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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-19
(45)【発行日】2022-08-29
(54)【発明の名称】細胞性VAMP切断アッセイ
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/18 20060101AFI20220822BHJP
   C12Q 1/02 20060101ALI20220822BHJP
   C12Q 1/37 20060101ALI20220822BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20220822BHJP
   C07K 7/06 20060101ALN20220822BHJP
   C07K 7/08 20060101ALN20220822BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20220822BHJP
   C12P 21/08 20060101ALN20220822BHJP
【FI】
C07K16/18 ZNA
C12Q1/02
C12Q1/37
G01N33/53 D
C07K7/06
C07K7/08
C12N15/13
C12P21/08
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2019519721
(86)(22)【出願日】2017-10-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-26
(86)【国際出願番号】 EP2017076569
(87)【国際公開番号】W WO2018073288
(87)【国際公開日】2018-04-26
【審査請求日】2020-04-21
(31)【優先権主張番号】16194390.7
(32)【優先日】2016-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517340507
【氏名又は名称】イプセン バイオファーム リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IPSEN BIOPHARM LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000774
【氏名又は名称】特許業務法人 もえぎ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グレイ,ブリオニー
(72)【発明者】
【氏名】キャッド,ヴェリティ
(72)【発明者】
【氏名】ベアード,マシュー
【審査官】鈴木 崇之
(56)【参考文献】
【文献】特表平10-504801(JP,A)
【文献】特表2014-528724(JP,A)
【文献】Biologicals,2010年,Vol. 38, No. 1,pp. 113-119
【文献】Journal of Clinical Microbiology,1996年,Vol. 34, No. 8,pp. 1934-1938
【文献】Applied and Environmental Microbiology,1999年,Vol. 65, No. 9,pp. 3787-3792
【文献】The Journal of Biological Chemistry,2008年,Vol. 283, No. 30,pp. 21153-21159
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/00-19/00
C12N 15/00-15/90
C12Q 1/00-3/00
G01N 33/48-33/98
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の何れかと結合する抗体:
a.抗原ポリペプチド; または
b.抗原ポリペプチドを含むポリペプチドであって、天然に存在するVAMPアミノ酸配列に対して100%の配列同一性を有する17個を超える連続アミノ酸の領域を含まないポリペプチド; または
c.担体に共有結合によって連結された、以下を含む抗原タンパク質: i)抗原ポリペプチド、または ii) 抗原ポリペプチドを含むポリペプチド、
ここで、当該抗原ポリペプチドはVAMPエピトープを含み、当該抗原ポリペプチドは10~17個のアミノ酸残基からなり、当該VAMPエピトープは当該VAMP中のクロストリジウム神経毒切断部位のすぐC末端側にある少なくとも8個のアミノ酸残基を含むVAMPアミノ酸列を含み、当該抗体は細胞可溶化液中で全長VAMPおよびC末端側VAMP切断産物に結合可能であり、当該C末端側VAMP切断産物はクロストリジウム神経毒によりVAMPを切断することにより得られる。
【請求項2】
前記抗原ポリペプチドが、10~16個のアミノ酸残基からなる、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
前記抗原ポリペプチドが、10~15個のアミノ酸残基からなる、請求項1又は2に記載の抗体。
【請求項4】
前記VAMPが、VAMP1、VAMP2、VAMP3、VAMP4、VAMP5及び/又はYKT6から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項5】
前記VAMPエピトープが、配列番号15~配列番号34および配列番号48~配列番号78から選択されるVAMP配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む又はからなる、請求項1から4のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項6】
前記VAMPエピトープが、VAMP1、VAMP2及び/又はVAMP3エピトープであり、
-KLSELDDRADALQ(配列番号15)を含む又はからなるBoNT/FまたはBoNT/D VAMPエピトープ、
-ERDQKLSELDDRA(配列番号32)を含む又はからなるBoNT/F5またはBoNT/FA VAMPエピトープ、
-FETSAAKLKRKYW(配列番号22)またはFETSAAKLKRKYWWK(配列番号49)を含む又はからなるBoNT/BまたはTeNT VAMPエピトープ、
-AKLKRKYWWKN(配列番号27)を含む又はからなるBoNT/G VAMPエピトープ、及び
-ADALQAGASQF(配列番号53)を含む又はからなるBoNT/X VAMPエピトープ
から選択される、
或いは
前記VAMPエピトープが、VAMP4、VAMP5及び/又はYKT6エピトープであり、
-SESLSDNATAF(配列番号62)、SDQLLDMSSTF(配列番号66)またはSEVLGTQSKAF(配列番号75)を含む又はからなるBoNT/X VAMPエピトープから選択される、
請求項1から5のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項7】
前記の抗原ポリペプチドを含むポリペプチドが、天然に存在するVAMPアミノ酸配列に対して100%の配列同一性を有する16個を超える連続アミノ酸の領域を含まない、請求項1から6のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項8】
前記の抗原ポリペプチドを含むポリペプチドが、天然に存在するVAMPアミノ酸配列に対して100%の配列同一性を有する15個を超える連続アミノ酸の領域を含まない、請求項1から7のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項9】
以下からポリクローナル抗体を単離し、更に精製する工程を含む、C末端側VAMP切断産物に対するポリクローナル抗体を作製するための方法:
a.以下を注射した動物から得られた血液:
i.抗原ポリペプチド; または
ii.抗原ポリペプチドを含むポリペプチドであって、天然に存在するVAMPアミノ酸配列に対して100%の配列同一性を有する17個を超える連続アミノ酸の領域を含まないポリペプチド; または
iii.担体に共有結合によって連結された、以下を含む抗原タンパク質: a)抗原ポリペプチド、またはb)抗原ポリペプチドを含むポリペプチド;
または
b. 動物から得られた、以下を注射した卵:
i.抗原ポリペプチド; または
ii.抗原ポリペプチドを含むポリペプチドであって、天然に存在するVAMPアミノ酸配列に対して100%の配列同一性を有する17個を超える連続アミノ酸の領域を含まないポリペプチド; または
iii.担体に共有結合によって連結された、以下を含む抗原タンパク質: a)抗原ポリペプチド、またはb)抗原ポリペプチドを含むポリペプチド、
ここで、当該抗原ポリペプチドはVAMPエピトープを含み、当該抗原ポリペプチドは10~17個のアミノ酸残基からなり、当該VAMPエピトープは当該VAMP中のクロストリジウム神経毒切断部位のすぐC末端側にある少なくとも8個のアミノ酸残基を含むVAMPアミノ酸列を含み、かつ、
作製された抗体は細胞可溶化液中で全長VAMPおよびC末端側VAMP切断産物に結合可能であり、当該C末端側VAMP切断産物はクロストリジウム神経毒によりVAMPを切断することにより得られる。
【請求項10】
以下を含む、C末端側VAMP切断産物に対するモノクローナル抗体を作製するための方法:
a. 抗体産生細胞を、融合剤を使用して不死細胞株と融合して、ハイブリドーマ細胞を形成すること、ここで、当該抗体産生細胞は:
i. 以下の1回以上の注射に曝露された宿主動物から単離されている:
a) 抗原ポリペプチド; または
b) 抗原ポリペプチドを含むポリペプチドであって、天然に存在するVAMPアミノ酸配列に対して100%の配列同一性を有する17個を超える連続アミノ酸の領域を含まないポリペプチド; または
c) 担体に共有結合によって連結された、以下を含む抗原タンパク質:
A. 抗原ポリペプチド; または
B. 抗原ポリペプチドを含むポリペプチド;
或いは
ii. 以下を用いてin vitroで免疫化されたリンパ球である:
a) 抗原ポリペプチド; または
b) 抗原ポリペプチドを含むポリペプチドであって、天然に存在するVAMPアミノ酸配列に対して100%の配列同一性を有する17個を超える連続アミノ酸の領域を含まないポリペプチド; または
c) 担体に共有結合によって連結された、以下を含む抗原タンパク質:
A. 抗原ポリペプチド; または
B. 抗原ポリペプチドを含むポリペプチド;
b. 細胞可溶化液中で全長VAMPおよびC末端側VAMP切断産物に結合可能であるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを同定すること、ここで、当該C末端側VAMP切断産物はクロストリジウム神経毒によりVAMPを切断することにより得られる; および
c. 限界希釈手順を使用して当該モノクローナル抗体を発現するクローン細胞株を単離すること、
ここで、当該抗原ポリペプチドはVAMPエピトープを含み、当該抗原ポリペプチドは10~17個のアミノ酸残基からなり、当該VAMPエピトープは当該VAMP中のクロストリジウム神経毒切断部位のすぐC末端側にある少なくとも8個のアミノ酸残基を含むVAMPアミノ酸列を含む。
【請求項11】
前記抗原ポリペプチドが、10~16個のアミノ酸残基からなる、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記抗原ポリペプチドが、10~15個のアミノ酸残基からなる、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記VAMPが、VAMP1、VAMP2、VAMP3、VAMP4、VAMP5及び/又はYKT6から選択される、請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記VAMPエピトープが、配列番号15~配列番号34および配列番号48~配列番号78から選択されるVAMP配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む又はからなる、請求項9から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記VAMPエピトープが、VAMP1、VAMP2及び/又はVAMP3エピトープであり、
-KLSELDDRADALQ(配列番号15)を含む又はからなるBoNT/FまたはBoNT/D VAMPエピトープ、
-ERDQKLSELDDRA(配列番号32)を含む又はからなるBoNT/F5またはBoNT/FA VAMPエピトープ、
-FETSAAKLKRKYW(配列番号22)またはFETSAAKLKRKYWWK(配列番号49)を含む又はからなるBoNT/BまたはTeNT VAMPエピトープ、
-AKLKRKYWWKN(配列番号27)を含む又はからなるBoNT/G VAMPエピトープ、及び
-ADALQAGASQF(配列番号53)を含む又はからなるBoNT/X VAMPエピトープ
から選択される、
或いは
前記VAMPエピトープが、VAMP4、VAMP5及び/又はYKT6エピトープであり、
-SESLSDNATAF(配列番号62)、SDQLLDMSSTF(配列番号66)またはSEVLGTQSKAF(配列番号75)を含む又はからなるBoNT/X VAMPエピトープから選択される、
請求項9から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記の抗原ポリペプチドを含むポリペプチドが、天然に存在するVAMPアミノ酸配列に対して100%の配列同一性を有する16個を超える連続アミノ酸の領域を含まない、請求項9から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記の抗原ポリペプチドを含むポリペプチドが、天然に存在するVAMPアミノ酸配列に対して100%の配列同一性を有する15個を超える連続アミノ酸の領域を含まない、請求項9から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
ポリクローナル抗体である、請求項1から8のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項19】
モノクローナル抗体である、請求項1から8のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項20】
前記抗体および前記エピトープ間のKDが、10-7M未満である、請求項1から8のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項21】
VAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMP切断についてのシグナル獲得型細胞性アッセイ(gain of signal cellular assay)における、請求項1から8のいずれか一項に記載の抗体の使用。
【請求項22】
細胞におけるVAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMPの切断を決定する方法であって、
a)クロストリジウム神経毒活性に適した条件下で、細胞をクロストリジウム神経毒と接触させる工程と、
b)前記細胞の細胞質内容物を、VAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMPの切断後に、C末端側VAMP切断産物に対する第1の検出抗体と、第1の検出抗体がC末端側VAMP切断産物と結合するのに適した条件下で接触させる工程であって、前記の第1の検出抗体が、請求項1から8のいずれか一項に記載の抗体である工程と、
c)適した手段によって、前記の第1の検出抗体とC末端側VAMP切断産物との結合を検出する工程と
を含む方法。
【請求項23】
d)適した手段によって、前記の第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量を定量化する工程をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
対象においてVAMP切断性クロストリジウム神経毒に対する免疫抵抗性を決定する方法であって、
a) 対象から得られた試験サンプルに、VAMP切断性クロストリジウム神経毒を添加する工程と、
b)細胞を、クロストリジウム神経毒活性に適した条件下で、工程a)の試験サンプルと接触させる工程と、
c)前記細胞の細胞質内容物を、VAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMPの切断後に、C末端側VAMP切断産物に対する第1の検出抗体と、第1の検出抗体がC末端側VAMP切断産物と結合するのに適した条件下で接触させる工程であって、前記の第1の検出抗体が、請求項1から8のいずれか一項に記載の抗体である工程と、
d)適した手段によって、第1の検出抗体とC末端側VAMP切断産物との結合を検出する工程と、
e)第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量を定量化する工程と、
f)試験サンプルの代わりに陰性対照サンプルを用いて工程a)~e)を反復する工程と、
g)工程(e)及び(f)における前記第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量を比較する工程であって、工程(f)における前記第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量と比較して、工程(e)における前記第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量が低く検出されることは、VAMP切断性クロストリジウム神経毒に対する中和抗体の存在を示す工程と
を含む方法。
【請求項25】
VAMP切断性神経毒による中毒に対して感受性である細胞および切断されたVAMPに対する第1の検出抗体を含むキットであって、前記の第1の検出抗体が、請求項1から8のいずれか一項に記載の抗体である、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、VAMP切断性クロストリジウム神経毒の細胞ベースのアッセイに関する。
【背景技術】
【0002】
クロストリジウム属(Clostridia)の細菌は、高度に強力な特異的なタンパク質毒素を産生し、これは、送達されるニューロンおよびその他の細胞を毒することができる。このようなクロストリジウム毒素の例として、C.テタニ(tetani)によって産生される神経毒(破傷風神経毒)、およびC.ボツリヌス(botulinum)によって産生される神経毒(ボツリヌス神経毒血清型A~G)ならびにC.バラティ(baratii)およびC.ブチリカム(butyricum)によって産生されるものが挙げられる。
【0003】
クロストリジウム神経毒は、末梢神経系において、特に、神経筋接合部でコリン作動性伝達を阻害することによって作用する。天然では、クロストリジウム神経毒は、単鎖ポリペプチドとして合成され、これがタンパク質切断事象によって翻訳後修飾されて、ジスルフィド結合によって一緒に連結された2つのポリペプチド鎖を形成する。切断は、鎖間ジスルフィド結合を提供するシステイン残基間に位置する、活性化部位と呼ばれることが多い特定の切断部位で起こる。毒素の活性形態は、この二本鎖形態である。2つの鎖は、およそ100 kDaの分子量を有する重鎖(H鎖)およびおよそ50 kDaの分子量を有する軽鎖(L鎖)と呼ばれる。H鎖は、N末端側転位置構成成分(HNドメイン)およびC末端側標的化構成成分(HCドメイン)を含む。切断部位は、L鎖およびHNドメインの間に位置する。HCドメインのその標的ニューロンとの結合およびエンドソームによる結合された毒素の細胞への内部移行後、HNドメインは、L鎖をエンドソーム膜を横断してサイトゾル中に転位置させ、L鎖は、プロテアーゼ機能を提供する(非細胞傷害性プロテアーゼとしても知られる)。
【0004】
非細胞傷害性プロテアーゼは、SNAREタンパク質として知られる細胞内輸送タンパク質(例えば、SNAP-25、VAMPまたはシンタキシン)をタンパク分解性に切断することによって作用する-Gerald K (2002) "Cell and Molecular Biology" (4th edition) John Wiley & Sons、Inc.を参照のこと。頭字語SNAREは、可溶性NSF付着受容体(Soluble NSF Attachment Receptor)に由来し、ここで、NSFは、N-エチルマレイミド感受性因子を意味する。頭字語SNAP25は、25キロダルトンのシナプトソーム関連タンパク質(Synaptosome Associated Protein)に由来する。頭字語VAMPは、小胞結合膜タンパク質(Vesicle Associated Membrane Protein)に由来する。SNAREタンパク質は、細胞内小胞融合にとって、したがって、細胞からの小胞輸送を介した分子の分泌にとって不可欠である。プロテアーゼ活性は、亜鉛依存性エンドペプチダーゼ活性であり、SNAREタンパク質に対して高基質特異性を示す。したがって、ひとたび、所望の標的細胞に送達されると、非細胞傷害性プロテアーゼは、標的細胞からの細胞性分泌を阻害可能である。クロストリジウム神経毒のL鎖プロテアーゼは、SNAREタンパク質を切断する非細胞傷害性プロテアーゼである。BoNT/B、BoNT/D、BoNT/F、BoNT/G、BoNT/XおよびTeNTのL鎖プロテアーゼは、VAMP(シナプトブレビンとも呼ばれる)を切断し、BoNT/AおよびBoNT/EのL鎖プロテアーゼは、SNAP25を切断し、BoNT/CのL鎖プロテアーゼは、SNAP25およびシンタキシンを切断し、神経伝達物質放出の阻害および結果として起こる神経麻痺をもたらす(Rossetto, O. et al., "Botulinum neurotoxins: genetic, structural and mechanistic insights." Nature Reviews Microbiology 12.8 (2014): 535-549)(Zhang et al., "Identification and characterization of a novel botulinum neurotoxin"; Nature Communications, 2017, 8:14130)。
【0005】
クロストリジウム神経毒は、ニューロンを標的とし、文献において十分に定義されているその受容体結合ドメイン(HC)によるその特異的受容体との結合によってニューロンに入る(Schiavo, G., Matteoli, M. & Montecucco, C. Neurotoxins affecting neuroexocytosis, Physiol Rev, 2000, 80, 717-766)。受容体結合は、BoNTがニューロンを認識する有効性および特異性を決定する。BoNT/B、D~CおよびGは、その受容体として2つの相同シナプス小胞タンパク質シナプトタグミンIおよびII(Syt I/II)を共有するが、BoNT/A、E、D、FおよびTeNTは、別のシナプス小胞タンパク質SV2を使用する。タンパク質受容体に加えて、すべてのBoNTは、ニューロン表面に豊富である脂質共受容体ガングリオシドを必要とする。
【0006】
クロストリジウム神経毒は、運動性および自律神経性障害を治療するための療法において使用される。いくつかのBoNT/A製剤(Botox(登録商標)、Dysport(登録商標)およびXeomin(登録商標)を含む)および1種のBoNT/B製剤(Neurobloc(登録商標)/Myobloc(登録商標))がヒトにおける使用のために規制当局によって承認されている。
【0007】
伝統的に、BoNT医薬製剤の効力は、MLD50(マウス致死用量50)単位で定量されており、1単位は、マウスにおける中央値致死腹膜内用量に相当する。しかし、ボツリヌス毒素のMLD50単位は、標準化された単位ではない。実際、市販の毒素の種々の製造業者によって使用されるアッセイは、特に、希釈緩衝液の選択が異なる(Straughan, D. W., 2006, ATLA 34(3), 305-313; Hambleton and Pickett, Hambleton, P., and A. M. Pickett., 1994, Journal of the Royal Society of Medicine 87.11: 719)。さらに、倫理的問題および最近の規制のために、現在、動物ベースの効力アッセイの使用を避けることが好ましい。細胞ベースの効力アッセイは、動物試験の必要性および関連する倫理的問題を避ける。細胞性中毒後に、例えば、ウエスタンブロッティングによって標的細胞内のSNARE切断の程度を評価することによって、クロストリジウム神経毒の効力を測定できる。或いは、SNARE切断は、サンドイッチELISA法を使用して検出し、定量化できる。このような方法は、SNAP25およびシンタキシン切断について十分に働いている(例えば、Pellett, Sabine, et al. "Comparison of the primary rat spinal cord cell (RSC) assay and the mouse bioassay for botulinum neurotoxin type A potency determination." Journal of pharmacological and toxicological methods 61.3 (2010):304-310; Fernandez-Salas, Ester, et al. "Botulinum neurotoxin serotype A specific cell-based potency assay to replace the mouse bioassay." PLoS One 7.11 (2012): e49516; Kalandakanond S et al. "Cleavage of intracellular substrates of botulinum toxins A, C and D in mammalian target tissue" The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics (2001):749-755; Peng L et al. "Cytotoxicity of botulinum neurotoxins reveals a direct role of syntaxin 1 and SNAP25 in neuron survival." Nature Communications (2013): 4:1472)。しかし、今日まで、細胞可溶化液由来のVAMPの切断産物は、検出することが極めて困難であるとわかっている。実際、切断されたVAMPを認識するVAMP切断特異的抗体が利用可能であり、細胞外または細胞画分アッセイにおけるVAMP切断の検出に適しているが(Hallis, Bassam, B. A. James, and Clifford C. Shone. "Development of novel assays for botulinum type A and B neurotoxins based on their endopeptidase activities." Journal of clinical microbiology 34.8 (1996): 1934-1938; Kegel, B., et al. "An in vitro assay for detection of tetanus neurotoxin activity: Using antibodies for recognizing the proteolytically generated cleavage product." Toxicology in Vitro 21.8 (2007): 1641-1649; Fujita-Yoshigaki, Junko, et al. "Vesicle-associated Membrane Protein 2 Is Essential for cAMP-regulated Exocytosis in Rat Parotid Acinar Cells The Inhibition of cAMP-dependent Amylase Release by Botulinum Neurotoxin B." Journal of Biological Chemistry 271.22 (1996): 13130-13134)、これらの抗体は、細胞性研究において切断されたVAMPを検出しない。
【0008】
この分野における一般的な合意は、これまでのところ、切断されたVAMP産物は、細胞中で極めて迅速に分解されるに違いなく、したがって、BoNT作用の長寿命に寄与しないということであった(Foran, Patrick G., et al. "Evaluation of the Therapeutic Usefulness of Botulinum Neurotoxin B, C1, E, and F Compared with the Long Lasting Type A Basis for Distinct Durations of Inhibition of Exocytosis in Central Neurons." Journal of biological chemistry 278.2 (2003): 1363-1371)。しかし、Schiavoらは、クーマシーブルー染色を使用して、VAMP切断産物は両方とも、BoNT/BおよびTeNTを用いて処置された時のラット大脳皮質から調製された小さいシナプス小胞画分中に存在することを示した(Schiavo G., et al (1992), Tetanus and Botulinum-B neurotoxins block neurotransmitter release by proteolytic cleavage of synaptobrevin. Nature 359 p832-835)。これは、シナプトソーム調製物が、総細胞可溶化液中に存在するすべてのプロテアーゼを十分に含有しない可能性もあるが、細胞性供給源に由来するVAMP産物が存在し得ることを示唆する。Dongら(2004年)は、YFP-Syb(FL)-CFPを発現するPC12細胞において、両VAMP産物に由来するシグナルは、BoNT/Bによる切断後に検出可能であることおよびYFP-N末端側切断VAMP産物は、サイトゾル中に分散し、核に自身で再分布するが、CFP-C末端側産物は小胞に局在するままであることを記載する(Dong M., et al (2004) Using fluorescent sensors to detect botulinum neurotoxin activity in vitro and in living cells. PNAS 101 (41) p14701-14706)。このエビデンスは、両VAMP産物は存在する場合もあるが、まだ知られていない細胞性プロセスが、N末端側産物に対する抗体の認識を妨害していることを示唆する。したがって、全長バンドのみの消失によってVAMP切断を測定することが標準的技法である(例えば、Pellett, Sabine, et al. "A neuronal cell‐based botulinum neurotoxin assay for highly sensitive and specific detection of neutralizing serum antibodies." FEBS letters 581.25 (2007): 4803-4808.; Whitemarsh, Regina CM, et al. "Novel application of human neurons derived from induced pluripotent stem cells for highly sensitive botulinum neurotoxin detection Biological Sciences: Applied Biological Sciences." Toxicological Sciences, 2012, 126(2):426-435を参照のこと)。しかし、シグナルの喪失をベースとするアッセイは、総タンパク質負荷において矛盾があることがあり、次いで、これがVAMP消失の過剰評価または過少評価のいずれかを引き起こすので、エラーのリスクを運び込む。BoNT処置の間のに変化しないハウスキーピングタンパク質を使用して、対照タンパク質の密度に対してVAMP消失を標準化できる。この場合の不都合は、標準化の目的で何らかの差異を検出するためには、当該複数の抗体のシグナルが釣り合い、かつ、線形な目盛にのっている必要があるということである。質的に、これはBoNT活性の合理的指標であり得るが、より詳細な定量には、特に、医薬BoNT製剤の効力を決定するのには適していない。
【0009】
したがって、シグナルゲイン読み取り(gain of signal readout)に基づく細胞性VAMP切断アッセイが必要である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【文献】Rossetto, O. et al., "Botulinum neurotoxins: genetic, structural and mechanistic insights." Nature Reviews Microbiology 12.8 (2014): 535-549
【文献】Zhang et al., "Identification and characterization of a novel botulinum neurotoxin"; Nature Communications, 2017, 8:14130
【発明の概要】
【0011】
第1の態様において、本発明は、VAMPエピトープを含む抗原ポリペプチドを提供し、前記抗原ポリペプチドは、10~65個のアミノ酸残基からなり、前記VAMPエピトープは、VAMP中のクロストリジウム神経毒切断部位のすぐC末端側にある少なくとも8個のアミノ酸残基を含むVAMP配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0012】
別の態様では、本発明は、本発明の抗原ポリペプチドを含むポリペプチドに関し、当該ポリペプチドは、天然に存在するVAMPアミノ酸配列に対して100%の配列同一性を有する17個、好ましくは16個、より好ましくは15個を超える連続アミノ酸の領域を含まない。
【0013】
別の態様では、本発明は、担体に共有結合によって連結された本発明のポリペプチドを含む抗原タンパク質を提供する。
【0014】
別の態様では、本発明は、C末端側VAMP切断産物に対する抗体を作製するための本発明の抗原ポリペプチドまたはタンパク質の使用を提供する。一実施形態では、本発明のエピトープは、C末端側VAMP切断産物に対するポリクローナル抗体を作製するために使用される。別の実施形態では、本発明のエピトープは、C末端側VAMP切断産物に対するモノクローナル抗体を作製するために使用される。
【0015】
別の態様では、本発明は、本発明の抗原ポリペプチドまたはタンパク質と結合する抗体を提供する。
【0016】
別の態様では、本発明は、VAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMP切断のシグナル獲得型細胞性アッセイ(gain of signal cellular assay)における本発明の抗体の使用を提供する。
【0017】
別の態様では、本発明は、細胞におけるVAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMPの切断を決定する方法であって、
a)クロストリジウム神経毒活性に適した条件下で、細胞をクロストリジウム神経毒と接触させる工程と、
b)前記細胞の細胞質内容物を、VAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMPの切断後に、C末端側VAMP切断産物に対する第1の検出抗体と、第1の検出抗体がC末端側VAMP切断産物と結合するのに適した条件下で接触させる工程であって、前記の第1の検出抗体が、本発明の抗体である工程と、
c)適した手段によって、前記の第1の検出抗体とC末端側VAMP切断産物との結合を検出する工程と
を含む方法を提供する。
【0018】
別の態様では、本発明は、対象におけるVAMP切断性クロストリジウム神経毒に対する免疫抵抗性(immunoresistance)を決定する方法であって、
a)対象から得られた試験サンプルに、VAMP切断性クロストリジウム神経毒を添加する工程と、
b)クロストリジウム神経毒活性に適した条件下で、細胞を、工程a)の試験サンプルと接触させる工程と、
c)前記細胞の細胞質内容物を、VAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMPの切断後に、C末端側VAMP切断産物に対する第1の検出抗体と、第1の検出抗体がC末端側VAMP切断産物と結合するのに適した条件下で接触させる工程であって、前記の第1の検出抗体が、本発明の抗体である工程と、
d)適した手段によって、第1の検出抗体とC末端側VAMP切断産物との結合を検出する工程と、
e)第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量を定量化する工程と、
f)試験サンプルの代わりに陰性対照サンプルを用いて工程a)~e)を反復する工程と、
g)工程(e)及び(f)における前記第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量を比較する工程であって、工程(f)における前記第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量と比較して、工程(e)における前記第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量が低く検出されることは、VAMP切断性クロストリジウム神経毒に対する中和抗体の存在を示す工程と
を含む方法を提供する。
【0019】
別の態様では、本発明は、VAMP切断性神経毒による中毒に対して感受性である細胞および切断されたVAMPに対する第1の検出抗体を含むキットであって、前記の第1の検出抗体が本発明の抗体であるキットを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、シグナルゲイン読み取りに基づく細胞性VAMP切断アッセイにおいて使用するのに適した抗体を作製することが可能であったという本発明者らによる発見に基づく。
【0021】
特に、本発明者らは、in vitroでVAMP切断を検出するために、BoNT切断部位のC末端側に位置するエピトープを検出することが重要であることを示した。実際、本発明者らは、BoNT/D及び/又はBoNT/F及び/又はBoNT/B切断部位に隣接する、BoNT/F及び/又はBoNT/D及び/又はBoNT/B切断部位のC末端側に位置するエピトープと結合する抗体を使用するウエスタンブロット(WB)によって、ニューロンのVAMP2切断産物の検出の成功を本明細書において実証した。特に、このような抗体は、細胞可溶化液中で全長VAMPおよび切断産物の両方を検出可能である。このツールは、切断されたVAMP産物の出現をモニターすることによって、シグナル獲得型細胞性アッセイ(gain of signal cellular assay)におけるBoNTの効力の定量的評価を可能にする。
【0022】
第1の態様において、本発明は、VAMPエピトープを含む抗原ポリペプチドを提供し、前記抗原ポリペプチドは、10~65個のアミノ酸残基からなり、前記VAMPエピトープは、VAMP中のクロストリジウム神経毒切断部位のすぐC末端側にある少なくとも8個のアミノ酸残基を含むVAMP配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0023】
用語「クロストリジウム神経毒」とは、本明細書において、ニューロンに入り、神経伝達物質放出を阻害する任意のポリペプチドを意味する。このプロセスは、神経毒の低または高親和性受容体との結合、神経毒の内部移行、神経毒のエンドペプチダーゼ部分の細胞質への転位置および神経毒基質の酵素的修飾を包含する。より詳しくは、用語「クロストリジウム神経毒」は、ニューロンに入り、神経伝達物質放出を阻害するクロストリジウム属(Clostridium)の細菌によって産生された任意のポリペプチドおよび組換え技術または化学技術によって製造されたこのようなポリペプチドを包含する。神経毒の活性形態は、二本鎖形態である。2つの鎖は、およそ100 kDaの分子量を有する重鎖(H鎖)およびおよそ50 kDaの分子量を有する軽鎖(L鎖)と呼ばれる。クロストリジウム神経毒は、ボツリヌス神経毒(BoNT)および破傷風神経毒(TeNT)を含む。BoNT血清型A~Gは、特定の中和抗血清による不活性化に基づいて区別することができ、血清型によるこのような分類は、アミノ酸レベルでの配列同一性百分率と相関する。所与の血清型のBoNTタンパク質は、アミノ酸配列同一性百分率に基づいて異なる亜型にさらに分けられる。
【0024】
BoNT/A神経毒アミノ酸配列の一例が、配列番号1(UniProt受託番号A5HZZ9)として提供される。BoNT/B神経毒アミノ酸配列の一例は、配列番号2(UniProt受託番号B1INP5)として提供される。BoNT/C神経毒アミノ酸配列の一例は、配列番号3(UniProt受託番号P18640)として提供される。BoNT/D神経毒アミノ酸配列の一例は、配列番号4(UniProt受託番号P19321)として提供される。BoNT/E神経毒アミノ酸配列の一例は、配列番号5(NCBI RefSeq受託番号WP_003372387)として提供される。BoNT/F神経毒アミノ酸配列の一例は、配列番号6(UniProt受託番号Q57236)として提供される。BoNT/G神経毒アミノ酸配列の一例は、配列番号7(NCBI RefSeq受託番号WP_039635782)として提供される。BoNT/X神経毒アミノ酸配列の一例は、配列番号41(Genbank受託番号BAQ12790.1)として提供される。TeNTアミノ酸配列の一例は、配列番号8(UniProt受託番号P04958)として提供される。
【0025】
用語「HCドメイン」とは、本明細書において、神経毒の、標的細胞の表面に位置する受容体との結合を可能にするおよそ50 kDaの分子量を有する神経毒重鎖の機能的に異なる領域を意味する。HCドメインは、2つの構造的に異なるサブドメイン、各々およそ25 kDaの分子量を有する「HCNサブドメイン」(HCドメインのN末端側部分)および「HCCサブドメイン」(HCドメインのC末端側部分)からなる。
【0026】
用語「LHNドメイン」とは、本明細書において、HCドメインを欠き、エンドペプチダーゼドメイン(「L」または「軽鎖」)およびエンドペプチダーゼの、細胞質への転位置に関与するドメイン(重鎖のHNドメイン)からなる神経毒を意味する。
【0027】
例示的L、HN、HCNおよびHCCドメインは、表1に示されている。
【表1】
【0028】
亜血清型に応じてわずかな変動が起こり得るので、上記で同定された参照配列は、ガイドと考えられるべきである。例として、US2007/0166332(出典を明記することによりその開示内容全体を本願明細書の一部とする)には、わずかに異なるクロストリジウム配列が引用されている。
【0029】
小胞結合膜タンパク質(VAMP)は、複数のSNAREタンパク質のファミリーであり、同様の構造を有し、小胞融合および開口分泌、特に、神経伝達物質放出に関与している。VAMPは、シナプトブレビンファミリーと呼ばれ、VAMP1、VAMP2(両方ともシナプトブレビンとして知られる)、VAMP3(セルブレビンとしても知られる)、VAMP4、VAMP5、VAMP7(SYBL1または破傷風非感受性VAMPとしても知られる)、VAMP8(エンドブレビンとしても知られる)、YKT6、SEC22Aなどといったメンバーを含むSNAREタンパク質のファミリーのメンバーである。VAMP1、VAMP2およびVAMP3は、BoNT/B、BoNT/D、BoNT/F、BoNT/G、BoNT/XおよびTeNTの軽鎖によって切断される。BoNT/Xはまた、VAMP4、VAMP5およびYKT6も切断する。
【0030】
用語「VAMPエピトープ」とは、本明細書において、抗体が結合するVAMPタンパク質の部分を意味する。
【0031】
好ましい実施形態では、本発明の抗原ポリペプチドは、10~65、10~60、10~55、10~50、10~45、10~40、10~35、10~30、10~25、10~20、10~19、10~18、10~17、10~16または10~15個のアミノ酸残基、好ましくは、10~15個のアミノ酸残基からなる。例えば、本発明の抗原ポリペプチドは、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64または65個のアミノ酸残基からなり得る。
【0032】
好ましい実施形態では、本発明の抗原ポリペプチドは、VAMP中のクロストリジウム神経毒切断部位のすぐC末端側にある、少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16または17個のアミノ酸残基を含むVAMP配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むVAMPエピトープを含む又はからなる。
【0033】
天然に存在するVAMP、特に、ラットおよびヒトVAMP1、VAMP2、VAMP3、VAMP4、VAMP5およびYKT6のアミノ酸配列ならびにその対応するクロストリジウム神経毒VAMP切断部位は、表2および図1に示されている。
【表2】
【0034】
一実施形態では、VAMPは、VAMP1、VAMP2、VAMP3、VAMP4、VAMP5及び/又はYKT6から選択される。
【0035】
一実施形態では、VAMPは、VAMP1、VAMP2及び/又はVAMP3から選択される。
【0036】
一実施形態では、VAMPは、VAMP4、VAMP5及び/又はYKT6から選択される。
【0037】
好ましい実施形態では、VAMPは、ヒトVAMP、より好ましくは、ヒトVAMP1、VAMP2、VAMP3、VAMP4、VAMP5及び/又はYKT6である。
【0038】
一実施形態では、VAMPは、ヒトVAMP1、VAMP2及び/又はVAMP3から選択される。
【0039】
一実施形態では、VAMPは、ヒトVAMP4、VAMP5及び/又はYKT6から選択される。
【0040】
本発明の抗原ポリペプチドの一実施形態では、VAMPエピトープは、BoNT/Fによって切断されるVAMPエピトープであり、ここで、前記少なくとも8個のアミノ酸残基は、VAMP中のBoNT/F切断部位のすぐC末端側にある。
【0041】
BoNT/F VAMPエピトープ、より詳しくは、BoNT/F VAMP1、VAMP2及び/又はVAMP3エピトープの例として、以下が挙げられる。
・ KLSELDDRADALQ (配列番号15)
・ QKLSELDDRADALQ (配列番号16)
・ KLSELDDRAD (配列番号17)
・ KLSELDDRADALQAGAS (配列番号18)
・ DQKLSELDDRADALQ (配列番号31).
【0042】
一実施形態では、BoNT/F VAMPエピトープ、特に、BoNT/F VAMP1、VAMP2及び/又はVAMP3エピトープは、配列番号15~配列番号18および配列番号31から選択される配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む又はからなる。好ましい実施形態では、BoNT/F VAMPエピトープは、KLSELDDRADALQ(配列番号15)に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む又はからなる。より好ましい実施形態では、BoNT/F VAMPエピトープは、KLSELDDRADALQ(配列番号15)を含む又はからなる。
【0043】
本発明の抗原ポリペプチドの一実施形態では、VAMPエピトープは、BoNT/D VAMPエピトープであり、ここで、前記少なくとも8個のアミノ酸残基は、VAMP中のBoNT/D切断部位のすぐC末端側にある。
【0044】
BoNT/D VAMPエピトープ、より詳しくは、BoNT/D VAMP1、VAMP2及び/又はVAMP3エピトープの例として、以下が挙げられる。
・ KLSELDDRADALQ (配列番号15)
・ LSELDDRADALQ (配列番号19)
・ LSELDDRADA (配列番号20)
・ LSELDDRADALQAGAS (配列番号21).
【0045】
一実施形態では、BoNT/D VAMPエピトープ、特に、BoNT/D VAMP1、VAMP2及び/又はVAMP3エピトープは、配列番号15および配列番号19~配列番号21から選択される配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む又はからなる。好ましい実施形態では、BoNT/D VAMPエピトープは、KLSELDDRADALQ(配列番号15)に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む又はからなる。より好ましい実施形態では、BoNT/D VAMPエピトープは、KLSELDDRADALQ(配列番号15)を含む又はからなる。
【0046】
本発明の抗原ポリペプチドの一実施形態では、VAMPエピトープは、BoNT/F5またはBoNT/FAによって切断されたVAMPエピトープであり、ここで、前記少なくとも8個のアミノ酸残基は、VAMP中のBoNT/F5またはBoNT/FA切断部位のすぐC末端側にある。
【0047】
BoNT/F5またはBoNT/FA VAMPエピトープ、より詳しくは、BoNT/F5またはBoNT/FA VAMP1、VAMP2及び/又はVAMP3エピトープの例として、以下が挙げられる。
・ ERDQKLSELDDRA (配列番号32)
・ LERDQKLSELDDRA (配列番号33)
・ VLERDQKLSELDDRA (配列番号34).
【0048】
一実施形態では、BoNT/F5またはBoNT/FA VAMPエピトープ、特に、BoNT/F5またはBoNT/FA VAMP1、VAMP2及び/又はVAMP3エピトープは、配列番号32~配列番号34から選択される配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む又はからなる。好ましい実施形態では、BoNT/F5またはBoNT/FA VAMPエピトープは、ERDQKLSELDDRA(配列番号32)に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む又はからなる。より好ましい実施形態では、BoNT/F5またはBoNT/FA VAMPエピトープは、ERDQKLSELDDRA(配列番号32)を含む又はからなる。
【0049】
本発明の抗原ポリペプチドの一実施形態では、VAMPエピトープは、BoNT/BまたはTeNT VAMPエピトープであり、ここで、前記少なくとも8個のアミノ酸残基は、VAMP中のBoNT/BまたはTeNT切断部位のすぐC末端側にある。
【0050】
BoNT/BまたはTeNT VAMPエピトープ、より詳しくは、BoNT/BまたはTeNT VAMP1、VAMP2及び/又はVAMP3エピトープの例として、以下が挙げられる。
・ FETSAAKLKRKYW (配列番号22)
・ FESSAAKLKRKYW (配列番号23)
・ QFETSAAKLKRKYW (配列番号24)
・ FETSAAKLKR (配列番号25)
・ FETSAAKLKRKYWWKN (配列番号26)
・ ETSAAKLKRKYWWK (配列番号48)
・ FETSAAKLKRKYWWK (配列番号49)
・ QFESSAAKLKRKYW (配列番号50)
・ FESSAAKLKR (配列番号51)
・ FESSAAKLKRKYWWK (配列番号52).
【0051】
一実施形態では、BoNT/BまたはTeNT VAMPエピトープ、特に、BoNT/BまたはTeNT VAMP1、VAMP2及び/又はVAMP3エピトープは、配列番号22~配列番号26および配列番号48~配列番号52から選択される配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む又はからなる。好ましい実施形態では、BoNT/BまたはTeNT VAMPエピトープは、FETSAAKLKRKYW(配列番号22)またはFETSAAKLKRKYWWK(配列番号49)に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む又はからなる。より好ましい実施形態では、BoNT/BまたはTeNT VAMPエピトープは、FETSAAKLKRKYW(配列番号22)またはFETSAAKLKRKYWWK(配列番号49)を含む又はからなる。驚くべきことに、後者のエピトープと結合する抗体は、BoNT/B VAMP切断の検出だけでなく、BoNT/F VAMP切断の検出も可能にする。
【0052】
本発明の抗原ポリペプチドの一実施形態では、VAMPエピトープは、BoNT/G VAMPエピトープであり、ここで、前記少なくとも8個のアミノ酸残基は、VAMP中のBoNT/G切断部位のすぐC末端側にある。
【0053】
BoNT/G VAMPエピトープ、より詳しくは、BoNT/G VAMP1、VAMP2及び/又はVAMP3エピトープの例として、以下が挙げられる。
・ AKLKRKYWWKN (配列番号27)
・ AAKLKRKYWWKN (配列番号28)
・ AKLKRKYWWKNCKM (配列番号29)
・ AKLKRKYWWKNLKM (配列番号30).
【0054】
一実施形態では、BoNT/G VAMPエピトープ、特に、BoNT/G VAMP1、VAMP2及び/又はVAMP3エピトープは、配列番号27~配列番号30から選択される配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む又はからなる。好ましい実施形態では、BoNT/G VAMPエピトープは、AKLKRKYWWKN(配列番号27)に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む又はからなる。より好ましい実施形態では、BoNT/G VAMPエピトープは、AKLKRKYWWKN(配列番号27)を含む又はからなる。
【0055】
本発明の抗原ポリペプチドの一実施形態では、VAMPエピトープは、BoNT/X VAMPエピトープであり、ここで、前記少なくとも8個のアミノ酸残基は、VAMP中のBoNT/X切断部位のすぐC末端側にある。
【0056】
BoNT/X VAMPエピトープ、より詳しくは、BoNT/X VAMP1、VAMP2及び/又はVAMP3エピトープの例として、以下が挙げられる。
・ ADALQAGASQF (配列番号53)
・ ADALQAGASQ (配列番号54)
・ RADALQAGASQF (配列番号55)
・ ADALQAGASQFE (配列番号56)
・ ADALQAGASVF (配列番号57)
・ ADALQAGASV (配列番号58)
・ ADALQAGASVFE (配列番号59)
・ RADALQAGASVF (配列番号60)
・ RADALQAGAS (配列番号61).
【0057】
一実施形態では、BoNT/X VAMPエピトープ、特に、BoNT/X VAMP1、VAMP2及び/又はVAMP3エピトープは、配列番号53~配列番号61から選択される配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む又はからなる。好ましい実施形態では、BoNT/X VAMPエピトープは、ADALQAGASQF(配列番号53)に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む又はからなる。より好ましい実施形態では、BoNT/X VAMPエピトープは、ADALQAGASQF(配列番号53)を含む又はからなる。
【0058】
BoNT/X VAMPエピトープ、より詳しくは、BoNT/X VAMP4エピトープのその他の例として、以下が挙げられる。
・ SESLSDNATAF (配列番号62)
・ SESLSDNATA (配列番号63)
・ KSESLSDNATAF (配列番号64)
・ SESLSDNATAFS (配列番号65).
【0059】
一実施形態では、BoNT/X VAMPエピトープ、特に、BoNT/X VAMP4エピトープは、配列番号62~配列番号65から選択される配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む又はからなる。好ましい実施形態では、BoNT/X VAMPエピトープは、SESLSDNATAF(配列番号62)に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む又はからなる。より好ましい実施形態では、BoNT/X VAMPエピトープは、SESLSDNATAF(配列番号62)を含む又はからなる。
【0060】
BoNT/X VAMPエピトープ、より詳しくは、BoNT/X VAMP5エピトープのその他の例として、以下が挙げられる。
・ SDQLLDMSSTF (配列番号66)
・ SDQLLDMSST (配列番号67)
・ RSDQLLDMSSTF (配列番号68)
・ SDQLLDMSSTFN (配列番号69)
・ SDQLLDMSSAF (配列番号70)
・ SDQLLDMSSA (配列番号71)
・ RSDQLLDMSSAF (配列番号72)
・ SDQLLDMSSAFS (配列番号73)
・ RSDQLLDMSS (配列番号74).
【0061】
一実施形態では、BoNT/X VAMPエピトープ、特に、BoNT/X VAMP5エピトープは、配列番号66~配列番号74から選択される配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む又はからなる。好ましい実施形態では、BoNT/X VAMPエピトープは、SDQLLDMSSTF(配列番号66)に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む又はからなる。より好ましい実施形態では、BoNT/X VAMPエピトープは、SDQLLDMSSTF(配列番号66)を含む又はからなる。
【0062】
BoNT/X VAMPエピトープ、より好ましくは、BoNT/X YKT6 エピトープのその他の例として、以下が挙げられる。
・ SEVLGTQSKAF (配列番号75)
・ SEVLGTQSKA (配列番号76)
・ KSEVLGTQSKAF (配列番号77)
・ SEVLGTQSKAFY (配列番号78).
【0063】
一実施形態では、BoNT/X VAMPエピトープ、特に、BoNT/X YKT6エピトープは、配列番号75~配列番号78から選択される配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む又はからなる。好ましい実施形態では、BoNT/X VAMPエピトープは、SEVLGTQSKAF(配列番号75)に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む又はからなる。より好ましい実施形態では、BoNT/X VAMPエピトープは、SEVLGTQSKAF(配列番号75)を含む又はからなる。
【0064】
本明細書において、2種以上の核酸またはアミノ酸配列間の「配列同一性パーセント」は、アラインされた配列によって共有される同一位置の同一ヌクレオチドまたはアミノ酸の数の関数である。したがって、同一性%は、アラインされた配列中のヌクレオチドまたはアミノ酸の総数によって除され、100が乗じられた、アラインメント中の各位置の同一ヌクレオチドまたはアミノ酸の数として算出され得る。配列同一性%の算出はまた、2種以上の配列のアラインメントを最適化するために導入される必要があるギャップの数および各ギャップの長さも考慮し得る。2種以上の配列間の配列比較および同一性パーセントの決定は、当業者によく知られる特定の数学的アルゴリズム、例えば、グローバルアラインメント数的アルゴリズムを使用して実施できる(例えば、Needleman and Wunsch, J. Mol. Biol. 48(3), 443-453, 1972によって記載される)。
【0065】
別の態様では、本発明は、本発明の抗原ポリペプチドを含むポリペプチドに関し、ここで、当該ポリペプチドは、天然に存在するVAMPアミノ酸配列に対して100%の配列同一性を有する17、16、15、14、13、12、11、10個より多い、好ましくは、16個、より好ましくは、15個の連続アミノ酸の領域を含まない。当業者は、このようなポリペプチドもまた抗原性であることを容易に理解するであろう。
【0066】
好ましい実施形態では、当該ポリペプチドは、共有結合リンカーを、好ましくは、そのN末端に、及び/又はC末端に含む。本発明に従って適している共有結合リンカーの例は以下に提供される。
【0067】
別の態様では、本発明は、担体に共有結合によって連結された本発明のポリペプチドを含む抗原タンパク質を提供する。
【0068】
好ましくは、担体は、非免疫原性または弱く免疫原性のタンパク質である。適した担体の例として、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、オボアルブミン(OVA)、サイログロブリン(THY)、ウシ血清アルブミン(BSA)、大豆トリプシン阻害剤(STI)または多重付着ペプチド(multiple attachment peptide)(MAP)が挙げられる。
【0069】
一実施形態では、抗原タンパク質は、本発明のポリペプチド(上記で示されたようなリンカーをすでに含む場合もある)と担体の間に共有結合リンカーを含む。前記リンカーは、当技術分野で周知のように、そのN末端、C末端及び/又は側鎖中に存在する反応性基の存在のためにその他のアミノ酸(ポリペプチド及び/又は担体の)と共有結合を形成し得る、天然または非天然の1個以上のアミノ酸であり得る。特に、N末端及び/又は側鎖中に第一級アミン基(-NH2)を有するアミノ酸(リジンなど)は、C末端及び/又は側鎖中にカルボキシル(-COOH)基を有するアミノ酸(アスパラギン酸またはグルタミン酸など)と反応して、共有結合を形成することができ、側鎖中にスルフヒドリル(-SH)基を有するアミノ酸(システインまたはセレノシステインなど)は、側鎖中にスルフヒドリル(-SH)基を有するアミノ酸(システインまたはセレノシステインなど)と反応して、共有結合を形成することができる。例えば、共有結合リンカーは、本発明のポリペプチドのC末端またはN末端中に付加されるシステインである場合もあり、前記システインは、担体中に付加されるまたは存在する別のシステインとジスルフィド橋を形成する。共有結合リンカーは、或いは、またはさらに、スペーサーを形成するいくつかのアミノ酸の形態である場合もあり、例えば、リンカーは、小さい側鎖R基を有する無電荷アミノ酸、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシンまたはセリンなどを含むペプチドであり得る。本発明の適したスペーサーの例として、GGG、GGGGおよびGGGGSなどのG-スペーサーまたはAAA、AAAAおよびAAAAVなどのA-スペーサーが挙げられる。一実施形態では、リンカーは、約1~約30個のアミノ酸残基、好ましくは、約2~約25個のアミノ酸残基、より好ましくは、約3~約20個のアミノ酸残基、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15個のアミノ酸残基からなる。
【0070】
別の態様では、本発明は、C末端側VAMP切断産物に対する抗体を作製するための本発明の抗原ポリペプチドまたはタンパク質の使用を提供する。一実施形態では、本発明のエピトープは、C末端側VAMP切断産物に対するポリクローナル抗体を作製するために使用される。別の実施形態では、本発明のエピトープは、C末端側VAMP切断産物に対するモノクローナル抗体を作製するために使用される。
【0071】
抗体を作製するための方法は、当技術分野で周知である、例えば、Greenfield, Edward A., ed. Antibodies: a laboratory manual. Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2014; Leenaars, Marlies, and Coenraad FM Hendriksen. "Critical steps in the production of polyclonal and monoclonal antibodies: evaluation and recommendations." Ilar Journal 46.3 (2005): 269-279を参照のこと。
【0072】
本明細書において記載されるようなVAMPエピトープと結合するポリクローナル抗体は、動物、例えば、ウサギ、ヤギ、マウス、ハムスターもしくはサルなどの哺乳動物または鶏卵などの卵に、本発明の抗原ポリペプチドまたはタンパク質を注射することによって産生できる。本明細書において開示されるようなVAMPエピトープに対するポリクローナル抗体を、動物から(例えば、血液から)または卵から単離し、IgG画分を得るためのタンパク質アフィニティークロマトグラフィーによって、または抗体を産生するために使用されるVAMPエピトープに対するアフィニティー精製によってさらに精製できる。いくつかの医薬品開発業務受託機関は、カスタム抗体作製サービスを提供し、例えば、Eurogentec社は、0日目に免疫し、次いで、7、10および18日目に3回の追加免疫注射を有する「スピーディー28日プログラム(Speedy 28-day programme)」を提供する。21日目の中間の出血および28日目の最終出血。これは、当技術分野で周知であるポリクローナル抗体製造の一般的な技術の一例である。
【0073】
本明細書において記載されるようなVAMPエピトープと結合するモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法を使用して製造できる。例えば、Chapter 7, Greenfield, Edward A., ed. Antibodies: a laboratory manual. Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2014を参照のこと。手短には、宿主動物、例えば、ウサギ、ヤギ、マウス、ハムスターまたはサルなどの哺乳動物は、切断されたVAMPと特異的に結合する抗体を産生する、または産生可能であるリンパ球を誘発するために、本発明の抗原ポリペプチドまたはタンパク質の1回以上の注射に曝露される。免疫された動物における抗体力価は、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)を用いるといった標準技術によって経時的にモニタリングできる。或いは、リンパ球は、適した細胞培養株を使用してin vitroで免疫化できる。免疫後の適当な時間で、例えば、抗体力価が最高であるときに、動物から抗体産生細胞を単離する。一般に、ヒト起源の細胞が望まれる場合には、末梢血リンパ球が使用されるか、または非ヒト哺乳動物供給源が望まれる場合には、脾臓細胞もしくはリンパ節細胞が使用される。単離された抗体産生細胞を、ポリエチレングリコールなどの適した融合剤を使用して不死細胞株と融合して、ハイブリドーマ細胞を形成する。不死化細胞株は、普通、形質転換された哺乳動物細胞、特に、げっ歯類、ウシおよびヒト起源の骨髄腫細胞である。通常、マウス骨髄腫細胞株を、適宜免疫されたマウスから回収した脾細胞と融合して、ハイブリドーマを製造する。好ましい不死細胞株は、ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジン(HAT)を含有する培養培地に対して感受性であるマウス骨髄腫細胞株である。いくつかの骨髄腫細胞株のいずれかを、標準技術に従う融合パートナーとして使用できる(例えば、P3-NS1/1-Ag4-1、P3-x63-Ag8.653またはSp2/O-Ag14骨髄腫株)。次いで、融合の結果得られたハイブリドーマ細胞を、融合していないおよび非生産的に融合された骨髄腫細胞を死滅させるHAT培地を使用して選択する(融合していない脾細胞は、形質転換されていないので、培養で数日後に死滅する)。ハイブリドーマ細胞を成長させた培養培地を、本明細書において記載されるようなVAMPエピトープと結合するモノクローナル抗体の存在についてアッセイできる。例えば、ハイブリドーマ上清を、免疫沈降アッセイ、in vitro結合アッセイ(例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)又は酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)など)、又は細胞ベースの活性測定法において、切断VAMP陽性培地を使用してスクリーニングできる。モノクローナル抗体の結合親和性はまた、例えば、スキャッチャード解析法によって決定できる。例えば、Peter J. Munson and David Rodbard, Ligand: A Versatile Computerized Approach For Characterization of Ligand-Binding Systems, 107(1) Anal. Biochem. 220-239 (1980)を参照のこと。所望のハイブリドーマ細胞が同定された後、所望のモノクローナル抗体を発現するクローン細胞株が得られるまで、限界希釈手順を使用して、単細胞起源のクローンを単離する。或いは、例えば、抗体ファージディスプレイライブラリーなどの組換えコンビナトリアル免疫グロブリンライブラリーを、本発明の抗原ポリペプチド、タンパク質またはペプチドを用いてスクリーニングすることによって、本明細書において記載されるようなVAMPエピトープと結合するモノクローナル抗体を製造できる。ファージディスプレイライブラリーを作製し、スクリーニングするためのキットは、市販されている、例えば、Recombinant Phage Antibody System(Amersham GE Healthcare、ニュージャージー州、ピスカタウェイ)およびSurfZAPTMPhage Displayキット(Stratagene、カリフォルニア州、ラホヤ)など。さらに、抗体ディスプレイライブラリーの作製およびスクリーニングにおいて有用な方法および試薬の例は、例えば、Ladner et al. U.S. Patent 5,223,409、Borrebaeck et al. U.S. Patent 5,712,089、Griffiths et al. U.S. Patent 5,885,793、Griffiths et al. U.S. Patent 5,962,255、McCafferty et al. U.S. Patent 5,969,108、Griffiths et al. U.S. Patent 6,010,884、Jespers et al. U.S. Patent 6,017,732、Borrebaeck et al. U.S. Patent 6,027,930、Johnson et al. U.S. Patent 6,140,471、McCafferty et al. U.S. Patent 6,172,197に見ることができ、それらの各々は、出典を明記することによりその開示内容全体を本願明細書の一部とする。
【0074】
別の態様では、本発明は、本発明の抗原ポリペプチドまたはタンパク質と結合する抗体を提供する。
【0075】
一実施形態では、抗体は、ポリクローナル抗体である。
【0076】
一実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体である。
【0077】
抗体と、抗原ポリペプチドまたはタンパク質との間の結合親和性は、平衡状態で抗体-抗原複合体が解離する速度と等しくなる新規の抗体-抗原複合体が形成される速度を測定する、平衡解離定数(KD)を決定することによって評価できる。平衡解離定数は、Mで表され、平衡状態でKd/Ka比によって定義され、ここで、Kaは、抗体の会合速度定数であり、Kdは、抗体の解離速度定数である。KD=[Ab]x[Ag]/[Ab+Ag](式中、[Ab]は、抗体のモル濃度であり、[Ag]は、抗原のモル濃度であり、[Ab+Ag]は、抗体-抗原複合体のモル濃度である)、すべての濃度は、系が平衡状態にある場合のこのような構成成分のものである。平衡解離定数が小さいほど、抗体がその抗原とより堅固に結合されるか、または抗体と抗原の間の結合親和性はより高い。
【0078】
一実施形態では、本発明の抗体と、抗原ポリペプチドまたはタンパク質エピトープとの間のKDは、10-6 M未満である。好ましい実施形態では、本発明の抗体と、抗原ポリペプチドまたはタンパク質との間のKDは、10-7 M未満である。より好ましい実施形態では、本発明の抗体と、抗原ポリペプチドまたはタンパク質との間のKDは、10-8 M未満である。より好ましい実施形態では、本発明の抗体と、抗原ポリペプチドまたはタンパク質との間のKDは、10-9 M未満である。より好ましい実施形態では、本発明の抗体と、抗原ポリペプチドまたはタンパク質との間のKDは、10-10 M未満である。より好ましい実施形態では、本発明の抗体と、抗原ポリペプチドまたはタンパク質との間のKDは、10-11 M未満である。より好ましい実施形態では、本発明の抗体と、抗原ポリペプチドまたはタンパク質との間のKDは、10-12 M未満である。
【0079】
別の態様では、本発明は、VAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMP切断についてのシグナル獲得型細胞性アッセイ(gain of signal cellular assay)における本発明の抗体の使用を提供する
【0080】
一実施形態では、使用は、in vitroまたはex vivo使用である。
【0081】
別の態様では、本発明は、細胞におけるVAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMPの切断を決定する方法であって、
a)クロストリジウム神経毒活性に適した条件下で、細胞を、クロストリジウム神経毒と接触させる工程と、
b)前記細胞の細胞質内容物を、VAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMPの切断後に、C末端側VAMP切断産物に対する第1の検出抗体と、第1の検出抗体がC末端側VAMP切断産物と結合するのに適した条件下で接触させる工程であって、前記の第1の検出抗体が、本発明の抗体である工程と、
c)適した手段によって、前記の第1の検出抗体とC末端側VAMP切断産物との結合を検出する工程と
を含む方法を提供する。
【0082】
一実施形態では、本発明の方法は、d)適した手段によって、前記の第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量を定量化する工程をさらに含む。
【0083】
本発明の方法の一実施形態では、工程b)は、前記細胞の細胞質内容物を、前記の第2の検出抗体と全長VAMPとの結合に適した条件下で、全長VAMPに対する第2の検出抗体と接触させる工程を含み、工程c)は、適した手段によって、第2の検出抗体と全長VAMPとの結合を検出する工程を含み、工程d)は、適した手段によって、前記の第2の検出抗体に結合した全長VAMPの量を定量化する工程を含む。
【0084】
一実施形態では、方法は、in vitroまたはex vivo法である。
【0085】
第1の抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量の増大及び/又は第2の検出抗体に結合した全長VAMPの量の減少が、VAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMP切断の増大を示すことは、当業者には明らかであろう。
【0086】
一実施形態では、第2の検出抗体は、第1の検出抗体と同一であり、C末端側VAMP切断産物と、および全長VAMPと結合する。
【0087】
代替実施形態では、第2の検出抗体は、前記の第1の検出抗体とは異なり、全長VAMPと結合するが、C末端側VAMP切断産物とは結合しない。適宜、第2の検出抗体は、クロストリジウム神経毒切断部位のN末端側であるVAMPエピトープと結合する。適した抗体の例として、ab3347(Abcam)またはab181869(Abcam)などの市販の抗体が挙げられる。
【0088】
特定の実施形態では、細胞におけるVAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMPの切断を決定する方法は、
a)クロストリジウム神経毒活性に適した条件下で、細胞を、クロストリジウム神経毒と接触させる工程と、
b)前記細胞の細胞質内容物を、
・VAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMPの切断後に、C末端側VAMP切断産物に対する第1の検出抗体と、第1の検出抗体がC末端側VAMP切断産物と結合するのに適した条件下で接触させる工程であって、前記の第1の検出抗体が、C末端側VAMP切断産物と、および全長VAMPと結合する本発明の抗体である工程と、並びに
・全長VAMPと結合するが、C末端側VAMP切断産物と結合しない第2の検出抗体と接触させる工程と、
c)適した手段によって
・第1の抗体と、C末端側VAMP切断産物との、および全長VAMPとの結合、並びに
・第2の検出抗体と全長VAMPとの結合
を検出する工程と、
d)適した手段によって、
・第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物および全長VAMPの組み合わされた量、並びに
・第2の検出抗体に結合した全長VAMPの量
を定量化する工程と
を含む。
【0089】
第2の検出抗体に結合した全長VAMPの量の減少並びに第1の検出抗体に結合した全長およびC末端側VAMP切断産物の組み合わされた量に変化がないことが、VAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMP切断を示すことは、当業者には明らかであろう。
【0090】
別の特定の実施形態では、細胞におけるVAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMPの切断を決定する方法は、
a)クロストリジウム神経毒活性に適した条件下で、細胞を、クロストリジウム神経毒と接触させる工程と、
b)前記細胞の細胞質内容物を、VAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMPの切断後に、C末端側VAMP切断産物に対する第1の検出抗体と、第1の検出抗体がC末端側VAMP切断産物と結合するのに適した条件下で接触させる工程であって、前記の第1の検出抗体が、C末端側VAMP切断産物及び全長VAMPと結合する本発明の抗体である工程と、
c)適した手段によって、
・第1の抗体と、C末端側VAMP切断産物との結合、および
・第1の検出抗体と全長VAMPとの結合
を検出する工程であって、
第1の検出抗体とC末端側VAMP切断産物との結合から生じたシグナルが、第1の検出抗体と全長VAMPとの結合から生じたシグナルと区別され得る工程と、
d)適した手段によって、
・第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量、および
・第1の検出抗体に結合した全長VAMPの量
を定量化する工程と
を含む。
【0091】
第1の抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量の増大および第1の検出抗体に結合した全長VAMPの量の減少が、VAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMP切断の増大を示すことは、当業者には明らかであろう。
【0092】
別の態様では、本発明は、対象においてVAMP切断性クロストリジウム神経毒に対する免疫抵抗性を決定する方法であって、
a)対象から得られた試験サンプルに、VAMP切断性クロストリジウム神経毒を添加する工程と、
b)細胞を、クロストリジウム神経毒活性に適した条件下で、工程a)の試験サンプルと接触させる工程と、
c)前記細胞の細胞質内容物を、VAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMPの切断後に、C末端側VAMP切断産物に対する第1の検出抗体と、第1の検出抗体がC末端側VAMP切断産物と結合するのに適した条件下で接触させる工程であって、前記の第1の検出抗体が本発明の抗体である工程と、
d)適した手段によって、第1の検出抗体とC末端側VAMP切断産物との結合を検出する工程と、
e)第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量を定量化する工程と、
f)試験サンプルの代わりに陰性対照サンプルを用いて工程a)~e)を反復する工程と、
g)工程(e)及び(f)における前記第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量を比較する工程であって、工程(f)における前記第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量と比較して、工程(e)における前記第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量が低く検出されることは、VAMP切断性クロストリジウム神経毒に対する中和抗体の存在を示す工程と
を含む方法を提供する。
【0093】
一実施形態では、工程f)は、工程a)~e)を陽性対照サンプルを用いて反復する工程をさらに含む。
【0094】
本明細書において、用語「VAMP切断性クロストリジウム神経毒に対する中和抗体」は、生理学的条件下で、VAMP切断性クロストリジウム神経毒が対象においてその治療効果を発揮することを低減するまたは妨げるような方法で、VAMP切断性クロストリジウム神経毒の領域と結合する任意の抗体を意味する。
【0095】
一実施形態では、対象は、哺乳動物である。好ましい実施形態では、対象は、ヒトである。
【0096】
一実施形態では、サンプルは、対象から得られた血液、血漿、血清およびリンパ液から選択される。
【0097】
試験サンプルは、VAMP切断性クロストリジウム神経毒に対する曝露の前に、VAMP切断性クロストリジウム神経毒を用いる単回処置の後に、またはVAMP切断性クロストリジウム神経毒を用いる複数回処置の後に対象から入手できる。特定の実施形態では、試験サンプルは、VAMP切断性クロストリジウム神経毒を用いる処置に対して抵抗性である対象に由来する。
【0098】
本明細書において、用語「対照サンプル」とは、試験サンプルの有無が公知である任意のサンプルを意味し、陰性および陽性対照サンプルの両方を含む。VAMP切断性クロストリジウム神経毒に対する中和抗体に関して、陰性対照サンプルは、VAMP切断性クロストリジウム神経毒に対して曝露されたことがない個体から得ることができ、制限するものではないが、試験サンプルを供給しているが、VAMP切断性クロストリジウム神経毒を用いる処置を受ける前に採取された同一個体に由来するサンプル、VAMP切断性クロストリジウム神経毒に対して曝露されたことのない異なる個体にから採取されたサンプル、VAMP切断性クロストリジウム神経毒に対して曝露されたことのない複数の異なる個体から採取されたプールされたサンプルを含み得る。
【0099】
VAMP切断性クロストリジウム神経毒に対する中和抗体に関して、陽性対照サンプルは、VAMP切断性クロストリジウム神経毒に対して免疫抵抗性を示している個体から得ることができ、制限するものではないが、患者ベースの試験アッセイにおいて検査陽性を示す個体、in vivoバイオアッセイにおいて試験陽性を示す個体および過免疫性を示す個体、例えば、VAMP切断性クロストリジウム神経毒に対してワクチン接種された対象を含む。
【0100】
一実施形態では、方法は、in vitroまたはex vivo法である。
【0101】
免疫抵抗性を決定する方法の一実施形態では、工程c)は、前記細胞の細胞質内容物を、全長VAMPに対する第2の検出抗体と、前記の第2の検出抗体と全長VAMPとの結合に適した条件下で接触させる工程を含み、工程d)は、適した手段によって、第2の検出抗体と全長VAMPとの結合を検出する工程を含み、工程e)は、前記の第2の検出抗体に結合した全長VAMPの量を定量化する工程を含む。
【0102】
一実施形態では、第2の検出抗体は、第1の検出抗体と同一であり、C末端側VAMP切断産物と、および全長VAMPと結合する。
【0103】
代替実施形態では、第2の検出抗体は、前記の第1の検出抗体とは異なっており、全長VAMPと結合するが、C末端側VAMP切断産物とは結合しない。適宜、第2の検出抗体は、クロストリジウム神経毒切断部位のN末端側であるVAMPエピトープと結合する。適した抗体の例として、ab3347(Abcam)またはab181869(Abcam)などの市販の抗体が挙げられる。
【0104】
特定の実施形態では、対象におけるVAMP切断性クロストリジウム神経毒に対する免疫抵抗性を決定する方法は、
a)対象から得られた試験サンプルに、VAMP切断性クロストリジウム神経毒を添加する工程と、
b)細胞を、クロストリジウム神経毒活性に適した条件下で、工程a)の試験サンプルと接触させる工程と、
c)前記細胞の細胞質内容物を、
・VAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMPの切断後に、C末端側VAMP切断産物に対する第1の検出抗体と、第1の検出抗体がC末端側VAMP切断産物と結合するのに適した条件下で接触させる工程であって、前記の第1の検出抗体が、C末端側VAMP切断産物と、および全長VAMPと結合する本発明の抗体である工程と、並びに
・全長VAMPと結合するが、C末端側VAMP切断産物とは結合しない第2の検出抗体と接触させる工程と、
d)適した手段によって、
・第1の抗体と、C末端側VAMP切断産物との、および全長VAMPとの結合、並びに
・第2の検出抗体と全長VAMPとの結合
を検出する工程と、
e)・第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物および全長VAMPの組み合わされた量、並びに
・第2の検出抗体に結合した全長VAMPの量
を定量化する工程と
f)工程a)~e)を、試験サンプルの代わりに陰性対照サンプルを用いて反復する工程と、
g)工程(e)及び(f)における前記第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量を比較する工程であって、工程(e)における前記第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物及び全長VAMPの組み合わされた量が、工程(f)における対応する量と比較して低く検出されること、及び/又は、工程(e)における前記第2の検出抗体に結合した全長VAMPの量が、工程(f)における対応する量と比較して高く検出されることは、VAMP切断性クロストリジウム神経毒に対する中和抗体の存在を示す工程と
を含む。
【0105】
別の特定の実施形態では、対象においてVAMP切断性クロストリジウム神経毒に対する免疫抵抗性を決定する方法は、
a)対象から得られた試験サンプルに、VAMP切断性クロストリジウム神経毒を添加する工程と、
b)細胞を、クロストリジウム神経毒活性に適した条件下で、工程a)の試験サンプルと接触させる工程と、
c)前記細胞の細胞質内容物を、VAMP切断性クロストリジウム神経毒によるVAMPの切断後に、C末端側VAMP切断産物に対する第1の検出抗体と、第1の検出抗体がC末端側VAMP切断産物と結合するのに適した条件下で接触させる工程であって、前記の第1の検出抗体が、C末端側VAMP切断産物と、および全長VAMPと結合する本発明の抗体である工程と、
d)適した手段によって、
・第1の抗体と、C末端側VAMP切断産物との、および全長VAMPとの結合、並びに
・第1の検出抗体と全長VAMPとの結合
を検出する工程であって、
第1の検出抗体とC末端側VAMP切断産物との結合から生じたシグナルが、第1の検出抗体と全長VAMPとの結合から生じたシグナルと区別され得る工程と、
e)・第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量、および
・第1の検出抗体に結合した全長VAMPの量
を定量化する工程と、
f)工程a)~e)を、試験サンプルの代わりに陰性対照サンプルを用いて反復する工程と、
g)工程(e)及び(f)における前記第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量を比較する工程であって、工程(e)における前記第1の検出抗体に結合したC末端側VAMP切断産物の量が、工程(f)における対応する量と比較して低く検出されること、及び/又は、工程(e)における前記第1の検出抗体に結合した全長VAMPの量が、工程(f)における対応する量と比較して高く検出されることは、VAMP切断性クロストリジウム神経毒に対する中和抗体の存在を示す工程と
を含む。
【0106】
本明細書において、「VAMP切断性クロストリジウム神経毒」とは、標的細胞上の受容体と結合し、クロストリジウム軽鎖(L)をサイトゾル中に転位置させ、順に、VAMPをタンパク分解性に切断し、細胞による小胞輸送を介した分子の分泌を破壊するクロストリジウム神経毒を意味する。
【0107】
好ましくは、本発明の方法または使用において、VAMP切断性クロストリジウム神経毒は、BoNT/B、BoNT/D、BoNT/F、BoNT/G、BoNT/XまたはTeNT軽鎖を含む。適宜、BoNT/B、BoNT/D、BoNT/F、BoNT/G、BoNT/XまたはTeNT軽鎖は、
- 配列番号2のアミノ酸残基1~441またはそれに対して少なくとも70%、好ましくは、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%の配列同一性を有するポリペプチド配列、
- 配列番号4のアミノ酸残基1~442またはそれに対して少なくとも70%、好ましくは、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%の配列同一性を有するポリペプチド配列、
- 配列番号6のアミノ酸残基1~439またはそれに対して少なくとも70%、好ましくは、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%の配列同一性を有するポリペプチド配列、
- 配列番号7のアミノ酸残基1~446またはそれに対して少なくとも70%、好ましくは、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%の配列同一性を有するポリペプチド配列、
- 配列番号41のアミノ酸残基1~439またはそれに対して少なくとも70%、好ましくは、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%の配列同一性を有するポリペプチド配列、
- 配列番号8のアミノ酸残基1~456またはそれに対して少なくとも70%、好ましくは、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%の配列同一性を有するポリペプチド配列
から選択される配列を含む。
【0108】
本明細書において記載されるようなBoNT/B、BoNT/D、BoNT/F、BoNT/G、BoNT/XまたはTeNT軽鎖は、VAMPを切断する能力を有するということは理解される。
【0109】
本発明の方法または使用の一実施形態では、VAMP切断性クロストリジウム神経毒は、BoNT/B、BoNT/D、BoNT/F、BoNT/G、BoNT/XおよびTeNTから選択される。適宜、BoNT/B、BoNT/D、BoNT/F、BoNT/G、BoNT/XまたはTeNTは、
- 配列番号2またはそれに対して少なくとも70%、好ましくは、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%の配列同一性を有するポリペプチド配列、
- 配列番号4またはそれに対して少なくとも70%、好ましくは、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%の配列同一性を有するポリペプチド配列、
- 配列番号6またはそれに対して少なくとも70%、好ましくは、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%の配列同一性を有するポリペプチド配列、
- 配列番号7またはそれに対して少なくとも70%、好ましくは、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%の配列同一性を有するポリペプチド配列、
- 配列番号41またはそれに対して少なくとも70%、好ましくは、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%の配列同一性を有するポリペプチド配列、
- 配列番号8またはそれに対して少なくとも70%、好ましくは、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%の配列同一性を有するポリペプチド配列
から選択される配列を含む。
【0110】
本明細書において記載されるようなBoNT/B、BoNT/D、BoNT/F、BoNT/G、BoNT/XまたはTeNTクロストリジウム神経毒は、標的細胞上の受容体と結合し、クロストリジウム軽鎖をサイトゾル中に転位置させ、VAMPを切断する能力を有するということは理解される。
【0111】
一実施形態では、VAMP切断性クロストリジウム神経毒は、モザイク神経毒である。この文脈で使用される、用語「モザイク神経毒」とは、通常は含まれない、異なる型のクロストリジウム神経毒(例えば、異なる血清型のクロストリジウム神経毒)からの少なくとも1つの機能ドメインを含む天然に存在するクロストリジウム神経毒を指す。天然に存在するVAMP切断性モザイク神経毒の例として、BoNT/DCおよびBoNT/FAがある。BoNT/DCは、血清型DのL鎖およびHNドメイン並びに血清型CのHCドメインを含むが、Nakamura K, et al. "Characterization of the D/C mosaic neurotoxin produced by Clostridium botulinum associated with bovine botulism in Japan." Vet. Microbiol. (2010): 140:147-154., BoNT/FAは、亜型F1およびBoNT/A1 HCドメインに密接に関係するHNドメイン、BoNT/F5軽鎖からなる(Pellett, Sabine, et al. "Purification and Characterization of Botulinum Neurotoxin FA from a Genetically Modified Clostridium botulinum Strain." mSphere 1.1 (2016): e00100-15)。
【0112】
一実施形態では、VAMP切断性クロストリジウム神経毒は、BoNT/DCおよびBoNT/FAから選択されるモザイク神経毒である。
【0113】
一実施形態では、VAMP切断性クロストリジウム神経毒は、キメラ神経毒である。用語「キメラ神経毒」とは、本明細書において、第1の神経毒を起源とする1以上のドメインおよび第2の神経毒を起源とする1以上のドメインを含む神経毒を意味する。例えば、キメラ神経毒は、第1の神経毒を起源とするLHNドメインおよび第2の神経毒を起源とするHCドメインを含み得る。キメラ神経毒の別の例として、第1の神経毒を起源とするLHNHCNドメインおよび第2の神経毒を起源とするHCCドメインを含む神経毒がある。キメラ神経毒の例は、参照により本明細書に組み込まれるGB1607901.4(まだ公開されていない)において提供されている。
【0114】
一実施形態では、VAMP切断性クロストリジウム神経毒は、
- BoNT/B、BoNT/D、BoNT/F、BoNT/G、BoNT/XまたはTeNTに由来する軽鎖(L)、
- BoNT/A、BoNT/B、BoNT/C、BoNT/D、BoNT/E、BoNT/F、BoNT/G、BoNT/XまたはTeNTに由来するHNドメイン、
- BoNT/A、BoNT/B、BoNT/C、BoNT/D、BoNT/E、BoNT/F、BoNT/G、BoNT/XまたはTeNTに由来するHCNドメイン、
- BoNT/A、BoNT/B、BoNT/C、BoNT/D、BoNT/E、BoNT/F、BoNT/G、BoNT/XまたはTeNTに由来するHCCドメイン
を含み、ドメインのうち少なくとも2つは、異なるクロストリジウム神経毒に由来するキメラ神経毒である。
【0115】
一実施形態では、VAMP切断性クロストリジウム神経毒は、
- BoNT/B、BoNT/D、BoNT/F、BoNT/G、BoNT/XまたはTeNTから選択される第1のクロストリジウム神経毒に由来するLHNドメイン、
- BoNT/A、BoNT/B、BoNT/C、BoNT/D、BoNT/E、BoNT/F、BoNT/G、BoNT/XまたはTeNTから選択される第2のクロストリジウム神経毒に由来するHCNHCCドメイン
を含み、第1および第2のクロストリジウム神経毒が異なっているキメラ神経毒である。
【0116】
一実施形態では、VAMP切断性クロストリジウム神経毒は、
- BoNT/B、BoNT/D、BoNT/F、BoNT/G、BoNT/XまたはTeNTから選択される第1のクロストリジウム神経毒に由来するLHNHCNドメイン、
- BoNT/A、BoNT/B、BoNT/C、BoNT/D、BoNT/E、BoNT/F、BoNT/G、BoNT/XまたはTeNTから選択される第2のクロストリジウム神経毒に由来するHCCドメイン
を含み、第1および第2のクロストリジウム神経毒が異なっているキメラ神経毒である。
【0117】
VAMP切断性クロストリジウム神経毒は、それだけには限らないが、以下に記載されるものを含む、改変神経毒またはその誘導体であり得る。改変神経毒または誘導体は、天然(非修飾)形態の神経毒と比較して修飾されている1個以上のアミノ酸を含有し得る、または天然(非修飾)形態の毒素中には存在しない1個以上の挿入されたアミノ酸を含有し得る。例として、修飾されたクロストリジウム神経毒は、天然(非修飾)クロストリジウム神経毒配列に対して、1つ以上のドメイン中に修飾されたアミノ酸配列を有し得る。このような修飾は、神経毒の機能的側面、例えば、生物活性または持続性を修飾し得る。
【0118】
本明細書において記載されたような修飾されたVAMP切断性クロストリジウム神経毒は、標的細胞上の受容体と結合し、軽鎖を細胞の細胞質に転位置し、VAMPを切断する能力を保持する。
【0119】
修飾されたVAMP切断性クロストリジウム神経毒は、重鎖のアミノ酸配列中に1以上の修飾を有してもよく(修飾されたHCドメインなど)、前記の修飾された重鎖は、天然(非修飾)神経毒よりも高いまたは低い親和性で標的神経細胞と結合する。HCドメイン中のこのような修飾は、標的神経細胞のガングリオシド受容体及び/又はタンパク質受容体との結合を変更するHCCドメインのガングリオシド結合部位中またはタンパク質受容体結合部位中の修飾残基を含み得る。このような改変神経毒の例は、WO2006/027207およびWO2006/114308に記載されており、その両方ともその全文が参照により本明細書に組み込まれる。例えば、BoNT/B神経毒に由来するHCCドメインは、天然BoNT/B HCC配列と比較して、ヒトSyt IIのBoNT/B HCCドメインの結合親和性を増大する効果を有する、少なくとも1つのアミノ酸残基置換、付加または欠失を含む。BoNT/B HCCサブドメイン中の適したアミノ酸残基置換、付加または欠失は、WO2013/180799およびまだ開示されていないPCT/US2016/024211において開示されている(両方とも参照により本明細書に組み込まれる)。HCCサブドメイン中の適したアミノ酸残基置換、付加または欠失は、V1118M、Y1183M、E1191M、E1191I、E1191Q、E1191T、S1199Y、S1199F、S1199L、S1201V、E1191C、E1191V、E1191L、E1191Y、S1199W、S1199E、S1199H、W1178Y、W1178Q、W1178A、W1178S、Y1183C、Y1183Pおよびそれらの組合せからなる群から選択される置換突然変異を含む。
【0120】
一実施形態では、VAMP切断性クロストリジウム神経毒は、再標的化される神経毒である。用語「再標的化される神経毒」(「標的化される分泌阻害剤」、「TSI」、「TVEMP」または「TEM」とも呼ばれる)とは、本明細書において、非クロストリジウム受容体と結合するターゲティング部分(TM)を含むクロストリジウム神経毒を意味する。TMは、クロストリジウム神経毒重鎖のHCまたはHCCドメインの一部またはすべてと置き換わり得る。再標的化される神経毒の例は、WO96/33273、WO98/07864、WO00/10598、WO01/21213、WO01/53336、WO02/07759、WO2005/023309、WO2006/026780、WO2006/099590、WO2006/056093、WO2006/059105、WO2006/059113、WO2007/138339、WO2007/106115、WO2007/106799、WO2009/150469、WO2009/150470、WO2010/055358、WO2010/020811、WO2010/138379、WO2010/138395、WO2010/138382、WO2011/020052、WO2011/020056、 WO2011/020114 、WO2011/020117、WO2011/20119、WO2012/156743、WO2012/134900、WO2012/134897、WO2012/134904、WO2012/134902、WO2012/135343、WO2012/135448、WO2012/135304、WO2012/134902、WO2014/033441、WO2014/128497、WO2014/053651、WO2015/004464に開示されており、それらのすべては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0121】
本発明の方法または使用において使用するのに適した細胞の例として、原核細胞、例えば、大腸菌(E.coli)細胞、酵母細胞、昆虫細胞、動物細胞、哺乳動物細胞、ヒト細胞、マウス細胞、霊長類細胞及び/又はニューロン細胞が挙げられる。好ましくは、細胞は、ニューロン細胞、特に、BoNTに対して高い感受性を有する細胞である。
【0122】
BoNTに対して高い感受性を有する細胞は、BoNT中毒に対して感受性である細胞である。いくつかの実施形態では、BoNTに対して高い感受性を有する細胞は、BoNT中毒、例えば、約500pM以下、約400pM以下、約300pM以下、約200pM以下、約100pM以下、約90pM以下、約80pM以下、約70pM以下、約60pM以下、約50pM以下、約40pM以下、約30pM以下、約20pM以下、約10pM以下、約9pM以下、約8pM以下、約7pM以下、約6pM以下、約5pM以下、約4pM以下、約3pM以下、約2pM以下、約1pM以下、約0.9pM以下、約0.8pM以下、約0.7pM以下、約0.6pM以下、約0.5pM以下、約0.4pM以下、約0.3pM以下、約0.2pM、約0.1pM以下、約90fM以下、約80fM以下、約70fM以下、約60fM以下、約50fM以下、約40fM以下、約30fM以下、約20fM以下または約10fM以下に対して感受性である細胞である。
【0123】
好ましくは、細胞は、VAMP切断性BoNTに対して高い感受性(上記で定義されるような)を有する。
【0124】
一実施形態では、細胞は、BoNTに対して高い感受性を有する一次ニューロン細胞、例えば、皮質ニューロン、海馬ニューロン及び/又は脊髄ニューロンである。例えば、細胞は、ラット皮質ニューロンである。
【0125】
一実施形態では、細胞は、BoNTに対して高い感受性を有するニューロン細胞株に由来する、例えば、BE(2)-M17、Kelly、LA1-55n、N1 E-115、N4TG3、N18、Neuro-2a、NG108-15、PC12、SH-SY5Y、SiMa及び/又はSK-N-BE(2)-C。
【0126】
一実施形態では、細胞は、幹細胞由来の、特に、誘導多能性幹細胞(iPS細胞)由来のニューロン細胞である、例えば、i-Cell(登録商標) Neurons、i-Cell(登録商標) DopaNeurons、iCell Glutamatergic Neurons、iCell MotoNeurons (Cellular dynamics Inc)、大脳皮質ニューロン、神経幹細胞(Axol Biosciences)、Peri.4Uニューロン、CNS.4Uニューロン、Dopa.4Uニューロン(Axiogenesis)、MNP細胞(Lonza)、皮質ニューロン、運動ニューロン(iStem)及び/又はiPSC由来ニューロン細胞(MTI-GlobalStem).
【0127】
一実施形態では、細胞は、高レベルのVAMP、例えば、VAMP1、VAMP2、VAMP3、VAMP4、VAMP5及び/又はYKT6、より好ましくは、VAMP1、VAMP2及び/又はVAMP3を発現するように組換え技術によって修飾され得る。
【0128】
VAMP切断性神経毒が、BoNT/B、BoNT/DCまたはBoNT/Gである一実施形態では、細胞は、高レベルのシナプトタグミンI及び/又はシナプトタグミンII(Syt I/Syt II)を発現する。VAMP切断性神経毒が、BoNT/B、BoNT/D-CまたはBoNT/Gである一実施形態では、細胞は、高レベルのシナプトタグミンI及び/又はシナプトタグミンII(Syt I/Syt II)を発現するように組換え技術によって修飾される。
【0129】
VAMP切断性神経毒が、BoNT/FA、BoNT/F、BoNT/DまたはTeNTである一実施形態では、細胞は、高レベルのシナプス小胞タンパク質(SV2)を発現する。VAMP切断性神経毒が、BoNT/FA、BoNT/F、BoNT/DまたはTeNTである一実施形態では、細胞は、高レベルのシナプス小胞タンパク質(SV2)を発現するように組換え技術によって修飾される。
【0130】
本明細書において、「クロストリジウム神経毒活性に適した条件」とは、クロストリジウム神経毒が、細胞膜上に存在するクロストリジウム神経毒受容体と結合し、クロストリジウム神経毒軽鎖を細胞の細胞質中に転位置させ、VAMPを切断できる条件(例えば、温度、pH、コファクターなど)を指す。
【0131】
本発明の方法の一実施形態では、クロストリジウム神経毒活性に適した条件は、約37℃で約1時間~約48時間の期間のインキュベーションを含み得る。本発明の方法の一実施形態では、クロストリジウム神経毒活性に適した条件は、約37℃で約2時間~約36時間の期間のインキュベーションを含み得る。本発明の方法の一実施形態では、クロストリジウム神経毒活性に適した条件は、約37℃で約4時間~約24時間の期間のインキュベーションを含み得る。
【0132】
例えば、クロストリジウム神経毒活性に適した条件は、37℃で24時間のインキュベーションを含み得る。
【0133】
本明細書において、「第1の検出抗体と切断されたVAMPとの結合に適した条件」および「第2の検出抗体と全長VAMPとの結合に適した条件」とは、第1の及び/又は第2の検出抗体が、切断されたVAMP及び/又は全長VAMPと結合し得る条件(例えば、温度、pH、コファクターなど)を指す。
【0134】
本発明の方法の一実施形態では、抗体結合に適した条件は、約4℃で約8時間~約48時間の期間のインキュベーションを含み得る。本発明の方法の一実施形態では、抗体結合に適した条件は、約4℃で約10時間~約24時間の期間のインキュベーションを含み得る。本発明の方法の一実施形態では、抗体結合に適した条件は、約4℃で約12時間~約16時間の期間のインキュベーションを含み得る。
【0135】
本発明の方法の一実施形態では、抗体結合に適した条件は、約25℃で約30分の時間~約8時間の期間のインキュベーンを含み得る。本発明の方法の一実施形態では、抗体結合に適した条件は、約25℃で約1時間~約4時間の期間のインキュベーションを含み得る。本発明の方法の一実施形態では、抗体結合に適した条件は、約25℃で約1.5時間~約3時間の期間のインキュベーションを含み得る。
【0136】
検出抗体と切断されたまたは全長VAMPとの結合を検出および定量化するのに適した手段は、当技術分野で周知である。例えば、検出抗体と切断されたまたは全長VAMPとの結合は、ウエスタンブロッティングによって検出および定量化され得る。各タンパク質は、SDS-PAGEによって特定の分子量で流れるので、切断されたVAMPは、全長VAMPよりも小さい分子量で検出される。デンシトメトリーによるバンドの解析によって、ゲル上の同一レーン内の全長バンドおよび切断されたバンドの両方を使用して切断百分率読み取りが可能となる。或いは、VAMP切断は、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、例えば、サンドイッチELISAを使用して検出および定量化できる。
【0137】
本発明の方法の一実施形態では、第1の検出抗体は、ポリクローナル抗体であり、第1の検出抗体とC末端側VAMP切断産物との結合は、酵素結合免疫吸着測定法で検出および定量化される。
【0138】
本発明の方法の一実施形態では、第1の検出抗体は、ポリクローナル抗体であり、第1の検出抗体とC末端側VAMP切断産物との結合は、ウエスタンブロットアッセイで検出および定量化される。
【0139】
本発明の方法の一実施形態では、第1の検出抗体は、モノクローナル抗体であり、第1の検出抗体とC末端側VAMP切断産物との結合は、酵素結合免疫吸着測定法で検出および定量化される。
【0140】
本発明の方法の一実施形態では、第1の検出抗体は、モノクローナル抗体であり、第1の検出抗体とC末端側VAMP切断産物との結合は、ウエスタンブロットアッセイで検出および定量化される。
【0141】
本発明の方法の一実施形態では、細胞を溶解し、その後、その細胞質内容物を、検出抗体(複数可)と接触させる。
【0142】
本発明の方法の代替実施形態では、細胞を透過処理し、その後、その細胞質内容物を、検出抗体(複数可)と接触させる。
【0143】
別の態様では、本発明は、VAMP切断性神経毒による中毒に対して感受性である細胞、切断されたVAMPに対する第1の検出抗体を含むキットを提供し、前記の第1の検出抗体は、本発明の抗体である。
【0144】
一実施形態では、キットは、全長VAMPと結合するが、C末端側VAMP切断産物とは結合しない第2の検出抗体をさらに含む。適宜、第2の検出抗体は、クロストリジウム神経毒切断部位のN末端側であるVAMPエピトープと結合する。適した抗体の例として、ab3347(Abcam)またはab181869(Abcam)などの市販の抗体が挙げられる。
【0145】
本開示は、本明細書において開示される例示的方法および材料によって制限されず、本明細書において記載されるものと同様のまたは同等の任意の方法および材料を、本開示の実施形態の実施または試験において使用できる。数的範囲は、範囲を規定する数字を含む。特に断りのない限り、それぞれ、任意の核酸配列は、5’から3’方向に左から右に書かれており、アミノ酸配列は、アミノからカルボキシ方向に左から右に書かれている。
【0146】
値の範囲が提供される場合には、その範囲の上限と下限の間の介在する値も各々、下限の単位の1/10まで、文脈が別に明確に示さない限り、具体的に開示されるということが理解される。明記された範囲中の任意の明記された値または介在する値と、その明記された範囲中の任意のその他の明記されたまたは介在する値の間のより小さい範囲は各々、本開示内に包含される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、範囲中に独立に含まれ得る、または排除されてもよく、両限界がより小さい範囲中に含まれない場合または両限界が含まれる場合もいずれも各範囲は、本開示内に包含され、明記された範囲中の任意の具体的に排除される限界の支配下にある。明記された範囲が、限界の一方または両方を含む場合には、それらの含まれる限界のいずれかまたは両方を排除する範囲も、本開示中に含まれる。
【0147】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「1つの(a)」「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈が別に明確に示さない限り、複数の言及を含むということは注記しなくてはならない。したがって、例えば、「1種のクロストリジウム神経毒」への言及は、複数のこのような候補薬剤を含み、「そのクロストリジウム神経毒」への言及は、1種以上のクロストリジウム神経毒および当業者に公知のその等価物などへの言及を含む。
【0148】
本発明を、単に例として、以下の図面および実施例を参照して以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0149】
図1図1は、クロストリジウム神経毒切断部位を有するVAMP配列を示す図である。(A)BoNT/F5およびBoNT/FA、BoNT/F、BoNT/DおよびBoNT/DC、BoNT/B、BoNT/G、TeNTおよびBoNT/X切断部位を有する、ヒトおよびラットVAMP1、VAMP2およびVAMP3配列。(B)BoNT/X切断部位を有する、ヒトおよびラットVAMP4、VAMP5およびYKT6配列。
図2図2は、Abエピトープ(すなわち、免疫原性エピトープ領域)並びにBoNT/F、BoNT/DおよびBoN/B切断部位を有するVAMP配列を示す図である。ヒトおよびラットVAMP1、VAMP2およびVAMP3の配列が、比較のために示されている。ラットおよびヒトVAMP2配列は、選択されるエピトープ領域において同一である。切断部位は、矢印によって示される。BoNT/FおよびBoNT/DのVAMP2切断点は、それぞれ、隣接するアミノ酸、Q58-K59およびK59-L60に位置し、BoNT/Bの切断点は、アミノ酸Q76-F77(ヒトVAMP2配列アミノ酸位置に基づいて)に位置する。
図3図3は、MBP-LFおよびLHNDを用いる組換えVAMP2-GFPの無細胞切断を示す図である。組換えVAMP2-GFPを、0.01μg/μLのLHNDまたはMBP-LFとともに、37℃で1時間インキュベートした。等容積のサンプル緩衝液を添加し、0.5μg(クマシー)および0.3μg(ブロット)タンパク質をSDS-PAGEによって流し、クマシーで染色するか、または種々の抗VAMP2抗体を用いてブロットした。模式図は、抗体エピトープの位置を示す。組換えタンパク質の表示およびエピトープの線の長さは、正確な縮尺ではない。1-BSA、2-VAMP2-GFP、3-切断されたVAMP2-GFP(aa59/60-末端)、4-切断されたVAMP2-GFP(aa1-58/59)。
図4図4は、BoNT/FおよびBoNT/D処理後のin vitro VAMP切断を示す図である。DIV18~21まで96ウェルプレートで成長させたラット皮質ニューロンを、BoNT/F(A)またはBoNT/D(B)のいずれかを用いて24時間処置した。可溶化液をSDS-PAGEによって流し、特注の抗VAMP2抗体、すなわち、抗Pep1、抗Pep2もしくは抗Pep3を用いて、または市販の抗体ab181869を用いてブロットした。1-全長VAMP2、2-切断されたVAMP2。抗pep 2データは、全長VAMP2の用量依存性消失およびより小さい分子量の切断断片の出現を示す。両バンドシグナルを使用して、BoNT/F(C)およびBoNT/D(D)によるVAMP2切断の用量依存性百分率を定量化した。
図5図5は、(A)ラット皮質ニューロンを、天然BoNT/F1(□)、天然BoNT/A1(●)または組換えBoNT/FA(△)を用いて24時間処置した。細胞を溶解し、SDS-PAGEに流し、VAMP-2またはSNAP-25切断についてブロットした。SNARE切断パーセントを、濃度測定解析による全長対切断されたタンパク質の比から決定した。データを4パラメータロジスティック方程式を使用してフィッティングし、50%最大SNARE切断に必要なBoNTの濃度(pEC50)を決定した(B)。データは、平均±s.e.m.である(n=3(BoNT/F1およびBoNT/A1)または4回(BoNT/FA)の3連の独立実験)。
図6図6は、BoNT/BおよびBoNT/F処理後のin vitro VAMP切断を示す図である。DIV18~21まで成長させたラット皮質ニューロンを、BoNT/FまたはBoNT/Bのいずれかを用いて24時間処置した。可溶化液をSDS-PAGEによって流し、新規特注抗VAMP2抗体(抗Pep4)、BoNT/B切断特異的抗VAMP2抗体または抗Pep1、抗Pep2または抗Pep3抗体を用いてブロットした。
【実施例
【0150】
[実施例1] BoNT/DおよびBoNT/FによるVAMPタンパク質切断の検出
【0151】
A-方法
【0152】
1. 抗体作製
【0153】
抗体を、Eurogentecによって、そのSpeedy 28日プログラムを使用して作製した(https://secure.eurogentec.com/product/research-anti-protein-28-day-speedy-polyclonal-packages.html?country=gbr)。以下のペプチドを用いて、ペプチドあたり2匹のウサギを免疫した。
- VAMP PEP1:H2N- SNR RLQ QTQ AQV DEC -CONH2(配列番号39)、
- VAMP PEP2:AcNH - KLS ELD DRA DAL Q - CONH2(配列番号15)または
- VAMP PEP3:H2N - CLQ AGA SQ - CONH2(配列番号40)。
【0154】
動物は、最初の免疫処理および3回のその後の追加免疫を受けた。免疫前出血、中間出血および最後の出血を採取した。
【0155】
2. 組換えタンパク質切断
【0156】
マルトース結合タンパク質(MPB)に融合されたBoNT/Dの軽鎖および転位置ドメインまたは同等のBoNT/Fドメインを含有する活性構築物を、これまでに記載されたように作製した(Masuyer et al., "Structure and activity of a functional derivative of Clostridium botulinum neurotoxin B. J Struct Biol", 174, p52-57, 2011; Sutton et al., "Preparation of specifically activatable endopeptidase derivatives of Clostridium botulinum toxins type A, B, and C and their applications. Protein Expression and Purification 40:31-41, 2005)。手短には、LHND(配列番号35)またはMBP-LFと呼ばれる融合タンパク質(配列番号36)(後者は、BoNT/F1の軽鎖およびC末端の6-ヒスチジンモチーフを有するMBPの融合物である。MPBおよび6-ヒスチジンモチーフは、よく知られている親和性タグである)のいずれかを、アッセイ緩衝液(50mM HEPES pH7.2、200μM ZnCl2、1μg/μL BSA、10mM DTT)で0.01μg/μLに希釈した。VAMP2-GFP(配列番号37)( ヒトVAMP2のアミノ酸2~94の融合タンパク質および検出可能なマーカー緑色蛍光タンパク質(GFP))をアッセイ緩衝液(50mM HEPES pH7.2、200μM ZnCl2、1μg/μL BSA、10mM DTT)で8μMに希釈した。等容積のLHNDまたはMBP-LFおよびVAMP2-GFP(配列番号37)(8μM)を組み合わせ、37℃で1時間インキュベートした。2×還元サンプル緩衝液 (NuPage LDSサンプル緩衝液 、100mM DTT)を添加することによって反応を停止した。
【0157】
3. ラット皮質ニューロン細胞培養
【0158】
E17-E18 CDラット胚からラット皮質ニューロンを調製した。製造業者の使用説明書に従って(Worthington Biochemical、米国、ニュージャージー州)、解剖した皮質組織を、氷冷ハンクス平衡塩溶液(Hank’s Balanced Salt Solution, HBSS)(Ca2+又はMg2+無し)中に集め、次いで、パパイン溶液中、37℃で40分間解離させた。皮質細胞を、ポリ-L-オルニチン(PLO)コーティングした96ウェルプレートに、125μLの、2% B27栄養補助剤、0.5mM GlutaMAX、1%ウシ胎児血清(FBS)および100U/mLのペニシリン/ストレプトマイシンを含有するNeurobasal培地中、20,000個細胞/ウェルの密度でプレーティングした。細胞を、5% CO2を含有する加湿雰囲気中、37℃で維持した。DIV(in vitro日数)4で、さらなる125μLの、2% B27、0.5mM GlutaMAXを含有するNeurobasal培地を添加した。週に2回の半量の培地の置換によって細胞を維持した。DIV 11に、非ニューロン細胞の増殖を妨げるために、培地に1.5μMのシトシンβ-D-アラビノフラノシド(AraC)を添加した。
【0159】
4. BoNT処置
【0160】
DIV 18~21のラット皮質ニューロンを、一定濃度範囲の天然BoNT/F1(Metabiologics、米国)(1nM~0.1pM)またはBoNT/D(Metabiologics、米国)(10nM~1pM)を用いて3連のウェル、37℃で24時間処置した。培地を除去し、細胞をPBSを用いて1回洗浄した。細胞を、40μLのLDSサンプル緩衝液(NuPage LDS緩衝液 、1mM DTT、1:500 ベンゾナーゼ)中で、室温で10分間溶解した。
【0161】
5. SDS-PAGEおよびウエスタンブロット
【0162】
ニューロン可溶化液を、90℃で5分間煮沸した。12%のBis-Trisゲルに、レーンあたり15μLの可溶化液をロードし、MES緩衝液中、200Vで50分間流した。低MWプログラムを使用するTransblot Turbo(Biorad)によって、タンパク質をニトロセルロースメンブランにトランスファーした。メンブランを、5%低脂肪乳/PBS-Tweenを用いて室温で1時間ブロッキングし、次いで、特注抗Pep1、抗Pep2または抗Pep3抗VAMP2一次抗体とともに、または市販の抗VAMP2抗体(Abcam ab3347およびab181869)とともに4℃で一晩インキュベートした。メンブランをPBS-Tweenで3回洗浄し、抗ウサギHRP二次抗体とともに室温で1時間インキュベートした。メンブランをPBS-Tweenで3×5分間洗浄し、次いで、SuperSignal West Femto化学発光基質を用いて発色させ、Syngene PXiシステムを使用して可視化した。
【0163】
B-結果
【0164】
組換えタンパク質の検出の評価
【0165】
BoNT切断部位に対して、VAMP2由来の選択された3つのペプチドエピトープの領域が、図2に示されている。ヒトおよびラットVAMP1、VAMP2およびVAMP3の配列が比較のために示されている。ラットおよびヒトVAMP2配列は、選択されるエピトープ領域において同一である。BoNT/BおよびBoNT/Dの切断部位は、隣接するアミノ酸に位置する。
【0166】
最初に、組換えVAMP2-GFPを使用する無細胞アッセイにおいて抗体を試験した。毒素の酵素軽鎖ドメインを含有するBoNT/FおよびBoNT/D置換体(MBP-LFおよびLHND)を使用して、VAMPタンパク質を切断する(図3)。さらに、比較として、2つのその他の市販のVAMP2抗体を使用した。ab3347(エピトープaa1~18)およびab181869(aa1~100内のエピトープ)。図3は、抗Pep1抗体が全長VAMP2およびN末端側の切断された部分(aa1~58/59)をかなり低減されたシグナルで検出したことを示す。予測されたように、この抗体によるC末端側切断産物検出は、そのエピトープがこの部分に位置しないので検出されなかった。抗Pep2および抗Pep3抗体は、VAMP2-GFPの全長タンパク質およびC末端側切断産物の両方を検出した。Ab3347は、全長VAMP2を検出しただけであり、N末端側切断断片を検出しなかったが、ab181869は両方を検出した。
【0167】
これらの第1の結果は、抗体が、組換えVAMP2の全長および予測される切断産物を検出できたことを示す。全長VAMP2のみを検出し、N末端側切断断片を検出しなかったab3347は例外であった。
【0168】
内因性タンパク質の検出の評価
【0169】
次の問題は、これらの抗体が、内因性プロテアーゼが存在するであろうニューロン細胞のアッセイにおいて任意の切断産物を検出できるか否かであった。ラット一次皮質ニューロンを、BoNT/FまたはBoNT/Dのいずれかを用いて処置し、WB解析のために溶解した(図4)。抗Pep1抗体は、全長タンパク質のみを認識し、検出可能な切断産物はなかった。抗Pep2抗体は、全長およびC末端側切断産物の両方を検出した。抗Pep3抗体は、細胞可溶化液内のモノマーVAMPに対して、弱いシグナルで極めて不十分な親和性を示し、恐らくは二量体である高分子量種およびその他のタンパク質を検出した(示されていないデータ)。全長モノマーシグナルは極めて小さかったが、BoNT/FおよびBoNT/Dによって切断されたC末端側産物のバンドがあった。換言すると、抗Pep3は、全長VAMPを検出しなかったが、BoNT/FおよびBoNT/Dによって切断されたC末端側断片を弱く検出した。これは、全長および切断された組換えVAMPからの強いシグナルを示した先の無細胞系での結果とは対照的であった。無細胞アッセイにおいて、切断タンパク質の検出が無かったために、市販の抗体Ab3347は、in vitroで試験されなかった。市販の抗体ab181869は、無細胞アッセイにおけるN末端側の切断された組換え断片との陽性結合にもかかわらず、皮質可溶化液中で全長VAMP2を検出したが、皮質可溶化液中で切断断片を検出しなかった。Pep2データを使用して、BoNT/F(図4C)およびBoNT/D(図4D)によるVAMP2の用量依存性切断を定量化した。
【0170】
本発明者らは、無細胞系において、両方の組換えVAMP切断産物が検出され得ることを最初に示した。しかし、本発明者らは、細胞可溶化液に移されると、N末端側産物は検出可能ではないが、まだ知られていない分解とは別の機序が関与している可能性があることも示した。対照的に、本発明者らは、小胞膜と結合したままのC末端側VAMP断片は、抗体結合もしくはウエスタンブロットによる検出を妨げる方法で分解又は変更されないことを示した。Pep2エピトープは、BoNT/DおよびBoNT/F切断部位に隣接しており、このペプチドに対して作製された抗体は、全長VAMPおよび切断産物の両方を検出する。対照的に、BoNT F/D切断部位からさらに離れたより短いエピトープに対して作製された抗Pep3抗体も、弱くではあるが、切断産物を検出する。
【0171】
[実施例2] ラット皮質ニューロンにおけるBoNT/FAおよびBoNT/F1によるVAMPタンパク質切断の検出
【0172】
A-方法
【0173】
1. ラット皮質ニューロン細胞培養
【0174】
ラット皮質ニューロンを、実施例1に詳述したように調製した。
【0175】
2. BoNT処置
【0176】
DIV 18~21のラット皮質ニューロンを、一定濃度範囲(1pM~1fM)の組換えBoNT/FA(配列番号38)または一定濃度範囲(1nM~1pM)の天然BoNT/F1(Metabiologics、米国)または一定濃度範囲(1nM~1fM)の天然BoNT/A1(List Biological Laboratories Inc.、米国)を用いて3連のウェル、37℃で24時間処置した。培地を除去し、細胞をPBSを用いて1回洗浄した。細胞を、40μLのLDSサンプル緩衝液(NuPage LDS緩衝液、1mM DTT、1:500ベンゾナーゼ)中で、室温で10分間溶解した。
【0177】
3. ラット皮質ニューロンのSDS Pageおよびウエスタンブロット
【0178】
ラット皮質ニューロンを、40μLの溶解緩衝液(NuPage LDSサンプル緩衝液、1mM DTTおよび1:500ベンゾナーゼ)中で、室温で10分間溶解した。サンプルを、90℃で5分間煮沸し、12%のBis-Trisゲルに、レーンあたり15μLの可溶化液をロードし、MOPS緩衝液中、200Vで80分間(SNAP-25)またはMES緩衝液中、200Vで50分間(VAMP2)のいずれかで流した。混合MW(SNAP25)または低MW(VAMP2)プログラムを使用するTransblot Turbo (Biorad)によって、タンパク質をニトロセルロースメンブランにトランスファーした。メンブランを、5%低脂肪乳/PBS-Tweenを用いて室温で1時間ブロッキングし、次いで、抗SNAP25抗体(Sigma S9684 1:4000)または抗Pep2(1:500)、特注抗VAMP2(Eurogentec)抗体のいずれかを用いて実施例1に記載されるようにインキュベートし、各一次抗体を4℃で一晩インキュベートした。メンブランをPBS-Tweenで3回洗浄し、抗ウサギHRP二次抗体とともに室温で1時間インキュベートした。メンブランをPBS-Tweenで3×5分間洗浄し、次いで、SuperSignal West DuraまたはWest Femto化学発光基質を用いて発色させ、Syngene PXiシステムを使用して可視化した。バンドデンシトメトリーをGenetoolsソフトウェアを使用して解析し、SNAP-25およびVAMP2両方について全長タンパク質対切断産物の比を使用してタンパク質切断%を決定した。
【0179】
B-結果
【0180】
BoNT/F1、BoNT/A1またはBoNT/FAを用いる24時間の処置後、ラット皮質ニューロンを溶解し、SDS-PAGEで流し、VAMP-2(BoNT/F1およびBoNT/FA)またはSNAP-25(BoNT/A1)についてウエスタンブロットした。SNARE切断パーセントを、濃度測定解析による全長対切断されたタンパク質の比から決定した。
【0181】
結果は、図5に示されている。組換えBoNT/FAは、VAMP-2をpEC50=12.75±0.14の効力で切断した、n=4。天然BoNT/F1は、VAMP-2を、pEC50=10.77±0.12の効力で切断した、n=3。天然BoNT/A1は、SNAP-25を、pEC50=12.38±0.14の効力で切断した、n=3。
【0182】
[実施例3] ラット皮質ニューロンにおけるBoNT/BによるVAMPタンパク質切断の検出
【0183】
A-方法
【0184】
1. 抗体作製
【0185】
モノクローナル抗体を、ペプチドPep4: FETSAAKLKRKYWWK(配列番号49)を用いて免疫したウサギを使用してAbcamによって作製した。
【0186】
比較研究のために、BoNT/B切断特異的抗VAMP2抗体(Kegel et al., Toxicology in Vitro; 2007, 21: p1641-1649)を使用した。
【0187】
2. ラット皮質ニューロン細胞培養
【0188】
E17-E18 CDラット胚からラット皮質ニューロンを調製した。製造業者の使用説明書に従って(Worthington Biochemical、米国、ニュージャージー州)、解剖した皮質組織を、氷冷ハンクス平衡塩溶液(HBSS)(Ca2+又はMg2+無し)中に集め、次いで、パパイン溶液中、37℃で40分間解離させた。皮質細胞を、ポリ-L-オルニチン(PLO)コーティングした96ウェルプレートに、125μLの、2% B27栄養補助剤、0.5mM GlutaMAX、1%ウシ胎児血清(FBS)および100U/mlのペニシリン/ストレプトマイシンを含有するNeurobasal培地中、20,000個細胞/ウェルの密度でプレーティングした。細胞を、5% CO2を含有する加湿雰囲気中、37℃で維持した。DIV(in vitro日数)4で、さらなる125μLの、2% B27、0.5mM GlutaMAXを含有するNeurobasal培地を添加した。週に2回の半量の培地の置換によって細胞を維持した。DIV 11に、非ニューロン細胞の増殖を妨げるために、培地に1.5μMのシトシンβ-D-アラビノフラノシド(AraC)を添加した。
【0189】
3. BoNT処置
【0190】
ラット皮質ニューロンをT25フラスコ中で培養し、1nMおよび10pMのBoNT/B(List Biological Laboratories、Inc.によって提供され入手した)(配列番号2)を用いて、37℃で24時間処置した。培地を除去し、細胞をPBSを用いて1回洗浄した。細胞を、1.5mlのNuPageサンプル緩衝液(NuPage LDS緩衝液 、1mM DTT、1:500ベンゾナーゼ)中で、室温で10分間溶解した。
【0191】
4. SDS-PAGEおよびウエスタンブロット
【0192】
ニューロン可溶化液を、90℃で5分間煮沸した。12%のBis-Trisゲルに、レーンあたり15μLの可溶化液をロードし、MES緩衝液中、200Vで50分間流した。低MWプログラムを使用するTransblot Turbo(Biorad)によって、タンパク質をニトロセルロースメンブランにトランスファーした。メンブランを、5%低脂肪乳/PBS-Tweenを用いて室温で1時間ブロッキングし、次いで、特注抗Pep1、抗Pep2、抗Pep3または抗Pep4抗体とともに、またはBoNT-B切断特異的抗体とともに4℃で一晩インキュベートした。メンブランをPBS-Tweenで3回洗浄し、抗ウサギHRP二次抗体とともに室温で1時間インキュベートした。メンブランをPBS-Tweenで3×5分間洗浄し、次いで、SuperSignal West Femto化学発光基質を用いて発色させ、Syngene PXiシステムを使用して可視化した。
【0193】
B-結果
【0194】
in vitroで切断されたVAMPを検出するためにエピトープの位置が重要であると示唆した上記の実施例1および2において得られた結果に基づいて、C末端側に位置するBoNT/B切断部位に隣接するエピトープに対する新規モノクローナル抗体を作製した。
【0195】
BoNT/BおよびBoNT/F処置後に、同一のラット皮質アッセイにおいてこの抗体を試験し、抗Pep1、抗Pep2、抗Pep3およびBoNT/B切断特異的抗体と比較した(図6)。すべての比較抗体のエピトープ領域は、BoNT/B切断部位のN末端側に位置していた。図6は、Pep4に対する新規抗体のエピトープの位置が、全長VAMP2並びにBoNT/BおよびBoNT/F処理の両方の切断産物の検出を可能にしたことを示す。対照的に、抗Pep2および抗Pep3抗体は、BoNT/F切断産物のみを検出したが、BoNT/B切断産物は検出しなかった。抗Pep1抗体は、予測されたように切断産物を全く検出しなかった。BoNT/B切断特異的抗体も、これらの細胞可溶化液においてBoNT/B切断産物を全く検出しなかった。
【0196】
全体として、本データは、切断されたVAMPを検出するために考慮すべき重要なことは、抗体エピトープの位置であるということを示す。切断後に膜結合型VAMP断片上に位置するエピトープに対して作製された抗体のみが、断片を検出できた。モノクローナル抗体エピトープをVAMPのC末端に位置付けることによって、この領域は、VAMP切断性神経毒血清型B、DおよびFによって製造されたVAMP断片中に存在するはずであるということが仮定された。これは正しいことが判明し、BoNT/BおよびBoNT/F処置されたニューロンについて陽性結果を提供する単一抗体(抗Pep4 Mab)を作製することを可能にした。さらに、TeNTはBoNT/B切断部位と同一の切断部位を共有し、BoNT/DはBoNT/F切断部位に近接しているので、この抗体もまた、TeNTおよびBoNT/D切断に適用可能であろうと予測される。
【0197】
Pep4エピトープ領域のさらなる利点は、この領域に対する抗体は、全長および切断されたVAMPの両方を同様の感度で検出し得るということである。同一サンプル内の両タンパク質形態を同時に検出する能力は、さらなるハウスキーピングタンパク質についてブロッティングする必要を伴わない標準化のための頑強なツールを提供する。これは、細胞モデルにおけるBoNT効力の定量化のための極めて有用かつ直接的なシグナル獲得型ウエスタンブロットアッセイを提供する。
【0198】
本データは、無細胞組換えタンパク質アッセイと全細胞モデルの間のVAMP検出の相違を示す。細胞においてVAMP分解が極めて迅速に起こったという仮説の基礎になったのは、まさしく、この、細胞性切断VAMPを検出できないことであった(Foran et al., "Evaluation of the therapeutic usefulness of botulinum neurotoxin B, C1, E and F compared with the long-lasting type A". J. Biol Chem 278 (2) pp1363 - 1371 2003)。本発明の抗体とは対照的に、市販のVAMP抗体の大部分は、タンパク質のN末端側領域内のエピトープに対して作製され、したがって、N末端側VAMP断片がそれらの早期の研究の焦点であった。本明細書において、より小さいC末端側VAMP断片が、細胞において分解されないということが示されるが、より大きいN末端側断片も検出されない。しかしながら、興味深いことに、我々の無細胞系での結果は、N末端側断片が何らのプロテアーゼを含まない無細胞系中に存在する場合でさえ、全ての市販抗体が予想されるN末端側断片を検出できるわけではないということを示している。本データから、VAMP分解仮説は、N末端側断片とのみ関連することが最も確実であり、C末端側VAMP断片は分解されず、小胞膜に結合されたままであると結論付けることができる。
【0199】
[配列情報]
【0200】
・ 配列番号1 - BoNT/A1 - UniProtKB 受入番号 P10845 (Clostridium botulinum)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKNAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNSISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTQEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNNSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNNIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDQGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPL
・ 配列番号2 - BoNT/B1 - UniProtKB 受入番号 P10844 (Clostridium botulinum)
MPVTINNFNYNDPIDNNNIIMMEPPFARGTGRYYKAFKITDRIWIIPERYTFGYKPEDFNKSSGIFNRDVCEYYDPDYLNTNDKKNIFLQTMIKLFNRIKSKPLGEKLLEMIINGIPYLGDRRVPLEEFNTNIASVTVNKLISNPGEVERKKGIFANLIIFGPGPVLNENETIDIGIQNHFASREGFGGIMQMKFCPEYVSVFNNVQENKGASIFNRRGYFSDPALILMHELIHVLHGLYGIKVDDLPIVPNEKKFFMQSTDAIQAEELYTFGGQDPSIITPSTDKSIYDKVLQNFRGIVDRLNKVLVCISDPNININIYKNKFKDKYKFVEDSEGKYSIDVESFDKLYKSLMFGFTETNIAENYKIKTRASYFSDSLPPVKIKNLLDNEIYTIEEGFNISDKDMEKEYRGQNKAINKQAYEEISKEHLAVYKIQMCKSVKAPGICIDVDNEDLFFIADKNSFSDDLSKNERIEYNTQSNYIENDFPINELILDTDLISKIELPSENTESLTDFNVDVPVYEKQPAIKKIFTDENTIFQYLYSQTFPLDIRDISLTSSFDDALLFSNKVYSFFSMDYIKTANKVVEAGLFAGWVKQIVNDFVIEANKSNTMDKIADISLIVPYIGLALNVGNETAKGNFENAFEIAGASILLEFIPELLIPVVGAFLLESYIDNKNKIIKTIDNALTKRNEKWSDMYGLIVAQWLSTVNTQFYTIKEGMYKALNYQAQALEEIIKYRYNIYSEKEKSNINIDFNDINSKLNEGINQAIDNINNFINGCSVSYLMKKMIPLAVEKLLDFDNTLKKNLLNYIDENKLYLIGSAEYEKSKVNKYLKTIMPFDLSIYTNDTILIEMFNKYNSEILNNIILNLRYKDNNLIDLSGYGAKVEVYDGVELNDKNQFKLTSSANSKIRVTQNQNIIFNSVFLDFSVSFWIRIPKYKNDGIQNYIHNEYTIINCMKNNSGWKISIRGNRIIWTLIDINGKTKSVFFEYNIREDISEYINRWFFVTITNNLNNAKIYINGKLESNTDIKDIREVIANGEIIFKLDGDIDRTQFIWMKYFSIFNTELSQSNIEERYKIQSYSEYLKDFWGNPLMYNKEYYMFNAGNKNSYIKLKKDSPVGEILTRSKYNQNSKYINYRDLYIGEKFIIRRKSNSQSINDDIVRKEDYIYLDFFNLNQEWRVYTYKYFKKEEEKLFLAPISDSDEFYNTIQIKEYDEQPTYSCQLLFKKDEESTDEIGLIGIHRFYESGIVFEEYKDYFCISKWYLKEVKRKPYNLKLGCNWQFIPKDEGWTE
・ 配列番号3 - BoNT/C1 - UniProtKB 受入番号 P18640 (Clostridium botulinum)
MPITINNFNYSDPVDNKNILYLDTHLNTLANEPEKAFRITGNIWVIPDRFSRNSNPNLNKPPRVTSPKSGYYDPNYLSTDSDKDPFLKEIIKLFKRINSREIGEELIYRLSTDIPFPGNNNTPINTFDFDVDFNSVDVKTRQGNNWVKTGSINPSVIITGPRENIIDPETSTFKLTNNTFAAQEGFGALSIISISPRFMLTYSNATNDVGEGRFSKSEFCMDPILILMHELNHAMHNLYGIAIPNDQTISSVTSNIFYSQYNVKLEYAEIYAFGGPTIDLIPKSARKYFEEKALDYYRSIAKRLNSITTANPSSFNKYIGEYKQKLIRKYRFVVESSGEVTVNRNKFVELYNELTQIFTEFNYAKIYNVQNRKIYLSNVYTPVTANILDDNVYDIQNGFNIPKSNLNVLFMGQNLSRNPALRKVNPENMLYLFTKFCHKAIDGRSLYNKTLDCRELLVKNTDLPFIGDISDVKTDIFLRKDINEETEVIYYPDNVSVDQVILSKNTSEHGQLDLLYPSIDSESEILPGENQVFYDNRTQNVDYLNSYYYLESQKLSDNVEDFTFTRSIEEALDNSAKVYTYFPTLANKVNAGVQGGLFLMWANDVVEDFTTNILRKDTLDKISDVSAIIPYIGPALNISNSVRRGNFTEAFAVTGVTILLEAFPEFTIPALGAFVIYSKVQERNEIIKTIDNCLEQRIKRWKDSYEWMMGTWLSRIITQFNNISYQMYDSLNYQAGAIKAKIDLEYKKYSGSDKENIKSQVENLKNSLDVKISEAMNNINKFIRECSVTYLFKNMLPKVIDELNEFDRNTKAKLINLIDSHNIILVGEVDKLKAKVNNSFQNTIPFNIFSYTNNSLLKDIINEYFNNINDSKILSLQNRKNTLVDTSGYNAEVSEEGDVQLNPIFPFDFKLGSSGEDRGKVIVTQNENIVYNSMYESFSISFWIRINKWVSNLPGYTIIDSVKNNSGWSIGIISNFLVFTLKQNEDSEQSINFSYDISNNAPGYNKWFFVTVTNNMMGNMKIYINGKLIDTIKVKELTGINFSKTITFEINKIPDTGLITSDSDNINMWIRDFYIFAKELDGKDINILFNSLQYTNVVKDYWGNDLRYNKEYYMVNIDYLNRYMYANSRQIVFNTRRNNNDFNEGYKIIIKRIRGNTNDTRVRGGDILYFDMTINNKAYNLFMKNETMYADNHSTEDIYAIGLREQTKDINDNIIFQIQPMNNTYYYASQIFKSNFNGENISGICSIGTYRFRLGGDWYRHNYLVPTVKQGNYASLLESTSTHWGFVPVSE
・ 配列番号4 - BoNT/D - UniProtKB 受入番号 P19321 (Clostridium botulinum)
MTWPVKDFNYSDPVNDNDILYLRIPQNKLITTPVKAFMITQNIWVIPERFSSDTNPSLSKPPRPTSKYQSYYDPSYLSTDEQKDTFLKGIIKLFKRINERDIGKKLINYLVVGSPFMGDSSTPEDTFDFTRHTTNIAVEKFENGSWKVTNIITPSVLIFGPLPNILDYTASLTLQGQQSNPSFEGFGTLSILKVAPEFLLTFSDVTSNQSSAVLGKSIFCMDPVIALMHELTHSLHQLYGINIPSDKRIRPQVSEGFFSQDGPNVQFEELYTFGGLDVEIIPQIERSQLREKALGHYKDIAKRLNNINKTIPSSWISNIDKYKKIFSEKYNFDKDNTGNFVVNIDKFNSLYSDLTNVMSEVVYSSQYNVKNRTHYFSRHYLPVFANILDDNIYTIRDGFNLTNKGFNIENSGQNIERNPALQKLSSESVVDLFTKVCLRLTKNSRDDSTCIKVKNNRLPYVADKDSISQEIFENKIITDETNVQNYSDKFSLDESILDGQVPINPEIVDPLLPNVNMEPLNLPGEEIVFYDDITKYVDYLNSYYYLESQKLSNNVENITLTTSVEEALGYSNKIYTFLPSLAEKVNKGVQAGLFLNWANEVVEDFTTNIMKKDTLDKISDVSVIIPYIGPALNIGNSALRGNFNQAFATAGVAFLLEGFPEFTIPALGVFTFYSSIQEREKIIKTIENCLEQRVKRWKDSYQWMVSNWLSRITTQFNHINYQMYDSLSYQADAIKAKIDLEYKKYSGSDKENIKSQVENLKNSLDVKISEAMNNINKFIRECSVTYLFKNMLPKVIDELNKFDLRTKTELINLIDSHNIILVGEVDRLKAKVNESFENTMPFNIFSYTNNSLLKDIINEYFNSINDSKILSLQNKKNALVDTSGYNAEVRVGDNVQLNTIYTNDFKLSSSGDKIIVNLNNNILYSAIYENSSVSFWIKISKDLTNSHNEYTIINSIEQNSGWKLCIRNGNIEWILQDVNRKYKSLIFDYSESLSHTGYTNKWFFVTITNNIMGYMKLYINGELKQSQKIEDLDEVKLDKTIVFGIDENIDENQMLWIRDFNIFSKELSNEDINIVYEGQILRNVIKDYWGNPLKFDTEYYIINDNYIDRYIAPESNVLVLVQYPDRSKLYTGNPITIKSVSDKNPYSRILNGDNIILHMLYNSRKYMIIRDTDTIYATQGGECSQNCVYALKLQSNLGNYGIGIFSIKNIVSKNKYCSQIFSSFRENTMLLADIYKPWRFSFKNAYTPVAVTNYETKLLSTSSFWKFISRDPGWVE
・ 配列番号5 - BoNT/E - 受入番号 WP_003372387 (Clostridium botulinum)
MPKINSFNYNDPVNDRTILYIKPGGCQEFYKSFNIMKNIWIIPERNVIGTTPQDFHPPTSLKNGDSSYYDPNYLQSDEEKDRFLKIVTKIFNRINNNLSGGILLEELSKANPYLGNDNTPDNQFHIGDASAVEIKFSNGSQDILLPNVIIMGAEPDLFETNSSNISLRNNYMPSNHGFGSIAIVTFSPEYSFRFNDNSMNEFIQDPALTLMHELIHSLHGLYGAKGITTKYTITQKQNPLITNIRGTNIEEFLTFGGTDLNIITSAQSNDIYTNLLADYKKIASKLSKVQVSNPLLNPYKDVFEAKYGLDKDASGIYSVNINKFNDIFKKLYSFTEFDLATKFQVKCRQTYIGQYKYFKLSNLLNDSIYNISEGYNINNLKVNFRGQNANLNPRIITPITGRGLVKKIIRFCKNIVSVKGIRKSICIEINNGELFFVASENSYNDDNINTPKEIDDTVTSNNNYENDLDQVILNFNSESAPGLSDEKLNLTIQNDAYIPKYDSNGTSDIEQHDVNELNVFFYLDAQKVPEGENNVNLTSSIDTALLEQPKIYTFFSSEFINNVNKPVQAALFVSWIQQVLVDFTTEANQKSTVDKIADISIVVPYIGLALNIGNEAQKGNFKDALELLGAGILLEFEPELLIPTILVFTIKSFLGSSDNKNKVIKAINNALKERDEKWKEVYSFIVSNWMTKINTQFNKRKEQMYQALQNQVNAIKTIIESKYNSYTLEEKNELTNKYDIKQIENELNQKVSIAMNNIDRFLTESSISYLMKLINEVKINKLREYDENVKTYLLNYIIQHGSILGESQQELNSMVTDTLNNSIPFKLSSYTDDKILISYFNKFFKRIKSSSVLNMRYKNDKYVDTSGYDSNININGDVYKYPTNKNQFGIYNDKLSEVNISQNDYIIYDNKYKNFSISFWVRIPNYDNKIVNVNNEYTIINCMRDNNSGWKVSLNHNEIIWTLQDNAGINQKLAFNYGNANGISDYINKWIFVTITNDRLGDSKLYINGNLIDQKSILNLGNIHVSDNILFKIVNCSYTRYIGIRYFNIFDKELDETEIQTLYSNEPNTNILKDFWGNYLLYDKEYYLLNVLKPNNFIDRRKDSTLSINNIRSTILLANRLYSGIKVKIQRVNNSSTNDNLVRKNDQVYINFVASKTHLFPLYADTATTNKEKTIKISSSGNRFNQVVVMNSVGNNCTMNFKNNNGNNIGLLGFKADTVVASTWYYTHMRDHTNSNGCFWNFISEEHGWQEK
・ 配列番号6 - BoNT/F - UniProtKB 受入番号 YP_001390123 (Clostridium botulinum)
MPVVINSFNYNDPVNDDTILYMQIPYEEKSKKYYKAFEIMRNVWIIPERNTIGTDPSDFDPPASLENGSSAYYDPNYLTTDAEKDRYLKTTIKLFKRINSNPAGEVLLQEISYAKPYLGNEHTPINEFHPVTRTTSVNIKSSTNVKSSIILNLLVLGAGPDIFENSSYPVRKLMDSGGVYDPSNDGFGSINIVTFSPEYEYTFNDISGGYNSSTESFIADPAISLAHELIHALHGLYGARGVTYKETIKVKQAPLMIAEKPIRLEEFLTFGGQDLNIITSAMKEKIYNNLLANYEKIATRLSRVNSAPPEYDINEYKDYFQWKYGLDKNADGSYTVNENKFNEIYKKLYSFTEIDLANKFKVKCRNTYFIKYGFLKVPNLLDDDIYTVSEGFNIGNLAVNNRGQNIKLNPKIIDSIPDKGLVEKIVKFCKSVIPRKGTKAPPRLCIRVNNRELFFVASESSYNENDINTPKEIDDTTNLNNNYRNNLDEVILDYNSETIPQISNQTLNTLVQDDSYVPRYDSNGTSEIEEHNVVDLNVFFYLHAQKVPEGETNISLTSSIDTALSEESQVYTFFSSEFINTINKPVHAALFISWINQVIRDFTTEATQKSTFDKIADISLVVPYVGLALNIGNEVQKENFKEAFELLGAGILLEFVPELLIPTILVFTIKSFIGSSENKNKIIKAINNSLMERETKWKEIYSWIVSNWLTRINTQFNKRKEQMYQALQNQVDAIKTVIEYKYNNYTSDERNRLESEYNINNIREELNKKVSLAMENIERFITESSIFYLMKLINEAKVSKLREYDEGVKEYLLDYISEHRSILGNSVQELNDLVTSTLNNSIPFELSSYTNDKILILYFNKLYKKIKDNSILDMRYENNKFIDISGYGSNISINGDVYIYSTNRNQFGIYSSKPSEVNIAQNNDIIYNGRYQNFSISFWVRIPKYFNKVNLNNEYTIIDCIRNNNSGWKISLNYNKIIWTLQDTAGNNQKLVFNYTQMISISDYINKWIFVTITNNRLGNSRIYINGNLIDEKSISNLGDIHVSDNILFKIVGCNDTRYVGIRYFKVFDTELGKTEIETLYSDEPDPSILKDFWGNYLLYNKRYYLLNLLRTDKSITQNSNFLNINQQRGVYQKPNIFSNTRLYTGVEVIIRKNGSTDISNTDNFVRKNDLAYINVVDRDVEYRLYADISIAKPEKIIKLIRTSNSNNSLGQIIVMDSIGNNCTMNFQNNNGGNIGLLGFHSNNLVASSWYYNNIRKNTSSNGCFWSFISKEHGWQEN
・ 配列番号7 - BoNT/G - UniProtKB 受入番号 WP_039635782 (Clostridium botulinum)
MPVNIKNFNYNDPINNDDIIMMEPFNDPGPGTYYKAFRIIDRIWIVPERFTYGFQPDQFNASTGVFSKDVYEYYDPTYLKTDAEKDKFLKTMIKLFNRINSKPSGQRLLDMIVDAIPYLGNASTPPDKFAANVANVSINKKIIQPGAEDQIKGLMTNLIIFGPGPVLSDNFTDSMIMNGHSPISEGFGARMMIRFCPSCLNVFNNVQENKDTSIFSRRAYFADPALTLMHELIHVLHGLYGIKISNLPITPNTKEFFMQHSDPVQAEELYTFGGHDPSVISPSTDMNIYNKALQNFQDIANRLNIVSSAQGSGIDISLYKQIYKNKYDFVEDPNGKYSVDKDKFDKLYKALMFGFTETNLAGEYGIKTRYSYFSEYLPPIKTEKLLDNTIYTQNEGFNIASKNLKTEFNGQNKAVNKEAYEEISLEHLVIYRIAMCKPVMYKNTGKSEQCIIVNNEDLFFIANKDSFSKDLAKAETIAYNTQNNTIENNFSIDQLILDNDLSSGIDLPNENTEPFTNFDDIDIPVYIKQSALKKIFVDGDSLFEYLHAQTFPSNIENLQLTNSLNDALRNNNKVYTFFSTNLVEKANTVVGASLFVNWVKGVIDDFTSESTQKSTIDKVSDVSIIIPYIGPALNVGNETAKENFKNAFEIGGAAILMEFIPELIVPIVGFFTLESYVGNKGHIIMTISNALKKRDQKWTDMYGLIVSQWLSTVNTQFYTIKERMYNALNNQSQAIEKIIEDQYNRYSEEDKMNINIDFNDIDFKLNQSINLAINNIDDFINQCSISYLMNRMIPLAVKKLKDFDDNLKRDLLEYIDTNELYLLDEVNILKSKVNRHLKDSIPFDLSLYTKDTILIQVFNNYISNISSNAILSLSYRGGRLIDSSGYGATMNVGSDVIFNDIGNGQFKLNNSENSNITAHQSKFVVYDSMFDNFSINFWVRTPKYNNNDIQTYLQNEYTIISCIKNDSGWKVSIKGNRIIWTLIDVNAKSKSIFFEYSIKDNISDYINKWFSITITNDRLGNANIYINGSLKKSEKILNLDRINSSNDIDFKLINCTDTTKFVWIKDFNIFGRELNATEVSSLYWIQSSTNTLKDFWGNPLRYDTQYYLFNQGMQNIYIKYFSKASMGETAPRTNFNNAAINYQNLYLGLRFIIKKASNSRNINNDNIVREGDYIYLNIDNISDESYRVYVLVNSKEIQTQLFLAPINDDPTFYDVLQIKKYYEKTTYNCQILCEKDTKTFGLFGIGKFVKDYGYVWDTYDNYFCISQWYLRRISENINKLRLGCNWQFIPVDEGWTE
・ 配列番号8 - TeNT - UniProtKB 受入番号 P04958 (Clostridium tetani)
MPITINNFRYSDPVNNDTIIMMEPPYCKGLDIYYKAFKITDRIWIVPERYEFGTKPEDFNPPSSLIEGASEYYDPNYLRTDSDKDRFLQTMVKLFNRIKNNVAGEALLDKIINAIPYLGNSYSLLDKFDTNSNSVSFNLLEQDPSGATTKSAMLTNLIIFGPGPVLNKNEVRGIVLRVDNKNYFPCRDGFGSIMQMAFCPEYVPTFDNVIENITSLTIGKSKYFQDPALLLMHELIHVLHGLYGMQVSSHEIIPSKQEIYMQHTYPISAEELFTFGGQDANLISIDIKNDLYEKTLNDYKAIANKLSQVTSCNDPNIDIDSYKQIYQQKYQFDKDSNGQYIVNEDKFQILYNSIMYGFTEIELGKKFNIKTRLSYFSMNHDPVKIPNLLDDTIYNDTEGFNIESKDLKSEYKGQNMRVNTNAFRNVDGSGLVSKLIGLCKKIIPPTNIRENLYNRTASLTDLGGELCIKIKNEDLTFIAEKNSFSEEPFQDEIVSYNTKNKPLNFNYSLDKIIVDYNLQSKITLPNDRTTPVTKGIPYAPEYKSNAASTIEIHNIDDNTIYQYLYAQKSPTTLQRITMTNSVDDALINSTKIYSYFPSVISKVNQGAQGILFLQWVRDIIDDFTNESSQKTTIDKISDVSTIVPYIGPALNIVKQGYEGNFIGALETTGVVLLLEYIPEITLPVIAALSIAESSTQKEKIIKTIDNFLEKRYEKWIEVYKLVKAKWLGTVNTQFQKRSYQMYRSLEYQVDAIKKIIDYEYKIYSGPDKEQIADEINNLKNKLEEKANKAMININIFMRESSRSFLVNQMINEAKKQLLEFDTQSKNILMQYIKANSKFIGITELKKLESKINKVFSTPIPFSYSKNLDCWVDNEEDIDVILKKSTILNLDINNDIISDISGFNSSVITYPDAQLVPGINGKAIHLVNNESSEVIVHKAMDIEYNDMFNNFTVSFWLRVPKVSASHLEQYGTNEYSIISSMKKHSLSIGSGWSVSLKGNNLIWTLKDSAGEVRQITFRDLPDKFNAYLANKWVFITITNDRLSSANLYINGVLMGSAEITGLGAIREDNNITLKLDRCNNNNQYVSIDKFRIFCKALNPKEIEKLYTSYLSITFLRDFWGNPLRYDTEYYLIPVASSSKDVQLKNITDYMYLTNAPSYTNGKLNIYYRRLYNGLKFIIKRYTPNNEIDSFVKSGDFIKLYVSYNNNEHIVGYPKDGNAFNNLDRILRVGYNAPGIPLYKKMEAVKLRDLKTYSVQLKLYDDKNASLGLVGTHNGQIGNDPNRDILIASNWYFNHLKDKILGCDWYFVPTDEGWTND
・ 配列番号9 - VAMP1_Rat (Q63666)
MSAPAQPPAEGTEGAAPGGGPPGPPPNTTSNRRLQQTQAQVEEVVDIMRVNVDKVLERDQKLSELDDRADALQAGASVFESSAAKLKRKYWWKNCKMMIMLGAICAIIVVVIVIYIFT
・ 配列番号10 - VAMP1_human (P23763)
MSAPAQPPAEGTEGTAPGGGPPGPPPNMTSNRRLQQTQAQVEEVVDIIRVNVDKVLERDQKLSELDDRADALQAGASQFESSAAKLKRKYWWKNCKMMIMLGAICAIIVVVIVIYFFT
・ 配列番号11 - VAMP2_Rat (P63045)
MSATAATVPPAAPAGEGGPPAPPPNLTSNRRLQQTQAQVDEVVDIMRVNVDKVLERDQKLSELDDRADALQAGASQFETSAAKLKRKYWWKNLKMMIILGVICAIILIIIIVYFST
・ 配列番号12 - VAMP2_human (P63027)
MSATAATAPPAAPAGEGGPPAPPPNLTSNRRLQQTQAQVDEVVDIMRVNVDKVLERDQKLSELDDRADALQAGASQFETSAAKLKRKYWWKNLKMMIILGVICAIILIIIIVYFST
・ 配列番号13 - VAMP3_Rat (P63025)
MSTGVPSGSSAATGSNRRLQQTQNQVDEVVDIMRVNVDKVLERDQKLSELDDRADALQAGASQFETSAAKLKRKYWWKNCKMWAIGISVLVIIVIIIIVWCVS
・ 配列番号14 - VAMP3_human (Q15836)
MSTGPTAATGSNRRLQQTQNQVDEVVDIMRVNVDKVLERDQKLSELDDRADALQAGASQFETSAAKLKRKYWWKNCKMWAIGITVLVIFIIIIIVWVVSS
・ 配列番号15 - VAMPエピトープ
KLSELDDRADALQ
・ 配列番号16 - VAMPエピトープ
QKLSELDDRADALQ
・ 配列番号17 - VAMPエピトープ
KLSELDDRAD
・ 配列番号18 - VAMPエピトープ
KLSELDDRADALQAGAS
・ 配列番号19 - VAMPエピトープ
LSELDDRADALQ
・ 配列番号20 - VAMPエピトープ
LSELDDRADA
・ 配列番号21 - VAMPエピトープ
LSELDDRADALQAGAS
・ 配列番号22 - VAMPエピトープ
FETSAAKLKRKYW
・ 配列番号23 - VAMPエピトープ
FESSAAKLKRKYW
・ 配列番号24 - VAMPエピトープ
QFETSAAKLKRKYW
・ 配列番号25 - VAMPエピトープ
FETSAAKLKR
・ 配列番号26 - VAMPエピトープ
FETSAAKLKRKYWWKN
・ 配列番号27 - VAMPエピトープ
AKLKRKYWWKN
・ 配列番号28 - VAMPエピトープ
AAKLKRKYWWKN
・ 配列番号29 - VAMPエピトープ
AKLKRKYWWKNCKM
・ 配列番号30 - VAMPエピトープ
AKLKRKYWWKNLKM
・ 配列番号31 - VAMPエピトープ
DQKLSELDDRADALQ
・ 配列番号32 - VAMPエピトープ
ERDQKLSELDDRA
・ 配列番号33 - VAMPエピトープ
LERDQKLSELDDRA
・ 配列番号34 - VAMPエピトープ
VLERDQKLSELDDRA
・ 配列番号35- LHND
MGSMTWPVKDFNYSDPVNDNDILYLRIPQNKLITTPVKAFMITQNIWVIPERFSSDTNPSLSKPPRPTSKYQSYYDPSYLSTDEQKDTFLKGIIKLFKRINERDIGKKLINYLVVGSPFMGDSSTPEDTFDFTRHTTNIAVEKFENGSWKVTNIITPSVLIFGPLPNILDYTASLTLQGQQSNPSFEGFGTLSILKVAPEFLLTFSDVTSNQSSAVLGKSIFCMDPVIALMHELTHSLHQLYGINIPSDKRIRPQVSEGFFSQDGPNVQFEELYTFGGLDVEIIPQIERSQLREKALGHYKDIAKRLNNINKTIPSSWISNIDKYKKIFSEKYNFDKDNTGNFVVNIDKFNSLYSDLTNVMSEVVYSSQYNVKNRTHYFSRHYLPVFANILDDNIYTIRDGFNLTNKGFNIENSGQNIERNPALQKLSSESVVDLFTKVCVDKSEEKLYDDDDKDRWGSSLQCIKVKNNRLPYVADKDSISQEIFENKIITDETNVQNYSDKFSLDESILDGQVPINPEIVDPLLPNVNMEPLNLPGEEIVFYDDITKYVDYLNSYYYLESQKLSNNVENITLTTSVEEALGYSNKIYTFLPSLAEKVNKGVQAGLFLNWANEVVEDFTTNIMKKDTLDKISDVSVIIPYIGPALNIGNSALRGNFNQAFATAGVAFLLEGFPEFTIPALGVFTFYSSIQEREKIIKTIENCLEQRVKRWKDSYQWMVSNWLSRITTQFNHINYQMYDSLSYQADAIKAKIDLEYKKYSGSDKENIKSQVENLKNSLDVKISEAMNNINKFIRECSVTYLFKNMLPKVIDELNKFDLRTKTELINLIDSHNIILVGEVDRLKAKVNESFENTMPFNIFSYTNNSLLKDIINEYFNLEAHHHHHHHHHH
・ 配列番号36 - MBP-LF
MKIEEGKLVIWINGDKGYNGLAEVGKKFEKDTGIKVTVEHPDKLEEKFPQVAATGDGPDIIFWAHDRFGGYAQSGLLAEITPDKAFQDKLYPFTWDAVRYNGKLIAYPIAVEALSLIYNKDLLPNPPKTWEEIPALDKELKAKGKSALMFNLQEPYFTWPLIAADGGYAFKYENGKYDIKDVGVDNAGAKAGLTFLVDLIKNKHMNADTDYSIAEAAFNKGETAMTINGPWAWSNIDTSKVNYGVTVLPTFKGQPSKPFVGVLSAGINAASPNKELAKEFLENYLLTDEGLEAVNKDKPLGAVALKSYEEELAKDPRIAATMENAQKGEIMPNIPQMSAFWYAVRTAVINAASGRQTVDEALKDAQTNSSSNNNNNNNNNNLGIEGRISEFGSMPVAINSFNYNDPVNDDTILYMQIPYEEKSKKYYKAFEIMRNVWIIPERNTIGTNPSDFDPPASLKNGSSAYYDPNYLTTDAEKDRYLKTTIKLFKRINSNPAGKVLLQEISYAKPYLGNDHTPIDEFSPVTRTTSVNIKLSTNVESSMLLNLLVLGAGPDIFESCCYPVRKLIDPDVVYDPSNYGFGSINIVTFSPEYEYTFNDISGGHNSSTESFIADPAISLAHELIHALHGLYGARGVTYEETIEVKQAPLMIAEKPIRLEEFLTFGGQDLNIITSAMKEKIYNNLLANYEKIATRLSEVNSAPPEYDINEYKDYFQWKYGLDKNADGSYTVNENKFNEIYKKLYSFTESDLANKFKVKCRNTYFIKYEFLKVPNLLDDDIYTVSEGFNIGNLAVNNRGQSIKLNPKIIDSIPDKGLVEKIVKFAVDKLAAALEHHHHHH
・ 配列番号37 (組換え VAMP2-GFP)
GPLGSSATAATAPPAAPAGEGGPPAPPPNLTSNRRLQQTQAQVDEVVDIMRVNVDKVLERDQKLSELDDRADALQAGASQFETSAAKLKRKYWWKNLKLENVSKGEELFTGVVPILVELDGDVNGHKFSVSGEGEGDATYGKLTLKFICTTGKLPVPWPTLVTTLTYGVQCFSRYPDHMKQHDFFKSAMPEGYVQERTIFFKDDGNYKTRAEVKFEGDTLVNRIELKGIDFKEDGNILGHKLEYNYNSHNVYIMADKQKNGIKVNFKIRHNIEDGSVQLADHYQQNTPIGDGPVLLPDNHYLSTQSALSKDPNEKRDHMVLLEFVTAAGITLGMDELYK
・ 配列番号38 - 組換え BoNT/FA
MPVVINSFNYDDPVNDNTIIYIRPPYYETSNTYFKAFQIMDNVWIIPERYRLGIDPSLFNPPVSLKAGSDGYFDPNYLSTNTEKNKYLQIMIKLFKRINSKPAGQILLEEIKNAIPYLGNSYTQEEQFTTNNRTVSFNVKLANGNIVQQMANLIIWGPGPDLTTNKTGGIIYSPYQSMEATPYKDGFGSIMTVEFSPEYATAFNDISIASHSPSLFIKDPALILMHELIHVLHGLYGTYITEYKITPNVVQSYMKVTKPITSAEFLTFGGRDRNIVPQSIQSQLYNKVLSDYKRIASRLNKVNTATALINIDEFKNLYEWKYQFAKDSNGVYSVDLNKFEQLYKKIYSFTEFNLAYEFKIKTRLGYLAENFGPFYLPNLLDDSIYTEVDGFNIGALSINYQGQNIGSDINSIKKLQGQGVVSRVVRLCKSVIPRKGTKAPPRLCITVNNRDLFFIASQESYGENTINTYKEIDDTTTLDPSFEDILDKVILNFNEQVIPQMPNRNVSTDIQKDNYIPKYDYNRTDIIDSYEVGRNYNTFFYLNAQKFSPNESNITLTSSFDTGLLEGSKVYTFFSSDFINNINKPVQALLFIEWVKQVIRDFTTEATKTSTVDKLKDISLVVPYIGLALNIGDEIYKQHFAEAVELVGAGLLLEFSPEFLIPTLLIFTIKGYLTGSIRDKDKIIKTLDNALNVRDQKWKELYRWVVSKWLTTINTQFNKRKEQMYKALKNQATAIKKIIENKYNNYTTDEKSKIDSSYNINEIERTLNEKINLAMKNIEQFITESSIAYLINIINNETIQKLKSYDDLVRRYLLGYIRNHSSILGNSVEELNSKVNNHLDNGIPFELSSYTNDSLLIRYFNKNYGELKYNCILNIKYEMDRDKLVDSSGYRSRINIGTGVKFSEIDKNQVQLSNLESSKIEVILNNGVIYNSMYENFSTSFWIRIPKYFRNINNEYKIISCMQNNSGWEVSLNFSNMNSKIIWTLQDTEGIKKTVVFQYTQNINISDYINRWIFVTITNNRLSNSKIYINGRLINEESISDLGNIHASNNIMFKLDGCRDPHRYIWIKYFNLFDKELNKKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYLDVNNVGIRGYMYLKGPRGRIVTTNIYLNSTLYMGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSAVEIPDVGNLSQVVVMKSENDQGIRNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIGKASRTFGCSWEFIPVDDGWGESSLHHHHHHHHHH
・ 配列番号39 - Pep1
SNRRLQQTQAQVDEC
・ 配列番号40 - Pep3
CLQAGASQ
・ 配列番号41 - BoNT/X Genbank 受入番号 BAQ12790 (Clostridium botulinum)
MKLEINKFNYNDPIDGINVITMRPPRHSDKINKGKGPFKAFQVIKNIWIVPERYNFTNNTNDLNIPSEPIMEADAIYNPNYLNTPSEKDEFLQGVIKVLERIKSKPEGEKLLELISSSIPLPLVSNGALTLSDNETIAYQENNNIVSNLQANLVIYGPGPDIANNATYGLYSTPISNGEGTLSEVSFSPFYLKPFDESYGNYRSLVNIVNKFVKREFAPDPASTLMHELVHVTHNLYGISNRNFYYNFDTGKIETSRQQNSLIFEELLTFGGIDSKAISSLIIKKIIETAKNNYTTLISERLNTVTVENDLLKYIKNKIPVQGRLGNFKLDTAEFEKKLNTILFVLNESNLAQRFSILVRKHYLKERPIDPIYVNILDDNSYSTLEGFNISSQGSNDFQGQLLESSYFEKIESNALRAFIKICPRNGLLYNAIYRNSKNYLNNIDLEDKKTTSKTNVSYPCSLLNGCIEVENKDLFLISNKDSLNDINLSEEKIKPETTVFFKDKLPPQDITLSNYDFTEANSIPSISQQNILERNEELYEPIRNSLFEIKTIYVDKLTTFHFLEAQNIDESIDSSKIRVELTDSVDEALSNPNKVYSPFKNMSNTINSIETGITSTYIFYQWLRSIVKDFSDETGKIDVIDKSSDTLAIVPYIGPLLNIGNDIRHGDFVGAIELAGITALLEYVPEFTIPILVGLEVIGGELAREQVEAIVNNALDKRDQKWAEVYNITKAQWWGTIHLQINTRLAHTYKALSRQANAIKMNMEFQLANYKGNIDDKAKIKNAISETEILLNKSVEQAMKNTEKFMIKLSNSYLTKEMIPKVQDNLKNFDLETKKTLDKFIKEKEDILGTNLSSSLRRKVSIRLNKNIAFDINDIPFSEFDDLINQYKNEIEDYEVLNLGAEDGKIKDLSGTTSDINIGSDIELADGRENKAIKIKGSENSTIKIAMNKYLRFSATDNFSISFWIKHPKPTNLLNNGIEYTLVENFNQRGWKISIQDSKLIWYLRDHNNSIKIVTPDYIAFNGWNLITITNNRSKGSIVYVNGSKIEEKDISSIWNTEVDDPIIFRLKNNRDTQAFTLLDQFSIYRKELNQNEVVKLYNYYFNSNYIRDIWGNPLQYNKKYYLQTQDKPGKGLIREYWSSFGYDYVILSDSKTITFPNNIRYGALYNGSKVLIKNSKKLDGLVRNKDFIQLEIDGYNMGISADRFNEDTNYIGTTYGTTHDLTTDFEIIQRQEKYRNYCQLKTPYNIFHKSGLMSTETSKPTFHDYRDWVYSSAWYFQNYENLNLRKHTKTNWYFIPKDEGWDED
・ 配列番号42 - VAMP4_Rat (D4A560)
MPPKFKRHLNDDDVTGSVKSERRNLLEDDSDEEEDFFLRGPSGPRFGPRNDKIKHVQNQVDEVIDVMQENITKVIERGERLDELQDKSESLSDNATAFSNRSKQLRRQMWWRGCKIKAIMALAAAILLLMIITQIILHLKK
・ 配列番号43 - VAMP4_human (O75379)
MPPKFKRHLNDDDVTGSVKSERRNLLEDDSDEEEDFFLRGPSGPRFGPRNDKIKHVQNQVDEVIDVMQENITKVIERGERLDELQDKSESLSDNATAFSNRSKQLRRQMWWRGCKIKAIMALVAAILLLVIIILIVMKYRT
・ 配列番号44 - VAMP5_Rat (Q9Z2J5)
MAGKELERCQRQADQVTEIMLNNFDKVLERDGKLSELQQRSDQLLDMSSAFSKTTKTLAQQKRWENIRCRVYLGLAVAGGLLLILVVLLVIFLPSGEDSSKP
・ 配列番号45 - VAMP5_human (O95183)
MAGIELERCQQQANEVTEIMRNNFGKVLERGVKLAELQQRSDQLLDMSSTFNKTTQNLAQKKCWENIRYRICVGLVVVGVLLIILIVLLVVFLPQSSDSSSAPRTQDAGIASGPGN
・ 配列番号46 - YKT6_Rat (Q5EGY4)
MKLYSLSVFYKGEPKAVLLKAAYDVSSFSFFQRSSVQEFMTFTSQLIVERSAKGSRASVKEQEYLCHVYVRSDSLAGVVIADSEYPSRVAFTLLEKVLDEFSKQVDRIDWPVGSPATIHYTALDGHLSRYQNPREADPMSKVQAELDETKIILHNTMESLLERGEKLDDLVSKSEVLGTQSKAFYKTARKQNSCCAIM
・ 配列番号47 -YKT6_human (O15498)
MKLYSLSVLYKGEAKVVLLKAAYDVSSFSFFQRSSVQEFMTFTSQLIVERSSKGTRASVKEQDYLCHVYVRNDSLAGVVIADNEYPSRVAFTLLEKVLDEFSKQVDRIDWPVGSPATIHYPALDGHLSRYQNPREADPMTKVQAELDETKIILHNTMESLLERGEKLDDLVSKSEVLGTQSKAFYKTARKQNSCCAIM
・ 配列番号48 - VAMPエピトープ
ETSAAKLKRKYWWK
・ 配列番号49 - VAMPエピトープ
FETSAAKLKRKYWWK
・ 配列番号50 -VAMPエピトープ
QFESSAAKLKRKYW
・ 配列番号51 -VAMPエピトープ
FESSAAKLKR
・ 配列番号52 -VAMPエピトープ
FESSAAKLKRKYWWK
・ 配列番号53 -VAMPエピトープ
ADALQAGASQF
・ 配列番号54 -VAMPエピトープ
ADALQAGASQ
・ 配列番号55 -VAMPエピトープ
RADALQAGASQF
・ 配列番号56-VAMPエピトープ
ADALQAGASQFE
・ 配列番号57-VAMPエピトープ
ADALQAGASVF
・ 配列番号58-VAMPエピトープ
ADALQAGASV
・ 配列番号59-VAMPエピトープ
ADALQAGASVFE
・ 配列番号60 -VAMPエピトープ
RADALQAGASVF
・ 配列番号61 -VAMPエピトープ
RADALQAGAS
・ 配列番号62 -VAMPエピトープ
SESLSDNATAF
・ 配列番号63 -VAMPエピトープ
SESLSDNATA
・ 配列番号64 -VAMPエピトープ
KSESLSDNATAF
・ 配列番号65 -VAMPエピトープ
SESLSDNATAFS
・ 配列番号66 -VAMPエピトープ
SDQLLDMSSTF
・ 配列番号67 -VAMPエピトープ
SDQLLDMSST
・ 配列番号68 -VAMPエピトープ
RSDQLLDMSSTF
・ 配列番号69 -VAMPエピトープ
SDQLLDMSSTFN
・ 配列番号70 -VAMPエピトープ
SDQLLDMSSAF
・ 配列番号71 -VAMPエピトープ
SDQLLDMSSA
・ 配列番号72 -VAMPエピトープ
RSDQLLDMSSAF
・ 配列番号73 -VAMPエピトープ
SDQLLDMSSAFS
・ 配列番号74 -VAMPエピトープ
RSDQLLDMSS
・ 配列番号75 -VAMPエピトープ
SEVLGTQSKAF
・ 配列番号76 -VAMPエピトープ
SEVLGTQSKA
・ 配列番号77 -VAMPエピトープ
KSEVLGTQSKAF
・ 配列番号78 -VAMPエピトープ
SEVLGTQSKAFY
【符号の説明】
【0201】
[図1AB図2]
SEQ ID NO: 配列番号
motif: モチーフ
Rat: ラット
Human: ヒト
[図3図4]
Coomassie: クマシー
C-term: C末端側
N-term: N末端側
Anti-Pep1: 抗Pep1
Anti-Pep2: 抗Pep2
Anti-Pep3: 抗Pep3
[図4]
Untr: 未処理
% VAMP2 cleavage: VAMP2切断%
[図5]
% SNARE cleavage: SNARE切断%
Un-Tr: 未処理
Toxin: 毒素
[図6]
UnTreated: 未処理
Anti-Pep4: 抗Pep4
Cleavage-specific: 切断特異的
Anti-Pep1: 抗Pep1
Anti-Pep2: 抗Pep2
Anti-Pep3: 抗Pep3
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図4
図5
図6
【配列表】
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