(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】取付器具
(51)【国際特許分類】
E04D 13/18 20180101AFI20220823BHJP
E04D 3/40 20060101ALI20220823BHJP
E04D 13/00 20060101ALI20220823BHJP
F16B 2/10 20060101ALI20220823BHJP
H02S 20/23 20140101ALI20220823BHJP
【FI】
E04D13/18 ETD
E04D3/40 V
E04D13/00 J
F16B2/10 A
H02S20/23 B
(21)【出願番号】P 2017126507
(22)【出願日】2017-06-28
【審査請求日】2019-12-02
【審判番号】
【審判請求日】2021-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】591188941
【氏名又は名称】株式会社サカタ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】金子 典子
(72)【発明者】
【氏名】岩名 紘司
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 拓也
【合議体】
【審判長】前川 慎喜
【審判官】土屋 真理子
【審判官】有家 秀郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-234587(JP,A)
【文献】登録実用新案第3179012(JP,U)
【文献】登録実用新案第3189157(JP,U)
【文献】特開2016-104954(JP,A)
【文献】特開2011-140861(JP,A)
【文献】特開2017-78309(JP,A)
【文献】特開2014-114576(JP,A)
【文献】特開2013-177778(JP,A)
【文献】特開2016-79796(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0012805(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D3/40,E04D13/00,E04D13/18,H02S20/23,F16B2/02-2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付部材を支持部材に取り付けるための取付器具であって、
該支持部材は、支持部材本体と該支持部材本体の表面から突出する突出部とを有し、該突出部は、頭部と、該頭部と該支持部材本体との間に位置する首部とを有し、該首部は、該頭部より細い部分であり、
該取付器具は、
第1の挟持片を有する第1の部品と、
第2の挟持片を有する第2の部品と、
該第1の部品と該第2の部品とを締結する締結手段と
を備え、
該第1の挟持片は、該突出部に係合する第1の先端部と、該第1の先端部を支持する第1の先端部支持部とを含み、
該第2の挟持片は、該突出部に係合する第2の先端部と、該第2の先端部を支持する第2の先端部支持部とを含み、
該第1の部品および該第2の部品は、該第1の部品および該第2の部品が該締結手段により締結されたとき、該第1の挟持片および該第2の挟持片が該突出部の首部を挟持し、かつ、該第1の挟持片
の該第1の先端部および該第2の挟持片
の該第2の先端部のうちの少なくとも一方が該突出部の頭部と該支持部材本体との間に挿入されるように構成されており、
該第1の挟持片
の該第1の先端部は、該突出部の首部に対向する、該突出部が突出する方向に沿った第1の対向面と、該突出部の首部に接触するように該第1の対向面に形成された第1の凸部とを有し、
該第2の挟持片
の該第2の先端部は、該突出部の首部に対向する、該突出部が突出する方向に沿った第2の対向面と、該突出部の首部に接触するように該第2の対向面に形成された第2の凸部とを有し、
前記第1の凸部の表面は、該第1の凸部が前記突出部の首部に面接触する平面形状を有し、
前記第2の凸部の表面は、該第2の凸部が前記突出部の首部に面接触する平面形状を有し、
前記取付器具は、
前記第1の挟持片および前記第2の挟持片が前記突出部の首部を挟持した状態で、前記取付器具が概ね円筒形状をなし、
前記第1の凸部が前記突出部の首部に面接触で当接し、前記第2の凸部が前記突出部の首部に面接触で当接することと、前記第1の挟持片および前記第2の挟持片が前記概ね円筒形状の一部をなすこととにより、前記突出部の首部に対する前記取付器具の姿勢が変化可能となるように構成されている、取付器具。
【請求項2】
被取付部材を支持部材に取り付けるための取付器具であって、
該支持部材は、支持部材本体と該支持部材本体の表面から突出する突出部とを有し、該突出部は、頭部と、該頭部と該支持部材本体との間に位置する首部とを有し、該首部は、該頭部より細い部分であり、
該取付器具は、
第1の挟持片を有する第1の部品と、
第2の挟持片を有する第2の部品と、
該第1の部品と該第2の部品とを締結する締結手段と
を備え、
該第1の挟持片は、該突出部に係合する第1の先端部と、該第1の先端部を支持する第1の先端部支持部とを含み、
該第2の挟持片は、該突出部に係合する第2の先端部と、該第2の先端部を支持する第2の先端部支持部とを含み、
該第1の部品および該第2の部品は、該第1の部品および該第2の部品が該締結手段により締結されたとき、該第1の挟持片および該第2の挟持片が該突出部の首部を挟持し、かつ、該第1の挟持片
の該第1の先端部および該第2の挟持片
の該第2の先端部のうちの少なくとも一方が該突出部の頭部と該支持部材本体との間に挿入されるように構成されており、
該第1の挟持片
の該第1の先端部は、該突出部の首部に対向する
、該突出部が突出する方向に沿った第1の対向面と、該突出部の首部に接触するように該第1の対向面に形成された第1の凸部とを有し、
該第2の挟持片
の該第2の先端部は、該突出部の首部に対向する
、該突出部が突出する方向に沿った第2の対向面と、該突出部の首部に接触するように該第2の対向面に形成された第2の凸部とを有し、
前記第1の凸部の表面は、該第1の凸部が前記突出部の首部に面接触する平面形状を有し、
前記第2の凸部の表面は、該第2の凸部が該突出部の首部に線接触する曲面形状を有し、
前記取付器具は、
前記第1の挟持片および前記第2の挟持片が前記突出部の首部を挟持した状態で、前記取付器具が概ね円筒形状をなし、
前記第1の凸部が前記突出部の首部に面接触で当接し、前記第2の凸部が前記突出部の首部に線接触で当接することと、前記第1の挟持片および前記第2の挟持片が前記概ね円筒形状の一部をなすこととにより、前記突出部の首部に対する前記取付器具の姿勢が変化可能となるように構成されている、取付器具。
【請求項3】
被取付部材を支持部材に取り付けるための取付器具であって、
該支持部材は、支持部材本体と該支持部材本体の表面から突出する突出部とを有し、該突出部は、頭部と、該頭部と該支持部材本体との間に位置する首部とを有し、該首部は、該頭部より細い部分であり、
該取付器具は、
第1の挟持片を有する第1の部品と、
第2の挟持片を有する第2の部品と、
該第1の部品と該第2の部品とを締結する締結手段と
を備え、
該第1の挟持片は、該突出部に係合する第1の先端部と、該第1の先端部を支持する第1の先端部支持部とを含み、
該第2の挟持片は、該突出部に係合する第2の先端部と、該第2の先端部を支持する第2の先端部支持部とを含み、
該第1の部品および該第2の部品は、該第1の部品および該第2の部品が該締結手段により締結されたとき、該第1の挟持片および該第2の挟持片が該突出部の首部を挟持し、かつ、該第1の挟持片
の該第1の先端部および該第2の挟持片
の該第2の先端部のうちの少なくとも一方が該突出部の頭部と該支持部材本体との間に挿入されるように構成されており、
該第1の挟持片
の該第1の先端部は、該突出部の首部に対向する
、該突出部が突出する方向に沿った第1の対向面と、該突出部の首部に接触するように該第1の対向面に形成された1つの第1の凸部とを有し、
該第2の挟持片
の該第2の先端部は、該突出部の首部に対向する
、該突出部が突出する方向に沿った第2の対向面と、該突出部の首部に接触するように該第2の対向面に形成された1つの第2の凸部とを有し、
前記1つの第1の凸部の表面は、該第1の凸部が前記突出部の首部に一か所で線接触する曲面形状を有し、
前記1つの第2の凸部の表面は、該第2の凸部が前記突出部の首部に一か所で線接触する曲面形状を有し、
前記取付器具は、
前記第1の挟持片および前記第2の挟持片が前記突出部の首部を挟持した状態で、前記取付器具が概ね円筒形状をなし、
前記第1の凸部が前記突出部の首部に線接触で当接し、前記第2の凸部が前記突出部の首部に線接触で当接することと、前記第1の挟持片および前記第2の挟持片が前記概ね円筒形状の一部をなすこととにより、前記突出部の首部に対する前記取付器具の姿勢が変化可能となるように構成されている、取付器具。
【請求項4】
前記第1の部品あるいは前記第2の部品は、前記被取付部材を載置する載置部を有し、
該載置部の表面は、該載置部の表面と該被取付部材の下面との接触が線接触となるように該載置部の表面は円弧状に湾曲させた形状を有する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の取付器具。
【請求項5】
前記支持部材は、建造物の屋根であり、
前記被取付部材は、該建造物の屋根に設置される屋根上設置設備である、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の取付器具。
【請求項6】
前記屋根上設置設備は、ソーラーパネルであり、
前記建造物の屋根は、ハゼ式折板屋根であり、
前記建造物の屋根の表面から突出する部分は、該ハゼ式折板屋根のハゼである、請求項5に記載の取付器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被取付部材を支持部材に取り付けるための取付器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、太陽電池モジュールを搭載したソーラーパネルをハゼ式折板屋根に取り付けるための取付器具として特許文献1に開示のものがある。
【0003】
この特許文献1に開示の取付器具は、ハゼ式折板屋根のハゼを挟持する挟持片を有する一対の部品を含み、これらの挟持片の先端部でハゼを掴むことにより取付器具が折板屋根に固定され、さらに、一対の部品の少なくとも一方には、ソーラーパネルが取り付けられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種の取付器具では、ソーラーパネルが風に煽られて折板屋根から浮き上がるときなどに生ずる風荷重に対して強度を確保するためには、取付器具が折板屋根に対してずれないように挟持片の先端部がハゼを確実に掴むようにする必要がある。
【0006】
ところが、ハゼ式折板屋根のハゼの形状は、各屋根メーカーによってさまざまであってハゼには規定の寸法はない。さらに、折板屋根の施工状態によっては、ハゼの寸法や形状がまちまちであり、さらには折板屋根に対する傾きも一定にはならない。
【0007】
このため、挟持片の先端部がハゼを確実に掴むようにすると、取付器具がハゼの成形、施工状態の影響を受け、その結果、取付器具を折板屋根に固定する際に、取付器具が折板屋根に対して桁方向に斜めになりやすいといった状況を招くこととなる。
【0008】
このように取付器具が折板屋根に斜めに固定されると、取付器具上にソーラーパネルを設置したときに、取付器具のソーラーパネル取付面とソーラーパネルの下面とが平行にならず、取付器具と設置対象のソーラーパネルとの間に隙間ができる。
【0009】
なぜなら、ソーラーパネルは、複数の取付器具に跨って設置されるため、屋根上に斜めに固定されている取付器具があっても、全体としては折板屋根の表面に平行に配置されるのに対し、取付器具は斜めに傾いて折板屋根に固定されると、取付器具の表面、つまり、ソーラーパネルが載置される面が、ソーラーパネルに対して傾くこととなるからである。この場合、取付器具のボルトが斜めになった状態で取付器具とソーラーパネルとが締め付けられることとなり、ソーラーパネル、取付器具、およびこれらを取り付けるためのボルトナット類に必要以上の負荷がかかり、それらの変形や損傷、さらには、部品の強度低下や接合箇所の緩みなどによる性能低下を引き起こす恐れがある。
【0010】
このような問題は、取付器具がハゼ式折板屋根のハゼを掴んでハゼ式折板屋根に固定される場合に限らず、取付器具が基礎や壁などの支持部材から突出する突出部を掴んで支持部材に固定される場合でも、突出部が傾いていると同様に起こり得る問題である。
【0011】
本発明は、支持部材の突出部を取付器具の一対の挟持片により挟持することにより取付器具が支持部材に固定されたとき、突出部の傾斜の影響が、取付器具に取り付けられる被取付部材に及ぶのを低減することができる取付器具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る取付器具は、被取付部材を支持部材に取り付けるための取付器具であって、該支持部材は、支持部材本体と該支持部材本体の表面から突出する突出部とを有し、該突出部は、頭部と、該頭部と該支持部材本体との間に位置する首部とを有し、該首部は、該頭部より細い部分であり、該取付器具は、第1の挟持片を有する第1の部品と、第2の挟持片を有する第2の部品と、該第1の部品と該第2の部品とを締結する締結手段とを備え、該第1の部品および該第2の部品は、該第1の部品および該第2の部品が該締結部材により締結されたとき、該第1の挟持片および該第2の挟持片が該突出部の首部を挟持し、かつ、該第1の挟持片および該第2の挟持片のうちの少なくとも一方が該突出部の頭部と該支持部材本体との間に挿入されるように構成されており、該第1の挟持片は、該突出部の首部に対向する第1の対向面と、該突出部の首部に接触するように該第1の対向面に形成された第1の凸部とを有し、そのことにより上記目的が達成される。
【0013】
本発明においては、前記第2の挟持片は、前記突出部の首部に対向する第2の対向面と、該突出部の首部に接触するように該第2の対向面に形成された第2の凸部とを有することが好ましい。
【0014】
本発明においては、前記第1の凸部の表面は、該第1の凸部が前記突出部の首部に面接触する平面形状を有し、前記第2の凸部の表面は、該第2の凸部が該突出部の首部に線接触する曲面形状を有することが好ましい。
【0015】
本発明においては、前記第1の凸部の表面は、該第1の凸部が前記突出部の首部に線接触する曲面形状を有し、前記第2の凸部の表面は、該第2の凸部が前記突出部の首部に線接触する曲面形状を有することが好ましい。
【0016】
本発明においては、前記第1の凸部の表面は、該第1の凸部が前記突出部の首部に面接触する平面形状を有し、前記第2の凸部の表面は、該第2の凸部が前記突出部の首部に面接触する平面形状を有することが好ましい。
【0017】
本発明においては、前記第1の部品あるいは前記第2の部品は、前記被取付部材を載置する載置部を有し、該載置部の表面は、該載置部の表面と該被取付部材の下面との接触が線接触となるように該載置部の表面は円弧状に湾曲させた形状を有することが好ましい。
【0018】
本発明においては、前記支持部材は、建造物の屋根であり、前記突出部は、該建造物の屋根の表面から突出する部分であり、前記被取付部材は、該建造物の屋根に設置される屋根上設置設備であることが好ましい。
【0019】
本発明においては、前記屋根上設置設備は、ソーラーパネルであり、前記建造物の屋根は、ハゼ式折板屋根であり、前記建造物の屋根の表面から突出する部分は、該ハゼ式折板屋根のハゼであることが好ましい。
【0020】
本発明に係る取付器具は、被取付部材を支持部材に取り付けるための取付器具であって、第1の部品と、第2の部品と、該第1の部品と該第2の部品とを締結する締結手段とを備え、該第1の部品は、該被取付部材を載置する載置部を有し、該載置部の表面は、該載置部の表面と該被取付部材の下面との接触が線接触となるように円弧状に湾曲させた形状を有し、そのことにより上記目的が達成される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、支持部材の突出部を取付器具の一対の挟持片により挟持することにより取付器具が支持部材に固定されたとき、突出部の傾斜の影響が、取付器具に取り付けられる被取付部材に及ぶのを低減することができる取付器具を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態1による取付器具100を説明するための図であり、
図1(a)は、取付器具100の外観を示す斜視図、
図1(b)は、取付器具100がハゼ式折板屋根Rに取り付けられた状態を示す斜視図、
図1(c)は、
図1(b)に示される取付器具100およびハゼ式折板屋根RをA方向から見た構造を示す平面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す取付器具100の要部を説明するための図であり、
図2(a)は、
図1(a)に示す取付器具100を分解して示す斜視図、
図2(b)は、
図1(c)のC2部分に示されるハゼ式折板屋根の説明図、
図2(c)は、
図1(c)のC2部分の拡大図である。
【
図3】
図3は、
図1(a)に示す取付器具100の具体的な構成を説明するための図であり、
図3(a)~
図3(e)はそれぞれ
図1(a)に示す取付器具100をA方向~E方向から見た構造を示す平面図である。
【
図4】
図4は、
図1(a)に示す取付器具100の第1の部品110の具体的な構造を説明するための図であり、
図4(a)~
図4(e)はそれぞれ
図2(a)に示す第1の部品110をA方向~E方向から見た構造を示し、
図4(f)、
図4(g)、
図4(h)、
図4(i)はそれぞれ、
図4(a)のF4部分、G4部分、H4部分、I4部分を拡大して示す。
【
図5】
図5は、
図1(a)に示す取付器具100の第2の部品120の具体的な構造を説明するための図であり、
図5(a)~
図5(e)はそれぞれ
図2(a)に示す第2の部品120をA方向~E方向から見た構造を示し、
図5(f)および
図5(g)はそれぞれ、
図5(a)のF5部分およびG5部分を拡大して示す。
【
図6】
図6は、実施形態1の取付器具100を用いてソーラーパネルSを折板屋根Rに取り付けた状態を説明するための図であり、
図6(a)は、折板屋根Rの全体を示す斜視図、
図6(b)は、
図6(a)におけるB6部分を拡大して示す平面図である。
【
図7】
図7は、
図6(b)におけるA7部分を拡大して示す斜視図である。
【
図8】
図8は、
図7のA8部分の拡大図であり、折板屋根Rの中間部分に位置する取付器具100に押え金具30が取り付けられた状態を示す。
【
図9】
図9は、
図7のA9部分の拡大図であり、折板屋根Rの端部に位置する取付器具100に押え金具40が取り付けられた状態を示す。
【
図10】
図10は、
図8に示す押え金具30の構造を説明するための図であり、
図10(a)は斜視図、
図10(b)~
図10(e)はそれぞれ、
図10(a)に示す押え金具30をB10方向~E10方向から見た構造を示す。
【
図11】
図11は、取付器具100に取り付けられる押え金具40の構造を説明するための図であり、
図11(a)は斜視図、
図11(b)~
図11(f)は、
図11(a)に示す押え金具40をB11方向~F11方向から見た構造を示す。
【
図11A】
図11Aは、
図1(a)に示す取付器具100を正常なハゼHに取り付ける場合を説明するための図であり、
図11A(a)および
図11A(b)はそれぞれ、ハゼHに対する取付器具100の取付け前後の状態を示す。
【
図11B】
図11Bは、
図1(a)に示す取付器具100を斜めになったハゼHに取り付ける場合を説明するための図であり、
図11B(a)および
図11B(b)はそれぞれ、ハゼHに対する取付器具100の取付け前後の状態を示す。
【
図12】
図12は、実施形態1の変形例による取付器具を説明するための図であり、
図12(a)は、変形の対象となる実施形態1の掴み部1の構造を模式的に示し、
図12(b)~
図12(i)はそれぞれ、実施形態1の掴み部1を変形した変形例1~8の掴み部1b~1iを模式的に示す。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態2による取付器具200を説明するための図であり、
図13(a)は、取付器具200の外観を示す斜視図、
図13(b)は、取付器具200がハゼ式折板屋根Rに取り付けられた状態を示す斜視図、
図13(c)は、
図13(b)に示される取付器具200およびハゼ式折板屋根RをA方向から見た構造を示す平面図である。
【
図15】
図15は、
図13(a)に示す取付器具200の具体的な構成を説明するための図であり、
図15(a)~
図15(e)はそれぞれ
図13(a)に示す取付器具200をA方向~E方向から見た構造を示す平面図である。
【
図16】
図16は、
図14(a)に示す取付器具200の第1の部品210の具体的な構造を説明するための図であり、
図16(a)~
図16(e)はそれぞれ
図14(a)に示す第1の部品210をA方向~E方向から見た構造を示し、
図16(f)、
図16(g)はそれぞれ、
図16(a)のF16部分、G16部分を拡大して示す。
【
図17】
図17は、実施形態2の取付器具200の効果を説明するための図であり、
図17(a)~
図17(d)は、取付器具のパネル載置部での甲丸形状の採用の有無と、折板屋根上での取付器具の傾斜の有無との組み合わせの4つの場合を示している。
【
図18】
図18は、
図14(a)に示す取付器具200の第2の部品220の具体的な構造を説明するための図であり、
図18(a)~
図18(e)はそれぞれ
図14(a)に示す第2の部品120をA方向~E方向から見た構造を示し、
図18(f)および
図18(g)はそれぞれ、
図18(a)のF18部分およびG18部分を拡大して示す。
【
図19】
図19は、本発明の実施形態3による取付器具300を説明するための斜視図(
図19(a))および分解斜視図(
図19(b))である。
【
図20】
図20は、
図19(a)に示す取付器具300の具体的構成を説明するための図であり、
図20(a)~
図20(e)はそれぞれ
図19(a)に示す取付器具300をA方向~E方向から見た構造を示す。
【
図21】
図21は、
図19(b)に示す取付器具300の第1の部品310の具体的構造を説明するための図であり、
図21(a)~
図21(e)はそれぞれ
図19(b)に示す第1の部品310をA方向~E方向から見た構造を示し、
図21(f)、
図21(g)、
図21(h)、
図21(i)はそれぞれ、
図21(a)のF21部分、G21部分、H21部分、I21部分を拡大して示す。
【
図22】
図22は、本発明の実施形態4による取付器具400を説明するための斜視図(
図22(a))および分解斜視図(
図22(b))である。
【
図23】
図23は、
図22(a)に示す取付器具400の具体的構成を説明するための図であり、
図23(a)~
図23(e)はそれぞれ
図22(a)に示す取付器具400をA方向~E方向から見た構造を示す。
【
図24】
図24は、
図22(b)に示す取付器具400の第1の部品410の具体的構造を説明するための図であり、
図24(a)~
図24(e)はそれぞれ
図22(b)に示す第1の部品410をA方向~E方向から見た構造を示し、
図24(f)、
図24(g)、
図24(h)、
図24(i)はそれぞれ、
図24(a)のF24部分、G24部分、H24部分、I24部分を拡大して示す。
【
図25】
図25は、
図22(b)に示す取付器具の第2の部品420の具体的構造を説明するための図であり、
図25(a)~
図25(e)はそれぞれ
図22(b)に示す第2の部品420をA方向~E方向から見た構造を示し、
図25(f)および
図25(g)はそれぞれ、
図25(a)のF25部分およびG25部分を拡大して示す。
【
図26】
図26は、本発明の実施形態5による取付器具500を説明するための斜視図(
図26(a))および分解斜視図(
図26(b))である。
【
図27】
図27は、
図26(a)に示す取付器具500の具体的構成を説明するための図であり、
図27(a)~
図27(e)はそれぞれ
図26(a)に示す取付器具500をA方向~E方向から見た構造を示す。
【
図28】
図28は、
図26(b)に示す取付器具500の第1の部品510の具体的構造を説明するための図であり、
図28(a)~
図28(e)はそれぞれ
図26(b)に示す第1の部品510をA方向~E方向から見た構造を示し、
図28(f)、
図28(g)、
図28(h)、
図28(i)はそれぞれ、
図28(a)のF28部分、G28部分、H28部分、I28部分を拡大して示す。
【
図29】
図29は、
図26(b)に示す取付器具の第2の部品520の具体的構造を説明するための図であり、
図29(a)~
図29(e)はそれぞれ
図26(b)に示す第2の部品520をA方向~E方向から見た構造を示し、
図29(f)および
図29(g)はそれぞれ、
図29(a)のF29部分およびG29部分を拡大して示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の取付器具は、被取付部材を支持部材に取り付けるための取付器具である。ここで、支持部材は、支持部材本体と支持部材本体の表面から突出する突出部とを有し、突出部は、頭部と、頭部と支持部材本体との間に位置する首部とを有し、首部は、頭部より細い部分であり、支持部材本体の表面上で頭部を支持する部分である。
【0024】
本発明の取付器具は、第1の挟持片を有する第1の部品と、第2の挟持片を有する第2の部品と、第1の部品と第2の部品とを締結する締結手段とを有する。第1の部品および第2の部品は、第1の部品および第2の部品が締結部材により締結されたとき、第1の挟持片および第2の挟持片が突出部の首部を挟持し、かつ、第1の挟持片および第2の挟持片のうちの少なくとも一方が突出部の頭部と支持部材本体との間に挿入されるように構成されている。
【0025】
ここで、支持部材が例えばハゼ式折板屋根である場合は、突出部はハゼであり、突出部の頭部はハゼの先端部分、突出部の首部はハゼの先端部分とハゼ式折板屋根の屋根本体との間の部分である。支持部材が、例えばハゼ式折板屋根以外の折板屋根である場合は、突出部は、例えば、剣先ボルトである。この場合、突出部の頭部は、剣先ボルトの先端に装着したナットに相当し、さらに、剣先ボルトのうちのナットと折板屋根本体との間の部分が、突出部の首部に相当する。
【0026】
さらに、ハゼの形状も種々のものがある。例えば、ハゼの頭部の断面形状は、円形、楕円形、矩形など種々のものがあり、さらに、頭部と首部との位置関係も、首部が頭部の中心部分から下方の延びているもの、首部が頭部の一端側から下方に延びているものなどがある。
【0027】
本発明の取付器具では、第1の部品および第2の部品は、第1の部品および第2の部品が締結手段により締結されたとき、第1の挟持片および第2の挟持片が突出部の首部を挟持することにより取付器具が支持部材に固定され、かつ、第1の挟持片および第2の挟持片のうちの少なくとも一方が突出部の頭部と支持部材本体との間に挿入されることにより、少なくとも一方の挟持片が突出部に引っ掛かるように構成されている。
【0028】
ここで、挟持片と突出部との引っ掛かりとは、挟持片における突出部の首部に沿って上下に広がった幅広構造の先端部が、突出部の頭部と支持部材本体の表面との間のスペースに入り込むことにより、一対の挟持片が突出部の頭部側へ移動するときに幅広構造の先端部が頭部の下面に当たって一対の挟持片の移動を規制することをいう。
【0029】
本願明細書において、第1の部品および第2の部品の挟持片の少なくとも一方と突出部との引っ掛かりとは、「挟持片が支持部材本体の表面と突出部の頭部の下面との間に、挟持片が頭部の下面に接触して挿入されているもの」、「挟持片が支持部材本体の表面と突出部の頭部の下面との間に、挟持片が突出部の頭部の下面に接触しないで挿入されているが、挟持片が突出部の頭部の下面に近づくように移動したとき挟持片が突出部の頭部の下面に当たるもの」のいずれをも包含するものである。
【0030】
そして、本発明の取付器具では、第1の挟持片および第2の挟持片の少なくとも一方は、突出部の首部に対向する対向面と、対向面に形成された凸部とを有し、第1の挟持片および第2の挟持片が突出部を挟持したとき、凸部が突出部の首部に接触するように構成されている。
【0031】
より具体的には、本発明の取付器具では、第1の挟持片および第2の挟持片の少なくとも一方は、突出部に係合する先端部を有し、先端部は、突出部の首部に対向する対向面と、対向面に形成された凸部とを有し、第1の部品および第2の部品は、第1の挟持片および第2の挟持片が突出部を挟持したとき、少なくとも一方の挟持片の先端部の凸部が突出部の首部に接触するように構成されている。ここで、第1の挟持片の先端部および第2の挟持片の先端部は突出部を掴む掴み部を構成しており、先端部の凸部が突出部の首部に接する領域は、先端部の対向面よりも狭い領域である。
【0032】
このように一対の挟持片の少なくとも一方の先端部では、突出部の首部の側面に対向する対向面よりも狭い面積で突出部の首部に接触するように対向面に凸部が形成されていることにより、ハゼ式折板屋根などの支持部材に対する突出部の傾きの影響を受けて取付器具が斜めに固定された場合でも、取付器具上に被取付部材を取り付けたときに取付器具に働く力により、斜めになった取付器具を直立するように立て直しやすくすることができる。その結果、支持部材に対する突出部の傾きの影響により、被取付部材や取付器具の破損や機能の低下が生ずるのを抑制することができる。
【0033】
従って、本発明の取付器具において、被取付部材はどのようなものでもよく、支持部材は、頭部と首部とを有する突出部を有するものであれは、どのようなものでもよい。
【0034】
支持部材は、例えば、建造物の屋根であり、建造物の屋根は、例えば、折板屋根などの金属屋根、コンクリート製の屋根、瓦葺の屋根である。さらに、支持部材は、建物の屋根に限らず、建造物の壁や骨格、さらには、鉄筋コンクリートの基礎であってもよい。支持部材が屋根の場合、突出部は、例えば、屋根の表面から突出する部分であり、上述したように支持部材がハゼ式折板屋根の場合は、突出部はハゼである。
【0035】
また、被取付部材は、支持部材に取り付けられるものであればどのようなものでもよいが、例えば、支持部材が建造物の屋根である場合は、被取付部材は、屋根上に設置される設備(屋根上設置設備)である。このような屋根上設置設備には、例えば、ソーラーパネル、電設用機材、避雷針、緑化屋根用プランターがあり、さらに、空調装置、アンテナなどの装置あるいはそのフレームも屋根上設置設備である。
【0036】
さらに、第1の部品および第2の部品は、上述した挟持片を有するものであれば、特定の形状や特定材料に限定されるものではない。
【0037】
第1の部品および第2の部品では、突出部の首部に対向する対向面は、平面でも曲面でもよく、この対向面に形成された凸部も、この対向面の一部から突出し、対向面よりも狭い面積で突出部の首部に接触するものであれば、首部に接触する面は、首部の側面に面接触する平面でもよいし、首部の側面に線接触する曲面でも、首部の側面に点接触する曲面でもよい。
【0038】
第1の部品および第2の部品の材料は、例えば、アルミ、鉄、ステンレスなどの金属材料であってもよいし、樹脂材料であってもよい。また、第1の部品および第2の部品は、押し出し成型により形成されたものでもよいが、第1の部品および第2の部品の形成は、押し出し成型に限らず、鍛造やプレス加工などの他の方法による形成でもよい。
【0039】
ただし、以下の実施形態では、被取付部材がソーラーパネルであり、支持部材がハゼ式折板屋根であり、突出部はハゼであり、第1の部品および第2の部品がハゼ式折板屋根に取り付けられる金属製金具であり、第1の部品および第2の部品のうちの一方に被取付部材が固定される場合について説明する。
【0040】
特に、実施形態1の取付器具では、第1の部品および第2の部品の挟持片の先端部の対向面には、ハゼ式折板屋根の傾斜方向に延びるハゼに沿うように線状の凸部が形成され、一方の挟持片の先端部に形成された線状の凸部は、ハゼの首部の側面に面接触する平面部を有し、他方の挟持片の先端部に形成された線状の凸部は、ハゼの首部の側面に線接触する曲面部を有する。
【0041】
実施形態1の変形例では、掴み部を構成する一対の挟持片(第1の挟持片および第2の挟持片)の先端部の構造例として、実施形態1で説明した構造以外の例を実施形態1の変形例として説明する。
【0042】
実施形態2では、支持部材に対する突出部の傾きの影響により被取付部材や取付器具の破損や機能の低下が生ずるのを抑制するための構成として、実施形態1とは別の構成を説明する。
【0043】
この構成は、第1の部品および第2の部品のうちの一方が、被取付部材を固定するための載置部を有し、この載置部の被取付部材が載置される載置面を凸状に湾曲させた形状(以下、甲丸形状という。)としたものである。
【0044】
実施形態3では、実施形態1で説明した掴み部の構造(一対の挟持片の先端部の構造)と、実施形態2で説明した甲丸形状(一方の部品のうちの被取付部材を載置する載置面の形状)とを組み合わせた取付器具を説明する。
【0045】
さらに、実施形態4では、第1の部品と第2の部品とを含む取付器具におけるこれらの部品の位置ズレを規制するために、これの部品の相対移動を規制する相対移動規制部を備えた取付器具を説明する。取付器具では、第1の部品と第2の部品との位置ズレによるこれらの締結部材の変形、緩みなどにより、一対の挟持片による突出部の掴みが緩くなる恐れがあるからである。この相対移動規制部は、実施形態1~実施形態3のいずれの取付器具においても適用可能なものであるが、以下の実施形態4では、実施形態3の取付器具に適用した場合を説明する。
【0046】
さらには、実施形態5では、実施形態4の取付器具における相対移動規制部において、第1の部品と第2の部品との相対移動を規制するこれらの部品の係合が、第1の部品と第2の部品とを締結する締結部材の仮止め状態では解除されないようにした取付器具を説明する。
【0047】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0048】
〔実施形態1〕
1.取付器具100の構造
図1および
図2は、本発明の実施形態1による取付器具100を説明するための図である。
図1(a)は、取付器具100の外観を示す斜視図、
図1(b)は、取付器具100がハゼ式折板屋根Rに取り付けられた状態を示す斜視図、
図1(c)は、
図1(b)に示される取付器具100およびハゼ式折板屋根RをA方向から見た構造を示す平面図である。
図2(a)は、
図1(a)に示す取付器具100を分解して示す斜視図、
図2(b)は、
図1(c)のC2部分に示されるハゼ式折板屋根の説明図、
図2(c)は、
図1(c)のC2部分の拡大図である。
【0049】
(取付器具100)
実施形態1の取付器具100は、被取付部材を支持部材に取り付けるための金具である。ここでは、被取付部材はソーラーパネルSであり、支持部材は金属製のハゼ式折板屋根Rであり、突出部はハゼ式折板屋根RのハゼHである。
【0050】
取付器具100は、
図1(a)、
図2(a)に示すように、第1の挟持片10aを有する第1の部品110と、第2の挟持片20aを有する第2の部品120と、第1の部品110と第2の部品120とを締結する締結手段130とを備えている。第1の挟持片10aおよび第2の挟持片20aはそれぞれ、ハゼH(突出部)に係合する先端部11および21を有する。締結手段130は、締結ボルトBt、締結ナットNt、スプリングワッシャーSw、平座金Wを含む。ここで、ハゼHは、
図2(b)に示すように、頭部Hhおよび首部Hnを有する。
【0051】
取付器具100は、第1の部品110および第2の部品120が締結ボルトBtおよび締結ナットNtにより締結されたとき、
図1(b)に示すように、第1の挟持片10aおよび第2の挟持片20aがハゼHの首部Hnを挟持することにより取付器具100がハゼ式折板屋根Rに固定される。第1の挟持片10aおよび第2の挟持片20aがハゼHの首部Hnを挟持している状態では、
図1(c)に示すように、第1の挟持片10aの先端部11および第2の挟持片20aの先端部21がハゼHの首部Hnの側面に当接した状態となっている。さらに、第1の部品110および第2の部品120が締結されたときには、第1の挟持片10aの先端部11および第2の挟持片20aの先端部21のうちの少なくとも一方(ここでは先端部11)がハゼHの頭部Hhとハゼ式折板屋根Rとの間に挿入されることにより、第1の挟持片10aがハゼHに引っ掛かるようになっている。
【0052】
第1の挟持片110の先端部11は、
図2(c)に示すように、ハゼHの首部Hnの側面に対向する対向面11aと、対向面11aに形成された凸部11bとを有し、第2の挟持片120の先端部21は、ハゼHの首部Hnに対向する対向面21aと、対向面21aに形成された凸部21bとを有し、第1の挟持片10aおよび第2の挟持片20aがハゼHを挟持したとき、これらの凸部11b、21bがハゼHの首部Hnの側面に接触するようになっている。この取付器具100では、第1の挟持片10aの先端部11および第2の挟持片20aの先端部21は、ハゼHを掴むハゼ掴み部1を構成しており、ハゼ掴み部1では、先端部11、21の凸部11b、21bがハゼHの首部Hnの側面に接する領域は、先端部11、21の対向面11a、21aよりも狭い領域である。
【0053】
具体的には、実施形態1の取付器具100では、第1、第2の部品110、120の挟持片10a、20aの先端部11、21の対向面11a、21aには、ハゼ式折板屋根Rの傾斜方向に延びるハゼHに沿うように線状の凸部11b、21bが形成されている。一方の挟持片(ここでは第1の挟持片10a)の先端部11に形成された線状の凸部11bは、ハゼHの首部Hnの側面に面接触する平面を有し、他方の挟持片(ここでは、第2の挟持片20a)の先端部21に形成された線状の凸部21bは、ハゼHの首部Hnの側面に線接触する曲面を有する。
【0054】
以下、取付器具100の具体的構成を説明する。
【0055】
図3~
図5はそれぞれ、取付器具100、第1の部品110、第2の部品120の構造を説明するための図である。
図3は、
図1(a)に示す取付器具100の具体的な構成を説明するための図であり、
図3(a)~
図3(e)はそれぞれ
図1(a)に示す取付器具100をA方向~E方向から見た構造を示す平面図である。なお、
図3では、
図1(a)に示す取付器具100をF方向から見た構造は、A方向から見た構造と対称なものであることから図示していない。
【0056】
(取付器具100)
取付器具100は、上述したように、第1の部品110と第2の部品120とを有し、第1の部品110の挟持片10aの先端部11と第2の部品120の挟持片20aの先端部21とが対向するように、締結ボルトBtおよび締結ナットNtによりこれらの部品を連結した構造となっている。以下、各部品毎にその構造を説明する。
【0057】
(第1の部品110)
図4は、
図1(a)に示す取付器具100の第1の部品110の具体的な構造を説明するための図である。
図4(a)~
図4(e)はそれぞれ
図1(a)に示す第1の部品110をA方向~E方向から見た構造を示し、
図4(f)、
図4(g)、
図4(h)、
図4(i)はそれぞれ、
図4(a)のF4部分、G4部分、H4部分、I4部分を拡大して示す。なお、
図4においても、
図2(a)に示す第1の部品110をF方向から見た構造は、A方向から見た構造と対称なものであることから図示していない。
【0058】
第1の部品110は、上述した第1の挟持片10aに加えて、被取付部材であるソーラーパネルSを支持するパネル支持片10bと、第1の挟持片10aとパネル支持片10bとが接合された基部10cとを有する。
【0059】
(基部10c)
基部10cは、第1の挟持片10aおよびパネル支持片10bの部分に比べて肉厚が厚い側壁15で構成されており、側壁15の中央部には締結ボルトBtを通す締結ボルト穴15aが形成されている。ここで、側壁15のハゼHに対向する面とは反対側の面(側壁外面)には、締結ボルトBtの空回りを防止する一対の線状突起15bが形成されている。ここで、側壁15が肉厚になっているのは、側壁15は締結ボルトBtが装着される部分であることから機械的強度を確保するためである。ただし、側壁15を肉厚にしなくても第1の部品110の強度が確保できる場合は肉厚にする必要はない。さらに、締結ボルト穴15aは丸穴である。締結ボルトBtを締結ボルト孔15aに通したときに、締結ボルトBtが第1の部品110に対してがたつかないようにするためであるが、場合によっては長孔でもよい。
【0060】
(パネル支持片10b)
パネル支持片10bは、ソーラーパネルSを載置するパネル載置部13と、パネル載置部13を支持する載置部支持部14とを有する。載置部支持部14の一端はパネル載置部13に一体に接合され、載置部支持部14の他端は、基部10cと一体に接合されている。パネル載置部13の中央部には、ソーラーパネルSをパネル載置部13に固定するための固定ボルトBfを通す固定ボルト穴13cが形成されている。パネル載置部13の裏面側には、固定ボルト穴13cに挿入された固定ボルトBfを保持する一対のボルト保持片13bが、固定ボルト穴13cの両側に位置するように形成されている。さらに、パネル載置部13のうちの載置部支持部14とは反対側の側縁にはつば部13aが形成されている。このつば部13aは、第1の部品110と第2の部品120とが締結手段130により締結されたとき、第2の部品120の上端上で支持されるようになっている。
【0061】
なお、第1の部品110のパネル載置部13の表面(載置面)には、ソーラーパネルSを載置面上で位置決めするときの指標となるガイドラインを引いておいてもよく、その場合には、ソーラーパネルSの設置の際に取付器具100に対するソーラーパネルSの位置を測定する必要がなく、高い施工性が得られる。
【0062】
また、第1の部品110のパネル載置部13の載置面には、載置面に隣接するように配置された一対のソーラーパネルSの間で電気的な導通をとるためのアース金具を設けてもよく、その場合には、ソーラーパネルS間での導通性を高め、ソーラーパネルS間でアース電位が変動するのを抑制することができる。この場合、アース金具の表面には、ソーラーパネルSを載置面上で位置決めするときの指標となるガイドラインが引かれていることが好ましい。
【0063】
(第1の挟持片10a)
第1の挟持片10aは、上述した掴み部1を構成する先端部11に加えて、先端部11を支持する先端部支持部12を有する。先端部支持部12の一端は先端部11に一体に接合され、先端部支持部12の他端は、基部10cと一体に接合されている。
【0064】
先端部11は、上述したとおり、
図4(i)に示すように、対向面11aに凸部11bが形成された構造となっている。凸部11bは、ハゼHの首部Hnの側面に面接触するように、ハゼHに取り付けられたときにハゼHの長手方向に一致する方向に垂直な断面の形状が矩形形状となっている。
【0065】
さらに、先端部11の下面のうちの折板屋根Rに接する部分には、転倒抑止片11cが形成されている。この転倒抑止片11cには、第1の部品110と第2の部品120とが締結部材130により緩く連結された仮止め状態で、これらの部品110および120が起立するように折板屋根R上に置かれたときに、全体として概ね円筒形状となっている取付器具100が円筒の円周方向に転がって倒れるのを抑止する働きがある。
【0066】
先端部支持部12のハゼHに対向する面とは反対側の面には傾斜規制片12aが形成されている。傾斜規制片12aには、ハゼ式折板屋根RのハゼHの傾きの影響を受けて取付器具100が斜めに固定される場合でも、傾斜規制片12aの下端が折板屋根Rの表面に当接することで、取付器具100が極端に傾くのを回避する働きがある。
【0067】
(第2の部品120)
図5は、
図1(a)に示す取付器具100の第2の部品120の具体的な構造を説明するための図である。
図5(a)~
図5(e)はそれぞれ
図2(a)に示す第2の部品120をA方向~E方向から見た構造を示し、
図5(f)および
図5(g)はそれぞれ、
図5(a)のF5部分およびG5部分を拡大して示す。なお、
図5においても、
図2(a)に示す第2の部品120をF方向から見た構造は、A方向から見た構造と対称なものであることから図示していない。
【0068】
第2の部品120は、上述した第2の挟持片20aに加えて、第1の部品110のパネル載置部13を支持する載置部支持片20bと、第2の挟持片20aと載置部支持片20bとが接合された基部20cとを有する。
【0069】
(基部20c)
基部20cは、第2の挟持片20aおよび載置部支持片20bの部分に比べて肉厚が厚い側壁25で構成されており、側壁25の中央部には締結ボルトBtを通す締結ボルト穴25aが形成されている。締結ボルト穴25aは、第1の部品110の基部10cに設けられている丸穴の締結ボルト穴15aとは異なり長孔となっているが、締結ボルト穴25aと同じ形状であってもよい。ここで、側壁25が肉厚になっているのは、第1の部品110の側壁15が肉厚になっているのと同じ理由であり、場合によっては肉厚にする必要はない。
【0070】
(載置部支持片20b)
載置部支持片20bは、第1の部品110のパネル載置部13のつば部13aに当接するつば当接部23と、つば当接部23を支持する当接部支持部24とを有する。当接部支持部24の一端はつば当接部23に一体に接合され、当接部支持部24の他端は、基部20cと一体に接合されている。
【0071】
(第2の挟持片20a)
第2の挟持片20aは、上述した掴み部を構成する先端部21に加えて、先端部21を支持する先端部支持部22を有する。先端部支持部12の一端は先端部22に一体に接合され、先端部支持部22の他端は、基部20cと一体に接合されている。
【0072】
先端部21は、上述したとおり、
図5(g)に示すように、対向面21aに凸部21bが形成された構造となっている。凸部21bは、ハゼHの首部Hnの側面に線接触するように、ハゼHに取り付けられたときにハゼHの長手方向に一致する方向に垂直な断面の形状が略半円形状となっている。
【0073】
さらに、先端部21の下面のうちの折板屋根Rに接する部分には、転倒抑止片21cが形成されている。この転倒抑止片21cには、第1の部品110の第1の挟持片10aの先端部11に設けられた転倒抑止片11cと同じ働きがある。
【0074】
先端部支持部22のハゼHに対向する面とは反対側の面には傾斜規制片22aが形成されている。傾斜規制片22aにも、第1の部品110の第1の挟持片10aに設けられた傾斜規制片12aと同じ働きがある。
【0075】
2.取付器具100の使用方法
次に、実施形態1の取付器具100の使用方法を説明する。
【0076】
図6および
図7は、実施形態1の取付器具100を用いてソーラーパネルSを折板屋根Rに取り付けた状態を説明するための図である。
図6(a)は、ハゼ式折板屋根Rの全体を示し、
図6(b)は、
図6(a)におけるB6部分を拡大して示す平面図であり、
図7は、
図6(b)のA7部分の具体的な構造を示す斜視図である。
【0077】
ただし、
図6(a)では、ハゼ式折板屋根Rの凹凸は省略し、
図7では、ソーラーパネルSを透視して示し、取付器具100については、紙面の中央に位置するハゼHに取り付けられているもののみを示している。
【0078】
実施形態1の取付器具100は、
図6(a)に示すようにソーラーパネルSを架台などを用いずにハゼ式折板屋根R(以下、折板屋根Rとも記載する。)に直接取り付けるのに用いられる。この取付器具100には、
図6(b)および
図7に示すように、折板屋根Rの端部以外の部分(例えば、
図7のA8部分)では、折板屋根Rの傾斜方向Tに配列されている隣接するソーラーパネルSの一方の端部とその他方の端部とが載置され、折板屋根Rの端部(例えば、
図7のA9部分)では、折板屋根Rの傾斜方向の端部に位置するソーラーパネルSの端部のみが載置される。なお、
図6および
図7では示していないが、折板屋根Rは、建造物のベース部材に固定されたタイトフレームにより支持されている。
【0079】
このため、取付器具100を折板屋根Rの端部以外の部分で使用する場合と、取付器具100を折板屋根Rの端部で使用する場合とでは、取付対象が異なるため、それに対応して、ソーラーパネルSを取付器具100の第1の部品110に取り付けられる押え金具として異なる構造のものを用いてもよい。
【0080】
図8は、
図7のA8部分の拡大図であり、折板屋根Rの中間部分に位置する取付器具100に取り付けられる押え金具30を示している。
【0081】
図8に示すように、折板屋根Rの端部以外の部分(
図7のA8部分)に配置された取付器具100には、折板屋根Rの傾斜方向に配列されている隣接するソーラーパネルSの両方を取付器具100に対して押さえ付ける押え金具30が用いられる。
【0082】
図9は、
図7のA9部分の拡大図であり、折板屋根Rの端部に位置する取付器具100に取り付けられる押え金具40を示している。
【0083】
図9に示すように、折板屋根Rの端部(
図7のA9部分)に配置された取付器具100には、折板屋根Rの端部に配列されている1つのソーラーパネルSを取付器具100に対して押さえ付ける押え金具40が用いられる。
【0084】
図10は、取付器具100に取り付けられる押え金具30の構造を説明するための図である。
図10(a)は斜視図、
図10(b)~
図10(e)はそれぞれ、
図10(a)に示す押え金具30をB10方向~E10方向から見た構造を示す。なお、
図10では、
図10(a)に示す押え金具30をF10方向から見た構造は、C10方向から見た構造と同じものであることから図示していない。
【0085】
折板屋根Rの中間部分(
図7のA8部分)に配置された取付器具100に用いられる押え金具30は、固定ボルトBfが装着される底部31と、底部31の両側端から起立する一対の対向する側壁部32aおよび32bと、側壁部32aおよび32bのそれぞれの上端から外側に延びるように形成された一対の押え片33aおよび33bとを有する。底部31には固定ボルトBfを挿入するための固定ボルト穴31aが形成されている。
【0086】
この押え金具30は、
図8に示すように、取付器具100に装着したとき、押え金具30の一対の押え片33aおよび33bにより、押え金具30の固定ボルトBfの両側に配置されている一対のソーラーパネルSの両方を取付器具100に対して固定することができる。
【0087】
図11は、取付器具100に取り付けられる押え金具40の構造を説明するための図である。
図11(a)は斜視図、
図11(b)~
図11(f)は、
図11(a)に示す押え金具40をB11方向~F11方向から見た構造を示す。
【0088】
折板屋根Rの端部(
図7のA9部分)に配置された取付器具100に用いられる押え金具40は、固定ボルトBfが装着される横板部41と、横板部41の一端から起立する上縦壁部42と、上縦壁部42の上端から外側に延びるように形成された押え片43と、横板部41の他端から下方に延びる下縦壁部44とを有する。横板部41には、固定ボルトBfを挿入するための固定ボルト穴41aが形成されている。
【0089】
この押え金具40は、
図9に示すように、取付器具100に装着したとき、押え金具40の1つの押え片43が押え金具40の一方側にのみ配置されているソーラーパネルSを取付器具100に対して押さえ付けると同時に、押え金具40の下縦壁部44の下端が取付器具100の第1の部品110のパネル載置部13の上面に当接することとなる。これにより、押え金具40により固定ボルトBfの片側でのみソーラーパネルSを押さえ付けたときに、押え金具40が傾いて押え金具がソーラーパネルSを押さえ付ける力がソーラーパネルSに対して斜めにかかるのを回避することができる。
【0090】
次に、取付器具100を用いてソーラーパネルSを折板屋根Rに取り付ける作業を説明する。
【0091】
まず、折板屋根Rの決められた複数の位置の各々に取付器具100を固定する。なお、これらの取付器具100の固定は、作業性を考慮して、第1の部品110と第2の部品120とを締結ボルトBtおよび締結ナットNtなどで連結し、さらに、固定ボルトBfを装着した状態で行ってもよい。
【0092】
具体的には、第1の部品110の締結ボルト穴15aおよび第2の部品120の締結ボルト穴25aに締結ボルトBtを挿入し、締結ボルトBtに平座金W、スプリングワッシャーSw、および締結ナットNtを装着して第1の部品110および第2の部品120を連結した状態で、第1の部品110と第2の部品120との間にハゼHが挿入されるように取付器具100を折板屋根R上に配置し、締結ナットNtを締結ボルトBtに対して締め付ける。これにより、第1の部品110の第1の挟持片10aと第2の部品120の第2の挟持片20aとがハゼHを挟持することとなって取付器具100が折板屋根Rに固定される。
【0093】
この場合、取付器具100は第1の部品110と第2の部品120とを連結した状態で出荷し、その状態から施工可能であるため、施工作業の効率を高めることができる。
【0094】
ただし、取付器具100の出荷は、第1の部品110と第2の部品120とが連結された状態で行われる場合に限定されない。第1の部品110と第2の部品120とが別々に出荷され、現場での取付器具100を折板屋根Rに取り付ける際に第1の部品110と第2の部品120とを連結するようにしてもよい。
【0095】
次に、折板屋根Rの棟側あるいは軒側から順にソーラーパネルSを取付器具100上に配置し、押え金具30および押え金具40を用いてソーラーパネルSを取付器具100に固定していく。
【0096】
本発明の取付器具100では、ハゼHを挟持する第1の挟持片10aの先端部11には断面が矩形形状の凸部11bが形成され、第2の挟持片20aの先端部21には断面が略半円形状の凸部21bが形成されているので、第1の挟持片10aの先端部11はハゼHに対して狭い面積で接触し、第2の挟持片20aの先端部21は線接触する。このため、折板屋根Rに対するハゼHの傾きの影響を受けて取付器具100が折板屋根に対して斜めに固定された場合でも、取付器具100上にソーラーパネルSを取り付ける作業の際に、取付器具100上にソーラーパネルSが固定されるように固定ボルトBfに対して固定ナットNfを締め付けたときに取付器具100に働く力により、斜めになった取付器具100が簡単に直立の姿勢に近づくように起き上がることとなる。この結果、ハゼHの傾斜の影響が、取付器具100に取り付けられるソーラーパネルSなどに及ぶのを抑制することができる。
【0097】
以下、ソーラーパネルSの固定作業により取付器具200の傾きが修正される様子を具体的に説明する。
【0098】
図11Aは、
図1(a)に示す取付器具100を正常なハゼHに取り付ける場合を示す図であり、
図11A(a)および
図11A(b)はそれぞれ、ハゼHに対する取付器具100の取付け前後の状態を示す。
【0099】
図11Bは、
図1(a)に示す取付器具100を斜めになったハゼHに取り付ける場合を示す図であり、
図11B(a)および
図11B(b)はそれぞれ、斜めになったハゼHに対する取付器具100の取付け前後の状態を示す。
【0100】
図11A(a)に示すように、ハゼHが折板屋根Rに対して直立している場合は、ハゼHに取付器具100を固定したとき、取付器具100は、
図11A(b)に示すように、ハゼHの直立姿勢を受け継いで折板屋根Rに対して直立した姿勢で固定されるが、
図11B(a)に示すように、ハゼHが折板屋根Rに対して傾いている場合は、ハゼHに取付器具100を固定したとき、取付器具100は、
図11B(b)に示すように、ハゼHの斜めに傾いた姿勢を受け継ぐこととなり、折板屋根Rに対して斜めに傾いた状態で固定される。
【0101】
しかし、実施形態1の取付器具100は、第1の挟持片10a、第2の挟持片20aの先端部11、21は、ハゼHに対向する対向面11a、12aに、ハゼHとの接触面積が少なくなるように凸部11b、12bを形成した構造となっているので、一対の挟持片がハゼHを強固に挟持していても、ハゼHに対する取付器具100の姿勢はそれほど大きな力でなくても変化させることができる。なぜなら、挟持片の先端部11、21は、ハゼHの首部Hnの側面に線接触に近い狭い面積で、あるいは線接触で当接しているからである。
【0102】
図11Cは、斜めになったハゼHに取り付けられた取付器具100の傾倒姿勢がソーラーパネルSを取付器具100に固定することで直立姿勢に戻る様子を示す図であり、
図11C(a)~
図11C(c)は、取付器具100の傾きの変化を示し、
図11C(d)~
図11C(f)は、
図11C(a)のD11部分の拡大図、
図11B(b)のE11部分の拡大図、
図11C(c)のF11部分の拡大図である。
【0103】
図11C(a)および
図11C(b)に示すように、斜めに傾いて折板屋根Rに固定されている取付器具100上にソーラーパネルSを配置し、ソーラーパネルSを固定ボルトBfと固定ナットNfにより取付器具100に締め付けると、取付器具100には、ソーラーパネルSから折板屋根Rの表面に対して直立した姿勢に戻そうとする力が働く。なぜなら、複数の取付器具100に跨って配置されるソーラーパネルSは、全体としてはハゼ式折板屋根Rの表面に平行に設置されており、ソーラーパネルSを取付器具100に固定することで、取付器具100のパネル載置面もソーラーパネルSに平行になろうとするからである。この実施形態1の取付器具100は、このような外力の影響を受けて姿勢が変化しやすい構造となっているため、
図11C(c)、
図11C(f)に示すように、ハゼHが斜めに傾いたままで、ハゼHに固定された取付器具100の姿勢が斜めに傾いた状態から直立の姿勢に近づくように変化する。
【0104】
また、本実施形態1の取付器具100では、ハゼ掴み部1を構成する一方の挟持片(第1の挟持片10a)の先端部11がハゼHの首部Hnの側面に面接触し、他方の挟持片(第2の挟持片20a)の先端部21がハゼHの首部Hnの側面に線接触するので、一方の挟持片の先端部11が面でハゼHの首部Hnを受けることとなる。このため、ハゼ掴み部1を構成する一対の挟持片10a、20aの先端部11、21の一方と他方との間での多少の位置ズレは吸収することができ、一対の挟持片でハゼHを確実に挟むことができる。
【0105】
なお、実施形態1では、取付器具100のハゼ掴み部1として、一方の挟持片(第1の挟持片10a)の先端部11がハゼHの首部Hnの側面に面接触し、他方の挟持片(第2の挟持片20a)の先端部21がハゼHの首部Hnの側面に線接触するものを示したが、取付器具100のハゼ掴み部1を構成する一対の挟持片の構造は実施形態1のものに限定されるものではない。
【0106】
〔実施形態1の変形例〕
以下、これらの構成を変形例として具体的に説明する。
【0107】
図12は、実施形態1の変形例による取付器具を説明するための図である。
図12(a)は、変形の対象となる実施形態1の掴み部1の構造を模式的に示し、
図12(b)~
図12(i)はそれぞれ、実施形態1の掴み部1を変形した変形例1~8の掴み部1b~1iを模式的に示す。
【0108】
〔変形例1〕
図12(b)は、実施形態1の変形例1を示す。
【0109】
実施形態1の変形例1によるハゼ掴み部1bは、
図12(b)に示すように、実施形態1のハゼ掴み部1(
図12(a))を構成する第1の挟持片の先端部11を、ハゼHの首部Hnに線接触する先端部111に置き換えたものである。
【0110】
図12(b)に示す変形例1では、取付器具のハゼ掴み部1bを構成する一対の挟持片の先端部111および21は、いずれもハゼHの首部Hnの側面に対して線接触するように構成されている。この先端部111では、ハゼHの首部Hnに対向する対向面11aには、ハゼHの首部Hnの側面に線接触する断面略半円状の線状凸部111bが形成されている。
【0111】
〔変形例2〕
図12(c)は、実施形態1の変形例2を示す。
【0112】
変形例2のハゼ掴み部1cは、実施形態1のハゼ掴み部1(
図12(a))を構成する第2の挟持片の先端部21を、ハゼHの首部Hnに面接触する先端部121に置き換えたものである。
【0113】
図12(c)に示す変形例2では、取付器具のハゼ掴み部1cを構成する一対の挟持片の先端部11および121は、いずれもハゼHの首部Hnに対して面接触するように構成されている。この先端部121では、ハゼHの首部Hnに対向する対向面21aには、ハゼHの首部Hnの側面に面接触する断面矩形形状の線状凸部121bが形成されている。
【0114】
また、実施形態1、その変形例1および変形例2のハゼ掴み部では、一対の挟持片の先端部の対向面11a、21aに形成される凸部の高さ方向の位置は、ハゼHの頭部と折板屋根Rの表面との間の中央の位置であるが、凸部の高さ方向の位置は、これに限定されるものではない。
【0115】
図12(d)~
図12(f)に示す変形例3~変形例5は、ハゼHの首部Hnの側面に当接する凸部を、ハゼ掴み部を構成する先端部の対向面の上端側、つまりハゼHの頭部Hhに隣接する位置に配置したものである。
【0116】
〔変形例3〕
図12(d)に示す変形例3のハゼ掴み部11dは、
図12(a)に示す実施形態1のハゼ掴み部1における凸部11b、21bに代えて凸部112b、122bを備えたものである。ハゼ掴み部11dの先端部112、122では、凸部112b、122bは、実施形態1のハゼ掴み部1における凸部11b、21bを先端部の対向面11a、22aの上端側に移動させたものである。
【0117】
〔変形例4〕
図12(e)に示す変形例4のハゼ掴み部11eは、
図12(b)に示す実施形態1の変形例1のハゼ掴み部1bにおける凸部111b、21bに代えて、凸部113b、123bを備えたものである。ハゼ掴み部1eの先端部113、123では、凸部113b、123bは、実施形態1の変形例1のハゼ掴み部1bにおける凸部111b、21bを先端部の対向面11a、21aの上端側に移動させたものである。
【0118】
〔変形例5〕
図12(f)に示す変形例5のハゼ掴み部1fは、
図12(c)に示す実施形態1の変形例2のハゼ掴み部1cにおける凸部11b、121bに代えて、凸部114b、124bを備えたものである。ハゼ掴み部1fの先端部114、124では、凸部114b、124bは、実施形態1の変形例2のハゼ掴み部1cにおける凸部11b、121bを先端部の対向面11a、12aの上端側に移動させたものである。
【0119】
図12(g)~
図12(i)に示す変形例6~変形例8は、ハゼHの首部Hnの側面に当接する凸部を、ハゼ掴み部を構成する先端部の対向面の下端側、つまり折板屋根Rの表面に隣接する位置に配置したものである。
【0120】
〔変形例6〕
図12(g)に示す変形例6のハゼ掴み部11gは、
図12(a)に示す実施形態1のハゼ掴み部1における凸部11b、21bに代えて凸部115b、125bを備えたものである。ハゼ掴み部11gの先端部115、125では、凸部115b、125bは、実施形態1のハゼ掴み部1における凸部11b、21bを先端部の対向面11a、22aの下端側に移動させたものである。
【0121】
〔変形例7〕
図12(h)に示す変形例7のハゼ掴み部1hは、
図12(b)に示す実施形態1の変形例1のハゼ掴み部1bにおける凸部111b、21bに代えて、凸部116b、126bを備えたものである。ハゼ掴み部1hの先端部116、126では、凸部116b、126bは、実施形態1の変形例1のハゼ掴み部1bにおける凸部111b、21bを先端部の対向面11a、21aの下端側に移動させたものである。
【0122】
〔変形例8〕
図12(i)に示す変形例8のハゼ掴み部1iは、
図12(c)に示す実施形態1の変形例2のハゼ掴み部1cにおける凸部11b、121bに代えて、凸部117b、127bを備えたものである。ハゼ掴み部1iの先端部117、127では、凸部117b、127bは、実施形態1の変形例2のハゼ掴み部1cにおける凸部11b、121bを先端部の対向面11a、12aの下端側に移動させたものである。
【0123】
なお、実施形態1では、第1の挟持片および第2の挟持片の両方が、先端部のうちの突出部の首部に接触する部分の面積が先端部の突出部の首部に対向する対向面の面積より小さい構造の先端部を有するものであるが、本発明の取付器具では、第1の挟持片および第2の挟持片のいずれか一方がこのような構造の先端部を有するものでもよい。
【0124】
すなわち、第1の挟持片110のみが、突出部の首部に接触する部分の面積が先端部の突出部の首部に対向する対向面の面積より小さい構造を有していてもよい。この場合、第1の挟持片110の先端部11のみが、ハゼHの首部Hnの側面に対向する対向面11aと、対向面に形成された凸部11bとを有する構造となり、第2の挟持片120の先端部21は、凸部21bを有さないものとなる。
【0125】
あるいは、第2の挟持片120のみが、突出部の首部に接触する部分の面積が先端部の突出部の首部に対向する対向面の面積より小さい構造を有していてもよい。この場合、第2の挟持片120の先端部21のみが、ハゼHの首部Hnの側面に対向する対向面21aと、対向面に形成された凸部21bとを有する構造となり、第1の挟持片110の先端部11は、凸部11bを有さないものとなる。
【0126】
第1の挟持片および第2の挟持片の先端部を、首部に接触する部分の面積が首部に対向する対向面の面積より小さい構造とするかは、ハゼ部である突出部の構造、特に、首部と頭部との位置関係に応じて決めることができる。
【0127】
〔実施形態2〕
1.取付器具200の構造
図13および
図14は、本発明の実施形態2による取付器具200を説明するための図である。
図13(a)は、取付器具200の外観を示す斜視図、
図13(b)は、取付器具200がハゼ式折板屋根Rに取り付けられた状態を示す斜視図、
図13(c)は、
図13(b)に示される取付器具200およびハゼ式折板屋根RをA方向から見た構造を示す平面図である。
図14(a)は、
図13(a)に示す取付器具200を分解して示す斜視図、
図14(b)は、
図13(c)のB14部分の拡大図、
図14(c)は、
図13(c)のC14部分の拡大図である。
【0128】
(取付器具200)
実施形態2の取付器具200は、実施形態1の取付器具100のパネル載置部13とは構造が異なるパネル載置部213を有している。このパネル載置部213は、被取付部材であるソーラーパネルSが載置される載置面を凸状に湾曲させた形状(甲丸形状)としたものである。これにより、実施形態2の取付器具200では、ハゼ式折板屋根RのハゼHの傾きの影響により取付器具200が斜めに折板屋根Rに固定された場合でも、取付器具200のパネル載置部213の載置面とソーラーパネルSの下面との間にできる隙間を小さく抑えることができる。
【0129】
なお、この実施形態2の取付器具200では、実施形態1の取付器具100における一対の挟持片10a、20aの先端部11および12の構造、つまり、先端部11、21の対向面11a、12aに、先端部がハゼHの首部Hnに接触する面積を低減するための凸部11b、12bを形成した構造は採用していない。すなわち、取付器具200のハゼ掴み部201を構成する一対の先端部211および221の一方(第1の部品210の第1の挟持片210aの先端部211)では、
図14(c)に示すように、先端部211のハゼHの首部Hnの側面に対向する対向面11aの全面が、ハゼHの首部Hnの側面に接触するようになっている。取付器具200のハゼ掴み部201を構成する一対の先端部211および221の他方(第2の部品220の第2の挟持片220aの先端部221)においても、
図14(c)に示すように、先端部211のハゼHの首部Hnの側面に対向する対向面21aの全面が、ハゼHの首部Hnの側面に接触するようになっている。
【0130】
以下、取付器具200の具体的構成を説明する。
【0131】
図15、
図16、
図18はそれぞれ、取付器具200、第1の部品210、第2の部品220の構造を説明するための図である。
【0132】
図15は、
図13(a)に示す取付器具200の具体的な構成を説明するための図であり、
図15(a)~
図15(e)はそれぞれ
図13(a)に示す取付器具200をA方向~E方向から見た構造を示す平面図である。なお、
図15では、
図13(a)に示す取付器具200をF方向から見た構造は、A方向から見た構造と対称なものであることから図示していない。
【0133】
取付器具200は、実施形態1における第1の部品110および第2の部品120に代わる第1の部品210および第2の部品220を有し、第1の部品210の挟持片210aの先端部211と第2の部品220の挟持片220aの先端部221とが対向するように、締結ボルトBtおよび締結ナットNtによりこれらの部品が連結される構造となっている。
【0134】
以下、各部品毎にその構造を説明する。
【0135】
(第1の部品210)
図16は、
図13(a)に示す取付器具200の第1の部品210の具体的な構造を説明するための図である。
図16(a)~
図16(e)はそれぞれ
図14(a)に示す第1の部品210をA方向~E方向から見た構造を示し、
図16(f)、
図16(g)はそれぞれ、
図16(a)のF16部分、G16部分を拡大して示す。なお、
図16では、
図14(a)に示す第1の部品210をF方向から見た構造は、A方向から見た構造と対称なものであることから図示していない。
【0136】
実施形態2の取付器具200における第1の部品210は、実施形態1の第1の部品110における第1の挟持片10aおよびパネル支持片10bに代えて、それぞれ実施形態1のものとは構造が異なる第1の挟持片210aおよびパネル支持片210bを備えたものであり、その他の構成は、実施形態1の第1の部品110におけるものと同一である。
【0137】
ここで、パネル支持片210bは、実施形態1のパネル支持片10bにおけるパネル載置部13に代わるパネル載置部213を備えたものであり、パネル支持片210bにおけるその他の構成は実施形態1のパネル載置部13におけるものと同一構成である。
【0138】
このパネル載置部213は、
図16(f)に示すように、固定ボルトBfを挿入するための固定ボルト穴13cが形成されている中央部分が両端部に比べて若干の寸法Lhだけ高くなるように円弧状に湾曲した形状(甲丸形状)となっている。この寸法Lhは、パネル載置部213の幅Lwに比べて図面で示されるとおり極端に小さい値である。寸法Lhは、数十ミリの幅(例えば、40~60mm)Lwに対して1ミリ以下(0.6~0.8mm)である。具体的な寸法例として、Lhは、0.7mm、幅Lwは51mmである。
【0139】
以下、甲丸形状を採用することによる効果を説明する。
【0140】
固定ボルトBf、固定ナットNfなどの締結手段により被取付部材を取付器具に固定する場合、締結手段により被取付部材と取付器具とを固定する位置(固定位置)と、被取付部材と取付器具とが接触する位置(接触位置)との距離が離れているほど、被取付部材、取付器具、締結手段に作用する力はてこの原理で大きくなるので、固定位置と接触位置とが一致しており、固定ボルトによる締結力が固定ボルトの軸方向にかかるように固定ボルトを締結することが望ましい。
【0141】
ところが、取付器具の載置面とその上に載置するソーラーパネルなどの被取付部材の下面とが平行になっていない場合は、固定位置と接触位置との距離が離れることとなり、さらに、固定ボルトによる締結力が固定ボルトの軸方向に斜めに作用することとなる。この場合、被取付部材と取付器具とを固定するための締付力を通常通りの大きなものとすると、これらの部材の破損を招き、その締付力を通常より弱めると、取付強度が不十分となる。
【0142】
以下で説明するように、取付器具の載置面の形状を凸状に湾曲した甲丸形状とすることで、接触位置と固定位置とを、甲丸形状を採用しない場合に比べて近づけることができる。甲丸形状は、わずかに凸状の湾曲した形状であり、接触位置と固定位置とを近づけられる距離も1mmとか2mmのレベルであるが、ボルトナットという大きな締結力が発生する固定位置に接触位置をわずかでも近づけられる効果は大きいものである。
【0143】
図17は、実施形態2の取付器具200の効果を説明するための図であり、
図17(a)~
図17(d)は、取付器具のパネル載置部での甲丸形状の採用の有無と、折板屋根上での取付器具の傾斜の有無との組み合わせの4つの場合を示している。
【0144】
取付器具が折板屋根Rに対して直立した姿勢で取り付けられている場合は、甲丸形状を採用したパネル載置部213(
図17(a))上でも、甲丸形状を採用していないパネル載置部13(
図17(b))上でも、被取付部材と取付器具とが固定される位置(固定位置)と、被取付部材と取付器具とが接触する位置(接触位置)とが一致している。
【0145】
一方、取付器具が折板屋根に対して斜めに取り付けられた場合は、甲丸形状を採用したパネル載置部213(
図17(c))上でも、甲丸形状を採用していないパネル載置部13(
図17(d))上でも、固定位置でのパネル載置台とソーラーパネルとの間に隙間ができ、固定位置と接触位置とがずれる。
【0146】
しかし、甲丸形状を採用している取付器具の場合、固定位置でのパネル載置台とソーラーパネルとの隙間Gp1を、甲丸形状を採用していない取付器具の場合の隙間Gp0に比べて小さくして、固定位置と接触位置との距離X1を、甲丸形状を採用していない取付器具の場合の距離X0に比べて小さくできる。この距離の差(X1-X0)は、
図16(f)に示すように、甲丸形状における寸法Lhに相当するわずかな寸法であるが、このわずかな距離の差が大きな効果を奏する。
【0147】
なぜなら、ソーラーパネルSと取付器具とを固定するための何トンあるいは何百キロといった締付力を発生させるボルトの装着部分では、ボルトの締付力が作用する作用点をその近傍でソーラーパネルSと取付器具とが当接する位置にわずかでも近づけることで、ソーラーパネルSおよび取付器具が変形し難くなるからである。つまり長い棒を曲げるのは簡単であるが、短い棒を曲げるのは難しく、短くなればなるほど加速的に曲げにくくなるという原理である。
【0148】
このようにパネル載置部213の甲丸形状における寸法Lhはパネル載置部213の幅Lwに対して約70分の1とわずかではあるが、このようにパネル載置部213の表面を湾曲させることで、パネル載置部213上でソーラーパネルSがパネル載置部213に接する位置が固定ボルトBfによる固定位置に極わずかではあるが近づくことになり、ソーラーパネルS、締結手段、取付器具の変形を抑制できる。
【0149】
さらに、第1の挟持片210aは、実施形態1の第1の挟持片10aにおける先端部11に代わる先端部211を備えたものであり、第1の挟持片210aにおけるその他の構成は実施形態1の第1の挟持片10aにおけるものと同一構成である。
【0150】
第1の挟持片210aの先端部211は、
図16(g)に示すように、ハゼHの首部Hnの側面に対向する対向面11aの全面がハゼHに接触するようになっている点で、実施形態1の第1の挟持片10aの先端部11とは異なっており、その他の構成は、先端部11と同一である。
【0151】
(第2の部品220)
図18は、
図13(a)に示す取付器具200の第2の部品220の具体的な構造を説明するための図であり、
図18(a)~
図18(e)はそれぞれ
図14(a)に示す第2の部品220をA方向~E方向から見た構造を示し、
図18(f)および
図18(g)はそれぞれ、
図18(a)のF18部分およびG18部分を拡大して示す。なお、
図18では、
図14(a)に示す第2の部品220をF方向から見た構造は、A方向から見た構造と対称なものであることから図示していない。
【0152】
第2の挟持片220aは、実施形態1の第2の挟持片20aにおける先端部12に代わる先端部221を備えたものであり、第2の挟持片220aにおけるその他の構成は実施形態1の第2の挟持片20aにおけるものと同一構成である。
【0153】
第2の挟持片220aの先端部221は、
図18(g)に示すように、ハゼHの首部Hnの側面に対向する対向面21aの全面がハゼHに接触するようになっている点で、実施形態1の第2の挟持片20aの先端部12とは異なっており、その他の構成は、先端部12と同一である。
【0154】
このような構成の取付器具200では、第1の部品210のパネル載置部213の載置面の形状を甲丸形状としているので、取付器具200がハゼHの形状や姿勢の影響を受けて折板屋根Rに対して斜めに固定された場合でも、パネル載置部213上の固定ボルトBfの装着部分では、パネル載置部213とソーラーパネルSとの隙間Gp1を小さくして、ソーラーパネルSが取付器具200のパネル載置部213に接触する位置(接触位置)をソーラーパネルSが取付器具200に固定される位置(固定位置)に近づけることができ、その結果、固定ボルトBf、取付器具200やソーラーパネルSに及ぶ負荷を小さく抑えることができる。
【0155】
〔実施形態3〕
1.取付器具300の構造
図19は、本発明の実施形態3による取付器具300を説明するための斜視図(
図19(a))および分解斜視図(
図19(b))である。
【0156】
(取付器具300)
実施形態3の取付器具300は、実施形態1の取付器具100において、第1の部品110を構成するパネル載置部13に代えて、実施形態2の甲丸形状を採用したパネル載置部213を備えたものであり、その他の構成は実施形態1の取付器具100と同一である。
【0157】
図20は、
図19(a)に示す取付器具300の具体的構成を示す図であり、
図20(a)~
図20(e)はそれぞれ
図19(a)に示す取付器具300をA方向~E方向から見た構造を示す。
図21は、
図19(a)に示す取付器具300の第1の部品310の具体的構造を示す図であり、
図21(a)~
図21(e)はそれぞれ
図19(b)に示す第1の部品310をA方向~E方向から見た構造を示し、
図21(f)、
図21(g)、
図21(h)、
図21(i)はそれぞれ、
図21(a)のF21部分、G21部分、H21部分、I21部分を拡大して示す。なお、
図20、
図21では、
図19に示す取付器具300、第1の部品310をF方向から見た構造は、A方向から見た構造と対称なものであることから図示していない。
【0158】
取付器具300は、実施形態1における第1の部品110に代わる第1の部品310と、実施形態1の第2の部品120と同一構造の第2の部品320とを有し、第1の部品310の挟持片10aの先端部11と第2の部品320の挟持片20aの先端部21とが対向するように、締結ボルトBtおよび締結ナットNtによりこれらの部品が連結される構造となっている。
【0159】
実施形態3の取付器具300における第1の部品310では、パネル支持片310bを構成するパネル載置部313は、
図16(f)に示すパネル載置部213と同様に、固定ボルトBfを挿入するための固定ボルト穴13cが形成されている中央部分が、両側部に比べて若干の寸法Lhだけ高くなるように円弧状に湾曲した形状(甲丸形状)となっている。なお、取付器具300における第1の部品310は、パネル載置部313に甲丸形状を採用している点以外は、実施形態1の取付器具100における第1の部品110と同一の構成を有する。
【0160】
このような構成の実施形態3の取付器具300では、実施形態1の取付器具100と同様に、折板屋根Rに対するハゼHの傾きの影響を受けて取付器具300が折板屋根に対して斜めに固定された場合でも、取付器具300上にソーラーパネルSを取り付ける作業の際に、取付器具300上にソーラーパネルSが固定されるように固定ボルトBfに対して固定ナットNfを締め付けたときに取付器具300に働く力により、斜めになった取付器具300が簡単に直立の姿勢に近づくように起き上がることとなる。この結果、ハゼHの傾斜の影響が、取付器具100に取り付けられるソーラーパネルSなどに及ぶのを抑制することができる。
【0161】
さらに、取付器具300では、第1の部品310のパネル載置部313の載置面の形状を甲丸形状としているので、取付器具300にソーラーパネルSを取り付けた後、取付器具300が完全に折板屋根Rに対して直立した姿勢となっていなくても、パネル載置部313上の固定ボルトBfの装着部分では、パネル載置部313とソーラーパネルSとの隙間Gp1を小さく抑えることができ、より一層ハゼHの傾斜の影響が、取付器具300に取り付けられるソーラーパネルSなどに及ぶのを抑制することができる。
【0162】
なお、上述した実施形態1~実施形態3では、第1の部品と第2の部品とは締結手段により連結されているため、これらの部品がハゼHの長手方向に相対的にずれるような力がこれらの部品に働いた場合、締結手段である締結ボルトBtに負荷がかかる場合がある。
【0163】
そこで、以下の実施形態では、取付器具における締結手段を保護する機構を採用した取付器具について説明する。
【0164】
このような締結手段を保護する構成は、実施形態1~実施形態3のいずれの取付器具においても適用可能なものであるが、以下の実施形態では、実施形態3の取付器具300に適用したものを実施形態4として説明する。
【0165】
〔実施形態4〕
1.取付器具400の構造
図22は、本発明の実施形態4による取付器具400を説明するための斜視図(
図22(a))および分解斜視図(
図22(b))である。
【0166】
実施形態4の取付器具400は、実施形態3の取付器具300において、締結手段による締結方向を横切る方向での第1の部材410と第2の部材420との相対移動が規制されるように構成された相対移動規制部450を備えたものである。
【0167】
これにより、実施形態4の取付器具400では、第1の部品410および第2の部品420に対して、これらの部品がハゼHの長手方向に相対的にずれるような力が働いた場合でも、締結手段である締結ボルトBtに負荷がかかるのを回避することができる。
【0168】
以下、取付器具400の具体的構成を説明する。
【0169】
図23~
図25はそれぞれ、取付器具400、第1の部品410、第2の部品420の構造を説明するための図である。
【0170】
図23は、
図22(a)に示す取付器具400の具体的構成を説明するための図であり、
図23(a)~
図23(e)はそれぞれ
図22(a)に示す取付器具400をA方向~E方向から見た構造を示す。なお、
図23では、
図22(a)に示す取付器具400をF方向から見た構造は、A方向から見た構造と対称なものであることから図示していない。
【0171】
取付器具400は、実施形態3における第1の部品310および第2の部品320に代わる第1の部品410および第2の部品420を有し、第1の部品410のパネル載置部413のつば部13aに形成された係合穴13dに、第2の部品420のつば当接部423に形成された係止片23aが係合することにより、これらの部品がハゼHの長手方向に相対的にずれるのを規制するように構成されている。ここで、係合穴13dを有するパネル載置部413と、係合穴13dに係合する係止片23aを有するつば当接部423とにより相対移動規制部450が構成されている。
【0172】
以下、各部品毎にその構造を説明する。
【0173】
(第1の部品410)
図24は、
図22(b)に示す取付器具400の第1の部品410の具体的構造を説明するための図であり、
図24(a)~
図24(e)はそれぞれ
図22(b)に示す第1の部品410をA方向~E方向から見た構造を示し、
図24(f)、
図24(g)、
図24(h)、
図24(i)はそれぞれ、
図24(a)のF24部分、G24部分、H24部分、I24部分を拡大して示す。
図24では、
図22(b)に示す第1の部品410をF方向から見た構造は、A方向から見た構造と対称なものであることから図示していない。
【0174】
実施形態4の取付器具400における第1の部品410は、実施形態3の第1の部品310におけるパネル載置部313に代えて、つば部13aに係合穴13dが形成されたパネル載置部413を備えたものであり、その他の構成は実施形態3の第1の部品310と同一構成である。ここで、パネル載置部413は、つば部13aに係合穴13dが形成されている点以外は、実施形態3のパネル載置部313と同一の構成を有する。
【0175】
(第2の部品420)
図25は、
図22(b)に示す取付器具の第2の部品420の具体的構造を説明するための図であり、
図25(a)~
図25(e)はそれぞれ
図22(b)に示す第2の部品420をA方向~E方向から見た構造を示し、
図25(f)および
図25(g)はそれぞれ、
図25(a)のF25部分およびG25部分を拡大して示す。なお、
図25では、
図22(b)に示す第2の部品420をF方向から見た構造は、A方向から見た構造と対称なものであることから図示していない。
【0176】
実施形態4の取付器具400における第2の部品420は、実施形態3の第2の部品320におけるつば当接部23に代えて、先端に係止片23aが形成されたつば当接部423を備えたものであり、その他の構成は実施形態3の第1の部品310と同一構成である。ここで、つば当接部423は、その先端に係止片23aが形成されている点以外は、実施形態3のつば当接部23と同一の構成を有する。
【0177】
このような構成の実施形態4の取付器具400では、つば当接部423の先端に形成された係止片23aと、つば部13aに形成された係合穴13dとが係合することで、締結手段による締結方向を横切る方向での第1の部材410と第2の部材420との相対移動が規制されるようにしたので、第1の部品410および第2の部品420に対して、これらの部品がハゼの長手方向(
図7参照)に相対的にずれるような力が働いた場合でも、締結手段である締結ボルトBtに負荷がかかるのを回避することができる。
【0178】
さらに、このように相対移動規制部450を備えた実施形態4の取付器具400においてさらに施工性を改善したものを実施形態5として説明する。
【0179】
〔実施形態5〕
1.取付器具500の構造
図26は、本発明の実施形態5による取付器具500を説明するための斜視図(
図26(a))および分解斜視図(
図26(b))である。
【0180】
実施形態5の取付器具500は、実施形態4における第1の部品410および第2の部品420に代わる第1の部品510および第2の部品520を備え、実施形態4の取付器具400における相対移動規制部450を、さらなる機能を付加した相対移動規制部550に改良したものである。
【0181】
すなわち、この相対移動規制部550は、実施形態4の相対移動規制部450において、第1の部材410と第2の部材420との相対移動を規制する第1の部材410の係合穴13dと第2の部材420の係止片23aとの係合が、第1の部品410と第2の部品420とを仮止めしている状態の締結手段を緩めても外れないようにしたものである。
【0182】
この実施形態5の取付器具500では、具体的には、第1の部品510のパネル支持片510bおよび第2の部品520の載置部支持片520bの構成が、実施形態4の第1の部品410のパネル支持片410bおよび第2の部品420の載置部支持片420bと異なる。
【0183】
以下、取付器具500の具体的構成を説明する。
【0184】
図27~
図29はそれぞれ、取付器具500、第1の部品510、第2の部品520の構造を説明するための図である。
【0185】
図27は、
図26(a)に示す取付器具500の具体的構成を説明するための図であり、
図27(a)~
図27(e)はそれぞれ
図26(a)に示す取付器具500をA方向~E方向から見た構造を示す。なお、
図27では、
図26(a)に示す取付器具500をF方向から見た構造は、A方向から見た構造と対称なものであることから図示していない。
【0186】
取付器具500では、第2の部品520の載置部支持片520bを構成するつば当接部523には、パネル載置部513の係合穴13dに係合する係合片23aの他に、斜め上方に延びる傾斜係合片23bが形成されており、第1の部品510のパネル支持片510bを構成するパネル載置部513には、その裏面側に斜め下方に延びる傾斜突起13eが形成されている。これらの傾斜突起13eと傾斜係合片23bとは、第1の部品510と第2の部品520とが締結手段により連結された状態では、傾斜突起13eの上面と傾斜係合片23bの下面とが当接することで、パネル載置部513に形成された係合穴13dとつば当接部523に形成された係合片23aとの係合の解除が阻止されるようになっている。
【0187】
このため、第1の部品510と第2の部品520との締結手段による仮止め状態で、締結手段を緩めても、第1の部品510と第2の部品520とは連結された状態であるので、パネル載置部513の係合穴13dとつば当接部523の傾斜係合片23bとの係合が保持され、その結果、第1の部品510と第2の部品520との相対的な回転も阻止される。
【0188】
以下、各部品毎にその構造を説明する
(第1の部品510)
図28は、
図26(b)に示す取付器具500の第1の部品510の具体的構造を説明するための図であり、
図28(a)~
図28(e)はそれぞれ
図26(b)に示す第1の部品510をA方向~E方向から見た構造を示し、
図28(f)、
図28(g)、
図28(h)、
図28(i)はそれぞれ、
図28(a)のF28部分、G28部分、H28部分、I28部分を拡大して示す。なお、
図28では、
図26(b)に示す第1の部品510をF方向から見た構造は、A方向から見た構造と対称なものであることから図示していない。
【0189】
実施形態5の取付器具500における第1の部品510は、実施形態4の第1の部品410におけるパネル載置部413に代えて、その裏面側に傾斜突起13eが形成されたパネル載置部513を備えたものであり、その他の構成は実施形態4の第1の部品410と同一構成である。ここで、パネル載置部513は、裏面側に傾斜突起13eが形成されている点以外は、実施形態4のパネル載置部413と同一の構成を有する。
【0190】
(第2の部品520)
図29は、
図26(b)に示す取付器具の第2の部品520の具体的構造を説明するための図であり、
図29(a)~
図29(e)はそれぞれ
図26(b)に示す第2の部品520をA方向~E方向から見た構造を示し、
図29(f)および
図29(g)はそれぞれ、
図29(a)のF29部分およびG29部分を拡大して示す。なお、
図29では、
図26(b)に示す第2の部品520をF方向から見た構造は、A方向から見た構造と対称なものであることから図示していない。
【0191】
実施形態5の取付器具500における第2の部品520は、実施形態4の第2の部品420におけるつば当接部423に代えて、第1の部品510のパネル載置部513に形成された傾斜突起13eと当接する傾斜係合片23bを有するつば当接部523を備えたものであり、その他の構成は実施形態4の第2の部品420と同一構成である。ここで、つば当接部523は、傾斜係合片23bが形成されている点以外は、実施形態4のつば当接部423と同一の構成を有する。
【0192】
次に、実施形態5の取付器具500を、第1の部品510と第2の部品520とを連結して組み立てる作業を説明する。
【0193】
この作業では、第1の部品510のパネル載置部513の係合穴13dに第2の部品520のつば当接部523の係合片23aを挿入する際には、第1の部品510に対する第2の部品520の姿勢を、つば当接部523の傾斜係合片23bがパネル載置部513の係合突起13eに干渉しない姿勢に保ち、第1の部品510のパネル載置部513の係合穴13dに斜め下方から第2の部品520のつば当接部523の係合片23aを、つば当接部523の上端がパネル載置部513の下面に当接するまで挿入する。ここで、つば当接部523の傾斜係合片23bがパネル載置部513の係合突起13eに干渉しない姿勢は、第1の部品510と第2の部品520との離間距離が両部品の下端側で上端側に比べて広がった姿勢である。
【0194】
その後、第1の部品510に対する第2の部品520の姿勢を、パネル載置部513の当接片13eとつば当接部523の係合突起23bとが係合する姿勢に変更した状態で、第1の部品510および第2の部品520に締付ボルトBtおよび締付ナットNtを装着する。ここで、パネル載置部513の係合突起13eとつば当接部523の傾斜係合片23bとが係合する姿勢は、
図26(a)に示すように、第1の部品510の基部10cと第2の部品520の基部20cとが平行になるように第1の部品510と第2の部品520とが対向する姿勢である。
【0195】
この状態では、締付ボルトBtから締付ナットNtが外れない限り、パネル載置部513の係合突起13eとつば当接部523の傾斜係合片23bとの係合が外れることはなく、第1の部品510と第2の部品520との相対的な回転も阻止される。
【0196】
このような構成の実施形態5の取付器具500では、第2の部品520のつば当接部523の先端に形成された係合片23aと、第1の部品510のパネル載置部513に形成された係合穴13dとが係合することで、締結手段による締結方向を横切る方向での第1の部材510と第2の部材520との相対移動が規制されるので、第1の部品510および第2の部品520に対して、これらの部品がハゼHの長手方向に相対的にずれるような力が働いた場合でも、締結手段である締結ボルトBtに負荷がかかるのを回避することができる。
【0197】
さらに、第1の部品510と第2の部品520とが締結手段により連結された状態では、パネル載置部513の裏面側に形成された傾斜突起13eとつば当接部523に形成された傾斜係合片23bとが当接することにより、第2の部品520のつば当接部523の係合片23aと第1の部品510のパネル載置部513の係合穴13dとの係合が外れないようにしたので、第1の部品510と第2の部品520との締結手段による仮止め状態で締結手段を緩めても、第1の部品510と第2の部品520とが回転することはない。
【0198】
従って、取付器具をハゼ式折板屋根Rに取り付ける際に第1の部品510と第2の部品520との仮止め状態の締結手段を緩めても、第1の部品510と第2の部品520との相対的な回転が生ずることはなく、第1の部品510と第2の部品520との位置関係が、それぞれの挟持片10a、10bの先端部11、21同士が対向していない施工しにくい状態になることはない。
【0199】
なお、実施形態5の取付器具500では、パネル載置部513の傾斜突起13eとつば当接部523の傾斜係合片23bとの係合および係合解除は、第1の部品510に対する第2の部品520の姿勢の変化により行うようにしているが、パネル載置部513の傾斜突起13eとつば当接部523の傾斜係合片23bとの係合および係合解除の方法はこれに限定されるものではない。
【0200】
例えば、パネル載置部513の傾斜突起13eとつば当接部523の傾斜係合片23bのうちの少なくとも一方を弾性変形可能に構成し、パネル載置部513の傾斜突起13eとつば当接部523の傾斜係合片23bとの係合および係合解除が、パネル載置部513の傾斜突起13eとつば当接部523の傾斜係合片23bとの当接による弾性変形により行われるようにしてもよい。
【0201】
具体的には、第1の部品510のパネル載置部513の係合穴13dに斜め下方から第2の部品520のつば当接部523の係合片23aを、つば当接部523の傾斜係合片23bの先端がパネル載置部513の傾斜突起13eの先端に当接するまで挿入し、さらに、つば当接部523の傾斜係合片23bおよびパネル載置部513の傾斜突起13eの少なくとも一方(例えば、傾斜突起13e)を弾性変形させて係合片23aを係合穴13dに押し込む。これにより、傾斜係合片23bが傾斜突起13eとパネル載置部513の裏面との間に押し込まれる。その結果、第1の部品510と第2の部品520とは、傾斜突起13eと傾斜係合片23bとの当接により嵌合状態となる。
【0202】
この場合は、第1の部品510および第2の部品520に装着されている締結部材が外れても、パネル載置部513の傾斜突起13eとつば当接部523の傾斜係合片23bとの係合は維持され、第1の部品510に対する第2の部品520の相対的な回転を防止できる。
【0203】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0204】
本発明は、取付器具の分野において、支持部材の突出部を取付器具の一対の挟持片により挟持することにより取付器具が支持部材に固定されたとき、突出部の傾斜の影響が、取付器具に取り付けられる被取付部材に及ぶのを低減することができる取付器具を実現することができるものとして有用である。
【符号の説明】
【0205】
1、1b~1i ハゼ掴み部
10a、210a 第1の挟持片
10b、210b パネル支持片
10c、20c 基部
11、21 先端部
11a、21a 対向面
11b、21b 凸部
11c 転倒抑止片
12、22 先端部支持部
12a 傾斜規制片
13 パネル載置部
13a つば部
13b ボルト保持片
13c 固定ボルト穴
14 載置部支持部
15、25 側壁
15a、25a 締結ボルト穴
15b 線状突起
20a、220a 第2の挟持片
20b 載置部支持片
23 つば当接部
24 当接部支持部
100、200、300、400、500 取付器具
110、210、310、410、510 第1の部品
120、220、320、420、520 第2の部品
Bf 固定ボルト
Bt 締結ボルト
Nf 固定ナット
Nt 締結ナット
R ハゼ式折板屋根
S ソーラーパネル
Sw スプリングワッシャー
W 平座金