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特許7127404高炉装入物の落下位置測定方法、高炉装入物の装入方法、および高炉装入物の装入システム
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  • 特許-高炉装入物の落下位置測定方法、高炉装入物の装入方法、および高炉装入物の装入システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】高炉装入物の落下位置測定方法、高炉装入物の装入方法、および高炉装入物の装入システム
(51)【国際特許分類】
   C21B 7/24 20060101AFI20220823BHJP
   C21B 5/00 20060101ALI20220823BHJP
   F27D 21/00 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
C21B7/24 301
C21B5/00 311
F27D21/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018138301
(22)【出願日】2018-07-24
(65)【公開番号】P2020015935
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-03-03
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】三尾 浩
(72)【発明者】
【氏名】折本 隆
【審査官】藤長 千香子
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-315309(JP,A)
【文献】特開平06-136419(JP,A)
【文献】特開昭62-192511(JP,A)
【文献】実開昭62-093353(JP,U)
【文献】特開2012-214830(JP,A)
【文献】特開昭63-195205(JP,A)
【文献】実開平04-021549(JP,U)
【文献】特開2002-350458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C21B 5/00
C21B 7/20,7/24
F27D 17/00-99/00
G01L 5/00-5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装入物としての鉄源とコークスを交互に装入する高炉操業において、前記装入物の落下位置を測定する高炉装入物の落下位置測定方法であって、
高炉の装入物装入装置と炉内の装入物表面の間に、複数の加速度センサが配列されている加速度検出手段を挿入する挿入工程と、
前記加速度検出手段に前記装入物を落下させて、前記装入物の衝突によって生じる衝撃値を前記加速度センサが検出する検出工程と、
検出した衝撃値から、前記装入物の落下位置の分布を求める位置算出工程と、
を実施し、
前記検出工程は、前記加速度検出手段のサンプリング周期を、鉄源は95μs以下、コークスは150μs以下の範囲で個別に設定し、設定したサンプリング周期で衝撃値を検出する工程であることを特徴とする高炉装入物の落下位置測定方法。
【請求項2】
前記検出工程は、
前記加速度検出手段のサンプリング周期を、鉄源およびコークスのいずれについても95μs以下として衝撃値を検出する工程であることを特徴とする、請求項1記載の高炉装入物の落下位置測定方法。
【請求項3】
前記高炉はベルレス式であり、
前記装入物装入装置は、前記高炉の炉径方向に回転しながら前記装入物を装入する旋回シュートであり、
前記検出工程は、
回転する前記旋回シュートが、前記加速度検出手段の上方を通過する時にのみ、前記加速度検出手段が衝撃値を検出可能な状態に制御する工程を実施することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の高炉装入物の落下位置測定方法。
【請求項4】
前記検出工程および前記位置算出工程は、
前記加速度検出手段に接続された加速度検出手段制御部が前記加速度検出手段を自動制御することにより実施されることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の高炉装入物の落下位置測定方法。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の高炉装入物の落下位置測定方法を用いて前記装入物の落下位置を求め、求めた落下位置を基に、ベルレス式装入装置における旋回シュート又はベル式装入装置におけるムーバブルアーマのノッチを変更する調整工程と、
変更したノッチで前記装入物を装入する工程と、
を実施することを特徴とする、高炉装入物の装入方法。
【請求項6】
高炉に挿入され、複数の加速度センサを備える加速度検出手段と、
前記加速度検出手段に接続され、前記高炉に装入される装入物が前記加速度センサに衝突することによって生じる衝撃値から、前記装入物の落下位置の分布を求める加速度検出手段制御部と、
前記加速度検出手段制御部に接続され、前記落下位置の分布を基に、ベルレス式装入装置における旋回シュート又はベル式装入装置におけるムーバブルアーマのノッチを変更する高炉原料装入制御装置と、
前記高炉原料装入制御装置に接続され、前記旋回シュートまたは前記ムーバブルアーマを備え、前記高炉原料装入制御装置が設定した位置に前記装入物を装入する装入物装入装置と、
を備え、
前記加速度検出手段制御部は、
前記加速度検出手段のサンプリング周期を、鉄源は95μs以下、コークスは150μs以下の範囲で個別に設定し、設定したサンプリング周期として衝撃値を検出することを特徴とする高炉装入物の装入システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉装入物の落下位置測定方法、高炉装入物の装入方法、および高炉装入物の装入システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高炉操業では、原料として、焼結鉱等の鉄源と、コークス等の還元材を交互に炉内に層状に装入することにより、装入物を堆積させている。
【0003】
原料を装入する際には、炉内半径方向の鉄源とコークスの質量比(以下O/Cと称す)を適切に制御することが非常に重要である。O/Cが変われば、炉内の温度分布が変わり、操業状態が変化するためである。そのため高炉操業においては、旋回シュート等の装入装置の駆動を制御して、各原料を炉内の径方向、円周方向の適切な位置に装入することにより、O/Cの制御を行っている。
【0004】
しかしながら、原料の装入位置は、装入装置から飛び出した原料の性状(粒子径やその分布、水分量)や装置の摩耗等の影響を強く受けるため、装入装置の制御のみでは装入位置を正確に制御するのは困難である。そのため、炉内に測定棒を挿入して原料を衝突させ、衝突位置から、原料の装入位置を予測する方法が用いられている。
【0005】
特許文献1には、圧力を受けると発色する測定フィルムを測定棒に巻き付けて、高炉内に挿入し、フィルムに装入物が衝突した際の圧痕から落下軌跡を測定する方法が記載されている(特許文献1)。
【0006】
特許文献2には、光ファイバーセンサーを設けたゾンデを炉内に配設して、所定の波長の光波をセンサに入力し、光ファイバーセンサーに装入物が衝突した際の光波の波長の変化から、落下位置を測定する方法が記載されている(特許文献2)。
【0007】
特許文献3には、加速度センサを設けた長尺体を炉内に挿入し、加速度センサに装入物が衝突した際に検出される衝撃値から、落下状況を測定する方法が記載されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第5561228号公報
【文献】特許第5863546号公報
【文献】特許第3557118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1~3に記載の技術には以下のような問題があった。
特許文献1に記載の技術は、装入物が衝突した後で、測定棒を高炉から取り出して、圧痕の位置や発色の程度から落下軌跡を特定する。そのため、オンラインでの測定ができないという問題があった。
【0010】
特許文献2に記載の技術は、オンラインでの測定ができるものの、光ファイバーを用いているため、強度が不足しているという問題があった。また、高炉炉内のように常に温度が変化する条件下では、温度の影響により精度が十分ではないおそれがある。さらに、特許文献2に記載の技術は、光ファイバー内に光波を入力し、出力される反射波を測定することにより落下位置を測定するため、測定に要する情報量が多くなりやすい。そのため、測定に時間がかかりやすく、通信機器への負荷も大きいという問題があった。
【0011】
特許文献3に記載の技術は、特許文献2よりも少ない情報量でオンラインでの測定ができるという点では有用な技術である。
しかしながら、特許文献3に記載の技術で求める物理量である衝撃値は、落下流の衝突時の衝撃という、非常に短い時間で生じる現象を表す量であるため、測定精度が不十分であるという問題があった。
【0012】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、高炉装入物の落下位置をオンラインでより正確に測定可能な高炉装入物の落下位置測定方法、高炉装入物の装入方法、および高炉装入物の装入システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の高炉装入物の落下位置測定方法は、装入物としての鉄源とコークスを交互に装入する高炉操業において、前記装入物の落下位置を測定する高炉装入物の落下位置測定方法であって、高炉の装入物装入装置と炉内の装入物表面の間に、複数の加速度センサが配列されている加速度検出手段を挿入する挿入工程と、前記加速度検出手段に前記装入物を落下させて、前記装入物の衝突によって生じる衝撃値を前記加速度センサが検出する検出工程と、検出した衝撃値から、前記装入物の落下位置の分布を求める位置算出工程と、を実施し、前記検出工程は、前記加速度検出手段のサンプリング周期を、鉄源は95μs以下、コークスは150μs以下で衝撃値を検出する工程であることを特徴とする。
本発明では、加速度検出手段のサンプリング周期を、鉄源は95μs以下、コークスは150μs以下として衝撃値を検出する。
そのため、衝撃値の最大値を正確に検出でき、高炉装入物の落下位置をオンラインでより正確に測定できる。
【0014】
本発明では、前記加速度検出手段のサンプリング周期を、鉄源およびコークスのいずれについても95μs以下として衝撃値を検出してもよい。
本発明によれば、加速度検出手段のサンプリング周期を装入物の種類によらず一定とするため、装入物の種類が変わっても、加速度検出に係る設定を変更する必要がない。そのため、作業性に優れる。
【0015】
本発明では、前記検出工程は、装入されている前記装入物の種類に応じて、前記加速度検出手段のサンプリング周期を変更して衝撃値を検出する工程であってもよい。
本発明によれば、装入されている装入物の種類に応じて、前記加速度検出手段のサンプリング周期を変更するため、装入物の種類に応じて必要十分なサンプリング周期にでき、通信機器への負荷を低減できる。特に、コークスは鉄源よりもサンプリング周期が長くてもよいので、コークスの落下位置を求める際の通信機器への負荷を低減できる。
【0016】
本発明では、前記検出工程は、装入する前記装入物の種類および順番を決定して前記装入物装入装置を制御する高炉原料装入制御装置から、装入する前記装入物の種類および順番の情報を取得して、取得した前記情報に基づき、前記加速度検出手段のサンプリング周期を変更して衝撃値を検出する工程であることが好ましい。
本発明によれば、装入する前記装入物の種類および順番を決定する高炉原料装入制御装置から、装入する前記装入物の種類および順番の情報を取得してサンプリング周期を変更するため、装入物の種類が変わった場合に、速やかにサンプリング周期を変更でき、通信機器への負荷を低減できる。
【0017】
本発明では、前記高炉はベルレス式であり、前記装入物装入装置は、前記高炉の炉径方向に回転しながら前記装入物を装入する旋回シュートであり、前記検出工程は、回転する前記旋回シュートが、前記加速度検出手段の上方を通過する時にのみ、前記加速度検出手段が衝撃値を検出可能な状態に制御する工程を実施することが好ましい。
本発明によれば、旋回シュートが、加速度検出手段の上方を通過する時にのみ、加速度検出手段が衝撃値を検出するため、旋回シュートが測定棒の上方に位置しない場合に加速度検出手段が情報の入出力をしない。そのため、入出力されるデータ量を減らすことができ、通信機器への負荷を低減できる。
【0018】
本発明では、前記検出工程および前記位置算出工程は、前記加速度検出手段に接続された加速度検出手段制御部が前記加速度検出手段を自動制御することにより実施されることが好ましい。
本発明によれば、加速度の検出および装入物の位置算出が自動制御により実施されるため、作業員の作業負荷が軽減され、測定精度も向上させられる。
【0019】
本発明の高炉装入物の装入方法は、上記いずれかに記載の高炉装入物の落下位置測定方法を用いて前記装入物の落下位置を求め、求めた落下位置を基に、ベルレス式装入装置における旋回シュート又はベル式装入装置におけるムーバブルアーマのノッチを変更する調整工程と、変更したノッチで前記装入物を装入する工程と、を実施することを特徴とする。
また、本発明の高炉装入物の装入システムは、高炉に挿入され、複数の加速度センサを備える加速度検出手段と、前記加速度検出手段に接続され、前記高炉に装入される装入物が前記加速度センサに衝突することによって生じる衝撃値から、前記装入物の落下位置の分布を求める加速度検出手段制御部と、前記加速度検出手段制御部に接続され、前記落下位置の分布を基に、ベルレス式装入装置における旋回シュート又はベル式装入装置におけるムーバブルアーマのノッチを変更する高炉原料装入制御装置と、前記高炉原料装入制御装置に接続され、前記旋回シュートまたは前記ムーバブルアーマを備え、前記高炉原料装入制御装置が設定した位置に前記装入物を装入する装入手段と、を備え、前記加速度検出手段制御部は、前記加速度検出手段のサンプリング周期を、鉄源は95μs以下、コークスは150μs以下として衝撃値を検出することを特徴とする。
本発明によれば、衝撃値から求めた装入物の落下位置を基にベルレス式装入装置における旋回シュート又はベル式装入装置におけるムーバブルアーマのノッチを変更し、装入物の装入位置を変更するため、現在の装入物分布を正確に把握したうえで、所望の装入物分布に変更するための制御も正確に行うことでき、炉径方向のO/Cを適切に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】(A)は本実施形態に係る落下位置測定方法の測定対象となる高炉の概略構成を示す図、(B)は(A)の機能ブロック図。
図2図1の加速度検出手段の一例を示す図。
図3】本実施形態に係る落下位置測定方法を示すフロー図。
図4】高炉の水平断面図であって、旋回シュートと加速度検出手段の位置関係を示す図。
図5図3のS3の詳細を示すフロー図。
図6図3のS3の詳細を示すフロー図の変形例。
図7】本実施形態に係る落下位置測定方法を用いた高炉操業方法を示すフロー図。
図8】実施例において、表1をグラフにまとめた図。
図9】実施例において、表2をグラフにまとめた図。
図10】実施例において、表3をグラフにまとめた図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づき、本発明に好適な実施形態を詳細に説明する。
まず、図1および図2を参照して、本実施形態に係る落下位置測定方法の測定対象となる高炉の概略構成を説明する。
図1(A)に示すように、測定対象となる高炉1は、高炉本体100、装入物装入装置101、加速度検出手段103、加速度検出手段制御部105、および高炉原料装入制御装置107を備える。
高炉本体100は、鉄源とコークスを交互に装入し、装入した鉄源をコークスで還元して銑鉄を生産する還元炉である。
【0022】
装入物装入装置101は、高炉本体100に装入物を装入する装置であり、ここではサージホッパー2、コンベア3、ホッパー5および旋回シュート7を備える。
サージホッパー2は、図示しない鉱石庫やコークス庫から搬送された、鉱石等の鉄源、およびコークスを一次的に貯蔵し、コンベア3に供給する貯蔵庫である。
コンベア3は、サージホッパー2から供給された装入物を、ホッパー5まで搬送する装置であり、ベルトコンベア等が用いられる。
【0023】
ホッパー5は、高炉本体100に装入される装入物を一時的に貯蔵する貯蔵庫であり、高炉本体100の炉頂の上方に設けられる。ホッパー5の数および配置は特に限定しない。複数配置する場合は、垂直式でもよいし、並列式でもよい。
【0024】
旋回シュート7は、ホッパー5から投入される装入物を高炉内の所定の位置に装入するガイドであり、シュート7Aおよびシュート駆動部7Bを備える。
シュート7Aは円筒状のガイド部であり、軸方向の上端がシュート駆動部7Bに接続されている。下端は、上端よりも鉛直方向下側に位置するように接続されているため、旋回シュート7は、長手方向が水平面に対して所定の傾斜角となるように傾いている。
【0025】
シュート駆動部7Bは、シュート7Aの炉径方向の回転角および、水平面に対する傾斜角を調整する装置である。シュート駆動部7Bが、旋回シュート7を高炉本体100の径方向に回転させながら、旋回シュート7一端に原料を投入することにより、投入された装入物を、他端から高炉円周方向に沿って装入する。傾斜角を変えることにより、径方向に装入する。
旋回シュート7を備えることからわかるように、高炉1はベルレス式であるが、これに限定されず、ベル式の場合にも適用可能である。
【0026】
加速度検出手段103は、装入物の衝撃値を測定する部材であり、図2に示すように長尺体11、加速度センサ26、粘弾性体31、弾性体33、操作棒11A、コンプレッサ16を備える。
【0027】
長尺体11は、加速度センサ26、粘弾性体31、弾性体33を収納する円筒状の部材であり、長手方向に沿って複数の開口部24が設けられている。開口部24は、開口面が同じ向きを向いており、ここでは長手方向に1列に並んでいる。
【0028】
加速度センサ26は、装入物が衝突すると衝撃値を計測するセンサであり、衝突を検出する部分が開口部24から露出するように、長尺体11の内部に複数が配列されて収納される。加速度センサ26は、例えば圧電センサが用いられる。衝撃値を検出できるのであれば、圧電センサには限定されない。動電型加速度センサ、サーボ型加速度センサ、抵抗線歪みゲージ型加速度センサ、半導体歪みゲージ型加速度センサを用いることもできる。
加速度センサ26は、有線または無線で、加速度検出手段制御部105に接続され、加速度検出手段制御部105からの指示により、衝撃値の検出を開始または終了し、検出した衝撃値に関する情報を、加速度検出手段制御部105に送信する。
【0029】
粘弾性体31は、装入物が加速度センサ26に衝突した際にセンサの移動を規制するとともに、衝撃を吸収して長尺体11に衝撃が伝わらないようにする部材であり、ゴム等で形成される。粘弾性体31は、長尺体11の内壁であって、開口部24の周囲に設けられ、さらに加速度センサ26にも固定されており、長尺体11の内壁と加速度センサ26を連結している。
【0030】
弾性体33は、装入物が加速度センサ26に衝突した際に反発してセンサの移動を規制する部材であり、バネ等で形成される。弾性体33は、加速度センサ26を挟んで粘弾性体31と対向する位置に設けられ、長尺体11の内壁と加速度センサ26を連結する。
【0031】
操作棒11Aは、長尺体11を高炉内に装入する際に、図示しないアクチュエータ等に接続される取手となる部分であり、長尺体11の端面のうち、高炉内に装入する向きと逆側の端面(根本側の端面)に連結された棒である。操作棒11Aは、長手方向が長尺体11の長手方向と直交するように連結されている。
【0032】
コンプレッサ16は、長尺体11に接続され、圧縮空気を長尺体11の内部に送り込む装置である。圧縮空気を送り込むことにより、開口部24から空気が噴出するため、開口部24が装入物で閉塞されて加速度センサ26の検出精度が悪くなったり、故障したりするのを防ぐ。
【0033】
加速度検出手段制御部105は、加速度検出手段103による加速度検出を制御する装置であり、通信部105A、記憶部105C、演算部105Bを備える。加速度検出手段制御部105は、汎用のコンピュータを用いてもよいし、専用機でもよい。
【0034】
通信部105Aは、加速度検出手段103と通信を行う入出力インタフェースである。入出力の方式は有線でも無線でもよい。
【0035】
記憶部105Cは、演算部105Bに加速度検出を実行させるプログラムである検出プログラム106A、および検出した加速度情報106Bを記憶する媒体である。構造は特に限定されず、ハードディスク等を適宜用いる。記憶部105Cは、加速度検出手段制御部105に内蔵されている必要はない。例えば他の装置から検出プログラム106Aを受信する構造でもよい。
【0036】
演算部105Bは、加速度検出手段103を制御するための演算を行う計算機である。検出プログラム106Aに基づいて演算を行い、演算結果に基づいて、加速度検出手段103を制御するための信号の送受信を、通信部105Aに指示する。
【0037】
高炉原料装入制御装置107は、高炉本体100に装入する装入物の種類、量、および装入位置を制御する装置である。具体的には、装入物装入装置101のサージホッパー2およびホッパー5の開閉を制御して、装入する原料の種類と量を制御する。装入物装入装置101の、シュート駆動部7Bの傾斜角および回転角を制御することにより、高炉本体100に装入する装入物の装入位置を制御する。加速度検出手段制御部105からの要求に応じて、高炉本体100に装入する装入物の種類、量、および装入位置に関する情報である装入物情報108Bの送信も行う。
【0038】
高炉原料装入制御装置107は、通信部107A、記憶部107C、演算部107Bを備える。高炉原料装入制御装置107は、汎用のコンピュータを用いてもよいし、専用機でもよい。
【0039】
通信部107Aは装入物装入装置101、および加速度検出手段制御部105と通信を行う入出力インタフェースである。入出力の方式は有線でも無線でもよい。
【0040】
記憶部107Cは、演算部107Bに装入物の制御を実行させるプログラムである装入プログラム108A、および装入物情報108Bを記憶する媒体である。記憶方式は特に限定されず、ハードディスク等を適宜用いる。記憶部107Cは高炉原料装入制御装置107に内蔵されている必要はない。例えば他の装置から装入プログラム108Aを受信する構造でもよい。
【0041】
演算部107Bは、高炉本体100に装入物を装入するための演算を行う計算機である。装入プログラム108Aに基づいて演算を行い、演算結果に基づいて、装入物装入装置101を制御するための信号の送受信を、通信部107Aに指示する。
【0042】
図1では、加速度検出手段制御部105と高炉原料装入制御装置107が、別箇に設けられているが、1つの制御部としてもよい。例えば、検出プログラム106A、および加速度情報106Bを記憶部107Cに記憶させることにより、高炉原料装入制御装置107を加速度検出手段制御部105として用いてもよい。
【0043】
図1(B)に示すように、高炉1は、加速度検出手段103、加速度検出手段制御部105、高炉原料装入制御装置107、および装入物装入装置101を備える、高炉装入物の装入システム1Aを備えているとも言える。
装入システム1Aにおいては、加速度検出手段103は複数の加速度センサ26を備えている。
加速度検出手段制御部105は、加速度検出手段103に接続されており、高炉1に装入される装入物が、加速度センサ26に衝突することによって生じる衝撃値から、装入物の落下位置の分布を求める。
高炉原料装入制御装置107は、加速度検出手段制御部105に接続され、落下位置の分布を基に、ベルレス式装入装置における旋回シュート7、又はベル式装入装置におけるムーバブルアーマのノッチを変更する。
装入物装入装置101は、高炉原料装入制御装置107に接続され、高炉原料装入制御装置107が設定した位置に装入物を装入する。装入物装入装置101は、ベルレス式であれば、旋回シュート7を備える。ベル式であれば、ムーバブルアーマを備える。
以上が高炉1の概略構成の説明である。
【0044】
次に、図1図3を参照して、本実施形態に係る落下位置測定方法の概要を説明する。
まず、装入物装入装置101と高炉本体100の装入物表面100Aの間に、加速度検出手段103を挿入する(図3のS1、挿入工程)。
次に、加速度検出手段103に装入物を落下させて、装入物の衝突によって生じる衝撃値を検出する(図3のS2、検出工程)。
次に、加速度検出手段103が検出した衝撃値から、加速度検出手段制御部105が装入物の落下位置を求める(図3のS3、位置算出工程)。
以上が本実施形態に係る落下位置測定方法の概要の説明である。
【0045】
次に、本実施形態に係る落下位置測定方法の詳細を説明する。
<S1:挿入工程>
挿入工程では、装入物装入装置101、ここでは旋回シュート7の下端と、装入物表面100Aの間に、加速度検出手段103を挿入する。
ここでは、加速度検出手段103として、加速度検出用の専用の加速度センサ26を長尺体11に取り付けた構造を例に説明するが、加速度センサ26は長尺体11に取り付ける場合に限定されない。例えば温度測定用のゾンデ等に加速度センサ26を複数設けて挿入してもよい。
【0046】
挿入位置は旋回シュート7の下端と、装入物表面100Aの間であれば特に限定しない。例えば、垂直位置は、旋回シュート7の下端から250mm以上、鉛直方向下方にあることが好ましい。旋回シュート7と干渉する恐れがあるためである。装入物表面100Aから250mm、鉛直方向上方にあるのが好ましい。炉内堆積物と干渉する恐れがあるからである。
【0047】
水平位置は、炉中心から炉壁の間に設けられ、炉径方向に沿って設けられるのが好ましい。炉径方向の装入物分布を正確に測定するためである。
加速度検出手段103は、旋回シュート7から飛び出した原料が、垂直に衝突するような角度に挿入されるのが好ましい(例えば水平に対して25度)。衝撃の方向と加速度センサ26の検知方向を一致させた方が良いからである。加速度検出手段103は、水平に挿入されてもよい。
以上がS1の説明の詳細である。
【0048】
<S2:検出工程>
S2では、加速度検出手段103に装入物を落下させて、装入物の衝突によって生じる衝撃値を検出する。以下、図4も参照して、詳細を説明する。
まず、高炉原料装入制御装置107は、装入する装入物の種類と量を選択し、装入物装入装置101を用いて高炉本体100内に装入物を装入する。
装入物は、旋回シュート7から滑り落ちるようにして高炉内に装入される。この際、加速度検出手段103の加速度センサ26に衝突する。
【0049】
加速度検出手段制御部105は、加速度センサ26に装入物が衝突したことによる電位の変動等の加速度信号を取得して、衝突の際の装入物の加速度を求める。この加速度が衝撃値である。
【0050】
この際、加速度信号のサンプリング周期は、鉄源は95μs以下、コークスは150μs以下とする。これにより、衝撃値の最大値を正確に検出でき、高炉装入物の落下位置をオンラインでより正確に測定できる。装入物の種類は、加速度検出手段制御部105が、高炉原料装入制御装置107に、装入物情報108Bの送信を要求することにより、取得できる。
【0051】
サンプリング周期を、鉄源とコークスで、このように規定する理由は以下の通りである。
加速度センサ26に装入物が衝突した際の加速度信号は、衝突ごとにピークを有する信号となるため、サンプリング周期が短い方が、ピークを十分に検出できる。
【0052】
また、本発明者は、ピークを十分に検出できる時間間隔が、鉄源とコークスとで異なることを見出した。これは、密度等の物性の違いによるものと考えられる。
なお、鉄源の好ましいサンプリング周期は90μs以下である。下限は特に規定しないが、サンプリング周期が短くなるほど、加速度検出手段制御部105で処理する情報量が増えて、演算の負荷や通信の負荷が増大するため、20μs以上とするのが好ましい。
【0053】
ここでいう鉄源とは、例えば焼結鉱である。ペレットや含炭塊成鉱のように、焼結鉱以外の鉄源を装入する場合、フェロコークスのように鉄源を含む還元材を装入する場合は、これらの装入物を鉄源として扱い、サンプリング周期は95μs以下とするのが好ましい。
コークスと鉱石を混合装入する場合も、装入物を鉄源として扱い、サンプリング周期は95μs以下とするのが好ましい。
【0054】
鉄源とコークスのサンプリング周期は95μsと同じ値にしてもよい。装入物の種類が変わっても、加速度検出手段制御部105が加速度検出に係る設定を変更する必要がないため、作業性に優れる。また、加速度検出手段制御部105が、高炉原料装入制御装置107に装入物の種類を照会する必要がない点でも、有利である。
【0055】
装入されている装入物の種類に応じて、加速度検出手段103のサンプリング周期を変更して衝撃値を検出してもよい。装入物の種類に応じて必要十分なサンプリング周期にでき、高炉原料装入制御装置107と加速度センサ26の間の通信の負荷を低減できる。特に、コークスは鉄源よりもサンプリング周期が長くてもよいので、コークスの加速度検出の際の通信部105Aへの負荷を低減できる。
【0056】
より具体的には、加速度検出手段制御部105が、装入する装入物の種類および順番の情報を、高炉原料装入制御装置107から取得して、取得した情報に基づき、加速度検出手段103のサンプリング周期を変更する。これにより、装入物の種類が変わった場合に、速やかにサンプリング周期を変更でき、高炉原料装入制御装置107と加速度センサ26の間の通信の負荷をさらに低減できる。
【0057】
このように、サンプリング周期は、加速度検出手段制御部105と高炉原料装入制御装置107の間の通信の負荷の程度、および加速度検出手段制御部105と高炉原料装入制御装置107と、加速度センサ26の間の通信の負荷の程度を参酌して、適宜設定できる。
【0058】
S2は、回転する旋回シュート7のシュート7Aが、加速度検出手段103の長尺体11の上方を通過する時にのみ、加速度検出手段103が衝撃値を検出可能な状態に制御することが好ましい。具体的には図4の点線で示す符号7Aのように、高炉本体100の上方から見て、シュート7Aの平面位置が長尺体11と重なった場合にのみ、加速度検出手段制御部105と加速度検出手段103の間の通信を行うのが好ましい。図4の実線で示す符号7Aのように、シュート7Aが長尺体11の上方に位置しない場合は、加速度検出手段103が情報の入出力をしないのが好ましい。これにより、入出力されるデータ量を削減でき、加速度検出手段制御部105と加速度検出手段103の間の通信の負荷を低減できる。なお、シュート7Aが長尺体11の上方を通過する(シュート7Aが長尺体11の上方に位置する)とは、シュート7Aの平面位置が、長尺体11の一部または全部と厳密に重なった場合のみをいうのではない。装入物が旋回シュート7のシュート7A下端から飛び出してから、加速度検出手段103に衝突するまでには若干のタイムラグがあることから、シュート7Aの平面位置が長尺体11と重なってから当該タイムラグを考慮した期間に、加速度検出手段103が衝撃値を検出可能な状態に制御するのが良い。
以上がS2の説明である。
【0059】
<S3:位置算出工程>
S3では、加速度検出手段103が検出した衝撃値から、加速度検出手段制御部105が装入物の、加速度検出手段103上の落下位置の分布を求める。具体的な方法は特に限定しないが、例えば特許文献3に開示されるような、衝突した数から頻度分析を行う方法と、標準偏差から頻度分析を行う方法がある。
【0060】
まず、図5を参照して、衝突した数から頻度分析を行う方法を説明する。
まず、各加速度センサ26の加速度信号をローパスフィルターで処理してノイズを除去する(図5のS21)。
次に、処理後の加速度信号を、設定された所定のしきい値Sと比較する(図5のS22)。
【0061】
次に、しきい値Sを越える加速度信号が、所定のデータ取得時間間隔の間に何個発生するかカウントして積算し、例えばn個という数字を得る(図5のS23)。
各加速度センサ26について、n値が幾らであるかにより頻度グラフを作成する(図5のS24)。頻度グラフを曲線近似し、ピーク点が何処にあるかを演算する。さらにピーク点からの広がりから原料の流れの幅を演算する(図5のS25)。これにより、加速度検出手段103のどの部分に、どの程度の幅で装入物が落下しているかを求める。
【0062】
次に、図6を参照して、標準偏差から頻度分析を行う方法を説明する。
まず、各各加速度センサ26の加速度信号をローパスフィルターで処理してノイズを除去する(図6のS31)。
【0063】
次に、加速度信号の標準偏差(σ)を算出する(図6のS32)。各加速度センサ26の標準偏差値から、頻度グラフを作成する(図6のS33)。頻度グラフを曲線近似し、ピーク点が何処にあるかを演算する。また頻度グラフのピーク点からの広がりから、原料の流れの幅を演算する(図6のS34)。これにより、加速度検出手段103のどの部分にどの程度の幅で原料が落下しているかを求める。
加速度検出手段103のどの部分にどの程度の幅で原料が落下しているかが分かれば、装入物表面100Aのどの部分にどの程度の幅で原料が落下するのかを予測できる。
以上がS3の説明である。
【0064】
S2およびS3は、加速度検出手段制御部105が、加速度検出手段103を自動制御することにより、実施されることが好ましい。作業員の作業負荷が軽減され、測定精度も向上させられるためである。ただし、自動制御には限定されず、S2およびS3の一部作業を作業員が実施してもよい。
以上が、本実施形態に係る落下位置測定方法の詳細の説明である。
【0065】
このように、本実施形態によれば、加速度検出手段103のサンプリング周期を、鉄源は95μs以下、コークスは150μs以下として衝撃値を検出する。
そのため、衝撃値の最大値を正確に検出でき、装入物の落下位置をオンラインでより正確に測定できる。
【0066】
<装入物装入方法>
次に、本実施形態に係る装入物装入方法について説明する。
本実施形態に係る落下位置測定方法は、測定結果を元に装入物の装入位置を決定する方法に利用できる。以下、図7を参照して、その概要を説明する。
【0067】
まず、高炉原料装入制御装置107は、S1~S3で求めた装入物の落下位置を加速度検出手段制御部105から取得し、落下位置を基に、装入物の装入位置または装入量を変更する(図7のS101、調整工程)。装入物の装入位置または装入量を変更するには、ベルレス式装入装置における旋回シュート7、又はベル式装入装置におけるムーバブルアーマのノッチを変更して、変更後のノッチで装入を行えばよい。
具体的には、例えば装入物の落下位置が、炉径方向の特定の位置に集中する場合、その位置に装入される装入物量が減るように、高炉原料装入制御装置107は、サージホッパー2、コンベア3、ホッパー5、シュート駆動部7Bを制御し、装入位置を調整する。
【0068】
次に、高炉原料装入制御装置107は、高炉原料装入制御装置107のホッパー5を開く等して、変更した位置に装入物を装入する(図7のS102、装入工程)。
【0069】
このように、本実施形態によれば、衝撃値から求めた装入物の落下位置を基に、装入物の装入位置を変更する。
そのため、現在の装入物分布を正確に把握したうえで、所望の装入物分布に変更するための制御も正確に行うことでき、炉内径方向のO/Cを適切に制御できる。
【実施例
【0070】
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例には限定されない。
加速度検出手段103のサンプリング周期と、計測される衝撃値の関係を、種類の異なる装入物間で測定した。具体的な手順は以下の通りである。
【0071】
まず、測定対象として、二種の焼結鉱A、Bおよび一種のコークスを用意した。焼結鉱Aは質量が170g、密度が3.3g/cm3、寸法が、等質量相当球で46mmであった。焼結鉱Bは質量が27g、密度が3.3g/cm3、寸法が、等質量相当球で25mmであった。
コークスは、質量が120g、密度が1.0g/cm3、寸法が、等質量相当球で61mmであった。
【0072】
次に、市販の圧電型三軸加速度センサを備える加速度検出手段103を用意した。センサの検出範囲は±2500G、検出感度は0.1±10%mV/Gであった。
【0073】
次に、加速度検出手段103を、測定面が水平になるように配置し、加速度検出手段103の2m直上から、焼結鉱A,Bまたはコークス1粒を自由落下させて加速度検出手段103に衝突させ、衝撃値を検出した。焼結鉱A、Bのサンプリング周期は、500μs、200μs、100μs、90μs、50μs、20μsとした。コークスのサンプリング周期は、1000μs、500μs、200μs、150μs、100μs、50μsとした。サンプリング周期毎に20回データを取得し、平均値を衝撃値とした。
焼結鉱Aの試験結果を表1に、焼結鉱Bの試験結果を表2に、コークスの試験結果を表3にそれぞれ示す。
表1をグラフにしたものを図8に、表2をグラフにしたものを図9に、表3をグラフにしたものを図10にそれぞれ示す。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
表1、表2、図8および図9から明らかなように、焼結鉱では、その粒径にかかわらず、サンプリング周期が95μs以下で衝撃値が同程度の値となっていた。そのため、サンプリング周期として95μs以下であることが必要であると分かった。90μsであれば、十分であることも分かった。95μs超では衝撃値の測定値が小さくなっており、衝撃を十分に捉えきれていないことが分かった。
【0078】
表3および図10から明らかなように、コークスでは、サンプリング周期が150μs以下で加速度が同程度の値となっていた。そのため、サンプリング周期として150μs以下であることが必要であると分かった。150μs超では加速度の測定値が小さくなっており、衝撃を十分に捉えきれていないことが分かった。
【0079】
以上の結果から、サンプリング周期を、鉄源は95μs以下、コークスは150μs以下で衝撃値を検出すれば、高炉装入物の落下位置をオンラインでより正確に測定できることがわかった。
【符号の説明】
【0080】
1…高炉、2…サージホッパー、3…コンベア、5…ホッパー、7…旋回シュート、7B…シュート駆動部、11…長尺体、11A…操作棒、16…コンプレッサ、24…開口部、26…加速度センサ、31…粘弾性体、32…弾性体、100…高炉本体、100A:装入物表面、101…装入物装入装置、103…加速度検出手段、105…加速度検出手段制御部、107…高炉原料装入制御装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10