(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-19
(45)【発行日】2022-08-29
(54)【発明の名称】大気粒子状物質を監視するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01N 15/00 20060101AFI20220822BHJP
G01N 1/02 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
G01N15/00 C
G01N15/00 A
G01N1/02 K
G01N1/02 D
(21)【出願番号】P 2019554492
(86)(22)【出願日】2017-12-19
(86)【国際出願番号】 US2017067336
(87)【国際公開番号】W WO2018118934
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-11-20
(32)【優先日】2016-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596060697
【氏名又は名称】マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】カーニック・ロヒット・ナンドクマル
(72)【発明者】
【氏名】チャン・アン
【審査官】海野 佳子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0290912(US,A1)
【文献】特開2004-301768(JP,A)
【文献】国際公開第2011/045961(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0227938(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子状物質を監視する方法において、
1つ以上の基板上で流れる空気から粒子を捕捉することであって、前記捕捉することは、静電および機械的捕獲器のうちの1つ以上を用いて実行され
、前記1つ以上の基板は、粒子を捕捉するように構成された第1の部分と、粒子を捕捉するように構成され、第1の部分上の粒子の捕捉と同時に粒子が捕捉されない第2の部分とを含む可動テープとして形成され、そして、導波管として機能するように構成される、ことと、
導波管として前記1つ以上の基板を通って向けられた光を用いることによって、前記1つ以上の基板を照らすことと、
捕捉された前記粒子に対して、1つ以上の感知動作を実行することと、
前記1つ以上の感知動作の結果に基づいて、前記捕捉された粒子を分析することと、
を含み、
前記粒子が前記基板上で捕捉されると、前記粒子は、前記1つ以上の感知動作を前記粒子に対して実行するのに十分長い期間にわたって維持され得る前記基板に対する制御位置にくる
ことになり、
前記可動テープが、前記可動テープの異なる部分を露出させるために機械的に前進させられるように構成されている、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記1つ以上の基板は導電性であり、
前記粒子を前記1つ以上の基板上に捕捉するために、前記方法は、
前記1つ以上の基板のうちの少なくとも1つを第1の電荷で帯電させることと、
前記粒子を、前記第1の電荷の反対である第2の電荷で帯電させることと、をさらに含み、
前記粒子を前記第2の電荷で帯電させることにより、前記粒子が、前記1つ以上の基板に向かって、またその上へとそれる、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記1つ以上の基板は、フィルターを含み、
前記粒子を前記1つ以上の基板上に捕捉するために、前記方法は、
前記空気が、前記1つ以上の基板の前記フィルターを通って、またはこの上を流れることを可能にし、それによって、前記空気中の前記粒子を、前記フィルターのうちの1つ以上によって捕捉させることをさらに含む、方法。
【請求項4】
請求項2または3に記載の方法において、
前記1つ以上の基板は、
前記粒子の付着を高めるかまたは制御するように構成されている改質表面を含み、
前記粒子は、前記1つ以上の基板の前記改質表面に付着することによって前記1つ以上の基板上に捕捉される、方法。
【請求項5】
請求項
1に記載の方法において、
前記粒子の捕捉が前記可動のテープの別の部分で実行されるように前記可動のテープを
機械的に前進させることによって、前記粒子が捕捉される前記1つ以上の基板の少なくとも一部を補充することをさらに含む、方法。
【請求項6】
請求項
2に記載の方法において、
前記粒子が捕捉される前記1つ以上の基板の少なくとも1つの表面を、機械的手段および静電手段のうちの1つ以上を用いてクリーニングすることをさらに含み、
前記少なくとも1つの表面を、静電手段を用いてクリーニングするため、前記方法は、
前記捕捉された粒子を、
前記第1の電荷に等しい第3の電荷で帯電させるようにさらに機能し、
前記捕捉された粒子を、前記第3の電荷で帯電させることにより、前記粒子は、前記1つ以上の基板から離れて分離する、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
前記1つ以上の感知動作は
、音響感知、電磁感知、および誘電感知のうちの1つ以上
と、光学感知とを実行するように構成された1つ以上のセンサによって実行される、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記1つ以上の感知動作の結果は、前記1つ以上の基板上に捕捉された前記粒子の1つ以上の画像を含み、
前記捕捉された粒子を分析することは、
前記捕捉された粒子の前記画像から前記粒子に対応する粒子データを識別することを含む、方法。
【請求項9】
請求項
8に記載の方法において、
前記捕捉された粒子を分析することは、
汚染または粒子状物質情報を、前記粒子データに基づいて計算することをさらに含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、
前記粒子を捕捉するステップ、前記1つ以上の感知動作を行うステップ、および前記捕捉された粒子を分析するステップのうちの1つ以上の態様を動的に調節することをさらに含む、方法。
【請求項11】
請求項1
0に記載の方法において、
前記動的に調節することは、
(1)
前記1つ以上の感知動作の結果または前記捕捉された粒子の分析の結果の少なくとも1つ以上に基づいて、前記粒子が捕捉される前記空気の体積または前記空気の体積流量を調節することと、
(2)
前記1つ以上の感知動作の結果または前記捕捉された粒子の分析の結果の少なくとも1つ以上に基づいて、前記粒子の捕捉、前記1つ以上の感知動作の実行、または前記捕捉された粒子の分析を実行するタイミングを調節することと、
(3)
前記1つ以上の感知動作の結果または前記捕捉された粒子の分析の結果の少なくとも1つ以上に基づいて、前記可動テープを機械的に前進させることによって、前記1つ以上の基板またはその表面を補充
することと、
を含む、方法。
【請求項12】
粒子状物質を監視するためのシステムにおいて、
静電および機械的捕獲器のうちの1つ以上を用いて流れる空気から粒子を捕捉するように動作可能な基板
であって、前記基板は、粒子を捕捉するように構成された第1の部分と、粒子を捕捉するように構成され、第1の部分上の粒子の捕捉と同時に粒子が捕捉されない第2の部分とを含む可動テープとして形成され、そして、導波管として機能するように構成される、基板と、
捕捉された前記粒子に対して1つ以上の感知動作を実行するように動作可能なセンサと、
前記センサに、前記捕捉された粒子に対して前記1つ以上の感知動作を実行させるように動作可能な少なくとも1つのプロセッサと、
照明光源と、
を含み、
前記センサは、カメラを含み、前記センサは、最適な感知を実行するように構成され、
前記最適な感知を実行するために、
(1)前記少なくとも1つのプロセッサは、導波管として前記基板を用いることで前記基板を通して光を向けることによって、前記照明光源に前記基板を照らさせるように動作可能であり、
(2)前記センサは、前記基板上に捕捉された前記粒子によって散乱する散乱光を検出するものであり、
前記基板、前記センサ、および前記少なくとも1つのプロセッサは、通信可能に連結され、
前記粒子が前記基板上に捕捉されると、前記粒子は、前記1つ以上の感知動作を前記粒子に対して実行するのに十分長い期間にわたって維持され得る前記基板に対する制御位置にくる
ことになり、
前記可動テープが、前記可動テープの異なる部分を露出させるために機械的に前進させられるように構成されている、システム。
【請求項13】
請求項1
2に記載のシステムにおいて、
前記基板は、導電性材料を含み、
前記粒子を前記基板上に捕捉するために、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記基板を第1の電荷で帯電させ、
前記空気中の前記粒子を、前記第1の電荷の反対である第2の電荷で帯電させる、
ように動作可能であり、
前記粒子を前記第2の電荷で帯電させることにより、前記粒子が、前記基板に向かって、またその上へとそれる、システム。
【請求項14】
請求項1
2または1
3に記載のシステムにおいて、
空気の流れを増減させるように動作可能な空気ポンプをさらに含み、
前記基板は、フィルターを含み、
前記粒子を前記基板上に捕捉するために、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記空気ポンプに、前記基板の前記フィルターを通るか、またはこの上での、前記粒子を含有する前記空気の流れを増減させ、それによって、前記空気中の前記粒子を、前記フィルターのうちの1つ以上によって捕捉させるように動作可能である、システム。
【請求項15】
請求項1
3または1
4に記載のシステムにおいて、
前記基板は、
前記粒子の付着を高めるかまたは制御するように構成されている改質表面を含み、
前記粒子は、前記基板の前記改質表面に付着することによって前記基板上に捕捉される、システム。
【請求項16】
請求項1
3に記載のシステムにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、機械的手段および静電手段のうちの1つ以上を用いて、前記粒子が捕捉される前記基板の少なくとも1つの表面をクリーニングさせるように、さらに動作可能であり、
前記基板の前記少なくとも1つの表面を、静電手段を用いてクリーニングするため、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記捕捉された粒子を、
前記第1の電荷に等しい第3の電荷で帯電させるようにさらに動作可能であり、
前記捕捉された粒子を、前記第3の電荷で帯電させることにより、前記粒子は、前記基板から離れて分離する、システム。
【請求項17】
請求項
12に記載のシステムにおいて、
前記センサは、前記捕捉された粒子によって散乱する前記散乱光に少なくとも部分的に基づいて、前記捕捉された粒子を撮像するようにさらに動作可能である、システム。
【請求項18】
請求項
17に記載のシステムにおいて、
前記散乱光は、複数の波長の光で散乱する、システム。
【請求項19】
請求項
1に記載の方法において、
前記可動のテープは、フィルターを含む、方法。
【請求項20】
請求項
8または
9に記載の方法において、
前記1つ以上の基板上に捕捉された前記粒子の前記1つ以上の画像は、複数の波長の光で前記捕捉された粒子によって散乱する散乱光に少なくとも部分的に基づく、方法。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、「Low-Cost Air Particulate Monitor Based On Particle Capture And Imaging」のタイトルで、2016年12月19日に出願された米国仮特許出願第62/436,030号の優先権および利益を主張し、この内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔分野〕
本出願は、大気粒子状物質を監視するための、さらに具体的には、粒子を捕捉し、捕捉された粒子を読み取り(reading)、捕捉された粒子から収集した情報に基づいて解析を実行するための、システムおよび方法に関する。
【0003】
〔背景〕
環境衛生は、ますます重要になっている世界的問題のままである。例えば、大気汚染は、例えば、地球の放射収支、雲の形成、地球温暖化および視程に影響を及ぼす環境効果を有することが知られている。大気汚染のこれらの環境影響は、特に目、鼻、のど、肺、心臓、および妊娠結果に関する、人間の健康にも影響を及ぼす。大気汚染の悪影響を緩和するため、多くの国が、汚染物質を規制するために法律を制定している。その結果、さまざまな存在が、大気汚染を監視し、必要に応じて措置を講じることを義務付けられるか、またはそのように動機付けされてきた。この目的で、例えば、製造業者、建設業者、および都市などの存在が、より清潔で地球にやさしい環境を達成することを目的として、より環境にやさしい機械類、車、飛行機、建物、工場、インフラストラクチャーなどをますます開発または利用してきた。
【0004】
これらの汚染制御規制および環境にやさしい構想の恩恵は、大気汚染を監視し、その影響を緩和するため、必要に応じて予防的または救済的措置を取ることを必要とする。実際、これらの規制および構想の恩恵は、大気汚染監視の頻度、広さ、および質と直接関連する。言い換えれば、より多い頻度でより多くのモニターを配備することにより、より強力で、より正確な汚染知識および情報がもたらされ、これらは、予防的および救済的なツールおよび技術を強化することができる。
【0005】
現在、フィルターを使用して粒子を収集し、それらの質量を測定することができる、微粒子監視テクノロジーが存在する。他の微粒子監視テクノロジーは、迅速に通過する空気中の粒子にレーザー光を向ける。したがって、これらの既存のテクノロジーは、例えば、テクノロジーの感知限界、または粒子が分析され得る時間の短さにより、粒子について得ることができる情報の量が限られている。さらに、従来の微粒子監視システムは、大きく、高価であり、機能するために著しい量の電力を必要とし、例えばスマートシティで、大量に配備するには非実用的となる。
【0006】
したがって、粒子を空気から捕捉し、捕捉されている間に粒子の分析を可能にすることができる、大気粒子状物質監視を提供するシステムおよび方法が必要とされている。捕捉された粒子が、光学センサまたは画像センサなどのセンサによって読み取られることができる必要もある。さらに、よりきれいであるかまたは粒子を含まない基板が粒子の捕捉のために提供され得るように、粒子が捕捉される基板を補充する必要がある。さらに、リアルタイムデータを考慮に入れ、感知性能を最適化するために、監視が動的に調節可能である必要がある。さらになお、粒子状物質監視を、広く、安く、かつ非侵入的に利用可能にする必要がある。
【0007】
〔概要〕
例えば空気中の、粒子状物質(PM)を監視するためのシステムおよび方法が、本明細書に記載される。より具体的には、空気から粒子を捕捉し、捕捉されている間に、粒子に対して感知動作を実行する、PM監視システムおよび方法が本明細書に記載される。粒子は、電気集塵および機械的捕獲器(mechanical captors)、ツールおよび/または技術のうちの1つ、またはその組み合わせを用いて、捕捉され得る。本明細書に記載するように、電気集塵は、(1)導電性基板を1つの電荷で帯電させること、および(2)基板の電荷と反対の別の電荷で、収集された空気中の粒子を帯電させること、によって達成され得る。粒子は、電極によって帯電されて電荷担体を生成し、粒子を帯電させて逆荷電基板の方向にそらすことができ、粒子は分析のために付着したままとすることができる。機械的ツールおよび技術が、同様に、またはさらに使用されて、粒子を捕捉することができる。例えば、基板として機能するフィルターまたは繊維群で構成される、ろ過システム。フィルターおよび/または繊維は、空気がその中を流れるときに粒子を横取りするように構成される。空気の流れおよび粒子が収集される空気の体積は、空気ポンプまたは同様のシステムを用いて、制御され得る。
【0008】
基板上に収集された粒子は、次に、1つ以上のセンサによって、撮像されるか、または別様に感知され得る。光学センサおよび画像センサ、例えばカメラを含む、さまざまなセンサを使用することができる。センサによる撮像は、光を基板に向け、これにより、基板上に捕捉された粒子が光を散乱させることによって実行され得る。散乱光は、センサによって検出され、情報を入手し、かつ/または捕捉された粒子を撮像するのに使用され得る。入射または反射光が散乱光に干渉するのを避けるため、照明光源によって基板に向けられた光は、視射角で提供され得る。照明光源を視射角で位置づけることに加えて、またはその代わりに、基板は、導波管として機能するように構成され得る。粒子の撮像または他の感知は、さらなる分析を実行するのに使用され得る。例えば、粒子に関する特徴またはデータ、例えばそれらのサイズ、位置、形状、および分布が、検出または算出され、次に、他の情報、例えば粒子または汚染物質のタイプまたは供給源を導き出すのに使用され得る。
【0009】
粒子が捕捉される基板は、基板またはその表面をクリーニングするかまたは交換することによって、補充され得る。基板またはその表面を補充することは、例えば新しい粒子を捕捉し分析し得る、きれいなまたはよりきれいな表面を提供するために、実行され得る。表面の補充は、静電および/または機械的クリーナー、ツール、および技術を用いて実行され得る。例えば、静電補充は、基板上に捕捉された荷電粒子に逆の電荷を印加し、それらを、基板から切り離すか、または分離させることによって、達成される。械的ツールおよび技術は、粒子を基板もしくはその表面からからバラバラにするかまたは分離させる、ブラシ、加熱、および振動のうちの1つ以上の使用を含み得る。場合によっては、テープが、粒子を捕捉する基板または基板の表面として分配され使用され得る。よって、基板またはその表面を補充するため、テープのロールが、粒子を捕捉し得るテープの新しいきれいなセクションを提供するため、前進させられ得る。
【0010】
本明細書に記載するPM監視の態様および特徴は、リアルタイムで動的に調節され得る。動的調節は、監視プロセスが、意図する目的およびゴールに従って最適に実行されることを確実にする。この目的で、実行時間中に収集される情報は、粒子が捕捉される空気の、収集されている体積;撮像仕様(例えば、頻度、波長、ダイナミックレンジ);構成要素(例えば、照明光源、基板、センサ)の位置づけ;基板を補充するタイプおよび時間;ならびに、本明細書に記載され、当業者に既知である他のものなどの態様および特徴を調節する必要性または要望を判断するために分析され使用され得る。
【0011】
粒子状物質を監視するための例示的な一方法では、粒子は1つ以上の基板上で空気から捕捉される。捕捉は、静電および機械的捕獲器、ツール、および/または技術のうちの1つ以上を用いて実行される。1つ以上の感知動作が、捕捉された粒子に対して実行される。捕捉された粒子は、1つ以上の感知動作の結果に基づいて分析され得る。粒子が基板上に捕捉されると、粒子は、1つ以上の感知動作を粒子に対して実行するのに十分長い期間にわたって維持され得る基板に対する制御位置にくる。
【0012】
いくつかの実施形態では、1つ以上の基板は導電性である。粒子を1つ以上の基板上に捕捉するために、1つ以上の基板のうちの少なくとも1つは、第1の電荷で帯電され、粒子は、第2の電荷で帯電される。第2の電荷は、第1の電荷の反対である。粒子を第2の電荷で帯電させることにより、粒子は、1つ以上の基板に向かって、またその上へとそれる。
【0013】
いくつかの実施形態では、1つ以上の基板は、フィルターを含む。粒子を1つ以上の基板上に捕捉するために、空気は、1つ以上の基板のフィルターを通って、またはこの上を流れることができ、それによって、空気中の粒子を、フィルターのうちの1つ以上によって捕捉させる。
【0014】
いくつかの実施形態では、1つ以上の基板は、可動のテープの1つ以上の部分によって形成される。可動のテープは、1つ以上の基板上での粒子の捕捉と同時に粒子が捕捉されない、他の部分を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、粒子を1つ以上の基板上に捕捉することは、空気ポンプを用いて1つ以上の基板に向かう空気の流れを促進することを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、1つ以上の基板は、基板の本体から離れた方を向く、改質表面を含む。粒子は、1つ以上の基板の改質表面に付着することによって1つ以上の基板上に捕捉される。
【0017】
いくつかの実施形態では、粒子が捕捉される1つ以上の基板の少なくとも一部は、粒子の捕捉が可動のテープの別の部分で実行されるように可動のテープを前進させることによって補充される。
【0018】
いくつかの実施形態では、粒子が捕捉される1つ以上の基板の少なくとも1つの表面がクリーニングされる。
【0019】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの表面のクリーニングは、機械的クリーナーおよび静電クリーナーのうちの1つ以上を用いて実行される。
【0020】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの表面を、静電クリーナーを用いてクリーニングするため、捕捉された粒子は、第1の電荷に等しい第3の電荷で帯電される。捕捉された粒子を第3の電荷で帯電させることにより、粒子は、1つ以上の基板から離れて分離する。
【0021】
いくつかの実施形態では、1つ以上の感知動作は、光学感知、音響感知、電磁感知、および誘電感知のうちの1つ以上を実行するように構成された1つ以上のセンサによって実行される。
【0022】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、最適な感知を実行するように構成され、1つ以上のセンサはカメラを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、1つ以上の感知動作は光学感知を含む。1つ以上の感知動作のうちの光学感知を実行するため、1つ以上の基板は照らされ、1つ以上の基板上に捕捉された粒子によって散乱する散乱光が検出される。
【0024】
いくつかの実施形態では、照らすことは、視射角で1つ以上の基板に向けられた光を用いて実行される。
【0025】
いくつかの実施形態では、1つ以上の基板上に捕捉された粒子を撮像することは、捕捉された粒子によって散乱する散乱光に少なくとも部分的に基づく。
【0026】
いくつかの実施形態では、1つ以上の感知動作の結果は、1つ以上の基板上に捕捉された粒子の1つ以上の画像を含む。捕捉された粒子を分析することは、捕捉された粒子の画像から粒子に対応する粒子データを識別することを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、捕捉された粒子を分析することは、汚染または粒子状物質情報を、粒子データに基づいて計算することを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、動的調節は、粒子を捕捉するステップ、1つ以上の感知動作を実行するステップ、および捕捉された粒子を分析するステップのうちの1つ以上の態様に対する調節を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、動的調節は、(1)粒子が捕捉される空気の体積を調節することと、(2)粒子の捕捉、1つ以上の感知動作の実行、または捕捉された粒子の分析を実行するタイミングを調節することと、3)1つ以上の基板またはその表面を補充またはクリーニングすることと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0030】
粒子状物質を監視するためのシステムの例示的な一実施形態では、基板が、電気集塵およびろ過ベースの捕捉のうちの1つ以上を用いて基板上で空気からの粒子を捕捉する。センサが、捕捉された粒子に対して1つ以上の感知動作を実行する。少なくとも1つのプロセッサが、センサに、捕捉された粒子に対して1つ以上の感知動作を実行させる。基板、センサ、および少なくとも1つのプロセッサは、通信可能に連結される。粒子が基板上に捕捉されると、粒子は、1つ以上の感知動作を粒子に対して実行するのに十分長い期間にわたって維持され得る基板に対する制御位置にくる。
【0031】
いくつかの実施形態では、基板は導電性材料を含む。粒子を基板上に捕捉するために、基板は、第1の電荷で帯電され、粒子は、空気中で、第2の電荷で帯電され、第2の電荷は第1の電荷の反対である。粒子を第2の電荷で帯電させることにより、粒子が、基板に向かって、またこの上へとそれる。
【0032】
いくつかの実施形態では、基板はフィルターを含む。粒子を基板上に捕捉するために、空気は、基板のフィルターを通って、またはこの上を流れることができ、それによって、空気中の粒子を、フィルターのうちの1つ以上によって捕捉させる。
【0033】
いくつかの実施形態では、基板は、可動のテープの1つ以上の部分によって形成され、可動のテープは、1つ以上の基板上での粒子の捕捉と同時に粒子が捕捉されない、他の部分を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、空気ポンプが、空気の流れを増減させるように動作可能である。粒子を基板上に捕捉するために、空気ポンプは、基板に向かう、粒子を含有する空気の流れを増減させる。
【0035】
いくつかの実施形態では、基板は、基板の本体から離れた方を向く、改質表面を含む。粒子は、基板の改質表面に付着することによって基板上に捕捉される。
【0036】
いくつかの実施形態では、粒子が捕捉されるテープの少なくとも一部は、粒子の捕捉が可動のテープの別の部分で実行されるように可動のテープを前進させることによって補充される。
【0037】
いくつかの実施形態では、粒子が捕捉される基板の少なくとも1つの表面は、クリーニングされる。
【0038】
いくつかの実施形態では、基板の少なくとも1つの表面のクリーニングは、機械的クリーナーおよび静電クリーナーのうちの1つ以上を用いて実行される。
【0039】
いくつかの実施形態では、基板の少なくとも1つの表面を、静電クリーナーを用いてクリーニングするため、捕捉された粒子は、第1の電荷に等しい第3の電荷で帯電される。捕捉された粒子を第3の電荷で帯電させることにより、粒子は、基板から離れて分離する。
【0040】
いくつかの実施形態では、センサは、光学感知、音響感知、電磁感知、および誘電感知のうちの1つ以上を実行する。
【0041】
いくつかの実施形態では、カメラを含むセンサは、最適な感知をを用いて1つ以上の感知動作を実行するように構成される。
【0042】
いくつかの実施形態では、1つ以上の感知動作のうちの最適な感知を実行することは、照明光源に基板を照らさせることと、基板上に捕捉された粒子によって散乱する散乱光を、センサによって検出することと、を含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、基板を照らすために、照明光源は、視射角で基板に光を向ける。
【0044】
いくつかの実施形態では、センサは、捕捉された粒子によって散乱する散乱光に少なくとも部分的に基づいて、捕捉された粒子を撮像する。
【0045】
いくつかの実施形態では、捕捉された粒子は、1つ以上の感知動作の結果に基づいて分析される。
【0046】
いくつかの実施形態では、1つ以上の感知動作の結果は、基板上に捕捉される粒子の1つ以上の画像を含む。捕捉された粒子を分析するために、粒子に対応する粒子データが、捕捉された粒子の画像から識別される。
【0047】
いくつかの実施形態では、捕捉された粒子を分析することは、汚染または粒子状物質情報を、粒子データに基づいて計算することを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、システムまたはその動作の態様が、動的に調節される。
【0049】
いくつかの実施形態では、動的調節は、(1)粒子が捕捉される空気の体積を調節することと、(2)空気からの粒子の捕捉、または1つ以上の感知動作のタイミングを調節することと、3)基板またはその表面を補充またはクリーニングすることと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、センサは撮像デバイスである。
【0051】
いくつかの実施形態では、撮像デバイスは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)ベースの画像センサまたは電荷結合素子(CCD)ベースの画像センサのうちの1つである。
【0052】
いくつかの実施形態では、基板は、光を透過させるように動作可能な、パターン化された導電性層またはパターン化された導電性フィルムを含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、パターン化された導電性フィルムは、酸化インジウムスズ(ITO)である。
【0054】
いくつかの実施形態では、基板は、照明光の導波管を形成する。
【0055】
いくつかの実施形態では、導波管は、二酸化ケイ素を含む機械要素を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、散乱光は、複数の波長の光で散乱する。
【0057】
いくつかの実施形態では、照明光源は、近紫外線(UV)または可視光である。
【0058】
いくつかの実施形態では、基板および/またはセンサは、互いに対して移動する。
【0059】
いくつかの実施形態では、基板は可撓性である。
【0060】
粒子状物質を監視するためのシステムの例示的な一実施形態では、粒子捕捉サブシステムが、基板を含む。粒子捕捉サブシステムは、基板上に空気から粒子を捕捉するように動作可能である。感知サブシステムが、基板上に捕捉された粒子に対して感知動作を実行するための1つ以上のセンサを含む。補充サブシステムが、基板または基板の表面を、その上に捕捉された粒子のすべてまたは一部を除去することによって、補充する。解析サブシステムが、粒子に対して実行された感知動作の結果に基づいて分析動作を実行する。
【0061】
本出願は、添付図面と共に理解される、以下の詳細な説明から、さらに十分に理解されるであろう。
【0062】
〔詳細な説明〕
特定の例示的な実施形態を説明して、本明細書に開示するシステムおよび方法の構造、機能、製造、および使用の原理の全体的な理解を提供する。これらの実施形態の1つ以上の実施例が、添付図面に示されている。当業者は、本明細書に具体的に記載し、添付図面に例示するシステムおよび方法が、非限定的な例示的な実施形態であること、また、本開示の範囲が、特許請求の範囲によってのみ定められることを、理解するであろう。例示的な一実施形態に関連して例示または記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような改変および変形は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。本開示では、さまざまな実施形態の同様の符号の構成要素は一般的に、それらの構成要素が同様の性質のものであり、かつ/または同様の目的に役立つ場合、同様の特徴を有する。当業者は、本開示を考慮すれば、さまざまな図面にわたる同様の符号の構成要素が類似しているさまざまな場合を理解するであろう。さらに、いくつかの場合、当業者に理解されるか、別様に既知であり、かつ/または本開示で提供される、さまざまな用語は、互換的に使用されている。非限定的な実施例として、捕捉するおよび収集する、デバイスおよびシステム、光および照明などの用語は、本明細書では互換的に使用され得る。
【0063】
本明細書で提供されるシステムおよび方法は、基板上で粒子を捕捉し、粒子が捕捉されている間に感知動作を実行することによって、大気粒子状物質(PM)を監視するためのものである。記載されるシステムおよび方法は、本明細書に記載され、当業者に既知であるさまざまな感知動作を実行し得るが、1つの感知動作は、カメラなどの画像センサを用いた、捕捉された粒子の撮像である。さらに、記載されるシステムおよび方法は、大気粒子状物質の監視で使用されるように本明細書に記載されているが、これらは、水を含む他の流体環境を監視するように容易に適応され得る。この目的で、PMセンサまたはシステムは、捕捉されている間に撮像するために空気から粒子を捕捉する。粒子は、粒子を基板に向かって駆動するか、または引き寄せるために、静電および/または機械的ツールおよび技術(互換的に「捕獲器」と呼ばれる)、例えば高性能微粒子捕集効率(HEPA)フィルターで使用される電気集塵またはろ過機構を用いて、捕捉され得る。本明細書に記載するように、さまざまなツールおよび技術が使用され得、PMシステムの目的(例えば、粒子が空気から捕捉されているか、または流体から捕捉されているか)に基づき得る。小さい粒子は、表面改質がなくても大部分の表面にくっつく傾向があるが、基板表面は、いくつかの実施形態では、付着を高めるか、または制御するために、改質され得ることを理解されたい。例えば、本明細書に記載するように、接着層(例えば、接着グルーの層)、または分子層が、提供され得る。さらに、いくつかの実施形態では、ガラス基板が、シランの化学的性質(chemistry)を用いて、改質されて、基板の表面を、親水性、疎水性、親油性、疎油性などにすることができる。他の基板は、マイクロスケールまたはナノスケールでテクスチャを付けられて、クリーニングを容易にするか、または別様にデバイスの機能を高めることができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、静電粒子捕捉ツールおよび技術は、電気集塵および/または電気集塵器の使用を含み得、これにより、空気からの粒子は、粒子および基板をそれぞれ反対の電荷で帯電させることによって導電性基板に向かって、また導電性基板へとそれる。すなわち、それぞれ反対の電荷により、粒子は基板まで駆動され、そこで捕捉される。機械的粒子捕捉ツールおよび技術は、ろ過システムの使用を含み得る。ろ過システムは、基板として機能するフィルターおよび/または繊維のマットで構成され得る。フィルターおよび/または繊維は、空気がその中を通って流れると、空気から粒子を横取りするように構成される。粒子が捕捉される空気の流れまたは空気の体積は、空気ポンプ、空気注入もしくは排気システム、または当業者に既知である空気を動かす任意の他の方法によって、制御され得る。いくつかの実施形態では、例えば風による、空気の自然な動きは、空気を受動的にサンプリングするのに使用され得る。PMシステムは、通過する空気の量を測定するためにエアフローセンサを含むか、またはこれに通信可能に連結され得る。
【0065】
さらに本明細書に記載するPMセンサに関連して、捕捉された粒子は、画像センサなどのセンサを使用して感知されるか、または読み取られ得る。当然、他のタイプの感知が、センサによって提供され得、これには、それぞれ設定されたセンサを用いた、光学感知、音響感知、電磁感知、誘電感知、および当業者に既知の他のものが含まれる。画像センサは、カメラ、および粒子が捕捉される基板に光を向ける照明光源を含み得る。光は、紫外線(UV)(例えば、近紫外線)光、または発光ダイオード(LED)からの光であってよい。照明光源は、光を基板に向け、基板上で捕捉された粒子が光を散乱させるように、位置づけられ得る。いくつかの実施形態では、(例えば、反射によって生じる)画像センサの直接照明を避けるため、光は、視射角で向けられ得、かつ/または、基板は、導波管として構成され得る。次に、散乱光は、カメラによって検出され、これに基づいて、粒子の画像を得ることができる。デジタル画像または感知結果は、センサによって、または、クラウドコンピューティングシステムもしくは管理システムなどの、関連デバイスもしくは通信可能に連結されたデバイスによって、記憶され得る。
【0066】
センサによって得られた画像または他の感知もしくは読取結果は、大気汚染分析など、それに関する分析を実行するために使用され得る。このような分析は、粒子情報(例えば、サイズ、位置、分布)を検出もしくは算出すること、または、それから他のデータ(例えば、タイプ、供給源)を導き出すこと、を含み得る。算出された情報または導き出されたデータのタイプは、いくつかあるものの中で特に、PMセンサの目的またはターゲットに応じて、大きく変化し得る。例えば、屋内に(例えば、建物内に)配されたPMセンサは、屋外に(例えば、交通信号上に)位置づけられたPMとは異なるタイプの粒子データ(例えば、汚染物質のタイプ、供給源など)を検出するように、プログラムされ得る。感知された粒子の分析は、PMセンサによって、および/またはPMセンサの解析システムによって、ローカルに実行され得ることを、理解されたい。分析は、データ(例えば、粒子感知結果、履歴データ、閾値、モデル、ルール)を記憶し、かつ/または例えば、サービスおよびアプリケーションへのアクセスを提供することができる、関連するか、または通信可能に連結されたシステム、例えばクラウドコンピューティングシステムもしくは管理システムによって、またはこれと共に、実行され得る。分析の結果は、さらなるアクション、例えば準備、治療、または抑制イベントを判断および/またはトリガーするように記憶されるか、またはさらに処理され得る。空気の監視、またはその一部は、PMセンサの目的およびその特徴に基づいて最適または好適とみなされる場合、連続して、または断続的に、実行され得る。例えば、粒子収集は、連続して実行され得、撮像ならびに他の検知および分析は、間隔を置いて(例えば毎時)実行される。
【0067】
粒子が収集される基板は、補充されて、例えば、基板上での粒子の継続した蓄積が、PMセンサを無用にしないことを確実にすることができる。この目的で、基板は、粒子が捕捉される基板の表面をクリーニングすることによって、および/または粒子が捕捉される表面の一部を交換することによって、補充され得る。基板または基板表面のクリーニングは、静電および/または機械的ツールおよび技術の使用を含み得る。静電クリーニングは、逆の電荷(reverse charge)(例えば、基板の電荷に等しい電荷)を捕捉された粒子に印加し、これらを基板から切り離すか、または係合解除させることを含む。機械的クリーニングアプローチは、粒子を基板から切り離すか、または係合解除させるために、ブラシの使用、振動、加熱などを含む。
【0068】
クリーニングに加え、またはその代わりに、基板または基板の表面は、交換されて、それによって、分析のために粒子が捕捉され得る、粒子を含まないエリアを提供することができる。この目的で、PMセンサは、テープのロールを含むテープケースを含み得る。テープのロールにおけるテープは、基板自体として機能でき、または、基板の上に配され得る。テープのあるセクションは、露出され、粒子が蓄積し得るエリアとして使用される。所望の時間に、例えば多数の粒子がテープのそのセクション上に収集されたときに、テープケースは、テープを前進させて、テープの新しい(例えば、粒子を含まない)セクションを、粒子が蓄積されるエリアとして、露出させ得る。粒子が蓄積しているテープのセクションは、次の試験または分析のため、後で物理的に保管され得る。基板または基板表面の補充は、光学的(optical)または好適とみなされる任意の時間に実行され得、これには、スケジュールに対応する時間または動的に決定された時間が含まれる。
【0069】
本明細書に記載されるPMセンサは、大気粒子状物質の動的な監視に備える。この目的で、監視プロセス全体にわたり、PMセンサは、動的調節が、識別された要件またはオプションによってトリガーされているかどうかを、リアルタイムで識別し得る。動的調節(および他のトリガーされたアクションまたはプロセス)が、識別された要件(例えば、ハードルール、閾値)によって、または、識別されたオプション(例えば、ソフトルール、ユーザの希望の手動入力)によって、トリガーされ得ることを、理解されたい。動的調節の例としては、粒子を捕捉するために収集された空気の体積、構成要素(例えば、センサ、照明光源)の位置づけ、撮像仕様(例えば、波長)、補充、ダイナミックレンジ、および本明細書に記載され当業者に既知である他のものに関するものが含まれる。このように、PM監視システムは、最適な粒子感知および分析を提供し、その機能性を最適化することができる。
【0070】
大気粒子状物質監視エコシステム
図1は、例えば本明細書に記載するような粒子状物質(PM)センサを用いて、大気粒子状物質を監視するためのエコシステム100の例示的な実施形態を示す。エコシステム100は、さまざまなシステム、センサ、物体、ネットワーク、インフラストラクチャーなどを含み、これらは、いくつかの実施形態では、大気粒子状物質データを収集および監視し、監視に基づいてアクション、イベント、機能などをトリガーするのに使用され得る。大気粒子状物質監視エコシステム100は、任意の数およびタイプの相互接続されたシステム、センサ、物体、ネットワーク、インフラストラクチャーなどを含み得、そのうち、
図1に示すものは、例示的な実施例として役立つことを、理解されたい。例えば、エコシステム100は、モノのインターネット(IoT)、公共もしくは私的ネットワーク、または相互接続されたデバイスの任意の同様のセットを指すことができる。示された例示的な粒子状物質監視エコシステム100では、データが、本明細書に記載するものおよび当業者に既知の他のものなどの基準またはプロトコルを用いて、有線または無線通信を介して、伝送され得ることも、理解されたい。
【0071】
図1に示すように、エコシステム100は、スマート環境101を含み、これは、ネットワーク103を介して、クラウドコンピューティングシステム105および管理システム107に接続されている。スマート環境101は、データを収集および/もしくは通信し得るハードウェア(例えばセンサ)もしくは機能性を備えているか、またはこれを有する、任意の物体、構造体、またはエリアであってよい。例えば、スマート環境101は、車および飛行機などの物体、建物もしくは住宅などの構造体、または街路、近所、もしくは都市などのエリアであってよいか、またはこれらを含み得る。いくつかの実施形態では、スマート環境101は、大気粒子状物質の監視が望まれるか、好ましいか、または必要とされる、物体、構造体、および/またはエリアである。大気粒子状物質の監視が実行される場合の非限定的な例としては、とりわけ、環境インパクトテスト、会計検査、およびコンプライアンス管理、ならびに緊急応答補助のためのものが含まれる。
【0072】
前述したとおり、スマート環境101は、さまざまなデバイスのうちの1つ以上を含んでよく、これは、電子機器、ソフトウェア、センサ、アクチュエータ、および/またはそれらがデータを収集しかつ/または互いと通信する(例えばデータの送信および/もしくは受信)のを可能にする接続性が埋め込まれているか、またはこれらを含む。デバイスという用語は、システム、サブシステム、および当業者に既知の他の電子機器もしくはコンピューティングコンポーネントを指すのに使用され、それらはすべて、本明細書で互換的に使用され得ることを、理解されたい。さらに、当業者に既知のとおり、スマート環境101のデバイスは、伝統的にはデータの収集も通信もできないが、それを行うための機能性(例えば、センサ、接続性)を備えているか、またはそれと共に構成されている、物体、アイテム、または物であってよいか、またはそれらを指し得ることを、理解されたい。
【0073】
図1に示すように、スマート環境101は、デバイス101d-1、101d-2、・・・、および101d-n(集合的に本明細書では「101d」または「デバイス101d」と呼ぶ)を含み得る。スマート環境101がスマートシティである例示的な一実施形態では、デバイス101dは、例えば、センサ、都市のライト、建物、交通信号、カメラ、アラームなどの固定された物体、または電車、自動車、モバイルデバイス、コンピュータなどの受動物体であってよいか、またはこれらを含み得る。デバイス101dはそれぞれ、一群の構成要素(例えば、さまざまなセンサを有する建物)を指すことができ、または、一群の構成要素のうちの特定の1つ(例えば、建物内の単一のセンサ)を指すことができると、理解されたい。
【0074】
スマート環境101における一種のデバイスはPMセンサであり、以下、PMセンサ101d-1と呼ばれるが、スマート環境101は、任意の数のPMセンサを有し得る。PMセンサ101d-1は、例えばその意図する目的および/またはスマート環境のタイプに応じて、さまざまな方法で装備または配備され得る。例えば、PMセンサ101d-1は、建物内部の空気の質を監視するためにスマートビルディング内の屋内で、または、都市の屋外の空気の質を監視するためにスマートシティで、使用され得る。いくつかの実施形態では、PMセンサ101d-1は、汚染物質について測定されている空気または空気流への十分なおよび/または最適な曝露を有し得るように、位置づけられる。PMセンサ101d-1およびその機能性は、以下でさらに詳細に説明する。
【0075】
前述したとおり、スマート環境101は、ネットワーク103を介してクラウドコンピューティングシステム105および管理システム107に接続されて、例えば集中型の監視および機能性(例えば、サービス、ストレージ)を提供する。単一のクラウドコンピューティングシステム105および単一の管理システム107が
図1に示されているが、エコシステム100は、任意の数のクラウドコンピューティングシステム105および/または管理システム107を含み得ることを、理解されたい。クラウドコンピューティングシステム105は、パブリッククラウドもしくはプライベートクラウドであってよいか、またはそれらを含み得る。
【0076】
ネットワーク103は、1つ以上のネットワークを含み得ることを、理解されたい。ネットワーク103の非限定的な例は、インターネット、プライベートエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、企業のプライベートネットワーク(EPN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)などを含む。ネットワーク103を介した通信、および/またはエコシステム100のシステム間(例えば、デバイスとデバイス、デバイスとクラウド)の本明細書に記載する他の通信は、}Wi-Fi、ブルートゥース、ブルートゥース・ロー・エナジー(BLE)、およびセルラー(例えば、3G、4G、LTE)もしくは衛星通信サービスを含む、当業者に既知のさまざまな有線および無線技術、基準、およびプロトコルを用いて実行され得ることを理解されたい。
【0077】
クラウドコンピューティングシステム(本明細書では「クラウド」とも呼ばれる)105は、共有のコンピューティングデバイスと、スマート環境101および/または管理システム107のものなどのシステムおよびデバイスにアクセス可能なデータとから構成された、インフラストラクチャーを指す。共有のコンピューティング資源は、ネットワーク、サーバー、ストレージ、アプリケーション、およびサービスを含み得る。当業者は、任意のタイプのデータおよびデバイスをクラウド105に含め得ることを理解するであろう。クラウド105内のコンテンツの非限定的な一例は、例えばPMセンサ101d-1から収集された、大気粒子状物質データを含む。クラウド105内のアプリケーションおよびサービスは、PM監視アプリケーションなどを含み得、これは、本明細書に記載し、当業者に既知であるような、大気粒子状物質データの監視、解析および/または他の処理を提供するのに使用され得る。スマート環境101がスマートシティである例示的なシナリオでは、PMセンサから収集された大気粒子状物質データは、例えば、クラウド105内に保管され得、そこから、例えば汚染の潜在的毒性レベルまたは汚染増加の予期せぬパターンを導き出すか、または識別するために、(例えば、PM監視アプリケーションによって)使用され得る。大気粒子状物質データを監視し、分析し、かつ/または処理するために単独で、または組み合わせて使用され得る、サービスおよびアプリケーション(例えばPM監視アプリケーション)は、クラウド105、管理システム107、および/または、本明細書には記載しない他のシステムおよび/もしくは存在(例えば、研究機関のシステム)に、記憶され、かつ/またはそれらによって提供され得ることを、理解されたい。いくつかの実施形態では、クラウド105は、データを分析し、フィードバック、指示などを出力するためにPM監視アプリケーションによって使用され得る、モデルおよびルールを記憶することができる。さらに、いくつかの実施形態では、クラウド105は、当業者には既知であるように、大気粒子状物質データの分析中に人工知能ツールおよび技術を含むか、または利用することができる。
【0078】
管理システム107は、PMセンサ101d-1から収集された大気粒子状物質データを監視および/もしくは管理するのに使用されるか、または使用され得る1つ以上のシステムまたはデバイスを指す。例えば、PMセンサ101d-1がスマートシティタイプのスマート環境101の一部である、例としてのシナリオでは、管理システム107は、公共サービスシステム(例えば、公共施設)、公共安全システム(例えば、消防士、警察官)、および健康システム(例えば、病院)など、スマートシティ101によって管理されるか、またはこれに対応するいくつかのシステム(例えば、コンピューティングデバイス)から構成され得る。管理システム107は、さらに、または代わりに、スマートフォンなどの単一のデバイスであってもよい。例えば、PMセンサ101d-1がスマートホーム型のスマート環境101の一部である、例としてのシナリオでは、管理システム107は、住宅所有者によって、その家の汚染を監視および/または管理するのに使用される1つ以上のスマートフォンのように単純であってよい。スマート環境101とは別個に例示されているが、いくつかの実施形態では、管理システム107は、スマート環境101の一部であってよい。例えば、PMセンサ101d-1を備えたスマートホームのコンピューティングシステムは、環境101の接続されたデバイス101dのうちの1つとして(例えば、音響データなどのデータを収集するセンサとして)、また(例えば、大気粒子状物質データを管理/監視する)管理システム107として、役立ち得る。いくつかの実施形態では、管理システム107およびスマート環境101(またはそのデバイス101d)は、例えばブルートゥース、近距離無線通信、BLE、または当業者に既知の他のプロトコルおよび基準を用いて、ネットワーク103を介するのではなく、直接通信し得ることを理解されたい。
【0079】
前述したクラウド105のストレージおよびサービス(例えばPM監視アプリケーション)は、例えば、ネットワーク103を介して、管理システム107によってアクセスされ得ることを、理解されたい。いくつかの実施形態では、管理システム107は、クラウドベースのサービスおよび/またはクラウド105からの大気粒子状物質データにアクセスして、PM監視、管理または他の解析処理を提供することができる。いくつかの実施形態では、管理システム107は、代わりに、PM監視、管理、および解析のために、これらのストレージおよびサービスの一部またはすべてを提供し得る。例えば、管理システム107として設定されたスマートフォンは、収集された粒子から得られたデータをPMセンサ101d-1から受信し、その大気粒子状物質データを記憶し、かつ/またはローカルもしくはリモートアプリケーション(例えばPM監視アプリケーション)を、監視、管理、およびデータのもしくはデータでの他の解析の提供のために展開することができる。
【0080】
大気粒子状物質データを監視し、管理し、かつ/または別様に分析することは、以下でさらに詳細に説明する。にもかかわらず、収集されるか、計算されるか、または別様に処理されたデータは、(例えば、将来の調査、履歴の記録などのため)単に記憶され得、または1つ以上のアクションもしくはイベントをトリガーするのに使用され得ることを、理解されたい。例えば、感知された大気粒子状物質データの分析に基づいて、PM監視アプリケーションは、アラームをトリガーさせ、通知を送達させ、システムをオンにさせ(例えば、通気)、また、とりわけ、他の予備的もしくは救済的アクションを開始させ得る。感知された大気粒子状物質データを用いて実行され得る多くの処理および解析ステップ、ならびにそれによってトリガーされ得る、さまざまなその後のアクションを、当業者は理解するであろう。
【0081】
大気粒子状物質(PM)センサ
前述したとおり、大気粒子状物質(PM)センサ(「PMセンサ」とも呼ぶ)、例えばPMセンサ101d-1は、とりわけ、粒子を捕捉し、捕捉された粒子を識別し、捕捉された粒子から収集した情報に基づいて解析を実行することによって、大気PM物質を監視するために環境に配備され得る。
図2は、
図2では素子「202」と標識され、以下では互換的に「202」または「PMセンサ202」と呼ぶ、
図1のPMセンサ101d-1のシステム構造図を示す。
図2に示すように、いくつかの実施形態では、PMセンサ202は、粒子を基板上に捕捉するための粒子捕捉サブシステム202aと、捕捉された粒子に対して感知動作を実行するための感知サブシステム202bと、粒子が捕捉された基板をクリーニングまたは補充するための補充サブシステム202cと、捕捉された粒子の感知に基づいて解析動作を実行するための解析サブシステム202dと、を含み得る。これらのサブシステムの機能性の概要は、例示的な実施形態によるPMセンサ202の動作原理を示す、少なくとも
図3に関連してこれから説明する。
【0082】
一般的に、粒子捕捉サブシステム202aは、
図3に示すように、空気中の粒子P1、P2、P3、P4、P5、P6など(集合的に「P」または「粒子P」)を基板202a-1に向けて、かつその上へと駆動するのに使用され得る。粒子Pは、例えばポンプおよび/または電気集塵器(ESP)(
図2には示していない)を用いて、基板202a-1に向けて駆動され得る。捕捉された粒子P4、P5、およびP6(集合的に「CP」または「捕捉された粒子CP」)は、基板202a-1上に収集される。次に、感知サブシステム202bは、収集された粒子CPに関する情報を検出または測定するのに使用される。以下でさらに詳細に説明するように、感知サブシステム101は、光学感知、音響感知、電磁感知、誘電感知、および当業者に既知の他のものを提供するように構成された、1つ以上のセンサ(および相補的な構成要素)を含み得る。例えば、
図3に示すように、感知サブシステム202bは、光学センサ202b-1、例えば感知素子(例えばピクセル)のアレイを含む電荷結合素子(CCD)または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)チップであるか、またはこれらを含み得る。基板は、
図3に示すように、粒子から散乱した光が1つ以上のピクセルによって受け取られるように、センサに近接していてよい。いくつかの実施形態では、感知サブシステム202b-1は、捕捉された粒子とチップまたは光学センサ202b-1との間に配された介在レンズまたはレンズシステムを含み得る。レンズまたはレンズシステムは、さまざまな倍率のカメラまたは顕微鏡に似た、光学センサ上の粒子から散乱した光の画像を作り出すのに使用され得る。
図3に示すように、感知サブシステム202b-1は、捕捉された粒子を照らす、照明光源(例えば光源)を含み得、粒子に光を散乱させ、センサ202b-1は、とりわけ、照明光源によって向けられた光の散乱に基づいて、情報を検出し得る。補充システム202cは、粒子CPが収集された基板または基板の表面をクリーニングおよび/または補充するのに使用され得る。感知サブシステム202bによって検出される、収集された粒子CPのデータ(例えば画像)は、解析サブシステム202dに送信されるか、または解析サブシステム202dが利用できるようにされ、解析サブシステムは、次に、データを分析して、とりわけ、PMセンサ202の目的または設定にしたがって、収集された粒子CPおよび/または粒子が収集される環境(例えばスマート環境101)に関する情報を導き出すか、または計算することができる。以下でさらに詳細に説明するように、解析サブシステム202dの機能性のすべてまたは一部は、PMセンサ202において、もしくはPMセンサ202によって、および/または1つ以上の接続されたデバイス(例えば、クラウドコンピューティングシステム105、管理システム107)によって、提供され得る。
【0083】
図4は、PMセンサ302の例示的な一実施形態の外側の斜視図を示す。図示のとおり、PMセンサ302は、空気の取り込みを駆動するかまたは促進するポンプ302a-1と、粒子が捕捉される基板の一部として機能するか、もしくはそのような基板の一部であってよいテープケース302a-2と、少なくともテープケース302-a-2を駆動するように構成されたモータ302a-3と、を含む。ポンプ302a-1、テープケース302a-2、およびモータ302a-3は、PMセンサ302の捕捉サブシステム302aの一部を形成するか、またはそのような一部であってよい。
図3には示されていないが、本明細書に記載するように、捕捉サブシステム302aは、基板、集塵器、ろ過システム、および当業者に既知の他のものなど、粒子を捕捉するための他の特徴部および/または構成要素を含み得ることを理解されたい。依然として
図4を参照すると、PMセンサ302は、照明光源302b-1およびセンサ302b-2を含み、これらは一緒に感知サブシステム302bの一部を形成するか、またはそのような一部である。いくつかの実施形態では、テープケース302a-2(および/またはその中のテープ)ならびにモータ302a-3は、さらに、または代わりに、補充サブシステム302cの一部を形成し得る。すなわち、モータ302a-3は、テープケース302a-2内に配されたローラーを起動させるのに使用され得、これによって、次に、粒子が収集されたテープは、テープのロールまたはストリップからのテープの新しくきれいなまたは粒子を含まないセクションと交換され得る。
図4には示していないが、PMセンサ302は、得られた粒子データを処理するために解析サブシステムを含み得ることを、理解されたい。解析サブシステムは、PMセンサ302に埋め込まれるか、またはこれに通信可能に連結され得る。
【0084】
PMセンサ202およびそのサブシステムは、少なくとも
図5のアクティビティ図に関連してさらに詳細に説明する。
【0085】
大気PM監視およびPMセンササブシステム
図5は、大気粒子状物質(PM)を監視するための例示的な1つのプロセス400を示すアクティビティ図である。プロセス400では、大気粒子状物質の監視は、
図2のPMセンサ202などのPMセンサ、およびそのサブシステムを用いて実行され得る。PMセンサのサブシステムは、
図5の監視プロセスに関連して以下で説明する。
【0086】
粒子捕捉サブシステム
図5に示すように、監視プロセスは、ステップ450で始めることができ、ステップ450では、空気が環境から収集され、空気からの粒子は、PMセンサ202の粒子捕捉サブシステム202aによって捕捉される。さまざまな技術を使用して、空気をPMセンサ202内へ、および/または基板に向かって駆動し、収集された空気から粒子を捕捉することができる。このような技術は、機械的圧縮、吸引もしくは放散ベースの捕捉、静電捕捉、音響および/もしくは誘電泳動力(dieletrophoretic forces)を用いた捕捉、空気を含む流体中で粒子を操作する手段、および当業者に既知の他のもののうちの1つ、または組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、粒子の捕捉は、空気からの粒子を基板に向かって、また基盤へとそらすことを含む。いくつかの実施形態では、粒子の捕捉は、捕捉された粒子が基板と接触しているか、または基板と接触している別の粒子もしくは物体と接触していることを含む。いくつかの実施形態では、粒子の捕捉は、粒子が基板と接触しているか、または実質的に近接している間に、粒子の位置を制御することを含む。粒子の捕捉は、いくつかの実施形態では、所望の感知動作を粒子に対して実行するのに十分長い時間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、粒子は、十分な付着または捕捉力で、基板と接触しているか、または実質的に近接している場合に、捕捉されたとみなされ、粒子は、一定の空気もしくは空気流条件下では、または逆もしくは切り離しアクションもしくは力が加えられなければ、基板から分離せず、また、捕捉されなくはならない。
【0087】
いくつかの実施形態では、捕捉サブシステム202aは、収集された空気から粒子を捕捉するために電気集塵を実行するように構成され得る。当業者には既知であるように、電気集塵は、電位または電荷が生成され、収集された空気に印加される技術である。電荷は、空気の流れを妨げずに空気から粒子を分離するように構成される。
図6は、例示的な実施形態に従って、電気集塵を用いて空気から粒子を捕捉するための一連のステップ500を示す。
図6に示すように、ステップ550では、粒子捕捉サブシステム202aは、基板202a-1および電極202a-2を含む。
図6は、サブシステム202a内部で、粒子P1、P2、およびP3などを囲む無色のエリアで示されている、空気中に含まれる例示的な粒子P1、P2、およびP3も示す。
【0088】
次に、ステップ552では、電荷Eが電極202a-2に印加され、電荷担体C1、C2、C3など(集合的に「C」もしくは電荷担体C」)が、生成され、収集された空気中に分散する。電極202a-2に印加された電荷Eは、基板202a-1の電荷とは反対であることを、理解されたい。ステップ554では、電荷Eを電極202a-2に印加することによって放出された電荷担体Cは、次に、粒子Pによって拾われて、荷電粒子Pを、逆荷電基板202a-1に向かってそらすか、またはこれに引き寄せる。電荷を電極202a-2に印加し続け、よって、電荷担体Cを粒子Pに印加し続けることにより、粒子Pが、
図6のステップ556に示すように、基板202a-1において捕捉または堆積される。いくつかの実施形態では、電気集塵は、基板202a-1から粒子を除去するのに使用され得る。ステップ558で示すように、ステップ552で印加された電荷とは逆の電荷Eが、電極220a-2に印加され、それによって、粒子は、同荷電基板220a-1から分離される。いくつかの実施形態では、ステップ558の電気集塵を用いた粒子の除去が、以下でさらに詳細に説明するように、補充プロセスに関連して実行され得ることを、理解されたい。
【0089】
図7は、電気集塵を実行するための電荷生成および分布の例としての一実施形態を示す図である。より具体的には、
図7は、粒子捕捉サブシステム202aの例示的な構成要素を示す。図示のとおり、粒子捕捉サブシステム202aは、DC電源202a-3と、イオン発生器202a-4と、電極202a-2を構成するイオン放出ブラシと、複数の基板202a-1(その上で粒子を捕捉するそれらの構成を考慮し、互換的に「捕捉基板」と呼ばれる)と、を含み得る。いくつかの実施形態では、イオン発生器202a-4は、~3000Vの電圧と、1cc当たり19億個のイオンと、を生じ得る。捕捉基板202a-1は、非限定的な例示的な一実施例では、銅を含み得るか、もしくは銅で作られてよく、かつ/または金属研磨剤およびアルミナ懸濁液で研磨され得る。捕捉基板202a-1の非限定的な例示的な一実施例は、約99%の銅で形成され、約0.2mmの厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、捕捉基板は、約1cm
2ある。
【0090】
依然として
図7を参照すると、図から分かるように、DC電源202a-3は、正電荷および負電荷を発生し得る。正電荷および負電荷は、イオン発生器202a-4に伝達され得る。したがって、イオン発生器は、正電荷を電極202a-2に、負電荷を捕捉基板202a-1に伝達し得る。その結果、汚染された空気が捕捉基板202a-1間を流れるように駆動されるか、または許容されると、正電荷担体は、電極202a-2によって、収集された空気上へと放出される。捕捉基板202a-1の負電荷は、逆荷電粒子を基板202a-1に向かってそらす。粒子が除去された空気は、PMセンサ202から流出することができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、前述した電気集塵機能性に加えて、またはその代わりに、粒子捕捉サブシステム202aは、
図5のステップ450で空気を収集し粒子を捕捉するためのろ過システムを含み得る。機械的ろ過システムは、例えば、いくつかの実施形態では、粒子捕捉サブシステム202aにおいて、空気取り込みシステム、空気注入システム、空気ポンプ、真空ポンプ、および/または空気を動かし、かつ/もしくは粒子もしくは粒子状物質が捕捉される空気の流れを駆動するように構成された、任意のタイプのシステムもしくは方法を提供することによって、補助または促進され得る。いくつかの実施形態では、風などによる空気の自然な動きは、空気を受動的に動かすために使用または依存され得る。PMセンサは、PMセンサを通過する空気の量を測定するように構成されたエアフローセンサを含むか、またはこれに通信可能に連結され得る。いくつの実施形態では、PMセンサの容積(例えば、数ミリリットル)は、サンプリングされる空気の体積(例えば、数ミリリットルから1リットル超)と比べて小さい。例えば、PMセンサの基板面積は、いくつかの例示的な実施例では、約0.1mm×0.1mm未満から約1cm×1cm、また、およそ数平方センチメートル以上までの範囲であってよい。空気の流量は、いくつかの例示的な実施例では、毎分約1立方センチメートル(sccm)未満から、約10、100、1000、10,000、100,000sccmまたはそれ以上までの範囲であってよい。いくつかの実施形態では、PMセンサは、より小さい流速で粒子状物質をより効率的に捕捉できるように、空気を圧縮するよう構成され得る。
【0092】
図8は、例示的な実施形態によるろ過システム202a-5を示す。ろ過システム202a-5は、繊維(互換的に「ろ過膜」および「繊維膜」とも呼ばれる)で形成され、空気が中を通って流れるときに空気から粒子を捕捉するか、またはとらえるように構成された、フィルターなどであってよい。いくつかの実施形態では、フィルターおよび/またはその繊維は、粒子が捕捉される基板であると考えられ得ることを、理解されたい。例えばフィルターは、高性能微粒子捕集効率(HEPA)フィルターなどであってよい。いくつかの実施形態では、ろ過システム202a-5は、ランダムに配列され得る、繊維で形成され得る。当業者に既知であるように、繊維の特徴は、PMセンサ202の意図する目的に基づいて変化し得る。例示的な一実施例では、フィルター202a-5の繊維は、ガラス繊維で構成され、約0.5~約20μmの直径を有し、かつ/または約0.3μm超であるエアスペースを互いの間に有し得る。
【0093】
ろ過システム202a-5は、空気ポンプもしくは取り込みシステムと組み合わせるなどして機械的ろ過に使用されるか、または、本明細書に記載される電気集塵構成要素と組み合わせるなどして電気ろ過に使用され得る。
図9A、
図9B、および
図9Cは、粒子がろ過システム202a-5によって、すなわち横取り、衝撃、および放散それぞれによって、とらえられるか、もしくは捕捉されるか、または、それが可能となる、さまざまな方法を示している。横取りは、粒子とフィルターとの間で静電またはファンデルワールス力などの引力を使用し、それによって、粒子をフィルターの表面に引き付けることを指す。衝突に基づく捕捉は、フィルター表面への粒子の衝突(例えば、直接衝突)を指す。放散に基づく捕捉は、粒子のランダム運動を指し、これは、空気流と組み合わせて、フィルター表面での粒子の捕捉を生じる。機械的ろ過では、粒子は、横取り、衝撃、および放散のうちの1つ以上を通じてとらえられ得る。フィルター(例えば基板)の繊維によって捕捉された粒子は、次に、粒子に関する情報を入手するためにさらに測定または分析され得る。いくつかの実施形態では、ろ過システムは、電気集塵と共に使用されて、例えば、粒子の捕捉を高めることができる。例えば、前述したとおり、空気中の粒子は、フィルターおよび/もしくは繊維であるかまたはそれらを含み得る基板の電荷とは逆の電荷で帯電されてよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、テープまたは類似の物体が、粒子が捕捉される粒子捕捉サブシステムの基板202a-1として使用され得る。テープは、ロールまたはストリップで提供され得、ローラーによって動作され得る。したがって、テープは、粒子が捕捉され得るテープのロールまたはストリップから、きれいでありかつ/または粒子を含まない、テープの別のセクションを露出するために、所望の期間において機械的に前進され得る。いくつかの実施形態では、テープは、導電性材料で形成され得、電荷は、テープに伝達されて、
図6および
図7に関連して前述したように電気集塵をもたらし、それによって、逆荷電粒子を引き付けることができる。いくつかの実施形態では、テープは、ろ過システムに似ているか、またはそれに似るように構成された、繊維で作られ得、
図8、および
図9A~
図9Cに関連して前述したろ過システムと同じように、粒子は、感知のために横取りされるか、または捕捉され得る。いくつかの実施形態では、非導電性テープが、基板の表面として、または基板の表面上に設けられ得る。補充能力を提供する手段としてテープを使用することは、補充サブシステム202cに関連して以下でさらに詳細に説明する。
【0095】
いくつかの実施形態では、粒子が捕捉される基板は、基板上での粒子の付着または捕捉を高めるために改質または変化され得る。例えば、基板は、接着層(例えば、接着グルーの層)または分子層を含み得る。いくつかの実施形態では、ガラス基板は、シランの化学的性質を用いて、改質されて、基板の表面を、親水性、疎水性、親油性、疎油性などにすることができる。他の基板は、マイクロスケールまたはナノスケールでテクスチャを付けられて、クリーニングを容易にするか、または別様にデバイスの機能を高めることができる。
【0096】
依然として
図5の監視プロセスを参照すると、いくつかの実施形態では、PMセンサ202は、動的監視および調節をもたらすために、(例えば、その中に埋め込まれるか、または1つ以上の通信可能に連結されたシステムもしくはデバイスによって提供される)ハードウェアおよび/またはソフトウェアを含み得る。すなわち、いくつかの実施形態では、このような動的監視および調節が、(1)PMセンサ202、(2)センサ202のサブシステム、および(3)クラウド105および/または管理システム107など、PMセンサ202と通信しているシステムおよびデバイスの、埋め込まれるか、もしくは通信可能に連結されたハードウェアおよび/またはソフトウェアのうちの1つまたは組み合わせによって、識別され、トリガーされ、かつ/または実行され得る。例えば、
図5では、ステップ450で、いったん空気が収集され、粒子が捕捉されたら、ステップ452において、要求または要望によって動的調節がトリガーされるかどうか、またはトリガーされているかどうかについて、判断することができる。このような判断は、PMセンサ202、そのサブシステム、ならびに/またはこれらに通信可能に連結されたデバイスおよび/もしくはシステムのうちの1つ以上によって実行され得ることを、理解されたい。ステップ452の動的監視および判断(および、ステップ454の対応する調節の起こり得る実行)は、ステップ450の粒子捕捉に続くものとして例示されているが、動的監視に関するこのような判断および実行ステップは、特定のPMセンサ202について最適もしくは適切とみなされる場合、
図5に示すアクティビティ中にわたるさまざまな時点で、および/または他のプロセスと同時に、実行され得ることを、理解されたい。すなわち、このような動的処理は、例えば、空気を収集することおよび/もしくは粒子を捕捉すること(ステップ450)、動的調節が要求または要望によりトリガーされるかどうか、またはトリガーされているかどうかを判断すること(ステップ452)、ならびに、必要な調節(ステップ454)を反復して、調節がその反復に関連してこれ以上トリガーされないかもしくはトリガーされていないとステップ452で判断されるまで、実行すること、のフィードバックループを用いて、実行され得る。
【0097】
図5に示すように、いくつかの実施形態では、ステップ452で、PMセンサ202は、動的調節がトリガーされているかどうか(例えば、必要とされるか、または要望されているかどうか)を判断することができる。このような動的調節は、PMセンサ202、そのサブシステム、および/またはその/それらの機能性の任意の態様に関連し得る。判断は、例えば、(1)事前に記憶されるか、もしくは事前に決定され、かつ/または(2)リアルタイムで、自動的に、かつ/もしくはユーザ入力データと共に、識別され得る、モデル、ルールおよび/または閾値に基づいて、行われ得る。ステップ452の動的判断に関連して実行される動的チェックの非限定的で例示的な一実施例は、捕捉サブシステム202aによって収集または駆動されている空気の流れ(例えば、空気の体積)が調節する必要があるかどうか、または調節されるべきかどうかである。これは、例えば、ステップ450で収集されている空気の量または体積が、小さすぎるか、または大きすぎて所望の量の粒子状物質を分析のために捕捉できないか、またはとらえることができないと判断された場合に、当てはまり得る。さらに、いくつかの実施形態では、サンプリングされる空気の体積のこのような調節または調整は、低レベルの汚染から高レベルの汚染にPMセンサ202の感度および/またはセンサダイナミックレンジを合わせるために実行され得る。収集されている空気の量または体積を調節しなければならない、さまざまな理由が存在し得ることを、理解されたい。このような判断は、所与の量の空気が収集され、かつ/もしくは所与の収集時間が発生した後で行われ得、かつ/または、空気収集および粒子捕捉ステップ中にリアルタイムで行われ得る。
【0098】
依然として
図5のステップ452を参照すると、収集された空気の体積が測定され、その値は、例えば空気が収集されているときの、閾値の値または範囲と比較され得る。対応するルールが、その比較に基づいて適用され、空気流の増減が必要とされるか、もしくは要望されるかどうか(ステップ452からの「はい」の分岐)、またはそのような空気流が、いかなる空気流の調節も必要とされず要望されないように許容可能な閾値以内であるかどうか(ステップ452からの「いいえ」の分岐)を判断することができる。空気流の変化などの動的調節が、ステップ452において、必要とされるか、または要望されるとみなされた場合、そのような調節(または複数の調節)がステップ454で実行され得る。調節の種類は、閾値、ルールおよび/またはモデルに基づいていてよい。調節は、一連のサブステップまたはサブ調節を用いて実行され得、所望もしくは目標の閾値またはルールが達成されるまで漸進的な調節が行われることを、理解されたい。例えば、空気流を増やさなければならないと判断されたら、捕捉サブシステム202aは、所望のとおりまたは最適とみなされる場合に(例えば、一回もしくは漸進的に)調節されて、空気の体積の欠如を補う。空気流を増やす観点から、例えば、ポンプの動力または設定は、より多くの空気をPMセンサ202に注入するために増やすことができる。電気集塵が捕捉サブシステム202aによって使用される、いくつかの実施形態では、電極に対する、よって粒子に伝達される、電荷の量は、増やされ得る。本明細書に記載され、当業者に既知である、これらおよび他の種類の動的調節は、ステップ452および454それぞれにおいて、ならびにPM監視プロセス全体にわたって、トリガーされ(例えば、必要とされ、要望され)かつ実行されるよう判断され得ることを、理解されたい。さらに、このような判断および調節は、当業者に既知のさまざまな方法で実行され得る。
【0099】
次に、
図5に示すように、フォークノードN1において、PMセンサ202は、空気収集または粒子捕捉閾値が満たされているかどうかについて、ステップ456で判断を行い(フォークノードN1からのエッジE1)、かつ/またはステップ450で新たなもしくは継続した空気収集および粒子捕捉を実行する(フォークノードN1からのエッジE2)ことができる。すなわち、ステップ456で、PMセンサ202および/または粒子捕捉サブシステム202aは、例えば、閾値または所与の量もしくは体積の空気が収集されて粒子がそこから除去されているかどうか、空気を収集し粒子を捕捉する閾値時間に到達しているかどうか、および/または、閾値もしくは所与の量の粒子が捕捉されたかどうか、を判断することができる。例えば、PMセンサ202および/または捕捉サブシステム202aは、感知が、例えば、約5分ごとに、または約1時間粒子を捕捉した後で、実行されるようにプログラムされ得る。すなわち、PMセンサ202および/または捕捉サブシステム202aは、粒子が、表面上で、先に収集された粒子より上に蓄積し続ける、連続または不連続のサンプリング累積モードで動作され得るが、それにもかかわらず、大気汚染または粒子状物質レベルに関する情報を提供することができる。任意のこのようなルールおよび閾値、例えば空気収集、粒子捕捉、および粒子感知のためのスケジュールに関するものは、当業者に既知であるように、感知を開始するために適用または使用され得ることを、理解されたい。
【0100】
いくつかの実施形態では、関連する閾値、例えば空気収集または粒子捕捉閾値が満たされたと、ステップ456で判断された場合、PMセンサ202は、ステップ458で感知プロセスを実行する(ステップ456からの「はい」の分岐)。別の状況では、閾値が満たされていないとステップ456で判断された場合、PMセンサ202は、ステップ450で、空気の収集と粒子の捕捉を続ける(ステップ456の「いいえ」の分岐およびE2エッジ)。このような反復は、例えば、捕捉された粒子に対して感知動作が実行されるのをトリガーする閾値が満たされる(例えば、約1時間の粒子捕捉時間が発生している)まで、実行され続け得る。本明細書に記載するように、ステップ458で実行される、捕捉された粒子の感知は、PMセンサ202の感知サブシステム202bによって行われ得、これについてさらに詳細に説明する。
【0101】
感知サブシステム
前述したとおり、感知サブシステム202bは、ステップ450で捕捉された粒子に関する情報を測定および/または検出するように構成された、1つ以上のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素で構成される。例えば、感知サブシステムは、センサ、または同じかもしくは異なる感知能力を有するセンサもしくはセンサ素子のアレイを含み得る。感知サブシステム202bのセンサ、またはセンサのアレイによって提供され得る感知の種類の非限定的で例示的な例は、光学感知、音響感知、電磁感知、誘電感知、および当業者に既知の他の感知を含み得る。感知サブシステム202bに含まれるか、またはこれを形成するセンサおよび他の構成要素の数および種類は、PMセンサ202の種類および目的によって取得しようとする粒子に関する情報の種類に左右され得る。感知サブシステム202bのセンサの非限定的な例は、容量センサ、磁気センサ、超伝導量子干渉素子(SQUID)センサ、圧電センサなどを含み得る。いくつかの実施形態では、複数の感知方式が、捕捉された粒子に関する追加情報を得るために感知サブシステム202bによって使用され得る。さらに、センサは、感知素子のアレイを含み得、捕捉された粒子は、1つ以上の感知素子によって感知され得る。感知素子は、基板上で捕捉された種々の粒子に対して別様に機能し得る。よって、カメラによる撮像では、種々の粒子により散乱した光は、カメラの種々の群の感知素子(例えばピクセル)に衝突し得る。
【0102】
本明細書に記載するように、撮像のための感知サブシステム202bは、当業者に既知であるように、さまざまな種類の検出器(例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、電荷結合素子(CCD)、容量センサ、および本明細書に記載され当業者に既知である他のもの)、さまざまな種類の照明光源(例えば、発光ダイオード(LED)、斜めの照明(glancing illumination)、基板を通した導波性)、および/またはさまざまな種類の介在光学システム(例えば、直接検出、レンズの使用)を含み得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、PMセンサ202は、感知サブシステム202bがカメラを含む、撮像ベースのシステムとして設計され得る。感知システム202bは、照明光源も含み得、これは、捕捉された粒子を照らすか、またはこれに光を向けるのに使用され得る。粒子を照らすことにより、光は粒子によって散乱され、次に、サブシステム202bのセンサによって検出される。いくつかの実施形態では、散乱光の検出は、散乱光が、他の検出された光(例えば、基板により反射された光)と比べて、最も高い電位を有することにより、画像センサによって達成され得る。当業者に既知であるように、種々の粒子が、種々のおよび/または独自の方法で、光を散乱させ得る。その結果、散乱光の特徴(例えば、パターン、強度)は、粒子の検出および/または撮像に寄与する。いくつかの実施形態では、サブシステム202bのセンサは、散乱光により検出された最も小さい粒子が、数十ナノメートルの範囲内にあり得るように構成され得るが、当然、センサは、PMセンサの目的に最適とみなされるような範囲のサイズの粒子を捕捉するよう構成され得る。このような粒子のサイズは、例えば、またとりわけ、散乱光の強度によって推測され得る。よって、このような場合、数百ナノメートルを超える粒子は、分解され(resolved)得る。感知される最も大きい粒子は、いくつかの例示的な実施例では、数百マイクロメートル以上の範囲であってよい。いくつかの実施形態では、粒子の総数は、適切な較正手順によって得ることができることを、理解されたい。
【0104】
図10Aは、電気集塵タイプの捕捉サブシステムと共に使用され得る、PMセンサ202の態様の例示的な構成を示す。
図10では、感知サブシステム202bは、捕捉された粒子の光学感知のためにセンサ202b-1および照明光源202b-2(互換的に「光源」とも呼ばれる)を含む。センサ202b-1は、捕捉された粒子を撮像するように構成された、当業者に既知であるような、カメラなどであってよい。いくつかの実施形態では、カメラは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)カメラモジュールの一部であってよい。さらに、照明光源202b-2は、当業者に既知であるような、紫外線(UV)(例えば近紫外線)光源、または発光ダイオード(LED)の光(例えば、可視光LED)などであってよい。以下でさらに詳細に説明するように、照明光源202b-2およびカメラ202b-1は、とりわけ基板の光透過特徴に基づいて、互いに対して、および/または基板および捕捉された粒子に対して位置づけられ得、粒子の最適な撮像が達成され得る。
【0105】
依然として
図5のステップ458を参照すると、捕捉された粒子の撮像の感知動作は、
図10Aに示すように実行され得る。すなわち、
図10Aに示すように、粒子P1、P2、およびP3は、例えば、
図5のステップ450に従って、基板202a-1上で捕捉される。ステップ458の感知プロセスをトリガーすると、感知サブシステム202bの照明光源202b-2が、光を捕捉された粒子および基板202a-1に向ける。
図10Aのサブシステム202bの照明光源202b-2は、センサ202b-1が散乱光を検出し、それによって粒子を撮像することができるように、捕捉された粒子が照明光源202b-2の入射光を散乱させるよう位置づけられるか、または構成されることを理解されたい。いくつかの実施形態では、この照明は、基板202a-1および/または捕捉された粒子に対して(例えば視射角での)斜めの光を生じる照明光源202b-2によって、または、照明光源202b-2からの光が捕捉された粒子および/または基板202a-1に鋭角で当たるように、達成され得る。粒子および/または基板に対するこのような照明光源の位置づけは、光が基板によって反射されるのを防ぐか、または低減させることができ、これにより、捕捉された粒子によって散乱した光の感度を上げることができる。
【0106】
本明細書に記載するように、感知サブシステムは、捕捉された粒子とサブシステムのチップまたはセンサとの間に配された介在レンズ202b-3を含み得る。
図10Bは、
図10Aに示すものと実質的に同様であるが、センサ202b-1と捕捉された粒子との間に位置づけられたレンズを含む、PMセンサ202の態様の例示的な構成を示す。レンズまたはレンズシステムは、種々の倍率を有する従来のカメラまたは顕微鏡の動作と同じように、捕捉された粒子から、またはこれによって散乱した光に基づいて画像を生成するのに使用され得る。
【0107】
図11Aおよび
図11Bは、粒子の撮像に対する照明角度の効果を示す。すなわち、
図11Aは、銅基板上で捕捉された粒子の、カメラセンサによって撮られた画像であり、照明光源は、約45°の角度で基板を照らしている。
図11Bは、銅基板上で収集された
図11Aの粒子の、カメラセンサによって撮られた、しかし約2°の角度で照らされている、画像である。図で分かるように、
図11Aの照明角度では、銅基板からの光が、カメラセンサへと反射されるが、
図11Bの照明角度では、捕捉された粒子が、カメラセンサによって検出可能となるように光を散乱させる。
図11C、
図11D、および
図11Eは、本明細書に記載される感知ツールおよび技術に従って撮像された、種々の例示的な粒子の画像である。
図11Cは、アメリカヤマナラシ(ポプラ)からの木/低木の花粉の画像であり、
図11Dは、ニワトコ(Iva xantifolia (giant poverty))からの雑草の花粉の画像であり、
図11Eは、シリカ、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、および酸化チタンでできたアリゾナ試験粉末である。これらの画像の分析は、解析サブシステムに関連して以下でさらに詳細に説明する。
【0108】
図12Aおよび
図12Bは、ろ過ベースの粒子捕捉サブシステムでの撮像に使用され得る、PMセンサ202の態様の例示的な構成を示す。特に、
図12Aでは、ろ過ベースの粒子捕捉サブシステムの単繊維が示され、
図12Bでは、ろ過ベースの粒子捕捉サブシステムのフィルターの1組の繊維が示されている。より具体的には、
図12Aは、感知サブシステムのセンサ202b-1’および照明光源202b-2’を示す。ろ過ベースの捕捉サブシステムのフィルターの繊維、例えば
図12Aに示す単繊維は、照らされる光の導波管として機能し得る。したがって、繊維は、入射光を、その繊維を通して、
図12Aに示すようなジグザグパターンなどのパターンで導いて、捕捉された粒子によって散乱される光に干渉することができる反射光の量を減らすことができる。
図12Aに示すように、繊維は、空気がセンサ202b-1’を通って流れるエリアおよび/またはセンサ202b-1’に近接したエリア間に位置づけられ得、繊維は、捕捉された粒子P1がセンサ202b-1’の方向に光を散乱させる方向に、またはそのような位置もしくは角度から、入射光を導き得る。よって、捕捉された粒子によるこのような散乱は、センサ202b-1’によって検出され得る。すなわち、
図12Aに示すように、光が(1)基板を照らし、導波管として機能する繊維(もしくは複数の繊維)によって、および/またはこれを通じて、センサから離れる方向、および/または捕捉された粒子によって散乱された光への干渉を最小限に抑える方向に、導かれ、かつ(2)繊維に付着するか、または繊維によって捕捉された粒子P1などの粒子を照らすにつれて、光は、
図10Aに関連して前述した検出または撮像と同じように、捕捉された粒子の検出または撮像を可能にする様式で、またはそのような方向に、センサ202b-1’に向かって散乱する。
【0109】
図12Bでは、ろ過ベースの粒子捕捉サブシステムの複数の繊維が示され、複数の粒子がその上またはその間に捕捉されている。照明光源202b-2’’が、
図12Aに示すのと実質的に同じように、ろ過ベースのシステムの複数の繊維の方に光を向けるように構成されている。よって、基板に到達する照明光源からの光は、繊維自体を通って導かれるが、捕捉された粒子に到達する光は、
図12Bに示すように、センサの方向に散乱する。対応するセンサ(
図12Bは示されていない)は、散乱光を検出し、それによって、とりわけ、光を散乱させた1つまたは複数の粒子の画像を生成することができる。
図5のステップ458で実行される撮像または他の感知のタイプまたは量は変化し得ることを、理解されたい。例えば、さまざまな種類および量の撮像または他の感知が、ステップ458で実行され得る。
【0110】
当業者に既知であるように、いくつかの実施形態では、2つの期間の間の粒子の変化を検出するために、1つの期間にサンプリングされるデータが、別の期間にサンプリングされるデータから減算され得る。よって、例えば、粒子捕捉が連続的に実行され、撮像(および/または他の感知)がおよそ1時間に一度実行され、捕捉基板の補充(例えば、クリーニング、交換)がおよそ5時間ごとに実行される、スケジュールでは、およそ時間2で撮られた画像を、およそ時間1で撮られた画像と比較して、時間1と時間2との間に捕捉された粒子のみを検出または単離することが可能である。
【0111】
図10A、
図10B、
図12A、および
図12Bに関連して前述した感知システムの配列は非限定的な例であることを、理解されたい。当業者は、センサ、照明光源、粒子捕捉基板、および他の構成要素が、捕捉された粒子の最適な撮像または他の感知を得るよう構成され得る、多くの方法を理解するであろう。このような構成は、例えば、センサ、照明光源、粒子捕捉基板、および他の構成要素の特徴(例えば、種類、材料、光透過率など)、ならびにPMセンサ202の意図する目的または用途に基づき得る。いくつかの実施形態では、照明光源および画像センサは、これは、捕捉された粒子の撮像の品質に影響を及ぼし得る、基板から(または捕捉された粒子から以外の)画像センサへの光の直接反射を避けるように位置づけられ得る。いくつかの実施形態では、光は、基板の、画像センサが位置づけられる側とは反対側から、画像センサの方向に向けられ得る。このような実施形態では、基板は、透明であってよく、かつ/または、光を通過させ得る光透過特性を有する。このように、透明基板の結果として、オプションとして非透明粒子によって生じる陰になるかまたはあまり照らされないエリアと組み合わせて、通過する光は、粒子を撮像するか、またはそれに関する他の情報を得るのに使用され得る。
【0112】
感知サブシステム202bの照明光源からの光の波長は、粒子の感知のさまざまな態様に影響を及ぼす。例えば、光の波長は、非粒子物体(例えば基板)からの反射光の量、および/または粒子により散乱される光の量もしくは強度に影響を与え得る。よって、照明光源からの光の波長は、特に他の光に対する、粒子またはそれらの散乱光の最適な感度を達成するために設定または調節され得る。いくつかの実施形態では、異なる波長(例えば、可視、UV、赤外線)、または分光学的方法(例えば、赤外線、ラマン分光法)による照明が、捕捉された粒子に関する追加情報、例えば表面の粗さ、サイズ、または組成を推測するのに使用され得る。
【0113】
再び
図5の監視プロセスを参照すると、いったん感知がステップ458で、前述したとおり実行されると、PMセンサ202は、(1)動的調節がトリガーされるかどうか、もしくはトリガーされているかどうかを判断し(フォークノードN2からのエッジE3);(2)基板もしくは基板表面の補充がトリガーされているかどうかを判断し(フォークノードN2からのエッジE4);かつ/または(3)さまざまな他のプロセスを実行することができる、フォークノードN3に進み(フォークノードN2からのエッジE5)得る。前述したとおり、3つのアクティビティエッジE3~E5、およびそれらの下流のプロセスは、連続してまたは同時に(例えば完全にもしくは部分的に)実行され得る。このような連続したまたは同時の処理は、本明細書に記載されるその他のプロセスにも同様に適用される。例えば、ステップ460の動的調節判断は、ステップ450で空気が収集され、粒子がそこから捕捉されるのと同時に実行され得る。
【0114】
図5のステップ460では、PMセンサ202は、動的調節が必要とされる(または要望される)かどうかを判断することができる。ステップ452に関連して前述したように、動的監視(例えば、ステップ460の判断、ステップ462の実行)は、PMセンサ202、そのサブシステム、またはこれに通信可能に連結されたデバイスおよびシステムによって、実行され得る。ステップ460の判断は、PMセンサ202、そのサブシステム、および/またはその/それらの機能性の任意の態様に関連し得る。やはり前述したように、動的調節監視は、(1)事前に記憶されるか、もしくは事前に決定されるか、または(2)リアルタイムで、自動的に、および/もしくはユーザ入力データと共に、識別され得る、モデル、ルールおよび/または閾値に基づいていてよい。
【0115】
いくつかの実施形態では、判断ステップ460に関連して実行される動的なチェックは、粒子感知ステップ458に関する特徴に関連し得る。前述したように、任意のタイプの調節を、(例えばステップ452および454に関連して前述したものを含め)ステップ458で監視することができるが、粒子感知に関する調節は、ステップ458の感知より前に、それと同時に、またはその後で、実行され得る。いくつかの実施形態では、これらのタイプの感知関連判断は、ステップ458の感知プロセスの近くで実行され、その感知から導き出された情報は、ステップ460の判断のために使用され得る。
【0116】
ステップ460で行われる調節に関する判断の非限定的な例は、ステップ458の撮像(もしくは他の感知)プロセスのタイミング;撮像のダイナミックレンジ;照明光源からの光の波長;基板、センサ、および/もしくは照明光源などの構成要素の位置;ならびに/または基板もしくは基板表面の補充(これは、さらに、もしくは代わりに、以下でさらに詳細に説明する、ステップ464および466に関連して実行され得る)に対する必要性もしくは要望、の適切性(例えば、閾値もしくは標準に対する)をチェックすることを含む。例えば、PMセンサ202は、ステップ460で、照明光源からの光の波長を、(1)ステップ458で実行された粒子の画像と、(2)最適または好適な粒子撮像特徴(例えば強度)を示す閾値、ルールおよび/またはモデルとの比較に基づいて、変更すべきかどうかを、判断し得る。当然、これらの例示的な判断、および本明細書に記載され、当業者に既知である他の判断のいずれかが、同時に(例えばステップ460で)実行され得ることを、理解されたい。
【0117】
したがって、動的調節が実際に必要とされるか、好ましいか、または別様に所望されることをPMセンサ202がステップ460で判断したら(ステップ460からの「はい」の分岐)、PMセンサは、ステップ462において必要な調節を実行するか、またはその実行を引き起こす。一方、動的調節が必要とされず、好ましくなく、または別様に所望されないことをPMセンサがステップ460で判断したら(ステップ460からの「いいえ」の分岐)、PMセンサは、
図5に示すように、フォークノードN3に進む。ステップ462で行われる調節の種類は、ステップ460で行われる判断に基づいていてよい。いくつかの実施形態では、ステップ460の判断は、特定のアクションまたは調節がステップ462で実行されるのをトリガーし得る、ルールの使用を伴い得る。
【0118】
ステップ462で行われる動的調節の非限定的な例は以下を含む:粒子が撮像されるか、もしくは別様に感知される頻度を(例えば、1時間当たりおよそ1回から、1時間当たり4回に)変更すること;センサ、光源、基板、および他の構成要素の、互いに対する位置づけ(例えば、角度、距離)を変更すること;光源の波長を調節すること、ならびに必要に応じた、または所望されるような、当業者に既知である他の調節。
【0119】
依然として
図5を参照すると、ステップ464で、PMセンサ202は、基板および/または基板の表面の補充が必要性によって、もしくは要望によってトリガーされるかどうか、またはトリガーされているかどうかを、判断し得る。いくつかの実施形態では、ステップ464の判断は、PMセンサ202および/または、さらに詳細に説明される、その補充サブシステム202cによって、実行され得る。
【0120】
補充サブシステム
補充の判断および実行は、ステップ464および466で、補充サブシステム202cによって実行され得る。本明細書で使用される用語「補充」は、基板もしくは基板表面をクリーニングすること、または基板を取り換えるか、もしくは交換することを含む。前述したとおり、いくつかの実施形態では、基板は、導電性表面、例えば、銅プレート、フィルター、または導電性もしくは非導電性テープであってよい。いくつかの実施形態では、基板表面は、粒子が捕捉される基板の表面を指すことができる。補充は、基板もしくは基板表面の有用性の期間を延ばすこと、または捕捉され、したがって撮像され得る粒子を変更もしくはリセットすること、を含む、さまざまな理由で、実行され得る。よって、ステップ464では、例えばPM監視プロセスのデータを、予め判断されるか、もしくは動的に計算された閾値と比較することによって、補充が必要とされるか、もしくは所望されるかどうかに関して、判断を行い得る。例えば、ステップ464は、最後の補充以来、所与の粒子捕捉時間に到達したかどうか、または、最後の補充以来、所与の量の粒子状物質が基板もしくは表面上に捕捉されているかどうか、を判断することを含み得る。これらの補充に関連する判断は、
図5に示されるプロセス400の任意のステップ中に、また当業者に既知のさまざまなデータのうちのいずれかに基づいて、動的に実行され得る。例えば、閾値が、捕捉された粒子状物質のタイミングもしくは量などの要因に基づいて、必要とされるか、または要望されると判断された場合であっても、補充サブシステムは、PMセンサ202のバッテリが低く、したがって、補充プロセスを延期またはキャンセルしてその有用性の期間を伸ばすことを判断し得る。
【0121】
よって、補充が必要であるか、または要望されるとステップ464で判断されると(ステップ464からの「はい」の分岐)、補充サブシステム202cは、ステップ466で表面または基板を補充する。一方、補充が必要でないかまたは要望されないとステップ464で判断されると(ステップ464からの「いいえ」の分岐)、PMセンサ202はフォークノードN3に進むことができる。
【0122】
ステップ466で、補充は、補充サブシステム202cによって実行される。ステップ466で実行される補充の種類または他の特徴は、例えば、捕捉される粒子状物質の量、バッテリの残り寿命、および/またはPMセンサ202のスケジュールされた処理に基づいて、予め決定されるか、またはリアルタイムで動的に決定され得る。基板または基板表面を補充するためのウェットおよびドライ技術の非限定的な例は、機械的クリーナー、静電クリーナー、加熱もしくは熱的手段、ならびに導電性および非導電性テープのうちの1つ以上を使用することを含む。PMセンサ202によって使用される補充技術は、基板のクリーニングと比較して交換可能なテープの使用によって影響を受け得る、目標コスト、および/または目標もしくは所望の粒子除去割合(例えば、約90%超の粒子除去、約95%超、99%超などの粒子除去)などの要因に基づいていてよいことを、理解されたい。
【0123】
基板または基板表面をクリーニングする機械的技術は、機械的に動作されるブラシを、基板または基板表面上で、所与の回数、また動的に決定されるか、または予め決定され得る、所与のパターンで(例えば円形、線形)動かすことを含み得る。ブラッシングは、所望の量の粒子状物質が除去されるまで実行され得る。ブラシの特徴は、さまざまであり、基板または基板表面の種類に左右され得ることを、理解されたい。1つの非限定的な例は、ナイロン繊維ブラシである。いくつかの実施形態では、液体または粒子が、基板または基板表面上に分散されて、その機械的クリーニング(例えばブラッシング)を改善することができる。他の種類の機械的技術は、粒子と基板または基板表面との間の取り付け、引き付け、または接触を断つのに十分強くなるように、空気流を制御するのに使用され得る、空気ポンプ、ファン、空気注入および排出システムなどの使用を含み得る。いくつかの実施形態では、接着性裏打ち材料(例えば、ステッカー、接着性ストリップ、接着テープ)の粘着性がある側が、基板の表面と接触させられて、粒子をそこから除去することにより基板をクリーニングすることができる。このような接着性材料のロールが、必要な場合または要望される場合に前進され得るローラーなどの上に設けられ得、先に使用された接着性材料が粒子でいっぱいになり、もはやクリーニングするのに適切に使用することができない場合に、基板のクリーニングを実行するために、新しい接着性材料表面が、基板と接触させられるのに利用可能となる。さらに、いくつかの実施形態では、機械的技術は、捕捉された粒子を除去するか、またはその除去を支援するために振動を使用することを含み得る。例えば、基板は、その上に捕捉された粒子を基板またはその表面からバラバラにするかまたは分離させる十分な力で、振動するか、または振動させられる。熱的方法、例えば基板の加熱は、粒子を除去するのに使用され得る。このような方法は、例えば、蒸発または燃焼によってエーロゾル微粒子を除去するのに使用され得る。熱的方法は、基板の位相を変化させるため、例えば、基板を溶融および凝固させ、それによってその表面を補充するために、使用され得る。粒子は、明細書に記載され、当業者に既知である他の技術を利用して、除去され得る。
【0124】
依然として
図5に示す監視のステップ466を参照すると、基板または基板表面をクリーニングするための静電技術および/またはクリーナーは、
図6のステップ556および558に関連してさらに詳細に前述されたように、粒子を捕捉するのに使用される電荷とは反対の電荷を粒子に印加することを含む。すなわち、正電荷粒子が負荷電基板上で捕捉された場合、基板のクリーニングは、負電荷を生成し粒子に印加することによって実行され得、これによって、粒子は、空気を流すことおよび/または空気ポンプにより、基板から分離し、除去される。いくつかの実施形態では、空気流は、動的に決定されるか、または予め決定されたルールに基づいて、(例えば、ポンプを用いて)制御されて、所望のパーセンテージの粒子を、基板または表面から分離または除去させることができる最適な量を達成することができる。さらに、いくつかの実施形態では、前述したような振動技術は、さらに、または代わりに、静電除去技術と共に使用され得る。いくつかの実施形態では、動的に決定されるか、または予め決定された量の振動が、基板またはPMセンサに印加されるか、またはこれらに対してトリガーされ得、これにより、逆電荷粒子の除去が促進され得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、テープが、ステップ466で使用されて、基板または基板の表面を補充することができる。本明細書に記載するように、導電性テープは、帯電粒子が付着し得る導電性表面として機能するよう設けられ得る。
図13A、
図13B、および
図13Cに示すように、またそれらの図面に関連して述べるように、例示的なPMセンサ302は、テープケース302c-1を含む補充サブシステム302cを含み得る。より具体的には、
図13Aは、テープケース302c-1を有する、組み立てられたPMセンサ302の斜視図であり;
図13Bは、テープケース302c-1が、部分的に挿入されるか、または取り外されているかのそれぞれである、部分的に組み立てられるか、または部分的に分解されたPMセンサ302の斜視図であり;
図13Cは、PMセンサ302の残部から分離したテープケースc-1の斜視図である。テープケース302c-1は、PMセンサ302から分離されて、例えばテープを追加、交換、もしくは除去するか、または、その中における任意の他の問題(例えば、テープの絡まり)に取り組むことができる。
【0126】
図13Aおよび
図13Bに示すように、補充サブシステム302cは、モータも含み得、これは、テープケース302c-1の構成要素、例えば、
図13Cに示す、そのローラー302c-1aおよび302c-1bを起動させるのに使用され得る。テープ(
図13A、
図13Bおよび
図13Cには示されていない)がテープケース302c-1に挿入されると、ローラー302c-1aおよび302c-1bは、開口部302c-3において露出されているテープの部分またはセグメントが交換され得るように、回転させられる。このように、粒子が収集されている、テープのセグメントは、粒子を含まない、テープのセグメントに交換され得る。いくつかの実施形態では、捕捉された粒子を備える、テープの物理的セグメントは、さらなるテストまたは他のテスト(例えば、分光分析)、記録などのために保持され得る。
【0127】
テープまたはテープセグメントの交換は、ステップ466の他の補充プロセスと同じように、タイミング(例えば、スケジュールされたもの、間隔)、収集される粒子状物質の量、プロセスの実行に利用可能なバッテリの量などといった要因に基づいて、実行され得ることを、理解されたい。これらの要因は、予め決定されたルールもしくは閾値に基づいて、またはリアルタイムデータに基づいて動的に、検討され得る。
【0128】
図5に示された監視プロセスに戻って、補充の判断および/または実行が行われた後、PMセンサ202は、(1)ステップ450に進み、新しい、または引き続きの空気収集および粒子捕捉プロセスを実行し(フォークノードN3からのエッジE6);(2)フォークノードN2(フォークノードN3からのエッジE7)に進み;または、(3)ステップ468において、捕捉され感知された粒子の粒子分析が必要とされるか、または要望されるかに関する判断を行う(フォークノードN3からのエッジE8)ことができる。
【0129】
いくつかの実施形態では、PMセンサ202は、フォークノードN3からのエッジE6に沿って進み、収集された空気から粒子を捕捉し続けるか、または、新しい粒子捕捉プロセスを開始することができる。これは、他のプロセスと同時に実行され得るが、いくつかの実施形態では、エッジE6に沿って継続することは、例えば捕捉されたもの(captured)の撮像が、その時点で撮像された粒子の分析を行う必要なしに実行されている場合に、判断ステップ468の代わりに実行され得る。粒子の画像およびこれに関するデータは、将来分析するために記憶され得る。さらに、いくつかの実施形態では、PMセンサ202は、エッジE7に沿って進んで、ステップ460または464の判断を、例えばそれらが実行されず、かつ/またはそうする必要性または要望が後で生じる場合に、実行することができる。
【0130】
PMセンサ202は、エッジE8に沿って進んで、ステップ468の判断を実行することができる。いくつかの実施形態では、ステップ468で、粒子の分析が必要とされるか、または要望されているかどうかについて、判断を行うことができ、必要とされるか、または要望されている場合、そのような分析が、ステップ470および472で処理され得る。ステップ468の判断ならびに/またはステップ470および472の分析処理は、とりわけ、PMセンサ202の解析サブシステム202dを用いて実行され得、これについては、これからさらに詳細に説明する。
【0131】
解析サブシステム
前述したとおり、解析サブシステム202dは、PMセンサ202に埋め込まれ、かつ/または1つ以上の通信可能に連結されたシステム、例えばクラウド105および管理システム107に設けられた、ハードウェアおよびソフトウェアで構成され得る。例えば、ハードウェアは、1つ以上のメモリに記憶され得る、ソフトウェア、ロジック、アルゴリズム、指示などを実行するように構成またはプログラムされた、1つ以上のプロセッサを含み得る。いくつかの実施形態では、ハードウェアおよびソフトウェアは、ソフトウェアを実行するプロセッサが、PMセンサ202(および/もしくは解析サブシステム202d)上に、またはこれによって、設けられ、ソフトウェアが遠隔に(例えば、クラウド105に)記憶され、PMセンサにアクセス可能とされるように、分布され得る。いくつかの実施形態では、PMセンサ202は、解析サブシステム202dとして機能するモバイルデバイスなどのデバイスに有線接続されるか、または無線で連結され得る。解析サブシステム202dのモバイルデバイスまたは他の構成は、捕捉され感知された(例えば撮像された)粒子の解析を管理するのに使用され得る。当業者に既知であるように、解析の管理は、入力出力(inputs outputs)を介して実行され得、これは、例えば、ある解析プロセスが実行されること、および/または、ある解析データが出力されることを指示するのに使用され得る。
【0132】
図5に示す監視プロセスに戻ると、ステップ468で、解析が必要とされているか、または要望されているかどうかの判断は、予め決定されたルールもしくは閾値、動的監視、および/または指示に基づいていてよい。指示は、自動的にトリガーされ得るか、またはユーザ入力によってトリガーされ得る。例えば、解析の判断は、解析がおよそ24時間ごとに処理されることを示すルールまたはスケジュールに基づいていてよい。この判断は、例えば、粒子の緊急分析を必要とし得る、危険な種類の汚染物質が検出された場合に、リアルタイムで、動的に行われ得る。
【0133】
粒子分析が必要とされるか、または要望されているとステップ468で判断されたら(ステップ468からの「はい」の分岐)、分析プロセスがステップ470で実行される。一方、粒子分析が必要でなく要望されていないと、ステップ468で判断されたら(ステップ468からの「いいえ」の分岐)、プロセスは、ステップ474に進み、空気の監視を続けるべきかどうかについて判断を行う。
【0134】
ステップ470で、ステップ458の感知中に得られた画像または他のデータの分析が、実行される。いくつかの実施形態では、ステップ470で実行される分析の種類は、少なくとも部分的には、ステップ468の判断に基づいて、決定され得る。例えば、潜在的に危険な汚染が識別されていることにより粒子分析が必要であると判断された場合、画像の分析は、それに応じてカスタマイズされるか、または調整されて、例えば、潜在的に危険な汚染物質を識別するか、含むか、または別様に取り扱うのに必要なデータを入手することができる。それにもかかわらず、任意の種類および数の分析プロセスがステップ470で連続してまたは同時に実行され得ることを、理解されたい。実行される分析の種類は、自動的に(例えば動的に)決定されるか、または入力された指示に基づいていてよい。例えば、解析サブシステム202dは、捕捉された粒子の量が、1種類の分析プロセスが最適となるようなものであると判断し得るか、または、最後の分析が実行されてからの時間が、1群の分析プロセスの実行を必要としていることを判断し得る。いくつかの実施形態では、空気監視管理者またはユーザが、手動で指示を解析サブシステム202dに入力し、実行されるべき所望の解析を示すことができる。
【0135】
当業者に既知であるように、解析は、ステップ458で撮像された粒子に関するか、またはこれに基づく種々のデータの数を識別または計算するのに使用され得る。ステップ470の粒子分析で測定または計算され得る粒子データの非限定的な例は、当業者に既知であるような、粒子のサイズ、体積、形状、数、分布(例えば、体積、サイズ、形状)、重量、表面積、表面粗さ、構造、組成などを含む。さらに、いくつかの実施形態では、ステップ470で、粒子データは、他の粒子情報、例えば粒子の種類または供給源(例えば、エーロゾル、塵、花粉)、および他の特徴づけ(例えば、曝露危険など)を導き出すか、または識別するのに使用され得る。例えば、
図11C、
図11D、および
図11Eに示すように、粒子の供給源は、撮像された粒子のサイズおよび/または形状に関する情報から導き出すことができる。例えば、木/低木花粉の粒子は、帽子のような構造の画像を生成し(
図11C);雑草花粉の粒子は、表面が粗い、丸いボールを生成し(
図11D);試験粉末の粒子は、連続したエッジを生成する(
図11E)。いくつかの実施形態では、このような分析は、物理的モデル(例えば、粒子のサイズ、誘電特性、および波長の、光の散乱への依存)に基づくか、既知のサイズもしくは組成の粒子でのセンサの較正に基づくか、種々の既知の条件下でセンサが集めたデータを用いる機械学習の使用によるか、またはこれらの方法の組み合わせに基づいている。較正は、温度または湿度などの環境データを含むか、または検討することができる。この目的で、PMセンサは、温度もしくは湿度センサを含むか、またはこれに通信可能に連結され得る。
【0136】
いくつかの実施形態では、先に記録されたデータは、汚染の変化を推測するために使用され得る。例えば、先の時間に入手した画像を、後の時間に入手した画像から減じることによって、捕捉された粒子のうちのいくつかからの光が、先に捕捉された粒子と共局在化されても、2つの時間の間に捕捉された粒子に関する情報を計算することができる。さらに、異なる種類の粒子での較正、または機械学習を含む分析方法が、センサから集められたデータを処理するのに使用され得る。
【0137】
いくつかの実施形態では、粒子の撮像および分析は、先に捕捉された粒子を有する捕捉基板を回収または入手することによって、後で実行され得る。次に、電子顕微鏡法、ラマン分光法、質量分析法、原子間力顕微鏡法、またはPMセンサの機能性に組み込まれるのに適していない場合がある他の材料分析技術などの方法が、回収された捕捉基板上で適用されて、捕捉された粒子を分析することができる。このような場合、粒子捕捉の状況に関する情報(例えば、時間、場所)が、維持されて、例えば、空気中の粒子状物質の記録を作り出すことができる。テープに基づく捕捉の場合、テープロールに対するテープの、ある場所またはセクションは、対応する捕捉時間を示すことができ、それによって、特定の時間に空気中に存在した粒子状物質の分析を可能にする。いくつかの実施形態では、この情報は、環境に存在する粒子状物質の性質を、所与の時点での他のイベント、例えば有害な健康イベント(例えば、アレルギー反応)と相関させるのに使用され得る。
【0138】
次に、ステップ470の分析の結果が、ステップ472で処理される。結果の処理は、例えば、結果を記憶すること、または次のアクションをトリガーすることを含み得る。結果は、記録またはその後の処理のために、例えばローカルもしくは遠隔に(例えばクラウド105に)記憶され得る。これに加えて、または代わりに、ステップ470の分析の結果は、例えば、他の存在もしくはシステム(例えば、政府機関、規定者、建物の管理人、公共安全など)へのその伝達;さらなる粒子捕捉、読取、および分析処置の実行;ならびに/または最適とみなされる他の防止、制御、もしくは対抗手段を含む、次のアクションをトリガーし得る。
【0139】
次に、ステップ474で、PMセンサ202は、さらなる空気の監視を行うべきかどうかを判断し得る。さらなる空気の監視が必要とされず要望されていないと判断された場合(ステップ474からの「いいえ」の分岐)、監視プロセスは、ステップ476で終了する。一方、さらなる空気の監視が実行されるべきとステップ474で判断された場合(ステップ474からの「はい」の分岐)、本明細書に記載されたものと同種の動的調節判断がステップ478で実行される。例えば、動的な判断は、より正確な解析および結果を得るために、ステップ470の分析に少なくとも部分的に基づいて、ステップ458で得られた画像が変更される基準画像かどうか、であってよい。調節がトリガーされていると判断された場合(ステップ478からの「はい」の分岐)、適切な調節が、ステップ480で識別され、行われ、次に、プロセスは、ステップ450に戻り、本明細書に記載するように、空気が収集され、粒子が捕捉される。調節を行う必要がないか、または要望されていないと判断された場合、調節処理は、ステップ480で実行されず、プロセスは、ステップ450に進み、空気が収集され、粒子が捕捉される。
【0140】
例示的なPMセンサ
いくつかの実施形態では、PMセンサまたはシステムは、粒子捕捉サブシステム、感知サブシステム、および補充システムを含む。粒子捕捉サブシステムは、粒子を空気から基板上に捕捉するように構成される。粒子捕捉サブシステムは、電気集塵(ESP)ベースおよび/またはろ過ベースであってよく、これは、電気集塵および/またはろ過システムがそれぞれ、空気から粒子を捕捉するのに使用されることを意味する。いくつかの実施形態では、PMセンサは、およそPM10およびPM2.5の粒子状物質の数を、約200nmまでの粒子サイズの感度および約1~500ug/m3のダイナミックレンジで、測定するように構成される。すなわち、PMセンサは、約2.5μm~25μmの粒子を感知するように構成され得る。いくつかの実施形態では、PMセンサは、小型であってよく、例えば、約2cm×2cm未満である。いくつかの実施形態では、PMセンサは、1日当たり約24回の読取を行うために、約1000mAh未満のバッテリを消費するように構成される。一方、需要が高い場合には、1000mAhのバッテリで、PMセンサは、1日当たり約300回の読取を、約6か月間実行することができる。
【0141】
PMセンサの電気集塵ベースの粒子捕捉サブシステムは、電荷を、例えば基板(もしくは捕捉基板)および/またはイオン放出ブラシなどの電極に伝達するように構成された、イオン発生器を含み得る。非限定的な一例では、イオン発生器は、約3000Vの電圧を生成することができ、1cc当たり約19億個のイオンを生成することができる。いくつかの実施形態では、基板は、銅、またはパターン化された導電性層、またはパターン化された導電性フィルム、例えば酸化インジウムスズ(ITO)を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、基板は、約99%の銅を含み得、かつ/または、厚さが約0.2mmであってよい。いくつかの実施形態では、基板は、金属研磨剤およびアルミナ懸濁液で(例えば約0.05μm)、または、光の散乱を最小限に抑える、滑らかな表面を得る他の方法で、研磨され得る。基板は、いくつかの実施形態では、約1cm2×1cm2であってよい。いくつかの実施形態では、基板は、導波管であるか、またはこれを形成し得る。導波管は、ケイ素または二酸化ケイ素を含む機械要素を含み得る。さらに、いくつかの実施形態では、基板は、可撓性であってよく、また、PMセンサまたはシステムの他の構成要素に対して移動され得る。
【0142】
イオン放出ブラシを介して電荷を伝達することにより、空気中の粒子は、帯電され、逆荷電基板の方向にそれることができ、ここで、粒子が捕捉され得る。いくつかの実施形態では、粒子が捕捉される基板の表面の単位面積当たりの捕捉された粒子の数は、粒子が流出する空気の環境のほぼ現実の粒子濃度まで、比例して増える。
【0143】
いくつかの実施形態では、捕捉サブシステムは、HEPAフィルターなどを含み得る、ろ過ベースのシステムである。捕捉サブシステムは、いくつかの実施形態では、約1Lの空気をサンプリングするように構成され得る。いくつかの実施形態では、ろ過ベースのシステムは、メッシュまたは多孔性シートを含み得る。いくつかの実施形態では、フィルターは、ガラス繊維または当業者に既知である他の材料で構成され得る、1つ以上のランダムに配列された繊維(例えば光ファイバー)を含み得る。他の実施形態では、繊維の断面は、非円形(例えばリボン状)であってよい。繊維は、粒子が捕捉される基板であるか、またはこれを形成し得る。いくつかの実施形態では、フィルターの繊維は、約0.5~25μmの直径を有し得る。いくつかの実施形態では、繊維は、これらの間に少なくとも約0.3μmのエアスペースを有するように隔離され得る。捕捉サブシステムは、少なくとも約99.9%(または、少なくとも約99%、98%、95%など)の捕捉効率を有するように構成され得る。当業者に既知であるように、繊維は、導波管として機能するか、またはこれを形成し得る。例示的な一実施例では、フィルターまたはろ過部材は、約24μmの直径の繊維(例えば、NYcon-PVA RMS702)で構成され得る。
【0144】
捕捉された粒子は、その後、感知サブシステムによって読み取られるか、または感知され得る。本明細書に記載するように、PMセンサは、複数のおよび/または種々の捕捉もしくは感知システムを含み得ることを、理解されたい。いくつかの実施形態では、感知サブシステムは、CMOSカメラモジュールまたはCCDベースの画像センサなどのカメラを含む撮像ベースのシステムである。カメラモジュールは、照明光源、アダプタボード、現像ボード(development board)、および/またはホウケイ酸ボール(borosilicate ball)も含み得る。照明光源は、可視LED光(例えば、白く、明るく透明)または近紫外線光であってよい。照明光源は、基板に向かって視射角(例えば約2°)で光を向けるのに使用される。光は次に、粒子によって散乱し、散乱光は次に、カメラ(例えばCMOSチップ)および/または他のセンサによって捕捉または検出される。いくつかの実施形態では、入射または散乱光は、種々のまたは複数の波長で生成され得る。当業者に既知であるように、カメラは、約2.5μmのピクセル解像度を有し得、したがって、約2.5μmより大きい粒子を検出し得る。このような場合、カメラまたは他のセンサが検出できない、より小さい粒子は、当業者に既知である、詳細な散乱技術を用いて、さらに分析され得る。検出された散乱光を用いて得られた粒子の画像は、PMセンサによって使用されて、粒子に関する情報を入手し、かつ/または計算することができる。例えば、粒子情報に基づいて、PMセンサは、粒子(例えば、花粉、すすなど)の種類または供給源を識別し得る。当業者に既知であるように、多くの他の種類の粒子関連情報が、これから入手されるか、または導き出され得る。
【0145】
基板は、その上で捕捉された粒子のすべてまたは一部を除去するために、補充され得る。補充は、補充サブシステムを用いて実行され得る。基板の補充は、基板および/もしくはその表面をクリーニングすること、または、基板のすべてもしくは一部(例えば表面)を交換すること、を含み得ることを、理解されたい。補充サブシステムは、静電力技術(例えば、逆に印加された電荷または場)および/または機械力技術(例えば、ブラシクリーニング、振動、加熱)を含む、本明細書に記載されるさまざまな技術を適用することができる。いくつかの実施形態では、ブラシまたはスポンジに染み込んだ液体、ゲル、および他の柔軟な材料を含む液体は、基板の表面をクリーニングするのに使用され得る。
【0146】
基板を分離するかまたは取り外すために加えられる静電または機械力の量は、捕捉されたセルの抵抗率に左右され得ることを、理解されたい。いくつかの実施形態では、ブラシ、例えばナイロン繊維ブラシが、基板の表面をクリーニングするのに使用され得る。いくつかの実施形態では、ブラシは、1ラウンドのクリーニングで約98%の粒子を基板の表面から除去し得る。さらに、または代わりに、いくつかの実施形態では、空気が、捕捉された粒子を基板から除去するのに使用され得る。
【0147】
いくつかの実施形態では、補充システムはテープケースを含む。テープケースは、交換可能なテープまたはテープのロールを収容し得る。いくつかの実施形態では、テープのあるセクションの一部が、基板として機能し得る。次に、テープローラーは、モータによって作動され得、基板として機能するテープのセクションを、テープの新しいセクションと交換させる。例示的な一実施形態では、テープケースは、約25×10×10mm3であり、約80cmの長さのテープを収容し得る。テープ厚さは、約100μmであってよく、テープの読取または感知セクションは、約0.2cmであってよく、また、約10回の読取のために機能するように構成され得る。いくつかの実施形態では、例示的な監視動作は、約10秒の捕捉プロセス、約5秒の撮像プロセス、および約5秒のクリーニングプロセスで、約12VDCを用いて構成され得る。いくつかの実施形態では、テープケースは、約5200回の読取の寿命を有するように構成され得る。
【0148】
コンピュータによる実現
図14は、PMセンサ(例えば202)を含み、かつ/または本明細書に記載されるPM監視プロセス(例えば
図5)を実行し得る、コントローラ、またはコンピュータ800の例示的な実施形態の物理的構成要素のブロック図を示す。例示的なコンピュータ800が本明細書に描かれ説明されているが、これは、普遍性および便宜のためであることが、認識されるであろう。他の実施形態では、コンピュータ800は、構造および動作が、本明細書に図示され説明されたものとは異なっていてよい。コンピュータ800は、タブレット型コンピュータ、モバイルデバイス、スマートデバイス、ウェアラブルデバイス、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、クラウドベースのコンピュータ、サーバーコンピュータ、複数の前述したものなどであってよい。
【0149】
例示されたコンピュータ800は、例えば、埋め込まれたソフトウェア、オペレーティングシステム、デバイスドライバ、アプリケーションプログラムなどを実行することによって、コンピュータの動作を制御する、プロセッサ822を含み得る。プロセッサ822は、任意のタイプのマイクロプロセッサまたは中央処理装置(CPU)を含み得、これには、プログラム可能な汎用または特殊用途プロセッサおよび/または、さまざまな専売もしくは市販のシングルもしくはマルチプロセッサシステムのいずれかが含まれる。本明細書で使用されるプロセッサという用語は、プログラム指示を内部または外部メモリまたはレジスターなどから読み取り、解釈する、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ASIC、FPGA、PIC、プロセッサを指すことができる。コンピュータ800は、メモリ824を含み得、これは、プロセッサ822によって実行されるコード、またはプロセッサによって処理されるデータのために、一時的または永続的記憶を提供し得る。メモリ824は、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、1つ以上の種類のランダムアクセスメモリ(RAM)、および/またはメモリテクノロジーの組み合わせを含み得る。コンピュータ800のさまざまな構成要素は、任意の1つ以上の別個のトレース、物理的バス、通信回線などを介して、相互接続され得る。
【0150】
コンピュータ800は、インターフェース826、例えば通信インターフェースまたはI/Oインターフェースを含み得る。通信インターフェースは、コンピュータ800がリモートデバイス(例えば、他のコントローラまたはコンピュータシステム)と、ネットワークまたは通信バス(例えば、ユニバーサルシリアルバス)を介して通信することを可能にし得る。I/Oインターフェースは、1つ以上の入力デバイス、1つ以上の出力デバイス、およびコンピュータ800のさまざまな他の構成要素間の通信を容易にし得る。例えば、インターフェース826は、第2のコンピュータのコンピュータ構成要素(例えば、第2のコンピュータの統合されたラジオ)と通信し得る。例示的な入力デバイスは、タッチスクリーン、機械的ボタン、キーボード、およびポインティングデバイスを含む。追加の例示的な出力デバイスは、プロジェクタ、電子表示スクリーン、およびスピーカを含む。コンピュータ800は、ストレージデバイス828を含み得、これは、データを非揮発的および/または非一時的に記憶するための任意の従来の媒体を含み得る。よって、ストレージデバイス828は、データおよび/または指示を、持続性状態で保持し得る(すなわち、値が、コンピュータ800への電力の中断にもかかわらず維持される)。ストレージデバイス828は、1つ以上のハードディスクドライブ、フラッシュドライブ、USBドライブ、光学ドライブ、さまざまなメディアディスクもしくはカード、および/またはそれらの任意の組み合わせを含み得、コンピュータ800のその他の構成要素に直接接続されるか、または通信インターフェースを通じるなどして、それらに遠隔的に接続され得る。コンピュータ800は、ディスプレイ830を含み得、そこに表示される画像を生成し得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイ830は、真空蛍光ディスプレイ(VFD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、または液晶ディスプレイ(LCD)であってよい。コンピュータ800は、電源832と、適切な調整および調節回路(regulating and conditioning circuitry)と、を含み得る。例示的な電源は、バッテリ、例えばポリマーリチウムイオンバッテリ、またはコンピュータ800をDCもしくはAC電源に連結するためのアダプタ(例えば、USBアダプタもしくは電源アダプタ)を含む。
【0151】
当業者は、前述した実施形態に基づいて本開示のさらなる特徴および利点を認識するであろう。したがって、本開示は、特許請求の範囲によって示すものを除き、特に図示され説明されたものによって制限されるものではない。本明細書で引用したすべての刊行物および参考文献は、参照により全体として本明細書に明白に組み込まれる。
【0152】
〔実施の態様〕
(1) 粒子状物質を監視する方法において、
1つ以上の基板上で流れる空気から粒子を捕捉することであって、前記捕捉することは、静電および機械的捕獲器のうちの1つ以上を用いて実行される、ことと、
捕捉された前記粒子に対して、1つ以上の感知動作を実行することと、
前記1つ以上の感知動作の結果に基づいて、前記捕捉された粒子を分析することと、
を含み、
前記粒子が前記基板上で捕捉されると、前記粒子は、前記1つ以上の感知動作を前記粒子に対して実行するのに十分長い期間にわたって維持され得る前記基板に対する制御位置にくる、方法。
(2) 実施態様1に記載の方法において、
前記1つ以上の基板は導電性であり、
前記粒子を前記1つ以上の基板上に捕捉するために、前記方法は、
前記1つ以上の基板のうちの少なくとも1つを第1の電荷で帯電させることと、
前記粒子を、前記第1の電荷の反対である第2の電荷で帯電させることと、をさらに含み、
前記粒子を前記第2の電荷で帯電させることにより、前記粒子が、前記1つ以上の基板に向かって、またその上へとそれる、方法。
(3) 実施態様1に記載の方法において、
前記1つ以上の基板は、フィルターを含み、
前記粒子を前記1つ以上の基板上に捕捉するために、前記方法は、
前記空気が、前記1つ以上の基板の前記フィルターを通って、またはこの上を流れることを可能にし、それによって、前記空気中の前記粒子を、前記フィルターのうちの1つ以上によって捕捉させることをさらに含む、方法。
(4) 実施態様1、2、または3に記載の方法において、
前記1つ以上の基板は、可動のテープの1つ以上の部分によって形成され、前記可動のテープは、前記1つ以上の基板上での前記粒子の捕捉と同時に粒子が捕捉されていない、他の部分を含む、方法。
(5) 実施態様2または3に記載の方法において、
前記粒子を前記1つ以上の基板上に捕捉するために、前記方法は、空気ポンプを用いて前記1つ以上の基板に向かう前記空気の流れを促進することをさらに含む、方法。
【0153】
(6) 実施態様2または3に記載の方法において、
前記1つ以上の基板は、前記基板の本体から離れた方を向く、改質表面を含み、
前記粒子は、前記1つ以上の基板の前記改質表面に付着することによって前記1つ以上の基板上に捕捉される、方法。
(7) 実施態様4に記載の方法において、
前記粒子の捕捉が前記可動のテープの別の部分で実行されるように前記可動のテープを前進させることによって、前記粒子が捕捉される前記1つ以上の基板の少なくとも一部を補充することをさらに含む、方法。
(8) 実施態様2、3、または7に記載の方法において、
前記粒子が捕捉される前記1つ以上の基板の少なくとも1つの表面をクリーニングすることをさらに含む、方法。
(9) 実施態様8に記載の方法において、
前記少なくとも1つの表面のクリーニングは、機械的手段および静電手段のうちの1つ以上を用いて実行される、方法。
(10) 実施態様9に記載の方法において、
前記少なくとも1つの表面を、静電手段を用いてクリーニングするため、前記方法は、
前記捕捉された粒子を、前記第1の電荷に等しい第3の電荷で帯電させるようにさらに機能し、
前記捕捉された粒子を、前記第3の電荷で帯電させることにより、前記粒子は、前記1つ以上の基板から離れて分離する、方法。
【0154】
(11) 実施態様1に記載の方法において、
前記1つ以上の感知動作は、光学感知、音響感知、電磁感知、および誘電感知のうちの1つ以上を実行するように構成された1つ以上のセンサによって実行される、方法。
(12) 実施態様11に記載の方法において、
前記1つ以上のセンサは、最適な感知を実行するように構成され、
前記1つ以上のセンサは、カメラを含む、方法。
(13) 実施態様12に記載の方法において、
前記1つ以上の感知動作は光学感知を含み、
前記1つ以上の感知動作の前記光学感知を行うため、前記方法は、
前記1つ以上の基板を照らすことと、
前記1つ以上の基板上に捕捉された前記粒子によって散乱する散乱光を検出することと、
をさらに含む、方法。
(14) 実施態様13に記載の方法において、
前記照らすことは、視射角で前記1つ以上の基板に向けられた光を用いて実行される、方法。
(15) 実施態様14に記載の方法において、
前記捕捉された粒子によって散乱する前記散乱光に少なくとも部分的に基づいて、前記1つ以上の基板上に捕捉される前記粒子を撮像することをさらに含む、方法。
【0155】
(16) 実施態様1に記載の方法において、
前記1つ以上の感知動作の結果は、前記1つ以上の基板上に捕捉された前記粒子の1つ以上の画像を含み、
前記捕捉された粒子を分析することは、
前記捕捉された粒子の前記画像から前記粒子に対応する粒子データを識別することを含む、方法。
(17) 実施態様16に記載の方法において、
前記捕捉された粒子を分析することは、
汚染または粒子状物質情報を、前記粒子データに基づいて計算することをさらに含む、方法。
(18) 実施態様1に記載の方法において、
前記粒子を捕捉するステップ、前記1つ以上の感知動作を行うステップ、および前記捕捉された粒子を分析するステップのうちの1つ以上の態様を動的に調節することをさらに含む、方法。
(19) 実施態様1に記載の方法において、
前記動的に調節することは、
(1)前記粒子が捕捉される前記空気の体積を調節することと、
(2)前記粒子の捕捉、前記1つ以上の感知動作の実行、または前記捕捉された粒子の分析を実行するタイミングを調節することと、
(3)前記1つ以上の基板またはその表面を補充またはクリーニングすることと、
のうちの少なくとも1つを含む、方法。
(20) 粒子状物質を監視するためのシステムにおいて、
静電および機械的捕獲器のうちの1つ以上を用いて流れる空気から粒子を捕捉するように動作可能な基板と、
捕捉された前記粒子に対して1つ以上の感知動作を実行するように動作可能なセンサと、
前記センサに、前記捕捉された粒子に対して前記1つ以上の感知動作を実行させるように動作可能な少なくとも1つのプロセッサと、
を含み、
前記基板、前記センサ、および前記少なくとも1つのプロセッサは、通信可能に連結され、
前記粒子が前記基板上に捕捉されると、前記粒子は、前記1つ以上の感知動作を前記粒子に対して実行するのに十分長い期間にわたって維持され得る前記基板に対する制御位置にくる、システム。
【0156】
(21) 実施態様20に記載のシステムにおいて、
前記基板は、導電性材料を含み、
前記粒子を前記基板上に捕捉するために、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記基板を第1の電荷で帯電させ、
前記空気中の前記粒子を、前記第1の電荷の反対である第2の電荷で帯電させる、
ように動作可能であり、
前記粒子を前記第2の電荷で帯電させることにより、前記粒子が、前記基板に向かって、またその上へとそれる、システム。
(22) 実施態様20に記載のシステムにおいて、
前記基板は、フィルターを含み、
前記粒子を前記基板上に捕捉するために、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記空気が、前記基板の前記フィルターを通って、またはこの上を流れることを可能にし、それによって、前記空気中の前記粒子を、前記フィルターのうちの1つ以上によって捕捉させるように動作可能である、システム。
(23) 実施態様20、21、または22に記載のシステムにおいて、
前記基板は、可動のテープの1つ以上の部分によって形成され、前記可動のテープは、前記1つ以上の基板上での前記粒子の捕捉と同時に粒子が捕捉されていない、他の部分を含む、システム。
(24) 実施態様21または22に記載のシステムにおいて、
空気の流れを増減させるように動作可能な空気ポンプをさらに含み、
前記粒子を前記基板上に捕捉するために、前記1つ以上のプロセッサは、
前記空気ポンプに、前記基板に向かう、前記粒子を含有する空気の流れを増減させるように動作可能である、システム。
(25) 実施態様21または22に記載のシステムにおいて、
前記基板は、前記基板の本体から離れた方を向く、改質表面を含み、
前記粒子は、前記基板の前記改質表面に付着することによって前記基板上に捕捉される、システム。
【0157】
(26) 実施態様23に記載のシステムにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記粒子の捕捉が前記可動のテープの別の部分で実行されるように、前記可動のテープを前進させることによって、前記粒子が捕捉される前記テープの少なくとも一部を補充させるように、さらに動作可能である、システム。
(27) 実施態様21、22、または26に記載のシステムにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記粒子が捕捉される前記基板の少なくとも1つの表面をクリーニングさせるように、さらに動作可能である、システム。
(28) 実施態様27に記載のシステムにおいて、
前記基板の前記少なくとも1つの表面のクリーニングは、機械的手段および静電手段のうちの1つ以上を用いて実行される、システム。
(29) 実施態様28に記載のシステムにおいて、
前記基板の前記少なくとも1つの表面を、静電手段を用いてクリーニングするため、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記捕捉された粒子を、前記第1の電荷に等しい第3の電荷で帯電させるようにさらに動作可能であり、
前記捕捉された粒子を、前記第3の電荷で帯電させることにより、前記粒子は、前記基板から離れて分離する、システム。
(30) 実施態様29に記載のシステムにおいて、
前記センサは、光学感知、音響感知、電磁感知、および誘電感知のうちの1つ以上を実行するように動作可能である、システム。
【0158】
(31) 実施態様30に記載のシステムにおいて、
前記センサは、最適な感知をを用いて、前記1つ以上の感知動作を実行するように構成され、
前記センサは、カメラを含む、システム。
(32) 実施態様31に記載のシステムにおいて、
照明光源をさらに含み、
前記1つ以上の感知動作のうちの前記最適な感知を実行するために、
(1)前記少なくとも1つのプロセッサは、前記照明光源に前記基板を照らさせるように動作可能であり、
(2)前記センサは、前記基板上に捕捉された前記粒子によって散乱する散乱光を検出する、システム。
(33) 実施態様32に記載のシステムにおいて、
前記基板を照らすために、前記照明光源は、視射角で前記基板に光を向ける、システム。
(34) 実施態様33に記載のシステムにおいて、
前記センサは、前記捕捉された粒子によって散乱する前記散乱光に少なくとも部分的に基づいて、前記捕捉された粒子を撮像するようにさらに動作可能である、システム。
(35) 実施態様29に記載のシステムにおいて、
前記1つ以上のプロセッサは、前記1つ以上の感知動作の結果に基づいて、前記捕捉された粒子を分析するようにさらに動作可能である、システム。
【0159】
(36) 実施態様35に記載のシステムにおいて、
前記1つ以上の感知動作の結果は、前記基板上に捕捉された前記粒子の1つ以上の画像を含み、
前記捕捉された粒子を分析するために、前記1つ以上のプロセッサは、前記捕捉された粒子の前記画像から前記粒子に対応する粒子データを識別するように動作可能である、システム。
(37) 実施態様36に記載のシステムにおいて、
前記捕捉された粒子を分析することは、汚染または粒子状物質情報を、前記粒子データに基づいて計算することを含む、システム。
(38) 実施態様37に記載のシステムにおいて、
前記1つ以上のプロセッサは、前記システムまたはその動作の態様を動的に調節するように動作可能である、システム。
(39) 実施態様38に記載のシステムにおいて、
前記動的調節は、
(1)前記粒子が捕捉される前記空気の体積を調節することと、
(2)前記空気からの前記粒子の捕捉、または前記1つ以上の感知動作のタイミングを調節することと、
(3)前記基板またはその表面を補充またはクリーニングすることと、
のうちの少なくとも1つを含む、システム。
(40) 実施態様20に記載のシステムにおいて、
前記センサは、撮像デバイスである、システム。
【0160】
(41) 実施態様40に記載のシステムにおいて、
前記撮像デバイスは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)ベースの画像センサまたは電荷結合素子(CCD)ベースの画像センサのうちの1つである、システム。
(42) 実施態様20に記載のシステムにおいて、
前記基板は、光を透過させるように動作可能な、パターン化された導電性層またはパターン化された導電性フィルムを含む、システム。
(43) 実施態様42に記載のシステムにおいて、
前記パターン化された導電性フィルムは、酸化インジウムスズ(ITO)である、システム。
(44) 実施態様21に記載のシステムにおいて、
前記基板は、照明光の導波管を形成する、システム。
(45) 実施態様44に記載のシステムにおいて、
前記導波管は、二酸化ケイ素を含む機械要素を含む、システム。
【0161】
(46) 実施態様34に記載のシステムにおいて、
前記散乱光は、複数の波長の光で散乱する、システム。
(47) 実施態様32に記載のシステムにおいて、
前記照明光源は、近紫外線(UV)または可視光である、システム。
(48) 実施態様20に記載のシステムにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記基板および/またはセンサを互いに対して移動させるようにさらに動作可能である、システム。
(49) 実施態様20に記載のシステムにおいて、
前記基板は、可撓性である、システム。
(50) 粒子状物質を監視するシステムにおいて、
基板を含み、前記基板上に空気から粒子を捕捉するように動作可能である、粒子捕捉サブシステムと、
前記基板上に捕捉された前記粒子に対して感知動作を実行するように動作可能である1つ以上のセンサを含む感知サブシステムと、
前記基板または前記基板の表面を、その上に捕捉された前記粒子のすべてまたは一部を除去することによって補充するように動作可能である補充サブシステムと、
前記粒子に対して実行された前記感知動作の結果に基づいて分析動作を実行するように動作可能である解析サブシステムと、
を含む、システム。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【
図1】空気を監視するための粒子状物質(PM)センサを含むエコシステムの例示的な一実施形態の概略図である。
【
図2】
図1のPMセンサの例示的な一実施形態の概略図である。
【
図3】空気監視プロセス中のPMセンサの例示的な一実施形態を示す図である。
【
図4】テープケースを有する、
図2のPMセンサの例示的な一実施形態の概略的斜視図である。
【
図5】
図2のPMセンサを用いた空気監視プロセスの例示的な一実施形態を示すアクティビティ図である。
【
図6】電気集塵を用いた、
図5の粒子を捕捉するプロセスの例示的な一実施形態を示す図である。
【
図7】
図6の電気集塵を実行するための電荷生成および電荷分布の例示的な一実施形態を示す図である。
【
図8】
図5の粒子を捕捉するプロセスを実行するためのろ過システムの例示的な一実施形態を示す図である。
【
図9A】粒子を横取りすることによって
図8のろ過システムを用いて粒子を捕捉する例示的な一実施形態を示す図である。
【
図9B】粒子衝突によって、
図8のろ過システムを用いて粒子を捕捉する例示的な一実施形態を示す図である。
【
図9C】粒子放散によって、
図8のろ過システムを用いて粒子を捕捉する例示的な一実施形態を示す図である。
【
図10A】
図2のPMセンサの感知特徴部の例示的な一実施形態を示す図である。
【
図10B】
図2のPMセンサの、レンズを含む感知特徴部の例示的な一実施形態を示す図である。
【
図11A】照明光源が非視射角で向けられた状態で、銅基板上に捕捉された粒子の画像の例示的な一実施形態である。
【
図11B】照明光源が視射角で向けられた状態で、銅基板上に捕捉された粒子の画像の例示的な一実施形態である。
【
図11C】木/低木の花粉の捕捉された粒子の画像の例示的な一実施形態である。
【
図11D】雑草の花粉の捕捉された粒子の画像の例示的な一実施形態である。
【
図11E】試験粉末の捕捉された粒子の画像の例示的な一実施形態である。
【
図12A】ろ過ベースのシステムの単繊維を含む、
図2のPMセンサの感知特徴部の例示的な一実施形態を示す図である。
【
図12B】
図12Aのろ過ベースのシステムを用いた、
図2のPMセンサの感知特徴部の例示的な一実施形態を示す図である。
【
図13A】完全に組み立てられた
図4のPMセンサの概略的斜視図である。
【
図13B】部分的に組み立てられるか、または部分的に分解された、
図13AのPMセンサの概略的斜視図である。
【
図14】
図5の空気監視を実行するためのコンピュータシステムの例示的な一実施形態の概略的ブロック図である。