特許 7127082 動力伝達部付アウターロータ型モータ

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2022-08-19

(45)【発行日】2022-08-29

(54)【発明の名称】動力伝達部付アウターロータ型モータ

(51)【国際特許分類】

   H02K 5/08 20060101AFI20220822BHJP

   H02K 21/22 20060101ALI20220822BHJP

   H02K 5/16 20060101ALI20220822BHJP

【ＦＩ】

H02K5/08 Z

H02K21/22 M

H02K5/16 Z

【請求項の数】 4

(21)【出願番号】P 2020074132

(22)【出願日】2020-04-17

(65)【公開番号】P2021170912

(43)【公開日】2021-10-28

【審査請求日】2021-01-15

(73)【特許権者】

【識別番号】000106944

【氏名又は名称】シナノケンシ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110001726

【氏名又は名称】特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所

(72)【発明者】

【氏名】富山 祥

(72)【発明者】

【氏名】會田 誠

(72)【発明者】

【氏名】マリオ フィオルッチ

(72)【発明者】

【氏名】アンドレアス フラー

(72)【発明者】

【氏名】ステファン ヴィルトハーバー

【審査官】佐藤 彰洋

(56)【参考文献】

【文献】特開平１１－０１８３５６（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０００－１９７３３３（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００４－２２２４６４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平０７－０１５９１３（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平１０－２９０５９６（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｈ０２Ｋ ５／０８

Ｈ０２Ｋ ２１／２２

Ｈ０２Ｋ ５／１６

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

固定子の径方向外側に回転子が回転可能に組み付けられ、前記回転子に動力伝達部が設けられた動力伝達部付アウターロータ型モータであって、
環状に形成されたコアバック部より径方向外側に突設された複数の極歯を有する固定子コアと、前記コアバック部の中心孔に挿入された固定軸が前記固定子コアを覆う第一樹脂材により一体成形されたインシュレータと、を有する固定子ユニットと、
カップ状に形成された回転子ヨークの内周面に環状の回転子マグネットが設けられ、少なくとも第二樹脂材よりなる回転子ハブの外面にモータ歯車部が一体成形された回転子ユニットと、を備え、
前記回転子ハブは、前記回転子ヨークの内面側に軸方向に延設された内側筒状部と前記回転子ヨークの外面側に軸方向に延設された外側筒状部を有し、当該外側筒状部に前記モータ歯車部が形成されており、前記回転子ユニットは、前記回転子ハブの内側筒状部が前記コアバック部の中心孔に挿入され、
前記回転子ハブの筒孔に前記固定軸が挿入されて前記回転子マグネットと前記極歯が対向するように前記固定子ユニットと前記回転子ユニットが組み付けられ、当該回転子ユニットは前記固定軸を中心に摺動回転可能に組み付けられていることを特徴とする動力伝達部付アウターロータ型モータ。

【請求項2】

固定子の径方向外側に回転子が回転可能に組み付けられ、前記回転子に動力伝達部が設けられた動力伝達部付アウターロータ型モータであって、
環状に形成されたコアバック部より径方向外側に突設された複数の極歯を有する固定子コアと、前記コアバック部の中心孔に挿入された固定軸が前記固定子コアを覆う第一樹脂材により一体成形されたインシュレータと、を有する固定子ユニットと、
カップ状に形成された回転子ヨークの内周面に環状の回転子マグネットが設けられ、少なくとも第二樹脂材よりなる回転子ハブの外面にカップリング部が一体成形された回転子ユニットと、を備え、
前記回転子ハブは、前記回転子ヨークの内面側に軸方向に延設された内側筒状部と前記回転子ヨークの外面側に軸方向に延設された外側筒状部を有し、当該外側筒状部に前記カップリング部が形成されており、前記回転子ユニットは、前記回転子ハブの内側筒状部が前記コアバック部の中心孔に挿入され、
前記回転子ハブの筒孔に前記固定軸が挿入されて前記回転子マグネットと前記極歯が対向するように前記固定子ユニットと前記回転子ユニットが組み付けられ、当該回転子ユニットは前記固定軸を中心に摺動回転可能に組み付けられていることを特徴とする動力伝達部付アウターロータ型モータ。

【請求項3】

前記インシュレータにより少なくとも前記コアバック部及び前記極歯の周囲が覆われており、前記コアバック部の中心孔が前記固定軸と連結された前記インシュレータにより閉塞されている請求項１又は請求項２記載の動力伝達部付アウターロータ型モータ。

【請求項4】

前記回転子ユニットはカップ状に形成された回転子ヨークと、第二樹脂材よりなる回転子ハブが一体成形されている請求項１又は請求項２記載の動力伝達部付アウターロータ型モータ。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、例えば、ビル空調用ダンパアクチュエータなどの電動機の駆動源に用いられる動力伝達部付アウターロータ型モータに関する。

【背景技術】

【0002】

アウターロータ型のＤＣブラシレスモータは、例えば真鍮等の金属製軸受ハウジングに金属製取付板が支持され、該金属製取付板に基板が一体に組み付けられる。軸受ハウジング内には含油軸受が組み付けられており回転子軸が含油軸受に回転可能に支持されている。

【0003】

回転子軸の一端はロータヨークを保持するロータハブに一体に連結されている。ロータハブは真鍮製などの金属部品が用いられ、カップ状のロータヨークとかしめられて一体に組み付けられる。また回転子軸の他端（出力端）には金属製のモータ歯車が圧入されている。

【0004】

軸受ハウジングには固定子が一体に組付けられている。具体的には固定子コアの環状コアバック部が軸受ハウジングの外周に圧入接着されて組み付けられる。また、コアバック部より径方向外側に延設された極歯にはインシュレータを介してコイルが巻かれている。極歯の歯先である磁束作用面は、ロータヨークの内周に設けられた環状のロータマグネットと対向するように組み付けられている。従来用いられている送風機（ブロワ）は、一方で小型化が望まれ、他方で要求性能が向上して高圧力、高流量化、高応答性が求められている。よって、インペラを小径化し、より高速で回転させる方向に移行している。

【0005】

アウターロータ型モータの固定子側の構成部品である、軸受ハウジング、軸受は金属部品が用いられ、軸受に回転可能に支持される回転子側の構成部品である回転子軸、ロータヨークなども金属部品が用いられ、ロータハブと回転子軸は圧入等により一体に組み付けられている（特許文献１：特開２００１－２９８８９３号公報，特許文献２：特開２０１４－１８０６８号公報参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0006】

【文献】特開２００１－２９８８９３号公報

【文献】特開２０１４－１８０６８号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

しかしながら、上述したモータは、回転子軸の軸直角度を維持し、耐荷重性能を維持するなどの理由から、含油軸受、軸受ハウジング、取付板、モータ歯車等に金属製部品が用いられているため、生産コスト（部品コスト）が嵩む。
そこで、原価コスト削減のため、モータ構成部品を樹脂化することで可及的に部品コスト削減することが考えられる。この場合に、モータ部品の樹脂化に際して以下の懸念事項がある。

【0008】

（１）モータ歯車を樹脂化するとすれば、回転子軸との軸締結力が十分確保できないおそれがある。回転子軸にローレット加工やＤカット加工を施すことも考えられるが加工コストが上昇する。
（２）含油軸受や軸受ハウジングを樹脂化するとすれば、外部荷重に対する耐荷重性能や寿命が低下するおそれがある。

【課題を解決するための手段】

【0009】

本発明は、これらの課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、モータ部品の加工コストを抑え部品点数を減らして組立工数を減らし、外部荷重に対する耐荷重性能や寿命を維持することが可能な動力伝達部付アウターロータ型モータを提供することにある。

【0010】

上記課題を解決するため本発明は、少なくとも次の構成を備える。
固定子の径方向外側に回転子が回転可能に組み付けられ、前記回転子に動力伝達部が設けられた動力伝達部付アウターロータ型モータであって、環状に形成されたコアバック部より径方向外側に突設された複数の極歯を有する固定子コアと、前記コアバック部の中心孔に挿入された固定軸が前記固定子コアを覆う第一樹脂材により一体成形されたインシュレータと、を有する固定子ユニットと、カップ状に形成された回転子ヨークの内周面に環状の回転子マグネットが設けられ、少なくとも第二樹脂材よりなる回転子ハブの外面にモータ歯車部が一体成形された回転子ユニットと、を備え、前記回転子ハブは、前記回転子ヨークの内面側に軸方向に延設された内側筒状部と前記回転子ヨークの外面側に軸方向に延設された外側筒状部を有し、当該外側筒状部に前記モータ歯車部が形成されており、前記回転子ユニットは、前記回転子ハブの内側筒状部が前記コアバック部の中心孔に挿入され、前記回転子ハブの筒孔に前記固定軸が挿入されて前記回転子マグネットと前記極歯が対向するように前記固定子ユニットと前記回転子ユニットが組み付けられ、当該回転子ユニットは前記固定軸を中心に摺動回転可能に組み付けられていることを特徴とする。
或いは、回転子ユニットは、カップ状に形成された回転子ヨークの内周面に環状の回転子マグネットが設けられ、少なくとも第二樹脂材よりなる回転子ハブの外面にカップリング部が一体成形されており、前記回転子ハブは、前記回転子ヨークの内面側に軸方向に延設された内側筒状部と前記回転子ヨークの外面側に軸方向に延設された外側筒状部を有し、当該外側筒状部に前記カップリング部が形成されており、前記回転子ユニットは、前記回転子ハブの内側筒状部が前記コアバック部の中心孔に挿入されており、前記回転子ハブの筒孔に前記固定軸が挿入されて前記回転子マグネットと前記極歯が対向するように前記固定子ユニットと前記回転子ユニットが組み付けられ、当該回転子ユニットは前記固定軸を中心に摺動回転可能に組み付けられていることを特徴とする。

【0011】

上記構成によれば、回転子ヨーク、軸受、軸受ハウジング、取付板、モータ歯車等通常金属製品が用いられるモータ構成部品を樹脂化することで、可及的に部品点数を減らして製造コストを削減することができる。
また、回転子ユニットのうち少なくとも回転子ハブが例えばエンジニアリングプラスチック等の第二樹脂材よりなり、該回転子ハブの外面に動力伝達部（モータ歯車、カップリング部等）が一体成形されているので、動力伝達部と回転子軸に替わる回転子ハブとの軸締結力が十分確保でき、ローレット加工やＤカット加工は不要となるため加工コストを削減することができる。
特に、回転子ハブの内側筒状部の軸方向長さを長くすることで動力伝達部（モータ歯車或いはカップリング部）からの荷重支点間距離を長くすることができ、回転子ハブの外側筒状部の筒端部にモータ歯車やカップリング部を設けることによって、回転子ハブの内側筒状部から動力伝達部までの軸方向荷重支点間距離を長くすることができる。よって、モータの外部荷重に対する耐荷重性能や寿命を維持することができる。

【0012】

前記インシュレータにより少なくとも前記コアバック部及び前記極歯の周囲が覆われており、前記コアバック部の中心孔が前記固定軸と連結された前記インシュレータにより閉塞されているのが好ましい。
これにより、コアバック部及び極歯の周囲がインシュレータにより覆われているので、固定子コアにインシュレータを事後的に組み付ける作業が不要となり、コアバック部の中心孔はインシュレータにより閉塞されているので、従来のように固定子コアを軸受保持部等に組み付ける作業が不要であり、部品点数を削減して組立て性も向上する。

【0013】

前記回転子ユニットはカップ状に形成された回転子ヨークと、樹脂材よりなる回転子ハブが一体成形されていてもよい。
これにより、回転子ヨークに回転軸を組み付ける作業は不要となり、部品点数を削減して組立て性も向上する。

【発明の効果】

【0015】

モータ部品の加工コストを抑え部品点数を減らして組立工数を減らし、外部荷重に対する耐荷重性能や寿命を維持することが可能な動力伝達部付アウターロータ型モータを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0016】

【図1】固定子ユニットの斜視図である。

【図2】回転子ユニットの斜視図である。

【図3】歯車付アウターロータ型モータの斜視図である。

【図4】図３の歯車付アウターロータ型モータの軸方向断面図である。

【図5】他例に係る回転子ユニットの斜視図である。

【図6】他例に係る回転子ユニットの斜視図である。

【図7】他例に係る回転子ユニットの斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0017】

以下、添付図面を参照しながら動力伝達部付アウターロータ型モータの一例について説明する。動力伝達部の一例として歯車を備えた歯車付アウターロータ型モータを用いて説明する。歯車付アウターロータ型モータは、固定子の径方向外側に回転子が回転可能に組み付けられ、回転子の出力軸に歯車が設けられたモータをいう。

【0018】

図１において固定子ユニット１は、環状に形成されたコアバック部２ａより径方向外側に突設された極歯２ｂを有する固定子コア２を備えている。固定子コア２のコアバック部２ａの中心孔２ｃに固定軸３が挿入され、第一樹脂材（絶縁性樹脂材例えばＰＢＴ：ポリブチレンテレフタレート樹脂等）によりインサート成形されて固定子ユニット１が形成されている。具体的には、コアバック部２ａ及び極歯２ｂの周囲がインシュレータ４により覆われかつ固定軸３がインシュレータ４と一体成形されている。この固定軸３は後述するように回転子ユニットの回転中心となり回転子軸の固定軸化が図られている。

【0019】

図４に示すように、固定子コア２の軸方向一端側のコアバック部２ａの中心孔２ｃは、固定軸３と連結されたインシュレータ４により閉塞されている。このように、固定子コア２と固定軸３がインサート成形されてコアバック部２ａの中心孔２ｃがインシュレータ４により閉塞されているので、従来のように固定子コア２の軸受保持部等への組み付け作業が不要であり、コアバック部２ａ及び極歯２ｂの周囲がインシュレータ４により覆われているので、固定子コア２にインシュレータ４を事後的に組み付ける作業も不要となり、部品点数を減らして組み立て性も向上する。

【0020】

また、固定子コア２は、固定軸３と共に絶縁性樹脂材によりインサートモールドされインシュレータ４に覆われて一体に組付けられる。このためインサート形成により一体化された固定軸３と固定子コア２との軸直角度は維持される。インシュレータ４で覆われた固定子コア２の極歯２ｂにはマグネットワイヤー２ｄが巻かれて固定子ユニット１が組み立てられる。

【0021】

また、図１に示すように、固定子コア２の各極歯２ｂを覆うインシュレータ４の反出力側端部は、基板（図示せず）の挿入孔に挿入され、先端が溶着される基板挿入片４ａが複数箇所（少なくとも３箇所以上）に等角配置されている。各基板挿入片４ａには基板に突き当たる段付き部４ｂと基板挿入孔（図示せず）に挿入されて基板の反対面まで延設されて溶着される溶着部４ｃが各々形成されている。尚、溶着部４ｃに替えてスナップフィットによる係合やねじ止め固定、或いは接着固定等であってもよい。

【0022】

次に、回転子ユニット５の構成について図２及び図４を参照して説明する。図２に示すように回転子ヨーク６は、カップ状に成形された磁性体金属材が用いられ、中心部が肉抜きされた抜孔６ａが形成されている（図４参照）。回転子ヨーク６の内周面には環状の回転子マグネット７が設けられている。回転子マグネット７は周方向にＮ極とＳ極が交互に形成されるように着磁されている。
また、図４に示すように、回転子ヨーク６は中心部に抜孔６ａが形成され、可及的に金属部分を減らした磁性体金属材を、耐摩耗性、摺動性の良い第二樹脂材、例えばエンジニアリングプラスチック樹脂材（ＰＯＭ：ポリアセタール樹脂等）を用いてインサート成形することで、後述するモータ歯車８ｃを含めて回転子ハブ８が一体成形される。回転子ハブ８は抜孔６ａを通じて回転子ヨーク６の内面側及び外面側に軸方向に延設されている。

【0023】

図４に示すように、回転子ハブ８は、回転子ヨーク６の中央部に筒状に一体成形されており、回転子ヨーク６の内面側に軸方向に延設された内側筒状部８ａと、回転子ヨーク６の外面側に軸方向に延設された外側筒状部８ｂを有している。外側筒状部８ｂの筒端部には、モータ歯車８ｃが一体成形されている。
尚、モータ歯車８ｃは必ずしも外側筒状部８ｂの筒端部に設ける必要はなく、例えば図５に示すように、回転子ヨーク６の軸方向外面側であって外側筒状部８ｂの一部に回転子ハブ８と一体成形されていてもよい。

【0024】

回転子ユニット５は、少なくともモータ歯車８ｃが一体成形された回転子ハブ８が樹脂材であればよく、図６に示すように、カップ状の回転子ヨーク６も含めて例えばエンジニアリングプラスチック樹脂材で一体成形されていてもよい。この場合には、環状の回転子マグネット７がカップ状の回転子ヨーク６の内周面にインサート成形されて一体に組み付けられる。

【0025】

図３に示すように、筒状の回転子ハブ８の筒孔８ｄに固定軸３が挿入されて回転子マグネット７と極歯２ｂが対向するように固定子ユニット１と回転子ユニット５が組み付けられ、当該回転子ユニット５は固定軸３を中心に摺動回転可能に組み付けられている。具体的には、回転子ユニット５は、回転子ハブ８の内側筒状部８ａがコアバック部２ａの軸方向他端側の中心孔２ｃに挿入されて筒端部がインシュレータ４に突き当てられて固定子ユニット１に組み付けられている。

【0026】

これにより、回転子ハブ８の内側筒状部８ａの軸方向長さを長くすることでモータ歯車８ｃからの軸方向荷重支点間距離Ｄ（図４参照）を長くすることができ、回転子ハブ８の外側筒状部８ｂの筒端部にモータ歯車８ｃを設けることによっても、回転子ハブ８の内側筒状部８ａからモータ歯車８ｃまでの軸方向荷重支点間距離Ｄ（図４参照）を長くすることができる。よって、モータの外部荷重に対する耐荷重性能や寿命を維持することができる。

【0027】

上述した回転子ユニット５は、回転子ハブ８の外側筒状部８ｂの筒端部に動力伝達部としてモータ歯車８ｃが一体成形されていたが、これに限定されるものではない。図７に示すように、外側筒状部８ｂの一部にカップリング部８ｅが形成されていてもよい。具体的には、外側筒状部８ｂには正六角柱状のカップリング部８ｅが形成されている。このカップリング部８ｅは図示しない六角穴を有するカップリング部と嵌め合うことで駆動伝達される。尚、カップリング部８ｅは外側筒状部の中途部に形成されているが、筒端部に形成されていてもよい。

【0028】

以上説明したように、回転子ヨーク、軸受、軸受ハウジング、取付板、モータ歯車等通常金属製品が用いられるモータ構成部品を樹脂化することで、可及的に部品点数を減らして製造コストを削減することができる。
また、回転子ユニット５のうち少なくとも回転子ハブ８が例えばエンジニアリングプラスチック等の樹脂材よりなり、該回転子ハブ８の外面に動力伝達部（モータ歯車８ｃ，カップリング部８ｅ等）が一体成形されているので、モータ歯車８ｃと回転子軸に替わる回転子ハブ８との軸締結力が十分確保でき、ローレット加工やＤカット加工は不要となるため加工コストを削減することができる。
また、回転子ハブ８の外面側に設けられたモータ歯車８ｃから回転子ハブ８の筒孔までの軸方向の荷重支点間距離を従来に比べて長くとることにより、モータの外部荷重に対する耐荷重性能や寿命を維持することができる。
更には、回転子ユニット５及び固定子ユニット１を最適な樹脂を用いてインサート成形することで、構成部品が減少し、組立性の良い動力伝達部付アウターロータ型モータを安価に提供することができる。

【符号の説明】

【0029】

１ 固定子ユニット ２ 固定子コア ２ａ コアバック部 ２ｂ 極歯 ２ｃ 中心孔 ２ｄ マグネットワイヤー ３ 固定軸 ４ インシュレータ ４ａ 基板挿入部 ４ｂ 段付き部 ４ｃ 溶着部 ５ 回転子ユニット ６ 回転子ヨーク ６ａ 抜孔 ７ 回転子マグネット ８ 回転子ハブ ８ａ 内側筒状部 ８ｂ 外側筒状部 ８ｃ モータ歯車 ８ｄ 筒孔 ８ｅ カップリング部 Ｄ 軸方向荷重支点間距離

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】