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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】開閉装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/17 20060101AFI20220823BHJP
   E06B 9/58 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
E06B9/17 T
E06B9/58 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018232458
(22)【出願日】2018-12-12
(65)【公開番号】P2020094385
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-09-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】水原 一也
(72)【発明者】
【氏名】矢澤 昇
(72)【発明者】
【氏名】本庄 俊章
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 正博
(72)【発明者】
【氏名】野末 嵩博
(72)【発明者】
【氏名】田中 剛史
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-070456(JP,A)
【文献】特開2005-290966(JP,A)
【文献】登録実用新案第3195349(JP,U)
【文献】実開昭59-030498(JP,U)
【文献】実開昭48-053149(JP,U)
【文献】実開昭55-145685(JP,U)
【文献】実開昭48-53149(JP,U)
【文献】特開2006-233621(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 7/04
E06B 7/16- 7/24
E06B 9/00-11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を仕切るように閉鎖動作する開閉体と、前記開閉体を閉鎖方向へ案内するガイドレールとを備えた開閉装置において、
閉鎖状態の前記開閉体を厚さ方向の一方側から押圧して前記ガイドレールに押し付ける開閉体押圧装置が設けられ
前記開閉体押圧装置は、閉鎖状態の前記開閉体から厚さ方向へ離れた離間位置と同開閉体を厚さ方向の一方側から押圧した押圧位置との間で移動する押圧部と、前記押圧部を前記押圧位置と前記離間位置との間で移動するように支持する支持部とを具備するとともに、前記開閉体が閉鎖する際の動作に、前記押圧部の押圧方向への移動を連動させるものであって、
前記開閉体押圧装置は、枢支部を支点にした一端側が前記開閉体により閉鎖方向へ押動されることで他端側を開放方向へ回動する回動部材を備え、前記他端側の開放方向への回動により前記押圧部を押圧方向へ移動させることを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
前記開閉体押圧装置が、前記ガイドレールに設けられていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
【請求項3】
前記開閉体押圧装置は、さらに、前記押圧部を押圧方向へ移動させるために手動操作される操作部を具備していることを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーバーヘッドドアを含むシャッター装置、門扉、ゲート、スライディングウォール装置等、開閉体をガイドレールによって閉鎖方向へ案内するようにした開閉装置に関し、特にシャッター装置として好適な開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明には、例えば特許文献1に記載されるように、空間を仕切るように閉鎖動作する開閉体と、この開閉体の幅方向端部側を閉鎖方向へ案内するガイドレールと、前記開閉体を上方側で収納する収納ケースと、前記収納ケースに一端側を枢支するとともに他端側を開閉体の下端側に枢支しその全長を伸縮するようにした棒状の撓み抑制部材とを備えたシャッター装置がある。
このシャッター装置によれば、開閉体を全閉した際に、棒状の撓み抑制部材が開閉体の表面に近接するように位置する。このため、開閉体は、強風を受ける等して撓んだ際に撓み抑制部材に当接し、その撓みが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-299522公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来技術では、開閉体の主に中央寄りの撓みを撓み抑制部材により抑制するようにしている。このため、閉鎖状態の開閉体の幅方向端部側が、風に煽られる等してばたつくと、ガイドレールに当接して騒音を発生したり、開閉体を構成するスラット間のきしみ音を発生したりするおそれがある。また、その当接箇所や摺接箇所において摩耗や損傷を生じる可能性もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明は、以下の構成を具備するものである。
空間を仕切るように閉鎖動作する開閉体と、前記開閉体を閉鎖方向へ案内するガイドレールとを備えた開閉装置において、閉鎖状態の前記開閉体を厚さ方向の一方側から押圧して前記ガイドレールに押し付ける開閉体押圧装置が設けられ、前記開閉体押圧装置は、閉鎖状態の前記開閉体から厚さ方向へ離れた離間位置と同開閉体を厚さ方向の一方側から押圧した押圧位置との間で移動する押圧部と、前記押圧部を前記押圧位置と前記離間位置との間で移動するように支持する支持部とを具備するとともに、前記開閉体が閉鎖する際の動作に、前記押圧部の押圧方向への移動を連動させるものであって、前記開閉体押圧装置は、枢支部を支点にした一端側が前記開閉体により閉鎖方向へ押動されることで他端側を開放方向へ回動する回動部材を備え、前記他端側の開放方向への回動により前記押圧部を押圧方向へ移動させることを特徴とする開閉装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、閉鎖状態の開閉体の幅方向端部側のばたつきを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る開閉装置の一例を示す正面図である。
図2】同開閉装置の(II)-(II)線に沿う断面図であり、(a)は離間位置、(b)は押圧位置を示している。
図3】開閉体押圧装置の要部側面図であり、(a)は離間位置、(b)は押圧位置を示している。
図4】本発明に係る開閉装置の他例を示す正面図である。
図5】同開閉体押圧装置について概略構造を示す要部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施の形態では、以下の特徴を開示している。
第一の特徴は、空間を仕切るように閉鎖動作する開閉体と、前記開閉体を閉鎖方向へ案内するガイドレールとを備えた開閉装置において、閉鎖状態の前記開閉体を厚さ方向の一方側から押圧して前記ガイドレールに押し付ける開閉体押圧装置が設けられている(図1図5参照)。
この構成によれば、閉鎖状態の開閉体を厚さ方向の一方側から押圧してガイドレールに押し付けることができ、ひいては、開閉体の幅方向端部が、風等により厚さ方向へばたつくのを抑制することができる。
【0009】
第二の特徴は、生産性に優れた態様として、前記開閉体押圧装置が、前記ガイドレールに設けられている(図1及び図2参照)。
【0010】
第三の特徴として、動作性の良好な具体的態様を得るために、前記開閉体押圧装置は、閉鎖状態の前記開閉体から厚さ方向へ離れた離間位置と同開閉体を厚さ方向の一方側から押圧した押圧位置との間で移動する押圧部と、前記押圧部を前記押圧位置と前記離間位置との間で移動するように支持する支持部とを具備する(図2参照)。
【0011】
第四の特徴として、使い勝手を向上するために、前記開閉体押圧装置は、前記押圧部を押圧方向へ移動させるために手動操作される操作部を具備している(図2及び図3参照)。
【0012】
第五の特徴として、より使い勝手を向上するために、前記開閉体押圧装置は、前記開閉体が閉鎖する際の動作に、前記押圧部の押圧方向への移動を連動させている(図4及び図5参照)。
【0013】
第六の特徴として、良好な動作性を得るために、前記開閉体押圧装置は、枢支部を支点にした一端側が前記開閉体により閉鎖方向へ押動されることで他端側を開放方向へ回動する回動部材を備え、前記他端側の開放方向への回動により前記押圧部を押圧方向へ移動させる(図4及び図5参照)。
【0014】
<第一の実施態様>
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明において、「開閉体厚さ方向」とは、閉鎖状態の開閉体の厚さ方向を意味する。また、「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。また、「開閉体開閉方向」とは、開閉体が空間を仕切ったり開放したりするためにスライドする方向を意味する。
【0015】
開閉装置1は、空間を仕切るように下方へ閉鎖動作する開閉体10と、開閉体10の幅方向の端部を凹状に囲んで閉鎖方向へ案内する左右のガイドレール20,20と、開閉体10をその開放方向側で収納する収納部30と、全閉状態の開閉体10の下端部に対向するように設けられる下枠40と、閉鎖状態の開閉体10を厚さ方向の一方側から押圧してガイドレール20に押し付ける開閉体押圧装置50とを具備する。
この開閉装置1は、例えば、構造物開口部の窓サッシの屋外側に固定されて窓用シャッター装置を構成し、開閉体10を上下方向へ動作して窓サッシ内の開口部Aを開閉する。
【0016】
開閉体10は、横長略矩形状の金属板を曲げ加工してなるスラット11aを、上下に隣接するスラット11a,11a間で回動するように複数連接することで、開閉体本体11を構成し、この開閉体本体11の下側の端部に、下枠40に当接させるための座板部材12(水切り又は幅木と呼称される場合もある。)を、開閉体幅方向にわたって接続している。
【0017】
この開閉体10の幅方向の端部には、必要に応じて、開閉体厚さ方向へ突出してガイドレール20内から抜けないように係合する抜止め部材13(図2参照)が設けられる。
【0018】
ガイドレール20は、開閉体10を開閉方向へ案内する部材であり、開閉体10の幅方向の両側各々で、収納部30と下枠40との間にわたって略鉛直状に設けられる。
各ガイドレール20は、図2に示すように、開閉体10を囲むようにして開閉方向へ延設されたレール本体21と、このレール本体21を支持するレール支持部材22とから一体的に構成される。
【0019】
レール本体21は、開閉体10の幅方向端部側を挿入して断面コ字状に囲む部材であり、その内側の面に、開閉体10の表面と裏面にそれぞれ対向する気密材21aを固定している(図2参照)。各気密材21aやゴムやエラストマー樹脂等の弾性材料から形成され、開閉体開閉方向へ長尺状に連続している。
【0020】
レール支持部材22は、レール本体21における開閉体厚さ方向の一方側に接続され、窓サッシや建物の躯体等の不動部位に固定される(図2参照)。
このレール支持部材22には、後述する開閉体押圧装置50が固定される。なお、他例としては、レール本体21に開閉体押圧装置50を固定するようにしてもよい。
【0021】
また、収納部30は、収納ケース31内に、開閉体10を巻き取ったり繰り出したりする巻取軸(図示せず)を収納している。
収納ケース31は、横長箱状に形成され、その下端部に、開閉体10を遊挿する横長の開口31aを有する(図1参照)。
また、収納ケース31内には、必要に応じて、開閉体10を電動で開閉させるための開閉機や動力伝達機構、制御回路等が設けられる。
【0022】
下枠40は、左右のガイドレール20,20の下端部間にわたって設けられた長尺状の部材である。
【0023】
開閉体押圧装置50は、閉鎖状態の開閉体10の両側に位置するように、各ガイドレール20の開口部A側に固定される(図1参照)。
各開閉体押圧装置50は、閉鎖状態の開閉体10を厚さ方向の一方側から押圧した押圧位置(図2(b))と同開閉体から厚さ方向へ離れた離間位置(図2(a))との間で移動する押圧部51と、押圧部51を前記押圧位置と前記離間位置との間で移動するように支持する支持部52とを具備する。そして、この開閉体押圧装置50は、開閉体10の開閉ストロークの略全長にわたる長尺状に構成される。
【0024】
押圧部51は、開閉体厚さ方向へスライドする基部51aと、この基部51aから開閉体厚さ方向の一方へ突出して開閉体10面に対向する弾性部51bと、基部51aから開口部A側へ突出して外部に露出される操作部51cとを備える(図2参照)。
【0025】
基部51aは、金属や硬質合成樹脂等の硬質材料から上下方向へ連続する長尺状に形成され、図示例によれば横断面略コ字状を呈する。この基部51aは、開閉体厚さ方向へスライドするように、支持部52の内側に緩嵌している。
【0026】
弾性部51bは、ゴムやエラストマー樹脂等の弾性材料から、上下方向へわたる長尺状に形成され、支持部52の略全長にわたって止着固定されている。この弾性部51bは、図示例によれば、横断面形状が中空略環状であり、上下方向にわたって支持部52に嵌合している。
【0027】
操作部51cは、押圧部51を押圧方向へ移動させるために手動操作される摘み状の部材であり、基部51aから開口部A側へ突出して、支持部52の側壁を貫通している。
【0028】
支持部52は、基部51aを横断面コ字状に囲んで上下方向へ長尺状に連続している。この支持部52は、ガイドレール20に対し、リベット止めやねじ止め、溶接、嵌合等の止着手段によって一体的に固定される。
【0029】
支持部52の開口部A側の側面には、操作部51cを貫通するガイド孔52aが設けられる。このガイド孔52aは、開閉体厚さ方向へ直線的に延設されたガイド部52a1と、このガイド部52a1の開閉体10面側の端部から下方へ延設された係止部52a2とを有する横向きL字状の貫通孔である(図3参照)。
【0030】
なお、図2中、符号xは、サッシ窓における戸体の一部分(例えば、網戸や、ガラス戸の縦框)である。
【0031】
次に、上記構成の開閉装置1について、その特徴的な作用効果を詳細に説明する。
図2(a)に示すように、押圧部51が、開閉体10面から離れた離間位置にある状態では、開閉体10が、開閉体押圧装置50に接触することなく、上下方向へ開閉動作する。
【0032】
図2(b)に示すように、開閉体10の全閉状態において、操作部51cが手動で開閉体10面側へ押動されると、この動作に伴って、押圧部51全体が開閉体10面側へ移動する。すると、押圧部51の弾性部51bが開閉体10面に弾性的に当接して、開閉体10を、ガイドレール20の一方(図2によれば下側)の気密材21aに押し付ける。この押圧状態は、操作部51cがガイド孔52aの係止部52a2に係止されることで維持される(図3(b)参照)。
【0033】
また、押圧部51を離間位置に戻す際は、操作部51cを、手で持ち上げて係止部52a2から外し、開閉体10面から離れる方向へ移動すればよい。
なお、前述した作用は、左右の開閉体押圧装置50,50についてそれぞれ同様に奏する。
【0034】
よって、開閉装置1によれば、上記押圧状態において、例えば、開閉体10が風を繰り返し受けた場合でも、開閉体10の幅方向端部側が厚さ方向へばたつくのを抑制することができ、ひいては、開閉体10がガイドレール20に繰り返し当接して、ばたつき音や振動を発生するのを防ぐとともに、開閉体10のばたつきに起因する損傷や摩耗を低減することができる。
特にこの開閉装置1によれば、例えば、風の弱い日は、手動操作により開閉体押圧装置50を上記離間位置にし、風の強い日のみ手動操作により開閉体押圧装置50を上記押圧位置にする等、使用者が開閉体押圧装置50の状態を選択的に変化させることができる。
【0035】
<第二の実施態様>
次に、本発明に係る第二の実施態様について説明する。この実施態様の開閉装置は、上記開閉装置1に対し、一部を変更したものであるため、略同様に機能する部分については同一の符号を付け、重複する詳細説明を省略する。
【0036】
第二の実施態様の開閉装置2は、上記開閉装置1において、開閉体押圧装置50を開閉体押圧装置50’に置換したものである(図4及び図5参照)。
【0037】
開閉体押圧装置50’は、開閉体10が閉鎖する際の動作に、押圧部51の押圧方向への移動を連動させるように構成してある。
詳細に説明すれば、この開閉体押圧装置50’は、下端側の押動部材53が押し上げられるのに連動して押圧部51を開閉体10面側へスライドさせる押圧ユニット50aと、開閉体10が全閉する際の閉鎖動作に連動して押動部材53を押し上げる連動ユニット50bとを備える。
【0038】
押圧ユニット50aは、上述した開閉体押圧装置50から操作部51cを省き、押動部材53及び運動方向変換部54を加えた構成とすればよい。
【0039】
押動部材53は、上下方向へわたる棒状の部材であり、支持部52内に所定量上下移動可能に支持される。
【0040】
運動方向変換部54は、上下方向へ延設された板バネであり、その下端側を押動部材53に止着するとともに上端側を支持部52に固定している。
この運動方向変換部54における上下方向の中央側は、押圧部51の基部51aに止着されている。
この構成によれば、押動部材53が上方へ移動すると、運動方向変換部54(板バネ)が、その上下方向の中央側を、開閉体10面方向(図5によれば右方向)へ弓形に撓ませ、押圧部51を開閉体10面方向へスライドさせる。
【0041】
連動ユニット50bは、枢支部55aを支点にした一端側が閉鎖方向へ押動されることで他端側を開放方向へ回動する回動部材55と、この回動部材55の一端側に枢着された受部56と、同回動部材55の他端側に枢着された押子57とを備える。
【0042】
枢支部55aは、図示しないブラケットによって下枠40上に支持された軸状の部材であり、回動部材55の中心部に緩挿されている。
【0043】
回動部材55は、枢支部55aを支点にしてシーソー状に回動するように支持され、その一端側の横向きの長孔に、軸状部材を介して受部56を枢着し、他端側の横向きの長孔に軸状部材を介して押子57を枢着している。
【0044】
受部56は、その下端側を回動部材55の一端側に枢着するとともに、上端側を回動部材55よりも上方へ突出させた部材であり、図示しないブラケットにより上下方向へスライドするように支持されている。
この受部56の上端部は、全閉した際の開閉体10下端の凹状部分12aに嵌り合って当接するように、開閉体10下端に対向して位置する。
【0045】
押子57は、その下端側を回動部材55の他端側に枢着するとともに、上端側を回動部材55よりも上方へ突出させた部材であり、図示しないブラケットにより上下方向へスライドするように支持されている。
【0046】
次に、開閉体押圧装置50’を備えた第二の実施態様について、その特徴的な作用効果を詳細に説明する。
開閉体10が全閉すると、開閉体10下端の凹状部分12aが、受部56に嵌り合って当接し、受部56を下方へ押動する。このため、回動部材55が一端側を下方へ回動させながら他端側を上方へ回動させ、押子57が上方へスライドして押動部材53を上方へ押し上げる。
【0047】
すると、運動方向変換部54が上下に圧縮されて弓形に撓み、押圧部51を開閉体10面方向へ押動する。この後は、上述した開閉装置1と略同様にして、押圧部51の突端が開閉体10を弾性的に押圧し、開閉体10が気密材21aに押し付けられる。
【0048】
また、開閉体10が開放動作すると、受部56の上端から開閉体10が離れるため、押動部材53が運動方向変換部54(板バネ)の弾性的な復元力により下方へスライドし押子57を下方へ押し戻す。このため、回動部材55が逆方向へ回動するとともに受部56が上方へスライドして、図5(a)に示す初期位置に戻る。
【0049】
よって、図4及び図5に示す開閉装置2によれば、手動操作せずとも、開閉体10の開閉動作に応じて、押圧部51を自動的に出没させることができ、開閉体10の全閉時には、開閉体10の幅方向端部のばたつきを抑制することができる。
【0050】
<変形例>
上記実施の形態によれば、開閉体押圧装置50(50’)を、開閉体10の開閉ストロークの略全長にわたるように構成したが、他例としては、この開閉体押圧装置50(50’)を前記開閉ストロークの一部分に対応するように設けてもよい。この場合、開閉体押圧装置50(50’)は、前記開閉ストロークの略中央部を含むように設けるのが好ましい。
【0051】
また、上記実施の形態では、基部51aを開閉体厚さ方向へスライドさせて開閉体10に当接するようにしたが、他例としては、基部を回動させて開閉体10に当接する構成とすることも可能である。
【0052】
また、上記第一の実施態様では、支持部52のガイド孔52aは、ガイド部52a1の延設方向の一端側のみに係止部52a2を設けたが、他例としては、ガイド部52a1の他端側にも係止部52a2を設けるようにしてもよい。この構成によれば、上記離間位置においても押圧部51を係止することができる。
また、上記第二の実施態様において、手動で操作される操作部を併設することも可能である。
【0053】
また、上記実施の形態によれば、開閉体押圧装置50(50’)をガイドレール20の外側に固定したが、他例としては、開閉体押圧装置50(50’)を、ガイドレール20の内部に固定したり、下枠40やその他の不動部位に固定したりすることも可能である。
【0054】
また、上記開閉体押圧装置50’の押圧ユニット50aによれば、運動方向変換部54を板バネとしたが、この運動方向変換部の他例としては、複数のリンク部材により運動方向を変換する機構や、カム斜面を利用して運動方向を変換する機構等とすることが可能である。また、連動ユニット50bについても、図示例以外の機構に置換することが可能である。
【0055】
また、本発明は上述した実施態様に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0056】
1,2:開閉装置
10:開閉体
20:ガイドレール
30:収納部
50,50’:開閉体押圧装置
50a:押圧ユニット
50b:連動ユニット
51:押圧部
51a:基部
51b:弾性部
51c:操作部
52:支持部
53:押動部材
54:運動方向変換部
55:回動部材
56:受部
57:押子
図1
図2
図3
図4
図5