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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】紙製スリッパ
(51)【国際特許分類】
   A43B 3/10 20060101AFI20220823BHJP
   A43B 1/06 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
A43B3/10 B
A43B3/10 F
A43B3/10 G
A43B1/06
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022062502
(22)【出願日】2022-04-04
【審査請求日】2022-04-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】598162609
【氏名又は名称】目黒 光弘
(74)【代理人】
【識別番号】100131428
【弁理士】
【氏名又は名称】若山 剛
(72)【発明者】
【氏名】目黒 光弘
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-29617(JP,A)
【文献】特開平11-178602(JP,A)
【文献】登録実用新案第3028150(JP,U)
【文献】実開平5-23903(JP,U)
【文献】実開平7-18607(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 3/10
A43B 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状であるとともに第1方向にて延在する凹凸条が前記第1方向と直交する第2方向にて連続する第1波型部を、鉛直下方における端面の少なくとも一部に有する足底体と、
平板状であるとともに、前記第1方向にて延在する凹凸条が前記第2方向にて連続する第2波型部を、鉛直上方における端面に有するベース部と、前記ベース部に固定されるとともに、前記第2波型部の少なくとも一部とともに輪を形成するバンド部と、を有する甲体と、
を備え、
前記足底体は、前記甲体の前記輪に挿通された状態にて、前記第1波型部が前記第2波型部に噛み合うように前記ベース部に載置される、紙製スリッパ。
【請求項2】
請求項1に記載の紙製スリッパであって、
前記ベース部は、前記第2波型部を構成する中芯と、鉛直下方における端面を構成するライナーと、を備える片面ダンボールからなり、
前記バンド部は、帯状の紙からなるとともに、前記紙の両端部が前記ベース部の鉛直下方における端面に貼付される、紙製スリッパ。
【請求項3】
請求項2に記載の紙製スリッパであって、
前記バンド部は、前記紙が長方形状であるとともに、前記紙の両端部のうちの、爪先側の隅部が互いに重なるとともに、踵側の隅部が互いに隔てられる、紙製スリッパ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の紙製スリッパであって、
前記足底体は、前記第1方向にて延在する凹凸条が前記第2方向にて連続する第3波型部を、鉛直上方における端面に有する、紙製スリッパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙製スリッパに関する。
【背景技術】
【0002】
紙製スリッパが知られている。例えば、特許文献1に記載の紙製スリッパは、平板状である足底部と、足底部に固定されるとともに、足底部の鉛直上方にて、足底部の鉛直上方における端面の一部とともに輪を形成するバンド部と、を備える。上記紙製スリッパによれば、廃棄の際にも環境への負荷が小さい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-29617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記紙製スリッパにおいては、バンド部は、足底部に固定されている。ところで、紙製スリッパの使用者の足の形状及び大きさは、使用者に依存して比較的大きく変化する。このため、上記紙製スリッパにおいては、使用者の足の形状又は大きさに適合できない虞があった。
【0005】
本発明の目的の一つは、使用者の足の形状及び大きさに容易に適合することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの側面では、紙製スリッパは、足底体と、甲体と、を備える。
足底体は、平板状であるとともに第1方向にて延在する凹凸条が第1方向と直交する第2方向にて連続する第1波型部を、鉛直下方における端面の少なくとも一部に有する。
甲体は、ベース部と、バンド部と、を有する。
【0007】
ベース部は、平板状であるとともに、第1方向にて延在する凹凸条が第2方向にて連続する第2波型部を、鉛直上方における端面に有する。
バンド部は、ベース部に固定されるとともに、ベース部の鉛直上方にて、ベース部の鉛直上方における端面の少なくとも一部とともに輪を形成する。
足底体は、甲体の輪に挿通された状態にて、第1波型部が第2波型部に噛み合うようにベース部に載置される。
【発明の効果】
【0008】
使用者の足の形状及び大きさに容易に適合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の紙製スリッパの斜視図である。
図2】第1実施形態の紙製スリッパの斜視図である。
図3】第1実施形態の紙製スリッパの斜視図である。
図4】第1実施形態の紙製スリッパの平面図である。
図5】第1実施形態の紙製スリッパの側面図である。
図6】第1実施形態の紙製スリッパの部分拡大側面図である。
図7】第1実施形態の紙製スリッパの底面図である。
図8】第1実施形態の紙製スリッパの、足底体から甲体が取り外された状態における斜視図である。
図9】第1実施形態の第1変形例の紙製スリッパの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の紙製スリッパに関する各実施形態について図1乃至図9を参照しながら説明する。
【0011】
<第1実施形態>
(概要)
第1実施形態の紙製スリッパは、足底体と、甲体と、を備える。
足底体は、平板状であるとともに第1方向にて延在する凹凸条が第1方向と直交する第2方向にて連続する第1波型部を、鉛直下方における端面の少なくとも一部に有する。
甲体は、ベース部と、バンド部と、を有する。
【0012】
ベース部は、平板状であるとともに、第1方向にて延在する凹凸条が第2方向にて連続する第2波型部を、鉛直上方における端面に有する。
バンド部は、ベース部に固定されるとともに、ベース部の鉛直上方にて、ベース部の鉛直上方における端面の少なくとも一部とともに輪を形成する。
足底体は、甲体の輪に挿通された状態にて、第1波型部が第2波型部に噛み合うようにベース部に載置される。
【0013】
これによれば、使用者の足が鉛直上方へ上げられた場合、バンド部を介してベース部も鉛直上方へ上がる。ところで、足底体は、第1波型部が第2波型部に噛み合うとともに、ベース部により鉛直下方から支持されている。従って、ベース部とともに足底体も鉛直上方へ上がる。これにより、使用者の歩行に伴って、使用者の足が鉛直上方へ上げられた場合であっても、足底体と甲体とが互いに分離することを抑制できる。
【0014】
また、第1波型部と第2波型部とが噛み合う位置を変更することにより、足底体と甲体との位置関係を容易に変更することができる。従って、紙製スリッパを、使用者の足の形状及び大きさに容易に適合できる。また、足底体、及び、甲体の一方を容易に交換できる。従って、例えば、バンド部に広告が掲載されている場合、広告を容易に交換できる。
次に、第1実施形態の紙製スリッパについて、図1乃至図8を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
(構成)
図1乃至図8に表されるように、紙製スリッパ1は、足底体10と、甲体20と、を備える。本例では、紙製スリッパ1は、左足用である。なお、右足用の紙製スリッパも、左右対称である点を除いて紙製スリッパ1と同様に構成されるため、説明が省略される。
【0016】
以下、x軸、y軸、及び、z軸を有する右手系の直交座標系を用いて、紙製スリッパ1を説明する。なお、後述の図9においても、図1乃至図8と同様の直交座標系が用いられる。
【0017】
本例では、x軸方向、y軸方向、及び、z軸方向は、紙製スリッパ1の左右方向、紙製スリッパ1の前後方向、及び、紙製スリッパ1の上下方向とそれぞれ表されてもよい。また、本例では、x軸の正方向、x軸の負方向、y軸の正方向、y軸の負方向、z軸の正方向、及び、z軸の負方向は、紙製スリッパ1の右方向、紙製スリッパ1の左方向、紙製スリッパ1の前方向、紙製スリッパ1の後方向、紙製スリッパ1の上方向、及び、紙製スリッパ1の下方向とそれぞれ表されてもよい。
【0018】
本例では、z軸の正方向、及び、z軸の負方向は、鉛直上方向(換言すると、上方向)、及び、鉛直下方向(換言すると、下方向)にそれぞれ一致する。
【0019】
図1は、紙製スリッパ1の左方であり、紙製スリッパ1の後方であり、且つ、紙製スリッパ1の上方である位置から、紙製スリッパ1を見た図(換言すると、左後上方斜視図)である。図2は、紙製スリッパ1の左方であり、紙製スリッパ1の前方であり、且つ、紙製スリッパ1の上方である位置から、紙製スリッパ1を見た図(換言すると、左前上方斜視図)である。図3は、紙製スリッパ1の左方であり、紙製スリッパ1の後方であり、且つ、紙製スリッパ1の下方である位置から、紙製スリッパ1を見た図(換言すると、左後下方斜視図)である。
【0020】
図4は、紙製スリッパ1の上方から紙製スリッパ1を見た図(換言すると、平面図)である。図5は、紙製スリッパ1の左方から紙製スリッパ1を見た図(換言すると、左側面図)である。図6は、図5の点線により囲まれた領域VIが拡大された図である。図7は、紙製スリッパ1の下方から紙製スリッパ1を見た図(換言すると、底面図)である。図8は、足底体10から甲体20が取り外された状態における紙製スリッパ1の左後上方斜視図である。
【0021】
図4図5、及び、図8に表されるように、足底体10は、平板状である。足底体10は、紙製スリッパ1の上方から足底体10を見た場合において、五角形状である。本例では、足底体10は、紙製スリッパ1の上方から足底体10を見た場合において、x軸方向にて延在する短辺とy軸方向にて延在する長辺とを有する長方形と、y軸方向にて延在する底辺を有する二等辺三角形と、を、当該長方形の長辺と当該二等辺三角形の底辺とが一致するように接合することにより形成される五角形状である。
【0022】
なお、足底体10は、紙製スリッパ1の上方から足底体10を見た場合において、五角形状と異なる形状(例えば、長方形状、多角形状、又は、少なくとも一部に曲線を含む形状等)であってもよい。
【0023】
図5図6、及び、図8に表されるように、足底体10は、上側構成部11と、下側構成部12と、を備える。
【0024】
上側構成部11は、足底体10のうちの、鉛直上方側の部分を構成する。上側構成部11は、シート部111と、波型部112と、を備える。
シート部111は、z軸に直交する平面に沿って延在するシート状である。
【0025】
波型部112は、シート部111の鉛直上方にてシート部111に固定(本例では、接着)される。波型部112は、足底体10のうちの、鉛直上方向における端面を構成する。波型部112は、x軸方向にて延在する凹凸条がy軸方向にて連続する。本例では、x軸方向は、第1方向に対応する。本例では、y軸方向は、第2方向に対応する。本例では、波型部112は、第3波型部に対応する。
【0026】
本例では、上側構成部11は、片面ダンボールからなる。本例では、シート部111は、ライナーと表されてもよい。本例では、波型部112は、中芯と表されてもよい。なお、上側構成部11は、両面ダンボールであってもよい。
【0027】
下側構成部12は、足底体10のうちの、鉛直下方側の部分を構成する。下側構成部12は、シート部121と、波型部122と、を備える。
シート部121は、z軸に直交する平面に沿って延在するシート状である。シート部121は、シート部111の鉛直下方にてシート部111に固定(本例では、接着)される。
【0028】
波型部122は、シート部121の鉛直下方にてシート部121に固定(本例では、接着)される。波型部122は、足底体10のうちの、鉛直下方向における端面を構成する。波型部122は、x軸方向にて延在する凹凸条がy軸方向にて連続する。本例では、波型部122は、第1波型部に対応する。
【0029】
本例では、下側構成部12は、片面ダンボールからなる。本例では、シート部121は、ライナーと表されてもよい。本例では、波型部122は、中芯と表されてもよい。なお、下側構成部12の一部(例えば、下側構成部12のうちの、y軸方向における端部)は、両面ダンボールにより構成されていてもよい。
【0030】
図5乃至図8に表されるように、甲体20は、ベース部21と、バンド部22と、を備える。
ベース部21は、平板状である。ベース部21は、紙製スリッパ1の上方からベース部21を見た場合において、長方形状である。なお、ベース部21は、紙製スリッパ1の上方からベース部21を見た場合において、長方形状と異なる形状(例えば、多角形状、又は、少なくとも一部に曲線を含む形状等)であってもよい。
【0031】
本例では、図7に表されるように、ベース部21は、x軸方向における長さが足底体10よりも短い。本例では、図7に表されるように、ベース部21は、y軸方向における長さが足底体10よりも短い。本例では、ベース部21のy軸方向における長さは、足底体10のy軸方向における長さの半分よりも短い。
【0032】
図5乃至図8に表されるように、ベース部21は、シート部211と、波型部212と、を備える。
シート部211は、z軸に直交する平面に沿って延在するシート状である。
【0033】
波型部212は、シート部211の鉛直上方にてシート部211に固定(本例では、接着)される。波型部212は、ベース部21のうちの、鉛直上方向における端面を構成する。波型部212は、x軸方向にて延在する凹凸条がy軸方向にて連続する。本例では、波型部212は、第2波型部に対応する。
【0034】
本例では、ベース部21は、片面ダンボールからなる。本例では、シート部211は、ライナーと表されてもよい。本例では、波型部212は、中芯と表されてもよい。
【0035】
図1乃至図3、及び、図8に表されるように、バンド部22は、帯状の紙からなる。本例では、バンド部22は、長方形状の紙からなる。例えば、バンド部22は、片面ダンボールを構成するライナーからなっていてよい。バンド部22は、紙の両端部がベース部21の鉛直下方における端面に貼付される。これにより、バンド部22は、ベース部21に固定される。
【0036】
このような構成により、バンド部22は、ベース部21の鉛直上方にて、ベース部21の鉛直上方における端面の少なくとも一部とともに輪を形成する。
なお、バンド部22は、幅方向における両端部において、紙を折り返すことにより紙が重ね合わせられた補強部を有していてもよい。この場合、補強部において重ね合わせられた紙は、互いに接着されていてよい。
【0037】
本例では、図3及び図7に表されるように、バンド部22は、紙の両端部のうちの、爪先側(本例では、y軸の正方向側)の隅部が互いに重なるとともに、踵側(本例では、y軸の負方向側)の隅部が互いに隔てられるように、紙の両端部がベース部21の鉛直下方における端面に貼付される。
【0038】
このような構成により、図1図2、及び、図8に表されるように、ベース部21、及び、バンド部22により形成される輪は、爪先側(本例では、y軸の正方向側)の端における大きさが、踵側(本例では、y軸の負方向側)の端における大きさよりも小さい。換言すると、ベース部21、及び、バンド部22により形成される輪は、踵側の端部よりも爪先側の端部の方が小さくなる先細形状を有する筒状である。
【0039】
本例では、バンド部22のうちの、z軸の正方向における端面には、広告が印刷される。例えば、広告は、文字列、図形、イラスト、写真、又は、これらの2つ以上の組み合わせを含んでよい。例えば、広告は、商品、又は、サービスに関する情報を含んでよい。
【0040】
図1乃至図7に表されるように、足底体10は、甲体20の輪に挿通された状態にて、下側構成部12の波型部122が、ベース部21の波型部212に噛み合うようにベース部21に載置される。
このような構成により、紙製スリッパ1は、下側構成部12の波型部122と、ベース部21の波型部212と、が噛み合う位置を変更することにより、足底体10と甲体20との位置関係を変更可能である。
【0041】
(動作)
次に、第1実施形態の紙製スリッパ1の動作について説明を加える。
使用時において、足底体10は、甲体20の輪に挿通された状態にて、下側構成部12の波型部122が、ベース部21の波型部212に噛み合うようにベース部21に載置される。
その後、使用者の足が、足底体10の鉛直上方にて、甲体20の輪に挿通されるとともに、足底体10に載置されることにより、使用者は、紙製スリッパ1を履く。使用者の足が鉛直上方へ上げられた場合、バンド部22を介してベース部21も鉛直上方へ上がる。
【0042】
ところで、足底体10は、下側構成部12の波型部122が、ベース部21の波型部212に噛み合うとともに、ベース部21により鉛直下方から支持されている。従って、ベース部21とともに足底体10も鉛直上方へ上がる。これにより、使用者の歩行に伴って、使用者の足が鉛直上方へ上げられた場合であっても、足底体10と甲体20とが互いに分離することが抑制される。従って、使用者の歩行に伴って使用者の足から紙製スリッパ1が脱げることを抑制できる。
【0043】
また、使用者が足底体10と甲体20との位置関係を変更することを希望する場合、使用者は、下側構成部12の波型部122と、ベース部21の波型部212と、が噛み合う位置を変更するように、甲体20及び足底体10の一方を他方に対してy軸方向にて移動させた後に、足底体10をベース部21に載置する。これにより、足底体10と甲体20との位置関係が変更される。
【0044】
以上、説明したように、第1実施形態の紙製スリッパ1は、足底体10と、甲体20と、を備える。
足底体10は、平板状であるとともに第1方向(本例では、x軸方向)にて延在する凹凸条が第1方向と直交する第2方向(本例では、y軸方向)にて連続する第1波型部(本例では、波型部122)を、鉛直下方における端面の少なくとも一部に有する。
【0045】
甲体20は、ベース部21と、バンド部22と、を有する。
ベース部21は、平板状であるとともに、第1方向にて延在する凹凸条が第2方向にて連続する第2波型部(本例では、波型部212)を、鉛直上方における端面に有する。
バンド部22は、ベース部21に固定されるとともに、ベース部21の鉛直上方にて、ベース部21の鉛直上方における端面の少なくとも一部とともに輪を形成する。
足底体10は、甲体20の輪に挿通された状態にて、第1波型部が第2波型部に噛み合うようにベース部21に載置される。
【0046】
これによれば、使用者の足が鉛直上方へ上げられた場合、バンド部22を介してベース部21も鉛直上方へ上がる。ところで、足底体10は、第1波型部が第2波型部に噛み合うとともに、ベース部21により鉛直下方から支持されている。従って、ベース部21とともに足底体10も鉛直上方へ上がる。これにより、使用者の歩行に伴って、使用者の足が鉛直上方へ上げられた場合であっても、足底体10と甲体20とが互いに分離することを抑制できる。
【0047】
また、第1波型部と第2波型部とが噛み合う位置を変更することにより、足底体10と甲体20との位置関係を容易に変更することができる。従って、紙製スリッパ1を、使用者の足の形状及び大きさに容易に適合できる。また、足底体10、及び、甲体20の一方を容易に交換できる。従って、例えば、バンド部22に広告が掲載されている場合、広告を容易に交換できる。
【0048】
更に、第1実施形態の紙製スリッパ1において、ベース部21は、第2波型部を構成する中芯と、鉛直下方における端面を構成するライナーと、を備える片面ダンボールからなる。バンド部22は、帯状の紙からなるとともに、当該紙の両端部がベース部21の鉛直下方における端面に貼付される。
【0049】
これによれば、足底体10がベース部21に載置された状態において、ベース部21の鉛直下方における端面と、足底体10の鉛直下方における端面と、の鉛直方向における位置の差を十分に小さくすることができる。従って、使用者の足が着地している状態における使用者の安定感を高めることができる。
また、バンド部22がベース部21に貼付される面積を十分に大きくすることができる。従って、バンド部22がベース部21から剥離することを抑制できる。
【0050】
更に、第1実施形態の紙製スリッパ1において、バンド部22は、紙が長方形状であるとともに、紙の両端部のうちの、爪先側の隅部が互いに重なるとともに、踵側の隅部が互いに隔てられる。
【0051】
これによれば、バンド部22により形成される輪を、踵側の端部よりも爪先側の端部の方が小さくなる先細形状とすることができる。これにより、バンド部22が、使用者の足の甲に接触する面積を十分に大きくすることができる。従って、第1波型部と第2波型部とが噛み合う位置を変更することにより、足底体10と甲体20との位置関係を変更した場合であっても、足底体10と甲体20とが互いに分離することを抑制できる。
【0052】
更に、第1実施形態の紙製スリッパ1において、足底体10は、第1方向にて延在する凹凸条が第2方向にて連続する第3波型部(本例では、波型部112)を、鉛直上方における端面に有する。
【0053】
これによれば、使用者の足が足底体10から滑り抜けることを抑制できる。これにより、使用者の使用中に足底体10と甲体20とが互いに分離することを抑制できる。
【0054】
なお、図9に表されるように、第1実施形態の第1変形例の紙製スリッパ1Aが備える足底体10Aは、上側構成部11を備えない点を除いて、第1実施形態の足底体10と同様の構成を有する。
第1実施形態の第1変形例の紙製スリッパ1Aによっても、第1実施形態の紙製スリッパ1と同様の作用及び効果が奏される。
【0055】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において当業者が理解し得る様々な変更が加えられてよい。
【符号の説明】
【0056】
1,1A 紙製スリッパ
10,10A 足底体
11 上側構成部
111 シート部
112 波型部
12 下側構成部
121 シート部
122 波型部
20 甲体
21 ベース部
211 シート部
212 波型部
22 バンド部

【要約】
【課題】使用者の足の形状及び大きさに容易に適合することが可能な紙製スリッパを提供すること。
【解決手段】紙製スリッパ1は、足底体10と甲体20とを備える。足底体は、平板状であるとともに第1方向にて延在する凹凸条が第1方向と直交する第2方向にて連続する第1波型部122を、鉛直下方における端面の少なくとも一部に有する。甲体は、ベース部21とバンド部22とを有する。ベース部は、平板状であるとともに、第1方向にて延在する凹凸条が第2方向にて連続する第2波型部212を、鉛直上方における端面に有する。バンド部は、ベース部に固定されるとともに、ベース部の鉛直上方にて、ベース部の鉛直上方における端面の少なくとも一部とともに輪を形成する。足底体は、甲体の輪に挿通された状態にて、第1波型部が第2波型部に噛み合うようにベース部に載置される。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9