(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-19
(45)【発行日】2022-08-29
(54)【発明の名称】電流測定装置の較正のための方法、電流測定方法及び装置、表示装置
(51)【国際特許分類】
G01R 19/00 20060101AFI20220822BHJP
G01R 35/00 20060101ALI20220822BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220822BHJP
G09G 3/3233 20160101ALI20220822BHJP
【FI】
G01R19/00 B
G01R35/00 E
G09G3/20 670Q
G09G3/20 611H
G09G3/20 642P
G09G3/20 642A
G09G3/3233
G01R35/00 C
(21)【出願番号】P 2017567351
(86)(22)【出願日】2017-05-24
(86)【国際出願番号】 CN2017085631
(87)【国際公開番号】W WO2018014651
(87)【国際公開日】2018-01-25
【審査請求日】2020-03-26
(31)【優先権主張番号】201610567191.9
(32)【優先日】2016-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】512282165
【氏名又は名称】合肥▲シン▼晟光▲電▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI XINSHENG OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Xinzhan Industrial Park,Hefei,Anhui,230012,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 蕾
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-109660(JP,A)
【文献】特開2002-148284(JP,A)
【文献】特開2013-253911(JP,A)
【文献】特開2005-037286(JP,A)
【文献】特開昭59-043627(JP,A)
【文献】特開2012-189490(JP,A)
【文献】特開2013-205325(JP,A)
【文献】特開2006-133135(JP,A)
【文献】特開2013-253841(JP,A)
【文献】米国特許第06243034(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 19/00
G01R 35/00
G09G 3/20
G09G 3/3233
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流測定装置の較正のための方法であって、前記電流測定装置は、時間パラメータに基づいて電流を測定するものであり、前記時間パラメータは、電流が前記電流測定装置における電圧を所定値変化させるのに必要な時間であり、前記電流測定装置の較正のための方法において、
複数の指定電流を前記電流測定装置へ入力すること、
前記複数の指定電流に対応する複数の時間パラメータを検出すること、
複数の前記指定電流及び対応する複数の時間パラメータに基づいて、電流と時間パラメータの関数関係を得ることを含む電流測定装置の較正のための方法であって、
前記電流測定装置が、オペアンプと積分容量を備え、前記オペアンプが、初期化電圧が入力されるように構成された正入力端と、電流が入力されるように構成された負入力端と、出力端とを有し、前記積分容量が、前記負入力端と前記出力端の間に接続され、前記負入力端が、寄生容量を介して接地される電流測定装置であって、
さらに、前記電流に対応する時間パラメータを検出し、電流と時間パラメータの関数関係に基づいて、前記電流を確定するように構成された制御部を備え、
前記時間パラメータは、前記電流が前記積分容
量と前記寄生容量を介して前記出力端の電圧を所定値変化させるのに必要な時間であって、
較正により得られる実際の関数関係は、I=C_eff*ΔV/(CT-CT0)によって表せられ、
曲線の傾きC_effは等価容量であり、曲線切片CT0は放電時間較正係数であって、
前記時間パラメータ(CT)は、前記積分容量(Cop)の放電時間であって、前記電流(I)を前記負入力端へ入力する時に、前記出力端の電圧(Vo)を所定値(ΔV)低下させるのに必要な時間であり、
較正により曲線の傾きC_effと曲線切片CT0を得てから、電流を測定する時に、時間パラメータCTにより、電流Iを直接算出する
電流測定装置の較正のための方法。
【請求項2】
前記関数関係は、線形関係である、
請求項1に記載の電流測定装置の較正のための方法。
【請求項3】
前記複数の指定電流は、2つの指定電流である、
請求項1に記載の電流測定装置の較正のための方法。
【請求項4】
前記複数の指定電流は、2つより多い指定電流である、
請求項1に記載の電流測定装置の較正のための方法。
【請求項5】
電流測定方法であって、
電流に対応する時間パラメータを検出すること、
電流に対応する時間パラメータ、及び電流と時間パラメータの関数関係に基づいて、電流を確定すること、を含み、
さらに、
請求項1に記載の電流測定装置の較正のための方法を利用して、前記電流と時間パラメータの関数関係に対して、較正を行うことを含む、
電流測定方法。
【請求項6】
前記電流と時間パラメータの関数関係に対して、周期的に較正を行う、
請求項5に記載の電流測定方法。
【請求項7】
前記関数関係は、線形関係である、
請求項5に記載の電流測定方法。
【請求項8】
オペアンプと積分容量を備え、前記オペアンプが、初期化電圧が入力されるように構成された正入力端と、電流が入力されるように構成された負入力端と、出力端とを有し、前記積分容量が、前記負入力端と前記出力端の間に接続され、前記負入力端が、寄生容量を介して接地される電流測定装置であって、
さらに、前記電流に対応する時間パラメータを検出し、電流と時間パラメータの関数関係に基づいて、前記電流を確定するように構成された制御部を備え、
前記時間パラメータは、前記電流が前記積分容
量と前記寄生容量を介して前記出力端の電圧を所定値変化させるのに必要な時間であって、
請求項1に記載の電流測定装置の較正のための方法を利用して、前記電流と時間パラメータの関数関係に対して、較正を行う
電流測定装置。
【請求項9】
さらに、前記負入力端と前記出力端の間に接続され、電流が入力される前に前記負入力端と前記出力端を直接接続して、前記正入力端と、負入力端と、出力端との電圧を設定するように構成されたスイッチ素子を備える、
請求項8に記載の電流測定装置。
【請求項10】
さらに、複数の指定電流を前記負入力端へ供給するように構成された電流源を備え、
前記制御部が、さらに、複数の指定電流に対応する複数の時間パラメータを検出し、複数の指定電流及び対応する複数の時間パラメータに基づいて、電流と時間パラメータの関数関係を得るように構成される、
請求項8に記載の電流測定装置。
【請求項11】
請求項8ないし10のいずれか1項に記載の電流測定装置を備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2016年7月19日に提出の中国特許出願第201610567191.9号の優先権を主張し、上記した中国特許出願に開示されている全ての内容を引用して本出願の一部とする。
【0002】
本開示の実施例は表示の技術に関し、特に、電流測定装置の較正のための方法、電流測定方法及び装置、表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
表示の技術分野において、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode,OLED)が幅広く応用されている。表示装置のアレイ基板において、駆動トランジスタは、データ電圧により駆動電流を発生させることによって、有機発光ダイオードが発光するように駆動して表示することができる。駆動トランジスタの閾値電圧は、データ電圧と駆動電流の対応関係に影響を与える。異なる駆動トランジスタの閾値電圧は相異する可能性があり、同一の駆動トランジスタの異なる時期における閾値電圧も相異する可能性があるため、同様なデータ電圧に対して必ず同様な駆動電流を得るとは言えなく、表示装置の発光が不均一になってしまう。
【0004】
表示装置の発光を均一にするために、実際の駆動電流を検出し、実際の駆動電流が設定された駆動電流と相等になるようにデータ電圧を調整する必要がある。これは、実際の駆動電流に対して高精度の検出を行う必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例は、電流測定装置の較正のための方法、電流測定方法及び装置、表示装置を提供する。
【0006】
第1発明により、本開示の実施例は電流測定装置の較正のための方法を提供する。電流測定装置は、電流が電流測定装置における電圧を所定値変化させるのに必要な時間である時間パラメータに基づいて、電流を測定する。当該方法において、複数の指定電流を電流測定装置へ入力すること、複数の指定電流に対応する複数の時間パラメータを検出すること、複数の指定電流及び対応する複数の時間パラメータに基づいて、電流と時間パラメータの関数関係を得ることを含む。
【0007】
本開示の実施例において、関数関係は、線形関係である。
【0008】
本開示の実施例において、複数の指定電流は、2つの指定電流である。
【0009】
本開示の実施例において、複数の指定電流は、2つより多い指定電流である。
【0010】
第2発明により、本開示の実施例は電流測定方法を提供し、前記電流測定方法において、電流に対応する時間パラメータを検出すること、電流に対応する時間パラメータ、及び電流と時間パラメータの関数関係に基づいて、電流を確定すること、を含む。電流測定方法は、さらに、上記した電流測定装置の較正の方法を利用して、電流と時間パラメータの関数関係に対して、較正を行うことを含む。
【0011】
本開示の実施例において、電流と時間パラメータの関数関係に対して、周期的に較正を行う。
【0012】
本開示の実施例において、関数関係は、線形関係である。
【0013】
第3発明により、本開示の実施例は、オペアンプと積分容量を備え、前記オペアンプが、初期化電圧が入力されるように構成された正入力端と、電流が入力されるように構成された負入力端と、出力端とを有し、前記積分容量が、負入力端と出力端の間に接続される、電流測定装置であって、さらに、電流に対応する時間パラメータを検出し、電流と時間パラメータの関数関係に基づいて、電流を確定するように構成された制御部を備え、前記時間パラメータは、電流が出力端の電圧を所定値変化させるのに必要な時間である、電流測定装置を提供する。
【0014】
本開示の実施例において、電流測定装置は、さらに、負入力端と出力端の間に接続されたスイッチ素子を備える。スイッチ素子は、電流が入力される前に、負入力端と出力端を直接接続して、正入力端と、負入力端と、出力端との電圧を設定するように構成される。
【0015】
本開示の実施例において、電流測定装置は、さらに、複数の指定電流を負入力端へ供給するように構成された電流源を備え、制御部が、さらに、複数の指定電流に対応する複数の時間パラメータを検出し、複数の指定電流及び対応する複数の時間パラメータに基づいて、電流と時間パラメータの関数関係を得るように構成される。
【0016】
第4発明により、本開示の実施例は、上記した電流測定装置を備える表示装置を提供する。
【0017】
本開示の実施例による電流測定装置の較正のための方法、電流測定方法及び装置、表示装置によって、電流測定の精度が向上される。
【0018】
以下、本開示の実施例の態様をより明確に説明するために、実施例の図面に対して簡単に説明する。以下で説明している図面は本開示のいくつかの実施例に係るものであり、本開示を制限するものではないことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本開示の実施例の電流測定原理の模式図である。
【
図2】
図1に示す電流と時間パラメータの関数関係の模式図である。
【
図3】本開示の実施例による電流測定装置の較正のための方法のフロー図である。
【
図4】本開示の実施例による電流測定方法のフロー図である。
【
図5】本開示の実施例による電流測定装置の回路の一例の模式図である。
【
図6】
図5に示す
電流測定装置に関する時間パラメータの模式図である。
【
図7】異なる電流に対応する時間パラメータの模式図である。
【
図8】
図5に示す
電流測定装置に関する電流と時間パラメータの関数関係の模式図である。
【
図9】較正前後の、
図5に示す
電流測定装置に関する電流と時間パラメータの関数関係の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示の実施例の態様と利点をより明確するように、図面を参照しながら、本開示の実施例の態様を明確で完全に説明する。説明している実施例は本開示の実施例の一部であり、全ての実施例ではないことは明らかである。本開示の実施例の説明に基づいて、当業者の進歩的な努力を必要としない前提で得られる全ての他の実施例は、いずれも本開示の保護の範囲に属する。
【0021】
図1は、本開示の実施例の電流測定原理の模式図である。
図1に示すように、電流測定回路1を用いて、電流Iをそれに対応する時間パラメータTPに変換することによって、電流の測定を容易にすることができる。当該形態は、表示装置における駆動トランジスタの駆動電流の測定に良く適用することができる。
【0022】
電流測定回路1は、電流を時間パラメータTPに変換可能な任意の回路であってもよい。時間パラメータは、電流が電流測定装置における電圧を所定値変化させるのに必要な時間であってもよい。例えば、電流測定回路1は容量(キャパシター)などのエネルギー貯蔵素子を含んでもよい。電流Iは容量に充電してもよく、時間パラメータは充電時間に対応してもよい。電流Iは容量から放電するものであってもよく、時間パラメータは放電時間に対応してもよい。時間パラメータTPは、上記した充電時間または放電時間の値を直接に採用してもよく、上記した充電時間または放電時間の値を変換して得られてもよい。
【0023】
図2は、
図1に示す電流と時間パラメータの関数関係の模式図である。
図2に示すように、確定された電流測定回路1に対して、電流及び対応する時間パラメータTPは、例えば線形関係のような一対一に対応する関数関係を有してもよい。当該関数関係は理論計算により得られてもよく、較正によって得られてもよい。図面において正比例の関係を例に説明しているが、線形関係は反比例の関係であってもよい。
【0024】
図3は、本開示の実施例による電流測定装置の較正のための方法のフロー図である。
図3に示すように、電流測定装置の較正のための方法は、複数の指定電流を電流測定装置へ入力し、複数の指定電流に対応する複数の時間パラメータを検出し、複数の指定電流及び対応する複数の時間パラメータに基づいて、電流と時間パラメータの関数関係を得る。
【0025】
本開示の実施例は、アレイ基板の電流測定装置の較正に用いられる。
【0026】
本開示の実施例において、関数関係は、線形関係であってもよい。この場合、2つの係数だけで当該関係は表現される。2つの指定電流及び対応する2つの時間パラメータが知られていると、当該2つの係数を算出することができる。なお、2つより多い電流及び対応する2つより多い時間パラメータを使用してもよく、この場合、フィッティングなどの手法で線形関係を表現する2つの係数を得る。2つより多い電流を使用することで、精度を向上させることができる。
【0027】
図4は、本開示の実施例による電流測定方法のフロー図である。
図4に示すように、電流測定方法は、電流に対応する時間パラメータを確定し、電流に対応する時間パラメータ、及び電流と時間パラメータの関数関係に基づいて、電流を確定する。関数関係は、線形関係であってもよい。
【0028】
電流測定方法は、さらに、上記した電流測定装置の較正のための方法を利用して、前記電流と時間パラメータの関数関係に対して、較正を行ってもよい。それに、当該較正が周期的に行われて、高い精度を維持してもよい。
【0029】
本開示の実施例による電流測定装置の較正のための方法と電流測定方法によって、駆動トランジスタの駆動電流に対してより精確な測定を行うことができる。
【0030】
以下、本開示の実施例による電流測定装置の較正のための方法、電流測定方法及び装置について、さらに、具体的な例示的な回路を用いて説明する。
【0031】
図5は、本開示の実施例による電流測定装置の回路の一例の模式図である。
図5に示すように、電流測定装置は、オペアンプOAと積分容量Copを備える。オペアンプOAは、正入力端と、負入力端と、出力端とを有する。積分容量Copは、負入力端と出力端の間に接続される。負入力端は電流Iが入力されるように構成される。正入力端は初期化電圧が入力されるように構成される。
図5において、寄生容量Csを使ってアレイ基板の外部回路の影響を示す。
【0032】
例示として、時間パラメータCTで、電流Iが出力端の電圧を所定値変化させるのに必要な時間を示す。時間パラメータCTは、積分容量Copの放電時間、即ち、電流Iを負入力端へ入力する時、出力端の電圧Voを所定値ΔV低下させるのに必要な時間である。
【0033】
オペアンプOA、積分容量Copは、電流Iを時間パラメータCTに変換させる。電流測定装置は、時間パラメータCTに基づいて電流Iを算出するための制御部を備えてもよい。具体的には、制御部が、電流に対応する時間パラメータを確定し、電流と時間パラメータの予め設定された関数関係に基づいて、電流を確定するように構成される。
【0034】
なお、予め設定された関数関係に対して較正を行うために、電流測定装置は、複数の指定電流を負入力端へ供給するように構成された電流源を備えてもよい。制御部は、複数の指定電流に対応する複数の時間パラメータを確定し、複数の指定電流及び対応する複数の時間パラメータに基づいて、電流と時間パラメータの関数関係を得るように構成される。
【0035】
図6は、
図5に示す
電流測定装置に関する時間パラメータの模式図である。
図5に示す電流測定装置を用いると、以下の手順に従って時間パラメータを確定できる。まず、正入力端と、負入力端と、出力端との電圧を第1参照電圧Vr1にする。次に、電流Iを負入力端に入力するとともに、現時点を放電開始時点T0として記録する。その後、出力端の電圧Voを検出し、第2参照電圧Vr2(電圧差ΔV)まで低下すると、現時点を放電終了時点として記録する。最後に、放電終了時点と放電開始時点の差、即ち放電時間CTを記録する。
【0036】
電流測定装置は、負入力端と出力端の間に接続されるスイッチ素子を備えてもよい。スイッチ素子は、電流を入力する前に、負入力端と出力端を直接接続して、正入力端と、負入力端と、出力端との電圧を設定するように構成される。すると、正入力端と、負入力端と、出力端との電圧を第1参照電圧Vr1にすることは、スイッチ素子によって負入力端と出力端を直接接続するとともに、正入力端に第1参照電圧Vr1を印加することを含む。
【0037】
本開示の実施例により、オペアンプOAを利用して積分容量Copの電圧設定及び放電を行うことで、電圧設定の速度を向上させるとともに、放電中の安定性を増加させることができ、電流測定の精度を向上させる。
【0038】
図7は、異なる電流に対応する時間パラメータの模式図である。
図7に示すように、第1電流I1と第2電流I2は、それぞれ第1放電時間CT1と第2放電時間CT2に対応する。
【0039】
図8は、
図5に示す
電流測定装置に関する電流と時間パラメータの関数関係の模式図である。
図8に示すように、第1電流I1と、第2電流I2と、第1放電時間CT1と、第2放電時間CT2に基づいて、電流Iと放電時間CTの関数関係を得る。電流Iと放電時間CTは反比例の線形関係にあり、逆に、電流Iの逆数と放電時間CTは正比例の線形関係にある。
図8における表示形態は電流の算出のプロセスをより良く示している。即ち、まず放電時間CTを測定し、そして電流Iの逆数を算出し、最後に電流Iを算出する。
【0040】
図9は、較正前後の、
図5に示す
電流測定装置に関する電流と時間パラメータの関数関係の模式図である。
図9に示すように、理想的な関数関係は回路構成によって直接得ている。即ち、I=Cop*ΔV/CT。外部回路の干渉、及び積分容量Copの製造過程における誤差を考慮できていないため、理想的な関数関係は較正により得られる実際の関数関係に比べて、差異が大きい。
【0041】
較正により得られる実際の関数関係は、I=C_eff*ΔV/(CT-CT0)で表せる。ここで、曲線の傾きC_effは等価容量であり、曲線切片CT0は放電時間較正係数である。較正により曲線の傾きC_effと曲線切片CT0を得てから、電流を測定する時、任意の放電時間CTにより、電流Iを直接算出することができる。
【0042】
本開示の実施例による電流測定装置の較正のための方法、電流測定方法と電流測定装置によって、駆動トランジスタの駆動電流に対してより精確な測定を行うことができる。
【0043】
本開示の実施例は、上記した電流測定装置を備える表示装置をさらに提供している。
【0044】
上記した実施形態は、ただ本発明の原理を説明するために採用した例示的な実施形態であり、本開示がこれらに限定されているのではない。当業者にとって、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変形や改善を行うことができ、これらの変形や改善も、本開示の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1 電流測定回路
OA オペアンプ
Cop 積分容量
Cs 寄生容量
I 電流
Vr1 第1参照電圧
Vr2 第2参照電圧
Vo 出力端の電圧
TP 時間パラメータ
CT 時間パラメータ