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特許7128296オレフィン重合触媒用遷移金属化合物およびそれを含むオレフィン重合触媒
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】オレフィン重合触媒用遷移金属化合物およびそれを含むオレフィン重合触媒
(51)【国際特許分類】
   C08F 4/6592 20060101AFI20220823BHJP
   C08F 10/00 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
C08F4/6592
C08F10/00 510
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020563546
(86)(22)【出願日】2019-03-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-09
(86)【国際出願番号】 KR2019003018
(87)【国際公開番号】W WO2019216541
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2020-11-09
(31)【優先権主張番号】10-2018-0053513
(32)【優先日】2018-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520161344
【氏名又は名称】ハンファ ソリューションズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】ナ ヨン パク
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン スン イ
(72)【発明者】
【氏名】ラン ファ ピャオ
(72)【発明者】
【氏名】スン ヨン パク
(72)【発明者】
【氏名】ウク ジョン
【審査官】渡辺 陽子
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-533174(JP,A)
【文献】特表2015-533850(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0135597(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0147104(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0299351(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学構造式1で表される、オレフィン重合触媒用遷移金属化合物。
[化学構造式1]
【化1】
(前記化学構造式1において、
前記Mは、ジルコニウム(Zr)およびハフニウム(Hf)のうちいずれか一つであり、
前記Qは、C 1-20アルキルアミド基(Alkylamido group)であり、
前記Xは、窒素(N)であり、
前記R、R、R および は、それぞれ独立して水素であり、
前記、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して水素、C1-20アルキル基、C 6-20アリール基、のうちいずれか一つであり、
前記R12およびR13は、それぞれ独立してC1-20アルキル基、C 6-20アリール基、のうちいずれか一つであるか、又は、互いに連結されて置換若しくは非置換C4-20の環を形成する。)
【請求項2】
前記化学構造式1は、下記の化学構造式1-1ないし1-23のいずれか一つで表される、請求項に記載のオレフィン重合触媒用遷移金属化合物。
【表1】
【請求項3】
下記化学構造式1で表されるオレフィン重合触媒用遷移金属化合物;および
助触媒化合物を含む、オレフィン重合触媒。
[化学構造式1]
【化2】
(前記化学構造式1において、
前記Mは、ジルコニウム(Zr)およびハフニウム(Hf)のうちいずれか一つであり、
前記Qは、C 1-20アルキルアミド基(Alkylamido group)であり、
前記Xは、窒素(N)であり、
前記R、R、R および は、それぞれ独立して水素であり、
前記、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して水素、C1-20アルキル基、C 6-20アリール基であり、
前記R12およびR13は、それぞれ独立してC1-20アルキル基、C 6-20アリール基、のうちいずれか一つであるか、又は、互いに連結されて置換若しくは非置換C4-20の環を形成する。)
【請求項4】
前記助触媒化合物は、下記化学構造式2ないし4で表される化合物の少なくともいずれか一つを含む、請求項に記載のオレフィン重合触媒。
[化学構造式2]
【化3】
(前記化学構造式2において、
nは2以上の整数であり、
はハロゲン原子、C1-20炭化水素基又はハロゲンで置換されたC1-20炭化水素基である。)
[化学構造式3]
【化4】
(前記化学構造式3において、
Dは、アルミニウム(Al)又はホウ素(B)であり、
、RおよびRは、それぞれ独立してハロゲン原子、C1-20炭化水素基、ハロゲンで置換されたC1-20炭化水素基又はC1-20アルコキシ基である。)
[化学構造式4]
[L-H][Z(A)又は[L][Z(A)
(前記化学構造式4において、
Lは、中性又はカチオン性ルイス塩基であり、
[L-H]および[L]は、ブレンステッド酸であり、
Zは、13族元素であり、
Aは、それぞれ独立して置換若しくは非置換C6-20アリール基であるか、又は置換若しくは非置換C1-20アルキル基である。)
【請求項5】
前記化学構造式1は、下記の化学構造式1-1ないし1-23のいずれか一つで表される、請求項に記載のオレフィン重合触媒。
【表2】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オレフィン重合触媒用遷移金属化合物およびそれを含むオレフィン重合触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
オレフィンの重合に用いられる触媒の一つであるメタロセン(Metallocene)触媒は、遷移金属又は遷移金属ハロゲン化合物にシクロペンタジエニル基(Cyclopentadienyl group,Cp)、インデニル基(Indenyl group)、シクロペンタジエニル基(Cycloheptadienyl group)などのリガンドが配位結合された化合物でサンドイッチ構造を基本的な形態として有する。
【0003】
メタロセン触媒は、メタロセン化合物とメチルアルミノキサン(Methylaluminoxane)などの助触媒を含んで構成されるシングルサイト触媒(Single-site catalyst)として、メタロセン触媒で重合された高分子は分子量分布が狭く、共単量体の分布が均一であり、チーグラーナッタ(Ziegler-Natta)触媒に比べて共重合活性度が高い。
【0004】
しかしながら、商業的に利用するにはまだ多くの困難性があるので、100℃以上の高温でも高い活性、高い共重合性を有する触媒の開発および経済性に基づく製造技術が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、新規な構造のリガンドを有するオレフィン重合触媒用遷移金属化合物とそれを含んで高い活性と立体特異性を有するオレフィン重合触媒を提供することにある。
【0006】
しかし、このような課題は例示的なものであり、発明の範囲はこれによって限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の一態様によれば、下記の化学構造式1で表されるオレフィン重合触媒用遷移金属化合物が提供される。
【0008】
[化学構造式1]
【化1】
【0009】
(前記化学構造式1において、前記Mは、チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)およびハフニウム(Hf)のうちいずれか一つであり、前記Qは、それぞれ独立してハロゲン、C1-20アルキル基(alkyl group)、C2-20アルケニル基(alkenyl group)、C2-20アルキニル基(alkynyl group)、C6-20アリール基(Aryl group)、C1-20アルキルC6-20アリール基、C6-20アリールC1-20アルキル基、C1-20アルキルアミド基(Alkylamido group)、C6-20アリールアミド基(Arylamido group)およびC1-20アルキリデン基(Alkylidene group)のうちいずれか一つであり、前記Xは、窒素(N)又はリン(P)であり、前記R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して水素、C1-20アルキル基、C2-20アルケニル基、C2-20アルキニル基、C6-20アリール基、C1-20アルキルC6-20アリール基、C6-20アリールC1-20アルキル基、C1-20アルキルアミド基、C6-20アリールアミド基およびC1-20アルキリデン基のうちいずれか一つであり、前記R12およびR13は、それぞれ独立してC1-20アルキル基、C2-20アルケニル基、C2-20アルキニル基、C6-20アリール基、C1-20アルキルC6-20アリール基、C6-20アリールC1-20アルキル基、C1-20アルキルアミド基、C6-20アリールアミド基およびC1-20アルキリデン基のうちいずれか一つであるか、又は、互いに連結されて置換若しくは非置換C4-20の環を形成し得る。)
【0010】
具体的には、前記Qは、それぞれ独立してハロゲン又はC1-20のアルキルアミド基であり、前記R、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素であり、前記R、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して水素、C1-20アルキル基、フェニル基およびt-ブチル基のうちいずれか一つであり、前記R12およびR13は、それぞれ独立してフェニル基又はC1-20のアルキルであるか、又は互いに連結されて置換若しくは非置換C4-20環を形成し得る。
【0011】
さらに具体的には、前記R12およびR13は、それぞれ独立してフェニル基又はメチルであるか、又は互いに連結されて脂肪族C4-6環を形成し得る。
【0012】
又は、前記R、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して水素、フェニル基、メチル基およびt-ブチル基のうちいずれか一つであり得る。
【0013】
例えば、前記化学構造式1は、下記化学構造式1-1ないし1-23のいずれか一つで表される。
【0014】
【表1】
【0015】
また、上記課題を解決するための本発明の他の態様によれば、オレフィン重合触媒は、下記化学構造式1で表されるオレフィン重合触媒用遷移金属化合物および助触媒化合物を含み得る。
【0016】
[化学構造式1]
【化2】
【0017】
(前記化学構造式1において、
前記Mは、チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)およびハフニウム(Hf)のうちいずれか一つであり、前記Qは、それぞれ独立してハロゲン、C1-20アルキル基(alkyl group)、C2-20アルケニル基(alkenyl group)、C2-20アルキニル基(alkynyl group)、C6-20アリール基(Aryl group)、C1-20アルキルC6-20アリール基、C6-20アリールC1-20アルキル基、C1-20アルキルアミド基(Alkylamido group)、C6-20アリールアミド基(Arylamido group)およびC1-20アルキリデン基(Alkylidene group)のうちいずれか一つであり、前記Xは、窒素(N)又はリン(P)であり、前記R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して水素、C1-20アルキル基、C2-20アルケニル基、C2-20アルキニル基、C6-20アリール基、C1-20アルキルC6-20アリール基、C6-20アリールC1-20アルキル基、C1-20アルキルアミド基、C6-20アリールアミド基およびC1-20アルキリデン基のうちいずれか一つであり、前記R12およびR13は、それぞれ独立してC1-20アルキル基、C2-20アルケニル基、C2-20アルキニル基、C6-20アリール基、C1-20アルキルC6-20アリール基、C6-20アリールC1-20アルキル基、C1-20アルキルアミド基、C6-20アリールアミド基およびC1-20アルキリデン基のうちいずれか一つであるか、又は、互いに連結されて置換若しくは非置換C4-20の環を形成し得る。)
【0018】
ここで、前記Qは、それぞれ独立してハロゲン又はC1-20のアルキルアミド基であり、前記R、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素であり、前記R、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して水素、C1-20アルキル基、フェニル基およびt-ブチル基のうちいずれか一つであり、前記R12およびR13は、それぞれ独立してフェニル基又はC1-20のアルキルであるか、又は互いに連結されて置換若しくは非置換C4-20環を形成し得る。
【0019】
具体的には、前記化学構造式1は、下記化学構造式1-1ないし1-23のいずれか一つで表される。
【0020】
【表2】
【0021】
また、前記助触媒化合物は、下記化学構造式2ないし4で表される化合物の少なくともいずれか一つを含み得る。
【0022】
[化学構造式2]
【化3】
【0023】
(前記化学構造式2において、nは2以上の整数であり、Rはハロゲン原子、C1-20炭化水素基又はハロゲンで置換されたC1-20炭化水素基であり得る。)
【0024】
[化学構造式3]
【化4】
【0025】
(前記化学構造式3において、Dは、アルミニウム(Al)又はホウ素(B)であり、R、RおよびRは、それぞれ独立してハロゲン原子、C1-20炭化水素基、ハロゲンで置換されたC1-20炭化水素基又はC1-20アルコキシ基であり得る。)
【0026】
[化学構造式4]
[L-H][Z(A)又は[L][Z(A)
【0027】
(前記化学構造式4において、Lは、中性又はカチオン性ルイス塩基であり、[L-H]および[L]は、ブレンステッド酸であり、Zは、13族元素であり、Aは、それぞれ独立して置換若しくは非置換C6-20アリール基であるか、又は置換若しくは非置換C1-20アルキル基であり得る。)
【発明の効果】
【0028】
一態様によれば、本発明の遷移金属化合物を含んで高い活性および立体特異性を有するオレフィン重合触媒を製造することができる。
【0029】
また、本発明の別態様による遷移金属化合物を含むオレフィン重合触媒は、合成収率が高く経済的な方法でも容易に製造できるので、商業的な実用性に優れる。
【0030】
本発明の態様による効果は、以上で例示した内容によって制限されず、さらに多様な効果が本明細書内に含まれている。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は、詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は、以下で開示する実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現されるものであり、本実施例は、単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は、請求項の範疇によってのみ定義される。
【0032】
「第1」、「第2」などが多様な構成要素を叙述するために付されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されないのはもちろんである。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために用いられる。
【0033】
本明細書において、用語「CA-B」は、「炭素数がA以上B以下」であることを意味し、用語「A~B」は、「A以上B以下」であることを意味し、用語「置換若しくは非置換」における「置換」は、「炭化水素化合物又は炭化水素誘導体の少なくとも一つの水素がハロゲン、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、C2-20アルキニル、C6-20アリール、C1-20アルキルC6-20アリール、C6-20アリールC1-20アルキル、C1-20アルキルアミド、C6-20アリールアミド又はC1-20アルキリデンで置換された」ことを意味し、「非置換」は、「炭化水素化合物又は炭化水素誘導体の少なくとも一つの水素がハロゲン、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、C2-20アルキニル、C6-20アリール、C1-20アルキルC6-20アリール、C6-20アリールC1-20アルキル、C1-20アルキルアミド、C6-20アリールアミド又はC1-20アルキリデンで置換されていない」ことを意味する。
【0034】
本発明は、新規なリガンド構造を有するオレフィン重合触媒用遷移金属化合物に関する。前記遷移金属化合物を含むオレフィン重合触媒は、高い活性を有して立体特異的構造を有することができる。
【0035】
本発明の一実施形態によるオレフィン重合触媒用遷移金属化合物は、下記化学構造式1で表される。
【0036】
[化学構造式1]
【化5】
【0037】
前記化学構造式1において、前記Mは、チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)およびハフニウム(Hf)のうちいずれか一つであり得る。一例として、Mはジルコニウム又はハフニウムであり得る。
【0038】
前記Qは、それぞれ独立してハロゲン、C1-20アルキル基(alkyl group)、C2-20アルケニル基(alkenyl group)、C2-20アルキニル基(alkynyl group)、C6-20アリール基(Aryl group)、C1-20アルキルC6-20アリール基、C6-20アリールC1-20アルキル基、C1-20アルキルアミド基(Alkylamido group)、C6-20アリールアミド基(Arylamido group)およびC1-20アルキリデン基(Alkylidene group)のうちいずれか一つであり得る。より具体的には、Qはそれぞれ独立してN,N´-メチルアミド基(N、N´-Methylamido,NMe)又はN,N´-エチルアミド基(N、N´-Ethylamido,NEt)であり得る。
【0039】
前記R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して水素、C1-20アルキル基、C2-20アルケニル基、C2-20アルキニル基、C6-20アリール基、C1-20アルキルC6-20アリール基、C6-20アリールC1-20アルキル基、C1-20アルキルアミド基、C6-20アリールアミド基およびC1-20アルキリデン基のうちいずれか一つであり得る。具体的には、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素であり、R、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して水素、C1-20アルキル基又はC6-20アリール基であり得る。さらに具体的には、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素であり、R、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して水素、メチル基、フェニル基(Phenyl group)およびt-ブチル基(t-Butyl group)のうちいずれか一つであり得る。
【0040】
前記R12およびR13は、それぞれ独立してC1-20アルキル基、C2-20アルケニル基、C2-20アルキニル基、C6-20アリール基、C1-20アルキルC6-20アリール基、C6-20アリールC1-20アルキル基、C1-20アルキルアミド基、C6-20アリールアミド基およびC1-20アルキリデン基のうちいずれか一つであるか、又は、互いに連結されて置換若しくは非置換C4-20の環を形成し得る。具体的には、R12およびR13は、C1-20アルキル基又はC6-20アリール基であるか、又は、互いに連結されて置換若しくは非置換C4-20環を形成し得る。より具体的にはR12およびR13は、メチル基又はフェニル基であるか、又は互いに連結されて置換若しくは非置換C4-6環を形成し得る。
【0041】
前記Xは、窒素(N)又はリン(P)であり得る。化学構造式1で表されるオレフィン重合触媒用遷移金属化合物は、フルオレン(Fluorene)構造を有するリガンド構造でフルオレンの1番炭素(C)が窒素(N)又はリン(P)のようなヘテロ(Hetero)原子で置換された構造を有する。前記ヘテロ原子を含むリガンド構造は、炭素のみを含む構造より触媒中心金属(M)周囲の電気的、立体的環境を相異するように調整できる。
【0042】
例えば、炭素に比べて電気陰性度が大きく非共有電子対を有するヘテロ原子は前記リガンド構造の触媒中心金属に電子を提供して金属をさらに安定化させることができる。ヘテロ原子によって安定化した触媒中心金属はオレフィン重合触媒として高い活性を有することができる。
【0043】
また、ヘテロ原子によってオレフィン重合触媒用遷移金属化合物は、特異的な立体的構造を有することができる。ヘテロ原子は炭素とは異なり、フルオレン基内で水素(H)でない非共有電子対(Non-bonding electron)を有する。フルオレンの1番炭素がヘテロ原子で置換される場合、触媒中心金属とヘテロ原子との間で非共有電子対によって電子密度が高い領域が形成できる。これによって、オレフィン単量体は、ヘテロ原子と触媒中心金属との間領域への接近が制限され、前記領域以外の立体効果(Steric effect)が小さい領域に特異的な接近が可能である。したがって、オレフィン単量体が重合される時、オレフィン重合触媒用遷移金属化合物と特定位置で反応するので、製造されたオレフィン重合体も立体的特性が特異的に現れる。
【0044】
本発明のオレフィン重合触媒用遷移金属化合物は、触媒中心金属がヘテロ原子の非共有電子対を介して電子の提供を受けて安定化するため、触媒として高い活性を有することができる。また、オレフィン重合触媒用遷移金属化合物は、ヘテロ原子の非共有電子対によって触媒中心金属間で電子密度が高い領域を形成し得る。したがって、オレフィン単量体の接近時の立体効果が小さい領域にのみ特異的な接近を誘導する構造を有することができ、製造されたオレフィン重合体は立体特異的構造を有することができる。
【0045】
ヘテロ原子は窒素(N)又はリン(P)であり得る。窒素とリンは周期表上15族に位置する元素であり、他の族の元素とは異なりフルオレンの1番炭素(C)に置換されても電荷(charge)を有さず非共有電子対を有することができる。これにより触媒中心金属に電子を提供することもできる。また、窒素とリンはそれぞれ第2周期および第3周期に該当する元素であるため、フルオレン構造に置換されてもオレフィン単量体の接近を妨げない程度の原子大きさを有する。原子の大きさが過度に大きい場合、立体効果によってオレフィン単量体が接近するときに妨げになる。反面、窒素又はリンの場合、触媒中心金属との相互作用により立体効果が小さい領域を形成しながらオレフィン単量体の接近も妨げない程度の適宜の原子大きさを有する。したがって、窒素又はリンで置換されたフルオレン基を含むオレフィン重合触媒用遷移金属化合物は、オレフィン単量体が特異的な接近が可能な立体構造を有することができる。
【0046】
例示的な実施例において、本発明のオレフィン重合触媒用遷移金属化合物は、下記の化学構造式1-1ないし1-23のいずれか一つで表される。
【0047】
【表3】
【0048】
上述した本発明のオレフィン重合触媒用遷移金属化合物は、芳香族化合物に窒素又はリンの前駆体を反応させる方法で合成できる。
【0049】
1番炭素がヘテロ原子で置換されたフルオレンを合成する方法を一例として説明すると、前記オレフィン重合触媒用遷移金属化合物は、インダノン(Indanone)又はその誘導体を出発物質として窒素又はリンを含む前駆体を反応させて製造できる。ここで、インダノン誘導体はインダノンの4番~7番炭素位置に水素又は炭素数1~6のアルキル基又はアリール基が結合された構造を有し得る。そして、窒素又はリンを含む前駆体として炭素数3~7のアルキン(Alkyne)基にアミン基又はホスホ基などが結合された前駆体を利用することができる。一実施例として、前記窒素を含む前駆体はプロパルギルアミン(Propargylamine)であり得、前記リンを含む前駆体はプロパルギルホスフィン(Propargylphosphine)であり得る。ただし、これに制限されるものではなく、フルオレンが有する置換体の構造に応じて窒素又はリンを含む前駆体の構造が変わる。
【0050】
他の例として、前記オレフィン重合触媒用遷移金属化合物は、脱水素環化反応(Dehydrocyclization)により製造することもできる。一実施例として、2-メチル-3-フェニルピリジン(2-Methyl-3-phenylpyridine)誘導体又は2-メチル-3-フェニルホスホリン(2-Methyl-3-phenylphosphorine)誘導体を出発物質として、脱水素環化反応により製造することもできる。ただし、本発明は、これに限定されるものではない。
【0051】
一方、本発明の一実施例によれば、オレフィン重合触媒は前述したオレフィン重合触媒用遷移金属化合物のいずれか一つと助触媒化合物を含み得る。
【0052】
助触媒化合物は、下記化学構造式2ないし4で表される化合物の少なくともいずれか一つを含み得る。
【0053】
[化学構造式2]
【化6】
【0054】
前記化学構造式2において、nは2以上の整数であり、Rはハロゲン原子、C1-20炭化水素基又はハロゲンで置換されたC1-20炭化水素基であり得る。一例として、前記Rはメチル、エチル、n-ブチル又はイソブチルであり得るが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0055】
[化学構造式3]
【化7】
【0056】
前記化学構造式3において、Dは、アルミニウム(Al)又はホウ素(B)であり、R、RおよびRは、それぞれ独立してハロゲン原子、C1-20炭化水素基、ハロゲンで置換されたC1-20炭化水素基又はC1-20アルコキシ基であり得る。一例として、前記Dがアルミニウムである時、前記R、RおよびRは、それぞれ独立してメチル又はイソブチルであり得、前記Dがホウ素である時、R、RおよびRは、それぞれペンタフルオロフェニルであり得るが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0057】
[化学構造式4]
[L-H][Z(A)又は[L][Z(A)
【0058】
前記化学構造式4において、Lは中性又はカチオン性ルイス塩基であり、[L-H]および[L]はブレンステッド酸であり、Zは13族元素であり、Aはそれぞれ独立して置換若しくは非置換C6-20アリール基であるか、又は置換若しくは非置換C1-20アルキル基であり得る。一例として、前記[L-H]はジメチルアニリニウムカチオンであり得、[Z(A)は[B(Cであり得、[L]は[(C)3であり得るが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0059】
一方、オレフィン重合触媒は担体をさらに含み得る。
【0060】
担体は、オレフィン重合触媒用遷移金属化合物と助触媒化合物を担持できるものであれば特に制限されない。例示的な実施例における担体は、炭素、シリカ(Silica)、アルミナ(Al)、ゼオライト(Zeolite)、塩化マグネシウム(MgCl)などであり得る。
【0061】
このとき、担体にオレフィン重合触媒用遷移金属化合物および助触媒化合物を担持する方法としては、物理的吸着方法又は化学的吸着方法が用いられる。例えば、物理的吸着方法は、オレフィン重合触媒用遷移金属化合物が溶解した溶液を担体に接触させた後乾燥する方法、オレフィン重合触媒用遷移金属化合物と助触媒化合物が溶解した溶液を担体に接触させた後乾燥する方法又はオレフィン重合触媒用遷移金属化合物が溶解した溶液を担体に接触させた後乾燥してオレフィン重合触媒用遷移金属化合物が担持された担体を製造し、これとは別に助触媒化合物が溶解した溶液を担体に接触させた後乾燥して助触媒化合物が担持された担体を製造した後これらを混合する方法などであり得る。
【0062】
また、化学的吸着方法としては担体の表面に助触媒化合物を先に担持させた後、助触媒化合物にオレフィン重合触媒用遷移金属化合物を担持させる方法又は担体の表面の官能基(一例として、シリカの場合、シリカ表面のヒドロキシ基(-OH))と触媒化合物を共有結合させる方法などであり得る。
【0063】
一方、遷移金属化合物を含む主触媒化合物の担持量の総和は、担体1gを基準に0.001mmol~1mmolであり得、助触媒化合物の担持量は担体1gを基準に2mmol~15mmolであり得る。
【0064】
しかしながら、このような担体は、オレフィン重合触媒に必須として含まなければならないものではなく、必要に応じてその使用の有無を適宜選択できる。
【0065】
また、本発明の一実施例によるオレフィン重合触媒下で、オレフィン系単量体を重合させてポリオレフィンを形成することもできる。
【0066】
ポリオレフィンは、一例としてフリーラジカル(Free radical)、カチオン(Cationic)、配位(Coordination)、縮合(Condensation)、添加(Addition)などの重合反応によって重合された単独重合体(Homopolymer)又は共重合体(Copolymer)であり得る。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。
【0067】
一方、ポリオレフィンは、気相重合法、溶液重合法又はスラリー重合法などで製造できる。溶液重合法又はスラリー重合法で製造される場合、使用できる溶媒として、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ノナン、デカンおよびこれらの異性体のようなC5-12脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、ベンゼンのような芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、クロロベンゼンのような塩素原子で置換された炭化水素溶媒およびこれらの混合物などが挙げられ、本発明はこれらにのみ限定されるものではない。
【0068】
ここで、オレフィン系単量体は、C2-20α-オレフィン(α-olefin)、C1-20ジオレフィン(diolefin)、C3-20シクロオレフィン(Cyclo-olefin)およびC3-20シクロジオレフィン(Cyclo-diolefin)からなる群より選ばれた少なくともいずれか一つであり得る。
【0069】
一例として、オレフィン系単量体は、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ハプテン、1-オクテン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-テトラデセンおよび1-ヘキサデセンなどであり得、ポリオレフィンは、前記例示したオレフィン系単量体のうち1種のみ含む単独重合体であるか、又は、2種以上を含む共重合体であり得る。好ましくは、ポリオレフィンは、エチレンと1-オクテンが共重合された共重合体であり得るが、これに限定されるものではない。
【0070】
以下では、本発明のオレフィン重合触媒用遷移金属化合物の具体的な製造例について説明する。
【0071】
<製造例1:化学構造式Aの化合物の製造>
先に、下記の化学反応式1により、化学構造式Aで表される化合物(5)を製造する。
【0072】
[化学反応式1]
【化8】
【0073】
<製造例1-1:9H-Indeno[2,1-b]pyridine(1)の製造>
2-Indanone(5.0g、38mmol)とsodium tetrachloroaurate(III) dihydrate(301mg、2mol%)をエタノール(45mL)に希釈した溶液にプロパルギルアミン(propargylamine)(2.42g、44mmol)をエタノール(5mL)に希釈した溶液を0℃で添加する。そして、温度を徐々に常温に上げた後、78℃で1時間還流しながら攪拌させる。反応が終結すると真空下でエタノールを除去した後、カラムクロマトグラフィー(hexane:ethyl acetate=5:1,v/v)により下記のようなH-NMRスペクトルを有する黒色液体化合物3.27g(52%)が得られる。
H-NMR(CDCl,300MHz):δ 8.47(dd,1H),7.99(dd,1H),7.77(dd,1H),7.58-7.56(m,1H),7.41-7.32(m,2H),7.25(dd,1H),4.00(s,2H).
【0074】
<製造例1-2:(9H-Indeno[2,1-b]pyridin-9-yl)lithium(2)の製造>
前記製造例1-1で製造された9H-indeno[2,1-b]pyridine(1.50g、9.0mmol)(1)をジエチルエーテル(diethyl ether,50mL)に希釈した溶液にn-BuLi(4.19g、9.9mmol、1.6M in hexane)を-30℃でゆっくり添加した後温度を徐々に常温に上げて12時間攪拌させる。その後生成された固体を濾過して真空下で乾燥して赤色固体化合物1.63g(100%)が得られる。
【0075】
<製造例1-3:5-Cyclobutylidene-1,3-cyclopentadiene(3)の製造>
Sodium cyclopentadienylide(80.30g、171mmol、2.0M in THF)をメタノール(120mL)に希釈した溶液にシクロブタノン(6.00g、86mmol)をメタノール(20mL)に希釈した溶液とピロリジン(pyrrolidine)(12.18g、171mmol)をメタノール(20mL)に希釈した溶液を0℃で順にゆっくり添加した後、温度を徐々に常温に上げて12時間攪拌させる。反応が終結した後10%HCl水溶液で中和し、ペンタン(pentane)で抽出して有機層を分離する。そしてMgSOで残っている水を除去した後、真空下ですべての溶媒を除去して下記のようなH-NMRスペクトルを有する黄色オイル化合物1.62g(16%)が得られる。
H-NMR(CDCl,300MHz):δ 6.45-6.43(m,2H),6.30-6.28(d,2H),3.13(t,4H),2.22-2.12(m,2H).
【0076】
<製造例1-4:9-[(2,4-Cyclopentadienyl)-1-cyclobutyl]-indeno[2,1-b]pyridine(4)の製造>
前記製造例1-3で製造された5-cyclobutylidene-1,3-cyclopentadiene(1.54g、13.0mmol)(3)をTHF(8mL)に希釈した溶液に前記製造例1-2で製造された(9H-indeno[2,1-b]pyridin-9-yl)lithium(1.50g、8.66mmol)(2)をTHF(15mL)に希釈した溶液を-78℃でゆっくり滴下して温度を徐々に常温に上げて12時間攪拌させる。そして、0℃で蒸溜水を添加して反応を終結させた後ジクロロメタン(dichloromethane)により抽出して有機層を分離する。MgSOで残っている水を除去した後、カラムクロマトグラフィー(hexane:ethyl acetate=10:1,v/v)で分離して下記のようなH-NMRスペクトルを有する淡褐色固体化合物1.65g(67%)が得られる。
H-NMR(CDCl,300MHz):δ 8.46(m,1H),7.82-7.76(m,1H),7.60-7.54(m,1H),7.45(d,1H),7.33-7.15(m,3H),6.12-5.63(m,3H),4.29(d,1H),3.10-2.99(m,1H),2.85-2.68(m,1H),2.60(s,1H),2.43-2.36(m,2H),2.21(d,1H),1.99-1.88(d,2H).
【0077】
<製造例1-5:Cyclobutylidene [(2,4-cyclopentadienyl)-(9H-indeno[2,1-b]pyridinyl)] zirconium Bis(dimethylamido)(5)の製造>
前記製造例1-4で製造された9-[(2,4-cyclopentadienyl)-1-cyclobutyl]-indeno[2,1-b]pyridine(150mg、0.52mmol)(4)をトルエン(1.5mL)に希釈した溶液にtetrakis(dimethylamido)zirconium(IV)(141mg、0.52mmol)をトルエン(1mL)に希釈した溶液を-30℃でゆっくり添加した後、温度を徐々に常温に上げて12時間攪拌させる。
【0078】
そして、真空下でこれを乾燥して反応溶媒と副生成物を除去した後ヘキサンで洗浄して下記のようなH-NMRスペクトルを有し、化学構造式Aで表される濃紺色固体化合物(5)235mg(97%)が得られる。
H-NMR(benzene-d,300MHz):δ 8.48(d,1H),8.34(d,1H),8.03(d,1H),7.94(d,1H),7.72(t,1H),7.41(t,1H),6.22(t,1H),6.03(t,2H),5.85(t,2H),3.78(q,2H),2.63(s,12H),2.41-2.38(m,2H),2.22-2.17(m,2H).
【0079】
[化学構造式A]
【化9】
【0080】
<製造例2:化学構造式Bの化合物の製造>
前記製造例1-4で製造された化合物(4)を用いて、下記の化学反応式2により化学構造式Bで表される化合物(6)を製造する。
【0081】
[化学反応式2]
【化10】
【0082】
<製造例2-1:Cyclobutylidene [(2,4-cyclopentadienyl)-(9H-indeno[2,1-b]pyridinyl)] hafnium Bis(diethylamido)(6)の製造>
前記製造例1-4で製造された9-[(2,4-cyclopentadienyl)-1-cyclobutyl]-indeno[2,1-b]pyridine(100mg、0.35mmol)(4)をトルエン(2mL)に希釈した溶液にtetrakis(diethylamido)hafnium(IV)(190mg、0.37mmol)をトルエン(1mL)に希釈した溶液を-30℃でゆっくり添加して温度を徐々に常温に上げた後130℃で12時間攪拌させる。そして、真空下で乾燥して反応溶媒と副生成物を除去した後、ヘキサンで洗浄して下記のようなH-NMRスペクトルを有し、化学構造式Bで表される濃紺色固体化合物(6)108mg(46%)が得られる。
H-NMR(benzene-d,300MHz):δ 8.49(d,1H),8.32(d,1H),8.10(d,1H),7.98(d,1H),7.73(t,1H),7.42(t,1H),6.22(t,1H),6.08(t,2H),5.94(t,2H),3.81(q,2H),3.26-3.17(m,4H),3.12-3.01(m,4H),2.50-2.42(m,2H),2.28-2.13(m,2H),0.79(t,12H).
【0083】
[化学構造式B]
【化11】
【0084】
前記の方法により製造された化学構造式AおよびBは、上述したようにフルオレン基の1番炭素が窒素で置換された構造を有する。前記窒素原子は、触媒中心金属であるジルコニウム(Zr)又はハフニウム(Hf)に非共有電子対を介して電子を提供でき、化学構造式AおよびBが特異的な立体構造を有するようにすることができる。これにより触媒中心金属であるジルコニウム又はハフニウムが安定化し、オレフィン系単量体が特異的な位置へのみ接近できるようにすることができる。したがって、化学構造式AおよびBのオレフィン重合触媒用遷移金属化合物は、触媒として高い活性を有し、ヘテロ原子の非共有電子対によって触媒中心金属の間で電子密度が高い領域を形成できる。これによって、オレフィン単量体の接近時立体効果が小さい領域にのみ特異的な接近を誘導する構造を有することができ、製造されたオレフィン重合体は立体特異的構造を有することができる。
【0085】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で製造することができ、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。