(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】オンラインシューティングゲームの提供、ゲームサーバ及びその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/422 20140101AFI20220823BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20220823BHJP
A63F 13/837 20140101ALI20220823BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20220823BHJP
A63F 13/798 20140101ALI20220823BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20220823BHJP
【FI】
A63F13/422
A63F13/35
A63F13/837
A63F13/58
A63F13/798
A63F13/55
(21)【出願番号】P 2019224472
(22)【出願日】2019-12-12
(62)【分割の表示】P 2017188030の分割
【原出願日】2013-04-05
【審査請求日】2020-01-10
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196829
【氏名又は名称】中澤 言一
(72)【発明者】
【氏名】ジョ チャンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ キフン
(72)【発明者】
【氏名】イ ジョンホ
(72)【発明者】
【氏名】キム セロム
【審査官】坪内 優佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-245465(JP,A)
【文献】特開2011-215886(JP,A)
【文献】特開平08-229238(JP,A)
【文献】特開平11-259686(JP,A)
【文献】特開2008-099908(JP,A)
【文献】特開2003-019355(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤ端末と通信可能に接続されたゲームサーバにより実行されるオンラインシューティングゲームの提供方法であって、
前記プレーヤ端末を用いるプレーヤのレベルが高いほど小さい基本識別範囲を選択し、前記プレーヤ端末に
前記選択された基本識別範囲を表示させるステップと、
前記表示された基本識別範囲内に敵キャラクタが含まれる場合、前記敵キャラクタを自動的に追跡させる照準点を前記プレーヤ端末に表示させるステップと、
前記プレーヤ端末からシューティング入力を受信するステップと、
前記プレーヤ端末からの前記シューティング入力及び前記表示された基本識別範囲に基づき、前記敵キャラクタに与えられるダメージを決定し、決定された前記ダメージをオンラインシューティングゲームに反映させるステップと、を含み、
前記照準点を表示させるステップにおいて、前記敵キャラクタに対して与えられる予想ダメージの程度に応じて前記照準点の表示態様を変化させ
、
前記ダメージの決定において、前記表示された基本識別範囲が大きいほど小さくなるように前記ダメージを決定する、
ことを特徴とするオンラインシューティングゲームの提供方法。
【請求項2】
前記プレーヤ端末からの操作入力に応じて、前記基本識別範囲を移動させるステップをさらに含む、請求項1に記載のオンラインシューティングゲームの提供方法。
【請求項3】
前記表示された基本識別範囲は、前記プレーヤ端末上の設定または前記プレーヤ端末からの設定によって、異なる面積の複数の基本識別範囲のうちから設定された基本識別範囲である、請求項1又は2に記載のオンラインシューティングゲームの提供方法。
【請求項4】
自動的に移動する前記敵キャラクタを前記プレーヤ端末に表示させるステップをさらに含み、
前記照準点を表示させるステップにおいて、自動的に移動する前記敵キャラクタに向かって移動する前記照準点を前記プレーヤ端末に表示させる、請求項1~3のいずれか一項に記載のオンラインシューティングゲームの提供方法。
【請求項5】
前記プレーヤ端末に所定のオブジェクトを表示させるステップをさらに含み、
前記照準点を表示させるステップにおいて、前記敵キャラクタが、表示された前記所定のオブジェクトによって前記プレーヤ端末において視認されない場合、前記照準点を前記敵キャラクタに向かって移動させる、請求項4に記載のオンラインシューティングゲームの提供方法。
【請求項6】
前記プレーヤ端末に前記照準点の移動軌跡を表示させるステップをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のオンラインシューティングゲームの提供方法。
【請求項7】
表示された前記基本識別範囲内に前記敵キャラクタが含まれない場合、前記照準点による前記敵キャラクタの自動追跡を行わない、請求項1~6のいずれか一項に記載のオンラインシューティングゲームの提供方法。
【請求項8】
前記基本識別範囲と前記シューティング入力とに基づき、前記プレーヤ端末に与えられる火力損失を計算し、該計算された火力損失を前記オンラインシューティングゲームに反映させるステップをさらに含む、請求項
1~7のいずれか一項に記載のオンラインシューティングゲームの提供方法。
【請求項9】
プレーヤ端末に通信可能に接続されたゲームサーバであって、
前記プレーヤ端末を用いるプレーヤのレベルが高いほど小さい基本識別範囲を選択し、前記プレーヤ端末に
前記選択された基本識別範囲を表示させ、
前記表示された基本識別範囲内に敵キャラクタが含まれる場合、前記敵キャラクタを自動的に追跡させる照準点を
前記プレーヤ端末に表示させ
、
前記プレーヤ端末からシューティング入力を受信し、
前記プレーヤ端末からの前記シューティング入力及び前記表示された基本識別範囲に基づき、前記敵キャラクタに与えられるダメージを決定し、決定された前記ダメージをオンラインシューティングゲームに反映させる、処理部を備え、
前記処理部は、前記敵キャラクタに対して与えられる予想ダメージの程度に応じて前記照準点の表示態様を変化させ
、
前記ダメージの決定において、前記処理部は、前記表示された基本識別範囲が大きいほど小さくなるように前記ダメージを決定する、
ことを特徴とするゲームサーバ。
【請求項10】
プレーヤ端末と通信可能に接続されたゲームサーバの制御プログラムであって、
前記プレーヤ端末を用いるプレーヤのレベルが高いほど小さい基本識別範囲を選択し、前記プレーヤ端末に
前記選択された基本識別範囲を表示させるステップと、
前記表示された基本識別範囲内に敵キャラクタが含まれる場合、前記敵キャラクタを自動的に追跡させる照準点を前記プレーヤ端末に表示させるステップと、
前記プレーヤ端末からシューティング入力を受信するステップと、
前記プレーヤ端末からの前記シューティング入力及び前記表示された基本識別範囲に基づき、前記敵キャラクタに与えられるダメージを決定し、決定された前記ダメージをオンラインシューティングゲームに反映させるステップと、を含み、
前記照準点を表示させるステップにおいて、前記敵キャラクタに対して与えられる予想ダメージの程度に応じて前記照準点の表示態様を変化させ
、
前記ダメージの決定において、前記表示された基本識別範囲が大きいほど小さくなるように前記ダメージを決定する、
ことを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンラインシューティングゲームを提供する方法、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピューティングデバイス及びネットワーク環境の急速な発達に伴って、オンラインベースのゲームの普及や発展がさらに加速化されている。このオンラインベースのゲームは、遠隔地の不特定多数のプレーヤが、空間的に制約を受けることなく、インタラクティブなゲームを享受することができるという点で、益々大衆的な人気を博している。その中でも、モニタ上に現れる仮想の3次元空間においてプレーヤが標的に対してシューティング攻撃を行うようなシューティングゲームは、多様な映像や音響効果とともに標的に命中させることによって得られるストレス解消の効果のため、特に大衆的に多くの人気を博している。
【0003】
シューティングゲームには、プレーヤが操作するプレーヤキャラクタが画面上にディスプレイされ、該プレーヤが自己のキャラクタを後方から見ながら調整するような3人称シューティングゲームと、プレーヤの視野がまさにキャラクタの視野になって、該プレーヤが自分自身の視点から標的を攻撃するような1人称シューティングゲーム(FPS;First Person Shooter)とがある。仮想の戦争状況などを想定し、プレーヤが銃などの武器を用いて遠距離から正確に照準し発射することで射撃を行うゲームでは、プレーヤがあたかも仮想の世界に存在するかのような臨場感(presence)または没入感(immersion)をもってゲームを楽しむことができる1人称シューティングゲームが普遍的に用いられている。
【0004】
ところが、このようなシューティングゲームの場合、操作が不慣れな初心者の場合、上級者と比較して銃弾で標的を命中させるのが難しく、それにより、ゲームにおける没入感や快感を十分に享受できないという問題がある。このような問題は、新規のプレーヤの流入や持続的な利用を阻害する要因となっている。特に、最近は、オンラインを通じて多数のプレーヤが参加する対戦形式のゲームが多く利用されているが、この場合には、初心者にとって慣れてくるのがもっと困難になり得る。
【0005】
そこで、熟練度に応じて、熟練した上級者は、より激しい緊張感と迫力を楽しめるようにし、初心者もやさしくて面白くシューティングゲームに慣れてくることができるように、シューティングゲームの利便性を高めることが必要である。
【0006】
一方、オンラインベースゲームは、デスクトップコンピュータやラップトップコンピュータのように高解像度のディスプレイ及び多様な入力装置を備えた場合だけでなく、スマートフォンやスマートパッドのように比較的に小さい面積のタッチスクリーン上でも利用できるように開発されている。しかし、タッチスクリーンのように制限的な入力手段を用いる場合には、標的をより一層容易に探索して照準し、射撃できるような方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明は、シューティングゲームにおいて標的を容易に探索して照準できるような方法及びその装置を提供する。また、熟練度に応じて、熟練した上級者には、ゲームでより激しい緊張感と迫力を楽しむことができ、初心者には、やさしくて面白くゲームに慣れてくることができるようにした、利便性を高めたシューティングゲームを提供するための方法及びその装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、プレーヤ端末と通信可能に接続されたゲームサーバにより行われるオンラインシューティングゲームの提供方法が提供される。本発明にかかるオンラインシューティングゲームの提供方法は、プレーヤ端末にディスプレイされた仮想のオンラインシューティングゲームの環境内での基本識別範囲を選択するステップと、該基本識別範囲内に存在する1以上の敵キャラクタを感知するステップと、該感知された1以上の敵キャラクタのうち、1つの敵キャラクタを自動追跡対象に決定するステップとを含むことができる。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、基本識別範囲は、プレーヤ端末からの操作入力に応じて、仮想のオンラインシューティングゲームの環境内で移動可能である。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、基本識別範囲を選択するステップは、プレーヤ端末上の設定またはプレーヤ端末からの選択によって、異なる面積の複数の基本識別範囲のうち、1つを選択するステップを含むことができる。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、1つの敵キャラクタを自動追跡対象に決定するステップは、感知された1以上の敵キャラクタそれぞれに対する攻撃優先順位を決定するステップを含み、攻撃優先順位の決定は、プレーヤ端末からのシューティングにより、該当敵キャラクタに対して与えられる予想ダメージの大きさ、及びプレーヤ端末に対する該当敵キャラクタの危険度のうち、少なくとも1つに基づいて実行され得る。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、オンラインシューティングゲームの提供方法は、基本識別範囲内における自動追跡対象の移動に従い、照準点が自動追跡対象を追跡するようにするステップをさらに含むことができる。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、自動追跡対象は、仮想のオンラインシューティングゲームの環境内で移動することができ、自動追跡するようにするステップは、自動追跡対象が基本識別範囲内で移動するに伴い、照準点が自動追跡対象に向かって自動で移動するようにするステップを含むことができる。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、自動追跡するようにするステップは、自動追跡対象が基本識別範囲内で移動する際に、該自動追跡対象が基本識別範囲内の障害物によってプレーヤ端末上で視認されない場合、照準点が障害物に向かって自動で移動するようにするステップを含むことができる。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、照準点の移動軌跡がプレーヤ端末上で視認されてもよい。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、照準点が自動追跡対象に向かって自動で移動するようにするステップは、照準点と自動追跡対象との間の位置関係に応じて、照準点の表示を変化させるステップを含むことができる。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、自動追跡対象が仮想のオンラインシューティングゲームの環境内での基本識別範囲外へ外れた場合、自動追跡対象を解除するステップをさらに含むことができる。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、プレーヤ端末からシューティングの入力を受信するステップと、該受信されたシューティングの入力に基づき、自動追跡対象に与えるダメージを計算し、該計算されたダメージをオンラインシューティングゲームに反映させるステップとをさらに含むことができる。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、基本識別範囲と受信されたシューティングの入力とに基づき、プレーヤ端末に与えられる火力損失を計算し、該計算された火力損失をオンラインシューティングゲームに反映させるステップをさらに含むことができる。
【0020】
本発明の他の特徴によれば、プレーヤ端末、該プレーヤ端末に通信可能に接続されたゲームサーバ、及び該ゲームサーバに接続されたデータベースを含むオンラインシューティングゲームの提供システムが提供される。前記ゲームサーバは、プレーヤ端末上にディスプレイされた仮想のオンラインシューティングゲームの環境内の基本識別範囲を選択するための基本識別範囲選択部と、該基本識別範囲内に存在する1以上の敵キャラクタを感知し、該感知された1以上の敵キャラクタのうち、1つの敵キャラクタを自動追跡対象として決定するための追跡対象決定部とを含むことができる。
【0021】
本発明の他の特徴によれば、1以上の指示が記録されたコンピュータ読取り可能な記録媒体が提供され得る。前記1以上の指示は、コンピューティング装置により実行される場合、コンピューティング装置でオンラインシューティングゲームの提供方法を行うようにすることができ、オンラインシューティングゲームの提供方法は、プレーヤ端末にディスプレイされた仮想のオンラインシューティングゲームの環境内での基本識別範囲を選択するステップと、該基本識別範囲内に存在する1以上の敵キャラクタを感知するステップと、該感知された1以上の敵キャラクタのうち、1つの敵キャラクタを自動追跡対象として決定するステップとを含むことができる。
本発明の一態様によれば、プレーヤ端末と通信可能に接続されたゲームサーバにより行われるオンラインシューティングゲームの提供方法が提供される。本発明にかかるオンラインシューティングゲームの提供方法は、プレーヤ端末にディスプレイされた仮想のオンラインシューティングゲームの環境内の基本識別範囲を選択するステップと、基本識別範囲内に存在する1以上の敵キャラクタを感知するステップと、プレーヤ端末からのシューティングにより該当敵キャラクタに対して与えられる予想ダメージの大きさ、及びプレーヤ端末に対する該当敵キャラクタの危険度のうちの少なくとも1つに基づいて、感知された1以上の敵キャラクタのそれぞれに対する攻撃優先順位を決定し、決定した攻撃優先順位に基づいて、感知された1以上の敵キャラクタのうち、1つの敵キャラクタを自動追跡対象として決定するステップとを含むことができる。
本発明の他の特徴によれば、プレーヤ端末、該プレーヤ端末に通信可能に接続されたゲームサーバ、及び該ゲームサーバに接続されたデータベースを含むオンラインシューティングゲームの提供システムが提供される。ゲームサーバは、プレーヤ端末上にディスプレイされた仮想のオンラインシューティングゲームの環境内の基本識別範囲を選択するための基本識別範囲選択部と、基本識別範囲内に存在する1以上の敵キャラクタを感知し、プレーヤ端末からのシューティングにより該当敵キャラクタに対して与えられる予想ダメージの大きさ、及びプレーヤ端末に対する該当敵キャラクタの危険度のうちの少なくとも1つに基づいて、感知された1以上の敵キャラクタのそれぞれに対する攻撃優先順位を決定し、決定した攻撃優先順位に基づいて、感知された1以上の敵キャラクタのうちの1つの敵キャラクタを自動追跡対象として決定するための追跡対象決定部とを含むことができる。
本発明の他の特徴によれば、1以上の指示が記録されたコンピュータ読取り可能な記録媒体が提供され得る。1以上の指示は、コンピューティング装置により実行される場合、コンピューティング装置でオンラインシューティングゲームの提供方法を行うようにすることができ、オンラインシューティングゲームの提供方法は、プレーヤ端末にディスプレイされた仮想のオンラインシューティングゲームの環境内の基本識別範囲を選択するステップと、基本識別範囲内に存在する1以上の敵キャラクタを感知するステップと、プレーヤ端末からのシューティングにより該当敵キャラクタに対して与えられる予想ダメージの大きさ、及びプレーヤ端末に対する該当敵キャラクタの危険度のうちの少なくとも1つに基づいて、感知された1以上の敵キャラクタのそれぞれに対する攻撃優先順位を決定し、決定した攻撃優先順位に基づいて、感知された1以上の敵キャラクタのうちの1つの敵キャラクタを自動追跡対象に決定するステップとを含むことができる。
本発明の一態様によれば、敵キャラクタに設定されたパラメータが予め格納されたデータベース及びプレーヤ端末と通信可能に接続されたゲームサーバにより実行されるオンラインシューティングゲームの提供方法が提供される。本発明にかかるオンラインシューティングゲームの提供方法は、データベースから敵キャラクタに設定されたパラメータを取得するステップと、プレーヤ端末にディスプレイされた仮想のオンラインシューティングゲームの環境内の基本識別範囲を選択するステップと、基本識別範囲内に存在する1以上の敵キャラクタが存在するか否かを判定するステップと、敵キャラクタに設定されたパラメータに基づいて、1以上の敵キャラクタのそれぞれに対する優先度を決定し、決定した優先度に基づいて、1以上の敵キャラクタのうち、1つの敵キャラクタを追跡対象として決定するステップとを含むことができる。
本発明の一実施形態によれば、オンラインシューティングゲームの提供方法において、基本識別範囲は、プレーヤ端末からの操作入力に応じて、仮想のオンラインシューティングゲームの環境内で移動可能であることができる。
本発明の一実施形態によれば、オンラインシューティングゲームの提供方法において、基本識別範囲を選択するステップは、プレーヤ端末上の設定またはプレーヤ端末からの選択によって、異なる面積の複数の基本識別範囲のうち、1つを選択するステップを含むことができる。
本発明の一実施形態によれば、オンラインシューティングゲームの提供方法において、基本識別範囲内における追跡対象の移動に伴い、照準点が追跡対象を追跡するようにするステップをさらに含むことができる。
本発明の一実施形態によれば、オンラインシューティングゲームの提供方法において、追跡対象は、仮想のオンラインシューティングゲームの環境内で移動可能で、追跡するようにするステップは、追跡対象の基本識別範囲内での移動に伴い、照準点が追跡対象に向かって移動するようにするステップを含むことができる。
本発明の一実施形態によれば、オンラインシューティングゲームの提供方法において、追跡するようにするステップは、追跡対象が基本識別範囲内で移動する際に、追跡対象が、基本識別範囲内の障害物によってプレーヤ端末上で視認されない場合、照準点が、障害物に向かって移動するようにするステップを含むことができる。
本発明の一実施形態によれば、オンラインシューティングゲームの提供方法において、照準点の移動軌跡が、プレーヤ端末上で視認されることができる。
本発明の一実施形態によれば、オンラインシューティングゲームの提供方法において、照準点が追跡対象に向かって移動するようにするステップは、照準点と追跡対象との間の位置関係によって照準点の表示を変化させるステップを含むことができる。
本発明の一実施形態によれば、オンラインシューティングゲームの提供方法において、追跡対象が、仮想のオンラインシューティングゲームの環境内で基本識別範囲を外れた場合、追跡対象を解除するステップをさらに含むことができる。
本発明の一実施形態によれば、オンラインシューティングゲームの提供方法において、プレーヤ端末からシューティング入力を受信するステップと、受信されたシューティング入力に基づき、追跡対象に与えられるダメージを計算し、該計算されたダメージをオンラインシューティングゲームに反映させるステップとをさらに含むことができる。
本発明の一実施形態によれば、オンラインシューティングゲームの提供方法において、基本識別範囲と受信されたシューティング入力とに基づき、プレーヤ端末に与えられる火力損失を計算し、該計算された火力損失をオンラインシューティングゲームに反映させるステップをさらに含むことができる。
本発明の他の特徴によれば、プレーヤ端末、該プレーヤ端末に通信可能に接続されたゲームサーバ、及び敵キャラクタに設定されたパラメータが予め格納され且つ該ゲームサーバに接続されたデータベースを備えるオンラインシューティングゲーム提供システムが提供される。ゲームサーバは、データベースから敵キャラクタに設定されたパラメータを取得する取得部と、プレーヤ端末上にディスプレイされた仮想のオンラインシューティングゲームの環境内の基本識別範囲を選択するための基本識別範囲選択部と、基本識別範囲内に存在する1以上の敵キャラクタが存在するか否かを判定し、敵キャラクタに設定されたパラメータに基づいて、1以上の敵キャラクタのそれぞれに対する優先度を決定し、決定した優先度に基づいて、1以上の敵キャラクタのうちの1つの敵キャラクタを追跡対象として決定するための追跡対象決定部とを含むことができる。
本発明の一実施形態によれば、オンラインシューティングゲーム提供システムにおいて、基本識別範囲は、プレーヤ端末からの操作入力に応じて、仮想のオンラインシューティングゲームの環境内で移動可能であることができる。
本発明の一実施形態によれば、オンラインシューティングゲーム提供システムにおいて、基本識別範囲選択部は、プレーヤ端末上の設定またはプレーヤ端末からの選択によって、異なる面積の複数の基本識別範囲のうち、1つを選択することができる。
本発明の一実施形態によれば、オンラインシューティングゲーム提供システムにおいて、基本識別範囲内における追跡対象の移動に従い、照準点が追跡対象を追跡するようにするための追跡処理部をさらに含むことができる。
本発明の他の特徴によれば、1以上の指示が記録されたコンピュータ読取り可能な記録媒体が提供され得る。1以上の指示は、敵キャラクタに設定されたパラメータが予め格納されたデータベースと通信可能に接続されたコンピューティング装置により実行される場合、コンピューティング装置でオンラインシューティングゲームの提供方法が実行されるようにすることができ、オンラインシューティングゲームの提供方法は、データベースから敵キャラクタに設定されたパラメータを取得するステップと、プレーヤ端末にディスプレイされた仮想のオンラインシューティングゲームの環境内の基本識別範囲を選択するステップと、基本識別範囲内に存在する1以上の敵キャラクタが存在するか否かを判定するステップと、敵キャラクタに設定されたパラメータに基づいて、1以上の敵キャラクタのそれぞれに対する優先度を決定し、決定した優先度に基づいて、1以上の敵キャラクタのうちの1つの敵キャラクタを追跡対象に決定するステップとを含むことができる。
本発明の一実施形態によれば、記録媒体において、基本識別範囲は、プレーヤ端末からの操作入力に応じて、仮想のオンラインシューティングゲームの環境内で移動可能であることができる。
本発明の一実施形態によれば、記録媒体において、基本識別範囲を選択するステップは、プレーヤ端末上の設定またはプレーヤ端末からの選択によって、異なる面積の複数の基本識別範囲のうち、1つを選択するステップを含むことができる。
本発明の一実施形態によれば、記録媒体において、オンラインシューティングゲームの提供方法は、基本識別範囲内における追跡対象の移動に従い、照準点が追跡対象を追跡するようにするステップをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、シューティングゲームにおいて標的を容易に探索して照準できるユーザーインターフェースを提供できる。また、本発明は、シューティングゲームに参加するプレーヤの熟練度に応じて、熟練した上級者は、ゲームでより激しい緊張感と迫力を楽しむことができ、初心者は、やさしくて面白くゲームに慣れてくることができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態によるオンラインシューティングゲームを提供することができるシステムを概略的に示す図面である。
【
図2】
図1のシューティングゲームサーバの内部構成を概略的に示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるオンラインシューティングゲームの提供方法を説明するためのフローチャートである。
【
図4】本発明の他の実施形態によるオンラインシューティングゲームの提供方法を説明するためのフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態によるオンラインシューティングゲームの実行時に、プレーヤ端末にディスプレイされる仮想のオンラインシューティングゲームの空間を示す図面である。
【
図6a】本発明によるオンラインシューティングゲームを説明するための例示的な一連の画面を概略的に示す図面である。
【
図6b】本発明によるオンラインシューティングゲームを説明するための例示的な一連の画面を概略的に示す図面である。
【
図6c】本発明によるオンラインシューティングゲームを説明するための例示的な一連の画面を概略的に示す図面である。
【
図6d】本発明によるオンラインシューティングゲームを説明するための例示的な一連の画面を概略的に示す図面である。
【
図7】本発明によるオンラインシューティングゲームを説明するための例示的な画面を概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。以下では、本発明の要旨を不要に濁すおそれがあると判断される場合、既に公知の機能及び構成に関する具体的な説明は省略する。また、以下で説明する内容は、あくまでも本発明の一実施形態に関するものであるだけで、本発明はこれに限定するものではないことを理解されたい。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態による、オンラインシューティングゲームを提供することができるゲームシステム1000を概略的に示す図面である。
図1に示すように、本発明の一実施形態によるゲームシステム1000は、1以上のプレーヤ端末100a~100n、通信網200、シューティングゲームサーバ300及びデータベース400を含む。
【0026】
プレーヤ端末100a~100nは、各プレーヤがゲームを行うために用いる端末装置である。本発明の一実施形態によれば、プレーヤ端末100a~100nには、移動通信が可能なスマートフォン、個人携帯情報端末、タブレットPCなどが挙げられるが、本発明はこれに限定するものではない。本発明の他の実施形態によれば、プレーヤ端末100a~100nには、多様な形態の有線または無線の固定網または移動網の通信が可能なデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ワークステーションなどの各種機器が挙げられる。同図では、3つのプレーヤ端末のみが示されているが、本発明はこれに限定するものではない。本発明によるゲームシステムはより少ないもしくは多くの数のプレーヤ端末を含んでもよい。
【0027】
プレーヤ端末100a~100nは、プレーヤにゲームの進行を示すためのディスプレイ(図示せず)と、プレーヤがゲーム時に必要な操作入力を提供するのに用いることができるハードウェア/ソフトウェアの入力手段(図示せず)とを含む。本発明の一実施形態によれば、プレーヤ端末100a~100nは、入力手段として、ディスプレイ上の仮想パッドを含んでもよい。例えば、プレーヤ端末100a~100nのディスプレイは、タッチスクリーンによって具現されてもよく、仮想パッドは、タッチスクリーン上でプレーヤがタッチして選択できる多様なグラフィックユーザーインターフェース(例えば、方向選択ボタン、武器の照準及び発射ボタン、武器選択ボタン等)を含んでもよい。プレーヤは、ゲームを進行する時に、ディスプレイ上の仮想パッドを用いてキャラクタの移動、武器の照準及び発射などを行うことができる。
【0028】
プレーヤ端末100a~100nは、ゲームクライアント(図示せず)をさらに含んでもよい。該ゲームクライアントは、プレーヤ端末で駆動可能なゲーム提供手段であって、プレーヤ端末100a~100nで実行されるコンピュータまたはプロセッサにより実行可能なプログラムなどのソフトウェアまたはハードウェアにより具現されてもよい。ゲームクライアントは、シューティングゲームサーバ300との通信を設定及び維持することができ、該シューティングゲームサーバ300との間でデータを送受信することにより、プレーヤ端末にオンラインシューティングゲームが提供されるようにすることができる。本発明の一実施形態によれば、ゲームクライアントは、シューティングゲームサーバ300と協同してゲームの提供に必要な演算の一部を行うことができる。
【0029】
プレーヤ端末100a~100nは、通信網200を通じてシューティングゲームサーバ300との通信を構築及び維持することができる。本発明の一実施形態によれば、通信網200には、多様な類型の有線または無線の固定網または移動網が挙げられる。当業者にとっては、本発明によるオンラインシューティングゲームを提供するのに多様な形態の通信網を用いることができることは自明な事項である。
【0030】
シューティングゲームサーバ300は、通信網200を通じて、プレーヤ端末100a~100n及びデータベース400と少なくとも部分的にはリアルタイムでデータの交換が可能になっている。シューティングゲームサーバ300は、データベース400と協同して、プレーヤ端末100a~100nに対する認証処理、プレーヤ端末100a~100nに設けられたゲームクライアントのアップデート、ゲームの進行などを行う。同図では、ゲームシステム1000は、1つのシューティングゲームサーバ300を含むものと示されているが、本発明はこれに限定するものではない。当業者にとっては、本発明の他の実施形態において、シューティングゲームサーバ300が、通信網200または他の適切な形態のネットワークを介して連結されている複数の分散サーバを含んで構成され得ることは、自明な事項である。
【0031】
データベース400は、オンラインシューティングゲームを提供するために必要な各種情報を格納する。本発明の一実施形態によれば、データベース400は、各プレーヤ端末に関する認証情報、ゲームの遂行と関連する各種のキャラクタ及びアイテム情報、各プレーヤのゲーム履歴情報などを含む。同図では、データベース400が1個だけ示されているが、本発明はこれに限定するものではない。当業者にとっては、本発明の他の実施形態において、より多数のデータベース400を含んでもよいことは自明な事項である。
【0032】
図2は、
図1のシューティングゲームサーバ300の内部構成を概略的に示すブロック図である。同図のように、シューティングゲームサーバ300は、データ通信部310、ゲーム進行制御部320、基本識別範囲選択部330、追跡対象決定部340、自動追跡処理部350、及びシューティング判定/処理部360を含む。
【0033】
データ通信部310は、ゲーム進行制御部320の制御下、各プレーヤ端末100a~100n及び/又はデータベース400との間でゲーム進行のために必要なデータの交換を可能にする通信インターフェースである。本発明の一実施形態によれば、データ通信部310は、通信網200を通じて、各プレーヤ端末100a~100nからのゲーム進行に関する各種の入力情報、例えば、進行中のシューティングゲームにおける基本識別範囲及び照準の移動、プレーヤキャラクタの視野移動、シューティングなどの操作情報などを受信する。また、データ通信部310は、データベース400から各プレーヤ端末100a~100nに対する認証情報、ゲーム進行に関する各種情報などを受信する。
【0034】
ゲーム進行制御部320は、シューティングゲームサーバ300内の各構成要素を制御し、各プレーヤ端末100a~100nに対する認証遂行及びシューティングゲームの進行に関する各種制御を行う。ゲーム進行制御部320は、シューティングゲームサーバ300内において、データ通信部310を介して受信された各種情報の適切な流れを制御し、シューティングゲームサーバ300による処理結果を、データ通信部310を介して、各プレーヤ端末100a~100n及び/又はデータベース400に伝送する。本発明の一実施形態によれば、ゲーム進行制御部320は、各プレーヤ端末から受信された基本識別範囲及び照準の移動、プレーヤキャラクタの視野移動、シューティングなどの操作情報に基づき、プレーヤ端末100a~100nに適切なディスプレイ変動に関する情報を提供することができる。
【0035】
基本識別範囲選択部330は、本発明による自動追跡が提供される基本識別範囲を選択するに用いられる。本発明の一実施形態によれば、プレーヤ端末100a~100nのディスプレイ上で、シューティングゲームの進行中に敵キャラクタが自動追跡対象になったかをプレーヤに視認させる基本識別範囲が表示される。この基本識別範囲は、ディスプレイ上に表示される一定な形状のグラフィックユーザーインターフェースまたは他の適切な類型のグラフィック形状であってもよい。例えば、基本識別範囲は、長方形、円形、楕円形などの多様な形態のうちの1つを境界線として表示さて、該境界線内に敵キャラクタが進入した時、該敵キャラクタを自動追跡対象として設定できる。本発明の一実施形態によれば、与えられた基本識別範囲内で自動追跡対象が設定された場合、ディスプレイに表示された照準点が該追跡対象の移動を自動で追跡して共に移動したり、プレーヤがディスプレイ上でタッチ、または他の適切な入力手段を用いて、該ディスプレイに表示された照準点を自動追跡対象へと移動させたりすることにより、射撃動作を準備することができる。このように、本発明の多様な実施形態によれば、プレーヤ端末100a~100nのディスプレイ上に基本識別範囲を提供することにより、スマートフォンのように、単純な入力手段が提供されるプレーヤ端末でも、より容易に射撃対象を追跡できるようにし、プレーヤに迅速なゲームへの没入や快感を与えることができる。
【0036】
本発明の他の実施形態によれば、プレーヤ端末100a~100nのディスプレイ上でのプレーヤの設定または選択により、各プレーヤにはそれぞれの階級が付与され、各階級に応じて異なる基本識別範囲が提供されてもよい。例えば、初心者には、低い階級が付与され、該低い階級に対しては、より広い面積の基本識別範囲が提供されてもよい。また、上級者には、高い階級が付与され、該高い階級に対しては、狭い面積の基本識別範囲が提供されてもよい。このように、プレーヤの階級によって異なる領域の基本識別範囲を提供することにより、初心者には、より一層やさしくゲームの環境に慣れてきて、没入できるように助けることができる。また、上級者には、より高いレベルのシューティング経験と没入感を与えることができる。本発明の一実施形態による基本識別範囲のディスプレイへの表示については、
図5を参照して後述する。また、本発明の一実施形態により各階級別に提供される異なる基本識別範囲については、
図7を参照して後述する。
【0037】
基本識別範囲選択部330により基本識別範囲が選択されると、追跡対象決定部340は、選択された基本識別範囲内で自動追跡の対象になり得る敵キャラクタが存在するかを判定する。選択された基本識別範囲内で敵キャラクタが複数存在すると認識された場合、追跡対象決定部340は、該認識された複数の敵キャラクタに対して攻撃優先順位を決定する。本発明の一実施形態によれば、攻撃優先順位は、基本識別範囲内で認識された敵キャラクタごとに、プレーヤが該当敵キャラクタに対して与えるダメージの大きさ、該当プレーヤに対する各敵キャラクタの危険度、または、その他の所定の基準に基づいて決定されてもよい。当業者にとって、基本識別範囲内で複数の敵キャラクタが認識される場合、各敵キャラクタに対する攻撃優先順位を決定するための他の多様な基準を設定することは可能である。追跡対象決定部340は、決定された優先順位に基づき、自動追跡の対象になる少なくとも1つの追跡対象を決定する。
【0038】
自動追跡処理部350は、追跡対象決定部340により決定された追跡対象に対して自動追跡処理を行う。本発明の一実施形態によれば、与えられた基本識別範囲内で決定された追跡対象を追って照準点の移動が自動で行われる。追跡対象は、例えば、敵キャラクタを制御するプレーヤ端末のユーザーの操作、またはシステムで定められているアルゴリズムによって移動し、照準点の位置は移動する追跡対象を追跡しながら自動で移動する。本発明の一実施形態によれば、自動追跡対象がプレーヤによって視認されるか否か関わらず、自動追跡による照準点の空間上の移動軌跡は、常にプレーヤが目視することができるものであってもよい。本発明の一実施形態によれば、追跡対象が、仮想のオンラインシューティングゲームの空間上の障害物、例えば、壁などの掩蔽物の後ろに隠蔽され、プレーヤが該追跡対象の存在が視認できない場合でも、自動追跡が行われ得る。即ち、本発明の一実施形態によれば、追跡対象が壁の後に隠れ、プレーヤが見られない場合でも、該追跡対象が基本識別範囲内に存在しさえすれば、自動追跡が行われ、照準点が追跡対象の隠れている壁に位置付けられる。また、自動追跡に従って基準識別範囲内で移動する照準点は、該照準点に応じた追跡対象への照準の精度、即ち追跡対象に与えられるダメージの程度によって異なる色で表されてもよい。
【0039】
図6a~
図6dを参照して、自動追跡処理部350による自動追跡処理の一例について詳しく説明する。
図6aには、プレーヤ端末のディスプレイ上に表示された基本識別範囲610内において敵620の存在が認識されたが、自動追跡はまだ行われる前の状態が示されている。
図6bには、認識された敵620を自動追跡対象にして自動追跡が始まり、これにより照準点630が該自動追跡対象620上に、または、該自動追跡対象620寄りに配置されている状態が示されている。しかし、まだ照準点630の配置が自動追跡対象620に対する正確な照準には至っていない状態であり、照準点630の表示は、(具体的に表示されてはいないが)第1色(例えば、黄)で表されてもよい。
図6cには、自動追跡対象620が矢印640の方向に移動したり、プレーヤが基準識別範囲610を移動させたりすることによって、基準識別範囲内で自動追跡対象620の相対的な位置が変動する場合、照準点630の位置がそのような移動を追って共に動くことが示されている。このとき、照準点630が追跡対象620を追って移動してはいるものの、まだ正確に照準がなされていない状態、即ち最も高いレベルのダメージを与えることはできない状態であり、照準点630の表示は依然として第1色(例えば、黄)で表される。次に、
図6dには、自動追跡によって照準点630が追跡対象620を正確に照準して最も高いレベルのダメージを与えることができる状態に至ったことが示されている。
図6dでは、照準が正確になされていることを表示するために、照準点630の表示が先ほどの第1色ではなく、第2色(例えば、赤)で表されてもよい。ここでは、照準点630の精度を示す異なる表示として、2種類の色を用いるものと説明したが、本発明はこれに限定するものではない。本発明の他の実施形態によれば、異なる多数の色や他の多様な方法により、照準点630の精度に関する差の表示を提供してもよい。また、照準点630は、
図6に示すような、十字形ではなく、他の多様な形状によって表示されてもよい。
【0040】
図2に戻り、シューティング判定/処理部360は、プレーヤからのシューティングがあったか否かを判定する。シューティング判定/処理部360は、プレーヤからシューティングがあった場合、プレーヤの武器の攻撃範囲及び火力、シューティングがなされた時点における追跡対象キャラクタとプレーヤとの間の位置関係などに基づき、追跡対象キャラクタに与えられるダメージを決定する。シューティング判定/処理部360は、決定されたダメージによって追跡対象キャラクタに関する情報を更新する。例えば、該決定されたダメージによって追跡対象キャラクタが死亡したと決定されれば、該追跡対象キャラクタを死亡として処理することができる。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、プレーヤからのシューティングによって追跡対象キャラクタにダメージが与えられた場合、シューティング判定/処理部360は、プレーヤ端末100a~100nに、追跡対象キャラクタがダメージを受けた旨を知らせる表示(例えば、追跡対象キャラクタの身体が揺れたり倒れたりする表示など)が、それらの端末上にディスプレイされるようにする情報を伝送できる。また、本発明の一実施形態によれば、追跡対象キャラクタに関する情報の更新とは別途に、攻撃の入力を行ったプレーヤの火力損失なども別途に計算及び反映させてもよい。本発明の一実施形態によれば、シューティングを行ったプレーヤの火力損失は、基本識別範囲によって定められてもよい。例えば、広い面積の基本識別範囲が選択されている場合には、より狭い面積の基本識別範囲が選択される場合に比べて、シューティングによるプレーヤの火力損失をより大きくするものと定めてもよい。
【0042】
以上、説明した実施形態において、基本識別範囲選択部330、追跡対象決定部340、自動追跡処理部350及びシューティング判定/処理部360は、シューティングゲームサーバ300内に設けられて動作するものと説明したが、本発明は、これに限定するものではない。他の実施形態において、基本識別範囲選択部330、追跡対象決定部340、自動追跡処理部350及びシューティング判定/処理部360の少なくとも1つは、分散して設けられ、通信網200を通じて相互連結されている他のシューティングゲームサーバに設けられるか、あるいは、プレーヤ端末100a~100nの中の少なくとも1つに設けられてもよい。例えば、基本識別範囲選択部330、追跡対象決定部340、自動追跡処理部350及びシューティング判定/処理部360が、プレーヤ端末100aに設けられる場合に、これらの構成要素は、基本識別範囲および該当プレーヤ端末100a上で表示される基本識別範囲に基づいて自動追跡対象の決定及び自動追跡の動作を実行してもよい。
【0043】
図3は、本発明の一実施形態によるオンラインシューティングゲームの提供方法を概略的に説明するためのフローチャートである。
図3に示す例示的なフローチャートによる方法は、例えば、オンラインシューティングゲームを実行するように構成されたプレーヤ端末100a~100nまたはサーバ300のようなコンピュータやプロセッサにより具現されるか、あるいは、このようなコンピュータやプロセッサにより実行可能なプログラムなどのソフトウェアにより具現されてもよい。
図3のフローチャートによる方法は、ステップS302~S308の中の1以上により例示される1以上の動作または機能を含む。
図3には、一連のブロックで示されたステップが示されているが、これらのブロックは、追加のブロックに分割されるか、あるいは、より少ない数のブロックとして互いに組み合わせられてもよい。また、他の実施形態において、
図3に示すブロックは、順次プロセスの代わりに並列プロセスにより具現されるか、あるいは、順次プロセスと並列プロセスとの組み合わせにより具現されてもよい。
【0044】
同図のように、ステップS302において、選択された基本識別範囲をプレーヤ端末にディスプレイする。一実施形態において、各プレーヤ端末100a~100nのディスプレイ上で、シューティングゲームの進行中に敵キャラクタが自動追跡対象となったかをプレーヤに見せる基本識別範囲が表示される。
図2及び
図6a~6dを参照して説明したように、基本識別範囲は、ディスプレイ上に表示される一定形状のグラフィックユーザーインターフェースまたは他の適切な類型のグラフィック形状によって表示されてもよい。
【0045】
続いて、ステップS304においては、現在位置の基本識別範囲内に存在する敵キャラクタを検出し、その中から自動追跡対象を決定する。一実施形態において、
図2を参照して説明したように、基本識別範囲選択部330により基本識別範囲が選択されると、追跡対象決定部340は、与えられた基本識別範囲内に自動追跡の対象になり得る敵キャラクタが存在するか否かを判定する。また、与えられた基本識別範囲内に敵キャラクタが複数存在すると認識された場合、追跡対象決定部340は、該認識された複数の敵キャラクタに対して攻撃優先順位を決定する。
【0046】
ステップS304に続くステップS306において、自動追跡が開始され、照準点が追跡対象の移動を追跡しながら共に移動することになる。一実施形態において、
図2を参照して説明したように、自動追跡処理部350は、追跡対象決定部340により決定された追跡対象に対して自動追跡処理を行う。本発明の一実施形態によれば、与えられた基本識別範囲内で決定された追跡対象を追って照準点の移動が自動で行われる。また、自動追跡対象がプレーヤによって視認されるか否かに関わらず、自動追跡に伴う照準点の空間上の移動軌跡は、常にプレーヤに視認されるようにしてもよい。
【0047】
ステップS308において、プレーヤによるシューティングがある場合、該当追跡対象に対して与えられるダメージを決定し、これをゲームに適用する。一実施形態において、
図2を参照して説明したように、シューティング判定/処理部360は、プレーヤからのシューティングがあったか否かを判定する。シューティング判定/処理部360は、プレーヤからシューティングがあった場合、プレーヤの武器の攻撃範囲及び火力、シューティングがなされた時点における追跡対象キャラクタとプレーヤとの間の位置関係などに基づき、該追跡対象キャラクタに与えられるダメージを決定する。また、シューティング判定/処理部360は、該決定されたダメージによって追跡対象キャラクタに関する情報を更新する。
【0048】
図4は、本発明の他の実施形態によるオンラインシューティングゲームの提供方法を説明するためのフローチャートである。
【0049】
同図のように、ステップS402において、各プレーヤ端末上での設定またはプレーヤの選択によって基本識別範囲が決定され、プレーヤ端末にディスプレイされる。本発明の一実施形態によれば、基本識別範囲選択部330は、シューティングゲームの進行中に敵キャラクタが自動追跡対象になったか否かをプレーヤに見せる基本識別範囲の選択を提供することができ、プレーヤ端末100a~100nのディスプレイ上で、該選択された基本識別範囲が表示される。また、前述のように、異なる面積、即ち異なるカバー範囲を有する複数の基本識別範囲が提供され、プレーヤのゲームの熟練度などによって、複数の基本識別範囲のうちの1つが選択または決定される。一実施形態によれば、プレーヤ端末100a~100nのディスプレイ上でのプレーヤの設定または選択によって、各プレーヤにはそれぞれの階級が付与され、各階級ごとに異なる基本識別範囲が提供される。例えば、初心者には、低い階級が付与され、低い階級に対してはより広い面積の基本識別範囲が提供されてもよい。また、上級者には、高い階級が付与され、高い階級に対してはより狭い面積の基本識別範囲が提供されてもよい。
【0050】
プレーヤ端末に表示された基本識別範囲は、ステップS404においてゲーム進行に伴うプレーヤの操作に応じて移動されてもよい。このような基本識別範囲の移動は、プレーヤ端末に表示された仮想のオンラインシューティングゲームの環境上に表示される。例えば、プレーヤが、プレーヤ端末100a~100nを左右方向または上下方向に動かす場合、そのような動きを、プレーヤ端末100a~100n内に設けられている動作センサなどによって感知し、基本識別範囲がディスプレイ上に表示された仮想のオンラインシューティングゲームの環境内で左右方向または上下方向を含む多様な方向に移動しながら表示されてもよい。他の実施形態において、プレーヤ端末100a~100nのディスプレイ上に表示された、方向選択のためのグラフィックユーザーインターフェース(例えば、方向選択ボタン)に対するプレーヤの選択に応じて、基本識別範囲が、ディスプレイ上に表示された仮想のオンラインシューティングゲームの環境内で左右方向または上下方向を含む多様な方向に移動しながら表示されてもよい。
【0051】
基本識別範囲の移動が進行される間、ステップS406では、現在位置の基本識別範囲内に敵キャラクタが存在するか否かが判定される。一実施形態において、
図2を参照して説明したように、基本識別範囲選択部330により基本識別範囲が選択されると、追跡対象決定部340は、与えられた基本識別範囲内に自動追跡の対象になり得る敵キャラクタが存在するか否かを判定する。現在位置の基本識別範囲内に敵キャラクタが存在するか否かの判定は、予め定められたアルゴリズムによって行われてもよい。
【0052】
続いて、ステップS406において、現在位置の基本識別範囲内に敵キャラクタが存在しないと判定された場合、ステップS404に進み、プレーヤの操作に応じる基本識別範囲の移動が続けられる。本発明の一実施形態によれば、ステップS406において、現在位置の基本識別範囲内に複数の敵キャラクタが存在すると判定される。
【0053】
ステップS406において、1以上の敵キャラクタが現在位置の基本識別範囲内に存在すると判定された場合、ステップS408においては、該判定された敵キャラクタのうち、自動追跡の対象になる1つの敵キャラクタが決定される。自動追跡の対象になる敵キャラクタの決定は、前述のように、プレーヤが各敵キャラクタに対して与えられるダメージの大きさ、該当プレーヤへの各敵キャラクタの危険度、またはその他の所定の基準に基づいて決定されてもよい。当業者にとっては、自動追跡対象を決定するのに多様な基準を採用することができることは自明な事項である。
【0054】
自動追跡の対象になる敵キャラクタが決定されれば、ステップS410で決定された自動追跡対象上に照準点が自動で移動する。一実施形態において、
図2を参照して説明したように、自動追跡処理部350は、追跡対象決定部340により基本識別範囲内で決定された追跡対象を追って照準点の移動を自動で行う。
【0055】
続いて、ステップS412においては、基本識別範囲内での自動追跡対象の移動、例えば、対戦相手の操作に従ったり、システムで定められているアルゴリズムによる自動追跡対象の動きに応じて、その移動する自動追跡対象に対する照準を維持するように、照準点が自動で共に移動するような、いわゆる自動追跡が行われる。一実施形態によれば、
図2を参照して説明したように、自動追跡処理部350は、追跡対象決定部340により基本識別範囲内で決定された追跡対象を追って照準点の移動を自動で実行する。また、一実施形態によれば、前述のように、自動追跡対象がプレーヤによって視認されるか否かに関わらず、自動追跡に伴う照準点の空間上の移動軌跡が、常にプレーヤに視認されるようにしてもよい。また、本発明の一実施形態によれば、追跡対象が仮想のオンラインシューティングゲームの空間上の障害物、例えば、壁などの掩蔽物の後ろに隠れ、プレーヤによって該追跡対象の存在が視認されない場合でも、自動追跡が行われてもよい。
【0056】
続いて、ステップS414において、プレーヤのシューティング入力があるか否かが判定される。一実施形態において、
図2を参照して説明したように、シューティング判定/処理部360は、プレーヤからのシューティングがあったか否かを判定する。プレーヤのシューティング入力があった場合、ステップS416に進む。
【0057】
ステップS416においては、プレーヤのシューティング入力があった時点における照準点の位置と自動追跡対象との位置関係などを判定する。その後、ステップS418においては、ステップS416で決定された照準点の位置及び自動追跡対象の位置関係、プレーヤの武器の攻撃範囲及び火力、その他の多様な基準を考慮して、自動追跡対象に与えられるダメージを計算し、これをゲームの進行に反映する。ここでは示されていないが、本発明の一実施形態によれば、自動追跡対象に与えられるダメージを計算及び反映することとは別途に、シューティング入力を行ったプレーヤの火力損失などもさらに計算及び反映してもよい。一実施形態によれば、シューティング判定/処理部360は、プレーヤからのシューティングがあった場合、プレーヤの武器の攻撃範囲及び火力、シューティングがなされた時点における追跡対象キャラクタとプレーヤとの間の位置関係などに基づき、追跡対象キャラクタに与えられるダメージを決定する。また、シューティング判定/処理部360は、該決定されたダメージに応じて追跡対象キャラクタに関する情報を更新する。続いて、ステップS404に戻って、プレーヤの操作に応じる基本識別範囲の移動が続けられる。
【0058】
ステップS414において、プレーヤのシューティング入力がないと判定されると、ステップS420に進む。ステップS420においては、自動追跡対象が基本識別範囲を逸脱したか否かを判定する。自動追跡対象が基本識別範囲を逸脱していないと判定された場合、ステップS414に戻って、プレーヤのシューティング入力があるか否かを再度判定する。一方、ステップS420において、自動追跡対象が基本識別範囲を逸脱したと判定された場合、ステップS404に戻って、プレーヤの操作に応じる基本識別範囲の移動が続けられる。
【0059】
図5は、本発明の一実施形態によるオンラインシューティングゲームの実行時に、プレーヤ端末100a~100nにディスプレイされる仮想のオンラインシューティングゲームの空間の一部が示されている。この仮想のオンラインシューティングゲームの空間の中央部には、本発明の一実施形態による、基本識別範囲表示510が長方形状に表されている。同図では、基本識別範囲表示510が長方形状に示されているが、本発明はこれに限定するものではない。本発明の他の実施形態によれば、基本識別範囲表示は、正方形、円形、楕円形、三角形などの多様な適切な形態に表示されてもよい。本発明の一実施形態によれば、プレーヤの操作によって、仮想のオンラインシューティングゲームの空間内で基本識別範囲表示510が移動できる。同図のように、長方形状の基本識別範囲表示510の内で、敵キャラクタ520上にクロスヘア形態の照準点530が表示されている。同図においては、照準点530がクロスヘア形態で示されているが、本発明はこれに限定するものではない。本発明の他の実施形態によれば、照準点は、円形(例えば、単円または二重円)、点形態などを含む多様な適切な形態に表示されてもよい。
【0060】
図7は、本発明の一実施形態によるオンラインシューティングゲームを説明するための例示的な画面を概略的に示す図面である。
図7には、本発明の一実施形態による各階級別に提供される基本識別範囲710a~710dが、仮想のオンラインシューティングゲームの空間上に表示されている。本発明の一実施形態によれば、前述のように、オンラインシューティングゲームに参加する各プレーヤに、複数の階級のうちの1つが付与され、各階級ごとに異なる面積の基本識別範囲が与えられる。
図7には、4つの異なる面積の基本識別範囲710a~710dが順次重なって表示されている。例えば、最も低いレベルの初心者には、最も広い範囲の基本識別範囲、即ち最外側の長方形状の基本識別範囲710aが割り当てられる。この場合、プレーヤは、広い範囲の基本識別範囲のラフな操作だけでもゲームを進行することができ、微細な操作をする必要がなくなる。また、最も高いレベルの上級者には、最も狭い範囲の基本識別範囲、即ち最内側の長方形状の基本識別範囲710dが割り当てられる。この場合、自動追跡が行われる基本識別範囲が狭いため、プレーヤは、相対的に広い空間内でより一層微細な操作をする必要がある。同図においては、4つの基本識別範囲710a~710dのみが示されているが、本発明はこれに限定するものではなく、本発明の具現形態によってこれ以下または以上の基本識別範囲を含んでもよい。また、同図においては、最も高いレベルのプレーヤのための最も狭い範囲の基本識別範囲710dを、小さくて僅かな面積を有する長方形状に示しているが、本発明はこれに限定するものではない。本発明の他の実施形態によれば、最も高いレベルのプレーヤのためには、基本識別範囲の面積がゼロとして与えられてもよい(例えば、内部面積のない点形態またはクロスヘアの形態)。
【0061】
以上、説明した本発明によるオンラインシューティングゲームの提供方法の実施形態は、コンピュータ読取り可能な記録媒体において、コンピュータ可読コードまたはプログラムとして具現されてもよい。コンピュータ読取り可能な記録媒体には、コンピュータシステムにより可読されるデータが格納され得る、あらゆる種類の記録装置が挙げられる。例えば、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、ハードディスク、フロッピーディスク、可搬式格納装置、非揮発性メモリ、光データ格納装置などが記録媒体として用いられてもよい。また、インターネットを通じた伝送のように、搬送波の形態で具現されるものでもよい。また、コンピュータ読取り可能な記録媒体は、コンピュータ通信網によって連結されたコンピュータシステムに分散し、分散方式で可読なコードとして格納され実行されてもよい。
【0062】
以上の実施形態は、本開示の理解を助けるために、図面に示された実施形態を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該分野で通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形及び均等な他の形態の実施形態も可能であるという点を理解するだろう。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、オンラインシューティングゲームの提供装置などに用いられることができる。