(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-19
(45)【発行日】2022-08-29
(54)【発明の名称】健康関連の問題の管理のためのスマートロギング
(51)【国際特許分類】
G16H 10/65 20180101AFI20220822BHJP
G16H 20/00 20180101ALI20220822BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20220822BHJP
A61B 5/145 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
G16H10/65
G16H20/00
A61B5/00 A
A61B5/145
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020129578
(22)【出願日】2020-07-30
(62)【分割の表示】P 2017513457の分割
【原出願日】2015-09-08
【審査請求日】2020-07-30
(32)【優先日】2014-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516106184
【氏名又は名称】アセンシア・ダイアベティス・ケア・ホールディングス・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Ascensia Diabetes Care Holdings AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】レイノルズ,ジェフリー・エス
(72)【発明者】
【氏名】チャン,クエン
(72)【発明者】
【氏名】シュワルツ,エミー
(72)【発明者】
【氏名】ファーバー,アーロン
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-513221(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0331645(US,A1)
【文献】特表2012-507309(JP,A)
【文献】特開2006-75593(JP,A)
【文献】特開2002-175372(JP,A)
【文献】国際公開第2011/121907(WO,A1)
【文献】特開2013-16031(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
A61B 5/00
A61B 5/145
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
健康データのロギングのためのシステムであって、
前記システムが、
健康特徴の測定値を取得するように構成された測定装置と、
前記測定装置から前記測定値を受信し、少なくとも1つのメモリ装置、プロセッサ、及びユーザインタフェースを含む、前記測定装置に通信で結合された処理装置であり、
前記少なくとも1つのメモリ装置が、前記測定値
、及び健康管理アプリケーションのためのコンピュータ可読命令を記憶し、
前記プロセッサが、前記健康管理アプリケーションを実行し、
前記健康管理アプリケーションが
、前記測定値と関連した補足的な健康データを
、前記ユーザインタフェースを介して、表示
することができ、受ける
ことができる、
前記処理装置と、
を含み、
前記少なくとも1つのメモリ装置が、未来の日付を記憶し、
前記健康管理アプリケーションが、
前記測定装置を使用して、前記未来の日付の前までの第1の期間の間の第1のスケジュールに従って、前記健康特徴の1つ以上の測定値
を取得するように
、ユーザに指示するように構成され、
前記少なくとも1つのメモリ装置が、前記未来の日付を受けることに対応して、
前記健康管理アプリケーションが、前記測定装置を使用して、前記未来の日付の前までの第2の期間の間の第2のスケジュールに従って、前記健康特徴の1つ以上の測定値
を取得する、ように前記ユーザに指示するように構成される、
前記システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのメモリ装置が、スケジュールを記憶し、
前記健康管理アプリケーションが、前記スケジュールに従って
1つ以上の測定値を取得して前記補足的な健康データを入力するように前記ユーザに指示する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記未来の日付が、医療提供者と予約した日の日付であり、
前記第2の期間が、前記第1の期間よりも前記未来の日付により近い、
請求項
1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのメモリ装置が、前記スケジュールを記憶するシステムであって、
前記スケジュールが、
前記メモリ装置に既に記憶された前記1つ以上の測定値に基づいて定められる、
請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのメモリ装置が、処方を記憶し、
前記健康管理アプリケーションが、前記ユーザに、測定値を取得させるように指示し、前記処方に従って前記補足的なデータを入力させ、前記処方が、日付、時間、事象、又はこれらの組み合わせに従って定められる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記事象が、身体活動、薬物摂取量、炭水化物摂取量、又は任意のこれらの組み合わせを含む、
請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
前記測定装置が、前記処理装置と無線で通信する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
健康データのロギングのためのシステムであって、
前記システムが、
健康特徴の
1つ以上の測定値を取得するように構成された測定装置と、
前記測定装置から前記測定値を受信し、少なくとも1つのメモリ装置、プロセッサ、及びユーザインタフェースを含む、前記測定装置に通信で結合された処理装置であり、
前記少なくとも1つのメモリ装置が、前記
1つ以上の測定値及び健康管理アプリケーションのためのコンピュータ可読命令を記憶し、
前記プロセッサが、前記健康管理アプリケーションを実行し、
前記健康管理アプリケーションが
、前記
1つ以上の測定値と関連した補足的な健康データを
、前記ユーザインタフェースを介して、表示
することができ、受ける
ことができる、
前記処理装置と、
を含み、
前記少なくとも1つのメモリ装置が、
スケジュールを記憶
し、
前記健康管理アプリケーションが、
前記測定装置を使用して、前記健康特徴の測定値を取得し、前記スケジュールに従って前記補足的な情報を入力し、前記スケジュールが、前記少なくとも1つのメモリ装置に既に記憶された前記1つ以上の測定値に基づいて定められる、よう
にユーザに指示する、
前記システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのメモリ装置が、カレンダアプリケーションのためのコンピュータ可読命令及び対応するカレンダデータを記憶し、
前記プロセッサが、前記カレンダアプリケーションを実行し、
前記健康管理アプリケーションが、前記カレンダデータに基づいて前記補足的な健康データを入力するように前記ユーザに指示する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
健康データのロギングのための機器であって、
前記機器が、
健康特徴の測定値を取得するように構成され、少なくとも1つのメモリ装置、プロセッサ、及びユーザインタフェースを含む測定装置であって、
前記少なくとも1つのメモリ装置が、前記測定値
、及び健康管理アプリケーションのためのコンピュータ可読命令を記憶し、
前記プロセッサが、前記健康管理アプリケーションを実行し、
前記健康管理アプリケーションが
、前記測定値と関連した補足的な健康データを
、前記ユーザインタフェースを介して、表示
することができ、受ける
ことができる、
前記測定装置を含み、
前記少なくとも1つのメモリ装置が、未来の日付を記憶し、
前記健康管理アプリケーションが、
前記測定装置を使用して、前記
未来の日付の前までの第1の期間の間の第1のスケジュールに従って、前記健康特徴の1つ以上の測定値
を取得する
、よう
にユーザに指示するように構成され、
前記少なくとも1つのメモリ装置が、前記未来の日付を受けることに対応して、
前記健康管理アプリケーションが、前記測定装置を使用して、前記未来の日付の前までの第2の期間の間の第2のスケジュールに従って、前記健康特徴の1つ以上の測定値を取得する、ように前記ユーザに指示するように構成される、
前記機器。
【請求項11】
健康データのロギングのための機器であって、
前記機器が、
健康特徴の
少なくとも1つの測定値を取得するように構成され、少なくとも1つのメモリ装置、プロセッサ、及びユーザインタフェースを含む測定装置であって、
前記少なくとも1つのメモリ装置が、前記
少なくとも1つの測定値及び健康管理アプリケーションのためのコンピュータ可読命令を記憶し、
前記プロセッサが、前記健康管理アプリケーションを実行し、
前記健康管理アプリケーションが
、前記
少なくとも1つの測定値と関連した補足的な健康データを
、前記ユーザインタフェースを介して、表示
することができ、受ける
ことができる、
前記測定装置を含み、
前記少なくとも1つのメモリ装置が、
スケジュールを記憶し、
前記健康管理アプリケーションが、
前記測定装置を使用して、前記健康特徴の測定値を取得し、前記スケジュールに従って補足的な情報を入力し、前記スケジュールが、前記少なくとも1つのメモリ装置に既に記憶された前記1つ以上の測定値に基づいて定められる、よう
にユーザに指示する、
前記機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年9月10日出願の米国特許仮出願第62/048, 646号の利益及び優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本発明は、一般に、健康関連の問題の管理に関する。より詳細には、本発明は、糖尿病を含む、健康関連の問題の有効な管理のための健康データのログを取得するシステム及び方法を目的とする。
【0003】
背景
体液中の検体の定量は、一定の生理的状態の診断及び維持において非常に重要である。例えば、糖尿病を有する人(PWD)は、体液中の糖値を頻繁にチェックする。このような試験の結果は、食事中の糖分摂取量を調整するために、及び/又はインスリン若しくは他の薬物を投与する必要があるかを決定するために使用され得る。PWDは、通常、PWDからの流体試料中の糖濃度を算出する測定装置(例えば血糖計)を使用し、流体試料は、測定装置によって受けられる試験センサ上に捕集される。
【0004】
概要
本発明の態様は、健康関連の問題(例えば糖尿病)の有効な管理のための健康データのログを取得するシステム及び方法を提供する。特に、実施形態は、アドヒアランスバースト指示、測定及びロギング処方、事後ロギング、並びに/又は電子カレンダ付きのデータ表示に従ってデータを収集する健康管理アプリケーションを利用する。
【0005】
一実施形態によれば、糖尿病管理のためのシステムは、健康特徴の測定を行うように構成された測定装置と、測定装置に通信で結合された処理装置と、を含む。処理装置は、測定装置から測定値を受信する。処理装置は、少なくとも1つのメモリ装置、プロセッサ、及びユーザインタフェースを含む。少なくとも1つのメモリ装置は、1つ以上の測定値及び健康管理アプリケーションのためのコンピュータ可読命令を記憶する。プロセッサは、健康管理アプリケーションを実行する。健康管理アプリケーションは、ユーザインタフェースを介して、1つ以上の測定値と関連した補足的な健康データを表示し、1つ以上の測定値と関連した補足的な健康データを受ける。健康管理アプリケーションにより、ユーザは、アドヒアランスバースト指示、測定及びロギング処方、事後ロギング、並びに/又は電子カレンダ付きのデータ表示に従って補足的なデータを入力することが可能となる。健康管理アプリケーションは、測定を行いこれらの特性の多様な態様に従って補足的なデータを入力するようにユーザに指示することができる。
【0006】
別の実施形態では、少なくとも1つのメモリ装置は、複数の先行測定値を記憶して追加の補足的な健康データの事後登録のための1つ以上の先行測定値を特定し、健康管理アプリケーションは、事後に追加の補足的な健康データを登録するようにユーザに指示する。少なくとも1つのメモリ装置は、複数の先行測定値を記憶することができ、健康管理アプリケーションは、複数の先行測定値の分析に従って測定を行い補足的な健康データを入力するようにユーザに指示する。少なくとも1つのメモリ装置は、カレンダアプリケーションのためのコンピュータ可読命令及び対応するカレンダデータを記憶することができ、プロセッサは、カレンダアプリケーションを実行し、健康管理アプリケーションは、カレンダデータに基づいて補足的な健康データを入力するようにユーザに指示する。
【0007】
更なる実施形態では、機器は、健康特徴の測定を行うように構成された測定装置を含む。測定装置は、少なくとも1つのメモリ装置、プロセッサ、及びユーザインタフェースを含む。少なくとも1つのメモリ装置は、1つ以上の測定値及び健康管理アプリケーションのためのコンピュータ可読命令を記憶する。プロセッサは、健康管理アプリケーションを実行し、健康管理アプリケーションは、ユーザインタフェースを介して、1つ以上の測定値と関連した補足的な健康データを表示し、1つ以上の測定値と関連した補足的な健康データを受ける。少なくとも1つのメモリ装置は、処方又はスケジュールを記憶し、健康管理アプリケーションは、処方又はスケジュールに従って測定を行い補足的な健康データを入力するようにユーザに指示する。
【0008】
本発明の更なる他の態様、特性、及び利点は、本発明を実行するために考慮された最良の形態を含む、多数の例示的な実施形態及び実施例を示すことによって、以下の詳細な説明から容易に明らかとなる。本発明はまた、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、すべて本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な点で修正され得る。したがって、図面及び説明は、実際に例示的なものであり、制限的なものではないとみなされるべきである。本発明は、本発明の趣旨及び範囲内にあるすべての修正物、等価物、及び代替物を網羅するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の態様による効果的な糖尿病管理のために使用され得る糖尿病を有する人(PWD)が健康データのログを取得するのを支援するシステムの例を示す。
【
図2】
図1のシステムの例の一実施形態を例示する。
【
図3】本発明の態様による、アドヒアランスバースト指示のための方法の例を示す。
【
図4】本発明の態様による、測定及びロギング処方を利用する方法の例を示す。
【
図5】本発明の態様による、事後ロギングを利用する方法の例を示す。
【
図6A】本発明の態様による、電子カレンダ付きの血糖データの表示の例を示す。
【
図6B】本発明の態様による、電子カレンダ付きの血糖データの表示の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の詳細な説明
健康関連の問題(例えば糖尿病)の管理は、処置計画を提供するために、記録された血糖データを分析することを伴う場合がある。PWDのための処置計画は、食事の炭水化物摂取量を調整すること、インスリン又は他の薬物の摂取療法を実施することを含む。処置計画の提供を改善するために、本発明の態様によるシステム及び方法により、糖尿病を有する人はより有効な糖尿病管理のための健康データのログを取得することが可能となる。健康データは、PWDが血糖計によって測定を行った血糖測定値を含むことができる。健康データはまた、記録された血糖データの理解を向上させる追加的な補足情報を含むことができる。例えば、PWDは、彼(女)の身体の状態、行動、最近の活動、及び特定の血糖データを説明することができる健康関連の事象に関する補足的な健康データのログを取得することができる。PWDは、特定の血糖測定値に関係する最近のインスリン摂取量、炭水化物摂取量、身体活動(例えば運動)、及び一般的な健康(例えば、病気、疲労など)に関する任意の情報のログを取得することができる。各々の記録された血糖測定値は、ログを取得された補足的な健康データと、例えばタイムスタンプを介して、関連付けられ得る。いくつかの場合には、血糖データは、自動で又は手動でログを取得され得るが、補足的な健康データは、PWDによって手動でログを取得される。
【0011】
処置計画を提供するときに、医療提供者(HCP)は、多量の健康データを検討することが有用であると感じており、健康データは、長期間にわたって頻繁に行われる血糖の測定の測定値のためにログを取得される。しかしながら、PWDが、長期間各々の血糖測定値の要因を詳述する多量のデータのログを取得することは大きな負担となる。この現実を考慮に入れ、本発明の態様は、有効な処置計画を提供するために十分な情報を提供するがPWDの側の労力の量及び不便さを最小化する健康データのログを取得するシステム及び方法を提供する。
【0012】
特に、実施形態は、以下の特性のうちの1つ以上を含む:
(1)アドヒアランスバースト指示:実施形態は、所定の期間、頻繁に血糖の測定を行い及び補足的な健康データのログを取得するようにPWDに指示することができる。例えば、PWDは、HCPを訪問する直前の期間(例えば約2週間)血糖データ及び/又は補足的な健康データのロギングを増加させることができる。この短い期間の詳細及び頻繁な健康データのログを取得することによって、PWDは、血糖データ、身体の状態、行動(生活週間)、活動、及びPWDが他の時間に通常経験する健康関連の事象を表す健康データのセットを提供する。しかしながら、PWDは、負担となる不便なレベルの測定及びロギングを数カ月間実行することを要求されない。換言すれば、この特性は、HCPがPWDのための処置計画を提供、検討、及び/又は改定することを可能にする詳細なスナップショットをHCPに提供する。アドヒアランスバースト指示に従って収集された健康データはまた、他の時間にログを取得された健康データによって分析され得る。
(2)測定及びロギング処方:実施形態は、HCPによって決定された特定の試験/ロギング処方に従って血糖の測定を行い一定の健康データのログを取得するようにPWDに指示することができる。試験/ロギング処方は、測定値及び/又は一定の補足的な健康データのロギングがHCPによる分析のための重大な情報内容を提供する時間及び/又は事象を特定する。例えば、PWDが新しいインスリン療法を採用している場合に、HCPがインスリン療法を評価することができるように、PWDは、食前及び食後すぐに測定を行い対応するインスリン及び炭水化物摂取量のログを取得するように指示され得る。別の例として、PWDが夜間低血糖で苦労している場合に、PWDは、晩御飯の間の炭水化物摂取量のログを取得し就寝時に測定を行うように指示され得る。更に別の例では、PWDがイヌリン又は他の薬物の服用を記憶することに苦労している場合に、PWDは、このような薬物を服用するためのリマインダを受信することができる。他の試験/ロギング処方が測定及び/又はロギングに対する他の要求を定めることができることが企図される。一般に、試験/ロギングパターンは、特定のPWDにとって重要である健康データを収集するように合わせられる。
(3)事後ロギング:実施形態は、PWDが健康データのログを事後に取得することを可能にすることによって、利便性及び効率を向上させることができる。換言すれば、PWDは、測定を行う時に健康データ(特に補足的な健康データ)を提供することを要求されない。むしろ、PWDは、後の都合のいい時に健康データのログを取得することができる。例えば、PWDに自由な時間があるときに、例えば飛行機に搭乗するために空港ゲートで待つ間に、事後ロギングは達成され得る。いくつかの場合には、実施形態は、更に血糖データを説明するために補足的な情報のログが取得されることを必要とする一定の血糖データを能動的に特定することができる。このように、PWDは、血糖データを分析するために有用な情報を特に提供することができる補足的な健康データを、一定の血糖データのために、提供するように能動的に指示され得る。特に、健康データは、事象、異常、及び他の対象の血糖データを特定するために、及び血糖データのための追加的な健康データのログを事後に取得するようにユーザに指示するために、分析され得る。例えば、記録された血糖データにおいて朝の低血糖事象が特定される場合に、PWDは、事象に関する追加的な健康データ、例えば、前の晩からの食事、インスリン用量、又は運動に関する情報、のログを取得するように指示され得る。いくつかの場合には、指示されるときに、PWDは、特定された血糖データのための可能性のある説明の所定のリストから任意に利便性高く選択することができる。
(4)電子カレンダ付きのデータ表示:実施形態は、補足情報を提供する際に役立つようにPWDが彼(女)のパーソナル電子カレンダに記憶された情報を使用することを可能にする。多くの人々が電子カレンダを使用して日々の活動を定期的にスケジュールに入れ追跡しており、電子カレンダは、多くの電子装置(例えばスマートデバイス)上で広く利用可能である。したがって、補足的な健康のログを取得する利便性を向上させるために、実施形態は、PWDが彼(女)の電子カレンダからの情報と共に血糖データを視認することを可能にする。実施形態は、オーバレイとして電子カレンダ上に血糖データをグラフィック表示することができる。代替的に、実施形態は、並列に血糖データを表示することができる。実施形態はまた、(例えば、テキスト及び/又は記号による)カレンダ項目の利便性の高いマークが、容易に特定され、かつ対応する血糖データ(適切な日付、及びタイムスタンプ)と対にされることを可能にし得る。例えば、PWDは、スケジュールに入れられたトレーニング、休日の食事、旅行、及びストレスが生じる可能性のある事象(例えば、重要な仕事の締切など)に関するカレンダ項目と共に血糖データをマークすることができる。例として、カレンダ項目は、項目を血糖測定値と関連付けるためにハッシュタグによってマークされ得る。
【0013】
本実施形態は、PWDが、対応する血糖データの情報内容及び値を増加させる補足的な健康データのログを効率的に取得することを可能にする。実施形態は、健康データの標的ロギングを可能にする。加えて、実施形態は、PWDが最適化されたロギングで多くの情報(最小の労力で良好な情報)を提供することを可能にする。更にまた、実施形態は、HCPが、処置計画を提供して生活習慣の変化を勧める必要がある健康データを収集するために試験及びロギングを手引きすることを可能にする。健康データの収集を効率的で利便性の高いものにすることによって、PWDは、より正確な分析及び有効な処置をもたらす健康データを提供するように後押しされる。
【0014】
図1は、上で説明された特性を実施する例示的なシステム10を示す。システム10は、測定装置100及び外部処理装置200を含む。特に、測定装置100は、アナログフロントエンド102、測定インタフェース(例えば、電気化学的又は光学的測定)103、メインマイクロコントローラ104、メモリ105、無線マイクロコントローラ106、及びアンテナ107を含む。
【0015】
アナログフロントエンド102は、測定インタフェース103に結合され、測定インタフェース103は、直接又は間接的に流体試料を受けるためにハードウェアを含む。いくつかの実施形態では、例えば、測定装置100は、流体試料中の検体の濃度を測定する。流体試料としては、例えば、全血試料、血清試料、血漿試料、ISF(間質液)のような他の体液、唾液、及び尿、並びに非体液を挙げることができる。分析され得る検体としては、糖分、脂質プロファイル(例えば、コレステロール、トリグリセリド、LDL、及びHDL)、微量アルブミン、ヘモグロビンA1C、果糖、乳酸、又はビリルビンが挙げられる。一般に、本発明の態様は、例えば検体濃度、酵素及び電解質活性、抗体価などの、試料の1つ以上の特徴を測定するために利用され得る。したがって、本明細書において説明される例は血糖濃度の測定に関するが、本発明の態様が任意の種類の健康データ収集のために利用され得ることが理解される。
【0016】
いくつかの実施形態では、測定インタフェース103は、直接流体試料を受けるように構成された試験センサ(図示せず)を受けるポートを含む。例えば、ユーザは、皮膚表面で血液試料を生成するために、突刺装置を利用して指又は身体の他の領域を穿刺することができる。次いで、ユーザは、試料と接触して試験センサを配置することによってこの血液試料を捕集することができる。試験センサは、試料中の検体の濃度を指示するために、試料と反応する試薬を収容する。試験センサと連動して、測定インタフェース103は、反応をアナログフロントエンド102に測定させることが可能である。
【0017】
いくつかの場合には、試験センサは、電気化学的試験センサであり得る。電気化学的試験センサは、通常、複数の電極と、流体試料を受け、かつ電極パターンのコンポーネントによって電気化学的に測定可能な電流を生成する化学種に流体試料(例えば血液)中の対象検体(例えば糖分)を転換する適切な試薬(単数又は複数)(例えば酵素(単数又は複数))を含んだ、流体受け領域と、を含む。このような場合、測定インタフェース103は、アナログフロントエンド102を試験センサの電極に結合させることが可能で、アナログフロントエンド102は、それぞれの測定インタフェース103から生信号を受ける。
【0018】
他の場合には、試験センサは、光学的試験センサであり得る。光学的試験センサシステムは、検体濃度を測定するための、透過分光法、拡散反射率、又は蛍光分光法などの、技術を使用することができる。例えば、試薬と検体との間の反応が試料の色を変化させるので、指示試薬システムと体液試料中の検体とは、染色反応を発生させるように反応することができる。変色の程度は、体液中の検体濃度を指示する。試料の変色は、透過光の吸光度レベルを測定するために、評価され得る。このような場合、測定インタフェース103は、試験センサ上の流体試料によって吸収された光及び反射された光に基づく生の光信号を受けるように、光を試験センサ及びアナログフロントエンド102に透過させることが可能である。
【0019】
一般に、アナログフロントエンド102は、少なくとも1つの測定インタフェース103を介して受けられる流体試料の特徴(単数又は複数)を測定するために利用される。任意の数の測定インタフェース103(電気化学的、光学的など)が、任意の種類の測定データに変換され得る任意の種類の生信号を得るために、アナログフロントエンド102に結合され得ることが理解される。
【0020】
また、アナログフロントエンド102に結合されて、メインマイクロコントローラ104は、下で更に説明されるように測定装置100の操作態様を制御する。例えば、メインマイクロコントローラ104は、電気化学的又は光学的実測を行う方法、及び生の電気化学的又は光信号をアナログフロントエンド102がそれぞれの測定インタフェース103から得る方法を決定する測定シーケンスを管理することができる。加えて、メインマイクロコントローラ104は、アナログフロントエンド102が受けた生信号を、例えばディスプレイにより、ユーザに通信され得る最終的な測定値(例えば、1デシリットル当たりのミリグラム(mg/dL)として表される血糖濃度)に計算シーケンスによって変換する方法を決定することができる。アナログフロントエンド102及びメインマイクロコントローラ104は
図1において別々に示されるが、代替的な実施形態におけるメインマイクロコントローラ104は、少なくとも1つの測定インタフェース103を介して受けられる流体試料の特徴(単数又は複数)を測定するために十分なアナログフロントエンドを含むことができることが企図される。加えて、
図1に示されるメインコントローラ104は、任意の数及び構成の処理ハードウェアと、測定装置100の操作を管理するために必要とされる関連コンポーネントとに一般に相当し得ることが企図される。
【0021】
メモリ105(例えば不揮発性メモリ)としては、任意の数の記憶装置(例えば、EEPROM、フラッシュメモリなど)を挙げることができる。メモリ105は、測定データを記憶することができる。加えて、メモリ105は、測定装置200の他のコンポーネントの操作において利用される、例えば、ファームウェア、ソフトウェア、アルゴリズムデータ、プログラムパラメータ、患者の登録(ログを取得された)データ、較正データ、ルックアップテーブルなどの、データを記憶することができる。
【0022】
図1に更に例示されるように、測定装置100はまた、測定装置100が無線で外部処理装置200と通信することを可能にするアンテナ107を含む。
図2に示されるように、例えば、外部処理装置200は、上で説明された試験/ロギング特性を提供するために測定装置100と対にされ得るモバイルアプリケーションを含んだ、スマートフォンなどの、スマートデバイスであり得る。他の実施形態では、外部処理装置200は、タブレット型コンピュータ、携帯又はポケットパーソナルコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、デスクトップ若しくはラップトップパーソナルコンピュータ(PC)、又は任意のオペレーティングシステム及び通信機能を利用する他の類似の処理/通信装置であり得る。
図1を再び参照すると、測定装置100はまた、アンテナ107による通信を制御する無線マイクロコントローラ106を含むことができる。メインマイクロコントローラ104及び無線マイクロコントローラ106は
図1において別々に示されるが、代替的な実施形態における共通マイクロコントローラが、測定装置100の他の態様に加えて無線通信を制御するために利用され得ることが企図される。
【0023】
外部処理装置200はまた、外部処理装置200が無線で測定装置100と通信することを可能にするアンテナ207を含む。
図2に示されるように、測定装置100及び外部処理装置200は、例えば、Bluetooth(登録商標)無線技術を介して通信することができる。他の実施形態では、しかしながら、通信は、近距離通信(NFC)、高周波(RF)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、Wi-Fi(商標)(IEEE 802.11)などを含む他の無線技術によって確立され得る。代替的に又は追加的に、通信は、有線通信、例えば汎用シリアルバス(USB)、によって確立されもよい。
【0024】
外部処理装置200は、外部処理装置200の態様を一般に制御するプロセッサ204を含む。例えば、プロセッサ204は、外部処理装置200にあるソフトウェアアプリケーションを実行するために必要とされる処理を提供する。外部処理装置200上のメモリ205は、このようなソフトウェアアプリケーションのためのコンピュータ可読命令を記憶する。メモリ205は、ユーザソフトウェアアプリケーションを記憶するために、例えばフラッシュメモリなどの、不揮発性メモリを含むことができる。
【0025】
本発明の態様によれば、メモリ205は、測定装置100の操作を補完する健康管理アプリケーション12のためのコンピュータ可読命令を記憶する。特に、健康管理アプリケーション12は、上で説明された試験/ロギング特性を提供することができる。例えば、
図2に示されるように、外部処理装置200がスマートデバイス、例えばスマートフォンである場合には、健康管理アプリケーション12は、ユーザによってスマートデバイス上へダウンロードされてプロセッサ204によって実行されるモバイルアプリケーションであり得る。外部処理装置200は、ユーザからの入力を受けるためにユーザインタフェースを、出力をユーザに提供するためにディスプレイ208、スピーカなどを提供する。
図2の例では、外部処理装置200は、入力を受け出力を表示するタッチスクリーンを含む。健康管理アプリケーション12は、測定装置100から無線で通信される測定値及び/又は他のデータを、記憶及び/又は処理することができる。いくつかの場合には、健康管理アプリケーション12は、測定データを統計的に分析して、外部処理装置200のディスプレイ208上に統計的分析の高度な表示を提供することができる。実際、特に外部処理装置200は測定装置100より大きい処理及び表示能力を有することができるので、健康管理アプリケーション12は、測定装置100だけでは利用できない特性を提供することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、健康管理アプリケーション12は、測定装置100の使用に関する多様な健康管理サービスを提供するプラットフォームにおいて利用される。例えば、測定装置100を販売/流通させる会社は、測定装置100を強化する特性及びサービスを提供するために装置の顧客に健康管理アプリケーション12を提供することができる。測定装置100は外部処理装置200に通信で結合され得るので、本発明の態様は、測定装置100の使用を拡大するために外部処理装置200上でアプリケーションを利用することができる。例えば、外部処理装置200にある健康管理アプリケーション12が試験/ロギング特性を提供するために使用され得るように、測定装置100は外部処理装置200に結合され得る。
【0027】
図1に示されるように、外部処理装置200は、外部処理装置200が外部ネットワーク20に接続することを可能にするネットワークインタフェース210を含む。ネットワークインタフェース210は、外部ネットワーク20に接続するために任意の技術を利用することができる。例えば、ネットワークインタフェース210は、無線で、例えば、Wi-Fi(商標)(IEEE 802.11)、セルラーなどで、又は有線技術を介して、例えばEthernetなどを介して外部ネットワーク20と接続することができる。外部ネットワーク20は、任意の種類のネットワーク、例えば、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、クラウドなどであり得る。
【0028】
ネットワークインタフェース210によって、外部処理装置200は、外部ネットワーク20を通じて利用可能な任意のリソースにアクセスすることができる。特に、外部処理装置200は、測定装置100の操作に関するリソースにアクセスすることができる。
図1に示されるように、外部処理装置200は、例えばクラウドネットワークとして示される、外部ネットワーク20を通じて外部サーバ30と通信する。外部サーバ30は、測定装置100の使用に関する多様な健康管理サービスを提供するいくつかの健康管理プラットフォームに関連付けられる。例えば、外部サーバ30は、健康管理アプリケーション12のソースとして機能することができ、外部処理装置200は、ネットワークインタフェース210を介して外部ネットワーク20を通じて健康管理アプリケーション12を受信することができる。加えて、ネットワークへアクセス可能な外部サーバ又はクラウドベースサーバは、外部処理装置200上でネットワークを介して確立されたユーザインタフェースによって健康管理アプリケーションを実際に実行することができる。
【0029】
外部処理装置200は外部ネットワーク20上のリソースに通信で結合され得るので、外部処理装置200は、任意の外部ソースから、測定装置100に関連して使用され得るデータを一般に受信することができる。更にまた、外部処理装置200は測定装置100に通信で結合され得るので、測定装置100は、外部ソースからこのようなデータを続いて受信することができる。
【0030】
図1のシステム10では、健康管理アプリケーション12は、以下の任意の組み合わせを提供するために利用され得る:(1)アドヒアランスバースト指示、(2)測定及びロギング処方、(3)事後ロギング、又は(4)電子カレンダ付きのデータ表示。健康管理アプリケーション12は、例えば、対応する健康データを外部処理装置200のメモリ205に記憶することができ、外部処理装置200において、健康データは、例えばHCPによって、アクセス及び分析され得る。追加的に又は代替的に、健康データは、健康管理プラットフォームの外部サーバ30にネットワークインタフェース210を介して送信され、外部サーバ30においてアクセス及び分析され得る。
【0031】
健康管理アプリケーション12は、アドヒアランスバースト指示に従って測定を行い及び/又は補足的な健康データのログを取得するようにPWDに指示することができる。アドヒアランスバースト指示は、PWDが、所定の期間、より頻繁に細部まで血糖の測定を行い及び補足的な健康データのログを取得するのを支援する。この期間は、例えばHCPによって、決定され、その結果、PWDは、必要より多くの測定を行い多くの健康データのログを取得する必要なく処置計画を立てるために十分な健康データを提供することができる。例えば、HCPは、HCPとのPWDの次の約束の直前に、2週間の期間の詳細な健康データを要求するだけであり得る。2週間の期間を通じて頻繁に測定を行い詳細な健康データのログを取得することは、長い期間(例えば数カ月)を通じて行うよりも利便性が高くかつ管理可能であるので、PWDは、アドヒアランスバースト指示に従いHCPに十分な健康データを提供する可能性が高い。期間がより短くても(例えば、2~13日間若しくは4~10日間)又は長くても(例えば、3若しくは4週間)よいことが企図される。
【0032】
加えて、アドヒアランスバースト指示は、利便性を向上させ追随性を高めるために、PWD及び彼(女)の生活習慣(すなわちユーザプロフィール)の特定の態様に適応するようにカスタマイズされ得る。このユーザプロフィールの態様は、外部処理装置200及び/又は外部サーバ30上の健康管理アプリケーション12によって収集及び記憶され得る。例えば、ユーザプロフィールは、ユーザが血糖の測定を行うことができない日時(例えば、勤務中の公共交通機関での往復、勤務中の会議など)を指示することができる。
【0033】
図3を参照すると、アドヒアランスバースト指示を利用する方法300の例が示される。行為305において、所定の期間のアドヒアランスバースト指示スケジュールが受信される。行為305(アドヒアランスバースト指示)の初期設定又は継続的HCPモニタリング及び現場での変更は、様々な方法によって達成され得る。PWD又はHCPは、一実施形態では、PWDモバイルデバイスの健康管理アプリケーション及びユーザインタフェースを使用してアドヒアランスバースト指示を設定することができる。別の実施形態では、HCPは、同じモバイルデバイス上で又はアドヒアランスバースト指示スケジュールを健康管理アプリケーション12へ転送する別のプラットフォーム(例えば、モバイルデバイス、コンピュータ、クラウドアプリケーション)上で実行される彼(女)自身のアプリケーションを有することができる。更なる実施形態では、このアドヒアランスバースト設定は、HCPの情報システム(例えば、実務管理ソフトウェア、病院情報システム、電子健康記録システム、又は電子医療記録システム)の一部であり得る予約スケジュール管理ソフトウェア間のインタフェースによって(大抵人間の承認後に)自動で開始され得る。
【0034】
アドヒアランスバースト指示スケジュールは、例えば、メモリ205上の健康管理アプリケーション12によって記憶され得る。上で説明されたように、HCPは、PWDの処置計画を立てるために十分な時宜を得た健康データを収集するようにアドヒアランスバースト指示スケジュールを決定することができる。行為310において、PWDは、所定の期間を通じて頻繁に測定を行い及び/又は詳細な健康データのログを取得するように指示される。指示は、例えば、外部処理装置200、例えばディスプレイ208を介して、健康管理アプリケーション12によって伝達され得る。指示は、例えば、時間単位で、食前若しくは食後に、又は任意の他の適切な時間に及び/若しくは間隔で発生し得る。行為315において、健康データ(すなわち、血糖データ及び任意の補足的な健康データ)が、工程310における指示に応じて受信される。次いで、健康データが、行為320において、続く検索及び分析のために記憶される。PWDは、健康管理アプリケーション12を介して健康データを入力及び記憶させることができる。
【0035】
追加的に、健康管理アプリケーション12は、HCPによって決定された特定の試験/ロギング処方に従って血糖の測定を行い健康データのログを取得するようにPWDに指示することができる。用語「処方」は、PWDの動作に又は利用可能なデータを使用するPWDと関連したアプリケーションに影響を与える、HCPなどの個人からの手引き又は命令を含む。試験/ロギング処方は、PWDによる測定値及び/又は一定のロギングがHCPによる分析のための健康データの有益なセットを提供する時間及び/又は事象を特定する。アドヒアランスバースト指示のように、PWDは、処置計画を立てる際にHCPに特に有用な健康データを提供するように指示される。試験/ロギング処方は、PWDが必要より多くの測定を行い多くの健康データのログを取得することを要求されないように定められ得る。PWDの試験/ロギングの負担を最小化することによって、PWDが、試験/ロギング処方に従い必要な健康データをHCPに提供する可能性が高くなる。加えて、試験/ロギング処方は、利便性を向上させ追随性を高めるために、PWD及び彼(女)の生活習慣(すなわちユーザプロフィール)の特定の態様に適応するようにカスタマイズされ得る。
【0036】
カスタム処方ロギングシナリオの初期設定又は継続的HCPモニタリング及び現場での変更は、様々な方法によって達成され得る。PWD又はHCPは、一実施形態では、PWD処理装置の健康管理アプリケーション及びユーザインタフェースを使用してカスタム処方ロギングシナリオを設定することができる。別の実施形態では、HCPは、同じ処理装置上で又は処方ロギング/試験プロトコルを健康管理アプリケーション12へ転送する別のプラットフォーム(例えば、モバイルデバイス、コンピュータ、クラウドアプリケーション)上で実行される彼(女)自身のアプリケーションを有することができる。更なる実施形態では、この設定は、HCPの情報システム(例えば、実務管理ソフトウェア、病院情報システム、電子健康記録システム、又は電子医療記録システム)とのインタフェースによって(大抵人間の承認後に)自動で開始され得る。HCPの誘導を提供する際の利便性及び精度の他に、独立型HCPアプリケーションの使用はまた、処方試験から収集されたデータを調べかつより正確で手動集約的ではない患者電子医療記録におけるロギング命令を作成するために、データ分析アルゴリズムとシームレスに結合される。
【0037】
例えば、PWDが新しいインスリン療法を実施している場合には、HCPは、PWDの糖値に対する食事及びインスリン摂取量の影響をモニタすることに特に関心を示してもよい。したがって、測定及びロギング処方を使用して、PWDは、食前及び食後に測定を行い健康データのログを取得するように指示される。追加的に、PWDは、HCPによって決定されたスケジュール通りにインスリン又は他の必要な薬物を摂取するようにリマインダによって指示される。処方に従ってログを取得された健康データは、HCPがインスリン療法を評価することを可能にする。
【0038】
別の例では、PWDは、彼(女)が正常に正午に昼食を取り午後7時に夕食を取ることを示すユーザプロフィールを有することができる。この情報に基づいて、HCPは、例として、PWDが午前11時45分、午後1時、午後6時45分、及び午後7時15分に血糖の測定を行い補足的なデータのログを取得するように指示される処方を作成することができる。当然、他の場合には、ユーザプロフィールは、ユーザが他の適切な時間に指示されることを示すことができる。更に別の例では、PWDが夜間低血糖で苦労している場合に、PWDは、晩御飯の間の炭水化物摂取量のログを取得し就寝時に血糖の測定を行うように指示され得る。
【0039】
図4を参照すると、特定の試験/ロギング処方を利用する方法400の例が示される。行為405において、試験/ロギング処方が、HCPから受信される。処方は、例えば、メモリ205上の健康管理アプリケーション12によって記憶され得る。上で説明されたように、HCPは、例えばPWDのための処置計画を提供又は評価するために、時宜を得た十分な健康データを収集するように処方を定めることができる。行為410において、PWDは、処方の要求通りに血糖の測定を行い及び/又は健康データのログを取得するように指示される。指示は、例えば、外部処理装置200、例えばディスプレイ208を介して、健康管理アプリケーション12によって伝達され得る。行為415において、健康データ(すなわち、血糖データ、任意の補足的な健康データ)が、工程410における指示に応じて受信される。次いで、健康データが、行為420において、続く検索及び分析のために記憶される。PWDは、健康管理アプリケーション12を介して健康データを入力及び記憶させることができる。
【0040】
追加的に、健康管理アプリケーション12は、PWDが事後に健康データのログを取得することを可能にする。換言すれば、PWDは、測定を行う時に健康データ(特に補足的な健康データ)を提供することを要求されない。むしろ、PWDは、後の都合のいい時に健康データのログを取得することができる。いくつかの場合には、実施形態は、更に血糖データを説明するために補足情報のログが取得されることを必要とする一定の血糖データを能動的に特定することができる。このように、PWDは、血糖データを分析するために有用な情報を特に提供することができる補足的な健康データを、一定の血糖データのために、提供するように能動的に指示され得る。特に、健康データは、事象、異常、及び他の対象の血糖データを特定するために、及び血糖データのための追加的な健康データのログを事後に取得するようにユーザに指示するために、分析され得る。
【0041】
事後ロギングシナリオの初期設定又は継続的HCPモニタリング及び現場での変更は、様々な方法によって達成され得る。PWD又はHCPは、一実施形態では、PWD処理装置の健康管理アプリケーション及びユーザインタフェースを使用して事後ロギングシナリオを設定することができる。別の実施形態では、HCPは、同じ処理装置上で又は事後ロギングプロトコルを健康管理アプリケーション12へ転送する別のプラットフォーム(例えば、モバイルデバイス、コンピュータ、クラウドアプリケーション)上で実行される彼(女)自身のアプリケーションを有することができる。更なる実施形態では、この設定は、HCPの情報システム(例えば、実務管理ソフトウェア、病院情報システム、電子健康記録システム、又は電子医療記録システム)とのインタフェースによって(大抵人間の承認後に)自動で開始され得る。HCPの誘導を提供する際の利便性及び精度の他に、独立型HCPアプリケーションの使用はまた、事後ロギングから収集されたデータを調べて患者電子医療記録をより正確なものにするために、データ分析アルゴリズムとシームレスに結合される。
【0042】
図5を参照すると、事後ロギングを利用する方法500の例が示される。行為505において、記憶された健康データ(例えば血糖データ)が、補足情報に特定の測定値の分析及び理解のための追加的なコンテキストの提供を要求することができる特定の測定値を特定するために分析される。健康データは、メモリ205に記憶され、健康管理アプリケーション12は、更なる情報に対してPWDに指示するために健康データを分析することができる。いくつかの場合には、パターン認識が、事象、異常、及び他の対象の血糖データを特定するために利用され得る。例えば、PWDの血糖データが毎朝一貫して一定の範囲内に入る場合、この範囲の外側で著しく減少する値は、値に対する補足情報を要求するPWDへの指示をトリガすることができる。行為510において、PWDは、行為505において特定された測定値のための補足的な健康データのログを事後に取得するように指示される。指示は、例えば、外部処理装置200、例えばディスプレイ208を介して、健康管理アプリケーション12によって伝達され得る。行為515において、補足的な健康データが、工程510における指示に応じて受信される。次いで、補足的な健康データが、行為520において、続く検索及び分析のために記憶される。PWDは、健康管理アプリケーション12を介して補足的な健康データを入力及び記憶させることができる。
【0043】
例えば、健康データの分析でPWDが朝低血糖であることが明らかとなる場合、行為505は、対応する補足的な健康データを有しない夕方に行われた測定の測定値を特定することができる。この補足的な健康データは、PWDが朝に低血糖値を経験している理由をHCPが決定するのを支援することができる。補足的な健康データとしては、例えば、PWDの晩御飯(例えば炭水化物摂取量)に関する情報、PWDの就寝時刻、又は対象の血糖データに対するコンテキストを提供することができる任意の他の情報を挙げることができる。
【0044】
図6A~Bを参照すると、健康管理アプリケーション12により、PWDは、補足情報を提供する際に役立つように彼(女)のパーソナル電子カレンダに記憶された情報を使用することが可能となる。特に、外部処理装置200がスマートデバイス、例えばスマートフォンである場合、健康管理アプリケーション12は、このようなデバイス上で通常利用可能なカレンダアプリケーションにアクセスすることができる。補足的な健康のログを取得する利便性を向上させるために、実施形態は、PWDが彼(女)の電子カレンダからの情報と共に血糖データを視認することを可能にする。PWDが既に慣れ親しんでいる可能性が高いカレンダプログラムを使用することが可能となるので、ログを取得した健康データを彼(女)の電子カレンダと共に視認可能にすることは、特に利便性が高い。
図6Aに示されるように、実施形態は、オーバレイとして電子カレンダ上に血糖データをグラフィック表示することができる。代替的に、
図6Bに示されるように、実施形態は、並列に血糖データを表示することができる。実施形態はまた、(例えば、テキスト及び/又は記号による)カレンダ項目の利便性の高いマークが、容易に特定され、かつ対応する血糖データ(適切な日付、及びタイムスタンプ)と対にされることを可能にし得る。例えば、カレンダ項目は、項目を血糖測定値と関連付けるためにハッシュタグによってマークされ得る。
【0045】
ある実施態様では、PWDは、カレンダアプリケーションを介して測定を行い及び/又は健康データのログを取得するように指示を受けることができる。これらのリマインダは正常なカレンダインタフェースを使用して表示され、ユーザが利便性高くリマインダを受信することが可能となる。指示は、例えば、アドヒアランスバースト指示、試験/ロギング処方指示、事後ロギング指示、又は任意の他の関連するロギング指示を含むことができる。ユーザのカレンダアプリケーションを介して指示を受けることに加えて、ある実施態様では、PWDは、健康管理アプリケーション12によって次いでアクセスされ得るカレンダアプリケーションに直接データのログを取得することができる。
【0046】
上の例では、測定装置100(例えば血糖計)が外部処理装置200(例えばスマートデバイス)に無線で(例えばBluetooth(登録商標)を介して)結合され、外部処理装置200にある健康管理アプリケーション12(例えばモバイルアプリケーション)が健康管理データのログを取得し健康管理データを記憶及び視認するために使用される、システム10が利用される。本発明の態様は外部処理装置上で実行される健康管理アプリケーション12により実施され得るが、いくつかの態様が代替的に又は追加的に独立型測定装置上で(すなわち、外部処理装置に結合されずに)実施され得ることが理解される。
【0047】
例えば、測定装置は、少なくとも1つのメモリ装置、プロセッサ、及びユーザインタフェースを含むことができる。測定装置の少なくとも1つのメモリ装置は、1つ以上の測定値及び健康管理アプリケーションのためのコンピュータ可読命令を記憶する。測定装置のメモリに記憶された健康管理アプリケーションは、(1)アドヒアランスバースト指示、(2)測定及びロギング処方、(3)事後ロギング、並びに/又は(4)電子カレンダ付きのデータ表示に従ってユーザが補足的なデータを入力することを可能にする。健康管理アプリケーションは、測定を行いこれらの特性の多様な態様に従って補足的なデータを入力するようにユーザに指示することができる。したがって、システム実施形態(処理装置及び測定装置)において上で説明された健康管理アプリケーションの機能性が、測定装置だけを有する機器において使用され得る。
【0048】
加えて、上の例は一般に糖尿病管理に関するが、本発明の態様は、他の慢性疾患及び長期処置管理用途に適用され得る。例えば、心臓モニタ及び植え込み型除細動器を有した患者のために、HCPが良好に医療装置の性能を分析し必要な調整を行うことができるように、健康管理アプリケーションは、各々の訪問前の一定期間にわたって慎重に薬物、運動、及び他の関連する情報のログを取得するように患者に指示することができる。同様に、指示が特定の患者及びそれらの臨床的状況に合わせられるように、健康管理アプリケーションはプログラムされ得る。人々には限られた期間アドヒアランスの高い時期が存在する。HCPは、アドヒアランスバースト活動に従事するよう患者に要求する能力を活かすように本発明の態様を使用することができる:例えば、
・初診のときに
・妊娠中に
・新年の抱負に
・治療中におかしな点又は普通ではない点が現れたときに
・医師予約の直前又は直後に
【0049】
本発明の態様はまた、個人の治療及びアドヒアランスプロフィールに合わせることを可能にし得る:
・自動指示
・リマインダ
・一般的なユーザインタフェースフロー
【0050】
本発明は様々な修正及び代替形式が可能であるが、具体的な実施形態及びその方法が、例として図面に示され、本明細書において詳細に説明される。しかしながら、開示された特定の形式又は方法に本発明を限定することを意図しておらず、反対に、本発明が本発明の趣旨及び範囲内にあるすべての修正物、等価物、及び代替物を網羅することを理解すべきである。