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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】ねじ釘
(51)【国際特許分類】
   F16B 25/04 20060101AFI20220823BHJP
【FI】
F16B25/04 B
F16B25/04 Z
【請求項の数】 36
(21)【出願番号】P 2021007844
(22)【出願日】2021-01-21
(65)【公開番号】P2021116928
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】109102598
(32)【優先日】2020-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】521031486
【氏名又は名称】チャオ イン チン
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャオ イン チン
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202018003790(DE,U1)
【文献】米国特許第04778319(US,A)
【文献】登録実用新案第3153125(JP,U)
【文献】登録実用新案第3156633(JP,U)
【文献】特開2017-025978(JP,A)
【文献】特開昭61-189310(JP,A)
【文献】国際公開第2016/180661(WO,A1)
【文献】実開昭59-183523(JP,U)
【文献】登録実用新案第3162311(JP,U)
【文献】特開平06-173923(JP,A)
【文献】特開2004-308732(JP,A)
【文献】特開2010-190269(JP,A)
【文献】独国実用新案第202004011145(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B23/00-43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドと、前記ヘッドから所定の軸線方向に沿って延伸する釘本体と、前記釘本体の前記ヘッドから離れた先端において、先細に形成されたドリルビットと、を有するねじ釘であって、前記釘本体に、
前記釘本体かららせん状に突起するスクリュースレッドと、
前記スクリュースレッドを横断せずに延伸するように前記釘本体に形成された少なくとも1つの収容凹部と、が形成されており、
前記収容凹部は、前記軸線方向と略平行する方向及び前記軸線方向と略直交する方向において、非らせん状に前記釘本体の表面から凹陥するように形成されており、
前記ドリルビットに、前記釘本体の前記収容凹部に連通する切削溝が形成されており、
前記釘本体は、前記ヘッドから延伸する中間部と、前記中間部から前記ドリルビットまで延伸する下端部と、を有するように形成されており、
前記スクリュースレッドは、前記下端部及び前記ドリルビットに形成される下端ねじ山部を有することを特徴とするねじ釘。
【請求項2】
前記収容凹部が、前記釘本体の外周を360°に亘って切り込まれていることを特徴とする請求項1に記載のねじ釘。
【請求項3】
複数の前記収容凹部が互いに間を空けて前記釘本体に対して直交するように切り込まれて形成されていることを特徴とする請求項1に記載のねじ釘。
【請求項4】
前記収容凹部が前記ドリルビット寄りの位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のねじ釘。
【請求項5】
前記収容凹部が前記ヘッド寄りの位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のねじ釘。
【請求項6】
前記切削溝は、前記軸線方向と平行に延伸することを特徴とする請求項に記載のねじ釘。
【請求項7】
前記切削溝は、前記軸線方向と平行しない斜め方向に沿って延伸することを特徴とする
請求項に記載のねじ釘。
【請求項8】
前記ドリルビットに、前記軸線方向における一端寄りの位置に配置される複数の切削溝が形成されており、且つ、少なくとも1つの前記切削溝は、前記収容凹部に連通することを特徴とする請求項1に記載のねじ釘。
【請求項9】
前記複数の切削溝は互いに平行に延伸するように形成されていることを特徴とする請求項に記載のねじ釘。
【請求項10】
前記ドリルビットに、前記軸線方向を中心に互いに対称するように配置される複数の切削溝が形成されており、且つ、少なくとも1つの前記切削溝は、前記収容凹部に連通することを特徴とする請求項1に記載のねじ釘。
【請求項11】
前記複数の切削溝は互いに平行に延伸するように形成されていることを特徴とする請求項10に記載のねじ釘。
【請求項12】
前記ドリルビットに、前記軸線方向の周りに互いに間を空けて配置される複数の切削溝が形成されており、且つ、少なくとも1つの前記切削溝は、前記収容凹部に連通することを特徴とする請求項1に記載のねじ釘。
【請求項13】
前記ドリルビットに、前記軸線に沿って互いに間を空けて配置される複数の切削溝が形成されており、且つ、少なくとも1つの前記切削溝は、前記収容凹部に連通することを特徴とする請求項1に記載のねじ釘。
【請求項14】
前記切削溝は、いずれも前記収容凹部に連通することを特徴とする請求項13に記載のねじ釘。
【請求項15】
前記少なくとも1つの収容凹部は、前記釘本体の表面と略直交する段差面を有するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のねじ釘。
【請求項16】
前記少なくとも1つの収容凹部は、前記釘本体の表面とスムーズに連続しているスロープ面を有するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のねじ釘。
【請求項17】
前記釘本体の表面に、少なくとも1つの補強リブが突起するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のねじ釘。
【請求項18】
前記ドリルビットに、前記収容凹部に連通する切削溝が形成され、該切削溝の前記軸線方向に沿った長さは、前記補強リブの前記軸線方向に沿った長さより長いことを特徴とする請求項17に記載のねじ釘。
【請求項19】
前記釘本体に、前記スクリュースレッドと巻きの方向が逆である逆方向スレッドが突起するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のねじ釘。
【請求項20】
前記ドリルビットに、前記逆方向スレッドを横断して前記収容凹部に連通する切削溝が形成されていることを特徴とする請求項19に記載のねじ釘。
【請求項21】
前記釘本体に、らせん状に延伸する複数のらせん突起が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のねじ釘。
【請求項22】
前記ドリルビットに、前記らせん突起を横断して前記収容凹部に連通する切削溝が形成
されていることを特徴とする請求項21に記載のねじ釘。
【請求項23】
前記釘本体に、前記収容凹部と前記スクリュースレッドとの間に介在する位置から互いに反対する方向へ突起する2つのフィンが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のねじ釘。
【請求項24】
前記釘本体に、前記収容凹部と前記ドリルビットとの間に介在する位置から互いに反対する方向へ突起する2つのフィンが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のねじ釘。
【請求項25】
前記釘本体に、前記スクリュースレッドの前記軸線方向における2つの並列する突起部分の間に介在する位置から互いに反対する方向へ突起する2つのフィンが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のねじ釘。
【請求項26】
前記収容凹部の前記軸線方向と平行に延伸する長さが、前記釘本体の直径より長いことを特徴とする請求項1に記載のねじ釘。
【請求項27】
前記釘本体は、前記中間部から前記ヘッドまで延伸する上端部を有するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のねじ釘。
【請求項28】
前記収容凹部の前記軸線方向と平行に延伸する長さが、前記上端部の直径より長いことを特徴とする請求項27に記載のねじ釘。
【請求項29】
前記スクリュースレッドは、前記上端部から突起する上端ねじ山部を更に有することを特徴とする請求項27に記載のねじ釘。
【請求項30】
前記スクリュースレッドは、前記下端ねじ山部と連続し、且つ、前記中間部から突起する補助ねじ山部と、を有することを特徴とする請求項27に記載のねじ釘。
【請求項31】
前記スクリュースレッドは、前記補助ねじ山部と連続し、且つ、前記上端部から突起する上端ねじ山部を更に有することを特徴とする請求項30に記載のねじ釘。
【請求項32】
前記下端ねじ山部の外径が、前記補助ねじ山部の外径より長いことを特徴とする請求項30に記載のねじ釘。
【請求項33】
前記下端ねじ山部と前記上端ねじ山部との外径が、いずれも前記補助ねじ山部の外径より長いことを特徴とする請求項31に記載のねじ釘。
【請求項34】
記収容凹部は前記中間部に形成されることを特徴とする請求項1に記載のねじ釘。
【請求項35】
前記軸線方向に沿って並ぶ複数の前記収容凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のねじ釘。
【請求項36】
前記軸線方向において隣り合う2つの前記収容凹部の間に、該2つの前記収容凹部の両方と連通する連通路が凹設されていることを特徴とする請求項35に記載のねじ釘。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はねじ釘に関し、特に、下穴を開けておく必要のないねじ釘に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に特許文献1に記載される従来のねじ釘の一例が示されている。図示のように、該ねじ釘1は、釘本体12と、該釘本体12の表面にらせん状に突起するスクリュースレッド121と、釘本体12の先端に形成されるドリルビット13と、釘本体12の表面に凹設されている収容溝122とを有する。
【0003】
収容溝122が形成され、ドリルビット13により切り出された屑(例えば、木屑)が収容溝122内に収容されて排出されることができるので、木屑が溜まることによって引き起こされる木材の割れを回避できる構成になっている。
【0004】
このようなねじ釘が適用されるのは木材だけではなく、木材以外の材料にも適用され得るが収容溝122が切り出された材料の屑で充満された場合、ドリルビット13の切れ味が落ちる恐れがある、特に、硬さが異なる複数種類の材料により積層された対象に用いられる場合、柔らかめの材料から切り出された材料が収容溝122に充満すると、固めの材料に対する切削力が足りなくなるという欠陥がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-080825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の欠点を改善できるねじ釘を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点に鑑みて、本発明は、ヘッドと、前記ヘッドから所定の軸線方向に沿って延伸する釘本体と、前記釘本体の前記ヘッドから離れた先端において、先細に形成されたドリルビットと、を有するねじ釘であって、前記釘本体に、前記釘本体かららせん状に突起するスクリュースレッドと、前記スクリュースレッドを横断せずに延伸するように前記釘本体に形成された少なくとも1つの収容凹部と、が形成されていることを特徴とするねじ釘を提供する。
【発明の効果】
【0008】
上記のように、本発明のねじ釘は、軸線方向と平行に延伸する収容凹部が形成されているので、刳り出される材料の屑を収容するスペースが従来よりも広く、より大量の屑を収容することができ、ドリルビットの切れ味を保ち続けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】従来のねじ釘の一例が示される側面図。
図2】本発明のねじ釘の第1の実施形態の構成が示される側面図。
図3】本発明のねじ釘の第1の実施形態の効果が示される側面図。
図4】本発明のねじ釘の第1の実施形態の変化例の構成が示される側面図。
図5】本発明のねじ釘の第1の実施形態の変化例の構成が示される側面図。
図6】本発明のねじ釘の第1の実施形態の変化例の構成が示される側面図。
図7】本発明のねじ釘の第1の実施形態の変化例の構成が示される斜視図。
図8】本発明のねじ釘の第2の実施形態の構成が示される側面図。
図9】本発明のねじ釘の第2の実施形態の構成が示される断面図。
図10】本発明のねじ釘の第3の実施形態の構成が示される側面図。
図11】本発明のねじ釘の第4の実施形態の構成が示される側面図。
図12】本発明のねじ釘の第4の実施形態の変化例の構成が示される側面図。
図13】本発明のねじ釘の第5の実施形態の構成が示される側面図。
図14】本発明のねじ釘の第6の実施形態の構成が示される側面図。
図15】本発明のねじ釘の第7の実施形態の構成が示される側面図。
図16】本発明のねじ釘の第8の実施形態の構成が示される側面図。
図17】本発明のねじ釘の第9の実施形態の構成が示される側面図。
図18】本発明のねじ釘の第10の実施形態の構成が示される側面図。
図19】本発明のねじ釘の第11の実施形態の構成が示される側面図。
図20】本発明のねじ釘の第11の実施形態の変化例の構成が示される側面図。
図21】本発明のねじ釘の第12の実施形態の構成が示される側面図。
図22】本発明のねじ釘の第13の実施形態の構成が示される側面図。
図23】本発明のねじ釘の第14の実施形態の構成が示される側面図。
図24】本発明のねじ釘の第15の実施形態の構成が示される側面図。
図25】本発明のねじ釘の第16の実施形態の構成が示される側面図。
図26】本発明のねじ釘の第17の実施形態の構成が示される側面図。
図27】本発明のねじ釘の第18の実施形態の構成が示される側面図。
図28】本発明のねじ釘の第19の実施形態の構成が示される側面図。
図29】本発明のねじ釘の第20の実施形態の構成が示される斜視図。
図30】本発明のねじ釘の第21の実施形態の構成が示される側面図。
図31】本発明のねじ釘の第22の実施形態の構成が示される側面図。
図32】本発明のねじ釘の第23の実施形態の構成が示される斜視図。
図33】本発明のねじ釘の第24の実施形態の構成が示される側面図。
図34】本発明のねじ釘の第25の実施形態の構成が示される側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明をより詳細に説明する前に、適切と考えられる場合において、同様の特性もしくは機能を有する要素を示すために、同じ符号を用いて各図面間で繰り返し用いられることに留意されたい。
【0011】
以下は各図面を参照して本発明のねじ釘についてより詳細に説明する。
【0012】
図2は本発明のねじ釘の第1の実施形態の構成が示される側面図であり、図3はその効果が示される側面図である。
【0013】
図示のように、本発明のねじ釘の第1の実施形態は、ヘッド2と、ヘッド2から軸線方向Lに沿って延伸する釘本体3と、釘本体3のヘッド2から離れた先端に形成されるドリルビット4とを有するねじ釘である。釘本体3には、収容凹部30と、スクリュースレッド5と、が形成されている。
【0014】
ドリルビット4は、釘本体3のヘッド2から離れた先端において、該ねじ釘がねじ込まれる対象に挿しこまれるための穴を開けられるように、先細に形成されている。
【0015】
スクリュースレッド5は、釘本体3かららせん状に突起するように形成されている。
【0016】
収容凹部30は、スクリュースレッド5を横断せずに軸線方向Lと略平行及び略直交する方向に、非らせん状に延伸するように釘本体3に対して直交するように切り込まれている。なお、ここでの「横断」という表現は、スクリュースレッド5の頂点から凹陥して該スクリュースレッド5を中断させる構成を表現するのに使われる言葉であり、即ち、本発明の各実施形態における各収容凹部30のどれもが、スクリュースレッド5の頂点から凹陥して該スクリュースレッド5を中断させる構成を有していないことを指している。
【0017】
この実施形態において、釘本体3は、収容凹部30が形成される中間部31と、中間部31からヘッド2まで延伸する上端部32と、中間部31からドリルビット4まで延伸する下端部33と、を有している。
【0018】
この実施形態において、スクリュースレッド5は、上端部32と下端部33とドリルビット4から突起するように形成されているが、収容凹部30が形成される中間部31には形成されていない。
【0019】
収容凹部30は、釘本体3の中間部31の外周を360°に亘って切り込まれており、そして、該収容凹部30は、釘本体3の表面と略直交する段差面を有するように形成されている。
【0020】
この実施形態において、収容凹部30とヘッド2との軸線方向L沿いの距離は収容凹部30とドリルビット4との軸線方向L沿いの距離より大きく、言い換えれば収容凹部30が形成される中間部31はドリルビット4寄りの位置になっているが、本発明としては特にこのような構成に限定されるものではない。
【0021】
また、ドリルビット4と下端部33には、収容凹部30に連通し、且つ、ドリルビット4から軸線方向Lと平行に下端部33に延伸する切削溝40が形成されている。
【0022】
この構成により、図3に示されるように、この第1の実施形態のねじ釘が木材層91と金属層92とを有する板状ワークピース9にねじ込まれる際、木材層91から刳り出される材料の屑(木屑)は、ドリルビット4に形成されて収容凹部30に連通する切削溝40を経由して従来よりも広い収容スペースとなる収容凹部30に収容されるので、切削溝40に木屑が溜まることにより引き起こされるドリルビット4の切れ味の劣化を回避し、金属層92に切り込むのに十分な切れ味を保ち続けることが可能である。
【0023】
更に、ドリルビット4により板状ワークピース9に開けられる下穴900の内径は、必ず釘本体3の中間部31に対して直交するように切り込まれて形成された収容凹部30の外径より広くなっているので、板状ワークピース9にねじ込まれる際において、収容凹部30が形成される部分(即ち、中間部31)は下穴900の内壁に接触せず、つまり、釘本体3と下穴900の内壁とが接触する面積も従来のねじ釘より狭くなっているので、板状ワークピース9にねじ込まれて下穴900を開ける際における抵抗力となる摩擦力も比較的に弱くなり、下穴900があけやすい利点もある。
【0024】
図4に本発明のねじ釘の第1の実施形態の変化例の構成が示されている。
【0025】
図示のように、この変化例において、ドリルビット4は、釘本体3のヘッド2から離れた先端において先細に形成されているが、図2及び図3に示される例と異なり、先端の断面が鈍角になっている。即ち、本発明において、ドリルビット4の形状については特に限定せず、必要に応じてドリルビット4の形状を選択できることを意味する。
【0026】
この変化例において、スクリュースレッド5は、釘本体3かららせん状に突起するよう
に形成されている。
【0027】
この変化例において、釘本体3は、収容凹部30が形成される中間部31と、中間部31からヘッド2まで延伸する上端部32と、中間部31からドリルビット4まで延伸する下端部33と、を有しているが、図2及び図3に示される例と異なり、釘本体3の全長に中間部31が占める割合は大きくなっている。即ち、本発明において、釘本体3の全長に中間部31が占める割合については特に限定せず、必要に応じて中間部31が占める割合を選択できることを意味する。
【0028】
この変化例において、スクリュースレッド5は、上端部32と下端部33とドリルビット4から突起するように形成されているが、収容凹部30が形成される中間部31には形成されていない。
【0029】
この変化例において、収容凹部30は、釘本体3の中間部31の外周を360°に亘って切り込まれており、そして、該収容凹部30は、釘本体3の表面と略直交する段差面を有するように形成されている。
【0030】
この変化例において、ドリルビット4と下端部33には、収容凹部30に連通する切削溝40が形成されているが、図2及び図3に示される例と異なり、切削溝40が延伸する方向は軸線方向Lと平行せずに斜めに延伸するようになっている。即ち、本発明において、切削溝40の延伸方向については特に限定せず、必要に応じて、軸線方向Lと平行しても平行しなくても可能であることを意味する。また、切削溝40を軸線方向Lと平行せずに斜めに延伸する構成にすることで、ドリルビット4により刳り出される材料の屑(木屑)をより効率的に収容凹部30に送ることを期待できる。
【0031】
図5に本発明のねじ釘の第1の実施形態の他の1つの変化例の構成が示されている。
【0032】
図示のように、この変化例において、ドリルビット4は、釘本体3のヘッド2から離れた先端において先細に形成されている。
【0033】
この変化例において、スクリュースレッド5は、釘本体3かららせん状に突起するように形成されている。
【0034】
この変化例において、釘本体3は、収容凹部30が形成される中間部31と、中間部31からヘッド2まで延伸する上端部32と、中間部31からドリルビット4まで延伸する下端部33と、を有している。
【0035】
この変化例において、スクリュースレッド5は、上端部32と下端部33とドリルビット4から突起するように形成されているが、収容凹部30が形成される中間部31には形成されていない。
【0036】
この変化例において、収容凹部30は、釘本体3の中間部31の外周を360°に亘って切り込まれており、そして、図2及び図3に示される例と異なり、該収容凹部30は、釘本体3の表面とスムーズに連続しているスロープ面を有するように形成されている。即ち、収容凹部30は釘本体3に凹設されているが、釘本体3の表面との間の段差の形状については特に限定されておらず、必要に応じてデザインや形成方法を選択することが可能であることを意味する。
【0037】
この変化例において、ドリルビット4と下端部33には、収容凹部30に連通する切削溝40がドリルビット4から軸線方向Lと平行に下端部33に延伸するように形成されて
いる。
【0038】
図6及び図7には本発明のねじ釘の第1の実施形態の他の2種類の変化例の構成が示されている。図示のように、本発明のねじ釘のドリルビット4としては、各種の形状が選択できる。
【0039】
図8図9に本発明のねじ釘の第2の実施形態の構成が示されている。なお、図9は、図8のV-V線に沿った断面図である。
【0040】
図示のように、本発明のねじ釘の第2の実施形態は、ヘッド2と、ヘッド2から軸線方向Lに沿って延伸する釘本体3と、釘本体3のヘッド2から離れた先端に形成されるドリルビット4とを有するねじ釘である。釘本体3には、2つの収容凹部30と、スクリュースレッド5と、が形成されている。
【0041】
ドリルビット4は、釘本体3のヘッド2から離れた先端において、該ねじ釘がねじ込まれる対象に挿しこまれるための穴を開けられるように、先細に形成されている。
【0042】
スクリュースレッド5は、釘本体3かららせん状に突起するように形成されている。
【0043】
収容凹部30は、スクリュースレッド5を横断せずに軸線方向Lと平行に延伸するように釘本体3に対して直交するように切り込まれている。
【0044】
この実施形態において、釘本体3は、収容凹部30が形成される中間部31と、中間部31からヘッド2まで延伸する上端部32と、中間部31からドリルビット4まで延伸する下端部33と、を有している。
【0045】
この実施形態において、スクリュースレッド5は、上端部32と下端部33とドリルビット4から突起するように形成されているが、収容凹部30が形成される中間部31には形成されていない。
【0046】
中間部31には、2つの収容凹部30が互いに間を空けて釘本体3に対して直交するように切り込まれて形成されている。このように、本発明としては、収容凹部30は第1の実施形態のように、中間部31の外周を360°に亘って切り込まれて形成される必要はなく、中間部31において適切な位置に複数形成されても、第1の実施形態と同等な効果を発揮可能であることを意味する。特に、この第2の実施形態では第1の実施形態と比べて収容凹部30の総収容量は落ちるが、釘本体3全体の強度を確保する効果を得ることができる。
【0047】
図10は本発明のねじ釘の第3の実施形態の構成が示される側面図である。
【0048】
図示のように、本発明のねじ釘の第3の実施形態において、釘本体3は、収容凹部30が形成される中間部31と、中間部31からヘッド2まで延伸する上端部32と、中間部31からドリルビット4まで延伸する下端部33と、を有している。本実施形態では、スクリュースレッド5は、下端部33及びドリルビット4にのみ形成されている。
【0049】
そして収容凹部30は、釘本体3の中間部31の外周を360°に亘って切り込まれており、収容凹部30の軸線方向Lと平行に延伸する長さZが、上端部32の直径Yより長くなっている。この構成により、収容凹部30の総収容量及び下穴を開ける際における抵抗力(摩擦力)の軽減具合を確保することができる。
【0050】
図11は本発明のねじ釘の第4の実施形態の構成が示される側面図である。
【0051】
図示のように、本発明のねじ釘の第4の実施形態において、釘本体3は、収容凹部30が形成される中間部31と、中間部31からヘッド2まで延伸する上端部32と、中間部31からドリルビット4まで延伸する下端部33と、を有している。
【0052】
そしてこの実施形態において、スクリュースレッド5は、中間部31と下端部33とドリルビット4から突起するように形成されているが、上端部32には形成されていない。
【0053】
即ち、スクリュースレッド5は、下端部33から突起する下端ねじ山部51aと、下端ねじ山部51aと連続し、且つ、中間部31から突起する補助ねじ山部52と、を有する構成になっている。
【0054】
更に、スクリュースレッド5の下端ねじ山部51aの外径Dが、補助ねじ山部52の外径dより長くなっている。
【0055】
図12は本発明のねじ釘の第4の実施形態の変化例の構成が示される側面図である。
【0056】
図示のように、図11に示される中間部31の上端から下端に渡って補助ねじ山部52が突起する構成になっている構成と異なり、図12に示される変化例の構成では中間部31の下部311にのみ補助ねじ山部52が突起し、上部312には補助ねじ山部52が存在しない構成になっている。
【0057】
即ち、本発明としては中間部31にもスクリュースレッド5(補助ねじ山部52)を形成することも可能であり、補助ねじ山部52を形成することにより収容凹部30の総収容量は落ちるが、ねじ釘としての固定力を向上させる効果を得ることができる。
【0058】
なお、下端ねじ山部51aの外径Dと補助ねじ山部52の外径dとの長さの比例関係については図中に示されるものに限定されるものではない。
【0059】
図13は本発明のねじ釘の第5の実施形態の構成が示される側面図である。
【0060】
図示のように、本発明のねじ釘の第5の実施形態において、釘本体3は、収容凹部30が形成される中間部31と、中間部31からヘッド2まで延伸する上端部32と、中間部31からドリルビット4まで延伸する下端部33と、を有し、スクリュースレッド5は、上端部32と中間部31と下端部33とドリルビット4から突起するように形成されている。
【0061】
即ち、スクリュースレッド5は、下端部33から突起する下端ねじ山部51aと、下端ねじ山部51aと連続し、且つ、中間部31から突起する補助ねじ山部52と、補助ねじ山部52と連続し、且つ、上端部32から突起する上端ねじ山部51bと、を有している。
【0062】
このように、釘本体3の全長にわたってスクリュースレッド5を形成することも可能である。
【0063】
そして、スクリュースレッド5は、下端ねじ山部51aと補助ねじ山部52と上端ねじ山部51bとが連続しているため、中間部31に形成される収容凹部30に横断されていない。
【0064】
更に、下端ねじ山部51aと上端ねじ山部51bとは同じ外径Dを有しており、この外径Dは補助ねじ山部52の外径dより長くなっている。
【0065】
図14は本発明のねじ釘の第6の実施形態の構成が示される側面図である。
【0066】
図示のように、この実施形態において、釘本体3は、収容凹部30が形成される中間部31と、中間部31からヘッド2まで延伸する上端部32と、中間部31からドリルビット4まで延伸する下端部33と、を有し、更に、下端部33からドリルビット4へ延伸する補強リブ62が突起するように形成されている。
【0067】
補強リブ62が形成されることにより、板状ワークピースなどの対象にねじ込まれて下穴を開ける際に、補強リブ62を用いて下穴を広げることが出来るので、穴を開ける難易度を下げると共に、広げた穴も刳り出される材料の屑の収容に利用することができる。
【0068】
更に、この実施形態においては、ドリルビット4から下端部33を経由して中間部31まで延伸する切削溝40の軸線方向Lに沿った長さ(つまり、図中における上下方向の長さ)は、補強リブ62の軸線方向Lに沿った長さより長くなっている。この構成により、切削溝40は確実に中間部31に形成される収容凹部30と連通することが可能となる。
【0069】
ちなみに、この実施形態では補強リブ62は下端部33からドリルビット4へ延伸するように形成されているが、本発明としてはこれに限定されず、他の位置にも形成することは可能であり、その数についても1本に限定されるものではない。そして、切削溝40は収容凹部30に連通するので、切削溝40の延伸方向上に補強リブ62が存在する場合は切削溝40の形状が優先され、補強リブ62を横断して収容凹部30に連通する構成になる。
【0070】
図15は本発明のねじ釘の第7の実施形態の構成が示される側面図である。
【0071】
図示のように、この実施形態において、釘本体3は、収容凹部30が形成される中間部31と、中間部31からヘッド2まで延伸する上端部32と、中間部31からドリルビット4まで延伸する下端部33と、を有し、上端部32と下端部33とドリルビット4にスクリュースレッド5がらせん状に突起するように形成されているが、下端部33には更にスクリュースレッド5よりも上方でスクリュースレッド5と逆方向にらせん状に延伸する逆方向スレッド63が突起するように形成されている。この逆方向スレッド63はスクリュースレッド5と巻きの方向が逆であるため、第6の実施形態における補強リブ62と同じように、板状ワークピースなどの対象にねじ込まれて下穴を開ける際に、下穴を広げる効果を発揮することができる。
【0072】
ちなみに、切削溝40は収容凹部30に連通するので、切削溝40の延伸方向上に逆方向スレッド63が存在する場合は切削溝40の形状が優先され、逆方向スレッド63を横断して収容凹部30に連通する構成になる。
【0073】
また、この実施形態では逆方向スレッド63は下端部33に形成されているが、本発明としてはこれに限定されず、他の位置にも形成することは可能であり、その数についても1本に限定されるものではない。
【0074】
図16は本発明のねじ釘の第8の実施形態の構成が示される側面図である。
【0075】
図示のように、この実施形態において、釘本体3は、収容凹部30が形成される中間部31と、中間部31からヘッド2まで延伸する上端部32と、中間部31からドリルビッ
ト4まで延伸する下端部33と、を有し、上端部32とドリルビット4にスクリュースレッド5がらせん状に突起するように形成されているが、下端部33にはらせん状に延伸する複数のらせん突起64が形成されている。この複数のらせん突起64は第6の実施形態における補強リブ62や第7の実施形態における逆方向スレッド63と同じように、板状ワークピースなどの対象にねじ込まれて下穴を開ける際に、下穴を広げる効果を発揮することができる。
【0076】
ちなみに、この実施形態ではらせん突起64は下端部33に形成されているが、本発明としてはこれに限定されず、他の位置にも形成することは可能であり、その数について特に限定されるものではない。
【0077】
また、切削溝40は収容凹部30に連通するので、切削溝40の延伸方向上にらせん突起64が存在する場合は切削溝40の形状が優先され、らせん突起64を横断して収容凹部30に連通する構成になる。
【0078】
図17は本発明のねじ釘の第9の実施形態の構成が示される側面図である。
【0079】
図示のように、この実施形態において、収容凹部30はヘッド2寄りの位置に形成されている。即ち、本発明としては収容凹部30が形成される位置については、釘本体3に形成されるのであれば、特に限定されるものではないことを意味する。
【0080】
図18は本発明のねじ釘の第10の実施形態の構成が示される側面図である。
【0081】
図示のように、この実施形態において、釘本体3には、ヘッド2から軸線方向Lに沿って長く延伸し、且つ、収容凹部30が形成される中間部31と、中間部31からドリルビット4まで延伸する下端部33と、を有し、スクリュースレッド5は、下端部33及びドリルビット4に形成されている。
【0082】
即ち、本発明としては収容凹部30が形成される中間部31の位置や長さについては、釘本体3に形成されるのであれば、特に限定されるものではないことを意味する。そして収容凹部30及び収容凹部30が形成される中間部31を長く形成することにより、収容凹部30の総収容量を大きく増大することが可能である。
【0083】
図19は本発明のねじ釘の第11の実施形態の構成が示される側面図である。
【0084】
図示のように、この実施形態において、釘本体3には、ヘッド2から軸線方向Lに沿って長く延伸し、且つ、収容凹部30が形成される中間部31と、中間部31からドリルビット4まで延伸する下端部33と、を有し、スクリュースレッド5は、中間部31と下端部33とドリルビット4に形成されている。
【0085】
即ち、スクリュースレッド5は、下端部33から突起する下端ねじ山部51aと、下端ねじ山部51aと連続し、且つ、中間部31から突起する補助ねじ山部52と、を有する構成となり、言い換えれば、スクリュースレッド5は、中間部31と下端部33とドリルビット4に連続するように形成されている構成である。
【0086】
このように、収容凹部30が形成される中間部31にもスクリュースレッド5を形成可能であることが示されている。
【0087】
図20は本発明のねじ釘の第11の実施形態の変化例の構成が示される側面図である。
【0088】
図示のように、この変化例において、釘本体3には、ヘッド2から軸線方向Lに沿って長く延伸し、且つ、収容凹部30が形成される中間部31と、中間部31からドリルビット4まで延伸する下端部33と、を有し、スクリュースレッド5は、中間部31にのみ形成されている。
【0089】
即ち、スクリュースレッド5は、中間部31から突起する補助ねじ山部52のみを有する構成になっている。
【0090】
このように、収容凹部30が形成される中間部31にだけスクリュースレッド5を形成する構成も可能であることが示されている。
【0091】
図21は本発明のねじ釘の第12の実施形態の構成が示される側面図である。
【0092】
図示のように、この第12の実施形態において、釘本体3には、軸線方向に沿って並ぶ複数の収容凹部30と、軸線方向Lにおいて隣り合う2つの収容凹部30の間に、該2つの収容凹部30の両方と連通する連通路34が凹設されている。
【0093】
即ち、この第12の実施形態における釘本体3には、ヘッド2から軸線方向Lに沿って上端部32と、第1の中間部31Aと、第2の中間部31Bと、第3の中間部31Cと、第4の中間部31Dと、第5の中間部31Eと、第5の中間部31Eからドリルビット4まで延伸する下端部33と、を有している。
【0094】
第1の中間部31Aと、第3の中間部31Cと、第5の中間部31Eとには、第1の収容凹部301と、第2の収容凹部302と、第3の収容凹部303と、がそれぞれ凹設され、上端部32と、第2の中間部31Bと、第4の中間部31Dと、下端部33とにはスクリュースレッド5が形成されている。
【0095】
そして軸線方向Lにおいて隣り合う2つの収容凹部30の間、即ち第1の収容凹部301と第2の収容凹部302の間にある第2の中間部31Bと、第2の収容凹部302と第3の収容凹部303との間にある第4の中間部31Dには、それぞれ該2つの収容凹部30の両方と連通する連通路34が凹設されている。
【0096】
また、下端部33及びドリルビット4には、第3の収容凹部303に連通する切削溝40が形成されている。
【0097】
図22は本発明のねじ釘の第13の実施形態の構成が示される側面図である。
【0098】
図示のように、この第13の実施形態は、図22に示される第12の実施形態から、第1の収容凹部301と第2の収容凹部302の間にある第2の中間部31Bと、第2の収容凹部302と第3の収容凹部303との間にある第4の中間部31Dとに形成される連通路34を省略した構成である。
【0099】
このように、本発明として連通路34は必ずしも必要な構成ではなく、これを省略しても可能なことが示されている。
【0100】
図23は本発明のねじ釘の第14の実施形態の構成が示される側面図である。
【0101】
図示のように、本実施形態ではヘッド2が六角ボルトのヘッドとして形成されており、即ち、本発明においてヘッド2の形状についても特に限定されず、必要に応じて選択することが可能であることが例示されている。
【0102】
図24は本発明のねじ釘の第15の実施形態の構成が示される側面図である。
【0103】
図示のように、本発明においてドリルビット4に形成される切削溝40は、底部がカーブ状の断面を有するように形成されることも可能であることが例示されている。
【0104】
図25は本発明のねじ釘の第16の実施形態の構成が示される側面図である。
【0105】
図示のように、この第16の実施形態において、ドリルビット4に、軸線方向Lにおける一端寄りの位置において、互いに間を空けて配置される複数の切削溝40が形成されている。この場合、少なくとも1つの前記切削溝40が収容凹部30に連通する構成であれば本発明としての効果を発揮することができる。
【0106】
図26は本発明のねじ釘の第17の実施形態の構成が示される側面図である。
【0107】
図示のように、この第17の実施形態において、ドリルビット4に、軸線方向Lにおける一端寄りの位置において、軸線方向Lに沿って互いに間を空けて配置される複数の切削溝40が形成されている。この場合、少なくとも1つの前記切削溝40が収容凹部30に連通する構成であれば本発明としての効果を発揮することができる。
【0108】
即ち、第16の実施形態及び第17の実施形態に示されているように、ドリルビット4や各切削溝40の寸法などの細かい構成については、必要に応じて調整することが可能であることが示されている。
【0109】
図27は本発明のねじ釘の第18の実施形態の構成が示される側面図である。
【0110】
図示のように、ドリルビット4に形成される複数の切削溝40は、軸線方向Lの周りに互いに間を空けて、且つ、軸線方向Lを中心に互いに対称するように配置されることが可能であることが示されている。
【0111】
また、この実施形態において形成される複数の切削溝40は、互いに平行に延伸するように形成されている。
【0112】
図28は本発明のねじ釘の第19の実施形態の構成が示される側面図である。
【0113】
図示のように、この第19の実施形態において、釘本体3に形成される切削溝40は1本であるが、この1本の切削溝40はらせん状に延伸するように構成されることも可能である。
【0114】
図29は本発明のねじ釘の第20の実施形態の構成が示される斜視図である。
【0115】
図示のように、この第20の実施形態においては、ドリルビット4にらせん状に延伸する第1の切削溝40aと、収容凹部30側からドリルビット4側へと直線状に延伸する第2の切削溝40bと、が形成されている。
【0116】
即ち、本発明において、ドリルビット4に形状が異なる複数種類の切削溝が形成されることも可能であることが例示されている。
【0117】
図30は本発明のねじ釘の第21の実施形態の構成が示される側面図である。
【0118】
図示のように、この第21の実施形態において、釘本体3に、収容凹部30とスクリュースレッド5との間に介在する位置から互いに反対する方向へ突起する2つのフィン39が形成されている。
【0119】
この2つのフィン39は、第6の実施形態における補強リブ62や第7の実施形態における逆方向スレッド63や第8の実施形態におけるらせん突起64と同じように、板状ワークピースなどの対象にねじ込まれて下穴を開ける際に、下穴を広げる効果を発揮することができる。
【0120】
図31は本発明のねじ釘の第22の実施形態の構成が示される側面図である。
【0121】
図示のように、この第22の実施形態において、釘本体3に、収容凹部30とドリルビット4との間に介在する位置から互いに反対する方向へ突起する2つのフィン39が形成されている。
【0122】
この2つのフィン39は、第6の実施形態における補強リブ62や第7の実施形態における逆方向スレッド63や第8の実施形態におけるらせん突起64と同じように、板状ワークピースなどの対象にねじ込まれて下穴を開ける際に、下穴を広げる効果を発揮することができる。
【0123】
このように、2つのフィン39が形成される位置については、収容凹部30とスクリュースレッド5との間に介在する位置と、収容凹部30とドリルビット4との間に介在する位置とを選択することができる。
【0124】
図32は本発明のねじ釘の第23の実施形態の構成が示される斜視図であり、図33は本発明のねじ釘の第24の実施形態の構成が示される側面図であり、図34は本発明のねじ釘の第25の実施形態の構成が示される側面図である。例えば図34の例では、2つのフィン39は、スクリュースレッド5の軸線方向Lにおける2つの並列する突起部分の間に介在する位置から互いに反対する方向へ突起するように形成されている。
【0125】
このように、本発明における様々な実施形態のねじ釘に、2つのフィン39を追加することが可能であることが示されている。
【0126】
ちなみに、第21~25の実施形態に示されるフィンの寸法に関しては、図30に示されるように、1つのフィン39の先端から他の1つのフィン39の先端までの最短距離d’が、スクリュースレッド5の外径Dより短くなるように形成されることが好ましい。1つのフィン39の先端から他の1つのフィン39の先端までの最短距離d’がスクリュースレッド5の外径D’より長くなっていると、スクリュースレッド5の切削性能に影響を与える恐れがある。
【0127】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【産業上の利用可能性】
【0128】
上記のように、本発明のねじ釘は、軸線方向Lと平行に延伸する収容凹部30が形成されているので、刳り出される材料の屑を収容するスペースが従来よりも広く、より大量の屑を収容することができ、ドリルビットの切れ味を保ち続けることが可能である。そして収容凹部30が形成されることにより、釘本体3と該ねじ釘によりあけられる下穴の内壁とが接触する面積も従来のねじ釘より狭くなっているので、板状ワークピースなどにねじ
込まれて下穴を開ける際における抵抗力となる摩擦力も比較的に弱くなり、下穴をより容易にあけられる利点もある。従って、従来よりも使いやすいねじ釘を提供することができる。
【符号の説明】
【0129】
2 ヘッド
3 釘本体
30 収容凹部
301 第1の収容凹部
302 第2の収容凹部
303 第3の収容凹部
31 中間部
31A 第1の中間部
31B 第2の中間部
31C 第3の中間部
31D 第4の中間部
31E 第5の中間部
32 上端部
33 下端部
34 連通路
39 フィン
4 ドリルビット
40 切削溝
40a 第1の切削溝
40b 第2の切削溝
5 スクリュースレッド
51a 下端ねじ山部
51b 上端ねじ山部
52 補助ねじ山部
62 補強リブ
63 逆方向スレッド
64 らせん突起
9 板状ワークピース
900 下穴
91 木材層
92 金属層
D 下端ねじ山部の外径
D’ スクリュースレッドの外径
L 軸線方向
Y 上端部の直径
Z 収容凹部の長さ
d 補助ねじ山部の外径
d’ フィンの先端の間の最短距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34