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特許7127060衛星光・地上電波ハイブリッド落雷位置標定のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-19
(45)【発行日】2022-08-29
(54)【発明の名称】衛星光・地上電波ハイブリッド落雷位置標定のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01W 1/08 20060101AFI20220822BHJP
   G01W 1/10 20060101ALI20220822BHJP
   G01S 5/06 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
G01W1/08 P
G01W1/10 E
G01S5/06
【請求項の数】 48
(21)【出願番号】P 2019560381
(86)(22)【出願日】2018-05-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-25
(86)【国際出願番号】 US2018030530
(87)【国際公開番号】W WO2018204415
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2021-04-28
(31)【優先権主張番号】62/500,158
(32)【優先日】2017-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514005559
【氏名又は名称】アース・ネットワークス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】EARTH NETWORKS,INC.
【住所又は居所原語表記】12410 Milestone Center Drive,Suite 300,Germantown,MD 20876 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ストック、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ヘックマン、スタン
【審査官】佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0181340(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105044800(CN,A)
【文献】国際公開第2009/111394(WO,A1)
【文献】米国特許第07211994(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0192095(US,A1)
【文献】特許第3561494(JP,B2)
【文献】特開平11-160452(JP,A)
【文献】Kenneth L Cummins, et. al,An Overview of Lightning Locating Systems: History, Techniques, and Data Uses, With an In-Depth Look at the U.S. NLDN,IEEE Transactions on Electromagnetic Compatibility,2009年,Vol. 51, No. 3,p. 499-518,<検索日:2022/02/01>, <DOI:10.1109/TEMC.2009.2023450>, <https://ieeexplore.ieee.org/document/5173582 からダウンロード可能>
【文献】Antti T. Pessi, Steven Businger,Relationships among Lightning, Precipitation, and Hydrometeor Characteristics over the North Pacific Ocean,Journal of Applied Meteorology and Climatology,2009年,Vol. 48, No. 4,p. 833-848,<検索日:2022/2/14>, <DOI:10.1175/2008JAMC1817.1>, <https://journals.ametsoc.org/view/journals/apme/48/4/2008jamc1817.1.xml でダウンロード可能>
【文献】Scott D Rudlosky,Evaluating ground-based lightning detection networks using TRMM/LIS observations,23rd international lightning detection conference & 5th international lightning meteorology conference,2014年,p. 1-7,<検索日:2022/2/14>, <https://www.vaisala.com/sites/default/files/documents/Rudlosky-Evaluating%20Ground-Based%20Lightning%20Detection%20Networks%20using%20TRMM%20and%20LIS%20Observations-2014-ILDC-ILMC.pdf でダウンロード可能>
【文献】Heidi E. Tierney, et al.,Determination of source thunderstorms for VHF emissions observed by the FORTE satellite,Radio Science,2001年,Vol. 36, No. 1,p. 79-96,<検索日:2022/02/01>, <https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1029/1999RS002254 でダウンロード可能>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00 - 5/14 、19/00 -19/55 、
G01W 1/00 - 1/18 、
インターネット
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雷活動を位置付けるためのコンピュータ化方法であって、
サーバコンピューティングデバイスによって、地理的地域で起こっている雷活動を検出する衛星から、前記衛星によって検出された雷活動と関連付けられた位置座標及び時間データを受信するステップと、
前記サーバコンピューティングデバイスによって、雷活動を検出する1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つから、前記1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つによって検出された雷活動に対する雷特徴データを捕捉するステップと、
前記サーバコンピューティングデバイスによって、前記地上雷センサから捕捉した前記雷特徴データに基づいて多数の地上ポイント位置を生成するステップと、
前記サーバコンピューティングデバイスによって、整合データの1つ又は複数のセットを識別するために、前記地上ポイント位置と前記衛星から受信した前記位置座標とを比較するステップと、
前記サーバコンピューティングデバイスによって、整合データの各セットに対して、前記地上センサから捕捉した前記雷特徴データを補充して、前記衛星から受信した前記雷活動に対する前記位置座標を増加するステップと、
前記サーバコンピューティングデバイスによって、前記雷活動に対する前記増加した位置座標を1つ又は複数のリモートコンピューティングデバイスに送信するステップと
を備える方法。
【請求項2】
前記サーバコンピューティングデバイスが、前記衛星から前記検出された雷活動と関連付けられた光エネルギー情報を受信する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記地上雷センサから捕捉された前記雷特徴データが、電波空電データを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
多数の地上ポイント位置を生成するステップが、多数の前記地上雷センサから受信した前記電波空電データを組み合わせるステップと、前記地上ポイント位置を生成するために、到達時間三角測量アルゴリズムを使用して、前記組み合わせたデータを処理するステップとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
各地上ポイント位置が、位置、分類、推定ピーク電流及び推定位置精度を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記比較するステップが、1つ又は複数の前記地上センサによって検出された落雷事象が、前記衛星によって検出された落雷事象の既定の時間内に起こり、前記衛星によって検出された前記落雷事象から既定の距離内で起こったと決定するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記増加するステップが、前記地上センサからの地理的座標、ピーク電流及び分類を前記衛星と関連付けられたグループデータに追加するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記比較するステップが、1つ又は複数の前記地上センサによって検出された落雷事象が、前記衛星によって検出された落雷事象の既定の時間内に起こり、前記衛星によって検出された前記落雷事象から第1の既定の距離外で起こり、前記衛星によって検出された前記落雷事象の第2の既定の距離内で起こったと決定するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記増加するステップが、前記地上センサからのピーク電流及び分類を前記衛星と関連付けられたグループデータに追加するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記比較するステップが、1つ又は複数の前記地上センサによって検出された落雷事象が、前記衛星によって検出された落雷事象の既定の時間外に起こったか又は前記衛星によって検出された前記落雷事象から既定の距離外で起こったと決定するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記増加するステップが、前記衛星と関連付けられたグループデータを変更せずにおくステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
多数の地上ポイント位置を生成するステップが、
前記衛星から受信した前記位置座標から前記地上センサの各々の位置までの距離を決定するステップと、
前記衛星から受信した前記位置座標から既定の距離内に位置する各地上センサから前記電波空電データを得るステップと、
前記地上センサから得られた前記電波空電データの予想到達時間を決定するステップと、
既定の閾値内の予想到達時間を有する前記電波空電データを組み合わせて電波空電データの収集体にするステップと、
前記電波空電データと関連付けられた雷活動の位置を決定するステップと
をさらに備える請求項4に記載の方法。
【請求項13】
前記電波空電データと関連付けられた雷活動の位置を決定するステップが、
a)前記電波空電データの収集体の各電波空電に対するピーク時間(tp)及びセンサ位置(ps)を見出すステップと、
b)前記地上センサから受信した地理的座標(p0)及び時間データ(t0)を初期の推測位置として割り当てるステップと、
c)|t-D(p,ps)/c-tp|を最小化する前記電波空電データの収集体の各電波空電に対する位置(p)及び時間(t)を決定するステップであって、D(p,ps)が前記位置(p)と前記センサ位置(ps)との間の距離であることと、
d)方程式r=t-D(p,ps)/c-tpを使用して、前記電波空電データの収集体のすべての電波空電に対する残差値(r)を決定するステップと、
e)(r)が各電波空電に対する事前に定義された値を下回る場合は、前記電波空電に対して前記決定された位置に基づいて前記雷活動の位置を識別するステップと、
f)(r)が少なくとも1つの電波空電に対する事前に定義された値を下回らない場合は、前記事前に定義された値を上回る残差値(r)を有する電波空電を前記電波空電データの収集体から除去して、ステップc)に戻るステップと
を備える請求項12に記載の方法。
【請求項14】
雷活動を位置付けるためのシステムであって、サーバコンピューティングデバイスを備えるシステムであり、前記サーバコンピューティングデバイスが、コンピュータ実行可能命令を格納するためのメモリと、前記コンピュータ実行可能命令を実行するためのプロセッサとを備え、前記プロセッサが、
地理的地域で起こっている雷活動を検出する衛星から、前記衛星によって検出された雷活動と関連付けられた位置座標及び時間データを受信するステップと、
雷活動を検出する1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つから、前記1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つによって検出された雷活動に対する雷特徴データを捕捉するステップと、
前記地上雷センサから捕捉した前記雷特徴データに基づいて多数の地上ポイント位置を生成するステップと、
整合データの1つ又は複数のセットを識別するために、前記地上ポイント位置と前記衛星から受信した前記位置座標とを比較するステップと、
整合データの各セットに対して、前記地上センサから捕捉した前記雷特徴データを補充して、前記衛星から受信した前記雷活動に対する前記位置座標を増加するステップと、
前記雷活動に対する前記増加した位置座標を1つ又は複数のリモートコンピューティングデバイスに送信するステップと
を行うという前記コンピュータ実行可能命令を実行する、システム。
【請求項15】
前記サーバコンピューティングデバイスが、前記衛星から前記検出された雷活動と関連付けられた光エネルギー情報を受信する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記地上雷センサから捕捉された前記雷特徴データが、電波空電データを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
多数の地上ポイント位置を生成するステップが、多数の前記地上雷センサから受信した前記電波空電データを組み合わせるステップと、前記地上ポイント位置を生成するために、到達時間三角測量アルゴリズムを使用して、前記組み合わせたデータを処理するステップとを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
各地上ポイント位置が、位置、分類、推定ピーク電流及び推定位置精度を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記比較するステップが、1つ又は複数の前記地上センサによって検出された落雷事象が、前記衛星によって検出された落雷事象の既定の時間内に起こり、前記衛星によって検出された前記落雷事象から既定の距離内で起こったと決定するステップを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記増加するステップが、前記地上センサからの地理的座標、ピーク電流及び分類を前記衛星と関連付けられたグループデータに追加するステップを含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記比較するステップが、1つ又は複数の前記地上センサによって検出された落雷事象が、前記衛星によって検出された落雷事象の既定の時間内に起こり、前記衛星によって検出された前記落雷事象から第1の既定の距離外で起こり、前記衛星によって検出された前記落雷事象の第2の既定の距離内で起こったと決定するステップを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
前記増加するステップが、前記地上センサからのピーク電流及び分類を前記衛星と関連付けられたグループデータに追加するステップを含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記比較するステップが、1つ又は複数の前記地上センサによって検出された落雷事象が、前記衛星によって検出された落雷事象の既定の時間外に起こったか又は前記衛星によって検出された前記落雷事象から既定の距離外で起こったと決定するステップを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項24】
前記増加するステップが、前記衛星と関連付けられたグループデータを変更せずにおくステップを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
多数の地上ポイント位置を生成するステップが、
前記衛星から受信した前記位置座標から前記地上センサの各々の位置までの距離を決定するステップと、
前記衛星から受信した前記位置座標から既定の距離内に位置する各地上センサから前記電波空電データを得るステップと、
前記地上センサから得られた前記電波空電データの予想到達時間を決定するステップと、
既定の閾値内の予想到達時間を有する前記電波空電データを組み合わせて電波空電データの収集体にするステップと、
前記電波空電データと関連付けられた雷活動の位置を決定するステップと
をさらに備える請求項17に記載のシステム。
【請求項26】
前記電波空電データと関連付けられた雷活動の位置を決定するステップが、
a)前記電波空電データの収集体の各電波空電に対するピーク時間(tp)及びセンサ位置(ps)を見出すステップと、
b)前記地上センサから受信した地理的座標(p0)及び時間データ(t0)を初期の推測位置として割り当てるステップと、
c)|t-D(p,ps)/c-tp|を最小化する前記電波空電データの収集体の各電波空電に対する位置(p)及び時間(t)を決定するステップであって、D(p,ps)が前記位置(p)と前記センサ位置(ps)との間の距離であることと、
d)方程式r=t-D(p,ps)/c-tpを使用して、前記電波空電データの収集体のすべての電波空電に対する残差値(r)を決定するステップと、
e)(r)が各電波空電に対する事前に定義された値を下回る場合は、前記電波空電に対して前記決定された位置に基づいて前記雷活動の位置を識別するステップと、
f)(r)が少なくとも1つの電波空電に対する事前に定義された値を下回らない場合は、前記事前に定義された値を上回る残差値(r)を有する電波空電を前記電波空電データの収集体から除去して、ステップc)に戻るステップと
を備える請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
雷活動を位置付けるためのコンピュータ化方法であって、
サーバコンピューティングデバイスによって、地理的地域で起こっている雷活動を検出する衛星から、前記衛星によって検出された雷活動と関連付けられた位置座標及び時間データを受信するステップと、
前記サーバコンピューティングデバイスによって、雷活動を検出する1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つから、前記1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つによって検出された雷活動に対する雷特徴データを捕捉するステップと、
前記サーバコンピューティングデバイスによって、前記衛星から受信した前記位置座標及び時間データに基づいて前記地理的地域に近接する前記1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つを識別するステップと、
前記サーバコンピューティングデバイスによって、前記識別した地上雷センサからの前記雷特徴データを使用して、前記雷活動の位置を決定するステップと、
前記サーバコンピューティングデバイスによって、前記雷活動の前記位置を1つ又は複数のリモートコンピューティングデバイスに送信するステップと
を備える方法。
【請求項28】
前記サーバコンピューティングデバイスが、前記衛星から前記検出された雷活動と関連付けられた光エネルギー情報を受信する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記地上雷センサから捕捉された前記雷特徴データが、電波空電データを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記雷活動の位置を決定するステップが、1つ又は複数の前記地上センサによって検出された落雷事象が、前記衛星によって検出された落雷事象の既定の時間内に起こり、前記衛星によって検出された前記落雷事象から既定の距離内で起こったと決定するステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記識別した地上センサからの地理的座標、ピーク電流及び分類を前記衛星と関連付けられたグループデータに追加するステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記雷活動の位置を決定するステップが、1つ又は複数の前記地上センサによって検出された落雷事象が、前記衛星によって検出された落雷事象の既定の時間内に起こり、前記衛星によって検出された前記落雷事象から第1の既定の距離外で起こり、前記衛星によって検出された前記落雷事象の第2の既定の距離内で起こったと決定するステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記識別した地上センサからのピーク電流及び分類を前記衛星と関連付けられたグループデータに追加するステップをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記雷活動の位置を決定するステップが、1つ又は複数の前記地上センサによって検出された落雷事象が、前記衛星によって検出された落雷事象の既定の時間外に起こったか又は前記衛星によって検出された前記落雷事象から既定の距離外で起こったと決定するステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記衛星と関連付けられたグループデータを変更せずにおくステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記地理的地域に近接する前記1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つを識別するステップが、
前記衛星から受信した前記位置座標から前記地上センサの各々の位置までの距離を決定するステップと、
前記衛星から受信した前記位置座標から既定の距離内に位置する各地上センサから前記電波空電データを得るステップと、
前記地上センサから得られた前記電波空電データの予想到達時間を決定するステップと、
既定の閾値内の予想到達時間を有する前記電波空電データを組み合わせて電波空電データの収集体にするステップと
を備える請求項29に記載の方法。
【請求項37】
a)前記電波空電データの収集体の各電波空電に対するピーク時間(tp)及びセンサ位置(ps)を見出すステップと、
b)前記地上センサから受信した地理的座標(p0)及び時間データ(t0)を初期の推測位置として割り当てるステップと、
c)|t-D(p,ps)/c-tp|を最小化する前記電波空電データの収集体の各電波空電に対する位置(p)及び時間(t)を決定するステップであって、D(p,ps)が前記位置(p)と前記センサ位置(ps)との間の距離であることと、
d)方程式r=t-D(p,ps)/c-tpを使用して、前記電波空電データの収集体のすべての電波空電に対する残差値(r)を決定するステップと、
e)(r)が各電波空電に対する事前に定義された値を下回る場合は、前記電波空電に対して前記決定された位置に基づいて前記雷活動の位置を識別するステップと、
f)(r)が少なくとも1つの電波空電に対する事前に定義された値を下回らない場合は、前記事前に定義された値を上回る残差値(r)を有する電波空電を前記電波空電データの収集体から除去して、ステップc)に戻るステップと
をさらに備える請求項36に記載の方法。
【請求項38】
雷活動を位置付けるためのシステムであって、サーバコンピューティングデバイスを備えるシステムであり、前記サーバコンピューティングデバイスが、コンピュータ実行可能命令を格納するためのメモリと、前記コンピュータ実行可能命令を実行するためのプロセッサとを備え、前記プロセッサが、
地理的地域で起こっている雷活動を検出する衛星から、前記衛星によって検出された雷活動と関連付けられた位置座標及び時間データを受信するステップと、
雷活動を検出する1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つから、前記1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つによって検出された雷活動に対する雷特徴データを捕捉するステップと、
前記衛星から受信した前記位置座標及び時間データに基づいて前記地理的地域に近接する前記1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つを識別するステップと、
前記識別した地上雷センサからの前記雷特徴データを使用して、前記雷活動の位置を決定するステップと、
前記雷活動の前記位置を1つ又は複数のリモートコンピューティングデバイスに送信するステップと
を行うという前記コンピュータ実行可能命令を実行する、システム。
【請求項39】
前記サーバコンピューティングデバイスが、前記衛星から前記検出された雷活動と関連付けられた光エネルギー情報を受信する、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記地上雷センサから捕捉された前記雷特徴データが、電波空電データを含む、請求項38に記載のシステム。
【請求項41】
前記雷活動の位置を決定するステップが、1つ又は複数の前記地上センサによって検出された落雷事象が、前記衛星によって検出された落雷事象の既定の時間内に起こり、前記衛星によって検出された前記落雷事象から既定の距離内で起こったと決定するステップを含む、請求項38に記載のシステム。
【請求項42】
前記識別した地上センサからの地理的座標、ピーク電流及び分類を前記衛星と関連付けられたグループデータに追加するステップをさらに含む、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記雷活動の位置を決定するステップが、1つ又は複数の前記地上センサによって検出された落雷事象が、前記衛星によって検出された落雷事象の既定の時間内に起こり、前記衛星によって検出された前記落雷事象から第1の既定の距離外で起こり、前記衛星によって検出された前記落雷事象の第2の既定の距離内で起こったと決定するステップを含む、請求項38に記載のシステム。
【請求項44】
前記識別した地上センサからのピーク電流及び分類を前記衛星と関連付けられたグループデータに追加するステップをさらに含む、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記雷活動の位置を決定するステップが、1つ又は複数の前記地上センサによって検出された落雷事象が、前記衛星によって検出された落雷事象の既定の時間外に起こったか又は前記衛星によって検出された前記落雷事象から既定の距離外で起こったと決定するステップを含む、請求項38に記載のシステム。
【請求項46】
前記衛星と関連付けられたグループデータを変更せずにおくステップをさらに含む、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記地理的地域に近接する前記1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つを識別するステップが、
前記衛星から受信した前記位置座標から前記地上センサの各々の位置までの距離を決定するステップと、
前記衛星から受信した前記位置座標から既定の距離内に位置する各地上センサから前記電波空電データを得るステップと、
前記地上センサから得られた前記電波空電データの予想到達時間を決定するステップと、
既定の閾値内の予想到達時間を有する前記電波空電データを組み合わせて電波空電データの収集体にするステップと
を備える請求項40に記載のシステム。
【請求項48】
a)前記電波空電データの収集体の各電波空電に対するピーク時間(tp)及びセンサ位置(ps)を見出すステップと、
b)前記地上センサから受信した地理的座標(p0)及び時間データ(t0)を初期の推測位置として割り当てるステップと、
c)|t-D(p,ps)/c-tp|を最小化する前記電波空電データの収集体の各電波空電に対する位置(p)及び時間(t)を決定するステップであって、D(p,ps)が前記位置(p)と前記センサ位置(ps)との間の距離であることと、
d)方程式r=t-D(p,ps)/c-tpを使用して、前記電波空電データの収集体のすべての電波空電に対する残差値(r)を決定するステップと、
e)(r)が各電波空電に対する事前に定義された値を下回る場合は、前記電波空電に対して前記決定された位置に基づいて前記雷活動の位置を識別するステップと、
f)(r)が少なくとも1つの電波空電に対する事前に定義された値を下回らない場合は、前記事前に定義された値を上回る残差値(r)を有する電波空電を前記電波空電データの収集体から除去して、ステップc)に戻るステップと
をさらに備える請求項47に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、概して、衛星光・地上電波ハイブリッド落雷位置標定のためのシステム及び方法(コンピュータプログラム製品を含む)に関する。
【背景技術】
【0002】
衛星と地上の両方の落雷位置標定システム(LLS:lightning location systems)が存在し、それらは異なる方法で動作する。一般に、衛星落雷位置標定システムは、閃光を位置付けるために、カメラのようなセンサを使用して、雷によって放出された光を測定する。典型的な地上落雷位置標定システム(アースネットワークス社(Earth Networks,Inc.)からのアースネットワークス総合雷ネットワーク(Earth Networks Total Lightning Network)など)は、複数の位置における雷の高周波を測定し、到達時間三角測量法を使用して雷閃光を位置付ける。
【0003】
つい最近では、衛星LLSは、米国上での静止軌道雷マッパ(GLM:Geostationary Lightning Mapper)の打ち上げによって、雷の操作可能な検出に役立つようになった。以前は、衛星LLSは、低軌道を周回し、1日の間に任意の特定の位置に対して限られた時間(およそ15分)のカバレージしか提供しないものであった。GLMは静止軌道上にあるため、その視野が時間と共に変化することはなく、連続的なカバレージを提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、地上及び衛星LLSの各々は、ある長所と短所を有する。地上システムは、典型的には、不均一な検出効率(DE:detection efficiency)を有し、衛星システムは、より均一な高いDEを有する。この理由は、地上システムの感度/信号対雑音比(SNR:signal-to-noise ratio)が、地上システムがセンサからどれほど離れているかに依存し、衛星システムの場合は、感度が一定であり、SNRが背景光レベルと共に変化する(すなわち、昼間は低く、夜間は高い)ためである。地上センサ密度が十分に高いが、センサから離れている傾向にある場合(海上など)は、地上システムのDEは、衛星よりも高いものであり得る。
【0005】
衛星システムは、画像ベースシステムであるため、より低い位置精度を有する。位置精度は、電荷結合素子(CCD)画素の数や、レンズの視野に依存する。例えば、GLM上では、1画素は、地球上の約10×10kmの正方形からの光を収集する。地上システムは、それよりはるかに優れた精度で日常的に雷を位置付ける。GLM上の画素の数を増加することは可能であるが、そうすることで、コストが増加し、SNRが低減する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、より正確且つ効率的な落雷位置標定をもたらすために衛星システムの長所と地上システムの長所を利用した衛星光・地上電波ハイブリッド落雷位置標定のための方法及びシステムが必要である。本明細書で説明されるハイブリッド落雷位置標定システムは、衛星システムのDE及び地上システムのLAを有する。それに加えて、同じ落雷過程によってどの電波特徴が生成されるかについてはハイブリッドシステムの衛星部分が識別するため、ハイブリッド落雷位置標定システムの地上部分に対するコンピュータ要件を低減することができ、既存の地上位置標定技法における大きな難題を克服することができる。或いは、ハイブリッド落雷位置標定システムは、2つの独立した検出を探求することによって、分離においてLLSによって日常的に使用される雑音低減アルゴリズムを緩和するために使用することができる。
【0007】
本発明は、一態様では、雷活動を位置付けるためのコンピュータ化方法を特徴とする。サーバコンピューティングデバイスは、地理的地域で起こっている雷活動を検出する衛星から、衛星によって検出された雷活動と関連付けられた位置座標及び時間データを受信する。サーバコンピューティングデバイスは、雷活動を検出する1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つから、1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つによって検出された雷活動に対する雷特徴データを捕捉する。サーバコンピューティングデバイスは、地上雷センサから捕捉した雷特徴データに基づいて多数の地上ポイント位置を生成する。サーバコンピューティングデバイスは、整合データの1つ又は複数のセットを識別するために、地上ポイント位置と衛星から受信した位置座標とを比較する。サーバコンピューティングデバイスは、整合データの各セットに対して、地上センサから捕捉した雷特徴データを補充して、衛星から受信した雷活動に対する位置座標を増加する。サーバコンピューティングデバイスは、雷活動に対する増加した位置座標を1つ又は複数のリモートコンピューティングデバイスに送信する。
【0008】
本発明は、別の態様では、雷活動を位置付けるためのシステムを特徴とする。システムは、サーバコンピューティングデバイスを含み、サーバコンピューティングデバイスは、コンピュータ実行可能命令を格納するためのメモリと、コンピュータ実行可能命令を実行するためのプロセッサとを含む。プロセッサは、地理的地域で起こっている雷活動を検出する衛星から、衛星によって検出された雷活動と関連付けられた位置座標及び時間データを受信するというコンピュータ実行可能命令を実行する。プロセッサは、雷活動を検出する1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つから、1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つによって検出された雷活動に対する雷特徴データを捕捉するというコンピュータ実行可能命令を実行する。プロセッサは、地上雷センサから捕捉した雷特徴データに基づいて多数の地上ポイント位置を生成するというコンピュータ実行可能命令を実行する。プロセッサは、整合データの1つ又は複数のセットを識別するために、地上ポイント位置と衛星から受信した位置座標とを比較するというコンピュータ実行可能命令を実行する。プロセッサは、整合データの各セットに対して、地上センサから捕捉した雷特徴データを補充して、衛星から受信した雷活動に対する位置座標を増加するというコンピュータ実行可能命令を実行する。プロセッサは、雷活動に対する増加した位置座標を1つ又は複数のリモートコンピューティングデバイスに送信するというコンピュータ実行可能命令を実行する。
【0009】
上記の態様のいずれも、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。いくつかの実施形態では、サーバコンピューティングデバイスは、衛星から検出された雷活動と関連付けられた光エネルギー情報を受信する。いくつかの実施形態では、地上雷センサから捕捉された雷特徴データは、電波空電データを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、多数の地上ポイント位置を生成するステップは、多数の地上雷センサから受信した電波空電データを組み合わせるステップと、地上ポイント位置を生成するために、到達時間三角測量アルゴリズムを使用して、組み合わせたデータを処理するステップとを含む。いくつかの実施形態では、各地上ポイント位置は、位置、分類、推定ピーク電流及び推定位置精度を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、比較するステップは、1つ又は複数の地上センサによって検出された落雷事象が、衛星によって検出された落雷事象の既定の時間内に起こり、衛星によって検出された落雷事象から既定の距離内で起こったと決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、増加するステップは、地上センサからの地理的座標、ピーク電流及び分類を衛星と関連付けられたグループデータに追加するステップを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、比較するステップは、1つ又は複数の地上センサによって検出された落雷事象が、衛星によって検出された落雷事象の既定の時間内に起こり、衛星によって検出された落雷事象から第1の既定の距離外で起こり、衛星によって検出された落雷事象の第2の既定の距離内で起こったと決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、増加するステップは、地上センサからのピーク電流及び分類を衛星と関連付けられたグループデータに追加するステップを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、比較するステップは、1つ又は複数の地上センサによって検出された落雷事象が、衛星によって検出された落雷事象の既定の時間外に起こったか又は衛星によって検出された落雷事象から既定の距離外で起こったと決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、増加するステップは、衛星と関連付けられたグループデータを変更せずにおくステップを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、多数の地上ポイント位置を生成するステップは、衛星から受信した位置座標から地上センサの各々の位置までの距離を決定するステップと、衛星から受信した位置座標から既定の距離内に位置する各地上センサから電波空電データを得るステップと、地上センサから得られた電波空電データの予想到達時間を決定するステップと、既定の閾値内の予想到達時間を有する電波空電データを組み合わせて電波空電データの収集体にするステップと、電波空電データと関連付けられた雷活動の位置を決定するステップとを含む。いくつかの実施形態では、電波空電データと関連付けられた雷活動の位置を決定するステップは、a)電波空電データの収集体の各電波空電に対するピーク時間(tp)及びセンサ位置(ps)を見出すステップと、b)地上センサから受信した地理的座標(p0)及び時間データ(t0)を初期の推測位置として割り当てるステップと、c)電波空電データの収集体を使用して、|t-D(p,ps)/c-tp|を最小化する落雷過程に対する位置(p)及び時間(t)を決定するステップと、d)方程式r=t-D(p,ps)/c-tpを使用して、電波空電データの収集体のすべての電波空電に対する残差値(r)を決定するステップと、e)(r)が各電波空電に対する事前に定義された値を下回る場合は、電波空電に対して決定された位置に基づいて雷活動の位置を識別するステップと、f)(r)が少なくとも1つの電波空電に対する事前に定義された値を下回らない場合は、事前に定義された値を上回る残差値(r)を有する電波空電を電波空電データの収集体から除去して、ステップc)に戻るステップとを含む。
【0015】
本発明は、別の態様では、雷活動を位置付けるためのコンピュータ化方法を特徴とする。サーバコンピューティングデバイスは、地理的地域で起こっている雷活動を検出する衛星から、衛星によって検出された雷活動と関連付けられた位置座標及び時間データを受信する。サーバコンピューティングデバイスは、雷活動を検出する1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つから、1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つによって検出された雷活動に対する雷特徴データを捕捉する。サーバコンピューティングデバイスは、衛星から受信した位置座標及び時間データに基づいて地理的地域に近接する1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つを識別する。サーバコンピューティングデバイスは、識別した地上雷センサからの雷特徴データを使用して、雷活動の位置を決定する。サーバコンピューティングデバイスは、雷活動の位置を1つ又は複数のリモートコンピューティングデバイスに送信する。
【0016】
本発明は、別の態様では、雷活動を位置付けるためのシステムを特徴とする。システムは、サーバコンピューティングデバイスを含み、サーバコンピューティングデバイスは、コンピュータ実行可能命令を格納するためのメモリと、コンピュータ実行可能命令を実行するためのプロセッサとを含む。プロセッサは、地理的地域で起こっている雷活動を検出する衛星から、衛星によって検出された雷活動と関連付けられた位置座標及び時間データを受信するというコンピュータ実行可能命令を実行する。プロセッサは、雷活動を検出する1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つから、1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つによって検出された雷活動に対する雷特徴データを捕捉するというコンピュータ実行可能命令を実行する。プロセッサは、衛星から受信した位置座標及び時間データに基づいて地理的地域に近接する1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つを識別するというコンピュータ実行可能命令を実行する。プロセッサは、識別した地上雷センサからの雷特徴データを使用して、雷活動の位置を決定するというコンピュータ実行可能命令を実行する。プロセッサは、雷活動の位置を1つ又は複数のリモートコンピューティングデバイスに送信するというコンピュータ実行可能命令を実行する。
【0017】
上記の態様のいずれも、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。いくつかの実施形態では、サーバコンピューティングデバイスは、衛星から検出された雷活動と関連付けられた光エネルギー情報を受信する。いくつかの実施形態では、地上雷センサから捕捉された雷特徴データは、電波空電データを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、雷活動の位置を決定するステップは、1つ又は複数の地上センサによって検出された落雷事象が、衛星によって検出された落雷事象の既定の時間内に起こり、衛星によって検出された落雷事象から既定の距離内で起こったと決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、サーバコンピューティングデバイスは、識別した地上センサからの地理的座標、ピーク電流及び分類を衛星と関連付けられたグループデータに追加する。
【0019】
いくつかの実施形態では、雷活動の位置を決定するステップは、1つ又は複数の地上センサによって検出された落雷事象が、衛星によって検出された落雷事象の既定の時間内に起こり、衛星によって検出された落雷事象から第1の既定の距離外で起こり、衛星によって検出された落雷事象の第2の既定の距離内で起こったと決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、サーバコンピューティングデバイスは、識別した地上センサからのピーク電流及び分類を衛星と関連付けられたグループデータに追加する。
【0020】
いくつかの実施形態では、雷活動の位置を決定するステップは、1つ又は複数の地上センサによって検出された落雷事象が、衛星によって検出された落雷事象の既定の時間外に起こったか又は衛星によって検出された落雷事象から既定の距離外で起こったと決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、サーバコンピューティングデバイスは、衛星と関連付けられたグループデータを変更せずにおく。
【0021】
いくつかの実施形態では、地理的地域に近接する1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つを識別するステップは、衛星から受信した位置座標から地上センサの各々の位置までの距離を決定するステップと、衛星から受信した位置座標から既定の距離内に位置する各地上センサから電波空電データを得るステップと、地上センサから得られた電波空電データの予想到達時間を決定するステップと、既定の閾値内の予想到達時間を有する電波空電データを組み合わせて電波空電データの収集体にするステップとを含む。いくつかの実施形態では、地理的地域に近接する1つ又は複数の地上雷センサの少なくとも1つを識別するステップは、a)電波空電データの収集体の各電波空電に対するピーク時間(tp)及びセンサ位置(ps)を見出すステップと、b)地上センサから受信した地理的座標(p0)及び時間データ(t0)を初期の推測位置として割り当てるステップと、c)電波空電データの収集体を使用して、|t-D(p,ps)/c-tp|を最小化する落雷過程に対する位置(p)及び時間(t)を決定するステップと、d)方程式r=t-D(p,ps)/c-tpを使用して、電波空電データの収集体のすべての電波空電に対する残差値(r)を決定するステップと、e)(r)が各電波空電に対する事前に定義された値を下回る場合は、電波空電に対して決定された位置に基づいて雷活動の位置を識別するステップと、f)(r)が少なくとも1つの電波空電に対する事前に定義された値を下回らない場合は、事前に定義された値を上回る残差値(r)を有する電波空電を電波空電データの収集体から除去して、ステップc)に戻るステップとを含む。
【0022】
本発明の他の態様及び利点は、単なる例示として本発明の原理を示す添付の図面と併せて取り入れられる以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
上記で説明される本発明の利点は、さらなる利点と共に、添付の図面と併せて取り入れられる以下の説明を参照することによって、より良く理解することができる。図面は、必ずしも原寸に比例するとは限らず、代わりに、本発明の原理を示すことに一般的に重点が置かれる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】落雷位置標定のためのハイブリッド衛星・地上システムのブロック図である。
図2】衛星と地上センサとの間の検出におけるオーバラップを示すベン図である。
図3】ハイブリッド衛星・地上システムを使用して雷活動を位置付けるための第1の例示的な方法のフロー図である。
図4】初期の推測として地上センサベースの位置を使用して電波空電が位置に収束するどうかを判断するための方法のフロー図である。
図5】電波空電の位置と衛星グループの重心位置との比較を示す図である。
図6】ハイブリッド衛星・地上システムを使用して雷活動を位置付けるための第1の例示的な方法のフロー図である。
図7A】雷に相当する地上センサからの電波空電を識別するステップに関連する図である。
図7B】雷に相当する地上センサからの電波空電を識別するステップに関連する図である。
図8】初期の推測として衛星ベースの位置を使用して電波空電が位置に収束するどうかを判断するための方法のフロー図である。
図9】衛星によって検出された雷パルスの光エネルギー及び地上センサによって記録された電気信号を描写する図である。
図10】サーバコンピューティングデバイスによって決定された雷パルスの位置を示すマップである。
図11】サーバコンピューティングデバイスによって決定された衛星・地上ハイブリッド落雷位置データを含む、操作可能なリアルタイムのマップの例示的なユーザインタフェースのスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、落雷位置標定のためのハイブリッド衛星・地上システム100のブロック図である。システム100は、雷閃光103と関連付けられた第1のデータセットを捕捉する衛星102と、雷閃光と関連付けられた第2のデータセットを捕捉する多数の地上センサ104a~104e(集合的に、104)と、衛星102及び地上センサ104からデータを受信するために衛星102及び地上センサ104に結合されたサーバコンピューティングデバイス106とを含む。サーバコンピューティングデバイス106は、例えば、本明細書で説明される技法と関連付けられたデータの格納及び回収を行うためのデータベース108を含む。衛星102、地上センサ104及びサーバコンピューティングデバイス106は、本明細書で説明されるように、例えば、データを交換するために、通信ネットワークを介して通信するように配置することができる。
【0025】
例示的な地上センサ104は、これに限定されないが、メリーランド州ジャーマンタウンのアースネットワークス社(Earth Networks,Inc.)から入手可能な雷検出センサを含む。いくつかの実施形態では、センサ104は、TCP/IPを介してサーバコンピューティングデバイス106に接続し、周期的な間隔で(例えば、1秒おきに)サーバコンピューティングデバイスに雷データを返信するように構成される。
【0026】
一般に、衛星102は、初期の雷探知機として使用されるが、衛星102と地上センサ104は両方とも、わずかに異なる時間にわずかに異なる信号を観測する。衛星102と地上センサ104は両方とも、米国上のほぼ同じ量の雷パルスを位置付けるが、これらの位置付けられたパルスの約60%しか時空間において整合しない。図2は、衛星102と地上センサ104との間の検出におけるオーバラップを示すベン図である。本システム100は、オーバラップ地域202における雷パルスの位置、ピーク電流及び分類を提供する。
【0027】
図1のシステム100は、上記で言及した落雷位置決定を2つの異なる方法で実行することができる。
1)位置付けてからマージする
この実施形態では、衛星102及び地上センサ104は、雷閃光の検出及び位置付けを独立して行い、位置データをサーバコンピューティングデバイス106に送信する。次いで、サーバコンピューティングデバイス106は、どの信号が雷によるものか及びどの信号が雑音によるものかを決定するために、衛星102及び地上センサ104の各々から受信したそれぞれの位置を比較する。例えば、衛星データは、どの地上センサ位置が雑音によるものかを決定するために使用することができ、それにより、地上センサ104における通常の雑音低減ルーチンを緩和することができ、それにより、整合する数が増加する。
【0028】
図3は、図1のハイブリッド衛星・地上システム100を使用して雷活動を位置付けるための第1の例示的な方法300のフロー図である。サーバコンピューティングデバイス106は、衛星102から検出された雷活動と関連付けられた位置座標及び時間データを受信する(302)。衛星は、1つ又は複数の光センサを使用して、地上の地理的地域における落雷過程(例えば、雷閃光群)を検出する。例えば、衛星102は、定義された時間窓(例えば、4ms)内の地理的地域(例えば、直径10~20kmにわたる)における落雷過程と関連付けられた光エネルギーを検出する。衛星102は、落雷過程のおおよその位置(例えば、緯度及び経度±10km)並びに時間(例えば、タイムスタンプ±4ms)を記録する。衛星102は、光エネルギーデータ、おおよその位置及び時間をサーバコンピューティングデバイス106に送信する。
【0029】
米国では、例えば、例示的な衛星は、米国航空宇宙局(NASA)によって運用されるものであり、レンズ及びCCDセンサを使用して雷によって生成された光を検出する光センサを含む。NASA衛星の事例では、「フルディスク」視野で、惑星の500枚の雷画像が1秒おきに撮影される。実装形態の詳細は、衛星によって異なるが、本明細書で説明されるアルゴリズムは、すべての事例において機能する。衛星データは、品質チェックが行われ、次いで、標準インターネット接続(すなわち、TCP/IP)を介して、サーバコンピューティングデバイス106が利用できるようになる。衛星データは、典型的には、雷が発生してからおよそ20~40秒後にnetCDFフォーマットでサーバコンピューティングデバイス106に到達する。一般に、衛星データは、事象(カメラセンサからの画素)、グループ(同じフレーム(2ms)内の空間的に隣接した画素のグループ)及び閃光(時空間において近くのグループのクラスタ)として到達する。各事象は、他の情報と共に、惑星の表面上のその位置及びその発生時間によってコード化される。ある特定の品質管理が既に適用されているため、衛星から得られるすべての解は、雷によって生成されているものと想定することができる。
【0030】
ほぼ同じ時間に、サーバコンピューティングデバイス106は、1つ又は複数の地上雷センサ104(例えば、地上電波空電センサ)の少なくとも1つから、雷活動に対する雷特徴データ(例えば、雷からのRF電磁信号)を捕捉する(304)。典型的には、公知の場所の対象の地域(この事例では、米国大陸であるが、他の地域(例えば、ブラジル、欧州など)も存在する)にわたって分散した多くの地上センサ(少なくとも5つ、実際には数百)が存在することを理解すべきである。これらの地上センサは、雷によって生成された電波信号(電波空電)を検出し、標準インターネットプロトコル(すなわち、TCP/IP)を介してサーバコンピューティングデバイス106にデジタル形式で信号を送信する。いくつかの実施形態では、サーバコンピューティングデバイス106は、1秒おきに各センサからデータを受信し、データは、専有のデジタルフォーマットで送信することができる。
【0031】
サーバコンピューティングデバイス106は、様々な地上センサから受信した電波空電データを組み合わせて、到達時間三角測量アルゴリズムを使用して組み合わせた電波空電データを処理し、電波空電から多数の地上ネットワークポイント位置を生成する(306)。各地上ポイント位置は、位置(緯度、経度)、分類(IC、CG)、推定ピーク電流(キロアンペア)及び推定位置精度(キロメートル)を含む。いくつかの実施形態では、地上ポイント位置データは、JSONフォーマットで生成される。地上センサデータは、パルス(単一の電界空電の位置)及び閃光(時空間において近くのパルスのクラスタ)として到達する。
【0032】
図4は、電波空電が位置に収束するどうかを判断するための方法400のフロー図である。
ステップ402では、サーバコンピューティングデバイス106は、各電波空電に対するピーク時間(tp)及びセンサ位置(ps)を見出す。
【0033】
ステップ404では、サーバコンピューティングデバイス106は、地上ネットワークポイント位置の位置(lat,lon)(p0)及び時間(t0)を初期の推測位置として使用する。
【0034】
ステップ406では、サーバコンピューティングデバイス106は、レーベンバーグ・マルカートアルゴリズムを使用して、すべての電波空電に対して|t-D(p,ps)/c-tp|を最小化する位置(p)及び時間(t)を見出す。D(p,ps)は、位置pと位置psとの間の距離である。
【0035】
ステップ408では、サーバコンピューティングデバイス106は、すべての電波空電に対する残差(r)を計算する(r=t-D(p,ps)/c-tp)。
すべての電波空電に対してrが十分に小さい場合は、サーバコンピューティングデバイス106は、電波空電が位置に収束したと決定する。そうでなければ、サーバコンピューティングデバイス106は、最大残差rと関連付けられた電波空電を除去し、ステップ406に戻る。
【0036】
例示的な到達時間三角測量アルゴリズムは、「雷活動を検出するための方法及び装置(Method and apparatus for detecting lightning activity)」と称する米国特許第8,275,548号明細書で説明されており、同特許は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、到達時間三角測量アルゴリズムは、通常行われるある特定の品質チェック(さらに多くの落雷位置に対する解を生成するが、当然ながら、はるかに多くの間違った位置をもたらす)を取り除くように修正される。間違った位置は、以下で説明されるように、整合段階の間に除去される。
【0037】
サーバコンピューティングデバイス106は、衛星102と地上センサ104が両方とも雷の位置を伝達するのを待ち、次いで、整合データの1つ又は複数のセットを識別するために、地上センサ電波空電データからの決定された位置と衛星102から受信した位置座標とを比較する(308)。電波空電の位置と衛星グループの重心位置との比較を示す図である図5に示されるように、起こり得る多くの異なる可能性がある。
【0038】
事例1:衛星102が事象を検出し、地上センサ104が定義された時間窓(例えば、+/-4ms)内且つ衛星102によって定義された事象フットプリント内で同じ事象を検出した場合は、サーバコンピューティングデバイス106は、この事象を整合ありと見なす(図5の502を参照)。この事例では、サーバコンピューティングデバイス106は、衛星データ(例えば、GLMグループデータ)を増加し(310)、衛星データ(例えば、GLMグループデータ)は、地上センサ104からの位置(lat,lon)、ピーク電流及び分類情報を使用している。
【0039】
事例2:衛星102が事象を検出し、地上センサ104が定義された時間窓(例えば、+/-4ms)内且つ衛星によって定義された事象フットプリント外(ただし、定義された閾値(例えば、75km)内)で同じ事象を検出した場合は、サーバコンピューティングデバイス106は、これらの事象を関連付けるべきものと見なす(図5の504を参照)。衛星102と地上センサ104は両方とも、恐らくは同じ物理的な落雷過程を観測しているが、何らかの理由で、位置に対する解が収束していない。この事例では、サーバコンピューティングデバイス106は、地上センサ104からのピーク電流及び分類情報を補充して、衛星データ(例えば、GLMグループデータ)を増加する(310)。
【0040】
事例3:衛星102は事象を検出したが、地上センサ104は検出しなかった(又は地上ベースの位置が上記の事例1及び2に記載されるような要件を満たしていない)場合は(図5の506を参照)、サーバコンピューティングデバイス106は、整合ありとは決定せず、サーバコンピューティングデバイス106は、衛星データ(例えば、GLMグループデータ)を増加しない。
【0041】
一般に、サーバコンピューティングデバイス106によって生成される出力データは、netCDFフォーマットである(衛星102のデータフォーマットと同様であるが、追加の情報のためのいくつかの追加のフィールドを有する)。いくつかの実施形態では、サーバコンピューティングデバイス106は、さらなるサービス、製品、警告、視覚化及びリモートクライアントコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、IoTデバイス及び同様のもの)に対して出力データを利用可能にする。
【0042】
いくつかの実施形態では、整合は、一方向でのみ行われる。すなわち、どの地上センサ位置が雑音によるものかを決定するために衛星データが使用されるか、又は、どの衛星センサ位置が雑音によるものかを決定するために地上データが使用される。
【0043】
いくつかの実施形態では、整合は、両方向で行われる。すなわち、どの衛星データが雑音によるものかを決定するために地上データが使用され、且つ、どの地上データが雑音によるものかを決定するために衛星データが使用される。整合が両方向で行われる際は、衛星ベースのエリア位置と整合する地上ポイント位置の数は最大化される。
【0044】
2)マージしながら位置付ける
この実施形態では、衛星光による位置は、地上センサネットワーク解に対する事前推測として使用される。これにより、地上ネットワーク解が大いに簡易化され、必要な演算時間が最小化される一方で落雷事象を位置付ける確率が最大化される。
【0045】
図6は、図1のハイブリッド衛星・地上システム100を使用して雷活動を位置付けるための第2の例示的な方法600のフロー図である。サーバコンピューティングデバイス106は、衛星102の光センサからデータ(例えば、位置座標及び時間データ)を捕捉する(602)。上記の通り、衛星データは、品質チェックが行われ、次いで、標準インターネット接続(すなわち、TCP/IP)を介して、サーバコンピューティングデバイス106が利用できるようになる。衛星データは、典型的には、雷が発生してからおよそ20~40秒後にnetCDFフォーマットでサーバコンピューティングデバイス106に到達する。一般に、衛星データは、事象(カメラセンサからの画素)、グループ(同じフレーム(2ms)内の空間的に隣接した画素のグループ)及び閃光(時空間において近くのグループのクラスタ)として到達する。各事象は、惑星の表面上のその位置及びその発生時間によってコード化される。ある特定の品質管理が既に適用されているため、衛星から得られるすべての解は、雷によって生成されているはずである。
【0046】
ほぼ同じ時間に、サーバコンピューティングデバイス106は、地上センサ104(例えば、地上電波空電センサ)のネットワークの多数のセンサから、雷特徴データ(例えば、生の電波空電データ)を捕捉する(604)。上記の通り、典型的には、公知の場所の対象の地域(この事例では、米国大陸であるが、他の地域(例えば、ブラジル、欧州など)も存在する)にわたって分散した多くの地上センサ(少なくとも5つ、実際には数百)が存在する。これらの地上センサは、雷によって生成された電波信号(電波空電)を検出し、標準インターネットプロトコル(すなわち、TCP/IP)を介してサーバコンピューティングデバイス106にデジタル形式で信号を送信する。いくつかの実施形態では、サーバコンピューティングデバイス106は、1秒おきに各センサからデータを受信し、データは、専有のデジタルフォーマットで送信することができる。
【0047】
サーバコンピューティングデバイス106は、衛星データを使用して、電波空電の一部分が雷によって生成された信号を有するべき多数の地上センサ104のうちの1つ又は複数を識別する(606)。好ましい実施形態では、サーバコンピューティングデバイス106は、衛星102によって検出された落雷過程を観察した少なくとも4つの地上センサ104を識別する。センサは、例えば、衛星102から受信した雷パルスのおおよその位置からの距離及び背景雑音レベルに基づいて、識別することができる。いくつかの実施形態では、システム100は、ほとんどのセンササイトから約1,000km離れた雷の電波シグネチャを検出することができるが、サイトの雑音レベルが低い場合は、この距離を増加することができる(良くても、約2,000km)。また、システムは、電離層バウンスを実装することもでき、それにより、さらに遠く離れた大きな事象のシグネチャの検出さえも可能になる。一例では、サーバコンピューティングデバイス106は、信号品質計量を使用してセンサによって検出された信号を評価し、それを例えばセンサの範囲と組み合わせてどのセンササイトから雷データを引き出すかを決定する。
【0048】
図7A及び7Bは、雷に相当する地上センサからの電波空電を識別するステップに関連する図である。サーバコンピューティングデバイス106は、例えば、衛星データフィードから、衛星グループ(例えば、図7Aの402)を得る。衛星グループは、時間(t0)及び位置(lat,lon)(p0)を有する。サーバコンピューティングデバイス106は、衛星グループ402の重心からすべての地上センサ(例えば、図7Aのセンサ704a~704d)までの距離(D)を決定する。次いで、サーバコンピューティングデバイス106は、グループの重心からある特定の距離(例えば、1,000km)より近いすべての地上センサ(例えば、図7Aのセンサ704a~704c)に対する空電データを読み取る。
【0049】
サーバコンピューティングデバイス106は、各電波空電の予想到達時間をt0+D/cとして決定する。
センサが窓t0+D/c+/-既定の時間窓(例えば、4ms)内に電波空電を検出した場合は、このセンサは、グループを検出したと言える。
【0050】
センサが窓t0+D/c+/-既定の時間窓(例えば、4ms)内に電波空電を検出しなかった場合は、このセンサは、グループを検出しなかったと言える。
センサが離れ過ぎている場合は、空電データは考慮されない。
【0051】
図7Bには、図7Aのセンサに対する例示的な電波空電検出データが示されている。例えば、センサ1 704a及びセンサ2 704bに対する電波空電は時間窓内にあり、従って、サーバコンピューティングデバイス106は、検出ありとして、これらのセンサ704a~704bに対する空電データを分類する。センサ3 704cに対する電波空電は時間窓内にはなく、従って、サーバコンピューティングデバイス106は、検出なしとして、センサ3に対する空電データを分類する。そして、センサ4 704dは衛星グループから定義された距離(例えば、1,000km)よりさらに遠く離れており、従って、サーバコンピューティングデバイス106は、センサ4に対する空電データを考慮しない。
【0052】
サーバコンピューティングデバイス106は、衛星グループと関連付けられた電波空電の収集体を出力として生成する。収集体がある特定の数(例えば、4つ)を超える電波空電を含む場合は、サーバコンピューティングデバイス106によって、収集体を使用して、雷の位置が決定される(608)。窓における電波空電の到達時間はセンサごとにわずかに異なり得ることを理解すべきである。これが予期されるのは、衛星グループ位置が何らかのエラーを有するという理由からである。この理由のため、電波空電は、衛星より正確な落雷過程の位置を生成することができる。
【0053】
サーバコンピューティングデバイス106は、電波空電の収集体が位置に収束するかどうかを判断する。図8は、電波空電が位置に収束するどうかを判断するための方法のフロー図である。
【0054】
ステップ802では、サーバコンピューティングデバイス106は、収集体の各電波空電に対するピーク時間(tp)及びセンサ位置(ps)を見出す。
ステップ804では、サーバコンピューティングデバイス106は、衛星グループのグループ位置(lat,lon)(p0)及び時間(t0)を初期の推測位置として使用する。804における初期の推測t0、p0は、図4のステップ404において使用される初期の推測t0、p0よりはるかに正確であり、それにより、アルゴリズムがより速く収束することを理解すべきである。
【0055】
ステップ806では、サーバコンピューティングデバイス106は、レーベンバーグ・マルカートアルゴリズムを使用して、収集体のすべての電波空電に対して|t-D(p,ps)/c-tp|を最小化する位置(p)及び時間(t)を見出す。D(p,ps)は、位置pと位置psとの間の距離である。
【0056】
ステップ808では、サーバコンピューティングデバイス106は、収集体のすべての電波空電に対する残差(r)を計算する(r=t-D(p,ps)/c-tp)。
収集体のすべての電波空電に対してrが十分に小さい場合は、サーバコンピューティングデバイス106は、収集体が位置に収束したと決定する。そうでなければ、サーバコンピューティングデバイス106は、最大残差rと関連付けられた電波空電を除去し、ステップ806に戻る。
【0057】
収集体が位置に収束したとサーバコンピューティングデバイス106が決定した場合は、図5に示されるように及び図5に関して上記で説明されるように、その位置は、衛星グループの重心位置と比較される。収集体位置(黒い点)が衛星グループ(グレースケールの四角)の重心位置の定義された距離(例えば、75km)内にある場合(502)は、電界空電は、同じ物理的な落雷過程によって生成されていると見なされる。サーバコンピューティングデバイス106は、パルスに対する生の空電データを使用して、このパルスに対するピーク電流及び分類(IC/CG)を決定し、サーバコンピューティングデバイス106は、この情報を衛星グループ情報に追加する。
【0058】
収集体位置が衛星グループの境界内にある場合(504)は、分類及びピーク電流に加えて、サーバコンピューティングデバイス106は、地上センサ104によって決定された位置(lat,lon)も衛星グループ情報に追加する。
【0059】
収集体が位置に収束しないか、位置が衛星グループから離れ過ぎているか(506)、又は、ある特定の数(例えば、4つ)未満のセンサがパルスを検出する場合は、情報は衛星グループ情報に追加されない。
【0060】
一般に、サーバコンピューティングデバイス106によって生成される出力データは、netCDFフォーマットである(衛星102のデータフォーマットと同様であるが、追加の情報のためのいくつかの追加のフィールドを有する)。いくつかの実施形態では、サーバコンピューティングデバイス106は、さらなるサービス、製品、警告、視覚化及びリモートクライアントコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、IoTデバイス及び同様のもの)に対して出力データを利用可能にする。
【0061】
上記の実施形態のいずれの下でも、サーバコンピューティングデバイス106は、衛星によって検出された雷パルスの光エネルギーと地上センサによって記録された電気信号との整合を実行することができる。
【0062】
図9は、衛星102によって検出された雷パルスの光エネルギー902及び地上センサ104によって記録された電気信号904を描写する図である。図9に示されるように、光エネルギーと電気信号は、1対1で整合しない。衛星102及び地上センサ104が信号を検出し、地上センサ104が信号を位置付けることができた場合は、データは明灰色に着色される(例えば、906)。地上センサ104が信号を位置付けることができなかった場合は、データは暗灰色に着色される(例えば、908)。
【0063】
図10は、サーバコンピューティングデバイス106によって決定された雷パルスの位置を示すマップである。図10に示されるように、黒い四角(例えば、1002)は、衛星102によって観測された光画素の位置を示し、明灰色の点(例えば、1004)は、地上センサ104によって決定された位置であり、本明細書で説明されるハイブリッド位置標定技法を使用している。地上センサ位置に対する明灰色の点のクラスタリングは、衛星画素に対する黒い四角のクラスタリングより密接しており、従って、衛星データの位置精度が改善されていることに留意されたい。
【0064】
図11は、サーバコンピューティングデバイス106によって決定された衛星・地上ハイブリッド落雷位置データを含む、操作可能なリアルタイムのマップの例示的なユーザインタフェースのスクリーンショットである。サーバコンピューティングデバイス106は、マップ(及び関連ユーザインタフェース)を生成し、マップ/UIをリモートコンピューティングデバイス(クライアントコンピューティングデバイス102a~102nなど)に送信することができる。いくつかの実施形態では、マップデータは、サーバコンピューティングデバイス106によって、周期的な間隔で(例えば、1分おきに)自動的に更新される。図11に示されるように、灰色の四角(例えば、1102)は、衛星102によって観測された光画素の位置を示し、ボウタイ記号(例えば、1104)は、地上センサ104によって決定された位置であり、本明細書で説明されるハイブリッド位置標定技法を使用している。また、各ボウタイ記号は、雷閃光タイプ及び振幅などのメタデータも含む。例えば、ユーザは、対応するボウタイ記号と相互作用することによって(例えば、ボウタイ記号にマウスオーバするか又はボウタイ記号をクリックすることによって(それにより、メタデータが画面の隅に表示される))メタデータを閲覧することができる。本明細書で説明される技術の範囲内でマップ/UIの他の構成を企図できることを理解すべきである。この場合もやはり、衛星位置の灰色の四角に対する地上センサ位置の密接なクラスタリングに留意されたい。
【0065】
場合により、信号は、衛星と地上センサの両方によって検出されるが、位置を得るまではいかない。この事例では、サーバコンピューティングデバイス106は、依然として、パルスの分類及び振幅を提供することができる。
【0066】
一実施形態では、上記で言及したように、サーバコンピューティングデバイス106は、「到達の時間差」アルゴリズムを使用して位置を計算することができる。いくつかの実施形態では、サーバコンピューティングデバイス106は、より正確な(ただし、いくつかの事例では、演算コストがより高い)ベイズ位置標定技法を実装することができる。一例では、多くの地上センサを有する地域では、システムは、約100mの位置精度を達成することができ、より少ない地上センサを有する地域では、システムは、約2kmの位置精度を達成することができる。一例では、サーバコンピューティングデバイス106は、落雷過程の地理的座標(緯度、経度)及び時間を決定する。また、サーバコンピューティングデバイス106は、ピーク電流、タイプ(例えば、雲内、雲・地上間)及び他のメタデータを含む、落雷過程についての他の情報の計算も行う。4つ未満の地上センサ104が落雷過程(例えば、海上で起こった落雷過程)を観察した場合は、サーバコンピューティングデバイス106は、依然として、落雷過程についてのある特定の情報(ピーク電流及びタイプなど)を計算することができる。
【0067】
理解できるように、衛星によって検出された落雷位置データの使用に関する本明細書で説明される技法(衛星プレコンディショニングとも呼ばれる)は、地上センサ104からのデータのみを使用して(上記で説明される「マージしながら位置付ける」という実装形態の場合)、落雷過程の位置付けに必要な演算量を低減し、それにより、いくつかの事例では、プロセス全体がより効率的になる(少なくとも10倍)。従来の到達時間位置標定アルゴリズムを使用する事例では、衛星によって提供される位置の初期の推測により、特定の落雷過程によってどの電波特徴が生成されるかが識別される。この識別ステップは、通常、落雷位置標定の演算コストが最も高い部分である。さらに、本明細書で説明される衛星プレコンディショニングは、落雷過程が位置付けられる可能性がある地理的地域の制限も行う。これにより、演算上非現実的なものと以前に見なされた他の位置標定技法(ベイズ位置標定など)の採用が可能になり、以前は、ベイズ探知機は予想ソース位置の辺りで大量に演算を行う必要があったのに対して、LAの増加及び落雷過程高度の正確な計算が可能になる。量が大きいほど、必要な計算が多くなる。ハイブリッドシステム100によって提供されるような正確な初期の推測を有することで、これらの計算を最小化することができる。すべての利益を実現するため、衛星雷データと地上雷データを組み合わせることは、落雷位置標定の間に行うべきであることに留意することが重要である。
【0068】
いくつかの実施形態では、サーバコンピューティングデバイス106は、警告生成モジュール(図示せず)を含む。警告生成モジュールは、雷データの分析済みの特性(上記で説明されるように決定された位置情報を含む)を使用して、雷データと関連付けられた悪天候による影響を受ける可能性がある地理的エリアを自動的に識別する。
【0069】
悪天候による影響を直接受ける可能性があるか若しくは影響エリアに関心を有し得る人及び/又は実体に届く警告を発行するため、警告生成モジュールは、衛星及び地上センサシステムから決定された位置情報に基づいて、危険性がある1つ又は複数の地理エリアを決定する。いくつかの実施形態では、警告生成モジュールは、雷活動の現在の位置に相当する警告エリアを決定する。
【0070】
危険性がある1つ又は複数のエリアを決定した後、警告生成モジュールは、危険性があるエリアをモニタしている1つ又は複数のリモートデバイスのセットを自動的に識別し、警告をリモートデバイスに自動的に送信する。リモートデバイスは、携帯電話及び全地球測位システム(GPS)ハードウェアなどのコンピュータベースのデバイスを含み得る。また、リモートデバイスは、通信ネットワークに接続するように構成された他のタイプの警告システム(光、サイレン及び警笛など)も含み得る。いくつかの実施形態では、データベース108は、リモートデバイスの識別に関連する情報(例えば、IPアドレス、電話番号、Eメールアドレス)を含み、警告生成モジュールは、識別情報を使用して、各リモートデバイスに対する警告を準備する。また、データベース108は、リモートデバイスの識別を特定の地理的エリア又はリモートデバイスがモニタしているエリア(例えば、郵便番号、郡名、所在地住所)にマッピングする情報も含む。警告生成モジュールは、パケットベースの伝達(例えば、テキストメッセージング、XML、Eメール)、回路ベースの伝達(例えば、ページング、音声メッセージング)及び同様のものなど、任意の標準通信プロトコル又は技法を使用する。例えば、ユーザは、彼の携帯電話において特定の郵便番号に対する警告の受信を申し込むことができる。システム100は、ユーザの電話番号をデータベース108に格納する。警告生成モジュールが悪天候の危険性がある地理的位置を識別し、識別位置のすべて又は一部がユーザによって提出された郵便番号の範囲内に収まると、警告生成モジュールは、ユーザの携帯電話の電話番号宛ての警告(例えば、テキストメッセージ、音声メッセージ)を発行する。この実施形態では、ユーザの携帯電話は、警告生成モジュールによって「危険性がある」と識別されたエリアと同じ地理的エリアに位置する必要はない。
【0071】
サーバコンピューティングデバイス106は、いかなる数の装備されているリモートデバイス又は受信が可能なリモートデバイスにも雷関連の情報を送信することができる。例えば、サーバコンピューティングデバイス106は、標準通信技法(例えば、セルラ、ワイヤレス)を使用して情報をモバイルデバイスに送信することができる。上記で説明されるように、サーバコンピューティングデバイス106は、悪天候警告を生成し、リモートデバイスに発行することができ、それにより、これから訪れる悪天候に関する認識を高めることができる。いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるハイブリッド技法によって捕捉された雷データは、参照により本明細書に組み込まれる「雷データを使用したプロキシ反射率データの生成(Using lightning data to generate proxy reflectivity data)」と称する米国特許第9,891,345号明細書で説明されるように、プロキシ雷レーダマップビジュアル及びデータとマージするか又は組み合わせることができる。
【0072】
上記で説明される技法は、デジタル及び/又はアナログ電子回路において、或いは、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの組合せにおいて実装することができる。実装形態は、データ処理装置(例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ及び/又は複数のコンピュータ)によって実行するための又はデータ処理装置の動作を制御するためのコンピュータプログラム製品(すなわち、機械可読記憶装置において有形に具体化されたコンピュータプログラム)であり得る。コンピュータプログラムは、コンピュータ又はプログラミング言語のいかなる形式(ソースコード、コンパイラ型コード、インタープリタ型コード及び/又は機械語を含む)でも記載することができ、コンピュータプログラムは、いかなる形式でも(スタンドアロンプログラムとして又はコンピュータ環境での使用に適したサブルーチン、要素若しくは他のユニットとして)展開することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上又は1つ若しくは複数のサイトにおける複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。
【0073】
方法ステップは、入力データに基づいて動作することによって及び/又は出力データを生成することによって技術の機能を実行するためにコンピュータプログラムを実行している1つ又は複数のプロセッサによって実行することができる。また、専用論理回路(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:field programmable gate array)、フィールド・プログラマブル・アナログ・アレイ(FPAA:field-programmable analog array)、結合プログラマブル論理デバイス(CPLD:complex programmable logic device)、プログラマブル・システム・オン・チップ(PSoC:Programmable System-on- Chip)、ASIP(特定用途向け命令セットプロセッサ)、特定用途向け集積回路(ASIC:application-specific integrated circuit)又は同様のもの)によって方法ステップを実行したり、専用論理回路として装置を実装したりすることができる。サブルーチンは、格納されたコンピュータプログラム及び/又はプロセッサの一部分並びに/或いは1つ又は複数の機能を実装する特殊回路を指し得る。
【0074】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例示として、汎用マイクロプロセッサと専用マイクロプロセッサの両方、及び、任意の種類のデジタル又はアナログコンピュータの任意の1つ又は複数のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサと、命令及び/又はデータを格納するための1つ又は複数のメモリデバイスである。メモリデバイス(キャッシュなど)は、データを一時的に格納するために使用することができる。また、メモリデバイスは、長期にわたるデータ格納のために使用することもできる。また、一般に、コンピュータは、データを格納するための1つ又は複数の大容量記憶装置(例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク又は光ディスク)を含むか、或いは、データの受信、データの転送又はその両方を行うために1つ又は複数の大容量記憶装置に動作可能に結合される。また、コンピュータは、ネットワークからの命令及び/又はデータの受信並びに/或いはネットワークへの命令及び/又はデータの転送を行うために通信ネットワークに動作可能に結合することもできる。コンピュータプログラム命令及びデータの具体化に適したコンピュータ可読記憶媒体は、揮発性及び不揮発性メモリのすべての形式を含み、例示として、半導体メモリデバイス(例えば、DRAM、SRAM、EPROM、EEPROM及びフラッシュメモリデバイスを含む)や、磁気ディスク(例えば、内部ハードディスク又はリムーバブルディスク)や、光磁気ディスクや、光ディスク(例えば、CD、DVD、HD-DVD及びブルーレイ(登録商標)ディスク)を含む。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補充すること及び/又は専用論理回路に組み込むことができる。
【0075】
ユーザとの相互作用を提供するため、上記で説明される技法は、ユーザに情報を表示するための表示デバイス(例えば、CRT(ブラウン管)、プラズマ又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)や、ユーザがコンピュータに入力を提供できるようにする(例えば、ユーザインタフェース要素と相互作用できるようにする)ためのキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス、トラックボール、タッチパッド又は動きセンサ)と連通するコンピュータ上で実装することができる。ユーザとの相互作用を提供するため、他の種類のデバイスを使用することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、感覚フィードバックのいかなる形式(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック又は触覚フィードバック)でもあり得、ユーザからの入力は、いかなる形式(音響、音声及び/又は触覚入力を含む)でも受信することができる。
【0076】
上記で説明される技法は、バックエンドコンポーネントを含む分散型コンピューティングシステムにおいて実装することができる。バックエンドコンポーネントは、例えば、データサーバ、ミドルウェアコンポーネント及び/又はアプリケーションサーバであり得る。上記で説明される技法は、フロントエンドコンポーネントを含む分散型コンピューティングシステムにおいて実装することができる。フロントエンドコンポーネントは、例えば、グラフィカルユーザインタフェース、ユーザが例示的な実装形態と相互作用できるようにするためのウェブブラウザ及び/又は送信デバイスのための他のグラフィカルユーザインタフェースを有するクライアントコンピュータであり得る。上記で説明される技法は、そのようなバックエンド、ミドルウェア又はフロントエンドコンポーネントの任意の組合せを含む分散型コンピューティングシステムにおいて実装することができる。
【0077】
コンピューティングシステムのコンポーネントは、伝送媒体によって相互接続することができ、伝送媒体は、デジタル又はアナログデータ通信のいかなる形式又は媒体も含み得る(例えば、通信ネットワーク)。伝送媒体は、任意の構成の1つ若しくは複数のパケットベースのネットワーク及び/又は1つ若しくは複数の回路ベースのネットワークを含み得る。パケットベースのネットワークは、例えば、インターネット、キャリアインターネットプロトコル(IP)ネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN:wide area network)、キャンパス・エリア・ネットワーク(CAN:campus area network)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN:metropolitan area network)、ホームエリアネットワーク(HAN:home area network)、プライベートIPネットワーク、IP構内交換(IPBX:IP private branch exchange)、ワイヤレスネットワーク(例えば、無線アクセスネットワーク(RAN)、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、WiMAX(登録商標)、汎用パケット無線サービス(GPRS:general packet radio service)ネットワーク、ハイパーLAN)及び/又は他のパケットベースのネットワークを含み得る。回路ベースのネットワークは、例えば、公衆交換電話網(PSTN)、レガシー構内交換(PBX:private branch exchange)、ワイヤレスネットワーク(例えば、RAN、符号分割多重アクセス(CDMA:code-division multiple access)ネットワーク、時分割多重アクセス(TDMA:time division multiple access)ネットワーク、モバイル通信用グローバルシステム(GSM:global system for mobile communications)ネットワーク)及び/又は他の回路ベースのネットワークを含み得る。
【0078】
伝送媒体上の情報転送は、1つ又は複数の通信プロトコルに基づき得る。通信プロトコルは、例えば、イーサネット(登録商標)プロトコル、インターネットプロトコル(IP)、ボイスオーバIP(VOIP)、ピアツーピア(P2P)プロトコル、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、セッション初期化プロトコル(SIP:Session Initiation Protocol)、H.323、メディア・ゲートウェイ・コントロール・プロトコル(MGCP:Media Gateway Control Protocol)、No.7信号方式(SS7)、モバイル通信用グローバルシステム(GSM:global system for mobile communications)プロトコル、プッシュツートーク(PTT)プロトコル、PTTオーバセルラ(POC:PTT over Cellular)プロトコル及び/又は他の通信プロトコルを含み得る。
【0079】
コンピューティングシステムのデバイスは、例えば、コンピュータ、ブラウザデバイスを備えるコンピュータ、電話、IP電話、モバイルデバイス(例えば、セルラフォン、携帯情報端末(PDA)デバイス、ラップトップコンピュータ、電子メールデバイス)及び/又は他の通信デバイスを含み得る。ブラウザデバイスは、例えば、ワールドワイドウェブブラウザ(例えば、マイクロソフト社(Microsoft Corporation)から入手可能なマイクロソフト(Microsoft)(登録商標)インターネットエクスプローラ(Internet Explorer)(登録商標)、モジラ社(Mozilla Corporation)から入手可能なモジラ(Mozilla)(登録商標)ファイアフォックス(Firefox))を備えるコンピュータ(例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ)を含む。モバイルコンピューティングデバイスは、例えば、ブラックベリー(Blackberry)(登録商標)を含む。IP電話は、例えば、シスコシステムズ社(Cisco Systems,Inc.)から入手可能なシスコ(Cisco)(登録商標)ユナイテッドIPフォン7985G(Unified IP Phone 7985G)及び/又はシスコシステムズ社(Cisco Systems,Inc.)から入手可能なシスコ(Cisco)(登録商標)ユナイテッドワイヤレスフォン7920(Unified Wireless Phone 7920)を含む。
【0080】
「含む、備える」及び/又は各々の複数形は、制約のないものであり、リストされている部分を含み、リストされていない追加の部分を含むことができる。「及び/又は」は、制約のないものであり、リストされている部分の1つ又は複数及びリストされている部分の組合せを含む。
【0081】
当業者は、本発明の精神又は必須特性から逸脱することなく、本発明を他の特定の形態で具体化できることを悟るであろう。従って、前述の実施形態は、あらゆる点において、本明細書で説明される本発明を制限するものというよりむしろ例示するものとして考慮すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11