(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置および方法
(51)【国際特許分類】
G11B 7/0065 20060101AFI20220823BHJP
G11B 7/135 20120101ALI20220823BHJP
G03H 1/26 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
G11B7/0065
G11B7/135
G03H1/26
(21)【出願番号】P 2020218625
(22)【出願日】2020-12-28
【審査請求日】2020-12-28
(31)【優先権主張番号】201911422752.6
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521001294
【氏名又は名称】アメシスタム ストレージ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Amethystum Storage Technology Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ム
(72)【発明者】
【氏名】ルオ ティエウェィ
(72)【発明者】
【氏名】ティエン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】フ ドォジァオ
(72)【発明者】
【氏名】リォウ イチョン
【審査官】中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/152682(WO,A1)
【文献】特開2018-137031(JP,A)
【文献】特開2009-015880(JP,A)
【文献】特開2014-032734(JP,A)
【文献】特開2016-219087(JP,A)
【文献】特開2014-098797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 7/0065
G11B 7/135
G03H 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体の両側に2つの光ヘッドが設けられ、2つの光ヘッドは、情報の記録/読み取りを同時にまたは別々に行うことができ
、
ホログラム記録時に2つの光ヘッド間のビームの偏光方向が互いに直交しており、同一の光ヘッドにおける信号光と基準光の偏光方向が同じであることを特徴とする両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置。
【請求項2】
同一の光ヘッドによって導かれた信号光と基準光は軸から外れていることを特徴とする請求項1に記載の両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置。
【請求項3】
ホログラム記録時に2つの光ヘッドにおける信号光または基準光が互いに同軸になることを特徴とする請求項1に記載の両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置。
【請求項4】
記憶媒体を移動させることにより、記憶媒体の両面にシフト多重化記憶を同時に行うことを特徴とする請求項1に記載の両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置。
【請求項5】
前記2つの光ヘッドは、対称的に設けられた第1の光ヘッドと第2の光ヘッド
とを含み、
前記第1の光ヘッドと
前記第2の光ヘッドは、情報の記録/読み取りを同時にまたは別々に行うことができ、
前記第1の光ヘッドによって記録された情報は、
前記第2の光ヘッド中の読取装置によって読み取られ、
前記第2の光ヘッドによって記録された情報は、
前記第1の光ヘッド中の読取装置によって読み取られることを特徴とする請求項
1に記載の両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置。
【請求項6】
前記第1の光ヘッドは、第1のレーザ出力ユニットと、第1の基準アームと、第1のビーム拡散フィルタユニットと、第1の信号アームとを含み、
前記第2の光ヘッドは、第2のレーザ出力ユニットと、第2の基準アームと、第2のビーム拡散フィルタユニットと、第2の信号アームとを含むことを特徴とする請求項
5に記載の両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置。
【請求項7】
前記第1のレーザ出力ユニットは、第1のレーザ機器と、第1のシャッタと、第1の偏光板と、第1のビーム整形器と、第1の脱偏光ビームスプリッタとを含み、
前記第2のレーザ出力ユニットは、第2のレーザ機器と、第2のシャッタと、第2の偏光板と、第2のビーム整形器と、第2の脱偏光ビームスプリッタとを含むことを特徴とする請求項
6に記載の両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置。
【請求項8】
前記第1の基準アームは、第1の反射ミラーと、第1の半波長板と、第1の集光ミラーとを含み、
前記第2の基準アームは、第2の反射ミラーと、第2の半波長板と、第2の集光ミラーとを含むことを特徴とする請求項
6に記載の両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置。
【請求項9】
前記第1のビーム拡散フィルタユニットは、第1のレンズと、第2のレンズと、第1のローパスフィルタとを含み、
前記第2のビーム拡散フィルタユニットは、第3のレンズと、第4のレンズと、第3のローパスフィルタとを含むことを特徴とする請求項
6に記載の両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置。
【請求項10】
前記第1の信号アームは、第1の光検出器と、第1の偏光ビームスプリッタと、第1の空間光変調器と、第1のリレーレンズと、第2のローパスフィルタと、第1のフーリエレンズとを含み、
前記第2の信号アームは、第2の光検出器と、第2の偏光ビームスプリッタと、第2の空間光変調器と、第2のリレーレンズと、第4のローパスフィルタと、第2のフーリエレンズとを含むことを特徴とする請求項
6に記載の両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置。
【請求項11】
前記第1の光ヘッドは、第1のレーザ出力ユニットと、第1のビーム結合ユニットと、第1の基準アームと、第1の送受信ユニットとを含み、
前記第2の光ヘッドは、第2のレーザ出力ユニットと、第2のビーム結合ユニットと、第2の基準アームと、第2の送受信ユニットとを含むことを特徴とする請求項
5に記載の両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置。
【請求項12】
前記第1のレーザ出力ユニットは、第1のレーザ機器と、第1のシャッタと、第1の偏光板と、第1のビーム整形器とを含み、
前記第2のレーザ出力ユニットは、第2のレーザ機器と、第2のシャッタと、第2の偏光板と、第2のビーム整形器とを含むことを特徴とする請求項
11に記載の両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置。
【請求項13】
前記第1のビーム結合ユニットは、第3の偏光ビームスプリッタと、第3の空間光変調器と、第3の反射ミラーと、第3のリレーレンズと、第5のローパスフィルタとを含み、
前記第2のビーム結合ユニットは、第5の偏光ビームスプリッタと、第4の空間光変調器と、第4の反射ミラーと、第4のリレーレンズと、第6のローパスフィルタとを含むことを特徴とする請求項
11に記載の両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置。
【請求項14】
前記第1の基準アームは、第1の反射ミラーと、第1の集光ミラーとを含み、
前記第2の基準アームは、第2の反射ミラーと、第4の半波長板と、第2の集光ミラーとを含むことを特徴とする請求項
11に記載の両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置。
【請求項15】
前記第1の送受信ユニットは、第4の偏光ビームスプリッタと、第3の半波長板と、第3のフーリエレンズと、第1の結像レンズと、第3の光検出器とを含み、
前記第2の送受信ユニットは、第6の偏光ビームスプリッタと、第4のフーリエレンズと、第2の結像レンズと、第4の光検出器とを含むことを特徴とする請求項
11に記載の両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置。
【請求項16】
記憶媒体の両側に対称的に設けられた第1の光ヘッドと第2の光ヘッドによって情報の記録/読み取りを同時にまたは別々に行い、第1の光ヘッドによって記録された情報を第2の光ヘッド中の読取装置で読み取り、第2の光ヘッドによって記録された情報を第1の光ヘッド中の読取装置で読み取ることを特徴とする両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶方法
であって、
S1.前記第1の光ヘッドを用いて、垂直方向または水平方向に沿った偏光方向の信号光と基準光を導いてS記録チャネルを構成し、前記第2の光ヘッドを用いて、同じ位置でS記録チャネルとは逆方向に偏光した信号光と基準光を導いてP記録チャネルを構成し、同じ光ヘッドによって導かれた信号光と基準光は、記憶媒体の同じ位置で干渉して、入力信号を記録するためのホログラムを形成するステップと、
S2.前記記憶媒体を移動させて、前記記憶媒体の面内で線形シフト多重化と円周方向の回転多重化を行い、ステップS1を繰り返し、前記記憶媒体の上下両側の全面に渡ってシフト多重化記憶を同時に行うステップと、
S3.元のS記録チャネルの基準光を用いて、記録されたホログラムを対応する位置で再生し、その回折光が前記記憶媒体を透過してPチャネル中の読取装置によって読み取られ、元のP記録チャネルの基準光を用いて、記録されたホログラムを対応する位置で再生し、その回折光が前記記憶媒体を透過してSチャネル中の読取装置によって読み取られるステップとを含むことを特徴とする両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラフィック多重化記憶技術分野に関し、より具体的には、記録/読取速度を向上させるための両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、ホログラムの多重化記憶技術の原理図であり、これは、球面基準波を用いてシフト多重化記録してホログラムを再生する方法である。ホログラムを記録した後、媒体を少し動かすと、このホログラムを再生できなくなり、新たなホログラムを再記録することができる。
図1に示すように、ブラッグ原理から分かるように、信号ビームk
s、基準ビームk
rおよび格子ベクトルk
gは三角形を共同で形成し、媒体が移動した場合、元の三角形が破壊され、ホログラムも再生できなくなる。このようなシフト多重化記録方法では、ホログラムをx軸方向(磁気トラック方向)に3~5μmの間隔で上書きすることができるが、y軸方向(磁気トラック方向に垂直な方向)に約250~600μmオフセットする必要があり、このシフト量はシフト選択性と呼ばれる。x軸方向とy軸方向に連続的にシフト多重化することにより、記憶媒体全体にホログラムを記録することが可能であるが、y軸方向のシフト選択性が弱いため、記憶多重化数が大きく制限され、記憶密度が向上しない。
【0003】
図2に示すように、この2次元記録方法に基づいて、記録媒体を周方向に回転させて記録を上書きすること、すなわち円周方向の回転多重化を行うことにより、多重化数をさらに増やすことができる。まず、シフト多重化記録により、2次元ホログラムアレイを得た後、記憶媒体を所定の角度、すなわち交差角で回転させる。そして、1つの新たな2次元ホログラムのアレイを記録し、前のアレイと互いに重ね合わせて、このようにシフト多重化と円周方向の回転多重化を組み合わせて記録する方法は、クロスシフト多重化記録と呼ばれ、好ましくは、交差角が45°以上である。
【0004】
このシステムは、クロスシフト多重化記憶システムと呼ばれ、容量を高めるための良い方法として、この方法を適用することで、記憶媒体の記憶容量が数十TB(記憶媒体の直径は120mm)に達することができる。しかし、シフト多重化記録を行うために、記録媒体または光ヘッドを連続的に停止およびシフトさせる必要があり、記録および読取速度が制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の先行技術の少なくとも1つの欠点(不足)を克服するために、2組の直交偏光を利用して記録媒体の上下両面からホログラムを同時に記録/読取を行うことで、記録/読取速度を2倍にすることができ、既存技術に存在する、データの記録/読取速度が遅いという問題を解決する両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置および方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一方で、本発明は、記憶媒体の両側に複数の光ヘッドが設けられ、情報の記録/読み取りを同時にまたは別々に行うことができる両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置を提供する。
【0007】
好ましくは、媒体の両側には第1の光ヘッドと第2の光ヘッドと記される2つの光ヘッドが設けられ、この2つの光ヘッドは、情報の記録/読み取りを同時にまたは別々に行うことができる。
【0008】
当該装置では、同一の光ヘッドによって導かれた信号光と基準光は軸から外れており、ホログラム記録時に2つの光ヘッドにおける信号光または基準光が互いに同軸になり、ホログラム記録時に2つの光ヘッド間のビームの偏光方向が互いに直交しており、同一の光ヘッドにおける信号光と基準光の偏光方向が同じである。
【0009】
当該装置では、一方の光ヘッドで記録されたホログラムを読み取ると、得られた再生信号光が他方の光ヘッド中の光検出器で検出される。
【0010】
当該装置はさらに、記憶媒体を移動させることにより、記憶媒体の両面にシフト多重化記憶を同時に行う記憶媒体移動ユニットを含む。
【0011】
好ましくは、第1の光ヘッドと第2の光ヘッドは対称的に設けられる。
【0012】
具体的には、第1の光ヘッドは、第1のレーザ出力ユニットと、第1の基準アームと、第1のビーム拡散フィルタユニットと、第1の信号アームとを含む。ここで、第1のレーザ出力ユニットは、第1のレーザ機器と、第1のシャッタと、第1の偏光板と、第1のビーム整形器と、第1の脱偏光ビームスプリッタとを含み、第1の基準アームは、第1の反射ミラーと、第1の半波長板と、第1の集光ミラーとを含み、第1のビーム拡散フィルタユニットは、第1のレンズと、第2のレンズと、第1のローパスフィルタとを含み、第1の信号アームは、第1の光検出器と、第1の偏光ビームスプリッタと、第1の空間光変調器と、第1のリレーレンズと、第2のローパスフィルタと、第1のフーリエレンズとを含む。
【0013】
第2の光ヘッドは、第2のレーザ出力ユニットと、第2の基準アームと、第2のビーム拡散フィルタユニットと、第2の信号アームとを含む。ここで、第2のレーザ出力ユニットは、第2のレーザ機器と、第2のシャッタと、第2の偏光板と、第2のビーム整形器と、第2の脱偏光ビームスプリッタとを含み、第2の基準アームは、第2の反射ミラーと、第2の半波長板と、第2の集光ミラーとを含み、第2のビーム拡散フィルタユニットは、第1のレンズと、第2のレンズと、第3のローパスフィルタとを含み、第2の信号アームは、第2の光検出器と、第2の偏光ビームスプリッタと、第2の空間光変調器と、第2のリレーレンズと、第4のローパスフィルタと、第2のフーリエレンズとを含む。
【0014】
前記第1の偏光板は水平方向に沿って光を透過し、レーザは第1の脱偏光ビームスプリッタに入射した後、信号光Aと基準光Bに分離され、前記第1の空間光変調器は、入力信号を信号光Aにロードし、その偏光方向を垂直方向に調整し、前記第1の半波長板は、基準光Bの偏光方向を垂直方向に沿った方向に調整し、信号光Aと基準光BとがS記録チャネルを共同で構成し、記憶媒体で干渉してホログラムを形成して記録する。前記第2の偏光板は垂直方向に沿って光を透過し、レーザは第2の脱偏光ビームスプリッタに入射した後、信号光Cと基準光Dに分離され、前記第2の空間光変調器は、入力信号を信号光Cにロードし、その偏光方向を水平方向に調整し、前記第1の半波長板は、基準光Dの偏光方向を水平方向に沿った方向に調整し、信号光Cと基準光DとがP記録チャネルを共同で構成し、記憶媒体の他面の同じ位置で干渉してホログラムを形成して記録する。記録位置は、第1のフーリエレンズと第2のフーリエレンズの後側焦点面にある。
【0015】
代替手段として、第1の光ヘッドは、第1のレーザ出力ユニットと、第1のビーム結合ユニットと、第1の基準アームと、第1の送受信ユニットとを含み、ここで、第1のレーザ出力ユニットは、第1のレーザ機器と、第1のシャッタと、第1の偏光板と、第1のビーム整形器とを含み、第1のビーム結合ユニットは、第3の偏光ビームスプリッタと、第3の空間光変調器と、第3の反射ミラーと、第3のリレーレンズと、第5のローパスフィルタとを含み、第1の基準アームは、第1の反射ミラーと、第1の集光ミラーとを含み、第1の送受信ユニットは、第4の偏光ビームスプリッタと、第3の半波長板と、第3のフーリエレンズと、第1の結像レンズと、第3の光検出器とを含む。
【0016】
第2の光ヘッドは、第2のレーザ出力ユニットと、第2のビーム結合ユニットと、第2の基準アームと、第2の送受信ユニットとを含む。ここで、第2のレーザ出力ユニットは、第2のレーザ機器と、第2のシャッタと、第2の偏光板と、第2のビーム整形器とを含み、第2のビーム結合ユニットは、第5の偏光ビームスプリッタと、第4の空間光変調器と、第4の反射ミラーと、第4のリレーレンズと、第6のローパスフィルタとを含み、第2の基準アームは、第2の反射ミラーと、第4の半波長板と、第2の集光ミラーとを含み、第2の送受信ユニットは、第6の偏光ビームスプリッタと、第4のフーリエレンズと、第2の結像レンズと、第4の光検出器とを含む。
【0017】
前記第3の偏光ビームスプリッタは、入射光を信号光Aと基準光Bとに分割し、反射された基準光Bは垂直方向に沿って偏光され、透過された信号光Aは水平方向に沿って偏光され、信号光Aは、第3の反射ミラーと第3の空間光変調器を通過した後、再び第3の偏光ビームスプリッタに戻って基準光と結合し、第4の偏光ビームスプリッタは、再び信号光と基準光を分離し、透過された信号光Aは、第3の半波長板を通過した後、偏光方向が垂直方向に調整され、反射された基準光BとともにS記録チャネルを構成し、記憶媒体で干渉してホログラムを形成して記録する。前記第5の偏光ビームスプリッタは、入射光を信号光Cと基準光Dとに分割し、反射された基準光Dは垂直方向に沿って偏光され、透過された信号光Cは水平方向に沿って偏光され、信号光は、第4の反射ミラーと第4の空間光変調器を通過した後、再び第5の偏光ビームスプリッタに戻って基準光と結合し、第6の偏光ビームスプリッタは、再び信号光と基準光を分離し、反射された基準光Dは、第4の半波長板を通過した後、偏光方向が水平方向に調整され、透過された信号光CとともにP記録チャネルを構成する。記憶媒体の他面の同じ位置で干渉してホログラムを形成して記録する。記録位置は、第3のフーリエレンズと第4のフーリエレンズの後側焦点面にある。
【0018】
もう一方で、本発明はさらに、記憶媒体の両側に対称的に設けられた第1の光ヘッドと第2の光ヘッドによって、情報の記録/読み取りを同時にまたは別々に行い、第1の光ヘッドによって記録された情報を第2の光ヘッド中の読取装置で読み取り、第2の光ヘッドによって記録された情報を第1の光ヘッド中の読取装置で読み取る両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶方法を提供する。
【0019】
当該方法の具体的なステップは、以下のとおりである。S1.第1の光ヘッドを用いて、垂直方向に沿った偏光方向の信号光と基準光を導いてS記録チャネルを構成し、第2の光ヘッドを用いて、同じ位置で水平方向に沿った偏光方向の信号光と基準光を導いてP記録チャネルを構成し、同一の光ヘッドによって導かれた信号光と基準光は、記憶媒体の同じ位置で干渉して、入力信号を記録するためのホログラムを形成する。
【0020】
S2.記憶媒体を移動させて、記憶媒体の面内で線形シフト多重化と円周方向の回転多重化を行い、ステップS1を繰り返し、記憶媒体の上下両側の全面に渡ってシフト多重化記憶を同時に行う。
【0021】
S3.元のS記録チャネルの基準光を用いて、記録されたホログラムを対応する位置で再生し、その回折光は、記憶媒体を透過してPチャネル中の読取装置によって読み取られ、元のP記録チャネルの基準光を用いて、記録されたホログラムを対応する位置で再生し、その回折光は、記憶媒体を透過してSチャネル中の読取装置によって読み取られる。
【0022】
本発明に記載の装置および方法では、基準光はいずれも球面波である。
【0023】
本発明に記載の装置および方法では、2本の信号光が同軸に要求され、2本の基準光が同軸に要求される。
【0024】
本発明に記載の装置および方法では、各光ヘッドにおける信号光と基準光は軸から外れるように要求される。
【0025】
本発明に記載の装置および方法では、光ヘッドの小型化により、4つ以上の光ヘッドを用いて記録及び再生を同時行うことができ、それによって速度がさらに向上する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によって提供される両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置およびその方法では、直交偏光の非干渉特徴およびボリュームホログラフィック記憶のブラッグ選択特性により、ホログラフィック記憶媒体の同じ位置の両側に2つの光ヘッドを用いて偏光方向が直交する2つの干渉場を構成し、ホログラムの記録と読み取りを双方向で同時に行う。前記装置および方法は、ホログラフィック記憶の双方向並列記録または読み取りを実現し、シフト多重化、円周方向の回転多重化、偏光多重化を組み合わせて、情報データの記録と読み取り処理の速度を向上させるとともに、ホログラフィック記憶の容量を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明または先行技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例または先行技術の説明で使用される図面を簡単に紹介し、当然のことながら、以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づく他の図面を得ることができる。
【0028】
【
図1】本発明のシフト多重化記録方法の原理を説明するための図である。
【
図3】本発明に記載の両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置の実施例1の構造を示す図である。
【
図4】本発明に記載の両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶システムの実施例2の構造を示す図である。
【0029】
符号の説明:実施例1では、第1の光ヘッド100は、第1のレーザ機器1011、第1のシャッタ1012、第1の偏光板1013、第1のビーム整形器1014および第1の脱偏光ビームスプリッタ1015を含む第1のレーザ出力ユニット101と、第1の反射ミラー1021、第1の半波長板1022および第1の集光ミラー1023を含む第1の基準アーム102と、第1のレンズ1031、第2のレンズ1032および第1のローパスフィルタ1033を含む第1のビーム拡散フィルタユニット103と、第1の光検出器1041、第1の偏光ビームスプリッタ1042、第1の空間光変調器1043、第1のリレーレンズ1044、第2のローパスフィルタ1045および第1のフーリエレンズ1046を含む第1の信号アーム104と、を含む。第2の光ヘッド200は、第2のレーザ機器2011、第2のシャッタ2012、第2の偏光板2013、第2のビーム整形器2014および第2の脱偏光ビームスプリッタ2015を含む第2のレーザ出力ユニット201と、第2の反射ミラー2021、第2の半波長板2022および第2の集光ミラー2023を含む第2の基準アーム202と、第1のレンズ2031、第2のレンズ2032および第3のローパスフィルタ2033を含む第2のビーム拡散フィルタユニット203と、第2の光検出器2041、第2の偏光ビームスプリッタ2042、第2の空間光変調器2043、第2のリレーレンズ2044、第4のローパスフィルタ2045および第2のフーリエレンズ2046を含む第2の信号アーム204と、を含む。
【0030】
実施例2では、第1の光ヘッド100は、第1のレーザ機器1011、第1のシャッタ1012、第1の偏光板1013および第1のビーム整形器1014を含む第1のレーザ出力ユニット101と、第3の偏光ビームスプリッタ1051、第3の空間光変調器1052、第3の反射ミラー1053、第3のリレーレンズ1054および第5のローパスフィルタ1055を含む第1のビーム結合ユニット105と、第1の反射ミラー1021および第1の集光ミラー1023を含む第1の基準アーム102と、第4の偏光ビームスプリッタ1061、第3の半波長板1065、第3のフーリエレンズ1062、第1の結像レンズ1063および第3の光検出器1064を含む第1の送受信ユニット106と、を含む。第1の光ヘッド200は、第2のレーザ機器2011、第2のシャッタ2012、第2の偏光板2013および第2のビーム整形器2014を含む第2のレーザ出力ユニット201と、第5の偏光ビームスプリッタ2051、第4の空間光変調器2052、第4の反射ミラー2053、第4のリレーレンズ2054および第6のローパスフィルタ2055を含む第2のビーム結合ユニット205と、第2の反射ミラー2021、第4の半波長板2022および第2の集光ミラー2023を含む第2の基準アーム202と、第6の偏光ビームスプリッタ2061、第4のフーリエレンズ2062、第2の結像レンズ2063和第4の光検出器2064を含む第2の送受信ユニット206と、を含む。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施例における技術的解決手段を本発明の実施例における図面と併せて明確かつ完全に説明するが、当然のことながら、記載された実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、創造的な労力を行わずに当業者によって得られた他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲内に含まれる。
【0032】
本発明の図面は、例示的な説明のみに用いられるが、本発明を限定するものとして理解されない。以下の実施例をよりよく説明するために、図面のいくつかの構成要素は、省略、拡大または縮小されてもよく、実際の製品のサイズを表すものではない。図面におけるいくつかの周知の構造およびその説明が省略されてもよいことは、当業者であれば理解できる。
【0033】
実施例1
図3に示すように、本実施例によって提供される両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置は、第1の光ヘッド100と、第2の光ヘッド200と、記憶媒体300とを含む。ここで、第1の光ヘッド100は、第1のレーザ出力ユニット101と、第1の基準アーム102と、第1のビーム拡散フィルタユニット103と、第1の信号アーム104とを含み、垂直方向に沿った偏光方向の信号光Aと基準光Bとのビームを発生させるために使用される。第2の光ヘッド200は、第2のレーザ出力ユニット201と、第2の基準アーム202と、第2のビーム拡散フィルタユニット203と、第2の信号アーム204とを含み、水平方向に沿った偏光方向の信号光Cと基準光Dとのビームを発生させるために使用される。
【0034】
具体的な実施プロセスは以下のとおりである。第1のレーザ出力ユニット101は、第1のレーザ機器1011と、第1のシャッタ1012と、第1の偏光板1013と、第1のビーム整形器1014と、第1の脱偏光ビームスプリッタ1015とから構成される。具体的には、第1のレーザ機器1011から出射されたビームは、第1のシャッタ1012、第1の偏光板1013および第1のビーム整形器1014を通過した後、レーザの偏光方向が水平方向に厳密に制御され、第1の脱偏光ビームスプリッタ1015に入射し、反射基準光と透過信号光を得て、そのうち、反射基準光は第1の基準アーム102に入り、透過光は第1のビーム拡散フィルタユニット103に入る。本実施例では、前記第1のレーザ機器1011は半導体レーザ機器であり、第1のシャッタ1012は露光を制御し、第1の偏光板1013は偏光方向を調整し、第1のビーム整形器1014は、半導体レーザ機器1011から出射された不規則なビームを整形する。
【0035】
第1の基準アーム102は、第1の反射ミラー1021と、第1の半波長板1022と、第1の集光ミラー1023とを含み、水平方向に偏光した反射光は、第1の反射ミラー1021、第1の半波長板1022および第1の集光ミラー1023を通過した後、垂直方向に沿った偏光方向の球面波基準光Bが得られる。
【0036】
第1のビーム拡散フィルタユニット103は、第1のレンズ1031と、第2のレンズ1032と、第1のローパスフィルタ1033とを含み、水平偏光の透過信号光を拡散フィルタリングした後、第1の信号アーム104に入射させる。
【0037】
第1の信号アーム104は、第1の光検出器1041と、第1の偏光ビームスプリッタ1042と、第1の空間光変調器1043と、第1のリレーレンズ1044と、第2のローパスフィルタ1045と、第1のフーリエレンズ1046とを含み、水平偏光の信号光は、第1の偏光ビームスプリッタ1042に入射すると、透過のみが起こり、第1の空間光変調器1043は、入力信号を透過光にロードして反射してその偏光方向を90°回転させて垂直偏光の信号光に変え、垂直偏光の信号光は、第1の偏光ビームスプリッタ1042で反射され、第1のリレーレンズ1044、第2のローパスフィルタ1045および第1のフーリエレンズ1046を通過して垂直偏光の信号光Aとなり、そのうち、第1のリレーレンズ1044から第1の空間光変調器1043への結像が第1のフーリエレンズ1046の前側焦点面にある。
【0038】
上記垂直偏光の信号光Aと球面波基準光Bは、記憶媒体300で干渉してホログラムを形成して記録するS記録チャネルを構成する。ここで、記憶媒体300は、第1のフーリエレンズ1046の後側焦点面にある。
【0039】
同様に、第2のレーザ出力ユニット201は、第2のレーザ機器2011と、第2のシャッタ2012と、第2の偏光板2013と、第2のビーム整形器2014と、第2の脱偏光ビームスプリッタ2015とから構成される。具体的には、第2のレーザ機器2011から出射されたビームは、第2のシャッタ2012、第2の偏光板2013および第2のビーム整形器2014を通過した後、レーザの偏光方向が垂直方向に厳密に制御され、第2の脱偏光ビームスプリッタ2015に入射し、反射基準光と透過信号光を得て、そのうち、反射基準光は第2の基準アーム202に入り、透過光は第2のビーム拡散フィルタユニット203に入る。
【0040】
第2の基準アーム202は、第2の反射ミラー2021と、第2の半波長板2022と、2の集光ミラー2023とを含み、垂直偏光の反射光は、第2の反射ミラー2021、第2の半波長板2022および第2の集光ミラー2023を通過した後、水平方向に沿った偏光方向の球面波基準光Dが得られる。
【0041】
第2のビーム拡散フィルタユニット203は、第1のレンズ2031と、第2のレンズ2032と、第3のローパスフィルタ2033とを含み、垂直偏光の透過信号光を拡散フィルタリングした後、第2の信号アーム204に入射させる。
【0042】
第2の信号アーム204は、第2の光検出器2041と、第2の偏光ビームスプリッタ2042と、第2の空間光変調器2043と、第2のリレーレンズ2044と、第4のローパスフィルタ2045と、第2のフーリエレンズ2046とを含み、垂直偏光の信号光は、第2の偏光ビームスプリッタ2042に入射すると、反射のみが起こり、第2の空間光変調器2043は、入力信号を反射光にロードした後、その偏光方向を90°回転させて水平偏光の信号光に変え、再び反射し、水平偏光の信号光は、第2の偏光ビームスプリッタ2042に戻り、透過のみが起こり、第2のリレーレンズ2044、第4のローパスフィルタ2045および第2のフーリエレンズ2046を通過した後、水平偏光の信号光Cとなる。ここで、第2のリレーレンズ2044から第2の空間光変調器2043への結像が第2のフーリエレンズ2046の前側焦点面にある。
【0043】
上記水平偏光の信号光Cと球面波基準光Dは、記憶媒体300で干渉してホログラムを形成して記録するP記録チャネルを構成する。ここで、記憶媒体300は、第2のフーリエレンズ2046の後側焦点面にある。
【0044】
記憶媒体を移動させることで、記憶媒体の両面にシフト多重化記憶を同時に行うことができ、直交偏光の非干渉特徴により、記憶媒体の上下両面にホログラムの記憶を同時に行う。
【0045】
読み取る時に、第1の空間光変調器1043には入力信号がなく、その反射ビームはまだ水平偏光方向にあり、第1の偏光ビームスプリッタで信号光チャネルに反射できず、信号光はゼロであり、垂直方向に沿って偏光した基準光Bのみがあり、そして、基準光Bは、記憶媒体300に入射した後に回折され、回折された光は、信号を運んで元の信号光Aの方向に沿って第2の信号アーム204に入り、第2のフーリエレンズ2046により逆フーリエ変換され、第2のリレーレンズ2044により結像され、第4のローパスフィルタ2045によりフィルタリングされた後、第2の偏光ビームスプリッタ2042に入射し、この時、反射光のみがあり、その反射光は第2の光検出器2041で受光される。同様に、第2の空間光変調器2043には出力信号がなく、その反射ビームはまだ垂直偏光方向にあり、第1の偏光ビームスプリッタで信号光チャネルに透過できず、信号光はゼロであり、水平方向に沿って偏光した基準光Dのみがあり、そして、基準光Dは、記憶媒体300に入射した後に回折され、回折された光は、信号を運んで元の信号光Cの方向に沿って第1の信号アーム104に入り、第1のフーリエレンズ1046により逆フーリエ変換され、第1のリレーレンズ1044により結像され、第2のローパスフィルタ1045によりフィルタリングされた後、第1の偏光ビームスプリッタ1042に入射し、この時、透過光のみがあり、その透過光は第1の光検出器1041で受光される。
【0046】
実施例2
図4に示すように、本実施例によって提供される両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶装置は、第1の光ヘッド100と、第2の光ヘッド200と、記憶媒体300とを含む。ここで、第1の光ヘッド100は、具体的には、第1のレーザ出力ユニット101と、第1のビーム結合ユニット105と、第1の基準アーム102と、第1の送受信ユニット106とを含み、垂直方向に沿った偏光方向の信号光Aと基準光Bとのビームを発生させるために使用される。第2の光ヘッド200は、具体的には、第2のレーザ出力ユニット101と、第2のビーム結合ユニット105と、第2の基準アーム102と、第2の送受信ユニット106とを含み、水平方向に沿った偏光方向の信号光Cと基準光Dとのビームを発生させるために使用される。
【0047】
具体的な実施プロセスは以下のとおりである。第1のレーザ出力ユニット101は、第1のレーザ機器1011と、第1のシャッタ1012と、第1の偏光板1013と、第1のビーム整形器1014とから構成される。具体的には、第1のレーザ機器1011から出射されたビームは、第1のシャッタ1012、第1の偏光板1013および第1のビーム整形器1014を通過した後、レーザが水平方向に対して45°偏光し、第1のビーム結合ユニット105に入射する。
【0048】
第1のビーム結合ユニット105は、第3の偏光ビームスプリッタ1051と、第3の空間光変調器1052と、第3の反射ミラー1053と、第3のリレーレンズ1054と、第5のローパスフィルタ1055とから構成され、入力光を同軸の信号光と基準光に変換し、ビームを拡散して第1の送受信ユニット106に出力することができる。具体的には、第3の偏光ビームスプリッタ1051は、入力光を垂直方向に偏光した反射基準光と、水平方向に偏光した透過光に分解し、透過光は第3の反射ミラー1053で反射されて第3の空間光変調器1052に照射され、第3の空間光変調器1052は入力信号を光にロードして反射し、反射された信号光は第3の偏光ビームスプリッタ1051に戻り、透過されて反射基準光と結合し、最後に、結合された光は、第3のリレーレンズ1054で結像され、第5のローパスフィルタ1055でフィルタリングされた後に第1の送受信ユニット106に出力される。
【0049】
第1の送受信ユニット106は、第4の偏光ビームスプリッタ1061と、第3の半波長板1065と、第3のフーリエレンズ1062と、第1の結像レンズ1063と、第3の光検出器1064とから構成され、受信された信号光を基準光から分離するとともに、信号を読み取る時に第2の光ヘッド200の再生信号光を受信するために使用される。具体的には、入力光における垂直偏光の基準光成分は、第4の偏光ビームスプリッタ1061により反射されて第1の基準アーム102に出力され、入力光における水平偏光の信号光成分は透過され、第3の半波長板1065によりその偏光方向が垂直方向に調整され、第3のフーリエレンズ1062により収束されて、偏光方向垂直の信号光Aが形成される。
【0050】
第1の基準アーム102は、第1の反射ミラー1021と、第1の集光ミラー1023とを含み、垂直偏光の反射光は、第1の反射ミラー1021、第1の集光ミラー1023を通過した後、垂直方向に沿った偏光方向の球面波基準光Bが得られる。
【0051】
上記垂直偏光の信号光Aと球面波基準光Bは、記憶媒体300で干渉してホログラムを形成して記録するS記録チャネルを構成する。ここで、記憶媒体300は、第3のフーリエレンズ1062の後側焦点面にある。
【0052】
同様に、第2のレーザ出力ユニット201は、第2のレーザ機器2011と、第2のシャッタ2012と、第2の偏光板2013と、第2のビーム整形器2014とから構成される。具体的には、第2のレーザ機器2011から出射されたビームは、第2のシャッタ2012、第2の偏光板2013および第2のビーム整形器2014を通過した後、レーザが水平方向に対して45°偏光し、第2のビーム結合ユニット205に入射する。
【0053】
第2のビーム結合ユニット205は、第5の偏光ビームスプリッタ2051と、第4の空間光変調器2052と、第4の反射ミラー2053と、第4のリレーレンズ2054と、第6のローパスフィルタ2055とから構成され、入力光を同軸の信号光と基準光に変換し、ビームを拡散して第2の送受信ユニット206に出力することができる。具体的には、第54の偏光ビームスプリッタ2051は、入力光を垂直方向に偏光した反射基準光と、水平方向に偏光した透過光に分解し、透過光は第4の反射ミラー2053で反射されて第4の空間光変調器2052に照射され、第4の空間光変調器2052は入力信号を光にロードして反射し、反射された信号光は第5の偏光ビームスプリッタ2051に戻り、透過されて反射基準光と結合し、最後に、結合された光は、第4のリレーレンズ2054で結像され、第6のローパスフィルタ2055でフィルタリングされた後に第2の送受信ユニット206に出力する。
【0054】
第2の送受信ユニット206は、第6の偏光ビームスプリッタ2061と、第4のフーリエレンズ2062と、第2の結像レンズ2063と、第4の光検出器2064とから構成され、受信された信号光を基準光から分離するとともに、信号を読み取る時に第1の光ヘッド100の再生信号光を受信するために使用される。具体的には、入力光における垂直偏光の基準光成分は、第6の偏光ビームスプリッタ2061により反射されて第2の基準アーム202に出力され、入力光における水平偏光の信号光成分は透過し、第4のフーリエレンズ2062により収束されて、偏光方向水平の信号光Cが形成される。
【0055】
第2の基準アーム202は、第2の反射ミラー2021と、第4の半波長板2022と、第2の集光ミラー2023とを含み、垂直偏光の反射光は、第2の反射ミラー2021により反射され、第4の半波長板2022によりその偏光方向が水平方向に調整された後、第2の集光ミラー2023により収束されて、水平方向に沿った偏光方向の球面波基準光Dが得られる。
【0056】
上記水平偏光の信号光Cと球面波基準光Dは、記憶媒体300で干渉してホログラムを形成して記録するP記録チャネルを構成する。ここで、記憶媒体300は、第3のフーリエレンズ2062の後側焦点面にある。
【0057】
記憶媒体を移動させることで、記憶媒体の両面にシフト多重化記憶を同時に行うことができ、直交偏光の非干渉特徴により、記憶媒体の上下両面にホログラムの記憶を同時に行う。
【0058】
読み取る時に、第3の空間光変調器1052には入力信号がなく、第1のビーム結合ユニット105は、偏光方向垂直の基準光Bのみを出力し、基準光Bは、記憶媒体300に入射して回折され、回折された光は、信号を運んで元の信号光Aの方向に沿って第2の光ヘッド200に入り、第4のフーリエレンズ2062により逆フーリエ変換され、第6の偏光ビームスプリッタ2061により反射され、第2の結像レンズ2063により結像された後、第4の光検出器2064により信号が読み取られる。同様に、第4の空間光変調器2052には入力信号がなく、第2のビーム結合ユニット205は、偏光方向水平の基準光Dのみを出力し、基準光Dは、記憶媒体300に入射して回折が起こり、回折された光は、信号を運んで元の信号光Cの方向に沿って第1の光ヘッド100に入り、第3のフーリエレンズ1062により逆フーリエ変換され、第3の半波長板1065によりその偏光方向が垂直方向に調整され、第4の偏光ビームスプリッタ2061により反射され、第1の結像レンズ1063により結像された後、第3の光検出器1064により信号が読み取られる。
【0059】
実施例3
本実施例は、記憶媒体の両側に対称的に設けられた第1の光ヘッドと第2の光ヘッドによって情報の記録/読み取りを同時にまたは別々に行い、第1の光ヘッドによって記録された情報を第2の光ヘッド中の読取装置で読み取り、第2の光ヘッドによって記録された情報を第1の光ヘッド中の読取装置で読み取る両面同時記録/読み取りホログラフィック記憶方法を提供する。
【0060】
当該方法の具体的なステップは、以下のとおりである。S1.第1の光ヘッドを用いて、垂直方向に沿った偏光方向の信号光と基準光を導いてS記録チャネルを構成し、第2の光ヘッドを用いて、同じ位置で水平方向に沿った偏光方向の信号光と基準光を導いてP記録チャネルを構成し、同一の光ヘッドによって導かれた信号光と基準光は、記憶媒体の同じ位置で干渉して、入力信号を記録するためのホログラムを形成する。
【0061】
S2.記憶媒体を移動させ、記憶媒体の面内で線形シフト多重化と円周方向の回転多重化を行い、ステップS1を繰り返し、記憶媒体の上下両側の全面に渡ってシフト多重化記憶を同時に行う。
【0062】
S3.元のS記録チャネルの基準光を用いて、記録されたホログラムを対応する位置で再生し、その回折光は、記憶媒体を透過してPチャネル中の読取装置によって読み取られ、元のP記録チャネルの基準光を用いて、記録されたホログラムを対応する位置で再生し、その回折光は、記憶媒体を透過してSチャネル中の読取装置によって読み取られる。
【0063】
以上の実施例では、前記第1のレーザ機器1011および第2のレーザ機器2012は波長405nmの半導体レーザ機器であり、前記第1の空間光変調器1043および第2の空間光変調器2043は反射型液晶空間光変調器であり、前記第3の空間光変調器1052および第4の空間光変調器2052はデジタル顕微鏡デバイスである。
【0064】
明らかに、本発明の上記実施例は、本発明の技術的解決手段を明確に説明するための例に過ぎず、本発明の具体的な実施形態を限定するものではない。本特許請求の範囲の精神および原則の範囲内で行われた修正、同等の代替、改良などは、いずれも本特許請求の範囲の保護の範囲に含まれるべきである。