(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】タイヤ情報取得装置
(51)【国際特許分類】
B60C 23/04 20060101AFI20220823BHJP
B60B 21/02 20060101ALI20220823BHJP
G08C 17/00 20060101ALI20220823BHJP
G08C 17/02 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
B60C23/04 110D
B60B21/02 L
G08C17/00 B
G08C17/02
(21)【出願番号】P 2018049579
(22)【出願日】2018-03-16
【審査請求日】2021-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】金成 大輔
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-315720(JP,A)
【文献】特開2007-055347(JP,A)
【文献】特開2004-314924(JP,A)
【文献】特開平10-138702(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 23/02
B60B 21/02
G08C 17/00
G08C 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ情報を取得するセンサを含むセンサユニットと、該センサユニットを保持するために筒状に形成される一方で柔軟性及び通気性を有する非金属材料から構成されるセンサ保持具と、一方の端部に設けられた締結部が他方の端部を可逆的に締結することでバンド周長が調整自在に構成され、前記センサ保持具に挿通された状態でリムに対して締結されるバンドとを備え
、前記センサユニットが前記バンドと前記リムとの間に配置されていることを特徴とするタイヤ情報取得装置。
【請求項2】
前記バンドの幅が5mm~50mmであることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ情報取得装置。
【請求項3】
前記バンドの前記リムに取付けられていない状態におけるバンド長さが1800mm~2500mmの範囲であり、前記バンドの他方の端部が切断可能な構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ情報取得装置。
【請求項4】
前記バンドが通気性を有していることを特徴とする請求項1~
3のいずれかに記載のタイヤ情報取得装置。
【請求項5】
前記センサ保持具の少なくとも一方の開口部の周長が前記センサユニットの最小投影面積となる方向から見たときの周長の120%~200%であり、前記センサ保持具の延在方向の長さが前記センサユニットの最大長さの150%~500%であることを特徴とする請求項1~
4のいずれかに記載のタイヤ情報取得装置。
【請求項6】
前記センサ保持具が伸縮性を有し、該センサ保持具の少なくとも一方の開口部の周長が前記センサユニットの最小投影面積となる方向から見たときの周長の20%~90%であり、前記センサ保持具の延在方向の長さが前記センサユニットの最大長さの150%~500%であることを特徴とする請求項1~
4のいずれかに記載のタイヤ情報取得装置。
【請求項7】
前記センサ保持具が機械的に係合可能なファスナー部を有し、該ファスナー部が前記リムに接触した状態で配置されることを特徴とする請求項1~
4のいずれかに記載のタイヤ情報取得装置。
【請求項8】
前記バンドを構成するバンド本体と締結部における少なくとも前記リムと接触する部分が非金属材料からなることを特徴とする請求項1~
7のいずれかに記載のタイヤ情報取得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ情報取得装置に関し、更に詳しくは、低コストでかつ設置が容易であり、各種のリムサイズに適用することを可能にしたタイヤ情報取得装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内圧や温度等のタイヤ内部情報を取得するために、タイヤ内腔に各種のセンサを設置することが行われている。このようなセンサを空気入りタイヤに設置する方法として、バンドを用いてリムに固定する方法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。しかしながら、上述した特許文献1,2に記載のバンドは特定の長さで構成されているため、乗用車用タイヤとトラック等の大型タイヤの双方に対応可能なバンド構造を有しておらず、各種のリムサイズに幅広く適用することができないという問題がある。
【0003】
また、センサを空気入りタイヤに設置する方法としてホイールのバルブの端部に固定する方法が提案されている。このようにバルブに固定する場合、センサを設置した位置がタイヤ外部から判別できることやリム組みが比較的容易であるという利点がある。しかしながら、トラック用タイヤの場合にはバルブの種類が多く、それらに対応する専用バルブが必要になるため、製品管理やコストの観点から望ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-104619号公報
【文献】特表2016-538195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、低コストでかつ設置が容易であり、各種のリムサイズに適用することを可能にしたタイヤ情報取得装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためのタイヤ情報取得装置は、タイヤ情報を取得するセンサを含むセンサユニットと、該センサユニットを保持するために筒状に形成される一方で柔軟性及び通気性を有する非金属材料から構成されるセンサ保持具と、一方の端部に設けられた締結部が他方の端部を可逆的に締結することでバンド周長が調整自在に構成され、前記センサ保持具に挿通された状態でリムに対して締結されるバンドとを備え、前記センサユニットが前記バンドと前記リムとの間に配置されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、タイヤ情報を取得するセンサを含むセンサユニットと、センサユニットを保持する筒状のセンサ保持具と、一方の端部に設けられた締結部が他方の端部を可逆的に締結することでバンド周長を調整自在に構成され、センサ保持具に挿通された状態でリムに対して締結されるバンドとを備えているので、複雑な機構ではないため低コストで製造することができると共に、センサユニットをリムに対して容易に設置することができる。また、単一サイズのバンドで各種のリムサイズに適用することが可能になる。更に、センサ保持具は柔軟性及び通気性を有する非金属材料から構成されているので、センサユニットの表面に設けられた通気孔の通気性を確保すると共に、センサユニットにより発信される電波が遮断されることがない。
【0008】
本発明では、バンドの幅は5mm~50mmであることが好ましい。このようにバンドの幅を適度に設定することで、使用時やバンドの取付け時における不具合を防止することができる。
【0009】
本発明では、バンドのリムに取付けられていない状態におけるバンド長さは1800mm~2500mmの範囲であり、バンドの他方の端部は切断可能な構造を有することが好ましい。これにより、乗用車用タイヤからトラック等の大型タイヤまでの各種のリムサイズに幅広く適用することができる。特に、バンドの切断時に締結部から他方の端部までの領域において所定の長さを残した場合には、センサユニットの交換時に同じバンドを再度使用することが可能になる。
【0010】
本発明では、バンドは通気性を有していることが好ましい。これにより、バンドがセンサユニットの通気孔を覆うように配置されている場合でも、センサユニットの表面に設けられた通気孔の通気性を確保することができる。
【0011】
本発明では、センサユニットはバンドとリムとの間に配置されていることが好ましい。このようにセンサユニットをバンドのタイヤ径方向内側に配置することで、センサユニットをリムに対して強固に固定することができる。
【0012】
本発明では、センサ保持具の少なくとも一方の開口部の周長はセンサユニットの最小投影面積となる方向から見たときの周長の120%~200%であり、センサ保持具の延在方向の長さはセンサユニットの最大長さの150%~500%であることが好ましい。これにより、センサ保持具のセンサユニットに対する保持機能が十分に発揮されるので、センサユニットのズレを防止しながら、リムに容易に取付けることができる。
【0013】
本発明では、センサ保持具は伸縮性を有し、センサ保持具の少なくとも一方の開口部の周長はセンサユニットの最小投影面積となる方向から見たときの周長の20%~90%であり、センサ保持具の延在方向の長さはセンサユニットの最大長さの150%~500%であることが好ましい。これにより、センサ保持具のセンサユニットに対する保持機能が十分に発揮されるので、センサユニットのズレを防止しながら、リムに容易に取付けることができる。
【0014】
本発明では、センサ保持具が機械的に係合可能なファスナー部を有し、該ファスナー部が前記リムに接触した状態で配置されることが好ましい。これにより、センサ保持具の取付作業が容易になると共に、センサユニットをリムに対して強固に固定することができる。
【0015】
本発明では、バンドを構成するバンド本体と締結部における少なくともリムと接触する部分は非金属材料からなることが好ましい。バンドのリムと接触する部分が金属材料から構成されると、イオン化傾向の違いにより錆が発生することがある。これに対して、バンドのリムと接触する部分が非金属材料から構成される場合には錆の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態からなるタイヤ情報取得装置を装着した空気入りタイヤを示す断面図である。
【
図3】本発明の実施形態からなるタイヤ情報取得装置を示す平面図である。
【
図4】本発明の実施形態からなるタイヤ情報取得装置を示す断面図である。
【
図5】本発明の実施形態からなるタイヤ情報取得装置のセンサ保持具がリムに固定された状態を示す斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態からなるタイヤ情報取得装置のセンサ保持具の変形例を示す斜視図である。
【
図7】(a)~(c)は本発明の実施形態からなるタイヤ情報取得装置のセンサ保持具の他の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1及び
図2は本発明の実施形態からなるタイヤ情報取得装置を装着した空気入りタイヤを示すものである。
図3及び
図4は本発明の実施形態からなるタイヤ情報取得装置を示すものである。
図5は本発明の実施形態からなるタイヤ情報取得装置のセンサ保持具がリムに固定された状態を示すものである。なお、
図1及び
図3~5において、矢印Twはタイヤ幅方向、矢印Tcはタイヤ周方向を示している。
【0018】
図1及び
図2に示すように、空気入りタイヤTとリムRとの間にはタイヤ内腔が形成され、タイヤ内腔においてリムRに対してタイヤ情報取得装置1が装着されている。このタイヤ情報取得装置1はリムRの平坦な部分であるウェルに配置されている。
【0019】
図3~5に示すように、タイヤ情報取得装置1は、空気入りタイヤTの状態を測定するセンサユニット2と、センサユニット2を保持するセンサ保持具10と、センサ保持具10をリムRに対して固定するバンド20とを備える。
【0020】
センサユニット2は筐体3と電子部品4とを含むものである。筐体3は中空構造を有し、その内部に電子部品4を収容する。筐体3には、タイヤ内腔の空気を通気させる通気孔5が設けられている。電子部品4は、温度センサと圧力センサを含むセンサ41、送信機、受信機、制御回路及びバッテリー等を適宜含むように構成される。また、センサユニット2は、センサ41により測定された空気入りタイヤTの内部温度や内圧をタイヤ外部に送信するよう構成されている。センサユニット2は、センサ保持具10に収容された状態において、バンド20のタイヤ径方向外側に配置することもできるが、センサユニット2をリムRに対して強固に固定するために、バンド20のタイヤ径方向内側(バンド20とリムRとの間)に配置されている。
【0021】
センサ保持具10はセンサユニット2を収容するための筒状の収容具である。センサ保持具10として、その構造は特に限定されるものではなく、平面状の部材に接合部を設けて該接合部を介して円筒状に形成しても良く、或いは、接合部を有しない円筒状の部材を用いて形成しても良い。センサ保持具10は保持具本体12を有しており、この保持具本体12は非金属材料から構成されている。このようなセンサ保持具10は、センサユニット2を包含するものであるため柔軟性及び通気性を有している。また、センサ保持具10は、その延在方向の両側に開口部11を有している。この開口部11の開閉状態は特に限定されるものではないが、センサ保持具10をリムRに取付けた後に開口部11が閉じられる場合、センサ保持具10からのセンサユニット2の脱落を防止することができる。
【0022】
バンド20はバンド本体21と締結部22から構成される。この締結部22はバンド20の一方の端部20Aに設けられ、他方の端部20Bを可逆的に締結する。このような締結構造を有することで、バンド20はバンド周長を調整自在に構成することができる。バンド20は、センサ保持具10に挿通された状態でリムRに対して締結される。
【0023】
上述したセンサ保持具10及びバンド20を用いてリムRに対してセンサユニット2を固定する場合、筒状のセンサ保持具10内にバンド20を挿通し、センサ保持具10をバンド20の一方の端部20Aと他方の端部20Bとの間の中途位置に配置する。そして、センサユニット2をバンド20のタイヤ径方向内側(バンド20とリムRとの間)であってセンサ保持具10の延在方向の中央部に配置する。次に、バンド20の締結部22に他方の端部20Bを挿入して締結し、センサ保持具10をリムRに対して固定する。その際、バンド20の他方の端部20Bから締結部22までの領域は、所定の長さを残して切断しても良く、或いは、別部材のクリップ等を用いて固定しても良い。このようにしてリムRに対してタイヤ情報取得装置1を固定することができる。なお、上述した説明では、センサユニット2をバンド20のタイヤ径方向内側に配置したが、センサユニット2をバンド20のタイヤ径方向外側に配置することもでき、この場合には、センサ保持具10がセンサユニット2を保持した状態となる。
【0024】
上述したタイヤ情報取得装置1では、タイヤ情報を取得するセンサ41を含むセンサユニット2と、センサユニット2を保持する筒状のセンサ保持具10と、一方の端部20Aに設けられた締結部22が他方の端部20Bを可逆的に締結することでバンド周長を調整自在に構成され、センサ保持具10に挿通された状態で締結されるバンド20とを備えているので、複雑な機構ではないため低コストで製造することができると共に、センサユニット2をリムRに対して容易に設置することができる。また、単一サイズのバンド20で各種のリムサイズに適用することが可能になる。更に、センサ保持具10は柔軟性及び通気性を有する非金属材料から構成されているので、センサユニット2の表面に設けられた通気孔5の通気性を確保すると共に、センサユニット2により発信される電波が遮断されることがない。
【0025】
上記タイヤ情報取得装置において、バンド20の幅Wは5mm~50mmであると良い。このようにバンド20の幅Wを適度に設定することで、使用時やバンド20の取付け時における不具合を防止することができる。ここで、バンド20の幅Wが5mmよりも狭いとセンサ保持具10に遠心力がかかった際にセンサ保持具10が破断し易くなるおそれがあり、逆にバンド20の幅Wが50mmよりも広いとリムRのウェルにバンド20が収まらないおそれがある。
【0026】
また、バンド20のリムRに取付けられていない状態におけるバンド長さは1800mm~2500mmの範囲であり、バンド20の他方の端部20Bが切断可能な構造を有することが好ましい。この切断可能な構造とは、はさみ等の切断工具を用いて切断可能な構造を意味する。そして、リムRにタイヤ情報取得装置1を装着した状態で、バンド20の締結部22から他方の端部20Bまでの領域において所定の長さを除いた余剰部分がある場合に、その余剰部分を切断する。例えば、バンド長さが2000mmである場合、締結部22から他方の端部20Bまでの領域において、所定の長さとして100mm~150mmを残し、それ以外を余剰部分として切断する。特に、バンド20のバンド本体21として布を用いると共に、バンド20の一方の端部20Aに、布に係合自在な構造を有する締結部22を設けた場合、バンド20を任意のバンド長さに切断することができ、無段階の長さ調整が可能になるので好適である。上述のようにバンド20のバンド長さを適度に設定することで、乗用車用タイヤからトラック等の大型タイヤまでの各種のリムサイズに幅広く適用することができる。特に、バンド20の切断時に締結部22から他方の端部20Bまでの領域において所定の長さを残した場合には、センサユニット2の交換時に同じバンド20を再度使用することが可能になる。
【0027】
更に、バンド20は通気性を有していることが好ましい。このようにバンド20が通気性を有することで、バンド20がセンサユニット2の通気孔5を覆うように配置されている場合でも、センサユニット2の表面に設けられた通気孔5の通気性を確保することができる。
【0028】
上記タイヤ情報取得装置において、センサ保持具10の延在方向の長さL1は、センサユニット2の最大長さL2よりも長く設定されており、センサユニット2の最大長さL2に対して150%~500%の範囲に設定すると良い。ここで、センサ保持具10の延在方向の長さL1がセンサユニット2の最大長さL2の150%よりも小さいとタイヤの回転によってセンサユニット2がセンサ保持具10から脱落するおそれがあり、逆に500%より大きいと取付性やコストの観点から望ましくない。なお、センサ保持具10の延在方向の長さL1は、リムRに締結されていない状態(単に平面上に載置された状態)の長さである。
【0029】
また、センサ保持具10の少なくとも一方の開口部11の周長M1は、センサユニット2及びバンド20を収容可能な寸法に設定されており、センサユニット2の最小投影面積となる方向Dから見たときの周長M2に対して120%~200%の範囲に設定すると良い。
図3に示すように、平面視で長方形のセンサユニット2の場合、センサユニット2の最小投影面積となる方向Dはセンサユニット2の長手方向である。ここで、センサ保持具10の周長M1がセンサユニット2の周長M2の120%より小さいとセンサ保持具10がセンサユニット2を収容することができず、逆に200%より大きいとセンサ保持具10をリムRに取付けたときにセンサユニット2がズレるおそれがある。
【0030】
図6は本発明の実施形態からなるタイヤ情報取得装置のセンサ保持具の変形例を示すものである。
図6に示すセンサ保持具10を構成する保持具本体12は伸縮性を有している。このような伸縮性を有するセンサ保持具10の場合、その少なくとも一方の開口部11の周長M1は、センサユニット2の最小投影面積となる方向Dから見たときの周長M2に対して20%~90%に設定すると良い。ここで、センサ保持具10の周長M1がセンサユニット2の周長M2の20%より小さいとセンサユニット2をセンサ保持具10内に収容する作業が実施しにくく、逆に90%より大きいとセンサユニット2の保持機能を十分に確保することができない。
【0031】
上述したように、センサ保持具10の周長M1及び長さL1のそれぞれをセンサユニット2の周長M2及び最大長さL2に対して適度に設定することで、センサ保持具10のセンサユニット2に対する保持機能が十分に発揮されるので、センサユニット2のズレを防止しながら、リムRに容易に取付けることができる。
【0032】
図7(a)~(c)は本発明の実施形態からなるタイヤ情報取得装置のセンサ保持具の他の変形例を示すものである。
図7(a)~(c)において、センサ保持具10は、筒状に形成された保持具本体12の両端部にファスナー部13を有している。このファスナー部13は機械的に係合可能なファスナーであり、その構造は特に限定されるものではなく、例えば、
図7(a)に示すような面ファスナー、
図7(b)に示すようなスライドファスナー、
図7(c)に示すようなボタンや、ホール、ホックを採用することができる。特に、ファスナー部13として面ファスナーを用いることが望ましい。また、ファスナー部13は、耐錆性に加え、リムRの損傷を防止するために非金属材料から構成されることが好ましい。上述したファスナー部13を有するセンサ保持具10をリムRに固定する際には、ファスナー部13がリムRに接触した状態となるようにセンサ保持具10を配置する。このようにファスナー部13がリムRに接触した状態で配置されることで、センサ保持具10の取付作業が容易になると共に、センサユニット2をリムRに対して強固に固定することができる。
【0033】
上記タイヤ情報取得装置において、バンド20を構成するバンド本体21と締結部22における少なくともリムRと接触する部分は非金属材料からなることが望ましい。バンド20のリムRと接触する部分を非金属材料で構成する方法として、バンド本体21の表面に非金属材料からなる塗料を塗布することや非金属材料を貼り付けること、或いは、バンド本体21とリムRとの間に非金属材料からなる別部材を挿入することが例示される。非金属材料としては、プラスチック、ゴム、セラミック、天然繊維が例示され、特にプラスチックが好適である。バンド20のリムRと接触する部分が金属材料から構成されると、イオン化傾向の違いにより錆が発生することがある。これに対して、バンド20のリムRと接触する部分が非金属材料から構成される場合には錆の発生を防止することができる。
【0034】
また、センサユニット2、センサ保持具10、バンド本体21及び締結部22のそれぞれは、耐熱性が比較的高く、成形可能な材料から構成されることが好ましい。このような物性を有する材料として、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロンが例示される。
【符号の説明】
【0035】
1 タイヤ情報取得装置
2 センサユニット
3 筐体
4 電子部品
5 通気孔
10 センサ保持具
11 開口部
12 保持具本体
13 ファスナー部
20 バンド
20A,20B 端部
21 バンド本体
22 締結部
41 センサ
T 空気入りタイヤ
R リム