(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】電動工具
(51)【国際特許分類】
B23D 29/00 20060101AFI20220823BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20220823BHJP
B21D 7/024 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
B23D29/00 A
B25F5/00 H
B21D7/024 C
(21)【出願番号】P 2018113977
(22)【出願日】2018-06-14
【審査請求日】2021-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小吹 隆之
(72)【発明者】
【氏名】冨山 健
【審査官】小川 真
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-271849(JP,A)
【文献】特開平09-103911(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0120436(US,A1)
【文献】特開2014-148020(JP,A)
【文献】特開2014-148018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23D 29/00
B25F 5/00
B21D 7/024
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状被加工物を切断加工可能であり、かつ前記棒状被加工物を曲げ加工可能な電動工具であって、
電動モータおよび前記電動モータを収容する工具本体と、
前記電動モータに電力を供給するバッテリと、
前記電動モータの駆動によって回転する回転軸に設けられたカムと、
前記カムの回転によって動作する可動切断刃と、
前記棒状被加工物を支持する固定切断刃と、
前記カムに設けられた曲げローラと、
前記電動モータに対して前記回転軸と反対側の位置で前記工具本体に接続されたハンドル部と、
前記切断加工を行う際に前記工具本体を支える第1脚部と、
前記第1脚部と90°方向を変えて配置され、前記曲げ加工を行う際に前記工具本体を支える第2脚部と、を有し、
前記工具本体を載置面に載置して、前記可動切断刃と前記固定切断刃との剪断作用により前記棒状被加工物を切断する切断加工と、前記切断加工の状態から前記載置面に対する前記工具本体の向きを変更して、前記曲げローラの押圧力により前記棒状被加工物を曲げる曲げ加工が可能であり、前記バッテリは、前記切断加工および前記曲げ加工の際に、
前記第1脚部と前記第2脚部のそれぞれよりも前記載置面に向かって突出しないように配置され、
前記第2脚部を前記載置面に接触させた状態において、前記バッテリは、前記ハンドル部の上部に配置される、電動工具。
【請求項2】
棒状被加工物を切断加工可能であり、かつ前記棒状被加工物を曲げ加工可能な電動工具であって、
電動モータおよび前記電動モータを収容する工具本体と、
前記電動モータに電力を供給するバッテリと、
前記電動モータの駆動によって回転する回転軸に設けられたカムと、
前記カムの回転によって動作する可動切断刃と、
前記棒状被加工物を支持する固定切断刃と、
前記カムに設けられた曲げローラと、
前記電動モータに対して前記回転軸と反対側の位置で前記工具本体に接続されたハンドル部と、
前記切断加工を行う際に前記工具本体を支える第1脚部と、
前記第1脚部と90°方向を変えて配置され、前記曲げ加工を行う際に前記工具本体を支える第2脚部と、
を有し、
前記工具本体を載置面に載置して、前記可動切断刃と前記固定切断刃との剪断作用により前記棒状被加工物を切断する切断加工と、前記切断加工の状態から前記載置面に対する前記工具本体の向きを変更して、前記曲げローラの押圧力により前記棒状被加工物を曲げる曲げ加工が可能であり、
前記バッテリは、前記切断加工および前記曲げ加工の際に、前記第1脚部と前記第2脚部のそれぞれよりも前記載置面に向かって突出しないように配置され
、
前記第2脚部を前記載置面に接触させた状態において、前記バッテリは、前記ハンドル部の下部に配置される、電動工具。
【請求項3】
前記バッテリは、平面視が長方形に形成されており、
前記長方形の長手方向が前記ハンドル部の延在方向に沿うように前記バッテリが配置されている、請求項
2に記載の電動工具。
【請求項4】
前記バッテリは、平面視が長方形に形成されており、
前記長方形の長手方向と交差する幅方向が前記ハンドル部の延在方向に沿うように前記バッテリが配置されている、請求項
2に記載の電動工具。
【請求項5】
前記ハンドル部の下部に2つの前記バッテリが横並びで配置されており、
前記2つのバッテリは、それぞれの前記幅方向が前記ハンドル部の延在方向に沿うように配置されている、請求項
4に記載の電動工具。
【請求項6】
前記2つのバッテリのそれぞれは、互いに反対の位置となる2つの側面のそれぞれに、前記バッテリを取り外す際に操作されるラッチ部を有し、かつ前記2つのバッテリのそれぞれの何れか一方の前記ラッチ部が対向して配置されている、請求項
5に記載の電動工具。
【請求項7】
前記バッテリは、互いに反対の位置となる2つの側面のそれぞれに、前記バッテリを取り外す際に操作されるラッチ部を有し、
前記ハンドル部の下部に2つの前記バッテリが横並びで配置され、
前記2つのバッテリのそれぞれにおける片方の前記ラッチ部が、前記ハンドル部と対向するように前記2つのバッテリが配置されている、請求項
2に記載の電動工具。
【請求項8】
棒状被加工物を切断加工可能であり、かつ前記棒状被加工物を曲げ加工可能な電動工具であって、
電動モータおよび前記電動モータを収容する工具本体と、
前記電動モータに電力を供給するバッテリと、
前記電動モータの駆動によって回転する回転軸に設けられたカムと、
前記カムの回転によって動作する可動切断刃と、
前記棒状被加工物を支持する固定切断刃と、
前記カムに設けられた曲げローラと、
前記切断加工を行う際に前記工具本体を支える第1脚部と、
前記第1脚部と90°方向を変えて配置され、前記曲げ加工を行う際に前記工具本体を支える第2脚部と、
を有し、
前記工具本体を載置面に載置して、前記可動切断刃と前記固定切断刃との剪断作用により前記棒状被加工物を切断する切断加工と、前記切断加工の状態から前記載置面に対する前記工具本体の向きを変更して、前記曲げローラの押圧力により前記棒状被加工物を曲げる曲げ加工が可能であり、前記バッテリは、前記切断加工および前記曲げ加工の際に、前記第1脚部と前記第2脚部のそれぞれよりも前記載置面に向かって突出しないように配置され、
前記電動モータを覆う第1ハウジング部と、前記可動切断刃を覆う第2ハウジング部とを有し、
前記バッテリは、平面視が長方形に形成されており、
前記バッテリは、前記第2脚部を前記載置面に接触させた状態の平面視における前記第1ハウジング部および前記第2ハウジング部の外側の領域において、前記長方形の長手方向を立て掛けた状態で前記第1ハウジング部に装着されている
、電動工具。
【請求項9】
前記バッテリは、平面視が長方形に形成されており、
前記第2脚部を前記載置面に接触させた状態の平面視において、前記長方形の長手方向が前記ハンドル部の延在方向に沿うように前記バッテリが配置されている、請求項
1に記載の電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
電動工具のうち、鉄筋などの棒状被加工物に対して切断加工と曲げ加工とを行うことが可能な電動工具が知られている。
【0003】
上記電動工具の一例として、特許文献1には、固定切断刃と固定切断刃に対して進退する可動切断刃との剪断作用によって鉄筋を切断する切断工具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載された電動工具は、曲げ加工と切断加工とで工具本体の向きを変更して使用する。そのため、2つの方向、例えば、90°異なる2つの方向に対して工具本体と地面との接触面を有している。
【0006】
近年、電動工具にバッテリ(電池)を装着可能とすることで、電動工具をコードレス化する動きが進んでおり、特許文献1に記載された切断加工と曲げ加工とを行うことが可能な電動工具においてもコードレス化が要望されている。
【0007】
ただし、上記特許文献1のように複数の姿勢で使用される電動工具にバッテリを装着する際には、バッテリの配置が作業に影響を来す可能性がある。例えば、バッテリの重心の位置などが加工作業に影響を及ぼすため、バッテリの装着位置や装着向きなどを考慮しなければならない。
【0008】
本発明の目的は、複数の作業姿勢を有する電動工具において、バッテリの装着位置や装着向きによる加工作業への影響を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電動工具は、棒状被加工物を切断加工可能であり、かつ前記棒状被加工物を曲げ加工可能な電動工具であり、電動モータおよび前記電動モータを収容する工具本体と、前記電動モータに電力を供給するバッテリと、前記電動モータの駆動によって回転する回転軸に設けられたカムと、前記カムの回転によって動作する可動切断刃と、前記棒状被加工物を支持する固定切断刃と、前記カムに設けられた曲げローラと、前記電動モータに対して前記回転軸と反対側の位置で前記工具本体に接続されたハンドル部と、前記切断加工を行う際に前記工具本体を支える第1脚部と、前記第1脚部と90°方向を変えて配置され、前記曲げ加工を行う際に前記工具本体を支える第2脚部と、を有し、前記工具本体を載置面に載置して、前記可動切断刃と前記固定切断刃との剪断作用により前記棒状被加工物を切断する切断加工と、前記切断加工の状態から前記載置面に対する前記工具本体の向きを変更して、前記曲げローラの押圧力により前記棒状被加工物を曲げる曲げ加工が可能であり、前記バッテリは、前記切断加工および前記曲げ加工の際に、前記第1脚部と前記第2脚部のそれぞれよりも前記載置面に向かって突出しないように配置され、前記第2脚部を前記載置面に接触させた状態において、前記バッテリは、前記ハンドル部の上部に配置される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の作業姿勢を有する電動工具において、バッテリの装着位置や装着向きによる加工作業への影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態1の電動工具の切断加工時の構造を示す側面図である。
【
図2】
図1に示す電動工具の曲げ加工時の構造を示す側面図である。
【
図3】
図2に示す電動工具の曲げ加工時の背面図である。
【
図4】
図1に示す電動工具の曲げ加工時の構造を一部破断して示す側面図である。
【
図5】
図1に示す電動工具の切断加工状態の構造を示す側面図である。
【
図6】
図5に示す切断加工状態の構造を示す背面図である。
【
図7】
図5に示す切断加工状態の構造を示す平面図である。
【
図8】
図1に示す電動工具の切断加工時の動作の一例を示す側面図である。
【
図9】
図1に示す電動工具の切断加工時の動作の一例を示す側面図である。
【
図10】
図1に示す電動工具の切断加工時の動作の一例を示す側面図である。
【
図11】
図1に示す電動工具の曲げ加工状態の構造を示す側面図である。
【
図12】
図11に示す曲げ加工状態の構造を示す背面図である。
【
図13】
図11に示す曲げ加工状態の構造を示す平面図である。
【
図14】
図1に示す電動工具の曲げ加工時の動作の一例を示す平面図である。
【
図15】
図1に示す電動工具の曲げ加工時の動作の一例を示す平面図である。
【
図16】
図1に示す電動工具の曲げ加工時の動作の一例を示す平面図である。
【
図17】
図1に示す電動工具に装着されるバッテリの構造を示す平面図である。
【
図20】本発明の実施の形態2の電動工具の切断加工時の構造を示す側面図である。
【
図21】
図20に示す電動工具の曲げ加工時の構造を示す側面図である。
【
図23】本発明の実施の形態3の電動工具の切断加工時の構造を示す部分側面図である。
【
図24】
図23に示す電動工具の曲げ加工時の構造を示す部分側面図である。
【
図25】本発明の実施の形態4の電動工具の切断加工時の構造を示す部分側面図である。
【
図26】
図25に示す電動工具の曲げ加工時の構造を示す部分側面図である。
【
図27】本発明の実施の形態5の電動工具の切断加工時の構造を示す側面図である。
【
図28】
図27に示す電動工具の曲げ加工時の構造を示す側面図である。
【
図29】本発明の実施の形態6の電動工具の切断加工時の構造を示す側面図である。
【
図30】
図29に示す電動工具の曲げ加工時の構造を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態1の電動工具について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付している。
【0013】
図1~
図4に示される電動工具30は、例えば、カットベンダなどと呼ばれる工具であり、鉄筋(棒状被加工物)7を切断加工することが可能であり、かつ鉄筋7を曲げ加工することも可能な工具である。また、電動工具30は、バッテリ13を装着したコードレス式の工具である。
【0014】
電動工具30の構成について説明すると、電動モータ9と、電動モータ9に電力を供給する充電式のバッテリ13と、電動モータ9の駆動によって回転する回転軸4に設けられたカム5と、カム5の回転によって動作する可動切断刃1と、鉄筋7を支持する固定切断刃2と、カム5に設けられた曲げローラ10と、を備えている。
【0015】
さらに、電動工具30は、電動工具30の工具本体3に設けられ、かつ鉄筋7を切断加工する際に工具本体3を支える第1脚部11と、第1脚部11と90°方向を変えて配置されるとともに、工具本体3に設けられ、かつ鉄筋7を曲げ加工する際に工具本体3を支える第2脚部12と、を備えている。
【0016】
第1脚部11は、第1脚部11a,11b,11cを含んでおり、第2脚部12は、第2脚部12a,12b,12cを含んでいる。そして、工具本体3の第1脚部11a、第1脚部11b、第1脚部11cが設けられている第1面3aと、工具本体3の第2脚部12a、第2脚部12b、第2脚部12cが設けられている第2面3bとは、略90°向きが異なっている。例えば、工具本体3において第1脚部11が設けられている第1面3aを底面とすると、第2脚部12が設けられている第2面3bは、底面(第1面3a)と略90°向きを変えた側面である。
【0017】
すなわち、電動工具30は、複数の作業姿勢を有する工具であり、切断加工時に工具本体3の底面に相当する第1面3aと、曲げ加工時に底面に相当する第2面3bとは、略90°向きが異なっている。
【0018】
なお、電動工具30において、鉄筋7の切断加工は、可動切断刃1と固定切断刃2との剪断作用によって行われ、一方、鉄筋7の曲げ加工は、曲げローラ10の押圧力によって行われる。
【0019】
また、電動工具30に設けられている電動モータ9は、例えば、ブラシレスモータであり、電動モータ9の駆動は、内部に設けられた制御回路によって制御される。
【0020】
また、
図4に示されるように、電動モータ9に対して回転軸4と反対側の位置には、工具本体3に接続されたハンドル部16が設けられている。
【0021】
また、電動工具30は、着脱式のバッテリ13を搭載している。そして、本実施の形態1の電動工具30では、
図2~
図4に示されるように、工具本体3の第2面3bに設けられた第2脚部12a,12b,12cを地面(載置面)17に接触させた姿勢において、バッテリ13が、ハンドル部16の下部に配置されるように装着されている。
【0022】
なお、バッテリ13は、例えば充電式のものである。そして、バッテリ13は、
図1に示されるように、第1脚部11a,11b,11cを地面17に接触させた姿勢においても、また
図2~
図4に示されるように、第2脚部12a,12b,12cを地面17に接触させた姿勢においても、第1脚部11および第2脚部12のそれぞれより工具本体3側に引っ込んで(載置面17に向かって突出しないように)配置されている。言い換えれば、電動工具30では、第1脚部11および第2脚部12の何れの脚部を地面17に置いた姿勢であっても、第1脚部11および第2脚部12のそれぞれは、バッテリ13の端部(端面)より外方に突出している。
【0023】
したがって、電動工具30では、
図1~
図4に示されるように、切断加工時の姿勢においても曲げ加工時の姿勢においても、バッテリ13が地面17に接触することは無く、バッテリ13は地面(載置面)17に対して離間して配置される。
【0024】
次に、
図5~
図7を用いて、電動工具30の鉄筋7の切断加工時の姿勢について説明する。
図5~
図7は、電動工具30の切断加工時の工具本体3の状態を示すものである。
【0025】
図5および
図6に示されるように、切断加工時は、工具本体3の第1面3aに設けられた第1脚部11を地面17に接触させるように電動工具30を地面17に対して置く。言い換えると、電動工具30の工具本体3の第1面3aに設けられた第1脚部11a,11b,11cが工具本体3を支えるように電動工具30を地面17に置く。
【0026】
そして、
図5に示されるように鉄筋7は固定切断刃2によって支持され、この状態で鉄筋7の切断加工を行う。
【0027】
鉄筋7の切断加工時には、
図5および
図6に示されるように、第1脚部11a,11b,11cが工具本体3を支えており、バッテリ13はその下部側の側面13aが第1脚部11より工具本体3側(ここでは上方側)に引っ込んでいるため、バッテリ13は地面17に対して離間した状態となって、バッテリ13の下部側の側面13aが地面17に接触することはない。
【0028】
次に、
図8~
図10を用いて、電動工具30の鉄筋7の切断加工時の動作について説明する。まず、
図5に示すように工具本体3の第1脚部11が地面17に接触するように電動工具30を置く。すなわち、工具本体3が第1脚部11によって支持されるような向きにして電動工具30を地面17に置く。
【0029】
地面17に電動工具30を配置した後、
図8に示されるように、固定切断刃2上に鉄筋7を載置する。すなわち、固定切断刃2によって鉄筋7を支持する。この状態で、
図4に示されるトリガスイッチ15を引いて電動工具30の電源をONの状態とする。
【0030】
これにより、電動工具30の電動モータ9が駆動して出力軸9aが回転する。さらに出力軸9aの回転は、歯車18a,18b,18c,18d,18eによって回転軸4に伝達される。つまり、歯車18a,18b,18c,18d,18eは、電動モータ9の回転を減速しつつ、かつ出力軸9aの回転を回転軸4に伝達して回転軸4を回転させる。回転軸4は、軸受20,22によって支持されている。そして、回転軸4の回転に伴い回転軸4に設けられたカム5が回転する。
【0031】
さらに、カム5の回転により、
図8に示すカム5と接触するローラ24を介して揺腕23が回動する。揺腕23が回動すると揺腕23の端部に設けられた可動切断刃1が下方に移動する。移動を始めた可動切断刃1はやがて固定切断刃2によって支持された鉄筋7に接触する。すなわち、可動切断刃1は、カム5の回転によって固定切断刃2に向け進退動作を行う切断刃である。
【0032】
可動切断刃1が鉄筋7に接触し始めると、
図9に示されるように可動切断刃1と固定切断刃2との間で鉄筋7に対して剪断力が作用する。回転軸4の回転によってさらにカム5が回転することで、
図10に示されるように可動切断刃1も回動して固定切断刃2との間で剪断力により
図9の鉄筋7を切断する。
【0033】
次に、
図11~
図13を用いて、電動工具30の鉄筋7の曲げ加工時の姿勢について説明する。
図11~
図13は、電動工具30の曲げ加工時の工具本体3の状態を示すものである。
【0034】
図11および
図12に示されるように、曲げ加工時は、工具本体3の第2面3bに設けられた第2脚部12を地面17に接触させるように電動工具30を地面17に対して置く。言い換えると、電動工具30の工具本体3の第2面3bに設けられた第2脚部12a,12b,12cが工具本体3を支えるように電動工具30を地面17に置く。
【0035】
そして、
図13に示されるように鉄筋7を
図11に示す作業面6の所定箇所に載置し、この状態で鉄筋7の曲げ加工を行う。
【0036】
鉄筋7の曲げ加工時においても、
図11および
図12に示されるように、第2脚部12a,12b,12cが工具本体3を支えており、バッテリ13はその底面13bが第2脚部12より工具本体3側(ここでは上方側)に引っ込んでいるため、バッテリ13は地面17に対して離間した状態となって、バッテリ13の底面13bが地面17に接触することはない。
【0037】
次に、
図14~
図16を用いて、電動工具30の鉄筋7の曲げ加工時の動作について説明する。まず、
図11に示すように工具本体3の第2脚部12が地面17に接触するように電動工具30を置く。すなわち、工具本体3が第2脚部12によって支持されるような向きにして電動工具30を地面17に置く。表現を換えると、曲げ加工時の工具本体3の向きは、切断加工時の工具本体3の向きと90°異なっている。
【0038】
地面17に電動工具30を配置した後、
図14に示されるように、工具本体3の
図11に示す作業面6上に鉄筋7を載置する。ここでは、作業面6上において、センタローラ21とガイドストッパ19とに挟まれる位置に鉄筋7を配置する。この状態で、
図4に示されるトリガスイッチ15を引いて電動工具30の電源をONの状態とする。
【0039】
これにより、電動工具30の電動モータ9が駆動して出力軸9aが回転する。さらに出力軸9aの回転は、歯車18a,18b,18c,18d,18e等によって回転軸4に伝達される。つまり、歯車18a,18b,18c,18d,18eは、電動モータ9の回転を減速しつつ、かつ出力軸9aの回転を回転軸4に伝達して回転軸4を回転させる伝達機構の一部である。そして、回転軸4の回転に伴い回転軸4に設けられたカム5が回転する。
【0040】
さらに、カム5の回転により、カム5に設けられた曲げローラ10がカム5の回転に連動して回動する。回動した曲げローラ10は、やがて鉄筋7に接触し、回動しながら鉄筋7を押圧する。すると鉄筋7は、
図15に示されるようにセンタローラ21を基点として折れ曲がる。そして、
図16に示されるように、曲げローラ10が設定された位置まで回動し、鉄筋7は所望の角度まで曲げられる。
【0041】
以上のようにして鉄筋7の切断加工もしくは曲げ加工を実施する。なお、セットダイヤル25は、曲げローラ10の停止位置などを設定するものであり、これにより、鉄筋7の曲げ角度などを設定することが可能である。
【0042】
次に、
図17~
図19を用いてバッテリ13について説明する。本実施の形態1の電動工具30に装着されるバッテリ13は、充電式で、かつ着脱式のものである。
図17に示されるように、バッテリ13の平面視の形状は、例えば長方形である。したがって、バッテリ13の平面視の形状においては、長手方向Pと幅方向Qとがある。また、
図18はバッテリ13の側面13aの形状を示すものであり、側面13aにはラッチ部13cが設けられている。また、
図19はバッテリ13の背面側の形状を示している。
【0043】
そして、バッテリ13は、互いに反対の位置となる2つの側面13aのそれぞれにラッチ部13cを有している。ラッチ部13cは、バッテリ13を工具本体3から取り外す際に操作するものであり、ラッチ部13cを内側に向けて押し込むことで、バッテリ13の工具本体3との装着部において嵌合が解除されてバッテリ13を工具本体3から取り外すことができる。
【0044】
本実施の形態1の電動工具30では、
図2に示すように、曲げ加工が行われる際の第2脚部12を地面17に接触させた状態(姿勢)において、バッテリ13が電動工具30のハンドル部16の下部に配置され、さらにバッテリ13の長方形の長手方向Pがハンドル部16の延在方向Rに沿うようにバッテリ13が配置されている。その際、
図1に示されるように、ハンドル部16の幅方向の中心とバッテリ13の幅方向Qの中心とが略一致するようにバッテリ13は装着されている。
【0045】
なお、
図4の装着方向Sに示されるように、バッテリ13の工具本体3への装着は、工具本体3の背面側から行われる。
【0046】
本実施の形態1の電動工具30におけるバッテリ13は、
図1に示されるように、第1脚部11a,11b,11cを地面17に接触させた姿勢においても、また
図2~
図4に示されるように、第2脚部12a,12b,12cを地面17に接触させた姿勢においても、第1脚部11および第2脚部12のそれぞれより工具本体3側に引っ込んで配置されている。
【0047】
これにより、電動工具30の2つの載置状態(姿勢)の何れにおいてもバッテリ13を地面17に対して離間させることができる。すなわち、電動工具30の2つの載置状態(姿勢)においてもバッテリ13は地面17に対して離間して配置されて、バッテリ13が地面17と接触しないため、バッテリ13が地面17と接触して破損することを抑制するとともに、切断加工および曲げ加工の何れの加工に対しても電動工具30を安定して地面17に置くことができる。
【0048】
その結果、複数の作業姿勢を有する電動工具30において、バッテリ13が切断加工や曲げ加工などの加工作業へ与える影響を抑制することができる。
【0049】
また、本実施の形態1の電動工具30では、
図1および
図2に示されるように、バッテリ13は、上述のように平面視における長方形の長手方向Pがハンドル部16の延在方向Rに沿うように配置され、さらにハンドル部16の幅方向の中心とバッテリ13の幅方向Qの中心とが略一致するように装着されている。これにより、バッテリ13の重心の位置が、ハンドル部16と重なる位置となり、かつ工具本体3の2つの載置状態(姿勢)においても地面17の近くに重心を位置させることができ、作業の安定性を確保することができる。
【0050】
また、バッテリ13をハンドル部16の下部に配置したことで、バッテリ13が作業面6より上方の領域に位置しないため、バッテリ13が曲げ加工に悪影響を与えたり、加工する際に鉄筋7との接触でバッテリ13が傷ついたりすることを抑制できるので、加工方法が規制されることなく快適かつ自由に作業を行うことができる。さらに、バッテリ13がハンドル部16の下部に配置されたことで、バッテリ13は地面17に近い箇所に位置する。したがって、電動工具30が転倒などした際にバッテリ13に加わる衝撃を低減することができる。
【0051】
(実施の形態2)
図20~
図22を用いて実施の形態2の電動工具30について説明する。実施の形態2では、
図20および
図21に示されるように、電動工具30のハンドル部16の下部において、バッテリ13の長手方向Pと交差する幅方向Qが、ハンドル部16の延在方向Rに沿うようにバッテリ13が配置されている。
【0052】
すなわち、
図21および
図22に示される、曲げ加工が行われる際の第2脚部12を地面17に接触させた状態の平面視(
図20の電動工具30の見え方に相当)において、バッテリ13の幅方向Qが、ハンドル部16の延在方向Rに沿うようにバッテリ13が装着されている。ここで、
図20に示されるように、バッテリ13の工具本体3への装着方向Sは、例えば、切断加工が行われる際の第1脚部11を地面17に接触させた状態において、ハンドル部16の上方からとなる。
【0053】
なお、バッテリ13の平面視の形状において、幅方向Qの長さは、長手方向Pの長さより短い。したがって、実施の形態2の電動工具30によれば、ハンドル部16の延在方向Rに対して幅方向Qが沿うようにバッテリ13を装着するため、電動工具30の全長を短くすることができる。すなわち、ハンドル部16の延在方向Rに沿った方向をコンパクトにした電動工具30を実現することができる。
【0054】
また、実施の形態2の電動工具30においても、実施の形態1の電動工具30と同様に、電動工具30の2つの載置状態(姿勢)の何れにおいても、バッテリ13は、第1脚部11および第2脚部12のそれぞれより工具本体3側に引っ込んで配置されている。したがって、電動工具30の2つの載置状態(姿勢)の何れにおいてもバッテリ13は地面17に対して離間して配置されて、バッテリ13の底面13bなどが地面17と接触しないため、切断加工および曲げ加工の何れの加工に対しても電動工具30を安定して地面17に置くことができ、切断加工や曲げ加工などの加工作業への影響を抑制することができる。
【0055】
(実施の形態3)
図23、
図24を用いて実施の形態3の電動工具30について説明する。実施の形態3では、
図23に示されるように、電動工具30にバッテリ13とバッテリ14を装着している。バッテリ13とバッテリ14は、例えば同一形状のバッテリである。
【0056】
そして、電動工具30のハンドル部16の下部において、2つのバッテリ13,14が横並びで配置されている。すなわち、
図24に示される、曲げ加工が行われる際の第2脚部12を地面17に接触させた状態において、ハンドル部16の下部に2つのバッテリ13,14が横並びで配置されている。
【0057】
さらに、2つのバッテリ13,14は、それぞれの幅方向Qがハンドル部16の延在方向Rに沿うように配置されている。すなわち、
図24に示される、曲げ加工が行われる際の第2脚部12を地面17に接触させた状態の平面視(
図23の電動工具30の見え方に相当)において、それぞれバッテリ13,14の幅方向Qが、ハンドル部16の延在方向Rに沿うようにバッテリ13,14が装着されている。
【0058】
また、
図23に示されるように、2つのバッテリ13,14のそれぞれは、2つの側面13a,14aのそれぞれに、バッテリ13,14を取り外す際に操作されるラッチ部13c,14cを有しており、2つのバッテリ13,14のそれぞれの何れか一方のラッチ部13c,14cが対向して配置された状態となっている。
図23の構造では、バッテリ13の一方の側面13aのラッチ部13cと、バッテリ14の一方の側面14aのラッチ部14cとが対向して配置されている。
【0059】
なお、
図23に示されるように、バッテリ13、14の工具本体3への装着方向Sは、例えば、切断加工が行われる際の第1脚部11を地面17に接触させた状態において、ハンドル部16の上方からとなる。
【0060】
実施の形態3の電動工具30によれば、2つの同一のバッテリ13,14を装着したことで、バッテリの容量を2倍に増やすことができ、電動工具30の使用可能時間を長くすることができる。
【0061】
なお、実施の形態3の電動工具30においても、実施の形態1の電動工具30と同様に、電動工具30の2つの載置状態(姿勢)の何れにおいても、バッテリ13,14は、第1脚部11および第2脚部12のそれぞれより工具本体3側に引っ込んで配置されている。したがって、電動工具30の2つの載置状態(姿勢)の何れにおいてもバッテリ13,14は地面17に対して離間して配置されて、バッテリ13の底面13bやバッテリ14の底面14bなどが地面17と接触しないため、切断加工および曲げ加工の何れの加工に対しても電動工具30を安定して地面17に置くことができ、切断加工や曲げ加工などの加工作業への影響を抑制することができる。
【0062】
(実施の形態4)
図25、
図26を用いて実施の形態4の電動工具30について説明する。実施の形態4では、
図25に示されるように、2つのバッテリ13,14を装着している。すなわち、実施の形態3の電動工具30と同様に、
図26に示される、曲げ加工が行われる際の第2脚部12を地面17に接触させた状態において、ハンドル部16の下部に2つのバッテリ13,14が横並びで配置されている。
【0063】
ただし、実施の形態4の電動工具30では、2つのバッテリ13,14のそれぞれにおける片方のラッチ部13c,14cが、ハンドル部16と対向するように2つのバッテリ13,14が配置されている。すなわち、
図26に示される、曲げ加工が行われる際の第2脚部12を地面17に接触させた状態において、2つのバッテリ13,14のそれぞれにおける一方のラッチ部13c,14cが上方、つまりハンドル部16に対向する方向を向いており、かつ2つのバッテリ13,14のそれぞれの他方のラッチ部13c,14cが地面17の方向を向いている。
【0064】
これにより、2つのバッテリ13,14のそれぞれにおける何れか片方のラッチ部13c,14c同士が対向して配置されないようにハンドル部16の下部に配置されている。言い換えると、横並びで配置された2つのバッテリ13,14のそれぞれのラッチ部13c,14cが隣り合わせとならないような向きで配置されている。
【0065】
その結果、それぞれのバッテリ13,14を取り外す際にラッチ部13c,14cを押し込む操作を、隣り合うバッテリと干渉することなく容易に行うことができる。
【0066】
また、2つのバッテリ13,14のそれぞれのラッチ部13c,14cが隣り合わせとならないような向きで2つのバッテリ13,14が配置されている。したがって、横並びで配置される2つのバッテリ13,14間の距離を最小にすることができる。つまり、2つのバッテリ13,14間の隙間を限りなく狭くすることができ、電動工具30の全長が長くなることを抑制することができる。
【0067】
なお、
図25に示されるように、バッテリ13、14の工具本体3への装着方向Sは、例えば、切断加工が行われる際の第1脚部11を地面17に接触させた状態において、ハンドル部16の上方からとなる。
【0068】
実施の形態4の電動工具30によれば、2つの同一のバッテリ13,14を装着したことにより、バッテリの容量を2倍に増やすことができ、電動工具30の使用可能時間を長くすることができるとともに、電動工具30の全長が長くなることを抑制することができる。
【0069】
なお、実施の形態4の電動工具30においても、実施の形態1の電動工具30と同様に、電動工具30の2つの載置状態(姿勢)の何れにおいて、バッテリ13,14は、第1脚部11および第2脚部12のそれぞれより工具本体3側に引っ込んで配置されている。したがって、電動工具30の2つの載置状態(姿勢)の何れにおいてもバッテリ13,14は地面17に対して離間して配置されて、バッテリ13の下部側に位置する側面13aやバッテリ14の下部側に位置する側面14aなどが地面17と接触しないため、切断加工および曲げ加工の何れの加工に対しても電動工具30を安定して地面17に置くことができ、切断加工や曲げ加工などの加工作業への影響を抑制することができる。
【0070】
(実施の形態5)
図27、
図28を用いて実施の形態5の電動工具30について説明する。実施の形態5は、
図27に示されるように、バッテリ13を工具本体3の電動モータ9を覆うハウジングの外側の領域に立て掛けた状態で装着するものである。
【0071】
すなわち、電動工具30の工具本体3は、
図4に示す電動モータ9を覆う第1ハウジング部26と、可動切断刃1を覆う第2ハウジング部27とを有している。そして、バッテリ13は、第2脚部12を地面17に接触させた状態の平面視(
図27の電動工具30の見え方に相当)における第1ハウジング部26および第2ハウジング部27の外側の領域において、
図28に示されるように、バッテリ13の長手方向Pを立て掛けた状態で第1ハウジング部26に装着されている。
【0072】
つまり、実施の形態5の電動工具30では、
図28に示す第2脚部12を地面17に接触させた状態で、
図27に示す電動モータ9を覆う第1ハウジング部26の外側領域において、バッテリ13が立て掛けられて工具本体3に装着されている。ここで、バッテリ13を立て掛けるとは、
図28に示すバッテリ13の長手方向Pを
図4に示す回転軸4の延在方向に沿った方向に向けて配置することである。
【0073】
なお、
図28に示されるように、バッテリ13の工具本体3への装着方向Sは、例えば、曲げ加工が行われる際の第2脚部12を地面17に接触させた状態において、工具本体3の上方からとなる。
【0074】
以上のようにバッテリ13を、電動モータ9を覆う第1ハウジング部26の外側領域において、第1ハウジング部26に装着することで、電動工具30の全長を短くすることができる。例えば、実施の形態5の電動工具30の場合、電動工具30の長手方向の大きさがバッテリ13の配置位置に起因しないため、実施の形態1~4の電動工具30と比較しても電動工具30の全長をより短くすることができる。
【0075】
また、電動工具30を運搬する際、工具ケースに入れて運搬するが、実施の形態5の電動工具30の場合、
図27に示すように第1ハウジング部26と第2ハウジング部27の外側の領域であるデッドスペースにバッテリ13を立て掛けた状態で配置するため、上記工具ケースを電動工具30そのものの大きさに合わせることができる。したがって、上記工具ケースを小型化することができ、より多くの電動工具30が運搬可能になるため、運搬コストを抑えることができる。
【0076】
なお、実施の形態5の電動工具30においても、実施の形態1の電動工具30と同様に、電動工具30の2つの載置状態(姿勢)の何れにおいて、バッテリ13は、第1脚部11および第2脚部12のそれぞれより工具本体3側に引っ込んで配置されている。したがって、電動工具30の2つの載置状態(姿勢)の何れにおいてもバッテリ13は地面17に対して離間して配置されてバッテリ13が地面17と接触しないため、切断加工および曲げ加工の何れの加工に対しても電動工具30を安定して地面17に置くことができ、切断加工や曲げ加工などの加工作業への影響を抑制することができる。
【0077】
(実施の形態6)
図29~
図31を用いて実施の形態6の電動工具30について説明する。実施の形態6の電動工具30では、
図30に示されるように、電動工具30のハンドル部16の上部にバッテリ13が配置される。
【0078】
詳細には、
図30および
図31に示されるように、電動工具30は、
図4に示す電動モータ9に対して回転軸4と反対側の位置で工具本体3に接続されたハンドル部16を備えており、第2脚部12を地面17に接触させた状態において、バッテリ13は、ハンドル部16の上部に配置されている。なお、バッテリ13は、平面視(
図29の電動工具30の見え方に相当)が長方形に形成されており、ハンドル部16の長手方向Pがハンドル部16の延在方向Rに沿うように配置されている。
【0079】
バッテリ13が電動工具30のハンドル部16の上部に配置されることにより、曲げ加工が行われる際の第2脚部12を地面17に接触させた状態(
図30および
図31に示す状態)において、バッテリ13が工具本体3の上部に配置されるため、作業者がバッテリ13の交換を容易に行うことができる。
【0080】
なお、実施の形態6の電動工具30においても、実施の形態1の電動工具30と同様に、電動工具30の2つの載置状態(姿勢)の何れにおいて、バッテリ13は、第1脚部11および第2脚部12のそれぞれより工具本体3側に引っ込んで配置されている。したがって、電動工具30の2つの載置状態(姿勢)の何れにおいてもバッテリ13は地面17に対して離間して配置されてバッテリ13が地面17と接触しないため、切断加工および曲げ加工の何れの加工に対しても電動工具30を安定して地面17に置くことができ、切断加工や曲げ加工などの加工作業への影響を抑制することができる。
【0081】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態では、電動工具に2つのバッテリが装着される場合に、同一形状の2つのバッテリが装着される場合を説明したが、装着される2つのバッテリの形状は必ずしも同一でなくてもよい。
【0082】
また、上記実施の形態では、電動工具が載置される載置面が地面の場合について説明したが、上記載置面は、地面に限定されずにテーブルの載置面などの他の載置面であってもよい。
【0083】
また、上記実施の形態では、2つの異なる加工として鉄筋の曲げ加工及び切断加工が可能な電動工具を説明したが、工具本体の向きを変更して複数の載置状態にて利用される電動工具であれば本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0084】
1…可動切断刃、2…固定切断刃、3…工具本体、4…回転軸、5…カム、6…作業面、7…鉄筋(棒状被加工物)、9…電動モータ、10…曲げローラ、11…第1脚部、12…第2脚部、13…バッテリ、14…バッテリ、15…トリガスイッチ、16…ハンドル部、17…地面(載置面)、19…ガイドストッパ、20…軸受、21…センタローラ、22…軸受、23…揺腕、24…ローラ、25…セットダイヤル、26…第1ハウジング部、27…第2ハウジング部、30…電動工具