁61を開いてすすぎ用温水を供給し、食器洗浄機30が洗浄休止モードの期間には供給制御弁61を閉じてすすぎ用温水の供給を停止するように供給制御弁61の開閉を制御する。
【0044】
また、本実施形態による温水生成貯湯装置200の動作例については、第1の実施形態と同様になっている。
【0045】
また、本実施形態による温水生成貯湯装置200についても、図3及び図4に示すように、食器洗浄機30、凝縮器2、膨張弁3、及び貯湯タンク51等を室内に配置し、圧縮機1又は蒸発器4を分離して室外に配置することにより、室内における騒音を低減することに加え、室内の省スペース化を実現することができる。
【0046】
本発明には、上述の実施形態の他にも、更には上述した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 圧縮機
2 凝縮器
3 膨張弁
4 蒸発器
4a 第1の蒸発器
4b 第2の蒸発器
5 冷媒配管
6 アキュムレータ
7 補助熱交換部
10 ヒートポンプユニット
20 貯湯タンクユニット
21 貯湯タンク
22a 第1の水配管
22b 第2の水配管
23 流量制御用ポンプ
24 逃がし弁
25 水供給管
25a 逆止弁付減圧弁
26 温水供給配管
27 電動混合弁
28 分岐配管
29 供給制御弁
30 食器洗浄機
51 貯湯タンク
52 水供給管
53 逆止弁付減圧弁
54 定流量弁
55 湯流出管
56 電磁弁
57 温水供給配管
58 流量制御ポンプ
59 電動混合弁
60 分岐配管
61 供給制御弁
70 壁
S1 熱交入口温度センサ
S2 熱交出口温度センサ
S3 供給温水温度センサ
図1
図2
図3
図4
図5