(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】電気経路を備えたパッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 25/065 20060101AFI20220823BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20220823BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20220823BHJP
H05K 1/03 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
H01L25/08 E
H05K1/03 630E
H05K1/03 630G
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020049556
(22)【出願日】2020-03-19
【審査請求日】2020-05-18
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517338467
【氏名又は名称】アナログ・ディヴァイシス・インターナショナル・アンリミテッド・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・アハーン
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・クラフト
【審査官】多賀 和宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-009197(JP,A)
【文献】特開平08-330474(JP,A)
【文献】特開平11-176987(JP,A)
【文献】特開平11-067958(JP,A)
【文献】特開2016-115727(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 25/04-25/18
H05K 1/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層基板であって、
第1の端子および第2の端子を有する第1の層であって、前記第1の層が、第1の側部及び前記第1の側部とは異なる第2の側部を含む複数の側部を有する水平主面を有し、前記第1の端子が前記第1の側部に配置され、前記第2の端子が前記第2の側部に配置される、第1の層と、
伝導性要素を有する第2の層と、
前記第1の端子を前記伝導性要素に電気的に接続する第1のビアと、
前記第2の端子を前記伝導性要素に電気的に接続して、前記積層基板内で前記第1の端子と前記第2の端子を電気的に結合する第2のビアと、を含む積層基板と、
前記積層基板に、取り付けられ、電気的に接続されるダイと、を備え、前記ダイが前記積層基板を通して前記第1の端子に電気的に接続
され、
前記第1の層が、第3の端子および第4の端子を備え、前記第2の層が、第2の伝導性要素を備え、前記第1および第2の端子が、前記第2の層の前記伝導性要素を通じて電気的に結合され、前記第3および第4の端子が、前記第2の層の前記第2の伝導性要素を通じて電気的に結合され、前記第1および第2の端子からは絶縁されている、集積デバイスパッケージ。
【請求項2】
前記積層基板が、前記第1の端子に電気的に結合されるパッドを有する最上層をさらに備え、前記パッドが、前記ダイに電気的に接続される、請求項1に記載の集積デバイスパッケージ。
【請求項3】
前記第2の層の前記伝導性要素が、金属トレースを備えた、請求項1に記載の集積デバイスパッケージ。
【請求項4】
前記第2の層の前記伝導性要素が、金属板である、請求項1に記載の集積デバイスパッケージ。
【請求項5】
前記積層基板が、第2の伝導性要素を備えた第3の層をさらに備えた、請求項1に記載の集積デバイスパッケージ。
【請求項6】
前記第1の層が、第1の伝導性プレートを備えた、請求項1に記載の集積デバイスパッケージ。
【請求項7】
前記第1の伝導性プレートが、熱伝導性パドルを備えた、請求項6に記載の集積デバイスパッケージ。
【請求項8】
前記熱伝導性パドルが、前記積層基板の底面に露出し、前記底面が、前記積層基板の最上面に対向し、前記ダイが、前記最上面に取り付けられる、請求項7に記載の集積デバイスパッケージ。
【請求項9】
前記第1の端子が、ジャンパーを通じて別の集積デバイスパッケージの端子に接続され、それにより、前記他のパッケージの前記端子、前記第1の端子、および前記第2の端子が電気的に結合され、前記ジャンパーが表面トレースを備える、請求項1に記載の集積デバイスパッケージ。
【請求項10】
前記ダイが、スイッチダイを備える、請求項1に記載の集積デバイスパッケージ。
【請求項11】
前記スイッチダイが、クワッド単極単投(SPST)ダイを備える、
請求項10に記載の集積デバイスパッケージ。
【請求項12】
前記ダイが第1のダイであって、前記集積デバイスパッケージが、前記第1のダイ上に配置された第2のダイおよび前記第1のダイと前記第2のダイの間に配置された第3のダイをさらに備え、前記第2のダイが、前記第1のダイを制御するように構成されたコントローラを備え、前記コントローラが、シリアルパラレルインターフェース(SPI)コンバータを備え、前記第3のダイが、第2のクワッドSPSTダイを備え、前記第2のダイが、前記第3のダイを制御するように構成されている、
請求項11に記載の集積デバイスパッケージ。
【請求項13】
第1の端子および第2の端子を有する第1の層であって、前記第1の層が、第1の側部及び前記第1の側部とは異なる第2の側部を含む複数の側部を有する水平主面を有し、前記第1の端子が前記第1の側部に配置され、前記第2の端子が前記第2の側部に配置される、第1の層と、
伝導性要素を有する第2の層と、
集積デバイスダイに接続するように構成されたパッドを有する第3の層と、
前記第1の端子を前記伝導性要素に電気的に接続する第1のビアと、
前記第2の端子を前記伝導性要素に電気的に接続する第2のビアと、を
備え、
前記第1の層が、第3の端子および第4の端子を備え、前記第2の層が、第2の伝導性要素を備え、前記第1および第2の端子が、前記第2の層の前記伝導性要素を通じて電気的に結合され、前記第3および第4の端子が、前記第2の層の前記第2の伝導性要素を通じて電気的に結合され、前記第1および第2の端子からは絶縁されている、積層基板。
【請求項14】
前記第2の層の前記伝導性要素が、金属トレースを備える、
請求項13に記載の積層基板。
【請求項15】
前記第3の層が第2の伝導性要素を有する、
請求項13に記載の積層基板。
【請求項16】
最上面および前記最上面の反対側の底面を有する積層基板であって、
前記底面上の第1の端子および第2の端子であって、前記底面が、第1の側部及び前記第1の側部とは異なる第2の側部を含む複数の側部を有し、前記第1の端子が前記第1の側部に配置され、前記第2の端子が前記第2の側部に配置される、第1の端子および第2の端子と、
前記最上面上のパッドと、
前記第1の端子と前記第2の端子を電気的に結合するための電気経路と、を含む積層基板と、
前記積層基板の最上面上の前記パッドに電気的に接続されるダイと、を備え、前記ダイが前記積層基板を通して前記第1の端子に電気的に接続
され、
前記底面が、第3の端子および第4の端子を備え、前記第1および第2の端子が、前記電気経路を通じて電気的に結合され、前記第3および第4の端子が、前記電気経路と同じ層に配置された別の電気経路を通じて電気的に結合され、前記第1および第2の端子からは絶縁されている、集積デバイスパッケージ。
【請求項17】
前記電気経路が、第1のビアと、前記第1のビアおよび前記第1の端子に電気的に結合された伝導性要素とを含み、それにより、前記伝導性要素と前記第1の端子が、第1のビアを経由して電気的に接続される、
請求項16に記載の集積デバイスパッケージ。
【請求項18】
前記電気経路が、前記伝導性要素と前記第2の端子とを電気的に接続する第2のビアをさらに備える、
請求項17に記載の集積デバイスパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、2019年3月22日に提出された「PACKAGE WITH ELECTRIC PATHWAY」と題する米国仮出願第62/822,689の利益を主張し、その開示全体が、あらゆる目的のために参照により、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、パッケージに関し、特に、電気経路を備えたパッケージに関する。
【背景技術】
【0003】
デバイスまたはパッケージには、基板に取り付けられたダイを含めることができる。デバイスまたはパッケージは、より大きな電子システムに接続するために、例えば、プリント回路基板(PCB)を備えることができるシステムボードまたはマザーボードに取り付けることができる。複数のデバイスまたはパッケージがシステムボードに取り付けられている場合、システムボード内またはシステムボード上のトレースを通じて複数のデバイスまたはパッケージを接続できる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示を要約する目的で、本発明の特定の態様、利点、および新規な特徴が本明細書に記載されている。任意の特定の実施形態に従って、必ずしもそのような利点のすべてを達成できるわけではないことを理解されたい。したがって、本明細書に記載される発明は、本明細書で教示または示唆され得る他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示される1つの利点または利点群を達成または最適化する方法で実施または実行することができる。
【0005】
一態様では、集積デバイスパッケージが開示される。集積デバイスパッケージには、積層基板が含まれている。積層基板は、第1の端子および第2の端子を有する第1の層と、伝導性要素を有する第2の層と、第1の端子を伝導性要素に電気的に接続する第1のビアと、第2の端子を伝導性要素に電気的に接続して、積層基板内で第1の端子と第2の端子を電気的に結合する第2のビアと、を含む。集積デバイスパッケージは、積層基板に、取り付けられ、電気的に接続されるダイも含む。
【0006】
一実施形態では、積層板は、第1の端子に電気的に結合されたパッドを有する最上層をさらに含み、パッドはダイに電気的に接続される。
【0007】
一実施形態では、第2の層の伝導性要素は、金属トレースを含む。
【0008】
一実施形態では、第2の層の伝導性要素は、金属板である。
【0009】
一実施形態では、積層板は、第2の伝導性要素を含む第3の層をさらに含む。
【0010】
一実施形態では、第1の層は、第1の伝導性プレートを備える。積層基板は、第2の伝導性プレートを有する第3の層を含むことができる。第2の伝導性プレートは、第1の伝導性プレートに熱的に結合することができる。第1の伝導性プレートは、熱伝導性パドルを含むことができる。熱伝導性パドルは、積層基板の底面に露出させることができる。底面は積層基板の最上面の反対側にあり、ダイは最上面上に取り付けられている。積層基板は、ダイと積層基板の第2の層との間に配置されている第2の伝導性プレートを備える。第2の伝導性プレートは、第1の伝導性プレートに電気的に結合することができる。
【0011】
一実施形態では、第1の層は第3の端子および第4の端子を含み、第2の層は第2の伝導性要素を含み、第3の端子と第4の端子は第2の伝導性要素を通じて電気的に結合されている。
【0012】
一実施形態では、第1の層は、第3の端子および第4の端子を含む。第1、第2、第3、および第4の端子は、第2層の伝導性要素を通じて電気的に結合することができる。
【0013】
一実施形態では、第1の端子は、ジャンパーを通じて別の集積デバイスパッケージの端子に接続され、それにより、他のパッケージの端子、第1の端子、および第2の端子は電気的に結合される。ジャンパーは表面トレースを含むことができる。
【0014】
一実施形態では、ダイは、スイッチダイを備える。スイッチダイは、クワッド単極単投(SPST)ダイを含む。集積デバイスパッケージは、第1のダイの上に配置される第2のダイをさらに含むことができる。第2のダイは、第1のダイを制御するように構成されているコントローラを含むことができる。コントローラは、シリアルパラレルインターフェース(SPI)コンバータを含むことができる。集積デバイスパッケージは、第1のダイと第2のダイとの間に配置されている、第3のダイをさらに含むことができる。第3のダイは、第2のクワッドSPSTダイを含み、第2のダイは、第3のダイを制御するように構成することができる。
【0015】
一態様では、積層基板が開示される。積層基板は、第1の端子および第2の端子を有する第1の層と、伝導性要素を有する第2の層と、集積デバイスダイに接続するように構成されたパッドを有する第3の層と、第1の端子を伝導性要素に電気的に接続する第1のビアと、第2の端子を伝導性要素に電気的に接続する第2のビアと、を含む。
【0016】
一実施形態では、第2層の伝導性要素は、金属トレースを含む。
【0017】
一実施形態では、積層基板は、第2の伝導性要素を有する第3の層をさらに含む。
【0018】
一態様では、集積デバイスパッケージが開示される。集積デバイスパッケージは、最上面および最上面の反対側の底面を有する積層基板を含む。積層基板は、底面上の第1の端子および第2の端子を含む。積層基板はまた、最上面上のパッドと、第1の端子と第2の端子を電気的に結合するための電気経路とを含む。集積デバイスパッケージは、積層基板の最上面上のパッドに電気的に接続されるダイも含む。
【0019】
一実施形態では、電気経路は、第1のビアと、第1のビアおよび第1の端子に電気的に結合された伝導性要素とを含み、それにより、伝導性要素と第1の端子が、第1のビアを経由して電気的に接続される。電気経路は、伝導性要素と第2の端子とを電気的に接続する第2のビアをさらに含むことができる。
【0020】
一態様では、システムが開示される。システムは、表面トレースを有するシステムボードと、システムボードに取り付けられた第1の集積デバイスパッケージと、システムボードに取り付けられた第2の集積デバイスパッケージとを含む。第2の集積デバイスパッケージは、表面トレースを通じて第1の集積デバイスパッケージに電気的に結合されている。第1の集積デバイスパッケージおよび第2の集積デバイスパッケージの各々は、埋め込まれた電気経路を有する積層基板と、積層基板に取り付けられたダイとを含む。第1および第2の集積デバイスパッケージの各々の埋め込まれた電気経路は、対応する端子によって表面トレースに電気的に接続される。システムは、第1の集積デバイスパッケージに適用された信号を第2の集積デバイスパッケージに転送するように構成されている。
【0021】
一実施形態では、第1の集積デバイスパッケージの対応する端子は、第1の出力端子を含み、第1の集積デバイスパッケージが、第1の集積デバイスパッケージの電気経路に電気的に接続される第1の入力端子をさらに含む。第1の入力端子は、信号を受信するように構成することができ、第1の出力端子は、表面トレースを経由して信号を第2の集積デバイスパッケージに送信するように構成することができる。第2の集積デバイスパッケージの対応する端子は、第2の入力端子を含む。第2の集積デバイスパッケージは、第2の集積デバイスパッケージの電気経路に電気的に接続される第2の出力端子をさらに含むことができる。第2の入力端子は、表面トレースを経由して、第1の集積デバイスパッケージから信号を受信するように構成することができる。第2の出力端子は、第2の表面トレースを経由して、システムボードに取り付けられた第3の集積デバイスパッケージに信号を送信するように構成することができる。
【0022】
一態様では、システムが開示される。システムは、トレースを有するシステムボードと、システムボードに取り付けられている第1の集積デバイスパッケージを含む。第1の集積デバイスパッケージは、第1の端子、第2の端子、および第1の電気経路を有する第1の積層基板を含む。システムは、システムボードに取り付けられている第2の集積デバイスパッケージも含む。第2の集積デバイスパッケージは、第3の端子、第4の端子、および第2の電気経路を有する第2の積層基板含む。第1の電気経路および第2の電気経路の各々は、それぞれ第1の集積デバイスパッケージおよび第2の集積デバイスパッケージに埋め込まれている。第1および第2の集積デバイスパッケージの第1および第2の電気経路は、第2および第3の端子によってトレースに電気的に接続される。第1の端子および第4の端子は、第1の電気経路、トレースおよび第2の電気経路を経由して電気的に接続される。
【0023】
一実施形態では、トレースは、システムボード上に配置された表面トレースを含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、積層基板を含むパッケージの概略断面側面図である。
【
図2】
図2は、
図1のパッケージ例の封入材料なしの概略平面図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係る、積層基板の複数の伝導性層の重なりを示す積層基板の概略最上面図である。
【
図4】
図4は、
図3に示された積層基板の概略断面側面図である。
【
図6】
図6は、
図3および
図4に示された積層基板の第2の層およびビアの概略平面図である。
【
図7】
図7は、第1の層、および第1の層の上に重ねられた第2の層の概略平面図である。
【
図8】
図8は、
図3および
図4に示された積層基板の第3の層およびビアの概略平面図である。
【
図9】
図9は、第1の層、第1の層の上に重ねられた第2の層、および第2の層の上に重ねられた第3の層の概略平面図である。
【
図11】
図11は、システムボードまたはマザーボード上のジャンパーまたはトレースによって接続された6つのパッケージ領域の概略底面図である。
【
図12】
図12は、システムボード上のジャンパーまたはトレースによって接続された6つのパッケージ領域の概略最上面図である。
【
図13】
図13は、一実施形態に係る、積層基板の層の伝導性部分を示す積層基板の概略最上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
ランドグリッドアレイ(LGA)パッケージなどの集積デバイスパッケージは、デバイスまたはパッケージをより大きな電子システムに接続するシステムボードまたはマザーボードとして機能し得るプリント回路基板(PCB)に取り付けることができる。システムボードには、電源線(VDD)、シリアルパラレルインターフェース(SPI)線、シリアルクロック(SCLK)など、すべてのダイに共通のピンを接続するトレースを含めることができる。トレースは、システムボード上の貴重なスペースを占有することができる。例えば、システムボードには、パッケージの下で信号を送信するために、パッケージ上の端子をシステムボードのトレースに接続するビアと、トレースを別のパッケージ上の端子に接続する別のビアを含めることができる。しかしながら、システムボードのこれらのトレースとビアは、システムボード上のパッケージ間に比較的広い間隔を必要とする場合がある。システムボードの別の構成では、パッケージ表面の片側の端子またはピンをパッケージ表面の別の側に配線することができる。そのような場合、システムボードには、パッケージの周りまたは下を通るトレースが含まれる場合がある。
【0026】
本明細書で開示されるいくつかの実施形態は、積層基板の一対の共通端子、例えば、同じ信号を伝達するか、または同じ電圧である一対の端子を接続する電気経路(例えばトレース)を有する積層基板を含む集積デバイスパッケージに関する。電気経路は、積層基板の層上に形成された(例えば、積層基板内に埋め込まれた)トレースと、一対の共通端子に接続されたビアとを含むことができる。本明細書に開示される様々な実施形態により、システムボード(例えば、PCB)は、積層基板に電気経路を含まない同様のデバイスまたはパッケージと比較して、より多くのデバイスまたはパッケージを取り付けることができる。言い換えれば、積層基板の電気経路により、システムボード上にトレース用のスペースが小さいデバイスまたはパッケージの多数の行/列を搭載することが可能になる。
【0027】
図1は、一実施形態に係るパッケージ1の断面側面図である。パッケージ1は、積層基板10、積層基板10の最上側10aに取り付けられた第1のダイ12、第1のダイ12上に取り付けられた第2のダイ14、および第2のダイ14上に取り付けられた第3のダイ16を含む。スペーサ18を第1および第2のダイ12、14の間に設けて、第1のダイ12を積層基板10に接続するボンディングワイヤのための空間を提供することができる。封入材料20は、ダイ12、14、16、関連するボンディングワイヤ、および積層基板10の最上側10aの上に設けることができる。図示されたパッケージ1は、積層基板10、第1のダイ12、第2のダイ14、および第3のダイ16間の電気接続を提供する複数のボンドワイヤも含む。
【0028】
積層基板10は、最上面10aにパッド(図示せず)を、底側10bに端子(図示せず)を含むことができる。積層基板10は、パッドを端子に接続するビアを含むことができる。積層基板10は、2つ以上の端子を接続する電気経路(例えば、トレース)(図示せず)を含むことができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、積層基板10は、最上面10aから底面10bまでの厚さt1を有することができる。積層基板の厚さt1は、例えば、約0.35mmとすることができる。いくつかの実施形態では、厚さt1は、例えば、0.1mm~0.6mmの範囲であり得る。厚さt1は、積層基板10内の層の数に少なくとも部分的に基づいて変わり得る。積層基板10に関するさらなる詳細は、他の図、例えば、
図3~13を参照して以下に説明される。
【0030】
いくつかの実施形態では、第3のダイ16は、第1および第2のダイ12、14を制御することができる。第3のダイ16は、第3のダイ16を積層基板10に接続するボンドワイヤ、および積層基板10を第1のダイ12に接続するボンドワイヤを介して第1のダイ12に電気的に接続されてもよい。第3のダイ16は、ボンドワイヤを介して第2のダイ14に直接接続されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、パッケージ1はアナログスイッチングデバイスを含むことができる。いくつかの実施形態では、パッケージ1は、2つのクワッド単極単投(SPST)スイッチを含むことができ、例えば、パッケージに8つの独立したスイッチを提供することができる。例えば、第1および第2のダイ12、14は、SPSTスイッチを含むことができる。パッケージ1は、シリアルパラレルインターフェース(SPI)コンバータなどのコントローラを含むことができる。コントローラはスイッチに電気的に接続し、スイッチを制御することができる。例えば、第3のダイ16は、コンバータに並列するSPIを含むことができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、第1、第2、および第3のダイ12、14、16は、任意のタイプのダイを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1、第2、および第3のダイ12、14、16は、任意の好適な方法で別のダイおよび/または積層基板10に接続され得る。例えば、第1のダイ12は、積層基板10にフリップチップ取り付けすることができる。もちろん、パッケージ1は、意図された使用に好適な任意の数のダイ(複数可)を含むことができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、スペーサ18は、第1のダイ12と同様の、またはより大きい横方向寸法を有する第2のダイ14の取り付けを支援することができる。スペーサ18は、ワイヤボンディングのために第1のダイ12と第2のダイ14との間に十分なギャップを提供することができる。いくつかの実施形態では、スペーサは、シリコン、セラミックなどを含むことができる。図示されたパッケージ1は、第1のダイ12と第2のダイ14との間に1つのスペーサ18を含む。しかしながら、いくつかの他の実施形態では、スペーサ18は省略されてもよく、またはより多くのスペーサ(複数可)がパッケージ1に含まれてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第2のダイ14と第3のダイ16との間にスペーサを設けることができる。
【0034】
封入材料20は、積層基板10に取り付けられたダイ12、14、16を内部に封入する。封入材料20は、プラスチック成形化合物などの任意の好適な材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、封入材料20は厚さt2を有することができる。封入材料20の厚さt2は、例えば、約1.2mmとすることができる。いくつかの実施形態では、厚さt2は、例えば、0.3mmから10mmの範囲とすることができる。厚さt2は、少なくとも部分的に、積層基板10に取り付けられたダイ(複数可)および/またはスペーサ(複数可)の厚さおよび/または数に基づいて変わり得る。
【0035】
パッケージ1は、システムボードまたはマザーボード、例えば、プリント回路基板(PCB)に取り付けることができる。システムボードに取り付けられた2つ以上のパッケージは、PCB内および/またはPCB上に形成されたトレースまたはジャンパーを経由して互いに接続することができる。特定の実施形態に係るパッケージ間の接続が
図11および
図12に示される。
【0036】
図2は、
図1に示すパッケージ1の封入材料なしの平面図である。
図2に示されように、ダイ12、14、16は、複数のボンドワイヤを通じて積層基板10に電気的に接続される。パッケージ1の第1の側面は第1の長さl1を有し、第1の側面に垂直な第2の側面は第2の長さl2を有する。いくつかの実施形態では、パッケージ1の第1の側面の第1の長さl1は、例えば、約5mmであり得る。いくつかの実施形態では、第1の長さl1は、例えば、2mm~50mmの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、パッケージ1の第2の側面の第2の長さl2は、例えば、約4mmであり得る。いくつかの実施形態では、第2の長さl2は、例えば、2mm~50mmの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、横方向寸法(例えば、第1の長さl1および第2の長さl2)は、積層基板10のサイズによって決定され得る。いくつかの他の実施形態では、横方向寸法(例えば、第1の長さl1および第2の長さl2)は、積層基板10のサイズにカ封入材料20のサイズを加えたものによって決定され得る。
【0037】
図3は、一実施形態に係る、積層基板10の複数の伝導性層の重なりを示す積層基板10の概略最上面図である。図示された積層基板10は、積層基板10の最下層に複数(例えば、30個)の端子30を含む。端子30は、ダイ入力/出力(I/O)端子30aおよび共通端子30bを含むことができる。共通端子30bは、電気システムの共通電気信号またはソースに接続する電気接続を含むことができる。例えば、システムボード(例えば、PCB)に取り付けられた複数のパッケージを含む電気システムでは、共通端子30bは、複数のパッケージの各パッケージで使用される共通の電気信号またはソースに接続するように構成され得る。いくつかの実施形態では、複数の端子30の第1の端子は入力端子または正端子であり、電気経路を経由して第1の端子に電気的に結合された複数の端子30の第2の端子は、出力端子または負端子であり得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、ダイI/O端子は、ボンドパッドに接続するか、またはボンドパッドとして機能するために、積層基板10の最下層から最上層まで延在するピラーまたはビアを含むことができる。最上層のボンドパッドは、積層基板10の最上面に露出し、ボンドワイヤ(複数可)を通じてダイに接続するように構成することができる。
【0039】
図示の実施形態では、共通端子30bの1つは、電気経路を経由して別の端子30bに接続されている。電気経路は伝導性要素を含むことができる。伝導性要素は、例えば、積層基板10の層内および/もしくは層上に形成されたトレース32、ならびに/または積層基板10の層内および/もしくは層上に形成されたダイパドルもしくは伝導性プレート34を含むことができる。電気経路は、積層基板10の1つの層を積層基板10の別の層に電気的に接続するビア36も含むことができる。ビア36は、積層基板10の厚さを通じて少なくとも部分的に延在し、積層基板10の伝導性層を垂直方向に接続することができる。
【0040】
図4は、
図3に示された積層基板10の概略断面側面図である。
図4に示された積層基板10の各層は、
図5、
図6、
図8、および
図10に関して、本明細書に記載される。図示された積層基板10は、4つの金属層と、その間の3つの絶縁体層とを含むが、当業者であれば、任意の好適な数の伝導性層および絶縁層を設けることができることを理解するであろう。
【0041】
第1の層40は、共通端子30bおよび伝導性プレート34aを含むことができる。第1の層40内に示された共通端子30bは、システム内の他のパッケージに共通の接地端子または他のタイプの端子であり得る。伝導性プレート34aは、集積デバイスダイが取り付けられるダイパドルまたはダイパッドの下面を形成するか、または下面として機能することができる。伝導性プレート34aは、積層基板10の底面10b上に露出することができる。伝導性プレート34aは、導電性および/または熱伝導性であり得る。伝導性プレート34aは、端子30よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、伝導性プレート34aは、例えば、底面10bの20%から80%を覆うことができる。パッケージ1の第1の絶縁体44は、ビア36aを含むことができる。ビア36aは、第1の層40と第2の層48との間の垂直電気接続を提供することができる。第1の絶縁体44は、絶縁材料を含むことができる。絶縁材料は、ビア36aを電気的に絶縁することができる。
【0042】
第2の層48は、トレース32を含むことができる。トレース32は、ビア(例えば、第1の絶縁体44のビア36aまたは第2の絶縁体50のビア36b)間の水平電気接続を提供することができる。ビア36bは、積層基板10の第2の層48と第3の層52との間の垂直電気接続を提供することができる。第2の絶縁体50は、絶縁材料を含むことができる。絶縁材料は、ビア36bを電気的に絶縁することができる。
【0043】
第3の層52は、第2の伝導性プレート34bを含むことができる。積層基板10は、ビア36cを含む第3の絶縁体54も含むことができる。第3の絶縁体54のビア36cは、第3の層52と第4の層56との間の垂直電気接続を提供する。第3の絶縁体54は、絶縁材料を含むことができる。絶縁材料は、ビア36cを電気的に分離することができる。
【0044】
第4の層56は、第3の伝導性プレート34cおよびパッド58を含むことができる。パッド58は、積層基板10に取り付けられたダイ(例えば、
図1に示されたダイ12、14、16)に接続するように構成することができる。パッド58とダイは、ボンドワイヤによって電気的に接続することができる。他の配設では、ダイは、フリップチップ接続および/または銅ピラーを経由してパッド58に電気的に接続することができる。
【0045】
図示された積層基板10の伝導性プレート34は、共通端子30bに電気経路を提供する一方で、十分な接地接続を有利に提供することができる。いくつかの実施形態では、ビア36は、積層基板10の1つ以上の層を通じて延在することができる。例えば、ビア36は、隣接する層間に電気的接続を提供する代わりに、離れた層間に直接的な電気的接続を提供することができる。
【0046】
図5は、
図3および
図4に示された積層基板10の第1の層40の概略平面図である。図示された第1の層40は、18個のダイI/O端子30aと12個の共通端子30bを含む。図示された実施形態では、共通端子30bは、接地(GND)、正の供給電圧(VDD)、I/O電圧(VL)、シリアルクロック(SCLK)、チップ選択バー(CSB)、および負の供給電圧(VSS)を含む。これらの端子によって提供される電気信号は、システムボードに取り付けられた複数のパッケージによって利用または共有され得る。一部の実施形態では、VSS端子は接地接続を提供することができる。上で説明したように、第1の層40は伝導性プレート34aも含むことができる。伝導性プレートは、共通端子30bの別のVSS端子として設けられてもよい。いくつかの実施形態では、積層基板10は、任意の好適なインターフェースの使用を可能にするように構成され得る。例えば、積層基板10は、集積回路間(I2C)、低電圧差動信号(LVDS)、ユニバーサルシリアルバス(USB)、コントローラエリアネットワーク(CAN)などのような任意のインターフェースと互換性があり得る。
【0047】
図6は、
図3および
図4に示された積層基板10の第2の層48およびビア36aの概略平面図である。第2の層48はトレース32を含む。図示された第2の層48は、第2の層48の一端から他端まで延在する5つのトレース32a、32b、32c、32d、32eを含む。図示された第2の層48は、トレース32a、32b、32c、32d、32eと平行に延在する5つのトレース32f、32g、32h、32i、32jも含む。図示された第2の層48は、他のトレース32a~32jに垂直に延在する2つのトレース32k、32lをさらに含む。しかしながら、トレース32は、任意の好適な方法で配設することができる。
【0048】
ビア36aは、
図4に示された第1の絶縁体44に形成されている。ビア36aは、
図4および
図5に示された第1の層40と、第2の層48との間に配置されている。ビア36aは、第1の層40と第2の層48の部分を電気的に接続することができる。例えば、ビア36aは、共通端子30bを第2の層48の対応するトレース32に電気的に接続することができる。
【0049】
図7は、第1の層40と、第1の層40上に重ねられた第2の層48の概略平面図である。トレース32は、様々な共通端子30bを接続する。例えば、トレース32aの一端はビア36aを通じて接地端子の一方に接続され、トレース32aの一端から水平方向に離間したトレース32aの他端は別のビア36aを通じて接地端子の他方に接続されている。同様に、トレース32b~32eの端部は、VDD端子、VL端子、SCLK端子、およびCSB端子の対に接続されている。
【0050】
図示されたVSS端子および伝導性プレート34aは、他の共通端子とは異なるように結合することができる。VSS端子は、ビア36aを通じてトレース32k、32lに結合することができ、伝導性プレート34aは、ビア36aを通じてトレース32f~32jに結合することができる。
【0051】
図8は、例えば、
図3および
図4に示された積層基板10の第3の層52およびビア36bの概略平面図である。第3の層52は、伝導性プレート34bとトレース60とを含む。トレース60は、
図4および
図10に示されたビア36bとビア36cとの位置合わせに役立ち得る。図示された第3の層52は、トレース60a、60b、60c、60d、60eを含む。いくつかの実施形態では、第3の層52は、任意の好適な数および/または形状のトレースを有することができる。図示された伝導性プレート34bは、脚部62aおよび62bを含む。脚部62aおよび62は、VSS端子に接続されている第2の層48上のトレース32k、32lに電気的に結合することができる。
【0052】
ビア36bは、
図4に示された第2の絶縁体50に形成することができる。ビア36bは、
図4および
図6に示された第2の層48と、第3の層52との間に配置される。ビア36bは、第2の層48と第3の層52の部分を電気的に接続することができる。例えば、ビア36bは、第2の層48のトレース32aと第3の層52のトレース60aを接続することができる。
【0053】
図9は、第1の層40、第1の層40上に重ねられた第2の層48、および第2の層48上に重ねられた第3の層52の概略平面図である。図示のように、第3の層52上のトレース60a~60eは、第2の層48上の対応するトレース32a~32eと少なくとも部分的に重なり、トレース60a~60eは、それぞれビア36bを通じてトレース32a~32eに電気的に接続される。伝導性プレート34bは、ビア36bを通じて第2の層48上のトレース32f、32g、32h、32i、32jと電気的に結合され、トレース32f、32g、32h、32i、32jは伝導性プレート34aおよびにVSSに電気的に結合され、これにより、伝導性プレート34aと第1の層40上のVSS端子との間に電気的接続が形成される。
【0054】
図10は、例えば、
図3および
図4に示された積層基板10の第4の層56およびビア36cの概略平面図である。第4の層56は、伝導性プレート34cおよびパッド58を含み、これらは、ボンドワイヤを経由して集積デバイスダイとの電気通信を提供することができる。図示された第4の層56は、パッド58a、58b、58c、58d、58e、58fを含む。
【0055】
ビア36cは、
図4に示された第3の絶縁体54の中に形成される。ビア36cは、
図4および
図8に示された第3の層52と、第4の層54との間に配置されている。ビア36cは、第3の層52と第4の層56の部分を電気的に接続することができる。
【0056】
図3および
図6に戻って参照すると、例えば、図示された積層基板10の最上側のGND端子の一方は、図示された積層基板10の底側のGND端子の他方と、トレース32aおよびビア36aを通じて電気的に結合される。GND端子はまた、トレース32a、60a、およびビア36a、36b、36cを通じてパッド58aと電気的に結合される。
【0057】
例えば、VSS端子と第1の層40の伝導性プレート34aは、第2の層48上のトレース32f、32g、32h、32i、32j、32k、32l、第3の層52上の伝導性プレート34b、およびビア36a、36bを通じて、互いに電気的に結合される。VSS端子および伝導性プレート34aはまた、第2の層48上のトレース32f、32g、32h、32i、32j、32k、32l、第3の層52上の伝導性プレート34b、およびビア36a、36b、36cを通じて、パッド58fと電気的に結合される。
【0058】
図11は、システムボードまたはマザーボード(例えば、PCB)(図示せず)上のジャンパーまたはトレース70によって接続された6つのパッケージ領域1a、1b、1c、1d、1e、1fの概略底面図である。各パッケージ領域1a~1fは、システムボード上の特定のパッケージ1のフットプリントを表し、集積デバイスダイと他のコンポーネントは、図を簡単にするために示されていない。積層基板110a、110b、110c、110d、110e、110fのトレース32a~32eは、説明のために示されている。トレース70は、例えば、システムボード上に形成された表面トレースを含むことができる。
【0059】
図12は、システムボード72(PCBなど)上のジャンパーまたはトレース70によって接続された6つのパッケージ領域の概略最上面図である。パッケージの積層基板に形成された電気経路により、トレース70は、システムボード72を通じて接続を配線することなく、あるパッケージの共通ノードを別のパッケージに接続することができる。システムボード72を通る配線接続は、例えば、パッケージ領域の下のシステムボードに埋め込まれたトレースと、共通ノードをシステムボードのトレースに接続するビアとを含むことができる。パッケージの積層基板に形成された電気経路により、パッケージを互いに比較的近くに位置付けることができる。例えば、電気経路を含まないパッケージの取り付けは、電気経路を有するパッケージの取り付けと比較して、各パッケージ間のスペースを約1mm余分に占有する場合がある。例えば、パッケージの横方向の寸法は5mmであり得る。一例では、電気経路を利用しない6つのパッケージと比較して、電気経路を有する7つのパッケージをシステムボードに取り付けることができる。
【0060】
図13は、実施形態に係る、積層基板80の層の伝導性部分を示す積層基板80の概略最上面図である。図示された積層基板80は、積層基板80の最下層に30個の端子30を含む。端子30は、ダイI/O端子30aおよび共通端子30bを含むことができる。
【0061】
図13に示された積層基板80は、
図3に示された積層基板10と概ね同様である。別段の注記がない限り、
図13のコンポーネントは、
図3~
図10の同じ番号のコンポーネントと類似または同一であってもよい。
図3の実施形態とは異なり、積層基板80は複数の伝導性プレートを有していない。むしろ、積層基板80には、ただ1つの伝導性プレート34aまたはパドルがある。VSS端子は、積層基板80の4辺すべてに配置されている。
図3の積層基板10と同様に、積層基板80はトレース32a’~32f’を含む。しかしながら、トレース32f’は、積層基板80に取り付けることができるダイに電気的に結合されるようには構成されていない。代わりに、トレース32f’は、
図13に示されたように、最上側のRT1端子から底側のRT1端子への電気経路を提供できる。
【0062】
特に文脈が明確に要求しない限り、説明および特許請求の範囲を通して、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、「含む(include)」、「含む(including)」などの語は、排他的または網羅的な意味ではなく、包括的な意味で解釈されるべきであり、つまり、その語は「含むが、これに限定されない」という意味で解釈されるべきである。本明細書で一般的に使用される場合、「結合」または「接続」という語は、直接接続されるか、または1つ以上の中間要素を経由して接続され得る2つ以上の要素を指す。併せて、本出願で使用される場合およびとき、「本明細書で」、「上で」、「下で」という語、および同様の意味の語は、本出願全体を指し、本出願の特定の部分を指すものではない。文脈が許す限り、単数形または複数形を使用した発明を実施するための形態における語には、それぞれ複数形または単数形も含めることができる。2つ以上の項目のリストを参照する「または」という語は、次の語の解釈をすべて、すなわち、リスト内の任意の項目、リスト内のすべての項目、およびリスト内の項目の組み合わせを網羅することを意図している。本明細書で提供されるすべての数値は、測定誤差内に同様の値を含めることを意図している。
【0063】
さらに、本明細書で使用される条件付きの言葉、とりわけ、「できる(can)」、「できた(could)」、「できた(might)」、「できる(may)」、「たとえば(e.g.)」、「たとえば(for example)」などは、特に断りのない限り、または使用される文脈内で別様に理解されない限り、一般に、特定の実施形態には特定の特徴、要素および/または状態が含まれるが、他の実施形態には含まれないことを伝えることを意図している。
【0064】
本明細書で提供された本発明の教示は、必ずしも上記のシステムではなく、他のシステムに適用することができる。上述の様々な実施形態の要素および動作を組み合わせて、さらなる実施形態を提供することができる。
【0065】
本発明の特定の実施形態を記載したが、これらの実施形態は例としてのみ提示されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。実際、本明細書に記載された新規の方法およびシステムは、様々な他の形態で実施することができる。さらに、本開示の主旨から逸脱することなく、本明細書に記載された方法およびシステムの形態における様々な省略、置換、および変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびその同等物は、本開示の範囲および主旨に含まれるような形態または改変を網羅することを意図している。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲を参照することによって定義される。