(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】埋設対象物認識方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20220823BHJP
G01B 11/00 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
G06T7/00 C
G06T7/00 610
G01B11/00 Z
(21)【出願番号】P 2018073092
(22)【出願日】2018-04-05
【審査請求日】2021-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 康介
(72)【発明者】
【氏名】平木 秀龍
(72)【発明者】
【氏名】佐野 勇人
【審査官】新井 則和
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-045962(JP,A)
【文献】国際公開第2015/141080(WO,A1)
【文献】特開2012-175667(JP,A)
【文献】特開2007-228315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00-7/90
G01B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物が埋設される前に、前記対象物の3次元位置を計測するための基準位置を決定する基準位置決定工程と、
前記対象物が埋設される前に、前記対象物の3次元位置を前記基準位置に設置された3次元計測装置で計測して、前記対象物の3次元位置データを取得する計測工程と、
前記基準位置に投影装置を設置する投影装置設置工程と、
前記対象物が埋設された構造物に前記投影装置から、前記対象物の前記3次元位置データに基づく画像データを投影する投影工程と、を有することを特徴とする埋設対象物認識方法。
【請求項2】
対象物が埋設される前に、前記対象物の3次元位置データを計測するための基準位置を決定する基準位置決定工程と、
前記対象物が埋設される前に、前記対象物を前記基準位置に設置された3次元計測装置で計測して、前記対象物の前記3次元位置データを取得する計測工程と、
前記対象物が埋設された構造物を透視面部越しに透視可能なMR装置の前記透視面部に、前記対象物の前記3次元位置データに基づく画像データを、作業員が顔に装着したときの前記MR装置の前記基準位置に基づく位置情報に応じて表示する表示工程と、を有することを特徴とする埋設対象物認識方法。
【請求項3】
前記
構造物に投影する画像データを、対象物の3次元位置データ及び基準位置に基づき作成する画像データ作成工程を、更に有することを特徴とする請求項
1に記載の埋設対象物認識方法。
【請求項4】
前記MR装置の透視面部に表示する画像データを、対象物の3次元位置データ及び基準位置に基づき作成する画像データ作成工程を、更に有することを特徴とする請求項2に記載の埋設対象物認識方法。
【請求項5】
前記基準位置は目視可能な物体であって、構造物が設置される床、地面または他の構造物の天面もしくは壁面に設置されることを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の埋設対象物認識方法。
【請求項6】
前記基準位置は、GPSによって定められる特定の座標であることを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の埋設対象物認識方法。
【請求項7】
前記対象物が埋設される構造物の設計図面データを読み込む設計図面データ読込工程を更に有し、画像データ作成工程では、前記設計図面データ読込工程で読み込まれた前記設計図面データと、前記対象物の計測された3次元位置データとを組み合わせて画像データを作成することを特徴とする請求項
3乃至
6のいずれか1項に記載の埋設対象物認識方法。
【請求項8】
前記画像データから追加対象物の設定位置を計算する計算工程を更に有し、この計算工程で計算した前記追加対象物の位置データを前記画像データと共に若しくは単独で、投影工程で投影または表示工程で表示することを特徴とする請求項1乃至
7のいずれか1項に記載の埋設対象物認識方法。
【請求項9】
前記対象物の画像データを編集して編集画像データを作成する編集画像データ作成工程を更に有し、この編集画像データ作成工程にて作成された前記編集画像データを、前記画像データに代えて投影工程で投影または表示工程で表示することを特徴とする請求項1乃至
8のいずれか1項に記載の埋設対象物認識方法。
【請求項10】
前記構造物はコンクリート構造物であり、前記対象物は、前記コンクリート構造物に埋設される鉄筋または配管であることを特徴とする請求項1乃至
9のいずれか1項に記載の埋設対象物認識方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、構造物に埋設される対象物の3次元位置を、構造物に埋設された後に認識する埋設対象物認識方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラントの改造等によって、コンクリート構造物に後打金物や開口の施工が発生する場合がある。この場合には、埋設された配管、電線管、鉄筋等の埋設対象物の切断を避けるために、後打金物や開口を施工するための穿孔箇所を事前に探査する必要があるが、この作業は多くの時間を要する。また、大型のトレンチ等のような広範囲に亘る躯体に後打金物等を施行する場合、後打金物等の個数が膨大となって工事期間が大幅に増加することになる。従って、工期短縮及びコスト削減のために、鉄筋等の探査作業を省略し、後打金物等の設定位置を容易に決定できる手法が求められている。
【0003】
コンクリート打設前に鉄筋の位置を計測する方法として、例えば、移動式3次元レーザスキャナを用いた配筋検査方法が開示されている(特許文献1)。また、コンクリート打設後に、埋設された鉄筋の位置を特定する装置として、例えば、埋設物探査器が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-9546号公報
【文献】特開平6-102359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンクリート打設後に、埋設された鉄筋の位置を特定する従来の埋設物探査器では、コンクリート構造物の壁面をなぞって鉄筋の位置を特定するが、後打金物の設定位置に対してひとつひとつ探査する必要がある。このため、広範囲に亘り後打金物の施工が必要な場合には、多くの人員及び探査時間を要することになり、コストの増加及び工期の長期化が避けられないという経済的なデメリットがある。また、従来の鉄筋探査では金属製の鉄筋や配管しか検知ができず、非金属製の配管は検知できないという課題がある。
【0006】
本発明の実施形態は、上述の事情を考慮してなされたものであり、構造物に埋設された対象物を、構造物の表面から探査することなく短時間に認識できる埋設対象物認識方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態における埋設対象物認識方法は、対象物が埋設される前に、前記対象物の3次元位置を計測するための基準位置を決定する基準位置決定工程と、前記対象物が埋設される前に、前記対象物の3次元位置を前記基準位置に設置された3次元計測装置で計測して、前記対象物の3次元位置データを取得する計測工程と、前記基準位置に投影装置を設置する投影装置設置工程と、前記対象物が埋設された構造物に前記投影装置から、前記対象物の前記3次元位置データに基づく画像データを投影する投影工程と、を有することを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の実施形態における埋設対象物認識方法は、対象物が埋設される前に、前記対象物の3次元位置データを計測するための基準位置を決定する基準位置決定工程と、前記対象物が埋設される前に、前記対象物を前記基準位置に設置された3次元計測装置で計測して、前記対象物の前記3次元位置データを取得する計測工程と、前記対象物が埋設された構造物を透視面部越しに透視可能なMR装置の前記透視面部に、前記対象物の前記3次元位置データに基づく画像データを、作業員が顔に装着したときの前記MR装置の前記基準位置に基づく位置情報に応じて表示する表示工程と、を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、構造物に埋設された対象物を、構造物の表面から探査することなく短時間に認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態の埋設対象物認識方法を適用した後打金物の設定位置決定方法を実施する計測・投影システムを示す構成図。
【
図2】(A)及び(B)は、
図1の3次元レーザスキャナを用いて異なるそれぞれの位置で鉄筋構造物を計測する状況を示す斜視図。
【
図3】
図1のプロジェクタを用いてコンクリート構造物に画像データを投影する状況を示す斜視図。
【
図4】第1実施形態の後打金物の設定位置決定方法を実施する手順を示すフローチャート。
【
図5】第2実施形態の埋設対象物認識方法を適用した後打金物の設定位置決定方法を実施する計測・投影システムを示す構成図。
【
図6】
図5のプロジェクタを用いてコンクリート構造物に画像データを投影する状況を示す斜視図。
【
図7】第3実施形態の埋設対象物認識方法を適用した後打金物の設定位置決定方法を実施する計測・投影システムを示す構成図。
【
図8】第4実施形態の埋設対象物認識方法を適用した後打金物の設定位置決定方法を実施する計測・投影システムを示す構成図。
【
図9】第5実施形態の埋設対象物認識方法を適用した後打金物の設定位置決定方法を実施する計測・投影システムを示す構成図。
【
図10】第6実施形態の埋設対象物認識方法を適用した後打金物の設定位置決定方法を実施する計測・表示システムを示す構成図。
【
図11】第6実施形態の後打金物の設定位置決定方法を実施する手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(
図1~
図4)
図1は、第1実施形態の埋設対象物認識方法を適用した後打金物の設定位置決定方法を実施する計測・投影システムを示す構成図である。この
図1に示す計測・投影システム10は、3次元計測装置としての3次元レーザスキャナ11と、投影装置としてのプロジェクタ12と、3次元レーザスキャナ11及びプロジェクタ12に接続される計測データ処理装置13と、3次元レーザスキャナ11及びプロジェクタ12を設置する際に基準となるマーカー14と、を有して構成される。
【0012】
3次元レーザスキャナ11は、レーザを照射することで対象物としての鉄筋構造物1(
図2)の3次元位置を計測するものである。また、プロジェクタ12は、鉄筋構造物1が埋設された構造物としてのコンクリート構造物2(
図3)のコンクリート壁面3に、後述の如く計測データ処理装置13にて作成された画像データ4を投影するものである。ここで、鉄筋構造物1は、配筋された鉄筋のみの場合と、配筋された鉄筋に金属製または非金属製の配管や電線管等が組み付けられた場合とが含まれる。
【0013】
3次元レーザスキャナ11とプロジェクタ12は、同一のスタンド15または同一形状の異なったスタンド15を用いて支持されて、コンクリート構造物2が設置される床5等に設置される。3次元レーザスキャナ11及びプロジェクタ12がスタンド15を介して設置される箇所は、コンクリート構造物2が設置される地面、または他の構造物の天面等であってもよい。また、上記スタンド15の据付位置は、目視可能な物体であるマーカー14を基準に定められる。従って、スタンド15が一旦撤去された後であっても、マーカー14を基準にして、スタンド15の据付位置の再現が可能になる。
【0014】
上述のように3次元レーザスキャナ11、プロジェクタ12を支持するスタンド15がマーカー14を基準に据え付けられることで、3次元レーザスキャナ11及びプロジェクタ12のそれぞれを設置する際に、マーカー14位置が基準位置となる。このマーカー14は、本実施形態では、コンクリート構造物2が設置される床5の打設時に埋め込まれるため、その位置が変動することはない。また、このマーカー14は、一定間隔で3次元レーザスキャナ11の計測箇所毎に設定されるが、スタンド15の据付位置を相対的に決定することが可能であれば、1箇所のみに設置されてもよい。更に、マーカー14は、3次元レーザスキャナ11及びプロジェクタ12が設置される箇所に応じて、コンクリート構造物2が設置される地面、または他の構造物の天面もしくは壁面に、位置が変動しないように設定されてもよい。
【0015】
図1に示す計測データ処理装置13は、3次元レーザスキャナ11が計測した鉄筋構造物1の3次元位置データを記録し、画像データ(3次元画像データ)4として処理してプロジェクタ12へ出力するものであり、計測データ記録部16、計測データ統合・画像処理部17、マッピング設定部18及びプロジェクタへの出力部19を有して構成される。
【0016】
3次元レーザスキャナ11は、マーカー14位置毎に、鉄筋構造物1における分割された各領域の3次元位置を計測する。このため、計測データ記録部16は、3次元レーザスキャナ11がマーカー14位置毎に計測した鉄筋構造物1の各領域の3次元位置データ(計測データ)を記録する。
【0017】
計測データ統合・画像処理部17は、計測データ記録部16にて記録された鉄筋構造物1の各領域の3次元位置データを、基準位置であるマーカー14位置の座標に基づいて統合し、その後画像処理して、鉄筋構造物1全体の画像データ(3次元画像データ)を作成する。3次元レーザスキャナ11から照射されるレーザの照射角度によっては、鉄筋構造物1における鉄筋の重なり具合の見え方が変わるが、計測データ統合・画像処理部17が各マーカー14位置での3次元位置データを統合し画像処理することで、鉄筋構造物1の画像データに適切な奥行きを表現することが可能になる。
【0018】
また、プロジェクタ12から画像データ4が投影されるコンクリート構造物2のコンクリート壁面3は、凹凸の面形状である場合がある。マッピング設定部18は、計測データ統合・画像処理部17にて画像処理された画像データを、画像データが投影されるコンクリート壁面3の形状に合わせてマッピング設定して、コンクリート壁面3の形状に適合した画像データ4を作成する。プロジェクタへの出力部19は、マッピング設定部18にて作成された画像データ4をプロジェクタ12へ出力する。
【0019】
次に、上述のように構成された計測・投影システム10を用いて、後打金物の設定位置決定方法を実施する手順を説明する。
図1及び
図2に示すように、まず、基準位置決定工程を実施する(S1)。つまり、この基準位置決定工程では、鉄筋構造物1が埋設される前に、作業員が、鉄筋構造物1の3次元位置を計測するためのマーカー14の位置を計測して、その座標(絶対座標)を基準位置として決定する。
【0020】
次に、
図2及び
図4に示すように、鉄筋構造物1の3次元位置を3次元レーザスキャナ11により計測する計測工程を実行する(S2)。つまり、この計測工程では、鉄筋構造物1が埋設される前に、作業員が3次元レーザスキャナ11の設定位置を、基準位置であるマーカー14位置毎に順次移動させ、3次元レーザスキャナ11が各マーカー14位置で、鉄筋構造物1における分割された各領域の3次元位置を計測して鉄筋構造物1の各領域の3次元位置データを取得し、この各領域の3次元位置データを計測データ処理装置13の計測データ記録部16が記録する。この計測工程で、3次元レーザスキャナ11は、鉄筋構造物1の内側もしくは外側に設置される。
【0021】
次に、
図1及び
図4に示すように、鉄筋構造物1の3次元位置データから画像データを作成する画像データ作成工程を実施する(S3)。この画像データ作成工程では、計測データ処理装置13の計測データ統合・画像処理部17が、計測データ記録部16に記録された鉄筋構造物1の各領域の3次元位置データを、基準位置であるマーカー14位置の座標に基づいて統合し、画像処理して、鉄筋構造物1の全体の画像データ(3次元画像データ)を作成する。
【0022】
次に、
図1及び
図4に示すように、マッピング設定工程を実施する(S4)。このマッピング設定工程では、計測データ処理装置13のマッピング設定部18が、コンクリート構造物2のコンクリート壁面3の形状に合わせて、計測データ統合・画像処理部17にて作成された鉄筋構造物1の画像データをマッピング設定し、コンクリート壁面3の形状に適合した画像データ4を作成する。
【0023】
次に、
図3及び
図4に示すように、プロジェクタ12を基準位置であるマーカー14位置毎に設定するプロジェクタ設置工程を実施する(S5)。この第1実施形態のプロジェクタ設置工程では、作業員が、3次元レーザスキャナ11を支持したスタンド15、及びこのスタンド15と同一形状のスタンド15を用いて複数台のプロジェクタ12をマーカー14位置毎に設置する。このプロジェクタ設置工程の前にコンクリート打設が施工されて、鉄筋構造物1が埋設されたコンクリート構造物2が建築されるが、このコンクリート構造物2の建築時に3次元レーザスキャナ11を支持したスタンド15が撤去される場合がある。この場合でも、マーカー14を基準とすることでスタンド15の据付位置の再現が可能になり、複数台のプロジェクタ12は、3次元レーザスキャナ11が設置された位置と同一位置に設置される。尚、1台のプロジェクタ12をマーカー14位置毎に、順次移動させて設置してもよい。
【0024】
次に、
図3及び
図4に示すように、プロジェクタ12を用いてコンクリート構造物2のコンクリート壁面3に鉄筋構造物1の画像データ4を投影する投影工程を実施する(S6)。この第1実施形態の投影工程では、複数のマーカー14位置毎に設置された複数台のプロジェクタ12がコンクリート構造物2のコンクリート壁面3に、計測データ処理装置13のマッピング設定部18にて作成されてプロジェクタへの出力部19へ出力された画像データ4を、コンクリート壁面13の形状に合わせて立体的に投影する。なお、1台のプロジェクタ12をマーカー14位置毎に移動させ、各マーカー14位置で、その位置に対応した鉄筋構造物1の一領域における画像データ4をコンクリート壁面3に投影してもよい。
【0025】
その後、
図3及び
図4に示すように、後打金物の設定位置決定工程を実施する(S7)。この後打金物設定値決定工程では、作業員が、コンクリート構造物2のコンクリート壁面3に投影された鉄筋構造物1の画像データ4を目視して、コンクリート構造物2内の鉄筋構造物1の位置を確認し、この鉄筋構造物1を回避する位置に後打金物を設定する位置を決定する。
【0026】
以上のように構成されたことから、本第1実施形態によれば、次の効果(1)~(3)を奏する。
(1)
図1~
図3に示すように、コンクリート構造物2に埋設される前の鉄筋構造物1の3次元位置を、3次元レーザスキャナ11でマーカー14位置(基準位置)に基づいて計測して3次元位置データを取得し、この3次元位置データに基づく画像データ4を、鉄筋構造物1が埋設されたコンクリート構造物2のコンクリート壁面3に、マーカー14位置(基準位置)に基づいてプロジェクタ12から投影する。このため、コンクリート構造物2に埋設された鉄筋構造物1を、コンクリート構造物2の表面から例えば埋設物探査器を用いて探査することなく短時間に認識できる。この結果、コンクリート構造物2のコンクリート壁面3に投影された鉄筋構造物1の画像データ4を確認することで、コンクリート壁面3において、埋設された鉄筋構造物1を回避する位置に後打金物の設定位置を決定できる。
【0027】
(2)鉄筋構造物1の画像データ4をプロジェクタ12によりコンクリート構造物2のコンクリート壁面3に投影することで、コンクリート構造物2に埋設された鉄筋構造物1の位置を確認するので、鉄筋構造物1が非金属製の配管を有する場合にも、この配管の位置を画像として認識できる。このため、この非金属製の配管をも回避して後打金物の設定位置を決定することができる。
【0028】
(3)3次元レーザスキャナ11により計測されて計測データ処理装置13の計測データ記録部16に記録された鉄筋構造物1の3次元位置データと、この3次元位置データから計測データ統合・画像処理部17により作成された鉄筋構造物1の画像データは、図示しないデータベースに保存されることで、コンクリート構造物2の建築工事の据付記録として活用できる。これにより、コンクリート構造物2の施工後に、埋設された鉄筋構造物1の据付管理を、鉄筋構造物1の3次元位置データや、計測データ統合・画像処理部17により作成された画像データを利用して実施できる。
【0029】
[B]第2実施形態(
図5、
図6)
図5は、第2実施形態の埋設対象物認識方法を適用した後打金物の設定位置決定方法を実施する計測・投影システムを示す構成図である。この第2実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0030】
本第2実施形態の後打金物の設定位置決定方法が第1実施形態と異なる点は、この後打金物の設定位置決定方法を実施する計測・投影システム20の計測データ処理装置21が後打金物設定位置計算部22を備え、この後打金物設定位置計算部22が、計測データ統合・画像処理部17にて作成された画像データに基づいて、追加対象物としての後打金物設定位置(つまり
図6の穿孔位置23)を計算する計算工程を実施する点である。そして、この計算工程で計算された後打金物の設定位置(穿孔位置23)を、プロジェクタ12が投影工程においてコンクリート構造物2のコンクリート壁面3に投影している。
【0031】
つまり、後打金物設定位置計算部22は、鉄筋構造物1の画像データを分析すると共に、後打金物の寸法に応じて後打金物の設定位置(穿孔位置に23)を計算する。この後打金物の設定位置(穿孔位置23)データは、マッピング設定部18及びプロジェクタへの出力部19を経てプロジェクタ12へ出力され、このプロジェクタ12から鉄筋構造物1の画像データ4と共に、または
図6に示すように単独で、コンクリート構造物2のコンクリート壁面3に点または面表示で投影される。後打金物の設定位置(穿孔位置23)データは、コンクリート壁面3に点表示で投影される場合には、プロジェクタ12に代えてレーザポインタなどを用いて表示してもよい。
【0032】
以上のように構成されたこから、本第2実施形態においても第1実施形態の効果(1)~(3)と同様な効果を奏するほか、次の効果(4)を奏する。
【0033】
(4)計測データ記録装置21の後打金物設定位置計算部22が、計測データ統合・画像処理部17にて作成された画像データに基づいて後打金物の設定位置(穿孔位置23)を計算する計算工程を実施し、この計算された後打金物の設定位置(穿孔位置23)がコンクリート構造物2のコンクリート壁面3にプロジェクタ12により投影される。このため、作業員は、現場で後打金物の設定位置を決定するための判断に要する時間が不要になる。従って、後打金物の設定位置決定作業を効率的に実施できる。
【0034】
[C]第3実施形態(
図7)
図7は、第3実施形態の埋設対象物認識方法を適用した後打金物の設定位置決定方法を実施する計測・投影システムを示す構成図である。この第3実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0035】
本第3実施形態の後打金物の設定位置決定方法が第1実施形態と異なる主な点は、この後打金物の設定位置決定工程を実施する計測・投影システム30の計測データ処理部31が設計図面データ読込部32を備え、この設計図面データ読込部32が、設計図面DB(データベース)33に格納された設計図面データを読み込む設計図面データ読込工程を実施する点である。そして更に、計測データ処理装置31の計測データ統合・画像処理部34が、設計図面データ読込部32にて読み込まれた設計図面データと、3次元レーザスキャナ11により計測されて計測データ記録部16に記録された鉄筋構造物1における分割された領域の3次元位置データとを組み合わせて統合し、鉄筋構造物1の全体の画像データを作成する画像データ作成工程を実施している。
【0036】
また、計測データ処理装置31には表示部35が設置される点も第1実施形態と異なる。計測データ統合・画像処理部34は、設計図面データ読込部32にて読み込まれた設計図面データと、3次元レーザスキャナ11により計測されて計測データ記録部16に記録された鉄筋構造物1における分割された各領域の3次元位置データとを比較し、両者の相違点を表示部35に表示させることが可能である。
【0037】
以上のように構成されたことから、本第3実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)~(3)と同様な効果を奏するほか、次の効果(5)及び(6)を奏する。
【0038】
(5)設計図面データ読込工程において設計図面データ読込部32が設計図面DB33から読み込んだ鉄筋構造物1の設計図面データと、計測工程において3次元レーザスキャナ11が計測した鉄筋構造物1の3次元位置データとが、計測データ統合・画像処理部34により画像データ作成工程において組み合わされ統合されて画像データが作成される。このため、工事状況によって3次元レーザスキャナ11による鉄筋構造物1の3次元位置の計測が十分または適切に実施できなかった場合や、計測漏れがあった場合でも、設計図面DB33の設計図面データが利用されることで、プロジェクタ12から投影される画像データ4を良好に作成できる。この結果、上述の場合でも後打金物の設定位置を適切に決定できる。
【0039】
(6)設計データ統合・画像処理部34は、3次元レーザスキャナ11により計測された鉄筋構造物1の3次元位置計測データを、設計図面データ読込部32により設計図面DB33から読み込まれた設計図面データと比較し、両者の相違点を表示部35に表示する。これにより、鉄筋構造物1の配筋施行時における鉄筋や配管、電線管等の据付漏れや据付位置の相違を、コンクリート構造物2を建築するためのコンクリート打設前に検査して修正することができる。この結果、鉄筋構造物1の配筋施工ミスを未然に防止できる。更に、現場で発生した図面からの変更点を、記録として保管することが可能になる。
【0040】
また、上述のように、鉄筋構造物1の配筋施工の検査を広範囲且つ短時間に実施できるので、鉄筋構造物1の配筋施工の検査時間及び人員を削減でき、コンクリート構造物2の建築工事の工期及び費用を低減できる。
【0041】
[D]第4実施形態(
図8)
図8は、第4実施形態の埋設対象物認識方法を適用した後打金物の設定位置決定方法を実施する計測・投影システムを示す構成図である。この第4実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0042】
本第4実施形態の後打金物の設定位置決定方法が第1実施形態と異なる点は、この後打金物の設定位置決定方法を実施する計測・投影システム40の計測データ処理装置41が計測データ編集部42を備え、この計測データ編集部42が、計測データ統合・画像処理部17にて作成された画像データを編集して編集画像データを作成する編集画像データ作成工程を実施する点である。そして更に、この編集画像データ作成工程にて作成された編集画像データを、計測データ統合・画像処理部17にて作成された画像データに代えて、マッピング設定部18にてマッピング設定して画像データ4を作成し、この画像データ4を、プロジェクタへの出力部19を経てプロジェクタ12によりコンクリート構造物2のコンクリート壁面3に投影している。
【0043】
編集画像データは、具体的には、コンクリート構造物2を建築するために行なうコンクリート打設により変位する鉄筋構造物の鉄筋位置の変位量を考慮して、計測データ統合・画像処理部17にて作成された画像データを補正したものである。この補正量は、予めモックアップ等を用いてコンクリート打設時に取得された鉄筋の変位量が用いられる。
【0044】
以上のように構成されたことから、本第4実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)~(3)と同様な効果を奏するほか、次の効果(7)を奏する。
【0045】
(7)3次元レーザスキャナ11により計測された鉄筋構造物1の3次元位置データから計測データ統合・画像処理部17により作成された画像データは、計測データ編集部42により実施される編集画像データ作成工程で編集、つまりコンクリート打設時における鉄筋構造物1の鉄筋の位置の変位量を考慮して補正されて、編集画像データが作成される。そして、この編集画像データに基づく画像データをプロジェクタ12が、コンクリート構造物2のコンクリート壁面3に投影している。この結果、コンクリート構造物2のコンクリート壁面3に投影される鉄筋構造物1の画像データが、コンクリート構造物2に実際に埋設されている鉄筋構造物1の形状に近い形状になるので、このコンクリート壁面3に投影された画像データにより、後打金物の設定位置をより適切に決定することができる。
【0046】
[E]第5実施形態(
図9)
図9は、第5実施形態の埋設対象物認識方法を適用した後打金物の設定位置決定方法を実施する計測・投影システムを示す構成図である。この第5実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0047】
この第5実施形態の後打金物の設定位置決定方法が第1実施形態と異なる点は、この後打金物の設定位置決定方法を実施する計測・投影システム50が、3次元レーザスキャナ11及びプロジェクタ12を設置するための基準位置を、マーカー14位置に代えて、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)により定められる特定の座標とした点であり、計測・投影システム50の計測データ処理装置51が、計測位置記録・出力部52を備え、3次元レーザスキャナ11及びプロジェクタ12のそれぞれが送受信部53を備える。
【0048】
送受信部53は、GPS用の衛星54から電波を受信して、3次元レーザスキャナ11、プロジェクタ12のそれぞれの位置(絶対座標)を検出し、この位置信号を計測位置記録・出力部52へ例えば無線で送信する。計測位置記録・出力部52は、送受信部53から3次元レーザスキャナ11、プロジェクタ12の位置信号を受信して、3次元レーザスキャナ11、プロジェクタ12のそれぞれの位置を記録し表示する。更に、計測位置記録・出力部52は、3次元レーザスキャナ11の送受信部53から受信した3次元レーザスキャナ11の位置信号を計測データ記録部16へ出力する。この計測データ記録部16は、3次元レーザスキャナ11が計測した鉄筋構造物1の3次元位置データと3次元レーザスキャナ11の位置とを関連づけて記録する。
【0049】
3次元レーザスキャナ11による鉄筋構造物1の3次元位置の計測工程では、スタンド15を介して3次元レーザスキャナ11が設置された位置を、この3次元レーザスキャナ11に設けられた送受信部53とGPS用の衛星54とにより検出し、この検出された3次元レーザスキャナ11の設置位置を計測位置記録・出力部52が記録して表示し、出力する。
【0050】
プロジェクタ12を設置するプロジェクタ設置工程では、プロジェクタ12に設けられた送受信部53とGPS用の衛星54とにより検出されるプロジェクタ12の位置も、計測位置記録・出力部52に記録され表示される。作業員は、この計測位置記録・出力部52の表示を確認しながら、スタンド15を介して設置するプロジェクタ12の設置位置を、3次元レーザスキャナ11の設置位置と一致する位置に決定する。これにより、スタンド15を介して設置された3次元レーザスキャナ11の設置位置に、スタンド15を介してプロジェクタ12を設置することが可能になる。
【0051】
以上のように構成されたことから、本第5実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)~(3)と同様な効果を奏するほか、次の効果(8)を奏する。
【0052】
(8)3次元レーザスキャナ11及びプロジェクタ12のそれぞれの設置位置が送受信部53及びGPS用の衛星54により検出され、作業員は、それらの検出位置を計測位置記録・出力部52により確認しながら、3次元レーザスキャナ11が設置された位置にプロジェクタ12を設置することができる。このため、コンクリート構造物2が設置される床5などに事前にマーカー14を設定できない場合でも、3次元レーザスキャナ11とプロジェクタ12とを同一位置に設置することができる。
【0053】
[F]第6実施形態(
図10、
図11)
図10は、第6実施形態の埋設対象物認識方法を適用した後打金物の設定位置決定方法を実施する計測・表示システムを示す構成図である。この第6実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0054】
本第6実施形態の後打金物の設定位置決定方法が第1実施形態と異なる点は、この後打金物の設定位置決定方法を実施するシステムが、プロジェクタ12に代えてMR(Mixed Reality:複合現実)装置64を備えた計測・表示システム60である点である。そして更に、この計測・表示システム60では、計測データ処理装置61は、マッピング設定部18及びプロジェクタへの出力部19に代えて、MR装置位置情報記録部62及びMR装置への出力部63を有し、計測データ統合・画像処理部17にて作成された画像データ(3次元画像データ)を、MR装置への出力部63によりMR装置64の図示しない透視面部(後述)に表示する表示工程を実施する。
【0055】
MR装置64は、作業員の顔に装着されるものであると共に、位置トラッキング機能を備える。作業員は、MR装置64を顔に装着したときに、透視面部越しにコンクリート構造物2を含む外部を透視できる。また、MR装置64の位置トラッキング機能は、マーカー14位置を基準位置(絶対座標)とすることで、MR装置64を装着した作業員が移動したり顔の向きを変えたりしたときに、MR装置64自身の位置情報(位置及び向き)を検出するものである。この検出された位置情報は、MR装置64から計測データ処理装置61のMR装置位置情報記録部62へ送信される。
【0056】
計測データ処理装置61のMR装置への出力部63は、MR装置位置情報記録部62から入力されたMR装置64の、マーカー14位置(基準位置)に基づく位置情報に応じて、MR装置64の透視面部に、計測データ統合・画像処理部17により作成された鉄筋構造物1の画像データ(3次元画像データ)を表示させる。つまり、MR装置への出力部63は、MR装置64の位置情報(位置及び向き)から、その位置情報に対応した鉄筋構造物1の画像データの一部を選択し、この選択した画像データの一部をMR装置64へ出力して、このMR装置64の透視面部に表示させる。このときには、MR装置64を装着した作業員に、MR装置64の透視面部から透視されるコンクリート構造物2の映像と、透視面部に表示される鉄筋構造物1の画像データとか重ね合された視覚情報が与えられる。
【0057】
上述のように構成された計測・表示システム60を用いた後打金物の設定位置決定方法を、
図11を参照して説明する。この後打金物の設定位置決定方法で、ステップS11の基準位置決定工程、ステップS12の計測工程、ステップS13の画像データ作成工程は、それぞれ第1実施形態のステップS1の基準位置決定工程、ステップS2の計測工程、ステップS3の画像データ作成工程と同様である。
【0058】
鉄筋構造物1にコンクリートを打設してコンクリート構造物2を建築した後に、作業員はMR装置64を顔に装着する。これにより、MR装置64は、位置トラッキング機能により自身の位置情報を検出して、この検出した位置情報をMR装置位置情報記録部62へ送信するMR装置64の位置情報検出工程を実施する(S14)。
【0059】
次に、MR装置への出力部63が、MR装置64の位置情報(マーカー14位置に基づく位置情報)に応じて、そのMR装置64の位置情報に対応した鉄筋構造物1の画像データの一部を、MR装置64の透視面部に表示する表示工程を実施する(S15)。
【0060】
その後、作業員は、MR装置64の透視面部から透視されるコンクリート構造物2の映像と、この透視面部に表示される鉄筋構造物1の画像データとが重ね合された視覚情報に基づいて、実際のコンクリート構造物2のコンクリート壁面3に後打金物の設定位置を設定する後打金物の設定位置決定工程を実施する(S16)。
【0061】
以上のように構成されたことから、本第6実施形態においても、第1実施形態の効果(2)及び(3)と同様な効果を奏するほか、次の効果(9)及び(10)を奏する。
【0062】
(9)コンクリート構造物2に埋設される前の鉄筋構造物1の3次元位置を3次元レーザスキャナ11で、マーカー14位置(基準位置)に基づいて計測して3次元位置データを取得し、この3次元位置データに基づいて計測データ統合・画像処理部17により作成された画像データを、鉄筋構造物1が埋設されたコンクリート構造物2を透視可能なMR装置64の透視面部に、MR装置64のマーカー14位置に基づく位置情報に応じて表示する。このため、MR装置64を顔に装着した作業員は透視面部上で、コンクリート構造物2の映像と鉄筋構造物1の画像データとを重ね合わせて見ることができるので、コンクリート構造物2に埋設された鉄筋構造物1を、コンクリート構造物2のコンクリート壁面3から探査することなく短時間に認識できる。この結果、コンクリート壁面3において、埋設された鉄筋構造物1を回避する位置に後打金物の設定位置を決定できる。
【0063】
(10)計測データ表示装置61の計測データ統合・画像処理部17にて作成された鉄筋構造物1の画像データ(3次元画像データ)が、作業員が装着したMR装置64の透視面部に表示されるので、コンクリート構造物2が設置された床5などにプロジェクタ12を設置する必要がない。このため、プロジェクタ12の設置までに要する時間を削減できるので、後打金物の設定位置決定作業の作業時間を短縮できる。
【0064】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0065】
例えば、第6実施形態におけるMR装置64の透視面部に表示される画像データは、第2実施形態における後打金物設定位置計算部22で計算された後打金物の設定位置(穿孔位置23)を単独で、または計測データ統合・画像処理部17にて作成された鉄筋構造物1の画像データと共に示す画像データであってもよい。更に、第6実施形態におけるMR装置64の透視面部に表示される画像データは、第3実施形態における設計図面データ読込部62で読み込まれた設計図面データを含んだ鉄筋構造物1の画像データであってもよく、また、第4実施形態における計測データ編集部42で編集(例えば、鉄筋構造物1の鉄筋の変位量を考慮して補正)された鉄筋構造物1の画像データであってもよい。また、第6実施形態における3次元レーザスキャナ11は、第5実施形態におけるGPSにより定められた特定の座標を基準位置としたものでもよい。
【符号の説明】
【0066】
1…鉄筋構造物(対象物)、2…コンクリート構造物(構造物)、4…画像データ、10…計測・投影システム、11…3次元レーザスキャナ(3次元位置計測装置)、12…プロジェクタ(投影装置)、14…マーカー(基準)、17…計測データ統合・画像処理部、20…計測・投影システム、22…後打金物設定位置計算部、30…計測・投影システム、32…設計図面データ読込部、33…設計図面DB、40…計測・投影システム、42…計測データ編集部、50…計測・投影システム、54…GPS用の衛星、60…計測・表示システム、64…MR装置。