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特許7128131パラシュート装置、飛行装置、飛翔体射出機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】パラシュート装置、飛行装置、飛翔体射出機構
(51)【国際特許分類】
   B64D 17/72 20060101AFI20220823BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20220823BHJP
   B64D 17/80 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
B64D17/72
B64C39/02
B64D17/80
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019027795
(22)【出願日】2019-02-19
(65)【公開番号】P2020131917
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】酒本 譲
(72)【発明者】
【氏名】下久 昌司
(72)【発明者】
【氏名】持田 佳広
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0016468(US,A1)
【文献】特開2018-095051(JP,A)
【文献】特開2018-168927(JP,A)
【文献】特開昭63-220100(JP,A)
【文献】米国特許第02924409(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 39/02
B64D 17/72
B64D 17/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パラシュートと、
前記パラシュートを収容するパラシュート収容部と、
前記パラシュートに連結された少なくとも一つの飛翔体と、
棒状に形成され、前記飛翔体を保持し、保持した前記飛翔体を射出するための射出部と、を備え、
前記飛翔体は、
一端が開口し他端が有底の筒状に形成され、前記射出部と係合された飛翔体本体部と、
前記飛翔体本体部の内部に設けられ、前記射出部と前記飛翔体本体部とによって画成される内部空間に配置された、ガスを発生するガス発生装置と、を有し、
前記飛翔体は、前記飛翔体本体部の内部に前記射出部の少なくとも一部が挿入され、且つ、前記ガス発生装置が前記射出部の先端部に対面した状態で、前記射出部上に支持されている
パラシュート装置。
【請求項2】
請求項に記載のパラシュート装置において、
前記パラシュートと前記飛翔体とを連結する連結索を更に備え、
前記飛翔体本体部は、
筒状に形成され、前記射出部の少なくとも一部が一端側から挿入された支持部と、
前記支持部の他端側において、前記ガス発生装置を、前記支持部の一端側から挿入された前記射出部の先端部と対面した状態で保持する保持部と、
前記保持部から前記支持部と反対側に突出して形成され、前記連結索と連結された連結部とを含む
ことを特徴とするパラシュート装置。
【請求項3】
請求項に記載のパラシュート装置において、
前記ガス発生装置を点火するためのリード線を更に備え、
前記連結部は、筒状に形成され、
前記リード線の少なくとも一部は前記連結部の内部に配策されている
ことを特徴とするパラシュート装置。
【請求項4】
請求項1乃至の何れか一項に記載のパラシュート装置において、
飛行時の異常を検出する異常検出部と、
前記異常検出部による異常の検出に応じて、前記飛翔体を前記射出部から射出させるパラシュート制御部と、を更に有する
ことを特徴とするパラシュート装置。
【請求項5】
機体ユニットと、
前記機体ユニットに接続され、推力を発生する推力発生部と、
前記推力発生部を制御する飛行制御部と、
飛行時の異常を検出する異常検出部と、
請求項1乃至の何れか一項に記載のパラシュート装置と、
前記異常検出部による異常の検出に応じて、前記飛翔体を前記射出部から射出させるパラシュート制御部と、を備える
ことを特徴とする飛行装置。
【請求項6】
パラシュートに連結可能な飛翔体と、
棒状に形成され、前記飛翔体を保持し、保持した前記飛翔体を射出するための射出部と、を備え、
前記飛翔体は、一端が開口し他端が有底の筒状に形成され、前記射出部と係合された飛翔体本体部と、前記飛翔体本体部の内部に設けられ、前記射出部と前記飛翔体本体部とに
よって画成される内部空間に配置された、ガスを発生するガス発生装置とを有し、
前記飛翔体は、前記飛翔体本体部の内部に前記射出部の少なくとも一部が挿入され、且つ、前記ガス発生装置が前記射出部の先端部に対面した状態で、前記射出部上に支持されている
飛翔体射出機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パラシュート装置、飛行装置、および飛翔体射出機構に関し、例えば、遠隔操作および自律飛行が可能な、マルチロータの回転翼機型の飛行装置に取り付けられるパラシュート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、遠隔操作および自律飛行が可能な、マルチロータの回転翼機型の飛行装置(以下、単に「回転翼機」とも称する。)の産業分野への実用化が検討されている。例えば、運送業において、回転翼機(所謂ドローン)による荷物の輸送や旅客の輸送等が検討されている。
【0003】
輸送用の回転翼機は、GPS(Global Positioning System)信号等によって自己の位置を特定しながら飛行する自立飛行機能を備えている。しかしながら、何らかの原因で回転翼機に異常が発生した場合、自立飛行ができなくなり、回転翼機の落下等の事故が発生するおそれがある。そのため、回転翼機の安全性の向上が望まれている。
【0004】
特に、輸送用の回転翼機は、今後、より大きな荷物や、旅客を輸送できるように機体の大型化が進むと予想される。このような大型の回転翼機が何らかの原因で制御不能に陥って落下した場合、これまでの回転翼機に比べて、人や構造物に甚大な被害を与えるおそれがある。そのため、回転翼機の大型化を図る場合には、これまで以上に安全性を重視する必要がある。
【0005】
そこで、本願発明者らは、回転翼機の安全性を向上させるために、例えば下記特許文献に開示されているような飛翔体用のパラシュートを回転翼機に取り付けることを検討した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第4785084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の飛翔体用のパラシュートは、飛翔時に発生する気流によりパラシュートが開傘しやすいように設計されているため、上空において静止している状態から落下する時などのように、すぐに気流の効果を得られない場合に、パラシュートが直ちに開傘しないおそれがあることが発明者らの検討により明らかとなった。
【0008】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、飛行装置の飛行時または落下時における気流の効果がすぐに得られない場合であっても、素早く確実にパラシュートを開傘可能なパラシュート装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の代表的な実施の形態に係るパラシュート装置は、パラシュートと、前記パラシュートを収容するパラシュート収容部と、前記パラシュートに連結された少なくとも一つの飛翔体と、前記飛翔体を保持し、保持した前記飛翔体を射出するための射出部と、を備え、前記飛翔体は、前記射出部と係合された飛翔体本体部と、前記射出部と前記飛翔体本体部とによって画成される内部空間に配置された、ガスを発生するガス発生装置と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、飛行装置の飛行時または落下時における気流の効果がすぐに得られない場合であっても、素早く確実にパラシュートを開傘することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1に係るパラシュート装置を搭載した飛行装置の外観を模式的に示す図である。
図2】実施の形態1に係るパラシュート装置を搭載した飛行装置の機能ブロック図である。
図3】実施の形態1に係るパラシュート装置の構成を模式的に示す図である。
図4】パラシュートが開いた状態を模式的に示す図である。
図5】実施の形態1に係る飛翔体射出機構の構成を示す図である。
図6】実施の形態1に係るパラシュート装置を搭載した飛行装置のパラシュートが開いた状態を模式的に示す図である。
図7】実施の形態2に係るパラシュート装置の構成を模式的に示す図である。
図8】実施の形態2に係る飛翔体射出機構の構成を示す図である。
図9】異常状態検知機構を備えたパラシュート装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
【0013】
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係るパラシュート装置(4,4A)は、パラシュート(400)と、前記パラシュートを収容するパラシュート収容部(40)と、前記パラシュートに連結された少なくとも一つの飛翔体(43,43A)と、前記飛翔体を保持し、保持した前記飛翔体を射出するための射出部(41,41A)とを備え、前記飛翔体は、前記射出部と係合された飛翔体本体部(44,44A)と、前記射出部と前記飛翔体本体部とによって画成される内部空間(440,440A)に配置された、ガスを発生するガス発生装置(45)とを有することを特徴とする。
【0014】
〔2〕上記パラシュート装置(4)において、前記射出部は、一端が開口し、他端が有底の筒状に形成され、前記飛翔体本体部は、棒状に形成され、前記ガス発生装置は、前記飛翔体本体部の一端側に配置され、前記飛翔体は、前記飛翔体本体部の前記一端側が前記射出部の内部に挿入され、且つ、前記射出部の内部において前記ガス発生装置が前記射出部の底部(412)と対面した状態で、配置されていてもよい。
【0015】
〔3〕上記パラシュート装置(4)において、前記パラシュートと前記飛翔体とを連結する連結索(46)を更に備え、前記飛翔体本体部(44)は、前記ガス発生装置を保持する保持部(441)と、前記飛翔体本体部の軸線(Q)方向において前記保持部と反対側に突出して形成され、前記連結索と連結される連結部(442)とを有していてもよい。
【0016】
〔4〕上記パラシュート装置(4)において、前記ガス発生装置を点火するためのリード線(47)を更に備え、前記連結部は筒状に形成され、前記リード線の少なくとも一部は前記連結部の内部に配策されていてもよい。
【0017】
〔5〕上記パラシュート装置(4A)において、前記射出部(41A)は棒状に形成され、前記飛翔体本体部は、一端が開口し他端が有底の筒状に形成され、前記ガス発生装置は、前記飛翔体本体部の内部に設けられ、前記飛翔体(43A)は、前記飛翔体本体部(44A)の内部に前記射出部の少なくとも一部が挿入され、且つ前記ガス発生装置が前記射出部の先端部(414A)に対面した状態で、前記射出部上に支持されていてもよい。
【0018】
〔6〕上記パラシュート装置(4A)において、前記パラシュートと前記飛翔体(43A)とを連結する連結索(46)を更に備え、前記飛翔体本体部(44A)は、筒状に形成され、前記射出部の少なくとも一部が一端側から挿入された支持部(443A)と、前記支持部の他端側において、前記ガス発生装置を、前記支持部の一端側から挿入された前記射出部の先端部(414A)と対面した状態で保持する保持部(441A)と、前記保持部から前記支持部と反対側に突出して形成され、前記連結索と連結された連結部(442A)とを含んでいてもよい。
【0019】
〔7〕上記パラシュート装置(4A)において、前記ガス発生装置を点火するためのリード線(47)を更に備え、前記連結部(442A)は筒状に形成され、前記リード線の少なくとも一部は前記連結部の内部に配策されていてもよい。
【0020】
〔8〕上記パラシュート装置(4,4A)において、飛行時の異常を検出する異常検出部(15B)と、前記異常検出部による異常の検出に応じて、前記飛翔体を前記射出部から射出させるパラシュート制御部(16B)とを更に有していてもよい。
【0021】
〔9〕本発明の代表的な実施の形態に係る飛行装置(1)は、機体ユニット(2)と、前記機体ユニットに接続され、推力を発生する推力発生部(3)と、前記推力発生部を制御する飛行制御部(14)と、飛行時の異常を検出する異常検出部(15)と、上記パラシュート装置(4,4A)と、前記異常検出部による異常の検出に応じて、前記飛翔体を前記射出部から射出させる射出制御部(42)とを備えることを特徴とする。
【0022】
〔10〕本発明の代表的な実施の形態に係る飛翔体射出機構(50,50A)は、パラシュート(400)に連結可能な飛翔体(43,43A)と、前記飛翔体を保持し、保持した前記飛翔体を射出するための射出部(41,41A)とを備え、前記飛翔体は、前記射出部と係合された飛翔体本体部(44,44A)と、前記射出部と前記飛翔体本体部とによって画成される内部空間(440,440A)に配置された、ガスを発生するガス発生装置(45)とを有することを特徴とする。
【0023】
〔11〕上記飛翔体射出機構(50)において、前記射出部(41)は、一端が開口し、他端が有底の筒状に形成され、前記飛翔体本体部は、棒状に形成され、前記ガス発生装置は、前記飛翔体本体部の一端側に配置され、前記飛翔体は、前記飛翔体本体部の前記一端側が前記射出部の内部に挿入され、且つ、前記射出部の内部において前記ガス発生装置が前記射出部の底部(412)と対面した状態で、配置されていてもよい。
【0024】
〔12〕上記飛翔体射出機構(50A)において、前記射出部(41A)は棒状に形成され、前記飛翔体本体部は、一端が開口し他端が有底の筒状に形成され、前記ガス発生装置は、前記飛翔体本体部の内部に設けられ、前記飛翔体(43A)は、前記飛翔体本体部(44A)の内部に前記射出部の少なくとも一部が挿入され、且つ前記ガス発生装置が前記射出部の先端部(414A)に対面した状態で、前記射出部上に支持されていてもよい。
【0025】
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0026】
≪実施の形態1≫
図1は、実施の形態1に係るパラシュート装置を搭載した飛行装置の外観を模式的に示す図である。図1に示される飛行装置1は、例えば、3つ以上のロータを搭載したマルチロータの回転翼機型の飛行装置であり、所謂ドローンである。
図1に示すように、飛行装置1は、機体ユニット2、推力発生部3_1~3_n(nは3以上の整数)、パラシュート装置4、報知装置5、およびアーム部6を備えている。
【0027】
機体ユニット2は、飛行装置1の本体部分である。機体ユニット2は、後述のように、飛行装置1の飛行を制御するための各種機能部を収容している。なお、図1では、一例として円柱状の機体ユニット2を図示しているが、機体ユニット2の形状は特に制限されない。
【0028】
推力発生部3_1~3_nは、推力を発生するロータである。なお、以下の説明において、各推力発生部3_1~3_nを特に区別しない場合には、単に、「推力発生部3」と表記する。飛行装置1が備える推力発生部3の個数は特に制限されないが、3つ以上であることが好ましい。例えば、飛行装置1は、3つの推力発生部3を備えたトライコプター、4つの推力発生部3を備えたクワッドコプター、6つの推力発生部を備えたヘキサコプター、および8つの推力発生部3を備えたオクトコプターなどの何れであってもよい。
【0029】
なお、図1では、飛行装置1が4つ(n=4)の推力発生部3_1~3_4を搭載したクワッドコプターである場合を一例として図示している。
【0030】
推力発生部3は、例えば、プロペラ30と、プロペラ30を回転させるモータ31とを、筒状の筐体32に収容した構造を有している。筒状の筐体32の開口部には、プロペラ30との接触を防止するための網(例えば、樹脂材料や金属材料(ステンレス鋼等)等)が設けられていてもよい。
【0031】
アーム部6は、機体ユニット2と各推力発生部3とを連結するための構造体である。アーム部6は、機体ユニット2から、例えば、機体ユニット2の中心軸Oを中心として放射状に突出して形成されている。各アーム部6の先端には、推力発生部3がそれぞれ取り付けられている。
【0032】
報知装置5は、飛行装置1の外部に危険を知らせるための装置である。報知装置5は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等から成る光源や音声発生装置(アンプおよびスピーカ等)を含んで構成されている。報知装置5は、後述する異常検出部15による異常の検出に応じて、飛行装置1が危険な状態であることを、光や音声によって外部に報知する。
【0033】
なお、報知装置5は、機体ユニット2の外部に露出していてもよいし、光源から発生した光やスピーカから発生した音声等を外部に出力可能な形態で機体ユニット2の内部に収容されていてもよい。
【0034】
パラシュート装置4は、飛行装置1に異常が発生し、落下のおそれがある場合に、飛行装置1の落下速度を緩やかにして、飛行装置1を安全に落下させるための装置である。
パラシュート装置4は、例えば図1に示すように、機体ユニット2上に設置されている。なお、パラシュート装置4の具体的な構成については、後述する。
【0035】
図2は、実施の形態1に係るパラシュート装置4を搭載した飛行装置1の機能ブロック図である。
【0036】
図2に示すように、機体ユニット2は、電源部11、センサ部12、モータ駆動部13_1~13_n(nは3以上の整数)、飛行制御部14、異常検出部15、落下制御部16、通信部17、および記憶部18を含む。
【0037】
これらの機能部のうち、飛行制御部14、異常検出部15、および落下制御部16は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびメモリ等の記憶装置を含むマイクロコントローラ等のプログラム処理装置によるプログラム処理と周辺回路(ハードウェア資源)との協働によって実現される。
【0038】
電源部11は、バッテリ22と電源回路23とを含む。バッテリ22は、例えば二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)である。電源回路23は、バッテリ22の出力電圧に基づいて電源電圧を生成し、上記機能部を実現する各ハードウェアに供給する回路である。電源回路23は、例えば複数のレギュレータ回路を含み、上記ハードウェア毎に適切な大きさの電源電圧を供給する。
【0039】
センサ部12は、飛行装置1の状態を検知する機能部である。センサ部12は、飛行装置1の機体の傾きを検出する。具体的に、センサ部12は、角速度センサ24と、加速度センサ25と、磁気センサ26と、角度算出部27とを含む。
【0040】
角速度センサ24は、角速度(回転速度)を検出するセンサである。例えば、角速度センサ24は、x軸、y軸、およびz軸の3つの基準軸に基づいて角速度を検出する3軸ジャイロセンサである。
【0041】
加速度センサ25は、加速度を検出するセンサである。例えば、加速度センサ25は、x軸、y軸、およびz軸の3つの基準軸に基づいて加速度を検出する3軸加速度センサである。
【0042】
磁気センサ26は、地磁気を検出するセンサである。例えば、磁気センサ26は、x軸、y軸、およびz軸の3つの基準軸に基づいて方位(絶対方向)を検出する3軸地磁気センサ(電子コンパス)である。
【0043】
角度算出部27は、角速度センサ24および加速度センサ25の少なくとも一方の検出結果に基づいて、飛行装置1の機体の傾きを算出する。ここで、飛行装置1の機体の傾きとは、地面(水平方向)に対する機体(機体ユニット2)の角度のことである。
【0044】
例えば、角度算出部27は、角速度センサ24の検出結果に基づいて、地面に対する機体の角度を算出してもよいし、角速度センサ24および加速度センサ25の検出結果に基づいて、地面に対する機体の角度を算出してもよい。なお、角速度センサ24や加速度センサ25の検出結果を用いた角度の算出方法は、公知の計算式を用いてもよい。
【0045】
また、角度算出部27は、角速度センサ24および加速度センサ25の少なくとも一方の検出結果に基づいて算出した角度を、磁気センサ26の検出結果に基づいて補正してもよい。
【0046】
なお、センサ部12は、上述した角速度センサ24、加速度センサ25、および磁気センサ26に加えて、例えば、気圧センサ、風量(風向き)センサ、超音波センサ、GPS受信機、およびカメラ等を含んでもよい。
【0047】
通信部17は、外部装置9と通信を行うための機能部である。ここで、外部装置9は、飛行装置1の動作を制御し、飛行装置1の状態を監視する送信機やサーバ等である。通信部17は、例えば、アンテナおよびRF(Radio Frequency)回路等によって構成されている。通信部17と外部装置9との間の通信は、例えば、ISMバンド(2.4GHz帯)の無線通信によって実現される。
【0048】
通信部17は、外部装置9から送信された飛行装置1の操作情報を受信して飛行制御部14に出力するとともに、センサ部12によって計測された各種計測データ等を外部装置9へ送信する。また、通信部17は、異常検出部15によって飛行装置1の異常が検出された場合に、飛行装置1に異常が発生したことを示す情報を外部装置9に送信する。更に、通信部17は、飛行装置1が地上に落下した場合に、飛行装置1が落下したことを示す情報を外部装置9に送信する。
【0049】
モータ駆動部13_1~13_nは、推力発生部3毎に設けられ、飛行制御部14からの指示に応じて、駆動対象のモータ31を駆動する機能部である。
【0050】
なお、以下の説明において、各モータ駆動部13_1~13_nを特に区別しない場合には、単に、「モータ駆動部13」と表記する。
【0051】
モータ駆動部13は、飛行制御部14から指示された回転数でモータ31が回転するように、モータ31を駆動する。例えば、モータ駆動部13は、ESC(Electronic Speed Controller)である。
【0052】
飛行制御部14は、飛行装置1の各機能部を統括的に制御する機能部である。
飛行制御部14は、飛行装置1が安定して飛行するように推力発生部3を制御する。具体的に、飛行制御部14は、通信部17によって受信した外部装置9からの操作情報(上昇や下降、前進や後退等の指示)と、センサ部12の検出結果とに基づいて、機体が安定した状態で所望の方向に飛行するように、各推力発生部3のモータ31の適切な回転数を算出し、算出した回転数を各モータ駆動部13にそれぞれ指示する。
【0053】
飛行制御部14は、例えば風等の外部からの影響によって機体の姿勢が乱れた場合に、角速度センサ24の検出結果に基づいて、機体が水平になるように、各推力発生部3のモータ31の適切な回転数をそれぞれ算出し、算出した回転数を各モータ駆動部13にそれぞれ指示する。
【0054】
また、例えば、飛行制御部14は、飛行装置1のホバリング時に飛行装置1のドリフトを防止するために、加速度センサ25の検出結果に基づいて各推力発生部3のモータ31の適切な回転数を算出し、算出した回転数を各モータ駆動部13にそれぞれ指示する。
【0055】
また、飛行制御部14は、通信部17を制御して、外部装置9との間で上述した各種データの送受信を実現する。
【0056】
記憶部18は、飛行装置1の動作を制御するための各種プログラムやパラメータ等を記憶するための機能部である。例えば、記憶部18は、フラッシュメモリおよびROM等の不揮発性メモリやRAM等から構成されている。
【0057】
記憶部18に記憶される上記パラメータは、例えば、後述する残容量閾値28および傾き閾値29等である。
【0058】
異常検出部15は、飛行時の異常を検出する機能部である。具体的に、異常検出部15は、センサ部12の検出結果と、バッテリ22の状態と、推力発生部3の動作状態とを監視し、飛行装置1が異常状態であるか否かを判定する。
【0059】
ここで、異常状態とは、飛行装置1の自律飛行が不可能になるおそれがある状態を言う。例えば、推力発生部3が故障したこと、バッテリ22の残容量が所定の閾値よりも低下したこと、および機体(機体ユニット2)が異常に傾いたこと、の少なくとも一つが発生した状態を異常状態と言う。
【0060】
異常検出部15は、推力発生部3の故障を検出した場合に、飛行装置1が異常状態であると判定する。ここで、推力発生部3の故障とは、例えば、飛行制御部14が指定した回転数でモータ31が回転しないこと、プロペラ30が回転しないこと、およびプロペラ30の破損したこと等を言う。
【0061】
また、異常検出部15は、バッテリ22の残容量が所定の閾値(以下、「残容量閾値」とも称する。)28よりも低下したことを検出した場合に、飛行装置1が異常状態であると判定する。
【0062】
ここで、残容量閾値28は、例えば、飛行制御部14が指示した回転数でモータが回転できなくなる程度の容量値とすればよい。残容量閾値28は、例えば、予め記憶部18に記憶されている。
【0063】
また、異常検出部15は、飛行装置1(機体)の異常な傾きを検出した場合に、飛行装置1が異常であると判定する。例えば、異常検出部15は、角度算出部27によって算出した角度が所定の閾値(以下、「傾き閾値」とも称する。)29を超えている状態が所定期間継続した場合に、飛行装置1が異常状態であると判定する。
【0064】
傾き閾値29は、例えば、飛行装置1が前後方向に移動するときの角度(ピッチ角)や飛行装置1が左右方向に移動するときの角度(ロール角)を予め実験により取得し、それらの角度よりも大きい値に設定すればよい。傾き閾値29は、例えば、予め記憶部18に記憶されている。
【0065】
落下制御部(パラシュート制御部)16は、飛行装置1の落下を制御するための機能部である。具体的に、落下制御部16は、異常検出部15によって飛行装置1が異常状態であることが検出された場合に、飛行装置1を安全に落下させるための落下準備処理を実行する。
【0066】
具体的に、落下制御部16は、落下準備処理として以下に示す処理を実行する。すなわち、落下制御部16は、異常検出部15による異常の検出に応じて報知装置5を制御して、危険な状態であることを外部に報知する。また、落下制御部16は、異常検出部15による異常の検出に応じて各モータ駆動部13を制御して、各モータ31の回転を停止させる。更に、落下制御部16は、異常検出部15による異常の検出に応じて、パラシュートの開傘を指示する制御信号をパラシュート装置4に出力して、パラシュート400を開傘させる。
【0067】
次に、実施の形態1に係るパラシュート装置4について、具体的に説明する。
図3は、実施の形態1に係るパラシュート装置4の構成を模式的に示す図である。同図には、パラシュート装置4の側断面が示されている。
【0068】
パラシュート装置4は、パラシュート400、パラシュート収容部40、射出部41、射出制御部42、および飛翔体43を備えている。
【0069】
図4は、パラシュート400が開いた状態を模式的に示す図である。
同図に示すように、パラシュート400は、傘体(キャノピー)406、および傘体406とパラシュート収容部40(パラシュート取り付け部404)とを連結する吊索407を含む。
【0070】
傘体406は、連結索46によって飛翔体43と連結されている。例えば、図4に示すように、連結索46は、傘体406の頂点よりもエッジ(周縁)側において、傘体406と接続されている。より具体的には、各連結索46は、パラシュート400の周縁部に互いに離間してそれぞれ接続されている。例えば、図4に示すように、パラシュート400が開いたときの頂点側から見たときのパラシュート400の形状が円形状である場合には、各連結索46は、パラシュート400の周縁部の円周方法に沿って等間隔に接続される。
【0071】
なお、飛翔体43が1つのみ設けられる場合は、連結索46は、パラシュート400の周縁部に接続されていればよい。この場合、連結索46が接続されるパラシュート400の周縁部上の位置については、特に制限されない。
【0072】
連結索46は、例えば、金属材料(例えばステンレス鋼)、または、繊維材料(例えば、ナイロン紐)から構成されている。
【0073】
例えば、飛行装置1を低速で落下させるために必要な傘体406の直径Dは、下記式(1)に基づいて算出することができる。式(1)において、mは飛行装置1の総重量、vは飛行装置1の落下速度、ρは空気密度、Cdは抵抗係数である。
【0074】
【数1】
【0075】
例えば、飛行装置1の総重量m=250〔kg〕、抵抗係数Cd=0.9、空気密度ρ=1.3kg/mとしたとき、飛行装置1の落下速度vを5〔m/s〕とするために必要な傘体406の直径Dは、式(1)より14.6〔m〕と算出される。
【0076】
例えば図3に示すように、パラシュート400は、その使用前において、傘体406が折り畳まれた状態でパラシュート収容部40に収容されている。
【0077】
パラシュート収容部40は、パラシュート400を収容する容器である。パラシュート収容部40は、例えば樹脂から構成されている。図1に示すように、パラシュート収容部40は、機体ユニット2の上面、すなわち飛行装置1の飛行時において地面と反対側の面に設定されている。例えば、パラシュート収容部40は、機体ユニットの上面において、機体ユニット2の中心軸Oとパラシュート収容部40の中心軸Pとが重なるように設置されていることが好ましい。
【0078】
図3に示すように、パラシュート収容部40は、例えば、一端が開口し、他端が有底の円筒形状を有する。
【0079】
具体的に、パラシュート収容部40は、筒状(例えば円筒状)の側壁部401と、側壁部401の一端側の開口を塞ぐように形成された底部402とを有する。
【0080】
側壁部401と底部402とによって、パラシュート400を収容するための収容空間403が画成されている。なお、側壁部401と底部402とは、それぞれ個別に形成されて接合されていてもよいし、一体形成されていてもよい。
【0081】
図4に示すように、底部402には、パラシュート収容部40とパラシュート400とを連結するためのパラシュート取り付け部404が設けられている。例えば、パラシュート400の吊索407の一端がパラシュート取り付け部404に連結されることにより、パラシュート400とパラシュート収容部40とが連結される。
【0082】
なお、パラシュート収容部40には、パラシュート400を収容空間403に収容した状態で側壁部401の開口した一端側を覆う蓋が設けられていてもよい。
【0083】
飛翔体43は、パラシュート400をパラシュート収容部40の外部に放出し、パラシュート400の開傘(展開)を補助するための装置である。飛翔体43は、例えばガスを噴射することによって推力を得る。飛翔体43は、上述したように連結索46を介して、パラシュート400と連結されている。
【0084】
パラシュート装置4は、少なくとも1つの飛翔体43を備えている。例えば、パラシュート装置4は、3つ以上の飛翔体43を備えていることが好ましい。本実施の形態では、一例として、パラシュート装置4が3つの飛翔体を備えている場合を例にとり説明する。なお、飛翔体43の具体的な構成については後述する。
【0085】
射出部41は、飛翔体43を保持し、保持している飛翔体43を射出するため装置である。射出部41は、飛翔体43毎に設けられている。本実施の形態に係るパラシュート装置4は、3つの飛翔体43を別々に収容するために、3つの射出部41を備えている。
【0086】
図5は、実施の形態1に係る飛翔体射出機構の構成を示す図である。
同図には、飛翔体43および射出部41を含む飛翔体射出機構50の断面形状が示されている。
【0087】
図5に示すように、射出部41は、一端が開口し、他端が有底の筒状(例えば円筒状)に形成されている。具体的に、射出部41は、例えば円筒状の側壁部411と、側壁部411の一端を覆う底部412とを有する。側壁部411と底部412とは、飛翔体43を収容するための収容空間を画成している。側壁部411および底部412は、例えば樹脂から構成されている。
【0088】
各射出部41は、パラシュート収容部40に設けられている。具体的には、図1等に示すように、各射出部41は、側壁部411における底部412と反対側の端部に形成された開口部である射出口413がパラシュート収容部40の開口した一端側を向くようにパラシュート収容部40の外周面にそれぞれ接合されている。
【0089】
また、各射出部41は、パラシュート収容部40の中心軸Pを中心とした回転方向において等間隔に配置されている。例えば、本実施の形態のように飛翔体43および射出部41が3つある場合には、各射出部41は、パラシュート収容部40の中心軸Pを中心とした回転方向に120°(=360°/3)間隔で配置される。
【0090】
なお、射出部41が1つのみ設けられる場合は、パラシュート収容部40の外周面に接合されていればよい。この場合、射出部41が接合されるパラシュート収容部40の外周面上の位置については、特に制限されない。
【0091】
飛翔体43は、ガス発生装置45と飛翔体本体部44とを有する。図5に示すように、飛翔体43は、飛翔体本体部44の一端側が射出部41の内部に挿入され、且つ、射出部41の内部においてガス発生装置45が射出部41の底部412(底面412a)と対面した状態で、配置されている。
【0092】
ガス発生装置45は、飛翔体43を射出部41の射出口413から外部に射出するための推力の基になるガスを発生する装置である。ガス発生装置45は、例えば図5に示すように、ハウジング451、封止部材452、点火薬453、ガス発生剤454、および点火部(図示せず)を有する。
【0093】
点火部は、リード線(導線)47を介して、後述する射出制御部42と電気的に接続されている。点火部は、射出制御部42から出力された点火信号に応じて点火薬453に点火して、ガス発生剤454を化学的に反応させることにより、ガスを発生させる。
【0094】
ハウジング451は、ガス発生装置45を収容するとともにガス発生装置45から発生したガスを放出するガス放出室455を有する筐体である。例えば、ハウジング451は、ドーム形状を有している。ハウジング451は、例えば、樹脂から構成されている。好ましくは、ハウジング451は、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber-Reinforced Plastics)等によって構成されている。なお、ハウジング451は、樹脂に限らず金属によって構成されていてもよい。
【0095】
図5に示すように、ガス放出室455には、ガス発生剤454が充填されている。ガス放出室455には、ガス発生剤454から発生したガスを放出するガス放出孔456が形成されている。また、ガス放出室455には、ガス放出孔456を覆ってガス発生剤454をガス放出室455に封止する封止部材452が設けられている。封止部材452は、ガス発生剤454からガスが発生した場合に、発生したガスの圧力によって容易に破壊される材料から構成されている。封止部材452は、例えば、ポリエステル等の薄膜である。
【0096】
ガス発生装置45は、射出部41と飛翔体本体部44とによって画成される内部空間440に配置されている。
【0097】
飛翔体本体部44は、ガス発生装置45を保持するとともに、連結索46と連結される部品である。飛翔体本体部44は、例えば、棒状に形成されている。より具体的には、飛翔体本体部44は、例えば一部が中空の円柱状に形成されている。飛翔体本体部44は、射出部41と係合されている。
【0098】
飛翔体本体部44は、一端においてガス発生装置45を保持し、他端において連結索46と連結されている。換言すれば、飛翔体本体部44は、飛翔体本体部44の軸線Qの方向において、ガス発生装置45を保持する保持部441と、連結索46と連結するための連結部442の二つの機能部に分けられている。
【0099】
飛翔体本体部44は、例えば、樹脂から構成されている。保持部441および連結部442は、例えば樹脂成形品として一体成形されていてもよいし、別個の部品として形成され、互いに接合されていてもよい。本実施の形態では、飛翔体本体部44は、保持部441と連結部442とが一体成形された部品であるとして説明する。
【0100】
保持部441は、その内部にガス発生装置45を収容し保持する。具体的に、保持部441は、射出部41の内部において、ガス発生装置45のガスが放出される側、すなわちハウジング451のガス放出孔456(封止部材452)側が射出部41の底部412(底面412a)と対面するように、ガス発生装置45を保持している。例えば、保持部441は、ガス発生装置45の形状に対応するように形成された穴441aを有している。保持部441は、例えば、ガス発生装置45が穴441aに対して圧入または接着されることにより、ガス発生装置45を保持している。
【0101】
連結部442は、飛翔体本体部44の軸線Qと平行な方向において保持部441と反対側に突出して形成されている。連結部442は、筒状(例えば円筒状)に形成されている。連結部442は、保持部441と反対側の端部に、連結索46を係止するための係止部442aを有する。係止部442aは、例えば貫通孔である。例えば、連結索46は、係止部442aとしての貫通孔に挿通された状態で係止部442aに係止されている。
【0102】
筒状の連結部442の内部には、リード線47の少なくとも一部が延在している。リード線47は、例えばビニール線、すずめっき線、またはエナメル線等から構成されている。例えば、リード線47は、連結部442の内部空間442bに配策され、飛翔体本体部44の保持部441の底面に形成された貫通穴441bを通って、保持部441に保持されたガス発生装置45と接続されている。
【0103】
パラシュート装置4の未使用時に飛翔体43が射出部41から落下することを防止するために、図5に示すように、ピン(シアピン)48によって飛翔体43を射出部41に固定してもよい。例えば、図5に示すように、射出部41の側壁部411に貫通孔480を形成するとともに、飛翔体43の飛翔体本体部44に孔(例えば非貫通孔)を形成しておく。そして、側壁部411側の貫通孔480と飛翔体本体部44側の孔とが重なった状態で、側壁部411側の貫通孔480および飛翔体本体部44側の孔にピン48を挿入する。これにより、パラシュート装置4の未使用時には、飛翔体43が射出部41に固定される。
【0104】
ピン48は、飛翔体43が射出するときに、ピン48に対して飛翔体本体部44の軸線Qの方向に加わる力によって破壊可能に構成されている。これによれば、ピン48によって飛翔体43の射出を妨害するおそれがない。ピン48としては、例えば、アルミ合金、樹脂等を用いることが好ましい。
【0105】
図5に示すように、飛翔体43は、射出部41の内部において、ガス発生装置45(封止部材452)が射出部41の底部412(底面412a)と離間し、且つ対面した状態で、配置されている。これにより、飛翔体43のガス発生装置45と射出部41の底部412との間に空間418が形成される。
【0106】
なお、飛翔体43のガス発生装置45と射出部41の底部412との間の距離は、飛翔体43を射出するためのガスの圧力が適切になるように、適宜変更することが可能である。
【0107】
射出制御部42は、飛翔体43を射出部41から射出するための制御を行う機能部である。射出制御部42は、例えば、落下制御部16からパラシュート400の開傘を指示する制御信号が出力された場合に点火信号を出力する。点火信号は、リード線47を介して各飛翔体43に設けられたガス発生装置45の点火部(図示せず)にそれぞれ入力され、点火部は、入力された点火信号に応じて点火薬453を点火する。
【0108】
次に、実施の形態1に係るパラシュート装置4におけるパラシュート400の開傘の流れについて説明する。
【0109】
例えば、パラシュート装置4を搭載した飛行装置1が飛行しているときに、強風によって飛行装置1の機体(機体ユニット2)の傾きが傾き閾値29を超えた状態が所定期間継続し、異常検出部15,15Aが異常状態であると判定した場合、飛行装置1側の落下制御部16またはパラシュート装置4側の落下制御部16Aが、パラシュート400の開傘を指示する制御信号をパラシュート装置4の射出制御部42に対して送信する。
【0110】
パラシュート装置4の射出制御部42は、パラシュート400の開傘を指示する制御信号を受信した場合、点火信号を出力する。点火信号は、リード線47を介してガス発生装置45の点火部(図示せず)に送信される。
【0111】
ガス発生装置45の点火部は、受信した点火信号に応じて、点火薬453を点火してガス発生剤454を化学的に反応させることにより、ガス放出室455内にガスを発生させる。ガス放出室455内に発生したガスの圧力が高まると、ガス放出孔456を覆っている封止部材452が破れる。これにより、ガス放出室455内のガスが、ガス放出孔456から射出部41内の空間418に放出され、空間418にガスが充満する。そして、空間418内のガスの圧力が所定値を超えたとき、飛翔体43は、ガスの圧力によって射出口413側に移動し、射出部41の射出口413から射出される。
【0112】
飛翔体43が各射出部41からそれぞれ射出されると、各飛翔体43は、連結索46を介してパラシュート400を引っ張る。これにより、パラシュート400がパラシュート収容部40から放出される。その後、各飛翔体43によって更に引っ張られたパラシュート400は、畳まれた状態の傘体406の内部に空気が入り込むことによって傘体406が広がる。これにより、パラシュート400が開傘する。
【0113】
図6は、実施の形態1に係る飛行装置1のパラシュート400が開いた状態を模式的に示す図である。
例えば、上述した処理手順を経て各飛翔体43が射出された場合、各飛翔体43は、放出されたパラシュート400の傘体406をその頂点部分からエッジ(周縁)側に引っ張る。これにより、傘体406が広がって空気をはらみ易くなり、パラシュート400を直ちに開かせることが可能となる。
【0114】
以上、実施の形態1に係るパラシュート装置4は、パラシュート400に連結された少なくとも一つの飛翔体43を備え、飛翔体43は、射出部41と係合された飛翔体本体部44と、射出部41と飛翔体本体部44とによって画成される内部空間440に配置されたガス発生装置45とを有している。
これによれば、上述したように、ガス発生装置45からガスが発生して射出部41と飛翔体本体部44とによって画成される内部空間440のガスの圧力が高まることにより、飛翔体43を射出部41から飛翔させることができる。飛翔体43が飛翔することにより、飛翔体43に連結されたパラシュート400の傘体406がその頂点部分からエッジ(周縁)側に引っ張られるので、傘体406が空気をはらみ易くなり、パラシュート400を直ちに開傘させることが可能となる。
【0115】
したがって、飛行装置1のように、上空において静止している状態を保つことが可能な回転翼機が、落下時に気流の効果を得られない場合であっても、本実施の形態に係るパラシュート装置4を取り付けることにより、素早く確実にパラシュートを開傘させることが可能となる。
【0116】
また、パラシュート装置4において、飛翔体43自身が推力発生装置としてのガス発生装置45を備えている。これによれば、飛翔体43とは別に推力発生装置をパラシュート装置4に設ける必要がないので、パラシュート装置4の重量の増加を抑えることが可能になるとともに、コストの低減が可能となる。
【0117】
また、パラシュート装置4に飛翔体43を複数設けた場合に、それぞれの飛翔体43がガス発生装置45を備えているので、各飛翔体43の射出タイミングを制御することが容易となる。例えば、推力発生装置として一つのガス発生装置をパラシュート装置4に設け、そのガス発生装置から発生したガスを各飛翔体に放出する射出方式では、全ての飛翔体を同時に射出することしかできない。これに対し、本実施の形態に係るパラシュート装置4によれば、複数の飛翔体43を射出するタイミングを変化させることが容易となる。
このように、本実施の形態に係る飛翔体43によれば、パラシュート装置4の制御の自由度を高めることができる。
【0118】
また、実施の形態1に係るパラシュート装置4において、飛翔体43は、飛翔体本体部44のガス発生装置45を保持する一端側が射出部41の内部に挿入され、且つ、射出部41の内部においてガス発生装置45が射出部41の底部412と対面した状態で、配置されている。
【0119】
これによれば、ガス発生装置45が射出部41の内部に収容されるので、雨水や異物がガス発生装置45に曝されることによるガス発生装置45の劣化等を防止することが可能となる。また、飛翔体43が射出部41内に収容されているので、ガス発生装置45の点火時に、ガス発生装置45から発生したガスを射出部41内に溜めてガス圧力を高めることにより、勢い良く飛翔体43を射出することができる。
また、筒状に形成された射出部41の内周面が、射出時の飛翔体43の移動をガイドするガイド機構として機能するので、飛翔体43をより直線的に飛翔させることが可能となる。
【0120】
また、パラシュート装置4において、飛翔体本体部44は、ガス発生装置45を保持する保持部441と、飛翔体本体部44の軸線Qの方向において保持部441と反対側に突出して形成された、連結索46と連結される連結部442とを含む。
これによれば、射出部41によって飛翔体43を安定して保持させつつ、連結索46による飛翔体43とパラシュート400との連結を容易に実現することができる。
【0121】
また、パラシュート装置4において、連結部442は筒状に形成され、ガス発生装置45を点火するためのリード線47の少なくとも一部は連結部442の内部に配策されている。
これによれば、保持部441に保持されているガス発生装置45から延びるリード線47を飛翔体本体部44の内部で引き廻すことが容易となる。
【0122】
また、パラシュート装置4において、パラシュート収容部40や射出部41および飛翔体本体部44等を樹脂(例えば合成樹脂)によって構成することにより、パラシュート装置4の軽量化が可能となる。
【0123】
≪実施の形態2≫
図7は、実施の形態2に係るパラシュート装置4Aの構成を模式的に示す図である。同図には、パラシュート装置4Aの側断面が示されている。
【0124】
実施の形態2に係るパラシュート装置4Aは、飛翔体および射出部の構造において実施の形態1に係るパラシュート装置4と相違し、その他の点においては、実施の形態1に係るパラシュート装置4と同様である。
【0125】
図8は、実施の形態2に係る、飛翔体43Aおよび射出部41Aを含む飛翔体射出機構50Aの構成を示す図である。
【0126】
飛翔体43Aは、射出部41Aの外周面の少なくとも一部を覆うように、射出部41A上に配置されている。具体的には、図8に示すように、飛翔体43Aは、飛翔体本体部44Aの内部に射出部41Aの少なくとも一部が挿入され、且つガス発生装置45が射出部41Aの先端部414Aに対面した状態で、射出部41A上に支持されている。
【0127】
飛翔体43Aは、ガス発生装置45と飛翔体本体部44Aとを有する。ガス発生装置45は、射出部41Aと飛翔体本体部44Aとによって画成される内部空間440Aに配置されている。
【0128】
飛翔体本体部44Aは、一端が開口し他端が有底の筒状(例えば円筒状)に形成されている。飛翔体本体部44Aは、例えば、樹脂から構成されている。ガス発生装置45は、飛翔体本体部44Aの内部に設けられている。
【0129】
より具体的には、飛翔体本体部44Aは、筒の開口部側が射出部41Aに挿通され、筒の底部側においてガス発生装置45を保持し、底部を挟んで開口部と反対側の端部において連結索46と連結されている。換言すれば、飛翔体本体部44Aは、飛翔体本体部44Aの軸線Qに沿って、飛翔体43Aを射出部41Aに支持するための支持部443Aと、ガス発生装置45を保持するための保持部441Aと、連結索46と連結するための連結部442Aの、三つの機能部に分けられている。
【0130】
ここで、支持部443A、保持部441A、および連結部442Aは、例えば、樹脂成形品として一体成形されていてもよいし、別個の部品として形成され、互いに接合されていてもよい。本実施の形態では、飛翔体本体部44Aは、支持部443A、保持部441A、および連結部442Aが一体成形された部品であるとして説明する。
【0131】
支持部443Aは、筒状(例えば円柱状)に形成されている。支持部443Aの内径は、射出部41Aの外径に対応する大きさを有している。支持部443Aには、一端側から射出部41Aの少なくとも一部が挿入されている。具体的には、射出部41Aの先端部414Aが支持部443Aの一端側から支持部443Aの内部に挿入されている。
【0132】
保持部441Aは、例えば、ガス発生装置45の形状に対応するように形成された穴441Aaを有している。保持部441Aは、例えば、ガス発生装置45が穴441Aaに対して圧入または接着されることにより、ガス発生装置45を保持している。
【0133】
保持部441Aは、支持部443Aの他端側において、ガス発生装置45を、支持部443Aの一端側から挿入された射出部41Aの先端部414Aと対面した状態で保持する。すなわち、ガス発生装置45は、ガス発生装置45のガスが放出される側、すなわちハウジング451のガス放出孔456(封止部材452)側が射出部41Aの先端部414Aと対面するように、配置されている。
【0134】
図8に示すように、飛翔体43Aは、ガス発生装置45(封止部材452)が射出部41Aの先端部414A(先端面414Aa)と離間し、且つ対面した状態で、配置されている。これにより、飛翔体43Aのガス発生装置45と射出部41Aの先端部414Aとの間に空間418Aが形成される。
【0135】
なお、飛翔体43Aのガス発生装置45と射出部41Aの先端部414Aとの間の距離は、飛翔体43Aを射出するためのガスの圧力が適切になるように、適宜変更することが可能である。
【0136】
連結部442Aは、飛翔体本体部44Aの軸線Qと平行な方向において、保持部441Aから、支持部443Aと反対側に突出して形成されている。連結部442Aは、例えば、一端が開口し他端が有底の筒状(例えば円筒状)に形成されている。
連結部442Aは、連結索46と連結されている。具体的には、連結部442Aは、支持部443Aと反対側の端部に、連結索46を係止するための係止部442Aaを有する。係止部442Aaは、例えば貫通孔である。例えば、連結索46は、係止部442Aaとしての貫通孔に挿通された状態で係止部442Aaに係止されている。
【0137】
筒状の連結部442Aの内部には、リード線47の少なくとも一部が延在している。例えば、リード線47は、連結部442Aの内部空間442Abに配策され、飛翔体本体部44Aの保持部441Aの底面に形成された貫通穴441Abを通って、保持部441Aに保持されたガス発生装置45と接続されている。
【0138】
以上、実施の形態2に係るパラシュート装置4Aにおいて、飛翔体43Aは、飛翔体本体部44Aの内部に、棒状に形成された射出部41Aの少なくとも一部が挿入され、且つガス発生装置45が射出部41Aの先端部414Aに対面した状態で、射出部41A上に支持されている。
【0139】
これによれば、ガス発生装置45が飛翔体本体部44Aの内部に収容された状態で、射出部41Aによって封止されるので、ガス発生装置45が雨水や異物に曝されることによるガス発生装置45の劣化を防止することが可能となる。特に、飛翔体本体部44Aが、棒状の射出部41Aに被さるように(蓋をするように)配置されているので、パラシュート装置4Aを飛行装置1に設置したときに飛翔体43Aが雨や風に曝された場合であっても、飛翔体本体部44Aの内部に雨水や異物が侵入し難い。
【0140】
また、実施の形態2に係るパラシュート装置4Aによれば、ガス発生装置45から発生したガスを、支持部443Aの内壁面と射出部41Aの先端面414Aaとによって画成される空間に溜めて、ガス圧力を高めることにより、勢いよく飛翔体43Aを射出することができる。また、射出部41Aの側面41Aaが、射出時の飛翔体43Aの移動をガイドするガイド機構として機能するので、飛翔体43Aをより直線的に飛翔させることが可能となる。
【0141】
また、パラシュート装置4Aにおいて、ガス発生装置45が、筒状の支持部443Aの他端側(保持部441A側)に設けられているので、飛翔体43Aが射出部41Aから射出した後においても、ガス発生装置45から発生したガスが支持部443Aの内部を通って一端側から放出され続ける。これにより、飛翔体43Aの射出後も、飛翔体43Aを直線的に飛翔させることが可能となる。
【0142】
また、飛翔体43Aを実施の形態1に係る飛翔体43と同じ外径寸法になるように設計した場合、飛翔体43Aは飛翔体43に比べて重量が大きくなるため、飛翔体43Aを射出したときの慣性力が飛翔体43に比べて大きくなる。その結果、パラシュート400がより開き易くなる。
また、パラシュート装置4Aにおいて、飛翔体43Aの連結部442Aが筒状に形成され、ガス発生装置45を点火するためのリード線47の少なくとも一部は連結部442Aの内部に配策されている。
これによれば、実施の形態4に係るパラシュート装置4と同様に、リード線47を飛翔体本体部44Aの内部で引き廻すことが容易となる。
【0143】
≪実施の形態の拡張≫
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0144】
例えば、上記実施の形態において、射出制御部42がパラシュート装置4,4Aに設けられる場合を例示したが、これに限られない。例えば、射出制御部42は、飛行装置1に設けられていてもよい。
【0145】
また、上記実施の形態では、機体ユニット2側に設けられた落下制御部16からの信号に応じてパラシュート装置4,4Aが飛翔体43,43Aを射出する場合を例示したが、これに限られない。例えば、図9に示すように、パラシュート装置4Bが、センサ部12B、異常検出部15B、および落下制御部16Bを含む異常状態検知機構を備えていてもよい。センサ部12B、異常検出部15B、および落下制御部16Bは、それぞれセンサ部12、異常検出部15、および落下制御部16と同様の機能を有している。これによれば、パラシュート装置4,4B自らが異常状態を検出して飛翔体43,43Aを射出することが可能となる。
【0146】
この場合、機体ユニット2は、センサ部12、異常検出部15、および落下制御部16を含む異常状態検知機構を有していてもよいし、有していなくてもよい。機体ユニット2とパラシュート装置4Bがそれぞれ異常状態検知機構を有することにより、何等かの原因で一方の異常状態検知機構が異常状態を検知できなかった場合であっても、他方の異常状態検知機構によって異常状態を検知して、より確実にパラシュート400を開傘することが可能となる。
【0147】
また、上記実施の形態では、パラシュート収容部40が円筒状である場合を例示したが、これに限られない。すなわち、パラシュート収容部40は、内部にパラシュート400を収容するための空間を有していればよく、例えば、多角柱(例えば四角柱)状であってもよい。
【0148】
また、上記実施の形態では、ガス発生装置45と射出部41,41Aとの間に空間418が形成されるように、飛翔体43,43Aを配置する場合を例示したが、これに限られない。すなわち、飛翔体43,43Aを射出するための十分なガスの圧力が得られるのであれば、ガス発生装置45は、射出部41,41A(底面412a,先端面414Aa)と接触して配置されていてもよい。
【0149】
また、上記実施の形態において、射出部41,41Aの外形が円筒状である場合を例示したが、これに限られない。すなわち、射出部41は、内部に飛翔体43を収容し、飛翔体43を射出可能な構造であればよく、例えば、外形が多角柱(例えば四角柱)状で、飛翔体43を収容する内部空間が円筒状であってもよい。同様に、射出部41Aは、外部に飛翔体43Aを配置し、飛翔体43Aを射出可能な構造であればよく、例えば、外形が多角柱(例えば四角柱)状であってもよい。但し、その場合は、飛翔体43Aの内部形状を射出部41Aに合わせる必要がある。
【0150】
また、パラシュート装置4,4Aにおいて、飛翔体43,43Aの誤発射を防止するための機構を設けてもよい。例えば、パラシュート装置4,4Aにセフティピンを設け、セフティピンが挿入されている状態ではパラシュート装置4,4Aが動作せず、セフティピンが外れた状態においてパラシュート装置4,4Aが動作可能となるようにしてもよい。
【0151】
また、上記実施の形態に係る飛行装置1において、通常状態での飛行を制御するための機能部としての飛行制御部14等と、異常発生時の落下制御を行うための機能部としての異常検出部15、落下制御部16、および記憶部18とが同一のバッテリ22からの電源供給によって動作する場合を例示したが、これに限られない。
例えば、通常状態での飛行を制御するための機能部用のバッテリと、異常発生時の落下制御を行うための機能部用のバッテリとをそれぞれ別個に用意してもよい。これによれば、通常状態での飛行を制御するための機能部用のバッテリに異常が発生して電源供給が行えなくなった場合であっても、落下制御処理を実行することが可能となる。
【0152】
また、異常発生時の落下制御を行うための機能部は、上述した2つのバッテリからの電源供給が選択できるように構成されていてもよい。これによれば、一方のバッテリに異常が発生した場合でも他方のバッテリから電源供給を受けることができるので、落下制御処理を確実に実行することが可能となる。
【0153】
また、上記実施の形態において、機体ユニット2の下面にエアバッグなどの衝撃緩衝部材を設けてもよい。これによれば、飛行装置1の落下時の安全性を更に向上させることができる。
【符号の説明】
【0154】
1…飛行装置、2…機体ユニット、3,3_1~3_n…推力発生部、4,4A,4B…パラシュート装置、5…報知装置、6…アーム部、9…外部装置、11…電源部、12,12B…センサ部、13,13_1~13_n…モータ駆動部、14…飛行制御部、15,15B…異常検出部、16,16B…落下制御部、17…通信部、18…記憶部、22…バッテリ、23…電源回路、24…角速度センサ、25…加速度センサ、26…磁気センサ、27…角度算出部、28…残容量閾値、29…傾き閾値、30…プロペラ、31…モータ、32…筐体、35…プロペラ、40…パラシュート収容部、41,41A…射出部、41Aa…側面、42…射出制御部、43,43A…飛翔体、44,44A…飛翔体本体部、45…ガス発生装置、46…連結索、47…リード線、50,50A…飛翔体射出機構、400…パラシュート、401…側壁部、402…底部、403…収容空間、404…付け部、406…傘体(キャノピー)、407…吊索、411…側壁部、412…底部、412a…底面、413…射出口、414A…先端部、414Aa…先端面、418,418A…空間、440,440A…内部空間、441,441A…保持部、441a…穴、441b,441Ab…貫通穴、442,442A…連結部、442a,442Aa…係止部、442b,442Ab…内部空間、443A…支持部、451…ハウジング、452…封止部材、453…点火薬、454…ガス発生剤、455…ガス放出室、456…ガス放出孔。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9