(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】画像調整システム、画像調整装置、及び画像調整方法
(51)【国際特許分類】
H04N 13/128 20180101AFI20220823BHJP
H04N 13/327 20180101ALI20220823BHJP
H04N 13/344 20180101ALI20220823BHJP
H04N 13/243 20180101ALI20220823BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20220823BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
H04N13/128
H04N13/327
H04N13/344
H04N13/243
G06T19/00 F
G06F3/01 510
(21)【出願番号】P 2019025373
(22)【出願日】2019-02-15
【審査請求日】2021-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】日昔 崇
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-56889(JP,A)
【文献】特開2002-354505(JP,A)
【文献】特開平8-191419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 13/00
G06F 3/01
G06T 19/00
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
右目用画像と左目用画像とを撮影するカメラと、
前記カメラから前記右目用画像と前記左目用画像とを撮影画像として取得し、前記撮影画像を調整する画像調整装置と、
前記画像調整装置により調整された前記撮影画像を表示する画像表示装置と、
前記画像調整装置へ指示情報を出力するコントローラと、
を備え、
前記画像調整装置は、
球面状画像を生成する画像生成部と、
前記指示情報に基づいて前記画像生成部から前記球面状画像を取得して前記画像表示装置に表示し、前記指示情報に基づいて前記球面状画像を回転させ、前記球面状画像の回転に対応させて前記画像表示装置に表示されている前記撮影画像における前記右目用画像または前記左目用画像を調整する画像処理部と、
を有する画像調整システム。
【請求項2】
前記カメラは360度の範囲を撮影する全方位カメラであり、
前記画像表示装置は使用者の頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイであり、
前記コントローラは前記使用者の手に装着されるグローブ型コントローラであり、
前記画像表示装置が前記使用者の頭部に装着されている状態において、前記使用者が前記画像表示装置に表示されている前記球面状画像を見たときに、前記球面状画像は、前記使用者及び前記画像表示装置の周囲に配置され、かつ、前記使用者の手または指が前記球面状画像に届く範囲に表示されるように設定されている仮想画像である、
請求項1に記載の画像調整システム。
【請求項3】
前記コントローラが前記使用者の手に装着されている状態において、前記使用者が手または指を任意の方向へ移動させた場合、前記画像処理部は、前記指示情報に基づいて、前記使用者の手または指の移動に対応して前記球面状画像を回転させ、前記球面状画像の回転に対応して前記画像表示装置に表示されている前記撮影画像における前記右目用画像または前記左目用画像を調整する、
請求項2に記載の画像調整システム。
【請求項4】
前記画像処理部は、前記球面状画像が回転する前と後との変化量を取得し、前記変化量に基づいて前記撮影画像を調整する、
請求項3に記載の画像調整システム。
【請求項5】
球面状画像を生成する画像生成部と、
コントローラから取得した指示情報に基づいて前記画像生成部から前記球面状画像を取得して画像表示装置に表示し、前記指示情報に基づいて前記球面状画像を回転させ、カメラにより撮影されて前記画像表示装置に表示されている撮影画像における右目用画像または左目用画像を、前記球面状画像の回転に対応させて調整する画像処理部と、
を備える画像調整装置。
【請求項6】
カメラが右目用画像と左目用画像とを撮影し、
画像処理部が前記カメラから前記右目用画像と前記左目用画像とを撮影画像として取得し、
画像表示装置が前記撮影画像を表示し、
前記画像処理部がコントローラから指示情報を取得し、
前記画像処理部が前記指示情報に基づいて、画像生成部から球面状画像を取得し、
前記画像表示装置が前記球面状画像を表示し、
前記画像処理部が前記指示情報に基づいて前記球面状画像を回転させ、
前記画像処理部が前記画像表示装置に表示されている前記撮影画像における前記右目用画像または前記左目用画像を、前記球面状画像の回転に対応させて調整する、
画像調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像調整システム、画像調整装置、及び画像調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像表示装置としてヘッドマウントディスプレイが注目されている。ヘッドマウントディスプレイは、使用者の頭部に装着された状態で画像を表示することにより、使用者は仮想空間に入り込んだような感覚(没入感)を得ることができる。特許文献1に記載されているように、ヘッドマウントディスプレイは、外部のカメラで撮影した画像をネックワークを介して表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
360度の範囲を撮影できる全方位カメラとして、右目用画像と左目用画像とを撮影できるステレオカメラを用いて撮影された画像をヘッドマウントディスプレイに表示することにより、使用者はヘッドマウントディスプレイに表示された画像を立体的に見ることができる。
【0005】
しかし、右目用画像と左目用画像とのずれが大きいと、使用者はVR(Virtual Reality)酔いと称される乗り物酔いに似た症状を生じる場合がある。VR酔いは、右目用画像と左目用画像との上下方向のずれ、右目用画像と左目用画像との視差または右目用画像と左目用画像との傾きのずれが大きい場合に生じやすい。
【0006】
本発明は、右目用画像と左目用画像とのずれを簡便に補正することができる画像調整システム、画像調整装置、及び画像調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、右目用画像と左目用画像とを撮影するカメラと、前記カメラから前記右目用画像と前記左目用画像とを撮影画像として取得し、前記撮影画像を調整する画像調整装置と、前記画像調整装置により調整された前記撮影画像を表示する画像表示装置と、前記画像調整装置へ指示情報を出力するコントローラとを備え、前記画像調整装置は、球面状画像を生成する画像生成部と、前記指示情報に基づいて前記画像生成部から前記球面状画像を取得して前記画像表示装置に表示し、前記指示情報に基づいて前記球面状画像を回転させ、前記球面状画像の回転に対応させて前記画像表示装置に表示されている前記撮影画像における前記右目用画像または前記左目用画像を調整する画像処理部とを有する画像調整システムを提供する。
【0008】
本発明は、球面状画像を生成する画像生成部と、コントローラから取得した指示情報に基づいて前記画像生成部から前記球面状画像を取得して画像表示装置に表示し、前記指示情報に基づいて前記球面状画像を回転させ、カメラにより撮影されて前記画像表示装置に表示されている撮影画像における右目用画像または左目用画像を、前記球面状画像の回転に対応させて調整する画像処理部とを備える画像調整装置を提供する。
【0009】
本発明は、カメラが右目用画像と左目用画像とを撮影し、画像処理部が前記カメラから前記右目用画像と前記左目用画像とを撮影画像として取得し、画像表示装置が前記撮影画像を表示し、前記画像処理部がコントローラから指示情報を取得し、前記画像処理部が前記指示情報に基づいて、画像生成部から球面状画像を取得し、前記画像表示装置が前記球面状画像を表示し、前記画像処理部が前記指示情報に基づいて前記球面状画像を回転させ、前記画像処理部が前記画像表示装置に表示されている前記撮影画像における前記右目用画像または前記左目用画像を、前記球面状画像の回転に対応させて調整する画像調整方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の画像調整システム、画像調整装置、及び画像調整方法によれば、右目用画像と左目用画像とのずれを簡便に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態の画像調整システムを示す構成図である。
【
図2】球面状画像と使用者との関係を示す図である。
【
図3A】第1実施形態の画像調整方法の一例を示すフローチャートである。
【
図3B】第1実施形態の画像調整方法の一例を示すフローチャートである。
【
図3C】第1実施形態の画像調整方法の一例を示すフローチャートである。
【
図3D】第1実施形態の画像調整方法の一例を示すフローチャートである。
【
図4】右目用画像と左目用画像とが上下方向にずれている状態の一例を示す図である。
【
図5】右目用画像と左目用画像との視差が大きい状態の一例を示す図である。
【
図6】右目用画像と左目用画像との傾きのずれが大きい状態の一例を示す図である。
【
図7】第2及び第3実施形態の画像調整システムを示す構成図である。
【
図8】カメラ及び姿勢制御装置の一例を示す図である。
【
図9】姿勢制御装置がカメラの左右方向の傾きを制御する状態を示す図である。
【
図10】姿勢制御装置がカメラの前後方向の傾きを制御する状態を示す図である。
【
図12A】第3実施形態の画像調整方法の一例を示すフローチャートである。
【
図12B】第3実施形態の画像調整方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
図1を用いて、第1実施形態の画像調整システムの構成例を説明する。画像調整システム101は、カメラ102と、通信部103と、画像表示装置104と、コントローラ105と、画像調整装置110と、サーバ106とを備える。画像調整装置110は、画像処理部111と、画像生成部112と、通信部113とを有する。
【0013】
カメラ102は、360度の範囲を撮影できる全方位カメラ(360度カメラ)であり、右目用画像と左目用画像とを撮影できるステレオカメラである。通信部103と通信部113とはネットワークを介して接続されている。画像調整装置110は、カメラ102が360度の範囲を撮影した右目用画像IMR1及び左目用画像IML1を撮影画像IM1として、通信部103及び113とネットワークとを介して取得することができる。
【0014】
画像調整装置110としてコンピュータ機器を用いてもよい。画像処理部111及び画像生成部112としてCPUを用いてもよい。画像生成部112及び通信部113は、画像調整装置110の外部に設けられていてもよい。
【0015】
サーバ106は、ネットワークと通信部103とを介してカメラ102と接続し、ネットワークと通信部113とを介して画像調整装置110と接続する。サーバ106がカメラ102から撮影画像IM1を通信部103及びネットワークを介して取得し、画像調整装置110がサーバ106から撮影画像IM1をネットワーク及び通信部113を介して取得してもよい。
【0016】
画像調整装置110が取得した撮影画像IM1は、画像処理部111へ入力される。画像調整装置110は、撮影画像IM1の歪みを補正する等の画像処理を実行し、画像処理された撮影画像IM1を画像表示装置104へ出力する。画像表示装置104は、例えばヘッドマウントディスプレイである。コントローラ105は、例えばVR等に用いられるグローブ型コントローラである。
【0017】
図2は、画像表示装置104が使用者USの頭部に装着され、コントローラ105が使用者USの手に装着されている状態を模式的に示している。
図2に示す符号ZEは天頂を示している。カメラ102の天頂と使用者USの天頂とは一致していることが望ましい。画像表示装置104が使用者USの頭部に装着されている状態で、画像調整装置110が使用者USの右目に対応する領域に右目用画像IMR1を表示し、使用者USの左目に対応する領域に左目用画像IML1を表示することにより、使用者USは、撮影画像IM1を立体画像として見ることができる。
【0018】
サーバ106がカメラ102から取得した撮影画像IM1の歪みを補正し、撮影画像IM1の例えば水平を調整する等の画像処理を実行し、画像処理された撮影画像IM1を画像調整装置110へ出力してもよい。使用者USは、その頭部に画像表示装置104を装着することにより、画像調整装置110またはサーバ106によって画像処理された撮影画像IM1を見ることができる。
【0019】
画像表示装置104は、使用者USの頭部に装着されている状態において、使用者USが向いている方向、及び使用者USの姿勢等の状態に基づいて姿勢情報PN1を生成する。画像処理部111は、画像表示装置104から姿勢情報PN1を取得する。即ち、画像処理部111は、画像表示装置104の姿勢に基づいて姿勢情報PN1を取得することになる。画像処理部111は、姿勢情報PN1に基づいて、撮影画像IM1から、使用者USが向いている方向、及び使用者USの姿勢等の状態に対応する領域の画像を画像表示装置104に表示する。
【0020】
コントローラ105は、使用者USの手に装着されている状態において、使用者USの手の動きまたは姿勢、または、使用者USの指の動きまたは姿勢等の状態に基づいて指示情報NN1を生成する。以下、手または指を、単に手と略記する。画像処理部111は、コントローラ105から指示情報NN1を取得する。画像処理部111は、指示情報NN1に基づいて、画像表示装置104に表示されている撮影画像IM1を変化させたり調整したりすることができる。
【0021】
画像生成部112は、CG(Computer Graphics)である球面により構成された仮想画像である球面状画像VSS1を生成し、内蔵メモリまたは外部のメモリに保存する。
【0022】
画像処理部111は、指示情報NN1に基づいて、画像生成部112から球面状画像VSS1を取得し、画像表示装置104に表示する。
図2は、画像表示装置104が使用者USの頭部に装着された状態において、使用者USが画像表示装置104に表示されている球面状画像VSS1を見たときの使用者USのイメージを模式的に示している。
【0023】
画像表示装置104が使用者USの頭部に装着されている状態において、使用者USが画像表示装置104に表示されている球面状画像VSS1を見たときに、球面状画像VSS1は、使用者US及び画像表示装置104の周囲に配置され、かつ、使用者USの手が球面状画像VSS1に届く範囲に表示されるように設定されている。使用者USは、コントローラ105が装着されている手を、画像表示装置104に表示されている球面状画像VSS1に対応する位置に移動させることにより、使用者USの手が球面状画像VSS1に接触しているように感じる。
【0024】
コントローラ105は、使用者USの手と接触する部分にアクチュエータが配置されていてもよい。画像処理部111は、指示情報NN1に基づいて、使用者USの手が球面状画像VSS1に対応する位置に移動したと判断した場合、アクチュエータを作動させる。アクチュエータが使用者USの手に圧力を加えることにより、使用者USは、その手が球面状画像VSS1に接触する感覚を実感として得ることができる。
【0025】
球面状画像VSS1が画像表示装置104に表示されている状態において、使用者USが、コントローラ105が装着されている手を任意の方向へ移動させた場合、画像処理部111は、指示情報NN1に基づいて、画像表示装置104に表示されている球面状画像VSS1と撮影画像IM1とが、使用者USの手の移動方向、移動速度、及び移動先の位置に対応して移動するように画像処理を実行する。
【0026】
使用者USは、その手を任意の方向に、任意の速度で、任意の位置へ移動させることにより、球面状画像VSS1を任意の方向に、任意の速度で、任意の位置へ回転させることができる。即ち、使用者USは、その手の動きによって球面状画像VSS1を回転させることができる。画像処理部111は、球面状画像VSS1の回転に対応させて撮影画像IM1を移動させる。
【0027】
図3A~
図3Dに示すフローチャートを用いて、第1実施形態の画像調整方法の一例を説明する。具体的には、右目用画像IMR1と左目用画像IML1とのずれを調整する方法の一例について説明する。画像表示装置104が使用者USの頭部に装着され、コントローラ105が使用者USの手に装着されている。画像表示装置104には撮影画像IM1(右目用画像IMR1及び左目用画像IML1)が表示されている。
【0028】
使用者USが画像表示装置104に表示されている撮影画像IM1を見て違和感を覚えたりVR酔いが生じたりした場合、
図3Aにおいて、使用者USがコントローラ105を操作することにより、画像処理部111は、ステップS101にて、画像表示装置104に設定画面を表示させる。
【0029】
設定画面には、例えば、右目用画像IMR1と左目用画像IML1との上下方向(垂直方向)のずれを補正するための上下補正の項目、右目用画像IMR1と左目用画像IML1との視差を補正するための視差補正の項目、及び、右目用画像IMR1と左目用画像IML1との傾きのずれを補正するための傾き補正の項目が調整項目として表示される。
【0030】
図4に示すように、右目用画像IMR1と左目用画像IML1とが上下方向にずれている場合、使用者USはコントローラ105を操作して、設定画面に表示されている上下補正の項目を選択する。
図5に示すように、右目用画像IMR1と左目用画像IML1との視差が大きい場合、使用者USはコントローラ105を操作して、設定画面に表示されている視差補正の項目を選択する。
図6に示すように、右目用画像IMR1と左目用画像IML1との傾きのずれが大きい場合、使用者USはコントローラ105を操作して、設定画面に表示されている傾き補正の項目を選択する。
【0031】
使用者USが設定画面に表示されている上下補正、視差補正、及び傾き補正の項目のうちのいずれかの項目を選択した場合、コントローラ105は、ステップS102にて、選択された項目を含む指示情報NN1を画像処理部111へ出力する。
【0032】
ステップS101において上下補正の項目が選択された場合、コントローラ105は、上下補正の項目が選択されたことを示す指示情報NN1を画像処理部111へ出力する。画像処理部111は、ステップS111にて、コントローラ105から出力される指示情報NN1に基づいて、右目用画像IMR1と左目用画像IML1との上下方向のずれを補正するための処理モード(上下補正モード)へ処理を移行させる。
【0033】
画像処理部111は、ステップS112にて、補正する画像が右目用画像IMR1か左目用画像IML1かを選択するための項目を画像表示装置104に表示させる。使用者USが右目用画像IMR1を選択した場合、コントローラ105は、右目用画像IMR1が選択されたことを示す指示情報NN1を画像処理部111へ出力する。画像処理部111は、ステップS113にて、コントローラ105から出力される指示情報NN1に基づいて、右目用画像IMR1の上下方向を補正するための処理モード(右目用上下補正モード)へ処理を移行させる。
【0034】
画像処理部111は、ステップS114にて、画像生成部112から球面状画像VSS1を取得し、画像表示装置104に表示する。画像表示装置104には、撮影画像IM1(右目用画像IMR1及び左目用画像IML1)と球面状画像VSS1とが混合して表示される。
【0035】
使用者USは、右目用画像IMR1と左目用画像IML1との上下方向のずれが小さくなるように球面状画像VSS1を垂直方向である上方向または下方向へ回転させる。画像処理部111は、ステップS115にて、球面状画像VSS1の回転に対応させて、画像表示装置104に表示されている右目用画像IMR1を上方向または下方向へ移動させる。使用者USは右目用画像IMR1と左目用画像IML1との上下方向のずれがなくなるまで球面状画像VSS1を回転させる動作を複数回行ってもよい。
【0036】
ステップS112において使用者USが左目用画像IML1を選択した場合、コントローラ105は、左目用画像IML1が選択されたことを示す指示情報NN1を画像処理部111へ出力する。画像処理部111は、ステップS116にて、コントローラ105から出力される指示情報NN1に基づいて、左目用画像IML1の上下方向を補正するための処理モード(左目用上下補正モード)へ処理を移行させる。
【0037】
画像処理部111は、ステップS117にて、画像生成部112から球面状画像VSS1を取得し、画像表示装置104に表示する。画像表示装置104には、撮影画像IM1(右目用画像IMR1及び左目用画像IML1)と球面状画像VSS1とが混合して表示される。
【0038】
使用者USは、右目用画像IMR1と左目用画像IML1との上下方向のずれが小さくなるように球面状画像VSS1を上方向または下方向へ回転させる。画像処理部111は、ステップS118にて、球面状画像VSS1の回転に対応させて、画像表示装置104に表示されている左目用画像IML1を上方向または下方向へ移動させる。使用者USは右目用画像IMR1と左目用画像IML1との上下方向のずれがなくなるまで球面状画像VSS1を回転させる動作を複数回行ってもよい。
【0039】
ステップS111において上下補正モードへ移行された場合、ステップS113において右目用上下補正モードへ移行された場合、または、ステップS116において左目用上下補正モードへ移行された場合、画像処理部111は、球面状画像VSS1が上下方向のみに回転するように球面状画像VSS1の回転方向を制限してもよい。また、球面状画像VSS1を回転させずに、球面状画像VSS1を上下に動かすことで左目用画像IML1を上方向または下方向へ移動させてもよい。
【0040】
ステップS101において視差補正の項目が選択された場合、コントローラ105は、視差補正の項目が選択されたことを示す指示情報NN1を画像処理部111へ出力する。
図3Bにおいて、画像処理部111は、ステップS121にて、コントローラ105から出力される指示情報NN1に基づいて、右目用画像IMR1と左目用画像IML1との視差を補正するための処理モード(視差補正モード)へ処理を移行させる。
【0041】
画像処理部111は、ステップS122にて、補正する画像が右目用画像IMR1か左目用画像IML1かを選択するための項目を画像表示装置104に表示させる。使用者USが右目用画像IMR1を選択した場合、コントローラ105は、右目用画像IMR1が選択されたことを示す指示情報NN1を画像処理部111へ出力する。画像処理部111は、ステップS123にて、コントローラ105から出力される指示情報NN1に基づいて、右目用画像IMR1の視差を補正するための処理モード(右目用視差補正モード)へ処理を移行させる。
【0042】
画像処理部111は、ステップS124にて、画像生成部112から球面状画像VSS1を取得し、画像表示装置104に表示する。画像表示装置104には、撮影画像IM1(右目用画像IMR1及び左目用画像IML1)と球面状画像VSS1とが混合して表示される。
【0043】
使用者USは、右目用画像IMR1と左目用画像IML1との視差が目的の視差となるように球面状画像VSS1を水平方向である右方向または左方向へ回転させる。画像処理部111は、ステップS125にて、球面状画像VSS1の回転に対応させて、画像表示装置104に表示されている右目用画像IMR1の視差を補正する。使用者USは右目用画像IMR1と左目用画像IML1との視差が目的の視差となるまで球面状画像VSS1を回転させる動作を複数回行ってもよい。
【0044】
ステップS122において使用者USが左目用画像IML1を選択した場合、コントローラ105は、左目用画像IML1が選択されたことを示す指示情報NN1を画像処理部111へ出力する。画像処理部111は、ステップS126にて、コントローラ105から出力される指示情報NN1に基づいて、左目用画像IML1の視差を補正するための処理モード(左目用視差補正モード)へ処理を移行させる。
【0045】
画像処理部111は、ステップS127にて、画像生成部112から球面状画像VSS1を取得し、画像表示装置104に表示する。画像表示装置104には、撮影画像IM1(右目用画像IMR1及び左目用画像IML1)と球面状画像VSS1とが混合して表示される。
【0046】
使用者USは、右目用画像IMR1と左目用画像IML1との視差が目的の視差となるように球面状画像VSS1を右方向または左方向へ回転させる。画像処理部111は、ステップS128にて、球面状画像VSS1の回転に対応させて、画像表示装置104に表示されている左目用画像IML1の視差を補正する。使用者USは右目用画像IMR1と左目用画像IML1との視差が目的の視差となるまで球面状画像VSS1を回転させる動作を複数回行ってもよい。
【0047】
ステップS121において視差補正モードへ移行された場合、ステップS123において右目用視差補正モードへ移行された場合、または、ステップS126において左目用視差補正モードへ移行された場合、画像処理部111は、球面状画像VSS1が水平方向のみに回転するように球面状画像VSS1の回転方向を制限してもよい。
【0048】
ステップS101において傾き補正の項目が選択された場合、コントローラ105は、傾き補正の項目が選択されたことを示す指示情報NN1を画像処理部111へ出力する。
図3Cにおいて、画像処理部111は、ステップS131にて、コントローラ105から出力される指示情報NN1に基づいて、右目用画像IMR1と左目用画像IML1との傾きのずれを補正するための処理モード(傾き補正モード)へ処理を移行させる。
【0049】
画像処理部111は、ステップS132にて、補正する画像が右目用画像IMR1か左目用画像IML1かを選択するための項目を画像表示装置104に表示させる。使用者USが右目用画像IMR1を選択した場合、コントローラ105は、右目用画像IMR1が選択されたことを示す指示情報NN1を画像処理部111へ出力する。画像処理部111は、ステップS133にて、コントローラ105から出力される指示情報NN1に基づいて、右目用画像IMR1の傾きを補正するための処理モード(右目用傾き補正モード)へ処理を移行させる。
【0050】
画像処理部111は、ステップS134にて、画像生成部112から球面状画像VSS1を取得し、画像表示装置104に表示する。画像表示装置104には、撮影画像IM1(右目用画像IMR1及び左目用画像IML1)と球面状画像VSS1とが混合して表示される。
【0051】
使用者USは、右目用画像IMR1と左目用画像IML1との傾きのずれが小さくなるように球面状画像VSS1を任意の方向へ回転させる。画像処理部111は、ステップS135にて、球面状画像VSS1の回転に対応させて、画像表示装置104に表示されている右目用画像IMR1の傾きを補正する。使用者USは右目用画像IMR1と左目用画像IML1との傾きのずれがなくなるまで球面状画像VSS1を回転させる動作を複数回行ってもよい。
【0052】
ステップS132において使用者USが左目用画像IML1を選択した場合、コントローラ105は、左目用画像IML1が選択されたことを示す指示情報NN1を画像処理部111へ出力する。画像処理部111は、ステップS136にて、コントローラ105から出力される指示情報NN1に基づいて、左目用画像IML1の傾きを補正するための処理モード(左目用傾き補正モード)へ処理を移行させる。
【0053】
画像処理部111は、ステップS137にて、画像生成部112から球面状画像VSS1を取得し、画像表示装置104に表示する。画像表示装置104には、撮影画像IM1(右目用画像IMR1及び左目用画像IML1)と球面状画像VSS1とが混合して表示される。
【0054】
使用者USは、右目用画像IMR1と左目用画像IML1との傾きのずれが小さくなるように球面状画像VSS1を任意の方向へ回転させる。画像処理部111は、ステップS138にて、球面状画像VSS1の回転に対応させて、画像表示装置104に表示されている左目用画像IML1の傾きを補正する。使用者USは右目用画像IMR1と左目用画像IML1との傾きのずれがなくなるまで球面状画像VSS1を回転させる動作を複数回行ってもよい。
【0055】
ステップS131において傾き補正モードへ移行された場合、ステップS133において右目用傾き補正モードへ移行された場合、または、ステップS136において左目用傾き補正モードへ移行された場合、画像処理部111は、球面状画像VSS1の回転方向を制限しない。従って、使用者USは、球面状画像VSS1を任意の方向へ回転させることができる。
【0056】
画像処理部111は、使用者USが球面状画像VSS1を回転させる前の天頂ZEが、使用者USが球面状画像VSS1を回転させることによって球面状画像VSS1の座標上のどの位置へ移動したかを判定することができる。画像処理部111は、球面状画像VSS1の座標上における天頂ZEの移動方向及び移動先の位置に基づいて、使用者USが球面状画像VSS1を回転させる前と回転させた後との球面状画像VSS1の変化量を算出する。
【0057】
球面状画像VSS1の変化量とは、球面状画像VSS1において、X軸を回転軸とした回転量(回転角度)と、Y軸を回転軸とした回転量(回転角度)と、Z軸を回転軸とした回転量(回転角度)とが合成された球面状画像VSS1の回転量(回転角度)に相当する。画像処理部111は、球面状画像VSS1の変化量を補正値CV1として、画像処理された撮影画像IM1(右目用画像IMR1または左目用画像IML1)と対応付けて保存する。
【0058】
即ち、補正値CV1は、球面状画像VSS1の回転方向と、天頂ZEの移動量または移動角度(球面状画像VSS1の回転角度)に基づいて算出されることになる。画像処理部111は、使用者USが球面状画像VSS1を回転させた後の天頂ZEの球面状画像VSS1上の座標を補正値CV1として保存してもよい。
【0059】
画像処理部111は、補正値CV1を内蔵メモリまたは外部のメモリに保存してもよい。サーバ106がネットワーク及び通信部113を介して画像調整装置110から補正値CV1を画像処理された撮影画像IM1(右目用画像IMR1または左目用画像IML1)と対応付けて取得してもよい。サーバ106は、補正値CV1を内蔵メモリまたは外部のメモリに保存する。
【0060】
使用者USは右目用画像IMR1と左目用画像IML1とのずれが補正されたと判断した場合にコントローラ105を操作することにより、
図3Dにおいて、画像処理部111は、ステップS141にて、球面状画像VSS1の表示を終了させ、画像表示装置104に設定画面を表示させる。
【0061】
使用者USがコントローラ105を操作して、設定画面に表示されている所定の項目(例えば終了の項目)を選択することにより、コントローラ105は、ステップS142にて、終了の項目が選択されたことを示す指示情報NN1を画像処理部111へ出力する。画像処理部111は、ステップS143にて、選択された項目に対応する所定の処理モードへ処理を移行させる。終了の項目が選択された場合、画像処理部111は、右目用画像IMR1と左目用画像IML1との画像調整を終了するための処理モード(終了モード)へ処理を移行させる。
【0062】
画像処理部111は、ステップS144にて、球面状画像VSS1が回転する前と後との回転量(回転角度)を、球面状画像VSS1の変化量として取得する。画像処理部111は、ステップS145にて、球面状画像VSS1の変化量を補正値CV1として、画像処理された撮影画像IM1(右目用画像IMR1または左目用画像IML1)と対応付けて保存し、処理を終了する。
【0063】
第1実施形態の画像調整システム101、画像調整装置110、及び画像調整方法では、画像表示装置104に球面状画像VSS1を表示させる。第1実施形態の画像調整システム101、画像調整装置110、及び画像調整方法によれば、右目用画像IMR1と左目用画像IML1とのずれが生じた場合に、使用者USは、コントローラ105を操作して球面状画像VSS1を回転させることにより、画像表示装置104に表示されている右目用画像IMR1と左目用画像IML1とのずれを簡便に調整することができる。
【0064】
第1実施形態の画像調整システム101、画像調整装置110、及び画像調整方法によれば、補正値CV1が画像調整装置110またはサーバ106に保存されている場合、画像処理部111は、画像調整装置110またはサーバ106から補正値CV1を読み出し、カメラ102が撮影した撮影画像IM1(右目用画像IMR1または左目用画像IML1)を補正値CV1に基づいて画像調整し、画像表示装置104に表示することができる。
【0065】
[第2実施形態]
図7を用いて、第2実施形態の画像調整システムの構成例を説明する。画像調整システム201は、カメラ202と、姿勢制御装置220と、通信部203と、画像表示装置204と、コントローラ205と、画像調整装置210と、サーバ206とを備える。画像調整装置210は、画像処理部211と、画像生成部212と、通信部213とを有する。
【0066】
カメラ202、通信部203、画像表示装置204、コントローラ205、画像調整装置210、及びサーバ206は、それぞれ、第1実施形態のカメラ102、通信部103、画像表示装置104、コントローラ105、画像調整装置110、及びサーバ106に相当する。画像処理部211、画像生成部212、及び通信部213は、それぞれ、第1実施形態の画像処理部111、画像生成部112、及び通信部113に相当する。
【0067】
図8に示すように、カメラ202は、第1の面PL1と、第1の面PL1とは反対側の面である第2の面PL2とを有する。カメラ202は、第1の面PL1側に配置された右目用及び左目用の魚眼レンズLR1及びLL1と、第2の面PL2側に配置された右目用及び左目用の魚眼レンズLR2及びLL2とを有する。以下、右目用の魚眼レンズLR1を第1の右目用レンズLR1、左目用の魚眼レンズLL1を第1の左目用レンズLL1、右目用の魚眼レンズLR2を第2の右目用レンズLR2、及び、左目用の魚眼レンズLL2を第2の左目用レンズLL2とする。
【0068】
カメラ202は、第1の面PL1側の180度の範囲を第1の右目用レンズLR1と第1の左目用レンズLL1とを用いて撮影する第1のカメラ2021と、第2の面PL2側の180度の範囲を第2の右目用レンズLR2と第2の左目用レンズLL2とを用いて撮影する第2のカメラ2022とを有する。即ち、カメラ202は、360度の範囲を撮影できる全方位カメラ(360度カメラ)であり、右目用画像と左目用画像とを撮影できるステレオカメラである。
【0069】
カメラ202は、撮影レンズである第1及び第2の右目用レンズLR1及びLR2を用いて360度の範囲を撮影し、右目用画像IMR2を生成する。カメラ202は、撮影レンズである第1及び第2の左目用レンズLL1及びLL2を用いて360度の範囲を撮影し、左目用画像IML2を生成する。
【0070】
姿勢制御装置220は、カメラ202の姿勢を制御する。
図9に示すように、姿勢制御装置220は、カメラ202の左右方向の傾きを制御する。例えば、姿勢制御装置220は、第1の右目用レンズLR1と第1の左目用レンズLL1との中間の位置、及び、第2の右目用レンズLR2と第2の左目用レンズLL2との中間の位置を通り、かつ、各レンズLR1、LL1、LR2、及びLL2の光軸と平行な回転軸CLa(第1の回転軸)を中心としてカメラ202を回転させることにより、カメラ202の左右方向の傾きを制御する。即ち、カメラ202の左右方向の傾きとは、回転軸CLaを中心とするカメラ202の傾きである。
【0071】
図10に示すように、姿勢制御装置220は、カメラ202の前後方向の傾きを制御する。例えば、姿勢制御装置220は、第1の右目用レンズLR1と第2の左目用レンズLL2との中間の位置、及び、第1の左目用レンズLL1と第2の右目用レンズLR2との中間の位置を通り、かつ、各レンズLR1、LL1、LR2、及びLL2の光軸に直交する回転軸CLb(第2の回転軸)を中心としてカメラ202を回転させることにより、カメラ202の前後方向の傾きを制御する。即ち、カメラ202の前後方向の傾きとは、回転軸CLbを中心とするカメラ202の傾きである。
【0072】
第1の回転軸CLaと第2の回転軸CLbとは互いに直交する。カメラ202が水平に姿勢制御されている状態では、第1及び第2の回転軸CLa及びCLbは、水平面と平行である。
【0073】
図11に示すように、姿勢制御装置220は、3軸加速度センサ221と、3軸磁気センサ222と、3軸ジャイロセンサ223と、駆動制御部224と、駆動部225及び226とを有する。3軸加速度センサ221を第1のセンサ221、3軸磁気センサ222を第2のセンサ222、3軸ジャイロセンサ223を第3のセンサ223とする。駆動部225を第1の駆動部、駆動部226を第2の駆動部とする。
【0074】
第1のセンサ221は、重力の方向を検知することによってカメラ202の左右方向及び前後方向の傾きを取得する。第2のセンサ222は磁場(磁界)の大きさと方向とを検知し、第3のセンサ223は角速度を検知する。
【0075】
駆動制御部224は、第1のセンサ221が検知した情報に基づいて駆動部225及び226の少なくともいずれかを制御する。カメラ202が加速または減速しながら移動している場合、駆動制御部224は、第1のセンサ221が検知した情報と、第2及び第3のセンサ222及び223の少なくともいずれかが検知した情報とに基づいて駆動部225及び226の少なくともいずれかを制御する。
図9に示すように、駆動部225はカメラ202を左右方向へ回転させる。
図10に示すように、駆動部226はカメラ202を前後方向へ回転させる。
【0076】
画像調整装置210は、カメラ202が360度の範囲を撮影した右目用画像IMR2及び左目用画像IML2を撮影画像IM2として、通信部203及び213とネットワークとを介して取得することができる。
【0077】
サーバ206は、ネットワークと通信部203とを介してカメラ202と接続し、ネットワークと通信部213とを介して画像調整装置210と接続する。サーバ206がカメラ202から撮影画像IM2を通信部203及びネットワークを介して取得し、画像調整装置210がサーバ206から撮影画像IM2をネットワーク及び通信部213を介して取得してもよい。
図7では、画像調整装置210またはサーバ206は、撮影画像IM2を、姿勢制御装置220を介して取得するように示しているが、姿勢制御装置220を介さずに取得してもよい。
【0078】
画像調整装置210が取得した撮影画像IM2は、画像処理部211へ入力される。画像調整装置210は、撮影画像IM2の歪みを補正する等の画像処理を実行し、画像処理された撮影画像IM2を画像表示装置204へ出力する。
【0079】
画像表示装置204が使用者USの頭部に装着されている状態で、画像調整装置210が使用者USの右目に対応する領域に右目用画像IMR2を表示し、使用者USの左目に対応する領域に左目用画像IML2を表示することにより、使用者USは、撮影画像IM2を立体画像として見ることができる。
【0080】
サーバ206がカメラ202から取得した撮影画像IM2の歪みを補正し、撮影画像IM2の例えば水平を調整する等の画像処理を実行し、画像処理された撮影画像IM2を画像調整装置210へ出力してもよい。使用者USは、その頭部に画像表示装置204を装着することにより、画像調整装置210またはサーバ206によって画像処理された撮影画像IM2を見ることができる。
【0081】
画像表示装置204は、使用者USの頭部に装着されている状態において、使用者USが向いている方向、及び使用者USの姿勢等の状態に基づいて姿勢情報PN2を生成する。画像処理部211は、画像表示装置204から姿勢情報PN2を取得する。即ち、画像処理部211は、画像表示装置204の姿勢に基づいて姿勢情報PN2を取得することになる。画像処理部211は、姿勢情報PN2に基づいて、撮影画像IM2から、使用者USが向いている方向、及び使用者USの姿勢等の状態に対応する領域の画像を画像表示装置204に表示する。
【0082】
コントローラ205は、使用者USの手に装着されている状態において、使用者USの手の動きまたは姿勢等の状態に基づいて指示情報NN2を生成する。画像処理部211は、コントローラ205から指示情報NN2を取得する。画像処理部211は、指示情報NN2に基づいて、画像表示装置204に表示されている撮影画像IM2を変化させたり調整したりすることができる。
【0083】
画像生成部212は、CGである球面により構成された仮想画像である球面状画像VSS2を生成し、内蔵メモリまたは外部のメモリに保存する。画像処理部211は、指示情報NN2に基づいて、画像生成部212から球面状画像VSS2を取得し、画像表示装置204に表示する。球面状画像VSS2は、第1実施形態の球面状画像VSS1に相当する。使用者USは、コントローラ205が装着されている手を、画像表示装置204に表示されている球面状画像VSS2に対応する位置に移動させることにより、使用者USの手が球面状画像VSS2に接触しているように感じる。
【0084】
コントローラ205は、使用者USの手と接触する部分にアクチュエータが配置されていてもよい。画像処理部211は、指示情報NN2に基づいて、使用者USの手が球面状画像VSS2に対応する位置に移動したと判断した場合、アクチュエータを作動させる。アクチュエータが使用者USの手に圧力を加えることにより、使用者USは、その手が球面状画像VSS2に接触する感覚を実感として得ることができる。
【0085】
球面状画像VSS2が画像表示装置204に表示されている状態において、使用者USが、コントローラ205が装着されている手を任意の方向へ移動させた場合、画像処理部211は、指示情報NN2に基づいて、画像表示装置204に表示されている球面状画像VSS2と撮影画像IM2とが、使用者USの手の移動方向、移動速度、及び移動先の位置に対応して移動するように画像処理を実行する。
【0086】
使用者USは、その手を任意の方向に、任意の速度で、任意の位置へ移動させることにより、球面状画像VSS2を任意の方向に、任意の速度で、任意の位置へ回転させることができる。即ち、使用者USは、その手の動きによって球面状画像VSS2を回転させることができる。画像処理部211は、球面状画像VSS2の回転に対応させて撮影画像IM2を移動させる。
【0087】
姿勢制御装置220において、駆動制御部224は、第1~第3のセンサ221~223の少なくともいずれかのセンサが検知した情報に基づいて、水平面を取得し、水平面に対するカメラ202の左右方向の傾斜角度θa(第1の傾斜角度)と前後方向の傾斜角度θb(第2の傾斜角度)とを取得する。
【0088】
駆動制御部224は、傾斜角度θaが所定の角度α(第1の角度)以下(θa≦α)になるように、駆動部225を制御することにより、カメラ202の左右方向の姿勢を調整する。駆動制御部224は、傾斜角度θbが所定の角度β(第2の角度)以下(θb≦β)になるように、駆動部225を制御することにより、カメラ202の前後方向の姿勢を調整する。
【0089】
図9に示すように、第1の面PL1側からカメラ202を見たときに例えばカメラ202が右方向に傾いている状態では、第1の面PL1側では第1の右目用レンズLR1が第1の左目用レンズLL1よりも上側に位置する。それに対して、第2の面PL2側では第2の右目用レンズLR2が第2の左目用レンズLL2よりも下側に位置する。
【0090】
従って、右目用画像IMR2及び左目用画像IML2の視差が第1の面PL1側と第2の面PL2側とで逆になるため、使用者USは、画像表示装置204に表示されている撮影画像IM2に違和感を覚える。それに対して、カメラ202が前後方向に傾いている状態では、右目用画像IMR2及び左目用画像IML2の視差が第1の面PL1側と第2の面PL2側とで逆にならないため、使用者USは、画像表示装置204に表示されている撮影画像IM2に違和感を覚えにくい。
【0091】
上記の理由により、角度αは角度βよりも小さく(α<β)なるように設定されている。例えば、角度αは1度に設定され、角度βは5度に設定されている。従って、駆動制御部224は、左右方向の傾斜角度θaが前後方向の傾斜角度θbよりも小さく(θa<θb)なるように、駆動部225及び226の少なくともいずれかを制御することによって、カメラ202の姿勢を制御する。
【0092】
姿勢制御装置220がカメラ202の姿勢を制御した後、画像調整システム201は、第1実施形態のステップS101、S111~S118、S121~S128、S131~S138、またはS141~S144と同様の処理を実行する。
【0093】
第2実施形態の画像調整システム201、画像調整装置210、及び画像調整方法では、画像表示装置204に球面状画像VSS2を表示させる。第2実施形態の画像調整システム201、画像調整装置210、及び画像調整方法によれば、右目用画像IMR2と左目用画像IML2とのずれが生じた場合に、使用者USは、コントローラ205を操作して球面状画像VSS2を回転させることにより、画像表示装置204に表示されている右目用画像IMR2と左目用画像IML2とのずれを簡便に調整することができる。
【0094】
第2実施形態の画像調整システム201、画像調整装置210、及び画像調整方法によれば、補正値CV1が画像調整装置210またはサーバ206に保存されている場合、画像処理部211は、補正値CV1を画像調整装置210またはサーバ206から読み出し、カメラ202が撮影した撮影画像IM2(右目用画像IMR2または左目用画像IML2)を補正値CV1に基づいて画像調整し、画像表示装置204に表示することができる。
【0095】
第2実施形態の画像調整システム201、画像調整装置210、及び画像調整方法によれば、カメラ202は、姿勢制御装置220によって水平または水平に近い状態に姿勢制御される。カメラ202が姿勢制御された状態において、使用者USは右目用画像IMR2と左目用画像IML2とのずれを調整するため、上記のずれを簡便に調整することができる。
【0096】
[第3実施形態]
図7を用いて、第3実施形態の画像調整システムの構成例を説明する。画像調整システム301は、カメラ302と、姿勢制御装置320と、通信部303と、画像表示装置304と、コントローラ305と、画像調整装置310と、サーバ306とを備える。画像調整装置310は、画像処理部311と、画像生成部312と、通信部313とを有する。
【0097】
カメラ302、姿勢制御装置320、通信部303、画像表示装置304、コントローラ305、画像調整装置310、及びサーバ306は、それぞれ、第2実施形態のカメラ202、姿勢制御装置220、通信部203、画像表示装置204、コントローラ205、画像調整装置210、及びサーバ206に相当する。画像処理部311、画像生成部312、及び通信部313は、それぞれ、第2実施形態の画像処理部211、画像生成部212、及び通信部213に相当する。説明をわかりやすくするために、第2実施形態の構成部と同じ構成部には同じ符号を付す。
【0098】
図8に示すように、カメラ302は、第1の面PL1側の180度の範囲を第1の右目用レンズLR1と第1の左目用レンズLL1とを用いて撮影する第1のカメラ3021と、第2の面PL2側の180度の範囲を第2の右目用レンズLR2と第2の左目用レンズLL2とを用いて撮影する第2のカメラ3022とを有する。第1及び第2のカメラ3021及び3022は、第2実施形態の第1及び第2のカメラ2021及び2022に相当する。即ち、カメラ302は、360度の範囲を撮影できる全方位カメラ(360度カメラ)であり、右目用画像と左目用画像とを撮影できるステレオカメラである。
【0099】
カメラ302は、第1及び第2の右目用レンズLR1及びLR2を用いて360度の範囲を撮影し、右目用画像IMR3を生成する。カメラ302は、第1及び第2の左目用レンズLL1及びLL2を用いて360度の範囲を撮影し、左目用画像IML3を生成する。
【0100】
姿勢制御装置320は、カメラ302の姿勢を制御する。
図9に示すように、姿勢制御装置320は、カメラ302の左右方向の傾きを制御する。例えば、姿勢制御装置320は、回転軸CLaを中心としてカメラ302を回転させることにより、カメラ302の左右方向の傾きを制御する。即ち、カメラ302の左右方向の傾きとは、回転軸CLaを中心とするカメラ302の傾きである。
図10に示すように、姿勢制御装置320は、カメラ302の前後方向の傾きを制御してもよい。例えば、姿勢制御装置320は、回転軸CLbを中心としてカメラ302を回転させることにより、カメラ302の前後方向の傾きを制御する。即ち、カメラ302の前後方向の傾きとは、回転軸CLbを中心とするカメラ302の傾きである。
【0101】
図11に示すように、姿勢制御装置320は、3軸加速度センサ221(第1のセンサ)と、3軸磁気センサ222(第2のセンサ)と、3軸ジャイロセンサ223(第3のセンサ)と、駆動制御部224と、駆動部225と、駆動部226とを有する。カメラ302が加速または減速しながら移動している場合、駆動制御部224は、第1のセンサ221が検知した情報と、第2及び第3のセンサ222及び223の少なくともいずれかが検知した情報とに基づいて駆動部225及び226の少なくともいずれかを制御する。
【0102】
画像調整装置310は、カメラ302が360度の範囲を撮影した右目用画像IMR3及び左目用画像IML3を撮影画像IM3として、通信部303及び313とネットワークとを介して取得することができる。
【0103】
サーバ306は、ネットワークと通信部303とを介してカメラ302と接続し、ネットワークと通信部313とを介して画像調整装置310と接続する。サーバ306がカメラ302から撮影画像IM3を通信部303及びネットワークを介して取得し、画像調整装置310がサーバ306から撮影画像IM3をネットワーク及び通信部313を介して取得してもよい。
図7では、画像調整装置310またはサーバ306は、撮影画像IM3を、姿勢制御装置320を介して取得するように示しているが、姿勢制御装置320を介さずに取得してもよい。
【0104】
画像調整装置310が取得した撮影画像IM3は、画像処理部311へ入力される。画像調整装置310は、撮影画像IM3の歪みを補正する等の画像処理を実行し、画像処理された撮影画像IM3を画像表示装置304へ出力する。
【0105】
画像表示装置304が使用者USの頭部に装着されている状態で、画像調整装置310が使用者USの右目に対応する領域に右目用画像IMR3を表示し、使用者USの左目に対応する領域に左目用画像IML3を表示することにより、使用者USは、撮影画像IM3を立体画像として見ることができる。
【0106】
サーバ306がカメラ302から取得した撮影画像IM3の歪みを補正し、撮影画像IM3の例えば水平を調整する等の画像処理を実行し、画像処理された撮影画像IM3を画像調整装置310へ出力してもよい。使用者USは、その頭部に画像表示装置304を装着することにより、画像調整装置310またはサーバ306によって画像処理された撮影画像IM3を見ることができる。
【0107】
画像表示装置304は、使用者USの頭部に装着されている状態において、使用者USが向いている方向、及び使用者USの姿勢等の状態に基づいて姿勢情報PN3を生成する。画像処理部311は、画像表示装置304から姿勢情報PN3を取得する。即ち、画像処理部311は、画像表示装置304の姿勢に基づいて姿勢情報PN3を取得することになる。画像処理部311は、姿勢情報PN3に基づいて、撮影画像IM3から、使用者USが向いている方向、及び使用者USの姿勢等の状態に対応する領域の画像を画像表示装置304に表示する。
【0108】
コントローラ305は、使用者USの手に装着されている状態において、使用者USの手の動きまたは姿勢等の状態に基づいて指示情報NN3を生成する。画像処理部311は、コントローラ305から指示情報NN3を取得する。画像処理部311は、指示情報NN3に基づいて、画像表示装置304に表示されている撮影画像IM3を変化させたり調整したりすることができる。
【0109】
画像生成部312は、CGである球面により構成された仮想画像である球面状画像VSS3を生成し、内蔵メモリまたは外部のメモリに保存する。画像処理部311は、指示情報NN3に基づいて、画像生成部312から球面状画像VSS3を取得し、画像表示装置304に表示する。球面状画像VSS3は、第1及び第2実施形態の球面状画像VSS1及びVSS2に相当する。使用者USは、コントローラ305が装着されている手を、画像表示装置304に表示されている球面状画像VSS3に対応する位置に移動させることにより、使用者USの手が球面状画像VSS3に接触しているように感じる。
【0110】
コントローラ305は、使用者USの手と接触する部分にアクチュエータが配置されていてもよい。画像処理部311は、指示情報NN3に基づいて、使用者USの手が球面状画像VSS3に対応する位置に移動したと判断した場合、アクチュエータを作動させる。アクチュエータが使用者USの手に圧力を加えることにより、使用者USは、その手が球面状画像VSS3に接触する感覚を実感として得ることができる。
【0111】
球面状画像VSS3が画像表示装置304に表示されている状態において、使用者USが、コントローラ305が装着されている手を任意の方向へ移動させた場合、画像処理部311は、指示情報NN3に基づいて、画像表示装置304に表示されている球面状画像VSS3と撮影画像IM3とが、使用者USの手の移動方向、移動速度、及び移動先の位置に対応して移動するように画像処理を実行する。
【0112】
使用者USは、その手を任意の方向に、任意の速度で、任意の位置へ移動させることにより、球面状画像VSS3を任意の方向に、任意の速度で、任意の位置へ回転させることができる。即ち、使用者USは、その手の動きによって球面状画像VSS3を回転させることができる。画像処理部311は、球面状画像VSS3の回転に対応させて撮影画像IM3を移動させる。
【0113】
図12A及び
図12Bに示すフローチャートを用いて、第3実施形態の画像調整方法の一例を説明する。具体的には、右目用画像IMR3と左目用画像IML3との上下方向のずれを調整する方法の一例について説明する。画像表示装置304が使用者USの頭部に装着され、コントローラ305が使用者USの手に装着されている。画像表示装置304には撮影画像IM3(右目用画像IMR3及び左目用画像IML3)が表示されている。
【0114】
使用者USが画像表示装置304に表示されている右目用画像IMR3と左目用画像IML3との上下方向のずれを補正する場合、
図12Aにおいて、使用者USがコントローラ305を操作することにより、画像処理部311は、ステップS301にて、画像表示装置304に設定画面を表示させる。
【0115】
設定画面には、例えば、右目用画像IMR3と左目用画像IML3との上下方向のずれを補正するための上下補正の項目が調整項目として表示される。画像処理部311は、設定画面に、右目用画像IMR3と左目用画像IML3との視差を補正するための視差補正の項目、及び、右目用画像IMR3と左目用画像IML3との傾きのずれを補正するための傾き補正の項目を調整項目として表示してもよい。
【0116】
図4に示すように、右目用画像IMR3と左目用画像IML3とが上下方向にずれている場合、使用者USは設定画面に表示されている上下補正の項目を選択する。コントローラ305は、ステップS302にて、上下補正の項目が選択されたことを示す指示情報NN3を画像処理部311へ出力する。画像処理部311は、ステップS311にて、コントローラ305から出力される指示情報NN3に基づいて、右目用画像IMR3と左目用画像IML3との上下方向のずれを補正するための処理モード(上下補正モード)へ処理を移行させる。
【0117】
画像処理部311は、ステップS312にて、補正する画像が右目用画像IMR3か左目用画像IML3かを選択するための項目を画像表示装置304に表示する。使用者USが右目用画像IMR3を選択した場合、コントローラ305は、右目用画像IMR3が選択されたことを示す指示情報NN3を画像処理部311へ出力する。画像処理部311は、ステップS313にて、コントローラ305から出力される指示情報NN3に基づいて、右目用画像IMR3の上下方向を補正するための処理モード(右目用上下補正モード)へ処理を移行させる。
【0118】
画像処理部111は、ステップS314にて、画像生成部312から球面状画像VSS3を取得し、画像表示装置204に表示する。画像表示装置204には、撮影画像IM3(右目用画像IMR3及び左目用画像IML3)と球面状画像VSS3とが混合して表示される。
【0119】
使用者USは、右目用画像IMR3と左目用画像IML3との上下方向のずれが小さくなるように球面状画像VSS3を上方向または下方向へ回転させる。画像処理部311は、ステップS315にて、球面状画像VSS3の回転に対応させて、画像表示装置304に表示されている右目用画像IMR3を上方向または下方向へ移動させる。
【0120】
ステップS312において使用者USが左目用画像IML3を選択した場合、コントローラ305は、左目用画像IML3が選択されたことを示す指示情報NN3を画像処理部311へ出力する。画像処理部311は、ステップS316にて、コントローラ305から出力される指示情報NN3に基づいて、左目用画像IML3の上下方向を補正するための処理モード(左目用上下補正モード)へ処理を移行させる。
【0121】
画像処理部311は、ステップS317にて、画像生成部312から球面状画像VSS3を取得し、画像表示装置304に表示する。画像表示装置304には、撮影画像IM3(右目用画像IMR3及び左目用画像IML3)と球面状画像VSS3とが混合して表示される。
【0122】
使用者USは、右目用画像IMR3と左目用画像IML3との上下方向のずれが小さくなるように球面状画像VSS3を上方向または下方向へ回転させる。画像処理部311は、ステップS318にて、球面状画像VSS3の回転に対応させて、画像表示装置304に表示されている左目用画像IML3を上方向または下方向へ移動させる。
【0123】
ステップS311において上下補正モードへ移行された場合、ステップS313において右目用上下補正モードへ移行された場合、または、ステップS316において左目用上下補正モードへ移行された場合、画像処理部311は、球面状画像VSS3が上下方向のみに回転するように球面状画像VSS3の回転方向を制限してもよい。また、球面状画像VSS3を回転させずに、球面状画像VSS3を上下に動かすことで左目用画像IML3を上方向または下方向へ移動させてもよい。
【0124】
画像処理部311は、使用者USが球面状画像VSS3を回転させる前の天頂ZEが、使用者USが球面状画像VSS3を回転させることによって球面状画像VSS3の座標上のどの位置へ移動したかを判定することができる。画像処理部311は、球面状画像VSS3の座標上における天頂ZEの移動方向及び移動先の位置に基づいて、使用者USが球面状画像VSS3を回転させる前と回転させた後との球面状画像VSS3の変化量を算出する。球面状画像VSS3の変化量は球面状画像VSS1の変化量に相当する。
【0125】
図9に示すようにカメラ302が左右方向に傾いていると、
図4に示すように右目用画像IMR3と左目用画像IML3とは上下方向にずれる。そのため、使用者USが球面状画像VSS3を回転させて撮影画像IM3を調整しても、画像表示装置304に表示されている右目用画像IMR3と左目用画像IML3との上下方向のずれを十分に補正できない場合がある。
【0126】
図12Bにおいて、画像処理部311は、ステップS321にて、姿勢情報PN3、または画像表示装置304に表示されている撮影画像IM3に基づいて、画像表示装置304に表示されている撮影画像IM3が、第1のカメラ3021が撮影したものか第2のカメラ3022が撮影したものかを判定する。
【0127】
画像処理部311は、ステップS322にて、ステップS321における判定結果(第1のカメラ3021または第2のカメラ3022)と、指示情報NN3、または画像表示装置304に表示されている撮影画像IM3の調整方向(上方向または下方向)及び調整量とから、カメラ302の傾斜方向と傾斜角度とを推定する。画像表示装置304に表示されている右目用画像IMR3と左目用画像IML3との距離をd、上方向または下方向の調整量をhとすると、カメラ302の傾斜角度θaは、関係式θa=tan-1(h/d)により算出することができる。
【0128】
画像処理部311は、ステップS323にて、ステップS322における推定結果(具体的にはカメラ302の傾斜方向及び傾斜角度)に基づいて、カメラ302の姿勢を補正するための補正情報CNを生成する。さらに、画像処理部311は、補正情報CNを、通信部313及び303とネットワークとを介して姿勢制御装置320へ出力する。画像処理部311が補正情報CNを通信部313とネットワークとを介してサーバ306へ出力し、サーバ306が補正情報CNをネットワークと通信部303とを介して姿勢制御装置320へ出力してもよい。
【0129】
姿勢制御装置320は、ステップS324にて、補正情報CNに基づいて、カメラ302の姿勢を制御する。画像処理部311は、ステップS325にて、姿勢制御装置320によるカメラ302の姿勢制御が終了したことを確認する。姿勢制御装置320がカメラ302の姿勢制御が終了したことを示す終了信号ESを生成し、通信部303及び313とネットワークとを介して画像処理部311へ出力してもよい。
【0130】
画像処理部311は、ステップS326にて、球面状画像VSS3の表示を終了させ、ステップS315またはS318とは逆の補正を実行する。例えば、ステップS315において右目用画像IMR3を上方向へ移動させた場合、画像処理部311は、右目用画像IMR3を下方向へ移動させて右目用画像IMR3がステップS315の処理が実行される前の状態となるように画像処理を実行する。例えば、ステップS318において左目用画像IML3を下方向へ移動させた場合、画像処理部311は、左目用画像IML3を上方向へ移動させて左目用画像IML3がステップS318の処理が実行される前の状態となるように画像処理を実行する。
【0131】
即ち、姿勢制御装置320がカメラ302の姿勢を制御することにより、画像処理部311は、右目用画像IMR3に対してステップS315の処理が実行される前の状態に処理を戻す、または、左目用画像IML3に対してステップS318の処理が実行される前の状態に処理を戻すように画像処理を実行し、処理を終了する。
【0132】
第3実施形態の画像調整システム301、画像調整装置310、及び画像調整方法では、画像表示装置304に球面状画像VSS3を表示させる。第3実施形態の画像調整システム301、画像調整装置310、及び画像調整方法によれば、右目用画像IMR3と左目用画像IML3とのずれが生じた場合に、使用者USは、コントローラ305を操作して球面状画像VSS3を回転させることにより、画像表示装置304に表示されている右目用画像IMR3と左目用画像IML3とのずれを簡便に調整することができる。
【0133】
第3実施形態の画像調整システム301、画像調整装置310、及び画像調整方法では、画像調整装置310による撮影画像IM3の調整結果に基づいてカメラ302の傾斜方向と傾斜角度とを推定し、推定結果に基づいて姿勢制御装置320がカメラ302の姿勢を制御する。カメラ302は姿勢制御装置320によって水平または水平に近い状態に姿勢制御されるため、使用者USは右目用画像IMR3と左目用画像IML3とのずれを調整する場合に上記のずれを簡便に調整することができる。
【0134】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【0135】
例えば、CGにより生成される仮想画像VSSは、楕円体の表面(楕円面)であってもよく、さらには使用者USの手の届く範囲であれば、任意の閉じた面(閉曲面)であればよい。即ち、使用者USが内側からその閉曲面に接触するような感覚を得て、撮影画像IMの水平調整ができればよい。使用者USが仮想画像VSSを回転動作させることから、仮想画像VSSは球面または楕円面等の球面に近い球面状の形状であることが望ましい。
【符号の説明】
【0136】
101,201,301 画像調整システム
102,202,302 カメラ
104,204,304 画像表示装置
105,205,305 コントローラ
110,210,310 画像調整装置
111,211,311 画像処理部
112,212,312 画像生成部
220,320 姿勢制御装置
CN 補正情報
IM1,IM2,IM3 撮影画像
IML1,IML2,IML3 左目用画像
IMR1,IMR2,IMR3 右目用画像
NN1,NN2,NN3 指示情報
VSS1,VSS2,VSS3 球面状画像(仮想画像)
θa,θb 傾斜角度