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特許7128285管状ストランドを測定する方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】管状ストランドを測定する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 15/02 20060101AFI20220823BHJP
   B29C 48/09 20190101ALI20220823BHJP
   B29C 48/92 20190101ALI20220823BHJP
【FI】
G01B15/02 C
B29C48/09
B29C48/92
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2020544597
(86)(22)【出願日】2019-02-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-24
(86)【国際出願番号】 EP2019054703
(87)【国際公開番号】W WO2019166420
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2020-11-11
(31)【優先権主張番号】102018104705.3
(32)【優先日】2018-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511082609
【氏名又は名称】シコラ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(74)【代理人】
【識別番号】100142572
【弁理士】
【氏名又は名称】水内 龍介
(72)【発明者】
【氏名】ホレ アルミン
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102016109087(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0123467(US,A1)
【文献】国際公開第2016/139155(WO,A1)
【文献】特開2004-347425(JP,A)
【文献】特開平11-281331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 15/00-15/08
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1GHz~6000GHzの周波数範囲内の少なくとも1つの放射源からの電磁放射が管状ストランド(16、116、216)の内部から内側(36)に向けられ、前記管状ストランド(16、116、216)によって反射された電磁放射が少なくとも1つの放射レシーバによって受け取られ、前記管状ストランド(16、116、216)の直径、および/または壁厚、および/または形状の逸脱が、前記受け取られた電磁放射から確認され、
前記電磁放射が、前記管状ストランド(16、116、216)の内周上に分散された前記管状ストランド(16、116、216)の前記内側(36)のいくつかの測定領域に向けられ、
前記電磁放射が、前記管状ストランド(16、116、216)の前記内部に配置され、かつ前記管状ストランド(16、116、216)の長手方向軸の周りを回転する少なくとも1つの放射トランスミッタによって、前記管状ストランド(16、116、216)の前記内側(36)に向けられることを特徴とする、押出装置(10、110、210)から出る管状ストランド(16、116、216)を測定する方法。
【請求項2】
前記押出装置(10、110、210)が、直径、および/または壁厚、および/または形状の逸脱の確認された値に基づいて、制御および/または調整され得ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの放射源および/または前記少なくとも1つの放射レシーバが、前記管状ストランド(16、116、216)の内部に配置されることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの放射源および/または前記少なくとも1つの放射レシーバに、前記押出装置(10、110、210)の押出機ヘッド(20、120、220)から前記少なくとも1つの放射源および/または前記少なくとも1つの放射レシーバまで延びる少なくとも1つの供給ライン(248)を通して、電気エネルギー、データおよび/または冷却剤が供給されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの放射源および/または前記少なくとも1つの放射レシーバが前記管状ストランド(16、116、216)の外部に配置され、前記少なくとも1つの放射源によって放出された放射が少なくとも1つの放射導体を通して前記管状ストランド(16、116、216)の内部に向けられ、前記管状ストランド(16、116、216)によって反射された放射が少なくとも1つの放射導体を通して前記管状ストランド(16、116、216)の内部から前記少なくとも1つの放射レシーバに向けられることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの放射導体が、前記押出装置(10、110、210)の押出機ヘッド(20、120、220)から前記管状ストランド(16、116、216)の内部に向けられることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記電磁放射が、前記管状ストランド(16、116、216)の長手方向軸から始まる前記管状ストランド(16、116、216)の前記内側(36)に、および/または前記管状ストランド(16、116、216)の長手方向軸に垂直に向けられることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの放射トランスミッタが前記少なくとも1つの放射源であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの放射トランスミッタが、前記少なくとも1つの放射源によって照射され、かつ前記管状ストランド(16、116、216)の長手方向軸の周りを回転する少なくとも1つのミラー(26、226)であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記管状ストランド(16、116、216)の温度が、前記管状ストランド(16、116、216)の前記内周上の少なくとも1つの測定領域で測定されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
10GHz~3000GHzの周波数範囲内、好ましくは20GHz~1000GHzの周波数範囲内の電磁放射が、前記電磁放射として使用されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記管状ストランド(16、116、216)の測定された部分が、測定中に前記押出装置(10、110、210)に続く較正装置(22、122、222)内に位置することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの放射源から前記管状ストランド(16、116、216)の前記内側(36)に向けられた電磁放射を反射する少なくとも1つの放射リフレクタが前記管状ストランド(16、116、216)の外部に設けられ、前記ストランド材料の屈折率は、この反射された放射から決定されることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの放射リフレクタが、前記較正装置(22、122、222)の金属較正スリーブ(24、124、224)によって形成されることを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
横方向にオフセットして配置された複数の放射トランスミッタ、および/または横方向にオフセットして配置された複数の放射レシーバが使用されることを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
内部から放出される電磁放射が管状ストランド(16、116、216)の内側(36)に向けられるように配置されている1GHz~6000GHzの周波数範囲内の電磁放射のための少なくとも1つの放射源が提供され、さらに、前記管状ストランド(16、116、216)によって反射された電磁放射を受け取るための少なくとも1つの放射レシーバが提供され、前記受け取られた電磁放射から前記管状ストランドの直径、および/または壁厚、および/または形状の逸脱を確認するように設計されている評価装置(44、144、244)が提供され、
前記少なくとも1つの放射源は、前記電磁放射が、前記管状ストランド(16、116、216)の内周上に分散された前記管状ストランド(16、116、216)の前記内側(36)のいくつかの測定領域に向けられるように配置され、
前記電磁放射を前記管状ストランド(16、116、216)の前記内側(36)に向けるために、前記管状ストランド(16、116、216)の内部に配置され、前記管状ストランド(16、116、216)の長手方向軸の周りを回転する少なくとも1つの放射トランスミッタが提供されることを特徴とする、押出装置(10、110、210)から出る管状ストランド(16、116、216)を測定するための装置。
【請求項17】
直径、および/または壁厚、および/または形状の逸脱の前記確認された値に基づいて、前記押出装置(10、110、210)を制御および/または調整する制御および/または調整装置(44、144、244)も提供されることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの放射源および/または前記少なくとも1つの放射レシーバが、前記管状ストランド(16、116、216)の内部に配置されることを特徴とする、請求項16または17に記載の装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つの放射源および/または前記少なくとも1つの放射レシーバに、電気エネルギー、データおよび/または冷却剤を供給するために、前記押出装置(10、110、210)の前記押出機ヘッド(20、120、220)から前記少なくとも1つの放射源および/または前記少なくとも1つの放射レシーバまで延びる少なくとも1つの供給ライン(248)が提供されることを特徴とする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つの放射源および/または前記少なくとも1つの放射レシーバが前記管状ストランド(16、116、216)の外部に配置され、前記少なくとも1つの放射導体が提供され、前記少なくとも1つの放射源によって放出された放射を前記管状ストランド(16、116、216)の内部に向け、前記管状ストランド(16、116、216)によって反射された放射が前記管状ストランド(16、116、216)の内部から前記少なくとも1つの放射レシーバに向けられることを特徴とする、請求項16または17に記載の装置。
【請求項21】
前記少なくとも1つの放射導体が、前記押出装置(10、110、210)の押出機ヘッド(20、120、220)から前記管状ストランド(16、116、216)の内部に向けられることを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記少なくとも1つの放射源は、前記電磁放射が、前記管状ストランドの長手方向軸から始まる前記管状ストランド(16、116、216)の前記内側(36)に、および/または前記管状ストランドの長手方向軸に垂直に向けられるように配置されることを特徴とする、請求項16~21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つの放射トランスミッタが前記少なくとも1つの放射源であることを特徴とする、請求項16~22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つの放射トランスミッタが、前記少なくとも1つの放射源によって照射され、かつ前記管状ストランド(16、116、216)の長手方向軸の周りを回転するミラー(26、226)であることを特徴とする、請求項16~22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記管状ストランド(16、116、216)の内周上の少なくとも1つの測定領域で前記管状ストランド(16、116、216)の温度を測定するために、温度センサが提供されることを特徴とする、請求項16~24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記少なくとも1つの放射源が、10GHz~3000GHzの周波数範囲内、好ましくは20GHz~1000GHzの周波数範囲内の電磁放射を放出することを特徴とする、請求項16~25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記装置は、前記管状ストランド(16、116、216)の測定された部分が、測定中に前記押出装置(10、110、210)に続く較正装置(22、122、222)内に位置するように配置されることを特徴とする、請求項16~26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
前記放射源から前記管状ストランド(16、116、216)の前記内側(36)に向けられた電磁放射を反射する前記管状ストランド(16、116、216)の外部に少なくとも1つの放射リフレクタが設けられ、前記評価装置(44、144、244)が、この反射された放射から前記ストランド材料の屈折率を決定するように設計されていることを特徴とする、請求項16~27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
前記少なくとも1つの放射リフレクタが、前記較正装置(22、122、222)の金属較正スリーブ(24、124、224)によって形成されることを特徴とする、請求項27または28に記載の装置。
【請求項30】
横方向にオフセットして配置された複数の放射トランスミッタ、および/または横方向にオフセットして配置された複数の放射レシーバが設けられることを特徴とする、請求項16~29のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押出装置から出る管状ストランドを測定するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
押出装置では、例えば、造粒されて供給されたプラスチックが溶融され、流動性のあるプラスチックが環状隙間を通して管状ストランドとして排出される。次に、管状ストランドは、較正スリーブを備えた較正装置に入り、較正スリーブの内面に、例えば真空(真空タンク)を適用することによって管状ストランドが押し付けられる。続いて、管状ストランドは冷却セクションを通過し、冷却セクションでは、ストランドの外部に、例えば冷却水などの冷却液が噴霧される。
【0003】
直径、壁厚、または所定の形状からの逸脱など、管状ストランドの特定の幾何学的パラメータを、これに基づいて押出プロセスに修正的に介入するために早期に確認することが望まれる。
【0004】
テラヘルツ放射によりストランドの直径および/または壁厚を測定するための方法および装置は、国際公開第2016/139155号(特許文献1)から知られている。放射トランスミッタによって、テラヘルツ放射は測定対象のストランドに向けられ、ストランドによって反射されたテラヘルツ放射は放射レシーバによって受け取られる。評価装置は、例えば、ランタイム測定に基づいてストランドの直径または壁厚などの幾何学的パラメータを確認することができる。
【0005】
管状押出システムを調整および制御するための方法が、独国特許第102016109087号明細書(特許文献2)から知られており、直径、壁厚、形状の任意の逸脱、および溶融管のたるみが、押出ダイと後続の較正装置との間のいくつかの点で確認され、これらの測定値、またはそれらからそれぞれ計算されたデータは、押出システムを調整および制御するために使用される。測定のために、いくつかの測定センサが、押出システムと較正装置との間の中間領域にある溶融管の外周上に分散して配置されている。
【0006】
前述の測定方法に加えて、超音波センサを使用して管状ストランドの幾何学的パラメータを測定することも知られている。
【0007】
独国特許第102016109087号明細書(特許文献3)に記載されている方法では、測定センサが、押出システムを出た後、較正装置に入る前に、管状ストランドを外部から測定するという点で、望ましくない幾何学的逸脱を検出した際に押出システムの制御により速く介入することが可能であると考えられる。しかしながら、既知の方法の欠点は、較正装置に入る前に、管状ストランドが依然として較正装置内のその特定の最終的なジオメトリから大幅に逸脱する可能性があることである。したがって、既知の方法を使用して確認された測定値は、対応する不正確さを伴う可能性がある。管状ストランドが較正装置を出た後に既知の測定方法を使用して測定することにより、すなわち、管状ストランドが再び外部から測定できるようになるときに、測定された幾何学的値がストランドの最終的なジオメトリに近づくことが保証される。しかしながら、そのように遅く測定された値に基づいてなされた押出システムにおけるそのような調整介入は、その間にかなりのスクラップを生じさせる結果となる。さらに、既知の方法を使用して冷却セクションの領域で測定することは、上述のようにストランドの外部に冷却液が加えられるため、問題がある。したがって、特にテラヘルツ放射を使用する測定は、測定経路にある冷却液によって損なわれる。
【0008】
既知の測定方法の別の問題は、ストランドの外面のデフォーカス効果である。これにより、ストランドの外面に向けられた放射は、ストランドから反射された後、信号強度が大幅に低下した状態でのみ放射センサに戻る可能性がある。特に、厚い壁厚のストランドまたは強く吸収する材料を有するストランドの場合、対応する大きな放射吸収が厚い壁厚または強く吸収する材料にそれぞれ関連付けられるため、これは大きな問題となる。さらに、ストランドの円周上に分散されたいくつかの測定点で前述の幾何学的パラメータを確認することがしばしば望まれる。これを達成するために、既知の方法では、複数のセンサを円周上に分散させて配置する必要があり、正確な測定結果を得るために、センサを正確な円形経路に配置する必要がある。これは、実際には厳しい動作条件が存在することを考慮すると、重大な問題である。最後に、既知の方法は、特に大径の管状ストランドの場合、放射センサが設けられるため、かなりの追加の設置スペースを必要とする。さらに、技術的な理由から、押出システムは、押出機ヘッドの環状隙間と較正スリーブとの間の経路ができるだけ小さくなるように設計されることが好ましい。これは非常に限られた空間条件をもたらす。さらに、環状隙間と較正スリーブとの間の押出物は、通常、特にたるみが頻繁に発生する初期段階では、センサに対して完全に直角に配向されない。これにより、信号損失が発生する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】国際公開第2016/139155号
【文献】独国特許第102016109087号明細書
【文献】独国特許第102016109087号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
説明された先行技術に基づいて、本発明の目的は、押出された管状ストランドの幾何学的パラメータを、設置スペースをほとんど必要とせず正確な方法で押出された後、可能な限り早期に確認できる前述のタイプの方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、独立請求項1および18を通じて目的を達成する。有利な実施形態は、従属請求項、明細書および図面に開示されている。
【0012】
前述のタイプの方法のために、本発明は、1GHz~6000GHzの周波数範囲内の少なくとも1つの放射源からの電磁放射が管状ストランドの内部から内側に向けられ、管状ストランドによって反射された電磁放射が少なくとも1つの放射レシーバによって受け取られ、管状ストランドの直径、および/または壁厚、および/または形状の逸脱が、受け取られた電磁放射から確認されるという点で目的を達成する。
【0013】
前述のタイプの装置のために、本発明は、内部から放出される電磁放射が管状ストランドの内側に向けられるように配置されている1GHz~6000GHzの周波数範囲内の電磁放射のための少なくとも1つの放射源が提供され、さらに、管状ストランドによって反射された電磁放射を受け取るための少なくとも1つの放射レシーバが提供され、受け取られた電磁放射から管状ストランドの直径、および/または壁厚、および/または形状の逸脱を確認するように設計されている評価装置が提供されるという点で目的を達成する。
【0014】
本発明に従って測定される管状ストランドは、特に、押出装置から出る中空の円筒形プラスチックストランドである。管状ストランドは1メートルを超える外径を有することができる。これは、対応する厚い壁厚に関連付けられる。本発明は基本的に、電磁放射が放射源から管状ストランドに向けられ、そこから反射された放射が放射レシーバによって受け取られる、従来技術で既に説明された測定原理に基づいている。本発明によれば、1GHz~6000GHzの周波数範囲内の電磁放射が使用される。この周波数範囲内の放射の利点は、例えば、可視周波数範囲内のレーザ放射とは対照的に、押出プロセス中に発生するような外部の影響をほとんど受けない。例えば、ランタイム測定に基づいて、外径、壁厚、および/または所定の、例えば円筒形状からの逸脱などの幾何学的パラメータは、それ自体既知の方法で確認することができる。特に実用的な方法では、放射源および放射レシーバを、いわゆるトランシーバとしてコンポーネントに統合することができる。壁厚を確認するために、押出されたストランドが少なくとも部分的に透過性である波長範囲内で電磁放射が使用される。
【0015】
従来技術とは対照的に、本発明によれば、少なくとも1つの放射源からの電磁放射は、外部からではなく、管状ストランドの内部から内側に向けられる。電磁放射の一部は、それに対応して最初にストランドの内面から反射され、次に説明したように放射源と共通の成分を形成できる放射レシーバに戻る。電磁放射の別の部分は、管状ストランドの壁に浸透し、管状ストランドの外面によって反射される。外面から反射されたこの放射成分も、放射レシーバに戻る。例えば、ストランドの壁厚は、記載された放射成分間のランタイムの違いから確認できる。さらに、例えば、ストランドの長手方向軸から始まる管状ストランドの内側に電磁放射を送る場合、半径とそれに対応するストランドの直径は、ストランドの外面によって反射された放射成分のランタイム測定から決定できる。本発明による測定が、例えば、ストランドの内周に分散された様々な測定点で実行される場合、異なる測定点での直径の逸脱は、特定のランタイム測定から確認することもでき、したがって、所定の形状、特に円形、すなわち、例えば楕円形からのストランドの外径または内径の逸脱も確認できる。
【0016】
従来技術を超える重要な利点は、本発明に従って管状ストランドの内側から測定することによって実現される。ストランド内壁の曲率は放出された放射に集束効果を有するため、壁厚が厚い場合でも、放射レシーバは常に高い信号強度を受信する。光学的な観点から、この配置は、外部からの前述の従来技術の測定と比較して最適である。測定センサは管状ストランドで囲まれた内側の領域に配置されているため、ストランドの外周の周りの領域は空いたままである。まず、これにより必要な設置スペースを大幅に削減でき、これは、特に大径のストランドで重要である。さらに、本発明による測定は、管状ストランドの外面が、例えば較正装置の金属較正スリーブによって覆われている領域でも行うことができる。したがって、従来技術とは対照的に、管状ストランドがその最終的なジオメトリから依然として大きく逸脱する可能性がある押出システムと較正装置との間の自由領域では、測定する必要はない。代わりに、本発明によれば、既に較正装置、特に較正スリーブに入った管状ストランドも測定することができ、その結果、較正スリーブによって明確に指定され、最終的な幾何学的パラメータに少なくとも近い幾何学的パラメータが既に決定されている。したがって、例えばストランドの壁厚の測定は、壁厚が円周上にどのように分布しているか、およびこれが製造プロセスに必要な分布に対応しているかどうかについて、非常に明確な情報を既に提供している。さらに、この較正スリーブは、押出装置に直接隣接することができ、管状ストランドが押出装置を出た直後に、測定値は、押出システムを制御またはそれぞれ調整するために利用可能である。スクラップはそれに応じて最小限に抑えることができる。同時に、記載された幾何学的パラメータをいつでも確実に決定することが可能である。
【0017】
本発明の別の利点は、従来技術で通常提供される重量測定が特定の状況で完全に省略され得るか、または重量測定が重複でのみ必要であり得ることである。したがって、本発明に従って確実に確認された測定値により、また押出装置の既知のライン速度を考慮すると、押出中に使用される材料の量は直接推測され得る。
【0018】
少なくとも1つの放射源、またはそれぞれ少なくとも1つの放射レシーバ、特に少なくとも1つのトランシーバに対して、特に管状ストランドの長手方向軸に垂直な平面内に位置決めするための、位置決め装置を提供することが可能である。このようにして、トランシーバの位置を正確に調整でき、ジオメトリの正確な測定がさらに強化される。さらに、赤外線放射を反射するが電磁放射を通過させ、少なくとも1つの放射源および/または少なくとも1つの放射レシーバの熱照射を低減するために測定に使用される、保護カバーを設けることが有利であり得る。広帯域赤外線反射層でそれに対応してコーティングされた耐熱ガラス板が考えられる。このような保護ガラスは、同時に汚れ防止の役割も果たす。
【0019】
さらに、管状ストランドの内周上の少なくとも1つの測定領域に管状ストランドの温度を測定するための温度センサを設けることが可能である。ストランドの温度は、押出プロセスを制御するために重要であり得る。例えば、PIRセンサが可能である。少なくとも1つの温度センサは、位置の関数として、例えば回転する温度センサの回転角度の関数として、その測定値を送達することができる。
【0020】
さらに、管状ストランドの内面を記録するために、少なくとも1つの空間分解カメラを設けることができる。表面の画像、またはそれぞれ押出された材料の表面構造は、適切な方法で押出プロセスを制御またはそれぞれ調整するための測定値としても役立つ。このようにして、内面の欠陥を早期に特定し、場合によっては押出パラメータを変更することで解消できる。例えば、少なくとも1つの放射トランスミッタおよび/または少なくとも1つの放射源と共に回転し得る空間分解カメラとして、ラインスキャンカメラが可能である。さらに、ストランドの内面を照明する空間分解カメラに照明装置を割り当てることができる。決定される特性に応じて、照明は可視白色光、赤外光、またはUV光でも可能である。
【0021】
一実施形態によれば、押出装置は、直径、および/または壁厚、および/または形状の逸脱の確認された値に基づいて、制御および/または調整され得る。上記で説明したように、本発明による測定装置は、押出プロセスの特に迅速な制御またはそれぞれ調整することを可能にし、したがってスクラップを最小限に抑えることを可能にする。
【0022】
別の実施形態によれば、少なくとも1つの放射源および/または少なくとも1つの放射レシーバを、管状ストランドの内部に配置することができる。さらに、少なくとも1つの放射源および/または少なくとも1つの放射レシーバに、押出装置の押出機ヘッドから少なくとも1つの放射源および/または少なくとも1つの放射レシーバまで延びる少なくとも1つの供給ラインを通して、電気エネルギー、データおよび/または冷却剤が供給されることが提供され得る。特に、データ送信はもちろん双方向でも可能である。この実施形態は、少なくとも1つの放射源および少なくとも1つの放射レシーバ、特に少なくとも1つのトランシーバのために内部に十分な空間を提供する大きな管状ストランドに特に有用である。一般に、押出機ヘッドは、シャフトによって回転可能に駆動されるスクリューを有し、シャフトを使用して可塑化プラスチック材料が押出機ヘッドから環状隙間を通って排出されて、管状ストランドを形成する。放射源および/または放射レシーバが管状ストランドの内部に配置されている場合、それに応じて、電気供給および/または冷却液などの冷却剤の供給は、押出機ヘッドを介して管状ストランドの内部に直接行われ得る。例えば、これに関して、少なくとも1つの供給ラインは、押出されたストランドの長手方向に押出機ヘッドを出て、ストランドの内部に入ることができる。少なくとも1つの供給ラインは、例えば、押出機スクリューによって囲まれた押出機ヘッドの中心シャフトを通って延びることができる。そのような電気供給または冷却剤供給の代わりに、電池および/またはペルチェ素子などの冷却素子からの供給が存在することも原理的に考えられるであろう。
【0023】
別の実施形態によれば、少なくとも1つの放射源および/または少なくとも1つの放射レシーバが管状ストランドの外部に配置され、少なくとも1つの放射源によって放出された放射が少なくとも1つの放射導体を通して管状ストランドの内部に向けられ、管状ストランドによって反射された放射が少なくとも1つの放射導体を通して管状ストランドの内部から少なくとも1つの放射レシーバに向けられることが提供され得る。この実施形態は、ストランドの内部に利用可能な余地がほとんどない比較的小さい直径を有するストランドで特に非常に有用である。さらに、それにより、少なくとも1つの放射源および少なくとも1つの放射レシーバは、高温および他の障害から効果的に保護される。中空導体は、例えば、放射導体として可能である。
【0024】
別の実施形態によれば、少なくとも1つの放射導体は、押出装置の押出機ヘッドから管状ストランドの内部に延びることができる。さらに、放射導体は、押出された管状ストランドの長手方向に押出機ヘッド上をストランドの内部に延びることが可能である。例えば、放射導体はまた、押出機スクリューによって囲まれた押出機ヘッドの中心シャフトを通って延びることができる。
【0025】
別の実施形態によれば、電磁放射は、管状ストランドの長手方向軸から始まる管状ストランドの内側に、および/または管状ストランドの長手方向軸に垂直に向けることができる。ストランドの中心から始まる放射のそのような方向は、たとえ単一の測定点のみが与えられる場合でも、直径の決定を可能にする。
【0026】
別の実施形態によれば、電磁放射は、管状ストランドの内周上に分散された管状ストランドの内側のいくつかの測定領域に向けることができる。これにより、ジオメトリを決定する精度を高めることができる。例えば、測定は、少なくとも20個の測定領域、またはそれぞれの測定点、好ましくは少なくとも50個の測定領域、または管状ストランドの内周上に分散されたそれぞれの測定点で行われ得る。
【0027】
別の実施形態によれば、電磁放射は、管状ストランドの内部に配置され、かつ管状ストランドの長手方向軸の周りを回転する少なくとも1つの放射トランスミッタによって、管状ストランドの内側に向けることができる。このようにして、ストランドの内周上に分散された複数の測定点を設けることができる。ストランドの外周上の回転とは対照的に、本発明による配置では、ストランドの内部、特にストランドの中心において、著しく正確で温度安定性のある回転の円形経路が原理的に生じ、これにより、より正確な測定値が得られる。さらに、継続的な回転により、無線リンクは不要である。代わりに、信頼性の高いスリップリング配置は、ストランド内部の中央アタッチメントを使用したデータ送信にも利用できる。放射トランスミッタおよび該当する場合は放射レシーバを備えた測定ヘッドの他は、ストランドの内部に追加の電子機器を配置する必要はない。記載された回転運動用のドライブは、シンプルで堅牢に設計されている。
【0028】
少なくとも1つの放射トランスミッタは、少なくとも1つの放射源であり得る。少なくとも1つの放射源の他に、少なくとも1つの放射レシーバを、ストランドの内部に対応して配置することもでき、それらは一緒に回転することができる。例えば、少なくとも1つの回転トランシーバを設けることができる。
【0029】
あるいは、管状ストランドの内部に配置された少なくとも1つの放射トランスミッタが、少なくとも1つの放射源によって照射され、かつ管状ストランドの長手方向軸の周りを回転する少なくとも1つのミラーであることも可能である。この実施形態では、少なくとも1つの放射源および該当する場合には少なくとも1つの放射レシーバも保護することができ、設置スペースがほとんどないときにストランドの外部に配置することができる。ストランドの内部には回転ミラーのみを配置する必要がある。例えば、ストランドの長手方向の放射導体によってストランドの内部に誘導された電磁放射は、ストランドの内面に対して90°偏向する。ミラーの回転位置に応じて、ストランドの内周全体をカバーして測定できる。ストランドによって反射された放射は次に、回転ミラーによって放射導体に導かれ、放射レシーバに戻る。
【0030】
特に実用的な実施形態によれば、10GHz~3000GHzの周波数範囲内、好ましくは20GHz~1000GHzの周波数範囲内の電磁放射を、電磁放射として使用することができる。そのようなテラヘルツ放射は、本発明による測定に特によく適している。そのようなテラヘルツ放射は、外部の影響をほとんど受けない。例えば、パルスまたは周波数変調された連続波放射(FMCW放射)を使用することができる。
【0031】
別の実施形態によれば、管状ストランドの測定された部分は、測定中に押出装置に続く較正装置内に位置することができる。上記で説明したように、そのような較正装置は、押出されたストランドが例えば真空(真空タンク)を適用することによってまだ柔らかい状態で押し付けられる中空の円筒形較正スリーブをしばしば有する。一方で、これは、まだ流動可能なストランドが崩壊するのを防ぐ。他方で、ストランドの望ましい直径とその外形は、較正スリーブによって明確に決定される。較正装置、特に較正スリーブは、押出装置の押出機ヘッドに直接隣接することができる。したがって、特に、押出機ヘッドと較正装置との間に実質的に隙間がないことが可能である。測定は較正装置で行われ、特にその中心から始まるため、押出されたストランドが較正装置を通過すると、ジオメトリは押出直後、したがって一方では、制御またはそれぞれの調整に好ましい早い時点で、実質的に決定される。その一方で、較正装置内の管状ストランドは、既に最終的なジオメトリに近いジオメトリになっているため、関連する測定値を制御またはそれぞれの調整の基礎として確実に使用できる。前述の従来技術と比較して、外径、壁厚、および形状の任意の逸脱について、はるかに正確な結論が可能である。
【0032】
原理的に、本発明による測定を、例えば水などの冷却液が外部からストランドに適用される、較正装置に続く冷却セクションで実行することも考えられるであろう。本発明による内部からの測定を考慮すると、外部から供給される冷却剤は、前述の従来技術とは対照的に問題ではない。特に、水膜を通しての測定は不必要であり、これは、特に採用されたミリ波放射での浸透性の欠如のために問題である。一方、冷却セクションの領域では、ストランドは既にほぼ寸法的に安定しているため、測定された幾何学的パラメータは最終値にさらに近くなる。したがって、測定値の信頼性をさらに高めることができる。
【0033】
別の実施形態によれば、少なくとも1つの放射源から管状ストランドの内側に向けられた電磁放射を反射する少なくとも1つの放射リフレクタを管状ストランドの外部に設けることができ、ストランド材料の屈折率は、この反射された放射から決定される。屈折率は、原理的に、国際公開第2016/139155号に記載されているように決定することができる。したがって、ストランド材料の屈折率は、既知の壁厚を考慮すると、管状ストランドなしの放射トランスミッタおよびリフレクタ間の電磁放射のランタイムと、管状ストランドのある放射トランスミッタおよびリフレクタ間のランタイムとの比較から推定できる。これを達成するには、ストランドの壁を照射するだけでよい。固定されたリフレクタと放射トランスミッタの位置のみが既知である必要がある。互いからの距離が既知である2つの固定された対向するリフレクタを設けることもできる。円周上の様々な点で屈折率材料を決定することも可能である。対応する較正により、ストランド材料の平均温度は、そこから測定部位で推定することができる。例えば、PIRセンサがストランドの表面温度を測定するのに対し、ストランド壁の温度はこの方法で確認され得る。
【0034】
別の実施形態によれば、少なくとも1つの放射リフレクタは、較正装置の金属較正スリーブによって形成することができる。既に説明したように、較正装置は一般に、例えば真空によって管状ストランドが押し付けられる金属較正スリーブを有する。特に簡単な方法で、この較正スリーブは、屈折率を決定するためのリフレクタとして同時に使用できる。追加のリフレクタの位置決めと保持は省略できる。
【0035】
別の実施形態によれば、横方向にオフセットして配置された複数の放射トランスミッタ、および/または横方向にオフセットして配置された複数の放射レシーバが提供され得る。特に、ストランド材料がまだ流動性である場合、ストランドの内面が所定の円筒形状から逸脱する、いわゆるたるみが発生する可能性がある。形状の逸脱によっては、斜めの表面が発生する可能性があり、表面によって反射された放射が放射レシーバに戻らない可能性がある。このような場合の信号損失を低減またはそれぞれ防止するために、前述の実施形態によれば、複数の放射トランスミッタおよび/または放射レシーバを互いに隣接して配置することができる。例えば、少なくとも3つのトランシーバが互いに隣接して配置されている場合、斜めの表面によって反射されたトランシーバのうちの1つの放射は、他のトランシーバのうちの1つによって受け取られ、それにより測定結果に考慮され得る。互いに隣接して配置されたトランシーバがそれぞれ独立して動作すること、またはトランシーバが別のトランシーバの着信信号を受信および評価できるようにそれらを同期させることが可能である。また、トランシーバのペアの同期が、信号の性質に応じて動的または共同で切り替え可能など、適切な方法で適応可能であることも提供され得る。
【0036】
本発明による方法は、本発明による装置によって実行することができる。本発明による装置は、本発明による方法を実行するように設計することができる。
【0037】
本発明の例示的な実施形態は、図に基づいて以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】第1の実施形態に従って、本発明による装置を備えた設備を断面図で示す。
図2】第2の実施形態に従って、本発明による装置を備えた設備を断面図で示す。
図3】第3の実施形態に従って、本発明による装置を備えた設備を断面図で示す。
図4図2においてA-Aラインに沿った横断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、管状ストランドを押出すための押出装置10を示す。それ自体既知の方法で、押出装置10は、処理されるプラスチック材料を供給するための供給部12を有する。可塑化プラスチック材料は、押出機スクリュー12によって環状隙間14から管状ストランド16に押出される。回転駆動される中心シャフト18は、押出機スクリュー12内を延びる。図示の例では、較正装置22は、押出機ヘッド20に直接隣接し、押出されたストランド16が真空によって押し付けられる金属較正スリーブ24を有する。冷却セクションの冷却管25が較正スリーブに隣接している。
【0040】
図1に示す例では、ミラー26は、押出されたストランド16の内部に、実質的に押出機ヘッド20の直後に、したがって較正装置22内に配置されている。ミラー26はシャフト18に接続され、シャフト18は、モータ28によって回転可能に駆動される。その結果、ミラー26も管状ストランド16の長手方向軸の周りを回転する。さらに、中空導体30もシャフト18内を延び、図示の例では放射源と放射レシーバとを含むトランシーバ32によって放出される電磁放射、好ましくは10GHz~3000GHzの周波数範囲内、より好ましくは20GHz~1000GHzの周波数範囲内のテラヘルツ放射をミラー26に向け、ミラー26は、図1に参照番号34で示すように、この放射をストランド16の内面に対して90°偏向する。一方では、電磁放射は、押出されたストランドの内面36によってミラー26に戻され、そこから中空導体30を介してトランシーバ32に戻される。追加の放射成分は、押出されたストランド16に入り、ストランド16の外側38と較正スリーブ24の内面40との間の境界面で反射され、ミラー26および中空導体30によってトランシーバ32に戻される。
【0041】
トランシーバ32によって受信された測定値は、ライン42を介して評価装置44に送信される。評価装置44は、例えば測定値からのランタイム測定に基づいて、押出されたストランド16の外径、および/または壁厚、および/または形状の任意の逸脱を確認する。さらに、ストランド材料の屈折率は、境界面で反射して金属較正スリーブ24に戻る放射を使用して、上記の方法で決定することもできる。ミラー26の回転を考慮すると、説明された測定は、複数の測定領域について管状ストランド16の円周上に分散され得る。確認された測定値に基づいて、制御装置および/または調整装置を同時に表すこともできる評価装置44は、押出装置を制御および/または調整することができる。
【0042】
別の例示的な実施形態が図2に示され、これは、図1による例示的な実施形態にほぼ対応する。図1の例示的な実施形態とは対照的に、環状隙間114の長手方向軸に垂直に延びる2つの押出機スクリュー112を有する押出装置110が、図2に示されている。押出機スクリュー112は各々、モータ128によって回転可能に駆動される。供給された材料は、環状隙間114を通って排出され、管状ストランド116を形成する。次に、押出装置110の直後に、金属較正スリーブ124を備えた較正装置122が設けられている。冷却セクションの冷却管125も示されている。図2の押出された管状ストランド116は、図1に示される管状ストランド16よりも大きな直径を有することができる。それに対応して、図2の例示的な実施形態では、ストランド116の内部により多くのスペースがある。したがって、この例示的な実施形態では、トランシーバ132がストランドの内部に配置されている。図2に矢印146で示されるように、別のモータ128によって、トランシーバ132は、押出機ヘッド120を通って案内されるシャフト118によって回転可能に駆動される。トランシーバ132は、例えば、スリップリング接触によって、詳細には示されていない外部電源に接続することができる。これらのスリップリング接触を通じて、トランシーバ132の測定値は、所望であれば、破線142で示されるように、評価装置144にも送信され得る。
【0043】
回転トランシーバ132は、図1に関して説明したのと原理的に同じ方法で測定値を記録するため、評価装置144は、これに基づいて、特に管状ストランド116の外径、壁厚、およびの形状の任意の逸脱を決定できる。次に、押出装置110は、これに基づいて調整および/または制御され得る。原理的に、管状ストランド116の内部に回転駆動装置を同様に配置することも考えられるであろう。図4は、トランシーバ132によって放出され、参照番号134で反射して戻された放射を示す。トランシーバの回転中心148および円形経路150も図4に示されている。トランシーバ132を備えた測定ヘッドのハウジングは、参照番号152で示されている。
【0044】
図3は、上記で説明された例示的な実施形態にやはり大部分が対応する別の例示的な実施形態を示す。図3に示される押出装置210は、押出機スクリュー(詳細には示されていない)によって供給された可塑化プラスチック材料を環状隙間214を通して管状ストランド216に排出する。次に、金属較正スリーブ224を備えた較正装置222は、押出機ヘッド220に実質的に直接隣接し、ストランド216は、例えば、真空でそれに押し付けられる。参照番号225は、冷却セクションの冷却管を示す。示されている例では、ストランドの内部には、ミラー226が較正装置222内に位置し、234で示すように、押出機ヘッド220に配置されたトランシーバ232から放出される電磁放射をストランド216の内面に対して90°偏向する。図3に参照番号228で示されるモータによって、トランシーバ232は、矢印246で示されるように、管状ストランド216の長手方向軸の周りでミラー226と共に回転する。供給ライン248は、トランシーバに電気的に供給し、冷却液などの冷却剤を供給する働きをする。
【0045】
さらに、トランシーバ232によって記録された測定値は、供給ライン248を介し、ライン242を介して、評価装置244に供給され得る。測定値の記録、評価装置244による評価、ならびにそれに基づく押出装置210の制御および/または調整は、図3に示す例示的な実施形態において、前述の例示的な実施形態に対応する。図3による例示的な実施形態では、ミラー226およびトランシーバ232は、押出機ヘッド220のプラグインとして測定するために使用できるハウジング250内に位置する。ハウジング250を取り外すことにより、所望の場合、測定装置を簡単に取り外すことができる。
【符号の説明】
【0046】
10、110、210 押出装置
12 供給部
12、112 押出機スクリュー
14、114、214 環状隙間
16、116、216 管状ストランド
18、118 シャフト
20、120、220 押出機ヘッド
22、122、222 較正装置
24、124、224 較正スリーブ
25、125、225 冷却管
26、226 ミラー
28、128、228 モータ
30 中空導体
32、132、232 トランシーバ
34、234 放射
36 ストランドの内面
38 ストランドの外側
40 較正スリーブの内面
42、142、242 ライン
44、144、244 評価装置
146、246 矢印
148 回転中心
150 円形経路
152 ハウジング
248 供給ライン
250 ハウジング
図1
図2
図3
図4