(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-19
(45)【発行日】2022-08-29
(54)【発明の名称】モデルベースのピーク選択を使用した3Dプロファイル決定のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/24 20060101AFI20220822BHJP
【FI】
G01B11/24 K
(21)【出願番号】P 2019543261
(86)(22)【出願日】2018-03-26
(86)【国際出願番号】 US2018024268
(87)【国際公開番号】W WO2018183155
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2019-09-19
(32)【優先日】2018-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504382671
【氏名又は名称】コグネックス・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100119378
【氏名又は名称】栗原 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】リ,デイヴィッド ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】スン,リ
(72)【発明者】
【氏名】ヤコブソン,ロウェル ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ワン,レイ
【審査官】櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-002520(JP,A)
【文献】特開2017-090450(JP,A)
【文献】特表2008-506957(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0070417(US,A1)
【文献】特開昭62-021011(JP,A)
【文献】特開2009-085775(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトの表面上のプロファイルを決定するためのシステムであって、
前記表面に照明線を投影して反射光をセンサアセンブリで設定された露出レベルで受け取る変位センサと、
露出レベル設定を複数の離散的増分で変化させて、各増分に対する前記反射光の画像を保存するプロセッサと、
保存された前記画像を結合して、結合された前記画像を
モデルオブジェクト表面に基づくモデル画像に関してアライメントし、モデル画像との近接度に基づいて結合された前記画像からのポイントが選択されて、前記表面の候補プロファイルを提供する決定プロセスとを含む、
上記システム。
【請求項2】
前記露出レベルはレーザ強度レベルを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記露出レベルは、利得、露出時間及びセンサアセンブリの口径のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記表面は鏡面性と半透明性のうちの少なくとも1つを、少なくとも部分的に定義する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
結合された前記画像内のポイントは、x次元に沿った列に編成され、z次元に沿った強度によって重み付けされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ポイントは、所定の統計的手法に従って作成された2Dカーネルに基づいて重み付けされる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記2Dカーネルは、ガウスカーネル、ステップカーネル若しくは均一カーネル、三角カーネル、バイウェイトカーネル及びエパネックニコフカーネルのうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記候補プロファイルに対して前記モデル画像内の対応するポイントとの近接度に基づいて各列のポイントが選択される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ポイントのピークは、ピーク検出パラメータを使用して選択され、前記パラメータはセンサアセンブリによって表面上に観察される前記照明線のコントラスト閾値、強度閾値及び幅のうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
各列のポイントは、前記候補プロファイルに対して前記モデル画像内の対応するポイントとの近接度に基づいて選択される、請求項5に記載のシステム。
【請求項11】
前記モデル画像は、オブジェクト表面の実際の画像、又は合成的に生成されたプロファイルに基づいている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
オブジェクトの表面上のプロファイルを決定するための方法であって、
照明線を前記表面上に投影して、反射光をセンサアセンブリで設定された露出レベルで受け取るステップと、
露出レベル設定を複数の離散的増分で変化させて、各増分に対する反射光の画像をそれぞれ保存するステップと、
保存された前記画像を結合し、結合された前記画像を
モデルオブジェクト表面に基づくモデル画像に関してアライメントするステップと、
結合された前記画像からのポイントを前記モデル画像への近接度に基づいて選択して、前記表面の候補プロファイルを提供するステップとを含む、
上記方法。
【請求項13】
前記露出レベルを変化させるステップは、レーザ強度レベル、センサ利得、露出時間、及びセンサアセンブリの口径のうちの少なくとも1つを変化させることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
結合された前記画像内のポイントは、x次元に沿った列に編成され、z次元に沿った強度によって重み付けされる、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ポイントは、所定の統計的手法に従って配置された2Dカーネルに基づいて重み付けされる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記カーネルは、ガウスカーネル、ステップカーネル若しくは均一カーネル、三角カーネル、バイウェイトカーネル及びエパネックニコフカーネルのうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記候補プロファイルに対する前記モデル画像内の対応するポイントを、前記モデル画像内の対応するポイントとの近接度に基づいて選択する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ポイントのピークを、センサアセンブリによって前記表面上に観察される照明線のコントラスト閾値、強度閾値及び幅のうちの少なくとも1つを含むピーク検出パラメータを使用して選択することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記モデル画像は、オブジェクト表面の実際の画像又は合成的に生成されたプロファイルに基づく、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
オブジェクトの表面上のプロファイルを決定するためのシステムであって、
前記表面に照明線を投影して反射光をセンサアセンブリで設定された露出レベルで受け取る変位センサと、
露出レベル設定を複数の離散的増分で変化させて、各増分に対する前記反射光の画像を保存するプロセッサと、
保存された前記画像を結合してそこから2D画像を生成し、前記2D画像を
モデルオブジェクト表面に基づくモデル画像に関してアライメントする決定プロセスとを含む、
上記システム。
【請求項21】
前記モデルオブジェクト表面に基づくモデル画像は、モデルオブジェクト表面の訓練された画像に基づくか、あるいは、CADシステムを使用して合成的に定義されたものである、請求項1記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1以上の3次元(3D)ビジョンシステムカメラ(「変位センサ」又は「プロファイラ」とも呼ばれる)を用いるビジョンシステムに関し、より具体的にはオブジェクト表面上の3D(高さ)プロファイルの決定に関する。
【背景技術】
【0002】
製造及び組立工程においてはオブジェクトの表面を分析して、特徴及び/又は不規則性の性質を決定することがしばしば望ましい。オブジェクト表面の変位(又は「プロファイル」)は、レーザ変位センサ(レーザビーム「プロファイラ」とも呼ばれる)の形のマシンビジョンシステム(本明細書では「ビジョンシステム」とも呼ばれる)を使用して決定できる。レーザ変位センサは、レーザビームの平面状のカーテン又は「扇」を使用して、スキャンされたオブジェクト表面の(3次元)プロファイルをキャプチャして決定する。従来の配置構成では、ビジョンシステムのカメラアセンブリは、ビームの平面を平面の外側から見るように配置されている。この配置構成は、オブジェクト平面上に投影された(例えば物理なx軸に沿って延びる)線のプロファイルをキャプチャするが、これはビーム平面とカメラとの間の基線(即ちy軸に沿った相対的間隔)のために、撮像された線は(画像のx軸に沿って)画像のy軸方向で撮像されたポイントの物理的z軸の高さの関数として変化するように見える。この偏差はx-z面の表面上のプロファイルを表しており、変位センサ内の適当な較正パラメータを使用して個々の画像ポイントのx-y位置から導出される。レーザ変位センサは、ユーザが三角測量によってスキャンされたオブジェクトの表面の詳細を測定して特性評価することを望む広範な検査及び製造作業で有用である。典型的なレーザ変位センサは、CCD又はCMOS設計に基づくことができるレンズアセンブリと画像センサ(又は「イメージャ」)を備えたビジョンシステムカメラを使用する。イメージャは、レンズ/光学系を通して撮像されたシーンから集束光を受け取る画像平面上のグレースケール又はカラー感知ピクセルの所定のフィールドを定義する。
【0003】
特定のビジョンシステムの実装において、ビジョンシステムの全体視野(FOV)(ここで「視野」という用語は測定範囲を指す)を拡張するために、複数の変位センサ(例えばレーザプロファイラ)が一緒に取り付けられて、オブジェクトの所望の領域(例えばその全幅)を十分な解像度で完全に撮像できるようにする。
【0004】
異なる光学特性を有する材料で作られ及び/又は内部反射を引き起こす可能性がある構造化された表面を有する、関心のあるオブジェクトの表面上に投影された線を読むことは困難な場合がある。例えば表面は不透明な領域、反射領域、半透明/透明な領域、又はこれらの領域の組み合わせを含んでいることがあり、それらは種々異なって反射し、またそれらの相対的角度に応じて内部反射を生じることもある。前者の場合に問題となるのは、すべての材料に対応する単一の露出設定を選択するのが難しいためであり、後者の場合に問題となるのは、内部反射のために変位センサが実際のプロファイルと混同する恐れがあることである。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、離散的な間隔で適用される複数の露出レベルで表面を分析することによって生成された一連のピークから、正しいプロファイルを選択するためのシステム及び方法を提供することにより、先行技術の欠点を克服する。ピーク情報のクラウドは、モデルプロファイルとの比較によってオブジェクトプロファイルの正確な表現を表す最良の候補に分解される。
【0006】
例示的な実施形態では、オブジェクトの表面上のプロファイルを決定するためのシステム及び方法システムが提供され、表面に照明線を投影して、反射光をセンサアセンブリで設定された露出レベルで受け取る変位センサを含む。プロセッサは、露出レベル設定を複数の離散的増分で変化させて、各増分に対する反射光の画像を保存する。決定プロセスは、保存された画像を結合して、結合された画像をモデル画像に関してアライメントする。結合された画像からのポイントは、モデル画像との近接度/近さに基づいて選択されて、表面の候補プロファイルを提供する。例示的に、露出レベルは、レーザ強度レベル、利得、露出時間及び/又は口径を含む。表面は、鏡面性と半透明性のうちの少なくとも1つを、少なくとも部分的に定義できる。結合された画像内のポイントは、例示的にx次元に沿った列に編成され、z次元に沿った強度によって重み付けされる。ポイントは、所定の統計的手法に従って作成された2Dカーネルに基づいて重み付けすることができる。例えば2Dカーネルは、とりわけガウスカーネル、ステップカーネル若しくは均一カーネル、三角カーネル、バイウェイトカーネル及びエパネックニコフカーネルのうちの少なくとも1つを含むことができる。各列のポイントは、候補プロファイルに対してモデル画像内の対応するポイントとの近接度に基づいて選択される。モデル画像は、オブジェクト表面の実際の画像、又は合成的に生成された(例えばCAD)プロファイルに基づくことができる。例示的にピークポイント検出(選択)パラメータは、センサアセンブリによって表面上に観察される照明線のコントラスト閾値、強度閾値及び幅のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0007】
以下の本発明の説明は、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】例示的な実施形態によるオブジェクトの画像を取得し、複数の露出レベルから画像データを処理する全体的なビジョンシステム配置構成の図である。
【0009】
【
図2】変位センサの照明線を第1の露出レベルで部分的に露出過多の状態で示すオブジェクト表面の例示的な画像である。
【0010】
【
図3】変位センサの照明線を第2の露出レベルで示し、その中に望ましくない内部反射が見えている
図2のオブジェクト表面の例示的な画像である。
【0011】
【
図4】例示的な形態による画像取得とプロファイル決定プロセスのフローチャートである。
【0012】
【
図5】
図4による取得及び決定プロセスのより詳細なフローチャートである。
【0013】
【
図6】図示された水平軸のx軸と図示された垂直軸のz軸を有し、ポイントがガウスカーネルに従って重み付けされた合成画像の生成を示す、
図2のオブジェクト面の例示的画像である。
【0014】
【
図7】合成画像及びアライメントされたモデルデータに基づいて決定されたプロファイル線を示す、
図2のオブジェクト表面の例示的な画像である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
例示的な実施形態による関心のある例示的なオブジェクト110のプロファイルを決定するために使用される全体的なビジョンシステム配置構成100を示す
図1を参照する。この配置構成100は、広範に可能な実装の例である。非限定的な例として、変位センサ120がオブジェクト上の適当な位置でオブジェクトの表面112を測定する。この例における変位センサ120は、表面112上の線を画定する扇の形をした可視又はほぼ可視のレーザビームを(例えば適当な光学アセンブリを使用して)投射する照明源122を含む。任意の3D座標セット(例えばデカルトx、y、z軸など)116は、x軸に沿って延びる線で示されている。画像センサ127と光学系129を含むカメラアセンブリ128は、扇124(破線の中心線125で表す)の平面に対して鋭角Θの光軸OAを画定するように配向されている。この角度Θのために、線が2Dセンサ内ではy軸に沿ってz高さの関数としてずれているように見える。変位センサ120は、y方向に沿った変化は送信された画像データ130における特定のz高さの変化を表わすように較正されている。
【0016】
画像データ130は、変位センサのハウジングと一体化することができるビジョンシステムプロセス(プロセッサ)140に提供されるか、又は図示のユーザインターフェース(キーボード152、マウス154、ディスプレイ/タッチスクリーン156)を有するPCなどのコンピューティングデバイス150上で完全に又は部分的にインスタンス化することができる。このPCは、カスタマイズされたプロセッサ(例えばFPGAなど)やその他の汎用コンピューティングデバイス、ラップトップ、タブレット、スマートフォンなどを含む広範な処理デバイスの例である。プロセッサは、適当なオペレーティング・システムによって操作される複数の機能モジュール又はプロセス/プロセッサを含む。例えばレーザ122の制御132(例えばオン/オフ/強度)とセンサアセンブリ128が、それぞれプロセスモジュール142及び144によって設けられている。プロセッサ140はまたエッジ検出器、ブロブ分析器、コントラストツールなどの様々なビジョンシステムツール146も含むが、これらは画像内の特徴を識別して、モデルデータ147の保存されたテンプレート又はモデルのデータへのアライメントを支援するために使用することができる。これはアライメントプロセスモジュール148によって実行される。プロセス(プロセッサ)140は、最も近いプロファイル候補のアライメントされた画像データを決定する一般化されたプロファイル決定モジュール149を含む。
【0017】
任意選択により、ブロック160に従い候補プロファイルは下流の利用プロセス及び/又はデバイスに提供される。例えばプロファイル情報を使用してオブジェクトの欠陥、品質又はタイプを判定できる。
【0018】
ここで
図2を参照すると、オブジェクト210の例示的な画像200が示されており、その中に投影された照明(例えば可視光レーザ)線220が存在する。現在の露出レベルのためにオブジェクト210の左側領域(矢印230)の線220は、オブジェクト210の右側領域(矢印240)より多く露出されているように見えることに留意されたい。それゆえ全体的に許容される3Dプロファイル画像(即ち鮮明で一貫した線を有する)を生成するためには左側領域(230)は右側領域(240)よりも低い露出レベルを必要とする。画像の他の部分は露出レベルの一層の違いから恩恵を受けることができる。全体的に望ましい線反射を提供する単一の露出レベルを設定することは、しばしば非現実的である。そのため(
図2と)同じオブジェクト210により低い露出レベルを適用すると、
図3の画像300はその結果として得られた比較的均一なプロファイル線を示す。しかしより低い露出の画像300は、今度は矢印310で示すようにぼやけたブロブを呈示する。これらのブロブ310は今や画像300内で比較的目立ち、内部反射によって引き起こされている。プロファイルを分析する際に、これらのブロブ310は変位センサのプロセッサを混乱させ、第2の(偽りの)プロファイルとして現れる傾向があるだろう。
【0019】
図4を参照すると、オブジェクト表面に対して高品質プロファイルを決定するための一般化された全体的な手順400が示されている。この手順はステップ410で初期露出レベルを設定して画像を取得する。本明細書で定義される「露出レベル」という用語は、本質的に画像センサ(
図1の127)に当たる光量(光子)を規定する1つ以上の可変(制御可能)な特性/パラメータを指す。非限定的な例として、これらの特性/パラメータは(シャッタ)露出時間(例えばマイクロ秒)、利得、レンズ口径、レーザ線強度、及び線の波長を含むことができる。以下で説明するように、変位センサの内部較正プロセスは、線のy軸変位をz軸の高さ値に変換する。手順400はステップ420で、与えられた露出レベルについてZ軸ピーク及び関連するメタデータを検出し、この情報を画像データとして保存する。手順400は決定ステップ430で、提供される次の露出レベル、強度及び/又は他の検出パラメータの組み合わせがあるかどうかを決定し、ある場合はこの次のレベルは変位センサ(又は外部照明器など)のハードウェア/ソフトウェアで増分されて、ステップ410と420を繰り返す。全露出レベル、強度及び/又は検出パラメータの組み合わせを使用してオブジェクト表面の画像を取得するまで、大量のピーク画像が作成される。次に、決定ステップ430はステップ440に分岐して、保存されているデータポイントを用いて全体的なx-z画像が生成される。ステップ450でこの画像は保存されているモデルプロファイルと比較され、ステップ460で最良のプロファイル候補を定義するピークが選択される。次いで手順400はステップ470で候補を出力する。候補は、リンクを介して処理システムに送られることにより、下流プロセスによって種々の製造、検査及びその他のタスクに使用できる。
【0020】
図5のより詳細な方法500を参照すると、(例えば)静的オブジェクト表面の画像を異なる露出レベルで取得した後(
図4のステップ410~430)、手順は「合成」2D画像を生成する。ステップ510で、すべてのプロファイルの画像内のすべての列についてすべての強度ピーク位置がサイズNのピークセットPに集められ、変位センサの較正パラメータを使用してNピークはPにおいて実際のx-z空間におけるサイズNの2DポイントP’のセットに変換される(ステップ520)。
図6の合成画像600を参照すると、上述の例示的なオブジェクト表面210についてP’のすべてのポイントの2Dプロットを示している。画像はすべての(水平な)x位置に対して(垂直な)z位置の範囲をカバーするポイントの「クラウド」として現れていることに留意されたい。水平軸をx軸、垂直軸をz軸とする合成画像600内で、手順500は(ステップ530で)、セットP’内の各ポイントpについて重み(セットP内の対応するピークの強度値についての関数で計算)を有する2Dカーネル(例えばガウスカーネル)を蓄積する。加重2Dカーネルを生成するために、ガウス分布の他にも様々な統計的方法、例えば相互相関などを使用できることに留意されたい。ガウスカーネルの使用は、ステップカーネル若しくは均一カーネル、三角カーネル、バイウェイトカーネル、エパネックニコフカーネル、及び/又は他の適当な統計的手法を含む多様なカーネルタイプの例示によるものである。
【0021】
この重み付けされた合成画像は、次に手順ステップ540で適当なビジョンシステムアライメントツールを使用してモデルプロファイルデータにアライメントされる。より具体的には、手順は2D合成画像をモデルに対してアライメントすることによりオブジェクト表面の3Dプロファイルを再構成する。モデルはモデルオブジェクト表面の訓練された(取得された)画像に基づくことができ、及び/又は(例えば)CADシステムを使用して合成的に定義できる。ステップ550では、手順は各列(x位置)でについてxでアライメントされたモデルに最も近い同じx座標を有するセットP’内のポイントpを選択する。次に、ステップ560で手順は、ステップ550で選択されたすべてのpを集め、その集合が再構成された3Dプロファイルである。
【0022】
手順400及び500を使用して、明確に定義されたピーク710のセットを有する例示的な画像700を描写することができる。これらの真のピークは、表面に対するプロファイル候補として保存される。様々な実施形態において、手順が複数の可能な再構成プロファイルを生成する場合、1以上の候補を保存することができる。しかしながらモデルデータと取得された実行時画像データとのアライメントは、可能なプロファイルが多数あることを回避する傾向がある。欠陥がモデルデータと一致しない可能性のある領域を作成するため、検査対象の(実行時)表面とモデルの表面が異なる欠陥により、複数のプロファイルが発生する可能性があるが、それは欠陥がいかなるモデルデータとも一致しない領域を生み出すからである。
【0023】
ユーザインターフェースは、オブジェクト表面の性質に応じて制御されるパラメータ(又はパラメータの組み合わせ)のタイプを指定する種々の機能を含むことができることが想定されている。例えばいくつかの表面はセンサ利得を変えることによってより効果的に撮像できるが、他の表面はセンサの露出時間を変えることによってより効果的に撮像できる。
【0024】
上述したシステムと方法は、変位センサがプロファイルを生成するときに単一の露出レベルに適合しないオブジェクト表面(例えばファセット面、鏡面及び/又は透明/半透明の表面)を考慮するための効果的な方法で提供することは明らかであろう。このシステムと方法により、センサと周囲の環境内で様々なパラメータを制御することができ、広範な表面タイプに適応できる。
【0025】
以上は本発明の例示的な実施形態を詳細に説明したものである。本発明の精神と範囲を逸脱することなく種々の改変及び追加を行うことができる。上述した種々の実施形態の各々の特徴は、関連する新しい実施形態において多数の特徴の組み合わせを提供するのに適する限り、別の記載された実施形態の特徴と組み合わされてよい。更に、上に本発明の装置と方法の多数の別個の実施形態を記したが、ここに記載されたものは本発明の原理の応用を例示したものに過ぎない。更に、本明細書で使用される様々な方向及び/又は向きを表わす用語(及びそれらの文法的変化)、例えば、「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「底部」、「頂部」、「側部」、「前部」、「後部」、「左」、「右」「前方」、「後方」、及びこれに類するものは、相対的な表現法として用いられているに過ぎず、重力の作用方向など固定した座標系を基準とした絶対的な向きを表わすものではない。加えて、与えられた測定、値又は特徴に関して「実質的に」又は「近似的に」という言葉が用いられている場合、それは所期の結果を達成するための通常の操作範囲内にある量を指しているが、システムに許容された誤差の範囲内の固有の不正確さや誤りに起因するある程度のばらつきを含む(例えば1~2パーセント)。また、本明細書中で使用される「プロセス」及び/又は「プロセッサ」という言葉は広く電子ハードウェア及び/又はソフトウェアをベースとする多様な機能及びコンポーネントントを含むものと解釈すべきであることにも留意されたい。更に、表示されたプロセス又はプロセッサは他のプロセス及び/又はプロセッサと組み合わせ、又は種々のサブプロセス又はサブプロセッサに分割されてよい。そのようなサブプロセス及び/又はサブプロセッサは、本明細書に記載された実施形態により多様に組み合わせることができる。同様に、本明細書中の何らかの機能、プロセス及び/又はプロセッサは、プログラム命令の非一時的コンピュータ可読媒体からなる電子ハードウェア、ソフトウェア、或いはハードウェアとソフトウェアの組み合わせを用いて実施できることが明確に想定されている。従ってこの説明は例示の方法によるものとしてのみ受け取られるべきであり、それ以外に本発明の範囲を限定することを意味するものではない。
【0026】
以下に特許請求の範囲を記載する。