(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-19
(45)【発行日】2022-08-29
(54)【発明の名称】外科用デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20220822BHJP
A61B 17/32 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B17/32 510
(21)【出願番号】P 2021001328
(22)【出願日】2021-01-07
(62)【分割の表示】P 2018534964の分割
【原出願日】2016-12-21
【審査請求日】2021-02-05
(32)【優先日】2016-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブルス セオドア
(72)【発明者】
【氏名】モエ リヤド
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-296370(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01897506(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第103138733(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14
A61B 17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用デバイスであって、
a.1つ以上の機能素子と、
b.セレクタアセンブリと、を備え、
前記セレクタアセンブリが、
i.1つ以上の起動ボタン、
ii.1つ以上の回路基板スイッチを有した1つ以上の回路基板、及び
iii.前記1つ以上の起動ボタンと連通して前記1つ以上の起動ボタンを少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動させ、前記1つ以上の起動ボタンを前記1つ以上の回路基板スイッチに対して移動可能にするシャトル、を含み、
前記1つ以上の機能素子は、前記1つ以上の起動ボタンが前記第1の位置にあり、前記1つ以上の起動ボタンが前記1つ以上の回路基板スイッチに位置合わせされて、前記1つ以上の起動ボタンが選択的に作動させられると、前記1つ以上の起動ボタンが前記1つ以上の回路
基板スイッチに接触するときに第1の機能を提供し、前記1つ以上の機能素子は、前記1つ以上の起動ボタンが前記第2の位置にあるときに第2の機能を提供
し、
前記1つ以上の起動ボタンが第1の起動ボタンと第2の起動ボタンとを含み、前記1つ以上の回路基板スイッチが第1の回路基板スイッチと第2の回路基板スイッチとを含み、
前記外科用デバイスが、前記シャトルを前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させることによって、第1の電気的状態と第2の電気的状態との間で切り替え可能であり、
前記第1の電気的状態においては、前記第1の起動ボタンが前記第1の回路基板スイッチと位置合わせされて、前記1つ以上の機能素子が、前記第1の起動ボタンが選択的に作動されたときに、前記第1の機能を提供するように動作可能であり、
前記第2の電気的状態においては、前記第1の起動ボタンが前記第1の回路基板スイッチと位置合わせされず、前記1つ以上の機能素子が、前記第1の起動ボタンが選択的に起動されたときに、前記第1の機能を提供するように動作可能でなく、
前記第2の電気的状態においては、前記第2の起動ボタンが前記第2の回路基板スイッチと位置合わせされて、前記1つ以上の機能素子が、前記第2の起動ボタンが選択的に作動されたときに、前記第2の機能を提供するように動作可能であり、
前記第1の電気的状態においては、前記第2の起動ボタンが前記第2の回路基板スイッチと位置合わせされず、前記1つ以上の機能素子が、前記第2の起動ボタンが選択的に作動されたときに、前記第2の機能を提供するように動作可能でない、
外科用デバイス。
【請求項2】
前記外科用デバイスが、本体を更に備え、前記シャトルが前記本体に対して移動し、前記シャトルが前記1つ以上の回路基板とも連通して、前記シャトルが移動すると、前記1つ以上の起動ボタンおよび前記1つ以上の回路基板が、互いに対し、また前記本体に対して移動させられる、請求項
1に記載の外科用デバイス。
【請求項3】
前記
1つ以上の回路基板スイッチが、前記本体に対して固定されている、請求項
1に記載の外科用デバイス。
【請求項4】
前記1つ以上の機能
素子の少なくとも1つが電極、モータ、または超音波振動子である、請求項1から
3のいずれかに記載の外科用デバイス。
【請求項5】
前記セレクタアセンブリは、さらに板バネ機構を含み、該板バネ機構が、上部位置と側部位置とを有するトラックを有するアクチュエータブロックと、前記アクチュエータブロックの前記トラックの前記上部位置および前記側部位置に嵌合し、位置変更ボタンに接続されたプランジャと、板バネと、を含み、
前記アクチュエータブロックが前記シャトル及び前記1つ以上の起動ボタンに接続され、
前記第1の位置においては、前記板バネが前記アクチュエータブロックに抗して偏向され、前記プランジャが前記アクチュエータブロックの前記上部位置にあり、
前記シャトル上の前記位置変更ボタンが押されると前記板バネ機構は前記第2の位置に変換され、前記プランジャが前記上部位置から前記側部位置に移動されることで前記板バネを伸ばし、前記アクチュエータブロックと前記1つ以上の起動ボタンとを前記第2の位置まで押す、
請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項6】
前記外科用デバイスがさらに本体を備え、前記シャトルが前記本体に対して移動する、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項7】
前記セレクタアセンブリがさらに、レバーと、前記レバーが周りで回転する固定枢動点と、前記シャトル上の第1の移動枢動点と、前記1つ以上の回路基板上の第2の移動枢動点と、を含む短いスローレバーアセンブリを含み、
前記レバーが、前記1つ以上の起動ボタンを保持する前記シャトルに前記第1の移動枢動点で接続し、前記1つ以上の回路基板に前記第2の移動枢動点で接続し、
前記シャトルを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させ、前記1つ以上の回路基板を前記シャトルと逆の方向に移動させることによって、前記短いスローレバーアセンブリが前記第1の位置と前記第2の位置との間で切り替わり、
請求項
6に記載の外科用デバイス。
【請求項8】
前記セレクタアセンブリがさらに、ピニオンギアと、前記シャトル上の第1のラックギアと、前記1つ
以上の回路基板上の第2のラックギアと、を含むラックアンドピニオンアセンブリを含み、
前記ピニオンギアが、前記1つ以上の起動ボタンを保持する前記シャトルに、前記第1のラックギアにおいて接続し、前記1つ以上の回路基板に前記第2のラックギアにおいて接続し、
前記ピニオンギアを回転させることによって前記シャトルが前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動し、前記1つ以上の回路基板が前記シャトルと逆の方向に移動する、
請求項
6に記載の外科用デバイス。
【請求項9】
前記1つ以上の機能
素子が第1の電気
素子と第2の電気
素子とを含む、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項10】
前記第1の電気素子が、電気モータ、電極、又は超音波振動子である、請求項
9に記載の外科用デバイス。
【請求項11】
前記第2の電気素子が、電気モータ、電極、又は超音波振動子である、請求項
10に記載の外科用デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、一般に、デバイスに関し、より具体的には、2つ以上の機能状態が有効化されるように、2つ以上の位置の間で再配置可能な回路基板スイッチ及び/又はボタンを含む外科用デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、外科用デバイスは1つの機能素子を有し、したがって、異なる機能が所望される場合、外科医は処置中に、異なる機能を有するデバイスにデバイスを切り替えることになる。しかし、いくつかのデバイスは、第2の機能素子を含み、各機能素子は各個別のボタンを作動させることによって起動される。例えば、外科医が2つのボタンを有するデバイスを選択した場合、1つ目のボタンが単極切断を起動し、2つ目のボタンが双極凝固を起動し、デバイスはこれらの機能しか提供することができない。したがって、双極切断が所望される場合、外科医は、より長い期間にわたる双極凝固若しくは切断のための単極切断のいずれかを使用することがあり、又は外科医は、双極切断を提供するデバイスに切り替えることがある。これによって、手術時間が長くなるか、又は任意の切断を行う回数が少なくなり得る。更に、処置の途中でデバイスを切り替えると、外科医が集中力を失うか、目的の特徴部を失うか、手術時間を延長するか、又はこれらの組み合わせをもたらす可能性がある。
【0003】
いくつかの電気外科用器具の例が、米国特許第6,110,171号同第6,113,596号同第6,190,386号同第6,358,268号、及び同第7,232,440号、並びに米国特許出願公開第2005/0113827号、同第2005/0187512号、同第2006/0084973号、同第2012/0123405号、同第2014/0276795号、及び同第2014/0276799号に認められ、これらは全て、あらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
必要とされるのは、複数の異なる電気的状態の間で容易に変換し、機能するデバイスである。単一のボタンで2つ以上の状態と複数の状態との間で切り替えることができるデバイスを有することは魅力的である。デバイスの回路が物理的に位置を変更し、デバイスをボタンに対して電気的に再構成するように、状態を機械的に再構成するデバイスを有することは魅力的である。ボタンは、デバイスの機能的出力を制御する。必要とされるのは、各ボタンが複数の機能を提供することができるように、状態を変更することができるデバイスである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本教示は、外科用デバイスであって、(a)1つ以上の機能素子と、(b)セレクタアセンブリであって、(i)1つ以上の起動ボタン、(ii)1つ以上の回路基板スイッチ、及び(iii)回路基板又は1つ以上の起動ボタンと連通して、回路基板スイッチ又は起動ボタンを少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動させ、結果として、回路基板スイッチ又は起動ボタンが相互に対して移動可能であるシャトル、を含む、セレクタアセンブリと、を備え、1つ以上の機能素子は、回路基板スイッチ又は1つ以上の起動ボタンが第1の位置にあるときに、第1の機能を提供し、1つ以上の機能素子は、回路基板スイッチ又は1つ以上の起動ボタンが第2の位置にあるときに、第2の機能を提供する、外科用デバイスを提供することによって、これらの必要のうちの1つ以上を満たす。
【0006】
本教示の別の可能な実施形態は、電気機械デバイスであって、(a)1つ以上の電気素子と、(b)1つ以上の起動ボタンと、(c)第1の回路基板スイッチと、(d)第2の回路基板スイッチと、(e)第1の回路基板スイッチ、第2の回路基板スイッチ、1つ以上の起動ボタン、又はこれらの組み合わせと連通するシャトルと、を備え、電気機械デバイスが、第1の電気的状態と第2の電気的状態との間で切り替えられることができ、シャトルが、第1の位置と第2の位置との間で移動し、電気外科用デバイスを第1の電気的状態と第2の電気的状態との間で変換することを補助し、第1の電気的状態において、1つ以上の起動ボタンのうちの第1の起動ボタンが、第1の回路基板スイッチと位置合わせされ、結果として、第1の起動ボタンの作動時に、第1の電気機能が有効化され、第1の電気機能が、1つ以上の電気素子を通る第1の治療電流であり、第2の電気的状態において、1つ以上の起動ボタンのうちの第2の起動ボタンが、第2の回路基板スイッチと位置合わせされ、結果として、第2の起動ボタンの作動時に、第2の電気機能が有効化され、電気機械デバイスが、(A)第1の位置において、第2の起動ボタンが、第2の回路基板スイッチと位置合わせされず、結果として、第2の起動ボタンの作動時に、第2の電気機能が有効化されないこと、(B)第2の位置において、第1の起動ボタンが、第1の回路基板スイッチと位置合わせされず、結果として、第1の起動ボタンの作動時に、第1の電気機能が第1の起動ボタンによって有効化されないこと、並びに(C)第1の起動ボタン及び第2の起動ボタンが、同じボタンであること、のうちの1つ以上を含む、電気機械デバイスを含む。
【0007】
本明細書における教示は、電気機械デバイスであって、(a)1つ以上の電気素子と、(b)1つ以上の起動ボタンと、(c)1つ以上の回路基板スイッチと、(d)1つ以上の回路基板スイッチのうちの少なくとも1つ、1つ以上の起動ボタンのうちの少なくとも1つ、又はこれらの両方と連通するシャトルと、を備え、電気機械デバイスが、第1の電気的状態と第2の電気的状態との間で切り替えられることができ、第1の電気的状態において、第1の電流は、1つ以上の起動ボタンのうちの第1の起動ボタンが作動されたとき、1つ以上の電気素子のうちの第1の電気素子に通され、第2の電気的状態において、第1の電流は、第1の起動ボタンが作動されたときに、第1の電気素子を通ることがなく、シャトルが、電気機械デバイスに沿って第1の位置と第2の位置との間で移動し、電気機械デバイスを第1の電気的状態と第2の電気的状態との間で変換することを補助し、第1の位置にあるシャトルは、第1の起動ボタンが、第1の起動ボタンの作動時に第1の起動ボタンが第1の回路基板スイッチと相互作用するときに、1つ以上の回路基板スイッチのうちの第1の回路基板スイッチと位置合わせされるように位置決めされて、第1の電気的状態を有効化し、第2の位置にあるシャトルは、第1の起動ボタンが第1の回路基板スイッチと位置合わせされないように位置決めされて、第1の電気的状態を無効化する、電気機械デバイスを提供する。
【0008】
本明細書における教示は、デバイスであって、(a)起動ボタンと、(b)回路基板と、を備え、起動ボタン及び回路基板は相互に対して移動可能であり、移動は、長手方向であってもよい(例えば、デバイスの長手方向軸の方向に沿って移動してもよい)か、デバイスの構成要素の周りで回転式に移動してもよい(例えば、長手方向軸に対して実質的に垂直な方向においてデバイスの輪郭をたどってもよい)か、横方向に(例えば、デバイスの輪郭をたどらずに左右に)移動してもよいか、又はこれらの組み合わせであってもよい、デバイスを提供する。
【0009】
本明細書における教示は、1つのボタンで2つ以上のモードと複数のモードとの間で切り替えることができるデバイスを提供する。本明細書における教示は、デバイスの回路がボタンに対して状態を電気的に変更してデバイスの機能的出力を変更するように、状態を機械的に変更するデバイスを提供する。本教示は、各ボタンが複数の機能を提供することができるように、状態を変更するデバイスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第2の状態における外科用デバイスの斜視図である。
【
図2】第1の状態における外科用デバイスの斜視図である。
【
図3】第1の状態における外科用デバイスの斜視図である。
【
図4】第2の状態における外科用デバイスの斜視図である。
【
図5】回路基板が起動ボタンに対して移動可能である、第1の位置におけるセレクタアセンブリの斜視図である。
【
図6】回路基板が起動ボタンに対して移動可能である、第2の位置におけるセレクタアセンブリの斜視図である。
【
図7】起動ボタンが回路基板に対して移動可能である、第1の位置におけるセレクタアセンブリの斜視図である。
【
図8】起動ボタンが回路基板に対して移動可能である、第2の位置におけるセレクタアセンブリの斜視図である。
【
図11A】非起動位置における、第1又は第2の起動ボタン及び回路基板スイッチの図を示す。
【
図11B】回路基板スイッチを押し下げる第1又は第2の起動ボタンを示す。
【
図12A】第1の位置における、キーボードとしてのデバイスの斜視図を示す。
【
図12B】第2の位置における、キーボードとしてのデバイスの斜視図を示す。
【
図13A】第1の位置における、板バネ機構を有するセレクタアセンブリの斜視図を示す。
【
図13B】第2の位置における、板バネ機構を有するセレクタアセンブリの斜視図を示す。
【
図14】短いスローレバーアセンブリを有するセレクタアセンブリの斜視図を示す。
【
図15】ラックアンドピニオンアセンブリを有するセレクタアセンブリの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に提示する説明及び例証は、本教示、その原理、及びその実用的適用を当業者に知らせることを意図したものである。当業者であれば、実用的使用の要件に最も適するように、本教示をその多数の形態で適合させ適用してもよい。したがって、記述されるような本教示の特定の実施形態は、本教示の網羅又は限定であることを意図しない。したがって、本教示の範囲は、上述の説明を参照して決定されるべきではなく、その代わりに、添付の特許請求の範囲を、かかる特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲と共に参照して決定されるべきである。特許出願及び特許出願公開を含む全ての論文及び参考文献の開示は、あらゆる目的で参照により組み込まれる。以下の特許請求の範囲から見つけられるような他の組み合わせも可能であり、それらもまた参照により本明細書に組み込まれる。
【0012】
本教示は、2つ以上の状態間で変更可能なデバイスに関する。デバイスは、信号を生成するか、電力を供給するか、又はこれらの両方を行うように機能する任意のデバイスであってもよい。デバイスは第1の状態における第1のセットの信号及び第2の状態における第2のセットの信号を送信してもよい。デバイスは、1つ以上のボタン又は1つ以上のキーを含み、1つ以上のボタン又は1つ以上のキーは、キー又はボタンの位置若しくは状態に応じて、2つ以上の信号を提供してもよい(本明細書で論じるようなボタン及びキーは交換可能に使用される)。キー、ボタン、又はこれらの両方、及び回路基板は、デバイスが異なる機能を提供するように、異なる信号を生成するために相互に対して移動可能であってもよい。1つ以上のボタン、1つ以上のキー、又はこれらの両方は、キーボード、電話機、コンピュータ、外科用デバイス、又はこれらの組み合わせにおいて存在してもよい。好ましくは、本教示は、外科用デバイスのボタンに関する。好ましくは、本教示は、電子式、超音波式、若しくは電動式外科用システム、又はこれらの組み合わせを形成する外科用デバイス及び関連する構成部品に関する。
【0013】
外科用デバイスは、機械デバイス、電気機械デバイス(例えば、機械的に移動する素子及び電気素子を有するデバイス)、電気外科用デバイス、又はこれらの組み合わせであってもよい。外科用システムは、本明細書で教示するデバイスの1つ以上を含む任意のシステムであってもよい。好ましくは、外科用システムは、少なくとも1つの状態(例えば、構成)を有する少なくとも1つの外科用デバイスを含む。状態は、別の部分に対して移動するデバイスの任意の部分の相対的な配置又は配列であってもよい。例えば、セレクタアセンブリは、ボタンを回路基板に対して又はその逆に移動させ、結果としてデバイスは第1の状態(又は第1の構成)と第2の状態(又は第2の構成)との間で変更する。外科用システムは、本明細書で教示するような1つ以上の本体、1つ以上の接地パッド、1つ以上の発電機、1つ以上の電気外科用デバイス、1つ以上の超音波デバイス、1つ以上の電動デバイス、1つ以上の隣接する本体構成要素、又はこれらの組み合わせ、及び外科用システムに組み込まれる各デバイスの本明細書における教示を含み得る。外科用デバイスは、外科医が外科処置を行うのに使用され得る任意のデバイスであってもよい。外科用デバイスは、2つ以上の構成、2つ以上の状態、又はこれらの両方の間で切り替えられるように機能してもよい。例えば、外科用デバイスは、電気的状態、超音波状態、電動状態、非動力状態、又はこれらの組み合わせの間で切り替えられてもよい。外科用デバイスは、もう片方の手を必要とせず、処置を中断することなく、又はこれらの両方でユーザが状態間で切り替えられるように、片手で2つ以上の状態の間で切り替えられてもよい任意のデバイスであってもよい。外科用デバイスは、両手で使用されるか、状態間で両手で切り替えられるか、又はこれらの両方であってもよい、任意のデバイス及び/又は状態であってもよい。外科用デバイスは、切断、止血、凝固、乾燥、高周波治療、電気焼灼、又はこれらの組み合わせを行うのに使用されてもよい。外科用デバイスは、1つ以上の機能を実行してもよい。好ましくは、外科用デバイスは、複数の機能を実行する。例えば、外科用デバイスは、第1の機能、第2の機能、第3の機能、第4の機能、又はそれ以上の機能を行ってもよい。外科用デバイスは、双極機能、単極機能、非電気外科機能、超音波機能、電動機能(例えば、切断、研磨、挽き、穿孔、若しくはこれらの組合せのための動力による移動)、又はこれらの組み合わせを含む任意のデバイスであってもよい。外科用デバイスは、開放手術で使用されてもよい。外科用デバイスは、非動力外科目的に使用されてもよい。例えば、外科用デバイスは、対象、器官、静脈、皮膚、組織など、又はこれらの組み合わせを把持するのに使用されてもよい、鉗子、ピンセット、又はこれらの両方として使用されてもよい。別の例では、外科用デバイスの1つ以上の部分は、メスと同様に、薄刃を含んでもよく、切断に使用されてもよい。外科用デバイスは、ハンドピースと発電機とを含んでもよい。外科用デバイスは、ハンドピースと発電機との間に延在する1つ以上の治療信号を有してもよい。
【0014】
外科用デバイスは、本体を有する。本体は、機能素子をユーザインターフェースに接続するように機能してもよい。本体は電力、信号、又はこれらの両方を機能素子に提供してもよい。本体及び1つ以上の機能素子は、1つの一体部品であってもよく、又は機能素子は、本体から取り外し可能であってもよい。本体は、電源を含んでもよく、又は電源に接続されてもよい。デバイスの本体は、デバイスを機能させるために使用される構成要素を収容してもよい。デバイスの本体は、ハンドピースであってもよい。デバイスの本体は、鉗子であってもよい。デバイスの本体は、フレームであってもよい。デバイスの本体は、作業アーム、1つ以上の機能素子、又はこれらの両方を接続してもよい。デバイスの本体は、1つ以上の起動ボタン、少なくとも1つの回路基板、シャトル、機能素子、セレクタアセンブリ、若しくはこれらの組み合わせを含むか、又はこれらに接続されてもよい。
【0015】
セレクタアセンブリは、ユーザに外科用デバイスの複数の機能の間での変更を可能にする。セレクタアセンブリは、1つ以上の起動ボタンの各々に対する複数の機能の間で変更するように機能してもよい。セレクタアセンブリは、1つ以上の起動ボタン、回路基板、又はこれらの両方を移動させることによって、1つ以上の起動ボタンの機能を変更する。セレクタアセンブリは、1つ以上の起動ボタンの各々が2つ以上の機能を提供するように、2つ以上の位置の間で変更可能である。例えば、外科用デバイスは、起動ボタンがデバイス上に存在する(例えば、1つのボタンが2つ以上、3つ以上、4つ以上、又は更には5つ以上の機能を起動してもよい)より多くの機能を行うか又は提供してもよい。セレクタアセンブリは、外科用デバイスに沿って長手方向に移動してもよい(例えば、デバイス(例えば、鉗子、電動デバイス、超音波デバイス)の長手方向軸の方向に沿って移動してもよい)か、外科用デバイスの構成要素の周りで回転式に移動してもよい(例えば、セレクタアセンブリは、長手方向軸に対して実質的に垂直な方向において外科用デバイスの輪郭をたどってもよい)か、セレクタアセンブリは、横方向に(例えば、デバイスの輪郭をたどらずに左右に)移動してもよいか、又はこれらの組み合わせで移動してもよい。本明細書で論じるような長手方向軸は、最も長い長さを有する寸法である。セレクタアセンブリは、1つ以上のチャネルに沿って、又はその中を移動してもよい。セレクタアセンブリは、摺動動作、板バネ機構、短いスローレバーアセンブリ、ラックアンドピニオンアセンブリ、又はこれらの組み合わせによって移動可能であってもよい。セレクタアセンブリは、外科用デバイスの表面上に位置する部分と、外科用デバイス内に延在する部分とを含んでもよい。セレクタアセンブリは、位置変更ボタンを介して位置を変更してもよい。位置変更ボタンは、押し下げられると、セレクタアセンブリが位置間で移動することを可能にし得る、機構又はアセンブリと連通していてもよい。セレクタアセンブリは、本体上にあるか、本体に取り外し可能に取り付けられるか、本体に沿って移動可能であるか、又はこれらの組み合わせであってもよい。セレクタアセンブリは、シャトル、1つ以上の起動ボタン、回路基板、位置変更ボタン、板バネ機構、短いスローレバーアセンブリ、ラックアンドピニオンアセンブリ、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0016】
デバイス(例えば、外科用デバイス)は、移動可能シャトルを含む。シャトルは、外科用デバイスの本体に対して移動可能であってもよい。シャトルは、デバイスを複数の状態(例えば、電気的状態)間で移動させてもよい。例えば、デバイスは、第1の状態から第2の状態に移動させられてもよい。デバイスは、第1の状態、第2の状態、第3の状態、第4の状態、又はそれ以上の状態の間で移動させられてもよい。シャトルは、デバイスの線又は軸に沿って、デバイスの表面に沿って、移動するか、デバイス上のレバーとして枢動するか、デバイス上のノブとして回転するか、又はこれらの組み合わせで移動してもよい。シャトルは、シャトルがデバイスに沿って移動すると、位置(例えば、第1、第2、第3又は第4の位置)間で移動してもよい。シャトルは、外科用デバイスに沿って長手方向に移動してもよい(例えば、デバイスの長手方向軸の方向に移動してもよい)か、外科用デバイスの構成要素の周りで回転式に移動してもよい(例えば、長手方向軸に対して実質的に垂直な方向において外科用デバイスの輪郭をたどってもよい)か、シャトルは、横方向に(例えば、デバイスの輪郭をたどらずに左右に)移動してもよいか、又はこれらの組み合わせで移動してもよい。シャトルは、外科用デバイスの長手方向軸に沿って移動してもよい。シャトルは、長手方向軸に実質的に垂直な方向(すなわち横方向)において移動してもよい。シャトルは、長手方向軸に実質的に平行な回転軸の周りで(すなわち、回転式に)移動してもよい。シャトルは、シャトルを移動させるのを補助する、板バネ機構、短いスローレバーアセンブリ、又はラックアンドピニオンアセンブリのうちの1つ以上を含んでもよい。シャトルは、1つ以上の起動ボタン、1つ以上の回路基板、又はこれらの両方と連通してもよい。シャトルが1つ以上の起動ボタンと連通しているとき、1つ以上の回路基板は、本体に対して固定されている。シャトルが1つ以上の回路基板と連通しているとき、1つ以上の起動ボタンは、外科用デバイスの本体に対して固定されている。シャトルが1つ以上の回路基板又は1つ以上の起動ボタンのいずれかと連通しているとき、1つ以上の起動ボタン及び1つ以上の回路基板は相互に対して移動してもよい。シャトルは、2つ以上の位置(例えば、少なくとも第1の位置及び第2の位置)を有してもよい。シャトルは、複数の位置を有してもよい。シャトルは、第1の位置、第2の位置、第3の位置、第4の位置、又はそれ以上を有してもよい。本明細書で論じる1つ以上の位置にあるシャトルは、本明細書における1つ以上の状態を無効化してもよい。第1の位置にあるシャトルは、第2の電気的状態を無効化してもよく、第2の位置において、第1の電気的状態及び/又は第3の電気的状態を無効化してもよく、又はこれらの組み合わせを無効化してもよい。例えば、第2の位置にあるシャトルは、第1の電気的状態が無効化されるように位置決めされてもよい。シャトルは、シャトルの位置決めに基づいて、外科用デバイスを状態間で変換することを補助する。例えば、第1の位置にあるシャトルは、外科用デバイスを第1の状態にし、シャトルが第2の位置に移動させられたとき、外科用デバイスは第2の状態に変換されることになる。第1の位置にあるシャトルは、1つ以上の起動ボタンを1つ以上の回路基板スイッチ、第2の回路基板上の1つ以上の回路基板スイッチ、又はこれらの両方と位置合わせしてもよい。第1の位置にあるシャトルは、1つ以上の起動ボタンを第1の回路基板スイッチに位置合わせせず、起動ボタンを第2の回路基板スイッチに位置合わせし、その逆も又同様であってもよい。本明細書で論じるような位置合わせは、ボタンがスイッチと接触するように移動することができるように、ボタンが位置しているときであり、好ましくは、ボタンが移動するとスイッチが起動されるように、ボタンがスイッチに対して直線的かつ実質的に垂直に移動することができるときである。本明細書で論じるような位置合わせしないことは、ボタンが、起動されたときにスイッチに接触せず、そのスイッチの起動を引き起こす場所である。第2の位置にあるシャトルは、1つ以上の起動ボタンを1つ以上の回路基板スイッチ、1つ以上の第2の回路基板スイッチ、又はこれらの両方と位置合わせしてもよい。1つ以上の起動ボタンが1つ以上の回路基板スイッチと位置合わせするか又は位置合わせしないように、シャトルは、2つ以上の位置に配置されてもよい。
【0017】
位置変更ボタンは、デバイスを2つ以上の位置間で変換するように機能してもよい。位置変更ボタンは、デバイスを位置間(例えば、第1の位置から第2の位置)で変換する機構又はアセンブリと連通してもよい。位置変更ボタンは、作動されると、機械的ポテンシャルエネルギーを方向運動に変換することによって、シャトル、回路基板、起動ボタン、又はこれらの組み合わせを移動させることによって、機構又はアセンブリに係合してセレクタアセンブリをある位置から別の位置に移動してもよい。位置変更ボタンは、デバイスの外部に位置する。位置変更ボタンは、アクチュエータを含んでもよい。位置変更ボタンは、板バネ機構、短いスローレバーアセンブリ、ラックアンドピニオンアセンブリ、又はこれらの組み合わせに作用してもよい。
【0018】
板バネ機構は、デバイスを状態(例えば、第1の状態と第2の状態)の間で変換してもよい。板バネ機構は、位置変更ボタン、トラック付きアクチュエータブロック、プランジャ、板バネ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。アクチュエータブロックは、回路基板、シャトル、起動ボタン、又はこれらの組み合わせに取り付けてもよい。アクチュエータブロックは、トラックを有してもよい。アクチュエータブロックのトラックは、ハンドピースの内部、外部、又はこれらの両方にあってもよい。アクチュエータブロックのトラックは、少なくとも1つの位置を有していてもよい。位置変更ボタンは、板バネ機構を位置間で変換するために使用されてもよい。位置変更ボタンは、プランジャを含んでもよい。プランジャは、アクチュエータブロックのトラックに嵌合してもよい。位置変更ボタンが作動されると、位置変更ボタンのプランジャは、アクチュエータブロックの2つ以上の位置の間を移動してもよい。位置変更ボタンのプランジャが移動すると、アクチュエータブロックは、板バネがシャトルに接続されたアクチュエータブロック、起動ボタン、回路基板、又はこれらの組み合わせを押すことができるように位置を変更してもよい。板バネの伸張力は、デバイスを別の位置に移動させる方向運動に変換されてもよい。アクチュエータブロックがある位置から別の位置に移動させられたとき、回路基板、シャトル、1つ以上の起動ボタン、又はこれらの組み合わせは、板バネに貯蔵された電位エネルギーを方向運動に変換することによって、相互に対して移動させられてもよい。
【0019】
短いスローレバーアセンブリは、デバイスを複数の状態(例えば、第1の状態及び第2の状態)の間で変換するために使用されてもよい。短いスローレバーアセンブリは、作動されたとき、セレクタアセンブリの位置をある位置から別の位置に変更してもよい。短いスローレバーアセンブリは、レバー、固定枢動点、1つ以上の移動枢動点、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。レバーは、1つ以上の移動枢動点のうちの1つにおいて、シャトル、回路基板、起動ボタン、又はこれらの組み合わせに取り付けてもよい。レバーは、固定点の周りで枢動してもよい。レバーに力を加えると、レバーは、回路基板、シャトル、起動ボタン、又はこれらの組み合わせを押すか又は引く固定点の周りで枢動してもよい。短いスローレバーアセンブリは、起動ボタン及び回路基板を、位置合わせするか又は位置合わせしないように移動してもよい。短いスローレバーアセンブリは、回路基板、シャトル、1つ以上の起動ボタン、又はこれらの組み合わせを相互に対して移動することによって、セレクタアセンブリを移動し、デバイスをある状態から別の状態に変換してもよい。
【0020】
ラックアンドピニオンアセンブリは、デバイスを第1の状態と第2の状態との間で変換するために使用されてもよい。ラックアンドピニオンアセンブリは、セレクタアセンブリの位置をある位置から別の位置に変更することを補助してもよい。ラックアンドピニオンアセンブリは、ピニオンギヤと1つ以上のラックギヤとを含んでもよい。ラックアンドピニオンアセンブリは、起動ボタン、シャトル、回路基板、又はこれらの組み合わせに接続された1つ以上のラックギヤと連通してピニオンギヤを回転させることによって、セレクタアセンブリを移動させてもよい。アセンブリが回転されたとき、ピニオンギヤの歯は、回路基板、起動ボタン、シャトル、又はこれらの組み合わせに接続され得るラックの歯と絡み合い、回路基板及び起動ボタンを相互に位置合わせするか又は位置合わせしないように移動させる。
【0021】
1つ以上の起動ボタンは、機能素子を起動又は停止するように機能してもよい。1つ以上の起動ボタンは、1つ以上の回路基板スイッチを作動し、1つ以上の回路基板スイッチ、又はこれらの両方と位置合わせしてもよい。1つ以上の起動ボタンは、複数の起動ボタンであってもよい。1つ以上の起動ボタンは、第1の起動ボタン、第2の起動ボタン、第3の起動ボタン、第4の起動ボタン、又はそれ以上の起動ボタンであってもよい。好ましくは、各作動ボタンは、外科用デバイスによって複数の機能が提供され得るように、1つ以上の回路基板スイッチを作動してもよい。1つ以上の起動ボタンは、回路基板スイッチ(例えば、ドーム又は膜)に接触して(例えば、直接接触又は間接接触によって)、機能素子のうちの1つ以上を始動してもよい。1つ以上の起動ボタンは、実質的に直線的に(例えば、スイッチに垂直に)移動してもよい。1つ以上の起動ボタンの各々は、異なる機能を提供し、異なる機能素子を制御し、同じ機能素子を介して複数の機能を提供し、又はこれらの組み合わせを提供してもよい。1つ以上の起動ボタンは、外科用デバイスの本体、シャトル、又はこれらの両方に位置してもよい。起動ボタンは、押し下げられると、回路基板スイッチを作動させ、結果として、外科用デバイスの1つ以上の機能素子が起動される。回路基板スイッチは、起動ボタンが押し下げられたときに作動され、これによって、回路を完成させ、1つ以上の機能素子に電力を供給する。外科用デバイスには1つ以上の起動ボタンが存在してもよい。好ましくは、複数の起動ボタンが存在する。好ましくは、1つ以上の起動ボタンは、複数の位置を有してもよい。例えば、1つ以上の起動ボタンの各々は、第1の位置と第2の位置との間で移動させられてもよい。1つ以上の起動ボタンは、デバイスの長手方向軸に沿って長手方向に移動可能であり、デバイスの2次元(例えば、長手方向軸にほぼ垂直な方向)に沿って横方向に移動可能であり、回転軸の周りで回転可能に移動可能であり、又はこれらの組み合わせで移動可能であってもよい。好ましくは、1つ以上の起動ボタンは、長手方向軸の周りで移動することになる。1つ以上の起動ボタンは、固定されていてもよい。1つ以上の起動ボタンは、本体、シャトル、回路基板、又はこれらの組み合わせに対して固定されていてもよい。1つ以上の起動ボタンは、剛性素子、非導電性素子、又はこれらの両方であってもよい。1つ以上の起動ボタンは、本体内のガイドによる運動から拘束されてもよい。回路基板又は回路基板スイッチ(すなわち、電気外科用スイッチ)と位置合わせされたときの1つ以上の起動ボタンは、押し下げられると、回路基板又は回路基板スイッチと接触し得、1つ以上の機能素子を起動する。
【0022】
回路基板は、1つ以上の機能素子を起動又は停止にするように機能する。回路基板は、1つ以上のユーザ入力を受け取り、外科用デバイスの1つ以上の機能素子を制御するように機能する。外科用デバイス内に1つ以上の回路基板が存在してもよい。回路基板は、表面実装回路、スルーホール回路、又はこれらの両方を有してもよい。好ましくは、回路基板は、表面実装回路を有する。回路基板は、表面上に実装又は載置される構成要素を有してもよい。例えば、回路基板スイッチを含む回路構成部品の全てが、回路基板の上面に実装されて、回路基板がデバイスの実装面に平坦に実装され得ることを可能にする。回路基板は、スルーホール構造を有してもよい。スルーホール構造は、ワイヤリード線を有する構成要素を回路基板の孔に嵌合させる。1つ以上の回路基板が存在する場合、回路基板は相互に対して移動可能である。例えば、異なる機能が起動されるように、1つの回路基板が、別の回路基板の上又は下に移動させられてもよい。1つの回路基板は移動可能であり、1つの回路基板は固定されていてもよい。両方の回路基板は、移動可能であってもよい。1つ以上の起動ボタンの各々は、異なる機能を提供し、異なる機能素子を制御し、同じ機能素子を介して複数の機能を提供し、又はこれらの組み合わせを提供してもよい。1つ以上の回路基板は、外科用デバイスの本体の上又は内部、シャトルの上又は内部、又はこれらの両方に位置してもよい。1つ以上の回路基板は、外科用デバイスの機能素子を起動するために使用される。1つ以上の回路基板は、1つ以上の起動ボタンと相互作用する回路基板当たり少なくとも1つのスイッチを有する。回路基板スイッチは、表面実装スイッチであってもよい。回路基板スイッチが押し下げられた起動ボタンによって作動されたとき、回路基板スイッチは、回路基板の回路を閉じ、外科用デバイスの機能素子を有効化する。外科用デバイス上に複数の回路基板が存在してもよい。外科用デバイスは、複数の回路基板を含んでもよい。例えば、外科用デバイスは、第1の回路基板と第2の回路基板とを有する。第1の回路基板は、起動されたときに、第1の機能素子及び第2の回路基板を有効化することにより、起動されたときに、第2の機能素子を有効化する。外科用デバイスは、2つの回路基板の間を移動し、第1の位置にあるときは第1の回路基板と、第2の位置にあるときは第2の回路基板と位置合わせする1つの起動ボタンを有してもよい。第1の位置において、第2の回路は、起動ボタンと位置合わせされない、第2の位置において、第1の回路基板は、起動ボタンと位置合わせされない。好ましくは、1つ以上の回路基板は、複数の位置を有してもよい。例えば、1つ以上の回路基板の各々は、第1の位置と第2の位置との間で移動させられてもよい。1つ以上の回路基板は、デバイスの長手方向軸に沿って長手方向に移動可能であり、デバイスの2次元(例えば、長手方向軸に実質的に垂直)に沿って横方向に移動可能であり、回転軸(長手方向軸に平行な軸)の周りで回転可能に移動可能であり、又はこれらの組み合わせで移動可能であってもよい。好ましくは、1つ以上の回路基板は、長手方向軸の周りで移動することになる。1つ以上の回路基板は、固定されていてもよい。1つ以上の回路基板は、本体、シャトル、起動ボタン、又はこれらの組み合わせに対して固定されていてもよい。回路基板上に複数の回路基板スイッチが存在してもよい。例えば、同一の回路基板(例えば、第1の回路基板スイッチ及び第2の回路基板スイッチ)上に位置する2つの回路基板スイッチが存在してもよい。例えば、第1の回路基板と第2の回路基板との両方が、第1の回路基板スイッチと第2の回路基板のスイッチを含んでもよい。第1の回路基板スイッチが押し下げられると、第1の機能が実行され、第2の回路基板スイッチが押し下げられると、第2の機能が実行される。回路基板は、1つ以上のスイッチを含んでもよい。
【0023】
回路基板スイッチは、回路基板及び1つ以上の起動ボタンと相互作用することによって、外科用デバイスの機能素子の起動を有効化する。回路基板の各々は、1つ以上のスイッチ、及び好ましくは複数のスイッチを含んでもよい。1つ以上のスイッチは、第1のスイッチ、第2のスイッチ、第3のスイッチ、第4のスイッチ、第5のスイッチ、又はそれ以上のスイッチであってもよい。デバイスは、ボタンと同じ数のスイッチを含んでもよい。例えば、デバイスは、2つのボタンと2つのスイッチとを含んでもよい。デバイスは、異なる数のボタンとスイッチとを含んでもよい。例えば、デバイスは、3つのスイッチと1つのボタンとを含んでもよい。別の例では、デバイスは、2つのボタンと3つのスイッチとを含んでもよい。1つ以上の回路基板スイッチは、平坦、凸面、凹面、ドームスイッチ、膜スイッチ、電気スイッチ、容量センサ、圧力センサ、又はこれらの組み合わせであってもよい。好ましくは、1つ以上の回路基板スイッチは、ドームスイッチであってもよい。1つ以上の回路基板スイッチは、1つ以上の起動ボタンが回路基板スイッチと位置合わせされると、1つ以上の起動ボタンと相互作用し、結果として、1つ以上の起動ボタンが押し下げられると、ボタンが1つ以上の回路基板スイッチと接触及び係合して回路を完成させて、外科用デバイスの機能素子を有効化する。回路基板スイッチは、接触されることなく起動されてもよい。例えば、起動ボタンが押し下げられると、回路基板スイッチをトリガするフィールドが作成され得、結果として、機能が起動される。1つ以上の回路基板スイッチ及び1つ以上の起動ボタンは、セレクタアセンブリの位置を変更することによって、位置合わせされるようになる。
【0024】
外科用デバイスの状態(例えば、電気的状態又は機械的状態)は、機能素子が起動されるように変更可能である。外科用デバイスは、少なくとも2つの状態を有する。状態の各々は、1つ以上の異なる機能を提供する。例えば、第1の状態は鉗子であり、双極治療電流を提供し、第2の状態は切断を提供し得るプローブであり、単極治療電流を提供する。外科用デバイスは、セレクタアセンブリが第1の位置にあるときに第1の状態を生成する。セレクタアセンブリが第1の位置にあるとき、少なくとも1つの回路基板スイッチが、起動ボタンのうちの少なくとも1つと位置合わせされ、結果として、起動ボタンが係合されると、起動ボタンは、回路基板上の回路基板スイッチに接触し、回路を完成させ、第1の機能を有効化する。
【0025】
第2の状態は、外科用デバイス(例えば、機械的又は電気的)を2次形態に変更して、外科用デバイスの第2の素子が使用され得ることを可能にする。第2の状態は、セレクタアセンブリが第2の位置にあるときに生成される。第2の状態において、セレクタアセンブリは、セレクタアセンブリが1つ以上の回路基板又は1つ以上の起動ボタンのいずれかを移動させる第2の位置に前進する。回路基板又は起動ボタンが移動させられると、起動ボタン及び回路基板スイッチが位置合わせされないか又は位置合わせされ直すため、以前に有効であった機能にアクセスできなくなる。第2の状態において、1つ以上の起動ボタンが1つ以上の回路基板スイッチと位置合わせされなくてもよく、結果として、位置合わせされない起動ボタンが効果的に無効化される。第2の状態において、セレクタアセンブリが第2の位置にあると、起動ボタンと回路基板上の回路基板スイッチとが位置合わせされなくてもよく、結果として、起動ボタンが押し下げられると、ボタンは回路基板スイッチに接触せず、1つ以上の機能素子を有効化しない。外科用デバイスの第2の状態は、第1の状態において起動された機能素子とは異なる機能素子が起動されるように、起動ボタンのうちの1つを回路基板スイッチの1つに位置合わせし直してもよい。第2の状態において、シャトルが第2の位置にあると、第1の状態の位置合わせとは異なり、起動ボタンのうちの少なくとも1つが別の回路基板スイッチと位置合わせされ、結果として、起動ボタンが押し下げられると、ボタンは回路基板スイッチと接触して、外科用デバイスの第2の機能素子を有効化する。例えば、第1の機能素子が治療電流を生成する場合、第2の機能素子は、異なる治療電流であってもよい。外科用デバイスの第2の状態は、非動力素子であってもよい。
【0026】
1つ以上の機能素子は、外科用デバイスが外科処置を行うために使用され得るように、外科用デバイスの一体部分又は外科用デバイスに追加され得る部分である。外科用デバイスは少なくとも1つの機能素子を有する。機能素子は、回路が1つ以上の起動ボタンを押し下げることによって完成されたときに、作動されてもよい。好ましくは、外科用デバイスは、1つ以上の機能素子を有する。例えば、外科用デバイスは、電気外科用鉗子であってもよく、第1の状態において電気外科用鉗子が治療電流を生成し、第2の状態において外科用デバイスが非電気鉗子として機能する。好ましくは、外科用デバイスは、複数の機能素子(例えば、3つ以上、4つ以上、又は更に5つ以上)を有する。機能素子は、電気式、電動式、超音波式、機械式、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0027】
機能素子が電気素子である場合、機能素子は、外科処置のうちの1つ以上の部分を実行するために電気を使用する。電気素子は、電気を使用して動作する機能素子である。電気素子は、電極、電気モータ、超音波トランスデューサ、又はこれらの組み合わせであってもよい。第1の電気素子はモータであってもよく、第2の電気素子は電極であってもよい。第2の電気素子は、電極、第2の治療電流、モータ、超音波トランスデューサ、又はこれらの組み合わせであってもよい。好ましくは、第2の電気素子は、少なくとも第2の電気素子を通る第2の治療電流である。モータは、起動ボタンが第1の位置にあるときに動作されてもよく、電極は、起動ボタンが第2の位置にあるときに起動されてもよい。外科用デバイスは、少なくとも1つの電気素子を有してもよい。外科用デバイスは、少なくとも2つの電気素子を有してもよい。外科用デバイスは、複数の電気素子を有してもよい。
【0028】
外科用デバイスの電気機能素子は、1つ以上の電極を含んでもよい。電極は、起動時に外科用デバイスを介して電気を伝導する。電極は、治療電流を伝導してもよい。治療電流は、単極電流、双極電流、又はこれらの組み合わせであってもよい。治療電流は、手術中に切断、焼灼、凝固、又はこれらの組み合わせに使用されてもよい。電極は、モータを作動させるために使用される治療電流を伝導してもよい。
【0029】
外科用デバイスの機能素子は、モータであってもよい。モータは、外科用デバイスの構成要素を移動させるように機能する。モータは、電気的に動力を供給されるか、空気圧で動力を供給されるか、油圧で動力を供給されるか、又はこれらの組み合わせであってもよい。モータは、切削、研磨、挽き、穿孔、又はこれらの組み合わせに使用されてもよい。例えば、外科用デバイスの電動機能素子は、固定された外刃及び回転する内刃を有するデブリーダであってもよく、又は電動機能素子は、灌注若しくは吸引などの第2の機能素子であってもよい。第1の機能状態において、デブリーダが作動されてもよく、第2の機能状態において、灌注又は吸引素子が流体ラインに衝突するソレノイド駆動弁の開度によって作動されてもよい。例えば、第1の状態にあるデバイスは、目標領域を切断するデブリーダ機能を作動させてもよく、第2の状態にあるデバイスは、目標領域から破片及び液体を除去するために真空源を作動させてもよく、第3の状態にあるデバイスは、目標領域に生理食塩水を提供する灌注源を作動させてもよい。真空及び灌注は、既存の供給源から得られ、ソレノイドの起動によって作動されてもよい。別の例では、第1の状態にあるデバイスは、デブリーダ機能を起動し、第2の状態にあるデバイスは、デブリーダモータを起動せずに双極凝固機能を起動する。
【0030】
外科用デバイスの機能素子は、超音波構成要素であってもよい。超音波機能素子は、目標領域の特定、切断、凝固、又はこれらの組み合わせに使用されてもよい。超音波素子は、電気エネルギーを組織に印加される機械的振動に変換することによって、切断しかつ凝固させることが好ましい。超音波機能は、単極機能、双極機能、又はこれらの両方と組み合わされ得る。例えば、第1の状態にあるデバイスは、目標領域を切断するために超音波エネルギーを生成するように作動され、第2の状態にあるデバイスは、目標領域を凝固させるために双極療法電流を作動させてもよい。更なる例において、第1の状態にあるデバイスは、超音波エネルギーを目標領域に送信し、第2の状態にあるデバイスは、超音波エネルギーと双極エネルギーとの両方を送信して目標領域を同時に切断しかつ凝固させる。
【0031】
外科用デバイスの機能素子は、機械デバイスであってもよい。機械機能デバイスは、実質的に電気又は他の電源を有していなくてもよい。機械素子は、外科用デバイスを使用して、切断、把持、検査、挽き、打撃、又はこれらの組み合わせを行ってもよい。
【0032】
外科用デバイスは、組み合わせデバイスであってもよい。組み合わせデバイスは、ハンドセットを切り替えることなく複数の機能を実行することができるツールを作るために、2つ以上の構造素子を1つのデバイスに組み込む。
【0033】
図1は、電気外科用デバイス2として示される外科用デバイス1の一例の斜視図を示す。電気外科用デバイス2は、遠位端14と近位端16とを有する本体5を有する鉗子4として示される。遠位端14は、その間にブレード電極8を有する一対の作業アーム6を含む。ブレード電極8は、シャトル20が第2の位置24に前方に(すなわち、長手方向軸18に沿って)移動させられることによって、第1の状態10に前進させられる。第2の位置24において、第1の起動ボタン26と第2の起動ボタン28との両方が示される。
【0034】
図2は、第1の位置22にあるシャトル20(長手方向軸18に沿った)と、ブレード電極8が一対の作業アーム6の間に引き込まれるように第2の状態12にあるブレード電極8と、を有する電気外科用デバイス2の斜視図を示す。シャトル20が第1の位置22にあるとき、第1の起動ボタン26は露出される。
【0035】
図3は、シャトル20が第1の位置22にある、電気外科用デバイス2の斜視図を示す。第1の位置22において、第1の起動ボタン26及び第2の起動ボタン28は露出され、ブレード電極8は、第2の状態12が形成されるように作業アーム6の間に引き込まれる。
【0036】
図4は、シャトル20が第2の位置24にある電気外科用デバイス2の斜視図を示す。示されるように、ブレード電極8に電力を供給するために、第1の起動ボタン26と第2の起動ボタン28との両方が露出されている。ブレード電極8は、ブレード電極8が対向する一対の作業アーム6を越えて延在するように、第1の状態10に前進する。
【0037】
図5は、接続領域50において回路基板40に接続されたシャトル20を含むセレクタアセンブリ38を示す。プリント回路基板40は、複数のスイッチ(例えば、第1の回路基板スイッチ42及び第2の回路基板スイッチ44)を含む。示されるように、第1の起動ボタン26は、第1の電気外科用スイッチ42と位置合わせされ、第2の起動ボタン28は、第2の電気外科用スイッチ44と位置合わせされ、結果として、第1の起動ボタン26又は第2の起動ボタン28が方向52に作動されると、接触が、第1の電気外科用スイッチ42及び第2の電気外科用スイッチ44でそれぞれ生成される。第3の電気外科用スイッチ46は、起動ボタンと位置合わせされない。
【0038】
図6は、第3の回路基板スイッチ46が第1の起動ボタン26と位置合わせされるように、方向48に移動させられるシャトル20と回路基板40とを含み、結果として、第1の起動ボタン26が第3の回路基板スイッチ46に接触するように方向52に移動させられると、電気モードが起動される、セレクタアセンブリ38を示す。シャトル20及び回路基板40は、接続領域50において相互に接続され、かつ共に移動する。シャトル20が位置1 22から第2の位置24に移動させられると、第2の起動ボタン28は覆われ、かつ位置合わせされず、結果として、起動ボタン28が作動された場合、いかなる回路基板スイッチにも接触しない。第1の回路基板42スイッチ及び第2の回路基板スイッチ44は、全ての起動ボタン26、28と位置合わせされない。ブレード電極(図示せず)は引き込まれる。
【0039】
図7は、シャトル20と起動ボタン26、28とを含むセレクタアセンブリ38を示す。回路基板40は、複数のスイッチ(例えば、第1の電気外科用スイッチ42及び第2の電気外科用スイッチ44)を含む。示されるように、第1の起動ボタン26は、第1の電気外科用スイッチ42と位置合わせされ、第2の起動ボタン28は、第2の電気外科用スイッチ44と位置合わせされ、結果として、第1の起動ボタン26又は第2の起動ボタン28が方向52に作動されると、接触が、第1の電気外科用スイッチ42及び第2の電気外科用スイッチ44でそれぞれ生成される。
【0040】
図8は、第2の起動ボタン28が第1の電気外科用スイッチ42と位置合わせされるように、シャトル20及び起動ボタン26、28が方向64に移動させられ、結果として、第2の起動ボタン28が第1の起動スイッチ42に接触するように方向52に移動させられて、電気モードが起動される、を含むセレクタアセンブリ38を示す。第1の起動ボタン26は、回路基板スイッチ42、44と相互作用しないように配置される。第2の回路44基板スイッチは、起動ボタン26、28によって作動されないように配置される。シャトル20は、起動ボタン26、28を含み、方向64に共に移動してデバイスを位置24に配置する。
【0041】
図9は、端子58領域を有するトレース54を含む回路基板40を有する第1の電気外科用スイッチ42及び第2の電気外科用スイッチ44を示す。ドーム56は、起動デバイス70がドーム56を方向52に作動すると信号が送信されるように、トレース54に接触し、かつトレース54を越えて延在している。
【0042】
図10は、スイッチ72の上面図を示す。スイッチ72は、第1の起動ボタン26又は第2の起動ボタン28であり得るボタンを含む。
【0043】
図11Aは、オフ位置のときのスイッチ72の側面図を示す。オフ位置において、ドーム56は、第1の起動ボタン26/第2の起動ボタン28に接続された起動デバイス70に向かって上方に延在している。
【0044】
図11Bは、起動位置にあるスイッチ72を示す。起動位置において、ドーム56は、第1の起動ボタン26/第2の起動ボタン28によってドームに押し付けられる起動デバイス70によって作動される。
【0045】
図12Aは、回路基板40上に位置する複数の回路基板スイッチ42、44、46と位置合わせされた複数の起動ボタン26、28、30を有し、これにより、1つ以上の起動ボタン26、28、30が方向52に押し下げられると、1つ以上の回路基板スイッチ42、44、46がそれぞれ作動される、キーボード62としてのセレクタアセンブリ38を示す。ボタン26、28、30は、作動デバイス70に接続され、したがって、ボタン26、28、30が52方向に押し下げられると、作動デバイス70は、それぞれの回路基板スイッチ42、44、46を押し下げる。
【0046】
図12Bは、キーボード62として示されるセレクタアセンブリ38を示す。キーボード62の回路基板40は、第1の位置22から第2の位置24まで48方向に移動するように示される。第2の位置24において、回路基板スイッチ42、44、46の位置合わせは、第1の位置22に対して変更される。示されるように、起動ボタン26は回路基板スイッチ44と位置合わせされ、起動ボタン28は回路基板スイッチ46と位置合わせされ、起動ボタン30は位置合わせされない(すなわち回路基板スイッチと位置合わせされない)。したがって、起動ボタン26及び28が52方向に押し下げられると、作動デバイス70は、回路基板スイッチ44及び46に接触する。同様に、回路基板スイッチ42は、位置合わせされず、かつ起動ボタンと位置合わせされず、したがってこの機能は実質的に作動可能ではない。
【0047】
図13Aは、位置1におけるセレクタアセンブリ38を示す。セレクタアセンブリ38は、板バネ機構96を介して回路基板40に接続される。位置1において、起動ボタン26、28がシャトル20上に保持され、かつ回路基板スイッチ42、44と位置合わせされる。起動ボタン26、28が52方向に押し下げられると、起動ボタン26、28は、回路基板スイッチ42、44にそれぞれ接触することになる。起動ボタンは、回路基板スイッチ46と位置合わせされない。セレクタアセンブリは、板バネ機構96と連通する位置変更ボタン74を含む。板バネ機構96は、トラック110を有するアクチュエータブロック98と、プランジャ108と、板バネ104とを含む。アクチュエータブロック98は、領域106において回路基板に取り付けられる。アクチュエータブロック98のトラック110は、上部位置100と側部位置102とを有する。プランジャ108は、位置変更ボタン74に接続され、かつアクチュエータブロック100、102の位置に嵌合され、これにより、位置変更ボタン74が方向52に作用すると、プランジャ108は、上部位置100から側部位置102に移動する。プランジャ108が移動すると、板バネ104は、106において回路基板40に接続されたアクチュエータブロック98を押して、デバイスを位置2に変換することができる。アクチュエータブロックが位置1から位置2に移動させられると、回路基板40は起動ボタン26、28に対して移動させられる。デバイスを位置1に戻すには、位置変更ボタンを作動させ、プランジャをアクチュエータブロックのトラックの周りで時計回りに移動させ、これによりプランジャが位置1に戻るようにすることができる。
【0048】
図13Bは、位置2 24におけるセレクタアセンブリ38を示す。セレクタアセンブリ38は、板バネ機構96を介して回路基板40に接続される。板バネ機構96は、回路基板40を方向48に移動させ、シャトル20は、起動ボタン26を保持して回路基板スイッチ46と位置合わせする。第2の起動ボタン28は、回路基板スイッチ42、44、46の全てと位置合わせされない。第1の回路基板スイッチ42及び第2の回路基板スイッチ44は、いずれの起動ボタンとも位置合わせされない。起動ボタン26が方向52に押し下げられると、起動ボタン26は回路基板スイッチ46に接触する。板バネアセンブリ96は、位置変更ボタン74を方向52に作動させることによって、デバイスを位置1 22から位置2 24に変換する。位置変更ボタンは、プランジャ108を押し下げ、板バネ機構96に板バネ104において張力を解放させ、これにより、アクチュエータブロック98を押すことによって回路基板40を横方向に伸長及び移動させ、アクチュエータブロック98は回路基板40に106において接続され、デバイスを第2の位置24に配置する。位置変更ボタン74が押し下げられると、プランジャ108は、アクチュエータブロック98のトラック110に沿って上部位置100から側部位置102に移動する。回路基板40は、起動ボタン26、28に対して移動する。起動ボタン26、28は、回路基板40に対して固定されている。
【0049】
図14は、短いスローレバーアセンブリ86を介して回路基板40に接続されたセレクタアセンブリ38を示し、シャトル20は、回路基板スイッチ42、44と位置合わせされた起動ボタン26、28を保持し、結果として、起動ボタン26、28が方向52に押し下げられると、起動ボタン26、28は、回路基板スイッチ42、44にそれぞれ接触することになる。この位置では、第3の回路基板スイッチ46は、起動ボタン26、28のいずれとも位置合わせされない。短いスローレバーアセンブリ86は、レバー92と、レバーが周りで回転する固定枢動点88と、それぞれ回路基板及びシャトルにおける移動枢動点90と、を含む。短いスローレバーアセンブリ86は、94方向に移動させられると、シャトル20を横方向に移動させて、起動ボタン26及び28を64方向に、かつ回路基板40を48方向に保持することによって、デバイスを位置間で変換する。シャトル20及び回路基板40は、レバー92によって移動枢動点90において接続され、これにより短いスローレバーアセンブリ86に作用すると、レバー92は固定点88の周りで枢動し、シャトル20を移動させ、これにより起動ボタン26、28、及び回路基板40を、位置合わせされるか又は位置合わせされないように保持する。
【0050】
図15は、セレクタアセンブリ38が、ラックアンドピニオンアセンブリ80を介して回路基板40及びシャトル20に接続されていることを示す。ラックアンドピニオンアセンブリ80は、起動ボタン26及び28を保持するシャトル20が回路基板40に対して移動することを可能にすることによって、デバイスを第1の位置と第2の位置との間で変換するのを助ける。ラックアンドピニオンアセンブリ80は、各々が回路基板40及びシャトル20に取り付けられたピニオンギヤ82と一対のラックギヤ84とを含む。ピニオンギヤ82が回転すると、ラックギヤ84はシャトル20を64方向に、かつ回路基板40を48方向に横方向に移動させ、デバイスを第2の位置に配置し、起動ボタン26、28を回路基板スイッチ42、44、46に位置合わせするか又は位置合わせしない。示される位置では、起動ボタン26及び28は、回路基板スイッチ42及び44と位置合わせされ、これにより起動ボタンが52方向に押し下げられると、起動ボタン26は回路基板スイッチ42に接触し、起動ボタン28は回路基板スイッチ44に接触する。回路基板スイッチ46は、いかなる起動ボタンとも位置合わせされない。ラックアンドピニオンは、回転運動を長手方向運動又は横方向運動に変換する。
【0051】
本明細書に列挙するあらゆる数値は、少なくとも2つの単位の分離が任意のより低い値と任意のより高い値との間にあることを条件として、1つの単位の増分で低い値から高い値までの全ての値を含む。一例として、構成要素の量、又は例えば温度、圧力、時間などのプロセス変数の値が、例えば1~90、好ましくは20~80、より好ましくは30~70であると規定されている場合、15~85、22~68、43~51、30~32などの値が本明細書において明らかに列挙されているものとする。1未満の値については、1つの単位は、適宜、0.0001、0.001、0.01、又は0.1とみなされる。これらは具体的に意図されるものの単なる例であり、列挙する最低値と最高値との間の数値の全ての可能な組み合わせが、同様に本明細書において明らかに示されているものとみなされるべきである。
【0052】
特記がない限り、全ての範囲は、両方の終点と、終点間の全ての数とを含む。範囲に関連した「約」又は「およそ」の使用は、範囲の両端に適用される。したがって、「約20~30」は、少なくとも指定の終点を含む「約20~約30」を対象とするものとする。
【0053】
特許出願及び特許出願公開を含む全ての論文及び参考文献の開示を、あらゆる目的で参照により組み込む。組み合わせを説明する「~から本質的になる」という用語は、特定された要素、成分、構成要素、又は工程と、組み合わせの基本的及び新規な特性に実質的に影響を与えないような他の要素、成分、構成要素、又は工程とを含むものとする。本明細書における要素、成分、構成要素、又は工程の組み合わせを説明する「~を備える」又は「~を含む」という用語の使用は、要素、成分、構成要素、又は工程から本質的になる実施形態も企図している。本明細書において「~してもよい」という用語を使用することによって、含まれ「てもよい」あらゆる記載される属性は任意選択であるものとする。
【0054】
複数の要素、成分、構成要素、又は工程は、単一の統合された要素、成分、構成要素、又は工程によって提供することができる。あるいは、単一の統合された要素、成分、構成要素、又は工程は、別個の複数の要素、成分、構成要素、又は工程に分割されることがある。要素、成分、構成要素、又は工程を説明する「1つの(a)」又は、「1つの(one)」という開示は、追加の要素、成分、構成要素、又は工程を除外することを意図しない。
【0055】
上述の説明は例証であり、限定ではないことが理解される。提供した実施例以外の多くの実施形態並びに多くの適用例が、上述の説明を読むことによって当業者には明白となるであろう。したがって、本教示の範囲は、上述の説明を参照して決定されるべきではなく、その代わりに、添付の特許請求の範囲を、かかる特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲と共に参照して決定されるべきである。特許出願及び特許出願公開を含む全ての論文及び参考文献の開示を、あらゆる目的で参照により組み込む。以下の特許請求の範囲における、本明細書に開示する主題のあらゆる態様の省略は、かかる主題を放棄するものではなく、本発明者らがかかる主題を開示する発明の主題の一部であるとみなさなかったものと考えられるべきものでもない。