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特許7126937チェックアウトシステム、登録装置及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-19
(45)【発行日】2022-08-29
(54)【発明の名称】チェックアウトシステム、登録装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20220822BHJP
【FI】
G07G1/12 321M
G07G1/12 321K
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018241274
(22)【出願日】2018-12-25
(65)【公開番号】P2020102122
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】青木 宏泰
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-124616(JP,A)
【文献】特開2018-088077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録装置と決済装置とを備え、
前記登録装置は、
取引を登録する登録手段と、
前記登録手段で登録された取引を前記決済装置で決済するための決済データを出力する出力手段と、
前記決済データに基づく決済に関して、予め定められた発行条件が成立するかを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段により成立すると判定された前記発行条件に応じて発行すべき販促レシートが第1の種類であることを判定する第2の判定手段と、
前記第2の判定手段により前記第1の種類であると判定された場合に、成立すると判定された前記発行条件に応じて発行すべき販促レシートを発行する第1の発行手段と、
前記第2の判定手段により前記第1の種類であると判定された販促レシートを発行済みであることを、前記出力手段が出力する前記決済データに基づく決済を行う前記決済装置に対して通知する通知手段と、
を具備し、
前記決済装置は、
前記出力手段により出力された決済データを考慮した決済を行う決済手段と、
前記決済手段が行う決済に関して前記発行条件が成立するかを判定する第3の判定手段と、
前記通知手段により前記通知がなされておらず、かつ前記第3の判定手段により前記発行条件が成立すると判定されたことに応じて、当該成立すると判定された前記発行条件に応じて発行すべき販促レシートを発行する第2の発行手段と、
を具備する、チェックアウトシステム。
【請求項2】
取得した決済データを考慮した決済を行う決済手段と、
前記決済手段が行う決済に関して、予め定められた発行条件が成立するかを判定する第3の判定手段と、
販促レシートを発行済みであることの通知がなされておらず、かつ前記第3の判定手段によりその販促レシートに関する前記発行条件が成立すると判定されたことに応じて、当該成立すると判定された前記発行条件に応じて発行すべき販促レシートを発行する第2の発行手段と、
を具備する決済装置とともにチェックアウトシステムを構成する登録装置であって、
取引を登録する登録手段と、
前記登録手段で登録された取引を決済するための決済データを出力する出力手段と、
前記決済データに基づく決済に関して、前記発行条件が成立するかを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段により成立すると判定された前記発行条件に応じて発行すべき販促レシートが第1の種類であることを判定する第2の判定手段と、
前記第2の判定手段により前記第1の種類であると判定された場合に、成立すると判定された前記発行条件に応じて発行すべき販促レシートを発行する第1の発行手段と、
前記第2の判定手段により前記第1の種類であると判定された販促レシートを発行済みであることを、前記出力手段が出力する前記決済データに基づく決済を行う前記決済装置に対して通知する通知手段と、
を具備する登録装置。
【請求項3】
前記通知手段は、前記販促レシートを発行済みであることを表す発行済みデータを前記出力手段が出力する前記決済データに含めることによって前記通知を行う、
請求項2に記載の登録装置。
【請求項4】
複数の販促レシートのそれぞれに関連付けて前記第1の種類及び前記第1の種類とは異なる第2の種類のいずれであるかを表したデータベースを、操作者による指示に応じて更新する更新手段、
をさらに備え、
前記第2の判定手段は、前記データベースに基づいて前記販促レシートが第1の種類であることを判定する、
請求項2又は請求項3に記載の登録装置。
【請求項5】
取得した決済データを考慮した決済を行う決済手段と、
前記決済手段が行う決済に関して、予め定められた発行条件が成立するかを判定する第3の判定手段と、
販促レシートを発行済みであることの通知がなされておらず、かつ前記第3の判定手段によりその販促レシートに関する前記発行条件が成立すると判定されたことに応じて、前記当該成立すると判定された前記発行条件に応じて発行すべき販促レシートを発行する第2の発行手段と、
を具備する決済装置とともにチェックアウトシステムを構成し、かつプリンタを備えた登録装置を制御するコンピュータを、
取引を登録する登録手段と、
前記登録手段で登録された取引を決済するための決済データを出力する出力手段と、
前記決済データに基づく決済に関して、前記発行条件が成立するかを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段により成立すると判定された前記発行条件に応じて発行すべき販促レシートが第1の種類であることを判定する第2の判定手段と、
前記第2の判定手段により前記第1の種類であると判定された場合に、成立すると判定された前記発行条件に応じて発行すべき販促レシートを発行するように前記プリンタを制御する制御手段と、
前記第2の判定手段により前記第1の種類であると判定された販促レシートを発行済みであることを、前記出力手段が出力する前記決済データに基づく決済を行う前記決済装置に対して通知する通知手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、チェックアウトシステム、登録装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
取引内容の登録を店員による操作に応じて登録装置で行い、取引の代金の決済を客による操作に応じて決済装置で行うようにしたセミセルフタイプのチェックアウトシステムが知られている。
一方、予め定められた発行条件が成立する場合に販促レシートを発行することが、チェックアウトシステムにおいて行われている。そしてこのような販促レシートの発行を上記のようなセミセルフタイプのチェックアウトシステムで行う場合には、発行条件の設定によっては、その発行条件が成立するか否かが決済装置での決済の結果として定まることがあり得る。このため、販促レシートの発行を決済装置で行っている。
【0003】
このため、登録装置を操作する店員は、決済装置において販促レシートが発行されたか否かを知ることができず、販促レシートに関して店員が客に説明するなどの店員対応が必要であっても、そのような店員対応を的確に行うことができなかった。
このような事情から、販促レシートに関する店員対応を的確に行えることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-62733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、販促レシートに関する店員対応を的確に行うことを可能とするチェックアウトシステム、登録装置及び情報処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のチェックアウトシステムは、登録手段、出力手段、第1の判定手段、第2の判定手段、第1の発行手段及び通知手段を備えた登録装置と、決済手段、第3の判定手段及び第2の発行手段を備えた決済装置とを備える。登録手段は、取引を登録する。出力手段は、登録手段で登録された取引を決済装置で決済するための決済データを出力する。第1の判定手段は、決済データに基づく決済に関して、予め定められた発行条件が成立するかを判定する。第2の判定手段は、第1の判定手段により成立すると判定された発行条件に応じて発行すべき販促レシートが第1の種類であることを判定する。第1の発行手段は、第2の判定手段により第1の種類であると判定された場合に、成立すると判定された発行条件に応じて発行すべき販促レシートを発行する。通知手段は、前記第2の判定手段により第2の種類であると判定された場合に、出力手段が出力する決済データに基づく決済を行う決済装置に対して、販促レシートを発行済みであることを通知する。決済手段は、出力手段により出力された決済データを考慮した決済を行う。第3の判定手段は、決済手段が行う決済に関して発行条件が成立するかを判定する。第2の発行手段は、通知手段により通知がなされておらず、かつ第3の判定手段により発行条件が成立すると判定されたことに応じて、第3の判定手段により成立すると判定された発行条件に応じて発行すべき販促レシートを発行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係るチェックアウトシステムの概略構成を示す斜視図。
図2図1中の登録装置及び決済装置の要部の回路構成と、図1に示されるチェックアウトシステムを組み込んで構築されたPOSシステムの概略構成とを示したブロック図である。
図3】管理データベースに含まれるデータレコードの構造を模式的に示す図。
図4図2中の登録装置に設けられたプロセッサのメンテナンス処理に関する情報処理のフローチャート。
図5図2中の登録装置に設けられたプロセッサの登録処理に関する情報処理のフローチャート。
図6図2中の決済装置に設けられたプロセッサの情報処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は本実施形態に係るチェックアウトシステム10の概略構成を示す斜視図である。
チェックアウトシステム10は、少なくとも1台の登録装置1及び少なくとも1台の決済装置2を含む。図1においては、2台の登録装置1及び4台の決済装置2を含み、1台の登録装置1に2台の決済装置が対応付けられているチェックアウトシステム10を示している。チェックアウトシステム10が、登録装置1及び決済装置2をそれぞれ何台含むかは任意であり、登録装置1と決済装置2との台数の比も任意である。
【0009】
登録装置1は、チェッカと呼ばれる役割を担った店員21が、その操作者となる。決済装置2は、上記の店舗での取引に関する代金を決済する決済者となる客22が、その操作者となる。ただし、登録装置1の操作の一部が客22により行われる場合もある。また、決済装置2は、店員21により操作される場合もある。
【0010】
登録装置1は、図1においては、作業テーブル3に取り付けられている。複数の作業テーブル3が配置されることにより、複数のチェックアウトレーンが形成されている。作業テーブル3の一端の近傍には、その作業テーブル3に取り付けられた登録装置1に対応付けられた2台の決済装置2が、一例として図1に示す状態で配置される。かくして、1台の登録装置1と2台の決済装置2とが、1つのチェックアウトレーンに設置されている。
【0011】
登録装置1は、通路に進入してきた客22が購入しようとする商品を購入商品として登録するための登録処理を行う。また登録装置1は登録処理において、登録した購入商品の代金を決済するための決済データを、同じチェックアウトレーンに設けられた決済装置2のいずれかにおいて処理されるように送信する。
【0012】
決済装置2は、登録装置1から送信された決済データを受領した場合に、当該決済データに基づいて取引の代金を決済するための決済処理を行う。なお、複数台の決済装置2はそれぞれ、互いに同じ構成で、同様な決済処理を行う装置であってよい。なお決済装置2は、決済処理により決済すべき代金の金額を算出する処理をも行う場合がある。このような算出処理の機能を備える場合に決済装置2は、会計装置、あるいは会計機とも称される。ただし算出処理は、登録装置1で行われてもよい。
【0013】
図2は登録装置1及び決済装置2の要部の回路構成と、チェックアウトシステム10を組み込んで構築されたPOSシステム100の概略構成とを示したブロック図である。なお、図2においては、1台の登録装置1と、この登録装置1に対応付けられた2台の決済装置2のみを示している。また図2においては、2台の決済装置2の一方の回路構成を示している。
【0014】
登録装置1及び決済装置2は、いずれもLAN(local area network)4に接続されている。LAN4に代えて、インターネットなどの別の通信網を用いることもできる。LAN4には、店舗サーバ20が接続されている。店舗サーバ20は、通信ネットワーク30を介して、本部サーバ40と通信可能である。
【0015】
店舗サーバ20は、チェックアウトシステム10が設置された店舗に関する販売データ管理を行うための情報処理装置である。店舗サーバ20は、例えば上記の店舗のバックヤードに設置される。通信ネットワーク30としては、インターネット、VPN(virtual private network)、LAN(local area network)、公衆通信網、移動体通信網などを、単独又は適宜に組み合わせて用いることができる。本部サーバ40は、チェックアウトシステム10が設置された店舗を含む複数の店舗に関する販売データ管理を行うための情報処理装置である。本部サーバ40は、例えば上記の複数の店舗を統括する本部に設置される。
【0016】
登録装置1は、プロセッサ1a、メインメモリ1b、補助記憶ユニット1c、スキャナ1d、キーボード1e、タッチパネル1f、サブディスプレイ1g、客面ディスプレイ1h、プリンタ1i、通信ユニット1j及び伝送路1kを含む。
【0017】
登録装置1においては、プロセッサ1a、メインメモリ1b及び補助記憶ユニット1cが伝送路1kによって接続されることにより、登録装置1を制御するための情報処理を行うコンピュータを構成している。
【0018】
プロセッサ1aは、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ1aは、オペレーティングシステム、ファームウェア及びアプリケーションプログラム等の種々の情報処理プログラムに従った情報処理を実行することで、登録装置1としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0019】
メインメモリ1bは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ1bは、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ1bは、不揮発性のメモリ領域では上記の情報処理プログラムを記憶する。またメインメモリ1bは、プロセッサ1aが各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ1bは、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ1aによってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0020】
補助記憶ユニット1cは、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット1cは、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)、SSD(solid state drive)、あるいはその他の周知の各種の記憶デバイスを利用できる。補助記憶ユニット1cは、プロセッサ1aが各種の処理を行う上で使用するデータと、プロセッサ1aでの処理によって生成されたデータとを保存する。補助記憶ユニット1cは、上記の情報処理プログラムを記憶する場合もある。
【0021】
メインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに記憶される情報処理プログラムには、後述する情報処理に関して記述した情報処理プログラムを含む。登録装置1は一般的に、上記の情報処理プログラムがメインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに記憶された状態で譲渡される。しかし、登録装置1のハードウェアが、上記の情報処理プログラムがメインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに記憶されない状態で、あるいは別の情報処理プログラムがメインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに記憶された状態で譲渡されてもよい。そしてこの場合は、後述する情報処理に関して記述した情報処理プログラムが、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して譲渡され、例えば保守作業者による指示の下に補助記憶ユニット1cに書き込まれる。リムーバブルな記録媒体としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク又は半導体メモリなどが利用できる。
【0022】
スキャナ1dは、内蔵するカメラによってスキャナ窓を介して商品を撮像した上で、当該商品に表示されたバーコード又は二次元コードなどの光学的に読み取り可能なコードシンボルを画像処理によって識別する。そしてスキャナ1dは、識別したコードシンボルが表すデータをプロセッサ1aへ出力する。なお、スキャナ1dは、レーザ光の反射を利用してコードシンボルを識別するような他のタイプの周知のデバイスを利用することもできる。スキャナ1dは、商品自体の画像の特徴に基づくオブジェクト認識技術を用いて商品を識別する機能を備えていてもよい。スキャナ1dとは別に、ハンディタイプなどの別のスキャナを備えていてもよい。また、当該別のスキャナを備えて、スキャナ1dを備えなくてもよい。
【0023】
キーボード1eは、テンキー及び複数の機能キーなどを備える。キーボード1eは、操作者による各種の指示をキー操作によって受け付ける。
タッチパネル1fは、表示デバイス及びタッチセンサをそれぞれ含む。表示デバイスは、プロセッサ1aによる制御の下に、GUI(graphical user interface)画面などの任意の画面を表示する。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD(liquid crystal display)等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をプロセッサ1aへと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。タッチパネル1fは、その操作面が、登録装置1を操作する店員21が位置すべき場所に向けられる。
【0024】
サブディスプレイ1gは、プロセッサ1aによる制御の下に、決済装置2の状態を店員21に監視させるための監視画面などの任意の画面を表示する。サブディスプレイ1gとしては、例えばカラーLCD等の周知の表示デバイスを利用できる。サブディスプレイ1gは、その表示面が、登録装置1を操作する店員21が位置すべき場所に向けられる。サブディスプレイ1gには、タッチパネルを用いてもよい。
【0025】
客面ディスプレイ1hは、商品の登録処理が完了するのを待っている客22が位置すべき場所に向けられる。そして客面ディスプレイ1hは、当該客22に対して任意の情報を通知するための任意の画面をプロセッサ1aの制御の下に表示する。客面ディスプレイ1hで表示する画面は、例えば登録結果を表す画面又は販促情報を表す画面などである。客面ディスプレイ1hとしては、例えばカラーLCD(liquid crystal display)等の周知のデバイスを利用できる。客面ディスプレイ1hには、タッチパネルを用いてもよい。
【0026】
プリンタ1iは、例えばサーマルプリンタ又はドットインパクトプリンタなどであり、レシート用紙に対して各種の文字列及び画像などを印刷することにより、各種のレシートを発行する。プリンタ1iが発行するレシートには、それぞれ後述する取引レシート及び販促レシートが含まれる。
【0027】
通信ユニット1jは、LAN4を介した通信を行う。
伝送路1kは、接続された各部の間で授受されるデータを伝送する。伝送路1kは、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含んだ周知の構成であってよい。
【0028】
補助記憶ユニット1cが記憶するデータには、販促レシートを管理するための管理データベースが含まれる。
図3は管理データベースに含まれるデータレコードDR1の構造を模式的に示す図である。
管理データベースは、図3に示すような構造のデータレコードDR1の集合である。1つのデータレコードDR1は、1つの販促レシートに関連づけられている。データレコードDR1は、フィールドF1,F2,F3,F4を含む。
【0029】
フィールドF1には、当該データレコードDR1に関連付けられた販促レシートを識別するための販促コードがセットされる。フィールドF2には、当該データレコードDR1に関連付けられた販促レシートを発行する条件がセットされる。フィールドF3には、当該データレコードDR1に関連付けられた販促レシートの種類がセットされる。販促レシートの種類は、本実施形態においては第1の種類及び第2の種類とする。そして第1の種類に属する販促レシートは登録装置1にて発行すべき販促レシートとし、第2の種類に属する販促レシートは決済装置2にて発行すべき販促レシートとする。フィールドF4には、当該データレコードDR1に関連付けられた販促レシートのフォームを定義する定義ファイルのファイルパスがセットされる。
【0030】
決済装置2は、プロセッサ2a、メインメモリ2b、補助記憶ユニット2c、自動釣銭機2d、タッチパネル2e、プリンタ2f、リーダライタ2g、カメラ2h、通信ユニット2i及び伝送路2jを含む。
【0031】
決済装置2においては、プロセッサ2a、メインメモリ2b及び補助記憶ユニット2cが伝送路2jによって接続されることにより、決済装置2を制御するための情報処理を行うコンピュータを構成している。
【0032】
プロセッサ2aは、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ2aは、オペレーティングシステム、ファームウェア及びアプリケーションプログラム等の種々の情報処理プログラムに従った情報処理を実行することで、決済装置2としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0033】
メインメモリ2bは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ2bは、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ2bは、不揮発性のメモリ領域では上記の情報処理プログラムを記憶する。またメインメモリ2bは、プロセッサ2aが各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ2bは、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ2aによってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0034】
補助記憶ユニット2cは、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット1cは、例えばEEPROM、HDD、SSD、あるいはその他の周知の各種の記憶デバイスを利用できる。補助記憶ユニット2cは、プロセッサ2aが各種の処理を行う上で使用するデータと、プロセッサ2aでの処理によって生成されたデータとを保存する。補助記憶ユニット2cは、上記の情報処理プログラムを記憶する場合もある。
【0035】
自動釣銭機2dは、投入される硬貨及び紙幣を収受する。また自動釣銭機2dは、釣銭としての硬貨及び紙幣を排出する。
タッチパネル2eは、表示デバイス及びタッチセンサを含む。表示デバイスは、プロセッサ2aによる制御の下に、GUI画面などの任意の画面を表示する。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をプロセッサ2aへと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
【0036】
プリンタ2fは、例えばサーマルプリンタ又はドットインパクトプリンタなどであり、レシート用紙に対して各種の文字列及び画像などを印刷することにより、各種のレシートを発行する。プリンタ2fが発行するレシートには、それぞれ後述する取引レシート及び販促レシートが含まれる。
【0037】
リーダライタ2gは、カード又はICチップ等の記録媒体に記録されたデータを読み取る。リーダライタ2gは、上記の記録媒体へデータを書き込む。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードの他に、メンバーズカード及びポイントカードなどの決済処理に関わる情報を記録する各種のカードを含み得る。ICチップは、上記の各種のカードの他、スマートフォンなどの情報端末に備えられることがある。リーダライタ2gは、磁気式、接触式、あるいは非接触式のいずれのデバイスであってもよいし、また複数種のデバイスを含んでいてもよい。
【0038】
カメラ2hは、決済装置2の操作面及びその周辺を含む範囲を俯瞰で撮影する。つまりカメラ2hは、決済装置2が操作される様子を撮影する。なお、カメラ2hは、動画像を撮影する撮影デバイス、あるいは静止画を断続的に撮影する撮影デバイスなど、既存の撮影デバイスを用いることができる。
【0039】
通信ユニット2iは、LAN4を介した通信を行う。
伝送路2jは、接続された各部の間で授受されるデータを伝送する。伝送路2jは、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含んだ周知の構成であってよい。
【0040】
次に以上のように構成されたチェックアウトシステム10の動作を説明する。なお、以下に説明する各種の処理の内容は一例であって、一部の処理の順序の変更、一部の処理の省略、あるいは別の処理の追加などは適宜に可能である。
【0041】
登録装置1の動作モードが管理データベースのメンテナンスモードに設定されているとき、プロセッサ1aはメインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに記憶された情報処理プログラムに従って以下に説明するような情報処理を実行する。
図4はプロセッサ1aのメンテナンス処理に関する情報処理のフローチャートである。
Act1としてプロセッサ1aは、販促コードを入力する。プロセッサ1aは例えば、販促コードを入力するためのユーザインタフェースを含むとともに、メンテナンスの対象とする販促コードの入力を操作者に促す画面をタッチパネル1fに表示させる。なお、動作モードが管理データベースのメンテナンスモードに設定されている状態における登録装置1の操作者は、例えば登録装置1の管理者などである。そしてプロセッサ1aは、上記のユーザインタフェースにおける操作者による操作により指定される販促コードをメンテナンス対象の販促コードとして入力する。プロセッサ1aは、入力した販促コードをメインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに保存する。
【0042】
Act2としてプロセッサ1aは、確認画面をタッチパネル1fに表示させる。確認画面は、Act1にて入力した販促コードで識別される販促レシートの発行条件及び当該販促レシートを発行する装置の現状における設定状況を操作者に確認させる画面である。また確認画面は、発行条件の編集及び発行装置の指定のため、ならびに確定指示のためのユーザインタフェースを含んだ画面である。プロセッサ1aは例えば、Act1にて入力した販促コードがフィールドF1にセットされているデータレコードDR1を管理データベースから抽出する。そしてプロセッサ1aは、該当のデータレコードDR1を抽出できたならば、当該データレコードDR1のフィールドF2にセットされた発行条件と、フィールドF3にセットされた種類に応じた発行装置とを表す画面を確認画面とする。プロセッサ1aは、該当のデータレコードDR1を抽出できなかったならば、発行条件及び発行装置が未設定であることを表す画面を確認画面とする。
【0043】
Act3としてプロセッサ1aは、発行条件が指定されたか否かを確認する。そしてプロセッサ1aは、該当の指定がなされていないならばNoと判定し、Act4へと進む。
Act4としてプロセッサ1aは、発行装置の指定がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ1aは、該当の指定がなされていないならばNoと判定し、Act5へと進む。
Act5としてプロセッサ1aは、設定の確定が指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ1aは、該当の指示がなされていないならばNoと判定し、Act3へと戻る。
かくしてプロセッサ1aはAct3~Act5としては、発行条件又は発行装置が指定されるか、あるいは確定が指示されるのを待ち受ける。
【0044】
操作者は、確認画面により現状の発行条件を確認し、この発行条件を変更したい場合には、確認画面中のユーザインタフェースにより発行条件を編集する。そうするとプロセッサ1aは、発行条件の指定がなされたとしてAct3にてYesと判定し、Act6へと進む。
Act6としてプロセッサ1aは、編集後の発行条件をメインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに一時的に保存する。そしてプロセッサ1aはこののち、Act8へと進む。
【0045】
操作者は、確認画面により現状の発行装置を確認し、発行装置を変更したい場合には、確認画面中のユーザインタフェースにより新たな発行装置を指定する。そうするとプロセッサ1aは、Act4にてYesと判定し、Act7へと進む。
Act7としてプロセッサ1aは、指定された発行装置に応じた種類をメインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに一時的に保存する。つまりプロセッサ1aは例えば、発行装置として登録装置1が指定されたならば「第1の種類」を、また発行装置として決済装置2が指定されたならば「第2の種類」を一時的に保存する。そしてプロセッサ1aはこののち、Act8へと進む。
【0046】
Act8としてプロセッサ1aは、上記のように指定された発行条件又は発行装置を表すように、確認画面を更新する。そしてプロセッサ1aはこののち、Act3~Act5の待ち受け状態に戻る。
【0047】
操作者は、発行条件及び発行装置の指定を終えたならば、確認画面中のユーザインタフェースにより確定を指示する。そうするとプロセッサ1aは、Act5にてYesと判定し、Act9へと進む。
Act9としてプロセッサ1aは、Act1にて入力した販促コードがフィールドF1にセットされているデータレコードDR1が管理データベースに既に含まれているか否かを確認する。そしてプロセッサ1aは、該当のデータレコードDR1が有るならばYesと判定し、Act10へと進む。
Act10としてプロセッサ1aは、Act1にて入力した販促コードがフィールドF1にセットされているデータレコードDR1を更新する。プロセッサ1aは例えば、Act6にて発行条件を一時保存しているならば、その一時保存してある発行条件で上記のデータレコードDR1のフィールドF2を書き替える。プロセッサ1aは例えば、Act7にて種類を一時保存しているならば、その一時保存してある種類で上記のデータレコードDR1のフィールドF3を書き替える。そしてプロセッサ1aはこののち、Act1以降の処理を前述と同様に繰り返す。
一方でプロセッサ1aは、Act1にて入力した販促コードがフィールドF1にセットされているデータレコードDR1が管理データベースに含まれていなかった場合にはAct9にてNoと判定し、Act11へと進む。
Act11としてプロセッサ1aは、新たなデータレコードDR1を管理データベースに追加する。すなわちプロセッサ1aは、新たなデータレコードDR1のフィールドF1には、Act1にて入力した販促コードをセットする。プロセッサ1aは、新たなデータレコードDR1のフィールドF2には、Act6にて一時保存してある発行条件をセットする。プロセッサ1aは、新たなデータレコードDR1のフィールドF3には、Act7にて一時保存してある種類をセットする。またプロセッサ1aは、ファイルパスを操作者に指定させて、当該ファイルパスを上記の新たなデータレコードDR1のフィールドF4にセットする。そしてプロセッサ1aはこののち、Act1以降の処理を前述と同様に繰り返す。
以上のようにプロセッサ1aは、複数の販促レシートのそれぞれに関連付けて第1の種類及び第2の種類のいずれであるかを表した管理データベースを、操作者による指示に応じて更新する。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ1aが実行することによって、プロセッサ1aを中枢部分とするコンピュータは更新手段として機能する。
【0048】
登録装置1の動作モードが登録処理を実行するモードに設定されると、プロセッサ1aはメインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに記憶された情報処理プログラムに従って以下に説明するような情報処理を実行する。
図5はプロセッサ1aの登録処理に関する情報処理のフローチャートである。なお、図5は、本実施形態の特徴的な動作を中心に表しており、登録処理に関わる動作の一部についての図示は省略している。
【0049】
Act21としてプロセッサ1aは、一取引に関する情報処理において一時的に用いる例えば商品テーブルなどのデータの初期化又は削除などの準備処理を行う。商品テーブルは、1件の取引の対象となる購入商品のリストを表すデータテーブルであり、メインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに記憶される。
【0050】
Act22としてプロセッサ1aは、ポイントサービスの会員を識別する会員コードが入力されたか否かを確認する。そしてプロセッサ1aは、会員コードが入力されていなければNoと判定し、Act23へと進む。
Act23としてプロセッサ1aは、購入商品のリストの変更が指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ1aは、該当の指示がなされていないならばNoと判定し、Act24へと進む。
Act24としてプロセッサ1aは、決済データの転送指示がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ1aは、該当の指示がなされていないならばNoと判定し、Act22へと戻る。
かくしてプロセッサ1aはAct22~Act24としては、会員コードが入力されるか、変更又は転送が指示されるのを待ち受ける。
【0051】
客22は、購入しようとする商品を売場からピックアップしてチェックアウトコーナーへと持って行き、登録装置1の操作を担当する店員21に渡す。そして客22は、自らがポイントサービスの会員であって、ポイントサービスの利用を希望する場合には、その旨を店員21に申告する。この申告に応じて店員21は、会員を識別するための会員コードを入力する。例えば店員21は、会員コードを表したバーコードをスキャナ1dに翳す。そうするとスキャナ1dは、バーコードをスキャンし、当該バーコードが表す会員コードを出力する。なお、会員コードの入力は、別の周知の様々な手法を任意に用いて行われてもよい。また、会員コードを入力するための操作の一部は、客22により行われてもよい。そしてプロセッサ1aは、このようにして会員コードが入力されたならばAct22にてYesと判定し、Act25へと進む。
【0052】
Act25としてプロセッサ1aは、上記の入力された会員コードを、メインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに保存する。そしてプロセッサ1aはこののち、Act22~Act24の待ち受け状態に戻る。なおプロセッサ1aは、会員コードの入力が繰り返しなされた場合には、Act25を再度実行し、既に保存してある会員コードを新たに入力された会員コードで上書き保存する。なお、プロセッサ1aは、Act25を一度行った後には、Act22にてYesと判定しないようにしてもよい。
【0053】
店員21は、客22から前述のように渡された各商品を購入商品として登録することを指示するための登録操作を行う。登録操作は例えば、商品に表示されたバーコードをスキャナ1dに読み取らせる動作、あるいは商品を指定するべくタッチパネル1fにタッチする動作などである。あるいは店員21は、登録済みの商品を購入商品から除外することを指示するための削除操作を行う。そしてプロセッサ1aは、このような登録操作又は削除操作を変更指示として受け付けてAct23にてYesと判定し、Act26へと進む。
【0054】
Act26としてプロセッサ1aは、変更指示に応じ手商品テーブルを更新する。プロセッサ1aは例えば、登録操作が行われたのならば、その登録操作で指定された商品を購入商品として表すように商品テーブルを更新する。またプロセッサ1aは例えば、削除操作が行われたならば、その削除操作で指定された商品を購入商品から除外するように商品テーブルを更新する。そしてプロセッサ1aはこののち、Act22~Act24の待ち受け状態に戻る。
【0055】
店員21は、客22が購入しようとしている商品のリストを商品テーブルが表すようになるように変更指示を繰り返す。これに応じてプロセッサ1aはAct26を繰り返し、指示に応じて商品テーブルを更新して行く。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ1aが実行することによって、プロセッサ1aを中枢部分とするコンピュータは登録手段として機能する。
【0056】
店員21は、商品テーブルが、客22が購入しようとしている全ての商品のリストを表す状態となったならば、例えばタッチパネル1fでの表示画面中に表された転送ボタンにタッチするなどの予め定められた操作により、転送指示を行う。そうするとプロセッサ1aは、Act24にてYesと判定し、Act27へと進む。
【0057】
Act27としてプロセッサ1aは、決済データを生成する。決済データは、商品テーブルに示された商品の取引を決済装置2にて決済するためのデータである。プロセッサ1aは例えば、決済データには、取引番号、登録機コード、操作者コード及び商品リストを含める。またプロセッサ1aは、Act25にて会員コードを保存しているならば、その会員コードを決済データに含める。プロセッサ1aは、これらの情報とは別に、例えば決済金額などの情報を決済データに含めてもよい。またプロセッサ1aは、上記の情報のうちの、例えば操作者コードなどの一部の情報を決済データに含めなくてもよい。プロセッサ1aは、決済データをメインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに保存する。
【0058】
取引番号は、取引の個々を区別可能に定められる番号である。登録機コードは、登録装置1の個々を識別するために予め定められた識別子である。操作者コードは、登録装置1を操作している店員21を識別する識別子である。商品リストは、商品テーブルに示されている商品のリストである。
【0059】
Act28としてプロセッサ1aは、処理中の取引に関してポイントサービスを適用するか否かを確認する。プロセッサ1aは例えば、Act25にて会員コードを保存しているか否かを確認し、保存しているならばYesと判定してAct29へと進む。
Act29としてプロセッサ1aは、見込みポイントを判定する。プロセッサ1aは例えば、Act27で生成した決済データに基づく決済を決済装置2で行った場合に付与されると見込まれるポイントを見込みポイントとする。決済装置2において付与ポイントは、例えば決済金額、購入商品に特定の商品が含まれるか否か、さらには適用する決済方法などの各種の因子を考慮しつつ、予め定められたルールに従って決められる。かくして、例えば適用する決済方法に応じて付与ポイントを変化させるようなルールが適用されるならば、見込みポイントは決済装置2における付与ポイントとは異なる場合がある。なおプロセッサ1aは、見込みポイントを判定するために未確定の因子に関しては、予め定められた設定であることとする。例えば決済方法としては現金払いが適用されることとする。なお、上記のルール及び未確定の因子に関する設定は、例えば店舗の担当者などによって任意に定められてよい。
【0060】
Act30としてプロセッサ1aは、見込みポイントを加算後の保有ポイントにより販促レシートの発行条件が成立するか否かを確認する。発行条件が成立するか否かの判断には、保有ポイントと発行条件との比較のみではなく、購入商品に特定の商品が含まれるかなどのような別の因子についての判断が含まれていてもよい。そしてプロセッサ1aは、発行条件が1つでも成立するならばYesと判定し、Act31へと進む。つまりプロセッサ1aは、予め定められた発行条件が成立するかを判定する。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ1aが実行することによって、プロセッサ1aを中枢部分とするコンピュータは第1の判定手段として機能する。
Act31としてプロセッサ1aは、成立した発行条件がフィールドF2にセットされているデータレコードDR1の中に、フィールドF3に第1の種類がセットされているデータレコードDR1が存在するか否かを確認する。そしてプロセッサ1aは、該当するデータレコードDR1が存在するならばYesと判定し、Act32へと進む。
【0061】
Act32としてプロセッサ1aは、販促レシートを発行する。プロセッサ1aは例えば、成立した発行条件がフィールドF2にセットされ、かつ第1の種類がフィールドF3にセットされているデータレコードDR1を管理データベースから抽出する。ここで、該当するデータレコードDR1が抽出される場合、成立した発行条件に応じて発行すべき販促レシートは第1の種類であることになる。つまりプロセッサ1aは、成立した発行条件に応じて発行すべき販促レシートが第1の種類であることを判定しているのである。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ1aが実行することによって、プロセッサ1aを中枢部分とするコンピュータは第2の判定手段として機能する。プロセッサ1aは、この抽出したデータレコードDR1のフィールドF4にセットされたファイルパスで特定される定義ファイルで定義されるフォームで販促レシートの画像を表す画像データを生成する。そしてプロセッサ1aは、この画像データをプリンタ1iに送り、当該画像データが表す画像をレシート用紙に印刷させる。つまりプロセッサ1aを中枢とするコンピュータは、プリンタ1iとの協働によって第1の発行手段としての機能を実現する。そして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ1aが実行することによって、プロセッサ1aを中枢部分とするコンピュータは、第1の発行手段としての機能を実現するべくプリンタ1iを制御する制御手段として機能する。なおプロセッサ1aは、複数のデータレコードDR1を抽出できたならば、当該複数のデータレコードDR1のそれぞれに応じた販促レシートを発行する。
【0062】
なお、販促レシートとは、取引の内容や決済の結果を表した通常の取引レシートとは別に、クーポン券などのような各種の証票、あるいは各種のお知らせ又は広告などを、レシート用紙を媒体として発行する印刷物である。販促レシートの画像のフォームを定義した定義ファイルの内容は、例えば店舗の担当者などによって任意に定められる。
【0063】
そしてプロセッサ1aは、販促レシートの発行を終えたならばAct33へと進む。
Act33としてプロセッサ1aは、Act27にて生成した決済データに発行済みデータを追加する。発行済みデータは、Act32にて発行した販促レシートの販促コードを少なくとも含む。つまりプロセッサ1aは、Act32にて抽出したデータレコードDR1のフィールドF1にセットされている販促コードを含んだデータとして発行済みデータを生成し、決済データに追加する。
【0064】
こののちにプロセッサ1aはAct34へと進む。なおプロセッサ1aは、Act25にて会員コードを保存していないためにAct28にてNoと判定した場合は、Act29~Act33をパスしてAct34へと進む。またプロセッサ1aは、見込みポイントにより発行条件が1つも成立しないためにAct30にてNoと判定した場合は、Act31~Act33をパスしてAct34へと進む。またプロセッサ1aは、発行条件が成立はしているものの、その成立した発行条件がフィールドF2にセットされているデータレコードDR1の全てについて、フィールドF3に第2の種類がセットされているならば、Act31にてNoと判定する。そしてこの場合にプロセッサ1aは、Act32,Act33をパスしてAct34へと進む。つまりプロセッサ1aはこれらの場合にはいずれも、販促レシートを発行せず、発行済みデータの追加も行わない。
【0065】
Act34としてプロセッサ1aは、決済データを、対応付けられた2台の決済装置2のうちの1台に宛てて通信ユニット1jからLAN4へと送出する。なお、プロセッサ1aは、2台の決済装置2のいずれの決済装置2を宛先とするかは、予め定められたルールに従う。当該ルールは、例えば登録装置1の設計者などにより任意に定められてよい。ルールの一例としては、新たな決済のための処理を開始することが可能な決済装置2を宛先とする。ルールの一例としては、2台の決済装置の一方として予め定められた特定の決済装置2を常に宛先とする。ルールの一例としては、2台の決済装置2のうちからランダムに選択した1台の決済装置2を宛先とする。ルールの一例としては、操作者が登録装置1を操作して指定した1台の決済装置2を宛先とする。このような決済データの送信は、決済データの出力の一例である。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ1aが実行することによって、プロセッサ1aを中枢部分とするコンピュータは出力手段として機能する。
この決済データがLAN4を介して宛先とされた決済装置2へと伝送されると、当該決済装置2に設けられた通信ユニット2iによって受信される。これにより、決済データに発行済みデータを含めている場合には、第1の種類であるために発行済みである販促レシートに関して決済装置2に対して通知されることになる。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ1aが実行することによって、プロセッサ1aを中枢部分とするコンピュータは通知手段として機能する。
【0066】
決済装置2が登録装置1から送られた決済データに基づく決済処理を実行する動作モードで動作しているとき、プロセッサ2aはメインメモリ2b又は補助記憶ユニット2cに記憶された情報処理プログラムに従って以下に説明するような情報処理を実行する。
図6はプロセッサ2aの情報処理のフローチャートである。なお、図6は、本実施形態の特徴的な動作を中心に表しており、一部の処理については図示を省略している。
【0067】
Act41としてプロセッサ2aは、決済データが到来するのを待ち受ける。そしてプロセッサ2aは、前述のように決済データが通信ユニット2iによって受信されるとYesと判定し、Act42へと進む。
なお登録装置1のプロセッサ1aが決済データの宛先とする決済装置2を決定するルールが、決済装置2が新たな決済の処理を開始できる状態にあるか否かに関知しないルールである場合は、プロセッサ1aが、図6に示す情報処理にてAct42へと進んだのちに、後述するようにAct41の待ち受け状態に戻るまでの間に決済データが到来することがあり得る。そこでプロセッサ1aは、図6に示す処理にてAct42以降を実行中には、別の情報処理として決済データが到来するのを待ち受ける。そして新たな決済データが通信ユニット2iによって受信されたならば、その決済データを予め定められた別の決済装置2へと転送するか、登録装置1へと返送する。
【0068】
Act42としてプロセッサ2aは、決済方法の指定がなされるのを待ち受ける。このときにプロセッサ2aは例えば、決済方法を操作者に選択させるための選択画面をタッチパネル2eに表示させる。なお決済方法としては、現金、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、電子マネー、ポイント及び金券などを用いる種々の決済方法を適宜に利用できる。そしてプロセッサ2aは決済方法が指定されたならばYesと判定し、Act43へと進む。
【0069】
なおプロセッサ2aは、Act42としての待ち受けを、決済方法の指定、又は変更指示の待ち受けに変更してもよい。そしてこの場合にプロセッサ2aは、取引内容の変更を指示する予め定められた操作が操作者により行われたならば、その指示に応じて購入商品を変更するよう決済データに含まれていた商品リストを編集した上で、上記の待ち受け状態に戻るようにする。
【0070】
Act43としてプロセッサ2aは、指定された決済方法での決済のための決済処理を行う。この決済処理は、周知の処理をそのまま適用できるので、その図示及び詳細の説明は省略する。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ2aが実行することによって、プロセッサ2aを中枢部分とするコンピュータは決済手段として機能する。
【0071】
Act44としてプロセッサ2aは、ポイントサービスを適用するか否かを確認する。プロセッサ2aは例えば、決済データに会員コードが含まれているならばYesと判定し、Act45へと進む。
Act45としてプロセッサ2aは、今回の取引に関しての付与ポイントを判定する。プロセッサ2aはこの判定は、図5中のAct29に関して説明したルールに従って、Act43における決済の対象となった取引の内容及び決済の結果に応じて行う。
【0072】
Act46としてプロセッサ2aは、客22に対してポイントを付与する。例えばプロセッサ2aは、決済データに含まれる会員コードに関連付けられた保有ポイントに、上記の判定した付与ポイントを加算するための処理を行う。プロセッサ2aは例えば、保有ポイントが会員カードなどの記録媒体に記録されるのであれば、記録媒体から読み出した保有ポイントに付与ポイントを加算して新たな保有ポイントを求めて、この新たな保有ポイントを記録媒体に書き込む。プロセッサ2aは例えば、保有ポイントが、本部サーバ40又は図示しないサーバなどのポイント管理装置により管理されているのであれば、当該ポイント管理装置に対して、会員コード及び付与ポイントの通知を伴ってポイント加算を要求する。
【0073】
Act47としてプロセッサ2aは、付与ポイントを加算した後の保有ポイントにより発行条件が成立するか否かを確認する。プロセッサ2aがここで参照する発行条件は、Act30にてプロセッサ1aが参照した発行条件と同一とする。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ2aが実行することによって、プロセッサ2aを中枢部分とするコンピュータは第2の判定手段として機能する。そしてプロセッサ2aは、発行条件が成立するならばYesと判定し、Act48へと進む。なおプロセッサ2aはここでは例えば、登録装置1の補助記憶ユニット1cに記憶された管理データベースを参照するか、補助記憶ユニット2cにコピーしておいた管理データベースを参照する。管理データベースを補助記憶ユニット2cにコピーする場合は、各データレコードDR1のフィールドF3は削除してもよい。
【0074】
Act48としてプロセッサ2aは、成立した発行条件に対応する販促レシートの少なくとも1つが登録装置1では未発行であるか否かを確認する。プロセッサ1aは例えば、該当の販促レシートの販促コードの中に、発行済みデータに含まれない販促コードがあるか否かを確認する。そして該当の販促コードがあるならばYesと判定して、Act49へと進む。
Act49としてプロセッサ1aは、成立した発行条件に対応し、登録装置1では発行されていない販促レシートを発行する。プロセッサ2aは例えば、成立した発行条件に対応する販促レシートのうちで販促コードが発行済みデータに含まれていない販促レシートの画像を表す画像データを生成する。そしてプロセッサ2aは、この画像データをプリンタ2fに送り、当該画像データが表す画像をレシート用紙に印刷させる。つまりプロセッサ2aを中枢とするコンピュータは、プリンタ2fとの協働によって第2の発行手段としての機能を実現する。
【0075】
プロセッサ2aは、販促レシートを発行し終えたならば、Act50へと進む。なおプロセッサ2aは、決済データに会員コードが含まれていないためにAct44にてNoと判定したならば、Act45~Act49をパスしてAct50へと進む。プロセッサ2aは、発行条件が1つも成立しないためにAct47にてNoと判定したならば、Act48,Act49をパスしてAct50へと進む。プロセッサ2aは、成立した発行条件に対応した販促レシートの販促コードのすべてが発行済みデータに含まれているためにAct48にてNoと判定したならば、Act49をパスしてAct50へと進む。つまりプロセッサ2aは、決済に関して発行条件が成立するかを判定していることになる。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ2aが実行することによって、プロセッサ2aを中枢部分とするコンピュータは第3の判定手段として機能する。
【0076】
Act50としてプロセッサ2aは、取引レシートを発行する。プロセッサ2aは例えば、Act43での決済の対象となった取引に関する購入商品の一覧及びAct43での決済の結果などを表す画像データを生成する。そしてプロセッサ2aは、この画像データをプリンタ2fに送り、当該画像データが表す画像をレシート用紙に印刷させる。
プロセッサ2aは、取引レシートを発行し終えたならば、Act41の待ち受け状態に戻る。つまりプロセッサ2aは、次の決済データが到来するのを待ち受ける状態に移行する。
【0077】
以上のようにチェックアウトシステム10によれば、第1の種類に定められた販促レシートの発行は登録装置1で行われ、決済装置2で行われることはない。従って、第1の種類に定められた販促レシートは店員21によって客22に渡されることとなり、その販促レシートに関する客22への説明などの店員21による対応を的確に行うことが可能である。
ただし、Act45で判定される付与ポイントが、Act29で判定される見込みポイントと異なることがあり得るため、Act47にて発行条件が成立すると判定される第1の種類の販促レシートについて登録装置1では未発行である場合もあり得る。そしてこの場合にプロセッサ2aは、Act49にて第1の種類の販促レシートを発行することになる。しかしながら、全ての販促レシートを決済装置2にて発行する場合に比べれば、第1の種類の販促レシートに関する店員対応を的確に行うことが可能である。
またチェックアウトシステム10によれば、第2の種類に定められた販促レシートの発行は登録装置1では行われず、決済装置2で行われる。つまり、店員21による対応が不要である販促レシートについては、決済装置2にて発行される。これにより、店員21の負荷が軽減されるとともに、決済処理の結果を踏まえての販促レシートの発行が可能となる。
【0078】
なお決済装置2は、発行条件が成立する販促レシートを発行するか否かを、決済データに含まれた発行済みデータに基づいて決定している。このため、販促レシートの種類については、決済装置2においては関知する必要がなく、登録装置1のみで管理していればよい。
【0079】
またチェックアウトシステム10によれば、販促レシートを発行済みであることの通知を決済データに含めた発行済みデータにより行っているこのため、販促レシートを発行済みであることの通知を決済データの送受信とは別途に行う必要がなく、処理の効率化を図ることができる。
【0080】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
発行済みデータは、決済データに含めることなく、単独であるいは別の任意のデータに含めて、登録装置1から決済装置2へと送信してもよい。
【0081】
販促レシートの発行条件は、保有ポイントに拘わらずに発行の有無を決めるものであってもよい。
【0082】
チェックアウトシステム10での登録及び決済の対象とする取引は、商品の販売には係わらず、例えば物品の譲渡を伴わないサービスの提供など、どのような取引であってもよい。
【0083】
管理データベースは、例えば店舗サーバ20に設けられた記憶デバイスなどのように、登録装置1の外部に設けられた記憶デバイスに記憶されてもよい。この場合、当該記憶デバイスに記憶された管理データベースが、プロセッサ1a,2aの双方で参照されてもよい。
【0084】
情報処理によりプロセッサ1a及びプロセッサ2aが実現する各機能は、その一部又は全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
1…登録装置、1a…プロセッサ、1b…メインメモリ、1c…補助記憶ユニット、1d…スキャナ、1e…キーボード、1f…タッチパネル、1g…サブディスプレイ、1h…客面ディスプレイ、1i…プリンタ、1j…通信ユニット、1k…伝送路、2…決済装置、2a…プロセッサ、2b…メインメモリ、2c…補助記憶ユニット、2d…自動釣銭機、2e…タッチパネル、2f…プリンタ、2g…リーダライタ、2h…カメラ、2i…通信ユニット、2j…伝送路、10…チェックアウトシステム、100…POSシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6