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特許7127156自動車用チューブを留め付けクリップに留め付けるためのチューブ用留め付けユニット及び方法
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  • 特許-自動車用チューブを留め付けクリップに留め付けるためのチューブ用留め付けユニット及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-19
(45)【発行日】2022-08-29
(54)【発明の名称】自動車用チューブを留め付けクリップに留め付けるためのチューブ用留め付けユニット及び方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 33/34 20060101AFI20220822BHJP
【FI】
F16L33/34
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020567040
(86)(22)【出願日】2019-05-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 IB2019054450
(87)【国際公開番号】W WO2019229672
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2021-01-27
(31)【優先権主張番号】18174920.1
(32)【優先日】2018-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518073158
【氏名又は名称】テーイー オートモーティブ(フルダブリュック) ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヘッケル,アンドレ
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0184073(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 33/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ用の留め付けアセンブリ(1)であって、
少なくとも1つの留め付けクリップ(2)と、
前記留め付けクリップ(2)に留め付けられるように構成された少なくとも1つの自動車用チューブ(3)とを備え、
前記自動車用チューブ(3)は、前記留め付けクリップ(2)に溶接可能であり且つプラスチック製の外面(4)を有し、
前記留め付けクリップ(2)は、溶接要素(5)を少なくとも1つ有し、
前記溶接要素(5)は、少なくとも局所的に、前記自動車用チューブ(3)の前記外面(4)に溶接可能な溶接可能プラスチックから構成され、
前記溶接要素(5)は、能動的に又は非能動的に又は実質的に又はいずれかを組み合わせた状態で、前記留め付けクリップ(2)に留め付け可能であり、
前記留め付けクリップ(2)は、窓状のクリップ受け口(8)を有し、
前記窓状のクリップ受け口(8)は、前記留め付けクリップ(2)の壁を貫通延在し、又は、前記留め付けクリップ(2)の対向する2つの側(6、7)をすなわち内側(6)と外側(7)とを互いに接続し、
前記溶接要素(5)は、能動的に又は非能動的に又は両方に該当する状態で、前記窓状のクリップ受け口(8)に留め付けられる
ことを特徴とする留め付けアセンブリ(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の留め付けアセンブリであって、
残りの前記留め付けクリップ(2)は、前記溶接要素(5)の前記溶接可能プラスチックとは異なる材料又はプラスチックから実質的に構成される
ことを特徴とする留め付けアセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載の留め付けアセンブリであって、
前記溶接要素(5)の少なくとも1つの領域は又は前記溶接要素(5)の前記溶接可能プラスチックは、前記留め付けクリップ(2)の第1の側(6)に、カバーなしで又はさらなる構成要素が介在することなく、配置され、
前記第1の側(6)は、前記自動車用チューブ(3)に面している
ことを特徴とする留め付けアセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載の留め付けアセンブリであって、
前記溶接要素(5)の少なくとも一部は又は前記溶接要素(5)の前記溶接可能プラスチックは、前記留め付けクリップ(2)の前記第1の側(6)(内側)に、カバーなしで又はさらなる構成要素が介在することなく、配置され、
前記溶接要素(5)の少なくとも一部は又は前記溶接要素(5)の前記溶接可能プラスチックは、前記留め付けクリップ(2)の第2の側(7)(外側)に、カバーなしで又はさらなる構成要素が介在することなく、配置され、
前記第1の側(6)は、前記自動車用チューブ(3)に面しており、
前記第2の側は、前記第1の側(6)に対向している
ことを特徴とする留め付けアセンブリ。
【請求項5】
請求項1に記載の留め付けアセンブリであって、
前記溶接要素(5)は、前記留め付けクリップ(2)のクリップ受け口(8)に、能動的にのみ、収容される又は留め付けられる
ことを特徴とする留め付けアセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載の留め付けアセンブリであって、
前記溶接要素(5)は、前記留め付けクリップ(2)のクリップ受け口(8)内において、掛止接続によって前記留め付けクリップ(2)に留め付け可能である
ことを特徴とする留め付けアセンブリ。
【請求項7】
請求項1に記載の留め付けアセンブリであって、
前記留め付けクリップ(2)は、前記自動車用チューブ(3)を能動的に収容可能なチューブ受け(9)を少なくとも1つ有し、
前記クリップ受け口(8)は、前記溶接要素(5)と共に、前記チューブ受け(9)に配置され、好ましくはU字状チューブ受け(9)のU字の基部(10)に配置される
ことを特徴とする留め付けアセンブリ。
【請求項8】
請求項7に記載の留め付けアセンブリであって、
取り付けられた又は溶接された状態の前記自動車用チューブ(3)は、前記チューブ受け(9)の留め付け面を覆い、
前記自動車用チューブ(3)に面している、前記溶接要素(5)の開放面又はカバーなし面は、前記留め付け面の最大で40%、好ましくは最大で35%、最も好ましくは最大で30%に達する
ことを特徴とする留め付けアセンブリ。
【請求項9】
請求項1に記載の留め付けアセンブリであって、
前記溶接要素(5)の前記溶接可能プラスチックは、前記自動車用チューブ(3)の前記外面(4)の前記プラスチックに相当する又はほぼ相当する
ことを特徴とする留め付けアセンブリ。
【請求項10】
請求項1に記載の留め付けアセンブリであって、
前記自動車用チューブ(3)は、多層チューブ(3)であり、
前記溶接要素(5)は、前記多層チューブ(3)の外層(11)に溶接可能である
ことを特徴とする留め付けアセンブリ。
【請求項11】
請求項1に記載の留め付けアセンブリであって、
前記溶接要素(5)は、前記自動車用チューブ(3)の前記外面(4)又は前記外層(11)に、レーザ溶接によって溶接可能である
ことを特徴とする留め付けアセンブリ。
【請求項12】
請求項1に記載の留め付けアセンブリであって、
前記溶接要素(5)において、少なくとも溶接可能領域又は前記溶接可能プラスチックは、レーザ透過プラスチックから構成される又は実質的にレーザ透過プラスチックから構成される
ことを特徴とする留め付けアセンブリ。
【請求項13】
請求項1に記載の留め付けアセンブリであって、
前記溶接要素(5)は、多層であり、
前記自動車用チューブ(3)に面する前記溶接要素(5)の層は、前記溶接可能プラスチックから構成される又は実質的に前記溶接可能プラスチックから構成される
ことを特徴とする留め付けアセンブリ。
【請求項14】
請求項1に記載の留め付けアセンブリであって、
前記溶接要素(5)は、前記自動車用チューブ(3)に溶接され、
前記留め付けクリップ(2)は、前記溶接された溶接要素(5)に留め付け可能であり、
前記留め付けクリップ(2)は、特に、前記溶接された溶接要素(5)に押し付ける又は掛止する又はその両方が可能であり、
ある実施形態においては、前記留め付けクリップ(2)は、前記溶接要素(5)から取り外し可能である
ことを特徴とする留め付けアセンブリ。
【請求項15】
自動車用チューブ(3)を少なくとも1つの留め付けクリップ(2)に留め付ける方法であって、
前記自動車用チューブ(3)は、前記留め付けクリップ(2)に溶接されるプラスチック製の外面(4)又は外層(11)を有し、
留め付けクリップ(2)が使用され、
前記留め付けクリップ(2)は、溶接要素(5)を少なくとも1つ有し、
前記溶接要素(5)は、少なくとも部分的に、プラスチックから構成され、
前記プラスチックは、前記自動車用チューブ(3)の前記外面(4)又は前記外層(11)に溶接可能であり、
前記溶接要素(5)は、前記留め付けクリップ(2)に能動的に又は非能動的に又は両方に該当する状態で留め付けられ、
前記溶接要素(5)は、前記自動車用チューブ(3)の前記外面(4)又は前記外層(11)に溶接され、好ましくはレーザ溶接によって溶接され
前記留め付けクリップ(2)は、窓状のクリップ受け口(8)を有し、
前記窓状のクリップ受け口(8)は、前記留め付けクリップ(2)の壁を貫通延在し、又は、前記留め付けクリップ(2)の対向する2つの側(6、7)をすなわち内側(6)と外側(7)とを互いに接続し、
前記溶接要素(5)は、能動的に又は非能動的に又は両方に該当する状態で、前記窓状のクリップ受け口(8)に留め付けられる
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
初めに、前記溶接要素(5)が、能動的に又は非能動的に又は両方に該当する状態で、前記留め付けクリップ(2)に留め付けられ、
その後、前記自動車用チューブ(3)が、前記留め付けクリップ(2)の前記溶接要素(5)に、好ましくはレーザ溶接によって溶接される
ことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、
初めに、前記溶接要素(5)が、前記自動車用チューブ(3)の前記外面(4)又は前記外層(11)に、好ましくはレーザ溶接によって溶接され、
その後、残りの留め付けクリップ(2)が、能動的に又は非能動的に又は両方に該当する状態で、前記溶接された溶接要素(5)に留め付けられる
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブ用留め付けユニットに関し、この留め付けユニットは、少なくとも1つの留め付けクリップと、この留め付けクリップに留め付け可能な又は留め付けられている少なくとも1つの自動車用チューブとを備える。本発明は、さらに、自動車用チューブを留め付けクリップに留め付ける方法に関する。上記の留め付けクリップは、自動車において自動車用チューブを留め付けるために使用されている。このような自動車用チューブがその全長にわたって複数の留め付けクリップに留め付けられること、又は自動車に留め付けられることは、本発明の範囲内である。これは、自動車用チューブが、望ましくない軸線方向移動や回転移動をするのを回避するためである。この自動車用チューブは、特に、燃料パイプ、ブレーキ液用チューブ、又は、液温制御媒体用チューブである。本発明による自動車用チューブを他の用途に用いることも可能である。この自動車用チューブは、特に、複数のプラスチック層が互いに上下に配置された多層チューブである。
【背景技術】
【0002】
上に記載した種類のチューブ用留め付けユニットは、異なる実施形態で実用化されていることが知られている。基本的には、先ず、このような自動車用チューブを機械的にのみ留め付けることが知られている。ただし、自動車用チューブがプラスチック材料又はポリマー材料からなる場合、このような機械的な留め付けでは、通常は不十分である。特に、チューブが暖められたり又は加熱される場合は、ポリマー材料の流動性の故に、問題が生じる。
【0003】
プラスチック材料製の自動車用チューブを留め付け要素に溶接することは、既に知られている。ただし、ここで必要であるのは、自動車用チューブのプラスチック材料との相性がよい又は自動車用チューブのプラスチック材料との溶接が可能であるように、留め付け要素又はその材料を選択することである。したがって、複数の自動車用チューブがそれぞれ異なるプラスチック製である場合、又は、それぞれ異なるプラスチック製の外層を有する場合は、個々の自動車用チューブを溶接によって留め付け要素に確実に留め付けるために、複数の留め付け要素が必要になる。これは、特に、複数の留め付け要素の製作及び保管に関連して、非常に煩雑且つ費用がかかる。
【0004】
ちなみに、プラスチック製の構成要素をレーザ溶接することは、近年ますます重要になってきている。プラスチック製の自動車用チューブを、プラスチック製留め付け要素又はプラスチック製留め付けクリップに溶接するときは、レーザ溶接の機能的な信頼性を確保するために、留め付け要素全体又は留め付けクリップ全体をレーザ波長に対して光透過性の材料から構成される必要がある。これは、費用が比較的かかる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
これに対して、本発明は、上に記載した種類のチューブ用留め付けユニットであって、上記の諸欠点を回避でき、とりわけ、留め付けクリップに自動車用チューブを簡易に煩雑さなく且つ安価に留め付けることを可能にする、チューブ用留め付けユニットを提供するという技術的課題に基づく。本発明は、さらに、自動車用チューブを留め付けクリップに留め付けるための、対応する方法を定めるという技術的課題に基づく。
【0006】
この技術的課題を解決するために、本発明は、チューブ用留め付けユニットを教示する。このチューブ用留め付けユニットは、少なくとも1つの留め付けクリップと、この留め付けクリップに留め付け可能な又は留め付けられている少なくとも1つの自動車用チューブとを備える。この自動車用チューブは、留め付けクリップに溶接可能な又は溶接できるプラスチック製の外面を有する。留め付けクリップは、溶接要素を少なくとも1つ有し、この溶接要素は、少なくとも部分的に、自動車用チューブの外面に溶接可能であるか又は溶接されている溶接可能プラスチックから構成される。この溶接要素は、能動的に(positively)又は非能動的に(non-positively)又は実質的に又はいずれかを組み合わせた状態で留め付けクリップに留め付け可能であるか又は留め付けられており、好ましくは、能動的に又は非能動的に又は両方に該当する状態で、留め付けクリップに留め付け可能であるか又は留め付けられている。
【0007】
1本の自動車用チューブと複数の留め付けクリップとが本発明によるチューブ用留め付けユニットを形成することは、本発明の範囲内である。好適には、自動車用チューブは、複数のこのような留め付けクリップによって自動車に留め付けられる。このとき、これら留め付けクリップは、自動車用チューブの全長にわたって広がっており、好ましくは、互いから一定の距離に又はほぼ一定の距離に配置される。
【0008】
少なくとも1つの留め付けクリップは、プラスチックで又はほぼプラスチックから構成されることも本発明の範囲内である。この場合、留め付けクリップは、溶接要素を、少なくとも1つ、好ましくは1つ有する。この溶接要素は、少なくとも部分的に、自動車用チューブの外面に溶接可能なプラスチックから構成されている。推奨する実施形態においては、溶接要素は、自動車用チューブの外面と溶接可能なプラスチックのみから構成されるか、又は、実質的にこのようなプラスチックのみから構成される。
【0009】
偶然に又は他の理由により、留め付けクリップが、溶接要素の溶接可能プラスチックを構成する材料とは異なる材料から構成される、又は、溶接要素の溶接可能プラスチックを少なくともほぼ構成する材料とは異なる材料から構成されることは、本発明の範囲内である。好適には、留め付けクリップは、溶接要素の溶接可能プラスチックを構成する材料とは異なる材料から、少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも98重量%が構成される。留め付けクリップは、溶接要素の複数の溶接可能プラスチックのうちの1つとは異なるプラスチックから構成されることがまさに推奨される。(溶接要素を含む)留め付けクリップ全体がプラスチック製であること、又は、ほぼプラスチックから構成されることが推奨される。この場合、溶接要素のプラスチックの性質又は特性に対し、留め付けクリップの残りの部分の性質又は特性が、異なると好適である。
【0010】
本発明の特に推奨する実施形態においては、溶接要素は、能動的に又は非能動的に又は両方に該当する状態で、留め付けクリップに留め付けられており、実質的に留め付けた状態にはなっていない。好適には、溶接要素は、留め付けクリップに、能動的にのみ留め付けられるか、又は、非能動的にのみ留め付けられるか、又は、その両方が成り立つ。これに対して、溶接要素は、その留め付けクリップに収容される自動車用チューブに溶接され、これにより実質的に接続される。
【0011】
本発明のある推奨する実施形態は、溶接要素が留め付けクリップに留め付け可能である又は留め付けられていることを特徴とする。但し、溶接要素の溶接可能プラスチックは、少なくとも部分的に、カバーなしで又はさらなる構成要素が介在することなく、留め付けクリップの少なくとも一方の側に又は溶接要素の少なくとも一方の側に配置されるものとする。好適には、留め付けクリップの上述の一方の側又は溶接要素の上述の一方の側は、留め付けクリップの側であって留め付けられる自動車用チューブに面する側、又は、溶接要素の側であって留め付けられる自動車用チューブに面する側である。カバーなしで且つ他の構成要素の介在することなく溶接要素が上述の側に配置されるということは、特に本発明の範囲内において、溶接要素を又は溶接要素の溶接可能プラスチックを自動車用チューブの外面に直接接触させることができることを意味し、これにより、自動車用チューブの外面と溶接要素とが溶接可能であること、又は、自動車用チューブの外面と溶接要素の溶接可能領域とが溶接可能であることを意味する。
【0012】
したがって、溶接要素の溶接可能プラスチックが、留め付けクリップの又は溶接要素の、自動車用チューブに面する第1の側において、カバーなしで又はさらなる構成要素或いは層が介在することなく、少なくとも複数領域に設けられることは、本発明の範囲内である。これにより、溶接可能プラスチックを自動車用チューブの外面に直接接触させることができるので、自動車用チューブの外面に容易に溶接できる。好適なある実施形態変形例によると、自動車用チューブに面する溶接要素のカバーなし領域は、溶接可能プラスチックのみから構成されるか、又は、ほぼ溶接可能プラスチックのみから構成される。本発明の極めて推奨する実施形態においては、溶接要素全体が溶接可能プラスチックから構成されること、又は、溶接可能プラスチックからほぼ構成されることを特徴とする。
【0013】
本発明の特に好適な実施形態は、以下のことを特徴とする。溶接要素の少なくとも一部分が又は溶接要素の溶接可能プラスチックが、少なくとも部分的に、自動車用チューブに面する又は溶接要素に面する、留め付けクリップの第1の側(内側)に、カバーなしで又はさらなる構成要素が介在することなく配置され、第1の側に対向する留め付けクリップ又は溶接要素の第2の側(外側)に、カバーなしで又はさらなる構成要素が介在することなく配置される。この実施形態は、溶接要素を自動車用チューブの外面に溶接するには、特に適している。溶接要素を又は溶接要素の溶接可能プラスチックを、自動車用チューブの外面に直接接触させることができ、また、溶接するために、留め付けクリップの外側から、溶接要素に又は溶接要素の溶接可能プラスチックに容易にアクセスすることも可能である。
【0014】
溶接要素が、自動車用チューブに面する第1の側において、第1の溶接可能プラスチックから構成される或いは実質的に構成されること、又は、自動車用チューブとは反対の側において、少なくとも1つのプラスチックから或いは第2のプラスチックから構成される或いは実質的に構成されることは、本発明の範囲内である。本発明のある実施形態においては、溶接要素は、自動車用チューブに対して特に半径方向に、多層で形成されること、特に2つの層を有することを特徴とする。特に好適なある実施形態変形例では、自動車用チューブに面する溶接要素の層は、又は、自動車用チューブに直接接触させることができる溶接要素の層は、溶接可能プラスチックから構成される又は実質的に溶接可能プラスチックから構成されることを特徴とする。したがって、特に、留め付けクリップへの自動車用チューブのレーザ溶接のために、自動車用チューブに面する溶接要素の層は、又は、自動車用チューブに直接接触可能な溶接要素の層は、溶接可能プラスチックから構成可能である又は実質的に構成される。また、溶接要素のさらなる層の少なくとも1つは、レーザ透過材料から構成可能であるか又は実質的に構成される。
【0015】
本発明のある推奨する実施形態によると、溶接要素は能動的に収容され、ある変形実施形態においては、留め付けクリップのクリップ受け口に、能動的にのみ、収容される又は留め付けられる。この実施形態は、留め付けクリップのクリップ受け口に溶接要素を簡単に挿入できることを特徴とし、ある変形実施形態においては、溶接要素を取り外したり又は交換したりすることも可能である。本発明の実証されている実施形態においては、溶接要素が留め付けクリップのクリップ受け口に、能動的に且つ非能動的に、収容される又は留め付けられることを特徴とする。例えば、溶接要素は、圧締接続又はこれに類するものによって、留め付けクリップのクリップ受け口に留め付け可能である。溶接要素が、掛止接続によって、留め付けクリップに留め付け可能である又は留め付けられていること、特に留め付けクリップのクリップ受け口に留め付け可能である又は留め付けられていることも本発明の範囲内である。
【0016】
ある実施形態においては、溶接要素は、板状又は小板状であり、特に、平らな板の形状又は平らな小板の形状を有する。しかし、溶接要素が三次元形状を有することも可能であり、この場合は、溶接要素は、湾曲した板の形状又は湾曲した小板の形状を有することが好ましい。好適には、小板の湾曲は、留め付けクリップのチューブ受けの形状又は曲率に合わせられる。
【0017】
本発明の極めて推奨する実施形態においては、以下のことを特徴とする。留め付けクリップは窓状又は窓型のクリップ受け口を有し、このクリップ受け口は、留め付けクリップの壁を貫通する、又は、留め付けクリップの対向する2つの側を、特に内側と外側とを接続する。ちなみに、内側とは、留め付けクリップの、自動車用チューブに面する側を意味し、外側とは、留め付けクリップの、自動車用チューブとは反対の側を意味する。溶接要素は、特に能動的に又は非能動的に又は両方に該当する状態で、窓状のクリップ受け口に留め付け可能である又は留め付けられていることは、本発明の範囲内である。本発明の実施形態の1つにおいては、窓状のクリップ受け口は、矩形又はほぼ矩形の断面を有する。ただし、原則として、窓状のクリップ受け口の他の断面形状も考えられる。窓状のクリップ受け口内へ溶接要素を留め付けた後、溶接要素は、又は、溶接要素の部分であって、好ましくは対向する両側(すなわち内側と外側)の窓穴の領域に配置される部分は、設計上、カバーなしとなっており、自動車用チューブへ溶接する前は、両側から自由にアクセス可能である。好適には、外側からアクセス可能な溶接要素の部分は少なくとも、自動車用チューブの外面に溶接可能なプラスチックを少なくとも部分的に備える。この実施形態においては、溶接要素は、少なくとも1つの縁端領域によって、留め付けクリップの窓状のクリップ受け口の少なくとも1つの縁端に留め付けられることが推奨される。本発明の好適なある実施形態においては、溶接要素は、少なくとも2つの対向する縁端領域によって、又は、その縁端全体にわたって、窓状のクリップ受け口の当該縁端に留め付けられる。これは、能動的に又は非能動的に又は両方に該当する状態での留め付けであることが好ましい。
【0018】
留め付けクリップはチューブ受けを少なくとも1つ有し、該チューブ受けに自動車用チューブが能動的に収容されることは、本発明の範囲内である。さらに、溶接要素が、特に、溶接要素を有するクリップ受け口又は窓状のクリップ受け口が、留め付けクリップのチューブ受けに向けて配置されることは、本発明の範囲内である。溶接要素が、又は、チューブ受けの内側に位置する溶接要素の溶接可能プラスチックが、自動車用チューブの外面に溶接可能である又は溶接されていることが推奨される。
【0019】
本発明の好適なある実施形態においては、チューブ受けはU字状の断面を有し、このU字状の断面は、U字の2つの対向する脚部と、これらU字の脚部同士を接続するU字の基部とを有する。本発明の極めて推奨する実施形態においては、溶接要素が、特に、溶接要素を有するクリップ受け口又は窓状のクリップ受け口が、U字状チューブ受けのU字の基部に配置され、特に好ましくは、実質的にU字の基部に又はU字の基部にのみ配置されることを特徴とする。好適には、溶接要素は、特に、溶接要素を有するクリップ受け口又は窓状のクリップ受け口は、U字状チューブ受けのU字の基部の中心に設けられ、又は、ほぼ中心に設けられる。推奨する実施形態変形例においては、窓状のクリップ受け口は、又は窓状のクリップ受け口に留め付けられる溶接要素は、U字の基部の長手方向に延在する2つの対向する基部区画によって画定される。したがって、これら基部区画は、窓状のクリップ受け口のいわば2つの対向する縁端を形成する。
【0020】
組み付けられた又は溶接された状態の自動車用チューブが、留め付けクリップのチューブ受けの留め付け面を覆うことは、本発明の範囲内である。留め付けクリップの好適なU字状チューブ受けにおいて、自動車用チューブは、U字状チューブ受けのU字状脚部の内側及びU字状基部を少なくとも部分的に覆う。自動車用チューブの外面へ溶接するために、本発明による溶接要素は、自動車用チューブに面する開放面又はカバーなし面を有することが推奨される。この自動車用チューブに面している、溶接要素の開放面又はカバーなし面は、チューブ受けにおいてチューブ全体を覆う留め付け面の40%以下、好ましくは35%以下、好ましくは30%以下であると適切である。
【0021】
本発明のある推奨する実施形態においては、溶接要素の溶接可能プラスチックが、自動車用チューブの外面のプラスチックに相当する又はほぼ相当することを特徴とする。自動車用チューブの外面又は外層がポリアミド系の外面又は外層である場合は、好適には、溶接要素は又は溶接要素の溶接可能プラスチックは、ポリアミドから構成される或いは実質的にポリアミドから構成されるか、又は、ポリアミドとの溶接が可能なポリマーから構成されるか、又は、その両方が成り立つ。自動車用チューブの外面又は外層の材料が、ポリオレフィン系特にポリエチレン系の材料である場合は、好ましくは、溶接要素も又は溶接要素の溶接可能プラスチックも、ポリオレフィン特にポリエチレンから構成される、又は、実質的にポリオレフィン又はポリエチレンから構成される。
【0022】
本発明の特に好適なある実施形態は、留め付けクリップに留め付け可能な自動車用チューブが多層チューブであることを特徴とする。この場合、溶接要素又は溶接要素の溶接可能プラスチックは、多層チューブの外層に溶接可能である。本発明による留め付けユニットの自動車用チューブは、好ましくは2~6層を有し、好ましくは2~5層を有する。
【0023】
本発明の特に好適なある実施形態においては、溶接要素は又は溶接要素の溶接可能プラスチックは、レーザ溶接によって自動車用チューブの外面に溶接されている又は溶接可能であることを特徴とする。好適には、溶接要素は又は溶接要素の溶接可能プラスチックは、自動車用チューブの外面又は外層にレーザ溶接される。レーザ溶接は、本発明の技術的課題の解決という点で特に有用であることが実証されている。この点において、溶接要素の溶接可能領域又は溶接可能プラスチックは少なくとも、レーザ透過プラスチックから構成される又は実質的にレーザ透過プラスチックから構成されることは本発明の範囲内である。好ましくは、溶接要素全体が、レーザ透過プラスチックから構成される又は実質的にレーザ透過プラスチックから構成される。本発明の実施形態においては、溶接要素は、自動車用チューブに面する第1の側において、第1の溶接可能プラスチックから、特にレーザ吸収プラスチックから、構成され又は実質的に構成されることを特徴とし、溶接要素は、自動車用チューブとは反対の側において、少なくとも1つの第2のプラスチックから、特にレーザ透過性の少なくとも1つの第2のプラスチックから、構成される又は実質的に構成されることを特徴とする。上述のように、本発明の実施形態においては、溶接要素は、特に、自動車用チューブの半径方向に対して、例えば2層構成などの多層構成を有することを特徴とする。この場合、ある実施形態変形例では、溶接要素の少なくとも1つの層が溶接可能なレーザ吸収プラスチックから構成され又は実質的にこのレーザ吸収プラスチックから構成される、又は、自動車用チューブに面している又は自動車用チューブに接触可能な、溶接要素の層が、溶接可能なレーザ吸収プラスチックから構成され又は実質的にこのレーザ吸収プラスチックから構成されることを特徴とする。また、溶接要素の少なくとも1つの層が、好ましくはさらなる層が、レーザ透過プラスチックから構成される又は実質的にレーザ透過プラスチックから構成されることを特徴とする。
【0024】
レーザ溶接は、本発明の範囲内で特に好適である。特に重視されるのは、窓状のクリップ受け口に関して上で説明した実施形態変形例の好適なレーザ溶接である。好適には、このような窓状のクリップ受け口に溶接要素が収容されるものであり、この窓状のクリップ受け口は、留め付けクリップの壁を貫通する。この窓状のクリップ受け口の2つの対向する窓穴の領域に、溶接要素の溶接可能プラスチックが配置され、この溶接可能プラスチックをその一方の側で自動車用チューブの外面に接触させられることが好ましい。好適には、自動車用チューブとは反対の側で、溶接装置から、特にレーザ溶接装置から、溶接要素にアクセス可能である。この実施形態変形例においては、特に効果的に且つ簡単にレーザ溶接を行える。既に指摘したことであるが、溶接要素は、留め付けクリップの窓状のクリップ受け口に、能動的に又は非能動的に又は両方に該当する状態で、留め付けられることが好ましい。
【0025】
本発明の推奨する実施形態においては、溶接要素が、能動的に又は非能動的に又は両方に該当する状態で、留め付けクリップに既に留め付けられていることを特徴とし、且つ、この状態において、溶接要素が、又は、複数の留め付けクリップと溶接要素とから成る集合体が、溶接によって自動車用チューブに接続されることを特徴とする。本発明の別の実施形態においては、初めに、溶接要素のみが又は溶接要素の溶接可能プラスチックのみが、自動車用チューブに溶接されることを特徴とし、且つ、留め付けクリップが、既に溶接されている溶接要素に留め付け可能であること、特に、既に溶接されている溶接要素に押し付ける又は掛止する又はその両方が可能であることを特徴とする。推奨する実施形態変形例においては、溶接された溶接要素から留め付けクリップを取り外せること、例えば、溶接要素から留め付けクリップを押し外せることをさらに特徴とする。
【0026】
本発明による技術的課題を解決するために、本発明は、さらに、自動車用チューブを少なくとも1つの留め付けクリップに留め付ける方法を教示する。この方法において、自動車用チューブは、留め付けクリップに溶接されるプラスチック製の外面又は外層を有する。使用される留め付けクリップは、溶接要素を少なくとも1つ備える。この溶接要素は、少なくとも部分的に、自動車用チューブの外面又は外層に溶接可能なプラスチックから構成される又は実質的に構成される。溶接要素は、能動的に又は非能動的に又は両方に該当する状態で、留め付けクリップに留め付けられ、自動車用チューブの外面に溶接される、又は、自動車用チューブの外面と溶接される。自動車用チューブの外面/外層への、又は、自動車用チューブの外面/外層との、溶接要素のこの溶接は、レーザ溶接によって行われることが好ましい。
【0027】
本発明による方法の好適な実施形態においては、最初に、溶接要素が、能動的に又は非能動的に又は両方に該当する状態で、留め付けクリップに留め付けられ、その後、自動車用チューブが、留め付けクリップに又は留め付けクリップの溶接要素に、好ましくはレーザ溶接によって溶接される。特に、自動車用チューブの外面又は外層に対して溶接要素を選択することが推奨される。この溶接要素は、自動車用チューブの外面又は外層との溶接が可能な、溶接可能プラスチックを備える。
【0028】
本発明のある別の実施形態では、最初に、溶接要素が、自動車用チューブの外面又は外層に、好ましくはレーザ溶接によって溶接され、その後、(残りの)留め付けクリップが能動的に又は非能動的に又は両方に該当する状態で、溶接された溶接要素に留め付けられることを特徴とする。溶接要素は、順番に選択され、これにより、溶接要素の溶接可能プラスチックは、自動車用チューブの外面又は外層と溶接可能となる。
【0029】
上記の両実施形態においては、好適には、自動車用チューブの外面又は外層の材料に応じて、溶接要素のみ又は溶接要素の溶接可能プラスチックのみが選択される。留め付けクリップの残りの部分は、その材料に関して、自動車用チューブの性質に拘らず又は自動車用チューブの外面の性質に拘らず、選択可能であり、例えば標準的なプラスチックから構成されてもよい。溶接要素が又は溶接要素の溶接可能プラスチックが、レーザ透過プラスチックから構成される又は実質的に構成されることと、留め付けクリップの残りの部分は、しかしながら、非レーザ透過材料から構成される又は実質的に構成されることは、本発明の範囲内である。
【0030】
本発明は、本発明によるチューブ用留め付けユニットによって且つ本発明による方法によって、留め付けクリップに対してチューブ又は自動車用チューブを留め付けるための、非常に多様で融通が利く選択肢がもたらされるという知見に基づく。使用される留め付けクリップは、チューブの材料とは関係なく選択可能であり、したがって溶接要素のみを構成すればよい。チューブの材料に応じて選択された溶接要素が、能動的に又は非能動的に又は両方に該当する状態で、留め付けクリップに簡単に留め付けられるように、留め付けクリップを容易に形成できる。さらに、留め付けクリップは、その溶接要素によって、特にレーザ溶接によって、極めて簡単且つ安全にチューブに溶接可能である。本発明における各留め付けクリップは、選択されたそれぞれの溶接要素と共に、簡単且つ安価に製作可能であり、従来技術から公知の方策に勝る利点の主たるものは、製作及び保管に要する手間が少ないという事実にある。外面がそれぞれ異なるさまざまなチューブに、(溶接要素のない)同じ留め付けクリップを使用できる。溶接要素は、材料に関してのみ、チューブの外面の材料に適合させればよい。溶接要素が留め付けクリップの残りの部分より通常はるかに小さいという事実の結果として、公知の方策に比べ、材料のコストが大幅に低減される。これが特に該当するのは、留め付けクリップがレーザ溶接によってチューブに接続され、後者を実現するために比較的高価なレーザ透過プラスチック材料が必要とされる場合である。この場合、レーザ透過プラスチックから構成する必要があるのは比較的小さな溶接要素のみであり、留め付けクリップの残りの部分は異なる材料又は異なるプラスチックで製作され得る。このように、本発明は、簡素、労務に対する投資の抑制、低コストを特徴とする。加えて、本発明は、以下のような知見に基づく。本発明におけるチューブ用留め付けユニットによって、チューブの望ましくない移動又は変位を、特に望ましくない軸線方向及び半径方向への移動及び回転動を、効果的且つ確実に防止でき、これは、実際には、留め付けクリップと溶接要素との間の能動的な係合や接着と、留め付けクリップとチューブとの間の物質的接続との、組み合わせによるものである。
【0031】
唯一の例示的実施形態を示す図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明によるチューブ用留め付けユニットの概略断面図である。
図2図1による物体の概略平面図である。
図3図1による物体の概略底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
これらの図は、本発明によるチューブ用留め付けユニット1を示し、このチューブ用留め付けユニット1は、留め付けクリップ2と、留め付けクリップ2に留め付けられる自動車用チューブ3とからなる。図示したタイプの複数の留め付けクリップ2に自動車用チューブ3が留め付けられることは本発明の範囲内である。これら留め付けクリップは、特に自動車における留め付けに用いられる。本発明によると、自動車用チューブ3は、プラスチック製の外面4を有し、この外面4は、留め付けクリップ2に溶接可能な又は溶接されているものである。これらの図による例示的実施形態において、留め付けクリップ2は溶接要素5を備えることが分かる。好ましい例として且つ本例示的実施形態においては、この溶接要素5は、自動車用チューブ3の外面4に溶接される溶接可能プラスチックのみから構成されている。好適な例として且つ本例示的実施形態においては、自動車用チューブ3は多層チューブ3であり且つ溶接要素5は多層チューブ3の外層11に溶接されている。本例示的実施形態において、残りの留め付けクリップ2は、溶接要素5の溶接可能プラスチックとは異なるプラスチックから構成される。
【0034】
好適な例として且つ本例示的実施形態においては、溶接要素5は、留め付けクリップ2に能動的に及び非能動的に留め付けられる。好ましい例として且つ本例示的実施形態においては、留め付けクリップ2は、溶接要素5を留め付けるために、窓状のクリップ受け口8を備える。この窓状のクリップ受け口8は、留め付けクリップ2の壁を貫通するか、又は、留め付けクリップ2の対向する2つの側すなわち内側6と外側7を相互接続する。好ましい例として且つ本例示的実施形態においては、溶接要素5は、窓状のクリップ受け口8に能動的に及び非能動的に収容される。その結果、溶接要素5は、自動車用チューブ3に面する留め付けクリップ2の第1の側に、すなわち、留め付けクリップ2の内側6に、カバーなしで又はさらなる構成要素が介在することなく、配置される。さらに、本例示的実施形態において、溶接要素5は、好ましくは、留め付けクリップ2の第1の側(内側6)に対向する第2の側(外側7)にも、カバーなしで又はさらなる構成要素が介在することなく、配置される。この配置により、溶接要素5を、溶接するために、自動車用チューブ3の外面4又は外層11に容易に接触させることができる。また、溶接するために溶接要素5に外側7から容易にアクセスすることも可能となる。
【0035】
好適な例として且つ本例示的実施形態においては、溶接要素5の複数の縁端領域が、能動的に及び非能動的に、窓状のクリップ受け口8の複数の縁端に留め付けられる。好ましい例として且つ本例示的実施形態においては、溶接要素5の溶接可能プラスチックは、自動車用チューブ3の外面4のプラスチックに相当してもよく、又は、自動車用チューブ3の外層11のプラスチックに相当してもよい。これにより、自動車用チューブ3の外層11との溶接要素5の溶接が容易にできるようになる。推奨されるのは且つ本例示的実施形態の事例においては、自動車用チューブ3の外層11と溶接要素5との溶接は、レーザ溶接によって行われることである。このために、好ましい例として且つ本例示的実施形態においては、溶接要素5はレーザ透過プラスチックから構成される。また、窓状のクリップ受け口8における配置のおかげで、溶接要素5は、レーザ溶接のために、外側7から容易にアクセス可能である。
【0036】
本発明によるチューブ用留め付けユニット1の設計によれば、自動車用チューブ3の材料に応じて選択しなければならないのは、比較的小さな溶接要素5のみとすることが可能であり、また、それとは別に、留め付けクリップ2が任意の材料又はプラスチック材料から構成されることが可能となる。したがって、多種多様な留め付けクリップ2の複雑な製作及び保管を省くことができ、それぞれ異なる比較的小さな溶接要素5のみを在庫しておけばよい。
【0037】
好ましい例として且つ本例示的実施形態においては、留め付けクリップ2は、自動車用チューブ3が能動的に収容されるU字状のチューブ受け9をさらに有する。溶接要素5は、又は、溶接要素5を有する窓状のクリップ受け口8は、好ましい例として且つ本例示的実施形態においては、U字状のチューブ受け9のU字の基部10の中心に配置される。溶接要素5をこのように載置することは、本発明における機能的に信頼性のある留め付けのために特に有用であることが実証されている。
図1
図2
図3