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  • 特許-触覚刺激呈示装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】触覚刺激呈示装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20220823BHJP
【FI】
A61B10/00 H
A61B10/00 X
A61B10/00 Y
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019015800
(22)【出願日】2019-01-31
(65)【公開番号】P2020121024
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100205981
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 大輔
(72)【発明者】
【氏名】四方田 聡
(72)【発明者】
【氏名】中村 伸
(72)【発明者】
【氏名】山本 林太郎
(72)【発明者】
【氏名】堀 彩夏
【審査官】磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-328270(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0088341(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第19517649(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/00
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有するとともに前記開口を塞ぐようにして被験者の身体の一部が当接配置される配置面をもつステージと、
前記ステージの前記配置面に当接配置された被験者の身体の一部に前記開口を介して接触して前記被験者に触覚刺激を与えるための接触部材と、
前記接触部材を保持し、前記接触部材を前記配置面と略平行な方向と前記配置面に対して略垂直な方向へ移動させるための駆動機構と、
被験者に対して触覚刺激により呈示すべき情報を設定するように構成された呈示情報設定部と、
前記配置面に当接配置された被験者の身体の一部に対して前記呈示情報設定部により設定された情報を触覚刺激により呈示するために、前記駆動機構を制御するように構成された制御部と、を備え
前記接触部材は、先端が外力によって前記配置面に対して略垂直な方向へ弾性的に変位し、それによって、前記接触部材の先端を前記被験者の身体の一部に接触させながら前記配置面に平行な方向へ移動させる際に、前記接触部材の先端を前記被験者の身体の一部の凹凸に追従させるように構成されている、触覚刺激呈示装置。
【請求項2】
開口を有するとともに前記開口を塞ぐようにして被験者の身体の一部が当接配置される配置面をもつステージと、
前記ステージの前記配置面に当接配置された被験者の身体の一部に前記開口を介して接触して前記被験者に触覚刺激を与えるための接触部材と、
前記接触部材を保持し、前記接触部材を前記配置面と略平行な方向と前記配置面に対して略垂直な方向へ移動させるための駆動機構と、
被験者に対して触覚刺激により呈示すべき情報を設定するように構成された呈示情報設定部と、
前記配置面に当接配置された被験者の身体の一部に対して前記呈示情報設定部により設定された情報を触覚刺激により呈示するために、前記駆動機構を制御するように構成された制御部と、を備え、
前記ステージは、プレート支持部によって所定の位置で支持されるプレートであり、前記プレート支持部によって支持されるプレートは前記開口の大きさが互いに異なる複数種類のプレートの中から任意に選択されたプレートであり、
前記プレート支持部に支持された前記プレートの種類を認識するように構成されたプレート認識部をさらに備え、
前記制御部は、前記プレート認識部により認識された前記プレートの前記開口の大きさに応じた大きさの情報を触覚刺激により呈示するために、前記駆動機構を制御するように構成されている、触覚刺激呈示装置。
【請求項3】
前記配置面に当接配置された被験者の身体の一部に対する前記接触部材の接触圧力を設定するように構成された接触圧力設定部を備え、
前記制御部は、前記配置面に当接配置された被験者の身体の一部に対する前記接触部材の接触圧力を前記接触圧力設定部により設定された接触圧力とするために、前記駆動機構を制御するように構成されている、請求項1又は2に記載の触覚刺激呈示装置。
【請求項4】
前記駆動機構が前記接触部材を前記配置面と略平行な方向へ移動させる速度を設定するように構成された速度設定部を備え、
前記制御部は、前記速度設定部により設定された速度で前記接触部材を前記配置面と略平行な方向へ移動させるために、前記駆動機構を制御するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の触覚刺激呈示装置。
【請求項5】
前記複数種類のプレートはそれぞれ、互いに異なる位置に又は互いに異なる数の貫通孔をもち、
前記プレート認識部は、前記プレート支持部に支持されているプレートの貫通孔の位置又は数をスイッチにより検出することにより、前記プレート支持部に支持されているプレートの種類を認識するように構成されている、請求項に記載の触覚刺激呈示装置。
【請求項6】
前記配置面は、被験者の掌を身体の一部として当接配置させるものである、請求項1からのいずれか一項に記載の触覚刺激呈示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者の認知能力を診断するために被験者に対して触覚刺激を呈示するための触覚刺激呈示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被験者の認知能力を診断するために様々な診断方法が採られている。認知症の診断方法の1つにスマヌ法と呼ばれる方法がある。スマヌ法は、被験者の背中や掌で実験者が「ス」、「マ」、「ヌ」の文字を書くことによって触覚刺激を呈示し、被験者に実験者の呈示した文字を回答してもらい、その正答率や刺激呈示の際の脳血流の状態を分析することによって、認知症や軽度認知障害の発症の有無を確認するというものである。
【0003】
認知症の診断方法には、上記の触覚刺激を呈示する方法のほかに、被験者に聴覚刺激や視覚刺激を呈示する方法もあり、被験者に聴覚刺激や視覚刺激を呈示して認知症の発症の有無を確認するための装置も提案されている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】WO2012/077313A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のスマヌ法では、被験者の身体に文字を書く実験者ごとに文字の形状や筆圧が異なり、それが文字の識別に影響を与えるという問題があった。被験者に呈示する触覚刺激を一定にするために、文字や記号などが凹凸で表されている面をもつ部材を被験者の手指等に押し当てて文字等の情報を被験者に呈示する装置も提案されている。しかし、そのような装置では、被験者に呈示できる情報の種類が限られており、呈示情報の種類を増やすにはそれぞれの情報の種類に応じた凹凸部材を用意する必要があり、汎用的ではない。
【0006】
そこで、本発明は、触覚刺激による被験者への多様な情報の呈示を正確に行なうことができる装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る触覚刺激呈示装置は、ステージ、接触部材、駆動機構、呈示情報設定部、及び制御部を備えている。前記ステージは、開口を有するとともに前記開口を塞ぐようにして被験者の身体の一部が当接配置される配置面を備えている。前記接触部材は、前記ステージの前記配置面に当接配置された被験者の身体の一部に前記開口を介して接触して前記被験者に触覚刺激を与えるためのものである。前記駆動機構は、前記接触部材を保持し、前記接触部材を前記配置面と略平行な方向と前記配置面に対して略垂直な方向へ移動させるための機構である。前記呈示情報設定部は、被験者に対して触覚刺激により呈示すべき情報を設定するように構成されている。前記制御部は、前記配置面に当接配置された被験者の身体の一部に対して前記呈示情報設定部により設定された情報を触覚刺激により呈示するために、前記駆動機構を制御するように構成されている。
【0008】
すなわち、本発明に係る触覚刺激呈示装置は、被験者の身体の一部をステージに当接配置させ、ステージに設けられた開口を介して接触部材を接触させて移動させることで、被験者の身体の一部に文字や記号などの情報を書いて被験者に情報を呈示するものである。接触部材を移動させて文字や記号といった所望の情報を被験者の身体の一部に書くことができるので、接触刺激による被験者への多様な情報の呈示を正確に行なうことができる。
【0009】
ところで、被験者の触覚の感度には個人差があるため、接触部材を同じ接触圧力で被験者の身体に接触させながら情報の呈示を行なっても、接触部材の接触を十分に感じ取れる被験者とそうでない被験者が存在し、認知能力を正確に判断できないことが考えられる。
【0010】
そこで、本発明の好ましい実施形態では、前記配置面に当接配置された被験者の身体の一部に対する前記接触部材の接触圧力を設定するように構成された接触圧力設定部を備え、前記駆動機構は、前記接触部材を前記配置面に対して略垂直な方向へ移動させる機構を含み、前記制御部は、前記配置面に当接配置された被験者の身体の一部に対する前記接触部材の接触圧力を前記接触圧力設定部により設定された接触圧力とするために、前記駆動機構を制御するように構成されている。これにより、被験者の身体に対する接触部材の接触圧力を調節することができ、被験者の触覚の感度の個人差による診断への影響を小さくすることができる。
【0011】
また、本発明の好ましい実施形態では、前記駆動機構が前記接触部材を前記配置面と略平行な方向へ移動させる速度を設定するように構成された速度設定部を備え、前記制御部は、前記速度設定部により設定された速度で前記接触部材を前記配置面と略平行な方向へ移動させるために、前記駆動機構を制御するように構成されている。
【0012】
また、ステージの配置面に当接配置される被験者の身体に凹凸がある場合、被験者への情報の呈示中に接触部材が正常に被験者の身体に接触し続けることができず、被験者に正確な情報が呈示されないことも考えられる。
【0013】
そこで、本発明では、前記接触部材の先端が外力によって前記配置面に対して略垂直な方向へ弾性的に変位するように構成されていることが好ましい。そうすれば、接触部材を移動させて被験者への情報の呈示を行なう際に、被験者の身体の凹凸に接触部材の先端を追従させることが可能となり、被験者への情報呈示の正確性を担保することができる。
【0014】
また、同じ身体の部位であっても被験者によってその部位の大きさは異なる。そこで、本発明においては、前記ステージは、プレート支持部によって所定の位置で支持されるプレートであり、前記プレート支持部によって支持されるプレートは前記開口の大きさが互いに異なる複数種類のプレートの中から任意に選択されたプレートであることが好ましい。そうすれば、被験者に応じてプレートを選択することによって開口の大きさを調節することができる。この場合、前記プレート支持部に支持された前記プレートの種類を認識するように構成されたプレート認識部をさらに備え、前記制御部は、前記プレート認識部により認識された前記プレートの前記開口の大きさに応じた大きさの情報を触覚刺激により呈示するために、前記駆動機構を制御するように構成されていることが好ましい。そうすれば、装置がプレート支持部に支持されたプレートを自動的に認識してそのプレートの開口の大きさに応じた動作を行なうので、実験者がプレートに関する情報を装置に入力する必要がない。
【0015】
上記の場合、前記複数種類のプレートはそれぞれ、互いに異なる位置に又は互いに異なる数の貫通孔をもち、前記プレート認識部は、前記プレート支持部に支持されているプレートの貫通孔の位置又は数をスイッチにより検出することにより、前記プレート支持部に支持されているプレートの種類を認識するように構成することができる。
【0016】
また、前記配置面に当接配置される被験者の身体の一部としては掌が挙げられる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る触覚刺激呈示装置は、被験者の身体の一部をステージに当接配置させ、ステージに設けられた開口を介して接触部材を接触させて移動させ、それによって被験者の身体の一部に文字や記号などの情報を書いて被験者に情報を呈示するので、接触刺激による被験者への多様な情報の呈示を正確に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】触覚刺激呈示装置の一実施例を示す概略構成図である。
図2】同実施例に用いられる3種類のプレートを並べて示す平面図である。
図3】同実施例の接触部材の動作を説明するための図であり、(A)は先端部に外力が作用していない場合、(B)は先端部に外力が作用した場合である。
図4】同実施例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下において、図面を参照しながら触覚刺激呈示装置の一実施例について説明する。
【0020】
図1に示されているように、触覚刺激呈示装置は、筐体2、プレート4、接触部材6及び駆動機構8を備えている。プレート4は開口4aを有し、その開口4aが筐体2の上面に設けられた開口2a上にくるように、筐体2の上面上に設置されている。被験者の身体の一部である掌は、プレート4の上面に開口4aを塞ぐようにして当接配置される。すなわち、プレート4の上面は被験者の身体の一部を当接配置するための配置面を構成し、プレート4は配置面を有するステージを構成し、筐体2はプレート4を支持するプレート支持部を構成する。
【0021】
接触部材6は、プレート4の上面に当接配置された被験者の掌に開口2a及び4aを介して接触し、被験者に接触刺激を与えるためのものである。接触部材6は、球面形状の先端が上方を向いた状態で駆動機構8によって保持されている。駆動機構8は筐体2の内部に設けられており、接触部材6を水平面内方向において互いに直交するX軸方向及びY軸方向へ移動させるための機構と、鉛直方向であるZ軸方向へ移動させるための機構を備えている。接触部材6をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向へそれぞれ移動させるための機構としては、タイミングベルトの回転を利用してタイミングベルトと接合する移動部を一軸方向へ移動させる機構のほか、ラックアンドピニオン機構を利用したものが挙げられる。
【0022】
筐体2上のプレート4は開口4aの大きさが異なる他のプレートに変更することができる。図2に示されているように、この実施例では、互いに異なる大きさの開口4a-1~4a-3をもつプレート4-1~4-3が用意されており、これらの3枚のプレート4-1~4-3のうちから被験者に適したプレート4を任意に選択して筐体2上に設置することができる。
【0023】
各プレート4-1~4-3の角部に個別認識用の貫通孔5a及び/又は5bが設けられている。図1では示されていないが、筐体2内には筐体2上に設置されたプレート4の貫通孔5a及び5bの有無を検知するためのスイッチ12(図4参照)が設けられている。後述するが、この実施例の触覚刺激呈示装置は、筐体2上に設置されているプレート4がプレート4-1~4-3のいずれであるかをスイッチ12の信号を利用して認識する機能を有する。図2の例では、プレート4-1の角部に貫通孔5aのみが設けられ、プレート4-2の角部に貫通孔5bのみが設けられ、プレート4-3の角部に貫通孔5a及び5bが設けられている。
【0024】
図3に示されているように、接触部材6は突起部6aと突起部6aの基端を保持する本体部6bからなる。突起部6aは本体部6bとは相対的に鉛直方向へ変位できるように設けられている。突起部6aは鉛直方向に伸縮するコイルバネなどの弾性部材7によって支持されており、突起部6aの先端に下方への外力が作用すると、突起部6aが本体部6bとは相対的に鉛直下方へ弾性的に変位する。接触部材6の突起部6aが弾性的に変位するため、プレート4上に当接配置された被験者の掌に突起部6aの先端を接触させた状態で接触部材6を水平方向へ移動させたときに、突起部6aの先端が被験者の掌の凹凸に追従して上下動する。
【0025】
図4に示されているように、この触覚刺激呈示装置は、駆動機構8の動作を制御するための制御装置10を備えている。制御装置10は、演算素子や記憶メモリ等が搭載された電子回路によって実現される。制御装置10は、呈示情報設定部16、プレート認識部18、接触圧力設定部20、速度設定部22及び制御部24を備えている。呈示情報設定部16、プレート認識部18、接触圧力設定部20、速度設定部22及び制御部24は、演算素子が所定のプログラムを実行することによって得られる機能である。
【0026】
呈示情報設定部16は、入力装置14を介して実験者により入力された情報に基づいて、被験者に触覚刺激により呈示すべき情報を設定するように構成されている。制御装置10には、所定の文字や記号を接触部材6に書かせるための駆動部8の制御方法に関する情報が保持されており、実験者はそれらの文字や記号の中から被験者に呈示したい文字や記号を呈示情報として選択することができる。例えば、スマヌ法であれば、「ス」、「マ」、「ヌ」といった文字を呈示情報として選択し設定することができるが、制御装置10に他の文字や記号に関する情報が登録されていれば、多様な文字や記号を呈示情報として設定することができる。また、実験者は、複数の文字や記号とそれらの呈示順序を入力することができ、呈示情報設定部16は、実験者により入力された文字や記号とそれらの呈示順序を呈示情報として設定するように構成されている。
【0027】
プレート認識部18は、スイッチ12からの信号に基づいて、筐体2上に設置されているプレート4がプレート4-1~4-3のうちのいずれであるかを認識するように構成されている。
【0028】
接触圧力設定部20は、入力装置14を介して実験者により入力される接触圧力情報に基づいて、接触部材6によって被験者の掌に文字や記号を書く際の接触部材6による被験者の掌への接触圧力を設定するように構成されている。接触圧力は、接触部材6によって被験者の掌に文字や記号を書く際の駆動機構8のZ軸方向への送り位置を変更することによって調節できる。制御装置10には、接触圧力のレベルが多段階で設けられており、実験者はそれらのレベルの中から所望のレベルを選択することができる。
【0029】
速度設定部22は、入力装置14を介して実験者により入力される接触圧力情報に基づいて、接触部材6によって被験者の掌に文字や記号を書く際の駆動機構8のX軸方向及びY軸方向への駆動速度を設定するように構成されている。制御装置10には、駆動速度のレベルが多段階で設けられており、実験者はそれらのレベルの中から所望のレベルを選択することができる。
【0030】
制御部24は、呈示情報設定部16により設定された呈示情報、プレート認識部18により認識されたプレート4の種類、接触圧力設定部20により設定された接触圧力、及び測定設定部22により設定された駆動速度に基づいて、駆動機構8のX軸モータ8a、Y軸モータ8b及びZ軸モータ8cの動作制御を行なうように構成されている。具体的には、制御部24は、プレート認識部18により認識されたプレート4の種類に基づいてプレート4の開口4aの大きさを認識し、その開口4aの大きさの範囲内で、呈示情報設定部16により設定された呈示情報(文字や記号)が被験者の掌に書かれるように、X軸モータ8a、Y軸モータ8b及びZ軸モータ8cの動作を制御する。被験者の掌に呈示情報を書くときの接触部材6の高さ位置は、接触圧力設定部20により設定された接触圧力のレベルに基づいて調節され、被験者の掌に呈示情報を書くときの接触部材6の移動速度は、速度設定部22により設定された駆動速度のレベルに基づいて調節される。
【0031】
なお、X軸モータ8aは接触部材6をX軸方向へ移動させるためのモータであり、Y軸モータ8bは接触部材6をY軸方向へ移動させるためのモータであり、Z軸モータ8cは接触部材6をZ軸方向へ移動させるためのモータである。
【0032】
なお、プレート認識部18は必須の構成要素ではない。プレート認識部18が設けられていなくても、実験者が筐体2上に設置したプレート4の種類に関する情報を制御装置10に入力することで、制御部24はプレート4の開口の大きさを認識することができる。
【0033】
さらに、接触圧力設定部20及び速度設定部22も必須の構成要素ではない。
【0034】
また、上記実施例では、プレート4として複数種類のプレート4-1~4-3のうちから任意に選択したものを使用して開口4aの大きさを被験者の掌の大きさに応じて変更することができるが、本発明はこれに限定されるものではなく、開口の大きさを変更することができなくてもよい。
【0035】
また、上記実施例では、被験者の身体の一部として掌をプレート4の上面に当接配置させているが、本発明はこれに限定されるものではなく、プレート4の上面に当接配置させる被験者の身体の部位は、被験者に対して触覚刺激を与えることができるような部位であればどこでもよい。
【0036】
また、上記実施例では、被験者の身体の一部を当接配置させる配置面(プレート4の上面)が水平面となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、配置面が水平方向に対して傾斜していてもよい。その場合、駆動機構8は、接触部材6を被験者の身体の一部を当接配置させる配置面と略平行な方向と配置面に対して略垂直な方向へ移動させるように構成される。
【符号の説明】
【0037】
2 筐体
2a 開口
4,4-1,4-2,4-3 プレート
4a,4a-1,4a-2,4a-3 開口
5a,5b 貫通孔
6 接触部材
6a 突起部
6b 本体部
7 弾性部材
8 駆動機構
8a X軸モータ
8b Y軸モータ
8c Z軸モータ
10 制御装置
12 スイッチ
14 入力装置
16 呈示情報設定部
18 プレート認識部
20 接触圧力設定部
22 速度設定部
24 制御部
図1
図2
図3
図4