(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-19
(45)【発行日】2022-08-29
(54)【発明の名称】アンテナポートマッピング方法およびネットワーク機器
(51)【国際特許分類】
H04B 7/06 20060101AFI20220822BHJP
H04B 7/08 20060101ALI20220822BHJP
H04L 1/06 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
H04B7/06 910
H04B7/08 740
H04L1/06 060
(21)【出願番号】P 2019566242
(86)(22)【出願日】2018-05-31
(86)【国際出願番号】 CN2018089258
(87)【国際公開番号】W WO2018219328
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2020-01-09
(31)【優先権主張番号】201710400833.0
(32)【優先日】2017-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】朱 孝▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呂▼ 佳
(72)【発明者】
【氏名】阮 冬冬
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲碩▼
(72)【発明者】
【氏名】曹 ▲鋼▼
【審査官】谷岡 佳彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0087450(US,A1)
【文献】特表2012-508537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/02-7/12
H04L 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナポートマッピング方法であって、前記方法が、
ネットワーク機器が、前記ネットワーク機器のP個の物理アンテナの各々の偏波方向と、前記P個の物理アンテナの各々が属するアンテナアレイとを決定するステップであって、
前記ネットワーク機器が、K個の信号品質測定値グループを取得するステップであって、Kが11または12であり、前記K個の信号品質測定値グループが、前記ネットワーク機器により、前記2つのアンテナアレイのうちの一方のダウンチルト角を、他方のアンテナアレイのダウンチルト角をN回調整する間不変に保つことによって取得され、前記K個の信号品質測定値グループのどのグループもN個の信号品質測定値を含み、前記信号品質測定値グループが、前記P個の物理アンテナ中の別の物理アンテナによって送信されたN個の受信信号に基づいて前記P個の物理アンテナのうちの1つによって決定され、Nが1より大きい正の整数である、ステップと、
前記ネットワーク機器が、前記K個の信号品質測定値グループの各グループの分散を決定し、前記K個の信号品質測定値グループ中で最小の分散を有する信号品質測定値グループに対応する2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属し、前記P個の物理アンテナ中のその他2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属すると判断するステップとを含み、
Pが4であり、前記P個の物理アンテナが2つのアンテナアレイに分割され、各アンテナアレイが2つの物理アンテナを含む、ステップと、
前記ネットワーク機器が、第1のアンテナポートと第2のアンテナポートとを、前記P個の物理アンテナ中の第1の物理アンテナグループと第2の物理アンテナグループとにそれぞれマップし、第3のアンテナポートと第4のアンテナポートとを、前記P個の物理アンテナ中の第3の物理アンテナグループと第4の物理アンテナグループとにそれぞれマップするステップであって、前記第1の物理アンテナグループ中の任意の物理アンテナと前記第2の物理アンテナグループ中の物理アンテナとが同じアンテナアレイに属し、前記第3の物理アンテナグループ中の任意の物理アンテナと前記第4の物理アンテナグループ中の物理アンテナとが同じアンテナアレイに属し、前記第1の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向が前記第3の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向と同じであり、前記第2の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向が前記第4の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向と同じである、ステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記信号品質測定値が、信号対干渉雑音比SINRまたは参照信号受信電力RSRPである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Pが4であり、
ネットワーク機器が、前記ネットワーク機器のP個の物理アンテナの各々の偏波方向を決定する前記ステップが、
前記ネットワーク機器が、前記P個の物理アンテナを使用してM個の上り信号を受信し、
P個の信号受信測定値グループを決定するステップであって、前記P個の信号受信測定値グループのどのグループも、前記P個の物理アンテナのうちの1つによって受信された前記M個の上り信号のM個の信号受信測定値を含み、Mが1より大きい正の整数である、ステップと、
前記ネットワーク機器が、前記P個の信号受信測定値グループの2つのグループごとの間の相関の係数を決定し、2つの物理アンテナを、最大相関係数に対応する2つの信号受信測定値グループに対応する、第1の偏波方向の物理アンテナとして決定し、前記P個の物理アンテナ中のその他2つの物理アンテナを第2の偏波方向の物理アンテナとして決定するステップとを含む、請求項1または2に記載の方法
。
【請求項4】
プロセッサとメモリとを含むネットワーク機器であって、前記メモリが実行可能命令を格納し、前記プロセッサが前記メモリ内の前記実行可能命令を読み取って、
前記ネットワーク機器のP個の物理アンテナの各々の偏波方向と、前記P個の物理アンテナの各々が属するアンテナアレイとを決定するステップであって、Pが4の倍数である、ステップと、
第1のアンテナポートと第2のアンテナポートとを、前記P個の物理アンテナ中の第1の物理アンテナグループと第2の物理アンテナグループとにそれぞれマップし、第3のアンテナポートと第4のアンテナポートとを、前記P個の物理アンテナ中の第3の物理アンテナグループと第4の物理アンテナグループとにそれぞれマップするステップであって、前記第1の物理アンテナグループ中の任意の物理アンテナと前記第2の物理アンテナグループ中の物理アンテナとが同じアンテナアレイに属し、前記第3の物理アンテナグループ中の任意の物理アンテナと前記第4の物理アンテナグループ中の物理アンテナとが同じアンテナアレイに属し、前記第1の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向が前記第3の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向と同じであり、前記第2の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向が前記第4の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向と同じである、ステップとを行い、
Pが4であり、前記P個の物理アンテナが2つのアンテナアレイに分割され、各アンテナアレイが2つの物理アンテナを含み、
前記プロセッサが、
K個の信号品質測定値グループを取得し、Kが11または12であり、前記K個の信号品質測定値グループが、前記ネットワーク機器により、前記2つのアンテナアレイのうちの一方のダウンチルト角を、他方のアンテナアレイのダウンチルト角をN回調整する間不変に保つことによって取得され、前記K個の信号品質測定値グループのどのグループもN個の信号品質測定値を含み、前記信号品質測定値グループが、前記P個の物理アンテナ中の別の物理アンテナによって送信されたN個の受信信号に基づいて前記P個の物理アンテナのうちの1つによって決定され、Nが1より大きい正の整数であり、
前記K個の信号品質測定値グループの各グループの分散を決定し、前記K個の信号品質測定値グループ中で最小の分散を有する信号品質測定値グループに対応する2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属し、前記P個の物理アンテナ中のその他2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属すると判断する、ように構成される、
ネットワーク機器。
【請求項5】
前記信号品質測定値が、信号対干渉雑音比(SINR)または参照信号受信電力(RSRP)である、請求項
4に記載のネットワーク機器。
【請求項6】
Pが4であり、
前記プロセッサが、
前記P個の物理アンテナを使用してM個の上り信号を受信し、P個の信号受信測定値グループを決定し、前記P個の信号受信測定値グループのどのグループも、前記P個の物理アンテナのうちの1つによって受信された前記M個の上り信号のM個の信号受信測定値を含み、Mが1より大きい正の整数であり、
前記P個の信号受信測定値グループの2つのグループごとの間の相関の係数を決定し、2つの物理アンテナを、最大相関係数に対応する2つの信号受信測定値グループに対応する、第1の偏波方向の物理アンテナとして決定し、前記P個の物理アンテナ中のその他2つの物理アンテナを第2の偏波方向の物理アンテナとして決定する、ように構成される、請求項
4または
5に記載のネットワーク機器
。
【請求項7】
前記上り信号が、復調参照信号(DMRS)またはサウンディング参照信号(SRS)である、請求項
6に記載のネットワーク機器。
【請求項8】
請求項1から
3のいずれか一項に記載の方法を実行する手段を含む、ネットワーク機器。
【請求項9】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体がコンピュータソフトウェア命令を格納するように構成され、前記コンピュータソフトウェア命令が実行されると、請求項1から
3のいずれか一項に記載の方法が実施される、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、2017年5月31日付で中国国家知識産権局に出願された、「ANTENNA PORT MAPPING METHOD AND NETWORK DEVICE」という名称の中国特許出願第201710400833.0号の優先権を主張するものである。
【0002】
本出願は、通信技術の分野に関し、特に、アンテナポートマッピング方法およびネットワーク機器に関する。
【背景技術】
【0003】
ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)システムでは、最大4つのセルレベルアンテナポートが定義され、空間周波数ブロックコード(Space Frequency Block Code、SFBC)と周波数切り替え送信ダイバーシチの組み合わせソリューション(Frequency Switch Transmit Diversity、FSTD)が、4つのアンテナポートの送信ダイバーシチソリューションとして使用される。アンテナポート0とアンテナポート2がSFBCコードグループを形成し、アンテナポート1とアンテナポート3が別のSFBCコードグループを形成する。二重偏波アンテナが使用されるシナリオでは、より大きいダイバーシチ利得を得るために、アンテナポート0とアンテナポート2とに接続された物理アンテナが異なる偏波方向であり、アンテナポート1とアンテナポート3とに接続された物理アンテナが異なる偏波方向であることが必要とされる。
【0004】
現在は、セル固有参照信号(Cell-Specific Reference Signal、CRS)のアンテナポートがマップされるとき、RRUチャネルポートと物理アンテナとの間の接続の順序が知られている必要があり、その場合は最適なダイバーシチ利得基準に従って、アンテナポート0とアンテナポート2とを異なる偏波方向の物理アンテナにマップすることができ、アンテナポート1とアンテナポート3とを異なる偏波方向の物理アンテナにマップすることができる。例えば、無線リモートユニット(Radio Remote Unit、RRU)のRRUチャネルポートがA、C、D、およびBの順序で表示され、RRUチャネルポートに接続された物理アンテナの偏波方向がそれぞれ、+45°、-45°、+45°、および-45°である場合、より大きいダイバーシチ利得を得るために、CRSの4つのアンテナポートは、Port0、Port2、Port1、およびPort3を+45°、-45°、+45°、および-45°の偏波方向で物理アンテナにそれぞれマップするように、Port0、Port2、Port1、およびPort3の順序でRRUチャネルポートにマップされる。
【0005】
RRUチャネルポートと物理アンテナとの間の接続の順序は製造者によって製造されたデバイスで異なるため、エンジニアは異なる製造者によって製造されたデバイスに基づいてアンテナポートをマップする必要があり、ゆえに操作が比較的面倒になる。さらに、RRUチャネルポートと物理アンテナとの間の接続で誤りが発生した場合、アンテナポートが物理ポートにマップされた後で最適なダイバーシチ利得を得ることができない。したがって、どのようにしてアンテナポートを物理アンテナに迅速かつ正確にマップするかが、早急に解決されるべき問題である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願は、どのようにしてアンテナポートを物理アンテナに迅速かつ正確にマップするかという問題を解決するために、アンテナポートマッピング方法およびネットワーク機器を提供する。
【0007】
第1の態様によれば、本出願の一実施形態はアンテナポートマッピング方法を提供し、本方法は以下を含む。
【0008】
ネットワーク機器が、ネットワーク機器のP個の物理アンテナの各々の偏波方向と、P個の物理アンテナの各々が属するアンテナアレイとを決定し、Pは4の倍数である。続いて、ネットワーク機器は、第1のアンテナポートと第2のアンテナポートとを、P個の物理アンテナ中の第1の物理アンテナグループと第2の物理アンテナグループとにそれぞれマップし、第3のアンテナポートと第4のアンテナポートとを、P個の物理アンテナ中の第3の物理アンテナグループと第4の物理アンテナグループとにそれぞれマップし得る。第1の物理アンテナグループ中の任意の物理アンテナと第2の物理アンテナグループ中の物理アンテナとは同じアンテナアレイに属し、第3の物理アンテナグループ中の任意の物理アンテナと第4の物理アンテナグループ中の物理アンテナとは同じアンテナアレイに属し、第1の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向は第3の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向と同じであり、第2の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向は第4の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向と同じである。
【0009】
本出願の本実施形態で提供される方法によれば、ネットワーク機器は、P個の物理アンテナの各々の偏波方向と、P個の物理アンテナの各々が属するアンテナアレイとを、第1のアンテナポートから第4のアンテナポートまでをP個の物理アンテナに最適な方法でマップするように決定し、それによってアンテナポートが効率的かつ正確にマップされ、アンテナポートを使用して送信される信号の利得が増加する。
【0010】
任意選択で、P個の物理アンテナはP/2個のアンテナアレイを含み、各アンテナアレイは2つの物理アンテナを含み、
ネットワーク機器は、P個の物理アンテナの各々が属するアンテナアレイを以下の方法を使用して決定し得る。
【0011】
ネットワーク機器は、P×(P-1)個の信号品質測定値グループを取得し、P×(P-1)個の信号品質測定値グループは、ネットワーク機器により、P/2個のアンテナアレイのうちの1つのダウンチルト角を、その他P/2-1個のアンテナアレイのダウンチルト角をN回調整する間不変に保つことによって取得される。P×(P-1)個の信号品質測定値グループのどのグループもN個の信号品質測定値を含み、信号品質測定値グループは、P個の物理アンテナ中の別の物理アンテナによって送信されたN個の受信信号に基づいてP個の物理アンテナのうちの1つによって決定され、Nは1より大きい正の整数である。
【0012】
ネットワーク機器は、P×(P-1)個の信号品質測定値グループの各グループの分散を決定し、P×(P-1)個の信号品質測定値グループ中で最小のまたは2番目に小さい分散を有する信号品質測定値グループに対応する2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属すると判断する。
【0013】
ネットワーク機器は、P-2が2より大きいかどうかを判断する。P-2が2より大きい場合、ネットワーク機器はPから2を減じ、ネットワーク機器がP×(P-1)個の信号品質測定値グループを取得するステップに戻り、またはP-2が2以下である場合、P個の物理アンテナ中の2つの物理アンテナが属するアンテナアレイが決定されないときに、ネットワーク機器は、2つの物理アンテナは同じアンテナアレイに属すると判断する。
【0014】
本方法によれば、ネットワーク機器は、P/2個のアンテナアレイのうちの1つのダウンチルト角を、その他P/2-1個のアンテナアレイのダウンチルト角をN回調整する間不変に保つことによって、P×(P-1)個の信号品質測定値グループを取得し、したがって、P×(P-1)個の信号品質測定値グループの各グループの分散を決定し得る。2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属し、アンテナアレイのダウンチルト角が不変を保つ場合、2つの物理アンテナ間のチャネルはさほど変化しない。したがって、2つの物理アンテナによって相互に測定される信号品質測定値の分散が最小であるので、P個の物理アンテナ中の同じアンテナアレイに属するアンテナが、信号品質測定値の分散を使用して正確かつ効果的に決定され得る。
【0015】
任意選択で、Pは4であり、P個の物理アンテナは2つのアンテナアレイに分割され、各アンテナアレイは2つの物理アンテナを含み、
ネットワーク機器がネットワーク機器のP個の物理アンテナの各々が属するアンテナアレイを決定することは以下を含む。
【0016】
ネットワーク機器はK個の信号品質測定値グループを取得し、Kは11または12であり、K個の信号品質測定値グループは、ネットワーク機器により、2つのアンテナアレイのうちの一方のダウンチルト角を、他方のアンテナアレイのダウンチルト角をN回調整する間不変に保つことによって取得される。K個の信号品質測定値グループのどのグループもN個の信号品質測定値を含み、信号品質測定値グループは、P個の物理アンテナ中の別の物理アンテナによって送信されたN個の受信信号に基づいてP個の物理アンテナのうちの1つによって決定され、Nは1より大きい正の整数である。
【0017】
ネットワーク機器は、K個の信号品質測定値グループの各グループの分散を決定し、K個の信号品質測定値グループ中で最小の分散を有する信号品質測定値グループに対応する2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属し、P個の物理アンテナ中のその他2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属すると判断する。
【0018】
任意選択で、Pは4であり、P個の物理アンテナは2つのアンテナアレイに分割され、各アンテナアレイは2つの物理アンテナを含み、
ネットワーク機器がネットワーク機器のP個の物理アンテナの各々が属するアンテナアレイを決定することは以下を含む。
【0019】
ネットワーク機器はK個の信号品質測定値グループを取得し、Kは12であり、K個の信号品質測定値グループは、ネットワーク機器により、2つのアンテナアレイのうちの一方のダウンチルト角を、他方のアンテナアレイのダウンチルト角をN回調整する間不変に保つことによって取得される。K個の信号品質測定値グループのどのグループもN個の信号品質測定値を含み、信号品質測定値グループは、P個の物理アンテナ中の別の物理アンテナによって送信されたN個の受信信号に基づいてP個の物理アンテナのうちの1つによって決定され、Nは1より大きい正の整数である。
【0020】
ネットワーク機器は、K個の信号品質測定値グループの各グループの分散を決定し、K個の信号品質測定値グループ中で最小のまたは2番目に小さい分散を有する信号品質測定値グループに対応する2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属し、P個の物理アンテナ中のその他2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属すると判断する。
【0021】
任意選択で、信号品質測定値は、信号対干渉雑音比SINRまたは参照信号受信電力RSRPである。
【0022】
SINRまたはRSRPの計算は実施しやすく簡単なので、信号品質測定値がSINRまたはRSRPである場合、各物理アンテナが属するアンテナアレイはより効果的に決定され得る。
【0023】
任意選択で、Pは4であり、
ネットワーク機器がネットワーク機器のP個の物理アンテナの各々の偏波方向を決定することは以下を含む。
【0024】
ネットワーク機器は、P個の物理アンテナを使用してM個の上り信号を受信し、P個の信号受信測定値グループを決定し、P個の信号受信測定値グループのどのグループも、P個の物理アンテナのうちの1つによって受信されたM個の上り信号のM個の信号受信測定値を含み、Mは1より大きい正の整数である。
【0025】
ネットワーク機器は、P個の信号受信測定値グループの2つのグループごとの間の相関の係数を決定し、2つの物理アンテナを、最大相関係数に対応する2つの信号受信測定値グループに対応する、第1の偏波方向の物理アンテナとして決定し、P個の物理アンテナ中のその他2つの物理アンテナを第2の偏波方向の物理アンテナとして決定する。
【0026】
本方法によれば、同じ方向または近い方向の物理アンテナが相対的に高いチャネル相関を有し、それらの物理アンテナを使用して受信された信号の信号受信測定値が相対的に高い相関を有する。したがって、2つの信号受信測定値グループごとの間の相関の係数に基づいて、同じ偏波方向の物理アンテナが正確に決定され得る。
【0027】
任意選択で、上り信号は、復調参照信号DMRSまたはサウンディング参照信号SRSである。
【0028】
本出願の一実施形態は、プロセッサとメモリとを含むネットワーク機器を提供し、メモリは実行可能命令を格納し、プロセッサはメモリ内の実行可能命令を読み取って、
ネットワーク機器のP個の物理アンテナの各々の偏波方向と、P個の物理アンテナの各々が属するアンテナアレイとを決定するステップであって、Pが4の倍数である、ステップと、
第1のアンテナポートと第2のアンテナポートとを、P個の物理アンテナ中の第1の物理アンテナグループと第2の物理アンテナグループとにそれぞれマップし、第3のアンテナポートと第4のアンテナポートとを、P個の物理アンテナ中の第3の物理アンテナグループと第4の物理アンテナグループとにそれぞれマップするステップであって、第1の物理アンテナグループ中の任意の物理アンテナと第2の物理アンテナグループ中の物理アンテナとが同じアンテナアレイに属し、第3の物理アンテナグループ中の任意の物理アンテナと第4の物理アンテナグループ中の物理アンテナとが同じアンテナアレイに属し、第1の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向が第3の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向と同じであり、第2の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向が第4の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向と同じである、ステップとを行う。
【0029】
任意選択で、Pは4であり、P個の物理アンテナは2つのアンテナアレイに分割され、各アンテナアレイは2つの物理アンテナを含み、
プロセッサは、
K個の信号品質測定値グループを取得し、Kが11または12であり、K個の信号品質測定値グループが、ネットワーク機器により、2つのアンテナアレイのうちの一方のダウンチルト角を、他方のアンテナアレイのダウンチルト角をN回調整する間不変に保つことによって取得され、K個の信号品質測定値グループのどのグループもN個の信号品質測定値を含み、信号品質測定値グループが、P個の物理アンテナ中の別の物理アンテナによって送信されたN個の受信信号に基づいてP個の物理アンテナのうちの1つによって決定され、Nが1より大きい正の整数であり、
K個の信号品質測定値グループの各グループの分散を決定し、K個の信号品質測定値グループ中で最小の分散を有する信号品質測定値グループに対応する2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属し、P個の物理アンテナ中のその他2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属すると判断する、ように特に構成される。
【0030】
任意選択で、信号品質測定値は、信号対干渉雑音比SINRまたは参照信号受信電力RSRPである。
【0031】
任意選択で、Pは4であり、
プロセッサは、
P個の物理アンテナを使用してM個の上り信号を受信し、P個の信号受信測定値グループを決定し、P個の信号受信測定値グループのどのグループも、P個の物理アンテナのうちの1つによって受信されたM個の上り信号のM個の信号受信測定値を含み、Mが1より大きい正の整数であり、
P個の信号受信測定値グループの2つのグループごとの間の相関の係数を決定し、2つの物理アンテナを、最大相関係数に対応する2つの信号受信測定値グループに対応する、第1の偏波方向の物理アンテナとして決定し、P個の物理アンテナ中のその他2つの物理アンテナを第2の偏波方向の物理アンテナとして決定する、ように特に構成される。
【0032】
任意選択で、上り信号は、復調参照信号DMRSまたはサウンディング参照信号SRSである。
【0033】
本出願の一実施形態は、ネットワーク機器を提供し、本ネットワーク機器は、
ネットワーク機器のP個の物理アンテナの各々の偏波方向と、P個の物理アンテナの各々が属するアンテナアレイとを決定するように構成された処理部であって、Pが4の倍数である、処理部と、
第1のアンテナポートと第2のアンテナポートとを、P個の物理アンテナ中の第1の物理アンテナグループと第2の物理アンテナグループとにそれぞれマップし、第3のアンテナポートと第4のアンテナポートとを、P個の物理アンテナ中の第3の物理アンテナグループと第4の物理アンテナグループとにそれぞれマップするように構成されたマップ部であって、第1の物理アンテナグループ中の任意の物理アンテナと第2の物理アンテナグループ中の物理アンテナとが同じアンテナアレイに属し、第3の物理アンテナグループ中の任意の物理アンテナと第4の物理アンテナグループ中の物理アンテナとが同じアンテナアレイに属し、第1の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向が第3の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向と同じであり、第2の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向が第4の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向と同じである、マップ部とを含む。
【0034】
任意選択で、Pは4であり、P個の物理アンテナは2つのアンテナアレイに分割され、各アンテナアレイは2つの物理アンテナを含み、
処理部は、
K個の信号品質測定値グループを取得し、Kが11または12であり、K個の信号品質測定値グループが、ネットワーク機器により、2つのアンテナアレイのうちの一方のダウンチルト角を、他方のアンテナアレイのダウンチルト角をN回調整する間不変に保つことによって取得され、K個の信号品質測定値グループのどのグループもN個の信号品質測定値を含み、信号品質測定値グループが、P個の物理アンテナ中の別の物理アンテナによって送信されたN個の受信信号に基づいてP個の物理アンテナのうちの1つによって決定され、Nが1より大きい正の整数であり、
K個の信号品質測定値グループの各グループの分散を決定し、K個の信号品質測定値グループ中で最小の分散を有する信号品質測定値グループに対応する2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属し、P個の物理アンテナ中のその他2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属すると判断する、ように特に構成される。
【0035】
任意選択で、信号品質測定値は、信号対干渉雑音比SINRまたは参照信号受信電力RSRPである。
【0036】
任意選択で、Pは4であり、
処理部は、
P個の物理アンテナを使用してM個の上り信号を受信し、P個の信号受信測定値グループを決定し、P個の信号受信測定値グループのどのグループも、P個の物理アンテナのうちの1つによって受信されたM個の上り信号のM個の信号受信測定値を含み、Mが1より大きい正の整数であり、
P個の信号受信測定値グループの2つのグループごとの間の相関の係数を決定し、2つの物理アンテナを、最大相関係数に対応する2つの信号受信測定値グループに対応する、第1の偏波方向の物理アンテナとして決定し、P個の物理アンテナ中のその他2つの物理アンテナを第2の偏波方向の物理アンテナとして決定する、ように特に構成される。
【0037】
任意選択で、上り信号は、復調参照信号DMRSまたはサウンディング参照信号SRSである。
【0038】
本出願の一実施形態は、コンピュータ記憶媒体をさらに提供する。本記憶媒体は、ソフトウェアプログラムを格納し、ソフトウェアプログラムが1つまたは複数のプロセッサによって読み出され、実行されると、前述の設計のいずれかで提供されるアンテナポートマッピング方法が実施され得る。
【0039】
本出願の一実施形態は、システムをさらに提供し、本システムは、前述の設計のいずれかで提供されるネットワーク機器を含む。任意選択で、本システムは、本出願の実施形態で提供されるソリューションにおけるネットワーク機器と対話する別の機器をさらに含み得る。
【0040】
本出願の一実施形態は、命令を含むコンピュータプログラム製品をさらに提供する。本コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で動作すると、コンピュータは、前述の態様の各々におけるアンテナポートマッピング方法を行う。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】先行技術のアンテナポートの概略的マッピング図である。
【
図2】本出願の一実施形態によるアンテナポートの概略的マッピング図である。
【
図3】本出願の一実施形態によるアンテナポートマッピング方法の概略的流れ図である。
【
図4】本出願の一実施形態によるアンテナポートの概略的マッピング図である。
【
図5】本出願の一実施形態によるネットワーク機器の概略的構造図である。
【
図6】本出願の一実施形態によるネットワーク機器の概略的構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下で、本出願を、添付の図面を参照してさらに詳細に説明する。
【0043】
本出願の実施形態は、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(Global System of Mobile communication、GSM(登録商標))、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access、CDMA)システム、広帯域符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access、WCDMA(登録商標))、汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service、GPRS)、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)システムアドバンストロングタームエボリューション(Advanced long term evolution、LTE-A)システム、ユニバーサル移動通信システム(Universal Mobile Telecommunication System、UMTS)、進化型ロングタームエボリューション(evolved Long Term Evolution、eLTE)システム、5G(例えば、新無線(New Radio、NR)システム)、および他の移動通信システムなどの、様々な移動通信システムに適用され得る。
【0044】
加えて、本出願の実施形態では、端末は、ユーザ機器(User Equipment、端末)とも呼ばれ、ユーザに音声および/またはデータ接続を提供する機器、例えば、ハンドヘルドデバイスや、無線接続機能を有する車載機器であることにも留意されたい。例えば、一般的な端末には、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、パームトップコンピュータ、モバイルインターネットデバイス(mobile internet device、MID)、およびスマートフォンやスマートバンドや歩数計などのウェアラブルデバイスが含まれる。
【0045】
本出願の実施形態では、ネットワーク機器は、一般の基地局(例えば、NodeBやeNB)、新無線コントローラ(New Radio controller、NR controller)、5GシステムのgNodeB(gNB)、集中式ネットワーク要素(Centralized Unit)、新無線基地局、リモート無線ユニット、マイクロ基地局、リレー(relay)、分散型ネットワーク要素(Distributed Unit)、送受信点(Transmission Reception Point、TRP)もしくは送信点(Transmission Point、TP)、または任意の他の無線アクセスデバイスであり得る。しかしながら、本出願の実施形態はこれに限定されない。
【0046】
現在、ネットワーク機器は、4つ、8つ、またはそれ以上の物理アンテナをサポートし得る。ネットワーク機器が4つの物理アンテナをサポートすることを以下で説明のための例として使用する。ネットワーク機器が4つの物理アンテナをサポートするときに、ネットワーク機器が4つのアンテナポートを使用して信号を送信する場合、SFBCとFSTDの組み合わせソリューションが4つのアンテナポートの信ダイバーシチソリューションとして使用され得る。この場合、4つのアンテナポートにおいて、アンテナポート0とアンテナポート2がSFBCコードグループを形成し、アンテナポート1とアンテナポート3が別のSFBCコードグループを形成する。加えて、物理アンテナ、RRUチャネルポート、およびアンテナポートが最適なダイバーシチ利得基準に従ってマップされる。例えば、
図1は、先行技術のアンテナポートの概略的マッピング図である。
図1では、物理アンテナ0、物理アンテナ1、物理アンテナ2、および物理アンテナ3が、RRUチャネルポートA、B、C、およびDにそれぞれ接続されている。物理アンテナ0、物理アンテナ1、物理アンテナ2、および物理アンテナ3の偏波方向は、それぞれ+45°、-45°、+45°、および-45°であり、物理アンテナ0と物理アンテナ1とは同じアンテナアレイに属し、物理アンテナ2と物理アンテナ3とは同じアンテナアレイに属する。最適なダイバーシチ利得基準に従い、ネットワーク機器がアンテナポートを構成する場合、構成順序は、アンテナポート0、アンテナポート2、アンテナポート1、およびアンテナポート3であり、すなわち、アンテナポート0、アンテナポート2、アンテナポート1、およびアンテナポート3は、RRUチャネルポートA、B、C、およびDにそれぞれマップされる。物理アンテナとRRUチャネルポートとが接続された後、物理アンテナとRRUチャネルポートとが再接続される必要がある場合、エンジニアは、基地局に直接行く必要があり、物理アンテナとRRUチャネルポートとを再接続するためにRRUを分解する。これは実施が極めて複雑であり、効率が低い。したがって、物理アンテナとRRUチャネルポートとが事前に指定された方法で接続されていない場合、最適なダイバーシチ利得基準に従ってアンテナポートを物理アンテナにマップすることができず、ゆえに高い利得を得ることができない。
【0047】
例えば、
図1に関連して、
図2は、本出願の一実施形態によるアンテナポートの概略的マッピング図である。
図2では、物理アンテナとRRUチャネルポートとの間の接続において誤りが発生する。その結果、RRUチャネルポートBが物理アンテナ1に接続され、RRUチャネルポートCが物理アンテナ2に接続されることになる。この場合、アンテナポート0、アンテナポート2、アンテナポート1、およびアンテナポート3が、元の順序(すなわち、
図2の順序)でRRUチャネルポートA、C、D、およびBにそれぞれマップされると、アンテナポートを最適な方法で物理アンテナにマップすることができず、ゆえに送信信号の利得が減少する。
【0048】
これを解決するために、本出願の実施形態は、アンテナポートを物理アンテナに迅速かつ正確にマップする、アンテナポートマッピング方法を提供する。
【0049】
上記の説明に関連して、
図3は、本出願の一実施形態によるアンテナポートマッピング方法の概略的流れ図である。本方法は以下のステップを含む。
【0050】
ステップ301:ネットワーク機器が、ネットワーク機器のP個の物理アンテナの各々の偏波方向と、P個の物理アンテナの各々が属するアンテナアレイとを決定し、Pは4の倍数である。
【0051】
ステップ302:ネットワーク機器が、第1のアンテナポートと第2のアンテナポートとを、P個の物理アンテナ中の第1の物理アンテナグループと第2の物理アンテナグループとにそれぞれマップし、第3のアンテナポートと第4のアンテナポートとを、P個の物理アンテナ中の第3の物理アンテナグループと第4の物理アンテナグループとにそれぞれマップする。
【0052】
第1の物理アンテナグループ中の任意の物理アンテナと第2の物理アンテナグループ中の物理アンテナとは同じアンテナアレイに属し、第3の物理アンテナグループ中の任意の物理アンテナと第4の物理アンテナグループ中の物理アンテナとは同じアンテナアレイに属し、第1の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向は第3の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向と同じであり、第2の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向は第4の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向と同じである。
【0053】
ステップ301では、ネットワーク機器のP個の物理アンテナ中の2つのアンテナごとが同じアンテナアレイに属し、同じアンテナアレイに属する物理アンテナは異なる偏波方向である。例えば、ネットワーク機器は4つの物理アンテナをサポートすることができ、それらはそれぞれ、物理アンテナ0、物理アンテナ1、物理アンテナ2、および物理アンテナ3である。物理アンテナ0と物理アンテナ1とは同じアンテナアレイに属し、それぞれ、+45°と-45°の偏波方向であり、物理アンテナ2と物理アンテナ3とは同じアンテナアレイに属し、それぞれ、+45°と-45°の偏波方向である。
【0054】
上記の説明に関連して、P個の物理アンテナはP/2個のアンテナアレイを含み、各アンテナアレイは2つの物理アンテナを含む。
【0055】
ネットワーク機器は、P個の物理アンテナの各々が属するアンテナアレイを以下の方法を使用して決定し得る。
【0056】
ステップ1:ネットワーク機器がK個の信号品質測定値グループを取得し、KがP×(P-1)またはP×(P-1)-1であり、K個の信号品質測定値グループが、ネットワーク機器により、P/2個のアンテナアレイのうちの1つのダウンチルト角を、その他P/2-1個のアンテナアレイのダウンチルト角をN回調整する間不変に保つことによって取得される。K個の信号品質測定値グループのどのグループもN個の信号品質測定値を含み、信号品質測定値グループは、P個の物理アンテナ中の別の物理アンテナによって送信されたN個の受信信号に基づいてP個の物理アンテナのうちの1つによって決定され、Nは1より大きい正の整数である。
【0057】
本出願の本実施形態では、信号品質測定値は、信号対干渉雑音比(Signal to Interference plus Noise Ratio、SINR)もしくは参照信号受信電力(Reference Signal Receiving Power、RSRP)であってもよく、または当然ながら別のタイプの値であってもよい。ここでは詳細を述べない。
【0058】
ステップ2:ネットワーク機器が、K個の信号品質測定値グループの各グループの分散を決定し、K個の信号品質測定値グループ中で最小の分散を有する信号品質測定値グループに対応する2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属すると判断する。
【0059】
KがP×(P-1)である場合、ネットワーク機器は、K個の信号品質測定値グループ中の最小のまたは2番目に小さい分散を有する信号品質測定値グループに対応する2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属すると判断し得ることに留意されたい。
【0060】
2つの物理アンテナ、すなわちTX1とTX2とが、同じアンテナアレイに属し、アンテナアレイのダウンチルト角が不変を保つ場合、2つの物理アンテナ間のチャネルはさほど変化しないことに留意されたい。したがって、2つの物理アンテナによって相互に測定される信号品質測定値は激しく変動しない。具体的には、TX1がTX2によって送信された較正信号を受信するときに測定される信号品質測定値の分散と、TX2がTX1によって送信された較正信号を受信するときに測定される信号品質測定値の分散とがどちらも比較的小さく、0に近い。
【0061】
2つの物理アンテナ、すなわちTX1とTX2とが同じアンテナアレイに属し、アンテナアレイのダウンチルト角が絶えず変化する場合、2つの物理アンテナは互いに対して固定されているが、2つの物理アンテナ間のチャネルが変化する。したがって、2つの物理アンテナによって相互に測定される信号品質測定値は変動し、より大きい分散を生じさせる。
【0062】
ステップ3:ネットワーク機器が、P-2が2より大きいかどうかを判断し、P-2が2より大きい場合、ネットワーク機器がPから2を減じてステップ1に戻り、またはP-2が2以下である場合、ネットワーク機器がステップ4に進む。
【0063】
ステップ4:最後に、P個の物理アンテナ中の2つの物理アンテナが属するアンテナアレイが決定されないときに、ネットワーク機器が、2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属すると判断する。
【0064】
例えば、Pが4である場合、ネットワーク機器はまず、K個の信号品質測定値グループを取得することができ、Kは11または12である。
【0065】
K個の信号品質測定値グループは、ネットワーク機器により、2つのアンテナアレイのうちの一方のダウンチルト角を、他方のアンテナアレイのダウンチルト角をN回調整する間不変に保つことによって取得される。K個の信号品質測定値グループのどのグループもN個の信号品質測定値を含み、信号品質測定値グループは、P個の物理アンテナ中の別の物理アンテナによって送信されたN個の受信信号に基づいてP個の物理アンテナのうちの1つによって決定され、Nは1より大きい正の整数である。
【0066】
例えば、Pは4であり、すなわち、ネットワーク機器は合計4つの物理アンテナ、TX1、TX2、TX3、およびTX4を含む。信号品質測定値がSINRである場合、12個の信号品質測定値グループが以下の方法で取得される。
【0067】
アンテナアレイのダウンチルト角が、別のアンテナアレイのダウンチルト角がN=4回調整される間不変に保たれる。ダウンチルト角が調整される都度、以下のステップが行われる。
【0068】
ステップ1:TX2、TX3、およびTX4が較正信号を送信するために使用され、TX1が、TX2、TX3、およびTX4を使用して送信された較正信号を受信するために使用される。この場合、計算されたSINRはそれぞれ、SINRi12、SINRi13、およびSINRi14であり、SINRimnは、TXnが較正信号を送信し、TXmが較正信号を受信したときに得られたSINR値を表し、得られたSINR値は、そのアンテナダウンチルト角が調整されるアンテナアレイの第iのダウンチルト角に対応する。
【0069】
ステップ2:TX1、TX3、およびTX4が較正信号を送信するために使用され、TX2が、TX1、TX3、およびTX4を使用して送信された較正信号を受信するために使用される。この場合、計算されたSINRはそれぞれ、SINRi21、SINRi23、およびSINRi24である。
【0070】
ステップ3:TX1、TX2、およびTX4が較正信号を送信するために使用され、TX3が、TX1、TX2、およびTX4を使用して送信された較正信号を受信するために使用される。この場合、計算されたSINRはそれぞれ、SINRi31、SINRi32、およびSINRi34である。
【0071】
ステップ4:TX1、TX2、およびTX3が較正信号を送信するために使用され、TX4が、TX1、TX2、およびTX3を使用して送信された較正信号を受信するために使用される。この場合、計算されたSINRはそれぞれ、SINRi41、SINRi42、およびSINRi43である。
【0072】
最終的に得られた12個の品質測定値グループが表1に示されている。
【0073】
【0074】
較正信号は任意の信号であり得ることに留意されたい。これについては本願の本実施形態では限定されない。
【0075】
K個の信号品質測定値グループを決定した後、ネットワーク機器は、K個の信号品質測定値グループの各グループの分散を決定し、K個の信号品質測定値グループ中で最小の分散を有する信号品質測定値グループに対応する2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属し、P個の物理アンテナ中のその他2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属すると判断し得る。
【0076】
Kの値が12である場合、ネットワーク機器は、K個の信号品質測定値グループ中で最小のまたは2番目に小さい分散を有する信号品質測定値グループに対応する2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属し、P個の物理アンテナ中のその他2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属すると判断し得ることに留意されたい。
【0077】
例えば、Pは4である。表1に関連して、上述した方法に基づき、ネットワーク機器によって得られた12個の信号品質測定値グループは表2として示され得る。
【0078】
【0079】
表2に関連して、ネットワーク機器は、第2の信号品質測定値グループの分散が最小であると判断することができ、したがって、TX1とTX2とは同じアンテナアレイに属し、TX3とTX4とは同じアンテナアレイに属すると判断し得る。当然ながら、TX1とTX2とは同じアンテナアレイに属するので、TX1がTX2によって送信された較正信号を受信するときに測定される信号品質測定値の分散は、TX2がTX1によって送信された較正信号を受信するときに測定される信号品質測定値の分散と近い。したがって、ネットワーク機器は、第1の信号品質測定値グループの分散に基づいて、TX1とTX2とが同じアンテナアレイに属し、TX3とTX4とが同じアンテナアレイに属するとも判断し得る。
【0080】
本出願の本実施形態では、Pが4である場合、ネットワーク機器は、P個の物理アンテナの各々の偏波方向を以下の方法で決定し得る。
【0081】
ステップ1:ネットワーク機器が、P個の物理アンテナを使用してM個の上り信号を受信し、各アンテナによって受信されたM個の上り信号を使用して決定されたM個の信号受信測定値を1つのグループに割り振って、P個の信号受信測定値グループを取得する。具体的には、P個の信号受信測定値グループのどのグループも、P個の物理アンテナのうちの1つによって受信されたM個の上り信号のM個の信号受信測定値を含み、Mは1より大きい正の整数である。
【0082】
ネットワーク機器がP個の物理アンテナを使用してM個の上り信号を受信するときに、すべての物理アンテナは同じ上り信号を受信する、すなわち、P個の物理アンテナの各々がM個の上り信号を独立して受信することに留意されたい。
【0083】
M個の上り信号はネットワーク機器によって指定された端末によって送信され得る。本出願の本実施形態では、ネットワーク機器が端末をどのようにして指定するかを制限しない。例えば、ネットワーク機器はネットワーク機器に上り信号を送信すべき端末を指定してもよく、その場合端末とネットワーク機器との間のチャネルのチャネル品質は事前設定条件を満たす。
【0084】
本出願の本実施形態では、信号受信測定値は、ネットワーク機器が上り信号を受信するときの信号受信エネルギー値か、またはネットワーク機器が上り信号を受信するときの信号受信電力値であり得る。ネットワーク機器が物理アンテナを使用して受信された上り信号の信号受信エネルギー値を決定する複数の方法がある。これについては本願の本実施形態では限定されない。例えば、ネットワーク機器は、以下の式(1)に従って、任意の物理アンテナを使用してネットワーク機器によって受信された上り信号の信号受信エネルギー値Eを決定し得る。
E=|H×S|2 (1)
式中、Hは、ネットワーク機器の物理アンテナと上り信号を送信する端末との間のチャネルの推定値であり、Sは、上り信号である。
【0085】
信号受信電力値を決定するための方法については、RSRPを計算するための方法を参照されたい。ここでは詳細を繰り返さない。
【0086】
当然ながら、上記は一例にすぎない。ネットワーク機器は、別の方法で、物理アンテナを使用して受信された上り信号の信号受信測定値を決定してもよい。ここでは詳細を繰り返さない。
【0087】
ステップ2:ネットワーク機器が、P個の信号受信測定値グループの2つのグループごとの間の相関の係数を決定し、2つの物理アンテナを、最大相関係数に対応する2つの信号受信測定値グループに対応する、第1の偏波方向の物理アンテナとして決定し、P個の物理アンテナ中のその他2つの物理アンテナを第2の偏波方向の物理アンテナとして決定する。
【0088】
例えば、Pが4である場合、ネットワーク機器は、4つの信号受信測定値グループを決定し、これらはそれぞれ、E1、E2、E3およびE4である。次いで、ネットワーク機器は、E1とE2との間の相関の係数、E1とE3との間の相関の係数、E1とE4との間の相関の係数、E2とE3との間の相関の係数、E2とE4との間の相関の係数、およびE3とE4との間の相関の係数をそれぞれ決定し、したがって、6つの相関係数を決定する。続いて、ネットワーク機器は、2つの物理アンテナを、6つの相関係数中の最大相関係数に対応する2つの信号受信測定値グループに対応する、第1の偏波方向の物理アンテナとして決定し、したがって、その他2つの物理アンテナを第2の偏波方向の物理アンテナとして決定し得る。
【0089】
Pが別の値である場合、各物理アンテナの偏波方向は上記の方法を参照して決定され得ることに留意されたい。ここでは詳細を繰り返さない。加えて、相関係数を計算するための方法については、先行技術の説明を参照されたい。ここでは詳細を述べない。
【0090】
任意選択で、第1の偏波方向は45°であり、第2の偏波方向は-45°であり、または第1の偏波方向は-45°であり、第2の偏波方向は45°である。当然ながら、上記は一例にすぎず、第1の偏波方向と第2の偏波方向の具体的な値は実際の状況に従って決定されてもよく、ここでは詳細を述べない。
【0091】
任意選択で、上り信号は、復調参照信号(Demodulation Reference Signal、DMRS)またはサウンディング参照信号(Sounding Reference Signal、SRS)であり得る。
【0092】
ステップ302では、第1のアンテナポートはアンテナポート0に対応していてもよく、第2のアンテナポートはアンテナポート1に対応していてもよく、第3のアンテナポートはアンテナポート2に対応していてもよく、第4のアンテナポートはアンテナポート3に対応していてもよい。この場合、第1のアンテナポートと第2のアンテナポートとはSFBCコードグループを形成し、第3のアンテナポートと第4のアンテナポートとは別のSFBCコードグループを形成する。
【0093】
当然ながら、上記は一例にすぎず、第1のアンテナポートから第4のアンテナポートとアンテナポート0からアンテナポート3との間の対応関係は別の形態であってもよい。ここでは詳細を述べない。
【0094】
本出願の本実施形態では、アンテナポートがマップされる物理アンテナの数は同じである。したがって、P個の物理アンテナの各々の偏波方向と、P個の物理アンテナの各々が属するアンテナアレイとを決定した後、ネットワーク機器はP個の物理アンテナを、それぞれ第1の物理アンテナグループから第4の物理アンテナグループまでである4つの物理アンテナグループに分割し得る。物理アンテナグループは同数の物理アンテナを含み、各物理アンテナグループ内の物理アンテナは同じ偏波方向である。第1の物理アンテナグループ中の任意の物理アンテナと第2の物理アンテナグループ中の物理アンテナとは同じアンテナアレイに属し、第3の物理アンテナグループ中の任意の物理アンテナと第4の物理アンテナグループ中の物理アンテナとは同じアンテナアレイに属し、第1の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向は第3の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向と同じであり、第2の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向は第4の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向と同じであり、第1の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向は第2の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向と異なる。
【0095】
例えば、P=8であり、ネットワーク機器によってサポートされる物理アンテナはそれぞれ、物理アンテナ1、物理アンテナ2、物理アンテナ3、物理アンテナ4、物理アンテナ5、物理アンテナ6、物理アンテナ7、および物理アンテナ8である。ネットワーク機器は、物理アンテナ1と物理アンテナ2とは同じアンテナアレイに属し、物理アンテナ3と物理アンテナ4とは同じアンテナアレイに属し、物理アンテナ5と物理アンテナ6とは同じアンテナアレイに属し、物理アンテナ7と物理アンテナ8とは同じアンテナアレイに属すると判断する。加えて、物理アンテナ1、物理アンテナ3、物理アンテナ5、および物理アンテナ7は各々、第1の偏波方向であり、物理アンテナ2、物理アンテナ4、物理アンテナ6、および物理アンテナ8は各々、第2の偏波方向である。この場合、第1の物理アンテナグループは物理アンテナ1と物理アンテナ5とを含んでいてもよく、第2の物理アンテナグループは物理アンテナ2と物理アンテナ6とを含んでいてもよく、第3の物理アンテナグループは物理アンテナ3と物理アンテナ7とを含んでいてもよく、第4の物理アンテナグループは物理アンテナ4と物理アンテナ8とを含んでいてもよい。
【0096】
第1のアンテナポートがアンテナポート0に対応する場合、第2のアンテナポートはアンテナポート1に対応し、第3のアンテナポートはアンテナポート2に対応し、第4のアンテナポートはアンテナポート3に対応し、P個の物理アンテナの各々の偏波方向と、P個の物理アンテナの各々が属するアンテナアレイとを決定した後、ネットワーク機器は、第1のアンテナポートをP個の物理アンテナ中の第1の物理アンテナグループにマップし、第2のアンテナポートをP個の物理アンテナ中の第2の物理アンテナグループにマップし、第3のアンテナポートをP個の物理アンテナ中の第3の物理アンテナグループにマップし、第4のアンテナポートをP個の物理アンテナ中の第4の物理アンテナグループにマップし得る。
【0097】
例えば、
図2に関連して、物理アンテナとRRUチャネルポートとの間の接続で誤りが発生し、RRUチャネルポートBが物理アンテナ1に接続され、RRUチャネルポートCが物理アンテナ2に接続された場合、ネットワーク機器は、まず、物理アンテナ0と物理アンテナ1とが同じアンテナアレイに属し、物理アンテナ2と物理アンテナ3とが同じアンテナアレイに属すると判断し、次いで、物理アンテナ0と物理アンテナ2の偏波方向が各々第1の偏波方向であり、物理アンテナ1と物理アンテナ3の偏波方向が各々第2の偏波方向であると判断する。この場合、最適なダイバーシチ利得基準に従って、ネットワーク機器がアンテナポートを構成するときに、構成順序は、アンテナポート0、アンテナポート1、アンテナポート2、およびアンテナポート3であり、アンテナポート0を物理アンテナ1にマップし、アンテナポート2を物理アンテナ2にマップし、アンテナポート1をRRUチャネルポートAにマップし、アンテナポート3を物理アンテナ4にマップするようにする。詳細については、
図4を参照されたい。
【0098】
最後に、ネットワーク機器は、第1のアンテナポートを使用して、物理アンテナにマップされた第4のアンテナポートに信号を送信することができ、例えば、第1のアンテナポートを使用して第4のアンテナポートにセル固有参照信号(Cell-Specific Reference Signal、CRS)を送信する。当然ながら、ネットワーク機器は別の信号を送信してもよい。ここでは説明のための例を逐一示さない。
【0099】
本出願の本実施形態で提供される方法によれば、ネットワーク機器は、P個の物理アンテナの各々の偏波方向と、P個の物理アンテナの各々が属するアンテナアレイとを、第1のアンテナポートから第4のアンテナポートまでをP個の物理アンテナに最適な方法でマップするように決定し、それによってアンテナポートが効率的かつ正確にマップされ、アンテナポートを使用して送信される信号の利得が増加する。
【0100】
同じ技術思想に基づき、本発明の一実施形態はネットワーク機器をさらに提供する。本ネットワーク機器は、
図3に示される方法手順を行い得る。
【0101】
図5は、本出願の一実施形態によるネットワーク機器の概略的構造図である。
【0102】
図5を参照すると、ネットワーク機器500は、プロセッサ5011とメモリ5012とを含む。
【0103】
ネットワーク機器500は、1つまたは複数のリモート無線ユニット(remote radio unit、RRU)502と、1つまたは複数のベースバンドユニット(base band unit、BBU)501とをさらに含み得る。RRU502は、送受信部、送受信機、送受信回路などと呼ばれる場合もあり、少なくとも1つのアンテナアレイ5021と無線周波数ユニット5022とを含み得る。RRU502は、無線周波数信号を送受信し、無線周波数信号とベースバンド信号との間の変換を行うように主に構成される。例えば、RRU502は、前述の実施形態における指示信号または参照信号を端末に送信するように構成される。
【0104】
BBU501は、ベースバンド処理を行ったり、ネットワーク機器を制御したりするように主に構成される。RRU502とBBU501とは、物理的に一緒に配置されていてもよく、または物理的に分離されて、すなわち、分散型基地局を構成していてもよい。
【0105】
BBU501は、ネットワーク機器の制御センタであり、処理装置と呼ばれる場合もあり、チャネル符号化、多重化、変調、スペクトル拡散などといったベースバンド処理機能を完了するように主に構成される。一例では、BBU501は1つまたは複数の基板を含み得る。複数の基板が、単一のアクセス規格の(5Gネットワークなどの)無線アクセスネットワークを一緒にサポートし得るか、または異なるアクセス規格の無線アクセスネットワークを別々にサポートし得る。プロセッサ5011およびメモリ5012はBBU501に位置する。
【0106】
メモリ5012は実行可能命令を格納し、プロセッサ5011は、メモリ5012内の実行可能命令を読み出して、
ネットワーク機器のP個の物理アンテナの各々の偏波方向と、P個の物理アンテナの各々が属するアンテナアレイとを決定するステップであって、Pが4の倍数である、ステップと、
第1のアンテナポートと第2のアンテナポートとを、P個の物理アンテナ中の第1の物理アンテナグループと第2の物理アンテナグループとにそれぞれマップし、第3のアンテナポートと第4のアンテナポートとを、P個の物理アンテナ中の第3の物理アンテナグループと第4の物理アンテナグループとにそれぞれマップするステップであって、第1の物理アンテナグループ中の任意の物理アンテナと第2の物理アンテナグループ中の物理アンテナとが同じアンテナアレイに属し、第3の物理アンテナグループ中の任意の物理アンテナと第4の物理アンテナグループ中の物理アンテナとが同じアンテナアレイに属し、第1の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向が第3の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向と同じであり、第2の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向が第4の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向と同じである、ステップとを行う。
【0107】
任意選択で、Pは4であり、P個の物理アンテナは2つのアンテナアレイに分割され、各アンテナアレイは2つの物理アンテナを含み、
プロセッサ5011は、
K個の信号品質測定値グループを取得し、Kが11または12であり、K個の信号品質測定値グループが、ネットワーク機器により、2つのアンテナアレイのうちの一方のダウンチルト角を、他方のアンテナアレイのダウンチルト角をN回調整する間不変に保つことによって取得され、K個の信号品質測定値グループのどのグループもN個の信号品質測定値を含み、信号品質測定値グループが、P個の物理アンテナ中の別の物理アンテナによって送信されたN個の受信信号に基づいてP個の物理アンテナのうちの1つによって決定され、Nが1より大きい正の整数であり、
K個の信号品質測定値グループの各グループの分散を決定し、K個の信号品質測定値グループ中で最小の分散を有する信号品質測定値グループに対応する2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属し、P個の物理アンテナ中のその他2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属すると判断する、ように特に構成される。
【0108】
任意選択で、信号品質測定値は、信号対干渉雑音比SINRまたは参照信号受信電力RSRPである。
【0109】
任意選択で、Pは4であり、
プロセッサ5011は、
P個の物理アンテナを使用してM個の上り信号を受信し、P個の信号受信測定値グループを決定し、P個の信号受信測定値グループのどのグループも、P個の物理アンテナのうちの1つによって受信されたM個の上り信号のM個の信号受信測定値を含み、Mが1より大きい正の整数であり、
P個の信号受信測定値グループの2つのグループごとの間の相関の係数を決定し、2つの物理アンテナを、最大相関係数に対応する2つの信号受信測定値グループに対応する、第1の偏波方向の物理アンテナとして決定し、P個の物理アンテナ中のその他2つの物理アンテナを第2の偏波方向の物理アンテナとして決定する、ように特に構成される。
【0110】
任意選択で、上り信号は、復調参照信号DMRSまたはサウンディング参照信号SRSである。
【0111】
同じ技術思想に基づき、本発明の一実施形態はネットワーク機器をさらに提供する。本ネットワーク機器は、
図3に示される方法手順を行い得る。
【0112】
図6は、本出願の一実施形態によるネットワーク機器の概略的構造図である。
【0113】
図6を参照すると、ネットワーク機器600は、
ネットワーク機器のP個の物理アンテナの各々の偏波方向と、P個の物理アンテナの各々が属するアンテナアレイとを決定するように構成された処理部601であって、Pが4の倍数である、処理部601と、
第1のアンテナポートと第2のアンテナポートとを、P個の物理アンテナ中の第1の物理アンテナグループと第2の物理アンテナグループとにそれぞれマップし、第3のアンテナポートと第4のアンテナポートとを、P個の物理アンテナ中の第3の物理アンテナグループと第4の物理アンテナグループとにそれぞれマップするように構成されたマップ部602であって、第1の物理アンテナグループ中の任意の物理アンテナと第2の物理アンテナグループ中の物理アンテナとが同じアンテナアレイに属し、第3の物理アンテナグループ中の任意の物理アンテナと第4の物理アンテナグループ中の物理アンテナとが同じアンテナアレイに属し、第1の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向が第3の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向と同じであり、第2の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向が第4の物理アンテナグループ中の物理アンテナの偏波方向と同じである、マップ部602とを含む。
【0114】
任意選択で、Pは4であり、P個の物理アンテナは2つのアンテナアレイに分割され、各アンテナアレイは2つの物理アンテナを含み、
処理部601は、
K個の信号品質測定値グループを取得し、Kが11または12であり、K個の信号品質測定値グループが、ネットワーク機器により、2つのアンテナアレイのうちの一方のダウンチルト角を、他方のアンテナアレイのダウンチルト角をN回調整する間不変に保つことによって取得され、K個の信号品質測定値グループのどのグループもN個の信号品質測定値を含み、信号品質測定値グループが、P個の物理アンテナ中の別の物理アンテナによって送信されたN個の受信信号に基づいてP個の物理アンテナのうちの1つによって決定され、Nが1より大きい正の整数であり、
K個の信号品質測定値グループの各グループの分散を決定し、K個の信号品質測定値グループ中で最小の分散を有する信号品質測定値グループに対応する2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属し、P個の物理アンテナ中のその他2つの物理アンテナが同じアンテナアレイに属すると判断する、ように特に構成される。
【0115】
任意選択で、信号品質測定値は、信号対干渉雑音比SINRまたは参照信号受信電力RSRPである。
【0116】
任意選択で、Pは4であり、
処理部601は、
P個の物理アンテナを使用してM個の上り信号を受信し、P個の信号受信測定値グループを決定し、P個の信号受信測定値グループのどのグループも、P個の物理アンテナのうちの1つによって受信されたM個の上り信号のM個の信号受信測定値を含み、Mが1より大きい正の整数であり、
P個の信号受信測定値グループの2つのグループごとの間の相関の係数を決定し、2つの物理アンテナを、最大相関係数に対応する2つの信号受信測定値グループに対応する、第1の偏波方向の物理アンテナとして決定し、P個の物理アンテナ中のその他2つの物理アンテナを第2の偏波方向の物理アンテナとして決定する、ように特に構成される。
【0117】
任意選択で、上り信号は、復調参照信号DMRSまたはサウンディング参照信号SRSである。
【0118】
本出願の一実施形態は、プロセッサによって実行される必要があるコンピュータソフトウェア命令を格納するように構成されたコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、コンピュータソフトウェア命令は、プロセッサによって実行される必要があるプログラムを含む。
【0119】
本出願の実施形態は、方法、システム、またはコンピュータプログラム製品として提供され得ることを当業者は理解するはずである。したがって、本出願は、ハードウェアのみの実施形態、ソフトウェアのみの実施形態、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせによる実施形態の形態を使用し得る。さらに、本出願は、コンピュータ使用可能プログラムコードを含む(ディスクメモリ、光メモリなどを含むがこれに限定されない)1つまたは複数のコンピュータ使用可能記憶媒体上に実装されたコンピュータプログラム製品の形態を使用し得る。
【0120】
本出願は、本出願による方法、機器(システム)、およびコンピュータプログラム製品の流れ図および/またはブロック図を参照して説明されている。コンピュータプログラム命令は、流れ図および/またはブロック図内の各プロセスおよび/または各ブロック、ならびに流れ図および/またはブロック図内のプロセスおよび/またはブロックの組み合わせを実現するために使用され得ることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、または任意の他のプログラマブルデータ処理デバイスのプロセッサがマシンを生み出すために提供され得るものであるので、これらの命令がコンピュータまたは任意の他のプログラマブルデータ処理デバイスのプロセッサによって実行されることにより、流れ図内の1つもしくは複数のプロセスおよび/またはブロック図内の1つもしくは複数のブロックにおける特定の機能を実現するための装置が生み出される。
【0121】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは任意の他のプログラマブルデータ処理デバイスに特定の方法で動作するよう命令することができるコンピュータ可読メモリに格納され得るので、コンピュータ可読メモリに格納されたこれらの命令は命令装置を含む製品を生み出す。命令装置は、流れ図内の1つもしくは複数のプロセスおよび/またはブロック図内の1つもしくは複数のブロックにおける特定の機能を実現する。
【0122】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは別のプログラマブルデータ処理デバイスにロードされ得るので、一連の動作およびステップがコンピュータまたは別のプログラマブルデバイス上で行われ、それによってコンピュータ実装処理が生成される。したがって、命令がコンピュータまたは別のプログラマブルデバイス上で実行されることにより、流れ図内の1つもしくは複数のプロセスおよび/またはブロック図内の1つもしくは複数のブロックにおける特定の機能を実現するためのステップが提供される。
【0123】
当業者が、本出願の範囲を逸脱することなく本出願に様々な改変および変形を加えることができることは自明である。本出願は、これらの改変および変形が添付の特許請求の範囲によって定義される保護の範囲内に含まれる限り、これらの改変および変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0124】
500 ネットワーク機器
501 ベースバンドユニット
502 リモート無線ユニット
600 ネットワーク機器
601 処理部
602 マップ部
5011 プロセッサ
5012 メモリ
5021 アンテナアレイ
5022 無線周波数ユニット