(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-19
(45)【発行日】2022-08-29
(54)【発明の名称】電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
F16K 31/04 20060101AFI20220822BHJP
【FI】
F16K31/04 Z
(21)【出願番号】P 2020547327
(86)(22)【出願日】2019-03-22
(86)【国際出願番号】 CN2019079232
(87)【国際公開番号】W WO2019179518
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】201810244337.5
(32)【優先日】2018-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517149748
【氏名又は名称】浙江三花智能控制股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang Sanhua Intelligent Controls CO., Ltd
【住所又は居所原語表記】Xialiquan, Qixing Street, Xinchang County, Shaoxing, Zhejiang 312500, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】特許業務法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 ユドン
【審査官】笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-540933(JP,A)
【文献】特開2006-348962(JP,A)
【文献】特開2011-021749(JP,A)
【文献】特開2000-220757(JP,A)
【文献】特開2001-343083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁室と弁口(101)とを有する弁ボディ(10)と、
弁ボディ(10)に直接または間接的に固定接続されるハウジング(90)と、
ロータ(41)と、雄ねじ部(44a)及びスクリュロッド段部(441)が設けられ、直接または間接的に前記ハウジング(90)と当接し係合するスクリュロッド(44)とを有するロータユニット(40)と、
直接または間接的に前記弁ボディ(10)に固定接続されて、前記スクリュロッド段部(441)と係合する端部台面(511)を有する支持フレーム(50)と、
前記雄ねじ部(44a)と係合する雌ねじ部(60a)を有するナット(61)を含み、前記雄ねじ部(44a)と前記雌ねじ部(60a)との螺合作用を介して、前記弁室で軸方向の昇降運動することで、前記弁口(101)に近接しまたは前記弁口(101)から離れるコアユニット(60)と、を備え、
前記端部台面(511)の上面が前記スクリュロッド段部(441)の下面と係合することで、前記スクリュロッド(44)の軸方向での下向きの変位を制限しており、
前記ハウジング(90)の内室に圧入されて案内部(421)を有する固定台(42)を備え、
前記案内部(421)には、案内孔(4211)が形成され、
前記案内孔(4211)と一端が係合し、前記スクリュロッド(44)のスクリュロッド装着孔(444)と他端が係合する回転軸(43)を有していることを特徴とする電子膨張弁。
【請求項2】
前記回転軸(43)の外周部には、、一端が前記案内部 (421)の案内部底壁(4213)と当接し係合し、他端が前記スクリュロッド(44)のスクリュロッド端部(443)と当接し係合するバネ部品(80)が外嵌され、
前記バネ部品(80)の弾力が、コイルによる駆動力より大きいことを特徴とする請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項3】
前記案内部(421)の案内部端部(4212)が、前記ハウジング(90)の頂壁(91)と当接し係合し、
前記回転軸(43)の回転軸端部(431)が、前記頂壁(91)と当接し係合していることを特徴とする請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項4】
前記案内部(421)の案内部端部(4212)が、前記ハウジング(90)の頂壁(91)と当接し係合し、
前記スクリュロッド(44)のスクリュロッド端部(443)が、前記案内部(421)の案内部底壁(4213)と当接し係合していることを特徴とする請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項5】
前記支持フレーム(50)には、係合溝(53)と位置制限孔(54)とが設けられ、
前記ナット(61)は、前記係合溝(53)と係合する係合部(613)を有していることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかの1項に記載の電子膨張弁。
【請求項6】
前記支持フレーム(50)は、上支持フレーム(51)と下支持フレーム(52)とを備え、
前記上支持フレーム(51)は、前記スクリュロッド段部(441)と係合し当接する前記端部台面(511)を有し、
前記下支持フレーム(52)には、前記係合溝(53)が開設され、
前記係合部(613)が、前記下支持フレーム(52)の頂壁面(521)と当接することが可能になっていることを特徴とする請求項5に記載の電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年03月23日にて中国特許庁に提出され、出願番号が201810244337.5であり、発明名称が「電子膨張弁」である中国特許出願の優先権を主張し、この特許に記載の全ての内容は、援用される。
本発明は、冷凍制御という技術分野に関するものであり、具体的に冷媒流量を調節するための電子膨張弁に関わる。
【背景技術】
【0002】
図1は、台座1と弁ボディ2とハウジングユニットとを有している典型的な電子膨張弁である。
そして、台座1は、弁ボディ2に固定接続され、弁口11が開設され、ハウジングユニットは、固定接続される第1ハウジング31と第2ハウジング32とを含む。
第1ハウジング31には、駆動部を収容する第1内室が形成され、第2ハウジング32には、伝動部品を収容する第2内室が形成されている。
さらに、駆動部は、ロータ部品41を含み、この駆動部の中央には、回転軸42が貫通している。
他方、伝動部品は、減速歯車機構を有し、この減速歯車機構は、太陽歯車と1段歯車と2段歯車とを含む多段歯車減速機構であり、2段歯車には、スクリュロッド43が固定接続され、スクリュロッド43と弁ニードル7とが螺合作用で弁ニードル7を弁口11に近接させ、または、弁口11から離れさせることで、弁口11を流れた冷媒の流量を調節する。
以下は、この電子膨張弁の作動原理を説明する。
電子膨張弁は、パルス作用を介して駆動部に伝達し、ロータ部品41が回転するように駆動され、回転軸42がロータの回転に追従し運動することで太陽歯車を回転させるように駆動し、伝動部品の各段歯車による伝達作用で2段歯車がスクリュロッド43を軸方向で回転させる。
そして、弁ニードル7が、スクリュロッド43とナットとの螺合作用で軸方向に昇降することで弁口11に近接しまたは弁口11から離れ、最終は、流量の調節という目的を実現する。
精度、及び開弁の駆動力を向上させるために、電子膨張弁には、減速歯車機構が装着され、これによって、製品全体のサイズが大きくなり、スクリュロッド43を周方向のみで回転させるために、スクリュロッド43と2段歯車とを固定接続している。
さらに、2段歯車の外周部には、軸受部品が固定装着され、この軸受部品の上部がスナップリングによってストッパされ、スクリュロッド43の上下方向の位置での移動を阻止するように、下止め輪によってストッパされ、製品構成全体の取付部品が多くて、取付工程が複雑で、製造コストを余計に増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の電子膨張弁は、製品構成全体が簡単で、スクリュロッドに対して軸方向で位置制限を行う。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の電子膨張弁は、弁口が設けられる弁ボディと、直接または間接的に弁ボディに固定接続されるハウジングと、ロータと雄ねじ部とスクリュロッド段部とを設けて直接または間接的にハウジングと当接し係合するスクリュロッドとを有するロータユニットと、直接または間接的に弁ボディに固定接続されてスクリュロッド段部と係合する端部台面を有する支持フレームと前記雄ねじ部と係合する雌ねじ部を有するナットを含んで前記雄ねじ部と雌ねじ部との螺合作用により弁室で軸方向に昇降運動することで前記弁口に近接しまたは弁口から離れるコアユニットとを備えている。
【0005】
本発明の電子膨張弁は、背景技術における減速歯車装置及び他の複雑な部品をなくして、スクリュロッド段部と支持フレームとの係合作用、及び、スクリュロッドとハウジングとの直接または間接的な係合作用で、スクリュロッドに対して軸方向で位置制限を行って、電子膨張弁が作動している際、スクリュロッドとロータとが、常に、周方向の回転状態を保持し、製品構成全体が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】本発明の電子膨張弁の第1実施例の模式図である。
【
図3】本発明の電子膨張弁の支持フレームの構成模式図である。
【
図4】本発明の電子膨張弁の第2実施例の模式図である。
【
図5】本発明の電子膨張弁の第3実施例の模式図である。
【
図6】本発明の電子膨張弁の第4実施例の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を理解するため、図面と実施例を用いて詳しく説明する。
明細書の実施例は、全ての実施例に対する説明を含まず、本発明の電子膨張弁として合理に拡張される他の実施例があれば、本発明の保護範囲である。
【0008】
図2は、本発明の電子膨張弁の第1実施例の模式図であり、電子膨張弁は、弁ボディ10を有し、この弁ボディ10が略筒状構成を呈して、弁室が形成されている。
そして、この弁ボディ10には、コアユニット60と係合する弁口101が開設されている。
また、電子膨張弁には、弁座20が設けられてもよく、弁ボディ10と弁座20とを単独の部品として取り付ける際には弁ボディ10と弁座20とを溶接固定させ、弁口101が弁座20に設けられてもよい。
また、弁ボディ10の側壁には、プレスなどの加工方式で第1接続口が開設され、そして、この弁ボディ10の下端部には、第2接続口が開設され、第1接続口には、第1接続管100が溶接固定されている。
他方、第2接続口には、第2接続管200が溶接固定され、弁口101を介して第1接続管100と第2接続管200とを導通させている。
冷媒が、第1接続管100から弁室に入った後、弁口101を経て第2接続管200から流出し、または、第2接続管200から弁室に入った後、弁口101を経て第1接続管100から流出してもよい。
電子膨張弁は、冷媒の双方向流通に対する調節機能を備えている。
【0009】
弁ボディ10の上端部位置には、接続座本体31とガイド壁32と突起部33とを有する接続座30が溶接固定されている。
さらに、接続座30には、ガイド孔321が開設され、接続座本体31が弁室に圧入された後、弁ボディ10に溶接固定されることで、接続座30を弁ボディ10に固定装着させている。
具体的には、接続座本体31の外周壁が、弁ボディ10の内周壁に溶接固定され、ガイド壁32が弁室に入り込み、コアユニット60の少なくとも一部が、ガイド孔321を介して弁室に入り込むとともに、ガイド孔321に沿って軸方向に昇降運動する。
そして、接続座本体31には、第1段階面3111を形成した第1段部311が設けられている。
突起部33には、ハウジング90を溶接固定する第2段部331が設けられている。
接続座30は、弁ボディ10と一体であってもよく、これらの接続座30と弁ボディ10とが一体である場合には、ハウジング90は、弁ボディ10に固定接続されてもよい。
即ち、ハウジング90は、間接的に接続座30を介して弁ボディ10に固定接続されてもよく、直接的に弁ボディ10に固定接続されてもよい。
【0010】
このハウジング90には、接続座30とともにロータ室が形成され、このロータ室には、ロータユニット40が収容される。
このロータユニット40は、全体が略H字状を呈する磁性部品であり、ロータ突起411を設けたロータ41とスクリュロッド凹溝部442を設けたスクリュロッド44とを備えている。
そして、ロータ突起411がスクリュロッド凹溝部442と当接し係合し、ロータ41とスクリュロッド44とが一体として射出成形される構成であり、ロータ41が回転すると、スクリュロッド44とロータ41とが構成全体とするから、スクリュロッドも、追従し回転する。
さらに、スクリュロッド44には、支持フレーム50に当接されるスクリュロッド段部441と、回転軸43に適応するスクリュロッド装着孔444とが設けられている。
さらに、電子膨張弁は、ハウジング90の内室に圧入されてハウジング90に固定接続される固定台42を有し、この固定台42は、ロータ41の上方に位置した独立の部品として、ロータ41と干渉しない。
固定台42は、回転軸43に適応する案内孔4211を形成した案内部421を有し、回転軸43の一端が案内孔4211に適応し、回転軸43の一端と案内孔4211との間が隙間嵌め、回転軸43の他端がスクリュロッド装着孔444に適応し、回転軸43の他端とスクリュロッド装着孔444とが隙間嵌めであってもよく、締まり嵌めという方式であってもよい。
バネ部品80が回転軸43の外周部に外嵌され、バネ部品80の一端が案内部底壁4213と係合し当接し、他端がスクリュロッド44のスクリュロッド端部443と係合し当接している。
スクリュロッド44は、スクリュロッド段部441と支持フレーム50の端部台面511との係合作用で、電子膨張弁が作動している際、スクリュロッド44の軸方向での下向きの変位を制限する一方で、スクリュロッド44は、固定台42と、回転軸43と、この回転軸43の外周部に外嵌されるバネ部品80とを介して間接的には、ハウジングと係合し当接し、バネ部品80がそれぞれスクリュロッド端部443及び案内部底壁4213と係合し当接することで、スクリュロッド44の軸方向での上向きの変位を防止する。
電子膨張弁の作動過程で、スクリュロッド44は、常に、周方向での回転運動を保持する。
【0011】
以下は、作動過程におけるバネ部品80の作用を簡単に説明する。
弁ヘッド622と弁口101とが当接し係合し、即ち、閉弁状態の後、スクリュロッド44は、持続的にコイルに伝達されるパルスの作用で引き続き下向きに弁口101を閉じている。
この際、固定される弁口101が、弁ヘッド622に対して反力を形成することで、弁ニードル62には、上向きの変位という傾向を発生させ、スクリュロッド段部441を支持フレーム50の端部台面511から離脱させ、軸方向での上向きの変位が生じて、スクリュロッド端部443と案内部底壁4213との間に位置して配置されるバネ部品80が該反力を相殺し、スクリュロッドに下向きの作用力を付与し、スクリュロッド段部441を常に端部台面511との当接状態に保持させ、弁ニードル62は、上下の受力がバランスであるという状態にある。
ここで、バネ部品80の弾力をコイルが生じられる駆動力より遥か大きくすることで、弁ニードル622は、上下の受力がバランスであるという状態にあるように確保し、弁ヘッド622が、常に弁口101との当接を保持する。
開弁を必要とする場合に、バネ部品80の端面とスクリュロッド端部443の端面とが摺動するから、バネ部品80自身は、自動ロックをしていない。
弁ニードル62が、駆動力の作用で、バネ部品80の端面とスクリュロッド端部443の端面との間の小さい摩擦力のみを克服すれば、開放動作を実現することできる。
【0012】
さらに、
図3に示す電子膨張弁は、上支持フレーム51と下支持フレーム52とを有し、接続座30に溶接固定される支持フレーム50を含む。
具体的には、下支持フレーム52の外周壁と突起部33の内周壁とが溶接固定されることで、支持フレーム50を接続座30に固定装着させ、この支持フレーム50が接続座30を介して弁ボディ10に固定接続される。
接続座30と弁ボディ10とが一体である場合に、支持フレーム50が、直接的に弁ボディ10に溶接固定され、この支持フレーム50が、直接または間接的に弁ボディ10に溶接固定されてもよい。
下支持フレーム52の壁部には、係合溝53が開設され、この係合溝53がナット61と係合することで、コアユニット60の周方向位置に対して位置制限を行って、コアユニット60の周方向での回転運動を防止している。
さらに、支持フレーム50には、スクリュロッド44と係合する位置制限孔54が開設され、スクリュロッド44が、この位置制限孔54を貫通しコアユニット60と係合し、上支持フレーム51は、端部台面511を有している。
具体的には、端部台面511が上支持フレーム51の端面部であり、端部台面511とスクリュロッド段部441とが係合し当接することで、スクリュロッド44の軸方向での下向きの遊動を防止する。
【0013】
さらに、電子膨張弁は、ナット61と弁ニードル62とを含むコアユニット60を有し、ナット61が、弁ニードル室621に圧入されるナット本体611と、接続片612とを含む。
ナット本体611と接続片612とが、いずれも金属材質である場合に、接続片612がナット本体611に溶接固定される。
ナット本体611がプラスチック材質であり、接続片が金属材質である場合には、これらのナット本体611と接続片612とが一体として射出成形されるが、ここで、ナット61または接続片612の具体的な材質を限定していない。
さらに、ナット61は、ナット本体611から外部に延伸し突出する係合部613を有し、ナット61は、接続片612の下端面が弁ニードル62の端面部に溶接固定されることで、全体が弁ニードル62に固定接続される。
ナット本体611には、スクリュロッド44が貫通するためのナット装着孔614が開設され、ナット61には、スクリュロッド44の雄ねじ部44aとねじ接続する雌ねじ部60aが設けられ、スクリュロッド44とナット61との螺合作用でスクリュロッド44の回転運動を、コアユニット60の軸方向での昇降運動に変換し、係合部613が係合溝53に係止され、支持フレーム50の係止作用でコアユニット60は、周方向に回転運動することができず、軸方向に昇降のみする。
支持フレーム50は、スクリュロッド44の軸方向位置に対する位置制限作用、及び、コアユニット60の周方向位置に対する位置制限作用を同時に果たす。
弁ニードル61が、中空で且つ略等径筒状という構成を呈し、弁ヘッド622と弁ニードル本体623とを有し、コアユニット60の軸方向での昇降運動によって弁ヘッド622が弁口101に近接し、または、弁口101から離れて、弁口101を流れた冷媒流量を調節する。
弁ニードル本体623の外壁とガイド壁32との間が隙間嵌めであり、弁ニードル本体623が、ガイド孔321を介して弁室に入り込むとともに、ガイド壁32に沿って軸方向に移動し、接続座30のガイド壁32が弁ニードル62にガイド作用を提供することで、弁ニードル62と弁口101の中心軸線とが同軸度を保持し、電子膨張弁が作動する際の安定性及び確実性を向上させる。
【0014】
電子膨張弁が作動する際、弁ニードル室621、弁室及びロータ室という三者の圧力をバランスにするために、さらに、密閉部品70が設けられている。
図1に示す閉弁状態の場合には、弁ヘッド622が弁口101に当接され、冷媒が、第2接続管200から弁ボディ10の内部に入ると、コアユニット60とスクリュロッド44などの部品とが一定の冷媒圧力による衝撃を受けて、密閉部品70を配置していないと、高い圧力の冷媒が、直接的に弁口101を潰して、弁ヘッド622を弁口101から離脱させ、閉弁効果を果たしていなく、同時に、スクリュロッド44に対しても同じように一定の衝撃力を有し、具体的に、密閉部品70は、ワッシャーとOゴムリングと押圧片とを有している。
密閉部品70は、ただOゴムリングと押圧片とを有してもよく、密閉部品70は、第2段階面3111と下支持フレーム52の下端部との間に位置し、ワッシャーまたはOゴムリングが第2段階面3111と当接し係合し、押圧片が突起部30の内部に圧入されることでOゴムリングを固定する。
【0015】
以下は、図面を用いて、電子膨張弁の作動原理を簡単に説明する。
ロータユニット40は、励起作用でロータ41を回転させるように駆動し、スクリュロッド44が追従し周方向に回転し、スクリュロッド44の雄ねじ部44aとナット61の雌ねじ部60aとの螺合作用で、コアユニット60が軸方向に昇降運動し、係合部613も係合溝53に沿って軸方向に昇降運動することで、弁ヘッド622を弁口101に近接させ、または、弁口101から離れさせ、弁口101を流れた冷媒流量を調節する。
弁ヘッド622と弁口101とが係合し当接する場合、係合部613が、相対的に係合溝53の下方に近接し、弁ヘッド622が弁口101から離れる場合、係合部613が、相対的に係合溝53の上方に近接し、弁ヘッド622から弁口101までの距離が最も遠い場合、係合部613が、下支持フレーム52の頂壁面521に当接される。
電子膨張弁は、背景技術における歯車減速機構及び軸受などの他の複雑な部品をなくして、支持フレーム50の、端部台面511とスクリュロッド段部441との係合作用でスクリュロッド44の軸方向の下向きの変位に対して位置制限する。
バネ部品80の、それぞれ案内部底壁4213とスクリュロッド端部443との係合作用でスクリュロッドの軸方向での上向きの変位に対して位置制限をすればよい。
さらに、スクリュロッド44及びロータ41が軸方向で上下に変位作動することができず、周方向のみで回転運動を保持するように確保し、製品全体の取付構成を簡単化し、ロータ41とスクリュロッド44とが変位せず、常に、周方向の回転運動を保持することは、製品の軸方向でのサイズを小さくして、製品構成全体の小型化の実現を便利にして、製造コストをさらに低減させる。
また、ロータ41は、電子膨張弁の作動過程で周方向の回転を保持することは、ハウジング部9の外周部に装着固定されるコイル駆動装置に対しても、そのサイズを小さくして、ロータ41の中心軸がコイル駆動部の中心軸に合ったままになるから、ロータ41の磁力作用を十分に発揮し、作動過程の必要な駆動力をさらに低減させ、スクリュロッド44の下方にあるコアユニット60が支持フレーム50の係合溝53と係合部613との係止作用で周方向に回転せず、スクリュロッド44によって軸方向の昇降運動のみし、電子膨張弁がコイルによる励起作用を受ける。
雄ねじ部44aと雌ねじ部60aとの螺合作用で、だんだんスクリュロッド44の回転運動を直接的にコアユニット60のガイド壁32に沿う昇降運動に変換することで、弁口101を流れた冷媒流量を調節する。
この電子膨張弁は、直動式の駆動方式であり、背景技術に比べると、複雑な減速歯車機構によって減速比を大きくすることで流量の調節精度及び弁の開閉を制御する必要がなくなり、小さい駆動力でも開弁と閉弁を順調に実現するとともに、流量調節の精度を保持し得る。
【0016】
図4は、本発明の電子膨張弁の第2実施模式図であり、第1実施例に比べると、この第2実施例は、バネ部品80をなくして、固定台42の案内部端部4212が頂壁91と係合し当接し、回転軸端部431が頂壁91と係合し当接している。
固定台42は、案内孔4211が開設される案内部421を有し、回転軸43が案内孔4211に適応し、案内部421が回転軸43にガイド作用を提供している。
この回転軸43の一端が案内孔4211に適応し、他端がスクリュロッド装着孔444に埋め込まれて、スクリュロッド44が、回転軸43及び固定台42を介してハウジング90と間接的に係合し当接し、回転軸端部431及び案内部端部4212の、それぞれ頂壁91との当接係合を介してスクリュロッド44の軸方向での上向きの運動に対して位置制限を行っている。
支持フレーム50の端部台面511がスクリュロッド段部441と当接し係合することで、スクリュロッド44の軸方向での下向きの運動に対して位置制限を行っている。
スクリュロッド44がロータ41とともに、電子膨張弁の作動過程で軸方向に昇降運動することができず、常に周方向での回転運動を保持する。
他の作動原理について、第1実施形態で具体的に説明されたから、ここで、逐一贅言していない。
【0017】
図5は、本発明の電子膨張弁の第3実施形態であって、固定台42がハウジング90に固定接続され、案内部端部4212が頂壁91と係合し当接し、回転軸43の一端が案内孔4211と係合し、他端がスクリュロッド装着孔444に埋め込まれている。
スクリュロッド端部443が、案内部底壁4213と当接し係合し、スクリュロッド44が、固定台42と回転軸43を介してハウジング90と間接的に係合し当接し、スクリュロッド端部443と案内部底壁4213との係合当接を介してスクリュロッド44の軸方向での上向きの移動を位置制限している。
支持フレーム50の端部台面511が、スクリュロッド段部441と当接し係合することで、スクリュロッド44の軸方向での下向きの移動を位置制限することで、スクリュロッド44がロータ41とともに、電子膨張弁が作動する際に、軸方向に昇降運動することができず、常に、周方向の回転を保持する。
【0018】
図6は、本発明の電子膨張弁の第4実施形態である。
この実施例において、スクリュロッド44のスクリュロッド端部443が、ハウジング90の頂壁91と当接し係合している。
即ち、スクリュロッド44の、ハウジング90との直接的な係合当接を介してスクリュロッド44の軸方向での上向きの変位に対して位置制限を行って、さらに、支持フレーム50の端部台面511とスクリュロッド段部441との当接係合を結合して、スクリュロッド44の軸方向での下向きの変位を防止し、スクリュロッド44とロータ41とが常に軸方向に昇降運動することができない。
【0019】
本発明に関わる「上、下、中、内、外」などの方位用語の記載は、本発明の各部品の順序を限定しない。
【0020】
本発明の電子膨張弁は、支持フレームとスクリュロッドとの係合、及び、スクリュロッドとハウジング部品との直接または間接的な係合によって、スクリュロッド及びロータに対して軸方向で位置制限を行っている。
電子膨張弁が作動する際に、スクリュロッドとロータとが軸方向に昇降運動することができず、常に、周方向の回転を保持し、且つ、螺合作用でスクリュロッドの回転運動を直接的にコアユニットの軸方向での昇降運動に変換する。
電子膨張弁は、減速歯車機構及び他の複雑な部品構造をなくして、構成全体が相対に簡単で、ロータとスクリュロッドとが変位し得なく、周方向の回転を保持することは、製品の軸方向でのサイズを小さくして、ハウジング外部の駆動コイル装置に対しても、小さい駆動力のサイズになるように縮小されることで、構成全体の小型化をさらに実現し、製品の製造コストを低減させることができる。
【0021】
以上は、本発明の実施形態のみであり、本発明から逸脱しない改良及び修飾も、本出願の保護範囲である。