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特許7128055デュアルワイヤ溶接または付加製造システムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】デュアルワイヤ溶接または付加製造システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/09 20060101AFI20220823BHJP
   B23K 9/12 20060101ALI20220823BHJP
   B23K 9/04 20060101ALI20220823BHJP
   B23K 9/29 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
B23K9/09
B23K9/12 301K
B23K9/04 G
B23K9/29 E
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018148409
(22)【出願日】2018-08-07
(65)【公開番号】P2019030906
(43)【公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-07-06
(31)【優先権主張番号】15/671,335
(32)【優先日】2017-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510202156
【氏名又は名称】リンカーン グローバル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】マシュー エー.ウィークス
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン アール ピーターズ
(72)【発明者】
【氏名】ブルース ジョン チャントリー
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-011266(JP,A)
【文献】特開平02-258168(JP,A)
【文献】特開平01-122669(JP,A)
【文献】米国特許第5791560(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 9/09
B23K 9/12
B23K 9/04
B23K 9/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラを有する電力供給装置であって、前記電力供給装置は電流波形を出力する、電力供給装置と、
第1および第2の出口オリフィスを有するコンタクト・チップ・アセンブリであって、前記コンタクト・チップ・アセンブリは、第1の消耗材料を前記第1の出口オリフィスを通して溶着動作に向け、第2の消耗材料を前記第2の出口オリフィスを通して前記溶着動作に向けるように構成され、前記コンタクト・チップ・アセンブリは、前記第1および第2の出口オリフィスのぞれぞれで測定して前記第1の消耗材料と前記第2の消耗材料との間に距離Sが存在するように構成される、コンタクト・チップ・アセンブリと、
を備える溶接または付加製造システムであって、
前記電流波形は、ピーク電流レベル、バックグラウンド電流レベルおよびブリッジング電流レベルを有し、
前記ブリッジング電流レベルは、ブリッジ溶滴を形成するように構成され、前記ブリッジ溶滴は、前記溶着動作中に前記ブリッジ溶滴がパドルに移行する前に前記第1の消耗材料とおよび前記第2の消耗材料を結合する、
溶接または付加製造システム。
【請求項2】
前記ブリッジング電流レベルは、前記ピーク電流レベルと前記バックグラウンド電流レベルとの差の30~70%の範囲内である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ブリッジング電流レベルは、前記ピーク電流レベルと前記バックグラウンド電流レベルとの差の40~60%の範囲内である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ピーク電流レベルは、少なくとも4msの間維持される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ピーク電流レベルは、4~7msの範囲内の持続時間の間維持される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ピーク電流は、550~700アンペアの範囲内である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記ブリッジング電流レベルは、所定のブリッジング電流持続時間の間維持される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ブリッジング電流レベルは、1.5~8msの範囲内のブリッジング電流持続時間の間維持される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ブリッジング電流レベルは、2~6msの範囲内のブリッジング電流持続時間の間維持される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記溶着動作中にブリッジ溶滴閾値レベルが到達された後に前記ブリッジ溶滴の移行を開始する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
溶接または付加製造の方法であって、
第1の出口オリフィスおよび第2の出口オリフィスを有するコンタクト・チップ・アセンブリに電流波形を提供するステップであって、前記電流波形は、ピーク電流レベル、バックグラウンド電流レベルおよびブリッジング電流レベルを有する、ステップと、
第1の消耗材料を前記コンタクト・チップ・アセンブリに、前記第1の消耗材料が前記第1の出口オリフィスを出て行くように提供するステップと、
第2の消耗材料を前記コンタクト・チップ・アセンブリに、前記第2の消耗材料が前記第2の出口オリフィスを出て行くように提供するステップであって、前記第1および第2の出口オリフィスは、前記第1の消耗材料と前記第2の消耗材料との間に距離Sが存在するように互いに位置している、ステップと、
前記ブリッジング電流レベルの間に前記第1の消耗材料と前記第2の消耗材料との間にブリッジ溶滴を形成するステップであって、前記ブリッジ溶滴は、溶着動作中に前記ブリッジ溶滴がパドルに移行する前に前記第1および第2の消耗材料を結合する、ステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記ブリッジング電流レベルは、前記ピーク電流レベルと前記バックグラウンド電流レベルとの差の30~70%の範囲内である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ブリッジング電流レベルは、前記ピーク電流レベルと前記バックグラウンド電流レベルとの差の40~60%の範囲内である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ピーク電流レベルは、少なくとも4msの間維持される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ピーク電流レベルは、4~7msの範囲内の持続時間の間維持される、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記ピーク電流は、550~700アンペアの範囲内である、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記ブリッジング電流レベルは、所定のブリッジ電流持続時間の間維持される、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記ブリッジング電流レベルは、1.5~8msの範囲内のブリッジング電流持続時間の間維持される、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記ブリッジング電流レベルは、2~6msの範囲内のブリッジング電流持続時間の間維持される、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
記溶着動作中にブリッジ溶滴閾値レベルが到達された後に前記ブリッジ溶滴の移行を開始する、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に合致するデバイス、システムおよび方法は、単一のコンタクト・チップ・アセンブリを使用したデュアルワイヤ構成での材料溶着に関する。
【背景技術】
【0002】
溶接するとき、溶接中に溶接ビードの幅を広げるか、または溶接パドルの長さを長くすることが望ましいことが多い。この要望には、溶接産業で周知の多くの異なる理由が存在し得る。例えば、ポロシティを低減させるように溶接部および溶加金属をより長い期間溶融状態に保つために、溶接パドルを延長することが望ましい場合がある。すなわち、溶接パドルがより長い期間溶融している場合、ビードが固まる前に有害なガスが溶接ビードから脱するための時間がより多く存在する。さらに、より広い溶接ギャップをカバーするように、またはワイヤ溶着速度を増加させるように、溶接ビードの幅を広げることが望ましい場合がある。両方の場合に、増加した電極直径を使用することが一般的である。ただ溶接パドルの幅または長さのどちらか一方だけを増加させることが望ましい場合があるにもかかわらず、増加した直径は、延長されなおかつ広くなる溶接パドルをもたらすことになる。しかしながら、これは、欠点がないわけではない。具体的には、より大きい電極が使われるので、適正な溶接を促進するために溶接アーク中により多くのエネルギーが必要とされる。使用される電極の直径がより大きいため、エネルギーのこの増加は、溶接部への入熱の増加の原因となり、溶接作業におけるより多くのエネルギーの使用をもたらすことになる。さらに、それは、ある特定の機械的な用途に対して理想的でない溶接ビードプロファイルまたは断面を作り出す場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2013/0264323号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の例示的な実施形態は、溶接電力供給装置が2つの出口オリフィスを有するコンタクト・チップ・アセンブリに溶接波形を提供する、溶接システムおよび溶接方法である。ワイヤ送給機構は、少なくとも2つの溶接電極をコンタクト・チップ・アセンブリ中の2つの異なるチャネルに提供し、各電極は、それらのそれぞれのチャネルを通過し、それらのそれぞれのオリフィスを通ってコンタクト・チップ・アセンブリを出て行く。溶接波形は、溶接作業のためにコンタクト・チップ・アセンブリによって各電極に提供される。
【0005】
本発明の上記のおよび/または他の態様は、添付図面を参照して本発明の例示的な実施形態を詳細に説明することによって、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の溶接システムの例示的な実施形態の図式的表現を例示する。
図2】本発明の一実施形態における例示的なコンタクト・チップ・アセンブリの図式的表現を例示する。
図3A-3C】本発明の例示的な実施形態における溶接作業の図式的表現を例示する。
図4A-4B】本発明の例示的な実施形態における電流および磁界の相互作用の図式的表現を例示する。
図5A-5B】図5Aは単一ワイヤを用いた例示的な溶接ビードの図式的表現を例示し、図5Bは本発明の一実施形態を用いた例示的な溶接ビードの図式的表現を例示する。
図6】本発明の一実施形態のための例示的な溶接プロセス・フロー・チャートの図式的表現を例示する。
図7】本発明の実施形態とともに使用するためのコンタクト・チップ・アセンブリの代替実施形態の図式的表現を例示する。
図8】本発明の実施形態のための例示的な溶接電流波形の図式的表現を例示する。
図9】本発明の実施形態のためのさらなる例示的な溶接電流波形の図式的表現を例示する。
図10】本発明の実施形態のための追加の例示的な溶接電流波形の図式的表現を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、本発明の例示的な実施形態について付図を参照することにより以下に説明する。説明される例示的な実施形態は、本発明の理解を支援するように意図され、いかなる形でも本発明の適用範囲を限定するように意図されない。同様の参照符号は、全体を通して同様の要素を意味する。
【0008】
本明細書で論じる本発明の実施形態は、GMAWタイプ溶接との関連において論じられるが、他の実施形態または本発明は、それに限定されない。例えば、実施形態は、他の類似のタイプの溶接作業と同様、SAWおよびFCAWタイプ溶接作業で利用することができる。さらに、本明細書で説明する電極は固体電極であるが、再び、本発明の趣旨または適用範囲から逸脱することなく(フラックスまたは金属芯のどちらでも)有芯電極を同様に使用することができるので、本発明の実施形態は、固体電極の使用に限定されない。さらに、本発明の実施形態は、手動、半自動およびロボットの溶接作業で同様に使用することができる。このようなシステムは周知であるから、それらについては本明細書で詳細に説明しない。
【0009】
次に、図に目を向けると、図1は、本発明の例示的な実施形態による溶接システム100の例示的な実施形態を描写する。溶接システム100には、(コンタクト・チップ・アセンブリ-図示されない-を有する)溶接トーチ111およびワイヤ送給装置105の両方に結合される、溶接電源109が含まれている。電源109は、本明細書で説明される電流および溶接波形、例えば、パルススプレー、STTおよび/またはショート・アーク・タイプの溶接波形を送出することが可能な任意の既知のタイプの溶接電源とすることができる。このような電力供給装置の構造、設計および動作は周知であるから、それらについて本明細書で詳細に説明する必要がない。溶接電力は同時に2つ以上の電力供給装置によって供給され得ることが、同様に留意される-再び、このようなシステムの動作は既知である。電源109は、ユーザが溶接作業のための制御または溶接パラメータを入力することを可能にするユーザインタフェースに結合されるコントローラ120を同様に含み得る。コントローラ120は、本明細書で説明される溶接工程の動作を制御するために使用するべきプロセッサ、CPU、メモリなどを有し得る。既知の手動、半自動またはロボットの溶接トーチと同じように組み立てることができる、トーチ111は、任意の既知のまたは使用済みの溶接ガンに結合することができ、上述のように一直線またはグースネックタイプのものとすることができる。ワイヤ送給装置105は、リール、スプール、コンテナなどの任意の既知のタイプのものとすることができる、電極源101および103から、それぞれ、電極E1およびE2を引き出す。ワイヤ送給装置105は、既知の構造のものであり、電極E1およびE2を引き出して電極をトーチ111に押し出すために送給ロール107を使う。本発明の例示的な実施形態で、送給ロール107およびワイヤ送給装置105は、単一電極動作用に構成される。デュアルワイヤ構成を使用する、本発明の実施形態は、ただ単一ワイヤ送給動作用に設計されたワイヤ送給装置105およびローラ107を用いて利用することができる。例えば、ローラ107は、単一の直径0.045インチの電極用に構成され得るが、ワイヤ送給装置105またはローラ107への修正なしで、直径0.030インチの2つの電極を適当に駆動することになる。あるいは、ワイヤ送給装置105は、電極E1/E2をそれぞれ送給するためにローラの別個のセットを設けるように設計することができる。他の実施形態で、2つの別個のワイヤ送給装置を同様に使用することができる。示されるように、ワイヤ送給装置105は、溶接作業の既知の構成に合致する電源109と連絡している。
【0010】
いったんローラ107によって駆動されると、電極E1およびE2は、電極E1およびE2をトーチ111に送出するライナ113に通される。ライナ113は、電極E1およびE2のトーチ111への通過を可能にするように適切にサイズを決められる。例えば、2つの直径0.030インチの電極用に、(通常は単一の直径0.0625インチの電極用に使用される)標準的な直径0.0625インチのライナ113を修正なしで使用することができる。
【0011】
上に言及した実施例は同じ直径を有する2つの電極の使用を論じるが、実施形態は異なる直径の電極を使用することができるから、本発明はこの点について限定されない。すなわち、本発明の実施形態は、第1の、より大きい、直径の電極、および第2の、より小さい、直径の電極を使用することができる。このような実施形態で、異なる厚さの2つのワークピースをより好都合に溶接することが可能である。例えば、より大きい電極をより大きいワークピースに方向づけることができるのに対して、より小さい電極をより小さいワークピースに方向づけることができる。さらに、本発明の実施形態は、金属不活性ガス、サブマージドアーク、およびフラックス入り溶接を含むがこれに限定されない、多くの異なるタイプの溶接作業に使用することができる。さらに、本発明の実施形態は、自動の、ロボットの、および半自動の溶接作業に使用することができる。加えて、本発明の実施形態は、異なる電極タイプで利用することができる。例えば、有芯電極を有芯でない電極と結合することができると考えられる。さらに、異なる組成の電極を使用して、最終的な溶接ビードの望ましい溶接特性および組成を達成することができる。したがって、本発明の実施形態は、幅広い溶接作業に利用することができる。
【0012】
図2は、本発明の例示的なコンタクト・チップ・アセンブリ200を描写する。コンタクト・チップ・アセンブリ200は、既知のコンタクトチップ材料から作ることができ、任意の既知のタイプの溶接ガンで使用することができる。この例示的な実施形態で示されるように、コンタクト・チップ・アセンブリは、コンタクト・チップ・アセンブリ200の長さを走る2つの別個のチャネル201および203を有する。溶接中に第1の電極E1は第1のチャネル201に通され、第2の電極E2は第2のチャネル203に通される。チャネル201/203は、通常、そこを通されることになっているワイヤの直径に対して適切にサイズを決められる。例えば、電極が同じ直径を有することになっている場合、チャネルは同じ直径を有することになる。しかしながら、異なる直径が使用されることになっている場合、チャネルは、電極に電流を正しく伝達するように適切にサイズを決められるべきである。加えて、示される実施形態で、チャネル201/203は、電極E1/E2がコンタクトチップ200の先端面を平行関係で出て行くように構成される。しかしながら、他の例示的な実施形態で、チャネルは、それぞれの電極の中心線間に+/-15°の範囲内の角度が存在するように電極E1/E2がコンタクトチップの先端面を出て行くように構成することができる。角度調整は、溶接作業の望ましい性能特性に基づいて決定することができる。いくつかの例示的な実施形態で、コンタクト・チップ・アセンブリは、示されるようにチャネルと一体化した単一体とすることができるのに対して、他の実施形態で、コンタクト・チップ・アセンブリは、互いに近くに位置している2つのコンタクト・チップ・サブアセンブリで構成することができ、ここで電流は各コンタクト・チップ・サブアセンブリに向けられることが、さらに留意される。
【0013】
図2に示されるように、それぞれの電極E1/E2は、電極の最も近い縁部間の距離である、距離Sだけ間隔を空けられる。本発明の例示的な実施形態で、この距離は2つの電極E1/E2の大きい方の直径の1~4倍の範囲内であるのに対して、他の例示的な実施形態で、距離Sは最大直径の2~3倍の範囲内である。例えば、各電極が1mmの直径を有する場合、距離Sは2~3mmの範囲内とすることができる。さらに、手動または半自動の溶接作業では、距離Sは最大電極直径の1.75~2.25倍の範囲内とすることができるのに対して、ロボット溶接作業では、距離Sは最大電極直径の2.5~3.5倍の範囲内とすることができる。例示的な実施形態で、距離Sは1.5~3.5mmの範囲内である。
【0014】
以下にさらに解説するように、距離Sは、ブリッジ溶滴を通して以外、電極が互いに接触しないようにしつつ、溶滴が移行する前に、電極間に単一のブリッジ溶滴が形成されることを確実にするように選択するべきである。
【0015】
図3Aは、それぞれの電極E1およびE2からの磁力の相互作用で示しつつ、本発明の例示的な実施形態を描写する。示されるように、電流のフローに起因して、ワイヤを互いに引き寄せるピンチ力を作り出す傾向がある磁界が電極の周りに発生する。この磁力は、2つの電極間に溶滴ブリッジを作り出す傾向があり、これについて以下により詳細に論じる。
【0016】
図3Bは、2つの電極間に作り出される溶滴ブリッジを示す。すなわち、各電極を通過する電流が電極の端部を溶かすので、磁力は、溶融液滴をそれらが互いにつながるまで互いに引き寄せる傾向がある。距離Sは、電極の固体部分が引き寄せられて互いに接触しないように十分遠いが、溶接アークによって作り出された溶接パドルに溶融液滴が移行する前に溶滴ブリッジが作り出されるのに十分近い。溶滴は図3Cに描写され、ここで溶滴ブリッジは、溶接中にパドルに移行する単一の大きな溶滴を作り出す。示されるように、溶滴ブリッジに作用する磁気ピンチ力は、単一電極溶接作業におけるピンチ力の使用と同じように溶滴を摘み取るように作用する。
【0017】
さらに、図4Aは、本発明の一実施形態における電流フローの例示的な表現を描写する。示されるように、溶接電流は、各それぞれの電極を通して流れるように分割され、ブリッジ溶滴が形成されるとき、ブリッジ溶滴まで通りこれを通過する。電流は次に、ブリッジ溶滴からパドルおよびワークピースまで通過する。電極が同じ直径およびタイプのものである例示的な実施形態で、電流は本質的に、電極を通して均等に分割されることになる。例えば異なる直径および/または組成/構造に起因して、電極が異なる抵抗値を有する実施形態で、溶接電流は既知の方法論と同じようにコンタクトチップに印加され、コンタクトチップは電極とコンタクトチップのチャネルとの間の接触を介してそれぞれの電極に溶接電流を提供するので、それぞれの電流は、V=I*Rの関係によって配分されることになる。図4Bは、ブリッジ溶滴を作り出すのを助けるブリッジパドル内の磁力を描写する。示されるように、磁力は、電極のそれぞれの溶融部分をそれらが互いに接触するまで互いに引き寄せる傾向がある。
【0018】
図5Aは、単一電極溶接作業で作られる溶接部の例示的な断面を描写する。示されるように、溶接ビードWBは適切な幅であるが、示されるようにワークピースWに溶け込む、溶接ビードWBのフィンガFは比較的狭い幅を有する。これは、より高い溶着速度が使用されるとき、単一ワイヤ溶接作業で起こり得る。すなわち、このような溶接作業で、フィンガFは、フィンガが望ましい方向に溶け込んだと想定することが信頼できないほど狭くなる場合があり、したがって適正な溶け込みの信頼できる指標となり得ない。さらに、この狭いフィンガがより深くもぐりこむとき、これはフィンガの近くに閉じ込められたポロシティなどの欠陥につながる場合がある。加えて、このような溶接作業で、溶接ビードの有用な側は、望まれるほど深く溶け込まれない。したがって、ある特定の用途で、この機械的接合は望まれるほど強くない。加えて、水平な隅肉溶接部を溶接するときなどの、いくつかの溶接用途で、単一電極の使用は、溶接作業に過大な熱を加えることなく、高い溶着速度で、等しいサイズの溶接脚を達成することを難しくした。これらの問題は、フィンガの溶け込みを低減させフィンガを広げて溶接部の側方溶け込みをより広くすることができる、本発明の実施形態で軽減される。この実施例は、本発明の一実施形態の溶接ビードを示す、図5Bに示される。この実施形態で示されるように、溶接継手内の溶接部深さにおけるより広い溶接ビードと同様、類似の、または改善された溶接ビード脚の対称性および/または長さを達成することができる。この改善された溶接ビードの幾何学的形状は、溶接部への全体的な入熱をより少なく使用しつつ達成される。したがって、本発明の実施形態は、より少ない入熱量で、かつ改善された溶着速度で、改善された機械的溶接部性能を提供することができる。
【0019】
図6は、本発明の例示的な溶接作業のフローチャート600を描写する。このフローチャートは、例示的であるように意図され、限定しているように意図されない。示されるように、既知のシステム構造に合致するコンタクトチップおよび電極に電流が向けられるように溶接電源によって溶接電流/出力が提供される610。例示的な波形については以下にさらに論じる。溶接中に、各電極からのそれぞれの溶滴が互いに接触してブリッジ溶滴を作り出す電極間に、ブリッジ溶滴が生じることを可能とする620。ブリッジ溶滴は、溶接パドルに接触する前に形成される。ブリッジ溶滴の形成中に、溶滴が移行するべきサイズに到達するような時間まで、持続時間または溶滴サイズのうちの少なくとも1つが検出され、次に溶滴はパドルに移行する640。工程は、溶接作業中繰り返される。溶接工程を制御するために、電源コントローラ/制御システムは、ブリッジ溶滴が移行するべきサイズであるかどうか判定するために、ブリッジ溶滴電流持続時間および/またはブリッジ溶滴サイズ検出のうちのいずれかを使用することができる。例えば、1つの実施形態で、ブリッジ電流がその持続時間の間維持されその後溶滴移行が次に開始されるような、所与の溶接作業のために、所定のブリッジ電流持続時間が使用される。さらなる例示的な実施形態で、電源/電力供給装置のコントローラは、溶接電流および/または電圧を監視し、所与の溶接作業のために予め定められた閾値(例えば電圧閾値)を利用することができる。例えば、このような実施形態で、(既知のタイプのアーク電圧検出回路を介して検出された)検出アーク電圧が、アーク電圧がブリッジ溶滴閾値レベルに到達したことを検出するとき、電力供給装置は、溶接波形の溶滴分離部分を開始する。これについては、本発明の実施形態とともに使用可能な溶接波形のいくつかの例示的な実施形態で、以下にさらに論じる。
【0020】
図7は、本発明の実施形態とともに使用可能なコンタクトチップ700の代替の例示的な実施形態を描写する。前に説明したように、いくつかの実施形態で、電極は、単一のワイヤガイド/ライナを介してトーチに向けることができる。もちろん、他の実施形態で、別個のワイヤガイド/ライナを使用することができる。しかしながら、単一のワイヤガイド/ライナが使用されるそれらの実施形態で、コンタクトチップは、電極がコンタクトチップ内で互いに分離されるように設計することができる。図7に示されるように、この例示的なコンタクトチップ700は、コンタクトチップ700の上流端において単一のオリフィスを持つ単一の入口チャネル710を有する。各電極は、このオリフィスを介してコンタクトチップに入り、それらがコンタクトチップの分離部分720に到達するまでチャネル710に沿って通過し、ここで分離部分は、1つの電極を第1の出口チャネル711に、および第2の電極を第2の出口チャネル712に向け、したがって電極は、それぞれ、それらの別々の出口オリフィス701および702に向けられる。もちろん、チャネル710、711および712のサイズは、使用することになっている電極のサイズに対して適切に決めるべきであり、分離部分720は、電極を傷つけたり引っかいたりしないように成形するべきである。図7に示されるように、出口チャネル711および712は、互いに対して角度が調整されるが、図2に示されるように、これらのチャネルは、互いに平行に方向づけることもできる。
【0021】
次に、図8図10に目を向けると、本発明の例示的な実施形態とともに使用可能なさまざまな例示的な波形が描写される。一般に、本発明の例示的な実施形態で、電流は、ブリッジ溶滴を作り出しそれを移行用に作り上げるために増加される。例示的な実施形態で、移行時にブリッジ溶滴は電極間の距離Sと同じような平均直径を有し、それは電極のいずれかの直径よりも大きい場合がある。溶滴が形成されるとき、それは高ピーク電流を介して移行し、その後電流は、ワイヤに作用しているアーク圧力を取り去るために、より低い(例えばバックグラウンド)レベルに降下する。ブリッジング電流は次に、成長している溶滴を摘み取る過大なピンチ力を及ぼすことなく、ブリッジ溶滴を作り上げる。例示的な実施形態で、このブリッジング電流は、バックグラウンド電流とピーク電流との間の30~70%の範囲内のレベルにある。他の例示的な実施形態で、ブリッジング電流は、バックグラウンド電流とピーク電流との間の40~60%の範囲内である。例えば、バックグラウンド電流が100アンペアでありピーク電流が400アンペアである場合、ブリッジング電流は、220~280アンペア(すなわち、300アンペア差の40~60%)の範囲内である。いくつかの実施形態で、ブリッジング電流は、1.5~8msの範囲内の持続時間の間維持され得るのに対して、他の例示的な実施形態で、ブリッジング電流は、2~6msの範囲内の持続時間の間維持される。例示的な実施形態で、ブリッジング電流持続時間は、バックグラウンド電流状態の終わりに始まり、ブリッジング電流ランプアップを含み、ここでランプアップは、ブリッジング電流レベルおよび傾斜率に応じて、0.33~0.67msの範囲内とすることができる。本発明の例示的な実施形態を用いて、波形のパルス周波数は、制御を改善し単一ワイヤ動作と比較してより高い溶着速度を可能にし得る溶滴成長を可能にするために、単一ワイヤ工程と比較して低速にすることができる。
【0022】
図8は、パルススプレー溶接タイプ動作に対する例示的な電流波形800を描写する。示されるように、波形800は、バックグラウンド電流レベル810を有し、それは次にブリッジ電流レベル820に遷移し、その間にブリッジ溶滴は移行するべきサイズまで成長する。ブリッジ電流レベルは、溶滴がパドルへのその移行を開始するスプレー移行電流レベル840よりも低い。ブリッジ電流820の終わりに、電流は、スプレー移行電流レベル840を越えてピーク電流レベル830まで引き上げられる。ピーク電流レベルは次に、溶滴の移行を完了させることを可能にするために、ピーク持続時間の間維持される。移行の後、工程が繰り返されるので、電流は次に再びバックグラウンドレベルに下げられる。したがって、これらの実施形態で、波形のブリッジ電流部分の間に単一溶滴の移行は起こらない。このような例示的な実施形態で、ブリッジ電流820に対するより低い電流レベルは、パドルに溶滴を向ける過剰なピンチ力なしで溶滴が生じることを可能にする。ブリッジ溶滴の使用のために、単一ワイヤを使用するよりもより高いレベルでより長い持続時間の間ピーク電流830を維持し得る溶接作業を達成することができる。例えば、いくつかの実施形態は、550~700アンペアの範囲内のピーク電流レベル、および150~400アンペアの範囲内のバックグラウンド電流において、少なくとも4msの間、および4~7msの範囲内のピーク持続時間を維持することができる。このような実施形態で、著しく改善された溶着速度を達成することができる。例えば、いくつかの実施形態は、19~26lbs/hrの範囲内の溶着速度を達成したのに対して、類似の単一ワイヤ工程は、ただ10~16lbs/hrの範囲内の溶着速度を達成することができるにすぎない。例えば、1つの非限定的な実施形態で、700アンペアのピーク電流、180アンペアのバックグラウンド電流および340アンペアの溶滴ブリッジ電流を使用して、0.040インチの直径を有する1対のツインワイヤを120Hzの周波数において19lbs/hrの速度で溶着させることができる。このような溶着は、従来の溶接工程よりもずっと少ない周波数におけるものであり、したがってより安定している。
【0023】
図9は、ショート・アーク・タイプの溶接作業で使用可能な別の例示的な波形900を描写する。再び、波形900は、溶滴とパドルとの間の短絡を解消するように構築される短絡応答部分920の前にバックグラウンド部分910を有する。短絡応答920中に、電流は短絡を解消するために引き上げられ、短絡が解消されるとき、電流は、ブリッジ溶滴が形成されるブリッジ電流レベル930に降下される。再び、ブリッジ電流レベル930は、短絡応答920のピーク電流レベルよりも低い。ブリッジ電流レベル930は、ブリッジ溶滴を形成しパドルに向けることを可能にするブリッジ電流持続時間の間維持される。溶滴の移行中に、電流は次に、バックグラウンドレベルに降下され、それは、短絡が起こるまで溶滴が進むことを可能にする。短絡が起こるとき、短絡応答/ブリッジ電流波形が繰り返される。本発明の実施形態で溶接工程をより安定させるのは、ブリッジ溶滴の存在であることに留意するべきである。すなわち、複数のワイヤを使用する従来の溶接工程には、ブリッジ溶滴が存在しない。それらの工程では、一方のワイヤが短絡またはパドルと接触するとき、アーク電圧が降下し、他方の電極に対するアークが消えることになる。これは、ブリッジ溶滴が各ワイヤに共通である、本発明の実施形態で起こらない。
【0024】
図10は、STT(表面張力移行)タイプ波形である、さらなる例示的な波形1000を描写する。このような波形は既知であるから、それらについては本明細書で詳細に説明しない。STTタイプ波形、その構造、使用および実装についてさらに解説するために、2012年4月5日に申請された、(特許文献1)が全体として本明細書に援用される。再び、この波形は、バックグラウンドレベル1010、ならびに第1のピークレベル1015および第2のピークレベル1020を有し、ここで第2のピークレベルには溶滴とパドルとの間の短絡が解消された後に到達する。第2のピーク電流レベル1020の後、電流は、ブリッジ溶滴が形成されるブリッジ電流レベル1030に降下され、その後電流は、溶滴がパドルと接触するまで、溶滴がパドルに向かって進むことを可能にするためにバックグラウンドレベル1010に降下される。他の実施形態で、AC波形を使用することができ、例えば、AC STT波形、パルス波形などを使用することができる。
【0025】
本明細書で説明された実施形態の使用は、既知の溶接作業の上に安定性、溶接部構造および性能における著しい改善を提供することができる。しかしながら、溶接作業に加えて、実施形態は、付加製造作業で使用することができる。実際に、上述のシステム100は、溶接作業のように付加製造作業で使用することができる。例示的な実施形態で、改善された溶着速度を付加製造作業で達成することができる。例えば、STTタイプ波形を使用するとき、単一ワイヤ付加工程は、0.045インチのワイヤを使用して、不安定になる前に約5lbs/hrの溶着速度を提供することができる。しかしながら、本発明の実施形態および2本の0.040インチのワイヤを使用するとき、7lbs/hrの溶着速度を安定した移行で達成することができる。付加製造工程およびシステムは既知であるから、それらの詳細について本明細書で説明する必要がない。このような工程で、上述したようなブリッジング電流は、付加製造電流波形で使用することができる。
【0026】
他の溶接タイプ波形を本発明の実施形態とともに使用することができるので、例示的な実施形態は、上で論じ、本明細書で説明した波形の使用法に限定されないことが、留意される。例えば、他の実施形態は、本発明の趣旨および適用範囲から逸脱することなく、可変極性のパルススプレー溶接波形、AC波形などを使用することができる。例えば、可変極性の実施形態で、溶接波形のブリッジ部分は、溶接パドルへの全体的な入熱を低減しつつブリッジ溶滴が作り出されるように、負極性で行うことができる。例えば、ACタイプ波形を使用するとき、波形は、2本のワイヤを溶かしてそれらの間にブリッジ溶滴を形成するために、60~200Hzの周波数の交流の負および正パルスを有し得る。さらなる実施形態で、周波数は、80~120Hzの範囲内とすることができる。
【0027】
前に解説したように、本発明の実施形態は、フラックス入り消耗材料を含む、異なるタイプおよび組合せの消耗材料とともに使用することができる。実際に、本発明の実施形態は、フラックス入り電極を使用するとき、より安定した溶接作業を提供することができる。具体的には、ブリッジング溶滴の使用は、単一ワイヤ溶接作業で不安定になる傾向があり得るフラックス入り溶滴を安定させるのを助けることができる。さらに、本発明の実施形態は、より高い溶着速度において、溶接部およびアークの安定性を向上させることを可能にする。例えば、単一ワイヤ溶接作業で、高電流および高い溶着速度において溶滴に対する移行タイプがストリーミングスプレーから回転スプレーに変化する場合があり、それは溶接作業の安定性をかなり低減させる。しかしながら、本発明の例示的な実施形態を用いればブリッジ溶滴が溶滴を安定させ、それは、20lbs/hrを上まわる溶着速度などの高い溶着速度においてアークおよび溶接部の安定性を著しく改善する。
【0028】
加えて、前述の通り、消耗材料は、所与の溶接作業を最適化し得る、異なるタイプおよび/または組成のものとすることができる。すなわち、2つの異なる、しかし両立可能な消耗材料の使用は、望ましい溶接継手を作り出すために組み合わせることができる。例えば、表面硬化ワイヤ、ステンレスワイヤ、ニッケル合金および異なる組成の鋼線を含む両立可能な消耗材料を組み合わせることができる。1つの具体例として、軟鋼線は、過度に合金化されたワイヤと組み合わせて309ステンレス鋼組成を作ることができる。これは、望ましいタイプの単一消耗材料が望ましい溶接特性を有さないとき有利であり得る。例えば、専門化された溶接のためのいくつかの消耗材料は、望ましい溶接部の化学的性質を提供するが、使用するのが極めて難しく満足な溶接部を提供するのが困難である。しかしながら、本発明の実施形態は、望ましい溶接部の化学的性質を作り出すために組み合わせるべき、溶接することがより容易な2つの消耗材料の使用を可能にする。本発明の実施形態を使用して、他の方法では商業的に利用可能でない、または他の方法では製造するのに非常に費用がかかる、合金/溶着物の化学的性質を作り出すことができる。したがって、2つの異なる消耗材料を使用して、費用がかかるかまたは利用不可能な消耗材料の必要性を除去することができる。さらに、実施形態を使用して、希釈合金を作り出すことができ、例えば、第1のワイヤは普通の高価でない合金であり、第2のワイヤは特製ワイヤである。望ましい溶着物は、高価な特製ワイヤの上に、2本のワイヤのより低い平均コストで、ブリッジ化溶滴の形成においてよく混合された、2本のワイヤの平均になる。さらに、いくつかの用途で、望ましい溶着物は、適切な消耗材料の化学的性質の欠如に起因して利用不可能な場合があるが、ブリッジ化溶滴内で混合され単一溶滴として溶着される、2本の標準的合金ワイヤを混合することによって到達することができる。さらに、耐摩耗性金属の用途などの、いくつかの用途で、望ましい溶着物は、1本のワイヤからの炭化タングステン粒子およびもう1本のワイヤからの炭化クロム粒子の組合せとすることができる。さらに別の用途で、内部により大きい粒子を収容しているより大きいワイヤは、より少ない粒子またはより小さい粒子を含有するより小さいワイヤと混合され、2本のワイヤの混合物を溶着させるために使用される。ここで、各ワイヤからの予想される寄与は、ワイヤ送給速度が同じであるとすると、ワイヤのサイズに比例する。さらに別の実施例で、ワイヤのワイヤ送給速度は、生み出される合金が望ましい溶着物に基づいて変化することを可能にするために異なっているが、ワイヤの混合はまだ、ワイヤ間に作り出されるブリッジ化溶滴によって引き起こされる。
【0029】
本発明をその例示的な実施形態を参照して具体的に示し説明してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。以下の特許請求の範囲に定められる本発明の趣旨および適用範囲から逸脱することなく、形式および詳細におけるさまざまな変更がその中になされ得ることは、当業者によって理解されることになる。
【符号の説明】
【0030】
100 溶接システム
109 電源
120 コントローラ
200 コンタクト・チップ・アセンブリ
701、702 出口オリフィス
800、900、1000 波形
S 距離
E1、E2 電極
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A-4B】
図5A-5B】
図6
図7
図8
図9
図10