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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-19
(45)【発行日】2022-08-29
(54)【発明の名称】光学指紋モジュールおよび信号処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/13 20220101AFI20220822BHJP
   A61B 5/1172 20160101ALI20220822BHJP
【FI】
G06V40/13
A61B5/1172
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020206163
(22)【出願日】2020-12-11
(65)【公開番号】P2021190077
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2020-12-11
(31)【優先権主張番号】202010500252.6
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ゾンシェン
【審査官】村松 貴士
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0089409(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108229372(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 40/13
A61B 5/1172
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指紋認識用の光信号を収集するための指紋センサと、
色温度検出用の光信号を収集するための色温度センシングユニットと、
前記指紋センサに接続され、前記指紋センサによって収集された光信号を処理して、指紋信号を生成するための指紋信号処理回路と、
前記色温度センシングユニットに接続され、前記色温度センシングユニットによって収集された光信号を処理して、色温度信号を生成するための色温度信号処理ユニットと、
それぞれ前記指紋信号処理回路および前記色温度信号処理ユニットに接続され、前記指紋信号処理回路によって出力された指紋信号に基づいて指紋認識用の指紋情報を生成し、前記色温度信号処理ユニットによって出力された色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成するための制御ユニットと、を含む、
ことを特徴とする光学指紋モジュール。
【請求項2】
前記色温度センシングユニットは、色温度検出用の赤色光信号を収集するための赤色光センサと、色温度検出用の緑色光信号を収集するための緑色光センサと、色温度検出用の青色光信号を収集するための青色光センサと、を含み、
前記色温度信号処理ユニットは、
一端が前記赤色光センサに接続され、他端が前記制御ユニットに接続され、前記赤色光センサによって収集された赤色光信号を処理して、赤色光の色温度信号を取得する赤色光信号処理回路と、
一端が前記緑色光センサに接続され、他端が前記制御ユニットに接続され、前記緑色光センサによって収集された緑色光信号を処理して、緑色光の色温度信号を取得する緑色光信号処理回路と、
一端が前記青色光センサに接続され、他端が前記制御ユニットに接続され、前記青色光センサによって収集された青色光信号を処理して、青色光の色温度信号を取得する青色光信号処理回路と、を含み、
前記制御ユニットが前記色温度信号処理ユニットによって出力された色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成することは、前記赤色光信号処理回路によって出力された赤色光の色温度信号、緑色光信号処理回路によって出力された緑色光の色温度信号、および青色光信号処理回路によって出力された青色光の色温度信号に基づいて、環境光の色温度情報を生成するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の光学指紋モジュール。
【請求項3】
前記赤色光信号には、赤色光信号以外の他の単色光が含まれ、前記緑色光信号には、緑色光信号以外の他の単色光信号が含まれ、前記青色光信号には、青色光信号以外の他の単色光信号が含まれており、
前記制御ユニットはさらに、前記赤色光の色温度信号に含まれる、赤色光信号以外の他の単色光を処理して得られた色温度信号と、前記緑色光の色温度信号に含まれる、緑色光信号以外の他の単色光を処理して得られた色温度信号と、前記青色光の色温度信号に含まれる、青色光信号以外の他の単色光を処理して得られた色温度信号と、を消去する、
ことを特徴とする請求項2に記載の光学指紋モジュール。
【請求項4】
前記指紋信号処理回路は、順次直列接続される第1の増幅回路、第1のフィルタリング回路、及び第1のアナログ-デジタル変換回路を含み、
前記赤色光信号処理回路は、順次直列接続される第2の増幅回路、第2のフィルタリング回路、及び第2のアナログ-デジタル変換回路を含み、
前記緑色光信号処理回路は、順次直列接続される第3の増幅回路、第3のフィルタリング回路、及び第3のアナログ-デジタル変換回路を含み、
前記青色光信号処理回路は、順次直列接続される第4の増幅回路、第4のフィルタリング回路、及び第4のアナログ-デジタル変換回路を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の光学指紋モジュール。
【請求項5】
前記光学指紋モジュールには、複数の色温度センシングユニットが含まれ、前記複数の色温度センシングユニットは、前記光学指紋モジュールの異なる領域に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の光学指紋モジュール。
【請求項6】
前記色温度センシングユニットは、前記指紋センサの予め設定された距離以内に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の光学指紋モジュール。
【請求項7】
ガラスカバー層と、
センシング側が前記ガラスカバー層に面するタッチ層と、
発光側が前記タッチ層のノンセンシング側に面する表示層と、
色温度検出および指紋認識層であって、請求項1~6のいずれかに記載の光学指紋モジュールを含み、前記色温度検出および指紋認識層の入光側が前記表示層の非発光側に面する色温度検出および指紋認識層と、を含む、
ことを特徴とするタッチ表示モジュール。
【請求項8】
タッチ表示モジュールと請求項1~6のいずれかに記載の光学指紋モジュールとを含み、前記光学指紋モジュールの組立位置は前記タッチ表示モジュールに形成された指紋認識領域に対応し、または、
請求項7に記載のタッチ表示モジュールを含む、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
信号処理方法であって、電子機器に適用され、
前記電子機器は、請求項1~6のいずれかに記載の光学指紋モジュールを含み、または請求項8に記載の電子機器であり、
前記方法は、
予め定義された指紋認識条件および色温度検出条件を決定するステップと、
前記指紋認識条件が満たされる場合、前記光学指紋モジュール内の指紋センサによって指紋認識用の光信号を収集し、指紋信号処理回路によって出力された指紋信号に基づいて指紋認識用の指紋情報を生成するように、前記指紋センサによって収集された光信号を前記光学指紋モジュール内の前記指紋信号処理回路に入力するステップと、
前記色温度検出条件が満たされる場合、前記光学指紋モジュール内の色温度センシングユニットによって色温度検出用の光信号を収集し、色温度信号処理ユニットによって出力された色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成するように、前記色温度センシングユニットによって収集された光信号を前記光学指紋モジュール内の前記色温度信号処理ユニットに入力するステップと、を含む、
ことを特徴とする信号処理方法。
【請求項10】
前記電子機器のタッチ表示モジュールに形成された指紋認識領域においてタッチイベントが検出されたか否かを判断するステップをさらに含み、
前記指紋認識条件は、前記指紋認識領域に発生されたタッチイベントが検出されたことを含み、
前記色温度検出条件は、前記指紋認識領域がタッチされていない場合、満たされると決定されることを含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の信号処理方法。
【請求項11】
前記指紋認識条件は、前記指紋認識領域に発生されたタッチイベントが検出された場合、前記タッチイベントに対応する押圧力が予め設定された圧力閾値以上であると決定されることをさらに含み、
前記色温度検出条件は、予め設定された期間を超えても前記指紋認識領域がタッチされていない場合、満たされると決定されることをさらに含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の信号処理方法。
【請求項12】
前記色温度検出条件および前記指紋認識条件のうちのいずれか一方が満たされていない場合、他方は満たされる場合にあると決定される、
ことを特徴とする請求項10に記載の信号処理方法。
【請求項13】
前記色温度検出条件と前記指紋認識条件とは互いに独立する、
ことを特徴とする請求項10に記載の信号処理方法。
【請求項14】
色温度検出方法であって、電子機器に適用され、
前記電子機器は、請求項1~6のいずれかに記載の光学指紋モジュールを含み、または請求項8に記載の電子機器であり、
前記方法は、
前記光学指紋モジュール内の色温度信号処理ユニットが前記光学指紋モジュール内の色温度センシングユニットによって収集された光信号を処理して得られた色温度信号を取得するステップと、
前記電子機器の光学指紋モジュール上の前記色温度センシングユニットの位置に対応する光干渉領域を取得するステップと、
補正された色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成するように、前記光干渉領域からのスクリーン光信号に基づいて前記色温度信号を補正するステップと、を含む、
ことを特徴とする色温度検出方法。
【請求項15】
前記光学指紋モジュール内の色温度信号処理ユニットが前記光学指紋モジュール内の色温度センシングユニットによって収集された光信号を処理して得られた色温度信号を取得するステップは、前記色温度信号処理ユニット内の赤色光信号処理回路が前記色温度センシングユニット内の赤色光センサによって収集された赤色光信号を処理して得られた赤色光の色温度信号と、前記色温度信号処理ユニット内の緑色光信号処理回路が前記色温度センシングユニット内の緑色光センサによって収集された緑色光信号を処理して得られた緑色光の色温度信号と、前記色温度信号処理ユニット内の青色光信号処理回路が前記色温度センシングユニット内の青色光センサによって収集された青色光信号を処理して得られた青色光の色温度信号と、を取得するステップを含み、
前記電子機器の光学指紋モジュール上の前記色温度センシングユニットに対応する位置のスクリーン光信号を取得するステップは、前記色温度センシングユニット内の赤色光センサの位置に対応する前記光学指紋モジュール上の赤色光干渉領域を取得するステップと、前記色温度センシングユニット内の緑色光センサの位置に対応する前記光学指紋モジュール上の緑色光干渉領域を取得するステップと、前記色温度センシングユニット内の青色光センサの位置に対応する前記光学指紋モジュール上の青色光干渉領域を取得するステップと、を含み、
前記光干渉領域からのスクリーン光信号に基づいて前記色温度信号を補正するステップは、前記赤色光干渉領域に対応するスクリーン光信号に基づいて前記赤色光の色温度信号を処理して、補正された赤色光の色温度信号を取得するステップと、前記緑色光干渉領域に対応するスクリーン光信号に基づいて前記緑色光の色温度信号を処理して、補正された緑色光の色温度信号を取得するステップと、前記青色光干渉領域に対応するスクリーン光信号に基づいて前記青色光の色温度信号を処理して、補正された青色光の色温度信号を取得するステップと、を含み、
補正された色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成するステップは、補正された赤色光の色温度信号、補正された緑色光の色温度信号、および補正された青色光の色温度信号に基づいて、環境光の色温度情報を生成するステップを含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の色温度検出方法。
【請求項16】
前記赤色光干渉領域に対応するスクリーン光信号に基づいて前記赤色光の色温度信号を処理するステップは、前記赤色光干渉領域に対応するスクリーン光信号に含まれる赤色光成分、緑色光成分、青色光成分を決定するステップと、前記赤色光の色温度信号に対する前記赤色光成分の第1の干渉係数、前記赤色光の色温度信号に対する前記緑色光成分の第2の干渉係数、および前記赤色光の色温度信号に対応する前記青色光成分の第3の干渉係数を取得するステップと、前記赤色光成分と前記第1の干渉係数、前記緑色光成分と前記第2の干渉係数、および前記青色光成分と第3の干渉係数に基づいて前記赤色光の色温度信号を補正するステップと、を含み、
前記緑色光干渉領域に対応するスクリーン光信号に基づいて前記緑色光の色温度信号を処理するステップは、前記緑色光干渉領域に対応するスクリーン光信号に含まれる赤色光成分、緑色光成分、青色光成分を決定するステップと、前記緑色光の色温度信号に対する前記赤色光成分の第4の干渉係数、前記緑色光の色温度信号に対応する前記緑色光成分の第5の干渉係数、および前記緑色光の色温度信号に対する前記青色光成分の第6の干渉係数を取得するステップと、前記赤色光成分と前記第4の干渉係数、前記緑色光成分と前記第5の干渉係数、および前記青色光成分と第6の干渉係数に基づいて前記緑色光の色温度信号を補正するステップと、を含み、
前記青色光干渉領域に対応するスクリーン光信号に基づいて前記青色光の色温度信号を処理するステップは、前記青色光干渉領域に対応するスクリーン光信号に含まれる赤色光成分、緑色光成分、青色光成分を決定するステップと、前記青色光の色温度信号に対する前記赤色光成分の第7の干渉係数、前記青色光の色温度信号に対する前記緑色光成分の第8の干渉係数、および前記青色光の色温度信号に対する前記青色光成分の第9の干渉係数を取得するステップと、前記赤色光成分と前記第7の干渉係数、前記緑色光成分と前記第8の干渉係数、および前記青色光成分と第9の干渉係数に基づいて前記青色光の色温度信号を補正するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の色温度検出方法。
【請求項17】
信号処理装置であって、電子機器に適用され、
前記電子機器は、請求項1~6のいずれかに記載の光学指紋モジュールを含み、または請求項8に記載の電子機器であり、
前記装置は、
予め定義された指紋認識条件および色温度検出条件を決定する決定ユニットと、
前記指紋認識条件が満たされる場合、前記光学指紋モジュール内の指紋センサによって指紋認識用の光信号を収集し、指紋信号処理回路によって出力された指紋信号に基づいて指紋認識用の指紋情報を生成するように、前記指紋センサによって収集された光信号を前記光学指紋モジュール内の前記指紋信号処理回路に入力する第1の生成ユニットと、
前記色温度検出条件が満たされる場合、前記光学指紋モジュール内の色温度センシングユニットによって色温度検出用の光信号を収集し、色温度信号処理ユニットによって出力された色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成するように、前記色温度センシングユニットによって収集された光信号を前記光学指紋モジュール内の前記色温度信号処理ユニットに入力する第2の生成ユニットと、を含む、
ことを特徴とする信号処理装置。
【請求項18】
色温度検出装置であって、電子機器に適用され、
前記電子機器は、請求項1~6のいずれかに記載の光学指紋モジュールを含み、または請求項8に記載の電子機器であり、
前記装置は、
前記光学指紋モジュール内の色温度信号処理ユニットが前記光学指紋モジュール内の色温度センシングユニットによって収集された光信号を処理して得られた色温度信号を取得する第1の取得ユニットと、
前記電子機器の光学指紋モジュール上の前記色温度センシングユニットの位置に対応する光干渉領域を取得する第2の取得ユニットと、
補正された色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成するように、前記光干渉領域からのスクリーン光信号に基づいて前記色温度信号を補正する情報生成ユニットと、を含む、
ことを特徴とする色温度検出装置。
【請求項19】
プロセッサと、
プロセッサによって実行可能な命令を記憶するためのメモリと、を含み、
前記プロセッサは、請求項9~16のいずれかに記載の方法を実現するように、前記実行可能な命令を実行するように構成される、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項20】
コンピュータ命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
該命令がプロセッサによって実行される場合、請求項9~16のいずれかに記載の方法のステップを実現する、
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は通信分野に関し、特に光学指紋モジュールおよび信号処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
より良い視覚体験をユーザに提供するために、製造業者は、ユーザが位置する環境の光線の色温度をリアルタイムに検出して、スクリーンの色温度を調整するように、携帯電話、タブレットなどの電子機器に色温度センサを追加する。
【0003】
関連技術において、色温度センサは一般的にディスプレイの上方に配置され、機器のレイアウトスペースをある程度占めている。フルスクリーン時代の到来とともに、色温度センサを単独で配置することがレイアウトスペースを占め、画面占有率に影響を与えるという課題が日増しに顕著となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この点を鑑みて、本開示は、色温度検出および指紋認識の機能を併せ持つ光学指紋モジュールを提供することによって、色温度センサを単独で配置することによってスクリーンのスペースが余分に占められるという課題を回避する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本開示は以下の技術案を提供する。
【0006】
本開示の第1態様によれば、光学指紋モジュールを提供し、光学指紋モジュールは、指紋認識用の光信号を収集するための指紋センサと、色温度検出用の光信号を収集するための色温度センシングユニットと、前記指紋センサに接続され、前記指紋センサによって収集された光信号を処理して、指紋信号を生成するための指紋信号処理回路と、前記色温度センシングユニットに接続され、前記色温度センシングユニットによって収集された光信号を処理して、色温度信号を生成するための色温度信号処理ユニットと、それぞれ前記指紋信号処理回路および前記色温度信号処理ユニットに接続され、前記指紋信号処理回路によって出力された指紋信号に基づいて指紋認識用の指紋情報を生成し、前記色温度信号処理ユニットによって出力された色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成するための制御ユニットと、を含む。
【0007】
本開示の第2態様によれば、タッチ表示モジュールを提供し、タッチ表示モジュールは、ガラスカバー層と、センシング側が前記ガラスカバー層に面するタッチ層と、発光側が前記タッチ層のノンセンシング側に面する表示層と、色温度検出および指紋認識層であって、第1態様に記載の光学指紋モジュールを含み、前記色温度検出および指紋認識層の入光側が前記表示層の非発光側に面する色温度検出および指紋認識層と、を含む。
【0008】
本開示の第3態様によれば、電子機器を提供し、電子機器は、タッチ表示モジュールおよび第1の方面に記載の光学指紋モジュールを含み、前記光学指紋モジュールの組立位置が前記タッチ表示モジュールに形成された指紋認識領域に対応し、または、第2態様に記載のタッチ表示モジュールを含む。
【0009】
本開示の第4態様によれば、電子機器に適用される信号処理方法を提供し、前記電子機器は、第1態様に記載の光学指紋モジュールを含み、または第3態様に記載の電子機器であり、前記方法は、予め定義された指紋認識条件および色温度検出条件を決定するステップと、前記指紋認識条件が満たされる場合、前記光学指紋モジュール内の指紋センサによって指紋認識用の光信号を収集し、指紋信号処理回路によって出力された指紋信号に基づいて指紋認識用の指紋情報を生成するように、前記指紋センサによって収集された光信号を前記光学指紋モジュール内の前記指紋信号処理回路に入力するステップと、前記色温度検出条件が満たされる場合、前記光学指紋モジュール内の色温度センシングユニットによって色温度検出用の光信号を収集し、色温度信号処理ユニットによって出力された色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成するように、前記色温度センシングユニットによって収集された光信号を前記光学指紋モジュール内の前記色温度信号処理ユニットに入力するステップと、を含む。
【0010】
本開示の第5態様によれば、電子機器に適用される色温度検出方法を提供し、前記電子機器は、第1態様に記載の光学指紋モジュールを含み、または第3態様に記載の電子機器であり、前記方法は、前記光学指紋モジュール内の色温度信号処理ユニットが前記光学指紋モジュール内の色温度センシングユニットによって収集された光信号を処理して得られた色温度信号を取得するステップと、前記電子機器の光学指紋モジュール上の前記色温度センシングユニットの位置に対応する光干渉領域を取得するステップと、補正された色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成するように、前記光干渉領域からのスクリーン光信号に基づいて前記色温度信号を補正するステップと、を含む。
【0011】
本開示の第6態様によれば、電子機器に適用される信号処理装置を提供し、前記電子機器は、第1態様に記載の光学指紋モジュールを含み、または第3態様に記載の電子機器であり、前記装置は、予め定義された指紋認識条件および色温度検出条件を決定する決定ユニットと、前記指紋認識条件が満たされる場合、前記光学指紋モジュール内の指紋センサによって指紋認識用の光信号を収集し、指紋信号処理回路によって出力された指紋信号に基づいて指紋認識用の指紋情報を生成するように、前記指紋センサによって収集された光信号を前記光学指紋モジュール内の前記指紋信号処理回路に入力する第1の生成ユニットと、前記色温度検出条件が満たされる場合、前記光学指紋モジュール内の色温度センシングユニットによって色温度検出用の光信号を収集し、色温度信号処理ユニットによって出力された色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成するように、前記色温度センシングユニットによって収集された光信号を前記光学指紋モジュール内の前記色温度信号処理ユニットに入力する第2の生成ユニットと、を含む。
【0012】
本開示の第7態様によれば、電子機器に適用される色温度検出装置を提供し、前記電子機器は、第1態様に記載の光学指紋モジュールを含み、または第3態様に記載の電子機器であり、前記装置は、前記光学指紋モジュール内の色温度信号処理ユニットが前記光学指紋モジュール内の色温度センシングユニットによって収集された光信号を処理して得られた色温度信号を取得する第1の取得ユニットと、前記電子機器の光学指紋モジュール上の前記色温度センシングユニットの位置に対応する光干渉領域を取得する第2の取得ユニットと、補正された色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成するように、前記光干渉領域からのスクリーン光信号に基づいて前記色温度信号を補正する情報生成ユニットと、を含む。
【0013】
本開示の第8態様によれば、電子機器を提供し、電子機器は、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を記憶するためのメモリと、を含み、前記プロセッサは前記実行可能な命令を実行することによって第4態様または第5態様に記載の方法を実現する。
【0014】
本開示の第9態様によれば、コンピュータ命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、該命令がプロセッサによって実行される場合、第4態様または第5態様に記載の方法のステップを実現する。
【発明の効果】
【0015】
本開示の技術案において、指紋センサおよび色温度センシングユニットが集積された光学指紋モジュールが提供され、これを電子機器に適用され、色温度検出および指紋認識の機能を併せ持つことにより、電子機器に色温度センサを単独で配置する必要がなく、画面占有率を向上させ、電子機器の表示効果を最適化する。
【0016】
さらに、色温度センサを単独で配置する必要がないため、電子機器において他の部品を配置するためのスペースを増やし、光学指紋モジュールの配置をより柔軟なものとし、開発プロセスにおいて部品を配列する難しさを低下させ、すなわち開発コストを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
ここでの図面は明細書に組み込まれて本明細書の一部となり、本開示に一致する実施例を示しながら、明細書とともに本開示の原理を説明することに用いられる。
【0018】
図1】本開示の例示的な一実施例によって示される色温度センサが単独で配置されるスマートフォンの概略図である。
図2】本開示の例示的な一実施例によって示される光学指紋モジュールの概略図である。
図3】本開示の例示的な一実施例によって示される光学指紋モジュールの論理概略図である。
図4】本開示の例示的な一実施例によって示されるタッチ表示モジュールの概略図である。
図5】本開示の例示的な一実施例によって示される光学指紋モジュールが組み立てられた電子機器の構造概略図である。
図6】本開示の例示的な一実施例によって示される信号処理方法のフローチャートである。
図7】本開示の例示的な一実施例によって示される色温度検出方法のフローチャートである。
図8】本開示の例示的な一実施例によって示される信号処理装置のブロック図である。
図9】本開示の例示的な一実施例によって示される他の信号処理装置のブロック図である。
図10】本開示の例示的な一実施例によって示される色温度検出装置のブロック図である。
図11】例示的な一実施例によって示される信号処理/色温度検出方法を実現するための装置1100に係るブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、例示的な実施例を説明し、その例は図面に示されている。以下の説明は図面に係る場合、特に明記されていない限り、異なる図面における同じ数字は同じまたは類似する要素を表す。以下の例示的な実施例において説明される実施形態は本開示と一致するすべての実施形態を表すものではない。むしろ、添付の特許請求の範囲において詳述された、本開示の一部の態様と一致する装置および方法の例に過ぎない。
【0020】
本開示において用いられる用語は特定の実施例を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではない。本開示および添付の特許請求の範囲において用いられる単数形の「一種」、「前記」および「該」は、前文と後文が他の意味を明確に示していない限り、複数形を表すことも意図している。なお、本明細書において用いられる「および/または」という用語は、列挙された1つまたは複数の関連項目の任意または全部の可能な組み合わせを指すとともにそれらを含むことを理解されたい。
【0021】
なお、本開示は第1、第2、第3などの用語を用いて様々な情報を説明する可能性があり、しかしこれらの情報はこれらの用語に限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は同じ種類の情報を互いに区別するだけに用いられる。例えば、本開示の範囲を逸脱しない限り、第1の情報は第2の情報と呼ばれてもよく、同様に、第2の情報もまた第1の情報と呼ばれても良い。言葉の話されている状況に応じて、本明細書で使用される「もし」という用語は、「……場合」または「……時」あるいは「決定することに応答する」として解釈することができる。
【0022】
電子機器の表示効果を向上させるために、技術者は電子機器の外表面に色温度センサを配置することにより、電子機器が環境光の変化をリアルタイムに検出することができ、スクリーンの色温度を適応的に調整する。
【0023】
関連技術において、通常、色温度センサは単独で電子機器のタッチ表示モジュール(タッチスクリーンとも呼ばれる)の外に配置される。図1に示すスマートフォンを例として挙げると、スマートフォンの正面にタッチ表示モジュール11、色温度センサ12などが取り付けられている。該スマートフォンにおいて、色温度センサ12を配置するための領域が専門的に空けられている。色温度センサを単独で配置することが該スマートフォンの外観に影響しただけではなく、該スマートフォンの画面占有率を低下させることは容易に分かることができる。
【0024】
色温度センサ以外にも、機器の安全性を確保するために、関連技術は、図1に示す指紋認識領域13を該タッチ表示モジュールに形成するように、タッチ表示モジュールの下方に幾つかの画面下指紋センサが規則的に分布されている。
【0025】
この点に鑑みて、本開示は、色温度センサの配置がレイアウトスペースを占めるという課題を回避するように、光学指紋モジュールを提供する。
【0026】
図2は、本開示の例示的な一実施例によって示される光学指紋モジュールの概略図である。図2に示すように、該光学指紋モジュールは、指紋センサ211、色温度センシングユニット212、指紋信号処理回路221、色温度信号処理ユニット222および制御ユニット23を含んでも良い。
【0027】
指紋センサ211は、指紋認識用の光信号を収集する。
【0028】
色温度センシングユニット212は、色温度検出用の光信号を収集する。
【0029】
指紋信号処理回路221は、前記指紋センサに接続され、前記指紋センサによって収集された光信号を処理して、指紋信号を生成する。
【0030】
色温度信号処理ユニット222は、前記色温度センシングユニットに接続され、前記色温度センシングユニットによって収集された光信号を処理して、色温度信号を生成する。
【0031】
制御ユニット23は、それぞれ前記指紋信号処理回路および前記色温度信号処理ユニットに接続され、前記指紋信号処理回路によって出力された指紋信号に基づいて指紋認識用の指紋情報を生成し、前記色温度信号処理ユニットによって出力された色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成する。
【0032】
本開示において、色温度センシングユニット212および色温度信号処理ユニット222は、色温度検出用の光信号に対する収集および処理を実現できる限り、複数の構造を有しても良い。本開示はこれについて限定しない。
【0033】
なお、色温度は光線における色成分を表す計量単位として、通常、複合光(自然光ともいう)に基づいて直接検出できず、それぞれ三原色を収集して、収集された三原色に基づいて光線の色温度の値を取得する。
【0034】
そのため、一実施例では、色温度センシングユニット212は、赤色光センサ2121、緑色光センサ2122および青色光センサ2123を含んでも良い。それに対応して、異なる単色光センサによって収集された光信号を処理するために、色温度信号処理回路は、赤色光信号処理回路2221、緑色光信号処理回路2222、青色光信号処理回路2223を含んでも良い。具体的に、図3に示すものを参照することができる。この場合、赤色光センサ2121は、色温度検出用の赤色光信号を収集し、緑色光センサ2122は、色温度検出用の緑色光信号を収集し、青色光センサ2123は、色温度検出用の青色光信号を収集する。赤色光信号処理回路2221は、一端が赤色光センサ2121に接続され、他端が制御ユニット23に接続され、赤色光センサ2121によって収集された赤色光信号を処理して、赤色光の色温度信号を取得する。緑色光信号処理回路2222は、一端が緑色光センサ2122に接続され、他端が制御ユニット23に接続され、緑色光センサ2122によって収集された緑色光信号を処理して、緑色光の色温度信号を取得する。青色光信号処理回路2223は、一端が青色光センサ2123に接続され、他端が制御ユニット23に接続され、青色光センサ2123によって収集された青色光信号を処理して、青色光の色温度信号を取得する。制御ユニット23は、赤色光信号処理回路2221によって出力された赤色光の色温度信号、緑色光信号処理回路2222によって出力された緑色光の色温度信号、および青色光信号処理回路2223によって出力された青色光の色温度信号に基づいて、環境光の色温度情報を生成する。本実施例において、異なるセンサによってそれぞれ三種類の単色光を収集して、異なる信号処理回路によって処理することによって、本実施例による単色光への処理がより正確になり、最後に取得された色温度の正確度を向上させる。
【0035】
実際に収集するプロセスにおいて、赤色光センサによって収集された赤色光信号は純粋な赤色光ではなく、赤色光信号以外の少量の他の単色光、例えば緑色光や青色光も混じっている。同様に、緑色光センサによって収集された緑色光信号には、緑色光以外の他の単色光、例えば赤色光や青色光が含まれ、青色光センサによって収集された青色光信号には、青色光以外の他の単色光、例えば赤色光や緑色光が含まれている。そのため、色温度検出の正確度を向上させるために、収集された単色光中の不純物を除去するプロセスを含んでも良い。具体的に、制御ユニット23は、さらに、赤色光の色温度信号に含まれる、赤色光信号以外の他の単色光を処理して得られた色温度信号と、前記緑色光の色温度信号に含まれる、緑色光信号以外の他の単色光を処理して得られた色温度信号と、前記青色光の色温度信号に含まれる、青色光信号以外の他の単色光を処理して得られた色温度信号と、を消去する。
【0036】
本開示において、指紋信号処理回路、赤色光信号処理回路、緑色光信号処理回路および青色光信号処理回路は、いずれも順次直列接続される増幅回路、フィルタリング回路およびアナログ-デジタル変換回路で構成される。図3に示すように、指紋信号処理回路221は、順次直列接続される第1の増幅回路、第1のフィルタリング回路、第1のアナログ-デジタル変換回路を含み、赤色光信号処理回路2221は、順次直列接続される第2の増幅回路、第2のフィルタリング回路、第2のアナログ-デジタル変換回路を含み、緑色光信号処理回路2222は、順次直列接続される第3の増幅回路、第3のフィルタリング回路、第3のアナログ-デジタル変換回路を含み、青色光信号処理回路2223は、順次直列接続される第4の増幅回路、第4のフィルタリング回路、第4のアナログ-デジタル変換回路を含む。
【0037】
上記直列接続される増幅回路、フィルタリング回路およびアナログ-デジタル変換回路は整流回路として見なすことができ、収集された光信号にクラッタが存在し、信号が微弱であるなどの課題を効果的に解決することができる。
【0038】
本開示において、光学指紋モジュールは複数の色温度センシングユニットを含んでもよく、該複数の色温度センシングユニットは光学指紋モジュールの異なる領域内に配置される。この場合、光学指紋モジュールの異なる物理的位置に複数の色温度センシングユニットを配置することに相当し、これによって光学指紋モジュールは異なる物理的位置の複数の色温度信号を収集することができ、これに基づいて、複数の物理的位置で取得された色温度信号を統合して、偶発的な要因による光強度検出への干渉を低減し、最終的に取得された環境光の色温度情報をより正確にする。また、実際の状況では、電子機器のスクリーンは表示の要件に基づいて異なる光線を放出して、ある程度光線の収集に干渉し、複数の信号を統合する上記方式はスクリーンにおける複数の物理的位置の光信号を総合的に処理することによって、該方法はスクリーンの光線による色温度検出への干渉をある程度低減することができる。上記統合方式は当業者が実際の必要に応じて決定することができ、例えば、加重平均アルゴリズムによって光強度信号を処理することができ、本開示ではこれを限定しない。
【0039】
さらに、光学指紋モジュールの集積度を確保するために、色温度センシングユニットを指紋センサの予め設定された距離以内に配置することができ、色温度センシングユニットと指紋センサとの間の物理的位置を近接させ、色温度センシングユニットと指紋センサとが同じ領域に配置されるのを確保し、単独で色温度センサを配置する状況を回避する。このほか、実際の適用では、通常、複数の指紋センサを配置しなければ指紋認識の操作を完成させることができないため、色温度センサを複数の指紋センサの間に配置するか、または色温度センサを複数の指紋センサによって形成された指紋認識領域の周囲に配置してもよい。色温度センサを具体的にどのように配置するかは当業者が実際の状況に応じて決定し、ここで限定しない。
【0040】
本開示における制御ユニットは、MCU(Microcontroller Unit、マイクロコントローラユニット)、DSP(digital signal processor、デジタルシグナルプロセッサ)、CPU(central processing unit、セントラルプロセッシングユニット)であってもよい。無論、この例は単なる例示に過ぎない。なお、色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成できかつ指紋信号に基づいて指紋認識用の指紋情報を生成できるハードウェアは、いずれも上記制御ユニットとすることができ、本開示では限定しないことを理解されたい。
【0041】
上記技術案から分かるように、本開示が提供した光学指紋モジュールは、色温度検出および指紋認識の機能を併せ持つことによって、該モジュールを電子機器に適用する場合、色温度センサおよび指紋センサを単独で配置する必要がなく、色温度センサを単独で配置する必要があるため画面占有率が低下するという関連技術における課題を回避する。
【0042】
また、上記光学指紋モジュールによって、色温度センサを単独で配置する必要がないため、電子機器のマザーボード上の色温度センサが占める空間を減少させ、開発者がマザーボードにおいて各部品の位置をより柔軟に配置することができ、開発の難しさを低減する。
【0043】
さらに、本開示は、まず複数の単色光信号を取得し、次に複数の単色光信号を統合するという方式を用いて環境光の色温度情報を取得する。三原色に対応する単色光をそれぞれ処理することによって、光線に対する処理がより細かく、最終的に取得された環境光の色温度情報がより正確であり、すなわち色温度検出の正確度を向上させた。
【0044】
図4は、本開示の例示的な一実施例によって示されるタッチ表示モジュールの概略図である。図4に示すように、該タッチ表示モジュールは、ガラスカバー層41と、センシング側が前記ガラスカバー層に面するタッチ層42と、発光側が前記タッチ層のノンセンシング側に面する表示層43と、色温度検出および指紋認識層44であって、前文に記載の光学指紋モジュールを含み、前記色温度検出および指紋認識層の入光側が前記表示層の非発光側に面する色温度検出および指紋認識層44と、を含む。
【0045】
本実施例において、ガラスカバー層41は、タッチ表示モジュールを保護するために、透明なガラス材質を用いる。タッチ層42のセンシング側はユーザがタッチした位置に基づいて、対応するタッチ信号を生成することができ、タッチ信号の生成方式は、静電容量方式タッチスクリーンのセンシング方式または抵抗膜方式タッチスクリーンのセンシング方式を用いることができ、ここで限定しない。表示層43は発光層とも呼ばれ、制御信号に基づいて対応する画面を表示することができる。色温度検出および指紋認識層44は、前文に記載の光学指紋モジュールを含む。
【0046】
上記タッチ表示モジュールから分かるように、該タッチ表示モジュールの色温度検出および指紋認識層には、前文に記載の光学指紋モジュールが含まれる。これから分かるように、色温度検出および指紋認識のプロセスが両方ともタッチ表示モジュールにおいて行われるため、該タッチ表示モジュールを用いる電子機器は色温度センサを単独で配置する必要がなく、タッチ表示モジュールの外に色温度センサを単独で配置する電子機器と比べて、より高い画面占有率を有する。
【0047】
図5は、本開示の例示的な一実施例によって示される電子機器である。図5に示すように、該電子機器は、タッチ表示モジュール51および前文に記載の光学指紋モジュール52を含み、前記光学指紋モジュールの組立位置は前記タッチ表示モジュールに形成された指紋認識領域53に対応し、または、図4に記載のタッチ表示モジュールを含む。
【0048】
本実施例において、ユーザは、該電子機器が指紋認識の操作を実行するように、指紋認識領域53を指でタッチすることができる。
【0049】
実際の操作では、ユーザの指紋を正確に検出するために、光学指紋モジュール52に複数の指紋センサが規則的に分布され、光学指紋モジュール内の色温度センシングユニットは複数の指紋センサの間に配置することができる。この場合、関連技術におけるレイアウト方式と比べて、センサから離れる位置をタッチ表示モジュールの外からタッチ表示モジュールの指紋認識領域内に移動し、色温度センサを単独で配置することを回避する。
【0050】
本実施例に示される電子機器が、前文に記載の光学指紋モジュールを指紋認識領域に対応する位置に組み立てることから分かるように、指紋センサまたは色温度センサはいずれもタッチ表示モジュール内に配置され、色温度センサを単独で配置することによって画面占有率が低下するという課題を回避する。
【0051】
図6は、本開示の例示的な一実施例によって示される信号処理方法のフローチャートであり、電子機器に適用される。前記電子機器は、前文に記載の光学指紋モジュールを含み、または前文に記載の電子機器であり、該方法は以下のステップを含んでもよい。
【0052】
ステップ602において、予め定義された指紋認識条件および色温度検出条件を決定する。
【0053】
本実施例において、図2または3に記載の光学指紋モジュールを用いることができる。本実施例の電子機器が上記の電子機器である場合、光学指紋モジュールの組立位置がタッチ表示モジュール内の指紋認識領域に対応することにより、指紋認識用の光信号と色温度検出用の光信号とはいずれもタッチ表示モジュールによって収集され、単独で配置される光強度信号によって画面占有率が低下するという課題を回避する。
【0054】
本実施例において、対応するセンサによって光信号を収集して、対応する信号処理回路で処理するように、予め定義された色温度検出条件および指紋認識条件に基づいて、現在実行する必要があるのが色温度検出操作であるか、または指紋認識操作であるかを判断することができる。
【0055】
ステップ604Aにおいて、前記指紋認識条件が満たされる場合、前記光学指紋モジュール内の指紋センサによって指紋認識用の光信号を収集し、前記指紋信号処理回路によって出力された指紋信号に基づいて指紋認識用の指紋情報を生成するように、前記指紋センサによって収集された光信号を前記光学指紋モジュール内の指紋信号処理回路に入力する。
【0056】
ステップ604Bにおいて、前記色温度検出条件が満たされる場合、前記光学指紋モジュール内の色温度センシングユニットによって色温度検出用の光信号を収集し、前記色温度信号処理ユニットによって出力された色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成するように、前記色温度センシングユニットによって収集された光信号を前記光学指紋モジュール内の色温度信号処理ユニットに入力する。
【0057】
実際の適用では、ユーザの指が指紋認識領域をタッチする場合は、通常、指紋認識をしてロック解除、支払いなどの操作を完成させるためであり、ユーザが指紋認識領域にタッチしていない場合、通常、指紋認識の操作を行う必要がなく、電子機器が環境光を収集して適応的に調整することが必要とされている。そのため、電子機器のタッチ表示モジュールに形成された指紋認識領域においてタッチイベントが検出されたか否かを判断することによって、光強度信号または指紋信号のどちらかを生成するかを決定することができる。この場合、前記指紋認識領域で発生されたタッチイベントが検出されると、指紋認識の条件が満たされると決定される。指紋検出領域がタッチされていない場合、色温度検出条件が満たされる。この場合、指紋認識領域がタッチされていない限り、電子機器は常に色温度検出を行っている。
【0058】
しかしながら、実際には、誤タッチなどの状況が避けられない。そのため、上記指紋認識条件を前提として、すなわち前記指紋認識領域で発生されたタッチイベントが検出された場合、前記タッチイベントに対応する押圧力が予め設定された圧力閾値以上であるか否かをさらに判断することができ、該押圧力が予め設定された圧力閾値以上である場合、指紋認識条件が満たされると決定する。上記色温度検出条件を前提として、指紋認識領域がタッチされていない時間が予め設定された期間を超えているか否かをさらに判断することができ、指紋認識領域がタッチされていない時間が予め設定された期間を超えている場合、該色温度検出条件が満たされると決定する。
【0059】
さらに、色温度検出条件および指紋認識条件を他の方式で設定することができ、例えば、電子機器が有効にしている機能に基づいて設定することができる。具体的には、色温度検出条件を、電子機器の色温度検出機能が有効にされている場合に満たされるように設定することができ、指紋認識条件を、電子機器の指紋決済機能が有効にされている場合に満たされるように設定することができる。無論、この例は例示的なものに過ぎず、当業者は実際の必要に応じて異なる色温度検出条件および指紋認識条件を設定することができ、本開示はこれを限定しない。
【0060】
上記内容から分かるように、特定の場合では、色温度検出条件および指紋認識条件はいずれか一方が満たされていない場合に、他方が満たされている場合にあると決定される。別の場合では、色温度検出および指紋認識条件は互いに独立する。
【0061】
上記技術案から分かるように、上記光学指紋モジュールが組立られる電子機器によって、色温度信号および指紋信号を生成するための光信号はいずれもタッチ表示モジュールに配置される光学指紋モジュールによって収集され、色温度センサを単独で配置する必要があるためレイアウトスペースが占められるという関連技術における課題が回避される。
【0062】
さらに、本開示は、指紋認識領域がタッチされたか否かを判断することによって、現在収集された光信号が指紋認識または色温度検出のどちらかに用いられるかを決定する。なお、ユーザが指紋認識領域をタッチする場合は、ロック解除、支払いなどの必要が存在することを意味し、ユーザが指紋認識領域をタッチしていない場合は、電子機器が環境光の変化に応じて、表示画面の輝度と色彩を調整する必要があることを意味することを理解されたい。以上から、本開示の技術案はユーザの実際の需要に応じて、色温度検出または指紋認識のステップを実行することができ、より良い使用体験をユーザに提供する。
【0063】
図7は、本開示の例示的な一実施例によって示される色温度検出方法のフローチャートであり、電子機器に適用される。前記電子機器は前文に記載の光学指紋モジュールを含み、または、前記電子機器は前文に記載の電子機器であり、該方法は以下のステップを含んでも良い。
【0064】
ステップ702において、前記光学指紋モジュール内の色温度信号処理ユニットが前記光学指紋モジュール内の色温度センシングユニットによって収集された光信号を処理して得られた色温度信号を取得する。
【0065】
実際の適用では、色温度検出は、通常、異なる単色光信号をそれぞれ収集して、さらに統合して環境光の色温度信号を得るために、赤色光センサ、緑色光センサおよび青色光センサを必要としている。そのため、光学指紋モジュール内の色温度信号処理ユニットが前記光学指紋モジュール内の色温度センシングユニットによって収集された光信号を処理して得られた色温度信号を取得するステップは、色温度信号処理ユニット内の赤色光信号処理回路が色温度センシングユニット内の赤色光センサによって収集された赤色光信号を処理して得られた赤色光の色温度信号と、色温度信号処理ユニット内の緑色光信号処理回路が色温度センシングユニット内の緑色光センサによって収集された緑色光信号を処理して得られた緑色光の色温度信号と、色温度信号処理ユニット内の青色光信号処理回路が色温度センシングユニット内の青色光センサによって収集された青色光信号を処理して得られた青色光の色温度信号と、を取得するステップを含む。
【0066】
ステップ704において、前記電子機器の光学指紋モジュール上の前記色温度センシングユニットの位置に対応する光干渉領域を取得する。
【0067】
実際の適用では、スクリーンが異なる色の光線を放出するため、センサが環境光を収集するプロセスに干渉する。言い換えると、センサがタッチ表示モジュール内に配置される場合、受けた光線は実際に環境光とスクリーン光との混合光である。そのため、色温度検出の正確度を向上させるために、スクリーン光による干渉をなくす必要がある。
【0068】
実際の操作において赤色光センサ、緑色光センサおよび青色光センサが含まれる場合が一般的であるため、異なるセンサに対応する光干渉領域を取得する必要がある。上記の色温度センシングユニットの位置に対応する光干渉領域を取得するステップは、色温度センシングユニット内の赤色光センサの位置に対応する光学指紋モジュール上の赤色光干渉領域を取得するステップと、色温度センシングユニット内の緑色光センサの位置に対応する光学指紋モジュール上の緑色光干渉領域を取得するステップと、色温度センシングユニット内の青色光センサの位置に対応する光学指紋モジュール上の青色光干渉領域を取得するステップと、を含んでも良い。
【0069】
ステップ706において、補正された色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成するように、前記光干渉領域からのスクリーン光信号に基づいて前記色温度信号を補正する。
【0070】
各単色光干渉領域を取得した場合、各単色光干渉領域に基づいて、収集された各単色光の色温度信号を補正することができ、色温度検出の正確度を向上させるという目的を達成する。具体的に、補正のステップは、赤色光干渉領域(R干渉領域)に対応するスクリーン光信号に基づいて赤色光の色温度信号を処理して、補正された赤色光の色温度信号を取得するステップと、緑色光干渉領域(G干渉領域)に対応するスクリーン光信号に基づいて緑色光の色温度信号を処理して、補正された緑色光の色温度信号を取得するステップと、青色光干渉領域(B干渉領域)に対応するスクリーン光信号に基づいて青色光の色温度信号を処理して、補正された青色光の色温度信号を取得するステップと、を含んでも良い。
【0071】
単色光干渉領域によって対応する単色光の色温度信号を補正するステップは様々な方法を用いることができる。一実施例では、各単色光干渉領域に対応するスクリーン光信号に基づいて各単色光の色温度信号を処理することができる。具体的に、赤色光の色温度信号に対して、赤色光干渉領域に対応するスクリーン光信号に含まれる赤色光成分、緑色光成分、青色光成分を決定することができ、赤色光の色温度信号に対する前記赤色光成分の第1の干渉係数、る赤色光の色温度信号に対する緑色光成分の第2の干渉係数、および赤色光の色温度信号に対する青色光成分の第3の干渉係数を取得し、赤色光成分と第1の干渉係数、緑色光成分と第2の干渉係数、及び青色光成分と第3の干渉係数に基づいて赤色光の色温度信号を補正する。
【0072】
緑色光の色温度信号に対して、緑色光干渉領域に対応するスクリーン光信号に含まれる赤色光成分、緑色光成分、青色光成分を決定することができ、緑色光の色温度信号に対する赤色光成分の第4の干渉係数、緑色光の色温度信号に対する緑色光成分の第5の干渉係数、および緑色光の色温度信号に対する青色光成分の第6の干渉係数を取得し、赤色光成分と第4の干渉係数、緑色光成分と第5の干渉係数、および青色光成分と第6の干渉係数に基づいて緑色光の色温度信号を補正する。
【0073】
青色光の色温度信号に対して、青色光干渉領域に対応するスクリーン光信号に含まれる赤色光成分、緑色光成分、青色光成分を決定し、青色光の色温度信号に対する赤色光成分の第7の干渉係数、青色光の色温度信号に対する緑色光成分の第8の干渉係数、および青色光の色温度信号に対する青色光成分の第9の干渉係数を取得し、赤色光成分と第7の干渉係数、緑色光成分と第8の干渉係数、および青色光成分と第9の干渉係数に基づいて青色光の色温度信号を補正する。
【0074】
次に、R干渉領域に基づいて赤色光の色温度信号を補正する場合を例として上記補正方法を説明する。R干渉領域におけるタッチ表示モジュールの表示内容を優先的に取得して、さらに該表示内容内の各単色光の成分、すなわち成分R、成分Gおよび成分Bを分析することができる。この時、Rxが処理して得られた初期の赤色光の色温度信号であり、成分Rの値がR1であり、その赤色光の色温度信号に対する第1の干渉係数がk1であり、成分Gの値がG1であり、その赤色光の色温度信号に対するの第2の干渉係数がk2であり、成分Bの値がB1であり、その赤色光の色温度信号に対する第3の干渉係数がk3であるとすると、最終的に補正によって得られた赤色光の色温度信号Ryは、Ry=Rx-k1R1-k2G1-k3B1である。
【0075】
同様に、最終的に補正によって得られた緑色光の色温度信号Gyは、Gy=Gx-k4R2-k5G2-k6B2である。Gxは処理して得られた初期の緑色光の色温度信号であり、R2は緑色光干渉領域における成分Rの値であり、その緑色光の色温度信号に対する第4の干渉係数はk4であり、G2は緑色光干渉領域における成分Gの値であり、その緑色光の色温度信号に対する第5の干渉係数はk5であり、B2は緑色光干渉領域における成分Bの値であり、その緑色光の色温度信号に対する第6の干渉係数はk6である。
【0076】
最終的に補正によって得られた青色光の色温度信号Byは、By=Bx-k7R3-k8G3-k9B3である。Bxは処理して得られた初期の青色光の色温度信号であり、R3は青色光干渉領域における成分Rの値であり、その青色光の色温度信号に対する第7の干渉係数はk7であり、G3は青色光干渉領域における成分Gの値であり、その青色光の色温度信号に対する第8の干渉係数はk8であり、B3は青色光干渉領域における成分Bの値であり、その青色光の色温度信号に対する第9の干渉係数はk9である。
【0077】
上記方法に基づいて補正された赤色光の色温度信号、緑色光の色温度信号および青色光の色温度信号を取得した後、それに基づいて環境光の色温度情報を生成することができる。
【0078】
上記技術案から分かるように、本開示は電子機器の光学指紋モジュール上の色温度センシングユニットに対応する光干渉領域を優先的に取得でき、収集された色温度信号を光干渉領域で補正し、処理して得られた色温度信号の正確度を向上させ、さらに生成された環境光の色温度情報の正確度を向上させる。
【0079】
さらに、本開示はそれぞれ各単色光干渉領域を取得して、各単色光干渉領域における表示内容を分析することによって各単色光の色温度信号を補正し、処理して得られた各単色光の色温度信号をより正確なものとする。言い換えると、本開示は単色光の色温度信号という細かい角度から色温度信号を補正することもでき、補正された色温度信号に基づいて得られた環境光の色温度情報の正確度をさらに向上させる。
【0080】
上記信号処理方法の実施例に対応して、本開示は信号処理装置および色温度検出装置の実施例をさらに提供する。
【0081】
図8は、本開示の例示的な一実施例によって示される信号処理装置のブロック図である。図8を参照すると、該装置は、決定ユニット801と、第1の生成ユニット802と、第2の生成ユニット803とを含む。
【0082】
該決定ユニット801は、予め定義された指紋認識条件および色温度検出条件を決定するように構成される。
【0083】
該第1の生成ユニット802は、前記指紋認識条件が満たされる場合、前記光学指紋モジュール内の指紋センサによって指紋認識用の光信号を収集し、指紋信号処理回路によって出力された指紋信号に基づいて指紋認識用の指紋情報を生成するように、前記指紋センサによって収集された光信号を前記光学指紋モジュール内の前記指紋信号処理回路に入力するように構成される。
【0084】
該第2の生成ユニット803は、前記色温度検出条件が満たされる場合、前記色温度センシングユニットによって色温度検出用の光信号を収集し、色温度信号処理ユニットによって出力された色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成するように、前記色温度センシングユニットによって収集された光信号を前記光学指紋モジュール内の前記色温度信号処理ユニットに入力するように構成される。
【0085】
図9に示すように、図9は、本開示の例示的な一実施例によって示される他の信号処理装置のブロック図であり、該実施例は、上記図8に示す実施例をもとに、判断ユニット804をさらに含む。
【0086】
該判断ユニット804は、前記電子機器のタッチ表示モジュールに形成された指紋認識領域においてタッチイベントが検出されたか否かを判断するように構成される。
【0087】
前記指紋認識条件は、前記指紋認識領域に発生されたタッチイベントが検出されたことを含む。
【0088】
前記色温度検出条件は、前記指紋認識領域がタッチされていない場合、満たされると決定されることを含む。
【0089】
選択的に、前記指紋認識条件は、前記指紋認識領域に発生されたタッチイベントが検出された場合、前記タッチイベントに対応する押圧力が予め設定された圧力閾値以上であると決定されることをさらに含む。
【0090】
前記色温度検出条件は、予め設定された期間を超えても前記指紋認識領域がタッチされていない場合、満たされと決定されることをさらに含む。
【0091】
選択的に、前記色温度検出条件および前記指紋認識条件のうちのいずれか一方が満たされていない場合、他方が満たされる場合にあると決定される。
【0092】
選択的に、前記色温度検出条件と前記指紋認識条件とは互いに独立する。
【0093】
なお、上記図9に示す装置の実施例における判断ユニット804は、上記図8の装置の実施例に含まれてもよく、本開示はこれを限定しない。
【0094】
図10は、本開示の例示的な一実施例によって示される色温度検出装置のブロック図である。図10を参照すると、該装置は、第1の取得ユニット1001と、第2の取得ユニット1002と、情報生成ユニット1003とを含む。
【0095】
該第1の取得ユニット1001は、前記光学指紋モジュール内の色温度信号処理ユニットが前記光学指紋モジュール内の色温度センシングユニットによって収集された光信号を処理して得られた色温度信号を取得する。
【0096】
該第2の取得ユニット1002は、前記電子機器の光学指紋モジュール上の前記色温度センシングユニットの位置に対応する光干渉領域を取得する。
【0097】
該情報生成ユニット1003は、補正された色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成するように、前記光干渉領域からのスクリーン光信号に基づいて前記色温度信号を補正する。
【0098】
選択的に、該第1の取得ユニット1001は、具体的に、前記色温度信号処理ユニット内の赤色光信号処理回路によって前記色温度センシングユニット内の赤色光センサによって収集された赤色光信号を処理して得られた赤色光の色温度信号と、前記色温度信号処理ユニット内の緑色光信号処理回路によって前記色温度センシングユニット内の緑色光センサによって収集された緑色光信号を処理して得られた緑色光の色温度信号と、前記色温度信号処理ユニット内の青色光信号処理回路によって前記色温度センシングユニット内の青色光センサによって収集された青色光信号を処理して得られた青色光の色温度信号と、を取得するように構成される。
【0099】
該第2の取得ユニット1002は、具体的に、前記色温度センシングユニット内の赤色光センサの位置に対応する前記光学指紋モジュール上の赤色光干渉領域を取得し、前記色温度センシングユニット内の緑色光センサの位置に対応する前記光学指紋モジュール上の緑色光干渉領域を取得し、前記色温度センシングユニット内の青色光センサの位置に対応する前記光学指紋モジュール上の青色光干渉領域を取得するように構成される。
【0100】
該情報生成ユニット1003は、具体的に、前記赤色光干渉領域に対応するスクリーン光信号に基づいて前記赤色光の色温度信号を処理して、補正された赤色光の色温度信号を取得し、前記緑色光干渉領域に対応するスクリーン光信号に基づいて前記緑色光の色温度信号を処理して、補正された緑色光の色温度信号を取得し、前記青色光干渉領域に対応するスクリーン光信号に基づいて前記青色光の色温度信号を処理して、補正された青色光の色温度信号を取得し、補正された赤色光の色温度信号、補正された緑色光の色温度信号および補正された青色光の色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成するように構成される。
【0101】
選択的に、該情報生成ユニット1003はさらに、前記赤色光干渉領域に対応するスクリーン光信号に含まれる赤色光成分、緑色光成分、青色光成分を決定し、前記赤色光の色温度信号に対する前記赤色光成分の第1の干渉係数、前記赤色光の色温度信号に対する前記緑色光成分の第2の干渉係数、および前記赤色光の色温度信号に対応する前記青色光成分の第3の干渉係数を取得し、前記赤色光成分と前記第1の干渉係数、前記緑色光成分と前記第2の干渉係数、および前記青色光成分と第3の干渉係数に基づいて前記赤色光の色温度信号を補正し、前記緑色光干渉領域に対応するスクリーン光信号に含まれる赤色光成分、緑色光成分、青色光成分を決定し、前記緑色光の色温度信号に対する前記赤色光成分の第4の干渉係数、前記緑色光の色温度信号に対応する前記緑色光成分の第5の干渉係数、および前記緑色光の色温度信号に対する前記青色光成分の第6の干渉係数を取得し、前記赤色光成分と前記第4の干渉係数、前記緑色光成分と前記第5の干渉係数、および前記青色光成分と第6の干渉係数に基づいて前記緑色光の色温度信号を補正し、前記青色光干渉領域に対応するスクリーン光信号に含まれる赤色光成分、緑色光成分、青色光成分を決定し、前記青色光の色温度信号に対する前記赤色光成分の第7の干渉係数、前記青色光の色温度信号に対する前記緑色光成分の第8の干渉係数、および前記青色光の色温度信号に対する前記青色光成分の第9の干渉係数を取得し、前記赤色光成分と前記第7の干渉係数、前記緑色光成分と前記第8の干渉係数、および前記青色光成分と第9の干渉係数に基づいて前記青色光の色温度信号を補正するように構成される。
【0102】
上記実施例における装置に関して、各モジュールが操作を実行する具体的な方法は、すでに該方法に関連する実施例において詳しく説明したので、ここでは詳しい説明を省略する。
【0103】
装置の実施例は、方法の実施例と基本的に対応するので、関連する箇所は方法の実施例の一部を参照すればよい。上記で説明された装置の実施例は単なる例示的なものに過ぎず、分離された部品として説明された前記ユニットは物理的に分離しているものか、又は物理的に分離しているものでなくてもよく、ユニットとして表示された部品は物理的なユニットであるか、または物理的なユニットでなくてもよく、すなわち一箇所に位置してもよく、または複数のネットワークユニットに分布してもよい。実際の必要に応じてそのうちの一部または全部のモジュールを選択して本開示の解決手段の目的を実現することができる。当業者は創造的な労力なしに、理解して実施することができる。
【0104】
これに対応して、本開示は、信号処理/色温度検出装置をさらに提供し、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を記憶するためのメモリとを含む。前記プロセッサは、上記の実施例のいずれかに記載の信号処理/色温度検出方法を実現するように構成される。例えば、該信号処理方法は、予め定義された指紋認識条件および色温度検出条件を決定するステップと、前記指紋認識条件が満たされる場合、前文に記載の光学指紋モジュール内の指紋センサによって指紋認識用の光信号を収集するステップと、指紋信号処理回路によって出力された指紋信号に基づいて指紋認識用の指紋情報を生成するように、前記指紋センサによって収集された光信号を前文に記載の光学指紋モジュール内の前記指紋信号処理回路に入力するステップと、前記色温度検出条件が満たされる場合、前文に記載の光学指紋モジュール内の色温度センシングユニットによって色温度検出用の光信号を収集するステップと、色温度信号処理ユニットによって出力された色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成するように、前記色温度センシングユニットによって収集された光信号を前文に記載の光学指紋モジュール内の前記色温度信号処理ユニットに入力するステップと、を含んでも良い。
【0105】
これに対応して、本開示は、電子機器をさらに提供し、前記電子機器はメモリと、1つまたは1つ以上のプログラムとを含み、1つまたは1つ以上のプログラムはメモリに記憶され、且つ1つまたは1つ以上のプログラムによって、前記1つまたは1つ以上のプログラムに含まれる、上記実施例のいずれかに記載の信号処理/色温度検出方法を実現するための命令を実行するように構成される。例えば、該信号処理方法は、予め定義された指紋認識条件および色温度検出条件を決定するステップと、前記指紋認識条件が満たされる場合、前文に記載の光学指紋モジュール内の指紋センサによって指紋認識用の光信号を収集するステップと、指紋信号処理回路によって出力された指紋信号に基づいて指紋認識用の指紋情報を生成するように、前記指紋センサによって収集された光信号を前文に記載の光学指紋モジュール内の前記指紋信号処理回路に入力するステップと、前記色温度検出条件が満たされる場合、前文に記載の光学指紋モジュール内の色温度センシングユニットによって色温度検出用の光信号を収集するステップと、色温度信号処理ユニットによって出力された色温度信号に基づいて環境光の色温度情報を生成するように、前記色温度センシングユニットによって収集された光信号を前文に記載の光学指紋モジュール内の前記色温度信号処理ユニットに入力するステップと、を含んでも良い。
【0106】
図11は、例示的な一実施例によって示される信号処理/色温度検出方法を実現するための装置1100に係るブロック図である。例えば、装置1100は携帯電話、コンピュータ、デジタル放送端末、メッセージング機器、ゲームコンソール、タブレットデバイス、医療機器、フィットネス機器、携帯情報端末などであってもよい。
【0107】
図11を参照すると、装置1100は、処理コンポーネント1102、メモリ1104、電源コンポーネント1106、マルチメディアコンポーネント1108、オーディオコンポーネント1110、入力/出力(I/O)のインターフェース1112、センサコンポーネント1114、及び通信コンポーネント1116のうちの1つ又は複数のコンポーネントを含んでも良い。
【0108】
処理コンポーネント1102は、通常、装置1100全般の操作、例えば表示、電話の呼び出し、データ通信、カメラ操作及び記録操作に関連する操作を制御する。処理コンポーネント1102は、上記方法の全部又は一部のステップを完成するように、命令を実行する1つ又は複数のプロセッサ1120を含んでも良い。また、処理コンポーネント1102は、他のコンポーネントとの間のインタラクションを容易にするように、1つ又は複数のモジュールを含んでも良い。例えば、処理コンポーネント1102は、マルチメディアコンポーネント1108との間のインタラクションを容易にするように、マルチメディアモジュールを含んでも良い。
【0109】
メモリ1104は、装置1100での操作をサポートするために、様々な種類のデータを記憶するように構成される。これらのデータの例は、装置1100で操作されるあらゆるアプリケーション又は方法に用いられる命令、連絡先データ、電話帳データ、メッセージ、画像、ビデオなどを含む。メモリ1104は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、読み取り専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク又は光ディスクのようなあらゆる種類の揮発性メモリ又は不揮発性メモリ又はそれらの組み合わせで実現することができる。
【0110】
電源コンポーネント1106は、装置1100の様々なコンポーネントに電力を供給する。電源コンポーネント1106は、電源管理システム、1つ又は複数の電源、及び装置1100のために電力を生成、管理及び分配することに関連する他のコンポーネントを含んでも良い。
【0111】
マルチメディアコンポーネント1108は、前記装置1100とユーザとの間に1つの出力インターフェースを提供するスクリーンを含む。一部の実施例では、スクリーンは液晶ディスプレイ(LCD)とタッチパネル(TP)を含んでも良い。スクリーンは、タッチパネルを含む場合、ユーザからの入力信号を受信するために、タッチスクリーンとして具現化することができる。タッチパネルは、タッチ、スライド、及びタッチパネルにおけるジェスチャーを検出するように、1つ又は複数のタッチセンサを含む。前記タッチセンサは、タッチ操作又はスライド操作の境界を検出できるうえ、前記タッチ操作又はスライド操作に関連する継続時間と圧力を検出することもできる。一部の実施例において、マルチメディアコンポーネント1108は、1つのフロントカメラおよび/またはリアカメラを含む。装置1100が撮影モード又はビデオモードのような動作モードにある場合、フロントカメラおよび/またはリアカメラは外部からのマルチメディアデータを受信することができる。各フロントカメラおよびリアカメラは、1つの固定された光学レンズシステムであっても良いが、又は焦点距離と光学ズーム能力を有する。
【0112】
オーディオコンポーネント1110は、オーディオ信号を出力及び/又は入力するように構成される。例えば、オーディオコンポーネント1110は1つのマイクロフォン(MIC)を含み、装置1100が通話モード、記録モード及び音声認識モードのような操作モードにある場合、マイクロフォンは、外部のオーディオ信号を受信するように構成される。受信されたオーディオ信号は、さらにメモリ1104に記憶されるか、又は通信コンポーネント1116を介して送信することができる。一部の実施例で、オーディオコンポーネント1110は、オーディオ信号を出力するための1つのスピーカをさらに含む。
【0113】
I/Oインターフェース1112は、処理コンポーネント1102と周辺インターフェースモジュールとの間にインターフェースを提供し、上記周辺インターフェースモジュールは、キーボード、ミドルクリック、ボタンなどであってもよい。これらのボタンは、ホームボタン、音量ボタン、電源ボタン及びロックボタンを含むが、これらに限定されない。
【0114】
センサコンポーネント1114は、装置1100のために各側面の状態評価を提供するために、1つ又は複数のセンサを含む。例えば、センサコンポーネント1114は、装置1100のオン/オフ状態と、装置1100のディスプレイ及びキーパッドのようなコンポーネントの相対的な位置決めとを検出できるうえ、装置1100又は装置1100の1つのコンポーネントの位置の変化、ユーザと装置1100との接触が存在するか否か、装置1100の向きと位置又は加速/減速及び装置1100の温度変化を検出することもできる。センサコンポーネント1114は、如何なる物理的接触がない時に付近物体の存在を検出するように構成される接近センサを含んでも良い。センサコンポーネント1114は、イメージングアプリケーションで用いられている、CMOS又はCCD画像センサのような光センサをさらに含んでも良い。一部の実施例で、該センサコンポーネント1114は、加速度センサ、ジャイロセンサ、磁気センサ、圧力センサ又は温度センサをさらに含んでも良い。
【0115】
通信コンポーネント1116は、装置1100と他のデバイスとの間の有線又は無線通信を容易にするように構成される。装置1100は、通信規格に基づく無線ネットワーク、例えばWiFi、2G又は3G、4G LTE、5G NR(New Radio)又はそれらの組み合わせにアクセスすることができる。例示的な一実施例で、通信コンポーネント1116はブロードキャストチャネルを介して外部ブロードキャスト管理システムからのブロードキャスト信号又はブロードキャスト関連情報を受信する。例示的な一実施例で、前記通信コンポーネント1116は、近距離通信を促進するように、近距離無線通信(NFC)モジュールをさらに含む。例えば、NFCモジュールにおいて、無線周波数認識(RFID)技術、赤外線データ協会(IrDA)技術、超広帯域無線(UWB)技術、ブルートゥース(BT:登録商標)技術及び他の技術に基づいて実現することができる。
【0116】
例示的な実施例で、装置1100は、上記方法を実行するために、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ又はその他の電子部品で具現化することができる。
【0117】
例示的な実施例では、命令を含む非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば命令を含むメモリ1104がさらに提供される。上記命令は、上記方法を実現するように、装置1100のプロセッサ1120によって実行されてもよい。例えば、前記非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、ROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク及び光学データ記憶装置などであっても良い。
【0118】
当業者は明細書を考慮し、および明細書に開示された内容を実施すると、本開示の他の実施形態に容易に想到し得る。本開示は本開示のあらゆる変形、用途または適応的変化をカバーすることを意図しており、これらの変形、用途または適応的変化は本開示の一般原則に従い、本開示に開示されていない本技術分野における周知技術または慣用されている技術手段を含む。明細書および実施例は例示のみとして見なされ、本開示の真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲によって示される。
【0119】
なお、本開示は、上記に記載されかつ図面において示されている正確な構造に限定されず、その範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができることを理解されたい。本開示の範囲は添付の特許請求の範囲のみによって限定される。
【0120】
以上に記載されたのは本開示の好ましい実施例に過ぎず、本開示を限定するものではない。本開示の精神および原則を逸脱しない限り、行われたあらゆる修正、同等の置換、改良などは、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11