IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ピーケアの特許一覧

<>
  • 特許-飲食店舗システム 図1
  • 特許-飲食店舗システム 図2
  • 特許-飲食店舗システム 図3
  • 特許-飲食店舗システム 図4
  • 特許-飲食店舗システム 図5
  • 特許-飲食店舗システム 図6
  • 特許-飲食店舗システム 図7
  • 特許-飲食店舗システム 図8
  • 特許-飲食店舗システム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】飲食店舗システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20220823BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20220823BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20220823BHJP
   G06Q 10/04 20120101ALI20220823BHJP
【FI】
G06Q50/12
G07G1/12 361C
G06Q10/02
G06Q10/04
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018086071
(22)【出願日】2018-04-27
(65)【公開番号】P2019192056
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】517032783
【氏名又は名称】株式会社ピーケア
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂戸 孝志
【審査官】新里 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-053850(JP,A)
【文献】特開2002-063637(JP,A)
【文献】特開2003-099855(JP,A)
【文献】国際公開第2016/121174(WO,A1)
【文献】特開2009-009231(JP,A)
【文献】特開2005-338993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
会員に飲食物を提供する会員制の飲食店舗システムであって、
店舗と、
前記店舗内に設けられ、会員に対して飲食物をセルフサービス形式で提供する装置である飲食物提供部と、
前記店舗内を撮影するカメラと、
前記飲食物提供部から会員への飲食物提供を含むサービスを管理するサービス管理システムと、
を備え、
前記サービス管理システムは、
演算装置と主記憶装置と補助記憶装置とユーザインターフェース装置と入出力インターフェース装置および通信インターフェース装置を備えるコンピュータのハードウェア資源と、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを備えるソフトウェア資源とを利用することにより複数の所定の機能を実現するコンピュータシステムであって、
前記複数の所定の機能のうちの一つの所定の機能であり、会員情報を管理する会員管理部と、
前記複数の所定の機能のうちの他の一つの所定の機能であり、前記カメラからの画像データを解析処理する画像処理部と、
前記所定の機能のうちのさらに別の一つの所定の機能であり、前記飲食物提供部から会員へ提供された飲食物の内容を管理する飲食物管理部と、
前記所定の機能のうちのさらに他の一つの機能であり、会員へ提供するサービスに必要な情報処理を実行するサービス処理システムと、有しており、
入店者が会員であるかを前記会員管理部により判定し、
入店者が会員であると判定された場合には、所定時間のサービス利用を許可するサービス権を前記サービス処理システムから発行し、
前記サービス処理システムは、前記所定時間が到来した会員に対して退出を要請し、
前記サービス処理システムは、前記店舗外の会員から予約の問合せがあった場合には、会員への飲食物の提供内容と会員の過去の飲食履歴とに基づいて、会員の飲食状況を予測し、予測結果に基づいて会員が店舗から退出する可能性を予測し、
前記サービス処理システムは、前記予測された退出時刻に基づいて、前記予約の問合せに係る会員に対して予約の可否を通知し、
前記サービス処理システムは、前記カメラの撮影した画像データを、前記店舗を利用する者のサービス利用態度を事前に学習した複数階層のニューラルネットワークに通すことにより、会員の飲食態度を判定し、
前記サービス処理システムは、前記判定された会員の飲食態度および前記飲食状況に基づいて、会員のランクを算出し、算出されたランクに基づいて会員へのサービス還元内容を設定し、
前記サービス処理システムは、共通の紹介者の有無、共通の時間帯でサービスを利用した回数、SNS(Social Networking Service)でのつながりの有無、職業の共通性の所定の複数の観点に基づいて、前記店舗外の会員と店舗内の会員との関係性を示す関係性情報を算出して前記店舗外の会員へ提供する
食店舗システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店舗システムおよび飲食店舗のサービス管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般の飲食店では、客が来店し、メニューを見て店員に注文し、店員が注文品を用意して客に提供し、店員が料金を計算し、客が支払い、店員が支払いを受け取る。店舗には、このような多くの作業をこなせる人数の店員が必要であり、それに伴うコストや管理業務も大きい。
【0003】
これとは対極に位置するのが、自動販売機店舗である。そこには、自動販売機とテーブルやイスが存在するのみで、店員はいない。そのため、自動販売機店舗で受けられる飲食物提供サービスの質は、一般の飲食店と比較してきわめて貧弱である。飲食店における自動化に関連したコンピュータ利用システムも知られている(特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-207065号公報
【文献】特開2016-38814号公報
【文献】特開2002-123587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1,2は、店舗における客からの発注と店員の受注の自動化に関わるものである。特許文献3は、客の商品購入に伴う制限の自動制御に関するものである。
【0006】
これらの公知技術を飲食店に適用した場合、まだかなりの人数の店員が必要である。そこで、飲食店のサービス品質をできるだけ高く維持しつつ、店員人数をより大きく削減することが望まれる。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、その目的は、質を維持しつつ効率的にサービスを提供できるようにした飲食店舗システムおよび飲食店舗のサービス管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、本発明の一つの観点に従う飲食店舗システムは、会員に飲食物を提供する会員制の飲食店舗システムであって、店舗と、店舗内に設けられ、会員に対して飲食物をセルフサービス形式で提供する飲食物提供部と、店舗内を撮影するカメラと、飲食物提供部から会員への飲食物提供を含むサービスを管理するサービス管理システムと、を備える。
【0009】
サービス管理システムは、会員情報を管理する会員管理部と、カメラからの画像データを解析処理する画像処理部と、飲食物提供部から会員へ提供された飲食物の内容を管理する飲食物管理部と、有しており、入店者が会員であるかを会員管理部により判定し、入店者が会員であると判定された場合には、所定時間のサービス利用を許可するサービス権を発行し、所定時間が到来した会員に対して退出を要請し、店舗外の会員から予約の問合せがあった場合には、会員への飲食物の提供内容と会員の過去の飲食履歴とに基づいて、会員の飲食状況を予測し、予測結果に基づいて会員が店舗から退出する可能性を予測し、予測された退出時刻に基づいて、予約の問合せに係る会員に対して予約の可否を通知し、カメラの撮影した画像データに基づいて、会員の飲食態度を判定し、判定された会員の飲食態度および飲食状況に基づいて、会員のランクを算出し、算出されたランクに基づいて会員へのサービス還元内容を設定し、店舗外の会員と店舗内の会員との関係性を示す関係性情報を算出して店舗外の会員へ提供してもよい。
【0010】
本発明の他の一つの観点に従う飲食店舗システムは、店舗と、店舗内に設けられ、飲食物を会員へ提供する飲食物提供部と、飲食物提供部から会員への飲食物提供を含むサービスを管理するサービス管理システムと、を備え、サービス管理システムは、会員に対応付けられるサービス管理情報に応じて、会員へ提供するサービスの内容を管理する。
【0011】
サービス管理システムは、飲食物提供部から会員へ提供された飲食物の内容を検出して記憶してもよい。
【0012】
サービス管理システムは、会員への飲食物の提供内容と会員の過去の飲食履歴とに基づいて、会員の現在の飲食状況を予測し、予測結果に基づいて会員が店舗から退出する可能性を算出してもよい。
【0013】
店舗には、店舗内を撮影するカメラが設けられており、サービス管理システムは、カメラの撮影した画像データに基づいて、会員の飲食態度を判定してもよい。
【0014】
サービス管理システムは、会員の飲食態度および飲食状況に基づいて、会員のランクを算出し、算出されたランクに基づいて会員へのサービス還元内容を設定してもよい。
【0015】
サービス管理システムは、入店予約を希望する予約会員と店舗内の会員との関係性を示す関係性情報を算出して予約会員へ提供してもよい。
【0016】
本発明のさらに別の一つの観点に従うサービス管理システムは、会員制飲食店舗の提供するサービスを管理するサービス管理システムであって、会員に対応付けられるサービス管理情報に応じて、飲食物提供部から会員への飲食物提供を含むサービスの内容を管理し、飲食物提供部から会員へ提供された飲食物の内容を検出して記憶する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、飲食物を会員に対してセルフサービス形式で提供し、会員への飲食物提供を含むサービスを管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】飲食店舗システムの全体構成を示す説明図である。
図2】管理テーブルの構成例である。
図3】飲食店舗システムの全体の流れを示すフローチャートである。
図4】会員へ提供される飲食物を管理する処理を示すフローチャートである。
図5】予約処理を示すフローチャートである。
図6】入店済み会員が店舗から退出する可能性を予測する処理を示すフローチャートである。
図7】会員ランクを設定する処理および会員の飲食態度を監視する処理を示すフローチャートである。
図8】第2実施例に係り、店舗外の会員に対して、店舗内の会員との関係性を示す情報を提供する処理のフローチャートである。
図9】第3実施例に係り、複数の飲食店舗をクラウドサービスで管理する様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態では、以下に述べるように、会員(およびその同伴者)が交流可能な空間を提供する。本実施形態では、仕事帰りの会員、会合終了後の会員が気軽に立ち寄って自由に交流することができる会員制のサロンのような空間を提供することができる。会員同士が交流可能な空間では、飲み物または食べ物のいずれか一つを店舗内で提供することができる。飲み物または食べ物のいずれかまたは両方について、会員による持ち込みを認めることもできる。本実施形態に係るシステムは、例えば、マッサージ、サウナ、銭湯、理髪店、美容院、語学教室、スポーツジムのような、飲食物提供以外のサービスにも適用可能である。これら飲食店舗以外のサービスにも本実施形態を適用する場合、例えば「飲食店舗」を「店舗」に、「飲食物提供部」を「サービス提供部」に変更すればよい。
【0020】
会員になるためには、所定の条件を満たすことが求められることがある。一例として、所定数の既存会員の紹介がある場合には、会員として認められる。既存会員による紹介に代えて、例えば、学校または企業などの所定の組織の出身者、所定の組織に属している者、所定地域の住人、入会試験に合格した者を会員になるための条件としてもよい。
【0021】
会員には、例えば、数ヶ月以上の長期間にわたって会員資格を持つ者のほかに、数時間程度の短期間だけ一時的に会員資格を持つ者も含む。例えば、本実施形態に係るシステムでは、会員が連れてきた非会員の同伴者を一時的会員として扱うことができる。
【0022】
本実施形態に係る飲食店舗システムは、会員が気軽に立ち寄って飲食し、他の会員と交流の機会を得る。本実施形態に係る飲食店舗システムでは、セルフサービスを基本とするため、店員が配置される場合でもその数は少ない。したがって、飲食店舗システムは、効率的に運営される。少数の店員とは、例えば、飲食店舗のサービスを受けることが可能な定員の数に比べて(あるいは店舗面積に比べて)少数という意味である。本実施形態における少数の店員とは必ずしも一人であるとは限らず、複数人の場合もある。
【0023】
本実施形態では、会員は、基本的にセルフサービス形式でサービスを利用するが、全てのサービス利用がセルフサービス形式である必要はない。所定の条件を満たす場合、店員が会員に対して一部のサービスを提供してもよい。例えば、障害を持つ会員に対する飲食物の提供等である。
【0024】
店舗内にはカメラを設けることができる、カメラにより会員の行動などを撮影して、解析することができる。カメラの存在が会員に対して明示的に示されることは、店舗内の秩序維持に役立つ。一部のカメラは会員が確認できるように設置し、他の一部のカメラは会員に隠して設置することもできる。カメラの撮影した画像データを解析することにより、会員の飲食態度を判定することができる。カメラには、音声を検出するマイク機能を設けてもよい。店舗内の音声を収集して解析することにより、店舗内の会員の言動を解析することもできる。画像と音声の両方を用いて会員の言動を解析することもできる。
【0025】
会員には、予め設定された所定の指標に基づいてランクを設定することもできる。所定の指標としては、例えば、店舗予約の履行率、予約キャンセル率、退出要請を受けてから実際に店舗を退出するまでに要した時間、支払いの履行率、他会員とのトラブルの有無、店舗の利用回数、店舗の利用時間、延長回数等を挙げることができる。
【0026】
会員のランクは、会員自身の行動から算出されるほか、その会員に同伴する非会員の行動によっても影響を受ける場合がある。同伴者のサービス利用態度(例えば飲食態度)が悪い場合、その同伴者を連れて入店した会員のランクが低下する可能性がある。さらに、会員が紹介した他の会員のサービス利用態度が悪い場合、紹介者である会員のランクが低下する可能性がある。逆に、同伴者や被紹介者のサービス利用態度が良い場合、会員のランクを上げることもできる。
【0027】
会員には、会員ランクに応じて所定のサービスが還元される。還元されるサービスとしては、例えば、キャッシュバック、店舗を利用するサービス権の割引販売または無料販売、一つのサービス権によるサービス利用時間の延長、同伴可能人数の増加、ウエルカムドリンクまたはつまみなどの特定の飲食物の提供、特定の座席の優先的な使用、セルフサービスを基本とする店舗内での店員による接客サービスなどが考えられる。これらの会員ランクに応じた特別なサービスは例示的に列挙されたものであり、上記の例以外のサービスでもよい。以下の説明でも同様である。
【0028】
飲食店舗の外にいる会員が店舗の利用を予約する場合、本実施形態に係る飲食店舗システムは、予約を希望する会員の到着予定時刻における店舗内の会員数を予測する。飲食店舗システムは、店舗内の会員への飲食物の提供内容と会員の過去の飲食履歴とに基づいて、店舗内の会員の飲食状況を予測し、その予測結果に基づいて会員が店舗から退出する可能性を予測する。本実施形態に係る飲食店舗システムは、会員の退出時刻を予測し、その予測結果に基づいて予約を受け付けるか判断する。
【0029】
本実施形態に係る飲食店舗システムは、予約を希望する会員の信頼性(予約の約束を守って来店する可能性)についても予測し、その予測結果を利用して予約を受け付けるか判断したり、予約時刻を決定したりすることもできる。
【0030】
本実施形態に係る飲食店舗システムは、店舗の外にいる会員に対して、店舗の中にいる会員との関係性を示す情報を提供することもできる。例えば、店舗内の会員の中に店舗外の会員と親しい会員がいる場合、または、店舗内の会員の中に店舗外の会員と同一の会員から紹介された会員がいる場合、または、店舗内の会員の中に店舗外の会員が事前に指定した会員が含まれている場合などに、関係性が高いと判断することができる。会員は、例えば、尊敬する会員、親しくなりたい会員、信頼している会員など特定の会員を事前に指定することができる。例えば、会員の氏名または属性(職業、サービス利用頻度等)を特定することで、特定の会員を指定することができる。
【0031】
本実施形態に係る飲食店舗システムは、飲食店舗の提供するサービスを管理するサービス管理システムとして理解することもできるし、あるいは、飲食店舗の提供するサービスを計算機により管理するサービス管理方法として理解することもできるし、あるいは、サービス管理方法を計算機で実現するためのコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラムを記録した記録媒体として理解することもできる。
【実施例1】
【0032】
図1図7を用いて第1実施例を説明する。図1は、飲食店舗システム1の全体構成を示す説明図である。
【0033】
飲食店舗システム1は、例えば、店舗10とサービス管理システム20を含む。店舗10は、例えば、一軒家または集合住宅内の一室でもよいし、通常の店舗のように構成されてもよい。
【0034】
本実施例に係る飲食店舗システム1は会員制のため、会員41が出入り口11から店舗10内に入るためにはドアロック装置11Aを解錠する必要がある。本実施例では、会員41は電子媒体42を所持しており、その電子媒体42に記録された情報をサービス管理システム20の会員管理部22へ伝えることにより、店舗10内に入室できる。
【0035】
電子媒体42としては、例えば、ICカード、携帯電話(いわゆるスマートフォンを含む)、携帯情報端末(いわゆるウエアラブル端末、タブレット端末を含む)、ICタグのような、情報を保持する手段と、保持された情報を外部へ送出する手段とを備える装置を用いることができる。
【0036】
会員であることを示す情報を会員からサービス管理システム20へ伝える別の方法として、生体認証情報を用いてもよい。例えば、会員の顔、指紋、掌紋、静脈パターン、虹彩、声紋、ゼスチャーの仕方、歩き方、話し方などの情報を一種の鍵として使用することもできる。セキュリティ性をそれほど重視しない場合は、例えば、パスワードまたは会員名のいずれかまたは両方を照合することにより、会員であるか否か判定してもよい。
【0037】
電子媒体42に代えて、例えば、磁気テープに情報が固定された樹脂製のカード、メカニカルキー等を用いてもよい。会員証を店舗端末15に読み取らせたり、店員51に提示したりして、会員であることを示してもよい。会員のランクに応じて会員であることの証明方法を変えることもできる。さらに、あらかじめ用意された複数の方法のいずれか一つまたは全てを用いることにより、会員であることを証明する構成でもよい。
【0038】
店舗10には、例えば、テーブル12、カウンターテーブル12A、椅子13、飲食物提供部14、店舗端末15、無線通信装置16、監視カメラ17、ディスプレイ18等が配置されている。図示は省略するが、店舗10は、例えばトイレ、化粧室、厨房、倉庫のような設備を備えてもよい。それらの設備の一部または全部は、店舗10の外部に設けられてもよい。
【0039】
飲食物提供部14は、店舗10内の会員(同伴者を含む)に対して飲食物を提供する機器、装置である。飲食物提供部14は、例えば、飲み物提供部141と、食べ物提供部142とに分けて考えることができる。飲み物提供部141は、例えば、緑茶、ほうじ茶、麦茶、紅茶、烏龍茶、珈琲、ココア、ミルク、ジュース等のノンアルコール飲料、ビール、ウィスキー、ワイン、日本酒、焼酎といったアルコール飲料を提供する。食べ物提供部142は、例えば、つまみ、スナック菓子、食事といった食べ物を提供する。
【0040】
飲食物提供部14による飲食物の提供は、店舗運営の省力化を図るためにセルフサービスを基本とする。これに代えて、例えば高級な酒または珍味など一部の飲食物の提供を店員51が行ってもよい。
【0041】
店舗端末15は、店舗10に設置されたコンピュータ端末であり、サービス管理システム20に通信可能に接続されている。店舗端末15は、店員51が操作してもよいし、会員41が操作してもよい。店舗端末15には、例えば、会員ID(識別情報をIDと略記する)と、同伴者の人数(または同伴者の氏名)とが入力される。店員51は、店舗端末15を用いて、飲食物の在庫を発注することもできる。
【0042】
無線通信装置16は、会員41の持つ電子媒体42と無線通信する装置である。会員管理部22は、電子媒体42に記録された情報の一部または全部を無線通信装置16を介して取得することができる。無線通信装置16は、例えば、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)のような無線通信規格に基づいて、電子媒体42と通信する。無線通信装置16は、店舗10内に一つまたは複数設けることができる。電波に代えて赤外線通信を利用してもよい。
【0043】
監視カメラ17は、例えば、店舗10の天井または壁に設置されており、店舗10内の様子を撮影する。監視カメラ17により撮影された画像データは、サービス管理システム20の画像処理部23へ送られて解析される。
【0044】
ディスプレイ18は、例えば店舗10の壁に設置されており、サービス管理システム20で生成された情報が表示される。サービス管理システム20で生成される情報としては、例えば、店舗10の利用上の注意を示すメッセージ、会員を紹介するメッセージ、会員のサービス権の有効時間の表示または退出を促すメッセージ、時間延長を求めるメッセージ、イベントを告知するメッセージなどが考えられる。
【0045】
サービス管理システム20は、店舗10が会員41へ提供するサービスを管理するコンピュータシステムである。サービス管理システム20は、例えば、店舗10内のドアロック装置11A、飲食物提供部14、店舗端末15、無線通信装置16、監視カメラ17、ディスプレイ18と通信経路CN2を介して接続されている。
【0046】
サービス管理システム20は、通信経路CN1を介して決済システム30に通信可能に接続されている。通信経路CN1,CN2は、例えばインターネット、LAN(Local Area Network)、専用回線のように構成される。決済システム30は、例えば、銀行システム、証券会社のシステム、電子通貨決済システム、仮想通貨取引所のシステムのように構成される。サービス管理システム20は、決裁システム30に要求することにより、サービス権の代金の決済を求める。
【0047】
決済方法としては、例えば、クレジットカード決済、いわゆるネットバンキングによる決済、携帯電話のキャリアによる携帯電話料金と一体化させた決済、プリペイドカードによる決済、いわゆる電子マネーによる決済、仮想通貨による決済のいずれでもよい。
【0048】
サービス管理システム20は、一つの計算機から構成されてもよいし、複数の計算機を連携させて構成してもよい。サービス管理システム20は、店舗10の内部に設けてもよいし、店舗10の外部に設けてもよい。一部の計算機を店舗10内に配置し、他の計算機を店舗10の外部に設けてもよい。後述する他の実施例のように、本システム1をいわゆるクラウドサービスとして構成し、一つのサービス管理システム20により複数の店舗10を管理することもできる。さらには、サービス管理システム20は、会員の所持する携帯情報端末等の計算能力の一部を利用してもよい。
【0049】
サービス管理システム20は、例えば、演算装置、主記憶装置、補助記憶装置、ユーザインターフェース装置、入出力インターフェース装置、通信インターフェース装置、内部バスといったコンピュータのハードウェア資源(いずれも不図示)と、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムといったソフトウェア資源(いずれも不図示)とを利用することにより、所定の機能21~24を実現する。
【0050】
サービス処理システム21は、店舗10から会員41へ提供するサービスに必要な処理を実行する機能である。サービス処理システム21は、例えば、サービス権管理部211と、判定部212とを含む。
【0051】
サービス権管理部211は、店舗10を利用するためのサービス権の有効性を管理する機能である。本実施例では、サービス権は電子的な存在として、つまり、情報として構成されている。サービス権には、例えば、利用可能な時間が規定される。サービス権には、利用可能な時間および人数の両方が規定されてもよい。会員は、サービス権で許可された人数(一回の利用で許可された合計人数)まで、同伴者を店舗10へ連れてくることができる。本実施例では、サービス権の有効性を時間で管理する場合を述べる。これに代えて、サービス管理システム20に設けられた図示せぬカウンタの値を用いてもよい。
【0052】
判定部212は、例えば、飲食物提供部14から会員41へ提供された飲食物の種類および量の判定、会員41の飲食状況の判定、会員41の飲食態度の判定などを実行する機能である。判定部212は、事前に設定される判定条件を積み重ねたコンピュータプログラムとして構成してもよい。あるいは、入力データを複数階層のニューラルネットワークに通すことにより自動的に判定結果を推論または学習する人工知能を用いることにより、判定部212を生成してもよい。人工知能はサービス管理システム20内に設けられてもよいし、サービス管理システム20の外部に設けられてもよい。
【0053】
会員管理部22は、店舗10を利用する会員41の情報(会員情報)を管理する機能である。会員管理情報については図2で後述する。会員管理部22が会員であることを認証すると、会員41は店舗10を利用したり予約したりすることができる。
【0054】
画像処理部23は、監視カメラ17で撮影した画像データを解析する機能である。画像データには、例えば、店舗10内に位置する会員41の位置、形状および動き、会員41が飲食物提供部14で飲食物を取得する際の映像などが含まれている。画像処理部23による解析結果はサービス処理システム21に送られて、判定部212により飲食状況や飲食態度が判定される。飲食状況とは、会員41の体の状態、すなわちどの程度満腹であるか、体内のアルコール濃度がどの程度であるかといった情報である。飲食態度とは、店舗10を利用する態度、マナーの程度を示す情報である。サービス利用態度と呼ぶこともできる。例えば、サービス管理システム20から要請された時刻と実際の退出時刻との差、所定値以上の大声を所定時間以上連続して発した回数、他の会員との物理的接触回数、所定の単語の発声回数などに基づいて、飲食態度を判断することができる。人工知能を用いる場合は、より細やかに判断することができるであろう。
【0055】
飲食物管理部24は、飲食物提供部14から会員41へ提供される飲食物を管理する機能である。例えば、ビールサーバに流量センサやリミットスイッチを設けることにより、ビルサーバから流出するビールの量やビールサーバの作動回数を計測できる。つまみを食品棚に収容し、食品棚の扉のドアスイッチの信号からつまみが取り出された回数を計測することができる。あるいは、食品棚に重量計を設置し、その値から取り出されたつまみの量を算出することもできる。
【0056】
飲食物提供部14から飲食物を取得する会員41の挙動を監視カメラ17で撮影し、その撮影した画像データを解析することにより、どの会員41がいつどのような飲食物をどれだけ取り出したかを判定できる。さらに、会員41の飲食動作を監視カメラ17で撮影し、その撮影した画像データを解析することにより、実際の飲食した量を追跡調査することもできる。
【0057】
会員41が電子媒体42または店舗端末15を介して、飲食物提供部14から取り出した飲食物の種類および量を、自己申告でサービス管理システム20へ入力できるようにしてもよい。図示せぬセンサ、監視カメラ17、自己申告のいずれか複数を組み合わせて、会員41へ提供された飲食物の内容を判断してもよい。
【0058】
図2を用いて、サービス管理システム20で使用する管理テーブルT1~T3の一例を説明する。図2に示す管理テーブルは、サービス管理システム20で使用するテーブルの一部であり、構成を簡略化して示している。したがって、実際にサービス管理システム20で使用されるテーブルの構成とは異なる場合がある。
【0059】
会員情報管理テーブルT1は、会員41の情報を管理するテーブルである。会員情報管理テーブルT1は、会員管理部22により管理される。
【0060】
会員情報管理テーブルT1は、例えば、会員ID C11と、氏名C12と、連絡先C13と、紹介者ID C14と、決済手段C15と、会員ランクC16と、サービス利用履歴C17とを対応付けて管理する。
【0061】
会員情報テーブルT1は、上述した各項目C11~C17の全てを備える必要はないし、図2に示されていない新たな項目を含んでもよい。例えば、後述するように、会員情報管理テーブルT1は、会員の飲食態度を数値化した情報を含んでもよい。一つの項目を複数の項目に分けて管理してもよい。会員情報テーブルT1を複数のテーブルから構成して連携させてもよい。他のテーブルT2,T3についても同様に、複数のテーブルを連携させて仮想的に一つの管理テーブルを構成してもよいし、一つの項目を複数の項目にしてもよいし、図示された項目のいくつかを削除したり変更したりしてもよいし、図示されていない新たな項目を追加してもよい。
【0062】
会員ID C11は、各会員をサービス管理システム20が一意に識別するための情報である。氏名C12は、会員の氏名である。連絡先C13は、会員の連絡先(例えば、電話番号、住所、電子メールアドレスなど)である。さらに、性別、身長、体重、勤務先名、所属部署、職種、役職、家族構成といった項目を必要に応じて追加してもよい。
【0063】
紹介者ID C14は、会員ID C11で特定される会員を飲食店舗システム1に紹介した会員の会員IDである。紹介者が複数いる場合、いずれか一人の紹介者の会員IDを登録してもよいし、紹介者の全員または複数の会員IDを登録してもよい。
【0064】
決済手段C15は、会員ID C11で特定される会員の決済方法(口座名、口座番号など)を記憶する。
【0065】
会員ランクC16は、会員ID C11で特定される会員の、飲食店舗システム1の提供するサービス上での位置づけ、顧客ランクを示す。本実施例では、会員ID C11で特定される会員を会員本人と呼ぶ。飲食店舗システム1が会員に提供するサービスを本サービスと呼ぶ。
【0066】
会員ランクC16は、例えば、会員本人のサービス利用頻度、利用金額、本サービスへ紹介した会員の数、飲食態度などの本人の行動に基づいて設定することができる。さらに、会員本人が本サービスへ紹介した会員(被紹介者)の行動を考慮して、会員本人のランクを設定することもできる。例えば、被紹介者が本サービスに対して貢献した場合には、紹介者である会員本人のランクを上げることができる。逆に、被紹介者が本サービスに対して悪影響を与えた場合には、紹介者である会員本人のランクを下げてもよい。
【0067】
会員は、その会員ランクに応じて、所定数までの非会員を招待可能としてもよい。例えば、会員ランクの高い会員は、複数人の非会員を本サービスの利用者として招待することもできる。
【0068】
「サービス管理情報」の一例であるサービス利用履歴C17は、会員本人およびその同伴者による本サービスの利用履歴を記憶する。サービス利用履歴C17は、例えば、利用日時、飲食内容、同伴者数などの情報を保持することができる。
【0069】
なお、図2に示すサービス利用履歴C17では、ある日のサービス利用の全体をまとめて履歴を管理するかのように示しているが、これに代えて、飲食物を取得するたびに履歴C17のレコードを追加する構成でもよい。この場合は、より細やかに会員によるサービスの利用状況を管理することができる。
【0070】
サービス権有効性管理テーブルT2は、本サービスを利用するための権利情報を管理するテーブルである。サービス権有効性管理テーブルT2は、サービス権管理部211により管理される。
【0071】
サービス権有効性管理テーブルT2は、例えば、チケットID C21、利用者ID C22、購入者ID C23、発行日時C24、使用開始時刻C25、残時間C26、延長回数C27を含む。
【0072】
チケットID C21は、本サービスを利用するための権利(サービス権)を特定する情報である。サービス権は、物理的実体を持つ存在であってもよいし、物理的実体を持たないデータであってもよい。例えば、紙や樹脂からなるカードにチケットIDを文字またはバーコードの形態で印刷しておき、店舗端末15に接続されたカメラまたはバーコードリーダを用いてカードに記録された情報を読み取る構成でもよい。あるいは、チケットIDを磁気信号としてカードに記録してもよい。これらに対し、物理的実体を持たせずに、サービス管理システム20上でのみサービス権を管理してもよい。例えば、会員41は、店舗端末15またはインターネット上の会員サイトなどでサービス権を情報として買い求めることができる。
【0073】
利用者ID C22は、サービス権を利用する会員のIDである。購入者ID C23は、サービス権を購入した会員のIDである。すなわち、サービス権の購入者と使用者とは異なってもよい。例えば、購入者は、チケットIDの情報を使用予定者に対して、電子メールなどの通信手段を用いて送ることができる。電子メール以外に、例えば、チャット、メッセージアプリケーション、USBメモリなどを用いてチケットIDを移転させることができる。
【0074】
発行日時C24は、サービス権が発行された日時である。使用開始時刻C25は、サービス権の使用が開始された時刻である。残時間C26は、サービス権を使用可能な残り時間である。延長回数C27とは、サービス権が延長された回数または時間である。なお、延長に代えて、サービス権をあらためて発行してもよい。
【0075】
飲食物提供情報管理テーブルT3は、飲食物提供部14から会員へ提供された飲食物を管理するテーブルである。飲食物提供情報管理テーブルT3は、飲食物管理部24により管理される。
【0076】
飲食物提供情報管理テーブルT3は、例えば、飲食物ID C31、商品名C32、在庫管理日C33、在庫C34、入庫C35、出庫C36、利用者ID C37、人気度C38、発注先C39を含む。
【0077】
飲食物ID C31は、飲食物を識別する情報である。商品面C32は、飲食物の名称である。在庫管理日C33、在庫C34、入庫C35、出庫C36は、在庫管理テーブルを構成する。本実施例では、説明の便宜上、飲食物提供情報管理テーブルT3の中に在庫管理テーブルを組み込んでいるが、飲食物提供情報管理テーブルT3と在庫管理テーブルとを別々に設け、両テーブルを連携させてもよい。
【0078】
在庫管理日C33は、飲食物の在庫を管理する日である。在庫C34は、在庫管理日C33における飲食物の初期在庫数である。入庫C35は、飲食物ID 31で特定される飲食物が在庫管理日C33で特定される日に入庫した数である。同様に、出庫C36は、会員へ提供された飲食物の数(出庫数)である。
【0079】
利用者ID 37は、飲食物が提供された会員のIDである。飲食物を飲食物提供部14から取り出した会員と、その飲食物を実際に消費する会員とは異なる場合もある。そこで、飲食物の消費状況を正確に判定するために、例えば、飲食物を提供するための容器にRFID(Radio Frequency IDentifier)タグのような飲食物IDを発信する情報発信装置を取り付けてもよい。情報発信装置から取得する飲食物IDと、容器を所持する会員の電子媒体42から取得する会員IDとを対応付けることにより、どの会員が何を飲食したか追跡することができる。なお、会員の特定には、電子媒体42から取得する会員IDに代えて、監視カメラ17による会員の顔画像解析等を用いてもよい。
【0080】
人気度C38は、飲食物ID C31で特定される飲食物の人気度を示す。例えば、所定期間内の合計消費量または消費量の増加傾向などから算出することができる。発注先C39は、飲食物の発注先を示す。
【0081】
図3を用いて、飲食店舗システム1が会員へ提供するサービス処理を説明する。サービス管理システム20の会員管理部22は、店舗10の来店者を検出すると(S11:YES)、会員認証を行う(S12)。
【0082】
会員が来店したか否かの判定は、例えば、会員が出入り口11の図示せぬドアベルの作動状態、会員の所持する電子媒体42と無線通信装置16との通信状態、監視カメラ17の画像データに新たに入室した会員が写された場合、新たに入室した会員の音声が図示せぬ音声認識部により検出された場合、を挙げることができる。会員であるかを認証する方法としては、上述のように例えば、ユーザ名およびパスワードが登録済みのユーザ名およびパスワードに一致するか、生体認証情報が登録済みの生体認証情報に一致するか、を挙げることができる。
【0083】
サービス管理システム20は、ステップS11で検出された来店者が会員ではないと判定されると(S13:NO)、サービスの提供を拒否する。例えば、「会員ではない方へサービス提供はできません。お引き取りください」といったメッセージを発信するか、あるいは、店員を通じて拒否させればよい。
【0084】
サービス管理システム20は、来店者が会員であると判定すると(S13:YES)、サービス権を発行し(S15)、サービス権の有効性を管理するためのタイマをスタートさせる(S16)。これにより、ステップS11で検出された会員は、店舗1のサービスを利用でき、飲食することができる。サービス管理システム20は、決済システム30に対してサービス権の代金支払いを求めることができる。
【0085】
サービス管理システム20は、ステップS16でスタートさせたタイマが所定の閾値に達した場合(S17:YES)、そのタイマに対応するサービス権を有する会員に対して、残り時間を通知する(S18)。残り時間とは、現在時刻からサービス権の有効性が切れるまでの時間である。サービス権の残り時間は、例えば、会員IDとメッセージをディスプレイ18に表示させることにより、あるいは、会員の所持する電子媒体42にメッセージを送ることにより、あるいは、店員を介して会員へ口頭で伝えることにより、通知することができる。
【0086】
そして、サービス管理システム20は、サービス権の有効性が延長されたか判定する(S19)。延長には、サービス権の再購入も含む。延長された場合(S19:YES)、ステップS16へ戻ってタイマの値が更新される。
【0087】
サービス管理システム20は、サービス権が延長されなかった場合(S19:NO)、タイムアップしたかを判定する(S20)。つまり、サービス管理システム20は、ステップS15で発行されたサービス権の有効性が切れたか判定する(S20)。
【0088】
タイムアップした場合(S20:YES)、サービス管理システム20は、サービス権の切れた会員に対して、店舗10からの退出を要請する(S21)。この退出要請は、ディスプレイ18に表示されるメッセージ、あるいは、会員の所持する電子媒体42へのメッセージ、あるいは、店員から会員への口頭での案内などを用いることにより、実現することができる。
【0089】
サービス管理システム20は、退出要請を受けた会員が店舗10から退出したか判定する(S22)。会員が退出したかの判定は、会員が来店したかの判定と同様に、会員の画像データ、音声データ、会員の電子媒体42と無線通信装置16との通信状態、店員により目視確認、退店を告げるボタンの操作などで実現することができる。
【0090】
サービス管理システム20は、会員が退店したと判定すると(S22:YES)、会員情報管理テーブルT1およびサービス権有効性管理テーブルT2を更新して、本処理を終了する(S23)。
【0091】
図4は、飲食物提供部14から会員に対する飲食物の提供を管理する処理を示すフローチャートである。飲食物管理部24は、飲食物提供部14から会員へ提供された飲食物の種別を判定する(S31)。
【0092】
飲食物管理部24は、飲み物が会員へ提供されたと判定すると、提供された飲み物の種類および量を検出する(S32)。例えば、飲み物提供部141に設置される飲料供給装置(図示せず)に飲料吐出量を検出するセンサを設けておけば、飲み物の種類と量を検出することができる。
【0093】
飲食物管理部24は、飲み物の提供先の会員を特定する(S33)。例えば、監視カメラ17で飲食物提供部14付近の画像を撮影して解析することにより、どの会員へ飲み物が提供されたか判定することができる。あるいは、飲料供給装置に電子媒体42と通信する装置を設け、電子媒体42から取得する会員IDと飲料供給装置への操作とから飲み物提供先の会員を判定してもよい。あるいは、飲料供給装置に会員IDを入力するための入力装置を設け、会員が会員IDを入力すると飲み物が吐出される構成としてもよい。
【0094】
飲食物管理部24は、どのような飲み物がいつどの会員にどれだけ提供されたかを、飲食物提供情報管理テーブルT3に記憶させる(S34)。さらに、飲食物管理部24は、会員情報管理テーブルT1のサービス利用履歴C17を更新する(S34)。
【0095】
飲食物管理部24は、食べ物が会員へ提供されたと判定すると、ステップS32~S34で述べたと同様に、提供された食べ物の種類と量を検出し(S35)、提供先の会員を特定し(S36)、テーブルT1,T3を更新する(S37)。
【0096】
例えば、食べ物を収容する戸棚にセンサを設けることにより、どの食べ物が取り出されたかを推定することができる。戸棚内に重量センサを設ければ、取り出された量を検出することもできる。取り出された量については、事前に設定された値を用いてもよい。例えば、平均的な会員が一度に取り出す量を実験等で求めておき、その値を用いてもよい。あるいは、戸棚の扉が開いている時間に基づいて、取り出された量を推定してもよい。さらには、戸棚付近(食べ物提供部142付近)の画像を撮影して解析することにより、どの会員が何をどれだけ取り出したかを推定することもできる。
【0097】
図5は、予約受付処理を示すフローチャートである。会員は、携帯電話のような会員端末を用いて、サービス管理システム20の提供する予約画面へログインすることにより、予約が可能であるか問い合わせることができる(S41)。会員端末は電子媒体42であってもよい。会員端末は、予約の問合せに際して、例えば、会員ID、到着予定時刻、予約人数(あるいは同伴者数)をサービス管理システム20へ通知することができる。ここでは、予約人数(会員と同伴者の合計)に符号Nrを与える。
【0098】
サービス管理システム20は、会員端末から予約の問合せを受け取ると、現在店舗10を利用している人数Nc、すなわち本サービスを現在利用している人数を会員情報管理テーブルT1から取得する(S42)。この人数Ncは、本サービスを現在利用している会員の数とそれら会員の同伴者の数との合計である。
【0099】
サービス管理システム20は、会員端末から通知された到着予定時刻までに退出する人数Neを予測する(S43)。退出人数を予測する方法の一例は、図6で後述する。サービス管理システム20は、到着予定時刻において店舗10に在室している人数Nfを算出する(S44)。在室予定人数Nfは、例えば、現在の利用者数Ncから退出予定数Neを差し引き、現在までの間に予約が確定している人数Nroを加えることにより、求めることができる(Nf=Nc-Ne+Nro)。
【0100】
サービス管理システム20は、到着予定時刻において受入れ可能な人数Naを算出する(S45)。到着予定時刻における受入れ可能な人数Naは、例えば、店舗10の最大定員数Nmaxから到着予定時刻における在室予定人数Nfを差し引くことにより、算出することができる(Na=Nmax-Nf)。
【0101】
サービス管理システム20は、到着予定時刻における受入れ可能な人数Naの方が予約問合せに係る人数Nrよりも大きいか判定する(S46)。受入れ可能な人数Naの方が予約人数Nrよりも大きい場合(S46:YES)、サービス管理システム20は、予約を受付可能であると判定し、予約を受け付けた旨を会員端末へ返信する(S47)。
【0102】
ここで、予約を問い合わせた会員の過去のサービス利用履歴や会員ランクなどから、その会員の予約を受け付けるか否かを判断し、受け付けると判断した場合に予約受付を通知するようにしてもよい。例えば、過去に予約を無断でキャンセルしたことがある会員や、飲食態度の悪かった会員などからの予約をできるだけ受け付けないように、制御することができる。
【0103】
受入れ可能な人数Naが予約人数Nrよりも小さい場合(S46:NO)、サービス管理システム20は、予約可能時刻を算出し(S48)、算出した時刻を会員端末へ通知する(S49)。予約可能時刻とは、店舗10内の利用者が減少して受入れ可能な人数Naが予約人数Nrよりも大きくなると予測される時刻である。
【0104】
予約可能時刻の算出に際して、予約を問い合わせた会員の会員ランクやサービス利用履歴を参照し、会員ランクおよび/またはサービス利用履歴に応じて予約可能時刻を調整してもよい。例えば、飲食態度の悪い会員に対しては、算出された予約可能時刻よりも遅い時刻を通知することができる。会員ランクの高い会員に対しては、算出された予約可能時刻よりも速い時刻を通知することもできる。ただし、この場合、現在サービスを利用中の会員の一部(例えば、飲食が足りていると予想される会員、会員ランクの低い会員、過去の飲食態度が所定の基準値以下の会員)に対して退出を強く要請するなどして、受入れ可能な人数Naを増加させる必要がある。
【0105】
図6は、退出予定数Neを算出する処理のフローチャートである。図6の処理は、図5のステップS43に該当する。
【0106】
サービス管理システム20は、現在サービスを利用中の会員IDをサービス権有効性管理テーブルT2から取得する(S61)。そして、サービス管理システム20は、取得した会員IDごとに、後述のステップS63~S68を実行する(S62)。
【0107】
サービス管理システム20は、飲食物提供情報管理テーブルT3を参照し、処理対象の会員IDに対応する会員(以下、対象会員)により消費された飲食物の量を、飲食物の種類ごとに算出する(S63)。サービス管理システム20は、飲食物提供情報管理テーブルT3を参照する(S64)。
【0108】
サービス管理システム20は、ステップS63で算出された対象会員の入店から現在までの飲食状況と、ステップS64で飲食物提供情報管理テーブルT3から得られる過去の飲食履歴とを比較する。これにより、サービス管理システム20は、対象会員が現在時刻から所定時間内に店舗10から退出する可能性EPを算出する(S65)。退出可能性EPとは、対象会員が所定時間内に店舗10から退出する可能性を示す値である。所定時間は、例えば、10分単位、15分単位、20分単位、30分単位、1時間単位等に設定することができる。これら以外の値に設定してもよい。また、時間の経過につれて退出可能性EPが変化する様子を算出してもよい。
【0109】
例えば、対象会員の飲食履歴から、ビールを3杯飲んだ後30分以内に退出する可能性が80%であると計算される場合を考える。対象会員が現在までにビールを3杯飲んでいる場合、今から30分以内に退出する可能性は80%であると予測できる。現在時刻から時間が経過するほど退出可能性EPの値は高くなっていくと考えられる。なお、飲料のアルコール含有率とその消費量とからアルコール摂取量を算出し、現在までのアルコール摂取量と過去の飲食履歴から算出されるアルコール摂取量とを比較することにより、退出可能性EPを求めてもよい。
【0110】
食事の場合も同様に、対象会員が入店から現在までに摂取した食事の量(カロリー)と、過去の飲食履歴から算出される食事の量(カロリー)とを比較することにより、対象会員が所定時間内に退出する可能性EPを予測することもできる。
【0111】
サービス管理システム20は、ステップS65で算出された退出可能性EPが所定の閾値ThEP以上であるか判定する(S66)。退出可能性EPが閾値ThEP以上の場合(S66:YES)、サービス管理システム20は、対象会員が所定時間内に店舗10から退出する可能性が高いと判定し、退出予定数Neを1つ増加させる(S67)。
【0112】
サービス管理システム20は、退出可能性EPが閾値ThEP未満であると判定すると(S66:NO)、対象会員が所定時間内に店舗10から退出する可能性が低いと判定し、ステップS62へ戻る。
【0113】
図7は、会員ランクを設定する処理を示すフローチャートおよび飲食態度を監視する処理のフローチャートである。最初に会員ランクを設定する処理について説明する。
【0114】
サービス管理システム20は、対象会員が持つ現在の会員ランクを会員情報管理テーブルT1から取得する(S71)。さらにサービス管理システム20は、対象会員のサービス利用履歴C17の内容を会員情報管理テーブルT1から取得する(S72)。
【0115】
サービス管理システム20は、サービス利用履歴C17の内容に基づいて、対象会員の会員ランクを補正する(S73)。サービス管理システム20は、例えば、対象会員の過去の、サービス利用時間、飲食状況、同伴者数、退出要請から退出までの退出時間、飲食態度等に基づいて、会員ランクを上げたり下げたりすることができる。さらに、サービス管理システム20は、対象会員自身の過去の行動(上述したサービス利用時間、飲食状況、飲食態度等)だけでなく、対象会員に関連する他の会員の過去の行動も参照することにより対象会員の会員ランクを補正することもできる。対象会員に関連する他の会員とは、例えば、対象会員の紹介で会員になれた者である。なお、同伴者の飲食状況および/または飲食態度の履歴を管理する場合、サービス管理システム20は、対象会員の過去の同伴者の行動も参照して、対象会員の会員ランクを補正してもよい。
【0116】
サービス管理システム20は、補正された会員ランクに基づいて、対象会員に還元するサービス内容を設定する(S74)。還元されるサービス内容としては、例えば上述のように、キャッシュバック、店舗を利用するサービス権の割引販売または無料販売、サービス利用時間の延長、同伴可能人数の増加等がある。
【0117】
飲食態度監視処理を説明する。サービス管理システム20は、監視カメラ17の撮影した画像データを取得し(S81)、取得した画像データを解析し(S82)、その解析結果から被写体として写っているサービス利用者(会員、同伴者)の飲食態度を判定する(S83)。そして、サービス管理システム20は、判定された飲食態度を会員情報管理テーブルT1に保存する(S84)。
【0118】
このように構成される本実施例によれば、セルフサービス式でサービスを提供する会員制の飲食店舗システム1を実現することができる。本実施例の飲食店舗システム1は、監視カメラ17を備えるため、完全な無人店舗にした場合でも、会員の安全を維持することが可能であり、飲食店舗システム1の信頼性を維持できる。したがって、本実施例によれば、質を維持しつつ効率的にサービスを提供する飲食店舗システム1を実現できる。
【0119】
本実施例によれば、予約の問合せがあった場合、会員への飲食物の提供内容と会員の過去の飲食履歴とに基づいて会員の飲食状況を予測し、予測結果に基づいて会員が店舗から退出する可能性を予測し、予測された退出時刻に基づいて、予約の問合せに係る会員に対して予約の可否を通知する。したがって、比較的精度よく予約の受付が可能であるかを判定することができ、顧客満足度が向上する。
【0120】
本実施例によれば、監視カメラ17の撮影した画像データに基づいて、会員の飲食態度を判定し、会員の飲食態度および飲食状況に基づいて、会員のランクを算出する。したがって、本実施例によれば、会員の飲食マナーを向上させることもできる。
【0121】
本実施例によれば、会員本人のみならず、会員と関連する他の会員(または同伴者)の飲食態度または飲食状況をも考慮して、会員のランクを修正できる。本実施例では、会員は自分の紹介した会員(被紹介者)についても一部責任を負うことになるため、優良な会員の増加を期待することができる。
【0122】
本実施例によれば、会員ランクに基づいて会員へのサービス還元内容を設定する。したがって、本実施例によれば、会員は自分の会員ランクを高めるように行動すると期待することができ、快適な会員制飲食店舗システム1を実現することができる。
【0123】
本実施例によれば、サービス管理システム20は、会員に対応付けられるサービス管理情報としてのサービス利用履歴C17に基づいて、会員へ提供するサービスの内容を管理することができる。したがって、例えば、会員の嗜好に応じて飲食物の種類を自動的に提案することができ、使い勝手が向上する。
【0124】
本実施例によれば、サービス管理システム20は、飲食物提供部14から会員へ提供された飲食物の内容を検出して記憶することができる。したがって、サービス管理システム20は、どの会員が何をどれだけ消費したかといった情報を取得して管理することができ、在庫管理や、会員サービスの改善などに活かすこともできる。
【0125】
本実施例によれば、サービス管理システム20は、会員への飲食物の提供内容と会員の過去の飲食履歴とに基づいて、会員の現在の飲食状況を予測し、予測結果に基づいて会員が店舗1から退出する可能性を算出することができる。したがって、本実施例によれば、予約を受付可能であるかの判断を従来の飲食店よりも正確に行うことができる。
【0126】
本実施例によれば、飲食店舗システム1には、店舗10内を撮影するカメラ17が設けられており、サービス管理システム20は、カメラ17の撮影した画像データに基づいて、会員の飲食態度を判定する。したがって、完全無人化店舗であったとしても、会員のモラルが低下するのを抑制することができ、適切な店舗運営を実現できる。
【実施例2】
【0127】
図8を用いて第2実施例を説明する。本実施例を含む以下の各実施例では、第1実施例との相違を中心に説明する。本実施例では、会員は店舗10の外部から、店舗10内の会員本人との関連を示す状況を確認できるようにしている。
【0128】
図8は、店舗外の会員に対して、店舗内の会員との関係性を示す情報を提供する処理のフローチャートである。
【0129】
店舗10の外部にいる会員は、会員端末を用いてサービス管理システム20にログインし、店舗10内の状況を問い合わせる(S91)。
【0130】
サービス管理システム20は、会員端末から状況問合せ要求を受領すると、現在サービスを利用中の会員IDをサービス権有効性管理テーブルT2から取得し(S92)、問合せした会員と現在サービスを利用中の会員との関係性を算出する(S93)。サービス管理システム20は、ステップS93で算出された関係性から状況報告G1を生成し、会員端末へ返信する(S94)。
【0131】
状況を問い合わせた会員と店舗10内の他の会員との関係性は、例えば、共通の紹介者の有無、共通の時間帯でサービスを利用した回数、SNS(Social Networking Service)でのつながりの有無、職業の共通性といった複数の観点から算出可能である。
【0132】
状況報告G1は、例えば、状況を報告した日時を示す報告日時欄GP11、店舗10の在室者数を示す在室者数表示欄GP12、問合せした会員との関係性の算出結果を示す関係性表示欄GP13、同一の紹介者から紹介された会員の数を示す同一紹介者会員数欄GP14、問合せした会員が事前に指定した会員の在室数を示す指定会員在室数欄GP15を含む。状況報告G1は、それらの項目のすべてを含む必要は無いし、図示されていない他の項目を備えてもよい。
【0133】
紹介者が共通する会員であれば、問合せした会員との関係性があると考えられる。特に、会員は被紹介者の飲食態度によって自分の会員ランクが変動するため、信用できる者のみ飲食店舗システム1に紹介することになる。したがって、共通の紹介者から紹介された会員同士は、紹介者に信用された者同士であり、活発な交流が行われる可能性がある。
【0134】
指定会員とは、会員が事前に指定した属性を有する会員である。属性としては、例えば会員の氏名、職業、会員ランク、紹介者ID、本サービスの利用頻度(常連か否か)等を挙げることができる。
【0135】
すなわち、特定の会員が在室している場合、特定の職業の会員が在室している場合、特定の会員ランクを保持する会員が在室している場合、特定の会員から紹介された会員が在室している場合、本サービスの利用頻度が所定値以上または所定値未満の会員が在室している場合のように、会員は、店舗10の外部から店舗10の内部の自分との関係性を把握することができる。会員は、状況報告G1を確認した後に、本サービスを利用するか否か、予約するか否かを判断することができる。
【0136】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例によれば、店舗外の会員と店舗内の会員との関係性を示す関係性情報を算出して、店舗外の会員へ提供することができる。したがって、店舗外の会員は、店舗内における自分との関係性を確認してから、本サービスを利用するか否か、予約するか否かを判断することができ、会員の使い勝手が向上する。
【実施例3】
【0137】
図9を用いて第3実施例を説明する。図9は、本実施例に係る飲食店舗システム1Aの全体図である。本実施例では、サービス管理システム20Aをいわゆるクラウドサービスとして構築し、複数の店舗10(1)~(n)を管理できるようにしている。
【0138】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに、本実施例では、一つのサービス管理システム20Aで複数の店舗10(1)~(n)を管理することができる。したがって、本実施例によれば、例えば、各店舗10(1)~(n)の全体を一つの仮想的な店舗と見立てて在庫を管理したり、会員の飲食態度などを管理したりすることができる。本実施例は第1実施例または第2実施例のいずれとも結合することができる。
【0139】
なお、本発明は上述の実施例に限定されず、様々な変形例が含まれる。例えば、上述の実施例は本発明を分かりやすく詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能である。ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
【0140】
本発明は、例えば、以下のような方法の発明として捉えることもできる。
「飲食店舗10を計算機20により管理する方法であって、
前記飲食店舗10は、飲食物を会員へ提供する飲食物提供部14を備え、
前記計算機20は、前記飲食店舗10に通信可能に接続されており、前記飲食物提供部14から会員への飲食物提供を含むサービスの内容を、会員に対応付けられるサービス管理情報に応じて管理する、
飲食店舗の管理方法。」
【0141】
「会員に飲食物を提供する会員制の飲食店舗10を計算機20を用いて管理する飲食店舗の管理方法であって、
前記飲食店舗10は、会員に対して飲食物をセルフサービス形式で提供する飲食物提供部14と、店舗内を撮影するカメラ17とを備えており、かつ、前記飲食物提供部14から会員への飲食物提供を含むサービスを管理する計算機20に通信可能に接続されており、
前記計算機20は、
会員情報を管理する会員管理部22と、
前記カメラ17からの画像データを解析処理する画像処理部23と、
前記飲食物提供部14から会員へ提供された飲食物の内容を管理する飲食物管理部24と、有しており、
入店者が会員であるかを前記会員管理部により判定し、
入店者が会員であると判定された場合には、所定時間のサービス利用を許可するサービス権を発行し、
前記所定時間が到来した会員に対して退出を要請し、
前記店舗外の会員から予約の問合せがあった場合には、会員への飲食物の提供内容と会員の過去の飲食履歴とに基づいて、会員の飲食状況を予測し、予測結果に基づいて会員が店舗から退出する可能性を予測し、
前記予測された退出時刻に基づいて、前記予約の問合せに係る会員に対して予約の可否を通知し、
前記カメラの撮影した画像データに基づいて、会員の飲食態度を判定し、
前記判定された会員の飲食態度および前記飲食状況に基づいて、会員のランクを算出し、算出されたランクに基づいて会員へのサービス還元内容を設定し、
前記店舗外の会員と店舗内の会員との関係性を示す関係性情報を算出して前記前記店舗外の会員へ提供する、
飲食店舗の管理方法。」
【0142】
さらに、上述した実施例には、例えば、飲食店舗の物理的構成に関する改善、会員へのサービス提供方法に関する改善、サービス権の発行形態または管理方法に関する改善、会員資格を認めるための方法または管理方法に関する改善、会員の所持する電子媒体に関する改善、会員の言動を直接的または間接的に検出するための改善、サービス利用時間の管理についての改善、店舗に配置される店員の言動の管理に関する改善、人工知能を用いて飲食状況や飲食態度等を判定する構成についての改善、店舗内または店舗外の会員の安全管理に関する改善、などの各種改善可能点が含まれている。
【符号の説明】
【0143】
1:飲食店舗システム、10:店舗、11:出入り口、12:テーブル、13:椅子、14:飲食物提供部、15:店舗端末、16:無線通信装置、17:監視カメラ、18:ディスプレイ、20:サービス管理システム、21:サービス処理システム、22:会員管理部、23:画像処理部、24:飲食物管理部、30:決済システム、41:会員、42:電子媒体、51:店員、141:飲み物提供部、142:食べ物提供部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9