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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-19
(45)【発行日】2022-08-29
(54)【発明の名称】イオン注入システムにおける発泡体
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/317 20060101AFI20220822BHJP
   H01J 37/20 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
H01J37/317 Z
H01J37/317 B
H01J37/20 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021512411
(86)(22)【出願日】2019-08-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 US2019048332
(87)【国際公開番号】W WO2020051025
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-05-19
(31)【優先権主張番号】62/728,429
(32)【優先日】2018-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/161,989
(32)【優先日】2018-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/551,042
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500324750
【氏名又は名称】バリアン・セミコンダクター・エクイップメント・アソシエイツ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ピクスリー, ジェームズ アラン
(72)【発明者】
【氏名】ハーマンソン, エリック
(72)【発明者】
【氏名】レイン, フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ストーン, リュドミラ
(72)【発明者】
【氏名】ステーシー, トーマス
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-546122(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0158188(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオンビームをターゲットに向けるための複数のビームラインコンポーネント、および
前記複数のビームラインコンポーネントのうちの少なくとも1つのビームラインコンポーネントの表面に沿った多孔質材料、
を含むイオン注入装置。
【請求項2】
前記ターゲットが、プロセスチャンバ内に配置されたウェハである、請求項1に記載のイオン注入装置。
【請求項3】
前記多孔質材料が、前記プロセスチャンバのプロセスチャンバ壁に沿って配置されている、請求項2に記載のイオン注入装置。
【請求項4】
前記ウェハが、プラテンによって支持され、前記多孔質材料が、前記プラテンの表面に沿って配置されている、請求項2に記載のイオン注入装置。
【請求項5】
前記多孔質材料が、アルミニウム発泡体、炭化ケイ素発泡体、酸化アルミニウム発泡体、またはグラファイト発泡体を含む、請求項1に記載のイオン注入装置。
【請求項6】
前記多孔質材料が、均一な細孔密度または不均一な細孔密度を有する、請求項1に記載のイオン注入装置。
【請求項7】
前記複数のビームラインコンポーネントが、プラズマフラッドガンを含み、前記多孔質材料が、前記プラズマフラッドガンの表面に沿って配置されている、請求項1に記載のイオン注入装置。
【請求項8】
イオンビームをウェハに向けるように並んで配置された複数のビームラインコンポーネント、および
前記複数のビームラインコンポーネントのうちの少なくとも1つのビームラインコンポーネントの表面に沿った多孔質材料、
を含む装置。
【請求項9】
前記ウェハが、プロセスチャンバ内に配置されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記多孔質材料が、前記プロセスチャンバのプロセスチャンバ壁に沿って配置されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ウェハが、プラテンによって支持され、前記多孔質材料が、前記プラテンの表面に沿って配置されている、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記多孔質材料が、アルミニウム発泡体、炭化ケイ素発泡体、酸化アルミニウム発泡体、またはグラファイト発泡体を含み、前記多孔質材料が、均一な細孔密度または不均一な細孔密度を有する、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記複数のビームラインコンポーネントが、プラズマフラッドガンを含み、前記多孔質材料が、前記プラズマフラッドガンの表面に沿って配置されている、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
イオンビームをプロセスチャンバ内のウェハに向けるための複数のビームラインコンポーネント、および
前記プロセスチャンバの表面に沿った多孔質材料、
を含むイオン注入装置。
【請求項15】
前記複数のビームラインコンポーネントが、プラズマフラッドガン、分析磁石、コリメータ磁石、マススリットデバイス、および静電フィルタを含み、前記多孔質材料が、さらに、前記プラズマフラッドガン、前記分析磁石、前記コリメータ磁石、前記マススリットデバイス、または前記静電フィルタの表面に沿って配置されている、請求項14に記載のイオン注入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]この出願は、2018年9月7日に出願された米国仮特許出願第62/728,429号の優先権を主張する、2018年10月16日に出願された米国特許出願第16/161,989号の一部継続出願であり、これら出願の全内容が、本明細書に参照により組み込まれる。
【0002】
[0002]本開示の実施形態は、半導体構造のイオン注入に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、イオン注入システムにおける導電性または非導電性の発泡体の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]イオン注入は、例えば半導体ウェハなどの、基板に不純物イオンをドープするために使用されるプロセスである。一般に、イオンビームは、イオン源チャンバから基板に向けられる。特定のドーパント特性を有するイオンビームを形成するために使用されるプラズマを得るために、様々な供給ガスが、イオン源チャンバに供給される。例えば、供給ガスPH、BF、またはAsHから、様々な原子および分子イオンが、イオン源内で生成され、その後、加速されて質量選別される。生成されたイオンの基板への注入の深さは、イオン注入エネルギーとイオンの質量に基づいている。1種類以上のイオン種が、異なるドーズ量および異なるエネルギーレベルでターゲットウェハまたは基板に注入されて、所望のデバイス特性を得ることができる。基板内の正確なドーピングプロファイルは、デバイスを適切に動作させるために不可欠である。
【0004】
[0004]注入プロセス中に特定の種を注入している間、ウェハからのスパッタ物が、イオン注入システムの様々なコンポーネントに向かって反射される。さらに、汚染物質の堆積が、イオンビームから直接もたらされる可能性がある。その結果、コンポーネントは、汚染物質/パーティクルで厚くコーティングされ、剥離につながる。剥離は、多くの場合、パーティクル数の増加をもたらし、デバイス性能歩留まりに影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0005】
[0005]この概要は、以下の詳細な説明でさらに説明される選ばれた概念を、簡略化された形式で紹介するために提供されている。この概要は、主張された主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、主張された主題の範囲を決定する助けとなることも意図していない。
【0006】
[0006]一実施形態では、イオン注入装置は、イオンビームをターゲットに向けるための複数のビームラインコンポーネント、および複数のビームラインコンポーネントのうちの少なくとも1つの表面に沿った多孔質材料を含み得る。
【0007】
[0007]別の実施形態では、装置は、イオンビームをウェハに向けるために並んで配置された複数のビームラインコンポーネント、および複数のビームラインコンポーネントのうちの少なくとも1つの表面に沿った多孔質材料を含み得る。
【0008】
[0008]さらに別の実施形態では、イオン注入装置は、イオンビームを処理チャンバ内のウェハに向けるための複数のビームラインコンポーネント、および処理チャンバの表面に沿った多孔質材料を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態による、プラズマフラッドガンアセンブリを組み込んだイオン注入システムを示す。
図2】本開示の実施形態による、図1のプラズマフラッドガンアセンブリの端面図である。
図3】本開示の実施形態による、図1のイオン注入システムで使用するための金属発泡体の例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0012]図面は、必ずしも縮尺どおりではない。図面は、単なる例示であり、本開示の特定のパラメータを描写することを意図するものではない。図面は、本開示の例示的な実施形態を描写することを意図しており、したがって、範囲を限定するものと見なされるべきではない。図面では、同様の番号付けは、同様の要素を表す。
【0011】
[0013]さらに、図解を明瞭にするために、一部の図の特定の要素を省略したり、縮尺どおりに示していない場合がある。断面図は、図解を明瞭にするために、「真の」断面図であれば見える特定の背景線を省略して、「スライス」または「近くの物しか見えない」断面図の形をとることがある。さらに、わかりやすくするために、特定の図面では一部の参照番号が省略されている場合がある。
【0012】
[0014]本開示による装置およびイオン注入装置が、方法の実施形態が示されている添付の図面を参照して、以下でより完全に説明される。装置およびデバイスは、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。そうではなく、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、システムおよび方法の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。
【0013】
[0015]イオン注入装置は、材料の導電率を選択的に変更するために、半導体製造で広く使用されている。いくつかのイオン注入装置では、イオン源から生成されたイオンは、例えば、1つ以上の分析磁石および複数の電極を含む、一続きのビームラインコンポーネントを通して方向付けられる。ビームラインコンポーネントは、所望のイオン種を選別し、汚染種と望ましくないエネルギーを持つイオンを除去し、ターゲットウェハでのイオンビーム品質を調整する。適切な形状の電極は、イオンビームのエネルギーと形状を変更することができる。
【0014】
[0016]本明細書でより詳細に説明するように、導電性または非導電性の多孔質材料、すなわち「発泡体」を使用して、イオン注入装置内の、堆積物を蓄積するありとあらゆる表面を覆うことができる。様々な用途において、発泡体は、アルミニウム発泡体、炭化ケイ素(SiC)発泡体、アルミナ発泡体、グラファイト発泡体、ならびに/または関連する化学作用およびプロセスと適合性のある他の導電性もしくは非導電性の材料であり得る。堆積は、イオンビームから直接もたらされる場合もあれば、イオンビームによってスパッタ/スポーリング(または他の方法で解放)された材料からもたらされる場合もある。例えば、ウェハプロセスチャンバ内の全ての表面が、一般に、ウェハからスパッタされる材料堆積に曝される。これらの表面には、チャンバの壁、ウェハ保持および走査装置の表面、チャンバ内のライナー、プラズマフラッドガンの表面、および1つ以上のシールドが含まれる。直接のまたはスパッタされた材料を捕獲するために、これらの表面に発泡体を付けることができる。
【0015】
[0017]ビームストライクエリアの視界内の表面にも堆積が発生する可能性がある。例えば、選別されなかったビームが、分析磁石のグラファイトビームダンプに衝突する可能性がある。これらのグラファイト部品は、ビームによって侵食される可能性があり、結果として生じる堆積物は、例えば、分析磁石および隣接するチャンバ内のチャンバ表面およびライナー上に、蓄積する。さらに、チャンバおよびチャンバライナー表面に加えて、発泡体は、ファラデー、マススリットデバイス、磁石、および静電レンズなどの、堆積物を集める1つ以上の装置に付けることができる。
【0016】
[0018]例示的なイオン注入システム100が、図1に一般的に示され、イオン源チャンバ102、およびイオンビーム95をウェハまたは基板に向けるための一続きのビームラインコンポーネント111を含む。これらのコンポーネント111は、真空環境に収容され、所望の注入プロファイルに基づいて、高エネルギーまたは低エネルギーの注入でイオンドーズ量レベルを提供するように構成される。詳細には、注入システム100は、所望の種のイオンを生成するためのイオン源チャンバ(以下、「チャンバ」)102を含む。チャンバ102は、チャンバ102内に導入された供給ガスをイオン化して、帯電したイオンおよび電子(プラズマ)を形成するために、電源101によって電力供給される関連するホットカソードを有し得る。ホットカソードは、例えば、加熱されたフィラメントまたは間接的に加熱されたカソードであってもよい。
【0017】
[0019]特定のドーパント特性を有するイオンを生成するために、種々の供給ガスが、チャンバ102に供給される。イオンは、チャンバ102から抽出されたイオンビーム95を集束させるための所望の電場を生成するために使用される抽出電極構成104を通って、源チャンバ102から抽出され得る。イオンビーム95は、所望の電荷対質量比を有するイオンだけを分解アパーチャに渡すように機能する磁石を有する質量分析器チャンバ106を通過する。詳細には、分析磁石107は、イオンビーム95が、印加された磁場に曝され、望ましくない電荷対質量比を有するイオンをビーム経路から偏向させる、湾曲した経路を含むことができる。コリメータ磁石110が、マススリットデバイス108の下流に配置され、イオンビーム95を偏向させて、平行な軌道を有するリボンビームにするように構成される。磁場を使用して、磁気コイルを介してイオンの偏向を調整することができる。
【0018】
[0020]イオンビーム95は、支持体またはプラテン114に取り付けられたワークピースに向けられる。加速/減速ステージ112が利用され、コリメータ磁石110と支持体114との間に配置され得る。加速/減速ステージ112(静電フィルタまたはレンズとも呼ばれる)は、プラテン114上のターゲット基板の近くに配置され得、所望のエネルギーレベルでイオンをターゲット基板に注入するための複数の電極(例えば、3つ)を含み得る。イオンは、基板内の電子や原子核と衝突するとエネルギーを失うので、イオンは、加速エネルギーに基づいて、基板内の所望の深さで静止する。イオンビーム95は、ビーム走査によって、プラテン114を使用する基板移動によって、またはビーム走査と基板移動との組み合わせによって、ターゲット基板上に分配され得る。プラズマフラッドガン(PFG)アセンブリ116が、プラテン114のすぐ上流に配置されて、ビームが基板に衝突する直前にプラズマをイオンビームに適用することができる。図示されていないが、発泡体は、PFGアセンブリ116、分析磁石107、コリメータ磁石110、マススリットデバイス108、または加速/減速ステージ112の表面を含む、ビームラインコンポーネント111のいずれかの1つ以上の表面に沿って形成または堆積され得る。さらに、発泡体は、ビームラインコンポーネント111のそれぞれを収容するチャンバの任意の表面に沿って配置することができる。
【0019】
[0021]図2を参照して、本開示の実施形態によるアセンブリ116を、より詳細に説明する。使用中、イオンビーム95は、支持体またはプラテン114などのイオンビームターゲットに送達される。イオンビーム95は、PFG115の下を通ることができ、PFG115は、本体140を含み、イオンビーム95にプラズマを供給するように動作可能である。示されるように、シールドアセンブリ120の第2のシールド134が、PFG115の出口アパーチャ142を保護するために、取り付けプレート132から下方に延在することができる。いくつかの実施形態では、第2のシールド134と取り付けプレート132は、互いに垂直に配向されている。接続ブロック128が、例えば、第1のシールド124の第2の主側面130に沿って、第1のシールド124と取り付けプレート132を結合させることができる。取り付けプレート132は、ブラケット136によってPFG115のハウジング122に結合することができ、ブラケット136は、L字型であり得る。いくつかの実施形態では、取り付けプレート132は、PFG115の本体140のフットプリントまたは周囲143を部分的に取り囲んでいる。
【0020】
[0022]多くの場合、PFG115は、プラテン114上に配置されたターゲット基板に到達する直前のイオンビーム95の近くに配置される。PFG115のハウジング122において、出口アパーチャ142は、生成されたプラズマがイオンビーム95と接触するように流れることを可能にするように配置される。イオンビーム95がプラテン114に衝突すると、スパッタ物144が生成され、PFG115に向けて戻される。スパッタ物144は、第1のシールド124の第1の主側面126によって受け取られ得る。いくつかの実施形態では、第1のシールド124は、1つ以上の発泡体状の構造を含む。あるいは、第1のシールド124は、発泡体125の外層を含み得る、または完全に発泡体材料から作製され得る。発泡体状のコンポーネントとして第1のシールド124を提供することは、半導体設備機械をライニングするために使用される従来の固体構造とは異なる。
【0021】
[0023]限定はしないが、第1のシールド124は、導電性または非導電性であり得る。例えば、第1のシールドは、アルミニウム発泡体、炭化ケイ素(SiC)発泡体、アルミナ発泡体、グラファイト発泡体、ならびに/または関連する化学作用およびプロセスと適合性のある他の導電性もしくは非導電性の材料であり得る。場合によっては、アルミニウムでは不十分であり得る類似の用途では、SiC発泡体を使用する方が適していることがある。例えば、アルミニウム発泡体は、金属に反応しにくい領域をライニングするための費用効果の高いソリューションであるが、SiCコーティングされた発泡体は、アルミニウム発泡体によって顧客のウェハ上に過剰な金属がもたらされる場所で使用できる。発泡体は、注入プロセスから生じる再堆積コーティング(例えば、スパッタ物144)を捕獲することによって、機械のメンテナンス間の時間を延長することができる。スパッタ物144は、スパッタ物144が剥がれ落ちる可能性がはるかに高い第1のシールド124およびアセンブリ116の他のコンポーネントの表面にあるのではなく、発泡体125の層内に閉じ込められる。
【0022】
[0024]いくつかの実施形態では、システム100の他の様々なコンポーネントが、導電性もしくは非導電性の発泡体から作製されるか、またはそれでコーティングされ得る。例えば、発泡体125の層は、プロセスチャンバ129を画定する1つ以上のプロセスチャンバ壁127上にも提供され得る。発泡体125は、従来技術のアプローチで使用されるライナー材料およびテクスチャよりも著しく長い間、スパッタ物144などの再堆積された材料を閉じ込めるためのライナーとして機能する。
【0023】
[0025]図3は、非限定的なAl発泡体150を示している。Al発泡体150は、図2に示される第1のシールド124および/またはプロセスチャンバ壁127に沿って配置された発泡体125の層と同じまたは類似であり得る。いくつかの実施形態では、Al発泡体150は、アルミニウムから製造され、複数の細孔152を画定する金属発泡体である。本明細書で使用される場合、Al発泡体150は、細孔152または気泡の体積割合の大きい、アルミニウムまたはアルミニウム合金から作製された発泡アルミニウムである。複数の細孔152は、相互接続されたネットワークを形成し、連続気泡発泡体を規定するように、互いに流体連絡して配置され得る。発泡アルミニウムは、非常に高い多孔度を有し得る。
【0024】
[0026]複数の細孔152のそれぞれが、細孔径を有する。複数の細孔152のそれぞれの形状は、球形に限定されないが、均一であり得、または異なる細孔152間で異なり得る。本明細書で使用される場合、細孔径は、各細孔によって画定される空隙を横切る最大距離として定義され得る。例えば、細孔が球形を画定する場合、細孔径は、球の直径として定義され得る。けれども、細孔152は、非標準的な幾何学的形状、例えば、非球形を含み得るので、細孔152は、一般的に理解されているような直径を定義しない場合があることが、理解されるであろう。したがって、細孔径は、本明細書では、その特定の細孔によって画定される空隙を横切る最大距離として定義される。好ましくは、複数の細孔152の任意の細孔の細孔径が、0.1mmから4.0mmの間である。ただし、細孔径が異なる場合もある。
【0025】
[0027]上記のように、Al発泡体150は、多孔度、すなわち、細孔密度を有する。本明細書で使用される場合、細孔密度は、Al発泡体150の単位体積あたりの細孔152の数である。細孔密度は、Al発泡体150の断面全体にわたって均一であり得る。あるいは、細孔密度は、Al発泡体150の断面全体にわたってばらついていて、Al発泡体150の断面内に複数の断面領域を規定することができる。したがって、Al発泡体150の各断面領域は、隣接する任意の断面領域とは異なる細孔密度を含み得る。
【0026】
[0028]前述の議論は、例示および説明の目的で提示されており、本明細書で開示される1つ以上の形態に開示を限定することを意図するものではない。例えば、本開示の様々な特徴が、本開示を簡素化する目的で、1つ以上の態様、実施形態、または構成に一緒に集められていることがある。本開示の特定の態様、実施形態、または構成の様々な特徴は、代替の態様、実施形態、または構成で組み合わせることもできる。さらに、以下の特許請求の範囲が、参照により詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、本開示の個別の実施形態として独立している。
【0027】
[0029]本明細書で使用される場合、単数形で述べられ、「a」または「an」という単語に続く要素またはステップは、除外が明示的に述べられない限り、複数の要素またはステップを除外しないと理解される。さらに、本開示の「一実施形態」への言及は、列挙された特徴を同様に組み込んだ追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図するものではない。
【0028】
[0030]本明細書における「含む」、「備える」、または「有する」およびそれらの変形の使用は、その後に記載される項目およびその同等物、ならびに追加の項目を包含することを意味する。したがって、「含む」、「備える」、または「有する」という用語およびそれらの変形は、オープンエンド形式の表現であり、本明細書では交換可能に使用することができる。
【0029】
[0031]本明細書で使用される「少なくとも1つ」、「1つ以上」、および「および/または」という句は、オープンエンド形式の表現であり、演算において連言および選言の両方である。例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、およびCのうちの1つ以上」、「A、B、またはCのうちの1つ以上」、および「A、B、および/またはC」という表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを共に、AとCを共に、BとCを共に、または、AとBとCを共に、を意味する。
【0030】
[0032]方向の全ての参照(例えば、近位、遠位、上部の、下部の、上方、下方、左、右、横、縦、前、後ろ、頂部、底部、より上、より下、垂直、水平、半径方向、軸方向、時計回り、および反時計回り)は、読者が本開示を理解するのを助けるための識別目的でのみ使用される。方向の参照は、詳細には本開示の位置、向き、または使用に関して、限定を生じさせない。接続の参照(例えば、取り付けられた、結合された、接続された、接合された)は、広く解釈されるべきであり、特に明記しない限り、一群の要素間の中間部材および要素間の相対的な動きを含み得る。そのため、接続の参照は、2つの要素が直接接続され、相互に固定されていることを、必ずしも意味するわけではない。
【0031】
[0033]さらに、識別の参照(例えば、一次、二次、第1、第2、第3、第4、など)は、重要度または優先度を暗示することを意図しておらず、ある特徴を別の特徴と区別するために使用されている。図面は説明を目的としたものであり、添付の図面に反映されている寸法、位置、順序、および相対的なサイズは様々であってよい。
【0032】
[0034]さらに、「実質的」または「おおよそ」という用語、ならびに「おおよその」または「おおよそ」という用語は、いくつかの実施形態において交換可能に使用することができ、当業者によって許容される任意の相対的尺度を使用して記述することができる。例えば、これらの用語は、目的の機能を提供できる偏差を示すための、基準パラメータとの比較として役立つ。限定はしないが、基準パラメータからの偏差は、例えば、1%未満、3%未満、5%未満、10%未満、15%未満、20%未満、等々であり得る。
【0033】
[0035]本明細書に記載されるように、本開示は少なくとも以下の技術的利益/利点を提供することが理解されるであろう。第一に、発泡体は、イオンビームから直接もたらされる堆積物および/または注入プロセスから生じる再堆積コーティング(例えば、スパッタ物)を捕獲することによって、機械のメンテナンス間の時間を延長することができる。スパッタ物は、イオン注入装置の表面上にあるのではなく、発泡体の層内に閉じ込められる。第二に、発泡体とシールドを使用すると、予防保守の間隔が長くなり、所有コストが改善する。機械のセンシティブな領域をコーティングする材料が、洗浄するのに過度のダウンタイムを必要とする速度で蓄積する従来技術とは異なり、本開示の発泡体は、スパッタされた材料のより大きな蓄積を可能にする。
【0034】
[0036]本開示の特定の実施形態が、本明細書に記載されているが、本開示は、それに限定されず、本開示は、当技術分野が許す限り広い範囲であり、明細書も同様に読むことができる。したがって、上記の説明は、限定的なものとして解釈されるべきではない。むしろ、上記の説明は、単に特定の実施形態の例示としてのものである。当業者は、本明細書に添付された特許請求の範囲および精神の範囲内で他の修正を想定するであろう。
図1
図2
図3