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特許7127819組織ビジョンのスコア化装置、組織ビジョンと組織の構成単位とのマッチング判定装置、組織ビジョン候補の生成装置、およびそれらの方法、プログラム、ならびに記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】組織ビジョンのスコア化装置、組織ビジョンと組織の構成単位とのマッチング判定装置、組織ビジョン候補の生成装置、およびそれらの方法、プログラム、ならびに記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20220823BHJP
【FI】
G06Q10/06 328
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018181624
(22)【出願日】2018-09-27
(65)【公開番号】P2020052745
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-08-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】福井 知宏
(72)【発明者】
【氏名】西井 一輩
(72)【発明者】
【氏名】ファン ティー クァン
(72)【発明者】
【氏名】山本 純一
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-257031(JP,A)
【文献】特開2016-153931(JP,A)
【文献】特開2007-122144(JP,A)
【文献】特開2017-182483(JP,A)
【文献】特表2009-509230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部、スコアセット生成部、および相関情報生成部を含み、
前記記憶部は、
複数の組織ビジョンサンプルについて、言語データを記憶し、
組織を構成する複数の構成単位について、前記構成単位が属する価値志向性カテゴリーと、前記各組織ビジョンサンプルに対する共感の有無とを紐づけて記憶し、
前記スコアセット生成部は、
前記組織ビジョンサンプルについて、それぞれ、前記価値志向性カテゴリーごとに、前記価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数をカウントし、前記各価値志向性カテゴリーのカウントセットを、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットとして生成し、
前記相関情報生成部は、
前記組織ビジョンサンプルについて、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとをデータセットとして、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報を生成する、
ことを特徴とする組織ビジョンのスコア化装置。
【請求項2】
前記相関情報は、組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットを推定するためのスコア推定モデルであり、
前記相関情報生成部は、
前記組織ビジョンサンプルについて、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとを学習データセットとして、機械学習により、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとの相関を示すスコア推定モデルを生成する、請求項1記載のスコア化装置。
【請求項3】
記憶部、スコア推定部、およびマッチング判定部を含み、
前記記憶部は、
相関情報記憶部、および構成単位記憶部を含み、
前記相関情報記憶部は、組織ビジョンの言語データと、前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報を記憶し、
前記構成単位記憶部は、組織を構成する構成単位の価値志向性スコアセットを記憶し、
前記スコア推定部は、
スコア化対象の被組織ビジョンの言語データを用いて、前記相関情報に基づいて、前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットを推定し、
前記マッチング判定部は、
前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットと、前記構成単位の価値志向性スコアセットとの類否から、前記被組織ビジョンと前記構成単位とがマッチしているか否かを判定し;
前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットは、
前記組織ビジョンについて、価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数のカウントセットに相当するスコアセットで表され、
前記構成単位の価値志向性スコアセットは、
前記構成単位について、価志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表される
ことを特徴とする組織ビジョンと組織の構成単位とのマッチング判定装置。
【請求項4】
前記相関情報が、組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットを推定するための、スコア推定モデルであり、
組織ビジョンについて、その言語データとその価値志向性スコアセットとを学習データセットとして、機械学習により生成されたモデルである、請求項3記載のマッチング判定装置。
【請求項5】
前記マッチング判定部が、マッチングスコア算出部と、判定部とを含み、
前記マッチングスコア算出部は、
前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットと、前記構成単位の価値志向性スコアセットとをアライメントし、両者の全体の差をマッチングスコアとして算出し、
前記判定部は、
前記マッチングスコアが基準値以下の場合、前記被組織ビジョンと前記構成単位とがマッチすると判定し、
前記マッチングスコアが基準値を超える場合、前記被組織ビジョンと前記構成単位とがマッチしないと判定する、請求項3または4記載のマッチング判定装置。
【請求項6】
記憶部、マッチングスコア算出部、組織ビジョン候補生成部を含み、
前記記憶部は、
組織ビジョン記憶部、および構成単位記憶部を含み、
前記組織ビジョン記憶部は、組織ビジョンサンプルの言語データと、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットとを、紐付けて記憶し、
前記構成単位記憶部は、構成単位であるグループと、前記グループの価値志向性スコアセットとを紐付けて記憶し、
前記マッチングスコア算出部は、
前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットと、前記グループの価値志向性スコアセットとをアライメントし、両者の全体の差をマッチングスコアとして算出し、
前記組織ビジョン候補生成部は、
基準値を超えるマッチングスコアを示す組織ビジョンサンプルを、前記グループに対して適した組織ビジョン候補として選択し;
前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットは、
前記組織ビジョンサンプルについて、価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数のカウントセットに相当するスコアセットで表され、
前記グループは、
組織を構成する複数の個人からなるグループであり、
前記グループの価値志向性スコアセットは、
前記複数の個人の価値志向性スコアセットから算出される平均価値志向性スコアセットで表され、
前記個人の価値志向性スコアセットは、前記個人について、価志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表される
ことを特徴とする組織ビジョン候補の生成装置。
【請求項7】
前記記憶部は、
さらに、単語記憶部を含み、
前記単語記憶部は、組織ビジョンの言語データを構成する候補ワードと、前記候補ワードの価値志向性スコアセットとを、紐付けて記憶し、
前記組織ビジョン候補生成部は、
初期候補選択部、問題ワード検索部、および改変候補生成部を含み、
前記初期候補選択部は、
前記マッチングスコアが基準値を超える前記組織ビジョンサンプルを、初期組織ビジョン候補とし、
前記問題ワード検索部は、
前記初期組織ビジョン候補の言語データを、ワードに分解し、
前記候補ワードの価値志向性スコアセットに基づいて、前記各分解ワードのうち、前記マッチングスコアの大きさの原因となるワードを、問題ワードとし、
前記改変候補生成部は、
前記初期組織ビジョン候補について、前記候補ワードの価値志向性スコアセットに基づいて、前記問題ワードの削除、前記問題ワードから他の候補ワードへの置換、および他の候補ワードの追加のいずれかを行い、再度、言語データを構築して、新たな改変組織ビジョン候補を生成し;
前記候補ワードの価値志向性スコアセットは、
前記候補ワードについて、それぞれ、前記価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数のカウントセットに相当するスコアセットで表される、
請求項6記載の組織ビジョン候補の生成装置。
【請求項8】
データ群を使用し、
前記データ群は、
複数の組織ビジョンサンプルについて、言語データを含み、
組織を構成する複数の構成単位について、前記構成単位が属する価値志向性カテゴリーと、前記各組織ビジョンサンプルに対する共感の有無とを紐づけて含み、
スコアセット生成工程、および相関情報生成工程を含み、
前記スコアセット生成工程は、
複数の組織ビジョンサンプルについて、それぞれ、前記価値志向性カテゴリーごとに、前記価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数をカウントし、前記各価値志向性カテゴリーのカウントセットを、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットとして生成し、
前記相関情報生成工程は、
前記組織ビジョンサンプルについて、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとをデータセットとして、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報を生成し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
ことを特徴とする組織ビジョンのスコア化方法。
【請求項9】
データ群を使用し、
前記データ群は、
組織ビジョンの言語データと、前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報を含み、
組織を構成する構成単位の価値志向性スコアセットを含み、
スコア推定工程、およびマッチング判定工程を含み、前記スコア推定工程は、
スコア化対象の被組織ビジョンの言語データを用いて、前記相関情報に基づいて、前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットを推定し、
前記マッチング判定工程は、
前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットと、前記構成単位の価値志向性スコアセットとの類否から、前記被組織ビジョンと前記構成単位とがマッチしているか否かを判定し;
前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットは、
前記組織ビジョンについて、価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数のカウントセットに相当するスコアセットで表され、
前記構成単位の価値志向性スコアセットは、
前記構成単位について、価志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表され
前記各工程が、コンピュータにより実行され
ことを特徴とする組織ビジョンと組織の構成単位とのマッチング判定方法。
【請求項10】
データ群を使用し
前記データ群は、
組織ビジョンサンプルの言語データと、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットとを、紐付けて含み、
構成単位であるグループと、前記グループの価値志向性スコアセットとを紐付けて含み、
マッチングスコア算出工程、および組織ビジョン候補生成工程を含み、
前記マッチングスコア算出工程は、
前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットと、前記グループの価値志向性スコアセットとをアライメントし、両者の全体の差をマッチングスコアとして算出し、
前記組織ビジョン候補生成工程は、
基準値を超えるマッチングスコアを示す組織ビジョンサンプルを、前記グループに対して適した組織ビジョン候補として選択し;
前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットは、
前記組織ビジョンサンプルについて、価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数のカウントセットに相当するスコアセットで表され、
前記グループは、
組織を構成する複数の個人からなるグループであり、
前記グループの価値志向性スコアセットは、
前記複数の個人の価値志向性スコアセットから算出される平均価値志向性スコアセットで表され、
前記個人の価値志向性スコアセットは、前記個人について、価志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表され
前記各工程が、コンピュータにより実行され
ことを特徴とする組織ビジョン候補の生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織ビジョンのスコア化装置、組織ビジョンと組織の構成単位とのマッチング判定装置、組織ビジョン候補の生成装置、およびそれらの方法、プログラム、ならびに記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
会社等の組織において、全体としての目的を達成するには、組織と、組織を構成するグループや個々のメンバーとが同じ方向を向くことが必要である。しかし、個人の場合、個々の価値観等は客観的に判断できるが、会社等の組織は、自然人ではないため、会社の価値観がどのようなものであるか、客観的に判断することはできない。価値観の推定については報告されている方法は、例えば、以前の情報と現在の情報とを比較することによって、変化した否かが判断できるにとどまっており、自然人ではない組織の価値観を、客観的に判断することは困難である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-182483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、組織のビジョンを客観的に定量するための新たな装置および方法、ならびにその利用法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明の組織ビジョンのスコア化装置は、
記憶部、スコアセット生成部、および相関情報生成部を含み、
前記記憶部は、
複数の組織ビジョンサンプルについて、言語データを記憶し、
組織を構成する複数の構成単位について、前記構成単位が属する価値志向性カテゴリーと、前記各組織ビジョンサンプルに対する共感の有無とを紐づけて記憶し、
前記スコアセット生成部は、
前記組織ビジョンサンプルについて、それぞれ、前記価値志向性カテゴリーごとに、前記価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数をカウントし、前記各価値志向性カテゴリーのカウントセットを、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットとして生成し、
前記相関情報生成部は、
前記組織ビジョンサンプルについて、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとをデータセットとして、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報を生成する、
ことを特徴とする。
【0006】
本発明の組織ビジョンと組織の構成単位とのマッチング判定装置は、
記憶部、スコア推定部、およびマッチング判定部を含み、
前記記憶部は、
相関情報記憶部、および構成単位記憶部を含み、
前記相関情報記憶部は、組織ビジョンの言語データと、前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報を記憶し、
前記構成単位記憶部は、組織を構成する構成単位の価値志向性スコアセットを記憶し、
前記スコア推定部は、
スコア化対象の被組織ビジョンの言語データを用いて、前記相関情報に基づいて、前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットを推定し、
前記マッチング判定部は、
前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットと、前記構成単位の価値志向性スコアセットとの類否から、前記被組織ビジョンと前記構成単位とがマッチしているか否かを判定し;
前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットは、
前記組織ビジョンについて、前記各価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数のカウントセットに相当するスコアセットで表され、
前記構成単位の価値志向性スコアセットは、
前記構成単位について、前記各価値志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表されることを特徴とする。
【0007】
本発明の組織ビジョン候補の生成装置は、
記憶部、マッチングスコア算出部、組織ビジョン候補生成部を含み、
前記記憶部は、
組織ビジョン記憶部、および構成単位記憶部を含み、
前記組織ビジョン記憶部は、組織ビジョンサンプルの言語データと、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットとを、紐付けて記憶し、
前記構成単位記憶部は、構成単位であるグループと、前記グループの価値志向性スコアセットとを紐付けて記憶し、
前記マッチングスコア算出部は、
前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットと、前記グループの価値志向性スコアセットとをアライメントし、両者の全体の差をマッチングスコアとして算出し、
前記組織ビジョン候補生成部は、
基準値を超えるマッチングスコアを示す組織ビジョンサンプルを、前記グループに対して適した組織ビジョン候補として選択し;
前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットは、
前記組織ビジョンについて、前記各価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数のカウントセットに相当するスコアセットで表され、
前記グループは、
組織を構成する複数の個人からなるグループであり、
前記グループの価値志向性スコアセットは、
前記複数の個人の価値志向性スコアセットから算出される平均価値志向性スコアセットで表され、
前記個人の価値志向性スコアセットは、前記個人について、前記各価値志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表される
ことを特徴とする。
【0008】
本発明の組織ビジョンのスコア化方法は、
データ群を使用し、
前記データ群は、
複数の組織ビジョンサンプルについて、言語データを含み、
組織を構成する複数の構成単位について、前記構成単位が属する価値志向性カテゴリーと、前記各組織ビジョンサンプルに対する共感の有無とを紐づけて含み、
スコアセット生成工程、および相関情報生成工程を含み、
前記スコアセット生成工程は、
複数の組織ビジョンサンプルについて、それぞれ、前記価値志向性カテゴリーごとに、前記価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数をカウントし、前記各価値志向性カテゴリーのカウントセットを、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットとして生成し、
前記相関情報生成工程は、
前記組織ビジョンサンプルについて、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとをデータセットとして、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報を生成する、ことを特徴とする。
【0009】
本発明の組織ビジョンと組織の構成単位とのマッチング判定方法は、
データ群を使用し、
前記データ群は、
組織ビジョンの言語データと、前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報を含み、
組織を構成する構成単位の価値志向性スコアセットが記憶され、
スコア推定工程、およびマッチング判定工程を含み、前記スコア推定工程は、
スコア化対象の被組織ビジョンの言語データを用いて、前記相関情報に基づいて、前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットを推定し、
前記マッチング判定工程は、
前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットと、前記構成単位の価値志向性スコアセットとの類否から、前記被組織ビジョンと前記構成単位とがマッチしているか否かを判定し;
前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットは、
前記組織ビジョンについて、前記各価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数のカウントセットに相当するスコアセットで表され、
前記構成単位の価値志向性スコアセットは、
前記構成単位について、前記各価値志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表されることを特徴とする。
【0010】
本発明の組織ビジョン候補の生成方法は、
データ群を使用し
前記データ群は、
組織ビジョンサンプルの言語データと、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットとを、紐付けて含み、
構成単位であるグループと、前記グループの価値志向性スコアセットとが紐付けて記憶され、
マッチングスコア算出工程、および組織ビジョン候補生成工程を含み、
前記マッチングスコア算出工程は、
前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットと、前記グループの価値志向性スコアセットとをアライメントし、両者の全体の差をマッチングスコアとして算出し、
前記組織ビジョン候補生成工程は、
基準値を超えるマッチングスコアを示す組織ビジョンサンプルを、前記グループに対して適した組織ビジョン候補として選択し;
前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットは、
前記組織ビジョンについて、前記各価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数のカウントセットに相当するスコアセットで表され、
前記グループは、
組織を構成する複数の個人からなるグループであり、
前記グループの価値志向性スコアセットは、
前記複数の個人の価値志向性スコアセットから算出される平均価値志向性スコアセットで表され、
前記個人の価値志向性スコアセットは、前記個人について、前記各価値志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表されることを特徴とする。
【0011】
本発明のプログラムは、本発明のスコア化方法、マッチング判定方法、または、組織ビジョン候補の生成方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0012】
本発明の記録媒体は、前記本発明のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、組織のビジョンをスコア化により客観的に定量できるため、例えば、組織と、それを構成するグループやメンバーとの方向性がマッチしているか否か等を、客観的に判断することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施形態1のスコア化装置の一例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態1のスコア化装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態2のマッチング判定装置の一例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態2のマッチング判定装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態2における価値志向性スコアセットのアライメントのグラフである。
図6図6は、実施形態3の生成装置の一例を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態3の生成装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図8図8は、実施形態3における組織ビジョン候補の生成方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明において、「組織」とは、複数の構成単位からなる集合体であり、例えば、会社、役所、学校、スポーツチーム、NPO(Nonprofit Organization)、NGO(non-governmental organizations)、その他団体等があげられる。「構成単位」は、組織を構成する単位であり、例えば、組織を構成する複数のグループ、または、組織を構成する複数の個人(メンバーともいう)であり、「グループ」は、複数の個人から構成される。前記組織が「会社」の場合、「グループ」は、例えば、支店および本店、部署(例えば、営業、総務、生産管理、開発等)、プロジェクトチーム、店舗、営業所等があげられ、「個人」は、例えば、社員、契約社員等である。
【0016】
本発明において、「価値志向性カテゴリー」とは、個人の価値観の種類を示す。価値志向性カテゴリーは、特に制限されず、例えば、心理学者Sprangerにより規定された、理論型、経済型、審美型、宗教型、権力型、および社会型の6種類が例示できる。個人の価値観は、例えば、各価値志向性カテゴリーへの該当度合いから判断でき、前記該当度合いは、例えば、個人のアンケート結果から、価値志向カテゴリーごとにスコアで表わすことができる。例えば、アンケートの回答結果から、個人ごとに、各価値志向性カテゴリーに対する各スコアが算出できるため、それらのスコアセットを、個人の価値志向性スコアセットとすることができる。また、前記価値志向性スコアセットにおいて最も高いスコアを示す価値志向性カテゴリーを、個人の主たる価値志向性カテゴリーとすることができる。なお、前記アンケート、および、前記アンケートに基づく価値志向性カテゴリーに対するスコア化は、例えば、既存の方法(例えば、「価値志向性尺度における尺度項目間の順序関係の分析」、教育心理学研究、2018、66、1-13)を利用できる。
【0017】
個人の価値志向性スコアは、例えば、下記表1のように表すことができる。下記表1において、IDは、個人のIDであり、数値は、各価値志向性カテゴリー(理論型、経済型、審美型、宗教型、社会型、権力型)への該当度合いを示すスコアである。ID No.Aの個人Aは、理論型スコア10、経済型スコア3、審美型スコア44、宗教型スコア2、社会型スコア32、権力型スコア1であり、これらが個人Aの価値志向性スコアセット(理論10、経済3、審美44、宗教2、社会32、権力1)となる。また、個人Aの価値志向性スコアセットにおいて、審美型スコアが最も高いことから、個人Aの主たる価値志向性カテゴリーは、「審美型」と判断できる。
【0018】
【表1】
【0019】
本発明において、「ビジョン」とは、例えば、将来あるべき姿についての構想、未来像、ミッション、目的等である。前述のように、組織が組織ビジョンを達成するには、組織のビジョンと組織を構成する構成単位(グループ、個人)のビジョンとが、同じ方向を向くことが重要であるが、同じか否かを示す指標がなく、客観的な判断が困難であった。これに対して、本発明は、組織の組織ビジョンを、構成単位の価値志向性カテゴリーを利用してスコアとして定量化することがポイントである。この定量化は、例えば、以下のような考え方に基づく。
【0020】
まず、組織のビジョンとして、複数の組織ビジョンサンプルを準備し、複数の個人により、各組織ビジョンサンプルに対する共感の有無を評価してもらう。組織ビジョンサンプルとは、例えば、「いつでも、どこでも、誰にでも」、「新たな活力を生み出している社会を創りたい」、「人々の心を豊で活力あるものにするために」等の言語データである。前記複数の個人は、それぞれ、前述のように、主たる価値志向性カテゴリーを決定しておく。そして、複数の組織ビジョンサンプルについて、各価値志向性カテゴリーに属する個人であり且つ共感を示す人数をカウントすると、例えば、下記表2のような結果が得られる。下記表2において、ビジョンIDは、組織ビジョンサンプルの番号であり、各価値志向性カテゴリーに示されたスコアは、それぞれ、各価値志向性カテゴリーを主たる価値志向性カテゴリーとし且つ前記組織ビジョンサンプルに共感した個人の人数である。すなわち、組織ビジョンサンプルID1は、主たる価値志向性カテゴリーが理論型である個人のうち99人、経済型である個人のうち13人、審美型である個人のうち12人、宗教型である個人のうち2人、社会型である個人のうち4人が、それぞれ共感したことを示す。そして、共感した人数を示すスコアセット、すなわち、「理論99、経済13、審美12、宗教2、社会4、権力23」が、組織ビジョンサンプルID1の価値志向性スコアセットとなる。
【0021】
【表2】
【0022】
前記組織ビジョンサンプルの言語データと前記価値志向性スコアセットとを、データセットとして使用することにより、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報が生成できる。前記相関情報は、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとの相関情報であるため、例えば、新たな組織ビジョンXを生成した場合、前記相関情報から、例えば、組織ビジョンXの価値志向性スコアセットを推定できる。
【0023】
このように、本発明によれば、組織ビジョンを価値志向性スコアセットとして定量できるため、例えば、前記組織ビジョンが、前記構成単位にマッチしているか、前記構成単位が、前記組織ビジョンにマッチしているか、前記組織ビジョンにマッチする構成単位が、どのような構成単位であるか等も判定でき、さらに、前記組織の構成単位に適した組織ビジョンの設計にも利用できる。
【0024】
本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態には限定されない。なお、以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用できる。さらに、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0025】
[実施形態1]
本発明のスコア化装置およびスコア化方法の一例について、図を用いて説明する。
【0026】
図1は、本実施形態のスコア化装置の一例を示すブロック図である。スコア化装置1は、記憶部10、スコアセット生成部11、相関情報生成部12を含み、例えば、さらに、スコア推定部13、入力部14、出力部15を備えてもよい。スコア化装置1は、例えば、スコア化システムともいう。スコア化装置1は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。
【0027】
前記通信回線網は、特に制限されず、公知の通信回線網を使用でき、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、例えば、インターネット回線、電話回線、LAN(Local Area Network)、WiFi(Wireless Fidelity)等があげられる。スコア化装置1は、各部の処理がクラウド上で行われてもよい。
【0028】
記憶部10は、例えば、組織ビジョン記憶部101、および構成単位記憶部102を含む。組織ビジョン記憶部101は、組織ビジョンに関する組織ビジョンデータが記憶され、具体的には、複数の組織ビジョンサンプルVについて、言語データが記憶される。前記言語データは、例えば、組織ビジョンを表す文字列データである。
【0029】
構成単位記憶部102は、組織を構成する構成単位に関する構成単位データが記憶され、具体的には、複数の構成単位について、前記構成単位が属する価値志向性カテゴリーと、前記各組織ビジョンサンプルVに対する共感の有無とを紐づけて記憶される。
【0030】
これらの各種データは、例えば、入力部14によって入力され、記憶部10に記憶されてもよい。スコア化装置1は、例えば、外部装置から、入力部14を介して、前記各種データが入力されてもよい。スコア化装置1は、例えば、前記外部装置と接続可能であり、具体例として、通信回線網を介して接続可能である。前記外部装置は、例えば、前記各種データが記憶されたデータベース、サーバー、端末等があげられ、前記端末は、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット、スマートフォン等である。前記通信回線網は、例えば、前述と同様である。
【0031】
スコアセット生成部11は、組織ビジョンサンプルVについて、それぞれ、前記価値志向性カテゴリーごとに、前記価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数をカウントし、前記各価値志向性カテゴリーのカウントセットを、組織ビジョンサンプルVの価値志向性スコアセットSとして生成する。組織ビジョンサンプルVの価値志向性スコアセットSは、例えば、記憶部10の組織ビジョン記憶部101において、組織ビジョンサンプルVの言語データに紐付けて、記憶される。
【0032】
相関情報生成部12は、組織ビジョンサンプルVについて、前記言語データと前記価値志向性スコアセットSとをデータセットとして、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報を生成する。前記相関情報の生成において、前記言語データは、例えば、自然言語処理されたデータとして使用してもよい。前記相関情報は、例えば、記憶部10の相関情報記憶部103に記憶される。
【0033】
相関情報生成部12における前記相関情報は、例えば、組織ビジョンサンプルVの価値志向性スコアセットSを推定するためのスコア推定モデルである。この場合、相関情報生成部12は、例えば、組織ビジョンサンプルVについて、前記言語データと前記価値志向性スコアセットSとを学習データセットとして、機械学習により、前記言語データと前記価値志向性スコアセットSとの相関を示すスコア推定モデルを生成する。
【0034】
スコア化装置1が、さらに、スコア推定部13を有する場合、スコア化装置1は、例えば共感を示す構成単位のカウントが不明な場合でも、新たなスコア化対象である被組織ビジョンVについて、その価値志向性スコアセットSを推定できる。新たな被組織ビジョンVは、例えば、入力部14により、その言語データが入力される。そして、スコア推定部13は、被組織ビジョンVの言語データを用いて、前記相関情報に基づいて、被組織ビジョンVの価値志向性スコアセットSを推定する。
【0035】
なお、前記被組織ビジョンVの言語データとその価値志向性スコアセットSとは、例えば、紐付けて、新たな、組織ビジョンサンプルVの言語データをその価値志向性スコアセットSとして、組織ビジョン記憶部101に記憶してもよい。そして、これらを前記学習データ等のデータセットとして使用し、機械学習等を行うことにより、前記スコア推定モデル等の相関情報をアップデートしてもよい。
【0036】
記憶部10のデータ、スコアセット生成部11で生成されたデータ、相関情報生成部12で生成されたデータ、スコア推定部13で生成されたデータ等は、例えば、出力部15により、出力されてもよい。出力の形式は、特に制限されず、例えば、スコア化装置1が出力部15として表示部を有する場合、前記表示部に出力してもよいし、出力部15として通信デバイスを有する場合、前記通信デバイスを介して、接続された前記外部装置に出力してもよい。
【0037】
つぎに、図2に、スコア化装置1のハードウエア構成のブロック図を例示する。スコア化装置1は、例えば、CPU(中央処理装置)201、メモリ202、バス203、入力装置204、ディスプレイ205、通信デバイス206、記憶装置207等を有する。スコア化装置1の各部は、それぞれのインターフェース(I/F)により、バス203を介して、相互に接続されている。
【0038】
CPU201は、スコア化装置1の全体の制御を担うプロセッサであり、CPUには限定されず、他のプロセッサでもよい。スコア化装置1において、CPU201により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的に、スコア化装置1は、例えば、CPU201が、スコアセット生成部11、相関情報生成部12、スコア推定部13等として機能する。
【0039】
スコア化装置1は、例えば、バス203に接続された通信デバイス206により、通信回路網に接続でき、前記通信回路網を介して、外部機器とも接続できる。前記外部機器は、特に制限されず、例えば、前述の通りである。スコア化装置1と前記外部機器との接続方式は、特に制限されず、例えば、有線による接続でもよいし、無線による接続でもよい。前記有線による接続は、例えば、コードによる接続でもよいし、通信回線網を利用するためのケーブル等による接続でもよい。前記無線による接続は、例えば、通信回線網を利用した接続でもよいし、無線通信を利用した接続でもよい。前記通信回線網は、特に制限されず、例えば、公知の通信回線網を使用でき、前述と同様である。スコア化装置1と前記外部機器との接続形式は、例えば、USB等であってもよい。
【0040】
メモリ202は、例えば、メインメモリを含み、前記メインメモリは、主記憶装置ともいう。CPU201が処理を行う際には、例えば、後述する補助記憶装置に記憶されている、本発明のプログラム等の種々の動作プログラム208を、メモリ202が読み込み、CPU201は、メモリ202からデータを受け取って、プログラム208を実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。メモリ202は、例えば、さらに、ROM(読み出し専用メモリ)を含む。
【0041】
記憶装置207は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。記憶装置207は、例えば、記憶媒体と、前記記憶媒体に読み書きするドライブとを含む。前記記憶媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等があげられ、前記ドライブは、特に制限されない。記憶装置207は、例えば、記憶媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)も例示できる。記憶装置207には、例えば、前述のように、動作プログラム208が格納され、前述のように、CPU201を実行させる際、メモリ202が、記憶装置207から動作プログラム208を読み込む。また、記憶装置207は、例えば、前述の組織ビジョンデータ209、構成単位データ210、推定モデル等の相関情報211等を記憶する。
【0042】
スコア化装置1は、例えば、さらに、入力装置204、ディスプレイ205を有してもよい。入力装置204は、例えば、スキャナー、タッチパネル、キーボード等である。ディスプレイ205は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等があげられる。入力装置204は、例えば、入力部14となり、ディスプレイ205は、例えば、出力部15になる。
【0043】
つぎに、本実施形態のスコア化方法について説明する。本実施形態のスコア化方法は、例えば、図1および図2に示すスコア化装置1を用いて実施できる。なお、本実施形態のスコア化方法は、これらの図面に示すスコア化装置1の使用には限定されない。
【0044】
本実施形態のスコア化方法は、データ群を使用し、スコアセット生成工程、および相関情報生成工程を含む。
【0045】
前記データ群は、例えば、記憶装置207に記憶されたデータ群が使用でき、前述のように、記憶装置207は、前記データ群として、複数の組織ビジョンサンプルについて、言語データが記憶され、組織を構成する複数の構成単位について、前記構成単位が属する価値志向性カテゴリーと、前記各組織ビジョンサンプルに対する共感の有無とが紐づけて記憶されている。記憶装置207は、例えば、スコア化装置1の記憶部10であり、記憶される各種データは、前述の通りである。
【0046】
前記スコアセット生成工程は、複数の組織ビジョンサンプルについて、それぞれ、前記価値志向性カテゴリーごとに、前記価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数をカウントし、前記各価値志向性カテゴリーのカウントセットを、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットとして生成する。前記スコアセット生成工程は、例えば、スコア化装置1のスコアセット生成部11により実行できる。
【0047】
前記相関情報生成工程は、前記組織ビジョンサンプルについて、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとをデータセットとして、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報を生成する。前記相関情報は、例えば、前述したスコア推定モデルである。この場合、前記相関情報生成工程は、例えば、前記組織ビジョンサンプルについて、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとを学習データセットとして、機械学習により、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとの相関を示すスコア推定モデルを生成する。前記相関情報生成工程は、例えば、スコア化装置1の相関情報生成部12により実行できる。
【0048】
本実施形態のスコア化方法は、例えば、さらに、スコア推定工程を含み、前記スコア推定工程は、スコア化対象の被組織ビジョンの言語データを用いて、前記相関情報に基づいて、前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットを推定する。前記スコア推定工程は、例えば、スコア化装置1のスコア推定部13により実行できる。
【0049】
本実施形態によれば、前記相関情報が生成されるため、これを用いて、例えば、新たな組織ビジョンの価値志向性スコアセットを推定できる。そして、前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットと、組織の構成単位の価値志向性スコアセットとは、両者が類似している程、両者はマッチしており、両者が非類似であるほど、両者はマッチしていないと考えることができる。このため、組織ビジョンに適した構成単位を知りたい場合は、例えば、前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットXを推定すれば、推定されたスコアセットX(例えば、理論10、経済3、審美44、宗教2、社会32、権力1)と類似する価値志向性スコアセットYを示す構成単位が、前記組織ビジョンに適していると判断できる。本発明の利用については、これらの例には限定されない。
【0050】
[実施形態2]
本発明のマッチング判定装置およびマッチング判定方法の一例について、図を用いて説明する。
【0051】
図3は、本実施形態のマッチング判定装置の一例を示すブロック図である。マッチング判定装置2は、記憶部10、スコア推定部13、マッチング判定部21を含み、例えば、さらに、入力部14、出力部15を備えてもよい。マッチング判定装置2は、例えば、マッチングシステムともいう。マッチング判定装置2は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。
【0052】
マッチング判定装置2は、例えば、前記実施形態1におけるスコア化装置の構成を全て備えてもよいし、前記実施形態1におけるスコア化装置と接続可能であってもよい。
【0053】
記憶部10は、構成単位記憶部102、および相関情報記憶部103を含む。構成単位記憶部102は、組織を構成する構成単位に関する構成単位データが記憶され、具体的には、前記構成単位の価値志向性スコアセットが記憶されている。前記構成単位の価値志向性スコアセットは、例えば、前記構成単位について、前記各価値志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表される。
【0054】
前記構成単位が個人の場合、例えば、前記個人の価値志向性スコアセットは、前記個人について、前記各価値志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表される。また、前記構成単位がグループの場合、例えば、前記グループの価値志向性スコアセットは、前記グループに属する複数の個人の価値志向性スコアセットから算出される平均価値志向性スコアセットで表される。前記平均価値志向性スコアセットは、例えば、下記表3が参照できる。前記表1に示すID A~Cが、ID 1のグループ1に属するメンバー(個人)であると仮定する。グループ1の平均価値志向性スコアセットは、例えば、メンバーA~Dについて、各価値志向性スコアの平均を算出することで、得られる。すなわち、「理論23.00、経済11.75、審美19.50、宗教24.75、社会26.75、権力18.00」が、グループ1の平均価値志向性スコアセットとなる。
【0055】
【表3】
【0056】
相関情報記憶部103は、組織ビジョンの言語データと、前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報を記憶する。前記相関情報は、前記実施形態1と同様であり、前記スコア推定モデルが好ましい。
【0057】
スコア推定部13は、スコア化対象の被組織ビジョンの言語データを用いて、前記相関情報に基づいて、前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットを推定する。前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットは、前記組織ビジョンについて、前記各価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数のカウントセットに相当するスコアセットで表される。スコア推定部13は、前記実施形態1と同様である。
【0058】
マッチング判定部21は、前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットと、前記構成単位の価値志向性スコアセットとの類否から、前記被組織ビジョンと前記構成単位とがマッチしているか否かを判定する。
【0059】
マッチング判定部21は、例えば、マッチングスコア算出部と、判定部とを含む。前記マッチングスコア算出部は、例えば、前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットと、前記構成単位の価値志向性スコアセットとをアライメントし、両者の全体の差をマッチングスコアとして算出する。
【0060】
前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットXと、前記構成単位の価値志向性スコアセットYとのアライメントは、例えば、図5を参照できる。図5は、前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットX(□)と、前記構成単位の価値志向性スコアセットY(〇)とを、プロットしたグラフである。前記グラフは、価値志向性カテゴリーごとにプロットしていることから、前記各価値志向性カテゴリーにおいて、被組織ビジョンのスコアxと、構成単位のスコアyとの差(差の絶対値|x-y|)が小さい程(差を示すグラフ中の矢印の長さが短い程)、前記カテゴリーについて両者は類似し、前記差が大きい程(差を示すグラフ中の矢印の長さが長い程)、前記カテゴリーについて両者が非類似であり、前記差がなければ(差を示すグラフ中の矢印がない)、前記カテゴリーについて両者は一致となる。
【0061】
そして、これらの前記各カテゴリーにおける両者の差に基づいて、例えば、図5の式1を用いて、両者の全体の差をマッチングスコアf(x,y)として算出する。前記式において、各要素は、以下の通りである。調整パラメータCは、スコアの範囲(例えば、0.0~1.0等)を調整するパラメータである。
N:構成単位(グループ)に属する人数
C:調整パラメータ
:被組織ビジョンの各価値志向性カテゴリーのスコア
:構成単位の各価値志向性カテゴリーのスコア
【0062】
そして、前記判定部は、前記マッチングスコアが基準値以下の場合、前記被組織ビジョンと前記構成単位とがマッチすると判定し、前記マッチングスコアが基準値を超える場合、前記被組織ビジョンと前記構成単位とがマッチしないと判定する。
【0063】
前記判定部は、前記マッチングスコアが基準値以下の場合、前記被組織ビジョンと前記構成単位とがマッチすると判定し、前記マッチングスコアが基準値を超える場合、前記被組織ビジョンと前記構成単位とがマッチしないと判定する。前記基準値は、特に制限されず、任意に設定でき、マッチングの判断を緩くする場合は、前記基準値を相対的に大きく設定し、マッチングの判断を厳しくする場合は、前記基準値を相対的に小さく設定する。
【0064】
図4に、マッチング判定装置2のハードウエア構成のブロック図を例示する。マッチング判定装置2は、例えば、CPU201、メモリ202、バス203、入力装置204、ディスプレイ205、通信デバイス206、記憶装置207等を有する。マッチング判定装置2の各部は、それぞれのインターフェース(I/F)により、バス203を介して、相互に接続されている。
【0065】
CPU201は、マッチング判定装置2の全体の制御を担うプロセッサであり、CPUには限定されず、他のプロセッサでもよい。マッチング判定装置2において、CPU201により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的に、マッチング判定装置2は、CPU201が、スコア推定部13、マッチング判定部21等として機能する。
【0066】
マッチング判定装置2は、例えば、バス203に接続された通信デバイス206により、通信回路網に接続でき、前記通信回路網を介して、外部機器とも接続できる。前記外部機器および接続方式は、特に制限されず、例えば、前記実施形態1と同様である。
【0067】
メモリ202は、例えば、メインメモリを含み、前記実施形態1と同様である。記憶装置207は、例えば、前記実施形態1と同様である。記憶装置207は、例えば、前述の組織ビジョンデータ209、構成単位データ210、推定モデル等の相関情報211等を記憶する。
【0068】
マッチング判定装置2は、例えば、前記実施形態1と同様に、入力装置204、ディスプレイ205を有してもよい。
【0069】
つぎに、本実施形態のマッチング判定方法について説明する。本実施形態のマッチング判定方法は、例えば、図3および図4に示すマッチング判定装置2を用いて実施できる。なお、本実施形態のマッチング判定方法は、これらの図面に示すマッチング判定装置2の使用には限定されない。
【0070】
本実施形態のマッチング判定方法は、データ群を使用し、スコア推定工程、およびマッチング判定工程を含む。
【0071】
前記データ群は、例えば、記憶装置207に記憶されたデータ群が使用でき、前述のように、記憶装置207は、前記データ群として、組織ビジョンの言語データと、前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報が記憶され、組織を構成する構成単位の価値志向性スコアセットが記憶されている。記憶装置207は、例えば、マッチング判定装置2の記憶部10であり、記憶される各種データは、前述の通りである。
【0072】
前記スコア推定工程は、スコア化対象の被組織ビジョンの言語データを用いて、前記相関情報に基づいて、前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットを推定する。前記スコア推定工程は、例えば、マッチング判定装置2のスコア推定部13により実行できる。
【0073】
前記マッチング判定工程は、前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットと、前記構成単位の価値志向性スコアセットとの類否から、前記被組織ビジョンと前記構成単位とがマッチしているか否かを判定する。前記マッチング判定工程は、例えば、マッチング判定装置2のマッチング判定部21により実行できる。
【0074】
前記マッチング判定工程は、例えば、マッチングスコア算出工程と、判定工程とを含んでもよい。前記マッチングスコア算出工程は、例えば、前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットと、前記構成単位の価値志向性スコアセットとをアライメントし、両者の全体の差をマッチングスコアとして算出し、前記判定工程は、前記マッチングスコアが基準値以下の場合、前記被組織ビジョンと前記構成単位とがマッチすると判定し、前記マッチングスコアが基準値を超える場合、前記被組織ビジョンと前記構成単位とがマッチしないと判定する。
【0075】
本発明によれば、このように、前記価値志向性スコアセットを利用することで、前記組織ビジョンと前記構成単位とがマッチするか否かを判定することができる。
【0076】
また、本発明によれば、さらに、両者がマッチしていないと判定される場合、両者がマッチしていると判定されるが、十分ではないと考えられる場合、例えば、前記組織ビジョンに適した前記構成単位となるための情報も得ることができる。すなわち、前記マッチング判定工程において、前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットと前記構成単位の価値志向性スコアセットとをアライメントすると、例えば、前記組織ビジョンと前記構成単位との間でスコア差が生じる価値志向性カテゴリーが抽出できる。具体的に、例えば、前記図5のグラフを参照した場合、審美型、宗教型、理論型の順で大きな差が発生する。具体的には、審美型および理論型については、前記組織ビジョンのスコアXが大きく、宗教型については、前記構成単位のスコアが大きい。このため、前記アライメントした構成単位を、前記組織ビジョンにマッチした構成単位にするには、例えば、前記構成単位がグループの場合は、審美型、理論型のスコアが相対的に高く、宗教型のスコアが相対的に低い個人をグループのメンバーに追加することが考えられる。このため、前記判定工程において、両者のスコア差が、基準値を超える価値志向性カテゴリーを、前記構成単位に追加すべき個人の価値志向性カテゴリーとして、判定することもできる。
【0077】
[実施形態3]
本発明の組織ビジョン候補の生成装置および組織ビジョン候補の生成方法の一例について、図を用いて説明する。
【0078】
図6は、本実施形態の生成装置の一例を示すブロック図である。生成装置3は、記憶部10、マッチングスコア算出部31、組織ビジョン候補生成部32を含む。生成装置3は、例えば、さらに、スコア推定部13、入力部14、出力部15を備えてもよい。生成装置3は、例えば、生成システムともいう。生成装置3は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。
【0079】
生成装置3は、例えば、前記実施形態1におけるスコア化装置または前記実施形態2におけるマッチング判定装置の構成を全て備えてもよいし、前記実施形態1におけるスコア化装置または前記実施形態2におけるマッチング判定装置と接続可能であってもよい。
【0080】
記憶部10は、組織ビジョン記憶部101、および構成単位記憶部102を含む。組織ビジョン記憶部101は、組織ビジョンデータが記憶され、具体的には、前記組織ビジョンサンプルの言語データと、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットとが、紐付けて記憶される。前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットは、例えば、前記実施形態1で説明したように、アンケート結果から得られたスコアセットでもよいし、前記相関情報に基づいて得られたスコアセットでもよい。後者の場合、前記価値志向性スコアセットは、例えば、生成装置3において前記相関情報に基づいて推定したスコアセットであり、それを記憶してもよいし、外部装置において前記相関情報に基づいて推定したスコアセットであり、入力部14を介して外部装置から取得し、記憶してもよい。構成単位記憶部102は、組織を構成する構成単位に関する構成単位データが記憶され、具体的には、前記構成単位であるグループと、前記グループの価値志向性スコアセットが紐付けて記憶されている。前記グループは、組織を構成する複数の個人からなるグループであり、前記グループの価値志向性スコアセットは、前述と同様に、前記複数の個人の価値志向性スコアセットから算出される平均価値志向性スコアセットで表され、前記個人の価値志向性スコアセットは、前記個人について、前記各価値志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表される。
【0081】
マッチングスコア算出部31は、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットと、前記グループの価値志向性スコアセットとをアライメントし、両者の全体の差をマッチングスコアとして算出する。マッチングスコア算出部31は、前記実施形態2の前記マッチングスコア算出部と同様である。
【0082】
組織ビジョン候補生成部32は、基準値を超えるマッチングスコアを示す組織ビジョンサンプルを、前記グループに対して適した組織ビジョン候補として選択する。
【0083】
生成装置3は、例えば、記憶部10が、さらに、相関情報記憶部103を含み、さらに、スコア推定部13を含んでもよい。相関情報記憶部103は、例えば、組織ビジョンの言語データと、前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報を記憶する。前記相関情報は、前記実施形態1と同様であり、前記スコア推定モデルが好ましい。
【0084】
スコア推定部13は、スコア化対象の被組織ビジョンの言語データを用いて、前記相関情報に基づいて、前記組織ビジョンサンプルの言語データを用いて、前記相関情報に基づいて、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットを推定する。スコア推定部13は、例えば、前記実施形態1と同様である。前記推定された価値志向性スコアセットは、例えば、前記組織ビジョンサンプルに紐付けて、前記記憶部の組織ビジョン記憶部に記憶される。
【0085】
生成装置3は、例えば、構成単位記憶部102が、個人情報記憶部、およびグループ情報記憶部を含み、さらに、グループスコア算出部を含んでもよい。
【0086】
前記個人情報記憶部は、個人と、前記個人の価値志向性スコアセットとが紐付けて記憶されている。また、前記グループ情報記憶部は、グループと、前記グループを構成する複数の個人と、前記グループの価値志向性スコアセットとが紐付けて記憶されている。前記個人の価値志向性スコアセットおよび前記グループの価値志向性スコアセットは、例えば、前記実施形態1等と同様である。
【0087】
前記グループスコア算出部は、例えば、前記グループに属する複数の個人の価値志向性スコアセットから、平均価値志向性スコアセットを算出する。前記算出した平均価値志向性スコアセットは、例えば、記憶部10の前記グループ情報記憶部に、前記グループの価値志向性スコアセットとして、前記グループに紐付けて記憶される。
【0088】
生成装置3は、例えば、各種データを記憶した外部機器(例えば、データベース、サーバ等)と接続可能であり、記憶部10に記憶される各種データは、例えば、生成装置3の使用時において、前記外部機器から入力部14を介して入力され、また、記憶部10に記憶されてもよい。
【0089】
図7に、生成装置3のハードウエア構成のブロック図を例示する。生成装置3は、例えば、CPU201、メモリ202、バス203、入力装置204、ディスプレイ205、通信デバイス206、記憶装置207等を有する。生成装置3の各部は、それぞれのインターフェース(I/F)により、バス203を介して、相互に接続されている。
【0090】
CPU201は、生成装置3の全体の制御を担うプロセッサであり、CPUには限定されず、他のプロセッサでもよい。生成装置3において、CPU201により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的に、生成装置3は、例えば、CPU201が、スコア推定部13、マッチングスコア算出部31、組織ビジョン候補生成部32等として機能する。
【0091】
生成装置3は、例えば、バス203に接続された通信デバイス206により、通信回路網に接続でき、前記通信回路網を介して、外部機器とも接続できる。前記外部機器および接続方式は、特に制限されず、例えば、前記実施形態1と同様である。
【0092】
メモリ202は、例えば、メインメモリを含み、前記実施形態1と同様である。記憶装置207は、例えば、前記実施形態1と同様である。記憶装置207は、例えば、前述の組織ビジョンデータ209、構成単位データ210、推定モデル等の相関情報211等を記憶する。
【0093】
生成装置3は、例えば、前記実施形態1と同様に、入力装置204、ディスプレイ205を有してもよい。
【0094】
つぎに、本実施形態の生成方法について説明する。本実施形態の生成方法は、例えば、図6および図7に示す組織ビジョン候補の生成装置3を用いて実施できる。なお、本実施形態の生成方法は、これらの図面に示す生成装置3の使用には限定されない。
【0095】
本実施形態の生成方法は、データ群を使用し、マッチングスコア算出工程、および組織ビジョン候補生成工程を含む。
【0096】
前記データ群は、例えば、記憶装置207に記憶されたデータ群が使用でき、前述のように、記憶装置207は、前記データ群として、組織ビジョンサンプルの言語データと、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットとが、紐付けて記憶され、構成単位であるグループと、前記グループの価値志向性スコアセットとが紐付けて記憶されている。記憶装置207は、例えば、生成装置3の記憶部10であり、記憶される各種データは、前述の通りである。
【0097】
前記マッチングスコア算出工程は、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットと、前記グループの価値志向性スコアセットとをアライメントし、両者の全体の差をマッチングスコアとして算出する。前記マッチングスコア算出工程は、例えば、生成装置3のマッチングスコア算出部31により実行できる。
【0098】
前記組織ビジョン候補生成工程は、基準値を超えるマッチングスコアを示す組織ビジョンサンプルを、前記グループに対して適した組織ビジョン候補として選択する。前記組織ビジョン候補生成工程は、例えば、生成装置3の組織ビジョン候補生成部32により実行できる。
【0099】
本実施形態の生成方法において、記憶装置207は、さらに、組織ビジョンの言語データと、前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報が記憶され、さらに、スコア推定工程を含んでもよい。前記スコア推定工程は、例えば、前記組織ビジョンサンプルの言語データを用いて、前記相関情報に基づいて、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットを推定し、前記推定された価値志向性スコアセットは、前記組織ビジョンサンプルに紐付けて、記憶部10の組織ビジョン記憶部101に記憶される。前記スコア推定工程は、例えば、生成装置3のスコア推定部13により実行できる。
【0100】
本実施形態の生成方法において、例えば、記憶装置207は、さらに、組織ビジョンの言語データを構成する候補ワードと、前記候補ワードの価値志向性スコアセットとが、紐付けて記憶され、前記組織ビジョン候補生成工程は、初期候補選択工程、問題ワード検索工程、および改変候補生成工程を含み、前記初期候補選択工程は、前記マッチングスコアが基準値を超える前記組織ビジョンサンプルを、初期組織ビジョン候補とし、前記問題ワード検索工程は、前記初期組織ビジョンの言語データを、ワードに分解し、前記候補ワードの価値志向性スコアセットに基づいて、前記各分解ワードのうち、前記マッチングスコアの大きさの原因となるワードを、問題ワードとし、前記改変候補生成工程は、前記初期組織ビジョンについて、前記候補ワードの価値志向性スコアセットに基づいて、前記問題ワードの削除、前記問題ワードから他の候補ワードへの置換、および他の候補ワードの追加のいずれかを行い、再度、言語データを構築して、新たな改変組織ビジョン候補を生成する。
【0101】
本実施形態の生成方法において、例えば、記憶装置207は、個人と、前記個人の価値志向性スコアセットとが紐付けて記憶され、グループと、前記グループを構成する複数の個人と、前記グループの価値志向性スコアセットとが紐付けて記憶され、さらに、グループスコア算出工程を含む。前記グループスコア算出工程は、前記グループに属する複数の個人の価値志向性スコアセットから、平均価値志向性スコアセットを算出し、前記算出した平均価値志向性スコアセットは、記憶部10の前記グループ情報記憶部に、前記グループの価値志向性スコアセットとして、前記グループに紐付けて記憶される。
【0102】
本実施形態の生成方法について、具体例として、生成装置3を使用し、組織ビジョンサンプルを改変して、構成単位である特定のグループに対してマッチする組織ビジョン候補を生成する方法について、説明する。なお、これらは一例であって、本発明は、何ら制限されない。
【0103】
前記データ群が記憶された記憶装置として、個人のデータベース(メンバーDB)、組織ビジョンサンプルのデータベース(ビジョンサンプルDB)、候補ワードのデータベース(ワードDB)を準備する。これらのデータベースは、例えば、生成装置3の記憶部10でもよいし、前記外部機器でもよい。後者の場合、生成装置3と前記外部機器とを、例えば、通信回線網等を介して接続して、前記外部機器から必要なデータを生成装置3に入力すればよい。
【0104】
前記メンバーDBには、表4(A)に示すように、組織のグループを構成するメンバーのそれぞれについて、IDと、価値志向性スコアセットとが、紐づけて記憶されている。前記ビジョンサンプルDBには、表4(B)に示すように、組織ビジョンサンプルのそれぞれについて、IDと、文字列データと、価値志向性スコアセットとが、紐づけて記憶されている。前記ワードDBには、表4(C)に示すように、候補ワードのそれぞれについて、IDと、ワードデータと、価値志向性スコアセットとが、紐づけて記憶されている。
【0105】
【表4】
【0106】
まず、前記メンバーDBに記憶されている前記グループを構成するメンバーA~Dの価値志向性スコアセットから、グループの平均価値志向性スコアセットを算出する。
【0107】
つぎに、前記ビジョンサンプルDBに記憶されている組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットと、算出した前記グループの平均価値志向性スコアセットとをアライメントして、前記図5に示す式1から、マッチングスコアを算出する。前記式1によるマッチングスコアは、値が小さい程マッチすることを意味する。そして、マッチングスコアが基準値以下である組織ビジョンサンプルを一次候補として選択し、下記表5に示すように、マッチングスコアの小さい順に、一次候補のリストとして、ディスプレイ205等への表示、前記外部機器への通信等により出力する。
【0108】
【表5】
【0109】
そして、さらに、前記一次候補の組織ビジョンサンプルを改変して、前記グループに適した組織ビジョン候補を生成する。組織ビジョンの最適化の一例として、図8にフローチャートを示す。
【0110】
まず、前記リストから、改変する前記一次候補の組織ビジョンサンプルを選択する。前記組織ビジョンサンプルは、例えば、前記リストの上位から順に選択してもよいし、出力された前記リストからユーザが選択したものでもよい。組織ビジョンサンプルV4を選択したと仮定して、以下、説明する。
【0111】
まず、工程(S01)において、選択した組織ビジョンサンプルV4の最適化処理について、ループカウンタを初期化する(k=0)。つぎに、工程(S02)において、組織ビジョンサンプルの文字データを、ワードごとに分解する(v→w1、・・・wn)。選択ビジョンサンプルV4を分解したワードの一群をワード群0と呼ぶ。工程(S03)において、ワード群0の各ワードについて、前記ワードDBに基づいて、価値志向性スコアセットを検索する(wi→si)。そして、工程(S04)において、組織ビジョンサンプルV4に含まれる全てのワードの前記価値志向性スコアセットを足し、ワードの数(n)で割ることにより、組織ビジョンサンプルV4を構成するワード群0について、価値志向性スコアセットの平均値を求める(S=(s1+・・・sn)/n)。
【0112】
つぎに、工程(S05)において、前記組織ビジョンサンプルV4のワードの平均価値志向性スコアセットと、前記グループの価値志向性スコアセットとの間のスコア差を算出する。具体的には、前記メンバーDBにおけるメンバーA~D(N=4)の平均価値志向性スコアとの、スコア差を算出する(dS=S-(m+・・・+m)/N)。
【0113】
工程(S06)において、前記算出したスコア差から、絶対値最大要素の抽出を行う。ここで、得られたスコア差は、価値志向性の6要素(要素番号1:理論、要素番号2:経済、要素番号3:審美、要素番号4:宗教、要素番号5:社会、要素番号6:権力)からなるベクトル(ds1、・・・、ds6)になっている。これらのスコア差ベクトルの絶対値最大要素max(|ds1|、・・・、|ds6|)を抽出し、それをΔとする。同時に、選択した要素番号をjとする。ここでは、Δ=|ds4|、j=4として、以下、説明を続ける。
【0114】
そして、工程(S07)において、Δ>T(収束判定閾値)であり且つk(ループカウンタ)<L(反復回数)の場合(YES)、工程(S08)において、ループカウンタをカウントアップ(k=k+1)する。前記収束判定閾値Tは、最適化アルゴリズムによって最適なワードの組み合わせに到達したこと、すなわち、最適化が完了したこと、を判定する、事前指定されるパラメータである。前記反復回数Lは、最適化アルゴリズムが収束しない場合に、最適化の反復を打ち切るための最大反復回数である。
【0115】
工程(S09)において、組織ビジョンサンプルV4のワードのうち、問題ワードを特定する。ワードのビジョンスコアsiの6要素(si1、・・・、si6)のうち、絶対値最大要素Δとして採用したj番目の要素sijを取り出し、dsj>0の場合は、sijが最大のワードwiを特定し、dsj<0の場合は、sijが最小のワードwiを特定する。
【0116】
工程(S10)組織ビジョンサンプルV4のワードのうち、問題ワードについて、前記ワードDBの候補ワードとの置換を行う。候補ワードの選択は、j=4の場合、問題ワードの補正されたスコア(si1、si2、si3、si4-ds4、si5、si6)と最もスコア差が小さいワードを選択することで行う。組織ビジョンサンプルV4のワード群0について、候補ワードへの置換が行われた後のワード群を、ワード群1という。
【0117】
前記候補ワードとの置換を行った組織ビジョンサンプルV4のワード群1について、ワード群0と同様に、ワード群1の価値志向性スコアセットの平均値の算出以降を行う(工程(S04)~(S07))。そして、工程(S07)において、Δ≦Tまたはk≧Lとなったら(NO)、工程(S11)において、その時点のワード群から、組織ビジョンの再構築を行う。再構築された組織ビジョンを、最適化された組織ビジョン候補(二次候補、VOPT)として決定する(S12)。
【0118】
最適化された組織ビジョン候補は、例えば、実際に組織および対象となるグループとが判定を行う。そして、採用された場合は、前記組織ビジョン候補の言語データおよび価値志向性スコアデータ、前記グループおよびメンバーの価値志向性スコアデータは、新たなデータセットとして、記憶してもよい。また、不採用の場合は、新たな一次候補について、同様に最適化を行なえばよい。
【0119】
また、採用された各種データは、例えば、前記相関情報を更新するためのデータセットとして使用でき、また、それを用いて更新された相関情報は、さらに記憶される。また、採用された組織ビジョン候補のワードは、例えば、さらに、前記ワードDBに記憶させ、DBを更新してもよい。
【0120】
[実施形態4]
本実施形態のプログラムは、前記本発明の各方法を、コンピュータ上で実行可能なプログラムである。または、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、前述のような記憶媒体等があげられる。
【0121】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0122】
<付記>
上記の実施形態および実施例の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
記憶部、スコアセット生成部、および相関情報生成部を含み、
前記記憶部は、
複数の組織ビジョンサンプルについて、言語データを記憶し、
組織を構成する複数の構成単位について、前記構成単位が属する価値志向性カテゴリーと、前記各組織ビジョンサンプルに対する共感の有無とを紐づけて記憶し、
前記スコアセット生成部は、
前記組織ビジョンサンプルについて、それぞれ、前記価値志向性カテゴリーごとに、前記価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数をカウントし、前記各価値志向性カテゴリーのカウントセットを、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットとして生成し、
前記相関情報生成部は、
前記組織ビジョンサンプルについて、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとをデータセットとして、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報を生成する、
ことを特徴とする組織ビジョンのスコア化装置。
(付記2)
前記相関情報は、組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットを推定するためのスコア推定モデルであり、
前記相関情報生成部は、
前記組織ビジョンサンプルについて、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとを学習データセットとして、機械学習により、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとの相関を示すスコア推定モデルを生成する、付記1記載のスコア化装置。
(付記3)
さらに、スコア推定部を含み、
前記スコア推定部は、
スコア化対象の被組織ビジョンの言語データを用いて、前記相関情報に基づいて、前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットを推定する、付記1または2記載のスコア化装置。
(付記4)
前記言語データが、文字列データである、付記1から3のいずれかに記載のスコア化装置。
(付記5)
前記価値志向性カテゴリーが、理論型、経済型、審美型、宗教型、権力型、および社会型を含む、付記1から4のいずれかに記載のスコア化装置。
(付記6)
前記構成単位が、組織を構成する複数の個人からなるグループ、または、個人である、付記1から5のいずれかに記載のスコア化装置。
(付記7)
記憶部、スコア推定部、およびマッチング判定部を含み、
前記記憶部は、
相関情報記憶部、および構成単位記憶部を含み、
前記相関情報記憶部は、組織ビジョンの言語データと、前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報を記憶し、
前記構成単位記憶部は、組織を構成する構成単位の価値志向性スコアセットを記憶し、
前記スコア推定部は、
スコア化対象の被組織ビジョンの言語データを用いて、前記相関情報に基づいて、前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットを推定し、
前記マッチング判定部は、
前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットと、前記構成単位の価値志向性スコアセットとの類否から、前記被組織ビジョンと前記構成単位とがマッチしているか否かを判定し;
前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットは、
前記組織ビジョンについて、前記各価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数のカウントセットに相当するスコアセットで表され、
前記構成単位の価値志向性スコアセットは、
前記構成単位について、前記各価値志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表される
ことを特徴とする組織ビジョンと組織の構成単位とのマッチング判定装置。
(付記8)
前記相関情報が、組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットを推定するための、スコア推定モデルであり、
組織ビジョンについて、その言語データとその価値志向性スコアセットとを学習データセットとして、機械学習により生成されたモデルである、付記7記載のマッチング判定装置。
(付記9)
前記マッチング判定部が、マッチングスコア算出部と、判定部とを含み、
前記マッチングスコア算出部は、
前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットと、前記構成単位の価値志向性スコアセットとをアライメントし、両者の全体の差をマッチングスコアとして算出し、
前記判定部は、
前記マッチングスコアが基準値以下の場合、前記被組織ビジョンと前記構成単位とがマッチすると判定し、
前記マッチングスコアが基準値を超える場合、前記被組織ビジョンと前記構成単位とがマッチしないと判定する、付記7または8記載のマッチング判定装置。
(付記10)
前記構成単位が、個人であり、
前記個人の価値志向性スコアセットが、前記個人について、前記各価値志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表される、付記7から9のいずれかに記載のマッチング判定装置。
(付記11)
前記構成単位が、組織を構成する複数の個人からなるグループであり、
前記グループの価値志向性スコアセットが、前記グループに属する複数の個人の価値志向性スコアセットから算出される平均価値志向性スコアセットで表され、
前記個人の価値志向性スコアセットが、前記個人について、前記各価値志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表される、付記7から10のいずれかに記載のマッチング判定装置。
(付記12)
記憶部、マッチングスコア算出部、組織ビジョン候補生成部を含み、
前記記憶部は、
組織ビジョン記憶部、および構成単位記憶部を含み、
前記組織ビジョン記憶部は、組織ビジョンサンプルの言語データと、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットとを、紐付けて記憶し、
前記構成単位記憶部は、構成単位であるグループと、前記グループの価値志向性スコアセットとを紐付けて記憶し、
前記マッチングスコア算出部は、
前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットと、前記グループの価値志向性スコアセットとをアライメントし、両者の全体の差をマッチングスコアとして算出し、
前記組織ビジョン候補生成部は、
基準値を超えるマッチングスコアを示す組織ビジョンサンプルを、前記グループに対して適した組織ビジョン候補として選択し;
前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットは、
前記組織ビジョンについて、前記各価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数のカウントセットに相当するスコアセットで表され、
前記グループは、
組織を構成する複数の個人からなるグループであり、
前記グループの価値志向性スコアセットは、
前記複数の個人の価値志向性スコアセットから算出される平均価値志向性スコアセットで表され、
前記個人の価値志向性スコアセットは、前記個人について、前記各価値志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表される
ことを特徴とする組織ビジョン候補の生成装置。
(付記13)
前記記憶部は、
さらに、相関情報記憶部を含み、
前記相関情報記憶部は、組織ビジョンの言語データと、前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報を記憶し、
さらに、スコア推定部を含み、
前記スコア推定部は、前記組織ビジョンサンプルの言語データを用いて、前記相関情報に基づいて、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットを推定し、
前記推定された価値志向性スコアセットは、前記組織ビジョンサンプルに紐付けて、前記記憶部の組織ビジョン記憶部に記憶される、
付記12記載の組織ビジョン候補の生成装置。
(付記14)
前記記憶部は、
さらに、単語記憶部を含み、
前記単語記憶部は、組織ビジョンの言語データを構成する候補ワードと、前記候補ワードの価値志向性スコアセットとを、紐付けて記憶し、
前記組織ビジョン候補生成部は、
初期候補選択部、問題ワード検索部、および改変候補生成部を含み、
前記初期候補選択部は、
前記マッチングスコアが基準値を超える前記組織ビジョンサンプルを、初期組織ビジョン候補とし、
前記問題ワード検索部は、
前記初期組織ビジョンの言語データを、ワードに分解し、
前記候補ワードの価値志向性スコアセットに基づいて、前記各分解ワードのうち、前記マッチングスコアの大きさの原因となるワードを、問題ワードとし、
前記改変候補生成部は、
前記初期組織ビジョンについて、前記候補ワードの価値志向性スコアセットに基づいて、前記問題ワードの削除、前記問題ワードから他の候補ワードへの置換、および他の候補ワードの追加のいずれかを行い、再度、言語データを構築して、新たな改変組織ビジョン候補を生成し;
前記候補ワードの価値志向性スコアセットは、
前記候補ワードについて、それぞれ、前記価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数のカウントセットに相当するスコアセットで表される、
付記12または13記載の組織ビジョン候補の生成装置。
(付記15)
前記構成単位記憶部は、
個人情報記憶部、およびグループ情報記憶部を含み、
前記個人情報記憶部は、
個人と、前記個人の価値志向性スコアセットとを紐付けて記憶し、
前記個人の価値志向性スコアセットは、前記個人について、前記各価値志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表され、
前記グループ情報記憶部は、
グループと、前記グループを構成する複数の個人と、前記グループの価値志向性スコアセットとを紐付けて記憶し、
前記グループの価値志向性スコアセットが、前記グループに属する複数の個人の価値志向性スコアセットから算出される平均価値志向性スコアセットで表され、
前記個人の価値志向性スコアセットが、前記個人について、前記各価値志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表され、
さらに、グループスコア算出部を含み、
前記グループスコア算出部は、
前記グループに属する複数の個人の価値志向性スコアセットから、平均価値志向性スコアセットを算出し、
前記算出した平均価値志向性スコアセットは、前記記憶部のグループ情報記憶部に、前記グループの価値志向性スコアセットとして、前記グループに紐付けて記憶される、付記12から14のいずれかに記載の組織ビジョン候補の生成装置。
(付記16)
データ群を使用し、
前記データ群は、
複数の組織ビジョンサンプルについて、言語データを含み、
組織を構成する複数の構成単位について、前記構成単位が属する価値志向性カテゴリーと、前記各組織ビジョンサンプルに対する共感の有無とを紐づけて含み、
スコアセット生成工程、および相関情報生成工程を含み、
前記スコアセット生成工程は、
複数の組織ビジョンサンプルについて、それぞれ、前記価値志向性カテゴリーごとに、前記価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数をカウントし、前記各価値志向性カテゴリーのカウントセットを、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットとして生成し、
前記相関情報生成工程は、
前記組織ビジョンサンプルについて、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとをデータセットとして、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報を生成する、
ことを特徴とする組織ビジョンのスコア化方法。
(付記17)
前記相関情報は、組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットを推定するためのスコア推定モデルであり、
前記相関情報生成工程は、
前記組織ビジョンサンプルについて、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとを学習データセットとして、機械学習により、前記言語データと前記価値志向性スコアセットとの相関を示すスコア推定モデルを生成する、付記16記載のスコア化方法。
(付記18)
さらに、スコア推定工程を含み、
前記スコア推定工程は、
スコア化対象の被組織ビジョンの言語データを用いて、前記相関情報に基づいて、前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットを推定する、付記16または17記載のスコア化方法。
(付記19)
前記言語データが、文字列データである、付記16から18のいずれかに記載のスコア化方法。
(付記20)
前記価値志向性カテゴリーが、理論型、経済型、審美型、宗教型、権力型、および社会型を含む、付記16から19のいずれかに記載のスコア化方法。
(付記21)
前記構成単位が、組織を構成する複数の個人からなるグループ、または、個人である、付記16から20のいずれかに記載のスコア化方法。
(付記22)
データ群を使用し、
前記データ群は、
組織ビジョンの言語データと、前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報を含み、
組織を構成する構成単位の価値志向性スコアセットを含み、
スコア推定工程、およびマッチング判定工程を含み、前記スコア推定工程は、
スコア化対象の被組織ビジョンの言語データを用いて、前記相関情報に基づいて、前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットを推定し、
前記マッチング判定工程は、
前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットと、前記構成単位の価値志向性スコアセットとの類否から、前記被組織ビジョンと前記構成単位とがマッチしているか否かを判定し;
前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットは、
前記組織ビジョンについて、前記各価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数のカウントセットに相当するスコアセットで表され、
前記構成単位の価値志向性スコアセットは、
前記構成単位について、前記各価値志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表される
ことを特徴とする組織ビジョンと組織の構成単位とのマッチング判定方法。
(付記23)
前記相関情報が、組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットを推定するための、スコア推定モデルであり、
組織ビジョンについて、その言語データとその価値志向性スコアセットとを学習データセットとして、機械学習により生成されたモデルである、付記22記載のマッチング判定方法。
(付記24)
前記マッチング判定工程が、マッチングスコア算出工程と、判定工程とを含み、
前記マッチングスコア算出工程は、
前記被組織ビジョンの価値志向性スコアセットと、前記構成単位の価値志向性スコアセットとをアライメントし、両者の全体の差をマッチングスコアとして算出し、
前記判定工程は、
前記マッチングスコアが基準値以下の場合、前記被組織ビジョンと前記構成単位とがマッチすると判定し、
前記マッチングスコアが基準値を超える場合、前記被組織ビジョンと前記構成単位とがマッチしないと判定する、付記22または23記載のマッチング判定方法。
(付記25)
前記構成単位が、個人であり、
前記個人の価値志向性スコアセットが、前記個人について、前記各価値志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表される、付記22から24のいずれかに記載のマッチング判定方法。
(付記26)
前記構成単位が、組織を構成する複数の個人からなるグループであり、
前記グループの価値志向性スコアセットが、前記グループに属する複数の個人の価値志向性スコアセットから算出される平均価値志向性スコアセットで表され、
前記個人の価値志向性スコアセットが、前記個人について、前記各価値志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表される、付記22から25のいずれかに記載のマッチング判定方法。
(付記27)
データ群を使用し
前記データ群は、
組織ビジョンサンプルの言語データと、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットとを、紐付けて含み、
構成単位であるグループと、前記グループの価値志向性スコアセットとを紐付けて含み、
マッチングスコア算出工程、および組織ビジョン候補生成工程を含み、
前記マッチングスコア算出工程は、
前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットと、前記グループの価値志向性スコアセットとをアライメントし、両者の全体の差をマッチングスコアとして算出し、
前記組織ビジョン候補生成工程は、
基準値を超えるマッチングスコアを示す組織ビジョンサンプルを、前記グループに対して適した組織ビジョン候補として選択し;
前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットは、
前記組織ビジョンについて、前記各価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数のカウントセットに相当するスコアセットで表され、
前記グループは、
組織を構成する複数の個人からなるグループであり、
前記グループの価値志向性スコアセットは、
前記複数の個人の価値志向性スコアセットから算出される平均価値志向性スコアセットで表され、
前記個人の価値志向性スコアセットは、前記個人について、前記各価値志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表される
ことを特徴とする組織ビジョン候補の生成方法。
(付記28)
前記データ群は、
さらに、組織ビジョンの言語データと、前記組織ビジョンの価値志向性スコアセットとの相関を示す相関情報を含み、
さらに、スコア推定工程を含み、
前記スコア推定工程は、前記組織ビジョンサンプルの言語データを用いて、前記相関情報に基づいて、前記組織ビジョンサンプルの価値志向性スコアセットを推定し、
前記推定された価値志向性スコアセットは、前記組織ビジョンサンプルに紐付けて、前記記憶部の組織ビジョン記憶部に記憶される、
付記27記載の組織ビジョン候補の生成方法。
(付記29)
前記データ群は、
さらに、組織ビジョンの言語データを構成する候補ワードと、前記候補ワードの価値志向性スコアセットとを、紐付けて含み、
前記組織ビジョン候補生成工程は、
初期候補選択工程、問題ワード検索工程、および改変候補生成工程を含み、
前記初期候補選択工程は、
前記マッチングスコアが基準値を超える前記組織ビジョンサンプルを、初期組織ビジョン候補とし、
前記問題ワード検索工程は、
前記初期組織ビジョンの言語データを、ワードに分解し、
前記候補ワードの価値志向性スコアセットに基づいて、前記各分解ワードのうち、前記マッチングスコアの大きさの原因となるワードを、問題ワードとし、
前記改変候補生成工程は、
前記初期組織ビジョンについて、前記候補ワードの価値志向性スコアセットに基づいて、前記問題ワードの削除、前記問題ワードから他の候補ワードへの置換、および他の候補ワードの追加のいずれかを行い、再度、言語データを構築して、新たな改変組織ビジョン候補を生成し;
前記候補ワードの価値志向性スコアセットは、
前記候補ワードについて、それぞれ、前記価値志向性カテゴリーに属する構成単位であり且つ共感を示す構成単位の数のカウントセットに相当するスコアセットで表される、
付記27または28記載の組織ビジョン候補の設計方法。
(付記30)
前記データ群は、
個人と、前記個人の価値志向性スコアセットとを紐付けて含み、
前記個人の価値志向性スコアセットは、前記個人について、前記各価値志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表され、
グループと、前記グループを構成する複数の個人と、前記グループの価値志向性スコアセットとが紐付けて記憶され、
前記グループの価値志向性スコアセットが、前記グループに属する複数の個人の価値志向性スコアセットから算出される平均価値志向性スコアセットで表され、
前記個人の価値志向性スコアセットが、前記個人について、前記各価値志向性カテゴリーへの該当度合いを示すスコアセットで表され、
さらに、グループスコア算出工程を含み、
前記グループスコア算出工程は、
前記グループに属する複数の個人の価値志向性スコアセットから、平均価値志向性スコアセットを算出し、
前記算出した平均価値志向性スコアセットは、前記記憶部のグループ情報記憶部に、前記グループの価値志向性スコアセットとして、前記グループに紐付けて記憶される、付記27から29のいずれかに記載の組織ビジョン候補の生成方法。
(付記31)
付記16から31のいずれかに記載の方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
(付記32)
付記31記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0123】
1 スコア化装置
10 記憶部
101 組織ビジョン記憶部
102 構成単位記憶部
103 相関情報記憶部
11 スコアセット生成部
12 相関情報生成部
13 スコア推定部
14 入力部
15 出力部
201 CPU
202 メモリ
203 バス
204 入力装置
205 ディスプレイ
206 通信デバイス
207 記憶装置
208 プログラム
209 組織ビジョンデータ
210 構成単位データ
211 相関情報
2 マッチング判定装置
21 マッチング判定部
3 組織ビジョン候補の生成装置
31 マッチングスコア算出部
32 組織ビジョン候補生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8