IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 北京金山▲辧▼公▲軟▼件有限公司の特許一覧 ▶ 珠海金山▲辧▼公▲軟▼件有限公司の特許一覧 ▶ 広州金山移▲動▼科技有限公司の特許一覧

特許7128214スプレッドシート内の関数パラメータを表示する方法及び装置、並びに電子機器
<>
  • 特許-スプレッドシート内の関数パラメータを表示する方法及び装置、並びに電子機器 図1
  • 特許-スプレッドシート内の関数パラメータを表示する方法及び装置、並びに電子機器 図2
  • 特許-スプレッドシート内の関数パラメータを表示する方法及び装置、並びに電子機器 図3
  • 特許-スプレッドシート内の関数パラメータを表示する方法及び装置、並びに電子機器 図4
  • 特許-スプレッドシート内の関数パラメータを表示する方法及び装置、並びに電子機器 図5
  • 特許-スプレッドシート内の関数パラメータを表示する方法及び装置、並びに電子機器 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】スプレッドシート内の関数パラメータを表示する方法及び装置、並びに電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/18 20200101AFI20220823BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20220823BHJP
【FI】
G06F40/18
G06F3/0484
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019567360
(86)(22)【出願日】2018-05-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 CN2018086665
(87)【国際公開番号】W WO2018223813
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2019-12-26
(31)【優先権主張番号】201710418474.1
(32)【優先日】2017-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516184942
【氏名又は名称】北京金山▲辧▼公▲軟▼件股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Kingsoft Office Software,Inc.
(73)【特許権者】
【識別番号】519342725
【氏名又は名称】珠海金山▲辧▼公▲軟▼件有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI KINGSOFT OFFICE SOFTWARE CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Building 5, Kingsoft Software Park, no.321, Qiandao ring road, Tangjiawan town, high-tech district, Zhuhai, Guangdong 519015,China
(73)【特許権者】
【識別番号】517292217
【氏名又は名称】広州金山移▲動▼科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 波
(72)【発明者】
【氏名】皮 霞林
(72)【発明者】
【氏名】艾 沢林
(72)【発明者】
【氏名】項 林建
(72)【発明者】
【氏名】章 慶元
【審査官】長 由紀子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0118221(US,A1)
【文献】特表2004-532482(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0036996(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0169530(US,A1)
【文献】特開2006-172445(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0198621(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0372854(US,A1)
【文献】米国特許第05890174(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0129929(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0224553(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/00-58
G06F 3/0484
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する方法であって、
前記スプレッドシート内の関数の第1の関数パラメータを取得するステップと、
前記第1の関数パラメータが動的制約ルール、すなわち前記第1の関数パラメータと前記関数の別の関数パラメータとの間に動的制約が存在することを示す動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定するステップと、
前記第1の関数パラメータが動的制約ルールに関連付けられている場合、前記動的制約ルールに基づいて前記第1の関数パラメータの値域を計算するステップと、
前記値域に基づいて前記第1の関数パラメータのプロンプトを提示するステップと
を含み、
前記動的制約ルールに基づいて前記第1の関数パラメータの値域を計算するステップが、
動的制約を介して前記第1の関数パラメータに関連付けられた、前記関数の第2の関数パラメータの値域を取得するステップと、
前記動的制約及び前記第2の関数パラメータの前記値域に基づいて前記第1の関数パラメータの前記値域を計算するステップと、を含み、
前記動的制約は、複数の関数パラメータの値域間の関係であり、前記第2の関数パラメータは、前記第1の関数パラメータとの間に前記動的制約が存在する2つの関数パラメータである、
方法。
【請求項2】
前記第1の関数パラメータが動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定するステップが、
前記スプレッドシート用の動的制約パラメータリスト、すなわち関数パラメータ、動的制約を介して前記関数パラメータに関連付けられた別の関数パラメータ、及び前記動的制約を含む要素の組である動的制約パラメータリストを取り出すステップと、
前記動的制約パラメータリストを用いて、前記動的制約パラメータリストに前記第1の関数パラメータが存在するかどうかを探索することで、前記第1の関数パラメータが前記動的制約パラメータリスト内の前記動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定するステップと
を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記値域に基づいて前記第1の関数パラメータのプロンプトを提示するステップが、
前記第1の関数パラメータの前記値域をドロップダウンリスト又はプロンプト吹き出しに表示するステップ
を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記スプレッドシート内の前記関数の前記第1の関数パラメータを取得するステップが、
前記スプレッドシート内の前記第1の関数パラメータの入力を検出するステップ
を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
スプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する装置であって、
前記スプレッドシート内の関数の第1の関数パラメータを取得すべく構成された検出モジュールと、
前記第1の関数パラメータが動的制約ルール、すなわち前記第1の関数パラメータと前記関数の別の関数パラメータとの間に動的制約ルールが存在することを示す動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定すべく構成された判定モジュールと、
前記第1の関数パラメータが動的制約ルールに関連付けられている場合、前記動的制約ルールに基づいて前記第1の関数パラメータの値域を計算すべく構成された処理モジュールと、
前記値域に基づいて前記第1の関数パラメータのプロンプトを提示すべく構成されたプロンプトモジュールと
を含み、
前記処理モジュールが、
動的制約を介して前記第1の関数パラメータに関連付けられた、前記関数の第2の関数パラメータの値域を取得すべく構成された値取得サブモジュールと、
前記動的制約及び前記第2の関数パラメータの前記値域に基づいて前記第1の関数パラメータの前記値域を計算すべく構成された計算サブモジュールと
を含み、
前記動的制約は、複数の関数パラメータの値域間の関係であり、前記第2の関数パラメータは、前記第1の関数パラメータとの間に前記動的制約が存在する2つの関数パラメータである、
装置。
【請求項6】
前記判定モジュールが、
前記スプレッドシート用の動的制約パラメータリスト、すなわち関数パラメータ、動的制約を介して前記関数パラメータに関連付けられた別の関数パラメータ、及び前記動的制約を含む要素の組である動的制約パラメータリストを取り出すべく構成された取り出しサブモジュールと、
前記動的制約パラメータリストを用いて、前記動的制約パラメータリストに前記第1の関数パラメータが存在するかどうかを探索することで、前記第1の関数パラメータが前記動的制約パラメータリスト内の前記動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定すべく構成された判定サブモジュールと
を含んでいる、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記プロンプトモジュールが、
前記第1の関数パラメータの前記値域をドロップダウンリスト又はプロンプト吹き出しに表示すべく構成された表示サブモジュール
を含んでいる、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記検出モジュールが、
前記スプレッドシート内の前記第1の関数パラメータの入力を検出すべく構成された検出サブモジュール
を含んでいる、請求項に記載の装置。
【請求項9】
プロセッサ、通信インターフェース、メモリ及び通信バスを含む電子機器であって、前記プロセッサ、前記通信インターフェース及び前記メモリが前記通信バスを介して互いに通信し、
前記メモリがコンピュータプログラムを保存すべく構成されていて、
前記プロセッサが、前記メモリに保存された前記コンピュータプログラムを実行することにより、請求項1~のいずれか1項に記載の方法のステップを実行すべく構成されている電子機器。
【請求項10】
プロセッサにより起動されたならば、請求項1~のいずれか1項に記載の方法のステップを前記プロセッサに実行させるコンピュータプログラムを保存しているコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
起動されたならば、請求項1~のいずれか1項に記載の方法のステップを実行するアプリケーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年6月6日に中国国家知識産権局により出願された中国特許出願第201710418474.1号「Method and Apparatus for
Prompting Function Parameter in Spreadsheet, and Electronic Device」の優先権を主張するものであり、その全文を本明細書に引用している。
【0002】
本出願は、情報技術分野、特にスプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する方法、装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0003】
スプレッドシートにおいて、関数を用いてデータ処理を行う場合が多い。スプレッドシート内の関数は、主として関数本体(SUM、COUNT、VLOOOKUP等)及び1個以上の関数パラメータ(12、名前、B1:B9等)からなる。関数本体を用いて特定の動作ルールを示し、関数パラメータは動作ルールで用いるデータの指定に用いられる。スプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトにより、関数パラメータに期待される値をユーザーが入力することが極めて容易になる。
【0004】
スプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する既存の方法では、制約に関連付けられた関数パラメータ毎にリストが用意されており、リストは固定されている。関数パラメータに値を入力する際に、ユーザーに選択をプロンプトすべくリストが表示される。例えば、SUBTOTAL関数の第1のパラメータの任意選択リストは、AVERAGE、COUNT、COUNTA、MAX、MIN等の任意選択肢を含んでいる。図1に、従来技術による関数パラメータを静的にプロンプトする方法の模式図を示す。ユーザーは、対応するデータ処理用に、プロンプトされたリストの任意選択肢を選択することにより対応する関数パラメータの値を入力する。
【0005】
しかし、スプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する既存の方法では使用するリストは固定されている、すなわち各々の関数パラメータは静的制約に関連付けられている。スプレッドシートには多くの関数があり、関数のパラメータの制約は互いに異なる。動的制約に関連付けられた関数パラメータの場合、関数パラメータの値域は関数の別の関数パラメータの値に依存して決定されなければならない。静的制約に基づく関数パラメータの任意選択肢のリストを用いてユーザーにプロンプトする場合、ユーザーが関数パラメータに不適切な値を入力する恐れがある。例えば、関数VLOOKUPは、データアレイ内の所与の値を参照してアレイの他の列から対応する値を返す。VLOOKUP(lookup_value、table_array、col_index_num、range_lookup)関数は4個の関数パラメータを含み、第2の関数パラメータtable_arrayは値を探す範囲を示し、第3の関数パラメータcol_index_numは戻り値を含む範囲内の列の数を示す。ここで、第3の関数パラメータの値域は、第2の関数パラメータに基づいている。既存の方法で第3の関数パラメータのプロンプトとして固定値域を用いたならば、固定値域が第2の関数パラメータの値域を上回る恐れがある。この結果、プロンプトに従いユーザーから関数パラメータに不適切な値が与えられる恐れがあり、その結果誤った計算が行われる恐れがある。
【発明の概要】
【0006】
本出願の実施形態の目的は、ユーザーが関数パラメータの正しい値を素早く且つ正確に
入力できるようにして誤った数式の計算を回避する、スプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する方法、装置及び電子機器を提供する。具体的には、技術的解決策は以下の通りである。
【0007】
本出願の一実施形態は、スプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する方法を開示する。本方法は、
スプレッドシート内の関数の第1の関数パラメータを取得するステップと、
第1の関数パラメータが動的制約ルール、すなわち第1の関数パラメータと関数の別の関数パラメータとの間に動的制約が存在することを示す動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定するステップと、
第1の関数パラメータが動的制約ルールに関連付けられている場合、動的制約ルールに基づいて第1の関数パラメータの値域を計算するステップと、
値域に基づいて第1の関数パラメータのプロンプトを提示するステップとを含んでいる。
【0008】
任意選択的に、第1の関数パラメータが動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定するステップは、
スプレッドシート用の動的制約パラメータリスト、すなわち関数パラメータ、動的制約を介して関数パラメータに関連付けられた別の関数パラメータ、及び動的制約を含む要素の組である動的制約パラメータリストを取り出すステップと、
第1の関数パラメータが動的制約パラメータリスト内の動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定するステップとを含んでいる。
【0009】
任意選択的に、動的制約ルールに基づいて第1の関数パラメータの値域を計算するステップは、
動的制約を介して第1の関数パラメータに関連付けられた、関数の第2の関数パラメータの値域を取得するステップと、
動的制約及び第2の関数パラメータの値域に基づいて第1の関数パラメータの値域を計算するステップとを含んでいる。
【0010】
任意選択的に、値域に基づいて第1の関数パラメータのプロンプトを提示するステップは、
第1の関数パラメータの値域をドロップダウンリスト又はプロンプト吹き出しに表示するステップを含んでいる。
【0011】
任意選択的に、スプレッドシート内の関数の第1の関数パラメータを取得するステップは、
スプレッドシート内の第1の関数パラメータの入力を検出するステップを含んでいる。
【0012】
本出願の一実施形態はまた、スプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する装置を開示する。本装置は、
スプレッドシート内の関数の第1の関数パラメータを取得すべく構成された検出モジュールと、
第1の関数パラメータが動的制約ルール、すなわち第1の関数パラメータと関数の別の関数パラメータとの間に動的制約ルールが存在することを示す動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定すべく構成された判定モジュールと、
第1の関数パラメータが動的制約ルールに関連付けられている場合、動的制約ルールに基づいて第1の関数パラメータの値域を計算すべく構成された処理モジュールと、
値域に基づいて第1の関数パラメータのプロンプトを提示すべく構成されたプロンプトモジュールとを含んでいる。
【0013】
任意選択的に、判定モジュールは、
スプレッドシート用の動的制約パラメータリスト、すなわち関数パラメータ、動的制約を介して関数パラメータに関連付けられた別の関数パラメータ、及び動的制約を含む要素の組である動的制約パラメータリストを取り出すべく構成された取り出しサブモジュールと、
第1の関数パラメータが動的制約パラメータリスト内の動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定すべく構成された判定サブモジュールとを含んでいる。
【0014】
任意選択的に、処理モジュールは、
動的制約を介して第1の関数パラメータに関連付けられた、関数の第2の関数パラメータの値域を取得すべく構成された値取得サブモジュールと、
動的制約及び第2の関数パラメータの値域に基づいて第1の関数パラメータ値域を計算すべく構成された計算サブモジュールとを含んでいる。
【0015】
任意選択的に、プロンプトモジュールは、
第1の関数パラメータの値域をドロップダウンリスト又はプロンプト吹き出しに表示すべく構成された表示サブモジュールを含んでいる。
【0016】
任意選択的に、検出モジュールは、
スプレッドシート内の第1の関数パラメータの入力を検出すべく構成された検出サブモジュールを含んでいる。
【0017】
本出願の一実施形態は、プロセッサ、通信インターフェース、メモリ及び通信バスを含む電子機器を開示しており、プロセッサ、通信インターフェース及びメモリは通信バスを介して互いに通信し、
メモリはコンピュータプログラムを保存すべく構成されていて、
プロセッサは、メモリに保存されたプログラムを実行することにより、スプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する上述の方法のステップを実行すべく構成されている。
【0018】
本出願の一実施形態は、プロセッサにより起動されたならば、スプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する上述の方法のステップをプロセッサに実行させるコンピュータプログラムを保存しているコンピュータ可読記憶媒体を開示する。
【0019】
本出願の一実施形態はまた、起動されたならば、スプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する上述の方法のステップを実行するアプリケーションプログラムを開示する。
【0020】
スプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する方法及び装置、並びに電子機器の実施形態を本明細書に示す。実施形態は最初にスプレッドシート内の関数の第1の関数パラメータを取得し、次いで、第1の関数パラメータが動的制約ルール、すなわち第1の関数パラメータと関数の別の関数パラメータとの間に動的制約が存在することを示す動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定する。第1の関数パラメータに動的制約ルールが関連付けられている場合、実施形態は動的制約ルールに基づいて第1の関数パラメータの値域を計算し、値域に基づいて第1の関数パラメータのプロンプトを提示する。動的制約ルールに関連付けられた関数パラメータの値域は動的制約ルールに基づいて決定され、値域に基づいて関数パラメータのプロンプトが表示されるため、ユーザーが関数パラメータの正しい値を素早く且つ正確に入力することができ、関数パラメータの不適切な値に起因する誤った計算が回避されることが分かる。無論、本出願の実施形態を実行
する任意の製品又は方法では必ずしも上述の利点の全てを必要とする訳ではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本出願又は従来技術の実施形態の技術的解決策をより明快に記述すべく、実施形態及び従来技術で用いる図面について以下に簡潔に記述する。明らかに、後述する図面は、本出願のいくつかの実施形態だけを対象としている。当業者はまた、一切の創造的努力無しに本明細書に記述する図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0022】
図1】従来技術により関数パラメータを静的にプロンプトする方法の模式図である。
図2】本出願の一実施形態により提供するスプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する方法の模式的フロー図である。
図3】本出願の一実施形態により提供するスプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する方法の別の模式的フロー図である。
図4】本出願の一実施形態により提供するスプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する方法を用いた模式図である。
図5】本出願の一実施形態により提供するスプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する装置の模式的構造図である。
図6】本出願の一実施形態により提供する電子機器の模式的構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本出願の技術的解決策について、本出願の実施形態の図面を参照しながら明快且つ完全に詳述する。明らかに、記述する実施形態は、本出願全ての実施形態ではなく、実施形態のうちいくつかに過ぎない。当業者により一切の創造的努力無しに本明細書の実施形態に基づいて得られた他の任意の実施形態もまた本出願の権利保護の範囲内にある。
【0024】
スプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する既存方法において、全ての関数パラメータのプロンプトは静的である。すなわちプロンプト用リストの内容は不変であり、同一関数の他の関数パラメータの値等の他の要因の関数として変化しない。このため、結果的にユーザーから関数パラメータに不適切な入力がなされる可能性が高い。従って、ユーザーが関数パラメータの適切な内容を素早く且つ正確に入力し易くすべく関数パラメータのプロンプトを提供する方法を提供することが必要である。
【0025】
本発明の一実施形態により提供するスプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する方法は、コンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話等、スプレッドシートを表示可能な任意の電子機器に適用できるがこれらに限定されない。
【0026】
図2を参照するに、図2は、本出願の一実施形態により提供するスプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する方法の模式的フロー図であり、以下のステップを含んでいる。
【0027】
S201において、スプレッドシート内の関数の第1の関数パラメータを取得する。
【0028】
具体的には、スプレッドシート内の第1の関数パラメータの入力を検出することができる。第1の関数パラメータは、第1の関数パラメータのクリック又は入力等、第1の関数パラメータに対する動作を検出することにより取得される。ここで、第1の関数パラメータはスプレッドシート内の任意の関数パラメータであってよく、この名称は主として本出願における第2の関数パラメータと区別すべく用いられる。
【0029】
関数パラメータに対する動作がスプレッドシートで実行された場合、例えば関数パラメ
ータがクリック又は入力された場合、この関数パラメータは、第1の関数パラメータとして取得することができる。例えば、ユーザーがスプレッドシート内に関数パラメータの値を入力しているか又はユーザーが入力すべき関数パラメータのリストの関数パラメータをクリックした場合、この時点で関数パラメータを取得することができる。
【0030】
S202において、第1の関数パラメータが動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定する。動的制約ルールは、第1の関数パラメータを、第1の関数が属する関数の別の関数パラメータと関連付ける動的制約が存在するというものである。
【0031】
動的制約ルールは、関数の第1の関数パラメータと、関数の別の関数パラメータとの間に動的制約が存在することを示す。
【0032】
第1の関数パラメータが取得された場合、実施形態は、第1の関数パラメータが動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定することができる。第1の関数パラメータは、自身に動的制約ルールが関連付けられているか否かに応じて異なる仕方で処理される。実施形態は、関数パラメータに関してそのような判定を行う。これは動的制約ルールが関数パラメータに関連付けられているか否かに関する判定が行われず、且つ全ての関数パラメータは同様に処理される従来技術で関数パラメータのプロンプトを提供する方法とは全く異なる。動的制約ルールが関数パラメータに関連付けられているか否かを判定して関数パラメータを相応に処理することにより、関数パラメータの異なる値域がプロンプトとして表示されるため、関数パラメータとしてより正確な値を入力することができる。動的制約は関数パラメータの値域間の関係である。
【0033】
S203において、第1の関数パラメータが動的制約ルールに関連付けられている場合、動的制約ルールに基づいて第1の関数パラメータの値域を計算する。
【0034】
動的制約ルールが第1の関数パラメータに関連付けられている場合、第1の関数パラメータと、第1の関数パラメータが属する関数の別の関数パラメータとの間に動的制約が存在する。従って、第1の関数パラメータの値域が、動的制約を介して第1の関数パラメータに関連付けられた別の関数パラメータに基づいて計算される。動的制約ルールに応じて第1の関数パラメータの値域が決定されるため、第1の関数パラメータの値域の精度が大幅に向上する。ここで、関数パラメータの値域は、関数パラメータを選択できる値域を指す。例えば、VLOOKUP関数のパラメータcol_index_numの値域は関数パラメータの選択肢のリストの範囲である。
【0035】
S204において、値域に基づいて第1の関数パラメータのプロンプトを提示する。
【0036】
具体的には、関数パラメータに対応する位置で値域がドロップダウンリスト、水平ドロップダウンリスト又はプロンプト吹き出し等の形式で表示されてユーザーに関数パラメータプロンプトを提供する。従って第1の関数パラメータのプロンプトが実現される。
【0037】
すなわち、第1の関数パラメータの値域が取得された後で、値域を特定の形式で第1の関数パラメータに関する位置に表示することができ、例えば、値域をドロップダウンリスト、水平ドロップダウンリスト又はプロンプト吹き出し等の形式で表示してユーザーに関数パラメータのプロンプトを提供する。従って第1の関数パラメータのプロンプトが実現される。第1の関数パラメータの値域は第1の関数パラメータの最上部、最下部、左側又は右側に表示されても、又はスプレッドシート内の所定の位置に表示されてもよい。
【0038】
又、第1の関数パラメータの値域の表示により、ユーザーは表示された値域から第1の関数パラメータの値を直接選択することも、又は入力ボックス内で表示された値域の値を
入力することができる。関数パラメータのプロンプトの支援により、ユーザーからの関数パラメータの不適切な入力が回避される。
【0039】
本出願の実施形態により提供するスプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する方法において、スプレッドシート内の関数の第1の関数パラメータが取得される。次いで、第1の関数パラメータと関数の別の関数パラメータとの間に動的制約が存在することを示す動的制約ルールに第1の関数パラメータが関連付けられているか否かの判定が行われる。動的制約ルールが第1の関数パラメータに関連付けられている場合、動的制約ルールに基づいて第1の関数パラメータの値域が計算される。値域に基づいて第1の関数パラメータのプロンプトが提示される。動的制約ルールに関連付けられた関数パラメータの値域が動的制約ルールに基づいて決定されていて、値域に基づいて関数パラメータのプロンプトが提示されるため、ユーザーが関数パラメータの正しい値を素早く且つ正確に入力し易くなり、従って関数パラメータの不適切な入力値が回避されることが分かる。
【0040】
本出願の一実施形態において、動的制約ルールが第1の関数パラメータに関連付けられているか否かに関する判定は、
スプレッドシート用の動的制約パラメータリストを取り出し、動的制約パラメータリストが各々の動的制約に関連付けられた全ての関数パラメータ及び動的制約を含むステップと、第1の関数パラメータが、動的制約パラメータリストからの動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定するステップとを含んでいる。動的制約パラメータリストは、各々が関数パラメータ、動的制約を介して関数パラメータに関連付けられた別の関数パラメータ及び動的制約を含む要素の組である。
【0041】
具体的には、第1の関数パラメータが取得された場合、スプレッドシートの動的制約パラメータリストが最初に取り出されてよい。動的制約パラメータリストは予め設定されていてよく、関数パラメータ、動的制約を介して関数パラメータに関連付けられた別の関数パラメータ及び動的制約を含んでいる。
【0042】
例えば、VLOOKUP関数は、参照値、参照値を含むデータ範囲、戻り値を含む範囲内の列番号、及びマッチング条件の4個の関数パラメータを含んでいる。第3の関数パラメータ、すなわち列番号の値域は、第2の関数パラメータの値域、すなわちデータ範囲に基づいている。すなわち、第2の関数パラメータと第3の関数パラメータとの間に動的制約が存在する。従って、所定の動的制約パラメータリストは、列番号、データ範囲、及び列番号の値とデータ範囲の値との関係、すなわち両方の関数パラメータ間の動的制約を含む要素を含んでいてよい。
【0043】
一実施形態において、動的制約パラメータリストは、例えば、以下に示す表のように予め設定及び保存されていてよい。
【表1】
【0044】
関数パラメータa1~関数パラメータanは、上述の関数パラメータ、列番号等、スプレッドシート内に動的制約を有する関数パラメータである。関数パラメータb1~関数パラメータbnは、スプレッドシート用の動的制約を介して関数パラメータa1~関数パラメータanに関連付けられた関数パラメータである。動的制約パラメータリストにおいて、同一行の関数制約1と関数パラメータ2との間に動的制約が存在する。例えば、関数パラメータa1が列番号である場合、関数パラメータb1はデータ範囲である。表の第1行の動的制約は、関数パラメータ1と関数パラメータ2との間の動的制約である。
【0045】
動的制約パラメータリストを用いて、第1の関数パラメータが動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定することができる。第1の関数パラメータを求めて動的制約パラメータリストを探索することができる。動的制約パラメータリストに第1の関数パラメータが存在することは、第1の関数パラメータが動的制約ルールに関連付けられていることを意味する。
【0046】
再び上述の表を例に挙げれば、第1の関数パラメータが関数パラメータa1~関数パラメータanのうち1個である場合、第1の関数パラメータに関連付けられた動的制約ルールが存在する。関数パラメータa1~関数パラメータanに第1の関数パラメータが存在しない場合、第1の関数パラメータに動的制約ルールが関連付けられていない。
【0047】
本出願の一実施形態において、動的制約ルールに基づく第1の関数パラメータの値域の計算は、
第1の関数パラメータ、及び同一関数の動的制約を介して第1の関数パラメータに関連付けられた第2の関数パラメータを取得して、第1の関数パラメータの値域を取得するステップを含んでいる。
【0048】
すなわち、動的制約を介して第1の関数パラメータに関連付けられた第2の関数パラメータの値域が取得され、動的制約及び第2のパラメータの値域に基づいて第1の関数パラメータの値域が計算される。
【0049】
具体的には、動的制約ルールに関連付けられた第1の関数パラメータに対して、動的制約を介して第1の関数パラメータに関連付けられた第2の関数パラメータを動的制約パラメータリストから照会することができる。第2の関数パラメータは、第1の関数パラメータが属する関数の動的制約を介して第1の関数パラメータに関連付けられた関数パラメータである。第2の関数パラメータは、動的制約を介して第1の関数パラメータに関連付けられた全ての関数パラメータを含んでいてよい。例えば、VLOOKUP関数の第2の関数パラメータ及び第3の関数パラメータ、すなわちデータ範囲及び列番号は、動的制約を介して互いに関連付けられていて、列番号を第1の関数パラメータとすれば、対応する第2の関数パラメータとしてデータ範囲が採用される。
【0050】
具体的には、第1の関数パラメータの値域は、動的制約を介して第1の関数パラメータに関連付けられた第2の関数パラメータの値域に基づいている。従って、最初に第2の関数パラメータの値域が動的制約ルールに基づいて計算され、次いで第1の関数パラメータの値域が第2の関数パラメータの値域に基づいて決定される。
【0051】
すなわち、第1の関数パラメータの値域は、動的制約を介して第1の関数パラメータに関連付けられた第2の関数パラメータの値域に基づいて決定される。すなわち、第1の関数パラメータの値域は、動的制約を介して第1の関数パラメータに関連付けられた第2の関数パラメータの値域に依存する。従って、第1の関数パラメータに関連付けられた第2の関数パラメータを動的制約パラメータリストから決定した後で、最初に第2の関数パラ
メータの値域を取得することができる。第1の関数パラメータの値域は、第2の関数パラメータの値域、及び第1の関数パラメータと第2の関数パラメータとの間の動的制約に基づいて決定することができる。
【0052】
第1の関数パラメータを取得する場合、動的制約を介して第1の関数パラメータに関連付けられた第2の関数パラメータの値は一般にスプレッドシートに入力されている。すなわち、第2の関数パラメータの値は決定されている。従って、スプレッドシート内の第2の関数パラメータの決定された値域を取得することができる。例えば、スプレッドシートに入力されている第2の関数パラメータの値がA1:D3である、すなわち第1列及び第1行から第4列及び第3行までの矩形領域内の全てのセルを表す場合、第2の関数パラメータの値域をA1:D3として取得することができる。
【0053】
上述のように、第2の関数パラメータの値域が取得された後で、第1の関数パラメータの値域を動的制約及び第2の関数パラメータの値域に基づいて計算することができる。動的制約が第1の関数パラメータの値域と第2の関数パラメータの値域との関係を示すため、第1の関数パラメータの値域を動的制約及び第2の関数パラメータの値域から計算することができる。
【0054】
第1の関数パラメータの値域が、スプレッドシート内のセルの任意の可能な範囲ではなく、動的制約を介して第1の関数パラメータに関連付けられた第2の関数パラメータの値域に基づいて決定されることが分かる。これにより、関数パラメータの値域の精度が大幅に向上する。
【0055】
本出願の一実施形態において、値域に基づいて第1の関数パラメータのプロンプトを提示するステップは、
第1の関数パラメータの値域をドロップダウンリスト又はプロンプト吹き出しに表示して表示結果を取得するステップ、すなわち表示結果に基づいて第1の関数パラメータをプロンプトするステップを含んでいる。第1の関数パラメータの値域はドロップダウンリスト又はプロンプト吹き出しに表示される。
【0056】
具体的には、第1の関数パラメータの値域が取得された後で、値域を第1の関数パラメータに対応する位置に表示できるため、ユーザーが第1の関数パラメータを入力しようとする際に、関数パラメータのプロンプトがユーザーに提供される。ここで、第1の関数パラメータの値域をドロップダウンリストに表示することができる。ユーザーは、ドロップダウンリストから関数パラメータの所望の値を入力として選択する、又はドロップダウンリストに示された値域に基づいて第1の関数パラメータの値を入力することができる。これによりユーザーからの関数パラメータの値の素早く且つ正確な入力が容易になり、不適切な値の入力を回避して関数又は数式の誤った計算を回避することができる。
【0057】
図3を参照するに、本出願の一実施形態により提供するスプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する以下のステップを含む方法の別の概略フロー図を図3に示す。
【0058】
本方法はS301から開始される。
【0059】
S302において、カーソルを数式内のパラメータの位置に合わせる。すなわち、カーソルは関数の関数パラメータの位置に置かれる。
【0060】
ここで、カーソルを数式のパラメータの位置に置く、すなわち関数パラメータを入力する際に、システムは、関数パラメータがスプレッドシートに入力中であることを検知する
。すなわち、ユーザーがカーソルを関数の特定の関数パラメータの位置に置く場合、ユーザーは関数パラメータの値を入力しようとしている。この時点でスプレッドシート内の関数パラメータを取得することができる。
【0061】
S303において、動的制約ルールが関数パラメータに関連付けられているか否かを判定する。
【0062】
上述の実行において、関数パラメータが動的制約ルールに関連付けられているか否かの判定が行われる。関数パラメータに関連付けられた動的制約ルールが存在する場合、本方法はS304へ進む。さもなければ、本方法はS307へ進み、そこで本方法は終了する。すなわち、動的制約ルールに関連付けられていない関数パラメータに対してステップS304は実行されないが、従来技術と同様に処理される。実施形態は、そのような判定を関数パラメータに関して行う。これは、関数パラメータに関連付けられた動的制約ルールが存在するか否かの判定が行われず、全ての関数パラメータが同様に処理される従来技術による関数パラメータのプロンプト提供方法とは全く異なる。動的制約ルールが関数パラメータに関連付けられているか否かを判定して関数パラメータを相応に処理することにより、関数パラメータの異なる値域がプロンプトとして表示されるため、より正確な値を関数パラメータとして入力することができる。
【0063】
S304において、関数パラメータに関連付けられた動的制約ルールを読み込む。
【0064】
ここで、動的制約ルールに関連付けられた関数パラメータに対して、動的制約ルールが読み込まれる。動的制約ルールは、ある関数の関数パラメータとこの関数の別の関数パラメータ又はパラメータ群との間に動的制約が存在することを示す。従って、動的制約を介して関数パラメータに関連付けられた関数の他の関数パラメータ又はパラメータ群が取得される。換言すれば、関数パラメータに関連付けられた動的制約ルールが読み込まれる。動的制約ルールは、関数パラメータと、関数パラメータが属する関数の別の関数パラメータ又はパラメータ群との間に動的制約が存在することを示す。従って動的制約を介して関数パラメータに関連付けられた他の関数パラメータ又はパラメータ群を取得することができる。
【0065】
ここで、関数パラメータに関連付けられた動的制約ルールを読み込むステップは、この関数パラメータと取得された関数パラメータとの間に動的制約が存在する場合に別の関数パラメータを決定すること、及びこれらの関数パラメータ間の動的制約を決定することと理解してよい。例えば、取得された関数パラメータに動的制約を介して関連付けられた関数パラメータを上述の動的制約パラメータリストから照会して、取得された関数パラメータと照会された関数パラメータとの間の動的制約を決定することができる。
【0066】
S305において、動的制約ルールに基づいて関数パラメータの値域を計算する。
【0067】
ここで、関数パラメータと別の関数パラメータとの間に動的制約が存在するため、関数パラメータの値域を他の関数パラメータの値域から計算することができ、関数パラメータの値域の精度が大幅に向上する。
【0068】
S306において、関数パラメータの値域を特定の形式で表示する。
【0069】
関数パラメータの値域が取得された後で、値域を関数パラメータに対応する位置に表示することができるため、ユーザーが関数パラメータの値を入力する場合、ユーザーに関数パラメータの値域のプロンプトを提供することができる。ここで、関数パラメータの値域は、ドロップダウンリスト又はプロンプト吹き出しに表示することができる。ユーザーは
、ドロップダウンリスト又はプロンプト吹き出しから関数パラメータの所望の値を入力として選択するか、又はドロップダウンリスト又はプロンプト吹き出しに表示された値域に基づいて関数パラメータの値を入力することができる。
【0070】
本方法はS307で終了する。
【0071】
本出願の実施形態により提供するスプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する方法において、動的制約ルールに関連付けられた関数パラメータの値域が動的制約ルールに基づいて決定され、値域に基づいて関数パラメータのプロンプトが表示されるため、ユーザーが関数パラメータの正しい値を素早く且つ正確に入力し易くなり、従って関数パラメータの不適切な入力値が回避されることが分かる。
【0072】
図4に、本出願が提供する実施形態の特定の適用を示す。図4は、本出願の実施形態により提供するスプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する方法の適用の模式図である。図4に、VLOOKUP関数の関数パラメータlookup_value、table_array、col_index_num、[match_condition]を示す。第3の関数パラメータcol_index_numの値域は、第2の関数パラメータtable_arrayの値域に依存する。換言すれば、第2の関数パラメータと第3の関数パラメータとの間に動的制約が存在する。スプレッドシート内の第2の関数パラメータにより示す参照値を含む参照対象が取得される。図4のシンボルaで示すように、参照対象は第1列に従業員ID、第2列に氏名、第3列に職位、及び第4列に第2の関数パラメータの値である職級を含んでいる。従って、第3の関数パラメータcol_index_numの値のリストの範囲は、各々従業員ID、氏名、職位及び職級に対応する第1列、第2列、第3列及び第4列の範囲内にある。すなわち、第3の関数パラメータcol_index_numの値域は(従業員ID、氏名、職位、職級)である。col_index_numの値域(従業員ID、氏名、職位、職級)は、関数パラメータcol_index_numに対応する位置でドロップダウンリストに表示される。図4のシンボルbで示すように、ユーザーは関数パラメータの所望の値をドロップダウンリストから入力として選択することも、又は表示されたドロップダウンリストの値域を参照することにより関数パラメータの値を入力することができる。ここで、同図の第3の関数パラメータは本出願の実施形態により提供するスプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する方法の第1の関数パラメータに対応し、同図の第2の関数パラメータは本出願の実施形態により提供するスプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する方法の第2の関数パラメータに対応している。
【0073】
図5を参照するに、図5は、本出願の実施形態により提供するスプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する装置の模式的構造図を示す。本装置は、以下のモジュール、すなわち
スプレッドシート内の関数の第1の関数パラメータを取得すべく構成された検出モジュール501と、
第1の関数パラメータが動的制約ルール、すなわち第1の関数パラメータと関数の別の関数パラメータとの間に動的制約が存在することを示す動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定すべく構成された判定モジュール502と、
第1の関数パラメータが動的制約ルールに関連付けられている場合、動的制約ルールに基づいて第1の関数パラメータの値域を計算すべく構成された処理モジュール503と、
値域に基づいて第1の関数パラメータのプロンプトを提示すべく構成されたプロンプトモジュール504とを含んでいる。
【0074】
更に、判定モジュール502は、
スプレッドシート用の動的制約パラメータリスト、すなわち関数パラメータ、動的制約
を介して関数パラメータに関連付けられた別の関数パラメータ、及び動的制約を含む要素の組である動的制約パラメータリストを取り出すべく構成された取り出しサブモジュールと、
第1の関数パラメータが動的制約パラメータリスト内の動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定すべく構成された判定サブモジュールとを含んでいる。
【0075】
更に、処理モジュール503は、
動的制約を介して第1の関数パラメータに関連付けられた、関数の第2の関数パラメータの値域を取得すべく構成された値取得サブモジュールと、
動的制約及び第2の関数パラメータの値域に基づいて第1の関数パラメータの値域を計算すべく構成された計算サブモジュールとを含んでいる。
【0076】
更に、プロンプトモジュール504は、
第1の関数パラメータの値域をドロップダウンリスト又はプロンプト吹き出しに表示すべく構成された表示サブモジュールを含んでいる。
【0077】
更に、検出モジュール501は、
スプレッドシート内の第1の関数パラメータの入力を検出すべく構成された検出サブモジュールを含んでいる。
【0078】
以上から分かるように、本出願の実施形態により提供するスプレッドシート内の関数パラメータのプロンプトを提供する装置は最初に、検出モジュールにより、スプレッドシート内の関数の第1の関数パラメータを取得する。本装置は次いで、判定モジュールにより、第1の関数パラメータが、第1の関数パラメータと関数の別の関数パラメータとの間に動的制約が存在することを示す動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定する。第1の関数パラメータが動的制約ルールに関連付けられている場合、本装置は、処理モジュールにより、動的制約ルールに基づいて第1の関数パラメータの値域を計算する。本装置は、表示モジュールにより、値域に基づいて第1の関数パラメータのプロンプトを提示する。動的制約ルールに関連付けられた関数パラメータの値域が動的制約ルールに基づいて決定され、値域に基づいて関数パラメータのプロンプトが提示されるため、ユーザーが関数パラメータの正しい値を素早く且つ正確に入力し易くなり、従って関数パラメータの不適切な入力値が回避され、数式の誤った計算が回避されることが分かる。
【0079】
本出願の一実施形態は電子機器を提供する。図6に示すように、電子機器はプロセッサ601、通信インターフェース602、メモリ603及び通信バス604を含んでいる。プロセッサ601、通信インターフェース602及びメモリ603は通信バス604を介して互いに通信する。
【0080】
メモリ603はコンピュータプログラムを保存すべく構成されている。
【0081】
プロセッサ601は、
スプレッドシート内の関数の第1の関数パラメータを取得するステップと、
第1の関数パラメータが動的制約ルール、すなわち第1の関数パラメータと関数の別の関数パラメータとの間に動的制約が存在することを示す動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定するステップと、
第1の関数パラメータが動的制約ルールに関連付けられている場合、動的制約ルールに基づいて第1の関数パラメータの値域を計算するステップと、
値域に基づいて第1の関数パラメータのプロンプトを提示するステップとを実行すべくメモリ603に保存されたプログラムを実行すべく構成されている。
【0082】
以上から分かるように、本出願の実施形態により提供する解決策において、電子機器は最初にスプレッドシート内の関数の第1の関数パラメータを取得する。電子機器は次いで、第1の関数パラメータが、同一関数の第1の関数パラメータと別の関数パラメータとの間に動的制約が存在することを示す動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定する。第1の関数パラメータに関連付けられた動的制約ルールが存在する場合、電子機器は動的制約ルールに基づいて第1の関数パラメータの値域を計算し、値域に基づいて第1の関数パラメータのプロンプトを提示する。動的制約ルールに関連付けられた関数パラメータの値域が動的制約ルールに基づいて決定され、値域に基づいて関数パラメータのプロンプトが提示されるため、ユーザーが関数パラメータの正しい値を素早く且つ正確に入力し易くなり、従って関数パラメータの不適切な入力値が回避されることが分かる。
【0083】
電子機器の通信バスは、周辺要素相互接続(PCI)バス、拡張業界標準アーキテクチャ(EISA)バス等であってよい。通信バスは、アドレスバス、データバス、制御バス等を含んでいてよい。簡潔のため1本の太線だけを図示しているが、1本の通信バス又は1種類の通信バスしか存在しないことを意味している訳ではない。
【0084】
通信インターフェースは、電子機器と他の機器との間の通信を容易にすべく構成されている。
【0085】
第1の関数パラメータが動的制約ルールに関連付けられているか否かの判定は、
スプレッドシート用の動的制約パラメータリスト、すなわち関数パラメータ、動的制約を介して関数パラメータに関連付けられた別の関数パラメータ、及び動的制約を含む要素の組である動的制約パラメータリストを取り出すステップと、
第1の関数パラメータが動的制約パラメータリスト内の動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定するステップとを含んでいる。
【0086】
動的制約ルールに基づく第1の関数パラメータの値域の計算は、
動的制約を介して第1の関数パラメータに関連付けられた、関数の第2の関数パラメータの値域を取得するステップと、
動的制約及び第2の関数パラメータの値域に基づいて第1の関数パラメータの値域を計算するステップとを含んでいる。
【0087】
値域に基づく第1の関数パラメータのプロンプトの提示は、
第1の関数パラメータの値域をドロップダウンリスト又はプロンプト吹き出しに表示するステップを含んでいる。
【0088】
スプレッドシート内の関数の第1の関数パラメータの取得は、スプレッドシート内の第1の関数パラメータの入力を検出するステップを含んでいる。
【0089】
本出願の一実施形態は更に、プロセッサにより起動されたならば、
スプレッドシート内の関数の第1の関数パラメータを取得するステップと、
第1の関数パラメータが動的制約ルール、すなわち第1の関数パラメータと関数の別の関数パラメータとの間に動的制約が存在することを示す動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定するステップと、
第1の関数パラメータが動的制約ルールに関連付けられている場合、動的制約ルールに基づいて第1の関数パラメータの値域を計算するステップと、
値域に基づいて第1の関数パラメータのプロンプトを提示するステップとを含むステップをプロセッサに実行させるコンピュータプログラムを保存しているコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0090】
本出願の実施形態により提供する解決策において、コンピュータプログラムは、プロセッサにより起動されたならば、プロセッサに最初にスプレッドシート内の関数の第1の関数パラメータを取得させ、次いで、第1の関数パラメータが動的制約ルール、すなわち同一関数の第1の関数パラメータと別の関数パラメータとの間に動的制約が存在することを示す動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定することが分かる。第1の関数パラメータに関連付けられた動的制約ルールが存在する場合、動的制約ルールに基づいて第1の関数パラメータの値域が計算され、値域に基づいて第1の関数パラメータのプロンプトが提示される。動的制約ルールに関連付けられた関数パラメータの値域が動的制約ルールに基づいて決定され、値域に基づいて関数パラメータのプロンプトが提示されるため、ユーザーが関数パラメータの正しい値を素早く且つ正確に入力し易くなり、従って関数パラメータの不適切な入力値が回避されることが分かる。
【0091】
メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含んでいてよく、又は不揮発性メモリ(NVM)、例えば少なくとも1個のディスクメモリを含んでいてよい。任意選択的に、メモリはまた、上述のプロセッサから離れて配置された少なくとも1個のストレージであってよい。
【0092】
プロセッサは、中央演算処理装置(CPU)、ネットワーク・プロセッサ(NP)等の汎用プロセッサであってよい。プロセッサはまた、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラム可能論理素子、離散ゲート又はトランジスタ論理素子、離散ハードウェア要素であってよい。
【0093】
第1の関数パラメータが動的制約ルールに関連付けられているか否かの判定は、
スプレッドシート用の動的制約パラメータリスト、すなわち関数パラメータ、動的制約を介して関数パラメータに関連付けられた別の関数パラメータ、及び動的制約を含む要素の組である動的制約パラメータリストを取り出すステップと、
第1の関数パラメータが動的制約パラメータリスト内の動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定するステップとを含んでいる。
【0094】
動的制約ルールに基づく第1の関数パラメータの値域の計算は、
動的制約を介して第1の関数パラメータに関連付けられた、関数の第2の関数パラメータの値域を取得するステップと、
動的制約及び第2の関数パラメータの値域に基づいて第1の関数パラメータの値域を計算するステップとを含んでいる。
【0095】
値域に基づく第1の関数パラメータのプロンプトの提示は、
第1の関数パラメータの値域をドロップダウンリスト又はプロンプト吹き出しに表示するステップを含んでいる。
【0096】
スプレッドシート内の関数の第1の関数パラメータを取得するステップは、
スプレッドシート内の第1の関数パラメータの入力を検出するステップを含んでいる。
【0097】
本発明の一実施形態は更に、プロセッサにより起動されたならば、
スプレッドシート内の関数の第1の関数パラメータを取得するステップと、
第1の関数パラメータが動的制約ルール、すなわち第1の関数パラメータと関数の別の関数パラメータとの間に動的制約が存在することを示す動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定するステップと、
第1の関数パラメータが動的制約ルールに関連付けられている場合、動的制約ルールに基づいて第1の関数パラメータの値域を計算するステップと、
値域に基づいて第1の関数パラメータのプロンプトを提示するステップとを含むステップをプロセッサに実行させるアプリケーションプログラムを提供する。
【0098】
本出願の実施形態により提供する解決策において、アプリケーションプログラムは、プロセッサにより起動されたならば、プロセッサに最初にスプレッドシート内の関数の第1の関数パラメータを取得させ、次いで、第1の関数パラメータが動的制約ルール、すなわち第1の関数パラメータが属する同一関数の第1の関数パラメータと別の関数パラメータとの間に動的制約が存在することを示す動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定することが分かる。第1の関数パラメータに関連付けられた動的制約ルールが存在する場合、動的制約ルールに基づいて第1の関数パラメータの値域をプロセッサに計算させ、値域に基づいて第1の関数パラメータのプロンプトを提示させる。動的制約ルールに関連付けられた関数パラメータの値域が動的制約ルールに基づいて決定され、値域に基づいて関数パラメータのプロンプトが提示されるため、ユーザーが関数パラメータの正しい値を素早く且つ正確に入力し易くなり、従って関数パラメータの不適切な入力値が回避されることが分かる。
【0099】
第1の関数パラメータが動的制約ルールに関連付けられているか否かの判定は、
スプレッドシート用の動的制約パラメータリスト、すなわち関数パラメータ、動的制約を介して関数パラメータに関連付けられた別の関数パラメータ、及び動的制約を含む要素の組である動的制約パラメータリストを取り出すステップと、
第1の関数パラメータが動的制約パラメータリスト内の動的制約ルールに関連付けられているか否かを判定するステップとを含んでいる。
【0100】
動的制約ルールに基づく第1の関数パラメータの値域の計算は、
動的制約を介して第1の関数パラメータに関連付けられた、関数の第2の関数パラメータの値域を取得するステップと、
動的制約及び第2の関数パラメータの値域に基づいて第1の関数パラメータの値域を計算するステップとを含んでいる。
【0101】
値域に基づく第1の関数パラメータのプロンプトの提示は、
第1の関数パラメータの値域をドロップダウンリスト又はプロンプト吹き出しに表示するステップを含んでいる。
【0102】
スプレッドシート内の関数の第1の関数パラメータを取得するステップは、
スプレッドシート内の第1の関数パラメータの入力を検出するステップを含んでいる。
【0103】
装置、電子機器、アプリケーションプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体の実施形態について本方法の実施形態との類似性の観点から簡潔に記述してきた。関連する詳細事項については本方法の実施形態の記述を参照して知ることができる。
【0104】
本明細書における「第1」、「第2」等、関係性を示す用語は、ある対象又は動作を他の対象又は動作と区別するためにだけ用いられており、必ずしもこれらの対象又は動作同士に実際の関係又は順序が存在することを要求又示唆している訳ではない点に更に注意されたい。更に、用語「含む」、「包含する」又はこれらの他の任意の変化形は、一連の要素を含む処理、方法、物品又は機器が、列挙されたそれらの要素だけでなく、特に列挙されていない要素、又はこれらの処理、方法、物品又は機器に固有の要素をも含むように非排他的包含をカバーすべく意図されている。更なる限定無しに、「~を包含する」又は「~を含む」等の語句により定義される要素は、列挙された要素を含む、処理、方法、物品又は機器に追加された同一要素を排除しない。
【0105】
上述の実施形態は全て相互に関連して記述されており、各実施形態における同一又は類似部分が相互に言及される場合がある。又、各実施形態の記述は他の実施形態との差異に焦点を当てている。特に、装置、電子機器及びコンピュータ可読記憶媒体の実施形態を簡潔に記述してきたが、その理由は本方法の実施形態とほぼ同様であり、且つ関連する内容については本方法の実施形態の記述を参照できるためである。
【0106】
上述の実施形態は、単に本出願の好適な実施形態に過ぎず、本出願の権利保護範囲の限定を意図していない。本出願の趣旨及び原理の範囲内のあらゆる変更、代替、改良等は本出願の権利保護範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6