(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-19
(45)【発行日】2022-08-29
(54)【発明の名称】ヘルストラッキングデバイス
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20220822BHJP
A63B 69/00 20060101ALI20220822BHJP
A63B 71/06 20060101ALI20220822BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
G16H20/00
A63B69/00 C
A63B71/06 T
A61B5/00 102A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020108881
(22)【出願日】2020-06-24
(62)【分割の表示】P 2017083342の分割
【原出願日】2017-04-20
【審査請求日】2020-07-13
(32)【優先日】2016-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502151820
【氏名又は名称】ヴァイアヴィ・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Viavi Solutions Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】ナダ エイ オブライエン
(72)【発明者】
【氏名】カーチス アール フルスカ
(72)【発明者】
【氏名】マーク ケー フォン グンテン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジー ピーダーソン
(72)【発明者】
【氏名】チャンメン ション
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-092917(JP,A)
【文献】国際公開第2015/101992(WO,A2)
【文献】特開2015-204033(JP,A)
【文献】特開2013-092372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
A63B 69/00
A63B 71/06
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリと、
カメラが撮像する
ユーザの画像を特定し、分光器センサからセンサデータを受取り、前記
ユーザの画像および前記センサデータを処理してユーザの健康状態又は前記ユーザに対する推奨事項を決定し、前記
ユーザの画像及び前記センサデータの処理に基づく前記ユーザの前記健康状態又は前記推奨事項に関する情報をユーザインタフェースを介して提供する、1つ以上のプロセッサと、を備え
、
前記1つ以上のプロセッサは、前記ユーザの画像及び前記センサデータを処理しているときに、前記ユーザの画像に対してパターン認識分析を実施し、前記ユーザの画像に対する前記パターン認識分析の実施に基づいて前記ユーザが快適な状態であると判断し、前記快適な状態を前記センサデータと相関させて前記推奨事項を決定する、
ウェアラブルデバイス。
【請求項2】
前記分光器センサは統合分光器センサである、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項3】
前記センサデータは前記ユーザの分光測定を含む、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項4】
前記センサデータは分光センサデータであり、
前記1つ以上のプロセッサは、前記
ユーザの画像及び前記センサデータを処理しているときに、前記
ユーザの画像に関連する画像センサデータを特定し、前記画像センサデータ及び前記分光センサデータに基づいて食品に関する情報を決定し、前記食品に関する前記情報に基づいて前記ユーザのカロリー摂取量を決定する、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項5】
前記推奨事項は前記ユーザの気分転換に関連する、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項6】
前記1つ以上のプロセッサは更に、前記カメラが撮像する1つ以上の他の画像を特定し、
前記
ユーザの画像及び前記1つ以上の他の画像は、前記カメラが異なる方向又は位置から撮像する画像の組であり、
前記1つ以上のプロセッサは、前記
ユーザの画像及び前記センサデータを処理しているときに、前記画像の組を使用して前記ユーザの一部の量を決
定する、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項7】
前記1つ以上のプロセッサは、前記
ユーザの画像及び前記センサデータを処理しているときに、前記センサデータを用いて食品の分光分析を実施して前記食品の含有量を決定し、前記
ユーザの画像を含む画像の組を使用して前記食品の量を決定し、前記食品の前記含有量及び前記食品の前記量に基づいて前記健康状態又は前記推奨事項を決定する、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項8】
前記1つ以上のプロセッサは更に、心拍センサ又は加速度計センサから付加的なセンサデータを受取り、
前記1つ以上のプロセッサは、前記
ユーザの画像及び前記センサデータを処理しているときに、前記
ユーザの画像、前記センサデータ及び前記付加的なセンサデータを処理して前記健康状態又は前記推奨事項を決定する、請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項9】
命令を記憶する非一時的コンピュータ読み取り可能媒体であり、前記命令は、ウェアラブルユーザデバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ以上のプロセッサに、
カメラが撮像する
ユーザの画像を特定させ、
分光器センサからセンサデータを受取らせ、
前記画像および前記センサデータを処理させてユーザの健康状態又は前記ユーザに対する推奨事項を決定させ、
前記
ユーザの画像及び前記センサデータの処理に基づく前記ユーザの前記健康状態又は前記推奨事項に関する情報をユーザインタフェースを介して提供させ、
前記ユーザの前記画像に対してパターン認識分析を実施させ、
前記ユーザの前記画像に対する前記パターン認識分析の実施に基づいて前記ユーザが快適な状態であると判断させ、
前記快適な状態を前記センサデータと相関させて前記推奨事項を決定させる、1つ以上の命令を含む、
非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項10】
前記分光器センサは統合分光器センサである、請求項
9に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項11】
前記センサデータは前記ユーザの分光測定を含む、請求項
9に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項12】
前記センサデータは分光センサデータであり、
前記1つ以上の命令は、前記1つ以上のプロセッサに前記
ユーザの画像及び前記センサデータを処理させるとともに、前記1つ以上のプロセッサに、
前記
ユーザの画像に関連する画像センサデータを特定させ、
前記画像センサデータ及び前記分光センサデータに基づいて食品に関する情報を決定させ、
前記食品に関する前記情報に基づいて前記ユーザのカロリー摂取量を決定させる、請求項
9に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項13】
前記推奨事項は前記ユーザの気分転換に関連する、請求項
9に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項14】
前記1つ以上の命令は更に、前記1つ以上のプロセッサに、前記カメラが撮像する1つ以上の他の画像を特定させ、
前記
ユーザの画像及び前記1つ以上の他の画像は、前記カメラが異なる方向又は位置から撮像する画像の組であり、
前記1つ以上の命令は、前記1つ以上のプロセッサに前記
ユーザの画像及び前記センサデータを処理させるとともに、前記1つ以上のプロセッサに、
前記画像の組を使用して前記ユーザの一部の量を決定させ
る、請求項
9に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項15】
カメラが撮像する
ユーザの画像を、デバイスが特定する特定ステップと、
前記デバイスが、分光器センサからセンサデータを受取る受取ステップと、
前記デバイスが、前記
ユーザの画像および前記センサデータを処理してユーザの健康状態又は前記ユーザに対する推奨事項を決定する処理ステップと、
前記デバイスが、前記
ユーザの画像及び前記センサデータの処理に基づく前記ユーザの前記健康状態又は前記推奨事項に関する情報を提供する提供ステップと、
前記ユーザの画像及び前記センサデータを処理しているときに、前記ユーザの画像に対してパターン認識分析を実施する実施ステップと、
前記ユーザの画像に対する前記パターン認識分析の実施に基づいて前記ユーザが快適な状態であると判断する判断ステップと、
前記快適な状態を前記センサデータと相関させて前記推奨事項を決定する決定ステップと、を含む方法。
【請求項16】
前記分光器センサは統合分光器センサである、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記カメラが撮像する1つ以上の他の画像を特定するステップを更に含み、
前記
ユーザの画像及び前記1つ以上の他の画像は、前記カメラが異なる方向又は位置から撮像する画像の組であり、
前記処理ステップが、前記画像の組を使用して前記ユーザの一部の量を決定
することを含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項18】
前記処理ステップが、
前記センサデータを用いて食品の分光分析を実施して前記食品の含有量を決定することと、
前記
ユーザの画像を含む画像の組を使用して食品の量を決定することと、
前記食品の前記含有量及び前記食品の前記量に基づいて前記健康状態又は前記推奨事項を決定することと、を含む、請求項
15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ウェアラブルフィットネストラッカー(装着型健康管理追跡装置)は、センサから受信
するセンサデータに基づいてユーザ活動の測定を行うことができる。例えば、ウェアラブ
ルフィットネストラッカーは、運動セッション中のユーザ活動を推定するためのセンサデ
ータを提供する加速度計を備えることができる。ウェアラブルフィットネストラッカーは
運動セッション中、ユーザ活動に関連する情報を表示のために提供する。例えば、ウェア
ラブルフィットネストラッカーは、加速度計からのセンサデータに基づいて推定移動距離
、推定カロリー消費量、推定代謝当量(MET、metabolic equivalents)などの1つ又
は複数のメトリクス(評価尺度)を推定し、表示のために1つ又は複数のメトリクスを提
供することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
いくつかの可能な実施形態によれば、デバイスは1つ又は複数のプロセッサを備え得る
。1つ又は複数のプロセッサは複数のセンサからユーザに関するセンサデータを受信する
ことができる。複数のセンサは、分光器と、加速度計、心拍センサ、血圧センサ、血糖値
センサ、発汗センサ、皮膚伝導センサ又は画像センサのうちの1つ又は複数のセンサとを
含む複数のタイプのセンサであってもよい。1つ又は複数のプロセッサは、複数のタイプ
のセンサからのユーザに関するセンサデータを処理し、ユーザの健康状態を決定する。1
つ又は複数のプロセッサは、複数のタイプのセンサからのユーザに関するセンサデータの
処理に基づき、ユーザインターフェースを介して、ユーザの健康状態を特定する情報を提
供することができる。
【0003】
いくつかの可能な実施形態によれば、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体は、1つ
又は複数のプロセッサで実行される場合、1つ又は複数のプロセッサに第1の分光分類モ
デルを受信させる1つ又は複数の命令を記憶することができる。第1の分光分類モデルは
計量化学署名(chemometric signature)に基づく健康状態の特定と関連付けることがで
きる。第1の分光分類モデルは、分光器を用いて被検体群に対して行われる較正に基づい
て生成することができる。1つ又は複数の命令が1つ又は複数のプロセッサによって実行
されると、この1つ又は複数のプロセッサはユーザに関する1組の特性を取得する。1組
の特性はユーザに関する第1のセンサデータを含む。1つ又は複数の命令が1つ又は複数
のプロセッサによって実行されると、この1つ又は複数のプロセッサは第1の分光分類モ
デル及びユーザに関する1組の特性に基づいて、第2の分光分類モデルを生成する。第2
の分光分類モデルによって、ユーザ又は食品の特徴の決定が可能になり得る。1つ又は複
数の命令が1つ又は複数のプロセッサで実行されると、この1つ又は複数のプロセッサは
ユーザに関する第2のセンサデータに基づいて、第2の分光分類モデルを定期的に更新す
る。
【0004】
いくつかの可能な実施形態によれば、本方法は、デバイスにより、第1組のセンサから
のユーザの活動レベルに関する第1センサデータに基づいてユーザの活動レベルを決定す
るステップを含み得る。本方法は、1組の食品の栄養素含有量(nutritional content)
に関する第2組のセンサからの第2のセンサデータに基づき、ユーザによって摂取される
この1組の食品の栄養素含有量をデバイスによって決定するステップを含み得る。第2の
センサデータは分光器から取得することができる。本方法は、記憶されたユーザのダイエ
ット及び運動プランをデバイスによって取得するステップを含み得る。記憶されたダイエ
ット及び運動プランは、ユーザの活動レベル及びユーザによって摂取される1組の食品の
栄養素含有量に関する目標を含み得る。本方法は、ユーザの活動レベル及び1組の食品の
栄養素含有量に基づいて、記憶されたダイエット及び運動プランに対するユーザの順守状
況をデバイスによって決定するステップを含み得る。本方法は、記憶されたダイエット及
び運動プランへのユーザの順守を決定するステップに基づき、記憶されたダイエット及び
運動プランへのユーザの順守に関する推奨事項をデバイスによって提供するステップを含
み得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本明細書に記載する例示的実施形態の概略図である。
【
図2】本明細書に記載するシステム及び/又は方法を実行することのできる例示的環境を示す図である。
【
図3】
図2の1つ又は複数のデバイスの例示的コンポーネントを示す図である。
【
図4】複数のセンサからのセンサデータに基づいて健康情報を提供する例示的プロセスのフローチャートである。
【
図5】A~Dは、
図4に示す例示的プロセスに関する例示的実施形態を示す図である。
【
図6】分光分析の分類モデルを動的に更新する例示的プロセスのフローチャートである。
【
図7】A~Bは、
図6に示す例示的プロセスに関する例示的実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
例示的実施形態に関し、添付図面を参照して以下に詳述する。異なる図面における同じ
参照符号は同じ又は同様の要素を示すものである。
【0007】
ウェアラブルフィットネストラッカーは1組の加速度計を使用してユーザ活動に関する
センサデータを取得することができる。例えば、ウェアラブルフィットネストラッカーは
、ウェアラブルフィットネストラッカーの動きを特定するセンサデータに基づき、ユーザ
の推定移動距離を決定することができる。ウェアラブルフィットネストラッカーは、ユー
ザ活動に関する1つ又は複数のメトリクスを推定するために使用することのできる情報を
含み得る。例えば、ウェアラブルフィットネストラッカーは、推定移動距離と、一般人の
カロリー消費に移動距離を相関させた一般情報とに基づいて、消費カロリーを推定するこ
とができる。
【0008】
しかしながら、1つ又は複数のメトリクスを決定するために一般的な相関関係を使用す
ると、特定のユーザに関する計算が不正確なものとなる可能性がある。更に、ウェアラブ
ルフィットネストラッカーは、栄養素、気分、病気など、ユーザの健康に影響を与える運
動以外の要因を考慮しない可能性があり、このため、ウェアラブルフィットネストラッカ
ーの有用性は制限される。本明細書に記載する実施形態では、複数のセンサからのセンサ
データを使用してユーザに関する健康情報を提供することができる。このように、1台の
ユーザデバイスでユーザの健康情報を決定することができるため、ユーザは複数の異なる
デバイスを使用する必要がなくなり、ヘルストラッキングのために複数の異なるデバイス
を使用する場合と比べて、コスト、消費電力などを削減することができる。更に、ユーザ
デバイスは複数のセンサからのセンサデータを使用するので、分光分析のためのモデルの
較正が容易になるため、他のセンサからのセンサデータに基づいて較正が行われないモデ
ルを使用する場合と比較すると、モデルの精度を向上させることができる。
【0009】
図1は本明細書に記載する例示的実施形態100の概略図である。
図1に示す様に、例
示的実施形態100は、ユーザデバイス、ヘルスケアプロバイダアプリケーションサーバ
及び分光較正アプリケーションサーバを含んでいる。
【0010】
図1に更に示す様に、ユーザデバイスは複数のセンサからセンサデータを受信すること
ができる(例えば第1センサから第1のセンサデータ、第2センサから第2のセンサデー
タ、n番目のセンサからのn番目のセンサデータ)。例えば、ユーザデバイス210は1
組の集積センサを使用してセンサデータを取得することができる。例えば、集積加速度計
センサを使用してユーザ活動データを取得し、集積心拍センサを使用して心拍数データを
取得し、集積温度センサを使用して温度データを取得することができる。これに加え、又
はこれに代えて、ユーザデバイスはカメラを使用してセンサデータを取得することができ
る。例えば、ユーザデバイスは集積カメラを使用してユーザの顔(例えば顔認識分析)、
ユーザの皮膚(例えば皮膚状態の分析)、1組の食品(例えば食品の容量分析)などの画
像を撮像することができる。これに加え、又はこれに代えて、ユーザデバイスは分光セン
サを使用してセンサデータを取得することができる。例えば、ユーザデバイスは分光セン
サを使用して被検体(例えば、ユーザ又は食品)の計量化学署名を決定し、計量化学署名
及び分類モデルに基づいて被検体を分類することができる。別の例では、ユーザデバイス
は1つ又は複数のセンサと通信してセンサデータを取得することができる。例えば、ユー
ザデバイスは医療デバイスとの接続を利用して、医療デバイスによって記録されたセンサ
データを取得することができる。
【0011】
図1に更に示す様に、ユーザデバイスは複数のセンサからのセンサデータを組み合わせ
、ユーザに関する健康情報を生成することができる。例えば、ユーザの活動レベル、心拍
数、体温などに関するセンサデータ、及びユーザの身長、体重などに関する記憶情報に基
づき、ユーザデバイスは運動プログラムに関連してユーザの消費カロリーを決定すること
ができる。加速度計データ(例えば、ユーザ心拍数データ及び/又はユーザ体温データ)
に加えて情報を使用することにより、加速度計データのみを使用する場合と比較して、ユ
ーザデバイスは消費カロリーのより正確な決定を取得することができる。
【0012】
同様に、画像センサデータ及び分光センサデータに基づき、ユーザデバイスは食品の容
量及び食品の栄養素含有量をそれぞれ決定することができる。食品成分を特定する分光セ
ンサデータ及び食品の容量を特定するセンサデータを使用することにより、ユーザデバイ
スはユーザの推定栄養価を使用する場合よりも、ユーザのカロリー摂取量をより正確に決
定することができる。ユーザデバイスは消費カロリー及びカロリー摂取量の決定に基づい
てユーザの純消費カロリーを決定し、栄養素に関する推奨事項や運動に関する推奨事項な
どの純消費カロリーに関する推奨事項を生成し、ユーザの健康及び/又はダイエット、運
動プランに対するユーザの順守を向上させることができる。このように、ユーザデバイス
はウェアラブルフィットネストラッカーによって行われる決定よりも正確な決定をユーザ
の健康に関して行い、フィットネストラッキングを向上させることができる。
【0013】
別の例として、ユーザデバイスはセンサデータを処理して、ユーザに関する診断情報を
決定することができる。例えば、ユーザの画像に対してパターン認識分析を行うことによ
り、ユーザデバイスは酒さ状態に関連した顔面発赤及び吹き出物を検出することができる
。同様に、ユーザ画像に対してパターン認識分析を行うことにより、ユーザデバイスはユ
ーザが快適な状態であると判断し、その快適な状態をその他のセンサデータ、例えばユー
ザがその前に食べた特定の食品を示すセンサデータと相関させることができる。この場合
、ユーザデバイスは、ユーザが快適な状態と相関する特定の食品を食べるようにという推
奨事項など、ユーザの気分転換に関する推奨事項を定期的に提供することができる。
【0014】
別の例として、ユーザデバイスは分光センサデータを処理し、分光のために分類モデル
を較正することができる。例えば、ユーザデバイスは第1モデルを使用して第1分光セン
サデータの第1の分析を行い、観察された計量化学署名を、特定の食品を食べた後に特定
の血圧を有する、特定の人に関連するものとして分類する。この場合、ユーザデバイスは
第1モデルを較正し、第1分光センサデータ及びその他のセンサデータ(例えば、特定の
血圧及び特定の食品を特定するセンサデータ)に基づいて第2モデルを生成することがで
き、第2モデルを用いて第2分光センサデータの別の分類を行うことができる。例えば、
ユーザデバイスは第2分類モデルを用いて、特定の血圧と関連付けられた特定の人と、別
の血圧と関連付けられた別の人とを区別することができる。このように、ユーザデバイス
は分類モデルを洗練させ、他のセンサデータに基づいた、洗練されていない分類モデルと
比較して、高精度で分光を行うことができる。
【0015】
図1に更に示す様に、ユーザデバイスは、複数のセンサからのセンサデータの処理に基
づき、ユーザに関する健康情報、ユーザの健康状態に関する診断情報、ユーザの健康及び
/又はダイエット、運動プランの順守に関する推奨事項などの情報を提供することができ
る。ダイエット、運動プランの順守は、健康状態の重症度(例えば、心疾患又は肥満)の
軽減、健康状態の症状(例えば、糖尿病状態又はストレス状態)の管理、健康状態の悪化
(例えば変性状態)の可能性の低減、所望する健康状態の達成(例えば、ダイエットの改
善、全粒粉摂取の増加、筋肉量の増加、又は運動能力の改善)と関連付けることができる
。例えば、ユーザデバイスは、ユーザインターフェースを介して表示するために、消費カ
ロリー及びカロリー摂取量の決定に基づいた純消費カロリーを示す情報などの、健康状態
のリアルタイムでの更新を提供することができる。これに加え、またはこれに代えて、ユ
ーザデバイスはユーザに対して特定の状態が検出されたことを示す診断情報を提供し、デ
ータを専門家に自動転送してユーザと専門家とのアポイントを確立させることができる。
これに加え、またはこれに代えて、ユーザデバイスは運動療法に関する推奨事項などの推
奨事項を生成してユーザがダイエット、運動プランを順守できるようにし、別のデバイス
(例えば、個人トレーナー又は栄養士によって使用されるユーザデバイス)を介して表示
して、ダイエット、運動プランへのユーザの順守に関する更新を提供することができる。
このように、ユーザデバイスは全体的な情報よりもユーザに特化した情報を提供する。
【0016】
図1に更に示す様に、ユーザデバイスはヘルスケアプロバイダアプリケーションサーバ
に健康情報を提供し、この情報をユーザに関する患者ファイルに含ませるようにすること
ができる。このように、ユーザデバイスは、患者のダイエット、運動などに関する報告書
を手作業に依存する医者と比較してデータの精度を向上させ、患者による報告入力の受信
及び/又は患者による報告入力の修正のための1つ又は複数のユーザインターフェースを
提供することへの処理資源及び/又は消費電力の使用を低減させることにより、医者と患
者のコンサルテーションを改善する。これに加え、またはこれに代えて、ユーザデバイス
は分光較正アプリケーションサーバに較正データを提供することができる。例えば、ユー
ザデバイスは1つ又は複数の他のユーザデバイスに提供される分類モデルの較正及び/又
は洗練に使用するために、分光センサ及び/又は他のセンサからの決定された較正情報を
提供し、較正情報に基づいた較正の行われていないモデルを受信する1つ又は複数の他の
ユーザデバイスと比較して、1つ又は複数の他のユーザデバイスの分光の精度を向上させ
ることができる。
【0017】
このように、ユーザデバイスは複数のセンサから取得されたセンサデータに基づいて決
定された健康情報を提供するため、複数の異なるデバイスを使用するユーザと比較して、
費用及び消費電力を低減させることができる。更に、センサデータの収集及び処理を単一
のユーザデバイスに統合させることにより、ユーザデバイスは、容量分析及び分光分析の
双方に基づいた栄養情報の取得など、単一のセンサを介して取得することのできない健康
情報を決定することが可能になる。更に、ユーザデバイスは、単一のデバイスを介した1
つの初期較正と比べて、分光分析の被検体に関する分光データ及びその他のセンサデータ
の双方に基づいたモデルの較正及び洗練の実行に基づき、分類モデルの較正を分光分析の
ために向上させる。
【0018】
上述の
図1は単なる例として示したものである。その他の例も可能であり、
図1に関し
て説明したものと異なるものであってもよい。
【0019】
図2は本明細書に記載するシステム及び/又は方法を実行することのできる例示的環境
200の図である。
図2に示す様に、環境200は、ユーザデバイス210、アプリケー
ションサーバ220及びネットワーク230を含み得る。環境200のデバイスを有線、
無線又は有線と無線の組み合わせによって相互に接続させることができる。
【0020】
ユーザデバイス210は、健康情報を受信、生成、記憶、処理及び/又は提供すること
のできる1つ又は複数のデバイスを含んでいる。例えば、ユーザデバイス210は、携帯
電話(例えばスマートホン、無線電話)などの通信及び/又はコンピュータデバイス、ラ
ップトップコンピュータ、タブレット型コンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、ゲー
ムデバイス、ウェアラブルデバイス(例えばスマートウォッチ、スマート眼鏡、スマート
リストバンドなど)、医療デバイス、分光デバイス(例えば、近赤外(NIR)分光、中
赤外(mid-IR)分光若しくはラーマン分光を行うウェアラブル分光器デバイス)、
又は同様のタイプのデバイスなどの通信コンピューティングデバイスを含み得る。いくつ
かの実施形態において、分光デバイスはハイパースペクトル分光器(例えばハイパースペ
クトル画像センサ)を含み得る。いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210は
環境200内の別のデバイスと情報を送受信することができる。
【0021】
アプリケーションサーバ220は、健康情報、較正情報などの情報を記憶、処理及び/
又はルーティングすることのできる1つ又は複数のデバイスを含む。例えば、アプリケー
ションサーバ220は健康情報及び/又はユーザデバイス210に関連する情報を使用す
るサーバを含み得る。いくつかの実施形態において、アプリケーションサーバ220は、
1つ又は複数のユーザデバイス210によって行われる1組の測定に基づく分光の較正に
関連する情報を受信する較正アプリケーションサーバ220を含み得る。これに加え、ま
たはこれに代えて、アプリケーションサーバ220は、病院サーバなどの、ヘルスケアプ
ロバイダへの情報のルーティングに関連するヘルスケアプロバイダアプリケーションサー
バ220を含み得る。いくつかの実施形態において、アプリケーションサーバ220は環
境200内の別のデバイスと情報を送受信することができる。
【0022】
ネットワーク230は1つ又は複数の有線及び/又は無線ネットワークを含む。例えば
、ネットワーク230には携帯電話ネットワーク(例えば、ロング・ターム・エボリュー
ション(LTE、long-term evolution)ネットワーク、3Gネットワーク、符号分割多
元接続(CDMA、code division multiple access)ネットワークなど)、地上波公共
移動通信ネットワーク(PLMN、public land mobile network)、ローカルエリアネッ
トワーク(LAN,local area network)、広域ネットワーク(WAN,wide area netw
ork)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN、metropolitan area network)
、電話回線網(例えば、公衆交換電話網(PSTN,Public Switched Telephone Networ
k))、プライベート・ネットワーク、アドホックネットワーク、イントラネット、イン
ターネット、光ファイバ網、クラウドコンピューティングネットワークなど、及び/もし
くはこれらのネットワーク又はその他のタイプのネットワークを組み合わせたものがある
。
【0023】
図2に示すデバイスとネットワークとの数及び配置は例として提供するものである。実
際には、
図2に示すものと異なる数、異なる種類又は異なる配置のデバイス及び/又はネ
ットワークであってもよい。更に、
図2に示す2つ以上のデバイスを1つのデバイス内に
実装してもよい、又は
図2に示す1つのデバイスを複数の分散デバイスとして実装しても
よい。これに加え、またはこれに代えて、環境200の1組のデバイス(例えば、1つ又
は複数のデバイス)は、環境200の別の1組のデバイスによって実行されるものとして
説明される1つ又は複数の機能を実行することができる。
【0024】
図3はデバイス300の例示的コンポーネントを示している。デバイス300はユーザ
デバイス210及び/又はアプリケーションサーバ220に対応し得る。いくつかの実施
形態において、ユーザデバイス210及び/又はアプリケーションサーバ220は、1つ
又は複数のデバイス300及び/又はデバイス300の1つ又は複数のコンポーネントを
含み得る。
図3に示す様に、デバイス300は、バス310、プロセッサ320、メモリ
330、記憶コンポーネント340、入力コンポーネント350、出力コンポーネント3
60及び通信インターフェース370を含み得る。
【0025】
バス310はデバイス300におけるコンポーネント間の通信を可能にするコンポーネ
ントを含む。プロセッサ320はハードウェア、ファームウェア又はハードウェアとソフ
トウェアの組み合わせで実行される。プロセッサ320は命令を解釈及び/又は実行する
プロセッサ(例えば、中央処理デバイス(CPU、central processing unit)、グラフ
ィック処理ユニット(GPU、graphics processing unit)、加速処理ユニット(APU
、accelerated processing unit)など)、マイクロプロセッサ及び/又は任意の処理コ
ンポーネント(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA,field-prog
rammable gate array)、特定用途向け集積回路(ASIC、application-specific inte
grated circuit)など)を含み得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ320は
機能を実行するためにプログラム可能な1つ又は複数のプロセッサを含み得る。メモリ3
30はランダムアクセスメモリ(RAM,random access memory)、読み出し専用メモリ
(ROM,read only memory)及び/又はプロセッサ320によって使用される情報及
び/又は命令を記憶する別のタイプの動的又は静的記憶デバイス(例えば、フラッシュメ
モリ、磁気メモリ、光メモリなど)を含む。
【0026】
記憶コンポーネント340はデバイス300の操作及び使用に関する情報及び/又はソ
フトウェアを記憶する。例えば、記憶コンポーネント340はハードディスク(例えば、
磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、固体ディスクなど)、コンパクトディスク
(CD)、デジタル多目的ディスク(DVD)、フロッピーディスク、カートリッジ、磁
気テープ及び/又は別のタイプの非一時的コンピュータ可読媒体を対応するデバイスと共
に含み得る。
【0027】
入力コンポーネント350は、ユーザ入力(例えば、タッチスクリーンディスプレイ、
キーボード、キーパッド、マウス、ボタン、スイッチ、マイクなど)などを介してデバイ
ス300が情報を受信できるようにするコンポーネントを含む。これに加え、またはこれ
に代えて、入力コンポーネント350は情報を感知するためのセンサ(例えば全地球測位
システム(GPS、global positioning system)コンポーネント、加速度計、ジャイロ
スコープ、アクチュエータなど)を含み得る。出力コンポーネント360はデバイス30
0からの出力情報を提供するコンポーネント(例えば、ディスプレイ、スピーカー、1つ
又は複数の発光ダイオード(LED,light-emitting diodes)など)を含む。
【0028】
通信インターフェース370は、デバイス300が有線、無線又はこれらの組み合わせ
によって他のデバイスと通信できるようにするトランシーバ様のコンポーネント(例えば
、トランシーバ、別個のレシーバ及びトランスミッタなど)を含む。通信インターフェー
ス370はデバイス300が別のデバイスからの情報を受信できるようにし、及び/又は
別のデバイスに情報を提供する。例えば、通信インターフェース370はイーサネットイ
ンターフェース、光インターフェース、同軸インターフェース、赤外線インターフェース
、無線周波数(RF,radio frequency )インターフェース、ユニバーサル・シリアル・
バス(USB,universal serial bus)インターフェース、Wi-Fiインターフェース
、携帯電話ネットワークインターフェースなどを含み得る。
【0029】
デバイス300は本明細書に記載する1つ又は複数のプロセスを実行することができる
。デバイス300は、メモリ330及び/又は記憶コンポーネント340などの非一時的
コンピュータ可読媒体によって記憶されたソフトウェア命令を実行するプロセッサ320
に応じてこれらのプロセスを実行することができる。本明細書においてコンピュータ可読
媒体を非一時的メモリデバイスと定義する。メモリデバイスは単一の物理的記憶デバイス
内の記憶空間又は複数の物理的記憶デバイスに亘る記憶空間を含む。
【0030】
ソフトウェア命令は通信インターフェース370を介して、別のコンピュータ可読媒体
又は別のデバイスからメモリ330及び/又は記憶コンポーネント340に読み込まれる
。メモリ330及び/又は記憶コンポーネント340に記憶されたソフトウェア命令は、
実行されると、本明細書に記載した1つ又は複数のプロセスをプロセッサ320に実行さ
せることができる。これに加え、またはこれに代えて、ソフトウェア命令の代わりに、又
はこれと組み合わせて配線回路を使用し、本明細書に記載する1つ又は複数のプロセスを
実行してもよい。このように、本明細書に記載する実施形態は、配線回路及びソフトウェ
アの任意の組み合わせに制限されない。
【0031】
図3に示すコンポーネントの数と配置は例として提供したものである。実際、デバイス
300は
図3に示すものと異なる数、異なる種類又は異なる配置のコンポーネントを含ん
でもよい。これに加え、またはこれに代えて、デバイス300の1組のコンポーネント(
例えば1つ又は複数のコンポーネント)は、デバイス300の別の組のコンポーネントに
よって実行されるものとして記載された1つ又は複数の機能を実行することができる。
【0032】
図4は複数のセンサからのセンサデータに基づく健康情報を提供する例示的プロセス4
00のフローチャートである。いくつかの実施形態において、
図4の1つ又は複数のプロ
セスブロックはユーザデバイス210によって実行することができる。いくつかの実施形
態において、
図4の1つ又は複数のプロセスブロックを、アプリケーションサーバ220
などのユーザデバイス210とは別の、またはこれに含まれる別のデバイス又はデバイス
群によって実行することができる。
【0033】
図4に示す様に、プロセス400は1組のセンサからセンサデータを取得するステップ
(ブロック410)を含み得る。例えば、ユーザデバイス210はユーザデバイス210
の1組のセンサからセンサデータを取得することができる。いくつかの実施形態において
、ユーザデバイス210は1組のセンサとの通信に基づいてセンサデータを取得すること
ができる。例えば、ユーザデバイス210はユーザデバイス210の心拍センサを起動さ
せ、ユーザの心拍に関するセンサデータを記憶することができる。同様に、ユーザデバイ
ス210はユーザデバイス210の加速度計センサを起動させ、ユーザデバイス210(
例えば、ユーザデバイス210を使用するユーザの活動)の動きに関する加速度計センサ
データを記録することができる。
【0034】
いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210はユーザインターフェースを介し
てプロンプトを提供することにより、センサデータを取得することができる。例えば、ユ
ーザデバイス210はプロンプトを提供して、ユーザがユーザデバイス210を使用して
ユーザの画像(例えば、ユーザの顔写真又はユーザの皮膚の一部の写真)を撮像するよう
にすることができる。これに加え、またはこれに代えて、ユーザデバイス210はプロン
プトを提供して、ユーザがユーザデバイス210を使用して食品の画像を撮像するように
することができる。例えば、食事の画像を撮像するためにユーザデバイス210を使用し
てもよく、食事の画像を処理して食事の栄養素含有量を特定することができる。これに加
え、またはこれに代えて、ユーザデバイス210は画像を自動的に撮像することができる
。例えば、ユーザデバイス210は、時刻、ユーザデバイス210がレストランにあるこ
とを示す場所データ、ユーザデバイス210がレストランなどにあることを示すソーシャ
ルメディア情報などに基づいて食事の準備ができたことを判断し、画像センサを自動的に
起動させて画像を撮像してもよい。同様に、ユーザデバイス210は、加速度計、タッチ
センサなどに基づき、ユーザデバイス210の画像センサがユーザの方に向いていること
を判断して、画像センサにユーザの画像を撮像させてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210は画像センサをモニタしてセンサ
データを取得することができる。例えば、ユーザデバイス210は画像センサを介して撮
像された1組の画像に対して物体認識技術を実行し、撮像された1組の画像が健康レポー
トを提供するために利用できる情報を含んでいるか否かを決定することができる。例えば
、特定の画像が食品を含んでいるか否か、特定の画像がユーザを含んでいるか否かなどを
決定することができる。この場合、ユーザデバイス210は、処理(例えば、容量分析処
理技術、気分分析処理技術又は皮膚状態処理技術)のための特定画像を選択することがで
きる。
【0036】
いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210はトリガに基づいてセンサデータ
を取得することができる。例えば、ユーザデバイス210はユーザインターフェースとの
ユーザインタラクションを検出し、センサデータを取得することができる。これに加え、
またはこれに代えて、ユーザデバイス210はセンサデータを定期的に取得することがで
きる。例えば、閾値期間(例えば1時間、1日、または1週間)が経過したことの決定に
基づいて、ユーザデバイス210はセンサデータを取得することができる。同様に、ユー
ザデバイス210は一日の特定の時間にセンサデータを取得してもよい。いくつかの実施
形態において、ユーザデバイス210は他のセンサデータに基づいてセンサデータを取得
してもよい。例えば、ユーザデバイス210は、心拍センサ(例えば心拍センサデータ)
をモニタすることにより、ユーザが運動療法を完了したことを検出し、ユーザが運動療法
を完了した決定に基づき、他のセンサデータを取得することができる。同様に、ユーザデ
バイス210は分光センサからの計量化学署名センサデータに基づいてユーザを特定し、
ユーザの特定に基づいて他のセンサデータを取得することができる。
【0037】
図4に更に示す様に、プロセス400はセンサデータを処理して健康情報を取得するス
テップ(ブロック420)を含み得る。例えば、ユーザデバイス210はセンサデータを
処理して健康情報を取得することができる。いくつかの実施形態において、ユーザデバイ
ス210はセンサデータを処理してユーザの健康に関する1つ又は複数のメトリクスを特
定することができる。例えば、ユーザデバイス210は加速度計、心拍センサ、皮膚温度
センサ、血圧センサなどの種々のタイプのセンサからのセンサデータに基づき、活動レベ
ルメトリクスを決定することができる。同様に、ユーザデバイス210は血圧センサ、血
糖値センサ、発汗センサ、皮膚伝導センサなどからのセンサデータに基づき、栄養素メト
リクスを決定することができる。
【0038】
いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210は特定の処理技術を用いてセンサ
データを処理することができる。例えば、ユーザデバイス210は分類モデルに関連する
分類技術を用いて、分光測定(例えば計量化学署名)に基づいて食品の含有量を特定し、
食品含有量の特定に基づいて食品の摂取に関する健康情報を決定することができる。いく
つかの実施形態において、ユーザデバイス210は、ハイパースペクトル分光器から受信
したセンサデータに基づいて分類を実行することができ、これは、別のタイプのセンサを
用いる場合と比較して、被検体からの距離に関するユーザの困難性とエラーを生じさせる
可能性がある。これに加え、またはこれに代えて、ユーザデバイス210はパターン検出
技術、顔認識技術、3D奥行き感知技術などをユーザ画像に適用して、ユーザの気分、疲
労度、ストレス度、偏頭痛の兆候、皮膚の状態などを決定することができる。これに加え
、またはこれに代えて、ユーザデバイス210は色分類技術を用い、画像における尿の色
が特定のビタミン不足(例えばビタミンB欠乏症)又は過剰摂取などの特定の健康状態に
対応していることを判定することができる。
【0039】
これに加え、またはこれに代えて、ユーザデバイス210は容量分析技術を使ってセン
サデータを処理することができる。例えば、ユーザデバイス210は食品の1組の画像(
例えば種々の方向及び/又は位置から撮像した1組の画像)を使って食品の容量を決定す
ることができる。これに加え、またはこれに代えて、ユーザデバイス210は奥行き感知
モジュール、ジェスチャ認識モジュールなどによって獲得されたセンサデータを使って容
量分析を行うことができる。いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210は容量
分析に基づいて食品の質量を決定することができる。例えば、ユーザデバイス210は食
品の密度を特定する情報(例えば、センサデータ、食品の画像認識、又は食品のユーザ選
択及び対応する記憶された食品の密度データ)を使用することができ、密度に基づいて食
品の質量を決定することができる(例えば、これは質量ベースの栄養素含有量を示す分光
分析に基づいて食品の栄養素含有量を決定する為に使用することができる)。これに加え
、またはこれに代えて、ユーザデバイス210はユーザの1組の画像を使用して、猫背(
shoulder hump)、吹き出物の量など、ユーザの一部分の量を決定することができる。こ
のように、ユーザデバイス210は別の時間における被検体と比較するために、(例えば
、被検体である食品の種類を特定する他のセンサデータによって)被検体の量を特定し、
被検体の栄養素含有量等を決定する。
【0040】
いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210は、最初に記録された第1のセン
サデータと2度目に記録された第2のセンサデータとを比較する比較手法を使ってセンサ
データを処理することができる。例えば、ユーザデバイス210は第1の期間におけるユ
ーザの第1の3D画像と第2の期間におけるユーザの第2の3D画像とを比較して、ユー
ザの外観の変化、(例えば腫瘍の成長に対応する)ほくろの成長、(例えば嚢胞の成長に
対応する)乳房の形状の変化、(体重増加に対応する)体型の変化、(糖尿病型疾患に関
連する血液成分の変化に対応する)計量化学署名の変化などを特定することができる。
【0041】
図4に更に示す様に、プロセス400は健康情報を提供するステップを含み得る(ブロ
ック430)。例えば、ユーザデバイス210は健康情報を提供することができる。いく
つかの実施形態において、ユーザデバイス210はユーザインターフェースを介してユー
ザのレビューのために健康レポートを提供することができる。例えば、ユーザデバイス2
10はユーザの純カロリー消費量(例えばカロリー摂取量と消費カロリーの比較)を特定
する健康情報を含むレポートを提供することができる。これに加え、またはこれに代えて
、ユーザデバイス210は、ユーザデバイス210によって処理されたセンサデータの一
部を特定する情報、例えばユーザの1組のバイタルに関する統計(例えば血圧、体温、心
拍数又は発汗レベル)を提供することができる。
【0042】
いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210はセンサデータに基づいて推奨事
項を提供することができる。例えば、ユーザデバイス210は1組の健康推奨事項(例え
ば、肥満状態の改善、糖尿病状態の管理、退化的状態の防止、運動能力の向上、又は栄養
目標の達成)を決定し、その1組の健康推奨事項の中から特定の健康推奨事項を選択し(
例えば、ユーザの新陳代謝率に基づく、特定の食事における特定カロリー量のユーザによ
る消費)、特定の健康推奨事項を含む健康情報を、ユーザインターフェースを介して表示
することができる。これに加え、またはこれに代えて、ユーザデバイス210は別の健康
推奨事項(例えば、特定の食品の摂取又は特定の運動療法への従事による、気分レベルの
向上)を選択し、(例えば、医師、ライフコーチ、トレーナー又はパーソナルシェフによ
って使用される)別のユーザデバイス210を介して別の健康推奨事項を提供することが
できる。
【0043】
いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210はセンサデータに基づいてアラー
トを提供することができる。例えば、ユーザデバイス210はユーザの健康状態を特定す
るセンサデータに基づき、ユーザインターフェースを介して健康状態を特定する特定のア
ラートを表示し、提供することができる。この場合、アラートは健康状態、健康状態の重
症度などを特定することができる。これに加え、またはこれに代えて、ユーザデバイス2
10は別のユーザデバイス210を介し表示するアラートを提供することができる。例え
ば、ユーザデバイス210は健康状態に関連する専門医師を特定し、その専門医師によっ
て使用される別のユーザデバイス210を介して表示するようにアラートを送信してもよ
い。同様に、ユーザデバイス210はアラートを送信し、ユーザに緊急管理要員を派遣す
ることもできる。例えば、ユーザデバイス210は健康状態の重症度が閾値を満たしてい
ると決定すると、ユーザデバイス210は位置特定技術を用いてユーザの居場所を特定し
、救急車、病院などにアラートを送信して緊急管理要員をユーザの場所に派遣することも
できる。いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210はアラートを提供する際に
健康レポートを提供してもよい。例えば、ユーザデバイス210はユーザの血圧、心拍数
、体温などを特定する情報を、医師、緊急管理要員などが利用できるように提供してもよ
い。
【0044】
いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210は較正データを提供することがで
きる。例えば、ユーザデバイス210がユーザに関する分光データをモデルの較正のため
に送信する場合、ユーザデバイス210はモデルを較正するための、ユーザに関する健康
情報を提供することができる。この場合、健康情報を使用してモデルを特定の健康状態に
較正することができる(例えば、第1の計量化学署名は第1の発汗レベルに対応すると決
定され、第2の計量化学署名は第2の発汗レベルに対応すると決定される)。
【0045】
いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210はセンサデータに基づく拡張現実
画像を表示するために提供することができる。例えば、ユーザデバイス210が食品の画
像に基づいて食品のカロリー含有量を決定する場合、ユーザデバイス210は、栄養目標
を達成するために摂取される食品の一部分を決定することができる。この場合、ユーザデ
バイス210は食品の一部を強調させた画像、食品の一部を強調させた拡張現実表示を表
示のために提供することができる。このように、ユーザには栄養目標を達成するためにど
のくらいの食品を摂取すればいいのかを示す情報が提供される。
【0046】
図4はプロセス400の例示的なブロックを示しているが、いくつかの実施形態におい
て、プロセス400のブロックは
図4に示すものと異なる数、異なるブロック、異なる配
置であってもよい。これに加え、またはこれに代えて、プロセス400の2つ以上のブロ
ックを平行して行ってもよい。
【0047】
図5A~
図5Dは
図4に示す例示的プロセス400に関する例示的実施形態500を示
している。
図5A~
図5Dは複数のセンサからのセンサデータに基づいて健康情報を提供
する例を示す。
【0048】
図5Aに参照符号510で示す様に、ウェアラブルユーザデバイス210(例えば1組
のセンサを含むスマートウォッチ)は、ヘルスケアプロバイダアプリケーションサーバ2
20から受信した1組のダイエット、運動目標を記憶することができる。例えば、1組の
ダイエット、運動目標はユーザとヘルスケアプロバイダ(例えば医師、個人トレーナー又
は栄養士)との相談によって生成することができ、ウェアラブルユーザデバイス210に
送信してウェアラブルユーザデバイス210がユーザのダイエットと運動とをモニタして
1組のダイエット、運動目標への順守を向上させることができる。1組のダイエット、運
動目標には、1日の糖質の閾値量を摂取するユーザに関連するダイエット目標、1日の閾
値身体活動レベルを満足させるユーザに関連する運動目標、及び閾値純カロリー消費を満
足させるユーザに関連するダイエットと運動の目標を組み合わせたもの(例えば1日のカ
ロリー摂取量よりも消費カロリーの方を多くするもの)が含まれる。
【0049】
図5Bに参照符号515で示す様に、ウェアラブルユーザデバイス210は食品の分光
分析を行い、分光センサからのデータを使ってたんぱく質、脂肪又は糖質の含有量を決定
する。参照符号520で示す様に、ウェアラブルユーザデバイス210は食品の画像分析
を行い、画像センサからの1組の画像を使って食品の容量を決定する。ウェアラブルユー
ザデバイス210は食品の含有量(例えば食品の含有量を示す分光分析)及び食品の容量
(例えば食品の容量を示す容量分析)に基づいてユーザの糖質摂取量及びカロリー摂取量
を決定するものとする。ウェアラブルユーザデバイス210は糖質の摂取に基づいて、ユ
ーザがその日の残りの時間で摂取することのできる糖質の量を示すアラートなどの、ダイ
エット目標への順守を示す情報を、ユーザインターフェースを介して提供するものとする
。
【0050】
図5Cに参照符号525で示す様に、ウェアラブルユーザデバイス215は、心拍セン
サ、加速度計センサからのデータを使ってユーザ運動療法の活動分析を行う。ウェアラブ
ルユーザデバイス210はユーザ運動療法の活動分析を行うことにより、消費カロリー及
び身体活動レベルを決定するものとする。ウェアラブルユーザデバイス210は、身体活
動レベルに基づき、ユーザがその日の閾値活動レベルを満たしたことを示す情報などの運
動目標に対する順守を示す情報を、ユーザインターフェースを介して提供するものとする
。
【0051】
図5Dに参照符号530で示す様に、ウェアラブルユーザデバイス210はダイエット
と運動の複合目標への順守を決定し、ユーザがユーザに関するセンサデータに対する変更
に関して特定の活動(例えば、特定の歩数)を実行するような活動プランを生成する(例
えば、センサデータはその日のユーザ消費カロリーの増加を表示するようにする)。ウェ
アラブルユーザデバイス210は、ユーザがカロリー消費を超えるカロリーを摂取したこ
とから、ユーザがダイエットと運動の複合目標を達成できなかったと判断するものとする
。更に、ウェアラブルユーザデバイス210は、ユーザのそれまでの活動に基づき、ユー
ザにダイエットと運動との複合目標を達成させるために、その日が終わるまでにユーザが
歩く特定の歩数を決定するものとする。参照符号535で示す様に、ウェアラブルユーザ
デバイス210はその日が終わる前にユーザが特定の歩数を歩かなければならないことを
示すアラートを提供し、ユーザ活動のモニタを継続し、ユーザに特定量の歩数を歩かせる
アラートを提供する。このように、ウェアラブルユーザデバイス210は、他のデータを
含まず、推定消費カロリーとカロリー摂取量とを比較せずに歩いた歩数と推定消費カロリ
ーのみを示す情報を提供する万歩計と比較して、ダイエットと運動の複合目標に対する順
守を向上させる。
【0052】
上述の様に、
図5A~5Dは単なる例として提供するものである。その他の例も可能で
あり、
図5A~5Dに関するものと異なるものであってもよい。
【0053】
図6は分光分析のために分類モデルを動的に更新させる例示的プロセス600のフロー
チャートである。いくつかの実施形態において、
図6の1つ又は複数のプロセスブロック
をユーザデバイス210によって行うことができる。いくつかの実施形態において、
図6
の1つ又は複数のプロセスブロックをアプリケーションサーバ220などの、ユーザデバ
イス210から分離された、またはユーザデバイス210を含む別のデバイスによって行
ってもよい。
【0054】
図6に示す様に、プロセス600は分光分析のための第1分類モデルを取得するステッ
プを含み得る(ブロック610)。例えば、ユーザデバイス210は分光分析のための第
1分類モデルを取得することができる。分類モデル(例えば、分光分類モデル)とは、被
検体のために取得された計量化学署名に基づき、分光分析の被検体又は分光分析の被検体
の特徴を特定するために使用することのできるモデルのことである。例えば、分類モデル
は1組のサンプル(例えば1組の人又は1組の食品)の1組の計量化学署名に関する情報
を含み、ユーザデバイス210は分類モデルを使用して、ある人の計量化学署名がその人
の特定の特徴(例えば、血糖値)に対応していることを決定することができる。同様に、
ユーザデバイス210は別の分類モデルを使用して、ある食品の計量化学署名がその食品
の特定の栄養素含有量に対応していることを決定する。
【0055】
いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210は第1分類モデルの較正と関連す
る特定のアプリケーションサーバ220から第1分類モデルを取得することができる。例
えば、特定のアプリケーションサーバ220は分光器を使って較正セット(例えば1組の
特定された被検体)に対して分光分析を行い、処理技術(例えば、較正セットのそれぞれ
の計量化学署名を区別する最適化技術)を使って第1分類モデルを生成することができる
。この場合、ユーザデバイス210はアプリケーションサーバ220によって最適化され
る較正モデルに基づいて第1分類モデルを受信することができる。いくつかの実施形態に
おいて、ユーザデバイス210は1組の人に対して行われる分光分析に基づいて較正され
る特定の分類モデルを取得することができる。例えば、アプリケーションサーバ220は
第1の人に対して第1の分光分析を行い、第2の人に対して第2の分光分析を行い、(例
えば、異なる体組成に関する)第1の人と第2の人の(例えば血糖値に関する)計量化学
署名の違いを表す第1分類モデルを生成することができる。
【0056】
いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210は第1分類モデルのリクエストに
基づいて第1分類モデルを取得することができる。例えば、ユーザデバイス210は第1
分類モデルのリクエストを送信し、このリクエストの送信に基づいてアプリケーションサ
ーバ220から第1分類モデルを受信することができる。これに加え、またはこれに代え
て、ユーザデバイス210はユーザデバイス210のデータ構造から第1分類モデルを取
得することができる。例えば、ユーザデバイス210はデータ構造を介して記憶された第
1分類モデルを含むことができる。いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210
は第1分類モデルを生成することができる。例えば、ユーザデバイス210は1組の被検
体に関連する1組の計量化学署名を受信し、この1組の計量化学署名に基づいて第1分類
モデルを生成することができる。これに加え、またはこれに代えて、ユーザデバイス21
0は1組の既知の被検体に対して分光測定を行い、この1組の既知の被検体の計量化学署
名を取得し、1組の既知の被検体の計量化学署名に基づいて第1分類モデルを生成するこ
とができる。
【0057】
図6に示す様に、プロセス600は分光分析のために被検体の1組の特性を取得するス
テップを含み得る(ブロック620)。例えば、ユーザデバイス210は分光分析のため
に被検体の1組の特性を取得することができる。いくつかの実施形態において、ユーザデ
バイス210は1つ又は複数のセンサからのセンサデータに基づいて1組の特性を決定す
ることができる。例えば、ユーザデバイス210はユーザデバイス210のセンサを使用
して、センサによって記録されたセンサデータに基づき、ユーザに関する血糖値又は体温
などを決定することができる。これに加え、またはこれに代えて、ユーザデバイス210
は(例えばネットワーク230を介して)センサ(例えばブルートゥースイネーブルセン
サ)と通信して、分光分析のために被検体(例えばユーザ)の特性に関するセンサデータ
を受信することができる。
【0058】
いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210は被検体の分類に関する被検体の
1つ又は複数の特性を取得することができる。例えば、ユーザデバイス210は被検体の
性別、年齢又は国籍などを特定する情報を取得することができる。この場合、ユーザデバ
イス210はユーザデバイス210によって記憶されたデータ構造から情報を取得するこ
とができる。これに加え、またはこれに代えて、ユーザデバイス210はアプリケーショ
ンサーバ220から情報(例えば、ヘルスケアプロバイダに関連するアプリケーションサ
ーバ及び記憶されたユーザに関する情報)を取得することができる。いくつかの実施形態
において、ユーザデバイス210はユーザインターフェースを介して情報を取得すること
ができる。例えば、ユーザデバイス210はユーザインターフェースを生成し、ユーザイ
ンターフェースを介して表示する1組のプロンプトを提供し、1組のプロンプトに対する
1組の応答の提供に関連するユーザインターフェースとのユーザインタラクションを検出
することができる。
【0059】
いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210は分光分析の被検体の生吸収(ra
w absorbance)スペクトルに関する分光分析の被検体の特性を取得することができる。例
えば、ユーザデバイス210は統合分光センサを使用してユーザの分光測定を行い、ユー
ザの計量化学署名(例えば生吸収スペクトル)を決定する。これに加え、またはこれに代
えて、ユーザデバイス210は分光センサと通信を行って分光センサにユーザに関連する
計量化学署名を決定させ、分光センサとの通信に基づいて分光センサから計量化学署名を
受信してもよい。
【0060】
図6に更に示す様に、プロセス600は1組の特性及び第1分類モデルに基づき、分光
分析のための第2分類モデルを生成するステップを含み得る(ブロック630)。例えば
、ユーザデバイス210は1組の特性及び第1分類モデルに基づき、分光分析のための第
2分類モデルを生成することができる。いくつかの実施形態において、ユーザデバイス2
10はサポートベクトルマシン分類器(SVM,support vector machine classifier )
又はサポートベクトル回帰(SVR,support vector regression)最適化技術などのモ
デル最適化技術を使用して第1分類(又は定量的)モデルを最適化し、第2の分類(又は
定量的)モデルを生成することができる。例えば、ユーザデバイス210は(例えば1組
の人に基づいて生成された)第1分類モデルを最適化し、ユーザデバイス210のユーザ
に関する分類(例えばユーザの血糖値の決定)を行う第2分類モデルを生成することがで
きる。このように、ユーザデバイス210は人と人との違い(例えば体組成)を説明する
。
【0061】
これに加え、またはこれに代えて、ユーザデバイス210は(例えば、アプリケーショ
ンサーバ220に関連する第1分光器に基づいて生成された)第1分類モデルを最適化し
、ユーザデバイス210に関連する第2分光器と使用するために第2分類モデルを生成す
ることができる。例えば、ユーザデバイス210は第2分光器を介して取得された分光セ
ンサデータに基づいて食品を分類する第2分類モデルを生成することができる。このよう
に、ユーザデバイス210は分光器間の違いを説明し、そうすることによって、各ユーザ
によって使用される各ユーザデバイス210のアプリケーションサーバ220によって生
成された単一の分類モデルを使用する場合と比較して、分光測定の精度を向上させること
ができる。
【0062】
図6に更に示す様に、プロセス600は第2分類モデルを使用して分光分析を行うステ
ップを含み得る(ブロック640)。例えば、ユーザデバイス210は第2分類モデルを
使用して分光分析を行うことができる。いくつかの実施形態において、ユーザデバイス2
10は第2分類モデルを使用してユーザ(例えば分光分析の被検体)に関連するメトリク
スを決定することができる。例えば、ユーザデバイス210はユーザに関連する分光セン
サデータ及び第2分類モデル(例えば、第2分類モデルに基づいて分類された第1の計量
化学署名はユーザの第1のトリグリセリド値に対応し、第2分類モデルに基づいて分類さ
れた第2の計量化学署名は第2のトリグリセリド値に対応し得る)に基づいて、特徴(例
えば、血糖値、トリグリセリド値、ケトン値、インスリン値、皮膚の状態又は人のアイデ
ンティティ)を特定することができる。この場合、ユーザデバイス210は皮膚厚の変化
、皮膚密度の変化、皮膚のコラーゲン値の変化又は毛細血管密度の変化などの健康状態を
、特徴の検出に基づいて特定することができる。
【0063】
いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210はユーザに関する他のセンサデー
タを用いて分光分析を行うことができる。例えば、ユーザデバイス210は、ユーザの計
量化学署名とユーザに関する皮膚伝導センサデータに基づいて、ユーザが特定の皮膚状態
であることを決定することができる。同様に、ユーザデバイス210は食品の計量化学署
名及び食品の容量分析に基づいて、食品の栄養素含有量(例えば、カロリー含有量、糖質
含有量、たんぱく質含有量、又は脂肪含有量)を決定することができる。このように、ユ
ーザデバイス210は複数のセンサからのセンサデータを組み合わせて、ユーザに関する
健康情報を決定して提供することができる。
【0064】
いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210は分光分析を実行することにより
、健康状態を特定する情報を提供することができる。例えば、ユーザデバイス210はユ
ーザインターフェースを生成し、ユーザインターフェースを介して表示される健康状態を
特定する情報を提供することができる。これに加え、またはこれに代えて、ユーザデバイ
ス210は健康状態を特定する情報を、(例えば、ユーザに関連する患者の医療記録に含
めるために)アプリケーションサーバ220に提供することができる。これに加え、また
はこれに代えて、ユーザデバイス210は食品の栄養素含有量を特定する情報を提供する
ことができる。いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210は更なる処理のため
に分光分析の結果を提供することができる。例えば、ユーザデバイス210は分光分析を
行うことができ、
図4を参照して本明細書に記載するように、健康情報を決定して提供す
るために処理されるデータセット内に分光分析を特定するデータを含めることができる。
【0065】
図6に更に示す様に、プロセス600は第2分類モデル(ブロック650)の定期的な
更新を含み得る。例えば、ユーザデバイス210は第2分類モデルを定期的に更新するこ
とができる。いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210は第2モデルを最適化
することができる。例えば、ユーザデバイス210がユーザの分光分析を行うと、ユーザ
デバイス210は分光分析及び/又は他のセンサデータを使用して、SVM最適化技術な
どの最適化技術を使って第2モデルを洗練させることができる。この場合、ユーザデバイ
ス210は続けて分光分析を行うために洗練された第2モデルを使用することができる。
このように、ユーザデバイス210は、分光分析及び/又はその他のセンサデータに基づ
いて洗練手順を行わずに第2分類モデルを使用する場合と比較して、第2分類モデルの精
度を向上させる。更にモデルは長時間に亘ってモデルのユーザに対してより正確及び/又
は特有であり続けるため、ユーザデバイス210はユーザの特徴の特定、ユーザの状況診
断などをより正確に行うことができる。更に、SVM最適化技術を使用することにより、
ユーザデバイス210はプロセッサ及び/又はメモリ資源の使用や、新しい分類モデルを
生成するための時間を集中して減らすことができる。更に、漸進的なトレーニング手法に
より、ユーザデバイス210は、モノのインターネットに関連したセンサ数の増大に関連
する、大量のセンサデータに基づいて初期モデルを生成するための十分な処理及び/又は
メモリ資源を要求する場合と比較して、センサデータがユーザデバイス210によって受
信されることによって正確なモデルを開発することが可能となる。
【0066】
図6に更に示す様に、プロセス600は第1分類モデルの更新を行わせることに関連す
るフィードバック情報を定期的に提供するステップを含み得る(ブロック660)。例え
ば、ユーザデバイス210は第1分類モデルの更新を行わせることに関連したフィードバ
ック情報を提供することができる。いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210
は、第1分類モデルの更新を行わせるために、第2分類モデルを特定する情報を提供する
ことができる。例えば、ユーザデバイス210は第2分類モデルを特定する情報をアプリ
ケーションサーバ220に提供して、アプリケーションサーバ220に第1分類モデルの
更新を行わせることができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、ユーザデバイス210はユーザデバイス210によって
取得されたセンサデータを特定する情報を提供して、第1分類モデルの更新が行われるよ
うにすることができる。例えば、ユーザデバイス210が特定の体温を示すセンサデータ
を取得し、特定の体温を持つユーザの分光測定を行い、その特定の体温でそのユーザの計
量化学署名を取得する場合、(例えば、同様の計量化学署名に基づいて特定の体温を特定
するために)ユーザデバイス210は特定の体温及び計量化学署名を特定する情報を提供
して第1分類モデルに含める。
【0068】
これに加え、またはこれに代えて、ユーザデバイス210は人口統計学的情報を提供し
て第1分類モデルを更新することができる。例えば、男性グループの血糖値に対応する計
量化学署名に基づいて第1分類モデルが生成される場合、ユーザデバイス210は女性の
血糖値に対応する計量化学署名を決定してもよい。この場合、ユーザデバイス210は女
性の計量化学署名を特定する情報を送信し、第1分類モデルが最適化されるようにするこ
とによってモデルの分散較正を行い、限られたサンプル群(例えば男性グループ)に基づ
いて生成された静的に較正された分類モデルを使用する場合と比較して、モデルの精度を
向上させることができる。
【0069】
図6はプロセスの例示的ブロック600を示しているが、いくつかの実施形態において
、プロセス600のブロックは
図6に示すものと異なる数、異なるブロック又は異なる配
置であってもよい。また、プロセス600の2つ以上のブロックを平行して行ってもよい
。
【0070】
図7A及び
図7Bは
図6に示す例示的プロセス600に関する例示的実施形態700の
図である。
図7A及び
図7Bは分光分析のために分類モデルを動的に更新する例を示す。
【0071】
図7Aに参照符号705で示す様に、較正アプリケーションサーバ220は、1組のサ
ンプルパーソンに関する、較正アプリケーションサーバ220に関連した分光センサを介
して取得したサンプルデータに基づき、一般的モデル(例えば一般的分類モデル)を生成
することができる。参照符号710で示す様に、ウェアラブルユーザデバイス210は較
正アプリケーションサーバ220から一般的モデルを受信する。参照符号715で示す様
に、ウェアラブルユーザデバイス210は、ユーザの身体の一部の計量化学署名などの、
ユーザに関する計量化学署名データを取得することができる。参照符号720で示す様に
、ウェアラブルユーザデバイス210はSVM最適化技術を用い、計量化学署名データ、
センサデータ(例えばユーザの心拍数、皮膚伝導性又は血糖値など)、人口統計学的デー
タ(例えばユーザの年齢、肥満度指数又は性別)などの他のデータに基づいてユーザの局
所的モデル(例えば別の分類モデル)を生成する。ウェアラブルユーザデバイス210は
、ユーザに関して(例えば、ユーザの状態を診断するために)取得された1つ又は複数の
他の計量化学署名の分類に使用するため、局所的分類モデルを記憶するものとする。
【0072】
図7Bに参照符号725で示す様に、ウェアラブルユーザデバイス210は局所的モデ
ルに関連する情報を提供し、計量化学署名データ、1つ若しくは複数の他の計量化学署名
又はユーザに関するデータなどの一般的モデルを更新する。参照符号730で示す様に、
較正アプリケーションサーバ220は、局所的モデルに関連する情報の受信に基づき、一
般的モデルの更新を行う。
【0073】
上述の様に、
図7A及び
図7Bを単なる例として提供する。その他の例も可能であり、
図7A及び
図7Bに関して説明したものと異なるものであってもよい。
【0074】
このように、ユーザデバイス210は複数のセンサからのセンサデータを使用してユー
ザに関する健康情報を提供し、1つ又は複数のセンサの較正(例えば、分光センサに関連
する分類モデルの較正)などを向上させる。更に、複数のセンサからのセンサデータを使
用することにより、ユーザデバイス210は各センサに必要とされるデバイスに関連する
費用と消費電力とを低減させることができる。更に、分光センサを較正するために最適化
技術を使用することにより、ユーザデバイス210は、サンプル追加毎に新しい分類モデ
ルを生成する場合と比較して、処理及び/又はメモリ資源の使用を低減させ、洗練せずに
全ての分類を行うために十分なサンプルデータに基づいて分類モデルを生成する場合と比
較して、コストを低減させることができる。
【0075】
上述の開示は例示及び説明を提供するものであるが、全てを網羅している訳ではなく、
実施例を開示された形態に厳密に制限することを意図するものではない。変更及び変形を
上述の開示に照らして行うことができる、又は実施例の実施から取得することができる。
【0076】
本明細書で使用するコンポーネントという用語は、ハードウェア、ファームウェア及び
/又はハードウェアとファームウェアの組み合わせであると広く解釈されることを意図し
ている。
【0077】
本明細書に記載するいくつかの実施形態は閾値に関するものである。本明細書に記載す
る、閾値を満足させるとは、閾値よりも大きい値、閾値を超える値、閾値よりも高い値、
閾値以上の値、閾値未満の値、閾値よりも少ない値、閾値よりも低い値又は閾値以下の値
、閾値と等しい値などを指す。
【0078】
特定のユーザインターフェースを本明細書及び/又は図に示した。ユーザインターフェ
ースは図形ユーザインターフェース、非図形ユーザインターフェース、テキストベースの
ユーザインターフェースなどとすることができる。ユーザインターフェースは表示用の情
報を提供することができる。いくつかの実施形態において、ユーザは、表示のためにユー
ザインターフェースを提供するデバイスの入力コンポーネントを介して入力を提供するな
どして、情報のやりとりを行うことができる。いくつかの実施形態において、ユーザイン
ターフェースはデバイス及び/又はユーザによって構成することができる(例えば、ユー
ザはユーザインターフェースの大きさ、ユーザインターフェースを介して提供される情報
、ユーザインターフェースを介して提供される情報の位置などを変更することができる)
。これに加え、またはこれに代えて、ユーザインターフェースは、標準構成、ユーザイン
ターフェースが表示されるデバイスのタイプによる特定の構成、及び/又はユーザインタ
ーフェースが表示されるデバイスに関連する能力及び/又は仕様に基づく1組の構成に予
め構成することができる。
【0079】
本明細書に記載するシステム及び/又は方法は、ハードウェア、ファームウェア及び/
又はハードウェアとファームウェアの組み合わせの異なる形態で実施することができる。
これらのシステム及び/又は方法を実施するために使用される、実際の専用制御ハードウ
ェア又はソフトウェアコードは実施例を制限するものではない。従って、システム及び/
又は方法の操作及び挙動は特定のソフトウェアコードを参照せずに本明細書に記載したも
のであり、ソフトウェア及びハードウェアは、本明細書の記載に基づいてシステム及び/
又は方法を実施するように構成することができると理解されたい。
【0080】
特性の特定の組み合わせを請求項に記載し、及び/又は明細書に開示したが、これらの
組み合わせは可能な実施形態の開示を制限することを意図するものではない。実際、これ
らの特性の多くは、請求項に具体的に記載されていない方法、及び/又は明細書に開示さ
れていない方法で組み合わせることができる。以下に記載する各々の従属請求項は1つの
請求項のみに従属させることができるが、可能な実施例の開示は、各々の従属請求項と請
求項の範囲における他の全ての請求項との組み合わせを含んでいる。
【0081】
本明細書で使用される要素、行為又は命令は、明示的な記載のない限り、重要又は必須
のものと解釈してはならない。また、本明細書で使用する「a」及び「an」の冠詞は1
つ又は複数のアイテムを含むものとし、「1つ又は複数の」と代替可能に使用することが
できる。更に、本明細書で使用する「組(set)」という用語は、1つ又は複数のアイテ
ム(例えば関連アイテム、非関連アイテム、関連アイテムと非関連アイテムの組み合わせ
など)を含むものとし、「1つ又は複数の」と代替可能に使用することができる。1つの
アイテムのみが意図される場合、「1つの」という用語又は類似の言葉が使用される。ま
た、本明細書で使用する「有する(has, have又はhaving)」などの用語はオープンエン
ドの用語である。更に、「に基づく(based on)」という言い回しは、特に断りのない限
り、「少なくとも部分的に~に基づく」ことを意味するものとする。