(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-19
(45)【発行日】2022-08-29
(54)【発明の名称】米研ぎ容器兼用の炊飯器用内釜
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20220822BHJP
【FI】
A47J27/00 103H
(21)【出願番号】P 2022112381
(22)【出願日】2022-07-13
【審査請求日】2022-07-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521420462
【氏名又は名称】浅間情報通信技術合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】特許業務法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅間 俊平
【審査官】高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3220228(JP,U)
【文献】実開昭56-54025(JP,U)
【文献】特開平9-70357(JP,A)
【文献】特開昭57-5660(JP,A)
【文献】特開平9-108114(JP,A)
【文献】実開昭63-147119(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0053522(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00
A47J 36/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底の円筒胴部と、前記円筒胴部の上端の周縁部に設けられる円環鍔部と、を有し、炊飯器の内部に配置される、米研ぎ容器兼用の炊飯器用内釜であって、
周方向の一部領域に開口部を備えた略円筒形の有底の第1胴部、及び、前記第1胴部の上端の周縁部に当該第1胴部と一体に形成され、前記開口部に対応した領域に欠損部を備えた略円環形状の第1鍔部、を有する釜本体と、
前記第1胴部の前記開口部を塞ぐことで当該第1胴部とともに前記円筒胴部を構築可能な形状を備えた第2胴部、及び、前記第1鍔部の前記欠損部を補うことで当該第1鍔部とともに前記円環鍔部を構築可能な形状を備えた第2鍔部、を有し、前記釜本体に対して上昇・下降可能に装着される水門として機能する、ゲート部材と、
を有し、
前記ゲート部材の上昇時には、前記釜本体の前記第1胴部の内部空間のうち前記開口部の下端より下方に研ぎ対象の米を滞留させつつ、前記内部空間の水を前記開口部を介して当該釜本体の外部へ流出させる、開門状態となり、
前記ゲート部材の下降時には、前記第2胴部が前記開口部を塞いで前記円筒胴部を構築するとともに、前記第2鍔部が前記欠損部を補って前記円環鍔部を構築することで、前記開口部を介した前記水の流出を防止する、閉門状態となる
ことを特徴とする米研ぎ容器兼用の炊飯器用内釜。
【請求項2】
請求項1記載の米研ぎ容器兼用の炊飯器用内釜において、
前記ゲート部材及び前記釜本体のうちの一方には係合凸部が設けられ、
前記ゲート部材及び前記釜本体のうちの他方には係合凹部が設けられ、
前記ゲート部材は、前記係合凸部と前記係合凹部との係合により、前記釜本体に対し上下スライド可能に支持される
ことを特徴とする米研ぎ容器兼用の炊飯器用内釜。
【請求項3】
請求項2記載の米研ぎ容器兼用の炊飯器用内釜において、
前記係合凸部及び前記係合凹部は、
それぞれ上下方向に延設され、互いに協働して前記ゲート部材の前記釜本体に対する径方向の位置決めを行う
ことを特徴とする米研ぎ容器兼用の炊飯器用内釜。
【請求項4】
請求項3記載の米研ぎ容器兼用の炊飯器用内釜において、
前記ゲート部材に備えられる前記係合凸部又は前記係合凹部は、
前記第2鍔部及び前記第2胴部に共通に、上下方向に連続的に設けられている
ことを特徴とする米研ぎ容器兼用の炊飯器用内釜。
【請求項5】
請求項4記載の米研ぎ容器兼用の炊飯器用内釜において、
前記第1胴部の前記開口部は、
それぞれ上下方向に縦長の形状を有する複数のスリットが周方向に並べられた略櫛歯形状を備えており、
前記第2胴部は、
前記閉門状態において前記開口部の前記複数のスリットをそれぞれ閉塞可能な複数の棒状突起部を含む、略櫛歯形状を備えている
ことを特徴とする米研ぎ容器兼用の炊飯器用内釜。
【請求項6】
請求項5記載の米研ぎ容器兼用の炊飯器用内釜において、
前記ゲート部材及び前記釜本体のうち少なくとも一方は、
前記ゲート部材の前記開門状態への上昇移動時に、前記釜本体からの離脱を防止するためのストッパ部を備える
ことを特徴とする米研ぎ容器兼用の炊飯器用内釜。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米研ぎ容器兼用の炊飯器用内釜に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気炊飯器の内部空間に備えられる内釜が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の
図3には、略円筒形で、有底の形状である内釜30が開示されている。また特許文献の段落[0009]には、内釜が遠赤外線を放出する材質により形成されることが、記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
炊飯器で炊飯を行う際、内釜を米研ぎ容器としても兼用することは一般的に行われている。上記従来技術の形状の内釜を米研ぎ容器として、内部空間に米と水を入れて米研ぎを行った場合、内釜を傾けて研ぎ水だけを外へ排水する必要がある。通常は、内釜の上方周縁部の内側に手を添えつつ慎重に内釜全体をゆっくり傾けて排水を行うが、その際に内釜から米が漏れ出てこぼれ落ちないように細心の注意を払う必要があり、非常に手間がかかる。
【0005】
本発明の目的は、米研ぎ後に、研ぎ水だけを容易に外部へ排出することができる、米研ぎ容器兼用の炊飯器用内釜を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明は、有底の円筒胴部と、前記円筒胴部の上端の周縁部に設けられる円環鍔部と、を有し、炊飯器の内部に配置される、米研ぎ容器兼用の炊飯器用内釜であって、周方向の一部領域に開口部を備えた略円筒形の有底の第1胴部、及び、前記第1胴部の上端の周縁部に当該第1胴部と一体に形成され、前記開口部に対応した領域に欠損部を備えた略円環形状の第1鍔部、を有する釜本体と、前記第1胴部の前記開口部を塞ぐことで当該第1胴部とともに前記円筒胴部を構築可能な形状を備えた第2胴部、及び、前記第1鍔部の前記欠損部を補うことで当該第1鍔部とともに前記円環鍔部を構築可能な形状を備えた第2鍔部、を有し、前記釜本体に対して上昇・下降可能に装着される水門として機能する、ゲート部材と、を有し、前記ゲート部材の上昇時には、前記釜本体の前記第1胴部の内部空間のうち前記開口部の下端より下方に研ぎ対象の米を滞留させつつ、前記内部空間の水を前記開口部を介して当該釜本体の外部へ流出させる、開門状態となり、前記ゲート部材の下降時には、前記第2胴部が前記開口部を塞いで前記円筒胴部を構築するとともに、前記第2鍔部が前記欠損部を補って前記円環鍔部を構築することで、前記開口部を介した前記水の流出を防止する、閉門状態となることを特徴としている。
【0007】
本願発明によれば、ゲート部材を上昇させた開門状態とすることで、釜本体の第1胴部に開口部が現出する。これにより、米研ぎが終了したとき、内部空間に米研ぎ水と米とが充填された状態の釜本体を開口部側に少し傾けるだけで、開口部下端より下方の領域に米を滞留させた状態で、研ぎ水を開口部を介して釜本体の外部へ容易に流出させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、米研ぎ後に、研ぎ水だけを容易に外部へ排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る炊飯器用内釜の閉門状態における斜視図、及びゲート部材近傍の断面図及び正面図である。
【
図2】開門状態における炊飯器用内釜の斜視図、及びゲート部材近傍の断面図及び正面図である。
【
図3】炊飯器用内釜の使用例を説明する概念図である。
【
図4】変形例に係る炊飯器用内釜の閉門状態における斜視図である。
【
図5】炊飯器用内釜の開門状態における斜視図である。
【
図6】炊飯器用内釜の使用例を説明する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本発明の技術的範囲を制限するものではない。したがって、当業者であれば下記の各構成要素を均等なものに置換した実施形態を採用することができ、それらについても本発明の技術的範囲に含まれる。また、以下の説明では、本発明の理解を容易にするため、重要でない公知の技術的事項の説明を適宜省略又は簡略化する。
【0011】
図1~
図3により、本実施形態に係る炊飯器用内釜1の構成について説明する。
図1(a)に閉門状態における炊飯器用内釜1の斜視図を示す。
図1(c)に閉門状態のゲート部材11近傍を前方から見た正面図を示す。
図1(b)に
図1(c)のAA′断面図を示す。
図1(d)に
図1(c)のDD′断面図を示す。
図1に示す方角は、炊飯器用内釜1を図示されない設置面に設置した際、設置面に対し垂直な上下方向と、前記上下方向に直交し、ゲート部材11が配置される側を前方とする前後方向と、前記上下方向及び前後方向に直交する左右方向からなる。
【0012】
図2(a)に開門状態における炊飯器用内釜1の斜視図を示す。
図2(b)に開門状態のゲート部材11近傍を前方から見た正面図を示す。
図2(c)に
図2(b)のBB′断面図を示す。
図2(d)に
図2(b)のCC′断面図を示す。
図3に炊飯器用内釜1の使用例を示す。
【0013】
<全体的な構造>
図1(a)に示す炊飯器用内釜1は炊飯器の内部に配置される炊飯用の内釜であって、米研ぎ容器としても兼用される。炊飯器用内釜1は、有底の円筒胴部2と、円筒胴部2の上端の周縁部に設けられる円環鍔部3とを有する。また炊飯器用内釜1は、釜本体8と、ゲート部材11とを有する。窯本体8は、略円筒形の有底の第1胴部5と、第1胴部5の上端の周縁部に第1胴部5と一体に形成された略円環形状の第1鍔部7とを有する。ゲート部材11は、第2胴部9と、第2鍔部10とを有し、釜本体8に対して上昇・下降可能に装着されている。
【0014】
図2(a)及び
図2(b)に示すように、第1胴部5は、周方向Pに沿う一部領域に開口部4を備える。この例では、第1胴部5の開口部4は、それぞれ上下方向に縦長の形状を有し、周方向Pに沿って並べられた7個のスリットSを含む略櫛歯形状となっている。第1鍔部7は、第1胴部5と一体に形成され、開口部4に対応した領域に欠損部6を備える。
【0015】
第2胴部9は第1胴部5の開口部4を塞ぎ、第1胴部5とともに円筒胴部2を構築できるような形状に構成されている。この例では、第2胴部9は、閉門状態において開口部4の7個のスリットSをそれぞれ閉塞可能な7個の棒状突起部14を含む、略櫛歯形状となっている。第2鍔部10は、第1鍔部7の欠損部6を補うことで第1鍔部7とともに円環鍔部3を構築できるような形状に構成されている。
【0016】
<閉門状態と開門状態について>
図1(a)の炊飯器用内釜1はゲート部材11が最も下降した位置で装着された閉門状態となっている。
図1(a)、
図1(b)、
図1(c)及び
図1(d)に示すように、閉門状態において、第2胴部9と第1胴部5とは隙間なく密着し第2胴部9とが円筒胴部2を構築している。すなわち開口部4は塞がれている。また、第2鍔部10が上述した欠損部6を隙間なく補って、第1鍔部7と第2鍔部10とが円環鍔部3を構築している。これにより炊飯器用内釜1は開口部4を介した水の流出を防止する。
【0017】
図2(a)の炊飯器用内釜1はゲート部材11が最も上昇した位置を経て釜本体8から分離された開門状態となっている。この時、開口部4の全てが塞がれず現出する。
【0018】
図3の炊飯器用内釜1はゲート部材11が閉門状態より上昇した位置で装着された開門状態となっている。
図3、
図2(b)、
図2(c)及び
図2(d)に示すように、この時、第1胴部5と第2胴部9とは互いに離間し、スリットSを含む開口部4の少なくとも一部が塞がれず現出する。
【0019】
上述した開門状態において、炊飯器用内釜1はゲート部材11の上昇により現出した開口部4を介して内部空間の研ぎ水を流出させる。すなわち、ゲート部材11は研ぎ水Wの流出を制御する水門として機能する。
【0020】
<使用例>
ユーザMはまずゲート部材11を釜本体8に対して装着して下降させ、炊飯器用内釜1を閉門状態とし、炊飯器用内釜1の内部空間にて米Rを研ぐ。その後、ゲート部材11を釜本体8に対して上昇させ、炊飯器用内釜1を開門状態として、
図3に示すように、炊飯器用内釜1を少し傾けて、開口部4から不要な研ぎ水Wを流出させる。研ぎ水Wを流出させた後は、ゲート部材11を再び下降させて上記閉門状態とした上で、炊飯が行われる。なお、炊飯器用内釜1を開門状態とした状態で米Rを研いでもよい。その場合は、その開門状態のまま上述のように開口部4から研ぎ水Wを流出させた後、ゲート部材11を下降させて炊飯器用内釜1を閉門状態として炊飯が行われる。
いずれの場合も、少なくとも研ぎ水Wを流出させるときには、ゲート部材11を上昇させた開門状態とすれば足りるものである。
【0021】
<ゲート部材と釜本体との係合構造について>
図2(a)及び
図1(b)に示すように、ゲート部材11には、周方向Pに沿った両端部において係合凸部12が設けられる。釜本体8には、前記係合凸部12に対応する位置に係合凹部13が設けられる。ゲート部材11は、係合凸部12と係合凹部13との係合により、釜本体8に対し上下にスライド可能に支持されるようになっている。
【0022】
係合凸部12及び係合凹部13は、それぞれ上下方向に延設され、互いに協働してゲート部材11の釜本体8に対する径方向の位置決めを行う。ゲート部材11を任意の位置とすることでユーザは現出させる開口部4の面積を調節可能となっている。
【0023】
この例では、ゲート部材11に備えられる係合凸部12は、第2鍔部10及び第2胴部9に対して連続的に形成されている。すなわち、上下方向に延在する共通の係合凸部12が、第2鍔部10及び第2胴部9に対して連続的に設けられている。また、釜本体8に備えられる係合凹部13は、第1鍔部7及び第1胴部5に対して連続的に形成されている。すなわち、上下方向に延在する共通の係合凹部13が、第1鍔部7及び第1胴部5に対して連続的に設けられている。
【0024】
係合凸部12と係合凹部13との突合せ部、すなわち、係合凸部12と係合凹部13とが互いに接触する部位において、密着性を向上させ隙間を低減するため、公知のパッキンやゴム等の適宜のシール部材を設けてもよい。なお、研ぎ水の水位が低い状態のみにおいて炊飯器用内釜1が使用される場合等には、前記シール部材を設置しなくてもよい。
【0025】
なお、この例では、ゲート部材11に係合凸部12が設けられ、釜本体8に係合凹部13が設けられているが、ゲート部材11に係合凹部13が設けられ、釜本体8に係合凸部12が設けられていてもよい。
【0026】
ゲート部材11及び釜本体8のうち少なくとも一方は、ゲート部材11の開門状態への上昇移動時に、釜本体8からの離脱を防止するためのストッパ部を備えていてもよい。ストッパ部としては例えば、ゲート部材11の下端に水平に突出する爪や丸棒等を設け、釜本体8の第1鍔部7等の上端付近に当該爪や丸棒が突き当たって止まる突き当たり部、その他これに準ずる公知の構造等を用いることができる。
【0027】
釜本体8は金属又はセラミック等で構成される。ゲート部材11は、釜本体と同様の素材で構成されてもよく、例えばプラスチック等の素材で構成されていてもよい。
【0028】
1つのスリットSの周方向Pにおける寸法は例えば3ミリメートルから1センチメートルの間である。しかし、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0029】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態においては、ゲート部材11を上昇させた開門状態とすることで、釜本体8の第1胴部5に開口部4が現出する。これにより、米研ぎが終了したとき、内部空間に米研ぎ水Wと米Rとが充填された状態の釜本体8を開口部4側に少し傾けるだけで、開口部4下端より下方の領域に米Rを滞留させた状態で、研ぎ水Wを開口部4を介して釜本体8の外部へ容易に流出させることができる。
【0030】
また、本実施形態では特に、係合凸部12と係合凹部13との係合構造でゲート部材11を上・下スライド可能に支持することで、開門状態と閉門状態との切り替えを円滑に行うことができる。
【0031】
また、本実施形態では特に、係合凸部12と係合凹部13との係合構造でゲート部材11の径方向の位置決めを行うことで、ゲート部材11の上・下スライドを円滑に行うことができる。
【0032】
また、本実施形態では特に、簡易な構造でゲート部材11を上・下スライド可能に支持することができ、かつ、第2鍔部10及び第2胴部9それぞれに別々に形成する場合に比べ、高精度に上記スライド移動をガイドすることができる。
【0033】
また、本実施形態では特に、開口部4が櫛歯形状を備えることで、例えば1つの大きな穴の開口部4を単純なプレート形状の第2胴部9で塞ぐ構造の場合に比べ、米の漏れ出しを確実に防止しつつ、大きな流量にて迅速に研ぎ水の排出を行うことができる。
【0034】
また、本実施形態では特に、炊飯器用内釜1がストッパ部を備えることで、ゲート部材11の釜本体8からの抜け止めを図れるので、ゲート部材11の紛失を防止することができる。また、ゲート部材11が釜本体8から抜けてしまった後に再装着が困難となってしまう恐れも回避できる。
<変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。そのような変形例を順を追って説明する。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜、説明を省略又は簡略化する。
【0035】
(1)開口部4がスロット形状である場合
図4に変形例に係る炊飯器用内釜1′の閉門状態における斜視図を示す。炊飯器用内釜1′は釜本体8′とゲート部材11′とを備える。ゲート部材11′は第2鍔部10′と第2胴部9′とを備え、釜本体8′は第1鍔部7と第1胴部5′とを備える。この変形例において、ゲート部材11′の第2胴部9′は櫛歯状でなくプレート状である。なお、煩雑を防ぐため図示を省略しているが、この変形例においても、ゲート部材11′及び釜本体8′は、実施形態と同様の凸部及び凹部による係合構造を備える。
【0036】
図5に炊飯器用内釜1′の開門状態における斜視図を示す。第2胴部5′は、ゲート部材11′に対応する領域に、スロット板部15を備え、スロット板部15は、複数の、上下方向に延在するスロット状の開口部4を備える。ゲート部材11′を上方向にスライドさせると、スロット状の開口部4が現出するようになっている。
【0037】
図6に炊飯器用内釜1′の使用例を示す。ユーザMは炊飯器用内釜1を閉門状態として米Rを研いだ後、炊飯器用内釜1を開門状態とし、
図6に示すように、炊飯器用内釜1′を少し傾けて、各開口部4から不要な研ぎ水Wを流出させる。
研ぎ水Wを流出させた後は閉門状態とした上で、炊飯が行われる。なお、前述と同様、炊飯器用内釜1′を開門状態とした状態で米Rを研いでもよい。
【0038】
<変形例の効果>
変形例についても、実施形態と同様の効果を得る。
【0039】
(2)その他
なお、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0040】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0041】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0042】
1、1′ 炊飯器用内釜
2 円筒胴部
3 円環鍔部
4 開口部
5、5′ 第1胴部
6 欠損部
7 第1鍔部
8、8′ 釜本体
9、9′ 第2胴部
10、10 第2鍔部
11、11′ ゲート部材
12 係合凸部
13 係合凹部
14 棒状突起部
S スリット
15 スロット板部
【要約】
【課題】米研ぎ後に、研ぎ水だけを容易に外部へ排出することができる。
【解決手段】米研ぎ容器兼用の炊飯器用内釜1は、開口部4を備えた第1胴部5及び欠損部6を備えた第1鍔部7を有する釜本体8と、第1胴部5の開口部4を塞ぐ第2胴部9及び第1鍔部7の欠損部6を補う第2鍔部10を有し、釜本体8に対して上昇・下降可能に装着される水門として機能するゲート部材11とを有し、ゲート部材11の上昇時には、内部空間の水を開口部4を介して釜本体8の外部へ流出させる開門状態となり、ゲート部材11の下降時には、開口部4を介した前記水の流出を防止する閉門状態となる。
【選択図】
図3