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特許7127357ナビゲーション装置、制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】ナビゲーション装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/30 20060101AFI20220823BHJP
   G01S 19/40 20100101ALI20220823BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20220823BHJP
   G08G 1/137 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
G01C21/30
G01S19/40
G01C21/26 B
G08G1/137
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018094327
(22)【出願日】2018-05-16
(65)【公開番号】P2019200114
(43)【公開日】2019-11-21
【審査請求日】2020-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】岡庭 勘一
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-023206(JP,A)
【文献】特開2014-025886(JP,A)
【文献】特開2011-064501(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/30
G01S 19/40
G01C 21/26
G08G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星からの測位信号に基づいて、自車位置を取得する位置情報取得部と、
前記自車位置が、前記自車位置の推定精度が低い区間にあるか否かを判定する推定精度判定部と、
地図情報上の自車の走行路及び進行方向に基づいて、前記地図情報に登録されている、前記自車の進行方向における、前記自車位置の推定精度が低い区間の通過後に前記自車位置の推定精度が高くなると想定される変更位置の候補から、地図上においてユーザが自車位置を判断可能な変更位置、を特定する特定部と、
前記自車位置が、前記自車の位置の推定精度が低い区間にあると判定された場合に、前記地図情報上の前記自車の位置を示すアイコンを、前記自車の仮の現在位置として前記地図上においてユーザが自車位置を判断可能な変更位置に表示させる表示制御部と、を備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
前記自車がトンネル内を走行中の場合に、前記変更位置が前記トンネル出口と特定される請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記変更位置が前記自車の走行路における次の分岐点と特定される請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
衛星からの測位信号に基づいて、自車位置を取得するステップと、
前記自車位置が、前記自車位置の推定精度が低い区間にあるか否かを判定するステップと、
地図情報上の自車の走行路及び進行方向に基づいて、前記地図情報に登録されている、前記自車の進行方向における、前記自車位置の推定精度が低い区間の通過後に前記自車位置の推定精度が高くなると想定される変更位置の候補から、地図上においてユーザが自車位置を判断可能な変更位置、を特定するステップと、
前記自車位置が、前記自車の位置の推定精度が低い区間にあると判定された場合に、前記地図情報上の前記自車の位置を示すアイコンを、前記自車の仮の現在位置として前記地図上においてユーザが自車位置を判断可能な変更位置に表示させるステップと、をナビゲーション装置が実行する制御方法。
【請求項5】
衛星からの測位信号に基づいて、自車位置を取得するステップと、
前記自車位置が、前記自車位置の推定精度が低い区間にあるか否かを判定するステップと、
地図情報上の自車の走行路及び進行方向に基づいて、前記地図情報に登録されている、前記自車の進行方向における、前記自車位置の推定精度が低い区間の通過後に前記自車位置の推定精度が高くなると想定される変更位置の候補から、地図上においてユーザが自車位置を判断可能な変更位置、を特定するステップと、
前記自車位置が、前記自車の位置の推定精度が低い区間にあると判定された場合に、前記地図情報上の前記自車の位置を示すアイコンを、前記自車の仮の現在位置として前記地図上においてユーザが自車位置を判断可能な変更位置に表示させるステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、GPS航法、及び自律航法を使用して、自車位置を測位する車載器が開示されている。この車載器は、トンネル等の、GPS信号が受信できない非受信区間を検知している。さらに、車載器は、GPS衛星の捕捉状態を監視している。GPS衛星の捕捉がない期間中に、自律航法により自動距離を算出して、非受信区間の地図上の距離に基づいて、非受信区間を通過した自車の画面上の位置を修正している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-175323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、スマートフォンやタブレットPCなどの携帯端末を用いたナビゲーションが利用されている。スマートフォンやタブレットPCなどの携帯端末では、自動車からの車速パルス(車速信号)を利用することができない。ポータブルナビゲーション装置においても,車速パルスを利用することができない場合がある。さらに、車両に搭載されるナビゲーション装置であっても、外国車等の場合、車速パルスを取得できない場合がある。
【0005】
車速パルスを用いることができないナビゲーション装置では、GPS信号を受信できない場合に、自車位置を適切に表示することができないおそれがある。例えば,トンネル内や高層建築物周辺などの走行中では、GPS信号を適切に取得することができないため、自車位置がずれて表示されてしまう。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、適切に自車位置を表示することができるナビゲーション装置、表示制御方法、及びプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかるナビゲーション装置は、衛星からの測位信号に基づいて、自車位置を取得する位置情報取得部と、前記自車位置が、前記自車位置の推定精度が低い区間にあるか否かを判定する推定精度判定部と、地図情報上の自車の走行路及び進行方向に基づいて、前記地図情報に登録されている、前記自車の進行方向における、前記自車位置の推定精度が低い区間の通過後に前記自車位置の推定精度が高くなると想定される変更位置の候補から、地図上においてユーザが自車位置を判断可能な変更位置、を特定する特定部と、前記自車位置が、前記自車の位置の推定精度が低い区間にあると判定された場合に、前記地図情報上の前記自車の位置を示すアイコンを、前記自車の仮の現在位置として前記地図上においてユーザが自車位置を判断可能な変更位置に表示させる表示制御部と、を備えたものである。
【0008】
本発明にかかる制御方法は、衛星からの測位信号に基づいて、自車位置を取得するステップと、前記自車位置が、前記自車位置の推定精度が低い区間にあるか否かを判定するステップと、地図情報上の自車の走行路及び進行方向に基づいて、前記地図情報に登録されている、前記自車の進行方向における、前記自車位置の推定精度が低い区間の通過後に前記自車位置の推定精度が高くなると想定される変更位置の候補から、地図上においてユーザが自車位置を判断可能な変更位置、を特定するステップと、前記自車位置が、前記自車の位置の推定精度が低い区間にあると判定された場合に、前記地図情報上の前記自車の位置を示すアイコンを、前記自車の仮の現在位置として前記地図上においてユーザが自車位置を判断可能な変更位置に表示させるステップと、をナビゲーション装置が実行するものである。
【0009】
本発明にかかるプログラムは、衛星からの測位信号に基づいて、自車位置を取得するステップと、前記自車位置が、前記自車位置の推定精度が低い区間にあるか否かを判定するステップと、地図情報上の自車の走行路及び進行方向に基づいて、前記地図情報に登録されている、前記自車の進行方向における、前記自車位置の推定精度が低い区間の通過後に前記自車位置の推定精度が高くなると想定される変更位置の候補から、地図上においてユーザが自車位置を判断可能な変更位置、を特定するステップと、前記自車位置が、前記自車の位置の推定精度が低い区間にあると判定された場合に、前記地図情報上の前記自車の位置を示すアイコンを、前記自車の仮の現在位置として前記地図上においてユーザが自車位置を判断可能な変更位置に表示させるステップと、をコンピュータに実行させるものである。

【発明の効果】
【0010】
本発明により、適切に自車位置を表示することができるナビゲーション装置、表示制御方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ナビゲーション装置の構成を示す機能ブロック図である。
図2】トンネルを通過している例を示す図である。
図3】変更位置の例1を説明するための図である。
図4】変更位置の例2を説明するための図である。
図5】変更位置の例3を説明するための図である。
図6】変更位置の例4を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本開示が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。
【0013】
本実施の形態にかかるナビゲーション装置は、衛星からの測位信号のみによって、自車位置を推定している。つまり、本実施の形態にかかるナビゲーション装置は、車速パルスを用いずに、自車位置を推定している。本実施形態にかかるナビゲーション装置は、自律航法を用いないナビゲーション装置である。
【0014】
測位信号は、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号である。もちろん、GPS以外の衛星測位システム、例えば、準天頂衛星測位システムを用いてもよい。以下の説明では、GPS信号を用いたGPS航法のみによって、自車位置を取得するナビゲーション装置について説明する。
【0015】
本実施の形態にかかるナビゲーション装置とその制御方法は、典型的には、スマートフォン、タブレットPCなどの携帯端末で実現可能である。つまり、ナビゲーションアプリ(アプリケーションプログラム)がインストールされた携帯端末が、ナビゲーション装置となる。あるいは、ポータブルナビゲーション装置により実現されていてもよい。さらには、車速パルスを用いることができない外国車等に搭載された車載ナビゲーション装置であってもよい。つまり、ナビゲーション装置は、CAN(Controller Area Network)等に接続されていない状態で使用される。
【0016】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態にかかるナビゲーション装置100の構成を示す機能ブロック図である。ナビゲーション装置100は、制御部110と、GPS装置120と、操作部130と、記憶部140と、表示部150とを備えている。
【0017】
制御部110は、位置情報取得部111と、推定精度判定部112と、操作受付制御部113と、地図情報取得部114と、特定部115と、表示制御部116とを備えている。制御部110は、プログラムを格納するメモリ、及びCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサによって構成されている。つまり、プロセッサがプログラムを実行することで、各機能ブロックにおける処理が実施される。
【0018】
GPS装置120は、アンテナや受信回路などを備えている。GPS装置120は、複数の人工衛星からのGPS信号を受信する。GPS装置120は、GPS信号に対して、増幅、A/D変換、復調等の処理を行う。GPS装置120は、処理を施したGPS信号を位置情報取得部111に出力する。位置情報取得部111は、GPS信号に基づいて、現在の自車位置に関する位置情報を取得する。
【0019】
自車位置の位置情報は、例えば、緯度、及び経度などを含んでいる。また、位置情報は、高度を含んでいてもよい。なお、GPS信号を用いた緯度、経度などの算出方法については、公知であるため詳細な説明を省略する。GPS装置120と位置情報取得部111とが協働して、GPS信号に基づいて、自車の現在位置を算出すればよい。GPS装置120は、GPS信号を繰り返し受信している。位置情報取得部111は、最新のGPS信号に基づいて、現在の自車位置を更新する。つまり、位置情報取得部111は、最新の自車位置を推定する。
【0020】
推定精度判定部112は、位置情報取得部111により取得された自車位置の推定精度についての判定を行う。すなわち、推定精度判定部112は、位置情報取得部111が取得した自車位置の推定精度が高いか否かを判定する。例えば、受信したGPS信号の数に応じて、推定精度判定部112は、推定精度を判定する。
【0021】
具体例としては、GPS装置120が4つ以上のGPS衛星からのGPS信号を受信している場合、推定精度判定部112は、推定精度が高いと判定する。GPS装置120が3つ以下のGPS衛星からのGPS信号を受信している場合、推定精度判定部112は、推定精度が低いと判定する。つまり、3つのGPS信号に基づいて推定した位置情報は低い推定精度となっており、4つのGPS信号に基づいて推定した現在位置は高い推定精度になっている。自車がトンネルや高層ビル群を通過する場合、GPS装置120がGPS信号を適切に受信できなくなる。よって、自車位置の推定精度が低下して、自車位置が大きくずれる。
【0022】
推定精度判定部112は、地図情報取得部114が取得した地図情報に基づいて自車位置の推定精度が高いか否かを判定してもよい。例えば、自車位置と地図情報に基づき、進行方向にトンネルなどGPS信号を適切に受信できない可能性のある区間が存在していることの判断によって、自車位置がトンネル入口を通過したときに、自車位置の推定精度が高いか否かを判定する。また、地図情報とともに、GPS信号が適切に受信できない区間であることを示す情報を取得することとしてもよい。
【0023】
操作部130は、例えば操作パネルやリモコンなどの入力装置を有している。操作部130は表示部150と一体化されたタッチパネルで構成されていてもよい。あるいは、操作部130は、音声入力操作用のマイクなどを有していてもよい。操作部130は、ユーザのナビゲーション操作を受け付ける。例えば、ユーザが、操作部130を操作することで、目的地の入力、目的地までのルート検索開始、地図の拡大や縮小、地図のスクロール、表示設定の変更等を入力することができる。操作部130は、ユーザ操作に応じた操作信号を操作受付制御部113に出力する。
【0024】
操作受付制御部113は、操作部130の操作信号に応じた処理をナビゲーション装置100に実行させる。これにより、ナビゲーション装置100が、ルート検索などの処理を実行する。操作部130と操作受付制御部113は、協働して、ユーザ操作に応じた処理を行う。これにより、ナビゲーション装置100が、ユーザ操作に応じた処理を実行する。
【0025】
記憶部140は、ハードディスクやメモリなどの記録媒体を有しており、ナビゲーションに必要な地図情報を記憶している。なお、ナビゲーション装置100が、スマートフォン等の場合、記憶部140は、外部サーバから受信した地図情報を一時的に記憶する構成であってもよい。
【0026】
地図情報には、経路計算データ、道路データ、および背景データ等が含まれている。経路計算データは、目的地までの経路を探索する際などに用いられるデータである。道路データは、道路の形状、種別、幅などを表すデータである。地図情報において各道路の最小単位はリンクと呼ばれている。すなわち、地図情報において各道路は複数のリンクにより構成される。隣接するリンク同士は、ノードと呼ばれる点を介して接続されており、ノードはリンクの端点をそれぞれ表している。ノードは、交差点などの分岐点に対応する。
【0027】
背景データは、地図の背景を表すデータである。地図の背景とは、地図上に存在する道路以外の様々な構成物である。例えば、河川、鉄道、緑地帯、各種構造物などが背景データによって表される。背景データは、各分岐点や道路の周辺に存在するオブジェクトの情報を含んでいる。オブジェクトは、例えば、ビルなどの建物、トンネル、公園、施設等の人口構造物を含んでいる。さらに、オブジェクトは、河川、湖、森林、山など自然物を含んでいる。これらオブジェクト情報には、例えば、位置座標、及び、立体形状(寸法、向き、外観等)が含まれる。
【0028】
さらに、道路データには、GPS信号の受信が困難になるトンネルなどの情報を含んでいる。例えば、道路データは、トンネルの出口位置と距離などの情報を含んでいる。さらにトンネル中に分岐がある場合、分岐点の位置と方向、並びに、入口から分岐点までの距離に関する情報を含んでいる。また、地図情報には、変更位置となる候補が登録されている。変更位置は、例えば、トンネル出口や分岐点等である。変更位置については後述する。
【0029】
表示部150は、液晶モニタなどのディスプレイを備えている。表示制御部116は、表示部150の表示を制御する。つまり、表示制御部116は、表示部150に表示される画像に応じた表示制御信号を生成する。そして、表示部150は、表示制御部116からの表示制御信号に基づいて、表示を行う。表示制御部116、及び表示部150は協働して、ナビゲーションに必要な地図等を表示する。
【0030】
具体的には、表示制御部116、及び表示部150は、記憶部140に記憶された地図情報に基づいて、ディスプレイ上に地図を表示する。さらに、表示制御部116、及び表示部150は、地図上に、現在の自車位置を示すアイコンを重畳して表示する。自車位置のアイコンが常時、表示画面の中央など所定の位置となるように、表示制御部116、及び表示部150は、自車位置の移動に応じて、表示する地図をスクロールする。
【0031】
特定部115は、地図情報上の自車の走行路、及び進行方向に基づいて、推定精度が高くなると想定される変更位置を特定する。以下、変更位置の詳細について、図2を用いて説明する。図2は、表示画面における自車位置の変化を説明するための図である。
【0032】
図2には、走行路R1の途中にトンネルTがある場合を示している。つまり、図2では、自車がトンネルTを通過する場合の地図を模式的に示している。図2では、下から上に自車が移動している。つまり、トンネルTの下端が入口T1となり、上端が出口T2となる。トンネルTの入口T1及び出口T2の位置が地図情報に登録されている。走行路R1の実線部分は、推定精度が高くなる区間であり、破線部分は、推定精度が低くなる区間である。
【0033】
自車がトンネルTに進入するタイミングでは、推定精度が高いため、トンネルTの入口T1に、自車位置を示すアイコン30が表示されている。トンネルTの入口T1でのアイコン30の表示位置を表示位置P1とする。自車がトンネルTに進入すると、GPS装置120がGPS衛星からのGPS信号を受信することができなくなる。トンネルTの入口T1から出口T2までの間では、GPS信号の受信が困難となる。トンネルTの通過中では、推定精度判定部112は、推定精度が低くなったと判定する。推定精度が低いと判定された場合、位置情報取得部111が取得した自車位置が、自車位置のアイコン31のように、トンネルT内から大きくずれてしまう場合がある。
【0034】
この場合、特定部115は、地図情報上の走行路R1及び進行方向に基づいて、トンネルTの出口T2を変更位置P2と特定する。つまり、特定部115は、走行路R1にある次の変更位置の候補を、変更位置P2と特定する。表示制御部116は、変更位置P2に現在の自車位置を示すアイコン32を表示させる。つまり、表示制御部116は、自車位置を、表示位置P1から変更位置P2に変更するように、表示制御を行う。表示制御部116は自車の表示位置を、変更位置P2を示すように変更する。したがって、表示画面において、アイコンが表示位置P1から変更位置P2に変更される。推定精度判定部112による推定精度が高くなるまで、表示制御部116は変更位置P2に自車位置を示すアイコン32を表示させる。このとき、表示画面上に “トンネル通過中です”、“GPS信号受信待機中です”、などのメッセージを表示させてもよい。
【0035】
このようにすることで、自車がトンネルTを通過したタイミングにおいて、アイコンの位置ずれを小さくすることができる。つまり、推定精度が低い状態で取得された自車位置がアイコン31で示されているとすると、推定精度が高くなったタイミングでは、アイコン32の表示位置が大きく変化してしまう。つまり、表示画面において、アイコン31からアイコン32に瞬時に切り替わってしまう。よって、ユーザ(例えば、運転者)が自車位置を把握するのが困難になる。
【0036】
そこで、本実施の形態のように、推定精度が低くなった場合に、自車位置の推定精度が高くなると想定される変更位置にアイコン32を表示させておく。このようにすることで、推定精度が高くなるタイミングでのアイコンの表示位置の急激な変化を防ぐことができる。よって、地図上に自車位置を適切に表示させることができ、ユーザが自車位置を容易に把握することができる。特に、トンネルTの出口T2の近傍、具体的には、トンネルTの出口T2を出た直後などに分岐点や交差点、急カーブなど、注意を要する要素があることがある。トンネルTを走行中、本来であれば表示画面の表示範囲にトンネルTの出口T2が表示される位置ではない場合や、自車位置のアイコン31のように自車位置がずれることにより表示画面の表示範囲にトンネルTの出口T2が表示されていない場合であっても、表示画面の表示範囲が、変更位置P2が表示画面の中央など所定の位置となるように表示される。このため、ユーザは、トンネルTの出口T2の近傍における注意を要する要素を予め把握することができ、咄嗟の対応を防止することができる。
【0037】
このように、変更位置P2が仮の現在位置として設定されている。つまり、推定精度が低い間は、変更位置P2に自車位置を示すアイコンが表示される。例えば、地図情報には、トンネルTの入口T1、及び出口T2の位置が含まれている。地図情報には、入口T1と出口T2が変更位置の候補として登録されている。なお、自車の進行方向に応じて、入口T1と出口T2とが入れ替わる。
【0038】
推定精度が高い状態で取得された自車位置、及び進行方向に応じて、特定部115は、変更位置の候補から変更位置を特定する。例えば、推定精度が低くなる前に、自車の走行路R1、及び進行方向に基づいて、特定部115が変更位置を予め特定しておく。これにより、特定部115が、適切な変更位置を設定することが可能となる。そして、推定精度が低くなった場合、特定部115によって特定されている変更位置に、特定部115がアイコンを表示させる。トンネルTに入ると推定精度が低くなるためトンネル出口T2を変更位置P2として、特定部115がアイコンを表示させる。トンネルTを出て、推定精度が高くなった後に、位置情報取得部111で取得された自車位置にアイコンを表示させる。
【0039】
また、推定精度が高い状態で自車位置が移動している間は、変更位置を更新するようにしてもよい。トンネルが連続する場合、自車位置がトンネルを通過する毎に、特定部115は、次のトンネルの出口を変更位置として更新する。これにより、GPS信号を受信することができないトンネルを連続して通過する場合であっても、適切に自車位置を表示することができる。
【0040】
また、変更位置P2は、トンネルTの出口T2と完全に一致していなくてもよい。つまり、自車の現在位置を示すアイコン32の表示位置は、出口T2の周辺であればよい。例えば、トンネルTの出口T2の直前にアイコン32を表示させてもよい。
【0041】
実施の形態2.
実施の形態2では、特定部115で特定される変更位置の条件が実施の形態1と異なっている。特定部115以外の処理については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0042】
本実施形態では、特定部115が、地図上においてユーザが自車位置を判断可能な変更位置を特定する。変更位置は、ユーザが目視で自車位置を確認できることができる位置となっている。例えば、トンネル内を走行中では、ユーザが、トンネル内のどの位置であるかを判断することは困難である。トンネルを通過している場合、自車がトンネル出口に近づいた場合やトンネル出口を通過する場合、ユーザがトンネルの出口直前であることやトンネル出口であることを目視で確認することができる。よって、トンネル出口直前またはトンネル出口が変更位置の候補として登録されている。特定部115は、走行路R1、及び進行方向に基づいて、トンネルの出口直前またはトンネル出口を変更位置と特定する。
【0043】
このようにすることで、自車がトンネルを通過したタイミングにおける表示位置のずれを小さくすることができる。つまり、推定精度が低い状態で取得された自車位置にアイコンで表示されているとすると、推定精度が高くなったタイミングでは、アイコンの表示位置が大きく変化してしまう。推定精度が低くなった場合に、地図上でユーザが自車位置を特定可能な変更位置にアイコンを表示させておくことで、アイコンの表示位置の急激な変化を防ぐことができる。よって、地図上に自車位置を適切に表示することができ、ユーザが自車位置を容易に把握することができる。
【0044】
このように、ユーザが目視で自車位置を確認することができるトンネルTの出口T2が仮の現在位置として設定される(図2参照)。例えば、地図情報には、トンネルTの入口T1、及び出口T2の位置情報が含まれている。地図情報に入口T1と出口T2を変更位置の候補として登録しておく。なお、自車の進行方向に応じて、入口T1と出口T2とが入れ替わる。推定精度が高い状態で取得された現在位置、及びその進行方向に応じて、特定部115は、変更位置を特定する。
【0045】
推定精度が高い状態で取得された自車位置、及び進行方向に応じて、特定部115は、変更位置を特定する。つまり、推定精度が低くなる前の自車位置、及び進行方向に基づいて、特定部115が変更位置を予め特定しておく。これにより、特定部115が、適切な変更位置を設定することが可能となる。そして、推定精度が低くなった場合、特定部115によって特定されている変更位置にアイコンを表示させる。
【0046】
特定部115は、地図上においてユーザが自車位置を判断可能な変更位置を特定する。また、推定精度が高い状態において、自車位置が移動した場合は、変更位置を更新するようにしてもよい。例えば、トンネルが連続する場合、自車位置がトンネルを通過する毎に、特定部115は、次のトンネルの出口を変更位置として更新する。これにより、GPS信号を受信することができないトンネルを通過する場合であっても、適切に自車位置を表示することができる。
【0047】
さらに、トンネル内に分岐点がある場合、特定部115は、トンネル内の分岐点を変更位置として特定してもよい。つまり、トンネル内に分岐点がある場合、ユーザが分岐点を通過していることを認識することができる。ユーザが目視により自車位置を判断可能な分岐点を特定部115が変更位置として特定する。表示制御部116は自車の表示位置を、変更位置を示すように変更する。
【0048】
なお、実施の形態1と実施の形態2とは適宜組み合わせて用いることができる。すなわち、推定精度が高くなると想定される位置、及び地図上においてユーザが自車位置を判断可能な位置の両方を変更位置とすることが可能である。
【0049】
(変更位置の例1)
実施の形態1、2ではトンネルの出口を変更位置としていたが、変更位置はトンネル出口に限られるものでない。実施の形態1、2における変更位置の例について説明する。図3は、高層ビル群がある市街地を走行する例を模式的に示す図である。例1では、高層ビルである建物41~43の間にある道路を直進する例を示している。さらに、高層ビル群の間には、交差点C1~C4があり、自車が交差点C1、交差点C2、交差点C3、交差点C4の順に通過する。
【0050】
2つの建物41の間においてGPS信号を適切に受信できない場合、交差点C1と交差点C2との間の区間で推定精度が低くなる。一方、交差点C1、及び交差点C2では、GPS装置120が、GPS信号を適切に受信でき、推定精度が高くなる。GPS信号を適切に受信できない状態とは、例えば、GPS装置120が3つ以下のGPS衛星からのGPS信号を受信している場合であり、GPS信号を適切に受信している状態とは、例えば、GPS装置120が4つ以上のGPS衛星からのGPS信号を受信している場合である。例えば、自車が表示位置P11を通過することで推定精度が低くなった場合、特定部115は、交差点C2の位置を変更位置P12として特定する。したがって、自車位置を示すアイコン30が表示位置P11から変更位置P12に切り替わる。
【0051】
自車がさらに直進して交差点C2を通過すると、建物42の間に入る。同様に、建物42の間においてGPS信号を適切に受信できない場合、交差点C2と交差点C3との間の区間で推定精度が低くなる。一方、交差点C3では、GPS装置120が、GPS信号を受信できるため、推定精度が高くなる。自車が表示位置P13を通過することで推定精度が低くなった場合、特定部115は、交差点C3の位置を変更位置P14として特定する。したがって、自車位置を示すアイコン30が表示位置P13から変更位置P14に切り替わる。自車がさらに直進して交差点C3を通過すると、建物44の間に入る。建物43の間においてGPS信号を受信できない場合も、同様に、自車位置を示すアイコン30が変更位置P15から変更位置P16に切り替わる。
【0052】
自車が交差点C1~C4を通過する場合、特定部115は、変更位置P12、変更位置P14、変更位置P16を順番に特定する。自車位置を示すアイコン30が、推定精度が低い状態で変更位置に表示されている場合は、推定精度が高い状態のアイコン30とは表示形態を変更してもよい。
【0053】
例1では、交差点C1~C4を変更位置の候補として登録しておく。実施の形態1においては、交差点C2~C4が自車位置の推定精度が高くなると想定される変更位置となる。実施の形態2においては、交差点C2~C4が地図上においてユーザが自車位置を判断可能な変更位置となる。そして、交差点C1を通過後、GPS信号を受信することができず、推定精度が低下した場合、自車位置を変更位置に表示する。これにより、自車位置を適切に表示することができ、ユーザが容易に自車位置を把握することができる。
【0054】
このように、実施の形態1,2の例では、トンネルの出口だけでなく、交差点を変更位置の候補とすることもできる。もちろん、交差点に限らず、分岐点を変更位置の候補とすることができる。つまり、十字、T字、又はY字等の分岐点を変更位置の候補とすることができる。
【0055】
(変更位置の例2)
例2にかかる変更位置について、図4を用いて説明する。図4においても、例1と同様に建物41~43の間にある道路を直進する例を示している。図4では、交差点C1から交差点C4までの全区間で、GPS装置120がGPS信号を適切に受信できないとする。つまり、例1において推定精度が低くなる区間に加えて、交差点C2、及び交差点C3でも推定精度が低くなっているとする。
【0056】
自車が交差点C1~C4を通過する場合、自車が表示位置P21を通過することで推定精度が低くなると、特定部115は、変更位置P22を特定する。したがって、アイコン30は、表示位置P21から変更位置P22の順番で表示されていく。自車位置を示すアイコン30が表示位置P21から変更位置P22に切り替わる。
【0057】
例2では、交差点C1、及び交差点C4を変更位置の候補として登録しておく。実施の形態1においては、交差点C4が自車位置の推定精度が高くなると想定される変更位置となる。そして、交差点C1の通過後、GPS信号を受信することができず、推定精度が低下した場合、自車位置のアイコン30を変更位置P22に表示する。これにより、自車位置を適切に表示することができ、ユーザが容易に自車位置を把握することができる。
【0058】
例2では、過去の通行時に交差点C2、及び交差点C3でGPS信号が受信できなかったことを通行履歴に登録しておく。つまり、推定精度が低くなる交差点C2、及び交差点C3を変更位置の候補から除外しておく。交差点C1を通過している場合、特定部115は、過去の通行履歴を参照し、交差点C4を変更位置P22として特定する。このように、推定精度が低くなる交差点C2、及び交差点C3を変更位置の候補から除外しておくことで、適切に自車位置を地図上に表示することができる。
【0059】
なお、自車以外の車が通過した時にGPS信号を受信できなかった通行履歴を蓄積するようにしてもよい。つまり、他車の通行履歴を参照して、GPS信号の受信が困難な区間を変更位置の候補から除外してもよい。通常、地形や建物の高さによって、GPS衛星からのGPS信号を受信できない箇所が決まる。よって、他のナビゲーション装置のGPS装置が交差点C2、C3において、GPS信号を受信できなかった場合、交差点C2、C3が、推定精度が低くなる箇所として登録される。つまり、交差点C2、C3は、変更位置の候補から除外される。
【0060】
このように、複数のナビゲーション装置がGPS信号を受信できたか否かを示す通行履歴をサーバに蓄積しておく。そして、複数のナビゲーション装置の通行履歴を用いて、変更位置の候補を除外してもよい。つまり、推定精度が低くなると想定される交差点等については、変更位置の候補から除外する。さらに、学習機能により、制御部110が、地図情報や通行履歴等から変更位置の候補を学習するようにしてもよい。
【0061】
また、実施の形態2のように、地図上においてユーザが自車位置を判断可能な位置が変更位置となっている場合、特定部115は、図3と同様に、変更位置P12,変更位置P14を特定する。つまり、交差点C1~交差点C4の間で推定精度が低くなっていたとしても、交差点であれば、ユーザが目視で自車が交差点にいることを認識することができる。よって、推定精度が低くなることが想定される交差点C2、C3を特定部115は、変更位置P12,変更位置P14としてもよい。
【0062】
(例3)
例3では、ルート検索の結果に応じて、特定部115が変更位置を特定している。図5は、交差点C1から交差点C3まで直進して、交差点C3で右折する例3を示している。つまり、ルート検索の結果、交差点C1、交差点C2、交差点C3、交差点C5の順に通過するルートが登録されている。
【0063】
例1のように、交差点C2、交差点C3において、推定精度が高くなる場合、特定部115は、交差点C2、交差点C3、交差点C5を変更位置P32、変更位置P33、変更位置P34と特定する。
【0064】
あるいは、例2のように、交差点C2、交差点C3において、推定精度が低くなる場合、特定部115が交差点C5を変更位置P34と特定する。
【0065】
このように、ルート検索の結果に応じて、特定部115が変更位置を特定する。これにより、適切に自車位置を表示することができ、ユーザが容易に自車位置を把握することができる。
【0066】
(例4)
図6は、トンネルTの途中に分岐点C22がある場合を示している。トンネルTの入口を入口T21とし、一方の出口を出口T22とし、他方の出口を出口T23として説明する。出口T22は、分岐点C22を直進した場合の出口であり、出口T23は分岐点C22を左側に進んだ場合の出口である。実施の形態1で説明したようにトンネルT内ではGPS信号を受信することができないため、現在位置の推定精度が低くなる。
【0067】
例4では、推定精度が低くなっているトンネル内部に、ユーザが自車位置を判断可能な位置としての分岐点C22が存在するため、特定部115は、変更位置P42を変更位置として特定する。例えば、トンネルTの入口T21を通過すると、推定精度が低くなる。この場合、分岐点C22を変更位置P42と特定する。つまり、表示位置P41に表示されていたアイコン30が変更位置P42に表示される。
【0068】
特定部115が、変更位置P42を特定し、アイコン30を変更位置P42に表示した後、分岐点C22まで走行したことが想定されると、特定部115は、変更位置P43および変更位置P44のいずれか、自車が走行する方向の変更位置を特定する必要がある。例えば、予めルート検索が実施され、ルート設定がされている場合、設定されたルートに基づいて変更位置が特定される。例えば、分岐点C22を直進して、出口T22から出るルートが設定されている場合、変更位置P42に続いて変更位置P44の順にアイコン30が表示される。
【0069】
トンネルT内で変更位置P42にアイコン30を表示させた後、変更位置P44にアイコン30を表示させるタイミングは、自車位置が分岐点C22の近傍と想定された場合である。ここでいう近傍とは、自車位置が分岐点C22の直前となったと想定される場合や、自車位置が分岐点C22を通過したと想定される場合である。
【0070】
自車位置が分岐点C22の近傍であることの想定は、例えば、特定部115が、位置情報取得部111が取得した入口T21を通過する直前における単位時間毎の位置情報の推移と、地図情報取得部114から取得する入口T21と分岐点C22の間の距離情報に基づき算出することで想定する。
【0071】
また、分岐点C22にアイコン30を表示させている場合、表示部150が、進行方向を決定するボタンやアイコン等を表示してもよい。そして、ユーザがタッチパネルなどの操作部130に対して操作入力を行うことで、分岐点C22での進行方向を入力するようにしてもよい。ユーザが直進することを入力した場合、表示部150が変更位置P42から変更位置P44にアイコン30の表示を切り替える。ユーザが左折することを入力した場合、表示部150が変更位置P42から変更位置P43にアイコン30の表示を切り替える。もちろん、音声入力により、進行方向を入力してもよい。ユーザによる操作入力に基づいて、特定部115が変更位置を特定するようにしてもよい。
【0072】
さらに、ナビゲーション装置100が加速度センサを搭載している場合、加速度に応じて、特定部115が変更位置を特定してもよい。例えば、ナビゲーション装置100が加速度センサを搭載したスマートフォンである場合、加速度センサが加速度を検出する。そして、特定部115が、加速度に応じてトンネルT内の分岐点C22を直進したか、左折したかを判定する。特定部115は、進んだ方向に応じて、変更位置を特定する。
【0073】
例えば、自車位置が分岐点C22の近傍であると想定された場合の前後所定期間において、左方向への加速度が閾値以上となった場合、特定部115は分岐点C22を左に進んだと判定し、変更位置P43を特定する。一方、左方向への閾値以上の加速度が検出されない間は、特定部115は、分岐点C22を直進したと判定し、変更位置P44を特定する。このように、加速度に基づいて、特定部115が変更位置を特定してもよい。
【0074】
上記の実施形態に示したように、分岐点、及びトンネルの出口の全て、又は一部を変更位置の候補として地図情報に登録しておく。そして、推定精度が高い状態での自車位置に基づく走行路、及び進行方向に応じて、特定部115が変更位置の候補から変更位置を特定する。推定精度が低くなった場合、表示制御部116が変更位置に自車位置を示すアイコンを表示させる。
【0075】
推定精度が低くなった直後に、表示制御部116がアイコンを変更位置に表示させてもよい。あるいは、一定の遅延時間を持たせて、表示制御部116がアイコンを変更位置に表示させてもよい。つまり、推定精度が低くなっている時間が一定時間以上となった場合に、表示制御部116がアイコンを変更位置に表示させるようにしてもよい。推定精度が高くなった場合、位置情報取得部111が取得した自車位置に、アイコンを表示させる。
【0076】
このようにすることで、推定精度が高くなったときにおいて、アイコン位置の急激な変化を抑制することができる。これにより、適切に自車位置を表示させることができ、ユーザが速やかに自車位置を把握することができる。例えば、トンネルの出口の直後に、分岐点が有るような場合であっても、ユーザが混乱せずに運転することができる。また、変更位置は、トンネル出口や分岐点の近傍であればよく、トンネル出口や分岐点と完全に一致していなくてもよい。また、ナビゲーション装置は、自動車に用いられるものに限らず、自転車やバイクなどに用いられるものであってもよい、
【0077】
また、以上で説明した複数の例は、適宜組み合わせて実施されることもできる。例えば、高層ビル群を通過している間に、推定精度が低くなっている時間に応じて、変更位置を変更させていってもよい。
【0078】
また、上記実施の形態において、様々な処理を行う機能ブロックとして図面に記載される各要素は、ハードウェア的には、CPU、メモリ、その他の回路で構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラム等によって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又はそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0079】
また、上記のプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、CD-R(CD-Recordable)、CD-R/W(CD-ReWritable)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されても良い。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0080】
100 ナビゲーション装置
110 制御部
111 位置情報取得部
112 推定精度判定部
113 操作受付制御部
114 地図情報取得部
115 特定部
116 表示制御部
120 GPS装置
130 操作部
140 記憶部
150 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6